JP6982863B2 - 高速原子間力顕微鏡による細胞小器官の観察のための試料の調製方法 - Google Patents

高速原子間力顕微鏡による細胞小器官の観察のための試料の調製方法 Download PDF

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本発明は、高速原子間力顕微鏡によるほ乳類の細胞小器官の観察のための試料調製方法に関し、特に、高速原子間力顕微鏡によるほ乳類の細胞小器官の液中での動的挙動の観察のための試料の調製方法に関する。また、本発明は、高速原子間力顕微鏡によるほ乳類の細胞小器官の観察方法にも関する。また、本発明は、上記試料の調製方法に使用するためのガラス基材及びその使用にも関する。
高速原子間力顕微鏡は、従来の原子間力顕微鏡よりもの1000倍以上の速度で高速走査が可能な走査型プローブ顕微鏡である。高速原子間力顕微鏡は、原子間力顕微鏡と同様に、探針をその自由端に持つカンチレバーと、カンチレバーの変位を検出する光学式変位センサーと、探針と試料とを相対的に走査する走査機構とを備えている。また、観察される試料は、所定の基材上に部分的に固定される。高速原子間力顕微鏡は、ナノメートルオーダーの高い解像度で、試料が液体中にあっても観察可能であり、また、高速走査により試料の動く様子を観察することが可能である。そのため、高速原子間力顕微鏡は、今まで観察できなかった液体中のネイティブな生体試料の動的挙動を高い解像度で観察できる可能性があるとして注目されており、特に、ほ乳類の核などの微小な細胞内小器官の液中での動的挙動を高い解像度で観察できる可能性がある。しかしながら、現在に至るまで、ほ乳類の核などの微小な細胞小器官を高速原子間力顕微鏡で観察するための有効な試料調製方法は確立されていない。
例えば、非特許文献1には、アフリカツメガエル(Xenopus Laevis)の卵母細胞内の核膜孔複合体を高速原子間力顕微鏡で観察したことが記載されている。しかしながら、アフリカツメガエル卵母細胞内の核の大きさは約1,000μmであり、ほ乳類の核の大きさ(10〜20μm)に比べて、約50〜100倍大きい。
特許文献1には、ポリ−L−リジンをコーティングした雲母表面上に固定した複数の改変βソレノイドタンパク質(mBSP)モノマーを含むアミロイド線維を、原子間力顕微鏡により観察したことが記載されている。また、特許文献2には、ポリLリジン水溶液に分散させた酵母(ATCC287)を原子間力顕微鏡で観察したことが記載されている。
特表2017−503845号公報 特開平10−14595号公報
しかしながら、特許文献1及び2には、高速原子間力顕微鏡を用いて試料の動的挙動を観察したことは記載されていない。
本発明の目的は、ほ乳類の核などの細胞小器官の動的挙動を高速原子間力顕微鏡で観察するための試料の調製方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ほ乳類の核などの細胞小器官の動的挙動を高速原子間力顕微鏡で観察する方法を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討し、微小な細胞内小器官の動的挙動を高速原子間力顕微鏡で観察する場合に、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングしたガラス基材上に試料を付着させて観察試料を調製することにより、高い解像度で明瞭に細胞内小器官の液中での動的挙動を観察できることを見出し、本発明を完成させた。
そのため、本発明は、高速原子間力顕微鏡でほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察するための試料の調製方法であって、ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸でコーティングして、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材を準備する工程と、前記ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上に前記細胞内小器官を付着させる工程とを含むことに特徴がある。
ガラス基材のポリ塩基性アミノ酸によるコーティングは、ガラス基材を0.005重量%〜0.05重量%のポリ塩基性アミノ酸溶液と接触させることにより行われることが好ましい。
ガラス基材のポリ塩基性アミノ酸によるコーティングは、ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸溶液と10時間以上接触させることにより行われることが好ましい。
ポリ塩基性アミノ酸は、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、ポリトリプトファン、ポリヒスチジン、及びこれらの組み合わせから選択されることが好ましい。
本発明の好ましい態様において、ほ乳類はヒトである。
本発明の別の好ましい態様において、細胞内小器官は核膜である。
本発明は、高速原子間力顕微鏡によりほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察する方法にも関し、この方法は、ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸でコーティングして、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材を準備する工程と、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上に細胞内小器官を付着させる工程とを含む。
本発明は、高速原子間力顕微鏡によりほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察するための試料を調製するための、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材及びその使用にも関する。
本発明の高速原子間力顕微鏡でほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察するための試料の調製方法によれば、従来の原子間力顕微鏡では観察できなかったほ乳類の細胞内小器官の液中、特に生体環境と同様の水溶液中での動的挙動を観察することができる。その結果、本発明は、ほ乳類、特にヒトの細胞内小器官の機能メカニズムの解明や、新規な薬剤及びドラックデリバリーシステムの研究開発に非常に有益なツールを提供できる。
図1は、本発明の実施例による、ヒトのHCT116細胞の核膜孔複合体(NPC)の観察結果を示す図である。図1aは、細胞質に面している複数のNPCの外側の観察結果である(Z−スケール:6nm、スケールバー:100nm)。図1bは、単一のNPCの3D観察結果である(Z−スケール:6nm、スケールバー:50nm)。 図2は、本発明の実施例による、110個のNPCを観察した結果から計算した、NPCの断面の形状(孔の直径及び深さ)を示すグラフである。 図3の上段は、本発明の実施例による、ミリ秒スケールで連続してNPCの同じ領域を観察した結果を示す(Z−スケール:8nm、スケールバー:50nm)。図3において、各画像の左上の数値は、観察時の時間(ms、ミリ秒)を表す。また、図3の下段は、NPCの孔の略中心を横切る特定の2点間(黒い矢及び灰色の矢印)を結ぶ直線におけるNPCの断面形状(間隔及び高さ)を示すグラフである。 図4は、本発明の実施例による、NPCの孔の形状を上から連続して撮影して、NPCの孔の動的変化を示す観察結果である(Z−スケール:6nm、スケールバー:50nm)。図4において、各画像の下の数値は、経過時間(ms)を表す。 図5は、5つのNPCの孔について、経時での直径の変化を示すグラフである。 図6は、本発明の実施例による、100nMのMLN8237で48時間処理したヒトのHCT116細胞のNPCの観察結果を示す図である。図6aは、細胞質に面している複数のNPCの外側の観察結果である(Z−スケール:20nm、スケールバー:100nm)。図6bは、単一のNPCの3D画像である(Z−スケール:20nm、スケールバー:50nm)。 図7は、野生型(ワイルドタイプ)のNPCと、MLN8237で処理したNPCの断面の形状(孔の直径及び深さ)の比較を示すグラフである。 図8の上段は、本発明の実施例による、ミリ秒スケールの間隔で、MLN8237で処理したNPCの同じ領域を観察した結果を示す(Z−スケール:20nm、スケールバー:50nm)。図8において、各画像の左上の数値は、撮影時の時間(ms、ミリ秒)を表す。また、図8の下段は、孔の略中心を横切る直線におけるNPCの断面形状(間隔及び高さ)を示すグラフである。 図9は、本発明の実施例による、NPCにおけるフェニルアラニン−グリシン−ヌクレオポリン(FGNup)の動的挙動を解析するために、単一のNPCに対して40nm×40nmの範囲で連続して孔の内部を観察した結果を示す(スケールバー:10nm)。 図10は、本発明の実施例による、NPCの内面から伸びているFGNupを観察した結果である。図10の下段において、矢印は一本一本のFGNupのフィラメントを指している。 図11は、FGNup繊維(フィラメント)と、FGNupのネットワーク構造を示す模式的な断面図である。 図12は、本発明の実施例による、FGNupの挙動を野生型(ワイルドタイプ)のNPCと、MLN8237で処理したNPCとで比較した観察結果である。図12(a)は、野生型のNPCのFGNupの経時での動きを観察した結果である。図12(b)は、MLN8237で処理したNPCの内側を観察した結果である。矢印は、一本一本のFGNupフィラメントを指している。 図13は、野生型のNPCのFGNup(a)とMLN8237で処理したNPCのFGNup(b)の厚さを比較した結果である。また、図13(c)は、野生型とMLN8237で処理したFGNupの経時での厚さの変化を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[観察試料の調製方法]
本発明は、高速原子間力顕微鏡によりほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察するための試料の調製方法に関する。この方法は、ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸でコーティングして、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材を準備する工程と、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上に細胞内小器官を付着させる工程とを含む。
高速原子間力顕微鏡は、従来の原子間力顕微鏡よりもの1000倍以上の速度で高速走査が可能な走査型プローブ顕微鏡であり、例えば、特開2005−106790号公報、特開2011−252764号公報、及び特開2016−065800号公報に記載のものを例示できる。本明細書においては、1画像あたり1秒以下、すなわち、フレームレートが1fps(Frames Per Second)以上で画像を取得できる原子間力顕微鏡を「高速原子間力顕微鏡」と称する。
高速原子間力顕微鏡は、原子間力顕微鏡と同様に、探針をその自由端に持つカンチレバーと、カンチレバーの変位を検出する光学式変位センサーと、探針と試料とを相対的に走査する走査機構とを備えている。
本発明の観察において、高速原子間力顕微鏡の測定モードは特に限定されず、例えばスタティックモードとタッピングモードが採用でき、好ましくはタッピングモードが採用される。スタティックモードとは、探針と試料との間の相互作用力によって生じるカンチレバーの変位から、探針と試料との間の相互作用力を検出する測定モードである。タッピングモードとは、カンチレバーをその共振周波数近傍の周波数で機械的に振動させながら試料に対して水平方向に走査した際の、探針と試料との間の相互作用力によって生じる振動振幅、周波数又は位相の変化から探針と試料との間の相互作用力を検出するモードである。
本発明の観察に用いられるカンチレバーの種類は特に限定されないが、例えば、三角形カンチレバー、短冊形カンチレバーが挙げられる。本発明による観察において、好ましくは短冊形カンチレバーを用いる。短冊形カンチレバーのサイズは特に限定されないが、例えば、長さが2μm〜15μmであり、幅が0.5μm〜5μmであり、厚さが50nm〜150nmである。また、カンチレバーの水中でのバネ定数は、特に限定されないが、好ましくは0.1N/m〜0.5N/mであり、水中での共振周波数は、特に限定されないが、好ましくは1.0MHz〜1.5MHzである。
カンチレバーの先端には、試料の表面を走査する探針が備えられている。探針の材質としては、特に限定されないが、例えば、タングステン、イリジウム、窒化珪素、カーボンナノチューブ、及びカーボンが挙げられ、特に電子ビーム蒸着(EBD)により作成されるカーボン製の探針が好ましい。探針の長さとしては、特に限定されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは1.5μm以上であり、好ましくは3μm以下、より好ましくは2.5μm以下である。短針の半径としては、特に限定されないが、好ましくは2nm〜15nmであり、より好ましくは5nm〜12nmである。探針の形状及び寸法は、例えば、EBDにおいて加圧する電圧と時間を調整することにより所望の形状のものを作成できる。
本発明の観察対象は、ほ乳類の細胞内小器官である。本発明はほ乳類の細胞内小器官の生体環境中(例えば液中、好ましくはpH5〜9、より好ましくはpH5〜8の水溶液中)でのネイティブな動的挙動を観察することを可能にする。特に、本発明は、微小なほ乳類の細胞内小器官の生体環境中でのナノスケールの動的挙動を観察するのに適している。微小なほ乳類の細胞内小器官としては、例えば、ほ乳類の核、特に核膜及び核膜孔複合体、微小管、ミトコンドリア、細胞膜等の構造が挙げられる。ほ乳類は、好ましくはヒトである。
本発明の観察対象である試料の一例として、ほ乳類、特にヒトの核膜、特に核膜孔複合体が挙げられる。核膜複合体(以下、「NPC」とも言う)とは、真核生物の核の核膜孔を構成するタンパク質であり、ヌクレオポリンと呼ばれる約30種の異なるタンパク質の複数のコピーから構成される。核膜孔は、細胞質と核の間の物質輸送の唯一の通り道である。核膜孔複合体を構成するヌクレオポリンのうち、約1/3は、特定の高次構造を有さない、約200のフェニルアラニン−グリシン配列の繰り返しを含むペプチド鎖(フェニルアラニン−グリシン−ヌクレオポリン、以下「FG−Nup」とも言う)であり、このペプチド鎖が核膜孔の中央部で互いにフレキシブルに相互作用することによってメッシュ状に配置され、分子ふるいとして機能する。小分子は受動拡散により核膜孔複合体を介して自由に物質輸送されるが、より大きな分子(>40kDa)の物質輸送は、FGリピート領域により制限され、特殊輸送タンパク質を認識することによる選択的な物質輸送が行われている。こうした細胞質と核の間の物質輸送は、細胞の基本的な機能発現に重要であり、そのメカニズムの解明は、様々な生命現象の営みを理解する上で重要である。
本発明における観察対象となるほ乳類の細胞内小器官は、従来公知の方法により準備することができる。ほ乳類の細胞内小器官を準備する方法としては、目的とする細胞内小器官の種類に応じて、種々の適切な方法を選択でき、例えば、低浸透圧ショック法、凍結融解法、蛋白質分解酵素阻害剤の存在下でのホモジナイゼーション、又はポリトロン等の細胞破壊装置での懸濁化により標的細胞を破砕した後、密度勾配遠心分離又は遠心分離等により目的の細胞内小器官を単離して準備できる。また、市販のキットを用いることにより目的の細胞内小器官を単離して準備することもできる。
本発明は、ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸でコーティングして、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材を準備する工程を含む。
使用するポリ塩基性アミノ酸は、好ましくはポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、ポリトリプトファン、ポリヒスチジン、及びこれらの組み合わせから選択され、特に好ましくはポリリジンである。ポリリジンとしては、ポリ−D−リジン及びポリ−L−リジンのどちらを用いてもよいが、入手容易性等の観点から好ましくはポリ−L−リジンを用いる。ポリ塩基性アミノ酸の分子量としては特に限定されないが、例えば5,000〜100,000であり、好ましくは10,000〜50,000の分子量のポリ塩基性アミノ酸が適当である。また、ポリ塩基性アミノ酸の溶解に用いる溶媒としては、特に限定されず、ポリ塩基性アミノ酸が溶解し、ポリ塩基性アミノ酸を変質させるものでなければ何でも使用することができ、例えば、水及びリン酸緩衝液等が挙げられる。
ガラス基材のポリ塩基性アミノ酸によるコーティングは、ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸溶液に接触させることにより行う。通常、ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸溶液中に浸漬させることにより行う。ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸でコーティングする際に用いられるポリ塩基性アミノ酸溶液の濃度は、0.005重量%〜0.05重量%であり、好ましくは0.007重量%〜0.03重量%であり、より好ましくは0.009重量%〜0.02重量%であり、最も好ましくは0.01重量%である。ポリ塩基性アミノ酸濃度をこの範囲にすることにより、高速原子間力顕微鏡の観察試料として適量の細胞内小器官がガラス基材上に付着するので、試料の明瞭な観察が可能になる。
ポリ塩基性アミノ酸溶液と基材表面の接触時間は特に限定されないが、例えば10時間以上、より好ましくは16時間以上、さらに好ましくは20時間以上である。また、ポリ塩基性アミノ酸溶液を基材表面に接触させる際の温度は、10℃〜40℃の範囲内が好ましく、通常は室温で行う。また、ポリ塩基性アミノ酸を基材表面に結合させた後の洗浄は、ポリ塩基性アミノ酸溶液を溶解するのに用いたのと同一の溶媒を用いてもよいし、純水を用いてもよい。
本発明は、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上に細胞内小器官を付着させる工程を含む。
ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上への細胞内小器官の付着は、細胞内小器官をポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上に接触させることにより行われる。通常は、細胞内小器官の懸濁液をポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上に滴下することにより行われる。滴下する細胞内小器官の濃度としては、特に限定されないが、通常0.01mg/mL〜1mg/mLであり、特に0.1mg/mLである。
本発明において、ポリ塩基性アミノ酸コーティングの上に細胞内小器官を付着させて高速原子間力顕微鏡用の試料を調製することにより、細胞内小器官を基材上に部分的に固定できる。その結果、細胞内小器官を完全に固定化してその動的な挙動を止めることなく、細胞内小器官の生体内での動的挙動を高速原子間力顕微鏡で観察することが可能になる。
また、本発明において、試料の付着に用いる基材がガラス基材であることも肝要である。本件発明者は、原子間力顕微鏡の生体試料の固定には、一般的にマイカ基材が用いられるが、高速原子間力顕微鏡で細胞内小器官等の組織を観察する場合、マイカ基材を用いると明瞭な観察結果が得られないことが分かった。試行錯誤の結果、驚くべきことに、ガラス基材を用いると細胞内小器官が明瞭に観察できることが分かった。この結果は、一般的に原子間力顕微鏡の生体試料の固定にはマイカ基材が用いられていることを勘案すると、驚くべき結果である。この理由としては、マイカ基材の表面には微細な亀裂が存在し、高速原子間力顕微鏡の測定中にその亀裂から内部のイオンが溶出することにより観察画像に影響を与えるものと考えられる。一方、ガラス基材はマイカ基材に比べると表面の亀裂が少ないため、こうした影響が少なく、明瞭な観察結果が得られるものと推測される。
したがって、本発明に係る観察試料の調製方法によれば、従来の原子間力顕微鏡では観察できなかったほ乳類の細胞内小器官の液中での動的な振る舞いを明瞭に観察することができる観察試料を調製できる。
[観察方法]
本発明は、高速原子間力顕微鏡によりほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察する方法にも関し、この方法は、ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸でコーティングして、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材を準備する工程と、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上に細胞内小器官を付着させる工程とを含む。
本発明に係る観察方法は、本発明に係る試料の調製方法と同じ工程で行うことができる。また、用いる高速原子間力顕微鏡及びほ乳類の細胞内小器官も、本発明に係る試料の調製方法で説明したものと同じものを用いることができる。
したがって、本発明に係る観察方法によれば、従来の原子間力顕微鏡では観察できなかったほ乳類の細胞内小器官の液中での動的な振る舞いを明瞭に観察することができる。
[ガラス基材及びその使用]
本発明は、高速原子間力顕微鏡によりほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察するための試料を調製するためのポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材にも関する。本発明に係るガラス基材は、高速原子間力顕微鏡で観察する試料を付着させるステージとして用いられる。こうしたステージの寸法及び形状としては、高速原子間力顕微鏡による観察に適したものであれば特に限定されないが、好ましくは円柱状で、直径及び高さは0.5mm〜5mmの範囲内である。
また、本発明は、高速原子間力顕微鏡によりほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察するための試料を調製するためのポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材の使用にも関する。
こうした本発明に係るガラス基材及びその使用によれば、従来の原子間力顕微鏡では観察できなかったほ乳類の細胞内小器官の液中での動的な振る舞いを、高速原子間力顕微鏡を用いて明瞭に観察することができる。
本発明の試料の調製方法を実施例および比較例により詳細に説明する。但し本発明は以下の実施例の記載に限定されない。
[核膜試料の調製]
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection, ATCC)から入手したヒト大腸がんHCT1116細胞から、以下に示すプロトコールで核膜を単離した。具体的には、約10個の培養細胞を10mLのリン酸緩衝食塩水(PBS)中で懸濁した後、4℃、1,300gで5分間遠心して上澄みを取り除き細胞を洗浄した。次いで、3.5mLの低浸透圧緩衝液中で再懸濁し、氷中で40分間インキュベートした。4℃、2,300gで13分間遠心して上澄みを取り除き、核を含む分画を得た。これをショ糖溶液で懸濁し、さらに別の濃度のショ糖溶液を重層した後、4℃、17,000gで40分間遠心した。上澄みを取り除いて沈殿したペレット状の核を回収した。次いで、ペレット状の核を200μLの低浸透圧緩衝液で再懸濁した後、各0.5μLのデオキシリボヌクレアーゼ及びリボヌクレアーゼを加えて室温で15分間インキュベートした。最後に、懸濁液を4℃、10,000gで15分間遠心して沈殿したペレット状の核膜を得た。
[観察用ステージの作成]
実施例
円柱形のガラス製のステージ(直径1.5〜2mm、高さ2mm)を、0.01%(w/w)のポリ−L−リジン(分子量150,000−300,000)水溶液中に室温で24時間浸漬させて、0.01%(w/w)のポリ−L−リジンでコーティングされたガラス製ステージを作成した。
比較例
円柱形のガラス製のステージ(直径1.5〜2mm、高さ2mm)上に2mm四方の雲母シートを乗せたものを、0.01%(w/w)のポリ−L−リジン水溶液中に室温で24時間浸漬させて、0.01%(w/w)のポリ−L−リジンでコーティングされた雲母製ステージを作成した。
[観察試料の調製]
得られたペレット状の核膜を、200μLの低浸透圧緩衝液(pH7.5)に懸濁し、この核膜懸濁液2μLを得られたガラス製ステージ及び雲母製ステージにそれぞれ滴下し、室温で1時間静置した。次いで、各ステージを低浸透圧緩衝液で洗浄して過剰に付着した核膜サンプルを除き、高速原子間力顕微鏡で観察するための観察試料を得た。
[高速原子間力顕微鏡]
オリンパス社よりアモルファスカーボン製カンチレバー(長さ:6〜7μm、幅2μm、厚さ:90nm)を購入し、電子ビーム蒸着法(ELS−7500、Elionix社製)により、カンチレバー先端に長さ約2μm、半径約8nmの探針を調製した。このカンチレバーを用いて、液中ダイナミック(タッピング)モードの高速走査型原子間力顕微鏡(FS−AFM,NVB500、オリンパス社)を用いて室温で低浸透圧緩衝液(pH7.5)中の試料を観察した。
[観察結果]
実施例による試料調製方法により調製された試料を用いて、ヒトの細胞の核膜孔が液中で動いている様子を観察できた。観察結果を図1〜13に示す。一方、比較例の方法により調製された試料では、ヒトの細胞の核膜孔を観察することはできなかった。
図1は、本発明の実施例による、ヒトの細胞質に面している複数のNPCの外側の観察結果である。図1bは、単一のNPCの3D観察結果である。これらの観察結果から、核膜孔複合体は、円状の孔を囲む約8個の球形構造から構成されることが観察できた。
図2は、本発明の実施例による、110個のNPCを観察した結果から計算した、NPCの断面の形状(孔の直径及び深さ)を示すグラフである。この結果から、核膜孔の深さ(すなわち、NPCの厚さ)が4±2nmであり、核膜孔の直径が86±13nmであることが確認できた。
図3の上段は、本発明の実施例による、ミリ秒スケールで連続してNPCの同じ領域を観察した結果を示す。また、図3の下段は、NPCの孔の略中心を横切る特定の2点間(黒い矢及び灰色の矢印)を結ぶ直線におけるNPCの断面形状(間隔及び高さ)を示すグラフである。図4は、本発明の実施例による、NPCの孔の形状を上から連続して撮影して、NPCの孔の動的変化を示す観察結果である。図5は、5つのNPCの孔について、経時での直径の変化を示すグラフである。これらの結果から、NPCの動的挙動が観察でき、NPCが液中で絶えず動いていることが確認できた。
図6は、100nMのMLN8237で48時間処理したヒトのHCT116細胞のNPCの観察結果を示す図である。MLN8237は、オーロラAキナーゼ阻害薬(Alisertib)とも称され、再発癌臨床試験で使用されているアポトーシス及びオートファジー誘導物質である。図6aは、細胞質に面している複数のNPCの外側の観察結果である。図6bは、単一のNPCの3D画像である。図7は、野生型のNPCと、MLN8237で処理したNPCの断面の形状(孔の直径及び深さ)の比較を示すグラフである。MLN8237で処理したHCT116細胞のNPCは、核膜孔の深さが6±1nmであり、核膜孔の直径が52±8nmになることが判明した。すなわち、MLN8237で処理したNPCは、核膜孔が深く、狭く変形することが判明した。
図8の上段は、本発明の実施例による、ミリ秒スケールの間隔で、MLN8237で処理したNPCの同じ領域を観察した結果を示す。また、図8の下段は、孔の略中心を横切る直線におけるNPCの断面形状(間隔及び高さ)を示すグラフである。この結果を、図3に示したMLN8237で処理していない野生型のNPCの結果と比較すると、明らかにMLN8237で処理したNPCは動的挙動が少なくなっていることが確認できた。
図9は、本発明の実施例による、NPCにおけるフェニルアラニン−グリシン−ヌクレオポリン(FGNup)の動的挙動を解析するために、単一のNPCに対して40nm×40nmの範囲で連続して孔の内部を観察した結果を示す。図10は、本発明の実施例による、NPCの内面から伸びているFGNupを観察した結果である。図10の下段において、矢印は一本一本のFGNupのフィラメントを指している。図11は、FGNup繊維(フィラメント)と、FGNupのネットワーク構造を示す模式的な断面図である。これらの結果から、NPCの内部から伸びているFGNupの一本一本のフィラメントの動的挙動を観察でき、これらがブラシのように挙動していることが観察できた。
図12は、本発明の実施例による、FGNupの挙動を野生型のNPCと、MLN8237で処理したNPCとで比較した観察結果である。図12(a)は、野生型のNPCのFGNupの経時での動きを観察した結果である。図12(b)は、MLN8237で処理したNPCの内側を観察した結果である。矢印は、一本一本のFGNupフィラメントを指している。図12の結果から、野生型のNPCの場合、一本一本のFGNupフィラメントが活発に収縮と伸長を繰り返して動いているのが確認できたが、MLN8237で処理したNPCの場合、FGNupフィラメントの動きがほどんど観察できなかった。また、野生型のNPCにおいて、FGNupフィラメントの平均長さは収縮時で約5.1nmであり、伸長時で約20.9nmであったが、MLN8237で処理したNPCの場合、FGNupフィラメントの収縮時と伸長時の長さは約5nmから11nmであった。
図13は、野生型のNPCのFGNup(a)とMLN8237で処理したNPCのFGNup(b)の厚さを比較した結果である。また、図13(c)は、野生型とMLN8237で処理したFGNupの経時での厚さの変化を測定した結果を示すグラフである。図13(a)の結果から、野生型のFGNupの厚さは0.6±0.3nm(n=20)であることが示され、一方、図13(b)の結果から、MLN8237で処理したFGNupの厚さは0.2±0.2nm(n=20)に短縮していることが示された。さらに、図13(c)の結果から、MLN8237で処理したFGNupの厚さは、野生型の物に比べて劇的に短くなり、その動的な挙動も低下していることが確認された。
以上から、本願の実施例によって、ヒトの核膜複合体の液中での動的挙動を高速原子間力顕微鏡で高い解像度で明瞭に観察できた。さらに、野生型の核膜複合体とMLN8237で処理した核膜複合体の構造及び挙動を比較した結果から、細胞死と核膜複合体の機能低下とが密接に関連していることが考察される。
本発明は、ほ乳類、特にヒトの細胞内小器官の機能メカニズムの解明や、新規な薬剤及びドラックデリバリーシステムの研究開発に非常に有益なツールを提供できる。

Claims (6)

  1. 原子間力顕微鏡よりも1000倍以上の速度で高速走査が可能な走査型プローブ顕微鏡である高速原子間力顕微鏡によりほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察するための試料の調製方法であって、
    ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸でコーティングして、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材を準備する工程と、
    前記ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上に前記細胞内小器官を付着させる工程とを含
    前記ガラス基材のポリ塩基性アミノ酸によるコーティングが、ガラス基材を0.005重量%〜0.05重量%のポリ塩基性アミノ酸溶液中に10時間以上浸漬させることにより行われる、調製方法。
  2. 前記ポリ塩基性アミノ酸が、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、ポリトリプトファン、ポリヒスチジン、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の調製方法。
  3. 前記ほ乳類がヒトである、請求項1又は2に記載の調製方法。
  4. 前記細胞内小器官が核膜である、請求項1〜のいずれか一項に記載の調製方法。
  5. 原子間力顕微鏡よりも1000倍以上の速度で高速走査が可能な走査型プローブ顕微鏡である高速原子間力顕微鏡によりほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察する方法であって、
    ガラス基材をポリ塩基性アミノ酸でコーティングして、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材を準備する工程と、
    前記ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材上に前記細胞内小器官を付着させる工程とを含
    前記ガラス基材のポリ塩基性アミノ酸によるコーティングが、ガラス基材を0.005重量%〜0.05重量%のポリ塩基性アミノ酸溶液中に10時間以上浸漬させることにより行われる、観察方法。
  6. 原子間力顕微鏡よりも1000倍以上の速度で高速走査が可能な走査型プローブ顕微鏡である高速原子間力顕微鏡によりほ乳類の細胞内小器官の動的挙動を観察するための試料を付着するための、ポリ塩基性アミノ酸でコーティングされたガラス基材の使用であって、
    前記ガラス基材のポリ塩基性アミノ酸によるコーティングが、ガラス基材を0.005重量%〜0.05重量%のポリ塩基性アミノ酸溶液中に10時間以上浸漬させることにより行われる、使用
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