JP6977369B2 - 変圧器の鉄心支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、変圧器の鉄心支持構造に関し、特に、アモルファス合金薄帯を多層に巻回した鉄心を備える変圧器の鉄心支持構造に関する。
変圧器は、電磁誘導を利用して交流電力の電圧を変換する機器であり、磁気回路を構成する鉄心と、電気回路を構成する巻線(コイル)とを備えている。このような変圧器においては、鉄心として、アモルファス合金薄帯を多層に巻回した巻鉄心を採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようにアモルファス合金薄帯を用いることで、損失が少なく、磁気的な特性が優れた鉄心を構成することができる。特許文献1の巻鉄心では、2本の脚部と、これら脚部の一端部間及び他端部間を連結する2本の継鉄部とを備え、各脚部及び各継鉄部で囲まれる開口部を形成している。
ここで、アモルファス合金薄帯は、製造上の理由からその板厚が極めて薄く、剛性に乏しくなる。このため、アモルファス合金薄帯を多層に巻回した巻鉄心では、脚部によって継鉄部を十分に支えられずに変形や歪みが生じ、巻鉄心の磁気特性が劣化する可能性が高くなる。そこで、開口部の内側であって継鉄部の内面側に沿うように板状の支持部材を設け、巻鉄心の形状を維持する構成が知られている。
特開2000−21642号公報
しかしながら、上記のように支持部材を設けた構成では、巻鉄心から発生する漏れ磁束が支持部材に鎖交するので、その鎖交した位置に渦電流が発生して鉄損が増加する、という問題がある。特に、アモルファス合金薄帯を用いた巻鉄心は損失が少なくなるので、支持部材での鉄損が変圧器全体の損失で大きな割合を占めることになり、支持部材の鉄損を低減させることの重要性が高くなる。また、支持部材に非磁性材料を用いれば支持部材の鉄損を低減できるが、支持部材の材料コストが上昇する、という問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、支持部材を安価に製造しつつ、支持部材での鉄損を低減させることができる変圧器の鉄心支持構造を提供することを目的とする。
本発明における変圧器の鉄心支持構造は、開口部が形成された巻鉄心と、前記巻鉄心に挿入された巻線と、前記巻鉄心を支持する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記巻鉄心の開口部内に配置され、当該巻鉄心の内側面に接触する平板部を備え、前記平板部には、前記巻鉄心からの漏れ磁束で発生した渦電流を遮断する遮断部が形成され、前記遮断部は、前記平板部を貫通する開口となるスリットにより形成されていることを特徴とする。
また、本発明における変圧器の鉄心支持構造は、開口部が形成された巻鉄心と、前記巻鉄心に挿入された巻線と、前記巻鉄心を支持する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記巻鉄心の開口部内に配置され、当該巻鉄心の前記開口部における内側面に接触する部分と前記巻鉄心の前記開口部における内側面と対向する側の内側面に接触する部分とにそれぞれ平板部を備え、前記各平板部の少なくとも一方には、前記巻鉄心からの漏れ磁束で発生した渦電流を遮断する遮断部が形成され、前記遮断部は、前記平板部を貫通する開口となるスリットにより形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、支持部材の平板部に遮断部を形成したので、平板部を遮断部によって分割して遮断部により渦電流を遮断することができる。これにより、鎖交する磁束に対する渦電流の電流量を少なくすることができ、支持部材での鉄損を低減することができる。この結果、特に、損失が少ないアモルファス合金薄帯による鉄心にて、相対的に支持部材での損失が大きくなることを抑制でき、且つ、アモルファス合金薄帯の低剛性に起因する変形等を支持部材で抑制することができる。また、渦電流が発生する位置に遮断部を形成する加工を行えばよいので、簡単な追加加工によって遮断部を形成できる上、高価な非磁性材料を用いる必要をなくして支持部材の製造コストを抑制することができる。
本発明の変圧器の鉄心支持構造によれば、支持部材の平板部に遮断部を形成したので、支持部材を安価に製造しつつ、支持部材での鉄損を低減させることができる。
本実施の形態に係る鉄心支持構造が適用される変圧器の要部を示す正面図である。 図2A〜図2Cは本実施の形態に係る変圧器が有する支持板の説明図である。 図3Aは図1に示す二点鎖線A−Aにおける断面図、図3Bは支持板の固定部分の拡大図である。 本実施の形態に係る変圧器の製造工程の説明図である。 本実施の形態に係る変圧器の製造工程の説明図である。 本実施の形態に係る変圧器の製造工程の説明図である。 本実施の形態に係る変圧器の製造工程の説明図である。 図8Aは本実施の形態に係る平板部での渦電流を模式的に示す説明図、図8Bは従来構造の平板部での渦電流を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る変圧器の鉄心支持構造について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係る鉄心支持構造をモールド変圧器に適用する場合について説明する。しかしながら、本発明に係る鉄心支持構造の適用対象は、モールド変圧器に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、モールド変圧器以外の乾式変圧器(例えば、H種乾式変圧器)やガス絶縁変圧器及び油入変圧器に適用することもできる。
図1は、本実施の形態に係る鉄心支持構造が適用される変圧器の要部を示す正面図である。図1に示す変圧器1は、磁気回路を構成する鉄心10と、電気回路を構成する巻線(コイル)20と、鉄心10の一部を収容するフレーム30とを含んで構成されている。図1においては、3つの巻線20に挿入した鉄心10の一部を上下一対のフレーム30(301、302)に固定した3相3脚構造の変圧器1を示している。なお、本発明の適用対象となる変圧器の構造については、これに限定されるものではなく、3相5脚構造等の任意の構造を有する変圧器1に適用可能である。
鉄心10は、アモルファス合金薄帯を多層に巻回し、正面視にて概して矩形成形された巻鉄心で構成される。より具体的にいうと、鉄心10は、25μmのアモルファス合金薄帯を巻回した巻鉄心で構成される。図1に示すように、鉄心10は、内側に配置される一対の内側鉄心部101と、これらの内側鉄心部101の外側(外周側)に配置される外側鉄心部102とを有している。それぞれの内側鉄心部101は個別にアモルファス合金薄帯が巻回される。
鉄心10を構成する各内側鉄心部101の中央には、開口部103が形成されている。すなわち、鉄心10には、電磁鋼板の積層方向に直交して貫通する一対の開口部103a、103bが形成されている。これらの開口部103は、鉄心10の窓部と呼ばれることもある。鉄心10は、上下方向に延びる複数(本実施の形態では3本)の脚部11〜13と、各脚部11〜13の一端部となる上端部間を連結する上継鉄部(第1継鉄部)14と、各脚部11〜13の他端部となる下端部間を連結する下継鉄部(第2継鉄部)15とを備えた形状に設けられる。なお、内側鉄心部101の内周及び外側鉄心部102の外周には、鉄心10の形状を維持すると共に、鉄心10自体を補強するために電磁鋼板が配置されている。
巻線20は、例えば、内側巻線201及び外側巻線202を有し(図1に不図示、図5参照)、これらの巻線20の全表面が樹脂又は樹脂を含んだ絶縁機材で被覆されている。巻線20を被覆する樹脂としては、例えば、耐熱性及び電気絶縁性に優れたエポキシ樹脂が用いられる。それぞれの巻線20は、鉄心10の各脚部11〜13の周囲に配置されている。これらの巻線20は、不図示のスペーサ部材を介してフレーム30(301、302)との間で位置決めされている。
フレーム30は、上側フレーム301及び下側フレーム302を有している。上側フレーム301は、下方側に開口した箱形状を有しており、その内部に鉄心10の上継鉄部14を収容可能に構成されている。一方、下側フレーム302は、上方側に開口した箱形状を有しており、その内部に鉄心10の下継鉄部15を収容可能に構成されている。これらのフレーム30は、変圧器1の組立時等に治具として機能すると共に、組立完了後に鉄心10や巻線20を保護する。
フレーム30には、支持部材を構成する複数(本実施の形態では、4つ)の支持板40が固定される。これらの支持板40は、鉄心10の開口部103内に配置され、鉄心10の内側からフレーム30に固定される。より具体的にいうと、これらの支持板40は、開口部103の内側面103cに面接触して鉄心10を支持した状態でフレーム30に固定される。これらの支持板40は、後述するフレーム30のフランジ部30a(図3参照)に対して固定される。なお、これらの支持板40は、鉄心10を支持する支持部材の一例として機能する。
支持板40は、例えば、軟鋼等の金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施して形成される。本実施の形態において、支持板40は、一対の上側支持板41、42と、一対の下側支持板43、44とから構成される。一対の上側支持板41、42は、上側フレーム301に固定される。一方、一対の下側支持板43、44は、下側フレーム302に固定される。また、上側支持板41及び下側支持板43は、開口部103a内に配置されている。一方、上側支持板42及び下側支持板44は、開口部103b内に配置されている。
図2は、本実施の形態に係る変圧器1が有する支持板40の説明図である。図2においては、支持板40の平面図(図2A)、側面図(図2B)及び正面図(図2C)を示している。なお、支持板40を構成する上側支持板41、42及び下側支持板43、44は、共通の構成を有している。
図2Aに示すように、支持板40は、厚さ方向両側の主面つまり表裏面が概して長方形状となる平板部401を有している。平板部401は、図2Aでの上下方向が長手方向となり、図2Aでの左右方向が短手方向となる。この平板部401には、四隅部近傍に舌片部402が形成されている。これらの舌片部402は、平板部401の一部を構成するものであり、平板部401の長手方向に延出して形成されている。平板部401(舌片部402を含む)の長手方向の寸法L1は、側面視にて鉄心10の幅方向の寸法L2よりも広い幅に構成されている(図3A参照)。すなわち、平板部401は、鉄心10の幅より広い幅を有している。
それぞれの舌片部402の上面には、軸部403が設けられている。これらの軸部403は、舌片部402(平板部401)と直交する方向に延出している(図2B及び図2C参照)。これらの軸部403の周囲には、図示しないねじ溝が形成されている。以下においては、説明の便宜上、図2Aに示す平板部401の上方側に延出する舌片部402を「舌片部402a」と呼び、平板部401の下方側に延出する舌片部402を「舌片部402b」と呼ぶものとする。また、舌片部402aに設けられる軸部403を「軸部403a」と呼び、舌片部402bに設けられる軸部403を「軸部403b」と呼ぶものとする。なお、これらの軸部403は、支持板40をフレーム30に固定する固定部の一例として機能する。
また、平板部401の側縁部には、一対の垂下部404が形成されている。これらの垂下部404は、舌片部402が形成されていない平板部401の辺に形成されている。それぞれの垂下部404は、平板部401と直交する方向(軸部403とは反対方向)に延出している。垂下部404は、支持板40が鉄心10の開口部103内に配置された場合に、支持板40の水平方向(図1Aに示す左右方向)の位置決めに利用される。
更に、平板部401には、その長手方向に延出する複数(本実施の形態では4本)のスリット405が形成されている。スリット405は、延出方向に直交する所定の幅寸法を有して平板部401を厚さ方向に貫通する開口として形成される。複数のスリット405は、相互に平行であって同じ長さに形成されている。複数のスリット405において、平板部401の短手方向で隣り合うスリット405同士の間隔は均一になっている、つまり、スリット405同士が等間隔に形成されている。なお、スリット405が発揮する機能については後述する。
このような構成を有し、支持板40は、鉄心10の開口部103内に配置され、鉄心10の内側からフレーム30に固定される。以下、支持板40の固定態様について、図1及び図3を参照して説明する。図3は、図1に示す二点鎖線A−Aにおける断面図(図3A)及び支持板40の固定部分の拡大図(図3B)である。図3Bは、図3Aに示す二点鎖線内の構成を拡大して示している。なお、図3Aにおいては、説明の便宜上、巻線20を省略している。
図3Aに示すように、上側フレーム301の下端部及び下側フレーム302の上端部には、フランジ部30aが設けられている。フランジ部30aは、上側フレーム301の下端部及び下側フレーム302の上端部から、図3Aに示す側方側に延出して設けられている。鉄心10を挟んで反対側に配置されるフランジ部30aの下面(上面)は、同一平面上に配置されている。また、フランジ部30aの所定位置には、支持板40の軸部403が挿通される貫通孔30bが形成されている(図3B参照)。
上側支持板42は、鉄心10の開口部103b内において、平板部401の上面で開口部103bの上側の内側面103cに面接触するように配置される。このとき、上側支持板42は、舌片部402(402a、402b)の軸部403(403a、403b)が、フランジ部30aの貫通孔30bに挿通されるように配置される。より具体的にいうと、軸部403は、ねじ溝にナットN1を装着した状態で貫通孔30bに挿通される(図3B参照)。そして、貫通孔30bから突出した軸部403に複数(本実施の形態では、2つ)のナットN2、N3が装着される。そして、これらのナットN1〜N3を締め付けることによって上側支持板42が上側フレーム301に固定される。
下側支持板44は、これらの上側支持板42と同様に、下側フレーム302に対して固定される。なお、下側フレーム302に対する下側支持板44の固定方法については、上下方向が逆転されることを除き、上側支持板42と同様である。このため、図3Aにその固定状態を示し、その説明を省略する。なお、補足すると、下側支持板44は、平板部401の下面で開口部103bの下側(上側の内側面103cに対向する側)の内側面103cに面接触するように配置される。また、鉄心10の開口部103aにおける支持板40の固定態様についても、開口部103bにおける固定態様と同様であるため、その説明を省略する。
以下、上記構成を有する変圧器1を製造する工程について、図4〜図7を参照して説明する。図4〜図7は、本実施の形態に係る変圧器1の製造工程の説明図である。なお、以下に示す変圧器1の製造工程においては、説明の便宜上、鉄心10の開放作業前の工程及び閉合作業後の工程について省略している。また、図4〜図7においては、変圧器1の製造ラインに沿って配置されるレールRの一部と、下側フレーム302の下面に設けられ、レールR上での変圧器1の移動を支援する移動機構Mとを示している。
鉄心10の開放作業においては、図1に示すように、矩形成形された内側鉄心部101及び外側鉄心部102のうち、上継鉄部14で水平方向に延出する部分の中央部が開放され、正面視にて概してU字形状とされる(図4参照)。なお、図4〜図7に示す製造工程においては、鉄心10の開放作業及び閉合作業において、オーバーラップ方式が適用される場合について説明するが、これに限定されるものではなく、ステップラップ方式等の他の方式が適用されてもよい。
鉄心10の開放作業は、鉄心10を下側フレーム302に固定した状態で行われる(図4参照)。この場合、鉄心10は、下側支持板43、44を介して下側フレーム302に固定されている。下側支持板43、44は、内側鉄心部101の内側面(開口部103を規定する下方側の内側面)であって下継鉄部15の内面(上面)に面接触した状態で下側フレーム302に固定されている(図1参照)。開放作業が完了した鉄心10は、図4に示すように、下側フレーム302上にて、内側鉄心部101及び外側鉄心部102が上方側に延びた状態とされる。
このように開放された鉄心10(内側鉄心部101及び外側鉄心部102)が巻線20に挿入されるように、巻線20が鉄心10に装着される(鉄心挿入工程)。この鉄心挿入工程においては、鉄心10(内側鉄心部101及び外側鉄心部102)が、巻線20を構成する内側巻線201の内側の貫通孔203に挿入される。これにより、図5に示すように、巻線20が下側フレーム302上の所定位置に配置される。このとき、鉄心10は、巻線20の貫通孔203から上方側に突出している。
そして、巻線20よりも上方側に突出する鉄心10の間に位置するように、上側支持板41、42が配置される(図6参照)。この場合、上側支持板41、42は、軸部403(403a、403b)が上方側に突出した状態で配置される。上側支持板41、42は、図示しないスペーサ部材上に一時的に配置される。このスペーサ部材は、巻線20の上端面に載置される。このように巻線20上に載置することにより、上側支持板41、42は、鉄心10の開口部103内に配置される。
上側支持板41、42が巻線20上に配置された状態において、図6に示すように、外側に配置された内側鉄心部101及び外側鉄心部102は、閉合作業時の邪魔にならないように、変圧器1の外側に折り曲げられる。
外側に折り曲げられた内側鉄心部101及び外側鉄心部102が内側に折り曲げられると共に、中央に配置された内側鉄心部101が外側に折り曲げられる。そして、これらの内側鉄心部101及び外側鉄心部102が閉合される(閉合工程)。この閉合工程においては、図7に示すように、内側鉄心部101及び外側鉄心部102を構成するアモルファス合金薄帯の端面が接合される。この閉合工程を経て、鉄心10は、開放前の状態に戻る。なお、この鉄心10の閉合作業は、鉄心10の接合作業又は再接合作業と呼ばれることもあり、図7においては、説明の便宜上、外側鉄心部102の閉合箇所の中心を破線Cで示している。
閉合工程を完了した後、上側フレーム301が鉄心10上に配置される。上側フレーム301は、巻線20から露出する鉄心10の上端部を収容するように配置される(図1参照)。この場合、上側フレーム301は、図示しないスペーサ部材上に配置される。このスペーサ部材は、巻線20の上端面に載置される。
上側フレーム301が配置された後、巻線20の上端面に載置された上側支持板41、42が上側フレーム301に固定される。この場合、上側支持板41、42は、鉄心10を内側から支持した状態で上側フレーム301に固定される。より具体的には、鉄心10の開口部103を規定する上方側の内側面に面接触して支持した状態で上側フレーム301に固定される(図1参照)。以上のような一連の工程を経て、本実施の形態に係る変圧器1が完成する。
次いで、支持板40の平板部401に発生する渦電流について説明する。完成した変圧器1に対して所定の電力供給を行うことで、巻線20に電流が流れて鉄心10に主磁束(図示省略)及び漏れ磁束Lが発生し、かかる漏れ磁束Lは、例えば、図1の点線で示す位置及び方向に発生する。かかる漏れ磁束は支持板40に入射して平板部401の厚さ方向に鎖交し、漏れ磁束Lの周りに渦電流が発生する。渦電流が発生すると鉄損の原因となるので、渦電流の電流量を抑制する必要がある。これと同時に、変圧器1においては、材料費削減、加工作業の負担軽減を通じて製造コストを抑える要請がある。そこで、本実施の形態では、平板部401に対し、図3Aに示したスリット405を形成している。
ここで、平板部に発生する渦電流について、スリット405を形成した本実施の形態のタイプと、スリット405を形成しない従来構造タイプとを比較して説明する。図8Aは本実施の形態に係る平板部での渦電流を模式的に示す説明図、図8Bは従来構造の平板部での渦電流を模式的に示す説明図である。図8Bにおける従来構造の支持板40Aは、平板部401Aに対し、上記実施の形態のスリット405を形成しない点を除き、実施の形態の支持板40と同様に構成される。図8Bの平板部401Aに漏れ磁束Lが鎖交すると、渦電流Eが複数箇所で発生する。かかる渦電流Eは、最外周部が平板部401Aの外縁または隣り合う渦電流Eの最外周部に達する領域に発生する。図8Bの従来構造の例では、平板部401Aを長手方向に3等分するように略同じ大きさの渦電流Eが発生する。
一方、図8Aの本実施の形態では、スリット405を形成して平板部401を分割しており、スリット405の形成位置にて渦電流Eが流れないようにすることができる。言い換えると、スリット405が渦電流を遮断する遮断空間(遮断部)として機能するよう形成される。これにより、従来構造との比較において、本実施の形態では、平板部401の渦電流Eが流れる領域を平板部401の短手方向で狭め、渦電流Eを短手方向にて分割することができる。この結果、それぞれの渦電流Eの径寸法が小さくなり、従来構造と同じ漏れ磁束Lが鎖交しても、渦電流Eが流れる領域を小さくして渦電流Eの電流量を少なくすることができる。
例えば、図8Aの本実施の形態では、4本のスリット405により、その形成領域にて平板部401を短手方向で等分に3分割している。これにより、図8Bの従来構造に比べ、渦電流Eの形成数が3倍になるものの、渦電流Eの径寸法を約1/3にすることができる。この結果、本実施の形態では、渦電流Eが流れる総面積を従来構造の約1/3にすることができ、渦電流Eの電流量は渦電流Eの面積に比例するので、渦電流Eの電流量も約1/3にして渦電流Eに起因する鉄損を低減することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、平板部401に渦電流を遮断する遮断空間(遮断部)としてスリット405を形成したので、スリット405を形成しない場合に比べ、鎖交する漏れ磁束Lに対する渦電流Eの電流量を少なくして平板部401での鉄損を低減することができる。そして、損失が少ないアモルファス合金薄帯を用いた鉄心10との対比において、平板部401での損失が大きくなって変圧器1全体としての性能が低下することを回避することができる。
しかも、スリット405を形成する簡単な加工によって鉄損を低減できるので、支持板40に高価な非磁性材料を用いたり、支持板40を複雑な積層構造としたりしなくてよくなる。これにより、支持板40の鉄損の低減を図るため、製造コストが上昇することを抑制でき、安価な支持板40を実現することができる。
また、スリット405が平板部401の長手方向に延出するので、1本のスリット405の長さを長く確保でき、且つ、スリット405の形成数に対して分割される領域の面積や幅を小さくすることができる。これにより、鉄損の低減効果を維持しつつ、スリット405の加工回数を少なくしたり、加工時間を短くしたりすることができ、これによっても、製造コストを抑制することができる。
更に、隣り合うスリット405同士が等間隔に形成されることで、スリット405間で発生する渦電流Eの大きさを均一化することができる。これにより、渦電流Eに起因する鉄損の発生量を容易に計算可能となり、変圧器1全体での仕様等に応じた設計の容易化を図ることもできる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
例えば、上記実施の形態においては、4つの支持板40(上側支持板41、42及び下側支持板43、44)にスリット405を形成したが、上側支持板41、42だけに形成したり下側支持板43、44だけに形成したりしてもよい。下側支持板43、44だけにスリット405を形成した場合は、各脚部11〜13の一端部が下端部、他端部が上端部となり、下継鉄部15が第1継鉄部、上継鉄部14が第2継鉄部となる。
また、平板部401にて渦電流を遮断する遮断部は上記のスリット405に限定されるものでなく、種々の変更が可能である。例えば、平板部401を短手方向に分割して形成し、それらの間に隙間を設けることで遮断部としてもよい。また、スリット405を短手方向に延出する等、形成する方向を変えたり、スリット405を延出方向に断続的にする等、延出方向の長さを変えたり、平板部401に散点的に方形や円形等の開口を形成して遮断部としたりしてもよい。また、遮断部は空間である必要はなく、渦電流を遮断する性質を持つ非導電部材などをスリット内に備える構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、上側支持板41、42、下側支持板43、44を介して鉄心10を上側フレーム301、下側フレーム302に固定する場合について説明している。しかしながら、支持板40による鉄心10の固定態様については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、上側支持板41、42のみを用いて上側フレーム301に固定する態様としてもよい。
また、本実施の形態では、本発明を変圧器に適用した構成について説明したが、上述した作用効果が得られるのであれば、他の電力用静止器や電力変換装置に適用することも可能である。
本発明の変圧器の鉄心支持構造によれば、支持板を安価に製造しつつ、支持板での鉄損を低減できるという効果を奏し、アモルファス合金薄帯を巻回した巻鉄心を備える変圧器に好適に用いることができる。
1 変圧器
10 鉄心
103、103a、103b 開口部
103c 内側面
11〜13 脚部
14 上継鉄部(第1継鉄部)
15 下継鉄部(第2継鉄部)
20 巻線
40 支持板
401 平板部
405 スリット(開口、遮断部)
41、42 上側支持板
43、44 下側支持板
E 渦電流
L 漏れ磁束

Claims (7)

  1. 開口部が形成された巻鉄心と、前記巻鉄心に挿入された巻線と、前記巻鉄心を支持する支持部材とを備え、
    前記支持部材は、前記巻鉄心の開口部内に配置され、当該巻鉄心の内側面に接触する平板部を備え、
    前記平板部には、前記巻鉄心からの漏れ磁束で発生した渦電流を遮断する遮断部が形成され
    前記遮断部は、前記平板部を貫通する開口となるスリットにより形成されることを特徴とする変圧器の鉄心支持構造。
  2. 開口部が形成された巻鉄心と、前記巻鉄心に挿入された巻線と、前記巻鉄心を支持する支持部材とを備え、
    前記支持部材は、前記巻鉄心の開口部内に配置され、当該巻鉄心の前記開口部における内側面に接触する部分と前記巻鉄心の前記開口部における内側面と対向する側の内側面に接触する部分とにそれぞれ平板部を備え、
    前記各平板部の少なくとも一方には、前記巻鉄心からの漏れ磁束で発生した渦電流を遮断する遮断部が形成され
    前記遮断部は、前記平板部を貫通する開口となるスリットにより形成されていることを特徴とする変圧器の鉄心支持構造。
  3. 前記巻鉄心は、複数の脚部と、前記複数の脚部の一端部間を連結する第1継鉄部と、前記複数の脚部の他端部間を連結する第2継鉄部とを備え、
    前記支持部材は、前記平板部における前記脚部側の側縁部に設けられる垂下部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の変圧器の鉄心支持構造。
  4. 前記平板部は、前記巻鉄心の幅よりも広い幅を有し、
    前記支持部材は、前記平板部における前記巻鉄心の外側の位置に配置され、前記巻鉄心を挟んで反対側の位置に配置される複数の固定部を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の変圧器の鉄心支持構造。
  5. 前記平板部は、厚さ方向両側の主面が長手方向と短手方向とを有する形状に設けられ、
    前記スリットは、前記長手方向に延出していることを特徴とする請求項4に記載の変圧器の鉄心支持構造。
  6. 前記スリットは複数本平行に形成され、隣り合う前記スリット同士が等間隔に形成されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の変圧器の鉄心支持構造。
  7. 前記巻鉄心は、アモルファス合金薄帯を巻回して構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の変圧器の鉄心支持構造。
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