JP6987668B2 - 内視鏡用対物光学系 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡用対物光学系に関する。
医療用内視鏡の分野では、低侵襲性の確保、及び診断精度の向上が求められている。これらの要望の実現には、内視鏡先端の挿入部の細径化、広角での観察、及び高画質の画像の取得が必要になる。そのためには、小型で多画素な撮像素子を、挿入部に搭載する必要がある。撮像素子としては、例えば、CCDやCMOSが用いられる。
小型で多画素な撮像素子では、従来の撮像素子に比べて、画素ピッチが小さい。そのため、小型で多画素な撮像素子を使用する場合、回折の影響によって、解像度の劣化が生じる。解像度の劣化を回避するためには、明るい光学系、すなわち、Fナンバーが小さい光学系が必要となる。Fナンバーが小さい光学系では、特に像面湾曲を良好に補正する必要が生じてくる。
また、光学系の製造では、光学系の組立後に調整を行う。調整では、レンズ又はレンズ群を移動させて、視野の周辺部における結像性能(以下、「周辺性能」という)を良好にしている。調整によって周辺性能を良好にしても、調整後の製造誤差(以下、「製造誤差」という)が大きいと、周辺性能が劣化する。製造誤差としては、例えば、接着層の収縮がある。接着層の収縮は、接着剤が硬化する際に生じる。
また、内視鏡による観察では、病変部を容易に発見できることが望ましい。そのため、内視鏡用の対物光学系には、広角な光学系が用いられる。一般に、内視鏡用の対物光学系では、広い画角を得るために、樽型のディストーションを発生させている。
樽型のディストーションを有する光学系では、視野の中心部における倍率を、視野の周辺部における倍率よりも大きくしている。これにより、視野の周辺部における像(以下、「周辺像」という)を歪ませている。
そのため、樽型のディストーションを有する光学系では、製造誤差による影響を大きく受け易い。例えば、レンズの位置又はレンズ群の位置が製造誤差で光軸方向にずれると、光学倍率が変化する。この場合、周辺像の歪みが大きく変化するので、画角が大きく変化する。このように、樽型のディストーションを有する光学系では、画角が変化し易い。特に、画角が160°程度の広角な対物光学系では、周辺像の歪みはさらに大きくなる。そのため、製造誤差による画角変化が大きくなり易い。
このようなことから、小型で高い解像度を有し、広角な内視鏡用対物光学系では、製造誤差による画角変化の抑制や、製造誤差による周辺性能の劣化の抑制が必要となる。
一般的な対物光学系が、例えば特許文献1から10に開示されている。これらの対物光学系は、レンズの枚数が少ない光学系である。これらの対物光学系では、4枚から6枚のレンズが用いられている。
特開2017−26897号公報 特開2009−258659号公報 特開2001−154100号公報 特開2004−258611号公報 特開2006−276779号公報 WO2016/190184号公報 特開2004−344230号公報 WO2016/208367号公報 WO2013/077139号公報 特開平4−275514号公報
特許文献1には、Fナンバーが1.6以下で、画角が70°程度の対物光学系が開示されている。この対物光学系は、多画素の撮像素子に対応している。しかしながら、画角が狭いため、内視鏡用の対物光学系としては適していない。
特許文献2には、画角が100°程度の内視鏡用対物光学系が開示されている。この内視鏡用対物光学系は画角が狭いので、病変部の容易な発見には不向きである。
特許文献3、4には、画角が130〜140°程度の内視鏡用対物光学系が開示されている。これらの内視鏡用対物光学系では、負レンズの像側に、開口絞りと、正レンズと、が配置されている。そのため、開口絞りよりも像側の位置で光線高が高くなり易い。よって、これらの内視鏡用対物光学系は、小型化には不向きである。
特許文献5、6、7には、画角が130〜140°程度の内視鏡用対物光学系が開示されている。これらの内視鏡用対物光学系は、負の前群と、開口絞りと、正の後群と、を有している。これらの内視鏡用対物光学系では、前群の屈折力と後群の屈折力が、開口絞りを挟んで非対称になっている。そのため、諸収差が十分に補正されているとはいえない。
特許文献6には、画角調整幅を確保した内視鏡用対物光学系が開示されている。この画角調整幅を用いて、製造誤差による画角のばらつきを補正している。しかし、負の第1レンズおよび第2レンズの屈折力については規定がない。更に、製造誤差の影響の低減に関する工夫は開示されていない。
また、この内視鏡用対物光学系では、製造誤差によって第1レンズと第2レンズの相対位置が変化すると、画角が変化し、また、周辺性能が劣化する。しかしながら、製造誤差による画角変化の抑制や、製造誤差による周辺性能の劣化の抑制については、考慮されていない。
特許文献8には、画角が130〜140°程度の内視鏡用対物光学系が開示されている。この内視鏡用対物光学系では、前群の屈折力と後群の屈折力が、開口絞りを挟んで対称になっている。ただし、第1レンズを小径化するために、第1レンズの屈折力を相対的に大きくしている。そのため、製造誤差の影響を大きく受け易い。しかしながら、製造誤差の影響の低減については、十分に考慮されていない。よって、広角な対物光学系、例えば、画角が140°以上の対物光学系には、そのままでは適用できない。
特許文献9、10には、画角が160°程度の内視鏡用対物光学系が開示されている。これらの内視鏡用対物光学系でも、第1レンズを小径化するために、第1レンズの屈折力を相対的に大きくしている。そのため、製造誤差の影響を大きく受け易い。しかしながら、製造誤差の影響の低減については、十分に考慮されていない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、製造誤差の影響を受けにくく、広角且つ小型で、諸収差が良好に補正された内視鏡用対物光学系を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る内視鏡用対物光学系は、
物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群と、からなり、
第1レンズ群は、物体側が平面の負の第1レンズと、正の第2レンズと、からなり、
第2レンズ群は、正の第3レンズと負の第4レンズとの接合レンズからなり、
以下の条件式(1’’’)を満足することを特徴とする。
−6.0<f1×f2/f2−3.01’’’
ただし、
f1は、第1レンズの焦点距離、
f2は、第2レンズの焦点距離、
fは、内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
である。
本発明によれば、製造誤差の影響を受けにくく、広角且つ小型で、諸収差が良好に補正された内視鏡用対物光学系を提供することができる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系のレンズ断面図である。 実施例1の内視鏡用対物光学系のレンズ断面図である。 実施例1の内視鏡用対物光学系の収差図である。 実施例2の内視鏡用対物光学系のレンズ断面図である。 実施例2の内視鏡用対物光学系の収差図である。 実施例3の内視鏡用対物光学系のレンズ断面図である。 実施例3の内視鏡用対物光学系の収差図である。 実施例4の内視鏡用対物光学系のレンズ断面図である。 実施例4の内視鏡用対物光学系の収差図である。 実施例5の内視鏡用対物光学系のレンズ断面図である。 実施例5の内視鏡用対物光学系の収差図である。
以下、本実施形態に係る内視鏡用対物光学系について、図面を用いて、このような構成をとった理由と作用を説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群と、からなり、第1レンズ群は、物体側が平面の負の第1レンズと、正の第2レンズと、からなり、第2レンズ群は、正の第3レンズと負の第4レンズとの接合レンズからなり、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
−6.0<f1×f2/f<−2.7 (1)
ただし、
f1は、第1レンズの焦点距離、
f2は、第2レンズの焦点距離、
fは、内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
である。
一般に、広角な対物光学系には、レトロフォーカスタイプの光学系が用いられる。レトロフォーカスタイプの光学系では、物体側に負の屈折力を有するレンズ群が配置され、像側に正の屈折力を有するレンズ群が配置されている。これに対して、本実施形態の内視鏡用対物光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群と、からなる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系では、第1レンズ群は、負の第1レンズと、正の第2レンズと、からなり、第2レンズ群は、正の第3レンズと、負の第4レンズと、からなる。そこで、第1レンズを物体側に位置するレンズ群と見なし、第2レンズ、第3レンズ、及び第4レンズを、像側に位置するレンズ群と見なす。
この場合、物体側に位置するレンズ群の屈折力は負の屈折力となる。一方、像側に位置するレンズ群の屈折力は正の屈折力となる。よって、本実施形態の内視鏡用対物光学系でも、屈折力の並びが、レトロフォーカスタイプの光学系と同じになる。このように、本実施形態の内視鏡用対物光学系では、レトロフォーカスタイプの光学系が採用されている。よって、広い画角を確保できる。
また、物体側から、負レンズ、正レンズ、開口絞り、正レンズ、負レンズの順で、レンズが配置されている。そのため、開口絞りよりも物体側での屈折力の並びと、開口絞りよりも像側での屈折力の並びとが、開口絞りを挟んで対称になる。その結果、諸収差を良好に補正できる。
第1レンズでは、物体側の面が平面になっている。内視鏡による観察では、第1レンズの物体側のレンズ面に汚れや血液などが付着する。この場合、内視鏡先端に設けられたノズルから水を射出して、レンズ面の洗浄を行う。
物体側のレンズ面の形状が凸形状の場合、汚れが落ちにくくなってしまう。また、物体側のレンズ面が凹形状の場合、水が溜まるなどの水切れが悪くなる。また、第1レンズの物体側のレンズ面が凸形状の場合、衝撃によるキズや割れが発生しやすくなる。
そこで、第1レンズを平凹レンズとすると共に、物体側に平面を向けるように第1レンズを配置する。このようにすることで、観察中の水切れを良好にできると共に、衝撃によるレンズ割れを軽減できる。
第3レンズと第4レンズは接合されている。接合レンズは、負レンズと正レンズを有するので、色収差を良好に補正できる。接合レンズは、最も像側に配置されている。この位置では、軸上光線と軸外光線が分離している。しかも、この位置では、軸外光線の高さが高い。よって、特に、倍率色収差を良好に補正できる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、条件式(1)を満足する。条件式(1)は、製造誤差の影響の低減に関する条件式である。
条件式(1)を満足することで、製造誤差による画角変化や、製造誤差による周辺性能の劣化を抑制できる。更に、光学系を小型化できる。
値が条件式(1)の上限値を上回る場合、第1レンズの屈折力が大きくなるか、又は第2レンズの屈折力が大きくなる。この場合、製造誤差による画角変化や、製造誤差による周辺性能の劣化が大きくなる。そのため、高い組立精度が要求される。よって、値が条件式(1)の上限値を上回ることは好ましくない。
値が条件式(1)の下限値を下回る場合、第1レンズの屈折力が小さくなる。この場合、第1レンズでの光線高が高くなる。そのため、光学系の小型化が困難となる。
条件式(1)の下限値は、条件式(1’)の下限値、又は条件式(1”)の下限値にしても良い。条件式(1)の上限値は、条件式(1’)の上限値、又は条件式(1”)の上限値にしても良い。
−5.0<f1×f2/f<−2.8 (1’)
−4.0<f1×f2/f<−3.0 (1”)
条件式(1’)を満足するか、又は条件式(1”)を満足することで、製造誤差による画角変化や、製造誤差による周辺性能の劣化を、より良く抑制できる。また、光学系の小型化がさらに容易となる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系の具体的な構成例を説明する。図1は、本実施形態の内視鏡用対物光学系を示す断面図である。
内視鏡用対物光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、を有する。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に、開口絞りSが配置されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の第1レンズL1と、正の第2レンズL2と、を有している。第2レンズ群G2は、正の第3レンズL3と、負の第4レンズL4と、を有している。第3レンズL3と第4レンズL4は接合され、接合レンズCL1を構成している。
第1レンズL1と第2レンズL2との間には、平行平面板F1が配置されている。第2レンズL2と接合レンズCL1との間には、平行平面板F2が配置されている。平行平面板F1と平行平面板F2は、光学フィルタである。
平行平面板F1と平行平面板F2では、特定の波長の光をカットできる。特定の波長の光は、例えば、YAGレーザーの波長1060nmの光、半導体レーザーの波長810nmの光である。
平行平面板F1、又は平行平面板F2は、接合レンズCL1の像側に配置しても構わない。
接合レンズCL1の像側には、カバーガラスCG1と、カバーガラスCG2と、が配置されている。カバーガラスCG1とカバーガラスCG2は接合されている。カバーガラスCG2の像側には、不図示の撮像素子が配置されている。
カバーガラスCG2は、撮像素子の撮像面に設けられている。カバーガラスCG2によって、撮像面にキズ等が入ることを防止できる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
1.0<f34/f2<2.0 (2)
ただし、
f34は、接合レンズの焦点距離、
f2は、第2レンズの焦点距離、
である。
レトロフォーカスタイプの光学系では、物体側に負の屈折力を有するレンズ群が配置され、像側に正の屈折力を有するレンズ群が配置されている。条件式(2)は、正の屈折力を有するレンズ群に関する条件式である。
本実施形態の内視鏡用対物光学系では、第2レンズと接合レンズとで、正の屈折力を有するレンズ群を構成している。よって、条件式(2)は、第2レンズと接合レンズに関する条件式になる。
値が条件式(2)の上限値を上回る場合、コマ収差の補正や、非点収差の補正が困難となる。更に、第2レンズでの製造誤差による画角変化が大きくなる。そのため、高い組立精度が要求される。よって、値が条件式(2)の上限値を上回ることは好ましくない。
値が条件式(2)の下限値を下回る場合、像面湾曲がアンダーになるので、製造誤差による周辺性能の劣化が大きくなる。よって、値が条件式(2)の下限値を下回ることは好ましくない。
条件式(2)の下限値は、以下の条件式(2’)の下限値、又は条件式(2”)の下限値にしても良い。条件式(2)の上限値は、条件式(2’)の上限値、又は条件式(2”)の上限値にしても良い。
1.4<f34/f2<1.6 (2’)
1.43<f34/f2<1.5 (2”)
条件式(2’)を満足するか、又は式(2”)を満足することで、コマ収差の補正効果、非点収差の補正効果、及び像面湾曲の補正効果が高まるだけでなく、第2レンズでの製造誤差による画角変化を、より効果的に抑制できる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
1.0<f24/f<5.0 (3)
ただし、
f24は、所定の光学系の焦点距離、
fは、内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
所定の光学系は、第2レンズ、第3レンズ、及び第4レンズからなる光学系、
である。
上述のように、第2レンズ、第3レンズ、及び第4レンズを、像側に位置するレンズ群と見なすと、これらのレンズ群は、レトロフォーカスタイプの光学系の正レンズ群に該当する。条件式(3)は、レトロフォーカスタイプの光学系の正レンズ群の屈折力に関する条件式である。
値が条件式(3)の上限値を上回る場合、所定の光学系における正の屈折力が小さくなる。この場合、第1レンズで発生する像面湾曲やコマ収差を、所定の光学系で良好に補正できない。その結果、製造誤差による周辺性能の劣化が大きくなる。
値が条件式(3)の下限を下回る場合、第1レンズで発生する像面湾曲やコマ収差に対して、所定の光学系での補正が過剰となる。そのため、製造誤差による周辺性能の劣化が大きくなる。
条件式(3)の下限値は、以下の条件式(3’)の下限値、又は条件式(3”)の下限値にしても良い。条件式(3)の上限値は、条件式(3’)の上限値、又は条件式(3”)の上限値にしても良い。
1.5<f24/f<4.0 (3’)
2.0<f24/f<3.2 (3”)
条件式(3’)を満足するか、又は条件式(3”)を満足することで、像面湾曲の補正やコマ収差の補正が、さらに容易となる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
0.2<(R3+R4)/(R3−R4)<0.8 (4)
ただし、
R3は、第2レンズの物体側面の曲率半径、
R4は、第2レンズの像側面の曲率半径、
である。
条件式(4)は、第2レンズの形状に関する条件式である。
値が条件式(4)の上限値を上回る場合、球面収差がアンダー側に倒れるとともに、コマ収差が傾く。よって、値が条件式(4)の上限値を上回ることは好ましくない。
値が条件式(4)の下限値を下回る場合、球面収差がオーバー側に倒れるとともに、コマ収差と非点収差が十分に補正できない。よって、値が条件式(4)の下限値を下回ることは好ましくない。
条件式(4)の下限値は、以下の条件式(4’)の下限値、又は条件式(4”)の下限値にしても良い。条件式(4)の上限値は、条件式(4’)の上限値、又は条件式(4”)の上限値にしても良い。
0.50<(R3+R4)/(R3−R4)<0.75 (4’)
0.56<(R3+R4)/(R3−R4)<0.60 (4”)
条件式(4’)を満足するか、又は条件式(4”)を満足することで、球面収差の補正、コマ収差の補正、及び非点収差の補正が、さらに容易となる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
|PS×f|<0.05 (5)
ただし、
PSは、内視鏡用対物光学系全体のペッツバール和、
fは、内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
である。
条件式(5)は、内視鏡用対物光学系のペッツバール和に関する条件式である。
値が条件式(5)の上限値を上回る場合、像面湾曲の補正が不十分となる。そのため、製造誤差が生じなくても、周辺性能が劣化する。更に、製造誤差が生じると、製造誤差による周辺性能の劣化が大きくなり易くなる。よって、値が条件式(5)の上限値を上回ることは好ましくない。
特に、値がプラス側になった場合、像面がアンダー側に倒れる。一方、値がマイナスになった場合、像面がオーバー側に傾くと共に、メリディオナル像面とサジタル像面との差、すなわち、非点隔差が大きくなる。
条件式(5)の下限値は、以下の条件式(5’)の下限値、又は条件式(5”)の下限値にしても良い。条件式(5)の上限値は、条件式(5’)の上限値、又は条件式(5”)の上限値にしても良い。
|PS×f|<0.04 (5’)
|PS×f|<0.03 (5”)
条件式(5’)を満足するか、又は条件式(5”)を満足することで、像面湾曲の補正効果が一層高まるだけでなく、製造誤差による周辺性能の劣化を、より効果的に抑制できる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
0.2<Σda/df<0.7 (6)
ただし、
Σdaは、所定の間隔における空気間隔の総和、
dfは、所定の間隔、
所定の間隔は、第1レンズの物体側面から開口絞りまでの間隔、
である。
条件式(6)は、所定の間隔において空気間隔が占める比率を規定する条件式である。所定の間隔は、第1レンズの物体側面から開口絞りまでの間隔である。第1レンズの物体側面から開口絞りまでの間に平行平面板が配置されている場合、平行平面板の厚みを空気換算長に置き換えるものとする。この置き換えは、Σdaの算出とdfの算出の両方において行う。
一般に、画角が160°程度の対物光学系では、レンズの寸法誤差、鏡枠の寸法誤差、及び組立時の誤差によって、画角が大きく変化する。そのため、光学系の製造では、組立後に、画角を調整する工程を設けることがある。画角を調整する工程で、画角が許容範囲に収まるようにする。
画角を調整する工程では、レンズを光軸方向に移動させる。よって、移動量に対する画角の変化が大きいレンズが、調整対象のレンズとして選ばれる。調整の対象はレンズで無くても良い。例えば、レンズ群を調整の対象としても良い。
画角の調整では、レンズが移動できる空間を十分に確保しておく必要がある。本実施形態の内視鏡用対物光学系では、第1レンズと第2レンズが、調整対象のレンズに適している。そのため、条件式(6)を満足することが望ましい。
値が条件式(6)の上限値を上回る場合、所定の間隔において空気間隔が占める比率が高まる。この場合、第1レンズの肉厚が薄くなるか、又は第2レンズの肉厚が薄くなる。そのため、例えば、外部から衝撃によるレンズ割れのリスクが高くなる。更に、レンズ縁肉が十分に確保できないため、レンズの加工や光学系の組立における作業性が悪化する。よって、値が条件式(6)の上限値を上回ることは好ましくない。
値が条件式(6)の下限値を下回る場合、所定の間隔において空気間隔が占める比率が低くなる。この場合、第1レンズと第2レンズとの間隔、又は第2レンズと開口絞りとの間隔が狭くなる。そのため、画角調整に必要な空間が十分に確保できない。よって、値が条件式(6)の下限値を下回ることは好ましくない。
条件式(6)の下限値は、条件式(6’)の下限値、又は条件式(6”)の下限値にしても良い。条件式(6)の上限値は、条件式(6’)の上限値、又は条件式(6”)の上限値にしても良い。
0.30<Σda/df<0.60 (6’)
0.40<Σda/df<0.55 (6”)
条件式(6’)を満足するか、又は条件式(6”)を満足することで、レンズの加工における作業性の悪化や、光学系の組立てにおける作業性の悪化を防止できる。更に、画角の調整に必要な空間の確保も、より容易となる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
3.6<R3/f<20 (7)
ただし、
R3は、第2レンズの物体側面の曲率半径、
fは、内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
である。
条件式(7)は、第2レンズの物体側面の形状を規定する条件式である。
値が条件式(7)の上限値を上回る場合、像面湾曲が発生して、像面がアンダー側に倒れる。更に、コマ収差や非点収差が十分に補正できない。よって、値が条件式(7)の上限値を上回ることは好ましくない。
値が条件式(7)の下限値を下回る場合、像面湾曲が発生して、特にメリディオナル像面がオーバー側に倒れる。そのため、非点隔差が大きくなる。更に、軸上色収差と倍率色収差が悪化する。この場合、g線の像がアンダー側に大きく傾き、C線の像がオーバー側に大きく傾く。よって、値が条件式(7)の下限値を下回ることは好ましくない。
条件式(7)の下限値は、以下の条件式(7’)の下限値、又は条件式(7”)の下限値にしても良い。条件式(7)の上限値は、条件式(7’)の上限値、又は条件式(7”)の上限値にしても良い。
6.3<R3/f<15 (7’)
9.0<R3/f<12 (7”)
条件式(7’)を満足するか、又は条件式(7”)を満足することで、像面湾曲の補正効果だけでなく、軸上色収差の補正効果と倍率色収差の補正効果も、さらに高められる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
−5.0<R4/f<−2.0 (8)
ただし、
R4は、第2レンズの像側面の曲率半径、
fは、内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
である
条件式(8)は、第2レンズの像側面の形状を規定する条件式である。
値が条件式(8)の上限値を上回る場合、像面がアンダー側に倒れるとともに、コマ収差が十分に補正できない。さらに、軸上色収差と倍率色収差が悪化する。この場合、g線の像がアンダー側に大きく傾き、C線の像がオーバー側に大きく傾く。よって、値が条件式(8)の上限値を上回ることは好ましくない。
値が条件式(8)の下限値を下回る場合、球面収差と像面湾曲がオーバー側に補正過剰となる。さらに、g線の像がオーバー側に大きく傾く。よって、値が条件式(8)の下限値を下回ることは好ましくない。
条件式(8)の下限値は、以下の条件式(8’)の下限値、又は条件式(8”)の下限値にしても良い。条件式(8)の上限値は、条件式(8’)の上限値、又は条件式(8”)の上限値にしても良い。
−4.0<R4/f<−2.2 (8’)
−3.0<R4/f<−2.3 (8”)
条件式(8’)を満足するか、又は条件式(8”)を満足することで、像面湾曲の補正やコマ収差の補正だけでなく、軸上色収差の補正や倍率色収差の補正が、更に容易となる。
本実施形態の内視鏡用対物光学系は、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
1.0<f2/f3<2.0 (9)
ただし、
f2は、第2レンズの焦点距離、
f3は、第3レンズの焦点距離、
である。
条件式(9)は、第2レンズの屈折力と第3レンズの屈折力に関する条件式である。
値が条件式(9)の上限値を上回る場合、像面がアンダー側に大きく傾く。よって、値が条件式(9)の上限値を上回ることは好ましくない。
値が条件式(9)の下限値を下回る場合、像面湾曲が発生し、特にメリディオナル像面がオーバー側に傾く。そのため、非点隔差が大きくなる。よって、値が条件式(9)の下限値を下回ることは好ましくない。
条件式(9)の下限値は、以下の条件式(9’)の下限値、又は条件式(9”)の下限値にしても良い。条件式(9)の上限値は、条件式(9’)の上限値、又は条件式(9”)の上限値にしても良い。
1.4<f2/f3<1.9 (9’)
1.59<f2/f3<1.8 (9”)
条件式(9’)を満足するか、又は条件式(9”)を満足することで、メリディオナル像面とサジタル像面との差、すなわち、非点隔差の発生を一層効果的に抑制できる。
なお、上述の内視鏡用対物光学系は、複数の構成を同時に満足してもよい。このようにすることが、性能上または製造上から一層好ましい構成が得られる。また、好ましい構成の組み合わせは任意である。また、各条件式について、より限定した条件式の数値範囲の上限値あるいは下限値のみを限定しても構わない。
以下に、内視鏡用対物光学系の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図2、図4、図6、図8、及び図10は、各々、実施例1乃至実施例5の内視鏡用対物光学系のレンズ断面図である。図3、図5、図7、図9、及び図11は、各々、実施例1乃至実施例5の内視鏡用対物光学系の収差図である。
各実施例のレンズ断面図について説明する。第1レンズ群はG1、第2レンズ群はG2、開口絞りはS、像面(撮像面)はIで示してある。平行平面板はF1、F2、カバーガラスはCG1、CG2で示してある。
各実施例の収差図について説明する。(a)は球面収差(SA)、(b)は非点収差(AS)、(c)は歪曲収差(DT)、(d)は倍率色収差(CC)を示している。
各収差図において、横軸は収差量を表している。球面収差、非点収差、及び倍率収差については、収差量の単位はmmである。また、歪曲収差については、収差量の単位は%である。また、FnoはFナンバー、IHは像高で、単位はmm(ミリメートル)である。また、収差曲線の波長の単位はnmである。
(実施例1)
実施例1に係る内視鏡用対物光学系について説明する。実施例1の内視鏡用対物光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、を有する。
第1レンズ群G1は、物体側が平面である平凹負レンズL1と、両凸正レンズL2と、を有する。
第2レンズ群G1は、両凸正レンズL3と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4と、を有する。ここで、両凸正レンズL3と負メニスカスレンズL4とで、接合レンズを形成している。
開口絞りSは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に配置されている。
平凹負レンズL1と両凸正レンズL2との間に、平行平面板F1が配置されている。両凸正レンズL2と両凸正レンズL3との間に、平行平面板F2が配置されている。負メニスカスレンズL4の像側に、カバーガラスCG1とカバーガラスCG2が配置されている。
(実施例2)
実施例2に係る内視鏡用対物光学系について説明する。実施例2の内視鏡用対物光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、を有する。
第1レンズ群G1は、物体側が平面である平凹負レンズL1と、両凸正レンズL2と、を有する。
第2レンズ群G1は、両凸正レンズL3と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4と、を有する。ここで、両凸正レンズL3と負メニスカスレンズL4とで、接合レンズを形成している。
開口絞りSは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に配置されている。
両凸正レンズL2と両凸正レンズL3との間に、平行平面板F1が配置されている。負メニスカスレンズL4の像側に、カバーガラスCG1とカバーガラスCG2が配置されている。
(実施例3)
実施例3に係る内視鏡用対物光学系について説明する。実施例3の内視鏡用対物光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、を有する。
第1レンズ群G1は、物体側が平面である平凹負レンズL1と、両凸正レンズL2と、を有する。
第2レンズ群G1は、両凸正レンズL3と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4と、を有する。ここで、両凸正レンズL3と負メニスカスレンズL4とで、接合レンズを形成している。
開口絞りSは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に配置されている。
平凹負レンズL1と両凸正レンズL2との間に、平行平面板F1が配置されている。負メニスカスレンズL4の像側に、カバーガラスCG1とカバーガラスCG2が配置されている。
(実施例4)
実施例4に係る内視鏡用対物光学系について説明する。実施例4の内視鏡用対物光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、を有する。
第1レンズ群G1は、物体側が平面である平凹負レンズL1と、両凸正レンズL2と、を有する。
第2レンズ群G1は、両凸正レンズL3と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4と、を有する。ここで、両凸正レンズL3と負メニスカスレンズL4とで、接合レンズを形成している。
開口絞りSは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に配置されている。
両凸正レンズL2と両凸正レンズL3との間に、平行平面板F1が配置されている。負メニスカスレンズL4の像側に、カバーガラスCG1とカバーガラスCG2が配置されている。
(実施例5)
実施例5に係る内視鏡用対物光学系について説明する。実施例5の内視鏡用対物光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、を有する。
第1レンズ群G1は、物体側が平面である平凹負レンズL1と、両凸正レンズL2と、を有する。
第2レンズ群G1は、両凸正レンズL3と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4と、を有する。ここで、両凸正レンズL3と負メニスカスレンズL4とで、接合レンズを形成している。
開口絞りSは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に配置されている。
負メニスカスレンズL4の像側に、平行平面板F1、カバーガラスCG1、及びカバーガラスCG2が配置されている。
以下に、上記各実施例の数値データを示す。面データにおいて、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面間の間隔、neは各レンズのe線の屈折率、νdは各レンズのアッベ数である。絞りは開口絞りである。
各種データにおいて、fはe線における焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角、OBJは物点距離、IHは像高である。
数値実施例1
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd
1 ∞ 0.3163 1.88815 40.76
2 1.1703 1.0280
3 ∞ 0.6326 1.51825 64.14
4 ∞ 0.1898
5 9.4274 2.1034 1.88815 40.76
6 -2.5953 0.0474
7(絞り) ∞ 0.0474
8 ∞ 1.2652 1.52300 65.13
9 ∞ 0.5377
10 3.4967 1.1703 1.75844 52.32
11 -1.5198 0.4745 1.97189 17.47
12 -4.4583 0.5029
13 ∞ 0.7908 1.51825 64.14
14 ∞ 0.0158 1.51500 64.00
15 ∞ 0.7908 1.61350 50.49
16 ∞ 0
像面 ∞

各種データ
f 1.00
Fno 5.673
ω 80.6
OBJ 11.9
IH 1.031
数値実施例2
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd
1 ∞ 0.3163 1.88815 40.76
2 1.1703 1.5140
3 11.7142 2.3936 1.88815 40.76
4 -2.5035 0.0474
5(絞り) ∞ 0.0474
6 ∞ 1.2652 1.52300 65.13
7 ∞ 0.4342
8 3.4940 1.2652 1.75844 52.32
9 -1.4708 0.4744 1.97189 17.47
10 -4.7474 0.5232
11 ∞ 0.7907 1.51825 64.14
12 ∞ 0.0158 1.51500 64.00
13 ∞ 0.7907 1.61350 50.49
14 ∞ 0
像面 ∞

各種データ
f 1.000
Fno 5.614
ω 80.5
OBJ 11.5
IH 1.031
数値実施例3
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd
1 ∞ 0.3174 1.88815 40.76
2 1.2028 1.0033
3 ∞ 1.2694 1.52300 65.13
4 ∞ 0.2380
5 14.2474 1.6288 1.88815 40.76
6 -2.7887 0.0476
7(絞り) ∞ 1.3170
8 4.4801 1.2694 1.75844 52.32
9 -1.4757 0.4760 1.97189 17.47
10 -3.7235 0.8341
11 ∞ 0.7934 1.51825 64.14
12 ∞ 0.0159 1.51500 64.00
13 ∞ 0.7934 1.61350 50.49
14 ∞ 0
像面 ∞
f 1.000
Fno 4.585
ω 80.0
OBJ 12.1
IH 1.035
数値実施例4
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd
1 ∞ 0.3894 1.88815 40.76
2 1.1058 0.8607
3 5.8392 2.9592 1.88815 40.76
4 -2.7292 0.0467
5(絞り) ∞ 0.0467
6 ∞ 0.9345 1.52300 65.13
7 ∞ 0.3426
8 3.1052 1.2897 1.82017 46.62
9 -1.4952 0.4672 1.97189 17.47
10 -4.9248 0.5221
11 ∞ 0.7787 1.51825 64.14
12 ∞ 0.0156 1.51500 64.00
13 ∞ 0.7787 1.61350 50.49
14 ∞ 0
(像面) ∞

各種データ
f 1.000
Fno 4.871
ω 80.5
OBJ 12.9
IH 1.015
数値実施例5
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd
1 ∞ 0.3960 1.88815 40.76
2 1.1245 1.1475
3 7.2899 2.8509 1.88815 40.76
4 -2.6112 0.0475
5(絞り) ∞ 0.8394
6 3.6960 1.3116 1.82017 46.62
7 -1.5205 0.4752 1.97189 17.47
8 -5.8447 0.1267
9 ∞ 0.3168 1.52300 65.13
10 ∞ 0.2894
11 ∞ 0.7919 1.51825 64.14
12 ∞ 0.0158 1.51500 64.00
13 ∞ 0.7919 1.61350 50.49
14 ∞ 0
(像面) ∞

各種データ
f 1.000
Fno 4.885
ω 80.5
OBJ 12.5
IH 1.033
次に、各実施例における条件式の値を以下に掲げる。
条件式 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
(1)f1×f2/f2 -3.29 -3.32 -3.72 -3.11 -3.17
(2)f34/f2 1.44 1.51 1.35 1.20 1.47
(3)f24/f 2.26 2.20 2.33 2.14 2.05
(4)(R3+R4)/(R3-R4) 0.57 0.65 0.67 0.36 0.47
(5)|PS×f| 0.023 0.012 -0.002 0.044 0.005
(6)Σda/df 0.41 0.37 0.52 0.21 0.27
(7)R3/f 9.43 11.71 14.25 5.84 7.29
(8)R4/f -2.60 -2.50 -2.79 2.73 -2.61
(9)f2/f3 1.61 1.64 1.71 1.78 1.69
各実施例の内視鏡用対物光学系では、光路中に平行平面板が配置されている。しかしながら、平行平面板は光路中に配置されていなくても良い。平行平面板が配置されていない場合には、平行平面板の厚みを、空気換算長に置き換えても良い。また、光路中に配置する平行平面板は、複数であっても構わない。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態のみに限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、これら実施形態の構成を適宜組合せて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
以上のように、本発明は、製造誤差の影響を受けにくく、広角且つ小型で、諸収差が良好に補正された内視鏡用対物光学系に有用である。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
L1〜L4 レンズ
CL1 接合レンズ
S 開口絞り
I 像面
F1、F2 平行平面板
CG、CG2 カバーガラス

Claims (9)

  1. 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りと、正の屈折力を有する第2レンズ群と、からなり、
    前記第1レンズ群は、物体側が平面の負の第1レンズと、正の第2レンズと、からなり、
    前記第2レンズ群は、正の第3レンズと負の第4レンズとの接合レンズからなり、
    以下の条件式(1’’’)を満足することを特徴とする内視鏡用対物光学系。
    −6.0<f1×f2/f2−3.01’’’
    ただし、
    f1は、前記第1レンズの焦点距離、
    f2は、前記第2レンズの焦点距離、
    fは、前記内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
    である。
  2. 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用対物光学系。
    1.0<f34/f2<2.0 (2)
    ただし、
    f34は、前記接合レンズの焦点距離、
    f2は、前記第2レンズの焦点距離、
    である。
  3. 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用対物光学系。
    1.0<f24/f<5.0 (3)
    ただし、
    f24は、所定の光学系の焦点距離、
    fは、前記内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
    前記所定の光学系は、前記第2レンズ、前記第3レンズ、及び前記第4レンズからなる光学系、
    である。
  4. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用対物光学系。
    0.2<(R3+R4)/(R3−R4)<0.8 (4)
    ただし、
    R3は、前記第2レンズの物体側面の曲率半径、
    R4は、前記第2レンズの像側面の曲率半径、
    である。
  5. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用対物光学系。
    |PS×f|<0.05 (5)
    ただし、
    PSは、前記内視鏡用対物光学系全体のペッツバール和、
    fは、前記内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
    である。
  6. 以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用対物光学系。
    0.2<Σda/df<0.7 (6)
    ただし、
    Σdaは、所定の間隔における空気間隔の総和、
    dfは、前記所定の間隔、
    前記所定の間隔は、前記第1レンズの物体側面から前記開口絞りまでの間隔、
    である。
  7. 以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用対物光学系。
    3.6<R3/f<20 (7)
    ただし、
    R3は、前記第2レンズの物体側面の曲率半径、
    fは、前記内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
    である。
  8. 以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用対物光学系。
    −5.0<R4/f<−2.0 (8)
    ただし、
    R4は、前記第2レンズの像側面の曲率半径、
    fは、前記内視鏡用対物光学系全体の焦点距離、
    である
  9. 以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用対物光学系。
    1.0<f2/f3<2.0 (9)
    ただし、
    f2は、前記第2レンズの焦点距離、
    f3は、前記第3レンズの焦点距離、
    である。
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