JP6982310B2 - 静電容量センサ - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、センサ電極の他にダミー電極を用い、このダミー電極で外来電波ノイズを検知し、センサ電極に対する誤判定を防止する技術が開示されている。このダミー電極はセンサ電極に対するタッチ操作に影響されない程度に離れて配置され、ダミー電極の静電容量の変化が検出されると、センサ電極に対する操作有りの判定を破棄するようになっている。
また、特許文献3では、センサ電極の近傍にダミー電極を配置し、センサ電極の他にダミー電極の静電容量の値を検出し、ダミー電極の静電容量の変化量が所定の判定値を超えると、センサ電極に対するタッチの有無の判定を無効にするようにしている。
特許文献4では、ドアハンドル内にアンテナが配設されたドア開閉装置において、アンテナに対向して配置されるセンサ電極をU字状に形成している。
特許文献5では、ドアハンドル内にアンテナコイルが配設されたドアハンドル装置において、アンテナコイルの巻回軸方向に対して平行に延在するスリットを有するセンサ電極を用いている。
また、特許文献1乃至3に記載された装置では、複数のセンサ電極あるいはダミー電極を必要とし、電極構成や回路構成が複雑になるといった問題点がある。
電極接続線が接続された平板状のセンサ電極に高周波信号が入力され、前記センサ電極の容量に応じた判定電圧信号に基づいて前記センサ電極への人体の近接を検出する自己容量方式の静電容量センサにおいて、
前記センサ電極は、外周と内周がそれぞれ長辺と短辺を有する長方形状の周囲電極と、前記周囲電極の一方の短辺側の内周部に接続されて他方の短辺側に延びる少なくとも1本の舌片状の内側電極を有し、
前記電極接続線は、前記周囲電極の一方の短辺側に接続されている、
ことを特徴とする。
「前記内側電極の長さが、前記周囲電極の長さの1/2以上であること」、
「前記センサ電極は、前記内側電極を1〜3本有すること」、
「前記周囲電極の長辺部分と前記内側電極の間隔が0.7mm以上2.1mm以下であること」、
を特徴とすることを含む。
ADコンバータ41は、平滑回路30から入力された電圧信号S1をA/D変換し、判定信号S2として制御部42に出力する。
制御部42は、高周波信号生成部43に制御信号S3を出力する他、判定信号S2に基づき人体がドアハンドルに接触した(人体がセンサ電極22に近接した)と判断した場合には人の検知信号S4を出力する。
発振手段としての高周波信号生成部43は、制御部42から入力される制御信号S3に基づき、所定の周波数および所定のデューティ比の高周波信号S0をLCR共振回路20に出力する。高周波信号S0としては、矩形波状の高周波信号(概ね数百kHz)の他、正弦波や三角波等が用いられる。
そこで、本発明者はセンサ電極自体の形状に着目し、単一のセンサ電極でセンサ感度を犠牲にすることなく外来電波ノイズ対策を行えないか数多くの実験で検証した。その結果、多くの携帯電話キャリアで使用されている周波数帯(概ね700MHz〜1GHz)に対して特定の電極形状が特に有効であることを見出したものである。
以下に、本発明者が行った実験例を示しながら、本発明を説明する。
本実験例は、図2(a)〜(e)に示す5種類の平板状のセンサ電極22a〜eを用意し、電極接続線EWを介して接続された静電容量センサ1の誤動作レベルを測定したものである。センサ電極22a〜eの外形寸法は、一般的な車両のドアハンドル内に設置できるように、長さ70mm、幅12.5mmとした。
センサ電極22aはスリットのない基本形状であり、センサ電極22b〜eはセンサ電極22aに適宜のスリットSLが設けられている。これらのセンサ電極22a〜eは厚さが0.5mmであり、スリットSLの幅は全て0.7mmである。
なお、スリットSL以外の幅は各センサ電極内で一定であり、センサ電極22bは5.9mm、センサ電極c〜eは3.7mmである。
つまり、長方形状の平板電極に長辺方向のスリットを入れる場合、図2(b)、(c)のように外周に開放したスリットではなく、また、図2(d)のように外周に開放しないものの互いに独立した複数のスリットではなく、図2(e)のように外周に開放せず互いの一端部で連結したスリットを設けるのが良い。言い換えれば、外周と内周が長辺と短辺を有する長方形状の周囲電極22e1と、周囲電極22e1の一方の短辺側の内周部に接続されて他方の短辺側に延びる舌片状の内側電極22e2を有するものが良い。なお、ドアハンドル内への設置を前提として、本実験例で用いたセンサ電極よりも一回り大きいセンサ電極(長さ80mm、幅14mm)と一回り小さいセンサ電極(長さ60mm、幅11mm)を用いた場合にも、本実験例とほぼ同様の結果が得られている。
本実験例は、実験例1−5のセンサ電極22eの長辺方向と短辺方向の全てのスリットSLの幅を変えた2種類のセンサ電極を用意し、実験例1と同様に電極接続線EWを介して接続された静電容量センサ1の誤動作レベルを測定したものである。これらのセンサ電極の外形寸法は全て実験例1のものと同じであり、スリット以外の部分の幅は各センサ電極内で一定である。
なお、実験例2−1のセンサ電極は、全てのスリットの幅が1.4mm、スリット以外の部分の幅が約3.2mmである。また、実験例2−2のセンサ電極は、全てのスリットの幅が2.1mm、スリット以外の部分の幅が約2.8mmである。
なお、表2には比較のために関連性の高い実験例1−5の測定結果も併記している。
つまり、実験例1−5のセンサ電極22eのように周囲電極と舌片状の内側電極で構成したセンサ電極は、スリットSLの幅をある程度ラフに設定しても効果が得られることがわかる。具体的には、本実験例で用いたサイズのセンサ電極では、少なくともスリットSLの幅が0.7mm以上2.1mm以下の範囲で効果が得られる。なお、本実験例で用いたセンサ電極よりも一回り大きいセンサ電極(長さ80mm、幅14mm)と一回り小さいセンサ電極(長さ60mm、幅11mm)を用いた場合にも、ほぼ同様の結果が得られ、スリットの幅が0.7mm以上2.1mm以下であれば総合判定が良であった。
本実験例は、実験例1−5のセンサ電極22eの内側電極22e2の長さだけを変えた7種類のセンサ電極を用意し、実験例1と同様に電極接続線EWを介して接続された静電容量センサ1の誤動作レベルを測定したものである。これらのセンサ電極の外形寸法は全て実験例1のものと同じである。
なお、実験例3−5は、図3(f)のセンサ電極22fを用いたものであり、この内側電極22f2はセンサ電極22eの内側電極22e2の約2/3の長さである。
また、実験例3−6は、図3(g)のセンサ電極22gを用いたものであり、この内側電極22g2はセンサ電極22eの内側電極22e2の約1/2の長さである。
また、実験例3−7は、図3(h)のセンサ電極22hを用いたものであり、内側電極をなくしている。
なお、表3には比較のために関連性の高い実験例1−5の測定結果も併記している。
つまり、実験例1−5のセンサ電極22eのように周囲電極と舌片状の内側電極で構成したセンサ電極は、内側電極の長さを大幅に変更しても効果が得られることがわかる。具体的には、本実験例で用いたサイズのセンサ電極では、少なくとも内側電極の長さが31.0mm以上61.9mm以下の範囲で効果が得られる。なお、本実験例で用いたセンサ電極よりも一回り大きいセンサ電極(長さ80mm、幅14mm)と一回り小さいセンサ電極(長さ60mm、幅11mm)を用いた場合にも、ほぼ同様の結果が得られ、内側電極の長さが周囲電極の長さの1/2以上であれば総合判定が良であった。
一方、実験例3−7のセンサ電極22hのように内側電極をなくしてしまうと、スリットのない図2(a)のセンサ電極22aに対する優位性は認められない。
本実験例は、実験例1−5のセンサ電極22eの舌片状の内側電極の本数を変えた2種類のセンサ電極(図4(i)のセンサ電極22iと、図4(j)のセンサ電極22j)を用意し、実験例1と同様に電極接続線EWを介して接続された静電容量センサ1の誤動作レベルを測定したものである。これらのセンサ電極の外形寸法は全て実験例1のものと同じであり、スリット以外の部分の幅は各センサ電極内で一定である。
なお、実験例4−1のセンサ電極22iは、内側電極22i2が2本であり、スリット以外の部分の幅が2.6mmである。また、実験例4−2のセンサ電極22jは、内側電極22j2が3本であり、スリット以外の部分の幅が約1.9mmである。
なお、表5には比較のために関連性の高い実験例1−5の測定結果も併記している。
つまり、実験例1−5のセンサ電極22eのように周囲電極と舌片状の内側電極で構成したセンサ電極は、内側電極の本数をある程度任意に設定しても効果が得られることがわかる。具体的には、本実験例で用いたサイズのセンサ電極では、少なくとも内側電極の本数が1本から3本の範囲で効果が得られる。なお、本実験例で用いたセンサ電極よりも一回り大きいセンサ電極(長さ80mm、幅14mm)と一回り小さいセンサ電極(長さ60mm、幅11mm)を用いた場合にも、ほぼ同様の結果が得られ、内側電極の本数が1本から3本の範囲であれば総合判定が良であった。
実験例1−5では内側電極22e2の固定端側の周囲電極22e1に電極接続線EWを接続しているが、本実験例では図5に示すように内側電極22e2の自由端側の周囲電極22e1に電極接続線EWを接続している。
なお、表6には比較のために関連性の高い実験例1−5の測定結果も併記している。
また、内側電極の長さが、周囲電極の長さの1/2以上であるのが良い。
また、センサ電極には、内側電極を1〜3本設けるのが良い。
また、周囲電極の長辺部分と内側電極の間隔は0.7mm以上2.1mm以下とするのが良い。
10 センサ回路
20 LCR共振回路
21 インダクタ
22、22a〜j センサ電極
22e1、22f1、22g1、22h1、22i1、22j1 周囲電極
22e2、22f2、22g2、22i2、22j2 内側電極
23 固定抵抗
30 平滑回路
31 ダイオード
32 固定抵抗
33 コンデンサ
34 バッファ回路
40 マイコン
41 ADコンバータ
42 制御部
43 高周波信号生成部
EW 電極接続線
SL スリット
Claims (4)
- 電極接続線が接続された平板状のセンサ電極に高周波信号が入力され、前記センサ電極の容量に応じた判定電圧信号に基づいて前記センサ電極への人体の近接を検出する自己容量方式の静電容量センサにおいて、
前記センサ電極は、外周と内周がそれぞれ長辺と短辺を有する長方形状の周囲電極と、前記周囲電極の一方の短辺側の内周部に接続されて他方の短辺側に延びる少なくとも1本の舌片状の内側電極を有し、
前記電極接続線は、前記周囲電極の一方の短辺側に接続されている、
ことを特徴とする静電容量センサ。 - 前記内側電極の長さが、前記周囲電極の長さの1/2以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の静電容量センサ。 - 前記センサ電極は、前記内側電極を1〜3本有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量センサ。 - 前記周囲電極の長辺部分と前記内側電極の間隔が0.7mm以上2.1mm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静電容量センサ。
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