JP6993031B1 - クーポン価値定量化プログラム、クーポン価値定量化方法、及び、クーポン価値定量化装置 - Google Patents

クーポン価値定量化プログラム、クーポン価値定量化方法、及び、クーポン価値定量化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 所定の商品又は役務における取引に適用され、提示されたとき、減額した価格での取引を成立させる権利を付与するクーポンの価値を、適切に定量化する。【解決手段】 クーポン価値定量化プログラムは、クーポンの価値を定量化した値として、クーポン価値金額Cを出力するようコンピュータを機能させる。クーポン価値定量化プログラムは、減額の度合に対応する第1変数Sと、現時点から有効期限までの期間である権利残存期間に対応する第2変数tと、取引の頻度に対応する第3変数σと、関数C(S,t,σ)とに基づいて、クーポン価値金額Cを決定する。関数C(S,t,σ)は、各変数S,t,σ及びクーポン価値金額Cの関係が規定されたものであり、金融工学に基づき構築されている。これにより、クーポンの価値を適切に定量化することができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、クーポンの価値を定量化した値を出力するようコンピュータを機能させるためのプログラム、クーポンの価値を定量化するための方法、及び、クーポンの価値を定量化した値を出力する装置に関する。
従来、所定の商品又は役務における取引に適用されるクーポンが知られている。この種のクーポンは、例えば、金券や割引券としての機能を有していることが多い。この種のクーポンは、取引の際に、商品又は役務の提供者に提示できるよう、一般的には、紙クーポンや電子クーポンの形態で、商品又は役務の享受者に保有されるようになっている。
この種のクーポンは、所定の商品又は役務の享受者により提示されたとき、商品又は役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での取引を成立させる権利を享受者に付与する。この権利の有効期限は、提供者により規定されることが多い。このように権利を付与することで、享受者の需要を喚起でき、提供者は、取引回数を増大さるための集客効果等を期待できる。従って、クーポンは、マーケティングのための有効なツールとなり得る。
ところで、クーポンの条件や、顧客である享受者の性質等によっては、クーポンが発行されても、提供者が想定していた集客効果が得られない場合がある。例えば、クーポンの条件として、減額の度合が極端に小さい場合、また、有効期限までの期間が短い場合、享受者が上述の権利を得たとしても、行使する魅力が小さく感じられ、クーポンが発行されても殆ど使われることがない。また、享受者の性質として、取引頻度や来店回数が小さい者にとっては、同様に、上述の権利を行使する魅力が小さく感じられる場合が多い。魅力が小さく感じられるクーポンは、その価値も小さくなっていると考えられる。
このような場合、クーポンの企画、作成、配布等に関するリソースの投資に対し、提供者は十分なリターンを得られない。他方、享受者にとっても、実際に価値ある商品や役務を得る機会を逃すことになる。即ち、発行されたクーポンが使われないことは、提供者及び享受者の両者にとっても、損失を生む可能性が高い。以上より、享受者にとって、魅力が感じられるクーポンを創出すべく、クーポンの価値を適切に定量化するニーズが高い。
しかしながら、金融工学に基づいたモデルの改良によって実現される、金融商品の価格設定の装置、方法、及びシステム(特許文献1)や通貨オプションプレミアム計算をする装置(特許文献2)は開示されているが、クーポンの価値を適切に定量化できるプログラム、方法、及び装置は存在しておらず、ニーズに応えることができなかった。
特表2013-516672号公報 特開2014-207002号公報
本発明の目的は、クーポンの価値を適切に定量化できるプログラム、方法、及び、装置を提供することにある。
本発明によるクーポン価値定量化プログラムは、所定の商品又は役務における取引に適用され、商品又は役務の享受者により提示されたとき、商品又は役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での取引を成立させる権利を享受者に付与するクーポンであって、権利の有効期限が提供者により規定されたクーポンの価値を定量化した値を出力するようコンピュータを機能させるためのプログラムである。
本発明によるクーポン価値定量化プログラムの特徴は、前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付ける処理と、前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定する処理であって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定する処理と、少なくとも、前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、前記クーポンの価値を定量化した値を出力する処理であって、
前記関数は、
下記式(1)にて規定され、
Figure 0006993031000002
前記式(1)において、N(d1)及びN(d2)は、d1及びd2を変数とする標準正規分布の累積確立密度関数をそれぞれ表し、前記d1及び前記d2は、下記式(2)及び下記式(3)にてそれぞれ規定され、
Figure 0006993031000003
Figure 0006993031000004
前記式(1)、前記式(2)、及び、前記式(3)において、Cは、前記クーポンの価値金額を表し、Sは、前記第1変数を表し、tは、前記第2変数を表し、σは、前記第3変数を表し、Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、eは、ネイピア数を表し、Lnは、自然対数を表す処理と、をコンピュータに実行させることにある。
本発明によれば、第1変数、第2変数、及び、第3変数は、減額の度合、権利残存期間、及び、取引の頻度に対応する変数である。これらの要素は、商品又は役務の享受者が、発行されたクーポンの権利行使にあたり、魅力を感じる度合に影響を与えるものとなる。即ち、第1変数、第2変数、及び、第3変数のそれぞれの変動に応じて、クーポンの価値も変動する関係を規定することができる。変動するクーポンの価値に対して、各変数の変動による感度を調整することができる。従って、この関係を規定する関数が用いられることで、クーポンの価値を適切に定量化することができる。
上記発明に係るクーポン価値定量化プログラムは、第1変数が、減額の度合が大きいほどより大きい値に設定され、第2変数が、権利残存期間が長いほどより大きい値に設定され、第3変数が、取引の頻度が大きいほどより大きい値に設定され、関数が、クーポンの価値が、第1変数が大きいほどより大きい値となり、第2変数が大きいほどより大きい値となり、第3変数が大きいほどより大きい値となるよう規定されると好適である。
上記発明に係るクーポン価値定量化プログラムは、クーポンが、享受者が権利を行使する際に減額可能な金額と、提供者との取引において実際に減額される金額と、が一致するとともに、前記享受者の保有に際する配当および利子が発生しないものであり、関数が、式(1)、式(2)、及び、式(3)において、S及びKが等しく、q及びrがゼロとなるように構成されると更に好適である。
本発明によるクーポン価値定量化方法は、所定の商品又は役務における取引に適用され、商品又は役務の享受者により提示されたとき、商品又は役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での取引を成立させる権利を享受者に付与するクーポンであって、権利の有効期限が提供者により規定されたクーポンの価値を、コンピュータにて定量化するための方法である。
本発明によるクーポン価値定量化方法の特徴は、前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付けるステップと、前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定するステップであって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定するステップと、少なくとも、前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、前記クーポンの価値を定量化した値を出力するステップであって、
前記関数は、上記式(1)にて規定されるステップと、を備えたことにある。
本発明によっても、上述したのと同様に、クーポンの価値を適切に定量化することができる。
本発明によるクーポン価値定量化装置は、所定の商品又は役務における取引に適用され、商品又は役務の享受者により提示されたとき、商品又は役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での取引を成立させる権利を享受者に付与するクーポンであって、権利の有効期限が提供者により規定されたクーポンの価値を定量化した値を出力する装置である。
本発明によるクーポン価値定量化装置の特徴は、前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付ける処理と、前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定する処理であって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定する処理と、少なくとも、前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、前記クーポンの価値を定量化した値を出力する処理であって、前記関数は、上記式(1)にて規定される処理と、を実行することにある。
本発明によっても、上述したのと同様に、クーポンの価値を適切に定量化することができる。
本発明の実施形態に係るクーポン価値定量化装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すCPUが実行するクーポン価値定量化プログラムの処理を示すフローチャートである。 図1に示す出力部により出力される例として、第1変数及び第3変数を変化させた場合におけるクーポン価値金額の出力例を説明するためのグラフである。 図1に示す出力部により出力される例として、第2変数及び第3変数を変化させた場合におけるクーポン価値金額の出力例を説明するためのグラフである。
以下、本発明によるクーポン価値定量化プログラム、クーポン価値定量化方法、及び、クーポン価値定量化装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<クーポン価値定量化装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係るクーポン価値定量化装置100の構成を示すブロック図である。クーポン価値定量化装置100は、クーポンの価値を定量化した値を出力するコンピュータであり、クーポン価値定量化プログラムにより機能する。即ち、クーポン価値定量化の情報処理は、ソフトウェアと、ハードウェアとの協働により実現される。
図1に示すように、クーポン価値定量化装置100は、CPU10、ROM20、RAM30、入力部40、及び、出力部50を備えている。
CPU10は、演算処理装置および制御装置として機能し、クーポン価値定量化プログラムを含む各種プログラムに従い、クーポン価値定量化装置100の動作全般を制御するようになっている。ROM20には、CPU10が実行するプログラム、演算パラメータ等が記憶されている。RAM30は、CPU10が実行するプログラムや、その実行において変化するパラメータ等を一時記憶するようになっている。CPU10、ROM20、RAM30は、バスにより相互に接続されている。
入力部40は、キーボード、マウス、タッチパネル等、ユーザが情報を入力するための入力手段と、入力手段からの入力信号をインターフェイスおよびバスを介してCPU10に出力する回路等から構成されている。出力部50は、ディスプレイ等、ユーザが情報を視認するための出力手段から構成されている。
<クーポン価値定量化プログラム>
ROM20に記憶されているクーポン価値定量化プログラムは、クーポンの価値を定量化した値を出力するようクーポン価値定量化装置100を機能させる。対象となるクーポンは、所定の商品又は役務における取引に適用されるものであり、商品又は役務の享受者が保有できるよう、紙クーポンや電子クーポンの形態で発行、配布されるものである。このクーポンには、少なくとも、減額度合、有効期限、使用可能な店舗(実店舗、ネットショップ)が表示されており、表示された条件での取引が可能となる。このクーポンは、取引の際に、クーポンを保有する享受者より、商品又は役務の提供者に現物による提示や電磁的方法で提示可能となっている。クーポンの提示により、提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での取引が可能となる。
即ち、クーポンを保有することで、クーポンに表示された条件にて減額した価格での取引を成立させる権利が、享受者に付与されることになる。この権利の有効期限は、クーポンに表示される有効期限のとおり、提供者により規定される。
このクーポンにおいては、現時点にて未使用の状態であっても、享受者が上述した権利を行使する際に減額可能な金額は、予めクーポン表示のとおり確定している。他方、提供者との取引において、クーポンが使用された場合に実際に減額される金額は、上記確定している金額と一致する。従って、クーポンは、表面的には、クーポンに表示される減額度合に対応する金額の価値を有する。
ところで、クーポンの条件や、顧客である享受者の性質等によっては、クーポンが発行されても、提供者が想定していた集客効果が得られない場合がある。例えば、クーポンの条件として、減額の度合が極端に小さい場合、また、有効期限までの期間が短い場合、享受者が上述の権利を得たとしても、行使する魅力が小さく感じられ、クーポンが発行されても殆ど使われることがない。また、享受者の性質として、取引頻度や来店回数が小さい者にとっては、同様に、上述の権利を行使する魅力が小さく感じられる場合が多い。魅力が小さく感じられるクーポンは、その価値も小さくなっていると考えられる。
このように、表面的な価値(クーポンに表示されている金額)と、実際の価値とが乖離する事象が生じる場合がある。本実施形態のクーポン価値定量化プログラムは、モデルを用いクーポンの価値を定量化する。定量化のためのモデルは、金融工学に基づいて構築されている。例えば、株式取引におけるオプション(特に、エキゾチックオプション)は、下記5つの特徴を有する。その5つの特徴は、1.種類が豊富である、2.満期がある、3.株を購入する権利を買う者・株を購入する権利を売る者がいる、4.ボラティリティが高いと権利行使されやすい、5.オプション価格が大きく変動する、というものである。これらの特徴があることに基づき、変動するオプション価格と、所定の種々変数との関係を規定したモデルが、多数提案されている。即ち、所定の種々変数と、上記規定関係を規定したモデルと、に基づいて、オプション価格を定量化することができる。
他方、クーポンは、上記5つの特徴と照らし合わせると、1.種類が豊富である、2.有効期限がある、3.クーポンを取得する者・クーポンを発行する者がいる、4.来店頻度や取引頻度が高いと権利行使されやすい、5.クーポンの価値が大きく変動する、点において、上述のオプションと類似している。一方、このクーポンは、享受者に向けて無償配布されるものであり、享受者が対価を投じて権利取得するものではない。このため、享受者のクーポン保有に際する配当および利子が発生しない。この点は、クーポン特有の性質である。
本実施形態では、上述したオプションと類似する点と、クーポン特有の性質とを鑑みて、クーポンの価値を定量化するモデルが構築されている。具体的には、第1変数S、第2変数t、第3変数σ、及び、クーポン価値金額Cの関係を規定する関数C(S,t,σ)が用いられる。関数C(S,t,σ)は、下記式(1)にて規定される。
Figure 0006993031000005
式(1)において、N(d1)及びN(d2)は、d1及びd2を変数とする標準正規分布の累積確立密度関数をそれぞれ表す。d1及びd2は、下記式(2)及び下記式(3)にてそれぞれ規定される。
Figure 0006993031000006
Figure 0006993031000007
式(1)、式(2)、及び、式(3)において、Kは、クーポンの権利を行使する際に減額可能な金額を表す。qは、クーポンの所定期間における配当利回りを表す。rは、クーポンの所定期間における安全利子率を表す。eは、ネイピア数を表す。Lnは、自然対数を表す。
本実施形態のクーポンにおいては、上述のように、現時点にて未使用の状態であっても、享受者が上述した権利を行使する際に減額可能な金額は、予めクーポン表示のとおり確定している。他方、提供者との取引において、クーポンが使用された場合に実際に減額される金額は、上記確定している金額と一致する。また、このクーポンは、享受者に向けて無償配布されるものであり、享受者が対価を投じて権利取得するものではない。このため、享受者のクーポン保有に際する配当および利子が発生しない。これらの観点から、式(1)、式(2)、及び、式(3)において、S及びKが等しく、q及びrがゼロとなる。
この関数C(S,t,σ)と、第1変数Sと、第2変数tと、第3変数σと、に基づいて、クーポンの価値を定量化した値として、クーポン価値金額Cが決定される。第1変数Sは、減額の度合に対応する値であり、取引において実際にクーポン提示にて減額される金額そのものを表す。第2変数tは、現時点から有効期限までの期間である権利残存期間に対応する値であり、権利残存期間の日数を365日(1年)で除した値である。第3変数σは、提供者および享受者の取引の頻度(実店舗への来店頻度、ネットショップでの取引頻度)に対応する値であり、取引回数を365日(1年)で除した値に100を乗じた値である。
なお、式(1)、式(2)、及び、式(3)は、オプション価格を定量化するブラック・ショールズモデルと相似である。ブラック・ショールズモデルにおいて、コールオプション価格は、Cに相当する。原資産価格は、Sに相当する。期間は、tに相当する。ボラティリティは、σに相当する。行使価格は、Kに相当する。配当利回りは、qに相当する。安全利子率は、rに相当する。ここにおいて、ボラティリティは予想変動率であり、ボラティリティが大きいほど権利行使される可能性がより高くなる傾向がある。一方、クーポンにおいては、無償配布のためボラティリティの概念はそぐわないが、上記傾向を応用することは可能である。本実施形態では、この観点から、第3変数σを、取引の頻度に対応する値としている。
実際にクーポン価値を定量化する場合、ユーザによりクーポン価値定量化装置100が操作され、図2に示すフローチャートの通り、CPU10によりクーポン価値定量化プログラムの処理が実行される。先ず、図2のステップ200から、クーポン価値金額の算出が開始される。
次いで、ステップ201にて、ユーザは、クーポン提示にて減額される金額S1、現時点から有効期限までの期間である権利残存期間t1、及び、提供者および享受者の取引の頻度σ1を、それぞれ入力部40に入力する。金額S1、及び、権利残存期間t1は、クーポンに表示されている減額度合、有効期限等の情報を、ユーザが読み取ることで入力可能である。取引の頻度σ1としては、1年あたりの来店回数または取引頻度が入力される。
次いで、ステップ202にて、CPU10は、上記入力された金額S1、権利残存期間t1、取引の頻度σ1、下記式(4)、式(5)、及び、式(6)に基づいて、第1変数S、第2変数t、及び、第3変数σを決定する。
S=S1 …(4)
t=t1/365 …(5)
σ=(σ1/365)*100 …(6)
次いで、ステップ203にて、CPU10は、上記決定された第1変数S、第2変数t、第3変数σ、及び、上記式(2)に基づいて、「d1」を決定する(上記式(1)、式(2)、式(3)参照)。ここにおいて、「K」「q」「r」には、「S(ステップ202にて決定)」「0(ゼロ)」「0(ゼロ)」がそれぞれ代入される。
次いで、ステップ204にて、CPU10は、上記決定された第2変数t、第3変数σ、「d1」、及び、上記式(3)に基づいて、「d2」を決定する(上記式(1)、式(2)、式(3)参照)。
次いで、ステップ205にて、CPU10は、上記決定された第1変数S、第2変数t、「d1」、「d2」、及び、上記式(1)に基づいて、クーポン価値金額Cを決定する(上記式(1)、式(2)、式(3)参照)。ここにおいて、「K」「q」「r」は、ステップ203にて、「S」「0(ゼロ)」「0(ゼロ)」がそれぞれ決定されており、これらの決定された値が用いられる。
そして、ステップ206にて、CPU10は、上記決定されたクーポン価値金額Cを、出力部50に出力する。これにより、ユーザは、出力部50にて出力されたクーポン価値金額Cを確認することができる。
<クーポン価値金額の試算例>
上述のようにクーポン価値定量化プログラムにより決定されるクーポン価値金額Cについて、以下、具体的な試算例を説明する。
<<試算例1>>
図3は、試算例1におけるクーポン価値金額Cおよび各変数の関係を示すグラフである。試算例1は、第1変数S、及び、第3変数σを異ならせ、第2変数tを固定した場合における、クーポン価値金額Cの試算例である。試算例1では、クーポン提示にて減額される金額S1が異なり、現時点から有効期限までの期間である権利残存期間t1が同一である2種類のクーポンを想定する。2種類のクーポンの条件それぞれに対し、提供者および享受者の取引の頻度σ1を大きく変化させ、クーポン価値金額Cの変化傾向を出力した。2種類のクーポンに対応して、試算例1-1および試算例1-2の条件を以下に示す。
試算例1-1の条件:
S1=100円
t1=6日間
σ1=1~365回
試算例1-2の条件:
S1=200円
t1=6日間
σ1=1~365回
図3(a)は、試算例1-1に対応するグラフであり、グラフ右側縦軸はクーポン価値金額C、グラフ横軸は取引の頻度σ1および第3変数σを示している。σ1≦73、σ≦20.00の範囲では、C=0に推移した。σ1=74、σ=20.27以降、Cが増大し100円に漸近していく。クーポン価値金額Cは、第3変数σが大きいほどより大きい値に決定される。グラフ左側縦軸は、10,000人の享受者にクーポンを配布したときに、取引の頻度σ1に対応する分布を介した人数を示している。図3(a)の分布は、10,000人中の450人が、年間80回の取引頻度(年間80日の来店回数)をもつことを仮定し、ポアソン分布の確率質量関数に基づいて算出されたものである。10,000人とS1=100円を乗じた総金額は1,000,000円であるのに対し、上記分布に応じた人数とクーポン価値金額Cを乗じた総金額は1,868円である。即ち、クーポンの表面的な価値が、額面上1,000,000円であるのに対し、試算例1-1によれば、クーポンの価値が1,868円と定量化される。以下のグラフにおいて、グラフの左右縦軸および横軸は、図3(a)のものと同じである。
図3(b)は、試算例1-2に対応するグラフである。σ1≦92、σ≦25.21の範囲では、C=0に推移した。σ1=93、σ=25.48以降、Cが増大し200円に漸近していく。図3(a)と比較してわかるように、クーポン価値金額Cは、第1変数Sが大きいほどより大きい値に決定される。図3(b)の分布は、10,000人中の330人が、年間150回の取引頻度(年間150日の来店回数)をもつことを仮定し、ポアソン分布の確率質量関数に基づいて算出されたものである。10,000人とS1=200円を乗じた総金額は2,000,000円であるのに対し、上記分布に応じた人数とクーポン価値金額Cを乗じた総金額は858,822円である。即ち、クーポンの表面的な価値が、額面上2,000,000円であるのに対し、試算例1-2によれば、クーポンの価値が858,822円と定量化される。
<<試算例2>>
図4は、試算例2におけるクーポン価値金額Cおよび各変数の関係を示すグラフである。試算例2は、第1変数Sを固定し、第2変数t、及び、第3変数σを異ならせた場合における、クーポン価値金額Cの試算例である。試算例2では、クーポン提示にて減額される金額S1が同一であり、現時点から有効期限までの期間である権利残存期間t1が異なる4種類のクーポンを想定する。4種類のクーポンの条件それぞれに対し、提供者および享受者の取引の頻度σ1を大きく変化させ、クーポン価値金額Cの変化傾向を出力した。4種類のクーポンに対応して、試算例2-1、試算例2-2、試算例2-3、及び、試算例2-4の条件を以下に示す。
試算例2-1の条件:
S1=100円
t1=6日間
σ1=1~365回
試算例2-2の条件:
S1=100円
t1=5日間
σ1=1~365回
試算例2-3の条件:
S1=100円
t1=1日間
σ1=1~365回
試算例2-4の条件:
S1=100円
t1=58日間
σ1=1~365回
図4(a)は、試算例2-1、試算例2-2、及び、試算例2-3にそれぞれ対応するグラフである。なお、試算例2-1の条件は、上述した試算例1-1のものと同じであり、試算例2-1のグラフについての説明は省略する。試算例2-2に対応するグラフにおいては、σ1≦80、σ≦21.92の範囲では、C=0に推移した。σ1=81、σ=22.19以降、Cが増大し100円に漸近していく。試算例2-2のt1=5日間は、試算例2-1のt1=6日間よりも、1日だけ期限が短縮されている。この場合、各グラフの立ち上がり領域に対応する取引頻度(例えば、1週間に1~3回ほどの取引の頻度に相当)がある者において、クーポンの価値が大きく変化することがわかる。一方、各グラフの平坦領域に対応する取引頻度(例えば、毎日の取引頻度や、週1回よりも少ない頻度に相当)がある者においては、クーポンの価値はほとんど不変であることがわかる。
試算例2-3に対応するグラフにおいては、σ1≦179、σ≦49.04の範囲では、C=0に推移した。σ1=180、σ=49.32以降、Cが増加傾向にあるが、本試算のσの範囲においては100円に到達しない。試算例2-3のt1=1日間である場合、たとえ年間毎日の取引頻度がある者であっても、クーポン価値金額Cは100円を下回ることがわかる。また、取引頻度が小さい者にとっては、ほとんど価値がないことがわかる。
図4(a)の分布は、10,000人中の450人が、年間80回の取引頻度(年間80日の来店回数)をもつことを仮定し、ポアソン分布の確率質量関数に基づいて算出されたものである。10,000人とS1=100円を乗じた総金額は1,000,000円であるのに対し、上記分布に応じた人数とクーポン価値金額Cを乗じた総金額は、試算例2-1、試算例2-2、及び、試算例2-3にて、1,868円、380円、及び、0円である。即ち、クーポンの表面的な価値が、額面上1,000,000円であるのに対し、試算例2-1、試算例2-2、及び、試算例2-3によれば、クーポンの価値が1,868円、380円、及び、0円と定量化される。
図4(b)は、試算例2-4に対応するグラフである。σ1≦23、σ≦6.30の範囲では、C=0に推移した。σ1=24、σ=6.58以降、Cが増大し100円に漸近していく。図4(a)と比較してわかるように、クーポン価値金額Cは、第2変数tが大きいほどより大きい値に決定される。試算例2-4のt1=58日間である場合、取引頻度が週1回程度である者にとっても、クーポン価値金額Cが100円に近くに推移することがわかる。
図4(b)の分布は、10,000人中の400人が、年間100回の取引頻度(年間100日の来店回数)をもつことを仮定し、ポアソン分布の確率質量関数に基づいて算出されたものである。10,000人とS1=100円を乗じた総金額は1,000,000円であるのに対し、上記分布に応じた人数とクーポン価値金額Cを乗じた総金額は、999,933円である。即ち、クーポンの表面的な価値が、額面上1,000,000円であるのに対し、試算例2-4によれば、クーポンの価値が999,933円と定量化される。
<実施形態の効果>
以上説明したように、上記実施形態にかかるクーポン価値定量化装置100によれば、第1変数S、第2変数t、及び、第3変数σは、減額の度合、権利残存期間、及び、取引の頻度に対応する変数である。これらの要素は、商品又は役務の享受者が、発行されたクーポンの権利行使にあたり、魅力を感じる度合に影響を与えるものとなる。即ち、第1変数S、第2変数t、及び、第3変数σのそれぞれの変動に応じて、クーポンの価値も変動する関係を規定することができる。変動するクーポンの価値に対して、各変数の変動による感度を調整することができる。従って、この関係を規定する関数C(S,t,σ)が用いられることで、クーポンの価値を適切に定量化することができる。
また、上記実施形態においては特に、第1変数Sは、減額の度合が大きいほどより大きい値に設定される。第2変数tは、権利残存期間が長いほどより大きい値に設定される。第3変数σは、取引の頻度が大きいほどより大きい値に設定される。このように、各変数を、適切な変化傾向をもって設定することができる。また、関数C(S,t,σ)は、クーポン価値金額Cが、第1変数Sが大きいほどより大きい値となり、第2変数tが大きいほどより大きい値となり、第3変数σが大きいほどより大きい値となるよう規定される。このため、適切な変化傾向をもつ関数C(S,t,σ)を用い、クーポンの価値を精度良く定量化することができる。
また、上記実施形態においては特に、第1変数Sは、取引において実際に減額される金額S1そのものである。第2変数tは、権利残存期間t1を365日にて除した値である。第3変数σは、取引の頻度σ1を365日にて除した値に100を乗じた値である。また、関数C(S,t,σ)は、上記式(1)にて規定されたものが用いられる。このモデルは、金融工学に基づいて構築されたものである。即ち、実績あるモデルの改良で、精度が高い関数C(S,t,σ)を構築することができる。このため、クーポンの価値を、更に精度良く且つ容易に定量化することができる。加え、クーポンの価値を定量化した値として、クーポン価値金額Cが決定される。このため、クーポン価値金額Cを、クーポンの表面的な価値(クーポンに表示されている金額)と、直接比較することができる。
また、上記実施形態においては特に、クーポンの性質として、享受者が権利を行使する際に減額可能な金額(クーポンに表示されている金額)と、提供者との取引において実際に減額される金額と、が一致する。また、享受者に無償配布されて、享受者の保有に際する配当および利子が発生しない。これらを鑑みて、関数C(S,t,σ)は、式(1)、式(2)、及び、式(3)において、S及びKが等しく、q及びrがゼロとなるように構成される。このように、このクーポンの性質を反映しつつ、各式での計算を簡略化できる。従って、クーポン価値金額Cの決定に際し、精度を担保しつつ、計算負荷を低減することができる。
なお、本発明の実施形態によるクーポン価値定量化装置100の構成要素、クーポン価値定量化プログラムにおける関数、各変数等は、特許請求の範囲のものであればよく、上記実施形態のものに限定されない。
上記実施形態のクーポン価値定量化装置100においては、クーポン価値金額Cの決定に際し、金融工学に基づくモデルとして、上記式(1)にて規定された関数C(S,t,σ)が用いられている。これに代えて、変形例として他の式・関数が用いられてもよい。他の式・関数としては、例えば、種々のエキゾチックオプションに対応するモデルに基づいて構築されたものが用いられる。種々のエキゾチックオプションとしては、デジタルオプション、スプレッドオプション、パワーオプション、エクスチェンジオプション、キャッシュオンデリバリーオプション、バリアオプション(ノックイン、ノックアウトオプション)、ルックバックオプション、コンパウンドオプション、チューザーオプション、エイジアンオプション、ダブルバリアオプション、クリケットオプション、バスケットオプション、レインボーオプション、江戸っ子オプションの中から、クーポンの種類に応じて選定されると好適である。
また、上記実施形態のクーポン価値定量化装置100においては、ROM20に記憶されているクーポン価値定量化プログラムが、クーポンの価値を定量化した値を出力するようクーポン価値定量化装置100を機能させるようになっている。これに代えて、例えば、ROM20とは異なる記憶媒体であって、任意のコンピュータにて読み取り可能な記憶媒体に、クーポン価値定量化プログラムを記録させたものを用いてもよい。この場合、上記記憶媒体により、クーポンの価値を定量化した値を出力するよう任意のコンピュータを機能させることができる。また、所定の計算ソフトウェア等を用い、図2のステップ200~206に相当する方法を経て、クーポン価値金額Cを決定してもよい。この場合においても、金融工学に基づくモデルとして、上記式(1)にて規定された関数C(S,t,σ)を用いてもよいし、他の式・関数が用いられてもよい。
100…クーポン価値定量化装置、10…CPU、20…ROM、30…RAM、40…入力部、50…出力部、C…クーポン価値金額、C(S,t,σ)…関数、S…第1変数、t…第2変数、σ…第3変数、S1…減額される金額、t1…権利残存期間、σ1…取引の頻度

Claims (5)

  1. 所定の商品又は役務における取引に適用され、前記商品又は前記役務の享受者により提示されたとき、前記商品又は前記役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での前記取引を成立させる権利を前記享受者に付与するクーポンであって、前記権利の有効期限が前記提供者により規定されたクーポンの価値を定量化した値を出力するようコンピュータを機能させるためのプログラムであるクーポン価値定量化プログラムであって、
    前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付ける処理と、
    前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定する処理であって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定する処理と、
    少なくとも、
    前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、
    前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、
    前記クーポンの価値を定量化した値を出力する処理であって、
    前記関数は、
    下記式(1)にて規定され、
    Figure 0006993031000008
    前記式(1)において、
    N(d1)及びN(d2)は、
    d1及びd2を変数とする標準正規分布の累積確立密度関数をそれぞれ表し、
    前記d1及び前記d2は、
    下記式(2)及び下記式(3)にてそれぞれ規定され、
    Figure 0006993031000009

    Figure 0006993031000010
    前記式(1)、前記式(2)、及び、前記式(3)において、
    Cは、前記クーポンの価値金額を表し、
    Sは、前記第1変数を表し、
    tは、前記第2変数を表し、
    σは、前記第3変数を表し、
    Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、
    qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、
    rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、
    eは、ネイピア数を表し、
    Lnは、自然対数を表す
    処理と、
    をコンピュータに実行させる
    クーポン価値定量化プログラム。
  2. 請求項に記載のクーポン価値定量化プログラムにおいて、
    前記クーポンは、
    前記享受者が前記権利を行使する際に前記減額可能な金額と、前記提供者との前記取引において実際に前記減額される金額と、が一致するとともに、前記享受者の保有に際する配当および利子が発生しないものであり、
    前記関数は、
    前記式(1)、前記式(2)、及び、前記式(3)において、
    前記S及び前記Kが等しく、前記q及び前記rがゼロとなるように構成されたクーポン価値定量化プログラム。
  3. 請求項1又は請求項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  4. 所定の商品又は役務における取引に適用され、前記商品又は前記役務の享受者により提示されたとき、前記商品又は前記役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での前記取引を成立させる権利を前記享受者に付与するクーポンであって、前記権利の有効期限が前記提供者により規定されたクーポンの価値を、コンピュータにて定量化するための方法であるクーポン価値定量化方法であって、
    前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付けるステップと、
    前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定するステップであって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定するステップと、
    少なくとも、
    前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、
    前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、
    前記クーポンの価値を定量化した値を出力するステップであって、
    前記関数は、
    下記式(1)にて規定され、
    Figure 0006993031000011
    前記式(1)において、
    N(d1)及びN(d2)は、
    d1及びd2を変数とする標準正規分布の累積確立密度関数をそれぞれ表し、
    前記d1及び前記d2は、
    下記式(2)及び下記式(3)にてそれぞれ規定され、
    Figure 0006993031000012
    Figure 0006993031000013
    前記式(1)、前記式(2)、及び、前記式(3)において、
    Cは、前記クーポンの価値金額を表し、
    Sは、前記第1変数を表し、
    tは、前記第2変数を表し、
    σは、前記第3変数を表し、
    Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、
    qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、
    rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、
    eは、ネイピア数を表し、
    Lnは、自然対数を表す
    ステップと、
    を備えた
    クーポン価値定量化方法。
  5. 所定の商品又は役務における取引に適用され、前記商品又は前記役務の享受者により提示されたとき、前記商品又は前記役務の提供者により予め決定された既定価格から減額した価格での前記取引を成立させる権利を前記享受者に付与するクーポンであって、前記権利の有効期限が前記提供者により規定されたクーポンの価値を定量化した値を出力する装置であるクーポン価値定量化装置であって、
    前記取引において実際に前記減額される金額、現時点から前記有効期限までの期間である権利残存期間、及び、前記提供者および前記享受者の前記取引の頻度を、それぞれ受け付ける処理と、
    前記受け付けた前記金額、前記受け付けた前記権利残存期間、及び、前記受け付けた前記取引の頻度に基づいて、前記減額の度合に対応する第1変数、前記権利残存期間に対応する第2変数、及び、前記取引の頻度に対応する第3変数を、それぞれ設定する処理であって、前記第1変数を、前記取引において実際に前記減額される金額そのものに、前記第2変数を、前記権利残存期間を所定期間にて除した値に、前記第3変数を、前記取引の頻度を前記所定期間にて除した値に、それぞれ設定する処理と、
    少なくとも、
    前記設定された前記第1変数、前記設定された前記第2変数、及び、前記設定された前記第3変数を、
    前記第1変数、前記第2変数、前記第3変数、及び、前記クーポンの価値を定量化した値の関係を規定する、コンピュータに記憶される関数であって、金融工学に基づいて構築されたモデルに対応する関数に入力し、
    前記クーポンの価値を定量化した値を出力する処理であって、
    前記関数は、
    下記式(1)にて規定され、
    Figure 0006993031000014
    前記式(1)において、
    N(d1)及びN(d2)は、
    d1及びd2を変数とする標準正規分布の累積確立密度関数をそれぞれ表し、
    前記d1及び前記d2は、
    下記式(2)及び下記式(3)にてそれぞれ規定され、
    Figure 0006993031000015
    Figure 0006993031000016
    前記式(1)、前記式(2)、及び、前記式(3)において、
    Cは、前記クーポンの価値金額を表し、
    Sは、前記第1変数を表し、
    tは、前記第2変数を表し、
    σは、前記第3変数を表し、
    Kは、前記クーポンの前記権利を行使する際に前記減額可能な金額を表し、
    qは、前記クーポンの前記所定期間における配当利回りを表し、
    rは、前記クーポンの前記所定期間における安全利子率を表し、
    eは、ネイピア数を表し、
    Lnは、自然対数を表す
    処理と、
    を実行する
    クーポン価値定量化装置。
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