JP6983529B2 - 船舶制御装置、船舶、船舶制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
法及びプログラムを提供することを目的とする。
以下、本発明に係る第一実施形態について、図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。
船舶1の全体構成について説明する。
図1に示すように、船舶1(移動体)は、主機11と、煙突12と、コンソール13と、移動体制御装置20と、を備える。
本実施形態において、船舶1は、護衛艦である。船舶1は、主機11によって、海SEを−X方向に進む。
以下、船舶1の前方から後方に向かう方向は+X方向、船舶1の下方から上方に向かう方向は+Z方向、船舶1の左方から右方に向かう方向は+Y方向とも記載される。
コンソール13は、操作者によって操作される。操作者は、コンソール13によって、情報及び要求を入力する。本実施形態において、操作者は、コンソール13によって、変更したい船舶1の速力を入力する。
以下、各構成について詳しく説明する。
図1に示されるように、主機11は、エンジンを含む駆動源11aと、主軸11bと、プロペラ11cと、を備える。主機11は、移動体制御装置20に指令によって、主機出力及びプロペラ角度を制御され、主機出力及びプロペラ角度に関連した速力で船舶1を推進させる。
駆動源11aは、例えば、ディーゼルエンジンであって、加熱された排ガスEGを排出する。本実施形態において、駆動源11aから排出される排ガスEGは、煙突12を介して船舶1外に排出される。
プロペラ11cは、プロペラ基部11dと、複数のブレード11eを備える。プロペラ基部11dは、軸線Am周りを周面とする回転体形状を有する。複数のブレード11eは、プロペラ基部11dの外周に環状に並べて配置される。各ブレード11eは、プロペラ基部11dの径方向外側に延びている。各ブレード11eは、プロペラ基部11dの径方向に沿うそれぞれの軸線Ap周りで回動可能となっている。
本実施形態では、プロペラ角度は、図2に示すように、各ブレード11eのプロペラ基部11dの径方向に沿うそれぞれの軸線Ap周りの回動について、回動角度を変化させることによって調整される。各ブレード11eは、例えば、油圧システムや電気モータ等を用いたアクチュエータによって、軸線Ap周りについて回動駆動される。
移動体制御装置20は、コンソール13に入力された情報及び要求に従って、主機11を制御し、船舶1を推進させる。
図3に示すように、移動体制御装置20は、受付部21と、データベース22と、温度設定部23と、馬力設定部24と、指令部25と、を機能的に備える。
本実施形態では、後述するプログラムを実行することにより、船舶1を制御するコンピュータが、移動体制御装置20として機能している。
指令部25は、データベース22に登録されたデータを参照し、馬力上限値Puで駆動可能な主機出力及びプロペラ角度を決定する。馬力上限値Puで駆動可能な主機出力及びプロペラ角度を決定するためのデータは、実艦での計測結果及び理論式を基に作成された主機出力及びプロペラ角度と、馬力と、の関係を示すデータである。
馬力設定部24は、馬力と排ガス温度との関係式を基に、温度上限値TEuを超過しないように、馬力上限値Puを設定する。
例えば、船舶1において、馬力と排ガス温度とは、図4に示される関係にある。図4の横軸は馬力、縦軸は排ガス温度を示す。馬力と排ガス温度との関係をデータベース化しておけば、馬力設定部24は、温度上限値TEuから、温度上限値TEuを超過させない馬力上限値Puを決めることができる。馬力設定部24は、次の3つのモードのうち、いずれかのモードを設定する。
静定赤外線制限モードにおける設定について説明する。
静定赤外線制限モードは、要求速力(受付部21に入力された変更したい速力)に応じると、排ガスEGの静定温度TEsが、温度上限値TEuを超過しそうな場合に適用され得るモードである。
したがって、馬力設定部24は、静定赤外線制限モードを設定する場合、静定温度TEsが温度上限値TEuを超えない範囲で出せる馬力の上限を、馬力上限値Puとして定める。指令部25は、当該馬力上限値Puを上限として、当該馬力上限値Pu内で出せる最大馬力で駆動可能な主機出力及びプロペラ角度を決定し、主機11に対し指令を行う。
赤外線優先モードについて設定について説明する。
赤外線優先モードは、要求速力に応じると、排ガスEGの静定温度TEsは、温度上限値TEuを超過しそうにないものの、排ガスEGのオーバーシュート温度TEtが、温度上限値TEuを超過しそうな場合に適用され得るモードである。
図5の実線のグラフのように、主機11が船舶1を短時間(時間Ta)で速力Vaに増速させるには、主機11によって出力される馬力が、馬力上限値Puを一時的にオーバーシュートするように、出力される必要がある。しかし、このような出力を実施すると、排ガスEGのオーバーシュート温度TEtが、温度上限値TEuを超過してしまうこととなる。
したがって、赤外線優先モードでは、図5の点線のグラフのように、(時間に対する)速力Vaの勾配を小さくして、主機11の馬力のオーバーシュートが軽減されるように、移動体制御装置20は、ゆっくりと増速させる制御を行う。
速力優先モードについて設定について説明する。
速力優先モードは、要求速力(受付部21に入力された変更したい速力)に応じても、排ガスEGの静定温度TEsは、温度上限値TEuを超過しそうになく、排ガスEGのオーバーシュート温度TEtも、温度上限値TEuを超過しそうにない場合に適用され得るモードである。
したがって、速力優先モードを適用する場合、馬力設定部24は、受付部21で定められた馬力をそのまま設定する。指令部25は、主機11に対し、当該馬力で増速する指令を行う。本実施形態では、指令部25は、当該馬力で駆動可能な主機出力及びプロペラ角度を決定し、主機11に対し指令を行う。
このような指令によって、速力優先モードでは、速やかに要求速力に到達させるため、移動体制御装置20は、一時的に速力をオーバーシュートさせながら要求速力に到達させる制御を行うことができる。
馬力設定部24は、第一判定部24aと、第二判定部24bと、を有する。馬力設定部24は、どのモードを設定するかを、第一判定部24a及び第二判定部24bで判定する。具体的には、以下のように判定する。
第一判定部24aの判定に用いられる温度上限値TEuは、前述のとおり温度設定部23に設定されている。
第一判定部24aの判定に用いられる静定温度TEsは、要求速力から推定される。静定温度TEsは、要求速力で静定的に推進するときに煙突12から排出される排ガスの温度である。
第一判定部24aは、静定温度TEsを、データベース22に登録されたデータを参照して決定する。本実施形態では、静定温度TEsを決定するためのデータとして、実艦での計測結果を基に、理論式を補正して作成されたデータが登録されている。
第一判定部24aにおいて、静定温度TEsが温度上限値TEuを超過しそうと判定されなかった場合、後述する第二判定部24bの判定によって、馬力設定部24は、赤外線優先モード又は速力優先モードを設定する。
第二判定部24bの判定に用いられる温度上限値TEuは、前述のとおり温度設定部23に設定されている。
第二判定部24bの判定に用いられるオーバーシュート温度TEtは、要求速力及び要求速力に増速するために必要な主機11の馬力から推定される。オーバーシュート温度TEtは、要求速力に速やかに増速させるときに、馬力や速力のオーバーシュートに関連して煙突12から排出される排ガスのオーバーシュート温度であって、要求速力と実艦の能力で決まる温度である。
第二判定部24bは、オーバーシュート温度TEtを、データベース22に登録されたデータを参照して決定する。本実施形態では、オーバーシュート温度TEtを決定するためのデータとして、実艦での計測結果を基に、理論式を補正して作成されたデータが登録されている。
第二判定部24bにおいて、オーバーシュート温度TEtが温度上限値TEuを超過しそうと判定されなかった場合、馬力設定部24は、速力優先モードを設定する。
本実施形態の移動体制御装置20を用いた移動体制御方法について図6を参照して説明する。
本移動体制御方法は、ST1〜ST7の各ステップを実施する。
まず、船舶1の排ガスEGの温度の上限値である温度上限値TEuを定める(ST1:温度設定ステップ)。定められた温度上限値TEuは、温度設定部23に設定される。
静定赤外線制限モードでは、馬力設定部24は、静定温度TEsが温度上限値TEuを超えない範囲で出せる馬力の上限を、馬力上限値Puとして定める(ST4a:馬力設定ステップ)。移動体制御装置20は、当該馬力上限値Puを上限として、当該馬力上限値Pu内で出せる最大馬力で駆動可能な主機出力及びプロペラ角度を決定し、主機11に対し指令を行い、船舶1を増速させる(ST4b:増速ステップ)。
赤外線優先モードでは、馬力設定部24は、増速の際、ゆっくり要求速力に到達させるように馬力上限値Puを設定する(ST6a:馬力設定ステップ)。本実施形態では、ゆっくり要求速力に到達させるため、馬力設定部24は、オーバーシュート温度TEtが温度上限値TEuを超えない範囲で出せる馬力の上限を、馬力上限値Puとして定める。指令部25は、当該馬力上限値Puを上限として、当該馬力上限値Pu内で出せる最大馬力で駆動可能な主機出力及びプロペラ角度を決定し、主機11に対し指令を行い、船舶1を増速させる(ST6b:増速ステップ)。
速力優先モードでは、馬力設定部24は、速力優先モードと判定した場合、受付部21で定められた馬力をそのまま設定する(ST7a:馬力設定ステップ)。指令部25は、主機11に対し、当該馬力で増速する指令を行う。本実施形態では、指令部25は、当該馬力で駆動可能な主機出力及びプロペラ角度を決定し、主機11に対し指令を行い、船舶1を増速させる(ST7b:増速ステップ)。
移動体制御装置20は、主機出力及びプロペラ角度による排ガス温度の関係を結びつける各種データを基に、設定した排ガスEGの温度上限値TEuを超過しないように主機出力及びプロペラ角度を制御する。
これにより、移動体制御装置20は、排ガスEGの温度をある上限以下にキープするように制御することができる。
このため、敵艦に発見されないようにするには、自艦は、高温部Hを排熱しないように制御する必要がある。
しかし、主機出力に対する赤外線予想を自艦内で確認する手段が提供されていないと、乗員による赤外線制御ができない。
本実施形態では、移動体制御装置20が、排ガスEGの温度を制御することにより、艦船の隠密行動に貢献することができる。
移動体制御装置20は、いわゆるフィードフォワード制御を行っている。移動体制御装置20は、主機11を制御する前に、排ガスEGの温度をある上限以下にキープできる主機出力及びプロペラ角度の目標値を設定してから、主機11を制御している。したがって、即座に主機11を制御することができる。
本実施形態では、静定赤外線制限モードにおいて、馬力設定部24は、静定温度TEsが温度上限値TEuを超えない範囲で出せる馬力の上限を、馬力上限値Puとして定めている。変形例として、静定赤外線制限モードにおいて、馬力設定部24は、オーバーシュート温度TEtが温度上限値TEuを超えない範囲で出せる馬力の上限を、馬力上限値Puとして定めてもよい。
後述する第二実施形態においても同様である。
以下、本発明に係る第二実施形態について、図7〜図9を参照しながら詳細に説明する。
温度センサ14は、煙突12の排ガスEGの排出箇所付近に配置され、排ガスEGの温度の検出値である温度検出値TEdを検出する。
図8に示すように、移動体制御装置120は、受付部21と、データベース22と、温度設定部23と、温度判定部124と、指令部125と、を機能的に備える。
本実施形態でも、後述するプログラムを実行することにより、船舶101を制御するコンピュータを移動体制御装置120として機能させている。
温度判定部124は、温度センサ14で検出された温度検出値TEdを取得する。温度判定部124は、取得した温度検出値TEdが温度上限値TEuを超えているかどうかを判定する。本実施形態では、温度判定部124は、指令部125が行う段階的な増速の各段階において、逐次、温度検出値TEdが温度上限値TEuを超えているかどうかを判定する。
本実施形態の移動体制御装置120を用いた移動体制御方法について図9を参照して説明する。
本移動体制御方法は、ST101〜ST103の各ステップを実施する。
増速調整ステップST103は、ST103a〜ST103eの各ステップを実施する。
11 主機
11a 駆動源
11b 主軸
11c プロペラ
11d プロペラ基部
11e ブレード
12 煙突
13 コンソール
14 温度センサ
20 移動体制御装置
21 受付部
22 データベース
23 温度設定部
24 馬力設定部
24a 第一判定部
24b 第二判定部
25 指令部
101 船舶
120 移動体制御装置
124 温度判定部
125 指令部
EG 排ガス
H 高温部
L 低温部
M 中温部
SE 海
Claims (5)
- 船舶の煙突から排出される排ガスの温度の上限値である温度上限値が設定される温度設定部と、
前記温度上限値に関連する馬力上限値を定める馬力設定部と、
前記馬力上限値を上限として前記船舶を増速する指令を行う指令部と、
を備え、
前記馬力設定部が、
要求速力で静定的に前記船舶を推進するときの温度である前記排ガスの静定温度が、前記温度上限値を超過しそうかどうか判定する第一判定部を有し、
前記第一判定部において、前記静定温度が、前記温度上限値を超過しそうと判定された場合、前記静定温度が前記温度上限値以下となるように前記馬力上限値を定める船舶制御装置。 - 船舶の煙突から排出される排ガスの温度の上限値である温度上限値が設定される温度設定部と、
前記温度上限値に関連する馬力上限値を定める馬力設定部と、
前記馬力上限値を上限として前記船舶を増速する指令を行う指令部と、
を備え、
前記馬力設定部が、
要求速力に速やかに前記船舶を増速させるときの馬力又は速力のオーバーシュートに関連する温度である前記排ガスのオーバーシュート温度が、前記温度上限値を超過しそうかどうか判定する第二判定部を有し、
前記第二判定部において、前記オーバーシュート温度が、前記温度上限値を超過しそうと判定された場合、前記オーバーシュート温度が前記温度上限値以下となるように前記馬力上限値を定める船舶制御装置。 - 請求項1又は2に記載の船舶制御装置と、
前記指令に基づいて前記船舶を増速する主機と、
を備える船舶。 - 船舶の煙突から排出される排ガスの温度の上限値である温度上限値を定める温度設定ステップと、
前記温度上限値に関連する馬力上限値を定める馬力設定ステップと、
前記馬力上限値を上限として前記船舶を増速する増速ステップと、
を実施し、
前記馬力設定ステップにおいて、
要求速力で静定的に前記船舶を推進するときの温度である前記排ガスの静定温度が、前記温度上限値を超過しそうかどうか判定し、
前記判定において、前記静定温度が、前記温度上限値を超過しそうと判定された場合、前記静定温度が前記温度上限値以下となるように前記馬力上限値を定める船舶制御方法。 - 船舶を制御するコンピュータを、
前記船舶の煙突から排出される排ガスの温度の上限値である温度上限値が設定される温度設定部、
前記温度上限値に関連する馬力上限値を定める馬力設定部、及び
前記馬力上限値を上限として前記船舶を増速する指令を行う指令部、
として機能させ、
前記馬力設定部が、
要求速力で静定的に前記船舶を推進するときの温度である前記排ガスの静定温度が、前記温度上限値を超過しそうかどうか判定する第一判定部を有し、
前記第一判定部において、前記静定温度が、前記温度上限値を超過しそうと判定された場合、前記静定温度が前記温度上限値以下となるように前記馬力上限値を定めるプログラム。
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JP2017079099A JP6983529B2 (ja) | 2017-04-12 | 2017-04-12 | 船舶制御装置、船舶、船舶制御方法及びプログラム |
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