JP6976212B2 - 目封止ハニカムセグメント、及び目封止ハニカム構造体 - Google Patents

目封止ハニカムセグメント、及び目封止ハニカム構造体 Download PDF

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本発明は、目封止ハニカムセグメント、及び複数個の目封止ハニカムセグメントが接合された目封止ハニカムセグメント接合体を備えた目封止ハニカム構造体に関する。更に詳しくは、圧力損失の上昇を抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることが可能な目封止ハニカムセグメント、及び目封止ハニカム構造体に関する。
様々な産業において、動力源として内燃機関が用いられている。一方で、内燃機関が燃料の燃焼時に排出する排ガスには、窒素酸化物等の有毒ガスと共に、煤や灰等の粒子状物質(以下、「PM」ということがある)を大気中に放出する。特に、ディーゼルエンジン等から排出されるPMの除去に関する規制は世界的に厳しくなっており、PMを除去するための排ガス浄化フィルタ(以下、単に「フィルタ」ということがある)として、目封止ハニカム構造体が用いられている。
目封止ハニカム構造体は、多孔質の隔壁によって流体の流路となる複数のセルが区画形成されたハニカム構造体と、複数のセルのいずれか一方に端面側に配設された目封止部と、を備えたものである。目封止ハニカム構造体は、多孔質の隔壁がPMを除去するフィルタの役目を果たす構造となっている。
目封止ハニカム構造体を用いた排ガス浄化フィルタは、排ガスの流入に伴ってPMが隔壁上に堆積し、セルの流入端面側の端部を閉塞させてしまうという問題があった。そこで、このようなセルの閉塞を抑制するために、流入セルの濾過面積及び開口率を高めつつ、流出セルの開口径を大きく保つことを可能としたウォールフロー型ガス浄化フィルタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたウォールフロー型ガス浄化フィルタは、ハニカム構造部の中心軸方向に直交する断面において、入口開口セルの形状が六角形であり、出口開口セルの形状が正方形となっている。そして、このウォールフロー型ガス浄化フィルタでは、1つの出口開口セルの周囲を、4つの入口開口セルが取り囲む構造となっている。
また、従来、目封止ハニカム構造体を一つのハニカム構造体によって製造するのではなく、ハニカム構造を有するセグメントの複数個を、接合材を介して接合する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。以下、「ハニカム構造を有するセグメント」を、「ハニカムセグメント」ということがある。また、「複数個のハニカムセグメントが接合層によって接合されたハニカム構造体」を、「セグメント構造のハニカム構造体」ということがある。
特開2014−200741号公報 特開2003−340224号公報
PMを除去するためのフィルタ等として使用される目封止ハニカム構造体は、排ガスの急激な温度変化や局所的な発熱により、大きな熱応力が生じることがある。このため、目封止ハニカム構造体に対しては、優れた耐熱衝撃性が要求されている。
目封止ハニカム構造体の耐熱衝撃性を向上させるためには、その方法の1つとして、ハニカム構造体を構成する隔壁の容積を増大させて、当該ハニカム構造体の熱容量を大きくするという方法が考えられる。しかしながら、ハニカム構造体の隔壁の容積を増大させた場合、当該ハニカム構造体を用いた目封止ハニカム構造体の圧力損失が増大してしまう。圧力損失が大きな目封止ハニカム構造体は、PMを除去するためのフィルタとして使用した場合に、エンジンの出力低下や燃費の悪化を引き起こすことがある。このようなことから、圧力損失の上昇を抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることが可能なハニカム構造体の開発が要望されている。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明は、圧力損失の上昇を抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることが可能な目封止ハニカムセグメント、及び目封止ハニカム構造体を提供する。
本発明によれば、以下に示す目封止ハニカムセグメント、及び目封止ハニカム構造体が提供される。
[1] 第一端面及び第二端面を有する四角柱状を呈し、前記第一端面から前記第二端面に延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁、及び最外周に配設されたセグメント外壁を有するハニカムセグメントと、
前記セルのいずれか一方に端面側に配設された目封止部と、を備え、
前記ハニカムセグメントは、前記セルの延びる方向に直交する断面において、四角形の前記セルの周囲を、4つの六角形の前記セルが取り囲むように構成されたセル構造を有し、
四角形の前記セルは、前記第一端面側の端部が、前記目封止部によって目封止されており、
六角形の前記セルは、前記第二端面側の端部が、前記目封止部によって目封止されており、
前記断面において、前記ハニカムセグメントの周縁のそれぞれの角部に、前記六角形のセルが位置するように配置されるとともに、それぞれの前記角部に配設された前記六角形のセルは、六角形の一の頂点が、前記ハニカムセグメントの周縁の角部の頂点を向くように配置されており、
それぞれの前記角部に配設された前記六角形のセルの内部には、前記六角形の前記一の頂点を含む部位に、多孔質材料が配設されており、
前記ハニカムセグメントの周縁の前記角部において、前記多孔質材料によって構成された肉厚部を有し、前記断面において、前記ハニカムセグメントの周縁の前記角部に位置する前記六角形のセルの二辺を含む三角形の面積S0に対する、前記肉厚部の面積S1の比率が、0.125〜2.0である、目封止ハニカムセグメント。
] 前記断面において、前記面積S0に対する、前記肉厚部の面積S1の比率が、0.5〜1.0である、前記[]に記載の目封止ハニカムセグメント。
] 前記ハニカムセグメントのセル密度が、15〜78個/cmである、前記[1]又は[2]に記載の目封止ハニカムセグメント。
] 前記ハニカムセグメントの前記隔壁の厚さが、100〜450μmである、前記[1]〜[]のいずれかに記載の目封止ハニカムセグメント。
] 前記断面において、前記四角形のセルの面積B1に対する、前記六角形のセルの面積A1の比率が、0.5〜1.5である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の目封止ハニカムセグメント。
] 前記ハニカムセグメントは、前記セルの延びる方向に直交する断面の形状が、矩形である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の目封止ハニカムセグメント。
] 前記六角形は、対向する2つの頂点の内角の大きさが、それぞれ90°である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の目封止ハニカムセグメント。
] 前記[1]〜[]のいずれかに記載の目封止ハニカムセグメントの複数個と、複数個の前記目封止ハニカムセグメントの側面同士を接合する接合層と、を有する目封止ハニカムセグメント接合体と、
前記目封止ハニカムセグメント接合体の外周面に配設された外周壁と、を備えた、目封止ハニカム構造体。
本発明の目封止ハニカムセグメントは、圧力損失の上昇を抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることができる。この目封止ハニカムセグメントは、セルの延びる方向に直交する断面において、四角形のセルの周囲を、4つの六角形のセルが取り囲むように構成されたセル構造を有する。そして、上記断面において、ハニカムセグメントの周縁のそれぞれの角部に、所定の六角形のセルが位置するように配置されている。また、それぞれの角部に配設された六角形のセルは、六角形の一の頂点が、ハニカムセグメントの周縁の角部の頂点を向くように配置されている。また、それぞれの角部に配設された六角形のセルの内部には、上記六角形の一の頂点を含む部位に、多孔質材料が配設されている。本発明の目封止ハニカムセグメントは、ハニカムセグメントの周縁の角部において、上述した多孔質材料によって構成された肉厚部を有する。本発明の目封止ハニカムセグメントは、圧力損失の上昇を有効に抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることができるという効果を奏するものである。即ち、ハニカムセグメントの周縁の角部に位置するように配置された六角形のセルは、ハニカムセグメントの上記角部の壁面を形成する部位(六角形の所定の二辺)において、フィルタとしての濾過機能を殆んど有していない。このため、ハニカムセグメントの周縁の角部に配置された六角形のセルの内部に多孔質材料を配設して肉厚部とすることで、目封止ハニカムセグメントの圧力損失の上昇を有効に抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることができる。また、本発明の目封止ハニカムセグメントは、ハニカムセグメントの角部に肉厚部を有するため、角部の欠け等の欠陥の発生についても、有効に抑制することができる。
本発明の目封止ハニカム構造体は、上記目封止ハニカムセグメントの複数個が接合層によって接合された目封止ハニカムセグメント接合体を備えた目封止ハニカム構造体である。本発明の目封止ハニカム構造体は、圧力損失の上昇を抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることができる。
本発明の目封止ハニカムセグメントの第一実施形態を模式的に示す、第一端面側からみた斜視図である。 図1に示す目封止ハニカムセグメントを、第一端面側からみた平面図である。 図2に示す目封止ハニカムセグメントの一部を拡大した拡大平面図である。 図2のA−A’断面を模式的に示す、断面図である。 図2に示す目封止ハニカムセグメントの一部を拡大した拡大平面図であり、肉厚部の面積の算出方法を説明するための説明図である。 図1に示す目封止ハニカムセグメントを用いた目封止ハニカム構造体を模式的に示す、第一端面側からみた斜視図である。 図6に示す目封止ハニカム構造体を、第一端面側からみた平面図である。 本発明の目封止ハニカムセグメントの第二実施形態を模式的に示す、第一端面側からみた平面図である。 図8に示す目封止ハニカムセグメントの一部を拡大した拡大平面図である。 本発明の目封止ハニカムセグメントの第三実施形態を模式的に示す、第一端面側からみた平面図である。 図10に示す目封止ハニカムセグメントの一部を拡大した拡大平面図である。 本発明の目封止ハニカムセグメントの第四実施形態を模式的に示す、第一端面側からみた平面図である。 図12に示す目封止ハニカムセグメントの一部を拡大した拡大平面図である。 本発明の目封止ハニカムセグメントの第五実施形態を模式的に示す、第一端面側からみた平面図である。 図14に示す目封止ハニカムセグメントの一部を拡大した拡大平面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(1)目封止ハニカムセグメント(第一実施形態):
本発明の目封止ハニカムセグメントの第一実施形態は、図1〜図4に示す目封止ハニカムセグメント100である。図1〜図4に示すように、目封止ハニカムセグメント100は、第一端面11及び第二端面12を有し、四角柱状を呈するハニカムセグメント4と、セル2のいずれか一方に端面側に配設された目封止部5と、を備えたものである。ここで、図1は、本発明の目封止ハニカムセグメントの第一実施形態を模式的に示す、第一端面側からみた斜視図である。図2は、図1に示す目封止ハニカムセグメントを、第一端面側からみた平面図である。図3は、図2に示す目封止ハニカムセグメントの一部を拡大した拡大平面図である。図4は、図2のA−A’断面を模式的に示す、断面図である。
ハニカムセグメント4は、第一端面11から第二端面12に延びる複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1、及びハニカムセグメント4の最外周に配設されたセグメント外壁3を有する。そして、ハニカムセグメント4は、セル2の延びる方向に直交する断面において、四角形のセル(以下、「四角セル2b」ともいう)の周囲を、4つの六角形のセル(以下、「六角セル2a」)が取り囲むように構成されたセル構造を有する。即ち、ハニカムセグメント4は、セル2の延びる方向に直交する面において、四角セル2b及び六角セル2aが、所定の周期で規則的に配列したセル構造を、1つの繰り返しパターンとして有している。このようなセル構造を有することにより、第一端面11を排ガスが流入する流入端面とした場合に、四角セル2bの開口率を大きくするとともに、四角セル2bの数を六角セル2aの数と比べて少なくできる。このため、目封止ハニカムセグメント100の初期状態の圧力損失を低減させることができる。なお、ハニカムセグメント4は、セル2の延びる方向に直交する断面の形状が、矩形であることが好ましい。
ハニカムセグメント4のセル構造は、所定の六角セル2aの1辺と、隣接する四角セル2bの1辺とが、同一の長さを有するとともに平行となるよう、1つの四角セル2bの周囲を4つの六角セル2aが取り囲む構造であることが好ましい。また、四角セル2bは、当該四角セル2bの延びる方向に直交する断面における形状が、正方形であることが好ましい。なお、本実施形態の目封止ハニカムセグメント100において、ハニカムセグメント4の最外周に配置されたセル2に関しては、六角セル2aが、四角セル2bを取り囲むように配設されていないことがある。即ち、ハニカムセグメント4の最外周は、上述したセル構造がセグメント外壁3によって分断されており、セル構造の一部が部分的に存在している。ハニカムセグメント4のセル2の延びる方向に直交する面における四角セル2b及び六角セル2aの形状は、最外周に配置されたセル2を除き、それぞれ個々に同じ形状であることが好ましい。
本実施形態の目封止ハニカムセグメント100において、四角セル2bは、第一端面11側の端部が、目封止部5によって目封止されており、六角セル2aは、第二端面12側の端部が、目封止部5によって目封止されている。このため、ハニカムセグメント4は、第一端面11を排ガスが流入する流入端面とし、第二端面12を、ハニカムセグメント4内を通過した排ガスが流出する流出端面とした、排ガス浄化フィルタとして用いることができる。なお、本実施形態の目封止ハニカムセグメント100は、複数個を接合することによって目封止ハニカムセグメント接合体を作製することにより、図6及び図7に示すような目封止ハニカム構造体600として用いることができる。図6及び図7に示すような目封止ハニカム構造体600の具体的な構成については後述する。
ハニカムセグメント4においては、セル2の延びる方向に直交する面において、所定の六角セル2abが、ハニカムセグメント4の周縁のそれぞれの角部6に位置するように配置されている。図1〜図3に示すように、ハニカムセグメント4の周縁の角部6において、六角セル2abの1つの角を構成する二辺が、当該角部6を構成する二辺の一部となるように、六角セル2abが配置されている。以下、ハニカムセグメント4の周縁のそれぞれの角部6に配置された六角セル2aを「六角セル2ab」とし、ハニカムセグメント4の周縁の角部6以外に配置された六角セル2aを「六角セル2aa」とする。そして、この六角セル2abは、六角形の1つの頂点が、ハニカムセグメント4の周縁の角部6の頂点を向くように配置されている。また、六角セル2abの内部には、ハニカムセグメント4の周縁の角部6の頂点を向く頂点を含む部位に、多孔質材料が配設されている。
本実施形態の目封止ハニカムセグメント100は、ハニカムセグメント4の周縁の角部6において、上述した多孔質材料によって構成された肉厚部7を有する。即ち、肉厚部7は、六角セル2abの一の頂点を含む部位が多孔質材料によって塞がれた部位のことである。肉厚部7は、ハニカムセグメント4のセグメント外壁3と一体化したものであってもよいし、セグメント外壁3とは別体の多孔質材料が、六角セル2abの一部に充填されて形成されたものであってもよい。なお、「セグメント外壁3と一体化したもの」とは、肉厚部7とセグメント外壁3との界面が存在せず、セグメント外壁3の一部を、肉厚部7と見做すことができる状態のものをいう。
本実施形態の目封止ハニカムセグメント100は、圧力損失の上昇を抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることができる。即ち、ハニカムセグメント4の周縁の角部6に位置するように配置された六角セル2abにおいて、当該角部6の壁面を形成する部位は、フィルタとしての濾過機能を殆んど有していない。このため、ハニカムセグメント4の周縁の角部6に配置された六角セル2abの内部に多孔質材料を配設して肉厚部7とすることで、目封止ハニカムセグメント100の圧力損失の上昇を有効に抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることができる。また、本実施形態の目封止ハニカムセグメント100は、ハニカムセグメント4の角部6に肉厚部7を有するため、角部6の欠け等の欠陥の発生についても、有効に抑制することができる。
ハニカムセグメント4のセル2の延びる方向に直交する断面における、上記肉厚部7の大きさについては特に制限はない。例えば、図5に示すように、上記断面において、ハニカムセグメント4の周縁の角部6に位置する六角セル2abの二辺を含む三角形の面積S0に対する、肉厚部7の面積S1の比率(S1/S0)が、0.125〜2.0である。このように構成することによって、圧力損失の上昇を有効に抑制しつつ、耐熱衝撃性を良好に増大させることができる。ここで、図5は、図2に示す目封止ハニカムセグメントの一部を拡大した拡大平面図であり、肉厚部の面積の算出方法を説明するための説明図である。
六角セル2abの二辺を含む三角形の面積S0に対する、肉厚部7の面積S1の比率(S1/S0)は、0.5〜1.0であることが更に好ましく、1.0であることが特に好ましい。このように構成することによって、圧力損失の上昇をより有効に抑制しつつ、耐熱衝撃性をより良好に増大させることができる。ここで、「六角セル2abの二辺を含む三角形の面積S0」、及び「肉厚部7の面積S1」は、ハニカムセグメント4のセル2の延びる方向に直交する断面を、例えば、画像解析装置によって撮像した画像を解析することによって求めることができる。「六角セル2abの二辺を含む三角形の面積S0」は、六角セル2abの六辺のうち、ハニカムセグメント4の角部6を構成する周縁に対して平行な二辺を斜辺とする三角形の面積として求めることができる。別言すれば、「面積S0」は、六角セル2abの6つの頂点のうち、ハニカムセグメント4の最も角部6側に位置する1つの頂点を頂点P1とし、頂点P1に隣接する2つの頂点を頂点P2,P3とした場合に、頂点P1,P2,P3によって囲われる面積となる。また、「肉厚部7の面積S1」は、六角セル2ab内に占める多孔質材料の面積として求めることができる。「肉厚部7の面積S1」は、頂点P1,P2,P3によって囲われる面積(即ち、面積S0)よりも大きくてもよいが、頂点P1,P2,P3によって囲われる面積と同等又はそれ以下であることがより好ましい。なお、「六角セル2abの二辺を含む三角形の面積S0」、及び「肉厚部7の面積S1」の測定において、肉厚部7とセグメント外壁3とが一体化したものの場合には、以下のようにして、それぞれの値を算出することができる。まず、ハニカムセグメント4の周縁の角部6に配置された六角セル2abの角部6に接する二辺を外挿して、この二辺が交差する点を、頂点P4とする。次に、頂点P4に隣接する2つの頂点を、頂点P5、及び頂点P6とする。「六角セル2abの二辺を含む三角形の面積S0」は、頂点P4、頂点P5、頂点P6によって囲われる面積となる。また、「肉厚部7の面積S1」は、頂点P4を起点として、六角セル2abの内部において多孔質材料が配設された部位の面積となる。なお、「面積S0」及び「面積S1」を求める際には、「多孔質材料によって開口部が塞がれていない六角セル2ab」と、「ハニカムセグメント4の周縁の角部6以外に配置された六角セル2aa」とは、同じ断面形状を有するものと仮定する。画像解析装置としては、例えば、ニコン社製の「NEXIV、VMR−1515(商品名)」を用いることができる。
図1〜図4に示す目封止ハニカムセグメント100において、隔壁1の厚さ、及びセル密度については特に制限はない。隔壁1の厚さは、100〜450μmであることが好ましく、150〜305μmであることが更に好ましく、150〜205μmであることが特に好ましい。隔壁1の厚さが100μm未満であると、目封止ハニカムセグメント100の機械的強度が低下することがある。一方、隔壁1の厚さが450μm超であると、目封止ハニカムセグメント100の圧力損失が増大することがある。
ハニカムセグメント4のセル密度は、15〜78個/cmであることが好ましく、31〜62個/cmであることが更に好ましく、47〜62個/cmであることが特に好ましい。セル密度が15個/cm未満であると、排ガス浄化フィルタとしての濾過面積が小さくなり、十分な捕集性能が得られなくなることがある。一方、セル密度が78個/cm超であると、目封止ハニカムセグメント100の圧力損失が増大することがある。
セル2の延びる方向に直交する断面において、四角セル2b及び六角セル2aaの個々の大きさについては特に制限はない。四角セル2bの面積B1に対する、六角セル2aaの面積A1の比率(A1/B1)が、0.5〜1.5であることが好ましく、1.0〜1.5であることが更に好ましく、1.0〜1.2であることが特に好ましい。このように構成することによって、目封止ハニカムセグメント100の初期状態の圧力損失を良好に低減させることができる。なお、六角セル2aの六角形は、対向する2つの頂点の内角の大きさが、それぞれ90°であることが好ましい。
隔壁1の気孔率が、35〜70%であることが好ましく、40〜50%であることが更に好ましい。隔壁1の気孔率が35%未満であると、目封止ハニカムセグメント100の圧力損失が増大することがある。隔壁1の気孔率が70%を超えると、目封止ハニカムセグメント100の機械的強度が低下することがある。隔壁1の気孔率は、水銀ポロシメータ(Mercury porosimeter)によって計測された値とする。水銀ポロシメータとしては、例えば、Micromeritics社製のAutopore 9500(商品名)を挙げることができる。
隔壁1の材料については特に制限はない。例えば、セラミックを主成分とすることが好ましい。具体的には、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。ここで、「主成分」とは、隔壁1を構成する材料中に、50質量%以上の比率で含有されている成分のことを意味する。なお、この主成分は、隔壁1を構成する材料中に、70質量%以上の比率で含有されていることが好ましく、80%以上の比率で含有されていることが更に好ましい。
肉厚部7は、隔壁1と同材質の多孔質材料からなるものであり、例えば、隔壁1と肉厚部7とは一体に成形してもよいし、隔壁1とは別途(即ち一体でなく)形成してもよい。
目封止部5の材料については特に制限はない。例えば、セラミックを主成分とすることが好ましく、隔壁1の材料として例示された材料などを好適に用いることができる。
(2)目封止ハニカムセグメントの製造方法:
次に、本発明の目封止ハニカムセグメントを製造する方法について説明する。なお、以下に説明する製造方法は、本発明の目封止ハニカムセグメントを製造する方法の一例であり、以下に説明する製造方法に限定されるものではない。
まず、ハニカムセグメントを作製するための可塑性の坏土を調製する。坏土の調製方法は、従来公知のハニカムセグメントの製造方法に準じて行うことができる。
次に、作製した坏土を押出成形することにより、複数のセルを区画形成する隔壁を有する、四角柱状のハニカム成形体を得る。押出成形においては、押出成形用の口金として、坏土の押出面に、成形するハニカム成形体の反転形状となるスリットが形成されたものを用いることができる。例えば、口金のスリットは、ハニカムセグメントの周縁の角部に肉厚部を形成するための空間を有するものであることが好ましい。押出成形により得られたハニカム成形体については、例えば、マイクロ波及び熱風で乾燥してもよい。
次に、乾燥後のハニカム成形体に、目封止部を形成する。具体的には、まず、ハニカム成形体の第一端面に対して、六角セルの開口部を覆うようにマスクを施す。この際、ハニカム成形体の第一端面において、四角セルの開口部は、上記マスクにより覆われないようにする。上述したようにマスクを施したハニカム成形体の第一端面を、目封止スラリーに浸漬し、四角セルの開口部に目封止スラリーを充填する。このようにして、ハニカム成形体の第一端面側における四角セルの開口部に、目封止部を形成する。ハニカム成形体の第二端面についても同様にして、第二端面側における六角セルの開口部に、目封止部を形成する。
次に、得られたハニカム成形体を焼成することにより、多孔質の隔壁を有するハニカムセグメントを得ることができる。焼成温度及び焼成雰囲気は、ハニカム成形体の作製に用いた材料により異なり、当業者であれば、選択された材料に最適な焼成温度及び焼成雰囲気を選択することができる。以上のようにして、本実施形態の目封止ハニカムセグメントを製造することができる。
(3)目封止ハニカムセグメント(第二実施形態〜第五実施形態):
次に、本発明の目封止ハニカムセグメントの第二実施形態〜第五実施形態について、図8〜図15を参照しつつ説明する。ここで、図8、図10、図12及び図14は、本発明の目封止ハニカムセグメントの第二実施形態〜第五実施形態を模式的に示す、第一端面側からみた平面図である。図9、図11、図13及び図15は、図8、図10、図12及び図14に示す各目封止ハニカムセグメントの一部を拡大した拡大平面図である。
第二実施形態の目封止ハニカムセグメントは、図8及び図9に示すように、四角柱状を呈するハニカムセグメント24と、セル22のいずれか一方に端面側に配設された目封止部25と、を備えたものである。ハニカムセグメント24は、第一端面31から第二端面(図示せず)に延びる複数のセル22を区画形成する多孔質の隔壁21、及びハニカムセグメント24の最外周に配設されたセグメント外壁23を有する。そして、ハニカムセグメント24は、セル22の延びる方向に直交する断面において、四角セル22bの周囲を、4つの六角セル22aが取り囲むように構成されたセル構造を有する。
第二実施形態の目封止ハニカムセグメント200において、四角セル22bは、第一端面11側の端部が、目封止部25によって目封止されており、六角セル22aは、第二端面(図示せず)側の端部が、目封止部25によって目封止されている。そして、セル22の延びる方向に直交する面において、所定の六角セル22abが、ハニカムセグメント24の周縁の角部26に位置するように配置されている。そして、第二実施形態の目封止ハニカムセグメント200も、ハニカムセグメント24の周縁の角部26において、六角セル22abの内部に配設された多孔質材料によって構成された肉厚部27を有する。
図1〜図4に示す第一実施形態の目封止ハニカムセグメント100においては、六角セル2abの角部6側の頂点から延びる二辺のそれぞれの中点付近まで、六角セル2abの多孔質材料が充填されることにより、肉厚部7が形成されていた。図8及び図9に示すように、第二実施形態の目封止ハニカムセグメント200においては、ハニカムセグメント24の角部6付近において、セグメント外壁23の厚さが、部分的に約2倍の厚さとなるように構成されている。そして、上述したセグメント外壁23の厚さが増大した部分が、第二実施形態の目封止ハニカムセグメント200における肉厚部27となっている。このように構成された目封止ハニカムセグメント200は、圧力損失の上昇を有効に抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることができる点で利点がある。
図8及び図9では、ハニカムセグメント24の角部6付近において、セグメント外壁23の厚さが部分的に約2倍の厚さとなるように構成された例をしているが、セグメント外壁23の厚さは、図8及び図9に示す例に限定されることはない。例えば、ハニカムセグメント24の角部6付近において、セグメント外壁23の厚さは、その他の部位に対して、1〜4倍の厚さとなっていることが好ましく、2〜3倍の厚さとなっていることが更に好ましい。肉厚部27の面積S1を求める際には、セグメント外壁23の厚さが厚くなっている部分の面積として求めることができる。
第三実施形態の目封止ハニカムセグメントは、図10及び図11に示すように、四角柱状を呈するハニカムセグメント44と、セル42のいずれか一方に端面側に配設された目封止部45と、を備えたものである。ハニカムセグメント44は、第一端面51から第二端面(図示せず)に延びる複数のセル42を区画形成する多孔質の隔壁41、及びハニカムセグメント44の最外周に配設されたセグメント外壁43を有する。そして、ハニカムセグメント44は、セル42の延びる方向に直交する断面において、四角セル42bの周囲を、4つの六角セル42aが取り囲むように構成されたセル構造を有する。
第三実施形態の目封止ハニカムセグメント300において、四角セル42bは、第一端面51側の端部が、目封止部45によって目封止されており、六角セル42aは、第二端面(図示せず)側の端部が、目封止部45によって目封止されている。そして、セル42の延びる方向に直交する面において、所定の六角セル42abが、ハニカムセグメント44の周縁の角部46に位置するように配置されている。そして、第三実施形態の目封止ハニカムセグメント300も、ハニカムセグメント44の周縁の角部46において、六角セル42abの内部に配設された多孔質材料によって構成された肉厚部47を有する。目封止ハニカムセグメント300においては、六角セル42abの角部46側に位置する1つの頂点P1と、この頂点P1に隣接する2つの頂点P2,P3の3点に囲われる三角形の範囲に、肉厚部47が形成されている。このように構成された目封止ハニカムセグメント300は、圧力損失の上昇を有効に抑制しつつ、耐熱衝撃性をより良好に増大させることができる。
第四実施形態の目封止ハニカムセグメントは、図12及び図13に示すように、四角柱状を呈するハニカムセグメント64と、セル62のいずれか一方に端面側に配設された目封止部65と、を備えたものである。ハニカムセグメント64は、第一端面71から第二端面(図示せず)に延びる複数のセル62を区画形成する多孔質の隔壁61、及びハニカムセグメント64の最外周に配設されたセグメント外壁63を有する。そして、ハニカムセグメント64は、セル62の延びる方向に直交する断面において、四角セル62bの周囲を、4つの六角セル62aが取り囲むように構成されたセル構造を有する。
第四実施形態の目封止ハニカムセグメント400において、四角セル62bは、第一端面71側の端部が、目封止部65によって目封止されており、六角セル62aは、第二端面(図示せず)側の端部が、目封止部65によって目封止されている。そして、セル62の延びる方向に直交する面において、所定の六角セル62abが、ハニカムセグメント64の周縁の角部66に位置するように配置されている。そして、第四実施形態の目封止ハニカムセグメント400も、ハニカムセグメント64の周縁の角部66において、六角セル62abの内部に配設された多孔質材料によって構成された肉厚部67を有する。目封止ハニカムセグメント400においては、六角セル62abの角部46側に位置する頂点付近がR状になるように、肉厚部67が形成されている。このように構成された目封止ハニカムセグメント400は、肉厚部67の表面(即ち、六角セル62abの内部に面する表面)が丸みを有するものとなり、目封止ハニカムセグメント400の熱膨張時に発生する応力をより有効に緩和することができる。このため、耐熱衝撃性により優れたものとすることができる。
第五実施形態の目封止ハニカムセグメントは、図14及び図15に示すように、四角柱状を呈するハニカムセグメント84と、セル82のいずれか一方に端面側に配設された目封止部85と、を備えたものである。ハニカムセグメント84は、第一端面91から第二端面(図示せず)に延びる複数のセル82を区画形成する多孔質の隔壁81、及びハニカムセグメント84の最外周に配設されたセグメント外壁83を有する。そして、ハニカムセグメント84は、セル82の延びる方向に直交する断面において、四角セル82bの周囲を、4つの六角セル82aが取り囲むように構成されたセル構造を有する。
第五実施形態の目封止ハニカムセグメント500において、四角セル82bは、第一端面91側の端部が、目封止部85によって目封止されており、六角セル82aは、第二端面(図示せず)側の端部が、目封止部85によって目封止されている。そして、セル82の延びる方向に直交する面において、所定の六角セル82abが、ハニカムセグメント84の周縁の角部86に位置するように配置されている。そして、第五実施形態の目封止ハニカムセグメント500も、ハニカムセグメント84の周縁の角部86において、六角セル82abの内部に配設された多孔質材料によって構成された肉厚部87を有する。目封止ハニカムセグメント500においては、六角セル82abの角部86側に位置する1つの頂点P1と、この頂点P1に隣接する2つの頂点P2,P3の3点に囲われる三角形の範囲を超えて、肉厚部87が形成されている。このように構成された目封止ハニカムセグメント300は、圧力損失の上昇を抑制することが若干減少するものの、耐熱衝撃性を増大させる効果により優れたものとなる。
(4)目封止ハニカム構造体:
次に、本発明の目封止ハニカム構造体の実施形態について、図6及び図7を参照しつつ説明する。ここで、図6は、図1に示す目封止ハニカムセグメントを用いた目封止ハニカム構造体を模式的に示す、第一端面側からみた斜視図である。図7は、図6に示す目封止ハニカム構造体を、第一端面側からみた平面図である。
図6及び図7に示すように、本実施形態の目封止ハニカム構造体600は、目封止ハニカムセグメント接合体610と、目封止ハニカムセグメント接合体610の外周面に配設された外周壁611と、を備えたものである。
目封止ハニカムセグメント接合体610は、目封止ハニカムセグメント100の複数個と、複数個の目封止ハニカムセグメント100の側面同士を接合する接合層612と、を有するものである。本実施形態の目封止ハニカム構造体600においては、目封止ハニカムセグメント100として、これまでに説明した第一実施形態の目封止ハニカムセグメント100を用いる点に特徴を有している。なお、目封止ハニカムセグメント接合体610に用いる目封止ハニカムセグメント100は、これまでに説明した第二実施形態〜第五実施形態の目封止ハニカムセグメント200,300,400,500のいずれかであってもよい。本実施形態の目封止ハニカム構造体600は、第一実施形態の目封止ハニカムセグメント100を用いた目封止ハニカムセグメント接合体610を備えているため、圧力損失の上昇を抑制しつつ、耐熱衝撃性を増大させることができる。
本実施形態の目封止ハニカム構造体600は、所謂、セグメント構造の目封止ハニカム構造体であり、目封止ハニカムセグメント100の構成に特徴を有する点以外は、例えば、従来のセグメント構造の目封止ハニカム構造体の構成を採用することができる。また、目封止ハニカム構造体600の製造方法についても、これまでに説明した方法により目封止ハニカムセグメント100を製造すること以外は、従来公知の製造方法に準じた製造方法を採用することができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
セラミックス原料として、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合した混合原料を準備した。炭化珪素(SiC)粉末の平均粒子径は、3〜40μmの範囲のものであった。この混合原料に、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加するとともに、水を添加して成形原料を作製した。得られた成形原料を、ニーダーを用いて混練し、坏土を得た。
次に、得られた坏土を、押出成形機を用いて成形し、図2に示すハニカムセグメント4と同様のセル構造(即ち、セル2の配列パターン)を有する四角柱状のハニカムセグメント成形体を16個作製した。なお、「図2に示すハニカムセグメントと同様のセル構造」とは、断面形状が正方形の四角セルの周りを、断面形状が六角形の4つの六角セルが取り囲むようにセルが配列されたセル構造のことである。
次に、得られたハニカムセグメント成形体を、高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて更に乾燥した。
乾燥後のハニカムセグメント成形体に、目封止部を形成した。まず、ハニカムセグメント成形体の第一端面にマスクを施した。次に、マスクの施された端部(第一端面側の端部)を目封止スラリーに浸漬し、マスクが施されていないセル(四角セル)の開口部に目封止スラリーを充填した。このようにして、ハニカムセグメント成形体の第一端面側に、目封止部を形成した。そして、乾燥後のハニカムセグメント成形体の第二端面についても同様にして、六角セルにも目封止部を形成した。
そして、目封止部の形成されたハニカムセグメント成形体を脱脂し、焼成し、目封止ハニカムセグメントを得た。脱脂の条件は、550℃で3時間とし、焼成の条件は、アルゴン雰囲気下で、1450℃、2時間とした。
得られた目封止ハニカムセグメントは、六角セルが、ハニカムセグメントの周縁の角部に位置するように配置されており、この角部において、六角セルの内部に配設された多孔質材料によって構成された肉厚部を有するものであった。
得られた目封止ハニカムセグメントは、セルの延びる方向に直交する断面が正方形で、その正方形の一辺の長さ(セグメントサイズ)が36mmであった。また、目封止ハニカムセグメントは、セルの延びる方向の長さが152.4mmであった。表1に、目封止ハニカムセグメントの隔壁の厚さ(μm)、セル密度(個/cm)を示す。また、隔壁の気孔率は、48%であった。隔壁の気孔率は、Micromeritics社製のAutopore 9500(商品名)によって測定した。
得られた目封止ハニカムセグメントは、ハニカムセグメントの周縁の角部において、六角形のセルの内部に配設された多孔質材料によって構成された肉厚部を有するものであった。目封止ハニカムセグメントの周縁の角部に位置する六角形のセルの二辺を含む三角形の面積S0に対する、肉厚部の面積S1の比率(S1/S0)は、0.25であった。表1に、肉厚部の面積比率(S1/S0)の値を示す。
次に、作製した16個の目封止ハニカムセグメントを、接合材(セラミックスセメント)を用いて接合し一体化した。接合材は、無機粒子、無機接着剤を主成分とし、副成分として、有機バインダ、界面活性剤、発泡樹脂、水等を含むものとした。16個の目封止ハニカムセグメントが一体化に接合された目封止ハニカムセグメント接合体の外周を円柱状に研削加工し、その外周面にコート材を塗布して、実施例1の目封止ハニカム構造体を得た。実施例1の目封止ハニカム構造体は、端面の直径が143.8mmであった。
Figure 0006976212
次に、得られた目封止ハニカム構造体について、以下の方法で、「機械的強度」、「耐熱衝撃性(熱容量)」、「圧力損失」、及び「熱応力」に関する評価を行った。評価結果を表1に示す。
[機械的強度]
機械的強度の評価は、以下の方法で行った。まず、JASO規格(日本自動車技術会規格)に規定されているアイソスタティック強度試験にて、ハニカム構造体のアイソスタティック強度(Isostatic strength)を測定した。アイソスタティック強度は、等方的な静水圧荷重を負荷したときの圧縮破壊強度であって、破壊が発生したときの圧力値で示される。得られた測定結果について、下記評価基準に基づき評価を行った。なお、下記評価基準における比率(百分率)は、比較例1の測定結果を100%とした場合の比率である。
評価A:比較例1より+15%以上改善した場合、評価Aとする。
評価B:比較例1より+10%以上+15%未満改善した場合、評価Bとする。
評価C:比較例1より+5%以上+10%未満改善した場合、評価Cとする。
評価D:比較例1からの改善が+5%未満、又は改善が見られない場合、評価Dとする。
[耐熱衝撃性(熱容量)]
耐熱衝撃性(熱容量)の評価においては、以下に示す、電気炉による耐熱衝撃試験を実施した。耐熱衝撃試験は、まず、400℃に保った電気炉に、試料としての目封止ハニカム構造体を入れ、1時間加熱した。1時間経過後、目封止ハニカム構造体を室内に取り出し、冷えるまで外観を目視で観察しつつ、細い金属棒で目封止ハニカム構造体の外側面を全周にわたって軽く叩いた。この際、目封止ハニカム構造体にクラックが観察されず、且つ打音が金属音なら合格とした。合格の場合には、電気炉の温度を更に25℃上げ、同じ工程を繰り返し、目封止ハニカム構造体にクラックが観察されるか、又は打音が濁音となるまで続けた。そして、合格が確認された最高温度を、測定対象の目封止ハニカム構造体の耐熱衝撃性の評価値とした。得られた結果について、下記評価基準に基づき評価を行った。なお、下記評価基準における比率(百分率)は、比較例1の評価値を100%とした場合の比率である。
評価A+:比較例1より+100℃以上の場合、評価A+とする。
評価A:比較例1より+75℃の場合、評価Aとする。
評価B:比較例1より+50℃の場合、評価Bとする。
評価C:比較例1より+25℃の場合、評価Cとする。
評価D:比較例1と同等、又はそれ以下の場合、評価Dとする。
[圧力損失]
圧力損失の評価は、以下の方法で行った。特開2005−172652号公報(特願2003−414291)に記載の圧力損失測定装置にて、目封止ハニカム構造体の圧力損失を測定した。得られた測定結果について、下記評価基準に基づき評価を行った。
評価A:比較例1と同等の場合、評価Aとする。
評価B:比較例1より高い値を示した場合、評価Bとする。
[熱応力]
熱応力の評価は、以下の方法で行った。まず、電気炉中に目封止ハニカム構造体を入れた。次に、室温から600℃まで電気炉中の雰囲気を変化させた時の、目封止ハニカム構造体の温度分布を取得した。次に、取得した温度分布について熱応力解析を実施して、目封止ハニカム構造体に発生した最大応力値を求めた。発生した最大応力値の結果について、下記評価基準に基づき評価を行った。なお、下記評価基準における比率(百分率)は、比較例1の評価値を100%とした場合の比率である。
評価A:比較例1より+5%以上の場合、評価Aとする。
評価B:比較例1に比して+5%未満の場合、評価Bとする。
(実施例2〜5、比較例1)
目封止ハニカムセグメントの周縁の角部に位置する六角形のセルの二辺を含む三角形の面積S0に対する、肉厚部の面積S1の比率(S1/S0)を、表1に示すように変更したことが以外は、実施例1と同様の方法で、目封止ハニカムセグメントを作製した。そして、得られた目封止ハニカムセグメントを用いて、実施例1と同様の方法で、目封止ハニカム構造体を作製した。得られた目封止ハニカム構造体について、「機械的強度」、「耐熱衝撃性(熱容量)」、「圧力損失」、及び「熱応力」に関する評価を行った。評価結果を表1に示す。実施例2は、図8に示すようなセル構造であり、実施例3は、図10に示すようなセル構造であり、実施例4は、図12に示すようなセル構造であり、実施例5は、図14に示すようなセル構造であった。表1の「参照図」の欄は、各実施例において、セル構造を参照する図面の番号を示す。
(結果)
実施例1〜5の目封止ハニカム構造体は、比較例1の目封止ハニカム構造体に比して、機械的強度及び耐熱衝撃性(熱容量)の評価において、優れた結果を得ることができた。また、圧力損失の評価に関し、実施例1〜4の目封止ハニカム構造体と、比較例1の目封止ハニカム構造体とは、ほぼ同等の値を示していた。このため、実施例1〜4の目封止ハニカム構造体は、圧力損失の低減を有効に抑制することができることが分かった。また、実施例5の目封止ハニカム構造体についても、圧力損失の増大は極めて僅かであり、耐熱衝撃性(熱容量)の評価が極めて優れていることに鑑みると、圧力損失の評価に関しても良好な結果であるといえる。
実施例4の目封止ハニカム構造体は、熱応力の評価において、優れた結果を得ることができた。実施例4の目封止ハニカム構造体は、図12及び図13に示す目封止ハニカムセグメント400を用いたものである。図12及び図13に示すような目封止ハニカムセグメント400は、肉厚部67の表面(即ち、六角セル62abの内部に面する表面)が丸みを有しているため、熱膨張時に発生する応力を緩和し、熱応力の評価において良好な結果を得ることができたものと考えられる。
本発明の目封止ハニカムセグメント、及び目封止ハニカム構造体は、排ガスを浄化するためのフィルタとして利用することができる。
1,21,41,61,81:隔壁、2,22,42,62,82:セル、2a,22a,42a,62a,82a:六角セル、2aa,22aa,42aa,62aa,82aa:六角セル(角部以外に配置された六角セル)、2ab,22ab,42ab,62ab,82ab:六角セル(角部に配置された六角セル)、2b,22b,42b,62b,82b:四角セル、3,23,43,63,83:セグメント外壁、4,24,44,64,84:ハニカムセグメント、5,25,45,65,85:目封止部、6,26,46,66,86:角部、7,27,47,67,87:肉厚部、11,31,51,71,91:第一端面、12:第二端面、100,200,300,400,500:目封止ハニカムセグメント、600:目封止ハニカム構造体、610:目封止ハニカムセグメント接合体、611:外周壁、612:接合層、S0:面積(ハニカムセグメントの周縁の角部に位置する前記六角形のセルの二辺を含む三角形の面積)、S1:面積(肉厚部の面積)。

Claims (8)

  1. 第一端面及び第二端面を有する四角柱状を呈し、前記第一端面から前記第二端面に延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁、及び最外周に配設されたセグメント外壁を有するハニカムセグメントと、
    前記セルのいずれか一方に端面側に配設された目封止部と、を備え、
    前記ハニカムセグメントは、前記セルの延びる方向に直交する断面において、四角形の前記セルの周囲を、4つの六角形の前記セルが取り囲むように構成されたセル構造を有し、
    四角形の前記セルは、前記第一端面側の端部が、前記目封止部によって目封止されており、
    六角形の前記セルは、前記第二端面側の端部が、前記目封止部によって目封止されており、
    前記断面において、前記ハニカムセグメントの周縁のそれぞれの角部に、前記六角形のセルが位置するように配置されるとともに、それぞれの前記角部に配設された前記六角形のセルは、六角形の一の頂点が、前記ハニカムセグメントの周縁の角部の頂点を向くように配置されており、
    それぞれの前記角部に配設された前記六角形のセルの内部には、前記六角形の前記一の頂点を含む部位に、多孔質材料が配設されており、
    前記ハニカムセグメントの周縁の前記角部において、前記多孔質材料によって構成された肉厚部を有し、前記断面において、前記ハニカムセグメントの周縁の前記角部に位置する前記六角形のセルの二辺を含む三角形の面積S0に対する、前記肉厚部の面積S1の比率が、0.125〜2.0である、目封止ハニカムセグメント。
  2. 前記断面において、前記面積S0に対する、前記肉厚部の面積S1の比率が、0.5〜1.0である、請求項に記載の目封止ハニカムセグメント。
  3. 前記ハニカムセグメントのセル密度が、15〜78個/cmである、請求項1又は2に記載の目封止ハニカムセグメント。
  4. 前記ハニカムセグメントの前記隔壁の厚さが、100〜450μmである、請求項1〜のいずれか一項に記載の目封止ハニカムセグメント。
  5. 前記断面において、前記四角形のセルの面積B1に対する、前記六角形のセルの面積A1の比率が、0.5〜1.5である、請求項1〜のいずれか一項に記載の目封止ハニカムセグメント。
  6. 前記ハニカムセグメントは、前記セルの延びる方向に直交する断面の形状が、矩形である、請求項1〜のいずれか一項に記載の目封止ハニカムセグメント。
  7. 前記六角形は、対向する2つの頂点の内角の大きさが、それぞれ90°である、請求項1〜のいずれか一項に記載の目封止ハニカムセグメント。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の目封止ハニカムセグメントの複数個と、複数個の前記目封止ハニカムセグメントの側面同士を接合する接合層と、を有する目封止ハニカムセグメント接合体と、
    前記目封止ハニカムセグメント接合体の外周面に配設された外周壁と、を備えた、目封止ハニカム構造体。
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