JP6992290B2 - 錯体および錯体の製造方法 - Google Patents
錯体および錯体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6992290B2 JP6992290B2 JP2017129264A JP2017129264A JP6992290B2 JP 6992290 B2 JP6992290 B2 JP 6992290B2 JP 2017129264 A JP2017129264 A JP 2017129264A JP 2017129264 A JP2017129264 A JP 2017129264A JP 6992290 B2 JP6992290 B2 JP 6992290B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- complex
- acid
- solvent
- oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
((RCOO)8M5(OH)2)n (1)
[式(1)中、Mは金属原子、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Rのうち少なくとも1個は炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。nは、1以上の整数である]
[M6(RCOO)x]・yH2O・・・(4)
M7 aOb ・・・(5)
[式(4)中、M6は金属原子、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、または、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。xは、金属原子M6の酸化数に対応する数であり、2以上の整数である。yは、0以上の整数である。複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。式(5)中、M7は、金属原子である。aは、1~5の整数である。bは、1~7の整数である。]
前記第1錯体と水とを反応させて第2錯体を得る工程とを含むことを特徴とする。
[M6(RCOO)x]・yH2O・・・(4)
M7 aOb ・・・(5)
[式(4)中、M6は金属原子、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、または、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。xは、金属原子M6の酸化数に対応する数であり、2以上の整数である。yは、0以上の整数である。複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。式(5)中、M7は、金属原子である。aは、1~5の整数である。bは、1~7の整数である。]
RCOOH ・・・(6)
M7 aOb ・・・(5)
[式(6)中、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、または、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。式(5)中、M7は、金属原子である。aは、1~5の整数である。bは、1~7の整数である。]
((RCOO)8M5(OH)2)n (1)
[式(1)中、Mは金属原子、OHは、ヒドロキシ基、RCOOはカルボキシレート基、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Rのうち少なくとも1個は炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。nは、1以上の整数である。]
錯体とは、金属原子あるいは金属イオンに、配位子とよばれる原子または原子団が結合した分子性化合物であり、配位化合物とも呼ばれる。
[M6(RCOO)x]・yH2O・・・(4)
M7 aOb ・・・(5)
また、本発明の錯体の製造方法は、式(4)で表される化合物と、式(5)で表される金属酸化物とを溶媒中で反応させて第1錯体を得る工程、および、前記第1錯体と水とを反応させて第2錯体を得る工程とを含むようにすることもできる(第2製造方法)。
[式(4)中、M6は金属原子、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、または、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。xは、金属原子M6の酸化数に対応する数であり、2以上の整数である。yは、0以上の整数である。複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。式(5)中、M7は、金属原子である。aは、1~5の整数である。bは、1~7の整数である。]
RCOOH ・・・(6)
M7 aOb ・・・(5)
[式(6)中、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、または、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。式(5)中、M7は、金属原子である。aは、1~5の整数である。bは、1~7の整数である。]
M7 aOb ・・・(5)
金属原子(M7)としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属;カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金などの遷移金属;ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、カドミウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウムなどの卑金属が挙げられる。これらの中でも、前記金属原子M7としては、2価の金属イオンを形成し得る金属原子が好ましく、より好ましくはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウム、鉛である。金属原子は、単独または2種以上の混合物として使用することもできる。
なお、反応の終了は、例えば、反応液を一部採取して、赤外吸収を測定する方法、あるいは、反応液に溶解した成分の重量変化などを測定する方法などにより、確認することができる。
[M4O(RCOO)6]n ・・・(7)
[式(7)中、Mは金属原子、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。式(7)において、複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Rのうち少なくとも1個は炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。nは1以上の整数であり、好ましくは1~8の整数である。]
反応終了後、反応液から不溶物を除去する。不溶物としては、例えば、未反応の原料、あるいは、化合物(4)が自己重合した重合物などが挙げられる。不溶物を除去する方法は、特に限定されず、反応液を濾過する方法が挙げられる。
析出工程では、不溶物を除去した反応液に第二溶媒を投入することで、第一溶媒(反応で使用する溶媒)に溶解した目的錯体を析出させる。反応液中には、目的錯体と、例えば、未反応の化合物(4)とが含まれている。第二溶媒に対する目的錯体の溶解性が、第二溶媒に対する化合物(4)の溶解性よりも低ければ、目的錯体を選択的に析出することができる。前記第二溶媒は、反応液中の目的錯体を選択的に析出できるものであれば特に限定されない。前記第二溶媒としては、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、ヘプタン等の炭化水素などが挙げられる。
回収工程では、不溶物を除去した反応液から溶媒を除去する。溶媒を除去することで、反応液中に存在する目的錯体を回収することができる
精製工程では、析出工程または回収工程で得られた目的錯体について再沈殿を行うことにより、目的錯体の純度を高めることができる。具体的には、得られた目的錯体を第一溶媒に溶解させた後、この溶解液に第二溶媒を投入して目的錯体を析出させて回収する。
反応工程終了後、反応液から不溶物を除去する。不溶物としては、例えば、未反応の原料、あるいは、化合物(4)が自己重合した重合物などが挙げられる。不溶物を除去する方法は、特に限定されず、反応液を濾過する方法が挙げられる。
回収工程では、不溶物を除去した反応液から溶媒を除去する。溶媒を除去することで、化合物(4)と生成する第1錯体との混合物が得られる。
析出工程を行うことにより、反応液に含まれる第1錯体の純度を高めることができる。
(析出工程)
析出工程では、前記反応工程において、不溶物を除去した反応液に第二溶媒を投入し、析出物を除去する。反応液に第二溶媒を投入することで、第一溶媒に溶解した原料、副生成物等を析出させる。この析出物を除去することで、反応液に含まれる第1錯体の純度を高めることができる。
精製工程では、前記回収工程および/または析出工程により得られた第1錯体と化合物(4)との混合物について、再沈殿を行う。具体的には、得られた第1錯体と化合物(4)との混合物を第一溶媒に溶解させた後、この溶解液に第二溶媒を投入して化合物(4)を析出させ、析出物を除去する。
RCOOH ・・・(6)
M7 aOb ・・・(5)
[式(6)中、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、または、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。式(5)中、M7は、金属原子である。aは、1~5の整数である。bは、1~7の整数である。]
第3製造方法では、カルボン酸(6)と金属酸化物(5)との反応により水が生成する。そのため、第1製造方法および第2製造方法のように反応系に水を加える必要がない。
M7 aOb ・・・(5)
金属原子(M7)としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属;カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金などの遷移金属;ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、カドミウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウムなどの卑金属が挙げられる。これらの中でも、前記金属原子M7としては、2価の金属イオンを形成し得る金属原子が好ましく、より好ましくはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウム、鉛である。金属原子は、単独または2種以上の混合物として使用することもできる。
反応工程では、カルボン酸(6)と金属酸化物(5)とを、第一溶媒に溶解または分散させて、この反応液を撹拌する。この工程では、溶媒中で、カルボン酸(6)と金属酸化物(5)とを接触させ、錯体を生成させる。
反応終了後、反応液から不溶物を除去する。不溶物としては、例えば、未反応の原料、あるいは、カルボン酸(6)が自己重合した重合物などが挙げられる。不溶物を除去する方法は、特に限定されず、反応液を濾過する方法が挙げられる。
析出工程では、不溶物を除去した反応液に第二溶媒を投入することで、第一溶媒に溶解した目的錯体を析出させる。反応液中には、例えば、目的錯体と未反応のカルボン酸(6)とが含まれている。第二溶媒に対する目的錯体の溶解性が、第二溶媒に対するカルボン酸(6)の溶解性よりも低ければ、目的錯体を選択的に析出することができる。前記第二溶媒は、反応液中の目的錯体を選択的に析出できるものであれば特に限定されない。前記第二溶媒としては、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、ヘプタン等の炭化水素などが挙げられる。
回収工程では、不溶物を除去した反応液から溶媒を除去する。溶媒を除去することで、反応液中に存在する目的錯体を回収することができる
精製工程では、析出工程または回収工程で得られた目的錯体について再沈殿を行うことにより、目的錯体の純度を高めることができる。具体的には、得られた目的錯体を第一溶媒に溶解させた後、この溶解液に第二溶媒を投入して目的錯体を析出させて回収する。
((RCOO)8M5(OH)2)n (1)
[式(1)中、Mは金属原子、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Rのうち少なくとも1個は炭素数2~18のアルケニル基または炭素数2~18のアルキニル基である。nは、1以上の整数である]
(1)直接導入-質量分析(DI-MS)
質量分析は、質量分析計(Waters社製、SynaptG2-S型)を用いた。
イオン化法:大気圧固体試料プローブ(ASAP)
測定モード:Pos.、Neg.
測定範囲:m/z = 50~1500
元素分析は、有機微量元素分析装置(ジェイ・サイエンス・ラボ社製、マイクロコーダー JM10型)を用いて行った。
錯体(0.1057g)を100mlのビーカーに秤量し、蒸留水50mlを加えて溶解させた。これに酢酸-酢酸ナトリウム(pH5)緩衝液 10mlを加え、XO指示薬(和光純薬工業(株)、0.1w/v%キシレノールオレンジ溶液・滴定用0.1g/100ml=0.001396M)数滴を加えた。最後に、蒸留水で100mlに調製した。この調製液に対して0.05mol/lのEDTA標準液(同仁化学社製)で滴定を行った。
赤外分光分析は、全反射吸収測定のプリズムとしてダイヤモンドを使用した全反射吸収測定法(ATR法)にて行い、フーリエ変換赤外分光光度計(株)パーキンエルマー社製、「測定装置:Spectrum One」)を用いて行った。
X線回折測定は、広角X線回折装置(リガク社製、「RINT-TTR III型」)を用いて行った。測定試料は、メノウ乳鉢を用いて粉砕した。測定条件は、下記のとおりである。
X線源;CuKα線
管電圧-管電流;50kV-300mA
ステップ幅;0.02deg.
測定速度;5deg./min
スリット系;発散-受光-散乱:0.5deg.-開放-0.5deg.
モノクロメーター;回折線湾曲結晶モノクロメーター
装置:XtaLAB PRO MM007
データ測定・処理ソフトウェア:CrysAlisPro
構造解析プログラムパッケージ:CrystalStructure
X線源:Cu Kα (λ = 1.54184 オングストローム)
管電圧・管電流:40 kV-30 mA
測定温度:-173 ℃(吹付低温装置使用)
コリメーター径:Φ0.5mm
カメラ長:39.25 mm
振動角:0.20°
4mLバイアルに錯体(5mg)および酢酸エチル(833uL)を入れ、60℃に加温して錯体を溶解させた(濃度6mg/mL)。その溶液を20℃で1カ月間静置することで、六角形板状の0.1mmの錯体の単結晶を得た。
サンプル瓶中から結晶を採取し、ホールスライドガラス上のParatone-N(Hampton Research)中に注入した。Paratone-NごとMicroLoopLD100・mφ(MiTeGen)ですくい、低温装置のガス流にて急速凍結しX線回折を測定した。 X線回折のデータ測定・処理は、ソフトウェアCrysAlisProおよび、構造解析プログラムパッケージCrystalStructureを用いて行った。
(実施製造例1)
反応容器に酸化亜鉛(10g、123mmol)とジクロロメタン250mlを仕込んで氷浴で0℃で撹拌した。アクリル酸(12.6g、174mmol)をジクロロメタン125mlに溶解させた液を2mL/分の滴下スピードで滴下した。滴下終了後、氷浴をはずし、室温(rt)で12時間撹拌した。得られた反応液をろ過して、溶媒に不溶な沈殿物を除去した。ろ液にヘキサン300mLを加え、液量が約1/4になるまで減圧濃縮して析出物を得た。ろ過により析出物を取り出し乾燥させて、錯体1を得た(収量7.18g、収率35%)。なお、実施例製造例1では、以下の原料を用いた。
酸化亜鉛:キシダ化学社製
アクリル酸:シグマアルドリッチ社製
ジクロロメタン:キシダ化学社製
ヘキサン:キシダ化学社製
反応容器に酸化亜鉛(2.5g、31mmol)、アクリル酸亜鉛(19.1g、92mmol)とジクロロメタン375mlおよび、水( 0.75mL、41mmol)を仕込んで40℃で3時間撹拌した。なお、溶媒は還流させた。得られた反応液をろ過して、溶媒に不溶な沈殿物を除去した。ろ液にヘキサン300mLを加え、液量が約1/4になるまで減圧濃縮して析出物を得た。ろ過により析出物を取り出し乾燥させて、錯体2を得た(6.72g、収率31%)。
アルゴン雰囲気下で、反応容器に酸化亜鉛(125g、1540mmol)、アクリル酸亜鉛(955g、4600mmol)とジクロロメタン18.7Lを仕込んで40℃で3時間撹拌した。なお、溶媒は還流させた。得られた反応液をろ過して、溶媒に不溶な沈殿物を除去した。ろ液にヘキサン14.3Lを加え、液量が約1/4になるまで減圧濃縮して析出物を得た。ろ過により析出物を取り出し、ろ液を濃縮乾燥させて、第1錯体3を得た。得られた第1錯体3を、20℃~30℃、湿度50%以上の環境下で、徐々に水(水分)と反応させることで第2錯体3(目的錯体、116g、収率12%)を得た。
反応液が40℃に達してから12時間経過後、反応を終了して第1錯体4を得たこと以外は、実施製造例3と同一の方法で反応を行い、第2錯体4(目的錯体、収量79g、収率8%)を得た。
反応液が40℃に達してから24時間経過後、反応を終了して第1錯体5を得たこと以外は、実施製造例3と同一の方法で反応を行い、第2錯体5(目的錯体、収量25g、収率3%)を得た。
反応液が40℃に達してから48時間経過後、反応を終了して第1錯体6を得たこと以外は、実施製造例3と同一の方法で反応を行い、第2錯体6(目的錯体、収量70g、収率8%)を得た。実施製造例3~6の製造条件および結果を表2にまとめた。
Positive ion HR-ASAP-MS m/z: 632.7715
[M-CH2CHCOO]+ (calcd. For C15H15O11Zn4 632.7707 Δ1.2ppm
High-resolution ASAP-MS(negative)スペクトル測定結果
Negative ion HR-ASAP-MS m/z: 735.7762
[M+O2]- (calcd. For C18H18O15Zn4 735.7740 Δ2.9ppm
反応容器にアクリル酸亜鉛(2.0g、9.6mmol)と、溶媒として、トルエン140mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。この反応液に、さらに添加剤として、水3mLと重合禁止剤として、4-メトキシフェノール20mgを加えた。反応液を110℃でトルエンを還流させながら、12時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。濾過残渣は、1.77g(88.5%)であった。得られたろ液を濃縮して濃縮物(0.21g、10.5%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、目的生成物は確認されなかった。
溶媒として、クロロホルムを用い、反応液を60℃でクロロホルムを還流させながら撹拌した以外は、比較製造例1と同様に反応を行った。濾過残渣は、0.24g(12%)であった。得られたろ液を濃縮して、濃縮物(1.44g、72%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、目的生成物は確認されなかった。
溶媒として、1,2-ジクロロベンゼン140mLを用い、反応液を110℃で、1,2-ジクロロベンゼンを還流させながら撹拌した以外は、比較製造例1と同様に反応を行った。反応液に不溶物はなかった。得られたろ液は濃縮することもできず、目的生成物を得ることはできなかった。
溶媒として、酢酸プロピル140mLを用い、反応液を100℃で酢酸プロピルを還流させながら撹拌した以外は、比較製造例1と同様に反応を行った。濾過残渣は、1.71g(85.5%)であった。目的生成物を得ることはできなかった。
溶媒として、アセトン140mLを用い、反応液を56℃でアセトンを還流させながら撹拌した以外は、比較製造例1と同様に反応を行った。濾過残渣は、0.26g(13%)であった。得られたろ液を濃縮して、濃縮物(1.54g、77%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、目的生成物は確認されなかった。
溶媒として、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)140mLを用い、反応液を100℃で撹拌した以外は、比較製造例1と同様に反応を行った。反応液に不溶物はなかった。得られたろ液は濃縮することもできず、目的生成物を得ることはできなかった。
溶媒として、アセトニトリル140mLを用い、反応液を82℃でアセトニトリルを還流させながら撹拌した以外は、比較製造例1と同様に反応を行った。反応液に不溶物はなかった。得られたろ液は濃縮して、濃縮物(1.8g、90%)を得た。濃縮物について、分析したところ、目的生成物は、確認されなかった。
溶媒として、ジメチルスルホキシド(DMSO)140mLを用い、反応液を100℃で撹拌した以外は、比較製造例1と同様に反応を行った。反応液に不溶物はなかった。得られたろ液は濃縮することもできず、目的生成物を得ることはできなかった。
反応容器にアクリル酸亜鉛(5.02g、24mmol)と、溶媒として、トルエン200mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。この反応液に、さらに添加剤として、水3mLを加えた。反応液を110℃でトルエンを還流させながら、2時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(0.38g、7.6%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、目的生成物は確認されなかった。
反応容器にアクリル酸亜鉛(2.00g、9.6mmol)と、溶媒として、トルエン200mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。この反応液に、さらに添加剤として、水2mLを加えた。反応液を110℃でトルエンを還流させながら、2時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(0.37g、18.6%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、目的生成物は確認されなかった。
反応容器にアクリル酸亜鉛(2.01g、9.7mmol)と、溶媒として、トルエン200mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。この反応液に、さらに添加剤として、水2mLを加えた。反応液を90℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(1.07g、53.2%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、目的生成物は確認されなかった。
反応容器にアクリル酸亜鉛(2.04g、9.8mmol)と、溶媒として、トルエン200mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。この反応液に、さらに添加剤として、水0.5mLを加えた。反応液を110℃でトルエンを還流させながら1時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(1.67g、81.7%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、目的生成物は確認されなかった。
反応容器にアクリル酸亜鉛(2.01g、9.7mmol)と、溶媒として、トルエン200mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。反応液を110℃でトルエンを還流させながら1時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(0.30g、14.8%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、目的生成物は確認されなかった。
反応容器にアクリル酸亜鉛(2.08g、10mmol)と、溶媒として、トルエン200mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。この反応液に、さらに添加剤として、水1mLを加えた。反応液を110℃でトルエンを還流させながら、2時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(0.85g、41%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、目的生成物は確認されなかった。
反応容器にアクリル酸亜鉛(10g、4.8mmol)と、溶媒として、トルエン49mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。反応液を110℃でトルエンを還流させながら5時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(0.26g、2.6%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、アクリル酸亜鉛の重合物が確認された。
反応容器にアクリル酸亜鉛(10g、4.8mmol)と、溶媒として、トルエン49mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。反応液を110℃でトルエンを還流させながら24時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(0.08g、0.8%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、アクリル酸亜鉛の重合物が確認された。
反応容器にアクリル酸亜鉛(10g、4.8mmol)と、溶媒として、トルエン97mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をトルエンに溶解または分散させた。反応液を110℃でトルエンを還流させながら24時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(0.03g、0.3%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、アクリル酸亜鉛の重合物が確認された。
反応容器にアクリル酸亜鉛(10g、4.8mmol)と、溶媒として、キシレン97mLとを仕込み、アクリル酸亜鉛をキシレンに溶解または分散させた。反応液を110℃でキシレンを還流させながら5時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して濃縮物(0.19g、1.9%)を得た。濃縮物について、分析を行ったところ、アクリル酸亜鉛の重合物が確認された。
反応容器に酸化亜鉛(30g、369mmol)とジクロロメタン250mlを仕込んで0℃で撹拌した。アクリル酸(13.3g、184mmol)をジクロロメタン125mlに溶解させた液を2.5mL/分の滴下スピードで滴下した。滴下終了後、40℃に昇温し、3時間撹拌し、反応を終了した。得られた反応液をろ過して、溶媒に不溶な沈殿物を除去した。ろ液にヘキサン300mLを加え、液量が約1/4になるまで減圧濃縮して濃縮物を得た。濃縮物について分析したところ、目的生成物は確認されなかった。
反応容器に酸化亜鉛(2.5g、31mmol)、とアクリル酸亜鉛(19.1g、92mmol)をジクロロメタン375mlに溶解または分散した液、40℃で3時間撹拌した。なお、溶媒は還流させた。得られた反応液をろ過して、溶媒に不溶な沈殿物を除去した。ろ液にヘキサン300mLを加え、液量が約1/4になるまで減圧濃縮して析出物を得た。ろ過により析出物を除去し、ろ液を乾燥させて濃縮物を得た(1.82g)。濃縮物は、アクリル酸オキソクラスターであり、アクリル酸ヒドロキソクラスターは、確認されなかった。
表6に示す配合で各原料を混練し、ゴム組成物を調製した。
BR730:JSR社製、ハイシスポリブタジエン(シス-1,4-結合含有量=96質量%、1,2-ビニル結合含有量=1.3質量%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))=55、分子量分布(Mw/Mn)=3)
アクリル酸亜鉛ヒドロキソクラスター:実施製造例3で得られた第2錯体3
ZN-DA90S:日触テクノファインケミカル社製、アクリル酸亜鉛(10質量%ステアリン酸亜鉛コーティング品)
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺R」
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D」
Claims (11)
- 式(1)で表される錯体。
((RCOO)8M5(OH)2)n (1)
[式(1)中、金属原子Mは、亜鉛であり、R=-CH=CH2または-C(CH3)=CH2である。複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。nは、1以上の整数である。] - 式(4)で表される化合物と、式(5)で表される金属酸化物とを水の存在下、溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の錯体の製造方法。
[Zn(RCOO)2]・yH2O・・・(4)
ZnO ・・・(5)
[式(4)中、Rは、-CH=CH2または-C(CH3)=CH2であり、yは、0以上の整数である。] - 式(4)で表される化合物と、式(5)で表される金属酸化物とを溶媒中で反応させて第1錯体を得る工程、および、
前記第1錯体と水とを反応させて第2錯体を得る工程とを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の錯体の製造方法。
[Zn(RCOO)2]・yH2O・・・(4)
ZnO ・・・(5)
[式(4)中、Rは、-CH=CH2または-C(CH3)=CH2であり、yは、0以上の整数である。] - 前記第1錯体と水との反応は、前記第1錯体を相対湿度50%以上の雰囲気に曝すことにより行われる請求項5に記載の錯体の製造方法。
- 式(4)で表される化合物と、式(5)で表される金属酸化物のモル比率((4)/(5))は、3/2~5/1である請求項4~6のいずれか一項に記載の錯体の製造方法。
- 式(6)で表されるカルボン酸と、式(5)で表される金属酸化物とを溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の錯体の製造方法。
RCOOH ・・・(6)
ZnO ・・・(5)
[式(6)中、Rは、-CH=CH2または-C(CH3)=CH2である。] - 式(6)で表されるカルボン酸と、式(5)で表される金属酸化物のモル比率((6)/(5))は、1/2超、7/4以下である請求項8に記載の錯体の製造方法。
- 溶媒として、ジクロロメタンを使用する請求項4~9のいずれか一項に記載の錯体の製造方法。
- -20℃~100℃の範囲の温度で反応させる請求4~10のいずれか一項に記載の錯体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US15/850,954 US10562919B2 (en) | 2016-12-22 | 2017-12-21 | Complex and process for preparing complex |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016250052 | 2016-12-22 | ||
JP2016250052 | 2016-12-22 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018104405A JP2018104405A (ja) | 2018-07-05 |
JP6992290B2 true JP6992290B2 (ja) | 2022-02-15 |
Family
ID=62786615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017129264A Active JP6992290B2 (ja) | 2016-12-22 | 2017-06-30 | 錯体および錯体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6992290B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008044207A (ja) | 2006-08-14 | 2008-02-28 | Kureha Corp | ガスバリア性ゴム状成形体およびその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5921640A (ja) * | 1982-07-07 | 1984-02-03 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | アクリル酸亜鉛の製法 |
DE3804646A1 (de) * | 1988-02-15 | 1989-08-24 | Henkel Kgaa | Makroporoese ionenselektive austauscherharze |
-
2017
- 2017-06-30 JP JP2017129264A patent/JP6992290B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008044207A (ja) | 2006-08-14 | 2008-02-28 | Kureha Corp | ガスバリア性ゴム状成形体およびその製造方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
GORDON, R. M. et al.,Canadian Journal of Chemistry,1983年,Vol. 61,pp. 1218-1221 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018104405A (ja) | 2018-07-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7017023B2 (ja) | 錯体および錯体の製造方法 | |
Memon et al. | Polymer supported calix [4] arene derivatives for the extraction of metals and dichromate anions | |
Kanters et al. | Reaction of carbon monoxide and an isonitrile with octakis (triphenylphosphine) octagoldplatinum (3+). Crystal structure of Pt (CO)(AuPPh3) 8 (NO3) 2.2 C4H10O. 2CH2Cl2 | |
Thompson et al. | Preparation and structural characterization of acetylene (2, 2'-dipyridylamine) copper (I) tetrafluoroborate | |
Dong et al. | Na14K6Tl18M (M= Mg, Zn, Cd, Hg) and Na13. 5Sm0. 5K6Tl18Na: Novel Octahedral and Centered Icosahedral Cluster Phases Related to the Mg2Zn11‐Type Structure | |
JP6992290B2 (ja) | 錯体および錯体の製造方法 | |
US10562919B2 (en) | Complex and process for preparing complex | |
JP7102972B2 (ja) | 錯体および錯体の製造方法 | |
JP7151210B2 (ja) | 錯体および錯体の製造方法 | |
Bochkarev et al. | Synthesis and structure of organotin complexes of ytterbium | |
CN114314701B (zh) | 一种三氯氨铂酸钾的制备方法及其在制备顺式-氨-水-铂配合物中的应用 | |
CN114195830B (zh) | 一种顺式-氨-水-铂配合物的制备方法 | |
Şekerci et al. | The Synthesis and Co (II), Ni (II), Cu (II) and UO2 (VI) complexes of 1, 2-O-benzal-4-aza-7-aminoheptane | |
Reddy et al. | Synthesis, characterization and biological activity of dioxouranium (VI) complex of thiosemicarbazone | |
Lis et al. | The crystal structures of K [Mn (H2O) 2 (mal) 2]. 2H2O and K3 [Mn (mal) 3]. 2H2O | |
Baranwal et al. | Hydroxycarboxylato Complexes of Copper (II): Synthesis and Characterization | |
Shotor et al. | In-vitro cytotoxicity studies of vanadyl complexes with hydroxamic acid series | |
CN113980057B (zh) | 一锅法制备双烯合铑(I)硝酸盐[RhL2]NO3的合成方法 | |
JP2018104667A (ja) | 架橋ゴムおよびゴルフボール | |
JP6888441B2 (ja) | ゴム組成物および架橋ゴム成形体 | |
JP2018104666A (ja) | 架橋ゴムおよびゴルフボール | |
De | Structure of [2, 2'-(ethylene) dibiguanide] manganese (III) nitrate monohydrate | |
Aggarwal et al. | Synthesis and Characterization of Some 3d Metal (II) Ternary Complexes of Acetylacetone and 1-Nitroso-2-naphthol | |
JP6878877B2 (ja) | ゴム組成物および架橋ゴム成形体 | |
JP6213638B2 (ja) | β−ケトカルボン酸銀の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20180223 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200420 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210304 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210323 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210514 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210810 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211005 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211122 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6992290 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |