JP6982405B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の自動運転または運転支援を制御する車両制御装置に関する。
車両(自車)の自動運転や運転支援を制御する車両制御装置は、制御時に、自車の周辺環境を検出し、この周辺環境に応じた走行経路や速度を算出している。例えば、特許文献1に開示の運転支援装置は、自車の走行路上に物標(他車等の障害物)を検出すると、物標を回避する回避ルート(軌道)を複数生成する。そして、運転支援装置は、生成した複数の軌道を、自車の旋回制御量に基づいて評価して最終的な軌道を選択している。
特許第4949063号公報
ところで、上記のように複数の軌道を算出する車両制御装置は、限られた演算時間の中で、複数の軌道を離散的に生成することになる。この場合、周辺環境が大きく変化していないにもかかわらず、後の評価処理において一の軌道と他の軌道のいずれを採ったとしても、前回出力との間に小さな差分が生じる可能性がある。そして、このような小さな差分に応じて自車の走行を制御すると、自車の挙動がむしろ乱雑になって快適性や走行効率が低下する不都合が生じる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、自車の走行制御時に、小さな制御内容の変化を適切に抑制することで、走行制御の安定化及び効率化を図ることができる車両制御装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、自車の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置であって、前記自車が走行する走行路の周辺環境を検出する検出部と、前記検出部の検出情報に基づき前記自車の操舵角加速度の情報を含む出力軌道を生成する軌道生成部と、生成された前記出力軌道に基づいて前記自車の走行を制御する車両制御部と、備え、前記軌道生成部は、複数の軌道を生成する軌道候補生成部と、生成された前記複数の軌道を評価して評価軌道を得る第1評価部と、前回の前記出力軌道前記操舵角及び前記加速度のうち少なくとも一方同じにした比較軌道を生成する比較軌道生成部と、前記評価軌道と、前記比較軌道とを再評価して前記出力軌道を得る第2評価部と、を備えることを特徴とする。
上記によれば、車両制御装置は、自車の走行制御時に、第1評価部により複数の軌道から評価軌道を得た後、第2評価部により評価軌道と比較軌道とを再評価することで、小さな制御内容の変化を適切に抑制することができる。すなわち、複数の軌道から生成された評価軌道は、事前までの操作量に対して小さな差分が生じている可能性があるが、比較軌道はこの差分をなくした軌道とすることができる。そのため第2評価部は、評価軌道と比較軌道とを再評価し、小さな制御内容の変化が不要であれば出力軌道として比較軌道を選択することで、操作量の変化を抑えることができる。従って、車両制御装置は、走行制御の安定化及び効率化を図ることが可能となる。
この場合、前記評価軌道は、自車の操舵角及び加速度の情報を含み、前記比較軌道生成部は、前記比較軌道として、前記評価軌道の操舵角を前回の出力軌道の操舵角と同じにした操舵角一定軌道と、前記評価軌道の加速度を前記前回の出力軌道の加速度と同じにした加速度一定軌道と、前記評価軌道の操舵角及び加速度を前記前回の出力軌道の操舵角及び加速度と同じにした操舵角・加速度一定軌道と、の少なくとも1つを生成することが好ましい。
このように、比較軌道生成部は、操舵角一定軌道、加速度一定軌道、操舵角・加速度一定軌道の少なくとも1つを生成することで、この比較軌道は、事前までの操作量に対して小さな差分をなくした軌道となる。よって、車両制御装置は、必要に応じて比較軌道を選択することで、制御内容の変化を適切に抑制することができる。
また、前記の目的を達成するために、本発明は、自車の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置であって、前記自車が走行する走行路の周辺環境を検出する検出部と、前記検出部の検出情報に基づき前記自車の経路と速度の情報を含む出力軌道を生成する軌道生成部と、生成された前記出力軌道に基づいて前記自車の走行を制御する車両制御部と、備え、前記軌道生成部は、複数の軌道を生成する軌道候補生成部と、生成された前記複数の軌道を評価して評価軌道を得る第1評価部と、前記評価軌道が前記走行制御の定常域の範囲内か否かを判定する判定部と、前記評価軌道と、前回の出力軌道とを再評価して前記出力軌道を得る第2評価部と、を備え、前記第2評価部は、前記判定部により前記評価軌道が前記定常域の範囲内と判定された場合に前記再評価を実施する一方で、前記判定部により前記評価軌道が前記定常域を超えると判定された場合に前記再評価を実施せずに前記出力軌道として前記評価軌道を出力することを特徴とする。
上記によれば、車両制御装置は、自車の走行制御時に、第1評価部により複数の軌道から評価軌道を得た後、第2評価部により評価軌道と前回の出力軌道とを再評価することでも、小さな制御内容の変化を適切に抑制することができる。すなわち、前回の出力軌道は、制御内容の変化がない軌道である。よって、車両制御装置は、小さな制御内容の変化が不要であれば今回の出力軌道として前回の出力軌道を選択することで、走行制御の安定化及び効率化を図ることができる。また、車両制御装置は、判定部により評価軌道を判定することで、第2評価部による再評価の実施を適切に判断することができる。そして、再評価が不要な場合には、評価軌道をそのまま利用することで処理効率を高めることができる。さらに、前記の目的を達成するために、本発明は、自車の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置であって、前記自車が走行する走行路の周辺環境を検出する検出部と、前記検出部の検出情報に基づき前記自車の経路と速度の情報を含む出力軌道を生成する軌道生成部と、生成された前記出力軌道に基づいて前記自車の走行を制御する車両制御部と、備え、前記軌道生成部は、複数の軌道を生成する軌道候補生成部と、生成された前記複数の軌道を評価して評価軌道を得る第1評価部と、前記評価軌道が前記走行制御の定常域の範囲内か否かを判定する判定部と、前記評価軌道を修正した比較軌道を生成する比較軌道生成部と、前記評価軌道と、前記比較軌道とを再評価して前記出力軌道を得る第2評価部と、を備え、前記第2評価部は、前記判定部により前記評価軌道が前記定常域の範囲内と判定された場合に前記再評価を実施する一方で、前記判定部により前記評価軌道が前記定常域を超えると判定された場合に前記再評価を実施せずに前記出力軌道として前記評価軌道を出力することを特徴とする。
ここで、前記第2評価部は、前記第1評価部よりも前記自車の操作量が少ない軌道を高く評価することが好ましい。
このように、第2評価部は、自車の操作量が少ない軌道を高くすることで、自車の制御内容の変化を抑えた軌道を良好に選択することができる。
本発明によれば、車両制御装置は、自車の走行制御時に、小さな制御内容の変化を適切に抑制することで、走行制御の安定化及び効率化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る車両制御装置の軌道の生成を示す仮想平面座標の説明図である。 図1の車両制御装置の概略構成ブロック図である。 図2の短期軌道生成部の概略構成ブロック図である。 図3の軌道評価部の概略構成ブロック図である。 軌道候補生成部が生成した複数の軌道から1つの評価軌道を決定した結果を模式的に示す図である。 図6Aは、操舵角一定軌道の生成を模式的に示す説明図であり、図6Bは、加速度一定軌道の生成を模式的に示す説明図であり、図6Cは、操舵角・加速度一定軌道の生成を模式的に示す説明図である。 第2評価部における評価軌道、前回出力軌道、比較軌道の評価を模式的に示す説明図である。 出力軌道の生成の処理フローを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る車両制御装置について好適な実施形態をあげ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る車両制御装置10は、図1に示すように、車両11(以下、自車11ともいう)に搭載され、自車11の自動運転を制御する制御部として機能する。自動運転では、自車11の車速を調整する速度制御(加速、減速、速度維持等)と、自車11の進行方向を調整する舵角制御とを一体的に行う。
自動運転において、車両制御装置10は、自車11の周辺環境や自車11の状態に応じた軌道のパターンを複数生成する。そして、複数の軌道ptの中から最適な出力軌道Tを選択して、この出力軌道Tに基づき自車11の走行制御を実施する。なお、本明細書において「軌道」とは、走行路上における経路に係る情報と、自車11の車速に係る情報とを含む概念であり、図1に示すように仮想平面座標SC上では座標点を並べた点列で示すことができる。
特に、本実施形態に係る車両制御装置10は、複数の軌道ptから評価軌道Atを一旦選択した後に、比較したい幾つかの比較軌道Ctと評価軌道Atとを再評価して最終的な出力軌道Tを得る構成となっている(図7も参照)。これにより車両制御装置10は、評価軌道Atが微小な制御内容の変化だった場合に必要に応じて比較軌道Ctを採ることでこの微小な制御内容の変化を抑制して、走行制御の安定化や効率化を図ることができる。以下、この車両制御装置10について具体的に説明していく。
[自車11の全体構成について]
図2に示すように、車両制御装置10は、システムの主要部である車両制御システム12(電子制御ユニット)を備え、さらに通信線を介して車両制御システム12に接続される入力装置及び出力装置を備える。入力装置には、外界センサ14、ナビゲーション装置16、車両センサ18、通信装置20、自動運転スイッチ22(自動運転SW)及び操作検出センサ26等が含まれる。出力装置には、駆動力装置28、操舵装置30及び制動装置32等が含まれる。
外界センサ14は、自車11の周辺環境(外界)を認識するセンサ機器群であり、本実施形態では1以上のカメラ33と、1以上のレーダ34とで構成されている。カメラ33及びレーダ34は、それぞれの特性に応じて外界を検出し、この検出情報を車両制御システム12に出力する。なお、外界センサ14は、1種類の機器で構成されてもよく、他の機器が適用されてもよい。他の機器としては、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、LIDAR(光検出機器)があげられる。
ナビゲーション装置16は、衛星測位装置等を用いて自車11の現在位置を検出及び特定し、また現在位置からユーザが指定した目的地までの経路を算出する。ナビゲーション装置16の情報(地図情報、現在位置、算出した経路等)は、必要に応じて車両制御システム12に提供され、記憶装置40の地図情報記憶部42に記憶される。
車両センサ18は、自車11の走行時等において、自車11の状態を検出して、車両制御システム12にその検出結果を出力するセンサ機器群(車両状態検出部)である。このセンサ機器群としては、自車11の車速を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、自車11の垂直軸周りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車11の向きを検出する方位センサ、自車11の勾配を検出する勾配センサ等があげられる。車両センサ18(または車両制御部74)が検出した検出情報は、自車状態情報Ivhとして記憶装置40の自車状態情報記憶部43に記憶される。
通信装置20は、自車11の外部に存在する外部通信機器(路側機、他車、交通システムのサーバ等)と通信するために設けられる。例えば、通信装置20は、路側機から信号機に係わる情報(位置や灯火色)、他車から他車に係わるプローブ情報、サーバから更新地図情報または他の情報を受信し、また自車11のプローブ情報等を外部に送信する。
自動運転スイッチ22は、手動運転モードと自動運転モードを搭乗者が切り替えるためのスイッチである。手動運転モードでは、自車11の操作デバイス24を搭乗者が操作して、出力装置(駆動力装置28、操舵装置30、制動装置32)を動作させて、自車11を走行等させる。
操作デバイス24としては、アクセルペダル、ステアリングホイール(ハンドル)、ブレーキペダル、シフトレバー及び方向指示レバー等があげられる。また、操作デバイス24の各構成には、搭乗者による操作の有無や操作量、操作位置を検出する操作検出センサ26が取り付けられている。操作検出センサ26は、検出結果としてアクセル踏込(開度)量、ハンドル操作(操舵)量、ブレーキ踏込量、シフト位置、右左折方向等を車両制御システム12に出力する。
自動運転モードでは、操作デバイス24を搭乗者が操作しない状態で、車両制御装置10の制御下に自車11を走行等させる。車両制御システム12は、自動運転モードの実施時に、自車11の周辺環境に基づき行動計画(後述する長期軌道Lt、中期軌道Mt、短期軌道St)を生成し、この行動計画に沿って出力装置(駆動力装置28、操舵装置30、制動装置32)を適宜制御する。
駆動力装置28は、図示しない駆動力ECUと、エンジンや駆動モータ等の駆動源とを含む。この駆動力装置28は、車両制御システム12から入力される車両制御値Cvhに従って走行駆動力(トルク)を生成し、トランスミッションを介して(或いは直接に)、走行駆動力を車輪に伝達する。
操舵装置30は、図示しないEPS(電動パワーステアリング)ECUと、EPS装置とを含む。この操舵装置30は、車両制御システム12から入力される車両制御値Cvhに従って、車輪(操舵輪)の向きを変更する。
制動装置32は、例えば、油圧式ブレーキを併用する電動サーボブレーキであって、図示しないブレーキECUと、ブレーキアクチュエータとを含む。この制動装置32は、車両制御システム12から入力される車両制御値Cvhに従って、車輪を制動する。
[車両制御システム12の構成]
車両制御システム12は、図示しない入出力I/F及びプロセッサを有する電子制御ユニット(ECU)として構成され、またECUに搭載或いは接続される記憶装置40を備える。プロセッサは、記憶装置40に記憶された図示しないプログラムを実行して、外界認識部52、認識結果受信部53、局所環境マップ生成部54、統括制御部70、長期軌道生成部71、中期軌道生成部72、短期軌道生成部73及び車両制御部74等の機能実現部を構築する。なお本実施形態において、機能実現部は、上記のとおりソフトウエア機能部であるが、集積回路等からなるハードウエア機能部により実現されてもよい。
外界認識部52は、外界センサ14、ナビゲーション装置16及び通信装置20等から入力される各検出情報に基づき、自車11の周辺に存在する対象物の抽出情報Ipを生成する。抽出情報Ipを生成する際には、レーダ34等の検出結果、車両センサ18や車両制御部74から送信される自車状態情報Ivh等を参照して、自車11に対する対象物の相対的な位置関係(自車11に対する対象物の向きや距離)も認識する。例えば、外界認識部52は、カメラ33の画像情報に基づき、自車11が走行する道路のレーンマーク(白線、黄色線、マーカ等)、舗装部分と未舗装部分の境界、路肩、ガードレール、縁石、壁、停止線、信号機、標識、交通参加者、障害物等の対象物を抽出する。
例えば、外界認識部52は、適宜の画像処理に基づきレーンマークを抽出すると、多項式近似を行って仮想平面座標SC上で連続する2本の略平行な認識線100(左認識線100L、右認識線100R)を生成する(図1参照)。これにより、左右の認識線100は、走行路上のレーンマークがかすれている、レーンマークが物標により認識できない等の場合でも、それを補う線となる。
また例えば、外界認識部52は、適宜の画像処理に基づき自車11の周辺の物標(走行中の他車等の移動体またはガードレール、縁石、壁、停車中の他車、障害物等の静止体)の形状を抽出する。各物標は、認識線100と同じ仮想平面座標SC上において位置が特定された情報として出力される。
認識結果受信部53は、外界認識部52の抽出情報Ip(左右の認識線100、物標等)を外界認識部52から定期的に受信して古い情報の更新を行う。そして、統括制御部70から演算指令Aaを受け付けたタイミングで、抽出情報Ipを外界認識情報Iprとして統括制御部70に送信する。この外界認識情報Iprは、記憶装置40の外界認識情報記憶部44に記憶される。
局所環境マップ生成部54は、統括制御部70から送信される演算指令Ab、外界認識情報Ipr、自車状態情報Ivh等に基づき、走行路の情報である局所環境情報Iemを生成する。例えば、局所環境情報Iemとしては、認識線100と物標を配置した仮想平面座標SC、走行路の左右の境界線(推奨する境界線も含む)、理想的な走行経路、車両停止位置、目標速度等があげられる。この局所環境情報Iemは、統括制御部70に出力され、記憶装置40の局所環境情報記憶部46に記憶される。
統括制御部70は、認識結果受信部53、局所環境マップ生成部54、長期軌道生成部71、中期軌道生成部72及び短期軌道生成部73のタスク(処理)を同期させ、また演算に必要な情報を各機能実現部に送るタスク同期モジュールとして機能する。詳細には、統括制御部70は、基準演算周期を内部でカウントし、この基準演算周期に基づくタイミングに応じて各機能実現部に演算指令を出力して処理を実施させ、その処理結果を受信する。
一方、長期軌道生成部71、中期軌道生成部72及び短期軌道生成部73は、統括制御部70の指令下に、速度制御に必要な車速と、操舵制御に必要な経路とを含む軌道(長期軌道Lt、中期軌道Mt、短期軌道St)をそれぞれ生成する。生成された各軌道は、各軌道生成部から統括制御部70に出力され、記憶装置40の軌道情報記憶部48に記憶される。
長期軌道生成部71は、演算指令Ac、局所環境情報Iem及び自車状態情報Ivhに基づき、ある程度長い期間の軌道である長期軌道Ltを生成する。例えば、長期軌道Ltは、10秒の期間において時間または速度の情報を含む座標点を、数百ms程度(基準演算周期の9倍程度)の間隔で並べた点列として生成される。
中期軌道生成部72は、演算指令Ad、局所環境情報Iem、自車状態情報Ivh、及び長期軌道Ltに基づき、長期軌道Ltよりも短い期間の軌道である中期軌道Mtを生成する。例えば、中期軌道Mtは、5秒の期間において時間または速度の情報を含む座標点を、百数十ms程度(基準演算周期の3倍程度)の間隔で並べた点列として生成される。
短期軌道生成部73は、演算指令Ae、局所環境情報Iem、自車状態情報Ivh、長期軌道Lt及び中期軌道Mtに基づき、中期軌道Mtよりも短い期間の軌道である短期軌道Stを生成する。例えば、短期軌道Stは、1秒の期間において車両ダイナミクスの情報(縦方向の位置x、横方向の位置y、姿勢角θz、速度vs、加速度va、曲率ρ、ヨーレートγ、操舵角δst)を含む座標点を、数ms程度(基準演算周期)の間隔で並べた点列として生成される。
一方、車両制御部74は、入力された短期軌道Stに沿って自車11が走行するように、車両ダイナミクスを含む座標点を車両制御値Cvhに変換して、駆動力装置28、操舵装置30及び制動装置32に出力する。また、駆動力装置28、操舵装置30及び制動装置32を駆動させる情報は、自車状態情報Ivhとして外界認識部52に送信される。
[出力軌道を生成する構成]
上述したように、車両制御装置10は、各軌道生成部(長期軌道生成部71、中期軌道生成部72、短期軌道生成部73)において、複数の軌道ptをそれぞれ生成し、該複数の軌道ptを評価して最適な軌道を出力軌道として出力する。長期軌道生成部71、中期軌道生成部72及び短期軌道生成部73は、演算周期や生成する軌道の長さが異なるものの、同様の過程で出力軌道を生成する。以下、短期軌道生成部73について代表的に説明していく。
図3に示すように、短期軌道生成部73は、縦方向パターン生成部80、横方向パターン生成部81、軌道候補生成部82、軌道評価部83及び出力軌道生成部84を備える。また、短期軌道生成部73の内部には、過去に算出された短期軌道St(少なくとも前回の演算で出力した前回出力軌道T-1を含む)を記憶する過去軌道記憶部85が設けられている。
縦方向パターン生成部80は、主に、自車11の速度に関するパターン(速度パターン)を生成する機能部である。「速度パターン」は、車両制御装置10が処理する仮想平面座標SCにおいて、連続する座標点の間隔として表すことができる(図1も参照)。生成される複数の速度パターンには、例えば、時間経過に伴い、速度が増加するパターン、速度が減少するパターン、速度が略一定であるパターンが含まれる。
縦方向パターン生成部80は、局所環境情報Iem及び自車状態情報Ivhに基づき演算条件を設定し、変化量、関数形、バリエーション等が異なる速度の時間変化を離散的に複数算出し、複数の速度パターンを軌道候補生成部82に出力する。例えば、縦方向パターン生成部80は、局所環境情報Iemに含まれる走行路上の車両停止位置に基づき自車11の減速を判別し、速度や減速度が異なる減速パターンを生成する。この際、縦方向パターン生成部80は、自車11の加速度(減速度を含む)や加加速度を加味して速度パターンを複数生成するとよい。
横方向パターン生成部81は、主に、時計回りまたは反時計回りの操舵角に関連するパターン(経路パターン)を生成する機能部である。「経路パターン」は、車両制御装置10が処理する仮想平面座標SCにおいて連続する座標点の傾きとして表すことができる(図1も参照)。生成される複数の経路パターンには、例えば、操舵角が増加するパターン、操舵角が減少するパターン、操舵角が略一定であるパターンが含まれる。
横方向パターン生成部81は、局所環境情報Iem及び自車状態情報Ivhに基づき演算条件を設定し、変化量、関数形、バリエーション等が異なる経路の時間変化を離散的に複数算出し、算出した経路パターンを軌道候補生成部82に出力する。例えば、横方向パターン生成部81は、局所環境情報Iemに含まれる走行路上の障害物(物標)に基づき回避行動を判別し、回避ルートが異なる経路パターンを生成する。
軌道候補生成部82は、生成された複数の速度パターンと複数の経路パターンとを組み合わせて、簡易的な車両モデルを用いた短期軌道Stの候補、すなわち軌道のパターンを多数生成する。複数の軌道ptは、限られた演算リソースや演算時間の中で、離散的に生成される。演算リソースには、過去軌道記憶部85に記憶されている過去の短期軌道St、自車11の走行能力等が含まれるとよい。また、複数の軌道ptは、仮想平面座標SC上において座標点を時間的に変化させた点列でそれぞれ算出される。
軌道評価部83は、軌道候補生成部82で生成された複数の軌道ptを、所定の評価手法(評価関数)に従って評価し、出力軌道Tを出力する。短期軌道生成部73の評価時には、局所環境情報Iem、上位階層軌道(長期軌道Ltまたは中期軌道Mt)が参照される。この軌道評価部83の構成については後に詳述する。
出力軌道生成部84は、軌道評価部83の処理により特定された出力軌道Tを用いて短期軌道Stを生成する。なお、出力軌道生成部84は、前回出力軌道T-1が存在する場合、その軌道との整合性を図るための拘束条件を設けてもよい。出力軌道生成部84は、生成した短期軌道Stを、統括制御部70及び車両制御部74に出力すると共に、過去軌道記憶部85に記憶させる。
[軌道評価部83の構成及び処理]
以下、図4を参照して、車両制御装置10の軌道評価部83について具体的に説明していく。軌道評価部83は、軌道候補生成部82から送られた複数の軌道ptを評価して評価軌道Atを得て、その後に評価軌道Atに応じて比較したい比較軌道Ctとの間で再評価を行い最終的な出力軌道Tを得る構成となっている。このため、軌道評価部83の内部には、第1評価部90、判定部91、前回軌道取得部92、比較軌道生成部93及び第2評価部94が設けられている。
第1評価部90は、軌道候補生成部82が生成した複数の軌道ptを評価する機能部である。この第1評価部90は、複数の軌道ptが入力される他に、複数の軌道ptを評価するための情報である局所環境情報Iem、長期軌道Lt、中期軌道Mtが入力されて、所定の評価手法(評価関数)で軌道の評価を行う。
例えば、第1評価部90は、軌道の各プロット(x,y,θz,Vs,Va,ρ,γ,δst)を構成する1つ以上の変数と目標値(参照値)の偏差を求め、この偏差を得点化し、重み付け演算により総合得点を算出する評価手法を採用することができる。この手法によれば、特定のパラメータに対応する重み係数を相対的に大きくすることで、特定のパラメータを重視した評価結果が得られる。
図5は、軌道候補生成部82が生成した複数の軌道ptから1つの評価軌道Atを決定した結果を模式的に示す図である。この図示例において、第1評価部90は、長期軌道Ltに基づき、複数の軌道ptの中から長期軌道Ltと近似性が高いものの得点を高めている。さらに、第1評価部90は、車両ダイナミクスの実現及び安全性の確保等の評価基準に従ってすべての軌道について総合的な評価(得点付け)を行うと、最も得点の高い軌道(評価軌道At)を選択する。よって例えば、評価軌道Atは、図5中に示すように、長期軌道Ltから僅かにずれた形状等で形成され得る。なお特に局所環境情報Iemに物標が含まれる場合には、第1評価部90は、物標を回避する軌道の得点を高くする。第1評価部90は、評価軌道Atを選択すると、この評価軌道Atを判定部91及び第2評価部94に出力する。
判定部91は、受け取った評価軌道Atに基づき第2評価部94による再評価を実施するか否かを判定する。具体的に、判定部91は、評価軌道Atに含まれる車両ダイナミクスの変数が定常域(基準データ)内にある場合に、第2評価部94による再評価を判定する。逆に、判定部91は、評価軌道Atに含まれる車両ダイナミクスの変数が定常域を超えている場合に、再評価の不実施を判定する。
例えば、判定部91は、局所環境情報Iemに含まれる目標経路や左右の境界線、或いは過去軌道記憶部85に記憶されている前回出力軌道T-1に対する評価軌道Atのy偏差やδst偏差(或いはx偏差)を算出する。そして判定部91は、算出したy偏差またはδst偏差と、保有している基準データとを比較する。y偏差またはδst偏差の基準データは、実験等により予め設定されて、図示しない軌道評価記憶部に記憶されているとよい。
ここで、算出したy偏差が基準データを超えている場合とは、評価軌道Atにおいて自車11の速度を意図的または過渡的に変化させていると見なすことができる。「意図的」とは、自車11を目標に向けて積極的に行動(減速、加速等)させるように制御することをいう。よって、評価軌道Atをそのまま利用するのが望ましく、判定部91は再評価の不実施を判定する。
逆に、算出したy偏差が基準データ内の場合には、評価軌道Atにおいて自車11の速度変化の意図がないと見なすことができる。しかしながら、離散的な複数の軌道ptから得た評価軌道Atは、前回出力軌道T-1との間に微量な速度変化を要求する内容となっていることがあり、この速度変化をそのまま採用すると速度に揺れが生じる。このような速度の揺れを抑制するため、判定部91は、評価軌道Atの再評価の実施を判定する。
また、δst偏差は、現在の自車11の向きに対する時計回りまたは反時計回りのθ偏差に相当する。算出したδst偏差が基準データを超えている場合とは、評価軌道Atにおいて自車11の操舵角を意図的または過渡的に変化させていると見なすことができる。例えば、目的地や物標、レーン変更等に基づき自車11の進行方向を変更する場合には、δst偏差が基準データを超えて大きく変化する。よって、評価軌道Atをそのまま利用するのが望ましく、判定部91は再評価の不実施を判定する。
逆に、算出したδst偏差が基準データ内の場合には、評価軌道Atにおいて自車11の操舵角変化の意図がないと見なすことができる。しかしながら、離散的な複数の軌道ptから得た評価軌道Atは、前回出力軌道T-1との間に微量な操舵角変化を要求する内容となっていることがあり、この操舵角変化をそのまま採用すると舵角に揺れが生じる。このような舵角の揺れを抑制するため、判定部91は、評価軌道Atの再評価の実施を判定する。
判定部91の判定結果Ijの情報は、第2評価部94に送信されると共に、前回軌道取得部92、比較軌道生成部93に出力される。
前回軌道取得部92は、判定部91から再評価の実施の判定結果Ijを受けると、過去軌道記憶部85から前回出力した軌道である前回出力軌道T-1を読み出して、第2評価部94に出力する。また、前回出力軌道T-1は、比較軌道生成部93にも出力される。
比較軌道生成部93は、再評価の実施の判定結果Ijに基づき、評価軌道Atに対して比較・評価したい比較軌道Ctを生成する機能部である。本実施形態において、比較軌道生成部93は、評価軌道Atを修正した比較軌道Ctを生成する。詳細には、比較軌道生成部93の内部には、操舵角一定軌道生成部95、加速度一定軌道生成部96、操舵角・加速度一定軌道生成部97が設けられている。
操舵角一定軌道生成部95は、評価軌道Atと前回出力軌道T-1とに基づき操舵角速度をゼロにする。つまり、初期の操舵角のまま一定舵角入力する操舵角一定軌道Ct1を生成する。換言すれば、操舵角一定軌道Ct1は、評価軌道Atの経路の変化量が前回出力軌道T-1の操舵角と同じになる一方で、その他のパラメータ(加速度等)が評価軌道Atのパラメータのままとなる。例えば図6A中に示すように、操舵角一定軌道生成部95は、前回出力軌道T-1が直線状の経路で一定速の場合に、この経路に沿い且つ各座標点の間隔(加速度)が評価軌道Atと同一になる操舵角一定軌道Ct1を生成する。
加速度一定軌道生成部96は、評価軌道Atと前回出力軌道T-1とに基づき、加速度入力またはジャーク入力をゼロにする。つまり、初期の速度のまま一定速度入力する加速度一定軌道Ct2を生成する。換言すれば、加速度一定軌道Ct2は、評価軌道Atの速度の変化量が前回出力軌道T-1の加速度と同じになる一方で、その他のパラメータ(操舵角等)が評価軌道Atのパラメータのままとなる。例えば図6B中に示すように、加速度一定軌道生成部96は、直線状の前回出力軌道T-1と異なる経路(評価軌道Atと同一になる経路)で、座標点の間隔が前回出力軌道T-1と同じ加速度一定軌道Ct2を生成する。
操舵角・加速度一定軌道生成部97は、評価軌道Atと前回出力軌道T-1とに基づき、操舵角加速度と、加速度入力またはジャーク入力とをゼロにする。つまり、初期の操舵角のまま一定舵角入力し、且つ初期の速度のまま一定速度入力する操舵角・加速度一定軌道Ct3を生成する。この操舵角・加速度一定軌道Ct3は、図6Cに示すように、前回出力軌道T-1の経路及び速度を踏襲する一方で、車両ダイナミクスの他のパラメータ(曲率ρ、ヨーレートγ、…等)が評価軌道Atと同じパラメータ(曲率ρ、ヨーレートγ、…等)の軌道となる。
以上の操舵角一定軌道生成部95、加速度一定軌道生成部96、操舵角・加速度一定軌道生成部97は、操舵角一定軌道Ct1、加速度一定軌道Ct2、操舵角・加速度一定軌道Ct3をそれぞれ生成すると、生成した軌道を第2評価部94に出力する。
第2評価部94は、評価軌道Atと、比較したい軌道(前回出力軌道T-1、操舵角一定軌道Ct1、加速度一定軌道Ct2、操舵角・加速度一定軌道Ct3)とを再評価して、出力軌道Tを決定する機能部である。この第2評価部94は、第1評価部90と異なる評価関数によって軌道の再評価を行う。
例えば、第2評価部94は、第1評価部90と同様に、軌道の各プロット(x,y,θz,Vs,Va,ρ,γ,δst)を構成する1つ以上の変数と目標値の偏差を求め、この偏差を得点化し、重み付け演算により総合得点を算出する評価手法を採用するとよい。そして、第2評価部94では、重み付け演算において、現在の出力装置(駆動力装置28、操舵装置30、制動装置32)の操作量と同じ軌道の重みを増す(評価を高くする)処理を行うとよい。
一例として、図7の左図に示すように、評価軌道Atは、直線状の前回出力軌道T-1に対し、若干傾斜し且つ速度が速い軌道として算出されたとする。第2評価部94は、この評価軌道Atと、図7中の右隣の前回出力軌道T-1、操舵角一定軌道Ct1、加速度一定軌道Ct2及び操舵角・加速度一定軌道Ct3とを比較する。そして、評価基準として現在の操作量が同じものについての重み係数が大きい場合に、例えば、前回出力軌道T-1に高い得点がつけられる。そのため、第2評価部94は、評価軌道Atに代えて前回出力軌道T-1を出力軌道Tに選択する。この出力軌道Tは、操舵角や速度の揺れ(小さな制御内容の変化)を抑制した軌道と言え、走行制御において、自車11の走行をより安定化させることができる。
第2評価部94は、上記のように選択した出力軌道Tを、短期軌道生成部73の出力軌道生成部84に出力し、出力軌道生成部84は、短期軌道Stとして統括制御部70及び車両制御部74に出力する。なお、第2評価部94は、再評価を実施しない場合に、入力された評価軌道Atをそのまま出力軌道Tとして出力する。
また、第2評価部94は、上記のように、評価軌道Atを比較する軌道として、前回出力軌道T-1、操舵角一定軌道Ct1、加速度一定軌道Ct2、操舵角・加速度一定軌道Ct3を用いているが、これに限定されないことは勿論である。例えば、第2評価部94は、前回出力軌道T-1のみを用いて、評価軌道Atとの再評価を行ってもよい。また例えば、比較軌道生成部93は、操舵角一定軌道Ct1、加速度一定軌道Ct2、操舵角・加速度一定軌道Ct3のうち少なくとも1つを生成する構成でもよい。この場合、第2評価部94は、比較軌道生成部93から提供された軌道と評価軌道Atとの再評価を実施すればよい。或いは比較軌道生成部93は、評価軌道Atを比較する軌道として、評価軌道Atの操舵角及び加速度を一定としたまま、他のパラメータ(ρ、γ、…等)の一部または全部が前回出力軌道T-1のパラメータ(の変化率)と同じ軌道を生成してもよい。
図2に戻り、長期軌道生成部71及び中期軌道生成部72も、短期軌道生成部73と同様に、複数の軌道ptを生成し、軌道評価部83により評価を行って出力軌道(長期軌道Lt、中期軌道Mt)を得ている。但し、上述したように長期軌道Ltや中期軌道Mtは、微小に変化しても自車11の走行制御に直結しないため、長期軌道生成部71及び中期軌道生成部72では、最適軌道の再評価を行わなくてもよい。
或いは、車両制御装置10は、長期軌道Lt、中期軌道Mtの生成時にも、評価軌道Atを生成し、その後評価軌道Atと比較したい比較軌道Ctとの再評価を行い、出力軌道を得てもよい。これにより、上位階層軌道(長期軌道Lt、中期軌道Mt)においても走行時の操舵角や速度の揺れが抑制されて、短期軌道Stの生成時に、上位階層軌道に近い軌道の評価を高めることができる。
[作用効果]
本実施形態に係る車両制御装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下処理フローと共にその効果について説明する。
図2に示すように車両制御装置10は、自動運転の実施時に、外界センサ14により自車11の周辺環境を検出し、局所環境マップ生成部54にて左右の認識線100、左右の境界線、理想的な走行経路等を含む局所環境情報Iemを生成する。この局所環境情報Iemと自車状態情報Ivhに基づき、長期軌道生成部71が長期軌道Ltを生成し、さらに中期軌道生成部72が長期軌道Ltを勘案して中期軌道Mtを生成する。そして、短期軌道生成部73は、局所環境情報Iem、自車状態情報Ivh、長期軌道Lt及び中期軌道Mtに基づき短期軌道Stを生成する。車両制御部74は、この短期軌道Stに基づき自車11の走行制御を行う。
図8に示すように、軌道評価部83は、短期軌道生成部73の軌道生成時に、軌道候補生成部82から生成された複数の軌道ptを受信する(ステップS10)。そして、第1評価部90において、所定の評価関数を用いて複数の軌道ptの評価を行い、評価軌道Atを特定する(ステップS11)。
次に、軌道評価部83の判定部91は、生成された評価軌道Atが定常域で制御可能か否かを判定する(ステップS12)。上述したようにこの判定は、評価軌道Atのパラメータの偏差(y偏差、δst偏差)が基準データの範囲内か否かを認識することでなされる。そして、評価軌道Atが定常域の範囲内であると判定した場合、ステップS13に進み、評価軌道Atが定常域を超えていると判定した場合、ステップS18に進む。
ステップS13において、前回軌道取得部92は、過去軌道記憶部85から前回出力軌道T-1を読み出す。また評価軌道At及び前回出力軌道T-1に基づき、操舵角一定軌道生成部95が操舵角一定軌道Ct1を生成し(ステップS14)、加速度一定軌道生成部96が加速度一定軌道Ct2を生成し(ステップS15)、操舵角・加速度一定軌道生成部97が操舵角・加速度一定軌道Ct3を生成する(ステップS16)。なお、ステップS13〜S16の処理順は任意または並行に実施してよい。
そして、軌道評価部83の第2評価部94は、評価軌道At、前回出力軌道T-1、操舵角一定軌道Ct1、加速度一定軌道Ct2、操舵角・加速度一定軌道Ct3について、評価関数を用いて再評価を行い、出力軌道Tを特定する(ステップS17)。上述したように、第2評価部94の評価関数は、第1評価部90と異なり、出力装置の操作量が少ない軌道の評価を高めている。よって、得られた出力軌道Tは、微小な制御内容の抑制が図られた軌道となる。
また、ステップS18では、評価軌道Atが定常域を超えていることから、第2評価部94は、再評価を行わずに評価軌道Atをそのまま選択する。
最後に、軌道評価部83は、選択した評価軌道Atまたは比較軌道Ctを出力軌道Tとして、出力軌道生成部84に出力する(ステップS19)。これにより、車両制御装置10は、出力軌道T(短期軌道St)に沿って走行制御を行うことで、安定性や効率性が高い走行を実施することができる。
以上のように、本実施形態に係る車両制御装置10は、第1評価部90により複数の軌道ptから評価軌道Atを得た後、第2評価部94により評価軌道Atと比較軌道Ctとを再評価して、小さな制御内容の変化を適切に抑制する。すなわち、複数の軌道ptから生成された評価軌道Atは、事前までの自車11の操作量に対し小さな差分が生じている可能性があるが、比較軌道Ctはこの差分をなくした軌道とすることができる。そのため第2評価部94は、評価軌道Atと比較軌道Ctとを再評価し、小さな制御内容の変化が不要であれば出力軌道Tとして比較軌道Ctを選択することで、操作量の変化を抑えることができる。従って、車両制御装置10は、走行制御の安定化及び効率化を図ることが可能となる。
この際、比較軌道生成部93は、比較軌道Ctとして、操舵角一定軌道Ct1、加速度一定軌道Ct2、操舵角・加速度一定軌道Ct3の少なくとも1つを生成することで、事前までの操作量に対して小さな差分をなくした軌道を得ることができる。よって、車両制御装置10は、必要に応じて比較軌道Ctを選択することで、制御内容の変化を適切に抑制することができる。
また、車両制御装置10は、自車11の走行制御時に、第1評価部90により複数の軌道ptから評価軌道Atを得た後、第2評価部94により評価軌道Atと前回出力軌道T-1とを再評価することでも、小さな制御内容の変化を適切に抑制することができる。すなわち、前回出力軌道T-1は、制御内容の変化がない軌道である。よって、車両制御装置10は、小さな制御内容の変化が不要であれば今回の出力軌道Tとして前回出力軌道T-1を選択することで、走行制御の安定化及び効率化を図ることができる。
さらに、第2評価部94は、適宜の評価関数によって、自車11の操作量が少ない軌道を高くすることで、自車11の制御内容の変化を抑えた軌道を良好に選択することができる。またさらに、車両制御装置10は、判定部91により評価軌道Atを判定することで、第2評価部94による再評価の実施を適切に判断することができる。そして、再評価が不要な場合には、評価軌道Atをそのまま利用することで処理効率を高めることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。例えば、本実施形態に係る軌道評価部83は、評価軌道Atの生成直後に、判定部91により評価軌道Atの再評価を行うか否かを判定しているが、この構成に限定されるものではない。一例として、軌道評価部83は、第2評価部94内に判定部91を設けて、評価軌道Atと、他の評価したい軌道(前回出力軌道T-1、操舵角一定軌道Ct1、加速度一定軌道Ct2、操舵角・加速度一定軌道Ct3等)とを第2評価部94に入力した後、第2評価部94の判定部91において再評価を行うか否かを判定する構成でもよい。
また例えば、車両制御装置10は、車両の走行制御をすべて自動で行う完全自動運転のみならず、走行制御を部分的に自動で行う部分自動運転(運転支援)を実施するものでもよい。運転支援では、速度制御のみを行う場合、操舵制御のみを行う場合、或いは搭乗者が手動運転を行い車載装置であるモニタ、スピーカ等から目標車速や目標操舵位置を案内する場合があげられる。一例として、車両制御装置10は、算出した推奨走行経路を自車11のモニタに表示することで、搭乗者に適切な経路を案内する構成でもよい。
10…車両制御装置 11…車両(自車)
12…車両制御システム 14…外界センサ
52…外界認識部 54…局所環境マップ生成部
70…統括制御部 71…長期軌道生成部
72…中期軌道生成部 73…短期軌道生成部
74…車両制御部 82…軌道候補生成部
83…軌道評価部 85…過去軌道記憶部
90…第1評価部 91…判定部
92…前回軌道取得部 93…比較軌道生成部
94…第2評価部 95…操舵角一定軌道生成部
96…加速度一定軌道生成部 97…操舵角・加速度一定軌道生成部
At…評価軌道 Ct…比較軌道
Ct1…操舵角一定軌道 Ct2…加速度一定軌道
Ct3…操舵角・加速度一定軌道 T…出力軌道
-1…前回出力軌道

Claims (5)

  1. 自車の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置であって、
    前記自車が走行する走行路の周辺環境を検出する検出部と、
    前記検出部の検出情報に基づき前記自車の操舵角加速度の情報を含む出力軌道を生成する軌道生成部と、
    生成された前記出力軌道に基づいて前記自車の走行を制御する車両制御部と、
    備え、
    前記軌道生成部は、
    複数の軌道を生成する軌道候補生成部と、
    生成された前記複数の軌道を評価して評価軌道を得る第1評価部と、
    前回の前記出力軌道前記操舵角及び前記加速度のうち少なくとも一方同じにした比較軌道を生成する比較軌道生成部と、
    前記評価軌道と、前記比較軌道とを再評価して前記出力軌道を得る第2評価部と、を備える
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1記載の車両制御装置において、
    前記評価軌道は、自車の操舵角及び加速度の情報を含み、
    前記比較軌道生成部は、前記比較軌道として、
    前記評価軌道の操舵角を前回の出力軌道の操舵角と同じにした操舵角一定軌道と、
    前記評価軌道の加速度を前記前回の出力軌道の加速度と同じにした加速度一定軌道と、
    前記評価軌道の操舵角及び加速度を前記前回の出力軌道の操舵角及び加速度と同じにした操舵角・加速度一定軌道と、の少なくとも1つを生成する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  3. 自車の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置であって、
    前記自車が走行する走行路の周辺環境を検出する検出部と、
    前記検出部の検出情報に基づき前記自車の経路と速度の情報を含む出力軌道を生成する軌道生成部と、
    生成された前記出力軌道に基づいて前記自車の走行を制御する車両制御部と、
    備え、
    前記軌道生成部は、
    複数の軌道を生成する軌道候補生成部と、
    生成された前記複数の軌道を評価して評価軌道を得る第1評価部と、
    前記評価軌道が前記走行制御の定常域の範囲内か否かを判定する判定部と、
    前記評価軌道と、前回の出力軌道とを再評価して前記出力軌道を得る第2評価部と、
    を備え、
    前記第2評価部は、前記判定部により前記評価軌道が前記定常域の範囲内と判定された場合に前記再評価を実施する一方で、前記判定部により前記評価軌道が前記定常域を超えると判定された場合に前記再評価を実施せずに前記出力軌道として前記評価軌道を出力する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  4. 自車の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置であって、
    前記自車が走行する走行路の周辺環境を検出する検出部と、
    前記検出部の検出情報に基づき前記自車の経路と速度の情報を含む出力軌道を生成する軌道生成部と、
    生成された前記出力軌道に基づいて前記自車の走行を制御する車両制御部と、
    備え、
    前記軌道生成部は、
    複数の軌道を生成する軌道候補生成部と、
    生成された前記複数の軌道を評価して評価軌道を得る第1評価部と、
    前記評価軌道が前記走行制御の定常域の範囲内か否かを判定する判定部と、
    前記評価軌道を修正した比較軌道を生成する比較軌道生成部と、
    前記評価軌道と、前記比較軌道とを再評価して前記出力軌道を得る第2評価部と、
    を備え、
    前記第2評価部は、前記判定部により前記評価軌道が前記定常域の範囲内と判定された場合に前記再評価を実施する一方で、前記判定部により前記評価軌道が前記定常域を超えると判定された場合に前記再評価を実施せずに前記出力軌道として前記評価軌道を出力する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両制御装置において、
    前記第2評価部は、前記第1評価部よりも前記自車の操作量が少ない軌道を高く評価する
    ことを特徴とする車両制御装置。
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