JP6985282B2 - 7型コラーゲンの精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、7型コラーゲンを捕捉及び精製するための方法、並びに、ヒトへの投与に使用可能な精製7型コラーゲンなどの精製7型コラーゲンを含んでなる組成物に関する。
7型コラーゲン(「C7」)は、皮膚を強化及び安定化する機能を果たす構造タンパク質であり、かつ、皮膚の最上層である表皮を下層にある真皮に繋ぎ留めるのを助ける係留線維の主成分である。C7モノマーは、1個のNC‐1結合ドメイン及び1個のNC‐2結合ドメインを含有しているおよそ900kDaのホモ三量体として集合する。ホモ三量体はαらせんコイルを介して結び付いている。ホモ三量体から、これらのC7タンパク質前駆物質は整列し、1.8mDaへの分子量増大を伴って逆平行の二量体となる。逆平行の二量体が横方向に集合すると、係留線維(長さ約800nm)の形成をもたらす。
表皮水疱症(EB)は、皮膚を極めて脆弱とし、かつ容易に水疱を生じさせる一連の遺伝子疾患である。水疱及び皮膚びらんは、擦れること又は掻くことのような、軽微な外傷又は摩擦に反応して形成する。栄養障害性表皮水疱症(DEB)は表皮水疱症の主要な形態のうちの1つである。この疾患の徴候及び症候は罹患者の間で広く多様である。軽度の症例では、水疱形成は主として手、足、膝、及び肘に現れる可能性がある。この疾患の重篤な症例には、失明、容姿の変貌、及びその他の深刻な医学的問題をもたらす可能性のある、広範囲の水疱形成を伴う。栄養障害性表皮水疱症は、3つの主要な型すなわち:劣性栄養障害性表皮水疱症(RDEB)、非アロポー・シーメンス型(非HS RDEB)、及び常染色体優性型(DDEB)に分類することが可能である。これらの型は重篤度において異なるが、その特徴は著しく重複しており、かついずれもタンパク質である7型コラーゲンをコードするCOL7A1遺伝子中の突然変異によって引き起こされる。
C7ホモ三量体はさらに、ペプシンを使用した羊膜の可溶化によって精製することが可能である[2]。可溶化されたコラーゲンは分別塩析によって部分的に分画されるが、この場合C7は5型コラーゲン(「C5」)とともに共沈する。C5からのC7の分離は、CMセルロースクロマトグラフィ、その後のDEAセルロースクロマトグラフィによる夾雑プロテオグリカンの除去によって遂行可能である。この生成物は、日常的な実験室での使用には十分な純度である。さらなる精製が必要な場合、純粋な天然構造物を分離用速度沈降法によって得ることが可能である。純粋な変性α鎖は、HPLC逆相クロマトグラフィの後に得ることが可能である。
rC7は、硫酸アンモニウムを用いた沈澱生成とその後の陰イオン交換クロマトグラフィによって実験室規模で精製されている[2]。しかしながら、この精製方法の収率及び純度は、治療目的のrC7の工業規模での精製には十分ではない。rC7の工業規模での精製方法を開発しようとする過去の試みは、僅かに約1%の全収率しか有していなかった。
概要
本開示は、精製rC7を調製する方法を提供する。これらの精製方法は、従来の方法を超えてrC7の収率を著しく高め、かつヒトへの投与に使用しうる高純度の工業規模のrC7組成物を調製するために使用可能である。
1つの態様では、本開示は、細胞培養上清からrC7を収集及び濃縮して未精製バルク液体(任意選択で凍結される)にするための捕捉プロセス(「上流の処理」)に関する。別の態様では、本開示は、未精製バルク液体中のrC7を精製するためのプロセス(「下流の処理」)に関する。さらに、ヒトへの投与に適した精製7型コラーゲンを得るために上流及び下流の処理のステップを組み合わせることも可能である。ある実施形態では、捕捉方法及び精製方法は工業規模の方法である。
上流の処理は、清澄化ステップ(例えばデプスフィルタ)及び濃縮/バッファー交換のステップを包含している。上流の処理について、1つの実施形態は、細胞培養から生産された組換えヒト7型コラーゲンを捕捉する方法であって:
a)細胞培養から採取された上清をデプスフィルタに供するステップであって、上清は組換えヒト7型コラーゲンを含有する、ステップ;
b)デプスフィルタを通り抜ける溶液を収集するステップ;
c)ステップb)からの溶液を限外濾過ステップに供するステップであって、組換えヒト7型コラーゲンは限外濾過膜に隣接する層の中に集積する、ステップ;
d)第1の保持液を廃棄するステップであって、第1の保持液は、ステップ(b)からの溶液中に含まれた不純物を含んでなる、ステップ;
e)組換えヒト7型コラーゲンを回収し、かつ組換えヒト7型コラーゲンを含んでなる第2の保持液を得るために、限外濾過膜に隣接する層を可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方に供するステップ;
f)組換えヒト7型コラーゲンを含んでなる未精製バルク液体を得るために第2の保持液を透析濾過ステップに供するステップ;並びに
g)任意選択で未精製バルク液体を凍結するステップ
を含んでなる方法に関する。
ある実施形態では、方法は、ステップa)の前に:
a)組換えヒト7型コラーゲンを生産する宿主細胞を培養するステップ;及び
b)培養された宿主細胞から上清を採取するステップ
をさらに含んでなる。
ある実施形態では、未精製バルク液体は、清澄化された上清中の組換え7型コラーゲンのうち40〜80%を含有する。1つの実施形態では、未精製バルク液体は、清澄化された上清中の組換え7型コラーゲンのうち平均で約60%を含有する。
ある実施形態では、細胞培養は、少なくとも200リットル、好適には少なくとも1500リットルの量を用いてバイオリアクタ中で宿主細胞を培養することを含んでなる。ある実施形態では、バイオリアクタは灌流バイオリアクタ又は流加培養式バイオリアクタである。
ある実施形態では、未精製バルク液体は50グラムを上回る組換えヒト7型コラーゲンを含有する。
ある実施形態では、可溶化剤は、尿素、チオ尿素、アルギニン、ブタノール、エタノール、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、フェノール、プロパノール、硫酸ドデシルナトリウム、アスパラギン酸、グルタミン酸(glutamic)、アスコルビン酸、グルタミン、アスパラギン、及びグアニジンのうち少なくとも1つを含んでなる。1つの実施形態では、可溶化剤はアルギニンを含んでなる。
下流の処理については、1つの実施形態は、組換えヒト7型コラーゲンを精製する方法であって:
a)組換えヒト7型コラーゲンを含有する試料を、混合モードのフロースルー式樹脂に供するステップであって、混合モードのフロースルー式樹脂はリガンド活性化コア及び不活性シェルを含んでなり、不活性シェルは組換えヒト7型コラーゲンがリガンド活性化コアに入るのを防止し、かつ十分に小さい不純物は不活性シェルを通り抜けてリガンド活性化コアに結合する、ステップ;
b)混合モードのフロースルー式樹脂を通り抜け、かつ組換えヒト7型コラーゲンを含有する、第1の流出液を収集するステップ;
c)ステップb)からの第1の流出液を、組換えヒト7型コラーゲンが陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂に結合することを可能にする条件下で陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂に供するステップ;
d)陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂から組換えヒト7型コラーゲンを溶出させるステップ;
e)ステップd)からの溶出した組換えヒト7型コラーゲンを、フロースルーモードの疎水性相互作用クロマトグラフィ樹脂に供し、疎水性相互作用クロマトグラフィ樹脂を通り抜ける第2の流出液を収集するステップ;
f)ステップe)の第2の流出液を、組換えヒト7型コラーゲンを濃縮するために限外濾過ステップに供するステップ;
g)ステップf)からの濃縮された組換えヒト7型コラーゲンを、バッファーを用いて透析濾過するステップ;並びに
h)精製された組換えヒト7型コラーゲンを回収するステップ
を含んでなり、
1以上のウイルス低減ステップ及びエンドヌクレアーゼ処理ステップを含んでなる方法に関する。
ある実施形態では、限外濾過ステップは接線流フィルタを含んでなり、接線流フィルタは親水性膜を含んでなる。
ある実施形態では、方法は、ステップf)に先立ち、ステップe)からの第2の流出液に可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方を添加するステップをさらに含んでなる。
ある実施形態では、1以上のウイルス低減ステップは、ステップa)に先立ち組換えヒト7型コラーゲンを含有する試料に放射線照射する(例えばUV照射)ステップ、ステップb)からの第1の流出液に界面活性剤を添加するステップ、及びステップe)からの第2の流出液を多孔質フィルタに供するステップ、を含んでなる。1つの実施形態では、多孔質フィルタは35nmの平均径を有する複数の細孔を含んでなる。
ある実施形態では、エンドヌクレアーゼ処理ステップは、ステップd)からの溶出された組換えヒト7型コラーゲンを、エンドヌクレアーゼで処理することを含んでなる。
ある実施形態では、バッファーは、少なくとも1つの塩、可溶化剤、及び糖質を含んでなる。
ある実施形態では、少なくとも1つの塩は、塩化ナトリウム、クエン酸塩、及びリン酸ナトリウムのうち1以上であり、可溶化剤はアルギニンであり、糖質はスクロースである。
ある実施形態では、ステップh)の精製された組換えヒト7型コラーゲンは、ステップa)からの試料中の組換えヒト7型コラーゲンの量の平均15〜30%を含有する。
ある実施形態では、ステップa)における試料は少なくとも25グラムの組換えヒト7型コラーゲンを含有する。
ある実施形態では、少なくとも4.0グラムの精製された組換えヒト7型コラーゲンがステップh)において回収される。
ある実施形態では、ステップh)の精製された組換えヒト7型コラーゲンは、宿主細胞タンパク質を組換えヒト7型コラーゲン1mgあたり2000ng以下、好適には1000ng/mg以下、及びより好適には600ng/mg以下しか含有しない。
ある実施形態では、ステップh)の精製された組換えヒト7型コラーゲンは、宿主細胞DNAを組換えヒト7型コラーゲン1mgあたり42pg以下、好適には25pg/mg以下、及びより好適には15pg/mg以下しか含有しない。
ある実施形態では、ステップh)の精製された組換えヒト7型コラーゲンは、エンドトキシンを組換えヒト7型コラーゲン1mgあたり1.0EU/mg以下、好適には0.70EU/mg以下、及びより好適には0.50EU/mg以下しか含有しない。
ある実施形態では、方法は、ステップa)の前に:
a)細胞培養から採取された上清をデプスフィルタに供するステップであって、上清は組換えヒト7型コラーゲンを含有する、ステップ;
b)デプスフィルタを通り抜ける溶液を収集するステップ;
c)ステップb)からの溶液を限外濾過ステップに供するステップであって、組換えヒト7型コラーゲンは限外濾過膜に隣接する層の中に集積する、ステップ;
d)第1の保持液を廃棄するステップであって、第1の保持液は、ステップ(b)からの溶液中に含まれた不純物を含んでなる、ステップ;
e)組換えヒト7型コラーゲンを回収し、かつ組換えヒト7型コラーゲンを含んでなる第2の保持液を得るために、限外濾過膜に隣接する層を可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方に供するステップ;
f)組換えヒト7型コラーゲンを含んでなる未精製バルク液体を得るために第2の保持液を透析濾過ステップに供するステップ;並びに
g)任意選択で未精製バルク液体を凍結するステップ
をさらに含んでなる。
ある実施形態では、可溶化剤は、尿素、チオ尿素、アルギニン、ブタノール、エタノール、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、フェノール、プロパノール、硫酸ドデシルナトリウム、アスパラギン酸、グルタミン酸(glutamic)、アスコルビン酸、グルタミン、アスパラギン、及びグアニジンのうち少なくとも1つを含んでなる。1つの実施形態では、可溶化剤はアルギニンを含んでなる。
別の態様は、本明細書中に記載された方法によって得られた精製rC7組成物に関する。精製rC7組成物は、ヒトでの使用に適していることが好ましい。ある実施形態では、rC7組成物は:
*1mgのrC7あたり2000ng以下の宿主細胞タンパク質、好適には1000ng/mg以下、及びより好適には600ng/mg以下;
*1mgのrC7あたり42pg以下の宿主細胞DNA、好適には25pg/mg以下、及びより好適には15pg/mg以下;
並びに/又は
*1mgのrC7あたり1.0EU/mg以下のエンドトキシン、好適には0.70EU/mg以下、及びより好適には0.50EU/mg以下
しか含有しない。
前述の全般的な概要及び以降の詳細な説明はいずれも例示にすぎず、本開示を限定するものではない。
本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、ある特定の実施形態を例証しており、かつ文書での記述と共に、本明細書中に開示された組成物及び方法のある一定の法則について説明する役割を果たす。
rC7を採取し、清澄化し、かつ濃縮(UF/DF)して未精製バルク液体とするための一般的な上流プロセスの1つの実施形態を示しているフローチャート。 rC7を採取し、清澄化し、かつ濃縮(UF/DF)して未精製バルク液体とするための具体的な上流プロセスの1つの実施形態を示しているフローチャート。 rC7を、混合モードのフロースルー式樹脂に供し、その後陽イオン交換クロマトグラフィ、フロースルーモードの疎水性相互作用クロマトグラフィ樹脂、及び最終のUF/DFステップに供することによりrC7を精製するための、一般的な下流プロセスの実施形態を示しているフローチャート。 清澄化及びUF/DFステップ(上流プロセス)の後の、第1回及び第2回の生産実行の採取物(各実行回につき20日分の1日採取物の合計)から得られた未精製バルク(UPB)中のrC7回収率(%)を示す図。試験的実行からの平均のrC7の歩留まり(並びに最大値及び最小値)も提示されている。 清澄化及びUF/DFステップ(上流プロセス)の後の、第1回及び第2回の生産実行の採取物(20日分の1日採取物の合計)から得られた未精製バルク(UPB)中のrC7/宿主細胞タンパク質(HCP)を示す図。試験的実行からの平均のrC7/HCP比(並びに最大値及び最小値)も提示されている。 rC7精製方法(下流プロセス)の1つの実施形態を示す図。
詳細な説明
1.定義
本発明のより容易な理解のために、ある特定の用語については最初に以下に定義する。以降の用語及びその他の用語のさらなる定義は本明細中の各所に明記されている。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つの(a )」、「1つの(an)」及び「その(the )」は、文脈がそうでないことを明らかに示していないかぎり、複数の参照物を含む。よって、例えば、「方法(a method)」への言及は、1以上の方法、並びに/又は、本明細書中に記載されている種類及び本開示その他を読めば当業者には明白になるであろう種類のうち少なくともいずれか一方の種類のステップを含む。
[およそ(Approximately )]:本明細書中で使用されるように、1以上の対象とする値に適用されるような用語「およそ」又は「約」は、明示された基準値に類似した値を指している。ある実施形態では、用語「およそ」又は「約」は、そうでないことが明示されるか若しくは文脈からそうでないことが明白でないかぎり、明示された基準値のいずれかの方向(より大きい方向若しくは小さい方向)に25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、若しくは1%未満の範囲内に入る一連の値を指す(そのような数が考えられる値の100%を超える場合を除く)。
[工業規模(Commercial Scale)]:本明細書中で使用されるように、用語「工業規模」は、大規模な生産方法を、商業目的に十分なrC7生産のレベルを得るために拡大するのは難しい場合の多いベンチスケールの方法から、区別するために使用される。工業規模の捕捉及び精製方法はグラム量のrC7をもたらす。
[賦形剤(Excipient )]:本明細書中で使用されるように、用語「賦形剤」は、例えば所望の粘稠度若しくは安定化効果を提供するか又は粘稠度若しくは安定化効果に寄与するために、医薬組成物中に含まれうる、治療剤ではないものを指す。適切な製薬用の賦形剤には、例えば、バッファー(例えば、リン酸ナトリウムのようなリン酸バッファー、トリスバッファー)、生理食塩水、塩類(例えば塩化ナトリウム)、乳酸加リンゲル液、電解質、界面活性剤(例えば、ポリソルベート、triton(登録商標)X‐100)のような界面活性剤)、安定剤、保存剤、例えば抗微生物剤又は酸化防止剤、デンプン、糖質(例えば、グルコース、ラクトース、スクロース、リンゲルデキストロース、及びデキストロース)ゼラチン、麦芽、米穀、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール並びにその他同種のものが挙げられる。
[宿主細胞(Host cell )]:本明細書中で使用されるように、「宿主細胞」という言葉は、ヒト7型コラーゲンをコードしているDNAのような外来性DNA(組換え又はその他のDNA)をその中に導入済みである細胞を指す。宿主細胞は、標準的な組換え技法によってヒト7型コラーゲンのような対象のポリペプチドを生産するために使用されうる。当業者は、本開示を読めば、そのような用語が特定の対象細胞だけでなくそのような細胞の子孫も指しているということを理解するであろう。突然変異又は環境の影響のいずれかによりある種の改変が次の世代に生じるかもしれないので、そのような子孫は実のところ親細胞と同一ではないかもしれないが、それでもなお本明細書中で使用されるような用語「宿主細胞」の範囲内に含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞には、外来性DNA(例えば組換え核酸配列)を発現するのに適した任意の原核細胞及び真核細胞が含まれる。典型的な細胞には、非ヒト動物細胞、ヒト細胞、又は例えばハイブリドーマ若しくはクアドローマのような細胞融合体が挙げられる。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト、サル、類人猿、ハムスター、ラット、又はマウスの細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞であり、かつ次の細胞すなわち:CHO(例えばCHO K1、DXB‐11 CHO、Veggie‐CHO)、COS(例えばCOS‐7)、網膜細胞、Vero、CV1、腎臓(例えば、HEK293、293EBNA、MSR293、MDCK、HaK、BHK)、HeLa、HepG2、WI38、MRC5、Colo205、HB8065、HL‐60、(例えばBHK21)、Jurkat、Daudi、A431(表皮)、CV‐1、U937、3T3、L細胞、C127細胞、SP2/0、NS‐0、MMT060562、セルトリ細胞、BRL3A細胞、HT1080細胞、ミエローマ細胞、腫瘍細胞、及び前述の細胞に由来する細胞株、から選択される。
[薬学的に許容可能なビヒクル(Pharmaceutically acceptable vehicles)]:本開示において有用な薬学的に許容可能な担体(ビヒクル)は従来のものである。E.W.マーティン(Martin)による「レミングトンの薬剤科学(Remington's Pharmaceutical Sciences )」、第15版、米国ペンシルベニア州イーストンのマック・パブリッシング社(Ma ck Publishing Co. )、1975年は、1以上の治療用組成物、例えば1以上のインフルエンザワクチン、及びさらなる薬剤の、薬学的送達に適した組成物及び調合物について述べている。一般に、担体の性質は、使用されている特定の投与方式に応じて変化することになろう。例えば、非経口用の調合物は通常、ビヒクルとして水、生理的食塩水、平衡塩類溶液、デキストロース水溶液、グリセロールなどのような薬学的かつ生理学的に許容可能な流体を含む注射可能な流体を含んでなる。固形組成物(例えば、粉末、ピル、錠剤、又はカプセルの形態)については、従来の非毒性固形担体として例えば、製薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、又はステアリン酸マグネシウムが挙げられる。生物学的に中立な担体に加えて、投与される医薬組成物は、微量の無毒な補助物質、例えば湿潤剤又は乳化剤、保存剤、及びpH緩衝剤など、例えば酢酸ナトリウム又はソルビタンモノラウレートを、含有することが可能である。
[組換え体(Recombinant )]:本明細書中で使用されるように、用語「組換え体」とは、組換え手段によって設計、操作、調製、発現、作出又は単離されるポリペプチド(例えば本明細書中に記載されるような7型コラーゲンポリペプチド)又は同ポリペプチドをコードする核酸であって、例えば宿主細胞にトランスフェクションされた組換え発現ベクターを使用して発現されたポリペプチド、組換えコンビナトリアルポリペプチドライブラリから単離されたポリペプチド、又は互いにスプライシング選択された配列要素を用いる任意の他の手段によって調製、発現、作出若しくは単離されたポリペプチド、を指すように意図されている。標準的な技法が、組換え核酸、オリゴヌクレオチド合成、並びに組織培養及び形質転換(例えばエレクトロポレーション、リポフェクション)に使用されうる。酵素反応及び精製技法は、製造業者の説明書に従って、又は当分野で一般に行われるように若しくは本明細書中に記載されるようにして、実施可能である。先述の技法及び手順は、当分野で良く知られた従来の方法に従って一般に実施可能である。例えば、サムブルック(Sambrook)ら、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」(第4版、米国ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバーのコールド・スプリング・ハーバー研究所出版社(Cold Spring Harbor Laboratory Press )、2012年)(参照により本願に組込まれる)を参照されたい。
[界面活性剤(Surfactant)]:本明細書中で使用されるように、用語「界面活性剤」は、2つの液体の間、又は液体と固体との間の表面張力を低下させる化合物を指す。界面活性剤の例には、限定するものではないが、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(一般にTween(登録商標)と呼ばれる)、特にポリソルベート20及びポリソルベート80;エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)のコポリマー(DOWFAX(商標)など);様々な反復数のエトキシ(オキシ‐1,2‐エタンジイル)基を備えたオクトキシノール、特にオクトキシノール‐9(Triton(登録商標)X‐100);エチルフェノキシポリエトキシエタノール(IGEPAL(登録商標)CA‐630/NP‐40);レシチンのようなリン脂質;TERGITOL(登録商標)NPシリーズのようなノニルフェノールエトキシレート;ラウリル、セチル、ステアリル、オレイルアルコール由来のポリオキシエチレン脂肪族エーテル(Brij(登録商標)界面活性剤)、特に、トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij 30);SPAN(登録商標)として知られるソルビタンエーテル、特にソルビタントリオレアート(Span85)及びソルビタンモノラウラート、が挙げられる。
2.概観
動物モデルを過ぎて臨床試験へとrC7の開発を進めるために、ヒトで使用するためのrC7を生産することができる規模拡大可能なプロセスが開発された。大規模細胞培養からrC7を精製するためのプロセスを開発しようとするとき、本発明者らが見出したのは、rC7が、「粘着性」と、特にPBSバッファー中で調合された時に高いタンパク質濃度では沈殿する傾向とを示して、rC7の溶解度が限定的なものとなり工業規模の精製方法の際にかなりの量のタンパク質の喪失が生じる、ということである。PBSバッファー中のrC7の溶解度は約0.4mg/mLに限られ、0.4mg/mLを上回るとかなりの沈殿及び粘稠度の問題を伴う。PBSバッファー中のrC7の溶解度(solubility rC7)を約0.8mg/mLまで高めることは可能であったが、規模拡大や、又は限外濾過/透析濾過(UF/DF)のような従来の精製プロセスとの両立が不可能な、まさに特有の実験室条件下でのみのことであった。
本発明者らはrC7精製プロセスを開発して、従来の方法を用いて可能であるよりも有意に高い収率を達成した。精製されたrC7は精製純度が高く、かつ効力を保持していた。精製プロセスは2部に分けられる、すなわち:大規模細胞培養から採取されたrC7を捕捉する上流プロセス、及びその後の捕捉rC7を精製する下流プロセスである。捕捉プロセスは、清澄化ステップ及び濃縮ステップ(典型的には限外濾過/透析濾過すなわち「UF/DF」ステップ)を含み、この場合採取されたrC7を含有する細胞培養上清は、限外濾過膜に通される。rC7の工業規模の精製方法を開発するための本発明者らの過去の試みにおいて実行されたように保持液中のrC7を収集するのではなく、最初の保持液は不純物を除去するために廃棄した。いかなる理論によっても縛られることは意図していないが、これらの条件下ではrC7は保持液の中ではなく限外濾過膜に隣接する層の中に集積するようである。最初の保持液を廃棄した後、この層を、rC7を回収するために可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方に供する。いかなる理論によっても縛られることは意図していないが、可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方は層中のrC7を可溶化するのに役立つようである。このようにして、rC7は層から放出されて第2の保持液の中に収集され、第2の保持液は組換えヒト7型コラーゲンを含んでなる未精製バルク液体を得るための透析濾過ステップに供される。この最初のUF/DFステップの収率は、rC7が限外濾過膜の最初の保持液中に収集されて著しく低い収率をもたらす以前の内部の捕捉方法を使用する場合の約24%と比較して、平均約60%(例えば図4を参照)となった。
rC7は、上流の処理からの未精製バルク液体を混合モードのフロースルー式樹脂に、続いて結合溶出モードの陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂に、続いてフロースルーモードの疎水性相互作用クロマトグラフィ樹脂に、及び最終のUF/DFステップに供することにより、さらに精製可能である。ある実施形態では、該精製方法はさらに、1以上のウイルス低減ステップ及びエンドヌクレアーゼ処理ステップを包含する。この精製プロセスから回収されたrC7は精製純度が高く、かつフィブロネクチン結合活性を保持している。下流プロセスの全収率は平均20%であり、rC7の工業規模での精製のための以前の内部の下流プロセスによって得られた約2%と比較して著しい改善であった。加えて、この精製スキームは、ヒトにおける試験又は使用について、残存する宿主細胞DNA及びタンパク質に関して十分な純度(すなわち、治療用量当たり100pg未満の宿主細胞DNA、及びより好適には用量当たり10pg未満)のrC7を産出する。本明細書中に開示された方法は、主として工業規模でrC7を捕捉及び精製するために設計されている。
1つの態様では、本開示は、rC7を捕捉するための方法であって、
a)rC7を含有している採取された細胞培養上清を(例えば、デプスフィルタを使用して)清澄化するステップ;
b)清澄化されたrC7組成物を(例えば、限外濾過膜を使用して)濃縮するステップ
c)濃縮rC7組成物を透析濾過するステップ;及び
g)任意選択で未精製バルク液体を凍結するステップ
を含んでなる方法を提供する。
ある実施形態では、該方法は、ステップa)の前に:
a)rC7を生産する宿主細胞を培養するステップ;及び
b)培養された宿主細胞から上清を採取するステップ
をさらに含んでなる。
別の態様では、本開示は、rC7を精製する方法であって、:
a)rC7を含有している試料を:
*混合モードクロマトグラフィ、フロースルー式樹脂;
*陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂;
*フロースルーモードの疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)樹脂;
に供するステップ;
b)HIC樹脂からの溶出液中のrC7を(例えば、限外濾過膜を使用して)濃縮するステップ;
c)濃縮rC7組成物を透析濾過するステップ;及び
d)精製されたrC7を回収するステップ
を含んでなる方法を提供する。
精製方法は、任意選択で1以上のウイルス低減ステップ及びエンドヌクレアーゼ処理ステップを含む。
これらの捕捉及び精製方法の様々な特徴及び実施形態は、以下に一層詳細に説明される。
3.細胞培養
rC7は、当業者に周知の標準的な細胞培養手順を使用して工業規模で生産可能である。典型的には、rC7をコードする核酸を宿主細胞に導入し、該宿主細胞を適切な細胞培養条件下で増殖させる。7型コラーゲンは好適にはヒトの7型コラーゲンである。ヒト7型コラーゲンをコードする核酸配列は当分野において既知である。rC7は細胞培養上清中に分泌される。rC7の工業規模生産については、培養細胞を典型的には大型バイオリアクタ中で増殖させる。ある実施形態では、バイオリアクタは灌流バイオリアクタである。他の実施形態では、バイオリアクタは流加培養式バイオリアクタである。ある実施形態では、細胞培養は、少なくとも200、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも5000、少なくとも10,000、少なくとも15,000、又は少なくとも20,000リットルの細胞培養体積を用いてバイオリアクタ中で宿主細胞を培養することを含んでなる。ある実施形態では、バイオリアクタは灌流バイオリアクタであり、灌流バイオリアクタ中の細胞培養の量は少なくとも200リットル、より好適には少なくとも1500リットルである。
典型的には、rC7は連続継代性細胞株において発現される。より典型的には、連続継代性細胞株は哺乳動物の細胞株である。適切な連続継代性細胞株には、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、マウス骨髄腫(例えばNS0)、ベビーハムスター腎臓(BHK)、ヒト胎児腎臓(例えばHEK‐293)、C127、VERO、HeLa、COS、及びメイディン・ダービー・イヌ腎臓上皮細胞(MDCK)が挙げられる。例えば、米国特許第6,632,637号明細書(ここにその全体が参照により援用される)を参照されたい。他の適切な宿主細胞は当業者に既知である。1つの実施形態では、rC7はCHO細胞において発現される。別の実施形態では、rC7はHEK‐293細胞において発現される。
4.上流プロセス
1つの態様では、本発明は、細胞培養上清からrC7を収集及び濃縮して未精製バルク液体とし、該液体は任意選択で凍結される、捕捉プロセスに関する。この態様は、rC7が採取、清澄化、及び濃縮される、上流の処理とも呼ばれる。一般的な上流プロセスの一実施形態を示すフローチャートを、図1に示す。図2は、rC7を捕捉するために使用される具体的な上流プロセスの一実施形態を示す。
a.採取
バイオリアクタからの上清を収集し、適切な保管温度、典型的には2〜8℃に維持する。典型的には、清澄化プロセスを開始する前に上清が未処理の状態におかれるのは1日未満である。細胞を灌流バイオリアクタ中で増殖させる場合、上清は、5〜30、10〜25、又は15〜20日間、好適には20日間にわたって一日単位のバッチとして採取する。
b.清澄化
採取した上清を、例えば生菌及び細胞残屑を除去するために、かつUF/DFステップに先立ちバイオバーデン及び他の微粒子を低減するために、清澄化することができる。当業者に既知の任意の清澄化プロセス、例えば濾過、精密濾過、遠心分離、クロマトグラフィ及びその他同種のものなどを使用可能である。
典型的には、採取された上清から細胞残屑及び生菌を取り除くために濾過を使用する。当分野で知られているように、濾過プロセスの選択は、一部には、保持されるべきタンパク質の大きさに対する夾雑物の粒度分布の関数になるであろう。望ましい濾過を選択することにより、不要な残存粒子を除去することと同時に高いrC7収率を維持することとの間のバランスが最適化されるであろう。適切なフィルタには、セルロースフィルタ、再生セルロースファイバー、無機濾過助剤と組み合わせたセルロースファイバー、無機濾過助剤及び有機樹脂と組み合わせたセルロースファイバー、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、採取された上清の清澄化はデプス濾過の手法を使用して実施する。当分野で理解されているように、デプス濾過とは、相当な量の大型粒子(例えば生菌又は細胞残屑)を含有する溶液を清澄化するための多孔性フィルタ媒質の使用を、そのような条件下では急速に詰まる可能性のある膜濾過と比較して指している。デプス濾過ステップは、1以上、2以上又は3以上のデプスフィルタに流体を通過させることを伴いうる。ある実施形態では、上流の処理は2つの清澄化ステップを含み、第1の清澄化ステップは概して大きな孔径(例えば65μm)を備えたデプスフィルタを使用し、第2の清澄化ステップは概して小さな孔径(例えば0.45及び/又は0.2μm)を備えた滅菌グレードの濾過膜を使用する。
多様な孔径の様々なデプス濾過媒質は、ミリポア(Millipore )、ポール(Pall)、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)、及びザルトリウス(Sartorious)のような様々な製造業者から市販されている。例えば、Millistak/D0HC及びMillistak/DE50(EMDミリポア、ドイツ連邦共和国ダルムシュタット)並びにSartopure(登録商標)GFプラス(0.65μmデプスフィルタ)が使用されてもよい。多様な孔径の様々な濾過膜は、ミリポア、ポール、ゼネラル・エレクトリック、及びザルトリウス(Sartorious)のような様々な製造業者から市販されている。例えば、Sartoguard(登録商標)PES 1.2/0.2μm、Sartopore(登録商標)PESプラチナ0.45/0.2μmフィルタ(ザルトリウス・ステディム(Sartorious Stedim )、ドイツ連邦共和国ゲッティンゲン)が使用されてもよい。
c.濃縮及びバッファー交換
上流プロセスのある実施形態では、rC7組成物を、当業者に既知の多くのプロセス、例えば透析、クロマトグラフィ、限外濾過及び同種のもののうちのいずれか1つによって濃縮する。
1つの実施形態では、rC7組成物を限外濾過によって濃縮した後に透析濾過ステップに供する(「UF/DF」)。UF/DFは限外濾過及び透析濾過が組み合わされた操作である。このステップは、膜の孔隙率又は分画分子量(MWCO)よりも分子の大きさが小さい不純物及び構成成分を除去し、rC7を濃縮し、かつrC7組成物の水性組成又はバッファー組成を交換/改変する。当分野ではよく知られているが、清澄性に関して、用語「限外濾過」は、特定の細孔径の1以上の半透過性フィルタ(又は膜若しくは媒質)に組成物を通過させることにより、rC7から不純物を分離するプロセスを指し、この場合、より大きな分子はフィルタ上に保持される一方、水及び分子量の低い分子はフィルタを通り抜ける。これらの分子量の低い分子は、媒質の構成成分、ペプチド断片、及びその他の夾雑物(不純物)のうち少なくともいずれか、例えばリポ多糖類、低分子量の宿主細胞タンパク質などであることが考えられる。膜の孔径は標的分子の大きさに基づいて選択される。一般に、MWCOより大きな粒子は膜によって保持されることになる一方、MWCOより小さな粒子は通過することになる。このプロセスはさらにrC7組成物を濃縮する。
用語「透過流」は、濾過に関する場合、濾過中にフィルタの細孔を通り抜ける組成物の画分を指す。用語「保持液流」は、濾過に関する場合、フィルタ上に残る、すなわち濾過中にフィルタの細孔を通り抜けない組成物の画分を指す。
本発明者らの以前の内部大規模捕捉プロセスでは、rC7を保持液流中に収集する一方、不純物は透過流中にあり該透過流を廃棄する。対照的に、現在の方法では、上流プロセスの限外濾過ステップにおいて、最初の保持液流を透過流と併せて廃棄する。いかなる理論によっても縛られることは意図していないが、これらの条件下では、rC7は限外濾過膜に隣接する層に集積し、最初の保持液流又は透過流いずれの中にも収集されないようである。最初の保持液を廃棄した後、rC7を回収するために層を可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方に供した。いかなる理論によっても縛られることは意図していないが、可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方は、層中のrC7を可溶化する助けとなるようである。このようにして、rC7を層から放出させて第2の保持液中に収集し、該保持液を、rC7を含んでなる未精製バルク液体を得るための透析濾過ステップに供する。
適切な種類のUF/DFの膜及び装置は当業者には既知であり、様々な要因、例えば濾過されるタンパク質の分子量、濾過される組成物の構成成分の量及び大きさ、濾過される組成物の体積、並びに濾過される組成物の細胞の密度及び生存度、に基づいて選択することが可能である。いくつかの実施形態では、膜型限外濾過器、プレート型限外濾過器、カートリッジ型限外濾過器、バッグ型限外濾過器、又は真空限外濾過器のようなフィルタを使用することが可能である。ある実施形態では、限外濾過膜又はフィルタのMWCOは、250〜50kDa、好適には約200kDa又は100kDaである。ある実施形態では、限外濾過膜又はフィルタは、酢酸セルロース、再生セルロース、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はポリエーテルスルフォン(PES)を含んでなる。上流プロセスのUF/DFステップの1つの実施形態では、限外濾過膜はセルロース又は再生セルロースを含んでなる。
ある実施形態では、限外濾過ステップは、採取された上清中に存在するrC7の濃度の10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、又は100倍、120倍、150倍、又は200倍より高いrC7の濃度を有するrC7組成物を生じる。
使用可能な市販の限外濾過膜又は限外濾過フィルタは、様々な供給業者、例えばミリポア・コーポレイション(Millipore Corporation )(米国マサチューセッツ州ビレリカ)、ポール・コーポレイション(Pall Corporation)(米国ニューヨーク州イーストヒルズ)、GEヘルスケア・サイエンシズ(GE Healthcare Sciences)(米国ニュージャージー州ピスカタウェイ)、及びザルトリウス・コーポレイション(Sartorius Corporation )(ドイツ連邦共和国ゲッティンゲン)によって製造されている。例えば、ザルトリウスのECO再生セルロース(100kDa)を使用することができる。
典型的には、限外濾過/透析濾過は接線流濾過(TFF)モードで行なう。TFF(十字流濾過(CFF)とも呼ばれる)は当業者に良く知られており、多種多様の状況におけるその実装のための装置及びプロトコールは、様々な製造業者、例えば、限定するものではないがポール・コーポレイション(米国ニューヨーク州ポートワシントン)及びスペクトラム・ラボ(米国カリフォルニア州ランチョドミンゲス)から市販されている。概して、TFFには膜の表面を横切る保持液の再循環を伴う。この緩やかな十字流供給は膜の汚損を最小限にし、高い濾過速度を維持し、かつ高い生産物回収率をもたらす。1つの実施形態では、TFFは平板状システムで実装可能である。別の実施形態では、TFFは、本明細書中に例示されるように、中空繊維状システムで実装されてもよい。
透析濾過は、rC7組成物をその最終用途用に、例えば保管、凍結乾燥、非経口用調合物などのために調製する役割を果たす。バッファー系は、典型的には、rC7を含んでなる未精製バルク液体を生産するために、緩衝剤及びその濃度のうち少なくともいずれか一方を、追加する/取り除く/置き換えることにより、交換かつ/又は改変される。追加の添加剤を、例えばpH、張度、溶解度、及び安定性のうち少なくともいずれかを調整するために導入することが可能である。安定性とは、液体状態のrC7組成物を安定させること、又は凍結乾燥若しくは再構成の際にrC7を保護することを指すことが可能である。ある実施形態では、未精製バルク液体は、組換え7型コラーゲン、トリスバッファー、可溶化剤(例えばアルギニン)、塩化ナトリウム及び界面活性剤(例えばtritonX‐100)を含んでなる。未精製バルク(UPB)液体は、その後の使用のために保管又は凍結することが可能である。
ある実施形態では、UPB液体は、細胞培養から採取された上清中のrC7の40〜80%を含有する。ある実施形態では、清澄化及び捕捉ステップについての平均のrC7回収率は約40〜45%である、すなわち、プールされたUPBは、細胞培養から採取された上清中のrC7の約40〜45%を含有する。ある実施形態では、UPB液体は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、又は100グラムを上回るrC7を含有する。
d.濾過滅菌
濾過滅菌ステップが本方法に含まれてもよく、該ステップはバイオバーデンの除去に役立つ。例えば、UF/DFステップに続いて、UPBを、例えば修飾ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜(EMDミリポア)のような0.22ミクロンのフィルタを使用して、濾過滅菌することが可能である。修飾PVDFに加えて、滅菌フィルタは、当分野において良く知られかつ当業者に入手可能な様々な他の材料で構築されていてもよい。これらには、限定するものではないが、ポリプロピレン、セルロース、セルロースエステル、ナイロン、ポリエーテルスルフォン、又は任意の他の材料であって、生産物との結合性が低いことと矛盾しないものが挙げられる。濾過滅菌されたrC7組成物は、凍結して保管するか、又はその後の使用の準備が完了するまで2〜8℃に保持することが可能である。
5.下流プロセス
任意の捕捉プロセスによって収集されたrC7を含むいかなるrC7試料も、該rC7試料を混合モードのフロースルー式樹脂、続いて陽イオン交換クロマトグラフィ、フロースルーモードの疎水性相互作用クロマトグラフィ樹脂、並びに最後の濃縮及び任意選択のバッファー交換(例えばUF/DF)のステップに供することにより、さらに精製することが可能である。図3。該精製方法はさらに、1以上のウイルス低減ステップ及びエンドヌクレアーゼ処理ステップを包含することが好ましい。この精製プロセスから回収されたrC7は純度が高く、かつフィブロネクチン結合活性を保持している。精製rC7は、ヒトでの使用に適していることが好ましい。
a.混合モードクロマトグラフィ
混合モードのフロースルー式樹脂は、2つの一般的な精製技法すなわち:サイズ排除及び結合分離を兼ね備える。混合モードのフロースルー式樹脂は、リガンド活性化コア及び不活性シェルを含んでなる。不活性シェルはサイズ排除の構成要素として機能し、かつrC7のようなより大きな分子がリガンド活性化コアに入るのを防止する。不活性シェルは、所望の分画分子量を設定するために様々な細孔径を有する。ある実施形態では、不活性シェルの分画分子量は、200〜1500kDa、より好適には500〜900kDa、最適には約700kDaである。
rC7のようなより大きな分子はカラムのフロースルー画分に収集される一方、より小さな不純物は不活性シェルを通過し、リガンド活性化コアに入り、内在化されたリガンドに結合する。コアは、結合相互作用を決定するリガンドで官能化されている。「リガンド」は、クロマトグラフィのマトリックスに取り付けられ、かつ該マトリックスの結合特性を決定する、官能基である。「リガンド」の例には、限定するものではないが、イオン交換基(陰イオン又は陽イオン交換基)、疎水性相互作用基、親和性基、又はこれらの組み合わせ(マルチモーダル)が挙げられる。マルチモーダルリガンドは、広範囲のpH及び塩濃度にわたってほとんどの不純物との強力な結合を促進する。結合した不純物は、NaOHのような標準的な試薬及びほとんどの場合は溶剤を用いる定置洗浄手法によって、コアのリガンドから除去される。
使用可能な市販の混合モード、フロースルー式の樹脂は、様々な供給業者、例えばGEヘルスケア・サイエンシズ(米国ニュージャージー州ピスカタウェイ)、バイオ‐ラッド(Bio-Rad )(米国カリフォルニア州ヘラクレス)、及びサーモ・フィッシャー・サイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific)(米国マサチューセッツ州ウォルサム)によって製造されている。例えば、GEヘルスケア・サイエンシズのCapto(商標)Core700カラムを使用することができる。
b.陽イオン交換クロマトグラフィ
陽イオン交換クロマトグラフィの原理は当分野で良く知られているが、簡潔に述べると、この方法は、単離されるべき粒子と使用される樹脂との間の静電的相互作用に依存している。陽イオン交換カラムは固定化された負の電荷を有する構成部分を含有している。rC7は生理的pH範囲では正の電荷を有するので、カラムは、陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂へのrC7の結合を伴う結合溶出モードで操作される。
正の電荷を有する分子の結合を最適化するために、移動相は概して低〜中位のイオン強度の(すなわち、低〜中位の塩濃度の)溶液である。固体担体への分子の吸着は、試料分子中及び担体上の官能性リガンド中の、反対の電荷を有するイオン性基の間のイオン相互作用によって推進される。相互作用の強さは、分子上及び官能基上の電荷の数及び位置によって決まる。塩濃度を(一般に直線的塩濃度勾配又は段階的定組成溶離を使用することにより)増加させることにより、最も弱いイオン相互作用を備えた分子がカラムから最初に溶出し始める。より強いイオン相互作用を有する分子はより高い塩濃度を必要とし、勾配中でより遅く溶出する。
陽イオン交換マトリックスは概して、共有結合した、負の電荷を有する構成部分を含んでなる。弱い、又は強い陽イオン交換樹脂を使用することができる。一般に、強い陽イオン交換樹脂は、pHに応じて、スルホン酸若しくはスルホナート基又はホスホリル基を含んでなる有機基を担持して含んでなる。弱い陽イオン交換樹脂は一般に、pHに応じて、カルボン酸又はカルボキシラート基を含んでなる有機基を担持して含んでなる。ある実施形態では、マルチモーダルの陽イオン交換樹脂を使用することが可能であり、該樹脂はイオン相互作用だけでなく追加の結合機構、例えば水素結合相互作用及び疎水性相互作用のうち1以上を組み入れている。適切な陽イオン交換樹脂の例には、限定するものではないが、Fractogel(登録商標)、カルボキシメチル(CM)、スルホエチル(SE)、スルホプロピル(SP)、ホスファート(P)及びスルホナート(S)、PROPAC WCX‐10(商標)(ダイオネクス(D ionex))、Capto S、Fractogel EMD SO3M、Toyopearl(登録商標)Megacap(登録商標)II SP 550C、Poros(登録商標)50 HS及びSP‐Sepharose(登録商標)FFマトリックスが挙げられる。ある実施形態では、陽イオン樹脂はスルホプロピル基を含んでなる。
陽イオン交換クロマトグラフィのステップは、rC7に関しては結合溶出モードで使用されるべきである。結合溶出モードでは、rC7は陽イオン交換マトリックスに吸着される一方、1以上の不純物はマトリックスを通過し、よってrC7が不純物から分離される。いくつかの実施形態では、陽イオン交換マトリックスは、吸着したrC7が陰イオン交換マトリックスから取り出される前に、さらなる不純物を除去するためにバッファーで1回以上洗浄される。結合モードの陽イオン交換クロマトグラフィを使用して組成物から1以上の不純物を除去した後、吸着したrC7を陽イオン交換マトリックスから取り出す(溶出させる)ことが可能である。
c.疎水性相互作用クロマトグラフィ
疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)は、分子をその疎水性に基づいて分離する。HICは、分子を、これらの分子とHIC樹脂の疎水性表面(例えば、疎水性のリガンドで修飾されたポリマーマトリックス)との間の可逆的相互作用を使用して、該分子の表面の疎水性の差に従って分離する。典型的には、疎水性分子とHICマトリックスのリガンドとの間の相互作用は、ランニングバッファー中のコスモトロピック塩の存在によって影響を受ける。高い塩濃度は相互作用を増強する一方、塩濃度を低下させると相互作用が弱まる。バッファーのイオン強度を低下させるにつれて、分子とマトリックスとの間の相互作用は覆され、疎水性の度合いの最も低い分子が最初に溶出される。最も疎水性の高い分子は、相互作用を覆すためにより大きな塩濃度の低減を必要として、最後に溶出する。
ほとんどのタンパク質、及び度合いは非常に小さいが親水性の分子(例えばDNA及び炭水化物)は、その表面上に疎水性のエリア又はパッチを有している。これらのパッチの溶媒和作用はエネルギー的に不都合であり、水性移動相の中で疎水性キャビティの形成をもたらす。(コスモトロピック塩の添加による)疎水性効果の促進は、タンパク質上の疎水性エリアの、固定相上の疎水性エリア(例えばマトリックスの疎水性リガンドを含有するエリア)への吸着を推進する。これは、個々の疎水性キャビティの数及び体積を低減するという点で熱力学的に好都合である。従来型のHICでは、コスモトロピック塩の濃度を低下させることによる疎水的相互作用の低減が固体担体からの脱離をもたらす。従来型のHICは、タンパク質が高い塩濃度で固定相に結合し低い塩濃度で溶出するという点で他のクロマトグラフ分離方法とは異なっている。
HICは「フロースルーモード」で使用することも可能である。フロースルーモードのHICは凝集物及びその他の不純物を除去するために使用可能である。これらの不純物はrC7に非常に類似した化学的性質を有するが、概してrC7よりも疎水性が高い。適正な条件下では、不純物はHIC樹脂に結合してrC7が通過するのは可能となる。HICのフロースルーモードでは、疎水性クロマトグラフィ/HIC樹脂は、典型的にはpHが5.0〜約7.0、5.5〜約6.5、又は約6.0である水性の移動相バッファーと組み合わされる。
最も広く用いられているHICマトリックスは、親水性の炭水化物:架橋アガロース及び合成コポリマー材料である。異なるマトリックスの間の選択性は、リガンドが同じであっても同一にはならない。HICマトリックスの例には、限定するものではないが、アガロース、セファロース及びメタクリル酸ポリマーが挙げられる。
HICマトリックスは、疎水性リガンド基で修飾される(例えば、該リガンド基が共有結合する)ことが可能であり、該リガンド基に分子の疎水性エリアが吸着する。分子の吸着挙動は固定化されたリガンドの種類によって決まる。概して、直鎖アルキルリガンドは疎水特性を示す一方、アリールリガンドは芳香族相互作用及び疎水性相互作用の両方が可能な混合モードの挙動を示す。リガンドの種類の選択は、場合によっては経験的に決定されてもよい。本明細書中で使用されうる疎水性リガンドの例には、限定するものではないが、エーテル基、ポリプロピレングリコール基、フェニル基、ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。これらの官能基を備えたHIC樹脂の例には、限定するものではないが、フェニルSepharose、ブチルSepharose、オクチルSepharose、Captoフェニル、Toyopearlブチル、Toyopearlフェニル、Toyopearlヘキシル、Toyopearlエーテル、及びToyopearl PPGが挙げられる。ある実施形態では、HIC樹脂は、ポリプロピレングリコールのようなポリエーテルリガンドで修飾されたメタクリル酸(methacryclic)ポリマーを含んでなる。
d.濃縮及びバッファー交換
下流プロセスのある実施形態では、rC7組成物は、当業者に既知の多くのプロセスのうち任意のもの、例えば透析、クロマトグラフィ、限外濾過及び同種のものによって濃縮される。
1つの実施形態では、rC7組成物は透析濾過ステップに供される前に限外濾過により濃縮される(「UF/DF」)。上記に議論されるように、UF/DFステップは、膜の孔隙率よりも分子の大きさが小さい不純物及び構成成分のうち少なくともいずれかを除去し、rC7を濃縮し、かつrC7組成物の水溶液組成又はバッファー組成を交換/改変する。ある実施形態では、UF/DFステップは、第1の限外濾過、透析濾過及び表面積が縮小された膜を使用する第2の限外濾過を含んでなる。
ある実施形態では、疎水性相互作用クロマトグラフィのステップからの流出液は、UF/DFステップに先立ち、可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか、例えばアルギニンで処理される。これらの実施形態では、透過流は廃棄される一方、rC7は最初の保持液中に濃縮され、該保持液はその後の透析濾過ステップに供される。
他の実施形態では、可溶化剤及び/又は洗剤がUF/DFステップの前にrC7組成物に添加されない場合、最初の保持液流は、上流プロセスにおけるように透過流と共に廃棄可能である。最初の保持液を廃棄した後、層を、可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか、例えばアルギニンに供して、第2の保持液中にrC7を回収することが可能であり、第2の保持液は精製rC7を得るために透析濾過ステップに供される。
適切な種類のUF/DFの膜及び装置は当業者には既知であり、様々な要因、例えば濾過されるタンパク質の分子量、濾過される組成物の構成成分の量及び大きさ、濾過される組成物の体積、並びに濾過される組成物の細胞の密度及び生存度、に基づいて選択することが可能である。いくつかの実施形態では、膜型限外濾過器、プレート型限外濾過器、カートリッジ型限外濾過器、バッグ型限外濾過器、又は真空限外濾過器のようなフィルタを使用することが可能である。ある実施形態では、限外濾過膜又はフィルタのMWCOは、250〜50kDa、好適には約200kDa又は100kDaである。ある実施形態では、限外濾過膜又はフィルタは、酢酸セルロース、再生セルロース、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はポリエーテルスルフォン(PES)を含んでなる。1つの実施形態では、限外濾過膜は親水性である。下流プロセスのUF/DFステップの1つの実施形態では、親水性の限外濾過膜はPESを含んでなる。
ある実施形態では、限外濾過ステップは、UF/DFステップの前のrC7組成物中に存在するrC7の濃度の10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、又は100倍、120倍、150倍、又は200倍より高いrC7濃度を有するrC7組成物を生じる。ある実施形態では、下流プロセスのUF/DFステップの後に得られる精製rC7は、混合モードクロマトグラフィのステップに供された試料中のrC7の量の、平均で15〜30%、又は17〜21%、又は約20%を含有する。ある実施形態では、混合モードクロマトグラフィのステップに供された試料は、少なくとも15、20、25、30又は50グラムのrC7、より好適には少なくとも20〜30グラム、又は少なくとも25グラムを含有する。ある実施形態では、少なくとも2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、又は5.0グラムのrC7、より好適には少なくとも3.0〜5.0グラム、又は少なくとも4.0グラムのrC7が、下流プロセスのUF/DFステップから回収される。精製rC7はフィブロネクチン結合活性を保持している。
使用可能な市販の限外濾過用の膜又はフィルタは、様々な供給業者、例えばEMDミリポア(ドイツ連邦共和国ダルムシュタット)、ポール・コーポレイション(米国ニューヨーク州イーストヒルズ)、GEヘルスケア・サイエンシズ(米国ニュージャージー州ピスカタウェイ)及びザルトリウス・コーポレイション(ドイツ連邦共和国ゲッティンゲン)によって製造されている。例えば、Biomax(登録商標)Pellicon(登録商標)2 100kDa(EMDミリポア、ドイツ連邦共和国ダルムシュタット)が使用されてもよい。
透析濾過は、rC7組成物をその最終用途、例えば保管、凍結乾燥、非経口用調合物などのために調製する役割を果たす。バッファー系は、典型的には、精製rC7組成物、及び好適にはヒトでの使用に適しているrC7組成物を生産するために、緩衝剤及びその濃度のうち少なくともいずれか一方を、追加する/取り除く/置き換えることにより、交換かつ/又は改変される。
透析濾過は、組成物を最終剤型にする必要も、すべての賦形剤を提供する必要もない。追加の賦形剤又は組成の完全な変更は、UF/DFの後に実行可能である。しかしながら、UF/DFステップは概して、rC7組成物をほぼ最終の形態とする。追加の添加剤を、例えばpH、張度、溶解度、及び安定性のうち少なくともいずれかを調整するために、導入することが可能である。安定性とは、液体状態のrC7組成物を安定させること、又は凍結乾燥若しくは再構成の際にrC7を保護することを指すことが可能である。精製されたrC7は、後の使用のために保管するか又は凍結させることが可能である。別例として、後の使用のために精製rC7を凍結乾燥して保管することも可能である。
e.濾過滅菌
濾過滅菌ステップが本方法に含まれてもよく、該ステップはバイオバーデンの除去に役立つ。例えば、UF/DFステップに続いて、精製rC7組成物を、例えば修飾ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜(例えば、EMDミリポア)のような0.22ミクロンのフィルタを使用して濾過滅菌することが可能である。修飾PVDFに加えて、滅菌フィルタは、当分野において良く知られかつ当業者に入手可能な様々な他の材料で構築されていてもよい。これらには、限定するものではないが、ポリプロピレン、セルロース、セルロースエステル、ナイロン、ポリエーテルスルフォン、又は任意の他の材料であって、生産物との結合が低いことと矛盾しないものが挙げられる。ある実施形態では、界面活性剤(例えばポリソルベート)が、濾過滅菌の前又は後、好適には前に、rC7組成物に添加されることが好ましい。ある実施形態では、界面活性剤(例えばポリソルベート)は、2〜0.01%(v/v)、1.0〜0.05%(v/v)、又は約0.05%(v/v)の終濃度となるように添加される。濾過滅菌されたrC7組成物を凍結及び保管するか、又は望ましい場合には、その後の調合のために2〜8℃に保持することが可能である。
f.ウイルスの低減
ある実施形態では、下流プロセスは1以上のウイルス低減ステップを含む。ウイルスは、不活性化されるか又は組成物から物理的に除去される(又は両方である)場合に、「低減」される。いくつかの実施形態では、ウイルス低減ステップは混合モードのフロースルーステップの前に行なわれる。いくつかの実施形態では、ウイルス低減ステップは混合モードのフロースルーステップの後に行なわれる。いくつかの実施形態では、ウイルス低減ステップは混合モードのフロースルーステップの前及び後の両方において行なわれる。いくつかの実施形態では、ウイルス低減ステップは、疎水性相互作用クロマトグラフィのステップの後及びUF/DFステップの前に行なわれる。いくつかの実施形態では、第1のウイルス低減ステップは混合モードのフロースルーステップの前に行なわれ、第2のウイルス低減ステップは混合モードのフロースルーステップの後及び疎水性相互作用クロマトグラフィステップの前に行なわれ、かつ第3のウイルス低減ステップは疎水性相互作用クロマトグラフィステップの後及びUF/DFステップの前に行なわれる。
ウイルスの不活性化に関しては、ウイルスは最終製品中に残る場合はあっても、非感染性の形態である。ウイルスの不活性化ステップは、pH不活性化ステップ及び化学的不活性化ステップのうち少なくともいずれか一方を含んでなることができる。化学的不活性化ステップは、界面活性剤(例えば洗剤)を用いた処理、放射線照射、及びウイルスを不活性化するのに十分な高温への短時間の曝露のうち少なくともいずれかを含むことができる。これらのウイルス不活性化の方法は当業者には既知であり、また当業者は適正な処理条件を選択することができる。ある実施形態では、下流の処理は、放射線照射ステップを、好適には混合モードのフロースルーステップの前に、備えている。ある実施形態では、下流の処理は、界面活性剤(例えば洗剤)をrC7組成物に、好適には混合モードのフロースルーステップからのrC7を含有する流出液に、添加するステップを含む。ある実施形態では、下流の処理は、混合モードのフロースルーステップの前の放射線照射ステップと、混合モードのフロースルーステップからの流出液に界面活性剤(例えば洗剤)を添加するステップとを含む。
ウイルス低減ステップが組成物からのウイルスの物理的な除去を含んでなる場合、典型的には濾過が含まれる。具体的には、ナノ濾過は、rC7からウイルスを分離するために、例えば75nm以下、50nm以下、35nm以下、又は15nm以下の孔径を有するマトリックスに組成物を通過させることを含んでなる。ある実施形態では、下流の処理は、疎水性相互作用クロマトグラフィステップの後及びUF/DFステップの前に、好適には35nmの平均孔径を有する多孔質フィルタを使用する、ウイルス除去ステップを含む。様々なナノフィルタが市販されており、かつ当分野において既知である。
ある実施形態では、下流の処理は、混合モードのフロースルーステップの前に組成物を放射線照射することを含んでなる第1のウイルス低減ステップ、混合モードのフロースルーステップからの流出液に界面活性剤(例えば洗剤)を添加することを含んでなる第2のウイルス低減ステップ、及び疎水性相互作用クロマトグラフィ樹脂からのフロースルー(流出液)をフィルタ、好適には35nmの平均孔径を有する多孔質フィルタに供することを含んでなる第3のウイルス低減ステップを含む。
g.エンドヌクレアーゼ
ある実施形態では、下流の処理には、エンドヌクレアーゼを用いてrC7を含有する組成物を処理するステップが含まれる。エンドヌクレアーゼは、好適にはDNA及びRNAの両方を分解するエンドヌクレアーゼである。1つの実施形態では、エンドヌクレアーゼは、Benzonase(登録商標)(EMDミリポア)と称して販売されている、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens )由来の遺伝子操作されたエンドヌクレアーゼ(イーブス(Eaves )、G.N.ら、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J. Bact.)、1963年、第85巻、p.273−278;ネスレ(Nestle)、M.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)、1969年、第244巻、p.5219−5225)である。該酵素は、pNUC1生産プラスミドを含有している、K12株の突然変異体である大腸菌W3110株(米国特許第5,173,418号明細書、この文献は参照によりその全体がここで本願に援用される)から生産されて精製される。構造上、該タンパク質は、2つの重要なジスルフィド結合を備えた、同一の245アミノ酸で約30kDaのサブユニットの二量体である。Benzonase(登録商標)は、全ての形態のDNA及びRNA(一本鎖、二本鎖、直線状及び環状)を分解し、かつ広範囲の作用条件にわたり有効であって、核酸を分解して長さ2〜5塩基の5’‐モノホスファートを終端としたオリゴヌクレオチドとする。Benzonase(登録商標)は現行の適正製造規範(cGMP)の下で生産され、よって、医薬用タンパク質の精製のための工業規模でのプロセスにおいて使用可能である。
cGMP条件下で生産される他のエンドヌクレアーゼ、例えば、限定するものではないがDenerase(商標)(ザルトリウス・ステディム・バイオテック(Sartorius Stedim Biotech)、ドイツ連邦共和国ゲッティンゲン)、Cyanase(商標)(リボソリューション(RiboSolution)、米国テキサス州シダークリーク)及びPierce(商標)ユニバーサルヌクレアーゼ(サーモ・サイエンティフィック(Thermo Scientific )、米国マサチューセッツ州ウォルサム)も同様に、本願に開示された精製方法において使用することが可能である。
ある実施形態では、エンドヌクレアーゼ処理ステップは疎水性相互作用クロマトグラフィステップの前に行われる。ある実施形態では、エンドヌクレアーゼ処理ステップは陽イオン交換クロマトグラフィステップの後に行われる。ある実施形態では、エンドヌクレアーゼ処理ステップは、陽イオン交換クロマトグラフィステップの後及び疎水性相互作用クロマトグラフィステップの前に行われる。
6.医薬品組成物
本開示によって精製されたrC7は、薬学的に有用な組成物を調製するために既知の方法によって調合可能である。本開示の組成物は、当分野で既知の技法を使用して、哺乳動物の対象者、好適にはヒトへの投与のために調合可能である。特に送達システムは、筋肉内、皮内、粘膜、皮下、静脈内、注射可能なデポ剤型デバイス、又は局所への投与用に調合することができる。送達システムが溶液又は懸濁液として調合される場合、該送達システムは、許容可能な担体中に、好適には水性担体中に含まれる。様々な水性担体、例えば、水、緩衝水、0.8%生理食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸などを使用することができる。これらの組成物は従来の良く知られた滅菌技法によって滅菌されてもよいし、濾過滅菌されてもよい。結果として生じる水溶液は、そのまま使用するために包装されても、凍結乾燥されてもよく、凍結乾燥された調製物は投与に先立ち滅菌溶液と組み合わされる。
組成物は、生理学的状態に近づくために必要とされるような薬学的に許容可能な補助物質、例えばpH調整剤及び緩衝剤、等張化剤、湿潤剤などであって、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミンオレアートなどを含有することができる。組成物はさらに、その他の薬学的に許容可能な賦形剤、例えば、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミンなど、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩類又は電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系の物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリラート、ポリエチレン‐ポリオキシプロピレンブロックポリマー、及びポリエチレングリコールを含有することもできる。
ある実施形態では、本明細書中に記載された精製方法によって得られる医薬組成物は、rC7、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、アルギニン、糖質(例えばスクロース)、及び界面活性剤(例えばポリソルベート)を含んでなる。
ある実施形態では、本明細書中に記載された精製方法によって得られる医薬組成物は、1mgのrC7あたり2000ng以下の宿主細胞タンパク質、好適には1000ng/mg以下、及びより好適には600ng/mg以下しか含有しない。
ある実施形態では、本明細書中に記載された精製方法によって得られる医薬組成物は、1mgのrC7あたり42pg以下の宿主細胞DNA、好適には25pg/mg以下、及びより好適には15pg/mg以下しか含有しない。
ある実施形態では、本明細書中に記載された精製方法によって得られる医薬組成物は、1mgのrC7あたり1.0EU/mg以下のエンドトキシン、好適には0.70EU/mg以下、及びより好適には0.50EU/mg以下しか含有しない。
医薬組成物はさらに、ウイルスに関して高い純度を有する。本明細書中に記載されたプロセスは際立ったウイルス対数減少値(LRV)をもたらす。例えば、該プロセスは、異種指向性マウス白血病ウイルス及びブタパルボウイルスについてそれぞれLRV>18及びLRV>4をもたらす。
本開示は、以下の実施例を参照することで、より十分に理解されるであろう。
実施例
実施例1:上流の処理
第1回の実行及び第2回の実行は、未精製バルク(UPB)を生産するために、20の清澄化された採取物に、限外濾過/透析濾過(UF/DF)による10回の捕捉を伴って、成功裡に完了した。UF/DFは接線流濾過(TFF)によって実施した。第1回の実行からの102.9グラムのrC7を含有する2241LのUPB、及び第2回の実行からの92.1gのrC7を含有する1052LのUPBの合計が、下流の処理のために生産され、清澄化については70%及び捕捉プロセスについては60%の平均収率が示された。
2000Lの生産バイオリアクタに種培養物を接種した。接種後、rC7生産バイオリアクタ培養物を、灌流を伴わずにバッチ培養で増殖させた(作業体積は1500L)。バッチ培養の終了時、灌流培養を開始し、続いて生産段階(連続20日間)、及び毎日の採取物収集を行った。清澄化の作業は、各実行についての個々の採取物プールごとに毎日実施した。
UF/DF捕捉に先立ち、細胞、細胞残屑を除去し、かつバイオバーデン、加えて他の微粒子を低減するために、採取物を清澄化した。バイオリアクタからの未処理のバルクを、覆い付きトートバッグの中に入った3000L容バッグに収集した。採取物収集が完了し次第、この清澄化されていない採取物を2〜8℃に維持した。各採取物を一日単位のバッチとして一連の清澄化操作を使用して清澄化したが、この一連の清澄化操作には、ミリポアのD0HCポッド・デプスフィルタ、ミリポアのDE50ポッド・デプスフィルタ、ザルトリウスのSartopure GFプラス0.65μmデプスフィルタ、ザルトリウスのSartoguard PES 公称1.2/0.2μm濾過膜、及びザルトリウスのSartopore PESプラチナ0.45/0.2μm滅菌グレードフィルタが含まれた。
清澄化した採取物をその後、限外濾過(UF)、続いて透析濾過(DF)によって濃縮し、かつ下流の精製用の未精製バルク液体を生成するためにさらに濃縮した。UF/DFステップは再生セルロースから成るUF膜(ザルトリウス・ステディム)を使用して行なった。該UF膜は、ECOスクリーンチャネル構造を備えたTFF Hydrosart(登録商標)カセットに包含されたものである(100kDa MWCO Hydrosart ECO)。UF/DFステップは、低分子の構成成分を除去し、清澄化された採取物の中に存在する宿主細胞タンパク質のレベルを低減し、清澄化された採取物の体積を縮小し、かつ所望のUPBのpH及び導電率を達成する。それぞれのUF/DFによる捕捉作業では、2つの連続する清澄化済み採取物のプールを混合した。よって、20個の清澄化済み採取物を用いて、合計10回の捕捉作業を実施した。膜によって保持される材料は保持液と呼ばれる。このシステムでは、rC7が保持液中に集まるのではなく膜に隣接した層に集積するということが思いがけず発見された。従って、最初の保持液はシステムから排出した。層中のrC7は、rC7を含んでなる第2の保持液を得るために、0.02Mトリス、0.15M NaCl、0.1M L‐アルギニン、0.01% Triron X‐100、pH8.0を添加し、かつシステム全体にわたって再循環させることにより、再可溶化した。
第2の保持液中のrC7を、同じ溶液(0.02Mトリス、0.15M NaCl、0.1M L‐アルギニン、0.01% Triron X‐100、pH8.0)を使用して透析濾過し、rC7は100kDa膜に保持された。次いで透析濾過生成物を、未精製バルク(UPB)の目標体積75Lまで濃縮した。濃縮及び透析濾過された採取物を、混合ステーションへ移すことによりシステムから回収した。次に、システムから残留物を回収するために再び同じバッファー液を用いてシステムのすすぎを実施し(目標添加量35L)、次いで、より強く濃縮された生成物を最終目標のおよそ105Lまで希釈するために使用した。希釈された生成物を混合して0.45/0.2μmフィルタに通して濾過し、20Lのバイオプロセスバッグの中に7〜11Lの体積まで注入した。注入されたバッグを−20±5℃の冷凍庫内で保管し(5日間未満)、続いて下流の処理まで−50±5℃で長期保管した。
2回の実行の間に、195グラムのrC7を含有する合計3292.3LのUPBを捕捉し、清澄化ステップについては約70%及び捕捉(UF/DF)ステップについては約60%の平均回収率が示された。比較すると、rC7が最初の保持液中に収集された本発明者らの以前の内部の上流の処理における捕捉(UF/DF)ステップについてのrC7回収率は、わずか約24%であった。よって、現行の捕捉ステップは、rC7の工業規模生産の際のrC7回収率に大きな改善をもたらして、収量及び費用節約の著しい増大という結果を引き起こす。清澄化及びUF/DF捕捉(上流プロセス)についての合計rC7生産量は、表1及び図4に要約されている。
Figure 0006985282
最後に、UPBの品質の尺度として、rC7の宿主細胞タンパク質(HCP)に対する比率を純度の単純な尺度として評価した。図5は、2回の実行についてのrC7:HCP比をまとめたものであり、初期及び後期の両方の採取物についてはより高いrC7:HCP値を示している。
実施例2 下流の処理
rC7精製プロセスの一般化した概略図を図6に示す。実施例1からの未精製バルク(UPB)を融解し、CAPTO(商標)Core700(GEヘルスケア・ライフ・サイエンシズ(GE Healthcare Life Sciences ))指定の装荷量を目標としてプールした。意図した目標のCAPTO Core700(GEヘルスケア・ライフ・サイエンシズ)装荷量は、樹脂1Lあたり1.0gのrC7である(UPBの濾過及び短波長紫外線の操作について100%の力価収率を仮定)。装荷の詳細は以下の表2に詳述されている。
Figure 0006985282
プールしたUPBは、下流の処理に備えて微粒子の除去及びバイオバーデンの低減を行うために、0.45及び0.2μmのフィルタに通して濾過した。濾過したUPBを、UVIVATEC(登録商標)(ザルトリウス)システムを使用して短波長紫外線照射に供した。ウイルスが不活性化されたUPBをプールして0.2μmフィルタに通して濾過した。
精製プロセスについての第1の下流のカラムステップは、フロースルーモードの、例えばCAPTO Core700(GEヘルスケア・ライフ・サイエンシズ)カラムのような、混合モードの樹脂である。不純物は樹脂に結合する一方、rC7は通り抜ける。カラムの平衡化及び洗浄に使用される溶液は、0.02Mトリス、0.15M NaCl、0.1M L‐アルギニン及び0.01% Triton‐Xを含んでなるものであった。
CAPTO Core700(GEヘルスケア・サイエンシズ)からの通過画分を、エンベロープウイルス粒子を対象としてウイルス不活性化(VI)プールを生じるために、1%のTriton X‐100を用いて周囲温度で3〜24時間処理した。
第2のクロマトグラフィステップは陽イオン交換クロマトグラフィステップである。スルホプロピル(SP)Sepharose Fast Flow(GEヘルスケア・サイエンシズ)樹脂をこのステップで使用した。VIプールを、6M尿素の添加により最終目標濃度2Mへと希釈した。次に該プールを、1M酢酸を使用してpH4.8にさらに調整し、SP樹脂に装荷する前に0.45及び0.2μmのフィルタを用いて濾過した。SPカラムを平衡化し、0.066M L‐アルギニン、0.1M NaCl、2M尿素、及び0.02Mアセタートを含んでなる溶液で洗浄した。SPカラムを、陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂へのrC7の結合を伴う結合溶出モードで操作した。装荷、洗浄、及び溶出はすべて一定の流量で実施した。rC7を、0.066M L‐アルギニン、0.22M NaCl、2M尿素、及び0.02Mアセタートを含んでなる溶液を用いてカラムから溶出させた。溶出プールの分画は実施しなかった。
SPクロマトグラフィステップに続いて、SP溶出プールを、1Mトリスベースを使用してpH8.0に調整した。次に該プールをさらに、1M MgClを用いて終濃度2mMに調整した。この中間物を次に0.45/0.2μmフィルタで処理し、30℃に加熱した。Benzonase(商標)(EMDミリポア)エンドヌクレアーゼを添加してDNA消化反応を開始させ、反応混合物を16〜20時間保持した。
第3のクロマトグラフィステップは疎水性相互作用カラムである。Toyopearl PPG 600M(トーソー・バイオサイエンシズ(Tosoh Biosciences ))樹脂をフロースルーモードで使用した。Benzonase(商標)で処理したプールを18℃に冷却し、次に1M MES、酸を使用してpH6.0に調整した。次いで5M NaClを終濃度1.5Mまで添加し、0.45/0.2μmフィルタに通して濾過してからPPGカラムに装荷した。不純物は樹脂に結合する一方、rC7は0.02M MES、1.5M NaCl中でpH6.0においてカラムを通過する。通過画分の収集は装荷の開始後0.4CVで始め、1.5CVの洗浄の後に終了した。
収集したFT/Wプールを、0.75M L‐アルギニン、HClを用いて終濃度0.1Mに調整し、かつ0.45/0.2μmフィルタに通して濾過した後、名目上35nMより大きなウイルス様粒子をプロセス流から除去するためにPlanova(商標)‐N35ナノフィルタ(旭化成メディカル(Asahi Kaei Medical)、日本国)を通過させた。
最終的な調合及び濃縮のステップはUF/DFステップである。ウイルス濾過済みプールを、4mのTFFシステムに装荷し、0.2mg/mLまで濃縮し、かつBiomax Pellicon 2 100kDa UF/DF膜(EMDミリポア)を使用して、6〜8倍の透析容積の0.07M NaCl、0.005Mシトラート、0.01Mリン酸ナトリウム、0.1M L‐アルギニン、及び0.05Mスクロースを用いて透析濾過した。透析濾過を完了し次第、材料を排液及びシステムのすすぎによって回収し、続いてプールした。プールした生成物を、次に2.5mのTFFシステムを使用して1.4mg/mLまでさらに濃縮した。
ポリソルベート80を20%保存溶液から添加して終濃度0.05%とした。結果として得たrC7プールを0.5/0.2μmフィルタに通して濾過した後、1Lボトル中に300mLの目標充填体積まで分注し、−65〜−85℃で保管した。
DS‐1及びDS‐2の実行からそれぞれ5.4及び4.7グラムのrC7が得られ、以下の表3にまとめたようにUPB中のrC7の量と比較してそれぞれ21%及び17%のrC7回収率に達していた。比較すると、本発明者らの以前の内部の下流精製プロセスにおけるrC7回収率はわずかに約2%であった。よって、現在のrC7下流精製プロセスの回収率は、本発明者らの以前の内部プロセスより約10倍高く、収量及び費用節約の著しい前進をもたらしている。
Figure 0006985282
結果として生じる、この精製プロセスによって回収されたrC7はさらに、以下に表4にまとめるようなフィブロネクチンへの結合及び純度の要件を含む、全ての品質規格を満たした。
Figure 0006985282
請求項の要素を修飾するための特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」などのような順序を示す用語の使用は、それ自体で1つの請求項の要素が別の要素を上回る何らかの優先度、優先順位、若しくは順序を、又は方法の行為が実施される一時的な順序を意味するものではなく、単に、請求項の要素を識別するために、ある名前を有している1つの請求項の要素を同一の名前(順序を示す用語の使用を別とする)を有している別の要素から識別するためのラベルとして使用されている。
別段の指示がないかぎり、明細書及び特許請求の範囲において使用される数字はすべて、そのように明示されているか否かにかかわらず用語「約」によっていかなる場合にも修飾されているものとして理解されるべきである。さらに理解されるべきなのは、明細書及び特許請求の範囲において使用される明確な数値は、任意の指定された端点の内側にある全ての範囲及び部分的範囲がするように、本開示の追加の実施形態を形成する、ということである。加えて、ステップが開示される場合、明記されないかぎり該ステップはその順序で実施される必要はないことに注意されたい。
他の実施形態は、本明細書の考察及び本開示の実践から当業者には明白となろう。
参照文献
1.ハラルソン(Haralson)M.A.及びハッセル(Hassell )J.R.編「細胞外マトリックス 実践的アプローチ(Extracellular Matrix A Practical Approach )」、オックスフォード大学出版局、1995年の中の、バージソン(Burgeson)R.E.著「第4C章.VII型コラーゲン(Chapter 4C. Type VII Collagen )」。
2.チェン(Chen)M.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)、2002年、第277巻、p.2118−2124。

Claims (21)

  1. 細胞培養からの組換えヒト7型コラーゲン生成物を捕捉する方法において、
    a)細胞培養から採取された上清をデプスフィルタに供するステップであって、上清は組換えヒト7型コラーゲンを含有する、上清をデプスフィルタに供するステップと、
    b)デプスフィルタを通り抜ける溶液を収集するステップと、
    c)ステップb)からの溶液を限外濾過ステップに供するステップであって、組換えヒト7型コラーゲンは限外濾過膜に隣接する層の中に集積する、溶液を限外濾過ステップに供するステップと、
    d)第1の保持液を廃棄するステップであって、第1の保持液は、ステップb)からの溶液中に含まれた不純物を含んでなる、第1の保持液を廃棄するステップと、
    e)組換えヒト7型コラーゲンを回収し、かつ組換えヒト7型コラーゲンを含んでなる第2の保持液を得るために、限外濾過膜に隣接する層を可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方に供するステップと、
    f)組換え7型コラーゲンを含んでなる未精製バルク液体を得るために第2の保持液を透析濾過ステップに供するステップと、
    g)任意選択で未精製バルク液体を凍結するステップと
    を備え、
    前記可溶化剤は尿素、チオ尿素、アルギニン、ブタノール、エタノール、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、フェノール、プロパノール、硫酸ドデシルナトリウム、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、グルタミン、アスパラギン、及びグアニジンのうち少なくとも1つを含有する、方法。
  2. ステップa)の前に:
    I)組換えヒト7型コラーゲンを生産する宿主細胞を培養するステップ;及び
    II)培養された宿主細胞から上清を採取するステップ
    をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 未精製バルク液体は、ステップ)から収集された上清中の組換えヒト7型コラーゲンのうち40〜80%を含有する、請求項1に記載の方法。
  4. 細胞培養は、少なくとも200リットルの量を用いてバイオリアクタ中で宿主細胞を培養することを含んでなる、請求項3に記載の方法。
  5. バイオリアクタは灌流バイオリアクタ又は流加培養式バイオリアクタである、請求項4に記載の方法。
  6. 未精製バルク液体は50グラムを上回る組換えヒト7型コラーゲンを含有する、請求項5に記載の方法。
  7. 可溶化剤は、アルギニンを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法を行って組換えヒト7型コラーゲンを含有する試料を得るステップを備えた、前記組換えヒト7型コラーゲンを精製する方法において、
    a)前記試料を、混合モードのフロースルー式樹脂に供するステップであって、混合モードのフロースルー式樹脂はリガンド活性化コア及び不活性シェルを含んでなり、不活性シェルは組換えヒト7型コラーゲンがリガンド活性化コアに入るのを防止し、かつ十分に小さい不純物は不活性シェルを通り抜けてリガンド活性化コアに結合する、試料を混合モードのフロースルー式樹脂に供するステップと、
    b)混合モードのフロースルー式樹脂を通り抜け、かつ組換えヒト7型コラーゲンを含有する、第1の流出液を収集するステップと、
    c)ステップb)からの第1の流出液を、組換えヒト7型コラーゲンが陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂に結合することを可能にする条件下で陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂に供するステップと、
    d)陽イオン交換クロマトグラフィ樹脂から組換えヒト7型コラーゲンを溶出させるステップと、
    e)ステップd)からの溶出した組換えヒト7型コラーゲンを、フロースルーモードの疎水性相互作用クロマトグラフィ樹脂に供し、疎水性相互作用クロマトグラフィ樹脂を通り抜ける第2の流出液を収集するステップと、
    f)ステップg)に先立ち、ステップe)からの第2の流出液に可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方を添加するステップと、
    g)ステップf)の第2の流出液を、組換えヒト7型コラーゲンを濃縮するために限外濾過ステップに供するステップと、
    h)ステップg)からの濃縮された組換えヒト7型コラーゲンを、少なくとも1つの塩と、可溶化剤と、糖と含有するバッファーを用いて透析濾過するステップと、
    i)精製された組換えヒト7型コラーゲンを回収するステップと
    を含んでなり、
    1以上のウイルス低減ステップ及びエンドヌクレアーゼ処理ステップを含んでなる方法。
  9. 限外濾過ステップは接線流フィルタを含んでなり、接線流フィルタは親水性膜を含んでなる、請求項8に記載の方法。
  10. 1以上のウイルス低減ステップは、ステップa)に先立ち組換えヒト7型コラーゲンを含有する試料に放射線照射するステップ、ステップb)からの第1の流出液に界面活性剤を添加するステップ、及びステップe)からの第2の流出液を多孔質フィルタに供するステップ、を含んでなる、請求項8に記載の方法。
  11. エンドヌクレアーゼ処理ステップは、ステップd)からの溶出された組換えヒト7型コラーゲンを、エンドヌクレアーゼで処理することを含んでなる、請求項10に記載の方法。
  12. バッファーは、少なくとも1つの塩、可溶化剤、及び糖質を含んでなり、前記可溶化剤は尿素、チオ尿素、アルギニン、ブタノール、エタノール、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、フェノール、プロパノール、硫酸ドデシルナトリウム、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、グルタミン、アスパラギン、及びグアニジンのうち少なくとも1つを含有する、請求項8に記載の方法。
  13. 少なくとも1つの塩は、塩化ナトリウム、クエン酸塩、及びリン酸ナトリウムのうち1以上であり、可溶化剤はアルギニンであり、糖質はスクロースである、請求項12に記載の方法。
  14. ステップi)の精製された組換えヒト7型コラーゲンは、ステップa)からの試料中の組換えヒト7型コラーゲンの量の平均15〜30%を含有する、請求項13に記載の方法。
  15. ステップa)における試料は少なくとも25グラムの組換えヒト7型コラーゲンを含有する、請求項14に記載の方法。
  16. 少なくとも4.0グラムの精製された組換えヒト7型コラーゲンがステップi)において回収される、請求項15に記載の方法。
  17. ステップi)の精製された組換えヒト7型コラーゲンは、宿主細胞タンパク質を組換えヒト7型コラーゲン1mgあたり600ng/mg以下しか含有しない、請求項16に記載の方法。
  18. ステップi)の精製された組換えヒト7型コラーゲンは、宿主細胞DNAを組換えヒト7型コラーゲン1mgあたり15pg/mg以下しか含有しない、請求項17に記載の方法。
  19. ステップi)の精製された組換えヒト7型コラーゲンは、エンドトキシンを組換えヒト7型コラーゲン1mgあたり0.50EU/mg以下しか含有しない、請求項18に記載の方法。
  20. ステップ)の前に:
    I)細胞培養から採取された上清をデプスフィルタに供するステップであって、上清は組換えヒト7型コラーゲンを含有する、上清をデプスフィルタに供するステップと、
    II)デプスフィルタを通り抜ける溶液を収集するステップと、
    III)ステップII)からの溶液を限外濾過ステップに供するステップであって、組換えヒト7型コラーゲンは限外濾過膜に隣接する層の中に集積する、ステップII)からの溶液を限外濾過ステップに供するステップと、
    IV)第1の保持液を廃棄するステップであって、第1の保持液は、ステップII)からの溶液中に含まれた不純物を含んでなる、第1の保持液を廃棄するステップと、
    V)組換えヒト7型コラーゲンを回収し、かつ組換えヒト7型コラーゲンを含んでなる第2の保持液を得るために、限外濾過膜に隣接する層を可溶化剤及び界面活性剤のうち少なくともいずれか一方に供するステップと、
    VI)組換えヒト7型コラーゲンを含んでなる未精製バルク液体を得るために第2の保持液を透析濾過ステップに供するステップと、
    VII)任意選択で未精製バルク液体を凍結するステップと
    をさらに備え、
    前記可溶化剤は、尿素、チオ尿素、アルギニン、ブタノール、エタノール、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、フェノール、プロパノール、硫酸ドデシルナトリウム、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、グルタミン、アスパラギン、及びグアニジンのうち少なくとも1つを含んでなる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記可溶化剤はアルギニンを含んでなる、請求項20に記載の方法。
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