JP6980999B2 - 対象物の処理方法、および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
[2]前記パルスレーザー光のパルス幅が100ピコ秒以下である前記[1]に記載の対象物の処理方法。
[3]前記パルスレーザー光の波長が300〜400nmである前記[1]または[2]に記載の対象物の処理方法。
[4]工程(3)で照射される前記パルスレーザー光の波長における前記支持体の光透過率が50%以上である前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[5]工程(3)で照射される前記パルスレーザー光の波長における前記分離層の光透過率が30%以下である前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[6]前記分離層の厚さが、2μm以下である前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[7]前記積層体が、支持体と、レーザー光を吸収することにより変質する分離層と、接着層と、処理対象物とをこの順に有する前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[8]前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法により処理対象物を加工して半導体装置を製造する工程を有する、半導体装置の製造方法。
本発明の対象物の処理方法は、(1)支持体と、レーザー光を吸収することにより変質する分離層と、処理対象物とをこの順に、具体的には前記積層方向に有する積層体を形成する工程;(2)前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程;(3)前記支持体側から、前記分離層に、波長400nm以下でパルス幅1ナノ秒以下のパルスレーザー光を照射する工程;ならびに(4)前記支持体と前記対象物とを分離する工程を有する。
工程(1)では、前記積層体を形成する。積層体において、加工または移動対象である処理対象物が、仮固定材を介して、支持体上に仮固定されている。前記仮固定材は、一実施態様において、対象物および支持体により挟持されている。
仮固定材が接着層を有しない場合、積層体の形成方法としては、例えば、支持体面上に分離層を形成し、分離層上に対象物を形成する又は貼り合わせる方法が挙げられる。
加工(移動)対象である前記処理対象物としては、例えば、半導体ウエハ、半導体チップ、ガラス基板、樹脂基板、金属基板、金属箔、研磨パッド、樹脂塗膜、配線層が挙げられる。半導体ウエハおよび半導体チップには、バンプ、配線、スルーホール、スルーホールビア、絶縁膜および各種の素子から選ばれる少なくとも1種が形成または搭載されていてもよい。前記基板には、各種の素子が形成または搭載されていてもよい。樹脂塗膜としては、例えば、有機成分を主成分として含有する層が挙げられ;具体的には、感光性材料から形成される感光性樹脂層、絶縁性材料から形成される絶縁性樹脂層、感光性絶縁樹脂材料から形成される感光性絶縁樹脂層が挙げられる。
支持体としては、工程(3)で支持体側から光照射をして分離層を変質させるため、波長400nm以下のパルスレーザー光を透過する基板が好ましく、工程(3)で照射されるパルスレーザー光の波長における光透過率が、例えば波長355nmにおける光透過率が、好ましくは50%以上、より好ましくは70〜100%、さらに好ましくは80〜100%である。支持体としては、例えば、ガラス基板、石英基板および透明樹脂製基板が挙げられる。支持体の厚さは特に限定されないが、例えば0.1〜2mmである。
前記積層体は、分離層を有する。分離層は、波長400nm以下のパルスレーザー光を吸収することにより変質する層である。分離層にパルスレーザー光を照射すると、その含有成分が当該光を吸収して、例えば、分離層を構成する重合体等が分解することにより変質する。この変質により、分離層の強度または接着力が光照射の前後で低下する。積層体に外力を加えることにより、分離層内で凝集破壊が起こり、または分離層と当該層に接する層との間で界面破壊が起こる。したがって、パルスレーザー光照射処理後の積層体に外力を加えることにより、支持体と対象物とを容易に分離することができる。
前記積層体は、接着層を有してもよい。このように2層以上の層を有する仮固定材は、例えば対象物が有する回路面の保護、支持体と対象物との接着性・分離性、光照射処理時に使用される光の遮断性、および加工処理時・光照射処理時における耐熱性等の機能をバランス良く有することができる。また、積層体が接着層を有することで、光照射を受けた分離層での発熱による処理対象物への悪影響を抑制することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、レゾール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、(メタ)アクリロイル基含有樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリベンゾオキサゾール樹脂が挙げられる。
仮固定材は、分離層および接着層の他に、任意の他の層を有していてもよい。分離層と接着層との間に中間層を設けてもよく、また分離層と支持体との間または接着層と対象物との間に他の層を設けてもよい。特に、分離層および接着層からなる2層の仮固定材が好ましい。
工程(2)は、支持体上に仮固定された対象物を加工し、および/または得られた積層体を移動する工程である。移動工程は、半導体ウエハ等の対象物を、ある装置から別の装置へ支持体とともに移動する工程である。支持体上に仮固定された対象物の加工処理としては、例えば、ダイシング、裏面研削等の対象物の薄膜化、フォトファブリケーション、半導体チップの積層、各種素子の搭載、樹脂封止が挙げられる。フォトファブリケーションは、例えば、レジストパターンの形成、エッチング加工、スパッタ膜の形成、メッキ処理およびメッキリフロー処理から選ばれる1つ以上の処理を含む。エッチング加工およびスパッタ膜の形成は、例えば、25〜300℃程度の温度範囲で行われ、メッキ処理およびメッキリフロー処理は、例えば、225〜300℃程度の温度範囲で行われる。対象物の加工処理は、仮固定材の保持力が失われない温度で行えば特に限定されない。
対象物の加工処理または積層体の移動後は、支持体側から、分離層に、波長400nm以下でパルス幅1ナノ秒以下のパルスレーザー光を照射する。光照射により、分離層の含有成分が前記光を吸収して分離層が変質し、分離層の強度および接着力が低下する。したがって、分離層に対する光照射の後であれば、仮固定材に対する加熱処理を特に必要とすることなく、支持体と対象物とを容易に分離することができる。
パルスレーザー光の照射ピッチは、隣接するビームスポットが重ならず、かつ分離層を変質させることが可能なピッチであればよく、好ましくは20〜300μm、より好ましくは50〜250μmである。
パルスレーザー光の周波数は、好ましくは20kHz以上、より好ましくは30〜2000kHzである。
工程(4)では、対象物または支持体に力を付加することで、前記支持体から前記対象物を剥離するなどして、両者を分離する。なお、工程(3)の光照射を終えた後に、工程(4)の分離を行うことが好ましいが、工程(3)の光照射を行いながら、工程(4)の分離を行ってもよい。
本発明では、上述したように、主に分離層において対象物と支持体との分離が起こる。対象物がバンプを有する場合、分離工程時にバンプの破損を防止することができる。
支持体と対象物とを分離した後には、接着層および分離層等の仮固定材が対象物上に残存している場合がある。分離工程後の対象物上に残存する仮固定材は、剥離処理により除去することができ、また、溶剤で洗浄して除去することができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、本発明の対象物の処理方法により処理対象物を加工して半導体装置を製造する工程を有する。前記仮固定材は、対象物を加工して得られた、半導体素子等の半導体装置を支持体から分離した後、剥離処理または溶剤処理により容易に除去できる。このため、前記半導体装置では、分離時の光照射による劣化が小さく、また仮固定材による、シミおよび焦げ等の汚染が低減されたものとなっている。
Claims (8)
- (1)支持体と、レーザー光を吸収することにより変質する分離層と、処理対象物とをこの順に有する積層体を形成する工程;
(2)前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程;
(3)前記支持体側から、前記分離層に、波長400nm以下でパルス幅1ナノ秒以下のパルスレーザー光を照射する工程;ならびに
(4)前記支持体と前記対象物とを分離する工程;
を有し、
前記分離層は、オレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、石油樹脂、ノボラック樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フェノキシ樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、および熱可塑性ポリベンゾオキサゾール樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂、または共役ジエン重合体ゴムであるエラストマーである重合体を含有する、対象物の処理方法。 - 前記パルスレーザー光のパルス幅が100ピコ秒以下である請求項1に記載の対象物の処理方法。
- 前記パルスレーザー光の波長が300〜400nmである請求項1または2に記載の対象物の処理方法。
- 工程(3)で照射される前記パルスレーザー光の波長における前記支持体の光透過率が50%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
- 工程(3)で照射される前記パルスレーザー光の波長における前記分離層の光透過率が30%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
- 前記分離層の厚さが、2μm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
- 前記積層体が、支持体と、レーザー光を吸収することにより変質する分離層と、接着層と、処理対象物とをこの順に有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の対象物の処理方法により処理対象物を加工して半導体装置を製造する工程を有する、半導体装置の製造方法。
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