JP6977370B2 - 変圧器 - Google Patents

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Description

本発明は、変圧器に関し、特に、アモルファス合金薄帯を多層に巻回した巻鉄心を備える変圧器に関する。
変圧器は、電磁誘導を利用して交流電力の電圧を変換する機器であり、磁気回路を構成する鉄心と、電気回路を構成する巻線(コイル)とを備えている。このような変圧器においては、鉄心として、アモルファス合金薄帯を多層に巻回した巻鉄心を採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようにアモルファス合金薄帯を用いることで、損失が少なく、磁気的な特性が優れた鉄心を構成することができる。特許文献1の巻鉄心は、2本の脚部と、これら脚部の上端部間及び下端部間を連結する2本の継鉄部とを備え、各脚部及び各継鉄部で囲まれる開口部を形成している。
また、アモルファス合金薄帯を使用した巻鉄心としては、開口部を形成する内側鉄心部の外周側に外側鉄心部を設けた構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、オーバーラップ方式を採用し、外側鉄心部にて巻回するアモルファス合金薄帯の両端部が相互に重なり合うようにして接合している。
ここで、アモルファス合金薄帯は、製造上の理由からその板厚が極めて薄く、剛性に乏しくなる。このため、アモルファス合金薄帯を多層に巻回した巻鉄心では、上方の継鉄部における外側鉄心部を十分に支えられずに変形や歪みが生じ易くなり、巻鉄心の磁気特性が劣化する可能性が高くなる。そこで、上方の継鉄部における内側鉄心部と外側鉄心部との間にプレート部材を設け、外側鉄心部を下方から支持する構成が知られている。
特開2000−21642号公報 特開2007−5470号公報
しかしながら、上記のようにプレート部材を設けた場合、変圧器の輸送や地震等で外力が作用すると、プレート部材が内側鉄心部と外側鉄心部との間で動いてしまう、という問題がある。このようにプレート部材が動くと巻鉄心に変形等が生じ、結果として巻鉄心の磁気特性が劣化する、という問題がある。また、巻鉄心においては、輸送や地震等によってオーバーラップの接合部が開く方向に変形し、巻鉄心としての磁気特性が低下する、という問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、巻鉄心の変形等を防止することができる変圧器を提供することを目的とする。
本発明における変圧器は、アモルファス合金薄帯をオーバーラップ方式で巻回して開口部が形成された巻鉄心と、前記巻鉄心に挿入された巻線とを備えた変圧器であって、前記巻鉄心は、前記オーバーラップ方式にて複数枚のアモルファス合金薄帯を積層した単位積層体が複数巻回され、複数の前記単位積層体の両端部は、それぞれ重ね合わされてオーバーラップ領域として形成され、前記複数の単位積層体全てにおける前記オーバーラップ領域とその近傍位置の少なくとも一方には、前記オーバーラップ領域における前記複数の単位積層体の相対的な変位を規制する固定部材が積層されていることを特徴とする。また、本発明における変圧器は、アモルファス合金薄帯をオーバーラップ方式で巻回して開口部が形成された巻鉄心と、前記巻鉄心に挿入された巻線とを備えた変圧器であって、前記巻鉄心は、前記オーバーラップ方式にて複数枚のアモルファス合金薄帯を積層した単位積層体が複数巻回され、複数の前記単位積層体の両端部は、それぞれ重ね合わされてオーバーラップ領域として形成され、前記オーバーラップ領域とその近傍位置の少なくとも一方には、前記オーバーラップ領域における前記複数の単位積層体の相対的な変位を規制する固定部材が積層され、前記固定部材は、該固定部材が接触する接触対象物より摩擦係数が高い表面を有していることを特徴とする。
このような構成によれば、巻鉄心のオーバーラップ領域やその近傍に固定部材を積層したので、変圧器の輸送や地震等によって外力が作用しても、巻鉄心におけるオーバーラップでの接合部が開く方向に変形することを防止することができる。
また、本発明において、前記巻鉄心は、前記開口部を形成する内側鉄心部と、その外周側に配置される外側鉄心部とを備えて上下方向に延在する複数の脚部と、該複数の脚部の上端部間を連結する上継鉄部及び下端部間を連結する下継鉄部とを含む形状に形成され、前記上継鉄部における前記内側鉄心部と前記外側鉄心部との間にコア間プレートを更に備え、該コア間プレートと前記内側鉄心部との相対的な変位を規制するコア間プレート用固定部材が設けられているとよい
このような構成によれば、コア間プレートと内側鉄心部との相対的な変位を規制する固定部材を積層したので、変圧器の輸送や地震等によって外力が作用しても、相対的な変位に起因して巻鉄心が変形することを防止することができる。
本発明の変圧器によれば、巻鉄心のオーバーラップ領域周りやコア間プレート周りに固定部材を積層したので、巻鉄心が変形することを防止することができる。
本実施の形態に係る変圧器の要部を示す正面図である。 本実施の形態に係る変圧器の製造工程の説明図である。 本実施の形態に係る変圧器の製造工程の説明図である。 本実施の形態に係る変圧器の製造工程の説明図である。 本実施の形態に係る変圧器の製造工程の説明図である。 図6Aは外側鉄心部の単位積層体が積層及び接合した状態の一部を示す模式図、図6Bは図6Aの平面図である。 本実施の形態に係る変圧器の製造工程の説明図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る変圧器について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下においては、本発明をモールド変圧器に適用する場合について説明する。しかしながら、本発明の適用対象は、モールド変圧器に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、モールド変圧器以外の乾式変圧器(例えば、H種乾式変圧器)やガス絶縁変圧器及び油入変圧器に適用することもできる。
図1は、本実施の形態に係る変圧器の要部を示す正面図である。図1に示す変圧器1は、磁気回路を構成する鉄心10と、電気回路を構成する巻線(コイル)20と、鉄心10の一部を収容するフレーム30とを含んで構成されている。図1においては、3つの巻線20に挿入した鉄心10の一部を上下一対のフレーム30(301、302)に固定した3相3脚構造の変圧器1を示している。なお、本発明の適用対象となる変圧器の構造については、これに限定されるものではなく、3相5脚構造等の任意の構造を有する変圧器1に適用可能である。
鉄心10は、アモルファス合金薄帯を多層に巻回し、正面視にて概して矩形成形された巻鉄心で構成される。より具体的にいうと、鉄心10は、25μmのアモルファス合金薄帯を巻回した巻鉄心で構成される。図1に示すように、鉄心10は、内側に配置される一対の内側鉄心部101と、これらの内側鉄心部101の外側(外周側)に配置される外側鉄心部102とを有している。それぞれの内側鉄心部101は個別にアモルファス合金薄帯が巻回される。外側鉄心部102は、これらの内側鉄心部101を内側に配置した状態でアモルファス合金薄帯が巻回される。
鉄心10を構成する各内側鉄心部101の中央には、開口部103が形成されている。すなわち、鉄心10には、電磁鋼板の積層方向に直交して貫通する一対の開口部103a、103bが形成されている。これらの開口部103は、鉄心10の窓部と呼ばれることもある。鉄心10は、上下方向に延びる複数(本実施の形態では3本)の脚部11〜13と、各脚部11〜13の一端部となる上端部間を連結する上継鉄部(第1継鉄部)14と、各脚部11〜13の他端部となる下端部間を連結する下継鉄部(第2継鉄部)15とを備えた形状に設けられる。なお、内側鉄心部101の内周及び外周と、外側鉄心部102の外周には、鉄心10の形状を維持すると共に、鉄心10自体を補強するために珪素鋼板が配置されている。
上継鉄部14における内側鉄心部101と外側鉄心部102との間には、ステンレス等の金属からなるコア間プレート104が配設されている。コア間プレート104によって上継鉄部14における外側鉄心部102が下方から支持される。
巻線20は、例えば、内側巻線201及び外側巻線202を有し(図1に不図示、図2参照)、これらの巻線20の全表面が樹脂又は樹脂を含んだ絶縁機材で被覆されている。巻線20を被覆する樹脂としては、例えば、耐熱性及び電気絶縁性に優れたエポキシ樹脂が用いられる。それぞれの巻線20は、鉄心10の各脚部11〜13の周囲に配置されている。これらの巻線20は、不図示のスペーサ部材を介してフレーム30(301、302)との間で位置決めされている。
フレーム30は、上側フレーム301及び下側フレーム302を有している。上側フレーム301は、下方側に開口した箱形状を有しており、その内部に鉄心10の上継鉄部14を収容可能に構成されている。一方、下側フレーム302は、上方側に開口した箱形状を有しており、その内部に鉄心10の下継鉄部15を収容可能に構成されている。これらのフレーム30は、変圧器1の組立時等に治具として機能すると共に、組立完了後に鉄心10や巻線20を保護する。
フレーム30には、支持部材を構成する複数(本実施の形態では、4つ)の支持板40が固定される。これらの支持板40は、鉄心10の開口部103内に配置され、鉄心10の内側からフレーム30に固定される。より具体的にいうと、これらの支持板40は、開口部103の内側面103cに面接触して鉄心10を支持した状態でフレーム30に固定される。
支持板40は、例えば、軟鋼等の金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施して形成される。本実施の形態において、支持板40は、一対の上側支持板41、42と、一対の下側支持板43、44とから構成される。一対の上側支持板41、42は、上側フレーム301に固定される。一方、一対の下側支持板43、44は、下側フレーム302に固定される。また、上側支持板41及び下側支持板43は、開口部103a内に配置されている。一方、上側支持板42及び下側支持板44は、開口部103b内に配置されている。
以下、上記構成を有する変圧器1を製造する工程について、図2〜図7を参照して説明する。図2〜図7は、本実施の形態に係る変圧器1の製造工程の説明図である。なお、以下に示す変圧器1の製造工程において、鉄心10の開放作業及び閉合作業はオーバーラップ方式が適用され、説明の便宜上、開放作業前の工程及び閉合作業後の工程について省略している。また、図2〜図5、図7においては、変圧器1の製造ラインに沿って配置されるレールRの一部と、下側フレーム302の下面に設けられ、レールR上での変圧器1の移動を支援する移動機構Mとを示している。
鉄心10の開放作業においては、図1に示すように、矩形成形された内側鉄心部101及び外側鉄心部102のうち、上継鉄部14で水平方向に延出する部分の中央部が開放され、正面視にて概してU字形状とされる(図2参照)。
鉄心10の開放作業は、鉄心10を下側フレーム302に固定した状態で行われる(図2参照)。この場合、鉄心10は、下側支持板43、44を介して下側フレーム302に固定されている。下側支持板43、44は、内側鉄心部101の内側面(開口部103を規定する下方側の内側面)であって下継鉄部15の内面(上面)に面接触した状態で下側フレーム302に固定されている(図1参照)。開放作業が完了した鉄心10は、図2に示すように、下側フレーム302上にて、内側鉄心部101及び外側鉄心部102が上方側に延びた状態とされる。
このように開放された鉄心10(内側鉄心部101及び外側鉄心部102)が巻線20に挿入されるように、巻線20が鉄心10に装着される(鉄心挿入工程)。この鉄心挿入工程においては、鉄心10(内側鉄心部101及び外側鉄心部102)が、巻線20を構成する内側巻線201の内側の貫通孔203に挿入される。これにより、図3に示すように、巻線20が下側フレーム302上の所定位置に配置される。このとき、鉄心10は、巻線20の貫通孔203から上方側に突出している。
そして、巻線20よりも上方側に突出する鉄心10の間に位置するように、上側支持板41、42が配置される(図4参照)。上側支持板41、42は、巻線20の上端面に図示しないスペーサ部材を介して載置される。このように巻線20上に載置することにより、上側支持板41、42は、鉄心10の開口部103内に配置される。
上側支持板41、42が巻線20上に配置された状態において、図4に示すように、外側に配置された内側鉄心部101及び外側鉄心部102は、閉合作業時の邪魔にならないように、変圧器1の外側に折り曲げられる。
次いで、内側鉄心部101及び外側鉄心部102を構成するアモルファス合金薄帯の両端部を接合して閉合する閉合工程が行われる。閉合工程では、先ず、内側鉄心部101が閉合され、その後、外側鉄心部102が閉合される。内側鉄心部101の閉合は、外側に折り曲げられた内側鉄心部101を構成するアモルファス合金薄帯が内側に折り曲げられ、中央に配置された内側鉄心部101を構成するアモルファス合金薄帯が外側に折り曲げられる。そして、内側鉄心部101を構成するアモルファス合金薄帯の両端部を重ね合わせてラップした状態で接合される。なお、内側鉄心部101の閉合は、オーバーラップ方式としてもよいし、ステップラップ方式等の他の方式としてもよい。オーバーラップ方式が適用される場合には、後述する外側鉄心部102の閉合と同様に接合を行うようにしてもよい。
内側鉄心部101の閉合後、図5に示すように、2つの内側鉄心部101それぞれの上部外周面上にコア間プレート104が載置される。コア間プレート104は、内側鉄心部101の側方からはみ出さない短手方向寸法と、2つの内側鉄心部101に跨って載置するよう延出する長手方向寸法とを備えた長方形状に形成される。コア間プレート104の長手方向両端側には固定部材として粘着テープT1が貼着され、かかる粘着テープT1によりコア間プレート104と内側鉄心部101との相対的な変位が規制される。粘着テープT1は、ポリエステル等の合成樹脂からなる基材シートの一方の面に粘着剤層を積層して構成される。粘着テープT1は、コア間プレート104の長手方向両端側の上面と、当該両端に隣接する内側鉄心部101の上方外周面領域とに亘って貼着される。これにより、内側鉄心部101上においてコア間プレート104が装着された状態となってコア間プレート104が固定される。
コア間プレート104の固定後、外側鉄心部102が閉合される。外側鉄心部102の閉合は、外側に折り曲げられた外側鉄心部102を構成するアモルファス合金薄帯が内側に折り曲げられ、オーバーラップ方式にて、当該アモルファス合金薄帯の両端部を重ね合わせてラップした状態で接合される。
これを詳述すると、閉合前の状態にて、複数枚(例えば、数百枚)のアモルファス合金薄帯が積層される単位積層体U(図6A参照)が複数セット形成され、且つ、かかる複数セットの単位積層体Uを積層させておく。そして、図6Aに示すように、上継鉄部14に形成部分において、外側鉄心部102の内側から外側(図6Aの下から上)に向かって順次単位積層体Uの両端部が接合される。かかる接合では、全ての単位積層体Uの両端部がそれぞれ重ね合わされ、その重ね合わされた領域がオーバーラップ領域Uaとして形成される。
なお、図6Aは、外側鉄心部102の単位積層体Uが積層及び接合した状態の一部を示す模式図であり、図示での把握を容易にするため、便宜上、単位積層体Uを積層方向に格子柄及び白抜きで交互に表す。また、図6Aでは、積層方向に隣り合う単位積層体Uに隙間を設けて図示しているが、実際には密着して積層される。ここで、アモルファス合金薄帯及び単位積層体Uの積層方向は同じとなり、図6Aの上下方向が積層方向となる。
各単位積層体Uではオーバーラップ領域Uaの形成によって延出方向一端Ub側の図6A中上方に他端Ucが載置され、当該他端Ucが外側に、一端Ubが内側に配置される。そして、単位積層体Uの他端Ucに跨って固定部材として粘着テープT2が貼着され、かかる粘着テープT2によりオーバーラップ領域Uaでの単位積層体U同士の相対的な変位が規制される。粘着テープT2は、上記の粘着テープT1と同様に構成され、一の他端Ucにつき1枚又は複数枚貼着される(図6B参照、図6Bでは粘着テープT2が2枚)。粘着テープT2は、オーバーラップ領域Uaと、オーバーラップ領域Uaの図6A中右側に隣接する単位積層体Uの上面とに亘って配置される。従って、粘着テープT2は、オーバーラップ領域Uaとその近傍位置との両方に積層するように設けられ、言い換えると、粘着テープT2の一部がオーバーラップ領域Uaに積層方向で重なって配置される。このように粘着テープT2が貼着されることで、1体の単位積層体Uの両端部が重ね合わされた状態で接合され、オーバーラップ領域Uaを含む接合部分の開く方向の変位が規制される。
1体の単位積層体Uを粘着テープT2で接合した後、その外側に次の単位積層体Uが巻回される。この次の単位積層体Uの一端Ub側は、その前に接合した単位積層体Uの他端Ucの図6Aでの右側近傍或いは隣接する位置に配置される。このとき、次の単位積層体Uの一端Ub側は、その前の単位積層体Uに用いた粘着テープT2に積層するように配置される。その後、次の単位積層体Uの両端部が重ね合わされてオーバーラップ領域Uaが形成され、上述と同様にして他端Ucに跨って粘着テープT2が貼着されて単位積層体Uの両端部が接合される。
上記のようにして全ての単位積層体Uの巻回及び接合が繰り返されることで、外側鉄心部102の閉合が完了する。積層方向に隣り合う単位積層体Uのオーバーラップ領域Uaは、階段状に並んで配置される。つまり、外側鉄心部102における複数のオーバーラップ領域Uaは、積層方向(図6A中上下方向)に並ぶ位置からずれて配置される。なお、1体の外側鉄心部102において、オーバーラップ領域Uaが階段状に並ぶ部分は単一としてもよいし、複数としてもよい。複数とした場合には、オーバーラップ領域Uaが階段状に並ぶ部分の形成数に応じて、オーバーラップ領域Uaが積層方向に並ぶ場合がある。複数のオーバーラップ領域Uaは、少なくとも1つが積層方向に並ぶ位置から、ずれた位置に配置されるとよく、これにより、オーバーラップ領域Uaが積層方向に並んで嵩張る状態になることを回避することができる。
上述した閉合工程を経て、鉄心10は、図7に示すように、開放前の状態に戻る。なお、この鉄心10の閉合作業は、鉄心10の接合作業又は再接合作業と呼ばれることもある。閉合工程を完了した後、上側フレーム301が鉄心10上に配置される。上側フレーム301は、巻線20から露出する鉄心10の上端部を収容するように配置される(図1参照)。この場合、上側フレーム301は、図示しないスペーサ部材上に配置される。このスペーサ部材は、巻線20の上端面に載置される。
上側フレーム301が配置された後、巻線20の上端面に載置された上側支持板41、42が上側フレーム301に固定される。この場合、上側支持板41、42は、鉄心10を内側から支持した状態で上側フレーム301に固定される。より具体的には、鉄心10の開口部103を規定する上方側の内側面に面接触して支持した状態で上側フレーム301に固定される(図1参照)。以上のような一連の工程を経て、本実施の形態に係る変圧器1が完成する。
以上説明したように、上記実施の形態では、粘着テープT1によってコア間プレート104を動かないように固定したので、変圧器1の輸送や地震等による外力でコア間プレート104と内側鉄心部101とが相対変位することを防ぐことができる。これにより、かかる相対変位による鉄心10の変形や破損を防止することができる。
また、上記実施の形態では、外側鉄心部102の単位積層体Uにおいてオーバーラップ領域Uaが開く方向に変位しないように粘着テープT2を貼着している。これにより、変圧器1の輸送や地震等による外力が作用しても、外側鉄心部102の変形や破損を防止することができる。特に、外側鉄心部102は、図1での左右方向の幅が大きくなり且つ表面が極めて平滑で摩擦が生じ難いアモルファス合金薄帯を積層しているので、外力に対して比較的変形し易い性質を有するが、粘着テープT2の貼着によって外力に起因する変形を効果的に防止することができる。
このように粘着テープT1、T2で鉄心10の変形等を防止できるので、鉄心10の外観上の体裁が損なわれることを回避でき、鉄心10の変形等を復元する作業負担を軽減することができる。また、鉄心10の磁気特性が低下することを抑制でき、変圧器1として規定の性能を良好に発揮することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
上記実施の形態においては、固定部材として粘着テープT1、T2を用いたが、コア間プレート104や単位積層体Uの相対変位を規制できる限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、固定部材として接着剤や両面テープ(以下、「接着剤等」とする)を用いてもよく、この場合、コア間プレート104と内側鉄心部101の外周面との間に接着剤等を設けたり、オーバーラップ領域Uaにて重なり合う単位積層体U両端部の相対面間に接着剤等を設けてもよい。また、オーバーラップ領域Uaに加え、或いは、オーバーラップ領域Uaとは別にオーバーラップ領域Uaの近傍位置に接着剤等を設けた場合は、接着剤等により積層方向に隣り合う単位積層体U同士を接着し、それらの相対変位を規制できる。
また、固定部材は、粘着テープT1、T2や接着剤等に代えて粘着性を有しないテープやシート(以下、「テープ等」とする)としてもよい。この場合、かかるテープ等が接触する接触対象物(内側鉄心部101の外周面、コア間プレート104、単位積層体Uのアモルファス合金薄帯)に比べ、摩擦係数が高い表面をテープ等が有するようにする。かかるテープ等を粘着テープT1、T2や上記接着剤等を設けた位置に配置することで、コア間プレート104が内側鉄心部101に対して滑るように相対変位することを規制でき、また、積層される単位積層体Uの相対位置がずれるように変形することを防止できる。
なお、粘着テープT1、T2の基材シートが接触する接触対象物に比べて摩擦係数が高い表面を有するようにした場合、粘着層と反対側の面においても、単位積層体U等の接触対象物の相対変位を規制することができる。
また、オーバーラップ領域Uaに粘着テープT2や固定部材を設ける鉄心10は、内側鉄心部101と外側鉄心部102とを区別せずに巻回して単一の開口部を有する巻鉄心としてもよい。
また、コア間プレート104の枚数は、鉄心10の1枚に限定されるものでなく、アモルファス合金薄帯の幅方向に複数枚並べて設けてもよい。
また、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態や上記変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本実施の形態では、本発明を変圧器に適用した構成について説明したが、上述した作用効果が得られるのであれば、他の電力用静止器や電力変換装置に適用することも可能である。
本発明の変圧器によれば、巻鉄心が変形することを防止できるという効果を奏し、アモルファス合金薄帯を巻回した巻鉄心を備える変圧器に好適に用いることができる。
1 変圧器
10 鉄心
101 内側鉄心部
102 外側鉄心部
103、103a、103b 開口部
104 コア間プレート
11〜13 脚部
14 上継鉄部
15 下継鉄部
20 巻線
T1、T2 粘着テープ(固定部材)
U 単位積層体
Ua オーバーラップ領域

Claims (12)

  1. アモルファス合金薄帯をオーバーラップ方式で巻回して開口部が形成された巻鉄心と、前記巻鉄心に挿入された巻線とを備えた変圧器であって、
    前記巻鉄心は、前記オーバーラップ方式にて複数枚のアモルファス合金薄帯を積層した単位積層体が複数巻回され、複数の前記単位積層体の両端部は、それぞれ重ね合わされてオーバーラップ領域として形成され、
    前記複数の単位積層体全てにおける前記オーバーラップ領域とその近傍位置の少なくとも一方には、前記オーバーラップ領域における前記複数の単位積層体の相対的な変位を規制する固定部材が積層されていることを特徴とする変圧器。
  2. 前記固定部材は、少なくとも一部が前記オーバーラップ領域に積層方向で重なって配置されることを特徴とする請求項1に記載の変圧器。
  3. 前記固定部材は、前記オーバーラップ領域とその隣接領域とに跨って配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の変圧器。
  4. 前記固定部材は、重ね合わされる前記単位積層体の両端部の相対面間に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の変圧器。
  5. 前記巻鉄心における複数の前記オーバーラップ領域は、少なくとも1つが積層方向に並ぶ位置から、ずれた位置に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の変圧器。
  6. 記巻鉄心は、前記開口部を形成する内側鉄心部と、その外周側に配置される外側鉄心部とを備えて上下方向に延在する複数の脚部と、該複数の脚部の上端部間を連結する上継鉄部及び下端部間を連結する下継鉄部とを含む形状に形成され、
    前記上継鉄部における前記内側鉄心部と前記外側鉄心部との間にコア間プレートを更に備え、該コア間プレートと前記内側鉄心部との相対的な変位を規制するコア間プレート用固定部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の変圧器。
  7. 前記コア間プレート用固定部材は、前記コア間プレートと該コア間プレートに隣接する前記内側鉄心部とに跨って配置されることを特徴とする請求項6に記載の変圧器。
  8. 前記コア間プレート用固定部材は、前記コア間プレートと前記内側鉄心部の外周面との間に配置される請求項6または請求項7に記載の変圧器。
  9. 前記固定部材は、粘着テープであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の変圧器。
  10. 前記固定部材は、接着剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の変圧器。
  11. 前記固定部材は、該固定部材が接触する接触対象物より摩擦係数が高い表面を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の変圧器。
  12. アモルファス合金薄帯をオーバーラップ方式で巻回して開口部が形成された巻鉄心と、前記巻鉄心に挿入された巻線とを備えた変圧器であって、
    前記巻鉄心は、前記オーバーラップ方式にて複数枚のアモルファス合金薄帯を積層した単位積層体が複数巻回され、複数の前記単位積層体の両端部は、それぞれ重ね合わされてオーバーラップ領域として形成され、
    前記オーバーラップ領域とその近傍位置の少なくとも一方には、前記オーバーラップ領域における前記複数の単位積層体の相対的な変位を規制する固定部材が積層され、
    前記固定部材は、該固定部材が接触する接触対象物より摩擦係数が高い表面を有していることを特徴とする変圧器。
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