JP6989379B2 - 熱交換器キャップ - Google Patents

Description

本開示は、熱交換器キャップに関する。

具体的には、本開示は、人間の頭部に順応するように構成される熱交換器キャップに関する。

様々な薬物治療は、身体部分の冷却を伴う。癌の治療においては、脱毛の範囲および／または可能性を低減させるために、化学療法中に患者の頭部を冷却することが知られている。

図１には、既知の冷却キャップ１０の一例が示される。冷却キャップ１０は、患者の頭部に着用するための部分的に球形の衣類を形成するために、積み重ねた同心フープ配設の単一のチューブ１２を備える。チューブ１２は、流体入口１４および流体出口１６を有する。使用中には、冷却剤が入口１４から出口１６へポンプ圧送され、それによって、患者との接触領域から熱を除去する。

キャップ１０は、チューブ１２をドーム形状の形成体の外側に巻き付け、チューブ１２の側部を互いに接着することによって形成されるが、これには時間がかかる。

このようなキャップ１０は、いくつかのサイズで提供することができるが、不可避的に患者に対してキャップが「過大」になってしまう。加えて、頭部は、（一般的に）ドーム形状ではなく、さらに、個人の頭部は、互いに比較したときに、同じ相対的比率を有しない。したがって、患者とキャップ１０との間の良好なレベルの熱伝導、したがって熱伝達を達成しようとするためには、キャップを患者の頭部に向かって引き込んで、患者と接触させなければならない。図２は、上から見たキャップ１０の輪郭を示す。変形していない状態において、キャップ１０は、黒色の実線によって示されるように第１の形状を有する。患者の頭部がこの幅よりも狭い、例えば、破線によって示される楕円形状の幅を有する場合、キャップ１０が患者の頭部の側部に合うように引き込まれると、キャップの前部１８および後部２０は、図２において不連続な破線によって示されるように、キャップの元々の位置から押し出される。また、キャップの頂部も患者の頭部の頂面から離れるように付勢される。これは、キャップの前部、後部、または頂部において、患者の頭部とキャップ１０との間に間隙を作り出す。したがって、患者の頭部は、そうした領域が適切に冷却されなくなり、患者は、冷却治療による利益が得られない。

したがって、患者の頭部により確実に順応するように構成され、また、患者に合わせたときに変形の程度がより少ない熱交換器キャップが非常に望ましい。

本発明によれば、添付の特許請求の範囲に記載されるような装置および製造方法が提供される。本発明の他の特徴は、従属請求項および以下に続く説明から明らかになるであろう。

したがって、人間の頭部に順応するように構成される熱交換器キャップを提供することができ、該キャップは、頭部の一方の側部を覆うための第１の要素と、頭部のもう一方の側部を覆うための第２の要素と、第１の要素および第２の要素に接合され、該要素を離間する中間接合要素と、を備え、要素の各々は、キャップを流体が通過するための単一の通路を画定し、要素の各々は、要素が接合される領域に流れ境界面を備え、流れ境界面は、要素の１つの通路の中へ流体が通過するための入口、および通路から同じ要素の外へ流体が通過するための出口を画定する。

中間接合要素は、キャップの中へ流体が通過するための主入口、およびキャップの外へ流体が通過するための主出口を備えることができ、主入口は、単一の通路の始まりを画定し、主出口は、単一の通路の終わりを画定する。

側部要素は、頭部のこめかみ、頭頂部、および側部領域に順応するように構成することができる。

中間要素は、頭部の頂部、冠部、および襟首に順応するように構成することができる。

第１および第２の要素の境界面領域の各々を、当接壁に提供することができ、該当接壁は、要素の一方の側部に沿って延在し、こめかみおよび頭頂部領域に対応する場所から頭部のそれぞれの側部の襟首領域まで延在する円弧を描き、中間要素は、その長さに沿った２つの側部に当接壁を有し、中間要素の当接壁の各々は、第１および第２の要素の当接壁のうちの１つと当接するように構成され、当接壁および要素の幾何学的形状は、当接壁が合わせて固定されたときに、要素が変形に抵抗する所定のキャップの幾何学的形状を画定する方向に付勢されるように構成される。

通路は、主キャップ入口と主キャップ出口との間の少なくとも１つの領域に犂耕経路を有することができる。

通路の犂耕経路は、キャップの公称前部からキャップの公称後部への方向と整列させることができる。

通路は、要素の各々に犂耕経路を有することができ、該犂耕経路は、キャップの公称前部からキャップの公称後部への方向と整列される。

要素の１つ以上は、領域に分割することができ、少なくとも１つの領域の通路は、犂耕経路を有する。

通路は、キャップの要素の大部分にわたって犂耕経路を有することができ、該経路は、主キャップ入口から主キャップ出口まで延在する。

また、人間の頭部に順応するように構成される熱交換器キャップの製造方法も提供することができ、該製造方法は、頭部の一方の側部の頭頂部、側部、およびこめかみ領域を覆うためのキャップの第１の要素の形状を画定する、第１の一対の形成体を提供する工程と、頭部のもう一方の側部の頭頂部、側部、およびこめかみ領域を覆うためのキャップの第２の要素の形状を画定する、第２の一対の形成体を提供する工程と、頭部の頂部および冠部を覆うための中間接合要素の形状を画定する、第３の一対の形成体を提供する工程と、形成体の各対の一方の形成体を一繋ぎにして、キャップの公称外面に対応する表面を画定する工程と、形成体の各対のもう一方の形成体を一繋ぎにして、キャップの公称内面に対応する表面を画定する工程と、を含む。

複数の一対の中間接合要素の形成体を提供することができ、該形成体は、互いに交換可能であり、中間接合要素の形成体の各対は、異なる幅を有し、よって、第１および第２の一対の形成体は、複数の中間接合要素の形成体と組み合わせて、異なるサイズのキャップ形成面を画定し、それによって、異なるサイズのキャップ形状を画定し、本方法は、製造されるキャップのサイズに依存して、どの中間接合要素の形成体の対を第１および第２の一対の形成体と組み合わせて使用するのかを決定する工程を含む。

本方法は、一対の連結された形成体の間に複数のシート材料を提供する工程と、第１の材料シートと第２の材料シートとを接触させて接合プロセスを受けるように、連結された成形体を合わせる工程と、をさらに含むことができる。

各形成体は、キャップの断面形状を画定する表面パターンを備えることができ、本方法は、連結された形成体を合わせたときに、形成体の内部通路を少なくとも部分的に真空排気し、それによって、第１および第２のシート材料を形成体の壁に向かって押し付け、それによって、シート材料を形成体の形状に変形させ、それによって、所望の外部断面形状を有するキャップの要素を形成する工程をさらに含む。

したがって、頭部の形状を画定するように構造化され、また、キャップの要素を、キャップのもう一方の要素を患者の頭部から離れるように著しくゆがませることなく、患者の頭部にかぶせることができるように構造化される、熱交換器キャップが提供される。これは、キャップがより密な適合を提供し、したがって、関連技術のキャップよりも高い割合で患者の頭部に順応するという効果を有する。

また、一組の形成体を使用した熱交換器キャップの製造方法も提供され、該形成体は、キャップのサイズ毎に形成体ユニット全体を提供することを必要とすることなく、異なるサイズのキャップの製造を可能にするために、異なる組み合わせで組み立てることができる。これは、異なるサイズのキャップの製造を簡素化し、したがって、異なるサイズのキャップを製作することができる速度を高めることができ、したがって、該キャップを製作することができるコストも低減させる。

以下、本開示の例は、添付図面を参照して説明される。

関連技術の例を示す図である。 関連技術の例を示す図である。 キャップを通る熱調節流体の制御および流れのためのシステムと組み合わせた、本開示の熱交換器キャップを示す図である。 合わせて接合し、患者の頭部に合わせた本開示の熱交換器キャップの要素を示す図である。 熱交換器キャップの第１および第２の要素の側面図である。 要素を合わせてキャップ形状を形成する前のキャップの要素の斜視図である。 図６に示されるキャップ要素の平面図である。 変形していない状態および変形した状態における本開示の熱交換器キャップの平面図の概略である。 キャップの要素を形成するために使用される形成ツールの要素の断面部分分解図である。 図９に示される要素の異なる組み合わせを示す図である。 組み立てた構成における図９、図１０の形成ツールの要素を示す図である。

図３は、流体流および温度調節ユニット３２と組み合わせて流体温度制御調節システム３４を形成する、熱交換器キャップ３０の一例を示す。流体供給チューブ３８および流体戻りチューブ４０を支持するためのスタンドフレーム３６が、制御ユニット３２から延在する。チューブ３８は、温度調節流体（すなわち、熱伝達流体）をキャップ３０に送る。チューブ４０は、キャップ３０から同じ温度調節流体を受容する。制御ユニット３２は、インターフェースパネル４２を介してユーザによって制御することができ、インターフェースパネルは、システム３４の動作に関連する情報も示すことができる。制御ユニット３２は、容易に搬送することができるように、ローラー４４を備える。

動作に際して、ユーザは、システム３４を動作させて、患者の頭部を所望の温度に調節する。具体的には、システムは、患者を冷却するように構成され、このような例において、温度調節流体は、冷却剤である。他の例において、システム３４は、患者の体温を上げる、または維持するように構成することができる。所望の熱伝達率を達成し、それによって、患者の体温を所望のレベルにするための流体流速および温度調節流体の温度の調節は、ユーザの入力要件に合わせて制御される。流体は、送出管３８を介して、キャップ３０への入口５０にポンプ圧送される。流体は、次いで、キャップ３０に提供される単一の通路５２を通過し、出口５４（図３では隠れている）においてキャップ３０を出て、戻りチューブ４０に進入し、したがって、システム３４に再進入して必要な温度に戻される。

以下、キャップの形状、形態、および構成要素が、図４〜図８を参照して説明される。

図４は、本開示のキャップ３０の斜視図を示す。図５は、中間要素６４から分離した第１の要素６０または第２の要素６２の側面図を示す。図６は、部分的に分解して見た、製造中にキャップが有する状態における要素６０、６２、６４の斜視図を示す。図７は、図６の同じ配設の平面図を示す。図８は、明確にするために一部の細部を取り除いた、組み立てた状態のキャップの平面図を示す。

提示される図は、本質的な特徴をどのように構成することができるのかについて例を１つだけ示すこと、およびキャップが実際にどのように見えるのかを必ずしも表現しないことが理解されよう。

キャップ３０は、頭部の一方の側部を覆うための第１の要素６０と、頭部のもう一方の側部を覆うための第２の要素６２と、頭部の頂部を覆うための中間接合要素６４と、を備える。すなわち、第１の（側部）要素６０および第２の（側部）要素６２は、頭部のこめかみ、頭頂部、および側部領域のうちの少なくとも１つを覆い、そこに順応するように構成される。中間要素６４は、頭部の頂部、冠部、および襟首のうちの少なくとも１つを覆い、そこに順応するように構成される。

中間接合要素６４は、第１の要素および第２の要素に接合され、要素を離間する。要素６０、６２、６４の各々は、温度調節流体が通過するための、キャップ３０を通る単一の通路５２のセクションを画定する。すなわち、要素６０、６２、６４の各々は、キャップ全体にわたって流体が通過するための単一の通路５２を画定する。

要素６０、６２、６４の各々は、要素６０、６２、６４が接合される領域に流れ境界面７０、７２を備える。各流れ境界面７０、７２は、中間要素６４から側部要素６０、６２のうちの１つの通路の中へ流体が通過するための入口７０ａ、７２ａ、および通路から同じ要素６０、６２の外へ中間要素６４の中へ流体が通過するための出口７０ｂ、７２ｂを画定する。

すなわち、図６、図７に示されるように、中間接合要素６４は、流れ境界面７０において第１の側部要素６０に接合され、中間接合要素６４は、流れ境界面７２において第２の側部要素６２に接合される。流れ境界面７０は、および入口７０ａおよび出口７０ｂを備える。流れ境界面７２は、および入口７２ａおよび出口７２ｂを備える。

要素６０、６２、６４を備えるキャップは、接合された層材料の組み合わせとして提供し、通路５２を画定する領域において離間し、そして、通路５２の間の領域において接合することができる。しかしながら、要素は、任意の適当な方法、任意の数の部品からの作製、または１つの物品として一体形成により製造され得る。他の例において、キャップ３０は、統合された構成を有する材料層として提供することができる。製造方法の一例は、後で説明される。

中間接合要素６４は、図６、図７に示されるように、キャップの中へ流体が通過するための主入口５０、およびキャップの外へ流体が通過するための主出口５４を備える。主入口５０は、単一の通路５２の始まりを画定し、主出口は、単一の通路５２の終わりを画定する。

キャップは、単一の入口５０および単一の出口５４を有するように説明されるが、入口および出口は、多数の開口および部分構造を備えることができる。しかしながら、その入口がどのように提供されるか、および／または構成されるかにかかわらず、キャップの通路への１つのエントランス（入口）だけが提供される。同様に、出口がどのように提供されても、または構成されても、キャップからの１つの出口領域だけが提供される。

中間要素６４は、一般に、細長い矩形の外観である。

第１の要素６０および第２の要素６２の境界面領域７０、７２の各々が、当接壁７４、７６に提供され、該当接壁は、要素６０、６２の一方の側部に沿って延在し、こめかみおよび頭頂部領域に対応する場所から頭部のそれぞれの側部の襟首領域まで延在する円弧を描く。

中間要素６４は、その長さに沿ってその２つの側部の各々に当接壁７８、８０を備える。中間要素の当接壁７８、８０の各々は、第１の要素の当接壁７４または第２の要素の当接壁７６のうちの１つと当接するように構成される。すなわち、第１の要素の当接壁７４は、図６、図７に示されるように、中間要素の当接壁７８と当接するように構成され、第２の要素の当接壁７６は、中間要素の当接壁８０と当接するように構成される。

すなわち、第１の要素６０および第２の要素６２の当接壁７４、７６は、こめかみおよび頭頂部領域に対応する要素６０、６２上の場所から頭部のそれぞれの側部の襟首領域まで延在する円弧を描く。当接壁７４、７６、７８、８０の形状および場所、ならびに要素６０、６２、６４の幾何学的形状（すなわち、形状）は、要素６０、６２、６４をそれらの当接壁７４、７６、７８、８０に沿って合わせて接合したときに、結果として生じるキャップが人間の頭部の形状に密に近似するように構成される。加えて、それらの当接壁７４、７６、７８、８０に沿った接合部の存在によって、要素６０、６２、６４は、変形に抵抗する所定のキャップの幾何学的形状を画定する方向にゆがめられる。換言すれば、境界面領域が合わさる接合部の提供は、それが接続される要素に大幅に影響を及ぼすことなく、各要素の大部分を移動させること、および曲げることを可能にする。接合部は、柔軟な枠組みを実質的に提供し、該枠組みは、柔軟な頭部形状の構造体を画定し、側部および頂部（すなわち、中間）要素は、別の要素に影響を及ぼすことなく、または該要素の大幅な移動を引き起こすことなく、枠組みに対して曲げること、および移動させることができる。

接合部は、当接壁がそれらの長さに沿って互いに接着されるように、接着剤によって、または該当接壁に熱および／もしくは圧力を印加することによって提供することができる。当接壁は、互いにスポット溶接することができる。ベルクロ（登録商標）に同類の材料を当接壁の表面に適用して該当接壁を合わせて保持することができる。加えて、または代替的に、バンドまたはストラップをキャップ要素６０、６２、６４に提供して、当接壁を当接させ、該当接壁を固定関係で保持することができる。

したがって、図４または図８に示されるように、第１の要素６０および第２の要素６２が中間要素６４に接合されたキャップ３０を提供することができる。各要素６０、６２、６４の入口７０ａ、７２ａおよび出口７０ｂ、７２ｃは、一方の要素からの出口がもう一方の要素の入口と整列され、それによって、キャップ３０にわたって単一の通路５２を画定するように整列される。図８では、通路５２の経路の詳細が省略されている。他の図面において、第１の要素６０、第２の要素６２、および中間要素６４を通る単一の通路５２の経路は、本開示のデバイスの一例を代表するものであるが、他の構成を提供することもできる。キャップ３０の外側層は、カバーを備えることができ、それによって、通路５２を画定する材料の外向きの外面を断熱し、隠す。

キャップの少なくとも１つの領域において、通路５２は、主キャップ入口５０と主キャップ出口５４との間に犂耕経路を有する。通路５２の犂耕経路は、キャップ６０の公称前部からキャップ６０の公称後部への方向と前後に整列される。すなわち、図４〜図７に示されるように、通路５２は、キャップが位置する前頭部に対応するキャップの公称前部の転換点、および前頭部と後頭部との間のある地点において前頭部と後頭部との間の方向と整列される線に沿った転換点を有する、蛇状経路を有する。図に示されるように、通路５２は、要素６０、６２、６４の各々に犂耕経路または蛇状経路を有し、犂耕経路は、キャップの公称前部からキャップの公称後部への方向と整列され、キャップの前部と後部との間のほぼ中間に転換点を有し、該転換点は、通路の別の復路および往路の前端部である別の転換点に当接する。

示される例において、通路５２は、キャップを形成する要素の大部分にわたって犂耕経路／蛇状経路を有し、犂耕経路は、主キャップ入口５０から主キャップ出口５４まで延在する。

要素６０、６２、６４のうちの１つ以上は、流れ領域に分割することができる。例えば、図４〜図７に示される要素６０、６２、６４のいずれかを参照すると、頭部に固有の部分に対応する局所的パターンを有するように通路５２が配設される、第１の流れ領域９２および第２の流れ領域９４を提供することができる。領域（例えば、領域９２、９４）の少なくとも１つの通路５２は、犂耕経路／蛇状経路を有する。図に示される例において、領域９２の局所的パターンは、キャップ３０の側部の実質的に公称前半部にわたって、通路５２の往路および復路によって画定され、これは、着用される頭部の側部の公称前半部に対応する。第２の領域９４は、キャップ３０の側部の公称後半部、したがって、キャップ３０が着用される頭部の公称後半部を覆う、蛇状通路の往路および復路を画定する。換言すれば、流れ領域９２、９４は、通路５２がキャップ３０の前部から後部まで全部ではなく一部にだけ延在する、キャップ３０の容積を画定する。同様に、中間要素６４は、図面に示されるように流れ領域９２、９４にも分割されるように、要素の後部から前部への通路の経路が短縮される領域を備えることができる。

通常は固有の温度特性を有する人間の頭部の特定の場所における温度調節（例えば、冷却）に重点を置くために、通路５２のパターンにおいて局部的変化（領域９２、９４など）が提供されてもよい。例えば、人間の頭部で、一般的に他の領域よりも温かいことが知られている領域ならば、キャップと頭部との間で異なる熱伝達率を提供するように、そうした領域に通路５２が提供されてもよい。例えば、領域９２と９４との間の会合部９６の線に沿って、（通路５２の他の領域と比較して）異なる熱伝達率の領域が存在する。

示される例において、通路５２は、入口５０から出口５４まで、その長さに沿って実質的に一定の断面積を有する。加えて、通路５２は、入口５０から出口５４まで、その長さに沿って実質的に一定の断面形状を有する。

他の例において、通路５２の断面領域は、その長さに沿ってサイズおよび形状は異なり得る。

要素は、第１の要素６０、第２の要素６２、および中間要素６４の幾何学的形状を画定する形成体１００を使用して作製される。図９、図１０、図１１には、形成体配設の概略断面図が示される。

形成体１００は、３つの一対の形成体１０２、１０６、１１０からの３つの部品で提供される。

頭部の一方の側部の頭頂部、側部、およびこめかみ領域を覆うためのキャップ３０の第１の要素６０の形状を画定する、第１の一対の形成体１０２ａ、１０２ｂが提供される。第１の一対の形成体１０２ａ、１０２ｂは、第１の要素６０の内面および外面の幾何学的形状を画定する形成面１０４ａ、１０４ｂを備える。図９で分かるように、第１の一対の形成体１０２ａ、１０２ｂは、３次元湾曲形状を画定する。

頭部のもう一方の側部の頭頂部、側部、およびこめかみ領域を覆うためのキャップ３０の第２の要素６２の形状を画定する、第１の一対の形成体１０６ａ、１０６ｂが提供される。第２の一対の形成体１０６ａ、１０６ｂは、第２の要素６２の内面および外面の幾何学的形状を画定する形成面１０８ａ、１０８ｂを備える。図９で分かるように、第２の一対の形成体１０６ａ、１０６ｂは、３次元湾曲形状を画定する。

頭部の頂部および冠部を覆うための中間接合要素６４の形状を画定する、第３の一対の形成体１１０ａ、１１０ｂが提供される。第３の一対の形成体１１０ａ、１１０ｂは、第３の要素６４の内面および外面の幾何学的形状を画定する形成面１１２ａ、１１２ｂを備える。図９で分かるように、第３の対の形成体１１０ａ、１１０ｂは、実質的に平坦な形状を画定する。

形成体の各対の一方の形成体を一繋ぎにして、キャップ３０の公称外面に対応する表面を画定する。例えば、図９に示されるように、形成体１０２ｂ、１０６ｂ、１１０ｂの下半部を共に連結して、形成面１０４ｂ、１０８ｂ、１１２ｂを備える形状画定面を提供する。同様に、形成体の各対のもう一方の形成体も同様に一繋ぎにして、キャップ３０の公称内面に対応する表面を画定する。すなわち、形成体１０２ａ、１０６ａ、１１０ａの上半部を一繋ぎにして、形成面１０４ａ、１０８ａ、１１２ａを備え形状画定面を提供する。

形成体アセンブリの一部として、互いに交換可能である複数の一対の中間接合要素の形成体１１０ａ、１１０ｂが提供される。中間接合要素の形成体１１０ａ、１１０ｂの各対は、異なる幅を有する。

例えば、図９に示される中間接合要素の形成体１１０ａ、１１０ｂは、第１の幅を有する。代替として、図１０には、第１の幅よりも狭い（すなわち、より小さい）第２の幅を有する一対の中間接合要素の形成体１１０ａ’、１１０ｂ’が示される。

これは、第１の一対の形成体１０２および第２の一対の形成体１０６が、複数の中間接合要素の形成体１１０、１１０’と組み合わせて、異なるサイズの形成面を画定し、それによって、異なるサイズのキャップ形状を画定する、一群の形成体部品を提供する。したがって、本方法は、製造されるキャップのサイズに合わせて、一対の中間接合要素の形成体１１０、１１０’のうちの１つを選択する工程を含む。

すなわち、中間接合要素を画定する形成体の領域は、それぞれが異なる幅を有する多数の中間要素のうちの任意の１つと交換可能とすることができ、それによって、異なるサイズのキャップを製作するための方法を提供する。

換言すれば、異なるサイズ（すなわち、異なる幅）の中間要素の形成体を、第１、第２の要素の形成体と組み合わせて、異なるサイズ／寸法を有するキャップを提供することができる。

したがって、キャップ３０の製造は、患者の頭部のサイズおよび形状に適切な、第１の要素、第２の要素、および中間要素の形成体を選択する工程を含むことができる。例えば、第１の要素および第２の要素の形成体のサイズ選択を行うことができ、該形成体は、互いにすべて異なる第１のサイズ、第２のサイズ、または第３のサイズなどを有する中間要素の形成体に接合することができる。

本製造方法は、第１のシートが、連結された形成体１０２ａ、１０６ａ、１１０ａ／１１０ａ’を第２のシートから分離し、第２のシートが、連結された形成体１０２ｂ、１０６ｂ、１１０ｂ／１１０ｂ’を第１のシートから分離するように、第１の材料のシートを第２の材料のシートの次に挟む工程をさらに含む。

本方法は、第１の材料シートおよび第２の材料シートを接触させて接合プロセスを受けるように、（図１１に示されるように）連結された形成体の２つの半部を合わせる工程を含む、接合プロセスを実行する工程をさらに含む。

接合プロセスは、周囲温度条件下で、すなわち、温度を上げることなく、材料層を合わせる工程を含む。これは、第１のシート材料および第２のシート材料が、圧力の影響下で接着が生じる材料特性を有するシリコーンゴムを含む場合に達成することができる。これにより、形成体の接触している領域だけが接着する。形成面１０４ａ、１０４ｂ、１０８ａ、１０８ｂ、１１２ａ、１１２ｂは、肩部および隆起部を備え、これらは、例えば図６、図７に示され、上で説明したように、単一の通路５２の画定壁および当接壁７４、７６、７８、８０のパターンを画定する。シート材料は、通路５２を画定する「開口」領域では接着されない。

形成体の半部が共に押圧され、シートの領域が接着されるきに、形成面１０４ａ、１０４ｂ、１０８ａ、１０８ｂ、１１２ａ、１１２ｂによって画定される内部通路が少なくとも部分的に真空排気され、それによって、第１および第２のシート材料を形成体１０２ａ、１０２ｂ、１０６ａ、１０６ｂ、１１０ａ、１１０ｂの壁に向かって押し付け（または「吸引し」）、それによって、シート材料を形成体の形状に変形させ、それによって、所望の外部断面形状を有するシートを提供して、図６、図７に示されるように、接合された要素６０、６２、６４、通路５２を製作する。

図６、図７から分かるように、接合プロセスによる製作物は、キャップ３０の半完成品であり、第１の要素６０および第２の要素６２は、接合領域７０、７２においてだけ中間要素６４に接合される。当接壁７４、７６、７８、８０は、互いに固定されない。

すなわち、キャップの要素は、１対１の形成作業として形成することができ、形成作業の最後は、キャップの要素が、それらの流れ境界面領域７０、７２において接合されるだけである。キャップの当接壁７４、７６、７８、８０は、上で説明したように調節可能に接合すること、一時的に接合すること、または永続的に接合することができる任意の数の方法のうちの１つによってキャップを成形するように接合する必要が尚ある。

図９〜図１１に示される形成体アセンブリ１００は、単に、必要な形成体の形状の断面図を示しているだけであり、断面は、図６、図７に示される会合部線９６の領域の中のどこかの領域の１つであることが理解されよう。図９を参照すると、ページの外または中へ移動するときに、一対の形成体１０２、１０６、１１０のプロファイルが変動して、図６、図７に示されるようなキャップの半完成品の形状を画定する。

キャップ３０が完成するとサイズを修正することはできないが、製造プロセスは、関連技術のキャップよりも広い範囲のよりよく合ったキャップを提供するのに適している。

これにより、側部要素の形成体１０２、１０６の再構成または再設計を伴わずに、異なるサイズのよりよく合ったキャップを製造することができる。より単純な設計の中間要素の形成体１１０、１１０’を、通路５２の長さの数の選択を除いて、根本的な再設計を必要とすることなく、異なるサイズでより容易に設計し、製造することができる。したがって、異なるサイズのキャップを、多数の異なる頭部のサイズの要件を満たすように、より容易に指定し、製造することができる。

したがって、単一の要素としてキャップを製造するのではなく、多数の要素からキャップ３０を製造することで、より様々なサイズのキャップを可能にし、したがって、特定の患者のための適切なサイズおよび形状のキャップを必要に応じて製作し、利用できるようになる。

上で簡単に論じたように、図８は、何らかの手段によって要素６０、６２、６４の当接壁７４、７６、７８、８０を合わせたときのキャップ３０の外周部の平面図を示す。黒色の実線は、使用していないとき、または第１のサイズの頭部に合わせたときのキャップ３０の境界線を示す。

破線は、より狭い頭部に合わせたときのキャップ３０の境界線の外側を示す。布地または他の層材料を、キャップ３０へのカバーとして提供することができる。また、要素６０、６２、６４の外側の周囲を引き締めて、着用者の頭部に対してキャップをかぶせるのを補助するための手段も提供することができ、それによって、キャップ３０の内部と治療領域との間のより均一な接触を提供する。

第１の要素６０および第２の要素６２は、頭部の公称前部から頭部の公称後部または襟首まで延在する当接壁７４、７６、７８、８０上に中間要素６４によって接合されるので、これは、頭部の形状の構造体を形成する。当接壁７４、７６、７８、８０が合わさる接合部または継ぎ目は、それが接合される要素に大幅に影響を及ぼすことなく、各要素６０、６２、６４の大部分を移動させること、および曲げることを可能にする。したがって、キャップを着用したときに、キャップの内面が着用者の頭部から離間する可能性が低くなる。例えば、図８に示されるように、直径が、破線で示されるように、キャップの公称サイズよりもわずかに狭い頭部にキャップ３０を合わせたときに、キャップの側部は、着用者の頭部からキャップの前部分および後部分を変形させる、または大幅に移動させることなくかぶせることができる。同様に、キャップ３０の頂部は、頭部から上方に離れるように変形する傾向がより少ない。

したがって、人間の頭部の形状に密に近似し、したがって、よりよく適合する、人間の頭部を冷却するためのキャップ、およびキャップの製造方法が提供される。加えて、本開示のキャップの基本的な構成によって、キャップは、キャップの１つ以上の要素が頭部に対して付勢された（すなわち、引き締められた）ときに、ユーザの頭部から離間する傾向が少ない。したがって、快適で効果的な温度調節キャップが提供される。

本キャップは、化学療法中に用いられるデバイスに関して論じられているが、ドライバー（例えば、レーシングカードライバー）、軍用航空機のパイロット、および同様の者のための冷却デバイスとして用いることもでき、その場合は、ユーザがヘルメットを着用し、ユーザの集中力を維持することを補助するために、ユーザの頭部を快適な温度に保つことが望ましい。また、ユーザの目に入り、不快感および／または一時的な視界の喪失を引き起こす、汗の発生を防止するために使用することもでき、高速における適用は、事故の危険性を低減させるという点で特に効果的であり得る。

本出願に関連して本明細書と同時にまたは本明細書よりも前に出願された、および本明細書によって公衆の閲覧に付されたすべての書類および文書に注目されたい。また、すべてのそのような書類および文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。

本明細書（任意の添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む）で開示される特徴のすべて、および／またはそのように開示されるあらゆる方法またはプロセスの工程のすべては、そのような特徴および／または工程の少なくともいくつかが互いに排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。

本明細書（任意の添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む）で開示される各特徴は、特に明記されない限り、同一、同等、または類似の目的を果たす代替の特徴によって置き換えることができる。したがって、特に明記されない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の同等または類似の特徴の一例に過ぎない。

本発明は、上述の実施形態（単数または複数）の詳細に限定されない。本発明は、本明細書（任意の添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む。）に開示された特徴のあらゆる新規なもの、またはあらゆる新規な組み合わせに及び、そのように開示されたあらゆる方法またはプロセスの工程のあらゆる新規なもの、またはあらゆる新規な組み合わせに及ぶ。

Claims (6)

1. 人間の頭部に順応するように構成される熱交換器キャップ（３０）であって、
   前記キャップ（３０）が、
   前記頭部の一方の側部を覆うための第１の要素（６０）と、
   前記頭部のもう一方の側部を覆うための第２の要素（６２）と、
   前記第１の要素（６０）および第２の要素（６２）に接合され、該要素を離間する中間接合要素（６４）と、
   を備え、
   前記要素（６０，６２，６４）の各々が、前記キャップ（３０）を流体が通過するための単一の通路（５２）を画定し、
   前記要素（６０，６２，６４）の各々が、前記要素（６０，６２，６４）が接合される領域に流れ境界面（７０，７２）を備え、
   前記流れ境界面（７０，７２）が、前記要素（６０，６２，６４）の１つの前記通路（５２）の中へ流体が通過するための入口（７０ａ）、および前記通路（５２）から同じ前記要素（６０，６２，６４）の外へ流体が通過するための出口（７０ｂ）を画定し、
   前記通路（５２）が、前記要素（６０，６２，６４）の各々に犂耕経路を有し、前記犂耕経路が、前記キャップ（３０）の公称前部から前記キャップ（３０）の公称後部への方向と整列され、
   前記第１（６０）および第２（６２）の要素の境界面領域（７０，７２）の各々が、当接壁（７４，７６）に提供され、該当接壁（７４，７６）が、前記要素（６０，６２）の一方の側部に沿って延在し、こめかみおよび頭頂部領域に対応する場所から前記頭部のそれぞれの側部の襟首領域まで延在する円弧を描き、
   前記中間接合要素（６４）が、その長さに沿った２つの側部に当接壁（７８，８０）を有し、前記中間接合要素の当接壁（７８，８０）の各々が、前記第１（６０）または第２（６２）の要素の当接壁（７４，７６）のうちの１つと当接するように構成され、
   前記当接壁（７４，７６，７８，８０）は、それらの長さに沿って互いに接着されることを特徴とする、熱交換器キャップ（３０）。
2. 前記中間接合要素（６４）が、前記キャップ（３０）の中へ流体が通過するための主入口（７０ａ）、および前記キャップ（３０）の外へ流体が通過するための主出口（７０ｂ）を備え、
   主入口（５０）が、前記単一の通路（５２）の始まりを画定し、主出口（５４）が、前記単一の通路（５２）の終わりを画定する、請求項１に記載の熱交換器キャップ（３０）。
3. 前記第１（６０）および第２（６２）の要素が、前記頭部のこめかみおよび側部領域に順応するように構成される、請求項１〜２のいずれか一項に記載の熱交換器キャップ（３０）。
4. 前記中間接合要素（６４）が、前記頭部の頂部、冠部、および襟首に順応するように構成される、請求項１〜３のいずれか一項に記載の熱交換器キャップ（３０）。
5. 前記要素（６０，６２，６４）の１つ以上が、領域に分割され、少なくとも１つの領域の前記通路（５２）が、犂耕経路を有する、請求項１〜４のいずれか一項に記載の熱交換器キャップ（３０）。
6. 前記通路（５２）が、前記キャップ（３０）の前記要素（６０，６２，６４）の大部分にわたって犂耕経路を有し、前記経路が、主キャップ入口（５０）から主キャップ出口（５４）まで延在する、請求項１〜５のいずれか一項に記載の熱交換器キャップ（３０）。

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