JP6988721B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
本発明は、無機フィラーの一種であるタルクで強化されたポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体に関し、詳しくは、ポリプロピレン系樹脂に、白色度の低いタルク、エポキシ化合物を配合してなる熱安定性に優れた強化ポリプロピレン系樹脂組成物に関するものである。
ポリプロピレン系樹脂にタルクを添加した組成物は、安価であり、引張強度、曲げ強度、及び剛性などの機械的物性に優れることから、射出成形分野、押出成形分野を始め、工業部品として広範な分野で利用されている。
しかし、ポリプロピレン系樹脂は熱酸化劣化を受けやすく、特に金属と接触すると熱酸化劣化が促進される。このため、ポリプロピレン系樹脂に配合するタルクとしては、通常、金属不純物の少ない(白色度の高い)タルクが使用されており、不純物の多い(白色度の低い)タルクは、ポリプロピレン系樹脂の熱酸化劣化を悪化させる観点から、ポリプロピレン系樹脂への配合が困難であった。
無機充填剤強化ポリプロピレン系樹脂の熱安定性を改良した組成物として、ポリプロピレン系樹脂に、オレフィン系重合体の不飽和カルボン酸処理物、エポキシ樹脂によって処理された無機充填剤を配合してなる組成物が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記の組成物では、オレフィン系重合体を不飽和カルボン酸で処理することや、タルクをエポキシ樹脂で事前処理する必要があり、プロセスが非常に煩雑である上に、白色度の低いタルクを用いた場合の熱安定性の改良において必ずしも十分ではない。
しかしながら、上記の組成物では、オレフィン系重合体を不飽和カルボン酸で処理することや、タルクをエポキシ樹脂で事前処理する必要があり、プロセスが非常に煩雑である上に、白色度の低いタルクを用いた場合の熱安定性の改良において必ずしも十分ではない。
また、ポリプロピレン系樹脂に酸化防止剤、金属不活性剤、無機フィラーおよびエポキシ樹脂を配合してなる組成物(特許文献2参照)、ポリオレフィン系樹脂に無機充填剤、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、含窒素化合物、及びエポキシ樹脂を配合してなる組成物が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、上記組成物に使用される金属不活性剤(特許文献2)や、イオウ系酸化防止剤および含窒素化合物(特許文献3)は、成形品の表面に析出して製品の外観不良を引き起こす問題がある。しかも、これらの成分を配合しても、白色度の低いタルクを用いた場合の熱安定性を改良し得ない。
しかしながら、上記組成物に使用される金属不活性剤(特許文献2)や、イオウ系酸化防止剤および含窒素化合物(特許文献3)は、成形品の表面に析出して製品の外観不良を引き起こす問題がある。しかも、これらの成分を配合しても、白色度の低いタルクを用いた場合の熱安定性を改良し得ない。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリプロピレン系樹脂の熱酸化劣化を悪化させることから、ポリプロピレン系樹脂への配合が困難であった白色度の低いタルクをポリプロピレン系樹脂に配合して、熱安定性に優れた強化ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリプロピレン系樹脂に、白色度が75〜92%であるタルクと、分子量の低いエポキシ化合物を溶融混練して得られるポリプロピレン系樹脂組成物が上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜「8」に存する。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜「8」に存する。
[1] 下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
成分(A):メルトフローレート(JIS K7210(1999)、230℃、荷重21.2N)が0.01〜200g/分であるポリプロピレン系樹脂
成分(B):白色度が75〜92%であるタルク
成分(C):重量平均分子量が6000以下であるエポキシ化合物
成分(A):メルトフローレート(JIS K7210(1999)、230℃、荷重21.2N)が0.01〜200g/分であるポリプロピレン系樹脂
成分(B):白色度が75〜92%であるタルク
成分(C):重量平均分子量が6000以下であるエポキシ化合物
[2] 更に下記成分(D)を含む、[1]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
成分(D):金属石鹸
成分(D):金属石鹸
[3] 成分(C)がビスフェノールA型エポキシ化合物である、[1]又は[2]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[4] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなる成形体。
[5] 押出成形してなる、[4]に記載の成形体。
[6] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる自動車用押出部材。
[7] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる建材用部材。
[8] 下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を二軸押出機で溶融混練することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
成分(A):メルトフローレート(JIS K7210(1999)、230℃、荷重21.2N)が0.01〜200g/分であるプロピレン系重合体
成分(B):白色度が75〜92%であるタルク
成分(C):重量平均分子量が6000以下であるエポキシ化合物
成分(A):メルトフローレート(JIS K7210(1999)、230℃、荷重21.2N)が0.01〜200g/分であるプロピレン系重合体
成分(B):白色度が75〜92%であるタルク
成分(C):重量平均分子量が6000以下であるエポキシ化合物
本発明によれば、従来取扱いが難しかった白色度の低いタルクを用いて、熱安定性に優れた強化ポリプロピレン系樹脂組成物を提供することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、タルクによる強化により、引張強度、曲げ強度、及び剛性などの機械的物性に優れ、また、タルクとして白色度の低い、安価なタルクを用いることができ、自動車部材や建材用部材等の用途において、材料コストを低減することも可能であり、工業的有用性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本発明において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
〔ポリプロピレン系樹脂組成物〕
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含有することを特徴とするものであり、好ましくは更に下記成分(D)を含む。
成分(A):メルトフローレート(JIS K7210(1999)、230℃、荷重21.2N)が0.01〜200g/分であるポリプロピレン系樹脂
成分(B):白色度が75〜92%であるタルク
成分(C):重量平均分子量が6000以下であるエポキシ化合物
成分(D):金属石鹸
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含有することを特徴とするものであり、好ましくは更に下記成分(D)を含む。
成分(A):メルトフローレート(JIS K7210(1999)、230℃、荷重21.2N)が0.01〜200g/分であるポリプロピレン系樹脂
成分(B):白色度が75〜92%であるタルク
成分(C):重量平均分子量が6000以下であるエポキシ化合物
成分(D):金属石鹸
[本発明の作用・効果]
本発明による作用・効果のメカニズムは、以下のように考えられる。
タルクを含むポリプロピレン系樹脂組成物の劣化は、主にポリプロピレン系樹脂とタルクの界面付近から発生していると予測され、本発明によれば、エポキシ化合物の添加によりエポキシ化合物がポリプロピレン系樹脂とタルクの間に入り込み、タルクの不純物(金属類)要因で発生する金属イオンを不活性化することで、ポリプロピレン系樹脂の熱酸化劣化を抑制していると考えられる。
また、本発明者による検証において、エポキシ化合物の低分子量化、更には金属石鹸の添加による耐熱性向上の効果が得られたことから、低分子量エポキシ化合物の分散性、金属石鹸によるその向上効果が耐熱性能に大きな影響を与えていると考えられる。
白色度の低い(不純物の多い)タルクの方がエポキシ化合物添加による耐熱性能改善効果が高かった点に関しては、白色度の低いタルクは不純物(金属類)が多いためポリプロピレン系樹脂の劣化要因となる金属イオンが多く発生するが、一方で、この金属イオンがキャリアの役割を果たし、エポキシ化合物のタルク側への吸着(選択的にエポキシ化合物がタルクへ吸着する)を促進することにより、熱安定性の向上効果がより有効に発揮されたものと推測される。
本発明による作用・効果のメカニズムは、以下のように考えられる。
タルクを含むポリプロピレン系樹脂組成物の劣化は、主にポリプロピレン系樹脂とタルクの界面付近から発生していると予測され、本発明によれば、エポキシ化合物の添加によりエポキシ化合物がポリプロピレン系樹脂とタルクの間に入り込み、タルクの不純物(金属類)要因で発生する金属イオンを不活性化することで、ポリプロピレン系樹脂の熱酸化劣化を抑制していると考えられる。
また、本発明者による検証において、エポキシ化合物の低分子量化、更には金属石鹸の添加による耐熱性向上の効果が得られたことから、低分子量エポキシ化合物の分散性、金属石鹸によるその向上効果が耐熱性能に大きな影響を与えていると考えられる。
白色度の低い(不純物の多い)タルクの方がエポキシ化合物添加による耐熱性能改善効果が高かった点に関しては、白色度の低いタルクは不純物(金属類)が多いためポリプロピレン系樹脂の劣化要因となる金属イオンが多く発生するが、一方で、この金属イオンがキャリアの役割を果たし、エポキシ化合物のタルク側への吸着(選択的にエポキシ化合物がタルクへ吸着する)を促進することにより、熱安定性の向上効果がより有効に発揮されたものと推測される。
[成分(A):ポリプロピレン系樹脂]
本発明に用いる成分(A)のポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂に含まれる全単量体単位に対するプロピレン単位の含有量が50質量%よりも多いポリオレフィン樹脂である。本発明のポリプロピレン系樹脂組成物において、成分(A)は成形性に寄与する。
本発明に用いる成分(A)のポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂に含まれる全単量体単位に対するプロピレン単位の含有量が50質量%よりも多いポリオレフィン樹脂である。本発明のポリプロピレン系樹脂組成物において、成分(A)は成形性に寄与する。
成分(A)のポリプロピレン系樹脂としては、その種類は特に制限ざれず、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体等のいずれも使用することができる。また、これらのうちの1種を用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(A)がプロピレンランダム共重合体である場合、プロピレンと共重合する単量体としては、エチレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンの1種又は2種以上を例示することができる。また、成分(A)がプロピレンブロック共重合体である場合、多段階で重合して得られるプロピレンブロック共重合体が挙げられ、より具体的には、第一段階でポリプロピレンを重合し、第二段階でプロピレン・エチレン共重合体を重合して得られるプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。
成分(A)のポリプロピレン系樹脂におけるプロピレン単位の含有量は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上である。プロピレン単位の含有量が上記下限値以上であることにより、耐熱性及び剛性が良好となる傾向にある。一方、プロピレン単位の含有量の上限については特に制限されず、通常100質量%である。なお、ポリプロピレン系樹脂のプロピレン単位の含有量は、赤外分光法により求めることができる。
JIS K 7210(1999)により、230℃、荷重21.2Nで測定される成分(A)のメルトフローレート(MFR)は、通常0.01g/10分以上であり、流動性の観点から好ましくは0.05g/10分以上、より好ましくは0.1g/10分以上、さらに好ましくは0.5g/10分以上である。一方、成分(A)のMFRは、通常200g/10分以下であり、成形性の観点から、好ましくは100g/10分以下、より好ましくは70g/10分以下、更に好ましくは50g/10分以下であり、易破断性の観点から、特に好ましくは30g/10分以下であり、とりわけ好ましくは10g/10分以下である。
成分(A)のポリプロピレン系樹脂の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒を用いた多段重合法を挙げることができる。この多段重合法には、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等を用いることができ、これらを2種以上組み合わせて製造してもよい。
また、成分(A)のポリプロピレン系樹脂は市販の該当品を用いることも可能である。市販のポリプロピレン系樹脂としては下記に挙げる製造者等から調達可能であり、適宜選択することができる。入手可能な市販品としては、プライムポリマー社のPrim Polypro(登録商標)、住友化学社の住友ノーブレン(登録商標)、サンアロマー社のポリプロピレンブロックコポリマー、日本ポリプロ社のノバテック(登録商標)PP、LyondellBasell社のMoplen(登録商標)、ExxonMobil社のExxonMobil PP、Formosa Plastics社のFormolene(登録商標)、Borealis社のBorealis PP、LG Chemical社のSEETEC PP、A.Schulman社のASI POLYPROPYLENE、INEOS Olefins&Polymers社のINEOS PP、Braskem社のBraskem PP、SAMSUNG TOTAL PETROCHEMICALS社のSumsung Total、Sabic社のSabic(登録商標)PP、TOTAL PETROCHEMICALS社のTOTAL PETROCHEMICALS Polypropylene、SK社のYUPLENE(登録商標)等がある。
[成分(B):タルク]
本発明で用いられる成分(B)のタルクは、その白色度が75〜92%のものである。白色度が75%よりも低いものであると、本発明の構成を採用してもポリプロピレン系樹脂の熱酸化劣化を抑制し得ない場合がある。白色度が92%より高いタルクでは、従来取扱いが難しかった白色度の低いタルクを用いて、熱安定性に優れた強化ポリプロピレン系樹脂組成物を提供するという本発明の効果を得ることはできない。本発明で用いるタルクの白色度は80〜90%であることが好ましい。なお、タルクの白色度はハンター法によって測定できる。
本発明で用いられる成分(B)のタルクは、その白色度が75〜92%のものである。白色度が75%よりも低いものであると、本発明の構成を採用してもポリプロピレン系樹脂の熱酸化劣化を抑制し得ない場合がある。白色度が92%より高いタルクでは、従来取扱いが難しかった白色度の低いタルクを用いて、熱安定性に優れた強化ポリプロピレン系樹脂組成物を提供するという本発明の効果を得ることはできない。本発明で用いるタルクの白色度は80〜90%であることが好ましい。なお、タルクの白色度はハンター法によって測定できる。
また、本発明で用いるタルクの平均粒径(以下、「D50という」)は0.1〜20μmであることが好ましく、0.2〜15μmであることがより好ましい。平均粒径が上記下限よりも小さいものでは、十分な機械的物性の向上効果を得ることができない場合があり、上記上限よりも大きいと、成形性が損なわれるおそれがある。なお、タルクの粒径は、液相沈降法によって測定でき、その測定結果からD50を算出することができる。
また、本発明で用いるタルクの、JIS K 5101(見掛け密度又は見掛け比容)により測定される見掛け密度は、製造面の観点から0.1〜1.0g/mlであることが好ましい。
本発明で用いるタルクは、無処理であってもその表面が処理されているものであってもよい。表面処理方法として、シランカップリング剤、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、不飽和有機酸、有機チタネート、酸及び酸無水物変性樹脂などの処理剤を用いる化学的又は物理的処理が挙げられる。
本発明において、成分(B)のタルクは、成分(A)のポリプロピレン系樹脂との合計100質量部に対して0.01〜90質量部、特に0.1〜50質量部用いることが好ましい。タルクの配合量が上記下限以上であると、タルクによる機械的物性の向上効果を十分に得ることができ、上記上限以下であると、良好な成形性を維持することができる。
[成分(C):エポキシ化合物]
本発明に使用される成分(C)のエポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型などのグリシジルエーテル系エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物などのほか、線状脂肪族系エポキシ化合物、脂環型エポキシ樹脂などを挙げることができる。用いるエポキシ化合物は1種類であっても2種類以上であってもかまわないが、特にビスフェノールA型のエポキシ化合物を用いることが好ましい。
本発明に使用される成分(C)のエポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型などのグリシジルエーテル系エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物などのほか、線状脂肪族系エポキシ化合物、脂環型エポキシ樹脂などを挙げることができる。用いるエポキシ化合物は1種類であっても2種類以上であってもかまわないが、特にビスフェノールA型のエポキシ化合物を用いることが好ましい。
本発明に使用される成分(C)のエポキシ化合物の重量平均分子量は6000以下であり、好ましくは5000以下である。重量平均分子量が6000を超えるエポキシ化合物では、白色度の低い成分(B)のタルクを用いた場合の成分(A)のポリプロピレン系樹脂の熱酸化劣化の抑制効果を得ることができない。即ち、本発明では、エポキシ化合物として重量平均分子量6000以下という分子量が比較的小さいエポキシ化合物を用いることで、その良分散性により、不純物を多く含み、ポリプロピレン系樹脂を熱酸化劣化させる白色度の低いタルクを用いても、熱酸化劣化を防止して熱安定性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物とすることができる。
エポキシ化合物の重量平均分子量の下限については特に制限はないが、低分子量品は高粘度の液状で、計量が困難で、ドライブレンド時に混合し難いなど、取扱いが難しいため、通常1000以上、好ましくは1500以上であり、より好ましくは2100以上である。
なお、エポキシ化合物の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて、ポリスチレン標準による換算値として求めた値である。
また、本発明で用いるエポキシ化合物のエポキシ当量は450〜1000g/eqであることが好ましい。
エポキシ化合物の重量平均分子量の下限については特に制限はないが、低分子量品は高粘度の液状で、計量が困難で、ドライブレンド時に混合し難いなど、取扱いが難しいため、通常1000以上、好ましくは1500以上であり、より好ましくは2100以上である。
なお、エポキシ化合物の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて、ポリスチレン標準による換算値として求めた値である。
また、本発明で用いるエポキシ化合物のエポキシ当量は450〜1000g/eqであることが好ましい。
成分(C)のエポキシ化合物は、成分(A)のポリプロピレン系樹脂と成分(B)のタルクとの合計100質量部に対して0.01〜5.0質量部、特に0.1〜1.0質量部用いることが好ましい。成分(C)の配合量が上記下限以上であると、白色度の低いタルクによるポリプロピレン系樹脂の熱酸化劣化を十分に防止することができ、上記上限以下であると、機械的物性低下など添加による影響を大きく与えるおそれがない。
[成分(D):金属石鹸]
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上記成分(A)〜(C)に加えて、更に成分(D)として金属石鹸を含むことが好ましく、金属石鹸を含むことにより、ポリプロピレン系樹脂組成物の耐熱性能を更に向上させることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上記成分(A)〜(C)に加えて、更に成分(D)として金属石鹸を含むことが好ましく、金属石鹸を含むことにより、ポリプロピレン系樹脂組成物の耐熱性能を更に向上させることができる。
本発明に使用される成分(D)の金属石鹸としては、例えば、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、トリオクタデカン酸アルミニウム、ジオクタデカン酸アルミニウム、モノオクタデカン酸アルミニウム、オクタデカン酸カルシウム、オクタデカン酸亜鉛、オクタデカン酸マグネシウム、オクタデカン酸バリウム等からなる粒子が挙げられる。用いる金属石鹸は1種類であっても2種類以上であってもかまわないが、特にステアリン酸マグネシウムを用いることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に成分(D)の金属石鹸を配合する場合、成分(A)のポリプロピレン系樹脂と成分(B)のタルクとの合計100質量部に対して金属石鹸は0.01〜3.0質量部、特に0.05〜1.0質量部用いることが好ましい。成分(D)の配合量が上記下限以上であると、耐熱性能の向上効果を十分に得ることができ、上記上限以下であると成形品表層に析出し製品の外観に不具合を起こすおそれがない。
[その他の成分]
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、上記の成分(A)〜(D)以外に本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を配合することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、上記の成分(A)〜(D)以外に本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を配合することができる。
その他の成分としては、例えば、成分(A),(C)以外の熱可塑性樹脂やエラストマー等の樹脂、酸化防止剤、タルク以外の充填材、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤等の各種添加物等を挙げることができる。これらは任意のものを単独又は併用して用いることができる。
成分(A),(C)以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリオレフィン樹脂(だだし、成分(A)に該当するものを除く。)等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤を用いる場合、成分(A)のポリプロピレン系樹脂と成分(B)のタルクとの合計100質量部に対して0.01〜3.0質量部の範囲で用いることが好ましい。
充填材としては、本発明に使用のタルク以外に例えば、ガラス繊維、中空ガラス球、炭素繊維、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、金属石鹸、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。充填剤を用いる場合、成分(A)のポリプロピレン系樹脂と成分(B)のタルクとの合計100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲で用いることが好ましい。
[ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び必要に応じて用いられる成分(D)、その他の成分等を所定量含有する組成物を溶融混練することにより製造することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び必要に応じて用いられる成分(D)、その他の成分等を所定量含有する組成物を溶融混練することにより製造することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の混練装置としては、例えば非開放型バンバリーミキサー、ミキシングロール、ニーダー、二軸押出機等が用いられる。これらの中でも、各成分、特に少量成分の成分(C)を均一に溶融混練できる二軸押出機を用いることが好ましい。
また、溶融混練を行う際の温度は通常80〜300℃、好ましくは100〜250℃である。
[成形体・用途]
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、通常ポリプロピレン系樹脂組成物に用いられる成形方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形等の各種成形方法により、成形体とすることができ、これらの中でも射出成形、押出成形が好適である。また、これらの成形を行った後に積層成形、熱成形等の二次加工を行った成形体とすることもできる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、通常ポリプロピレン系樹脂組成物に用いられる成形方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形等の各種成形方法により、成形体とすることができ、これらの中でも射出成形、押出成形が好適である。また、これらの成形を行った後に積層成形、熱成形等の二次加工を行った成形体とすることもできる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、引張強度、曲げ強度、及び剛性などの機械的物性に優れ、家電用部品、建材用部品、自動車部品などの広汎な分野で用いることができ、特に自動車用押出部材、建材用部材として好適である。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔原料〕
以下の実施例および比較例で使用した原料は以下の通りである。
以下の実施例および比較例で使用した原料は以下の通りである。
[成分(A)]
成分(A):
エチレン・プロピレン共重合体/日本ポリプロ株式会社製 ノバテック(登録商標)PP EC9(MFR(JIS K7210(1999)):0.5g/10分(230℃、21.2N)、プロピレン単位含有量:93質量%)
成分(A):
エチレン・プロピレン共重合体/日本ポリプロ株式会社製 ノバテック(登録商標)PP EC9(MFR(JIS K7210(1999)):0.5g/10分(230℃、21.2N)、プロピレン単位含有量:93質量%)
[成分(B)]
成分(B1):
平均粒径6μm、白色度82%、見掛け密度0.18g/mlのタルク
成分(B2):
平均粒径6μm、白色度95%、見掛け密度0.16g/mlのタルク
成分(B1):
平均粒径6μm、白色度82%、見掛け密度0.18g/mlのタルク
成分(B2):
平均粒径6μm、白色度95%、見掛け密度0.16g/mlのタルク
[成分(C)]
成分(C1):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)828(エポキシ当量:184〜194g/eq、重量平均分子量:370)
成分(C2):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1001(エポキシ当量:450〜500g/eq、重量平均分子量:2000)
成分(C3):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1004AF(エポキシ当量:875〜975g/eq、重量平均分子量:4500)
成分(C4):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1007(エポキシ当量:1750〜2200g/eq、重量平均分子量:10000)
成分(C5):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1010(エポキシ当量:3000〜5000g/eq、重量平均分子量:38000)
成分(C6):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1256(エポキシ当量:7500〜8500g/eq、重量平均分子量:50000)
成分(C1):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)828(エポキシ当量:184〜194g/eq、重量平均分子量:370)
成分(C2):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1001(エポキシ当量:450〜500g/eq、重量平均分子量:2000)
成分(C3):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1004AF(エポキシ当量:875〜975g/eq、重量平均分子量:4500)
成分(C4):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1007(エポキシ当量:1750〜2200g/eq、重量平均分子量:10000)
成分(C5):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1010(エポキシ当量:3000〜5000g/eq、重量平均分子量:38000)
成分(C6):
ビスフェノールA型エポキシ樹脂/三菱化学(株)製 jER(登録商標)1256(エポキシ当量:7500〜8500g/eq、重量平均分子量:50000)
[成分(D)]
成分(D):
ステアリン酸マグネシウム/日東化成工業(株)製
成分(D):
ステアリン酸マグネシウム/日東化成工業(株)製
[酸化防止剤]
成分(E):
フェノール系酸化防止剤/BASFジャパン社製 イルガノックス(登録商標)1010
成分(E):
フェノール系酸化防止剤/BASFジャパン社製 イルガノックス(登録商標)1010
〔評価方法〕
以下の実施例及び比較例におけるポリプロピレン系樹脂組成物の評価方法は以下の通りである。
以下の実施例及び比較例におけるポリプロピレン系樹脂組成物の評価方法は以下の通りである。
[耐熱劣化性]
溶融混練されたポリプロピレン系樹脂組成物を熱プレスにより220℃でプレスを行い、50mm×30mm×0.5mmのシートを成形した。
得られたシートを150℃のギヤーオーブン中に入れ、シートに劣化が生じるまでの時間(オーブンライフ)により耐熱劣化性を判定した。
オーブンライフが長い程、熱劣化に対する安定性が優れることを示す。
溶融混練されたポリプロピレン系樹脂組成物を熱プレスにより220℃でプレスを行い、50mm×30mm×0.5mmのシートを成形した。
得られたシートを150℃のギヤーオーブン中に入れ、シートに劣化が生じるまでの時間(オーブンライフ)により耐熱劣化性を判定した。
オーブンライフが長い程、熱劣化に対する安定性が優れることを示す。
〔実施例/比較例〕
[実施例1]
成分(A)60質量部、成分(B1)40質量部、成分(C1)0.5質量部、成分(D)0.2質量部、及び成分(E)0.2質量部を添加し、これらをドライブレンドした。
ドライブレンド後、東洋精機製作所(株)製ラボプラストミルの供給口から供給し、200℃で5分間溶融混練を行い、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、その評価を行った。評価結果を表−1に示す。
[実施例1]
成分(A)60質量部、成分(B1)40質量部、成分(C1)0.5質量部、成分(D)0.2質量部、及び成分(E)0.2質量部を添加し、これらをドライブレンドした。
ドライブレンド後、東洋精機製作所(株)製ラボプラストミルの供給口から供給し、200℃で5分間溶融混練を行い、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、その評価を行った。評価結果を表−1に示す。
[実施例2〜3、比較例1〜5]
表−1に示したように配合組成を変更した以外は実施例1と同様にして実施し、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。得られたポリプロピレン系樹脂組成物について実施例1と同様の評価を実施した。結果を表−1に示す。
表−1に示したように配合組成を変更した以外は実施例1と同様にして実施し、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。得られたポリプロピレン系樹脂組成物について実施例1と同様の評価を実施した。結果を表−1に示す。
[考察]
表−1に示す通り、実施例1〜3は150℃オーブンライフが優れている。また、成分(C1)〜成分(C3)において分子量が小さいものを使用するほどオーブンライフが長く、即ち耐熱性能に優れることがわかる。
比較例1〜3は実施例1〜3に使用している成分(C)の分子量を変更した例であるが、分子量が高いものにおいては耐熱性能に劣ることがわかる。
比較例4は成分(C)を除いた例であるが、実施例1〜3と比べ耐熱性能が著しく劣ることがわかる。
比較例5は比較例4に使用している成分(B1)を白色度の高い成分(B2)へ変更した例であるが、成分(B2)は白色度が高く、含有する不純物が少ないため、比較例4と比べると耐熱性能が優れるが、実施例1〜3と比べると耐熱性能が著しく劣ることがわかる。
表−1に示す通り、実施例1〜3は150℃オーブンライフが優れている。また、成分(C1)〜成分(C3)において分子量が小さいものを使用するほどオーブンライフが長く、即ち耐熱性能に優れることがわかる。
比較例1〜3は実施例1〜3に使用している成分(C)の分子量を変更した例であるが、分子量が高いものにおいては耐熱性能に劣ることがわかる。
比較例4は成分(C)を除いた例であるが、実施例1〜3と比べ耐熱性能が著しく劣ることがわかる。
比較例5は比較例4に使用している成分(B1)を白色度の高い成分(B2)へ変更した例であるが、成分(B2)は白色度が高く、含有する不純物が少ないため、比較例4と比べると耐熱性能が優れるが、実施例1〜3と比べると耐熱性能が著しく劣ることがわかる。
[実施例4]
成分(A)60質量部、成分(B1)40質量部、成分(C3)0.5質量部、成分(D)0.2質量部、及び成分(E)0.2質量部を添加し、これらをドライブレンドした。
ドライブレンド後、15mmφ二軸押出機((株)テクノベル製KZW)の供給口から供給し、シリンダー温度180〜200℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量3kg/hrで溶融混練を行い、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、その評価を行った。評価結果を表−2に示す。
成分(A)60質量部、成分(B1)40質量部、成分(C3)0.5質量部、成分(D)0.2質量部、及び成分(E)0.2質量部を添加し、これらをドライブレンドした。
ドライブレンド後、15mmφ二軸押出機((株)テクノベル製KZW)の供給口から供給し、シリンダー温度180〜200℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量3kg/hrで溶融混練を行い、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造し、その評価を行った。評価結果を表−2に示す。
[実施例5、比較例6]
表−2に示したように配合組成を変更した以外は実施例4と同様にポリプロピレン系樹脂組成物を得た。得られたポリプロピレン系樹脂組成物について実施例4と同様の評価を実施した。結果を表−2に示す。
表−2に示したように配合組成を変更した以外は実施例4と同様にポリプロピレン系樹脂組成物を得た。得られたポリプロピレン系樹脂組成物について実施例4と同様の評価を実施した。結果を表−2に示す。
[考察]
表−2より、実施例4では、同配合組成でも溶融混練法の異なる実施例3と比較して、著しくオーブンライフが改善されたことがわかる。実施例4で用いた二軸混練機は実施例3で用いたラボプラストミルよりも成分(C)の分散性が高いことが、オーブンライフを著しく延ばした要因と予想される。
実施例5は実施例4の成分(D)を除いた例であるが、オーブンライフが実施例4と比べ劣るものの、十分な耐熱性があることが分かる。また、成分(D)を添加することにより耐熱性能が著しく改善することが分かる。
比較例6は実施例5の成分(B1)を成分(B2)に変更した例であるが、比較例5に添加している成分(B2)は白色度が高く不純物が少ないにも関わらず、白色度が低く不純物の多い成分(B1)を添加している実施例5の方が耐熱性能に優れていることが分かる。
表−2より、実施例4では、同配合組成でも溶融混練法の異なる実施例3と比較して、著しくオーブンライフが改善されたことがわかる。実施例4で用いた二軸混練機は実施例3で用いたラボプラストミルよりも成分(C)の分散性が高いことが、オーブンライフを著しく延ばした要因と予想される。
実施例5は実施例4の成分(D)を除いた例であるが、オーブンライフが実施例4と比べ劣るものの、十分な耐熱性があることが分かる。また、成分(D)を添加することにより耐熱性能が著しく改善することが分かる。
比較例6は実施例5の成分(B1)を成分(B2)に変更した例であるが、比較例5に添加している成分(B2)は白色度が高く不純物が少ないにも関わらず、白色度が低く不純物の多い成分(B1)を添加している実施例5の方が耐熱性能に優れていることが分かる。
Claims (8)
- 下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
成分(A):メルトフローレート(JIS K7210(1999)、230℃、荷重21.2N)が0.01〜200g/分であるポリプロピレン系樹脂
成分(B):白色度が75〜92%であるタルク
成分(C):重量平均分子量が6000以下であるエポキシ化合物 - 更に下記成分(D)を含む、請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
成分(D):金属石鹸 - 成分(C)がビスフェノールA型エポキシ化合物である、請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 押出成形してなる、請求項4に記載の成形体。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる自動車用押出部材。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる建材用部材。
- 下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)を二軸押出機で溶融混練することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
成分(A):メルトフローレート(JIS K7210(1999)、230℃、荷重21.2N)が0.01〜200g/分であるプロピレン系重合体
成分(B):白色度が75〜92%であるタルク
成分(C):重量平均分子量が6000以下であるエポキシ化合物
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|---|
JP2579511B2 (ja) * | 1988-01-22 | 1997-02-05 | チッソ株式会社 | 強化ポリプロピレン樹脂組成物 |
JPH03137146A (ja) * | 1989-10-24 | 1991-06-11 | Ube Ind Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
JP3156349B2 (ja) * | 1992-03-26 | 2001-04-16 | 住友化学工業株式会社 | ポリオレフィン系樹脂組成物 |
JPH08134288A (ja) * | 1994-11-14 | 1996-05-28 | Tonen Chem Corp | タルク充填ポリプロピレン樹脂組成物 |
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