JP6994130B1 - サイレージ管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】サイレージの在庫量をリアルタイムで把握でき、サイレージの品質を事前に把握できるサイレージ管理システム及びサイレージ管理方法を提供する。【解決手段】サイロ内のサイレージを管理するサイレージ管理システムにおいて、作業者端末1は、位置測定機能により、作業者の位置を取得し、コンピュータ装置2へ送信する。コンピュータ装置2は、受信した作業者の位置情報に基づいて、サイレージの取出し位置を特定し、特定した取出し位置よりサイロ内のサイレージの在庫量を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、サイレージの在庫量を管理するサイレージ管理システムに関する。また、本発明は、サイレージの品質を事前に把握できるサイレージ管理システムに関する。
反芻家畜に飼料として提供されるサイレージは、反芻家畜の健康及び生産性の向上に大きく貢献している。事業者は、サイレージの在庫量の変化から在庫保有期間の推定を行い、品質変化を把握したうえで、日々の飼料設計を行っている。
多くの場合において、サイレージの在庫量は視覚的な感覚に基づいて推測されており、正確な在庫量の把握ができず、急な在庫切れやサイロの切り替えが発生している。サイレージの取出し位置を、実測値に基づいて推測する方法も存在しているが、作業者への作業負担が増すため広く用いられていない。したがって、サイレージの日々の在庫量の変化を簡単かつ正確に把握するシステムが求められている。
また、サイレージの品質変化を事前に把握するには、サイレージの原料となる牧草などの飼料作物をサイロに詰め込む際に、品質に関わる情報を記録することが重要である。牧草の品質に関わる情報を記録するシステムとして、たとえば、牧草の刈取の際に、刈り取った位置情報を取得し、刈り取った草丈、収量、及び水分量を記録するシステムが開示されている(特許文献1参照)。しかし、バンカーサイロをはじめとした、地上に堆積するサイロへ牧草を詰め込む際に、それらの品質に関わる情報と詰め込んだ位置情報とを紐づけて記録するシステムはなく、事業者がカレンダーに記した不十分な記録と感覚的な管理を余儀なくされてきた。
特開2018-185594号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の第一の目的は、サイレージの在庫量を把握できるサイレージ管理システム及び管理方法を提供することである。
本発明の第二の目的は、サイレージの品質を把握できるサイレージ管理システム及び管理方法を提供することである。
本発明によれば、上記目的は、
[1]作業者が有する作業者端末を備え、サイロ内のサイレージを管理するサイレージ管理システムであって、作業者端末の位置測定機能により、作業者の位置を取得する作業者位置取得手段と、取得した作業者の位置情報に基づいて、サイレージの取出し位置を特定する取出し位置特定手段と、特定した取出し位置よりサイロ内のサイレージの在庫量を算出する在庫量算出手段と、を備えるサイレージ管理システム;
[2]取得した作業者の位置から、作業者の動線を取得する動線取得手段を備え、
取出し位置特定手段が、取得した作業者の動線情報に基づいて、サイレージの取出し位置を特定する、請求項1に記載のサイレージ管理システム;
[3]サイロの形状が4つの頂点を有する四角形状のとき、隣り合う2頂点を結んだ線分のうち、作業者がサイロに侵入する際に横断した線分に対向する線分と、作業者との垂直距離を取得する奥行距離取得手段を備え、取出し位置特定手段が、作業者の動線情報に基づいて、取得した奥行距離が最も短いときの作業者の位置をサイレージの取出し位置とする、[1]又は[2]に記載のサイレージ管理システム;
[4]在庫量算出手段が、サイロの形状が4つの頂点を有する四角形状のとき、隣り合う2頂点を結んだ線分のうち、作業者がサイロに侵入する際に横断した線分の長さ、及び、該線分に対向する線分と取り出し位置までの長さをサイロの形状から算出し、サイレージの高さデータ、横断した線分の長さ、及び取り出し位置までの長さの積からサイロ内のサイレージの体積を算出する、[1]~[3]のいずれかに記載のサイレージ管理システム;
[5]サイレージの高さデータを取得する高さ取得手段を備え、高さ取得手段が、サイロの壁の高さからの推定、取り出し位置のサイレージの断面写真からの推定、又は、高度計により取得した高さデータとサイロの壁の高さデータと取り出し面の写真とを相対的に合わせたAIによる推定により、サイレージの高さデータを取得する、[4]に記載のサイレージ管理システム;
[6]取り出し位置のサイレージの水分情報を取得する水分情報取得手段を備え、在庫量算出手段が、サイレージの水分情報より、サイレージの比重を推計し、該比重とサイレージの体積の積を用いてサイロ内のサイレージの在庫質量を算出する、[4]又は[5]に記載のサイレージ管理システム;
[7]作業者が有する作業者端末を備え、サイロ内のサイレージを管理するサイレージ管理システムにおいて、実行されるサイレージ管理方法であって、作業者端末の位置測定機能により、作業者の位置を取得する作業者位置取得ステップと、取得した作業者の位置情報に基づいて、サイレージの取出し位置を特定する取出し位置特定ステップと、特定した取出し位置よりサイロ内のサイレージの在庫量を算出する在庫量算出ステップと、を有する、サイレージ管理方法;
[8]作業者が有する作業者端末を備え、サイロ内のサイレージを管理するサイレージ管理システムであって、飼料作物をサイロに詰め込む際に、作業者端末の位置測定機能より作業者の位置情報を取得し、サイロの位置情報に基づいて、詰込み位置を特定する詰込み位置特定手段と、特定した詰込み位置を、第1情報と関連付けてコンピュータ装置に記録する品質情報記録手段と、を備え、第1情報は、飼料作物を刈り取った畑、草種、刈取番手、詰め込み時の天候情報、及び/又は、詰め込み日時である、サイレージ管理システム;
[9]品質情報記録手段が、取り出し時の飼料作物の水分情報と当該飼料作物を取り出した位置とを関連付けてコンピュータ装置に記録する、[8]に記載のサイレージ管理システム;
[10]作業者が有する作業者端末を備え、サイロ内のサイレージを管理するサイレージ管理システムにおいて、実行されるサイレージ管理方法であって、飼料作物をサイロに詰め込む際に、作業者端末の位置測定機能より作業者の位置情報を取得し、サイロの位置情報に基づいて、詰込み位置を特定する詰込み位置特定ステップと、特定した詰込み位置を、第1情報と関連付けてコンピュータ装置に記録する品質情報記録ステップと、を備え、第1情報は、飼料作物を刈り取った畑、草種、刈取番手、詰め込み時の天候情報、及び/又は、詰め込み日時である、サイレージ管理方法;
により達成することができる。
本発明によれば、サイレージの在庫量を把握するサイレージ管理システム及び管理方法を提供することができる。本発明によれば、サイレージの品質を事前に把握できるサイレージ管理システム及び管理方法を提供することができる。
本発明の実施の形態にかかるサイレージ管理システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態にかかる作業者端末の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態にかかるコンピュータ装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態にかかる在庫量算出処理のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態にかかる取出し位置特定方法の概略図である。 本発明の実施の形態にかかる在庫量記録テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態にかかる第1の品質記録処理及び第2情報記録処理のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態にかかる第2の品質記録処理のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態にかかる詰込み位置特定方法の概略図である。 本発明の実施の形態にかかる品質記録テーブルの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
図1は、本発明の実施の形態にかかるサイレージ管理システムの構成を示すブロック図である。図示するように、サイレージ管理システムは、作業者端末1と、コンピュータ装置2と、通信ネットワーク3と、管理者端末4とから構成されている。作業者により操作される作業者端末1は、通信ネットワーク3を介してコンピュータ装置2と通信接続が可能である。また、サイレージ管理システムは、複数の作業者端末1から構成されていてもよい。
管理者端末4は、外部の情報取得許可を受けた関係者が操作するものであり、据え置き型で牧場の管理室等に設置されたものでもよく、携帯型で管理者が移動する際にも管理者に携帯されるものでもよい。また、管理者端末4は、通信ネットワーク3を介してコンピュータ装置2と通信接続が可能である。サイレージ管理システムは、複数の管理者端末4を備えていてもよい。さらに、図1では、作業者端末1と管理者端末4を別々の端末として図示しているが、同じ端末であってもよい。
作業者端末1は、表示画面、入力部、及び位置取得部を有するコンピュータ装置であれば特に限定されないが、例えば、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォン、ノート型のパーソナルコンピュータなどが挙げられる。管理者端末4も、同様に、表示画面と入力部を有するコンピュータ装置であれば特に限定されない。
図2は、本発明の実施の形態にかかる作業者端末の構成を示すブロック図である。作業者端末1は、制御部11、RAM12、ストレージ部13、グラフィックス処理部14、通信インタフェース15、入力部16、位置取得部101、センサ部102、及び撮像部103からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
制御部11は、CPUやROMから構成される。制御部11は、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、作業者端末1の制御を行う。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部11は、プログラム及びデータをRAM12から読み出して処理を行う。制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、描画命令をグラフィックス処理部14に出力する。
グラフィックス処理部14は表示部18に接続されている。表示部18は表示画面19を有している。制御部11が描画命令をグラフィックス処理部14に出力すると、グラフィックス処理部14は、表示画面19上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部18はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。
通信インタフェース15は無線又は有線により通信ネットワーク3に接続が可能であり、通信ネットワーク3を介して、コンピュータ装置2とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース15を介して受信したデータは、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。
位置取得部101は、作業者端末1の位置情報をGPS(Global Positioning System)衛星からの信号や、より精度よく位置座標を算出するRTK(Real Time Kinematic)測位法などによって取得する。センサ部102は、サイレージや牧草などの飼料作物の水分含量を検出する水分センサや高度計などを含む。撮像部103は、静止画像又は動画像を撮像可能である。サイレージの取出し位置でのサイレージの状態を撮像することで、サイレージの高さを検出することができる。また、サイロの壁を撮像し、壁の高さを検出することもできる。
管理者端末4は、作業者端末1と同様の構成を有するものであり、例えば、制御部、RAM、ストレージ部、グラフィックス処理部、通信インタフェース、入力部からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。管理者端末4において、位置取得部101、センサ部102、及び撮像部103は、備えてもよいし、備えていなくてもよい。
図3は、本発明の実施の形態にかかるコンピュータ装置の構成を示すブロック図である。コンピュータ装置2は、制御部21、RAM22、ストレージ部23及び通信インタフェース24を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
制御部21は、CPUやROMから構成され、ストレージ部23に格納されたプログラムを実行し、コンピュータ装置2の制御を行う。また、制御部21は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM22は、制御部21のワークエリアである。ストレージ部23は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部21は、プログラム及びデータをRAM12から読み出し、作業者端末1又は管理者端末4から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
以下、本発明の実施の形態にかかるサイレージ管理システムを、在庫量算出処理、品質記録処理の順に説明していく。なお、各処理の各ステップの順番は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で適宜変更可能である。
[在庫量算出処理]
まず、サイレージ管理システムにおける在庫量算出処理について、説明する。
在庫量算出処理は、地上に牧草などの飼料作物を堆積して調製されたサイレージを取り出す際に行われる処理である。本発明の実施の形態にかかる在庫量算出処理は、バンカーサイロ、スタックサイロ、チューブサイロ等の地上に堆積するサイロ(以下、サイロという)へ詰め込まれたサイレージの在庫量を算出する。サイレージの取出し作業において、サイロ内で作業者が移動した部分は、サイレージが取り出された部分とみなすことができる。したがって、サイロ内の作業者の動線を取得することで、サイレージの在庫量を算出することができる。作業者は、作業を始める際に作業者端末1のアプリケーションを起動し簡単な操作をするだけで、サイロの在庫量を把握することができる。なお、以下で言及するサイロの形状は、4つの頂点を有する四角形状とする。
図4は、本発明の実施の形態にかかる、サイレージ管理システムにおける在庫量算出処理のフローチャートを示す図である。
まず、作業者は、作業者端末1にダウンロードされたアプリケーションプログラムを起動する(ステップS101)。そして、作業者端末1の位置情報を位置取得部101が取得し(ステップS102)、作業者端末1からコンピュータ装置2へ、取得した位置情報を送信する(ステップS103)。コンピュータ装置2において、位置情報が受信され(ステップS104)、受信した位置情報が記憶される(ステップS105)。
ステップS102~ステップS105までの処理は、所定の条件を満たすまで繰り返し実行される。所定の条件は、適宜設定することができるが、例えば、作業者端末1において起動されたアプリケーションが終了されたことや、作業者端末1が位置情報の取得を終了する要求を受信したことを、所定の条件とすることができる。また、17時になったときといった、具体的な終了時間になることを所定の条件とすることができる。
ステップS102において、異なる時間において、作業者端末1の位置情報を取得することが好ましい。複数の異なる時間における作業者端末1の位置情報を取得することで、作業者が作業を行ったときの動線(作業者端末の動線、作業動線ともいう)を取得することができる。所定の条件を満たすまで連続的に位置情報を取得することとしてもよいし、作業動線を取得できる範囲で、所定の時間ごとに位置情報を取得してもよい。例えば、10秒間毎に位置情報を取得することとしてもよい。所定の時間ごとに位置情報を取得することで、作業者端末1の電力の消費を抑えることができる。
次に、コンピュータ装置2において、記憶された位置情報に基づいて、作業者端末1の作業動線の特定を行い(ステップS106)、奥行距離を算出する(ステップS107)。奥行距離とは、4つの頂点を有するサイロにおいて、隣り合う2頂点を結んだ線分のうち、作業者がサイロに侵入する際に横断した線分に対向する線分と、作業者端末1との垂直距離のことをいう。すなわち、サイロの入り口に対して、最も遠い奥側の壁面と作業者端末1との垂直距離といってもよい。
ここで、サイロの形状は、あらかじめコンピュータ装置2に登録しておくものとする。サイロの形状は、航空写真を基に、サイロの各頂点の位置をプロットして、特定することが好ましい。また、作業者端末1の位置取得部101を用いて、サイロの各頂点の位置情報を取得してもよい。複数のサイロを所有している場合は、複数のサイロの形状を登録することが可能である。サイロの形状は、4頂点を有する四角形状である。事前にサイレージの取り出し位置側(サイロの入り口側)の任意の2頂点を指定し、残りの2頂点を、奥の2頂点として記憶する。具体的には、4頂点を有する四角形状のサイロを特定後、作業者端末1又は管理者端末4の操作により任意の入り口側を選択すると、選択した地点より、最も遠い頂点と2番目に遠い頂点を奥の2頂点として記憶させることができる。また、特定した四角形状のサイロの入り口側の線分を選択することで、その線分と対向する線分をなす2頂点を奥の2頂点としてもよい。なお、表示画面がタッチパネルである場合、上述の選択の操作は、表示画面に表示されたサイロの該当部分を接触操作することでおこなってもよい。また、サイロの隣り合う頂点を結んだ線分のうち、作業者端末1がサイロに侵入した際に、横切った線分と対向する線分をなす2頂点を、奥の2頂点としてもよい。
奥行距離の算出は、作業者端末1がサイロの侵入したことを検知して行われる。つまり、作業者端末1がサイロのエリア外にある場合は奥行距離を算出しない。サイロが複数ある場合は、どのサイロに侵入したか判定をして、奥行距離の算出を行う。また、作業者端末1がサイロのエリア外にある場合は、どのサイロに侵入したか判定をせず、奥行距離を算出しないとしてもよい。例えば、複数のサイロの中心地点と、作業者端末1までの距離を取得し、比較することで、サイロのエリア外とみなすことができる場合は、判定処理をしないとしてもよい。これにより、判定処理を除くことができ、また、コンピュータ装置2の計算処理を減らすことができ、好ましい。
ステップS107において算出した奥行距離を用いて、取出し位置の特定をする(ステップS108)。まず、算出した奥行距離のうち最も短い奥行距離を特定する。次に、最も短い奥行距離の作業者端末1の位置を取出し位置とする。そして、その奥行距離から、作業者端末1と実際の取出し位置までの距離を減算し、取出し位置の奥行距離とする。
また、作業者がサイロ内を複数回往復する場合、各往復における奥行距離を用いて、取出し位置の特定を行ってもよい。一往復における奥行距離は、作業者端末1が最も奥側の壁面に近づいた距離である。つまり、一往復中の最も距離の短い奥行距離が、その往復の奥行距離である。各往復の奥行距離を比較して、最も短い往復の奥行距離における作業者端末1の位置を、取出し位置とすることができる。そして、その奥行距離から、作業者端末1と実際の取出し位置までの距離を減算し、取出し位置の奥行距離とする。取出し位置の特定方法の詳細は後述する。
特定した取出し位置の奥行距離は、コンピュータ装置2において記憶される(ステップS109)。
次に、作業者端末1において、取出し位置(取出し面ともいう)のサイレージの水分含量を取得する(ステップS110)。水分含量は、センサ部109によって取得する。また、取出し面のサイレージの一部を採取して水分含量を計測してもよい。つまり、水分含量は推定値、実測値のいずれも含む概念である。なお、ここで水分含量は、センサ部109によって取得することとしたが、公知の水分含量の測定ができる装置や方法を利用して水分含量を測定したうえで、測定した水分含量を作業者が作業者端末1に入力してもよい。
次に、取出し面のサイレージの高さを取得する(ステップS111)。サイレージの高さは、高度計による測定、サイロの壁の高さからの推定、撮像部103によって取得した取出し面の写真からの推定、高度計により取得した高さデータ・サイロの壁の高さデータ・取り出し面の写真を相対的に合わせたAIによる推定、又は、作業者による測定等によって取得できる。また、あらかじめサイロの壁の高さデータを取得し、コンピュータ装置2に記憶されておいてもよい。つまり、サイレージの高さは、推定値、実測値のいずれも含む概念である。
取得した取出し位置のサイレージの水分含量及び高さ情報は、作業者端末1よりコンピュータ装置2に送信される(ステップS112)。
ステップS110~ステップS112の処理は、アプリケーションの起動後であれば、どのタイミングで実行されてもよい。また、コンピュータ装置2が、水分含量又は高さ情報について、作業者端末1よりコンピュータ装置2に送信するよう送信要求を送信し、作業者端末1が送信要求を受信したことで、水分含量又は高さ情報の取得をすることとしてもよい。
コンピュータ装置2において、取出し位置のサイレージの水分含量及び高さ情報が受信される(ステップS113)。コンピュータ装置2において、サイレージの在庫量が算出される(ステップS114)。サイレージの在庫量の体積は、取出し位置の奥行距離、作業者端末1がサイロに侵入した際に横切った線分の長さ(サイロの入り口の長さ)、及び取得した高さを積算することで求められる。さらに、積算して求めた在庫量の体積に、水分含量から得られるサイレージの比重を積算することで、在庫量の重さを求めることができる。なお、サイレージの比重は水分含量に影響を受けるため、水分含量を特定することでサイレージの比重を算出することが可能である。
コンピュータ装置2において、算出した在庫量が記憶される(ステップS115)。このとき、作業者が作業した日時が在庫量と関連付けて記憶されてもよい。サイロが複数ある場合は、サイロに関する情報も在庫量と関連付けて記憶されることが好ましい。これらのステップS101~S115の処理を通して、作業者は簡単な操作でサイレージの在庫量をリアルタイムに把握することができる。また、複数日数にわたりこの処理を行うことで、日々の在庫量の変化を正確に把握することができる。
次に、本発明の実施の形態にかかるサイレージ管理システムにおける作業者端末の動線の特定(ステップS106)、奥行距離の算出(ステップS107)、及び取出し位置の特定(ステップS108)について、図を用いて説明する。図5(A)~図5(C)は、本発明の実施の形態にかかる取出し位置特定方法の概略図である。
まず、作業動線が一往復の場合を説明する。図5(A)は、作業動線が一往復のときの取出し位置70の特定方法の概略図を示す。サイロ50は、4つの頂点(A1、A2、A3、A4)を有する。作業者がサイロ50のサイレージを取り出すとき、まず、サイロの入り口(A1-A4)からサイロ50に侵入する。一往復で作業を終える場合、サイレージの取出し位置は、作業者がサイロの奥の壁面(A2-A3)に最も近づいた時である。動線60の場合、動線の各地点の奥行距離を比較すると、奥行距離61が最も短い。つまり、奥行距離61の地点において、作業者が奥の壁面(A2-A3)に最も近づいたとわかる。したがって、奥行距離61がこの往復における奥行距離であり、かつ、奥行距離61のときの作業者端末1の地点を取出し位置とみなすことができる。さらに、サイレージの取出し作業には、一般的にホイルローダーなどの農業機械が用いられることが多く、作業者端末1と実際の取出し作業をするショベルとの間に距離がある場合がある。その場合は、奥行距離61から、作業者端末1の位置と実際の取出し作業をする位置との間の距離を除くことで、より正確な取出し位置70の奥行距離62を求めることができる。なお、作業者端末1の位置と実際の取出し作業の位置との間の距離は、作業をする農業機械に応じて距離が決定されるようにしてもよく、作業者が事前にその距離を登録しておいてもよい。
次に、作業動線が複数回往復する場合を説明する。図5(B)は、作業動線が複数回往復するときの取出し位置70の特定方法の概略図を示す。作業者がサイロ50内を複数回往復してサイレージの取出しを行う場合、一往復ごとの奥行距離を比較して、取出し位置を特定する。往復中の最も距離の短い奥行距離がその往復の奥行距離であるので、図5(B)において、動線60a、動線60b、動線60cに対応する奥行距離は、それぞれ奥行距離61a、奥行距離61b、奥行距離61cである。サイレージはA1-A4側から、A2-A3側へと取り出されていくので、奥行距離61a、61b、61cのうち、奥行距離が一番短いときの作業者端末1の地点を取出し位置とみなすことができる。したがって、図5(B)において、奥行距離61aのときの作業者端末1の地点を取出し位置とみなすことができる。そして、作業者端末1と実際の取出し作業をするショベルとの間に距離がある場合は、奥行距離61aから作業者端末1と実際の取出し作業をする部位との距離を除くことで、正確な取出し位置70の奥行距離62を求めることができる。
上記は作業動線の往復を検出し、往復の奥行距離を算出したが、取出し位置の特定に関しては、往復の奥行距離の算出を省力することができる。つまり、作業者端末1の位置情報から奥行距離を算出し、算出した各位置の奥行距離を比較することでも求めることができる。この場合、最も短い奥行距離のときの作業者端末1の地点を取出し位置とみなすことができる。作業動線から往復の検出や往復の奥行距離の比較を行わずに取出し位置を特定できるため、コンピュータ装置2の計算量を減らすことができる。
上記は作業者端末1の位置情報の取得を複数回行い、作業動線から取出し位置を特定していたが、図5(C)に示す概略図のように、サイレージの取出し作業を終えた地点において、作業者が作業者端末1へ位置情報を取得するための入力を行い、位置情報を取得してもよい。この場合、作業者端末1が取得した位置を取出し位置とし、奥行距離61を算出できる。そこから、取出し位置70の奥行距離62を求められる。すなわち、作業者端末1の位置情報を複数回取得する必要がなく、作業者端末1の動線の特定をせずに、取出し位置の奥行距離を求めることができる。これにより、作業者端末1の電力の消費量を抑えることができる。
図6は、本発明の実施の形態にかかる在庫量記録テーブルの一例を示す図である。在庫量記録テーブル700には、作業した日時701と関連付けて、サイロ702、取出し位置の奥行距離703、サイレージの水分含量704、サイレージの高さ705、及び/又は、サイレージの在庫量706が記録されている。なお、在庫量記録テーブル700は、コンピュータ装置2のストレージ部23に記憶されていてもよいし、作業者端末1のストレージ部13に記憶されていてもよいし、管理者端末4のストレージ部に記憶されていてもよい。
在庫量記録テーブル700のデータは、管理者端末4において、情報取得許可を受けた関係者が閲覧することができる。また、作業者端末1においても同様に閲覧することができることが好ましい。在庫量記録テーブル700のデータは、グラフにして表示することが好ましい。また、在庫量記録テーブル700のデータは、該当するサイロの地図に重畳してマッピング表示してもよい。グラフ表示やマッピング表示によって、在庫量を視覚的に把握することができる。また、日々の在庫量の変化をわかりやすく把握できる。
以上、四角形状のサイロに詰め込まれたサイレージの在庫量を算出する処理について説明したが、サイロの形状は四角形状のみだけでなく、楕円状であっても湾曲した形状であっても、サイレージの在庫量を求めることができる。
この場合、まず、サイロの形状を把握し、全体の面積を算出する。サイロの形状は、輪郭の位置情報から取得する。次に、作業者端末1の位置情報及び動線情報を用いて在庫量を算出する。サイロ内において作業者が通過した部分は、サイレージを取り出したものとみなすことができる。例えば、取得した作業動線の各地点より半径1m以内の面積を、サイレージを取り出した面積(取出し面積ともいう)とし、全体の面積から除くことでサイレージの在庫量を算出することができる。このとき、サイロ内の全ての作業動線に対して、取出し面積を算出することが好ましい。複数日にわたって作業を行う場合は、これまでの動線情報が記憶されており、すでに通過した範囲については、取り出しを行ったものとして計算を行うことが好ましい。例えば、これまでの作業動線と新たな作業動線を合わせて、取出し面積を算出してもよい。そして、取出し位置のサイレージの高さや水分含量を取得し、容量換算することで在庫量の体積及び容量が取得できる。
[品質記録処理]
次に、サイレージ管理システムにおける品質記録処理について、第1の品質記録処理と、第2の品質記録処理と、第2情報記録処理とにわけて説明する。なお、以降の説明において、先に説明した在庫量算出処理と同様の構成については、説明を省略することがある。
品質記録処理は、牧草などの飼料作物を刈り取り、サイロに詰め込む際に行われる処理である。本発明の実施の形態にかかる品質記録処理は、地上に堆積するサイロへ詰め込まれる飼料作物に関わる情報と詰め込んだ位置情報とを関連付けて記憶する。作業者は、サイロへ飼料作物の詰込みを行い、詰込みを行った地点で位置情報を取得し、第1情報を入力する。第1情報とは、例えば、飼料作物の刈り取った畑、草種、刈取番手、詰込み時の天候情報、及び/又は、詰込み日時などである。第1情報がいずれかが切り替わる地点において、作業者の位置情報を取得することが好ましい。そして、第2情報記録処理は、調製したサイレージを取り出す際に、その位置情報と、第2情報を関連付けて記憶する。第2情報とは、例えば、サイレージの水分含量などである。作業者は、簡単な操作で詰め込む飼料作物に関する情報を記録することができる。また、正確な位置情報と、第1情報及び第2情報とを関連づけて記録することで、調製したサイレージの品質を事前に、かつ、容易に推測することが可能になる。
図7は、本発明の実施の形態にかかる、サイレージ管理システムにおける第1の品質記録処理及び第2情報記録処理のフローチャートを示す図である。
まず、第1の品質記録処理について説明する。サイロへ飼料作物を詰め込む際に、作業者は、作業者端末1にダウンロードされたアプリケーションプログラムを起動する(ステップS201)。そして、飼料作物の詰込みを行った地点において、作業者からの入力により作業者端末1は、位置情報を取得し(ステップS202)、サイロへ詰め込みをする飼料作物の第1情報を取得する(ステップS203)。飼料作物の第1情報としては、例えば、飼料作物を刈り取った畑、草種、及び/又は、刈取番手、詰込み時の天候情報、及び/又は、詰込み日時などがあげられる。これらの情報は1種類でもよいし、複数種類でもよいが、サイレージの品質をより精度よく把握するために、複数種類であることが好ましい。また、第1情報のいずれかが切り替わる毎に、位置情報を取得することが好ましい。
次に、作業者端末1からコンピュータ装置2へ、取得した位置情報及び第1情報を送信する(ステップS204)。コンピュータ装置2において、位置情報及び第1情報が受信される(ステップS205)。
次に、コンピュータ装置2において、受信した位置情報に基づいて、奥行距離を算出する(ステップS206)。ここで、サイロの形状は、あらかじめコンピュータ装置2に登録しておくものとする。サイロの形状は、上述の方法で特定することが好ましい。
ステップS206において算出した奥行距離を用いて、詰込み位置の特定をする(ステップS207)。奥行距離の算出及び特定方法の詳細は後述する。
特定した詰込み位置の奥行距離は、第1情報と関連付けてコンピュータ装置2において記憶される(ステップS208)。
これらのステップS201~S208の処理を通して、作業者は簡単な操作で飼料作物の品質情報と詰込み位置とを関連付けて記録でき、サイレージの品質を事前に、かつ、正確に推測することができる。飼料作物の詰込み作業を行う際にこの処理を行うことで、調製する全てのサイレージについて、事前に品質を正確に把握することができる。
次に、第2情報記録処理について説明する。サイレージを取り出す際に、作業者は、作業者端末1にダウンロードされたアプリケーションプログラムを起動する(ステップS301)。そして、サイレージの取り出しを行った地点において、作業者からの入力により作業者端末1は、位置情報を取得し(ステップS302)、第2情報を取得する(ステップS303)。第2情報としては、例えば、サイレージの水分含量などがあげられる。第2情報は1種類でもよいし、複数種類でもよい。
次に、作業者端末1からコンピュータ装置2へ、取得した位置情報及び第2情報を送信する(ステップS304)。コンピュータ装置2において、位置情報及び第2情報が受信される(ステップS305)。コンピュータ装置2において、受信した位置情報及び第2情報を関連付けて記憶する(ステップS306)。
これらのステップS201~S208及びステップS301~S306の処理を通して、作業者は簡単な操作で飼料作物の品質情報と詰込み位置とを関連付けて記録でき、サイレージの品質を事前に、かつ、正確に推測することができる。なお、ステップS301~S306の第2情報記録処理は、上述の在庫量算出処理において取得した、取出し位置と水分含量などの情報を用いることができるので、省略することができる。
次に、第2の品質記録処理について説明する。図8は、本発明の実施の形態にかかる、サイレージ管理システムにおける第2の品質記録処理のフローチャートを示す図である。まず、作業者は、作業者端末1にダウンロードされたアプリケーションプログラムを起動する(ステップS401)。そして、作業者からの入力により、作業者端末1はサイロへ詰め込みをする飼料作物の第1情報を取得する(ステップS402)。飼料作物の第1情報としては、例えば、飼料作物を刈り取った畑、草種、刈取番手、詰込み時の天候情報、及び/又は、詰込み日時などがあげられる。これらの情報は1種類でもよいし、複数種類でもよいが、サイレージの品質をより精度よく把握するために、複数種類であることが好ましい。
次に、作業者端末1の位置情報を位置取得部101が取得し(ステップS403)、作業者端末1からコンピュータ装置2へ、取得した位置情報を送信する(ステップS404)。コンピュータ装置2において、位置情報が受信され(ステップS405)、受信した位置情報が記憶される(ステップS406)。
ステップS403~ステップS406までの処理は、所定の条件を満たすまで繰り返し実行される。所定の条件は、第1情報のいずれかが切り替わることである。さらに、作業者端末1において起動されたアプリケーションが終了されたことや、作業者端末1が位置情報の取得を終了する要求を受信したことを、所定の条件に追加することができる。また、17時になったときといった、具体的な終了時間になることを所定の条件に追加することができる。
ステップS403において、異なる時間において、作業者端末1の位置情報を取得することが好ましい。複数の異なる時間における作業者端末1の位置情報を取得することで、作業者が作業を行った作業動線を取得することができる。所定の条件を満たすまで連続的に位置情報を取得することとしてもよいし、作業動線を取得できる範囲で、所定の時間ごに位置情報を取得してもよい。例えば、10秒間毎に位置情報を取得することとしてもよい。所定の時間ごとに位置情報を取得することで、作業者端末1の電力の消費を抑えることができる。
次に、コンピュータ装置2において、記憶された位置情報に基づいて、作業者端末1の作業動線の特定を行い(ステップ407)、奥行距離を算出する(ステップS408)。
ここで、サイロの形状は、あらかじめコンピュータ装置2に登録しておくものとする。サイロの形状は、上述の方法で特定することが好ましい。
奥行距離の算出は、作業者端末1がサイロの侵入したことを検知して行われる。つまり、作業者端末1がサイロのエリア外にある場合は奥行距離を算出しない。サイロが複数ある場合は、どのサイロに侵入したか判定をして、奥行距離の算出を行う。また、作業者端末1がサイロのエリア外にある場合は、どのサイロに侵入したか判定をせず、奥行距離を算出しないとしてもよい。例えば、複数のサイロの中心地点と、作業者端末1までの距離を取得し、比較することで、サイロのエリア外とみなすことができる場合は、判定処理をしないとしてもよい。これにより、判定処理を除くことができ、また、コンピュータ装置2の計算処理を減らすことができ、好ましい。
ステップS408において算出した奥行距離を用いて、詰込み位置の特定をする(ステップS409)。第2の品質記録処理においては、作業動線の往復を用いて、奥行距離を算出する。作業者がサイロ内を往復して作業した場合、一往復における奥行距離は、作業者端末1が奥側の壁面に最も近づいた距離である。つまり、一往復中の最も距離の短い奥行距離が、その往復の奥行距離である。複数回サイロ内を作業者が往復する場合、各往復における奥行距離を比較して、詰込み位置の特定を行ってもよい。特定方法の詳細は後述する。
コンピュータ装置2において、特定した詰込み位置の奥行距離及び第1情報を関連付けて記憶される(ステップS410)。サイロが複数ある場合は、特定した詰込み位置のサイロに関する情報も関連付けて記憶される。なお、第1情報を送信するステップは、特に限定されないが、例えば、ステップS402の後、ステップS410の前、又は、ステップS403~S406の間のいずれかのステップの後に、実行することができる
これらのステップS401~S410の処理を通して、作業者は簡単な操作で飼料作物の品質情報と詰込み位置とを関連付けて記録でき、サイレージの品質を正確に推測することができる。詰込み作業を行う際にこの処理を行うことで、調製する全てのサイレージについて、事前に品質を正確に把握することができる。
次に、本発明の実施の形態にかかるサイレージ管理システムにおける作業動線の特定(ステップS407)、奥行距離の算出(ステップS206及びS408)、及び詰込み位置の特定(ステップS207及びS409)について、図を用いて説明する。図9(A)~図9(C)は、本発明の実施の形態にかかる詰込み位置特定方法の概略図である。
まず、作業動線の特定を伴わない、詰込み位置80の特定方法について説明する。図9(A)に示す概略図のように、飼料作物を詰め込んだ地点において、作業者が作業者端末1へ位置情報を取得するための入力を行い、位置情報を取得する。この場合、作業者端末1が取得した位置を詰込み位置とし、奥行距離61を算出できる。さらに、飼料作物の詰込み作業には、一般的にサイレージトレーラーやトラクターなどの農業機械が用いられることが多く、作業者端末1と実際に詰込まれる位置との間に距離がある場合がある。その場合は、奥行距離61から作業者端末1の位置と実際に詰め込まれる位置との間の距離を除くことで、正確な詰込み位置の奥行距離63を求めることができる。なお、作業者端末1の位置と実際の詰込み作業の位置との間の距離は、作業をする農業機械に応じて距離が決定されるようにしてもよく、作業者が事前にその距離を登録しておいてもよい。図9(A)の場合、作業者端末1を操作する作業者は、特に制限されない。例えば、飼料作物を鎮圧するトラクターの作業者でもよいし、飼料作物をサイロに運ぶサイレージトラクターでもよい。飼料作物を詰め込んだ1地点において位置情報を取得するので、作業者端末1の位置を複数回取得する必要がなく、作業者端末1の電力の消費量を抑えることができる。
次に、作業動線が一往復の場合を説明する。図9(B)は、作業者の動線が一往復のときの詰込み位置80の特定方法の概略図を示す。サイロ50は、4つの頂点(A1、A2、A3、A4)を有する。作業者がサイロ50に飼料作物を詰め込むとき、まず、サイロの入り口(A1-A4)からサイロ50に侵入する。一往復で作業を終える場合、飼料作物の詰込み位置は、作業者がサイロの奥の壁面(A2-A3)に最も近づいた時である。動線60の場合、動線の各地点の奥行距離を比較すると、奥行距離61が最も短い。つまり、奥行距離61の地点において、作業者が奥の壁面(A2-A3)に最も近づいたとわかる。したがって、奥行距離61がこの往復における奥行距離であり、かつ、奥行距離61のときの作業者端末1の地点を詰込み位置とみなすことができる。そこから、正確な詰込み位置80の奥行距離63を求めることができる。
次に、作業動線が複数回往復する場合を説明する。図9(C)は、作業動線が複数回往復するときの詰込み位置特定方法の概略図を示す。作業者がサイロ50内を複数回往復して飼料作物の詰込みを行う場合、一往復ごとの奥行距離を比較して、詰込み位置を特定する。往復中の最も距離の短い奥行距離がその往復の奥行距離であるので、図9(C)において、動線60a、動線60b、動線60cに対応するの奥行距離は、それぞれ奥行距離61a、奥行距離61b、奥行距離61cである。飼料作物はA2-A3側から、A1-A4側へと詰め込まれていくので、最も長い往復の奥行距離のときの作業者端末1の地点を詰込み位置とみなすことができる。したがって、図9(C)において、奥行距離61aのときの作業者端末1の地点を詰込み位置とみなすことができる。そして、作業者端末1と実際に詰込まれる位置との間に距離がある場合は、奥行距離61aから作業者端末1と実際に詰め込まれる位置との距離を除くことで、正確な詰込み位置80の奥行距離63を求めることができる。なお、図9(B)及び(C)の場合、作業者端末1を操作する作業者は、飼料作物をサイロに運ぶサイレージトラクターを想定しているが、特に制限はされない。
図10は、本発明の実施の形態にかかる品質記録テーブルの一例を示す図である。品質記録テーブル800には、作業した日時801に関連付けて、サイロ802、詰込み位置の奥行距離803、天候804、刈り取った畑805、草種806、及び/又は、刈取番手807が記憶されている。なお、品質記録テーブル800は、コンピュータ装置2のストレージ部23に記憶されていてもよいし、作業者端末1のストレージ部13に記憶されていてもよいし、管理者端末4のストレージ部に記憶されていてもよい。
品質記録テーブル800のデータは、管理者端末4において、情報取得許可を受けた関係者が閲覧することができる。また、作業者端末1においても同様に閲覧することができることが好ましい。品質記録テーブル800のデータは、該当するサイロの地図に重畳してマッピング表示することが好ましい。マッピング表示によって、どの部分にどのような飼料作物が詰め込まれているかを視覚的に把握することができる。これにより、サイレージの品質を事前に、かつ、正確に予測することが可能になる。
なお、ここでは、第2情報記録処理にて取得した、位置情報及び第2情報が記載されたテーブルは上述の在庫量記録テーブル700と同様のテーブルになるため、省略している。品質記録テーブル800は、上述の在庫量記録テーブル700のデータと、重畳して表示させることで、より、サイレージの品質の変化を容易に推測することが可能となるため好ましい。在庫量を把握し、品質変化への素早い対応が可能となる。
このような構成とすることにより、サイレージの在庫量と品質を管理者が容易に把握できるシステムを提供することができる。
本発明によれば、サイレージの在庫量をリアルタイムで把握し、一定期間ごとの日毎の利用速度を確認できる。これにより、以降のサイロ在庫持続時間を推定でき、在庫切れ前や、飼料作物の畑の切り替わり、飼料作物詰込み時の天候などによる品質変化時期前の注意喚起が可能になる。その情報に基づいて飼料の準備することができるため、対応遅れによる損失を回避することができる。また、本発明によれば、在庫量の推移により、サイレージの過不足の予測が可能となる。在庫不足が想定される場合は、事前に予算を組み、外部からサイレージを購入することで、飼料設計の急激な変化を避けることができ、家畜の健康維持を図ることができる。また、在庫過多が想定される場合は、売却によって副収入を得ることができ、経営マネージメントに活かすこともできる。
上に述べた実施の形態では、主に反芻家畜の飼料として提供されるサイレージを管理する態様について説明したが、本発明のサイレージ管理システムを利用する態様は、これに限定されない。例えば、本発明の在庫量算出処理は、広大な畑の農作物の収穫時における、未収穫の農作物の在庫量を算出するためにも好ましく利用できる。また、屋外に堆積した堆積物の在庫管理においても好ましく利用することができる。
1:作業者端末、2:コンピュータ装置、3:通信ネットワーク、4:管理者端末、
11:制御部、12:RAM、13:ストレージ部、14:グラフィックス処理部、
15:通信インタフェース、16:入力部
18:表示部、19:表示画面、101:位置取得部、102:センサ部、
103:撮像部、21:制御部、22:RAM、23:ストレージ部、
24:通信インタフェース、50:サイロ、
60、60a、60b、60c:動線、61、61a、61b、61c:奥行距離、
62:取出し位置の奥行距離、63:詰込み位置の奥行距離、70:取出し位置、
80:詰込み位置、700:在庫量記録テーブル、701:取出し日時、
702:サイロ、703:取出し位置の奥行距離、704:サイレージの水分量、
705:サイレージの高さ、706:在庫量、80:詰込み位置、
800:品質記録テーブル、801:詰込み日時、802:サイロ、
803:詰込み位置の奥行距離、804:天候、805:畑、806:草種、
807:刈取番手

Claims (6)

  1. 作業者が有する作業者端末を備え、四角形状のサイロ内のサイレージを管理するサイレージ管理システムであって、
    サイロの各頂点の位置情報及び、作業者がサイロに侵入する際に横切るサイロの一辺上のサイロの入口の位置に関する情報を含む、サイロに関する情報を記憶するサイロ情報記憶手段と、
    作業者端末の位置測定機能により取得した作業者の位置情報から、作業者の動線を取得する動線取得手段と、
    取得した作業者の動線のうち、サイロの入口と対向するサイロの一辺と最も接近した位置を、サイレージの取出し位置と特定する、取出し位置特定手段と、
    サイロの入口と対向するサイロの一辺とサイレージの取出し位置との垂直距離である奥行距離を算出する奥行算出手段と、
    サイレージの高さデータを取得する高さ取得手段と、
    算出した奥行距離、サイレージの高さデータ、及び、サイロの各頂点のうちサイロの入口側の2頂点を結ぶ線分の長さより、サイロ内のサイレージの在庫量を算出する在庫量算出手段と
    を備える、サイレージ管理システム。
  2. 作業者が有する作業者端末を備え、四角形状のサイロ内のサイレージを管理するサイレージ管理システムであって、
    サイロの各頂点の位置情報及び、作業者がサイロに侵入する際に横切るサイロの一辺上のサイロの入口の位置に関する情報を含む、サイロに関する情報を記憶するサイロ位置記憶手段と、
    サイレージの取出し位置における作業者の入力操作により、作業者端末の位置測定機能により測定した位置情報を、サイレージの取出し位置として特定する取出し位置特定手段と、
    サイロの入口と対向するサイロの一辺とサイレージの取出し位置との垂直距離である奥行距離を算出する奥行算出手段と、
    サイレージの高さデータを取得する高さ取得手段と、
    算出した奥行距離、サイレージの高さデータ、及び、サイロの各頂点のうちサイロの入口側の2頂点を結ぶ線分の長さより、サイロ内のサイレージの在庫量を算出する在庫量算出手段と
    を備える、サイレージ管理システム。
  3. さ取得手段が、サイロの壁の高さからの推定、取り出し位置のサイレージの断面写真からの推定、又は、高度計により取得した高さデータとサイロの壁の高さデータと取り出し面の写真とを相対的に合わせたAIによる推定により、サイレージの高さデータを取得する、
    請求項1又は2に記載のサイレージ管理システム。
  4. 取り出し位置のサイレージの水分情報を取得する水分情報取得手段を備え、
    在庫量算出手段が、サイレージの水分情報より、サイレージの比重を推計し、該比重とサイレージの体積の積を用いてサイロ内のサイレージの在庫質量を算出する、
    請求項1~3のいずれかに記載のサイレージ管理システム。
  5. 作業者が有する作業者端末を備え、四角形状のサイロ内のサイレージを管理するサイレージ管理システムにおいて、実行されるサイレージ管理方法であって、
    サイロの各頂点の位置情報及び、作業者がサイロに侵入する際に横切るサイロの一辺上のサイロの入口の位置に関する情報を含む、サイロに関する情報を記憶するサイロ情報記憶ステップと、
    作業者端末の位置測定機能により取得した作業者の位置情報から、作業者の動線を取得する動線取得ステップと、
    取得した作業者の動線のうち、サイロの入口と対向するサイロの一辺と最も接近した位置を、サイレージの取出し位置と特定する、取出し位置特定ステップと、
    サイロの入口と対向するサイロの一辺とサイレージの取出し位置との垂直距離である奥行距離を算出する奥行算出ステップと、
    サイレージの高さデータを取得する高さ取得ステップと、
    算出した奥行距離、サイレージの高さデータ、及び、サイロの各頂点のうちサイロの入口側の2頂点を結ぶ線分の長さより、サイロ内のサイレージの在庫量を算出する在庫量算出ステップと
    を備える、サイレージ管理方法。
  6. 作業者が有する作業者端末を備え、四角形状のサイロ内のサイレージを管理するサイレージ管理システムにおいて、実行されるサイレージ管理方法であって、
    サイロの各頂点の位置情報及び、作業者がサイロに侵入する際に横切るサイロの一辺上のサイロの入口の位置に関する情報を含む、サイロに関する情報を記憶するサイロ位置記憶ステップと、
    サイレージの取出し位置における作業者の入力操作により、作業者端末の位置測定機能により測定した位置情報を、サイレージの取出し位置として特定する取出し位置特定ステップと、
    サイロの入口と対向するサイロの一辺とサイレージの取出し位置との垂直距離である奥行距離を算出する奥行算出ステップと
    サイレージの高さデータを取得する高さ取得ステップと、
    算出した奥行距離、サイレージの高さデータ、及び、サイロの各頂点のうちサイロの入口側の2頂点を結ぶ線分の長さより、サイロ内のサイレージの在庫量を算出する在庫量算出ステップと
    を備える、サイレージ管理方法。
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