JP6989819B2 - データ補正装置、データ補正方法、および、データ補正プログラム - Google Patents

データ補正装置、データ補正方法、および、データ補正プログラム Download PDF

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本発明は、データを補正する装置、方法、および、プログラムに関する。
レーザーセンサを用いて、物体までの距離の測定や、物体の形状の測定が行われることがある。ここで、レーザーセンサには、スキャン方式のセンサと、一括照射方式のセンサがある。スキャン方式を採用するセンサでは時系列走査が行われるため、同時刻にスキャン範囲全体の測距はできない。一括照射でローリングシャッター方式の受光素子を用いて、測距や距離画像の生成が行われる場合も、スキャン方式と同様に、同時刻のスキャン範囲全体の測距はできない。(例えば、特許文献1など)。類似例として、ローリングシャッター方式の画像センサは同時刻にスキャン範囲全体の測距を行わないので、1フレームを取得する際に測距点によって露光時刻が異なる。従って、1フレームの撮像期間中に被写体の位置が変動すると、実際の被写体の形状とは異なる形状の撮像結果が得られてしまう。また、ローリングシャッター方式の画像センサが移動した場合にも、実際の被写体の形状とは異なる形状の撮像結果が得られてしまう。このため、画像センサの画像平面におけるピクセル位置と座標スペースにおける対応光線との間の関係に基づく校正データを用いて画像を修正する技術も提案されている(例えば、特許文献2など)。
一方、一括照射でグローバルシャッター方式を採用したセンサは同時刻にスキャン範囲全体の測距を行うので、グローバルシャッター方式のセンサを用いたシステムでは、被写体が移動しても、被写体の実際の形状を測距結果として得ることができる。例えば、周囲光が強い場合にも、周囲光による過剰な電荷を排除しながら信号光電荷を集積するグローバルシャッター方式のセンサも提案されている(例えば、非特許文献1など)。
特許第6025081号 特開2012-253778号公報
橋本裕介 外4名、「周囲光消去型距離画像センサ」、パナソニック電工技報、Vol.57第2号、P.4-9
グローバルシャッター方式のセンサを用いる場合、被写体が移動物体であっても、移動物体の全体を同一時刻に測距できるが、センサと移動物体の間に距離がある場合などは、照射光が拡散するために反射光が弱くなり、正確な測定が困難になる。しかし、照射光を一定以上強くすると、作業者の目に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。一方、スキャン方式のセンサを用いる場合、測距点あたりの照射光をグローバルシャッター方式のセンサよりも強くすることができるので、遠くにある物体も測距できる。しかし、スキャン方式のセンサでは時系列走査が行われるので、移動物体を測距すると、被写体の形状と異なる測距結果が得られてしまう。
本発明は、1つの側面では、時系列走査により取得した移動物体の測距結果を正しく補正することを目的とする。
ある1つの態様にかかるセンサデータ補正装置は、特定部、選択部、推定部、補正処理部を備える特定部は、測距対象を時系列走査することにより測距する測距センサでの複数回の測距結果から選択された複数の測距点の各々に対して、前記測距センサより解像度の高いカメラによる前記測距対象物の複数回の撮像結果から、当該測距点に対応する画素を特定する。選択部は、前記複数回の測距結果のうちの第1の測距結果に含まれる測距点から補正対象として注目する第1の測距点を選択すると共に、前記第1の測距点の前記測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある第2の測距点を、前記複数回の測距結果のうちの前記第1の測距結果とは異なる第2の測距結果から選択する。推定部は、前記複数の測距点の各々に対応付けられた画素の特徴量を用いて、前記複数の測距点のうち前記測距対象物上の同じ表面位置の測距結果を推定することにより、前記測距対象物の移動軌跡を推定する。前記推定部は、前記第1の測距点に対応付けられた画素の特徴量と、前記第2の測距点に対応付けられた画素の特徴量の差が閾値を下回ると、前記移動軌跡は前記第1の測距点と前記第2の測距点を通ると推定する。補正処理部は、前記移動軌跡を用いて、前記測距センサでの前記測距対象物の測距結果を、特定の時刻での測距結果に補正する。
時系列走査により取得した移動物体の測距結果を正しく補正できる。
実施形態にかかるデータ補正方法の例を説明する図である。 データ補正装置の構成の例を説明する図である。 データ補正装置のハードウェア構成の例を説明する図である。 測距データおよび撮像データの例を説明する図である。 センサでの測距点とカメラによる撮像結果の関係の例を説明する図である。 測距点に対応する画素の特定例を説明する図である。 移動軌跡の例と補正処理の例を説明する図である。 第1の実施形態にかかる処理の例を説明するフローチャートである。 第1の実施形態にかかる処理の例を説明するフローチャートである。 フレーム数を制限する場合の処理の例を説明する図である。 遷移モデルの例を説明する図である。 第4の実施形態にかかるデータ補正装置の構成の例を説明する図である。 小平面の検索処理の例を説明する図である。 補間処理に使用するデータの選択方法の例を説明する図である。 第4の実施形態にかかる処理の例を説明するフローチャートである。
図1は、実施形態にかかるデータ補正方法の例を説明する図である。図1にかかる処理は、時系列走査型の測距センサと、カメラとにより生成されたデータを取得可能なデータ補正装置によって行われる。以下の説明では、カメラは、グローバルシャッター方式を採用している場合を例とするが、カメラでも、ローリングシャッター方式が採用されても良い。データ補正処理装置と測距センサとカメラとは、一つの装置内にともに搭載されてもよい。
データ補正装置は、時系列走査型の測距センサと、測距センサよりも解像度の高いカメラの各々で測距対象を複数回にわたって撮像する(ステップS1)。例えば、データ補正装置は、図1の例E中に示す期間P1とP2において、時系列走査型の測距センサで測距対象を測距したとする。以下、期間P1にフレームFs1が測距され、期間P2にフレームFs2が測距されたとする。さらに、データ補正装置は、カメラを用いて、図1の例E中に示す時刻T1とT2に測距対象を撮像したとする。以下、時刻T1にフレームFc1が撮像され、期間P2にフレームFc2が撮像されたとする。
その後、データ補正装置は、測距センサでの複数の測距結果から、複数の測距点を選択する(ステップS2)。例えば、データ補正装置は、フレームFs1から測距点Po1~Po3、フレームFs2から測距点Po4を選択したとする。また、測距対象のうちで測距点Po1~Po3のいずれで観測された位置も、測距対象の移動により、期間P2には測距点Po4として観測され得る範囲内であるとする。
ステップS3において、データ補正装置は、カメラでの複数の撮像結果から、ステップS2で選択した測距点に対応する画素を選択する。例えば、データ補正装置は、測距点Po1に対応する画素としてフレームFc1から画素Pi1を選択したとする。同様に、データ補正装置は、測距点Po2に対応する画素としてフレームFc1から画素Pi2を選択し、測距点Po3に対応する画素としてフレームFc1から画素Pi3を選択したとする。さらに、データ補正装置は、測距点Po4に対応する画素としてフレームFc2から画素Pi4を選択したとする。
次に、データ補正装置は、ステップS3で特定した画素(Pi1~Pi4)の特徴量を用いて、ステップS2で選択した測距点(Po1~Po4)のうちで、測距対象物上の同じ表面位置を測定した結果を推定する(ステップS4)。ここで使用される特徴量は、画素の輝度やRGB値など、画素に対応付けられた値であって測距対象の移動によって変動しない任意の要素である。例えば、特徴量として、画素のRGB値が使用されたとする。例えば、画素Pi1と画素Pi4のいずれも、RGB値が(R,G,B)=(0,0,0)であり、画素Pi2が(R,G,B)=(0,0,255)、画素Pi3が(R,G,B)=(255,0,0)であったとする。この場合、画素Pi1と画素Pi4は、RGB値が一致しているので、測距対象のうちで時刻T1において画素Pi1として撮像された位置が、時刻T2において画素Pi4として撮像されたと推測することができる。画素Pi1は測距センサによる測距点Po1に対応付けられており、画素Pi4は測距センサによる測距点Po4に対応付けられている。このため、データ補正装置は、期間P1中での測距点Po1と期間P2中での測距点Po4が、測距対象のうちの同じ位置の測距結果であると推定する。
データ補正装置は、測距対象の同じ位置を測定した結果として推定した測距点の組合せから、測距対象の移動軌跡を推定する(ステップS5)。図1の例では、期間P1中の測距点Po1の測距時刻に測距点Po1に位置している点が、期間P2中の測距点Po4の測距時刻に測距点Po4の位置に移動したときに得られる時空間の移動軌跡を、測距対象の移動軌跡とする。
データ補正装置は、得られた移動軌跡を用いて、測距センサでの測距結果を、特定の時刻の測距結果に補正する(ステップS6)。例えば、データ補正装置は、フレームFs1中の測距点Po4の測距結果とステップS5で得られた移動軌跡に基づいて、測距点Po4として測距された位置を、時刻T2などの他の時刻に測距された場合の位置に変換することにより、補正データを生成する。
このように、実施形態にかかるデータ補正方法によると、測距センサで得られた複数の測距点のうち、測距対象の同じ点に対する測距結果を、高解像度のカメラによって得られた画像を用いて特定することができる。このため、測距センサを用いた複数のフレームを撮像している間の測距対象物の移動の軌跡が推定でき、推定された軌跡を用いて、測距対象物の移動による歪みを正確に修正することができる。このため、時系列走査により取得した移動物体の測距結果が正しく補正される。
<装置構成>
図2は、データ補正装置20の構成の例を説明する図である。データ補正装置20は、3Dセンサ21、カメラ22と通信し、処理部30、記憶部60を備える。3Dセンサ21とカメラ22は、いずれも、測距対象物10を測距および撮像可能な位置に設定されているものとする。以下の説明では、測距対象物10は、移動や回転をする物体であるとする。3Dセンサ21は、スキャン方式(時系列走査方式)での測距処理が可能なセンサである。以下の説明では、カメラ22は、グローバルシャッター方式を採用しており、3Dセンサ21よりも解像度が良いカメラであるとする。以下、各フレームの座標が3Dセンサ21とカメラ22のいずれを基準としているかを分かりやすくするために、3Dセンサ21での測距に使用する座標系を「センサ座標系」、カメラ22での撮像に使用する座標系を「カメラ座標系」と記載することがある。
記憶部60は、処理プログラム61、設定情報63、取得データ70を保持し、オプションとして遷移モデル62を保持する。処理プログラム61は、データ補正装置20が備えるプロセッサ101(図3)に、データ補正装置20としての動作処理を行わせるためのプログラムである。遷移モデル62は、測距対象物10の測距中に測距対象物10に対して予測される位置の遷移のパターンを表わしたモデルである。遷移モデル62は、測距対象物10の動きが予測可能な場合に、記憶部60に保持される。
設定情報63は、3Dセンサ21やカメラ22の設置の際に決定される情報である。設定情報63には、3Dセンサ21とカメラ22の相対位置の違いの調整に使用される情報が含まれる。取得データ70は、3Dセンサ21やカメラ22での測距および撮像によって得られた情報であり、3Dデータ71、カメラ画像データ72、フレーム取得時刻情報73を含む。3Dデータ71は、3Dセンサ21での測距によって得られるデータである。カメラ画像データ72はカメラ22での撮像によって得られるデータである。フレーム取得時刻情報73は、3Dセンサ21やカメラ22によるフレームの測距および撮像が開始された時刻が、フレームの識別情報に対応付けられた情報である。
処理部30は、3Dセンサ通信部31、カメラ通信部32、制御部33、補正データ生成部40を備える。補正データ生成部40は、探索範囲決定部42、推定部43、補正処理部44、組合せ候補抽出部50を有し、オプションとして、背景除去部41を有する。組合せ候補抽出部50は、選択部51、変換処理部52、特定部53を有する。3Dセンサ通信部31は、3Dセンサ21との間で通信することにより、3Dデータ71やフレーム取得時刻情報73を取得する。カメラ通信部32は、カメラ22との間で通信することにより、カメラ画像データ72やフレーム取得時刻情報73を取得する。制御部33は、3Dセンサ21での測距結果を補正する際の基準の時刻の設定を行う。なお、制御部33は、適宜、ネットワーク接続装置109(図3)を介して他の装置との通信を行うことにより、3Dセンサ21での測距結果を補正する際の基準の時刻の情報を取得できる。
背景除去部41は、測距対象物10が含まれていない状態においての、3Dセンサ21での測距結果を背景データとして予め保持している。背景除去部41は、3Dデータ71やカメラ画像データ72として記録されているデータと背景データの差分を、測距対象物10の測距および撮像結果として抽出する。
探索範囲決定部42は、測距対象物10の特定の位置の測距結果である可能性がある範囲を、探索範囲として決定する。ここで、探索範囲は、測距対象物10自身の移動や回転などによって、測距対象物10のある位置の測距結果として得られた測距点が複数のフレーム間で変動する範囲である。探索範囲決定部42は、探索範囲を決定する際に、遷移モデル62やフレームのデータ取得間隔などの設定情報63を使用することができる。
選択部51は、3Dセンサ21での複数回の測距結果から複数の測距点を選択する。背景除去部41によって探索範囲が決定されている場合、選択部51は、探索範囲内の複数の測距点を選択する。変換処理部52は、適宜、設定情報63を用いて、3Dセンサ21での測距結果とカメラ22での撮像結果の座標系を変換する。特定部53は、選択部51が選択した測距点の各々に対して、その測距点に対応する画素を、カメラ22で測距対象物10を複数回にわたって撮像した結果から特定する。特定部53の処理の詳細については後述する。
推定部43は、特定部53などの処理によって、複数の測距点の各々に対応付けられた画素の特徴量を用いて、複数の測距点のうち測距対象物10上の同じ表面位置の測距結果を推定することにより、測距対象物10の移動軌跡を推定する。例えば、推定部43は、複数の測距点のうち、対応付けられた画素のRGB値や輝度などの値が所定の範囲内に含まれている測距点同士は、測距対象物10上の同じ表面位置の測距結果である可能性があると推定できる。補正処理部44は、推定部43で得られた測距対象物10の移動軌跡の推定結果を用いて、3Dデータ71を補正することにより、測距点の各々が所定の時刻に測距された場合に得られる測距データを生成する。
図3は、データ補正装置20のハードウェア構成の例を示す。データ補正装置20は、プロセッサ101、メモリ102、入力装置103、バス105を備える。さらにオプションとして、データ補正装置20は、出力装置104、外部記憶装置106、媒体駆動装置107、ネットワーク接続装置109を備えても良い。データ補正装置20は、例えば、入力装置103を備えているコンピュータか、入力装置103を接続可能なコンピュータなどで実現されることがある。
プロセッサ101は、任意の処理回路であり、例えば、Central Processing Unit(CPU)とすることができる。プロセッサ101は、処理部30として動作する。なお、プロセッサ101は、例えば、メモリ102や外部記憶装置106に記憶されたプログラムを実行することができる。メモリ102は、プロセッサ101の動作により得られたデータや、プロセッサ101の処理に用いられるデータも、適宜、記憶する。メモリ102や外部記憶装置106は、データ補正装置20において、記憶部60として動作する。入力装置103は、3Dセンサ21やカメラ22である。さらに、入力装置103として、データ補正装置20は、ボタン、キーボードやマウス等を備えていても良い。
ネットワーク接続装置109は、ネットワーク110を介した他の装置との通信に使用される。出力装置104は、ディスプレイなどとして実現される。バス105は、プロセッサ101、メモリ102、入力装置103、出力装置104、外部記憶装置106、媒体駆動装置107、ネットワーク接続装置109の間を相互にデータの受け渡しが行えるように接続する。外部記憶装置106は、プログラムやデータなどを格納し、格納している情報を、適宜、プロセッサ101などに提供する。媒体駆動装置107は、メモリ102や外部記憶装置106のデータを可搬記憶媒体108に出力することができ、また、可搬記憶媒体108からプログラムやデータ等を読み出すことができる。ここで、可搬記憶媒体108は、フロッピイディスク、Magneto-Optical(MO)ディスク、Compact Disc Recordable(CD-R)やDigital Versatile Disk Recordable(DVD-R)を含む、持ち運びが可能な任意の記憶媒体とすることができる。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態を、測距データおよび撮像データの取得、測距点に対応する画素の特定、移動軌跡の推定と測距データの補正に分けて説明する。
(1)測距データおよび撮像データの取得
図4は、測距データおよび撮像データの例を説明する図である。図4のE1は、3Dセンサ21とカメラ22の各々で測距対象物10を測距および撮像する様子の例である。E1では、3Dセンサ21から測距される範囲をA、カメラ22から撮像される範囲をBとして示す。3Dセンサ21によって時系列走査方式で測距対象物10が測距されるので、複数の測距点についての情報が3Dセンサ21から処理部30に入力される。同様に、カメラ22が撮像した結果得られた画像は、カメラ22から処理部30に入力される。
図4のE2は、3Dセンサ21およびカメラ22での測距および撮像のタイミングの例を示している。3Dセンサ21では、時刻tSf(i-1)から始まる期間P(i-1)にわたって行われる複数回の測距処理によって、(i-1)番目のフレームが得られている。同様に、時刻tSfiから始まる期間Piにわたって行われる複数回の測距処理によって、i番目のフレームが得られ、時刻tSf(i+1)から始まる期間P(i+1)での測距処理によって、(i+1)番目のフレームが得られる。
このように測距された(i-1)番目~(i+1)番目のフレームに含まれている測距点の情報は、3Dセンサ21から3Dセンサ通信部31に入力される。3Dセンサ通信部31は、得られた情報を3Dデータ71として記憶部60に記録する。さらに、3Dセンサ通信部31は、各フレームの取得開始時刻を、フレームの番号と対応付けてフレーム取得時刻情報73に記録する。
図4のE2に示す例では、カメラ22による撮像処理では、グローバルシャッター方式が用いられるので、所定の時刻での1回の撮像処理により、1つのフレームが得られる。E2に示す例では、時刻tCf(j-2)に(j―2)番目のフレームが撮像され、時刻tCf(j-1)に(j―1)番目のフレームが撮像される。さらに、時刻tCfjにj番目のフレーム、時刻tCf(j+1)に(j+1)番目のフレーム、時刻tCf(j+2)に(j+2)番目のフレームが撮像される。
撮像された(j-2)番目~(j+2)番目のフレームの画像情報は、カメラ22からカメラ通信部32に入力される。カメラ通信部32は、得られた情報をカメラ画像データ72として記憶部60に記録するとともに、カメラ22で撮像された各フレームの取得時刻と、各フレームがカメラ22で撮像されていることを、フレームの番号と対応付けてフレーム取得時刻情報73に記録する。
図4のE3は、3Dセンサ21とカメラ22の各々から得られた情報と、各情報が取得されるタイミングの例を示す。カメラ22での撮像により得られた画素のデータを四角、3Dセンサ21による撮像で得られた測距点を黒丸で示す。なお、E3中に示す四角形の模様は、各画素の特徴量に対応しており、同じ模様の四角形同士は特徴量がほぼ同じものとする。E3に示すように、カメラ22での撮像結果に含まれる各画素の情報は、グローバルシャッター方式による撮像が行われる時刻にまとめて生成される。一方、3Dセンサ21ではスキャン方式が使用されるので、3Dセンサ21での測距結果に含まれる測距点は、その測距点についての測距処理が行われた時刻での測距結果になる。このため、測距点の得られる時刻は、フレームの測距にかかる期間の範囲内で分散されている。図4のE3では、各フレームの測距にかかる期間を矢印で示している。
図4のE3では、縦軸は、変換処理後の座標系での空間位置であり、横軸は測距点や画素の取得された時刻である。なお、E3の例では、空間位置は、XYZ座標で表わされているものとする。また、E3に示す情報は、図を見やすくするために、3Dセンサ21での測距点と、カメラ22で得られた撮像画像中の画素の座標系が、変換処理部52によって合わせたときに得られる情報として示している。
(2)測距点に対応する画素の特定
図5は、センサでの測距点とカメラによる撮像結果の関係の例を説明する図である。以下の説明では、各フレームが3Dセンサ21とカメラ22のいずれで撮像されたかを分かりやすくするために、3Dセンサ21で得られた測距結果を「センサフレーム」と記載することがある。同様に、カメラ22で得られた撮像結果を「カメラフレーム」と記載することがある。図5の例では、測距対象物10中の特定の位置の測距結果のXYZ座標値が2つのセンサフレーム間で変動する範囲として、閾値Thに示す範囲が、探索範囲決定部42によって予め求められているとする。選択部51は、探索範囲決定部42から閾値Thを取得する。
さらに、選択部51は、処理対象として選択したセンサフレーム中の測距点と、処理対象のセンサフレームの1つ前に測距されたセンサフレーム中の測距点であり、かつ、閾値Thの範囲内に含まれる測距点を選択する。図5中のグラフG1では、時刻tSfiから開始する期間Piに測距されたi番目のセンサフレームのうち、時刻tmに得られた測距点d1に着目したとする。選択部51は、(i-1)番目のセンサフレーム中の測距点のうち、測距点d1から閾値Thの範囲に含まれる測距点を選択する。図5の例では、(i-1)番目のセンサフレームには、測距点d2~d5の4つの測距点が含まれている。測距点d2~d5のうち、測距点d3~d5は、測距点d1から閾値Thの範囲に含まれているとする。すると、選択部51は、i番目のセンサフレームから測距点d1を選択すると共に、(i-1)番目のセンサフレームから測距点d3~d5を選択する。
選択部51は、i番目のセンサフレームから選択した測距点d1を終点として、(i-1)番目のセンサフレームから選択した測距点を始点とするXYZtベクトルを求める。例えば、選択部51は、測距点d3が始点で測距点d1を終点とした場合として、ベクトルv2を計算する。同様に、選択部51は、測距点d4が始点で測距点d1を終点とした場合としてベクトルv3、測距点d5が始点で測距点d1を終点とした場合としてベクトルv4を計算する。一方、測距点d2は測距点d1から閾値Thの範囲内に含まれていないので、選択部51は、測距点d2を選択せず、測距点d2から測距点d1に至るベクトル(ベクトルv1)も計算しない。
次に、特定部53は、選択部51が選択した各測距点に対応付ける画素を、カメラ画像データ72から特定する。このとき、特定部53は、選択部51で求められたベクトルの各々について、そのベクトルが測距対象物10の移動の軌跡に対応している場合の各測距点に対応するカメラフレーム中の画素を特定する。以下、グラフG1中のベクトルv4が測距対象物10の軌跡を表わすベクトルであるという仮定に基づいた、測距点d1に対応するカメラフレーム中の画素を求める場合の例を説明する。
特定部53は、(i-1)番目のセンサフレームの測距時刻からi番目のセンサフレームの測距時刻までの期間に行われたカメラ22での撮像時刻のうち、時刻tmに近い時刻を、フレーム取得時刻情報73を用いて特定する。図4のE2に示すように、時刻tCfjが時刻tmに最も近いカメラ22の撮像時刻となる。特定部53は、図5のグラフG1に示すように、XYZt四次元空間において、選択したベクトルv4の時刻tCfjに通過する点Aを求める。なお、ここで、点AはグラフG1を用いて求められているので、センサ座標系に従ってXYZ座標が求められている。すなわち、3Dセンサ21から点Aに至るXYZ空間ベクトルは、測距対象物10の移動軌跡がベクトルv4の通りである場合に、時刻tmに測距点d1として観測された測距対象物10中の位置が、時刻tCfjに観測される座標のセンサ座標系での表記となる。そこで、特定部53は、変換処理部52に点Aのセンサ座標系での座標を通知して、点Aの座標をセンサ座標系からカメラ座標系に変換することを要求する。
変換処理部52は、3Dセンサ21とカメラ22の相対位置の違いを用いて、点Aをセンサ座標系からカメラ座標系に変換する。なお、3Dセンサ21とカメラ22の相対位置の違いを計算するために使用される情報は、設定情報63として、予め、記憶部60に保持されている。設定情報63の例として、例えば、3Dセンサ21のスキャン方向ベクトル、3Dセンサ21での測距時刻の計算用の情報、カメラ22の入射光ベクトル、3Dセンサ21とカメラ22の相対的な位置角度の情報などが含まれる。3Dセンサ21のスキャン方向ベクトルは、3Dセンサ21で測距されるフレームの測距点の各々が、センサ座標系の原点からどちらの方向にあるかを示すベクトルの情報である。3Dセンサ21での測距時刻の計算用の情報は、フレームの先頭の測定時刻を基準とした場合の各測距点の測定時刻までの時間や、フレーム間の測距時間間隔などである。カメラ22の入射光ベクトルは、カメラ22で撮像されたフレーム中の画素が、カメラ座標系の原点からどちらの方向にあるかを示すベクトルの情報である。3Dセンサ21とカメラ22の相対的な位置角度の情報は、カメラ座標系の原点とセンサ座標系の原点の相対的な位置角度の情報である。変換処理部52は、設定情報63に含まれている情報を用いて、任意の既知の方法により、座標系の変換処理を行う。変換処理部52での座標の変換処理は、図5の右側の図に示すように、カメラ22での時刻tCfjでの撮像結果Bへの、3Dセンサ21から点Aに至るXYZ空間ベクトルの写像を求めることに相当する。以下の説明では、点Aに至るXYZ空間ベクトルを撮像結果Bに写像することにより、画素α1が求められたとする。
すると、特定部53は、変換処理部52での処理結果に基づいて、測距対象物10の移動軌跡がベクトルv4の通りである場合に測距点d1に対応する画素として、画素α1を特定する。特定部53は、特定した画素α1の特徴量を取得する。以下の説明では、特徴量として、画素のRGB値が用いられる場合を例とする。例えば、図5を参照しながら説明した処理により、特定部53は、以下のような情報を取得できる。
測距対象物10の移動の軌跡の予測:ベクトルv4
測距点d1に対応する画素 :画素α1
画素α1のRGB値 :(R,G,B)=(r1,g1,b1)
特定部53は、測距点d1について、測距対象物10の移動軌跡の候補として他に予測されたベクトルを採用した場合についても、図5を参照しながら説明した処理と同様の処理により、対応する画素をカメラフレーム中から特定する。さらに、特定部53は、測距点d3については、測距対象物10の移動の軌跡の予測がベクトルv2であると仮定した上で、対応する画素をカメラフレーム中から特定する。同様に、特定部53は、測距対象物10の移動の軌跡の予測がベクトルv3であると仮定した上で測距点d4に対応する画素を求め、測距対象物10の移動の軌跡の予測がベクトルv4であると仮定した上で測距点d5に対応する画素を求める。
図6は、測距点に対応する画素の特定例を説明する図である。図6中の黒丸は、対応付けられた時刻に3Dセンサ21で得られた測距点である。一方、図6中の四角形は、対応付けられた時刻に撮像されたカメラフレーム中の画素である。図6では、各画素のRGB値の差を分かりやすくするために、四角形の模様は画素のRGB値に対応付けている。図6では、複数の測距点の各々に対応付けられた画素のRGB値の差が所定の閾値以下である場合に、同じ模様の四角形で表わしている。ここで、閾値の大きさは、同じ位置の撮像結果として許容できる程度のRGB値の差分であり、実装に応じて任意に設定されるものとする。例えば、画素α1を表わす四角形と画素α2を表わす四角形は、いずれも横線模様であるので、画素α1と画素α2ではRGB値の差が閾値以下であると判断できる。一方、画素γ1を表わす四角形は白抜きの四角形であるが、画素γ2を表わす四角形には斜線が入っているので、画素γ1と画素γ2ではRGB値が異なると判断できる。
以下、測距対象物10の移動軌跡をベクトルv3と仮定した場合、測距点d1に対応する画素として画素β1が得られたとする。さらに、測距対象物10の移動軌跡をベクトルv2と仮定した場合、測距点d1に対応する画素として画素γ1が得られたとする。なお、図6においても、図5を参照しながら説明した通り、測距点d1について、測距対象物10の移動軌跡をベクトルv4と仮定した場合、測距点d1に対応する画素が画素α1であると求められているとする。
さらに、測距対象物10の移動軌跡をベクトルv2と仮定した場合、測距点d3に対応する画素として画素γ2が得られたとする。同様に、測距対象物10の移動軌跡をベクトルv3と仮定したときに測距点d4に対応する画素として画素β2が得られ、測距対象物10の移動軌跡をベクトルv4と仮定したときに測距点d5に対応する画素として画素α2が得られたとする。
(3)移動軌跡の推定と画像の補正
以下、図6に示すとおりに画素が特定された場合について、推定部43で行われる移動軌跡の推定処理の例を、図6を参照しながら説明する。
推定部43は、特定部53での特定結果と特定された画素のRGB値を用いて、測距対象物10の移動軌跡を表わしているベクトルを推定する。ここで、同じベクトルに対応付けられた画素同士や測距点同士は、そのベクトルに従って測距対象物10が移動している場合に、測距対象物10の表面上の同じ位置をカメラ22で撮像した結果に相当する。このため、測距対象物10の実際の移動軌跡を表わしているベクトルに対応付けられた画素同士では、RGB値はほとんど変動しないと予測できる。そこで、推定部43は、同じベクトルに対応付けられている画素同士のRGB値の変動量が誤差範囲に含まれる場合に、画素の特定に使用されたベクトルが測距対象物10の移動軌跡を表わしていると推定する。一方、同じベクトルに対応付けられている画素同士のRGB値の変動量が誤差範囲に含まれない場合は、画素の特定に使用されたベクトルが測距対象物10の移動軌跡を表わしていないと推定する。
例えば、測距対象物10の移動軌跡がベクトルv2の通りであると仮定した場合、測距点d1に対応付けて画素γ1が特定され、測距点d3に対応付けて画素γ2が特定されている。そこで、推定部43は、画素γ1と画素γ2のRGB値を比較する。図6の例では、画素γ1と画素γ2ではRGB値が異なっているので、推定部43は、ベクトルv2は、測距対象物10の移動軌跡ではないと推定する。
次に、測距対象物10の移動軌跡をベクトルv3と仮定した場合について、推定部43が処理を行うとする。測距対象物10の移動軌跡をベクトルv3と仮定した場合、測距点d1に対応付けて画素β1が特定され、測距点d4に対応付けて画素β2が特定されている。そこで、推定部43は、画素β1と画素β2のRGB値を比較する。図6の例では、画素β1の四角形は白抜きであるが、画素β2の四角形はグレーであるため、画素β1と画素β2ではRGB値が異なっている。このため、推定部43は、ベクトルv3は、測距対象物10の移動軌跡ではないと推定する。
さらに、測距対象物10の移動軌跡をベクトルv4と仮定した場合について、推定部43が処理を行うとする。測距対象物10の移動軌跡をベクトルv4と仮定した場合、測距点d1に対応付けて画素α1が特定され、測距点d5に対応付けて画素α2が特定されている。そこで、推定部43は、画素α1と画素α2のRGB値を比較する。図6の例では、画素α1と画素α2の四角形はいずれも同じ模様であるので、画素α1と画素α2ではRGB値がほぼ同じであると判定される。このため、推定部43は、ベクトルv4が、測距対象物10の移動軌跡であると推定する。
図7のE11は、図6を参照しながら説明した処理によって推定された移動軌跡の例を示している。移動軌跡Lは、図6のベクトルv4を含み、測距対象物10中の同じ位置を撮像した画素として推定された画素α1と画素α2の各々のXYZt4次元空間での座標を結ぶ直線状となっている。
図7のE12を参照しながら、移動軌跡Lを用いた測距結果の補正の例を説明する。補正処理部44は、測距データの補正の基準とする時刻を、制御部33から取得する。この例では、i番目のセンサフレームの測距開始時刻である時刻tSfiに合わせて測距データを補正することが要求されているとする。また、推定部43によって移動軌跡Lが推定されたことから、測距対象物10のうち、測距点d1として測距された位置は、移動軌跡Lに沿って移動していると考えられる。そこで、補正処理部44は、測距点d1を移動軌跡Lの直線方程式で、時刻=tSfiの値を取る点cd1に置き換える。
補正対象のセンサフレームに含まれている他の測距点(測距点d6、d7)についても図5~図7を参照しながら説明した処理と同様の処理を行うことにより、各測距点を補正できる。補正処理部44は、補正によって得られた結果をプロットすることにより、i番目のセンサフレーム中に含まれている測距点を、時刻tSfiにグローバルシャッター方式を用いた測距を行った場合と同様に補正したセンサフレームを生成する。
図8Aと図8Bは、第1の実施形態にかかる処理の例を説明するフローチャートである。なお、図8Aと図8Bにおいて、ステップS11とS12は並行して行われる処理であるが、実装に応じて、ステップS11とS12の順序は任意に変更され得る。また、図8Aと図8Bでは、変数n、変数mと定数Nを使用する。定数Nは、選択したセンサフレーム内で補正処理の対象とする測距点(注目測距点)の総数である。変数nと変数mは、処理対象とした注目測距点の数を計数するために使用される。図8Aと図8Bでは、背景除去部41を保持しているデータ補正装置20で行われる処理の例を説明するが、背景除去部41を保持していないデータ補正装置20は、ステップS13を省略する。
まず、3Dセンサ21が測距対象物10を測距することによりセンサフレームを生成すると、3Dセンサ通信部31は、3Dセンサ21からセンサフレームを受信すると共に、3Dデータ71として記憶部60に記憶する(ステップS11)。同様に、カメラ22での測距対象物10の撮像によりカメラフレームが生成されると、カメラ通信部32は、カメラフレームをカメラ22から受信すると共に、カメラ画像データ72として記憶部60に記憶する(ステップS12)。
背景除去部41は、予め、背景測距フレームデータを記憶しているとする。ここで、背景測距フレームデータは、測距対象物10が無い場合の測距対象物10の背景を、3Dセンサ21で測距したときに得られるセンサフレームのデータである。背景除去部41は、背景測距フレームデータと処理対象のセンサフレームとの差分から、測距対象物10が測距されている領域を抽出する(ステップS13)。選択部51は、制御部33から補正目標とする時刻を取得し、補正目標の時刻から処理対象のセンサフレームデータを選択する(ステップS14)。
選択部51は、選択したセンサフレーム内の注目測距点を選択する(ステップS15)。なお、ステップS15において、注目測距点として選択される測距点の数は任意である。例えば、図7の例E12では、測距点d1、d6、d7が注目測距点として選択されている。探索範囲決定部42は、注目測距点の各々に対して、その注目測距点で測距した測距対象物10中の表面上の位置の測距結果がセンサフレーム間で変動する範囲(探索範囲)を決定する(ステップS16)。ここで、探索範囲は、空間的な範囲と時間的な範囲を含む。例えば、図4~図7を参照した説明では、空間的な範囲は図5のThで示した範囲であり、時間的な範囲は注目測距点の含まれるセンサフレームよりも1つ前に測距されたセンサフレームの測距期間である。選択部51は、変数nおよび変数mを1に設定する(ステップS17)。
選択部51は、n番目の注目測距点について、探索範囲内での測距点の組み合わせを抽出し、組合せごとに測距点を結んだときに得られるXYZt4次元空間のベクトルを算出する(ステップS18)。ここで、個々のXYZt4次元空間のベクトルは、測距対象物10の移動軌跡の候補である。特定部53は、処理対象のカメラフレームのデータをカメラ画像データ72から選択する(ステップS19)。次に、特定部53は、n番目の注目測距点を含むXYZt4次元ベクトルの各々について、ベクトルの始点か終点となっている測距点に対応する画素を2つ以上のカメラフレームから特定する(ステップS20)。特定部53は、変数nが定数N以上であるかを判定する(ステップS21)。変数nが定数N未満である場合、全ての注目測距点について対応する画素の検索処理が終わっていないので、特定部53は、変数nを1つインクリメントしてステップS18に戻る(ステップS21でNo、ステップS22)。
一方、変数nが定数N以上である場合、全ての注目測距点についての対応する画素の検索処理が終わっている(ステップS21でYes)。このため、移動軌跡の候補から実際の移動軌跡を推定するための処理が行われる。
推定部43は、m番目の注目測距点を用いて求められたXYZt4次元空間のベクトルの始点と終点に対応付けられた画素を評価関数で評価することにより、最も評価の良いベクトルを選択する(ステップS23)。ここで、評価関数は、処理対象となっているXYZt4次元空間のベクトルを用いて選択された画素が測距対象物10の表面上の同じ位置を撮像しているかの判定が可能な任意の関数や任意の評価基準であって良い。例えば、図6や図7を用いて説明した例では、ベクトルの始点と終点に対応付けられた画素の画素値の差が小さいほど評価関数の値が良くなるように設定されている。補正処理部44は、ステップS23で選択されたベクトルから、m番目の注目測距点についての補正目標時刻における座標を算出し、出力する(ステップS24)。次に、補正処理部44は、変数mが定数N以上であるかを判定する(ステップS25)。変数mが定数N未満である場合、全ての注目測距点についての補正処理が終わっていないので、補正処理部44は、変数mを1つインクリメントしてステップS23に戻る(ステップS25でNo、ステップS26)。
一方、変数mが定数N以上である場合、全ての注目測距点についての補正処理が終わっている(ステップS25でYes)。そこで、制御部33は、センサフレームの処理が完了したかを判定する(ステップS27)。センサフレームの処理が完了していない場合、ステップS15以降の処理が繰り返される(ステップS27でNo)。センサフレームの処理が完了した場合、制御部33は、補正処理を終了する(ステップS27でYes)。
なお、以上の説明では、注目測距点を含むセンサフレームと、その1つ前の期間に測距されたセンサフレームを用いた処理が行われる場合を例としたが、XYZt4次元ベクトルの生成に使用されるセンサフレームは実装に応じて変更され得る。
このように、第1の実施形態にかかるデータ補正方法によると、3Dセンサ21で得られた複数の測距点のうち、測距対象の同じ点に対する測距結果を、高解像度のカメラ22によって得られた画像を用いて特定できる。従って、データ補正装置20は、3Dセンサ21を用いた複数のフレームの撮像している間の測距対象の移動の軌跡を推定でき、推定した軌跡を用いて、測距対象の移動による歪みを正確に修正することができる。このため、データ補正装置20では、時系列走査により取得した移動物体の測距結果を正しく補正できる。
<第2の実施形態>
図9は、フレーム数を制限する場合の処理の例を説明する図である。図9に示す例では、使用するセンサフレームとカメラフレームの数をそれぞれ2フレームずつに限定した場合の例を説明する。なお、図9においても、黒丸は、対応付けられた時刻に3Dセンサ21で得られた測距点であり、四角形は、対応付けられた時刻に撮像されたカメラフレーム中の画素である。また、図9でも、各画素のRGB値の差を分かりやすくするために、四角形の模様を画素のRGB値に対応付けている。
(1)センサフレームの測距開始時刻に応じてカメラフレームを選択するケース
図9のE21は、処理対象のセンサフレームの測距期間の開始時刻に最も近い時刻に撮像されたカメラフレームを、センサフレームと共に使用する場合の例を示している。E21には、3Dセンサ21によって(i-1)番目~(i+1)番目のフレームの測距結果が示されている。また、(i-1)番目のセンサフレームの測距開始時刻は時刻tSf(i-1)で、i番目のセンサフレームの測距開始時刻は時刻tSfi、(i+1)番目のセンサフレームの測距開始時刻は時刻tSf(i+1)であるとする。
さらにE21の例では、(i-1)番目~(i+1)番目のセンサフレームが測距される間に、(j-2)番目~(j+2)番目のカメラフレームが撮像されている。(j-2)番目のカメラフレームの撮像時刻は時刻tCf(j-2)、(j-1)番目のカメラフレームの撮像時刻は時刻tCf(j-1)、j番目のフレームの撮像時刻は時刻tCfjであるとする。同様に、(j+1)番目のカメラフレームの撮像時刻は時刻tCf(j+1)であり、(j+2)番目のカメラフレームの撮像時刻は時刻tCf(j+2)であるとする。
E21のケースでは、選択部51は、i番目のセンサフレーム中の測距点から注目測距点を選択し、(i-1)番目のセンサフレームから、注目測距点と組み合わせてベクトルを求める測距点を選択したとする。すると、特定部53は、処理対象のセンサフレーム中の測距点に対応する画素を、処理対象のセンサフレームの測距開始時刻に最も近い時刻に撮像されたカメラフレームから選択する。例えば、i番目のセンサフレームの測距開始時刻(tSfi)に最も近い時刻に撮像されたカメラフレームは、j番目のカメラフレームである。また、(i―1)番目のセンサフレームの測距開始時刻(tSf(i-1))に最も近い時刻に撮像されたカメラフレームは、(j―2)番目のカメラフレームである。そこで、特定部53は、i番目のセンサフレーム中の測距点に対応する画素を、j番目のカメラフレーム中の画素から選択する。さらに、特定部53は、(i-1)番目のセンサフレーム中の測距点に対応する画素を、(j-2)番目のカメラフレーム中の画素から選択する。E21では、処理に使用されるセンサフレームの測距開始時刻とカメラフレームの撮像時刻を楕円で囲んでいる。なお、特定部53での画素の選択の際の処理は、第1の実施形態と同様である。さらに、選択部51や特定部53での処理により、測距点に対応する画素の特定が行われた後の処理も、第1の実施形態と同様である。
E21に示すように、センサフレームの測距開始時刻に応じて使用するカメラフレームが決定される場合、特定部53は、センサフレーム中で測距開始時刻以降に測距された測距点については観測時刻に関係なくカメラフレームを選択できる。このため、特定部53の処理負担が小さいという利点がある。
(2)測距点ごとの測距時刻に応じてカメラフレームを選択するケース
図9のE22を参照しながら、測距時刻に応じてカメラフレームを選択する場合の例を説明する。なお、E22においても、センサフレームの測距とカメラフレームの撮像のタイミングは、E21と同じであるとする。
E22では、選択部51は、i番目のセンサフレーム中の測距点d1を注目測距点として選択し、(i-1)番目のセンサフレームから、注目測距点と組み合わせてベクトルを求める測距点を選択したとする。この場合、測距点d1の測距時刻に最も近い時刻に撮像されたカメラフレームはj番目のカメラフレームであるので、特定部53は、測距点d1に対応付ける画素をj番目のカメラフレームから選択する。
さらに、測距点d1と組み合わせてXYZt4次元ベクトルを求める際に使用する測距点として、測距点d3と測距点d5が選択されたとする。すると、特定部53は、各測距点の測距時刻に最も近い時刻に撮像されたカメラフレームから、画素を特定する。例えば、測距点d3の測距時刻に最も近い時刻に撮像されたカメラフレームは、(j-2)番目のカメラフレームである。そこで、特定部53は、(j-2)番目のカメラフレームから測距点d3に対応付ける画素を選択する。一方、測距点d5の測距時刻に最も近い時刻に撮像されたカメラフレームは、(j-1)番目のカメラフレームである。そこで、特定部53は、(j-1)番目のカメラフレームから測距点d5に対応付ける画素を選択する。測距点に対応する画素の選択状況を、E22中の楕円で示す。
以上の説明では、1つの注目測距点とベクトルの計算のために組み合わせる測距点の間でカメラフレームが異なる場合を説明したが、注目測距点の間で画素との対応付けに使用されるカメラフレームが異なっても良い。例えば、測距点d7が2つ目の注目測距点として選択されたとする。この場合、測距点d7の測距時刻に最も近い時刻に撮像されたカメラフレームは、(j+1)番目のカメラフレームである。従って、測距点d7が注目測距点として使用される場合、特定部53は、測距点d7に対応する画素を(j+1)番目のカメラフレームから特定する。以後の処理は、E22のケースでも、第1の実施形態と同様である。
E22に示すように、測距点ごとの測距時刻に応じて使用するカメラフレームが決定される場合、測距点が測距された状況に最も近い状況下で撮像されたカメラフレーム中の画素を、測距点に対応付けることができる。このため、E21のように、センサフレーム毎にカメラフレームが選択される場合に比べて、正確な補正を行うことができるという利点がある。
なお、第2の実施形態においても、注目測距点を含むセンサフレームと、その1つ前の期間に測距されたセンサフレームを用いた処理が行われる場合を例としたが、XYZt4次元ベクトルの生成に使用されるセンサフレームは実装に応じて変更され得る。例えば、注目測距点を含むセンサフレームと、その1つ後の期間に測距されたセンサフレームを用いた処理が行われても良い。
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、データ補正装置20が測距対象物の遷移モデル62を記憶しており、探索範囲決定部42が遷移モデル62に基づいて、XYZt4次元ベクトルを求めるために使用する測距点の検索範囲を決定する場合について説明する。
(1)物体の空間位置移動の遷移モデル62が線形モデルの場合
遷移モデル62は、測距対象物10の各位置が線形に4次元空間を遷移したと仮定するモデル(線形モデル)であってもよい。例えば、測距対象物10の移動方向が変異する速度より、3Dセンサ21やカメラ22で取得するフレームのフレームレートが十分速い場合には、フレーム間では撮像対象物10の移動は線形とみなせる。この場合、探索範囲決定部42は、線形モデルに基づいて、各注目測距点について、1センサフレーム前に推定したXYZt4次元空間のベクトルが継続された場合の時空間位置を基準として、測距対象物10の同じ表面上の位置の測距結果である可能性のある他のフレーム中の測距点の検索範囲を決定する。なお、探索範囲決定部42で測距点の検索範囲が決定された後の処理は、第1の実施形態と同様である。
(2)曲線近似される遷移モデル62を用いるケース
図10は、遷移モデル62の例を説明する図である。図10のE31では、過去の測距対象物10の移動予測結果に基づいた曲線近似の遷移モデル62の例を実線で示す。E31の実線は、(i-2)番目からi番目のセンサフレームを、カメラフレームと対応付ける処理を行うことによって各注目測距点に対して得られた、測距対象物10の移動軌跡である。E31の実線として示している時空間遷移曲線は、測距対象物10の移動の性質などにより、破線で示すような3通りの移動パターンを示す可能性があるとする。すると、(i+1)番目以降のセンサフレームを用いた処理に使用する遷移モデル62として、E31の実線と、E31中の3パターンの破線を組み合わせた情報が使用される。この場合、探索範囲決定部42は、i番目のセンサフレーム中の注目測距点と(i+1)番目のセンサフレーム中の測距点を用いたXYZt4次元ベクトルの計算に用いる測距点の候補の検索範囲を、遷移モデル62により、E31中のRに示すように決定できる。
(3)測距対象物10の移動方向が既知であるか限定されている場合
測距対象物10の移動方向が既知であるか限定されている場合、測距対象物10の移動方向に対する情報を遷移モデル62として含めることができる。すると、探索範囲決定部42は、遷移モデル62に基づいて、測距対象物10の移動方向から除外される方向には広がりを持たない探索範囲を決定できる。
例えば、測距対象物10がE32の左側の図に示すように移動するとする。なお、E32でのXYZ座標系は、E32の右側の図に示すとおりであるとする。この場合、測距対象物10はY軸方向には移動しないことになる。従って、Y軸方向については、現在の空間位置からの変動が発生しない。すると、遷移モデル62には、測距対象物10がY軸方向に移動しないことを表わす情報が含められる。一方、探索範囲決定部42は、Y軸方向には広がりを持たない探索範囲を決定することができる。
他にも、測距対象物10の移動のパターンに応じて同様に、遷移モデル62が設定され得る。例えば、遷移モデル62は、直前の移動ベクトルに応じた制限を設けていても良い。また、測距対象物10と地面の相対的な位置関係が既知であり、測距対象物10が地面に接地していない場合、重力加速度から移動ベクトルを推定するように、遷移モデル62が設定されても良い。なお、第3の実施形態のいずれのパターンが用いられる場合でも、測距点の検索範囲が決定された後の処理は、第1の実施形態と同様であるとする。
第3の実施形態で説明したように遷移モデル62が設定されていると、探索範囲決定部42は、探索範囲を限定することができる。このため、選択部51や特定部53での処理負荷が軽減される。
<第4の実施形態>
第1~第3の実施形態にかかる処理を行ってセンサフレームを補正すると、センサフレームに含まれている測距点の数や密度は、測距によって得られたセンサフレーム以下になる。これは、対応付けの可能な測距点の組合せが得られなかった場合や、評価値が許容範囲未満の場合に、補正した測距点が得られなくなるためである。第4の実施形態では、第1~第3の実施形態と同様の処理により補正処理を行った上で、さらに、カメラフレーム中の情報を用いて、測距点の推定値を生成すると共に、測距点の推定値を含めた補正3Dデータを生成する場合について説明する。
図11は、第4の実施形態にかかるデータ補正装置200の構成の例を説明する図である。データ補正装置200は、3Dセンサ21、カメラ22、処理部210、記憶部250を備える。処理部210は、小平面領域抽出部220、小平面方程式算出部230、点群データ追加部240を備え、さらに、3Dセンサ通信部31、カメラ通信部32、制御部33、補正データ生成部40も備える。記憶部250は、処理プログラム61、取得データ70、設定情報63を保持し、さらに、処理部210の処理で得られた補正3Dデータ251を格納する。また、データ補正装置200でも、データ補正装置20と同様に、オプションとして遷移モデル62を保持する。
小平面領域抽出部220は、オプティカルフロー生成部221、スーパーピクセル生成部222、動き判定部223を有する。オプティカルフロー生成部221は、複数のカメラフレームのデータと各カメラフレームの撮像時刻の情報を用いてオプティカルフローを計算する。スーパーピクセル生成部222は、処理対象となっているカメラフレームについて、スーパーピクセルを生成する。以下の説明では、スーパーピクセルは、類似した特徴量を有する画素の集まりであるとする。動き判定部223は、オプティカルフローの計算結果を用いて、スーパーピクセルごとにそのスーパーピクセルに撮像されている対象が動いているかを判定する。
小平面方程式算出部230は、点群抽出部231と算出部232を有する。点群抽出部231は、補正データ生成部40によって補正された補正済みの測距点のうち、スーパーピクセル中の画素に対応付けられる測距点を抽出する。算出部232は、点群抽出部231が抽出した測距点の座標を用いてスーパーピクセルの平面方程式を求める。
点群データ追加部240は、座標変換部241とデータ追加処理部242を有する。座標変換部241は、得られた平面方程式を用いて、スーパーピクセル中の各画素をXYZ3次元座標に変換する。データ追加処理部242は、座標変換部241が計算した座標を、補正データ生成部40で補正された3Dデータ71に追加することにより、補正3Dデータ251を生成する。
データ補正装置200においても、3Dセンサ21、カメラ22、3Dセンサ通信部31、カメラ通信部32、制御部33、補正データ生成部40の処理は、第1~第3の実施形態と同様である。また、処理プログラム61、取得データ70、遷移モデル62、設定情報63も、データ補正装置20に保持されている情報と同様である。
なお、データ補正装置200のハードウェア構成も図3に示すとおりである。処理部210はプロセッサ101によって実現される。さらに、メモリ102と外部記憶装置106は、記憶部250として動作する。
図12は、小平面の検索処理の例を説明する図である。図12のCfjは、j番目のカメラフレームである。オプティカルフロー生成部221は、j番目のカメラフレームと、(j-1)番目のカメラフレームを用いて、オプティカルフローを計算する。なお、オプティカルフローの計算方法は任意であり、例えば、勾配法やLucas-Kanade法などが用いられ得る。オプティカルフローの計算により、E41に示すような結果が得られたとする。E41では、オプティカルフローとして得られたベクトルのうちのいくつかを図示している。オプティカルフロー生成部221の処理により、領域R2に含まれる画素の各々について、オプティカルフローが得られたとする。
一方、スーパーピクセル生成部222は、j番目のカメラフレーム(Cfj)に含まれている画素の特徴量を用いて、スーパーピクセルを生成する。ここで、スーパーピクセルは、類似した特徴量を有する画素の集まりを特定可能な任意の方法で生成される。図12の例では、E42に示すようにスーパーピクセルが得られたとする。以下の処理では、スーパーピクセル生成部222によって計算されたスーパーピクセルの各々が、1つの小平面として扱われる。
図13は、補間処理に使用するデータの選択方法の例を説明する図である。動き判定部223は、オプティカルフロー生成部221とスーパーピクセル生成部222の処理結果を用いて、オプティカルフローが得られた画素を1つ以上含むスーパーピクセルを特定する。図13のE51の例では、R2に示す四角形の領域中に含まれているスーパーピクセルの各々が、オプティカルフローが求められた画素を1つ以上含んでいるとする。動き判定部223は、オプティカルフローが求められた画素を1つ以上含むスーパーピクセルの各々について、動きのあるスーパーピクセルであると判定する。ここで、各スーパーピクセルは小平面として扱われる。従って、動きがあると判定されたスーパーピクセルの各々は、(j-1)番目のカメラフレームの撮像時刻からj番目のカメラフレームの撮像時刻までの間の期間で移動している小平面として特定されていることになる。また、動きがあると判定されたスーパーピクセルは、補間処理に使用するデータとして選択される。
一方、制御部33は、j番目のカメラフレームを用いて小平面の特定が行われたことから、補正データ生成部40での補正処理の基準とする時刻(補正目標時刻)を、j番目のカメラフレームの撮像時刻(tCj)に決定する。制御部33は、決定した補正目標時刻を補正データ生成部40に通知する。
補正データ生成部40は、j番目のカメラフレームの撮像時刻(tCj)を補正目標時刻にすることを制御部33から要求されると、3Dセンサ21での撮像により得られた測距点の補正処理を行う。従って、この例において補正データ生成部40によって得られた補正後の測距点の各々は、時刻tCjでの各測距点のXYZ座標であるといえる。なお、補正データ生成部40での測距点の補正処理は、第1~第3の実施形態のいずれかで説明した処理と同様である。図13のE52に、補正後のセンサフレーム中の測距点のXYZ座標でのイメージを白抜きの十字で示す。なお、j番目のカメラフレームの撮像時刻から最も近い時刻から撮像されたセンサフレーム中の測距点のXYZ座標のイメージをE52の白い三角形で示す。さらに、j番目のカメラフレームの撮像時刻から最も近い時刻から撮像されたセンサフレームよりも1つ前の撮像期間で撮像されたセンサフレーム中の測距点のXYZ座標のイメージをE52の白丸で示す。
補正データ生成部40は、E52に示すように、j番目のカメラフレームの撮像時刻(tCj)に合わせた補正後の測距点のXYZ座標の情報を、点群抽出部231に出力する。点群抽出部231は、補正データ生成部40から取得した各測距点のXYZ座標の情報を用いて、各測距点がいずれのスーパーピクセルに含まれているかを判定する。点群抽出部231は、動き判定部223によって動きがあると判定されているスーパーピクセルについて、そのスーパーピクセルに対応付けられた測距点が3点以上あるかを判定する。補正データ生成部40から通知された3点以上の測距点を含むスーパーピクセルでは、通知された測距点の全てを通る平面がスーパーピクセルの小平面と一致することになる。そこで、算出部232は、動きがあると判定されているスーパーピクセルについて、そのスーパーピクセルに含まれる3点以上の測距点を通る平面の方程式を求める。ここで、平面の方程式の求め方は任意であり、例えば、RANSAC(Random sample consensus)が用いられても良い。
座標変換部241は、算出部232での処理により得られた平面方程式と、カメラ22のカメラパラメータを用いて、射影変換を行うことにより、スーパーピクセル中の各画素のXYZ座標を求める。例えば、スーパーピクセル中の画素の座標(x,y,1)を、平面Z=aX+bY+c上に変換する場合、式(1)に従って、射影変換が行われる。
Figure 0006989819000001
ここで、Hは式(2)で表わされ、カメラパラメータは既知でありPで表わされるとする。
Figure 0006989819000002
Figure 0006989819000003
なお、式(3)において、Cは平面を表わす。
データ追加処理部242は、座標変換部241で得られた各画素のXYZ座標の値を、j番目のカメラフレームの撮像時刻(tCj)での測距点を補間するデータとして、補正データ生成部40で得られた補正結果に追加する。データ追加処理部242は、追加処理後の補正結果を、補正3Dデータ251として記憶部250に格納する。
平面方程式の計算から、補正データ生成部40での補正結果に対する測距点の補間データの追加までの処理は、3点以上の補正後の測距点が通過しており、かつ、動きがある領域として特定された全てのスーパーピクセルに対して行われる。
図14は、第4の実施形態にかかる処理の例を説明するフローチャートである。図14の説明では、スーパーピクセルの生成や3次元座標の計算に用いられるカメラフレームのことを、処理対象のカメラフレームと記載する。また、図14では、処理対象としたスーパーピクセルの数の計数のために、変数xを用いる。
まず、3Dセンサ21がセンサフレームを生成すると、3Dセンサ通信部31は、3Dセンサ21からセンサフレームを受信すると共に、3Dデータ71として記憶部60に記憶する(ステップS31)。同様に、カメラ22でカメラフレームが生成されると、カメラ通信部32は、カメラフレームをカメラ22から受信すると共に、カメラ画像データ72として記憶部60に記憶する(ステップS32)。補正データ生成部40は、ステップS31とS32で得られたフレームのデータを用いて、センサフレーム中の測距点の補正データを生成する(ステップS33)。なお、ステップS33において、補正データ生成部40は、処理対象のカメラフレームの撮像時刻に合わせた補正データを生成するものとする。補正データ生成部40での処理の詳細は、図8Aと図8Bを用いて説明したステップS13~S27と同様である。
オプティカルフロー生成部221は、処理対象のカメラフレームと他のカメラフレームを用いて、処理対象のカメラフレーム中の画素の各々について、オプティカルフローを計算する(ステップS34)。スーパーピクセル生成部222は、処理対象のカメラフレームからスーパーピクセルを生成する(ステップS35)。動き判定部223は、変数xを1に設定する(ステップS36)。その後、動き判定部223は、x番目のスーパーピクセルに動きがあるかを判定する(ステップS37)。このとき、動き判定部223は、x番目のスーパーフレーム中のいずれかの画素についてオプティカルフローが求められている場合、x番目のスーパーピクセルに動きがあると判定する。
x番目のスーパーピクセルに動きがある場合、点群抽出部231は、補正データからx番目のスーパーピクセル内の画素に対応付けられる測距点を抽出する(ステップS37でYes、ステップS38)。算出部232は、抽出した測距点の3次元座標(XYZ座標)を用いて、x番目のスーパーピクセルの平面方程式を算出する(ステップS39)。座標変換部241は、平面方程式とカメラパラメータを用いて、x番目のスーパーピクセルの各画素で撮像した位置の3次元座標を求める(ステップS40)。データ追加処理部242は、得られた3次元座標を補正データに追加する(ステップS41)。データ追加処理部242は、全てのスーパーピクセルの処理が完了しているかを判定する(ステップS42)。このとき、データ追加処理部242は、変数xがステップS35で生成されたスーパーピクセルの総数に達しているかによって、全てのスーパーピクセルの処理が完了しているかを判定する。変数xがスーパーピクセルの総数未満の場合、データ追加処理部242は、全てのスーパーピクセルの処理が完了していないと判定する(ステップS42でNo)。すると、データ追加処理部242は、変数xを1つインクリメントしてステップS37に戻る(ステップS43)。
一方、変数xがスーパーピクセルの総数以上の場合、データ追加処理部242は、全てのスーパーピクセルの処理が完了したと判定して処理を終了する(ステップS42でYes)。
ステップS37において、x番目のスーパーフレーム中のいずれの画素についてもオプティカルフローが求められていない場合、動き判定部223は、x番目のスーパーピクセルに動きがないと判定する(ステップS37でNo)。この場合、x番目のスーパーフレームを用いた補間処理は行われず、ステップS42以降の処理が行われる。
このように、第4の実施形態によると、カメラフレーム中の情報を用いて、測距点の間を補間するデータを生成することができる。従って、3Dセンサ21を用いて得られた測距点の密度が低い場合であっても、第4の実施形態による補間処理を用いて、データの取得密度を高めることができる。
<その他>
なお、実施形態は上記に限られるものではなく、様々に変形可能である。以下にその例をいくつか述べる。
以上の説明では、3Dデータ71で得られた測距点をカメラ系座標に合わせた場合を例としていたが、実装に応じて、変換処理部52は、カメラ画像データ72で得られた各画素をセンサ座標系に合わせて変換しても良い。
予め、測距対象物10の最大の移動速度が分かっている場合、データ補正装置20やデータ補正装置200は、最大移動速度を用いて、固定的に測距点の探索範囲を決定しても良い。
以上の説明では、分かりやすくするためにグローバルシャッター方式のカメラ22を用いた場合を例として説明したが、データ補正装置20やデータ補正装置200は、ローリングシャッター方式のカメラを使用しても良い。この場合、カメラと3Dセンサ21でのデータ取得時刻が既知であるか、計算可能であれば、カメラの撮像結果中の画素間での撮像位置が一致しているかを判定した上で、以上の説明と同様の処理を行うことにより、3Dセンサ21での測距点を補正できる。
第1の実施形態では、複数の測距点の各々に対応付けられた画素のRGB値の差が所定以下であるかを、測距点の対象物の表面上の位置が互いに一致しているかの判定基準に用いた例を説明したが、これは評価関数の一例に過ぎない。評価関数として、例えば、測距点の各々に対応付けられた画素の周辺の複数の画素でのRGB値や輝度の平均値を求め、平均値同士の差が小さいほど、良好な結果となる評価関数が用いられても良い。この場合、評価関数で得られた値が良好なほど、測距点の対象物の表面上の位置が互いに一致している確率が高いと判定されるものとする。
さらに、測距点の対象物の表面上の位置が互いに一致している確率が高いほど値が大きくなるように設定されている評価関数での評価結果が、ある注目測距点について、いずれの測距点と組み合せても所定値以下の場合、その注目測距点についてのデータを破棄しても良い。さらに、ある注目測距点について複数のフレーム間でカメラ画像中での位置の変動が、所定量よりも大きい場合、推定部43は、3次元空間中でも位置の変動が大きいので、補正に適していないと判定してデータを破棄しても良い。さらに、推定部43は、画素値が極端に大きい値や小さい値が測距点に対応付けられている場合に、正常な撮像が行われていないと判定して注目測距点のデータを破棄するように変形されても良い。このような処理により、破棄されたデータ量が増えた場合には、第4の実施形態を用いて、カメラ22での撮像結果から3Dセンサ21での測距点の補間処理を行うことができる。
上述の第1~第4の実施形態を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
測距対象を時系列走査することにより測距する測距センサと、
前記測距センサより解像度の高いカメラと、
前記測距センサでの複数回の測距結果から選択された複数の測距点の各々に対して、前記カメラでの前記測距対象の複数回の撮像結果から、当該測距点に対応する画素を特定する特定部と、
前記複数の測距点の各々に対応付けられた画素の特徴量を用いて、前記複数の測距点のうち前記測距対象中の同じ位置の測距結果を推定することにより、前記測距対象の移動軌跡を推定する推定部と、
前記移動軌跡を用いて、前記測距センサでの前記測距対象の測距結果を、特定の時刻での測距結果に補正する補正処理部
を備えることを特徴とするセンサデータ補正装置。
(付記2)
第1の測距結果に含まれる測距点から補正対象として注目する第1の測距点を選択すると共に、前記第1の測距点の測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある第2の測距点を、前記複数回の測距結果のうちの前記第1の測距結果とは異なる第2の測距結果から選択する選択部
をさらに備え、
前記推定部は、前記第1の測距点に対応付けられた画素の特徴量と、前記第2の測距点に対応付けられた画素の特徴量の差が閾値を下回ると、前記移動軌跡は前記第1の測距点と前記第2の測距点を通ると推定する
ことを特徴とする付記1に記載のセンサデータ補正装置。
(付記3)
前記特定部は、
前記カメラでの前記測距対象の撮像により得られた第1のカメラフレーム中から、前記第1の測距点と前記第2の測距点を結ぶ空間ベクトルと前記第1のカメラフレームの撮像時刻を用いて、前記第1の測距点に対応する画素を特定し、
前記カメラでの前記測距対象の撮像により得られ、前記第1のカメラフレームとは異なる第2のカメラフレーム中から、前記空間ベクトルと前記第2のカメラフレームの撮像時刻を用いて、前記第2の測距点に対応する画素を特定する
ことを特徴とする付記2に記載のセンサデータ補正装置。
(付記4)
前記測距対象の移動のパターンを記録した遷移モデルを記憶する記憶部と、
前記遷移モデルを用いて、前記第1の測距点の測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある測距点の存在する存在範囲を決定する決定部
をさらに備え、
前記選択部は、前記存在範囲に含まれる測距点から前記第2の測距点を選択する
ことを特徴とする付記2または3に記載のセンサデータ補正装置。
(付記5)
前記補正処理部が前記測距センサでの測距結果を前記第1のカメラフレームの撮像時刻を基準として補正する場合、前記第1のカメラフレーム中の画素の特徴量が所定範囲内に含まれている1つ以上の領域を生成する生成部と、
前記1つ以上の領域のうち補正後の測距点を含む領域を平面とみなしたときの当該平面を表わす平面方程式を、前記補正後の測距点の座標を用いて算出する算出部と、
前記平面方程式から計算した前記領域中の画素の座標を、前記補正処理部による補正結果を補間するデータとして、前記補正結果に追加する追加処理部
をさらに備えることを特徴とする付記3または4に記載のセンサデータ補正装置。
(付記6)
測距対象を時系列走査することにより測距する測距センサと、前記測距センサより解像度の高いカメラを備えるセンサデータ補正装置が、
前記測距センサでの複数回の測距結果から選択した複数の測距点の各々に対して、前記カメラでの前記測距対象の複数回の撮像結果から、当該測距点に対応する画素を特定し、
前記複数の測距点の各々に対応付けられた画素の特徴量を用いて、前記複数の測距点のうち前記測距対象中の同じ位置の測距結果を推定することにより、前記測距対象の移動軌跡を推定し、
前記移動軌跡を用いて、前記測距センサでの前記測距対象の測距結果を、特定の時刻での測距結果に補正する
ことを特徴とするセンサデータ補正方法。
(付記7)
前記センサデータ補正装置が、
第1の測距結果に含まれる測距点から補正対象として注目する第1の測距点を選択し、
前記第1の測距点の前記測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある第2の測距点を、前記複数回の測距結果のうちの前記第1の測距結果とは異なる第2の測距結果から選択し、
前記第1の測距点に対応付けられた画素の特徴量と、前記第2の測距点に対応付けられた画素の特徴量の差が閾値を下回ると、前記移動軌跡は前記第1の測距点と前記第2の測距点を通ると推定する
ことを特徴とする付記6に記載のセンサデータ補正方法。
(付記8)
前記センサデータ補正装置は、
前記カメラでの前記測距対象の撮像により得られた第1のカメラフレーム中から、前記第1の測距点と前記第2の測距点を結ぶ空間ベクトルと前記第1のカメラフレームの撮像時刻を用いて、前記第1の測距点に対応する画素を特定し、
前記カメラでの前記測距対象の撮像により得られ、前記第1のカメラフレームとは異なる第2のカメラフレーム中から、前記空間ベクトルと前記第2のカメラフレームの撮像時刻を用いて、前記第2の測距点に対応する画素を特定する
ことを特徴とする付記7に記載のセンサデータ補正方法。
(付記9)
前記センサデータ補正装置は、
前記測距対象の移動のパターンを記録した遷移モデルを用いて、前記第1の測距点の前記測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある測距点の存在する存在範囲を決定し、
前記存在範囲に含まれる測距点から前記第2の測距点を選択する
ことを特徴とする付記7または8に記載のセンサデータ補正方法。
(付記10)
前記センサデータ補正装置は、
前記測距センサでの測距結果を前記第1のカメラフレームの撮像時刻を基準として補正する場合、前記第1のカメラフレーム中の画素の特徴量が所定範囲内に含まれている1つ以上の領域を生成し、
前記1つ以上の領域のうち補正後の測距点を含む領域を平面とみなしたときの当該平面を表わす平面方程式を、前記補正後の測距点の座標を用いて算出し、
前記平面方程式から計算した前記領域中の画素の座標を、前記補正による補正結果を補間するデータとして、前記補正結果に追加する
処理をさらに行うことを特徴とする付記8または9に記載のセンサデータ補正方法。
(付記11)
測距対象を時系列走査することにより測距する測距センサと、前記測距センサより解像度の高いカメラを備えるセンサデータ補正装置に、
前記測距センサでの複数回の測距結果から選択した複数の測距点の各々に対して、前記カメラでの前記測距対象の複数回の撮像結果から、当該測距点に対応する画素を特定し、
前記複数の測距点の各々に対応付けられた画素の特徴量を用いて、前記複数の測距点のうち前記測距対象中の同じ位置の測距結果を推定することにより、前記測距対象の移動軌跡を推定し、
前記移動軌跡を用いて、前記測距センサでの前記測距対象の測距結果を、特定の時刻での測距結果に補正する
処理を行わせることを特徴とするセンサデータ補正プログラム。
(付記12)
前記センサデータ補正装置に、
第1の測距結果に含まれる測距点から補正対象として注目する第1の測距点を選択し、
前記第1の測距点の前記測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある第2の測距点を、前記複数回の測距結果のうちの前記第1の測距結果とは異なる第2の測距結果から選択し、
前記第1の測距点に対応付けられた画素の特徴量と、前記第2の測距点に対応付けられた画素の特徴量の差が閾値を下回ると、前記移動軌跡は前記第1の測距点と前記第2の測距点を通ると推定する
処理を行わせることを特徴とする付記11に記載のセンサデータ補正プログラム。
(付記13)
前記センサデータ補正装置に、
前記カメラでの前記測距対象の撮像により得られた第1のカメラフレーム中から、前記第1の測距点と前記第2の測距点を結ぶ空間ベクトルと前記第1のカメラフレームの撮像時刻を用いて、前記第1の測距点に対応する画素を特定し、
前記カメラでの前記測距対象の撮像により得られ、前記第1のカメラフレームとは異なる第2のカメラフレーム中から、前記空間ベクトルと前記第2のカメラフレームの撮像時刻を用いて、前記第2の測距点に対応する画素を特定する
処理を行わせることを特徴とする付記12に記載のセンサデータ補正プログラム。
(付記14)
前記センサデータ補正装置に、
前記測距対象の移動のパターンを記録した遷移モデルを用いて、前記第1の測距点の前記測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある測距点の存在する存在範囲を決定し、
前記存在範囲に含まれる測距点から前記第2の測距点を選択する
処理を行わせることを特徴とする付記12または13に記載のセンサデータ補正プログラム。
(付記15)
前記センサデータ補正装置に、
前記測距センサでの測距結果を前記第1のカメラフレームの撮像時刻を基準として補正する場合、前記第1のカメラフレーム中の画素の特徴量が所定範囲内に含まれている1つ以上の領域を生成し、
前記1つ以上の領域のうち補正後の測距点を含む領域を平面とみなしたときの当該平面を表わす平面方程式を、前記補正後の測距点の座標を用いて算出し、
前記平面方程式から計算した前記領域中の画素の座標を、前記補正による補正結果を補間するデータとして、前記補正結果に追加する
処理を行わせることを特徴とする付記13または14に記載のセンサデータ補正プログラム。
10 測距対象物
20、200 データ補正装置
21 3Dセンサ
22 カメラ
30、210 処理部
31 3Dセンサ通信部
32 カメラ通信部
33 制御部
40 補正データ生成部
41 背景除去部
42 探索範囲決定部
43 推定部
44 補正処理部
50 組合せ候補抽出部
51 選択部
52 変換処理部
53 特定部
60 記憶部
61 処理プログラム
62 遷移モデル
63 設定情報
70 取得データ
71 3Dデータ
72 カメラ画像データ
73 フレーム取得時刻情報
101 プロセッサ
102 メモリ
103 入力装置
104 出力装置
105 バス
106 外部記憶装置
107 媒体駆動装置
108 可搬記憶媒体
109 ネットワーク接続装置
110 ネットワーク
220 小平面領域抽出部
221 オプティカルフロー生成部
222 スーパーピクセル生成部
223 動き判定部
230 小平面方程式算出部
231 点群抽出部
232 算出部
240 点群データ追加部
241 座標変換部
242 データ追加処理部
251 補正3Dデータ

Claims (6)

  1. 測距対象を時系列走査することにより測距する測距センサによる複数回の測距結果から選択された複数の測距点の各々に対して、前記測距センサより解像度の高いカメラによる前記測距対象の複数回の撮像結果から、当該測距点に対応する画素を特定する特定部と、
    前記複数回の測距結果のうちの第1の測距結果に含まれる測距点から補正対象として注目する第1の測距点を選択すると共に、前記第1の測距点の前記測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある第2の測距点を、前記複数回の測距結果のうちの前記第1の測距結果とは異なる第2の測距結果から選択する選択部と、
    前記複数の測距点の各々に対応付けられた画素の特徴量を用いて、前記複数の測距点のうち前記測距対象中の同じ位置の測距結果を推定することにより、前記測距対象の移動軌跡を推定する推定部であって、前記第1の測距点に対応付けられた画素の特徴量と、前記第2の測距点に対応付けられた画素の特徴量の差が閾値を下回ると、前記移動軌跡は前記第1の測距点と前記第2の測距点を通ると推定する前記推定部と、
    前記移動軌跡を用いて、前記測距センサでの前記測距対象の測距結果を、特定の時刻での測距結果に補正する補正処理部
    を備えることを特徴とするセンサデータ補正装置。
  2. 前記特定部は、
    前記カメラでの前記測距対象の撮像により得られた第1のカメラフレーム中から、前記第1の測距点と前記第2の測距点を結ぶ空間ベクトルと前記第1のカメラフレームの撮像時刻を用いて、前記第1の測距点に対応する画素を特定し、
    前記カメラでの前記測距対象の撮像により得られ、前記第1のカメラフレームとは異なる第2のカメラフレーム中から、前記空間ベクトルと前記第2のカメラフレームの撮像時刻を用いて、前記第2の測距点に対応する画素を特定する
    ことを特徴とする請求項に記載のセンサデータ補正装置。
  3. 前記測距対象の移動のパターンを記録した遷移モデルを記憶する記憶部と、
    前記遷移モデルを用いて、前記第1の測距点の前記測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある測距点の存在する存在範囲を決定する決定部
    をさらに備え、
    前記選択部は、前記存在範囲に含まれる測距点から前記第2の測距点を選択する
    ことを特徴とする請求項またはに記載のセンサデータ補正装置。
  4. 前記補正処理部が前記測距センサでの測距結果を前記第1のカメラフレームの撮像時刻を基準として補正する場合、前記第1のカメラフレーム中の画素の特徴量が所定範囲内に含まれている1つ以上の領域を生成する生成部と、
    前記1つ以上の領域のうち補正後の測距点を含む領域を平面とみなしたときの当該平面を表わす平面方程式を、前記補正後の測距点の座標を用いて算出する算出部と、
    前記平面方程式から計算した前記領域中の画素の座標を、前記補正処理部による補正結果を補間するデータとして、前記補正結果に追加する追加処理部
    をさらに備えることを特徴とする請求項またはに記載のセンサデータ補正装置。
  5. 測距対象を時系列走査することにより測距する測距センサと、前記測距センサより解像度の高いカメラとからのデータを取得可能なセンサデータ補正装置が、
    前記測距センサでの複数回の測距結果から選択した複数の測距点の各々に対して、前記カメラでの前記測距対象の複数回の撮像結果から、当該測距点に対応する画素を特定し、
    前記複数回の測距結果のうちの第1の測距結果に含まれる測距点から補正対象として注目する第1の測距点を選択すると共に、前記第1の測距点の前記測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある第2の測距点を、前記複数回の測距結果のうちの前記第1の測距結果とは異なる第2の測距結果から選択し、
    前記複数の測距点の各々に対応付けられた画素の特徴量を用いて、前記複数の測距点のうち前記測距対象中の同じ位置の測距結果を推定することにより、前記測距対象の移動軌跡を推定し、
    前記移動軌跡の推定において、前記第1の測距点に対応付けられた画素の特徴量と、前記第2の測距点に対応付けられた画素の特徴量の差が閾値を下回ると、前記移動軌跡は前記第1の測距点と前記第2の測距点を通ると推定し、
    前記移動軌跡を用いて、前記測距センサでの前記測距対象の測距結果を、特定の時刻での測距結果に補正する
    ことを特徴とするセンサデータ補正方法。
  6. 測距対象を時系列走査することにより測距する測距センサと、前記測距センサより解像度の高いカメラとからのデータを取得可能なセンサデータ補正装置に、
    前記測距センサでの複数回の測距結果から選択した複数の測距点の各々に対して、前記カメラでの前記測距対象の複数回の撮像結果から、当該測距点に対応する画素を特定し、
    前記複数回の測距結果のうちの第1の測距結果に含まれる測距点から補正対象として注目する第1の測距点を選択すると共に、前記第1の測距点の前記測距対象中の位置と同じ位置を測距した可能性のある第2の測距点を、前記複数回の測距結果のうちの前記第1の測距結果とは異なる第2の測距結果から選択し、
    前記複数の測距点の各々に対応付けられた画素の特徴量を用いて、前記複数の測距点のうち前記測距対象中の同じ位置の測距結果を推定することにより、前記測距対象の移動軌跡を推定し、
    前記移動軌跡の推定において、前記第1の測距点に対応付けられた画素の特徴量と、前記第2の測距点に対応付けられた画素の特徴量の差が閾値を下回ると、前記移動軌跡は前記第1の測距点と前記第2の測距点を通ると推定し、
    前記移動軌跡を用いて、前記測距センサでの前記測距対象の測距結果を、特定の時刻での測距結果に補正する
    処理を行わせることを特徴とするセンサデータ補正プログラム。
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