JP6979193B2 - α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体の合成方法 - Google Patents

α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体の合成方法 Download PDF

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Description

本発明は、α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体及びエポジムノラクタムの簡易な合成方法に関する。
エポジムノラクタム((+)-Epogymnolactam)は、北海道大学の研究グループによりモリノカレバタケの一種Gymnopus sp. から単離・構造決定したオートファジーを誘導する生理活性を持つ天然有機化合物である。本化合物は、水やメタノール中で環状のラクタム(化合物1a)と鎖状のδ−ケトアミド(化合物1b)の平衡状態で存在することを特徴とする。オートファジー(自食作用)とはタンパク質などの細胞成分の自己分解機構であり、さまざまな生理機能のほか、ガンや神経系の病気にも関与しており医学や生物学などにおいて重要である。
Figure 0006979193
Ubukataらは、エポジムノラクタムを単離・構造決定し(非特許文献1)、引き続いて合成研究を行い、その全合成を報告した(非特許文献2)。合成経路は以下の反応式の通りである。なお、現在のところ、全合成の報告はこの1例のみである。
Figure 0006979193
ここで、従来のラクトン合成法について記述する。α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体の光学活性体合成の手法としては、これまでにさまざまなものが報告されている。例えば、Evans らは、2-(trimethylsilyloxy)furanに対する、触媒 [Cu(Ph-pybox)](SbF6)2を用いる立体選択的なアルドール反応により、直接α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体を合成することが可能であることを報告している(非特許文献3)。
また、Harckenらが報告した合成方法、β,γ−不飽和エステルに対するシャープレス不斉ジヒドロキシ化は、ラクトン化を伴い、光学活性β−ヒドロキシ−γ−ラクトンを得ることができ、その後の脱水を経て、目的のα,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体を得ることができる良い反応である(非特許文献4)。
Leffray らは、シャープレス不斉ジヒドロキシ化をビニルスルホンに対して適用することでα−ヒドロキシアルデヒドを得て、その後α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体に導く方法を報告している(非特許文献5)。また、Fujiiらは、リパーゼによる光学分割を用いる手法と閉環メタセシスを組み合わせた優れた手法を報告している(非特許文献6)。
また、金属触媒を用いたヘテロアリル不斉アルキル化と閉環メタセシスを組み合わせた手法がFeringaらによって報告されている(非特許文献7)。
また、Devalankarらにより、最近安価なアミノ酸であるプロリンを触媒として用いたα−アミノオキシ化と、引き続くZ選択的Wittig-Horner反応を用いる合成例が報告された(非特許文献8)。
S. Mitsuhashi, C. Shindo, K. Shigetomi, T. Miyamoto, M. Ubukata, J. Antibiot., 2015, 114, 155-159. Y. Okado, K. Shigetomi, S. Mitsuhashi, M. Ubukata, J. Antibiot., 2015, 68, 721-724. D. A. Evans, M. C. Kozlowski, J. A. Murry, C. S. Burgey, K. R. Campos, B. T. Connell, and R. J. Staples, J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 669-685. (a) C. Harcken, R. Bruckner, Angew. Chem. Int. Ed. 1997, 36, 2750-2752. (b) S. Braukmuller, R. Bruckner, Eur. J. Org. Chem. 2006, 2110-2118. P. Evans, M. Leffray, Tetrahedron 2003, 59, 7973-7981. M. Fujii, M. Fukumura, Y. Hori, Y. Hirai, H. Akita, K. Nakamura, K. Toriizuka, Y. Ida, Tetrahedron: Asymmetry 2006, 17, 2292-2298. B. Mao, K. Geurts, M. Fananas-Mastral, A. W. van Zijl, S. P. Fletcher, A. J. Minnaard, B. L. Feringa, Org. Lett., 2011, 13, 948-951. D. A. Devalankar, P. V. Chouthaiwale, A. Sudalai, Tetrahedron: Asymmetry 2012, 23, 240-244.
非特許文献2に開示されている合成方法は、過去に報告されたセルレニンの合成経路を基盤としたもので、エポジムノラクタム の両鏡像体に適用可能であり、エポジムノラクタムやその誘導体の合成法としては優れていると言える。しかしながら、エポキシド構造を合成の当初から導入している経路であるため、エポジムノラクタム以外のさまざまな有機化合物群の合成に適用することはできない。
非特許文献3に開示されている合成方法は、δ−位に生じる不要なヒドロキシル基を除く必要があり、使える場面は限られる。
非特許文献4に開示されている合成方法は、原料の入手法に関して選択肢が少なく、また、光学純度が97%を超える例は少ない。
非特許文献5及び6に開示されている合成方法は、適用範囲が限られる。
非特許文献7に開示されている合成方法は、ヘテロアリル不斉アルキル化の出発物質の入手法が限られるなど、一般性に欠けるところがある。
非特許文献8に開示されている合成方法は、高価なZ選択的Wittig-Horner試薬を用いなければならないという問題があった。
従って本発明の目的は、実験操作が簡便であり、従来の合成法よりも効率的なエポジムノラクタムの合成方法を提供することにある。
また、本発明の付随的な目的は、エポジムノラクタム以外の有用物質の合成にも適用可能な、エポジムノラクタムの中間体α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体の合成方法を提供することにある。
本発明は、エポジムノラクタムの合成方法であって、ヘキサナールを有機触媒の存在下α−アミノオキシ化した後、溶媒をジクロロメタンで希釈し、Wittig試薬を投入して炭素鎖を伸長する工程と、前記ジクロロメタンの大部分をメタノールに置換した後、酢酸銅(II)を触媒としてN-O結合を切断し、ヒドロキシエステル(化合物2)を得る工程と、アルケンの異性化を伴うラクトン化を行い、α,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)へ変換する工程と、得られたα,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)を立体選択的にエポキシ化し、エポキシラクトン(化合物4)を合成する工程と、アンモニアによる開環、引き続き酸化を行いエポジムノラクタム(化合物1)を得る工程と、を有することを特徴とする、エポジムノラクタムの合成方法を提供するものである。
Figure 0006979193
また、α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体の合成方法であって、ヘキサナールなどのアルデヒドを有機触媒の存在下α−アミノオキシ化した後、溶媒をジクロロメタンで希釈し、Wittig試薬を投入して炭素鎖を伸長する工程と、前記ジクロロメタンの大部分をメタノールに置換した後、酢酸銅(II)を触媒としてN-O結合を切断し、ヒドロキシエステル(化合物2)を得る工程と、アルケンの異性化を伴うラクトン化を行い、α,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)へ変換する工程と、を有する事を特徴とする、α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体の合成方法を提供するものである。
Figure 0006979193
本発明によれば、α−アミノオキシ化の触媒を変更することでエポジムノラクタムの両鏡像体の合成に適用可能である点や、実験操作が簡便である点で、従来の合成法よりも効率的である。また、エポジムノラクタムの合成方法の中間体であるα,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体は、エポジムノラクタム以外の有用物質の合成にも適用できる点について大変優れたものである。本発明は、α−アミノオキシ化とWittig反応をワンポットで行い、そして、E,Zの異性化を伴うラクトン化で目的のα,β−不飽和−γ−ラクトンを得る手法であり、高価なZ選択的Wittig-Horner試薬を用いず、安価なWittig試薬を用いる点で優れている。
以下、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
1.合成計画
エポジムノラクタムの合成経路として、α,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)を重要な中間体とした下記式のような計画を立案した。まずα,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)の光学活性体合成のためには、その環化前駆体のヒドロキシカルボン酸を光学純度良く得る必要があるが、そのための方法として、有機触媒、特にプロリンを触媒としたアルデヒド(安価に入手可能なヘキサナール)のα−アミノオキシ化を利用する。
その後は、比較的安価に入手可能なWittig試薬(安定イリド)を用いたWittig反応により炭素鎖を伸長した後、酢酸銅(II)を触媒としてN-O結合を切断し、ヒドロキシエステル(化合物2)を得る。これら一連の反応は同一の容器内(one-pot)で行うことで効率化を計る。
得られるヒドロキシエステル(化合物2)の二重結合は、トランス体(E-体)が主であるが、エステルの加水分解に引き続いてアルケンの異性化を伴うラクトン化を行い、重要な中間体であるα,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)へ変換する。
このようにして得られたα,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)は、立体選択的にエポキシ化し、エポキシラクトン(化合物4)とした後、公知の手法、すなわち、アンモニアによる開環、引き続き酸化を行いエポジムノラクタム(化合物1)を得るという計画である。
α−アミノオキシ化の触媒をL−プロリンからD−プロリンに変えることで、鏡像体の合成にも適用可能な計画であり、また、中間体であるα,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)は他のさまざまな有機化合物の前駆体となる有用な化合物である。
2.エポジムノラクタムの合成
(1)炭素鎖を伸長する工程
アルデヒドにL−プロリンを触媒としたα−アミノオキシ化を有機溶媒中で行い、有機溶媒をジクロロメタンで希釈した後、Wittig試薬を投入し炭素鎖を伸長する。
前記アルデヒドとしては、炭素数3つ以上のアルキルアルデヒドで、アルデヒド基の隣にメチレン基(CH2)を持つものであれば適用可能である。具体的には、例えば、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール等を挙げることができる。
前記有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、プロピオニトリル、メタノール、エタノール又はニトロメタン等が挙げられ、好ましくはジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等を挙げることができ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
Wittig試薬は、Ph3P=CHCO2MeまたはPh3P=CHCO2Etなどを使用することができる。
(2)光学活性エステル(化合物2)を得る工程
さらに、ジクロロメタンの大部分をメタノールに置換した後、酢酸銅(II)を触媒にN-O結合を切断することで光学活性エステル(化合物2)を合成する。
これらの変換はone potで行い、ヒドロキシエステル(化合物2a及び2b)をそれぞれ54%、52%の収率(3 steps)で得ることができる。この反応の過程でラクトン(化合物3)も微量生成する。これはWittig反応の際に生じたZ体の化合物がラクトン化して生じたと考えられる。Wittig反応の際にしばしば問題となるアルケンのEZ選択性であるが、本実施形態においては、引き続いてアルケンの異性化を伴ってラクトン(化合物3)へと導くため問題にはならず、分離せず次の反応に用いることができる。
Figure 0006979193
(3)α,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)への変換
次に、ヒドロキシエステル(化合物2a及び2b)をアルカリ加水分解する。得られたヒドロキシカルボン酸は、それぞれ未精製のままピリジン溶媒中で塩化2,4,6-トリクロロベンゾイルを反応させ、アルケンの異性化を伴うラクトン化により、重要中間体α,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)へと変換する。
(4)エポキシラクトン(化合物4)を合成する工程
次にα,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)は次亜塩素酸ナトリウムにより立体選択的にエポキシ化することでエポキシラクトン(化合物4)へと導く。なお、(R)-3はキラル充填剤を用いたカラム(ダイセル社CHIRALCEL OJ-H)を用いたHPLC分析により約98% eeの高い光学純度(鏡像体過剰率)であることを確認した(なお、分析に用いた(S)-3は、α−アミノオキシ化の触媒をL−プロリンからD−プロリンへ変更することで合成することができる)。
Figure 0006979193
(5)エポジムノラクタム(化合物1)を得る工程
エポキシラクトン(化合物4)を得た後の合成法は、基本的に公知の手法(Y. Okado, K. Shigetomi, S. Mitsuhashi, M. Ubukata, J. Antibiot., 2015, 68, 721-724.)に基づいて実施することができる。すなわち、エポキシラクトン(化合物4)をアンモニアにより開環しヒドロキシアミド(化合物5)とした後、Dess-Martin酸化によって(+)-エポジムノラクタム(化合物1)を得る。
Figure 0006979193
合成によって得られた(+)-エポジムノラクタム(化合物1)の1H-NMRスペクトルデータは文献値と一致した。
1.分析条件等
NMRスペクトルはJNM-ECX400(1H-NMRは400 MHz、13C-NMRは100 MHz)で測定した。フラッシュカラムクロマトグラフィーに用いたシリカゲルはKANTO CHEMICAL CO., INC Silica Gel 60 N (spherical, neutral) である。薄層クロマトグラフィーにはMerck Kieselgel 60 F254を用いた。反応に用いた乾燥溶媒はすべて和光純薬工業株式会社製である。
2.製造例
(1)(R,E)-Methyl 4-hydroxyoct-2-enoate(ヒドロキシエステル:化合物2a)
Nitorosobenzene (293 mg, 2.76 mmol, 1.5 eq) のdry DMSO (10 mL) 溶液にhexanal (0.190 g, 1.90 mmol) とL-proline (50.3 mg, 0.437 mmol, 0.2 eq) を加え、アルゴン雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応溶液を0℃に冷却し、dry CH2Cl2 (40 mL) で希釈した後、Ph3P=CHCO2Me (2.025 g, 6.06 mmol, 3.2 eq) を加え、さらに0℃で3時間撹拌した。その後CH2Cl2を留去し、MeOH (ca. 50 mL) とCu(OAc)2 (0.134 g, 0.74 mmol, 0.4 eq) を加えて室温で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、sat. NH4Cl aq. (ca. 20 mL) を加え、EtOAc (30 mL × 3) で抽出した。合わせた有機層はbrine (ca. 10 mL) で洗い、MgSO4で乾燥した後、吸引ろ過、さらに少量のシリカゲルを用いてろ過後、減圧濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物はフラッシュカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 2 : 1, 302 g) により精製しヒドロキシエステル(化合物2a)(178.3 mg, 55%)を得た。
Figure 0006979193
1H-NMR (CDCl3 / TMS) : δ = 0.91 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 1.29-1.47 (m, 4 H), 1.53-1.66 (m, 2 H, OH), 4.28-4.35 (m, 1 H), 6.04 (dd, J = 1.8, 15.6 Hz, 1 H), 6.96 (dd, J = 4.8, 15.8 Hz, 1 H)
(2)(R,E)-Ethyl 4-hydroxyoct-2-enoate(ヒドロキシエステル:化合物2b)
Nitorosobenzene (286 mg, 2.67 mmol, 1.5 eq) のdry DMSO (10 mL) 溶液にhexanal (213.9 mg, 2.14 mmol) とL-proline (46.7 mg, 0.406 mmol, 0.2 eq) を加え、アルゴン雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応溶液を0 ℃に冷却した後、dry CH2Cl2 (40 mL) で希釈した後、Ph3P=CHCO2Et (2.03 g, 5.84 mmol, 2.7 eq) を加え、さらに0℃で3時間撹拌した。その後CH2Cl2を留去し、MeOH (ca. 50 mL) とCu(OAc)2 (122 mg, 0.672 mmol, 0.3 eq) を加えて室温で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、sat. NH4Cl aq. (ca. 20 mL) を加え、EtOAc (30 mL × 3) で抽出した。合わせた抽出液はbrine (ca. 10 mL) で洗い、MgSO4で乾燥した後、吸引ろ過、さらに少量のシリカゲルを用いてろ過後、減圧濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物はフラッシュカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 2 : 1, 300 g) により精製しヒドロキシエステル(化合物2b)(208.6 mg, 52%)を得た。
Figure 0006979193
1H-NMR (CDCl3 / TMS) : δ = 0.91 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 1.30 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 1.32-1.48 (m, 4 H), 1.52-1.77 (m, 4 H including OH), 4.20 (q, J = 6.9, 7.3 Hz, 2 H), 4.28-4.34 (m, 1 H), 6.03 (dd, J = 1.4, 15.6 Hz, 1 H), 6.95 (dd, J = 5.0, 16.0 Hz, 1 H)
13C-NMR (CDCl3): δ = 13.9, 14.2, 22.5, 27.3, 36.3, 60.4, 71.1, 120.1, 150.2, 166.6
(3)(R)-5-Butylfuran-2(5H)-one(α,β−不飽和−γ−ラクトン:化合物3)
ヒドロキシエステル(化合物2b)(431.8 mg, 2.22 mmol) の2-propanol (6 mL)溶液に、2 M NaOH (2.3 mL, 4.6 mmol, 2.0 eq) を加え室温で3時間撹拌した。2-propanolを留去した後、2 M HCl (ca. 10 mL) を加えEtOAc (30 mL × 3) で抽出した。合わせた抽出液はbrine (ca. 10 mL) で洗いMgSO4で乾燥した後、吸引ろ過、減圧濃縮することで中間体カルボン酸を得た。得られたカルボン酸はtoluene共沸によって乾燥した後、精製せず次の反応を行った。すなわち、カルボン酸にdry pyridine (4.5 mL) を加え0℃に冷却した後、2,4,6-trichlorobenzoyl chloride (0.631 g, 2.59 mmol, 1.1 eq) を滴下し、塩化カルシウム管のもと、0℃で1.5時間撹拌した。反応液にsat. NaHCO3 aq. (ca. 15 mL) を加えEtOAc (30 mL × 3) で抽出した。合わせた抽出液はbrine (10 mL) で洗いMgSO4で乾燥した後、吸引ろ過、減圧濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物はフラッシュカラムクロマトグラフィー (petoleum ether : Et2O = 2 : 3, 300 g) により精製しα,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)(219.7 mg, 68%)を得た。
Figure 0006979193
1H-NMR (CDCl3 / TMS) : δ = 0.92 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 1.30-1.512 (m, 4 H), 1.63-1.83, m, 2 H), 5.01-5.07 (m, 1 H), 6.11 (dd, J = 2.1, 5.7 Hz, 1 H), 7.45 (dd, J = 1.6, 5.7 Hz, 1 H)
(4)(1R,4R,5R)-4-Butyl-3,6-dioxabicyclohexan-2-one(エポキシラクトン:化合物4)
α,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)(166.4 mg, 1.19 mmol) のpyridine (4.8 mL) 溶液に、氷冷下5% NaOCl aq. (4.1 mL, 2.73 mmol, 2.3 eq) を加え1時間撹拌した。反応容器を氷浴から外し、さらに1時間室温で撹拌した。反応液にsat. NaHCO3 (ca.10 mL) を加えEt2O (50 mL) で抽出し、再度Et2O (20 mL) で抽出した。水層は2 M HClで酸性にした後、さらにCH2Cl2 (20 mL × 8) で抽出した。合わせた抽出液はMgSO4で乾燥した後、吸引ろ過、減圧濃縮し粗生成物を得た。粗生成物はフラッシュカラムクロマトグラフィー (petoleum ether : Et2O = 1:1, 300 g), (petoleum ether : Et2O = 1:1, 53 g)により精製しエポキシラクトン(化合物4)(95.8 mg, 52%)を得た。
Figure 0006979193
1H-NMR (CDCl3 / TMS) : δ = 0.93 (t, J = 7..1 Hz, 3 H), 1.33-1.51 (m, 4 H), 1.54-1.80 (m, 2 H), 3.78 (dd, J = 0.90, 1.8 Hz, 1 H), 3.96 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 4.57 (t, J = 6.6 Hz, 1 H)
(5)(2R,3R,4R)-2,3-epoxy-4-hydroxyoctanamide(ヒドロキシアミド:化合物5)
エポキシラクトン(化合物4) (136.4 mg, 0.873 mmol) のMeOH (1.8 mL)溶液に、氷冷下28% NH3 aq. (0.165 mL, 2.71 mmol, 3.1 eq) を加え5.5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー (CHCl3 : MeOH = 10 : 1, 138 g) により精製し、ヒドロキシアミド(化合物5)(127.5 mg, 84%)を得た。
Figure 0006979193
1H-NMR (CDCl3 / TMS) : δ = 0.92 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.29-1.58 (m, 4 H), 1.61-1.73 (m, 2 H), 2.67 (s, OH), 3.13 (dd, J = 4.8, 8.0 Hz, 1 H), 3.42-3.51 (m, 1 H), 3.55 (d, J = 4.6 Hz, 1 H), 6.00 (s, NH2), 6.19 (s, NH2)
(6)(1R,5S)-4-butyl-4-hydroxy-6-oxa-3-azabicyclo[3.1.0]hexan-2-one (left) and (2R,3R)-2,3-epoxy-4-oxooctanamide (right)(エポジムノラクタム:化合物1a、1b)
ヒドロキシアミド(化合物5)(127.5 mg, 0.736 mmol)のdry CH2Cl2 (5.8 mL) 溶液に、氷冷下Dess-Martin periodinane(デス・マーチン・ペルヨージナン:1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンズヨードキソール-3(1H)-オン)(0.440 g, 1.04 mmol, 1.4 eq) を加えアルゴン雰囲気下2.5時間撹拌した。反応液に10% Na2S2O3 aq. (ca. 10 mL) とsat. NaHCO3 aq (ca. 20 mL) を加えしばらく撹拌した後、EtOAc (30 mL × 4) で抽出した。合わせた抽出液は10% Na2S2O3 aq. (ca. 10 mL)、sat. NaHCO3 aq. (ca. 20 mL)、brine (ca. 10 mL) で洗い、MgSO4で乾燥した後、吸引ろ過、減圧濃縮により粗生成物を得た。粗生成物はフラッシュカラムクロマトグラフィー (CHCl3 : MeOH = 15 : 1, 53 g ) により精製し、エポジムノラクタム(化合物1a、1b)(89.5 mg, 71%)を得た。


Figure 0006979193
1H-NMR (CD3OD) : δ = 0.90 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 0.94 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.28-1.43 (m, 4 H), 1.47-1.67 (m, 6 H), 1.70-1.80 (m, 6 H), 2.52-2.72 (m, 2 H), 3.55 (d, J = 2.7 Hz, 1 H, 1c), 3.57 (d, J = 2.7 Hz, 1 H, 1a), 3.70 (d, J = 5.5 Hz, 1 H, 1b), 3.79 (d, J = 2.7 Hz, 1 H, 1c), 3.83 (d, J = 2.7 Hz, 1 H, 1a), 3.88 (d, J = 5.5 Hz, 1 H, 1b)

Claims (4)

  1. 有機溶媒中で、
    (1)下式に示すように、R−CHCHO(式中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基またはペンチル基を表す。)で表されるアルデヒドを有機触媒であるプロリンを加えてα−アミノオキシ化し、中間体である化合物2'を経て、有機溶媒をジクロロメタンで希釈し、Wittig試薬であるPhP=CHCOOR'(式中、R'は、アルキル基を表す。)を投入してWittig反応を行った後、該ジクロロメタンの大部分をメタノールに置換した後、触媒として酢酸銅(II)を加えてN-O結合を切断し、ヒドロキシエステル(化合物2)を得る工程と、
    Figure 0006979193
    (2)下式に示すように、ヒドロキシエステル(化合物2)を、アルカリ加水分解した後、ピリジン溶媒中で又は溶媒にピリジンを加えて、塩化2,4,6−トリクロロベンゾイルと反応させて、ラクトン化を行い、α,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3)へ変換する工程と、
    Figure 0006979193
    から成る、α,β−不飽和−γ−ラクトン誘導体の合成方法。
  2. 前記有機溶媒が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、プロピオニトリル、メタノール、エタノール若しくはニトロメタン又はこれら2種以上の混合である、請求項1に記載の合成方法。
  3. 前記アルデヒドをヘキサナールとする請求項1に記載の合成方法に続いて、更に、下記工程(3)及び(4)を含む、エポジムノラクタムの合成方法。
    (3)下式に示すように、前記工程(2)で得たα,β−不飽和−γ−ラクトン(化合物3')を、次亜塩素酸ナトリウムを加えて立体選択的にエポキシ化し、エポキシラクトン(化合物4)を合成する工程、及び
    Figure 0006979193
    (4)下式に示すように、エポキシラクトン(化合物4)をアンモニアを加えて開環しヒドロキシアミド(化合物5)とした後、デス・マーチン・ペルヨージナン(Dess-Martin Periodinane)を加えて酸化することによりエポジムノラクタム(化合物1)を得る工程
    Figure 0006979193
  4. 前記有機溶媒が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、プロピオニトリル、メタノール、エタノール若しくはニトロメタン又はこれら2種以上の混合である、請求項3に記載の合成方法。
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