〔実施形態1〕
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(LongTerm Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
サーバ200は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続する。
ユーザ端末100は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。また、図1に示すように、ユーザ端末100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、ユーザ端末100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値をユーザ端末100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、および、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値をユーザ端末100へ送信する。
なお、ユーザ端末100がカメラ17および測距センサ18を備えることに代えて、または、加えて、コントローラ1020がカメラ17および測距センサ18を有していてもよい。
ユーザ端末100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前またはログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、ユーザ端末100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
ユーザ端末100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200または他のユーザ端末100と通信せずに、1台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することができる。また、各ユーザ端末100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)こと
で、複数台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、ユーザ端末100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数のユーザ端末100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、ユーザ端末100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける成績または勝敗等のプレイ結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
また、コントローラ1020は、ユーザ端末100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、ユーザ端末100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線によりユーザ端末100とコントローラ1020とが結合している場合は、ユーザ端末100とコントローラ1020とは、信号を有線を介して送受信する。
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラム及びデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15、カメラ17、および、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
例えば、操作部が、カメラ17および測距センサ18のいずれか一方または両方で構成される場合、該操作部が、ユーザ端末100の近傍の物体1010(例えば、ユーザの手、予め定められた形状のマーカーなど)を検出し、当該物体の検出結果(検出した物体の色、形状、動き、種類等)から入力操作を特定する。より具体的には、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
あるいは、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、ユーザ端末100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
ゲームシステム1は、一例として、ユーザによって操作される1以上のキャラクタから成るチームが、対戦相手としての相手ユーザまたは相手コンピュータによって制御される相手チーム(他チーム)と対戦するゲームを実行するためのシステムである。ゲームシス
テム1は、例えば、対戦にかかるゲームとして、対戦型野球ゲームを実行するためのシステムである。すなわち、該対戦型野球ゲームにおける対戦には、ゲームプログラムに基づいてコンピュータによって制御される相手チームと対戦する対コンピュータ対戦と、ユーザによってコンピュータを介して制御される相手チームと対戦する対ユーザ対戦とがある。さらに、該対戦型野球ゲームには、少なくとも1のキャラクタを主役キャラクタ(指定
キャラクタ)にして、該主役キャラクタの目線でゲームが進行するシーズンプレイモード(第1ゲームモード)と、主役キャラクタが属する前記チームを前記相手チームと対戦させる対戦モード(第2ゲームモード)とが含まれる。該対戦モードにおける対戦は、対ユーザ対戦である。これに限らず、対戦モードは、対コンピュータ対戦を含んでいてもよい
。
対戦モードにおいて、それぞれのユーザによって、サーバ200を介して通信する第1のユーザ端末100と第2のユーザ端末100とを介して、それぞれのチームが制御される。そして、対戦モードは、1イニングごとにチームの攻守が入れ替わりつつ、進行する。より詳細には、投球側のユーザ端末100は、投球側のユーザから受け付けた投球操作に応じて投球データを生成し、打撃側のユーザ端末100に送信する。投球操作とは、投球側のユーザが、投手キャラクタに投球させるために、投球側のユーザ端末100の入力部151に対して実施する操作のことである。打撃側のユーザ端末100は、打撃側のユーザから受け付けた打撃操作に応じて打撃データを生成し、投球側のユーザ端末100に送信する。打撃操作とは、打撃側のユーザが、打者キャラクタにボールを打撃させるために、打撃側のユーザ端末100の入力部151に対して実施する操作のことである。
一方、シーズンプレイモードにおいては、1のユーザ端末100を用いて、1の主役キャラクタが操作される。シーズンプレイモードにおいて、主役キャラクタは、様々なイベントをこなす。ユーザが、該主役キャラクタを操作して、該主役キャラクタにイベントを実行させることにより、シーズンプレイモードが進行する。本実施形態では、シーズンプレイモードは、「シーズン」という単位で区切られ、シーズンごとに進行する。シーズンにおいては、該シーズンに割り当てられたイベント(複数のイベント1セット)が主役キャラクタに対して提示される。そして、ユーザ操作に基づいて、主役キャラクタによりイベントが実行される。シーズン内で、上述のイベントの提示および実行が繰り返され、シーズンの最後には、シーズンを通して課されたイベントの実行結果に応じて第1パラメータが算定され、当該第1パラメータが付与される。第1パラメータは、例えば、報酬、より具体的には、年俸である。こうして、主役キャラクタに繰り返しシーズンを過ごさせることにより、主役キャラクタに対してシーズンごとに年俸を設定することができる。本実施形態では、シーズンプレイモードにおいて年俸が設定された主役キャラクタは、対コンピュータ対戦および対ユーザ対戦の両方に出場させることができる。その上、本実施形態では、主役キャラクタの年俸は、対戦において参照されるチームの強さに対して、影響を与える。したがって、シーズンプレイモードにおいて主役キャラクタを活躍させて良い年俸を得るほど、これらの対戦を有利に進めることができる。シーズンプレイモードの詳細、および、主役キャラクタの活躍が対戦においてどのように有利に働くのかについては、後に詳述する。
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、
後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100により実現するためのゲームプログラムであってもよいし、該ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよいし、該ゲームを複数のユーザ端末100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとはユーザ情報、ゲーム情報等、ゲームに関するデータ、ならびにユーザ端末100とサーバ200との間または複数のユーザ端末100間で送受信する指示や通知を含んでいる。
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ
12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタンやカメラ、マイク、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は、例えば、パルス変換した光を発光する光源と、光を受光する受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、発光された光が測定対象物にあたって反射される反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、光源として、指向性を有する光を発光するものを有することとしてもよい。
ここで、ユーザ端末100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17および測距センサ18は、例えば、ユーザ端末100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置および可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)〜(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザの行ったジェスチャを特定する。例えば指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定し、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定し、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、および、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて
、ユーザ端末100の近傍の物体1010(ユーザの手など)とユーザ端末100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手がユーザ端末100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手がユーザ端末100に接近しているか遠ざかっているかを検出してもよい。(5)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認
識結果等により、ユーザの手が検出されている状態で、ユーザ端末100とユーザの手との距離が変化している場合、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。プロセッサ10は、カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体を検出したりしなかったりする場合に、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、この手をどのように移動させているか、また、ユーザ端末100に対して接近させているか遠ざけているかを検出する。このような操作は、例えば、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。ユーザ端末100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、タッチスクリーン15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、ユーザ端末100は、ユーザが選択している状態(マウスのクリック継続、タッチパネルへのタッチダウンおよびタッチの継続)と判別する。また、ユーザ端末100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、該移動をスワイプ操作(またはドラッグ操作)と判別することもできる。また、ユーザ端末100は、例えば、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果において、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、マウスのクリック、タッチパネルへのタップ操作に対応する処理をすることとしてもよい。
<ユーザ端末100の機能的構成>
図2は、ユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。ユーザ端末100が備えている、一般的なスマートフォン等として機能する場合に必要な機能的構成、および、対戦型野球ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成については、適宜省略している。
ユーザ端末100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
記憶部120は、能力値決定テーブル121および主役キャラクタ情報122、ならびに、ゲームプログラム131、ゲーム情報132およびユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100で実行するゲームプログラムである。ゲーム情報132は、制御部110がゲームプログラムを実行する際に参照するデータであって、サーバ200が保持するゲーム情報と同様の情報を含んでいる。ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータであって、同じデータがサーバ200にも保持されている。能力値決定テーブル121は、主役キャラクタに付与された第1パラメータ(例えば、年俸)に基づいて、該主役キャラクタの能力値を決定するための計算式または規則等を示す情報である。主役キャラクタ情報122は、シーズンプレイモードの実行結果を示す情報である。主役キャラクタの能力値は、主役キャラクタ情報122に含まれる。
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲーム情報132に記憶された、ゲーム空間を構築するための情報を参照してゲーム空間を構築する。また、制御部110は、各種データを送受信する。例えば、制御部110はサーバ200から各種データおよびプログラム等を受信する。制御部110は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をサーバ200に送信する。制御部110はサーバ200にマル
チプレイの同期の要求を送信してもよい。制御部110はサーバ200からマルチプレイの同期のためのデータを受信してもよい。
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、操作受付部111、表示制御部112、プレイモード実行部113、能力値調整部114および対戦モード実行部115として機能する。さらに、プレイモード実行部113の機能は、イベント管理部30、イベント実行部31および年俸算定部32の各部に分けることが可能である。制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、これらの各部としても機能する。
操作受付部111は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。操作受付部111は、タッチスクリーン15およびその他の入出力IF14を介したコンソールに対してユーザが及ぼした作用から、いかなる入力操作がなされたかを判別し、その結果を制御部110の各要素に出力する。
操作受付部111は、入力部151に対する入力操作(例えば、投球操作または打撃操作)を受け付け、該入力操作の入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部111は、入力操作の種類として、例えばタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を特定する。また、操作受付部111は、連続して検知されていた入力が途切れると、タッチスクリーン15から接触入力が解除されたことを検知する。
表示制御部112は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、上述の各要素によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部112は、ゲーム画面にアイコン、ボタン、または、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なユーザインターフェース(以下、UI)に係るオブジェクトを重畳して描画してもよい。
プレイモード実行部113は、本実施形態に係るゲームプログラムに基づく対戦型野球ゲームのうち、シーズンプレイモードを実行する。プレイモード実行部113は、より詳細には、イベント管理部30、イベント実行部31および年俸算定部32を含む。
イベント管理部30は、シーズンプレイモードに含まれる各種イベントを管理する。イベントは、課されたタスクを達成するために主役キャラクタが動作することによって進行するイベントであってもよい。また、イベントは、主役キャラクタが動作する該イベントの合間に発生するものであってもよい。合間に発生するイベントは、例えば、ユーザに対して単に情報が提示されるだけのイベントであってもよいし、ユーザに情報を入力させることにより進行するイベントであってもよい。イベント管理部30は、シーズンプレイモードの進行中に所定のタイミングで、複数のイベントを発生させ、ユーザに提示する。
イベント実行部31は、イベント管理部30によって発生したイベントを実行する。具体的には、操作受付部111を介して入力されるユーザ操作にしたがって、主役キャラクタを制御し、該主役キャラクタに動作を行わせてイベントを進行させる。ユーザ操作の巧拙が、イベント完遂の成否または達成度に影響を与えてもよい。つまり、ユーザがうまく主役キャラクタを操作するほど、イベントに関してより良い実行結果が得られる。
年俸算定部32は、イベント実行部31によって実行されたイベントの実行結果に応じて年俸を算定する。年俸算定部32は、実行結果が良いほど値が高くなるように年俸を算定する。年俸の算定するための計算式または規則等は、図示しないが記憶部120に記憶されていてもよい。
能力値調整部114は、年俸算定部32によって算定された年俸に基づいて、主役キャラクタの能力値を調整する。能力値調整部114は、例えば、能力値決定テーブル121にしたがって、年俸が良好な値であるほど能力が高くなるように能力値を決定する。
本実施形態では、プレイモード実行部113は、シーズンごとに、イベントの提示、イベントの実行、および、年俸の算定を繰り返す。したがって、能力値調整部114は、シーズンの終わりに算定された年俸に基づいて、主役キャラクタの能力値を決定する。すなわち、能力値調整部114は、シーズンプレイモードにおけるシーズンごとに能力値を更新する。能力値調整部114は、今シーズンの終わりに更新した能力値を、主役キャラクタ情報122として記憶部120に格納する。今シーズンに更新された能力値は、次のシーズンを過ごさせる主役キャラクタの能力値として、次のシーズンを進行させるプレイモード実行部113の各部によって参照される。例えば、主役キャラクタの動作が結果に反映される次のシーズンのイベントが、対コンピュータ対戦である場合、イベント実行部31は、当該対戦を、1つ前のシーズン(すなわち、上述の「今シーズン」)の年俸に基づいて決定された能力値に基づいて進行させる。
対戦モード実行部115は、本実施形態に係るゲームプログラムに基づく対戦型野球ゲームのうち、対戦モードを実行する。具体的には、対戦モード実行部115は、サーバ200を介して、対戦相手のユーザが操作する他のユーザ端末100と通信することにより、対ユーザ対戦を実施する。対戦モードにおける対ユーザ対戦は、現実に存在する対戦相手のユーザとの間でリアルタイムに実施される対戦である。したがって、対戦モード実行部115は、該対戦が実施される時点で進行中のシーズンプレイモードにおいて確定している主役キャラクタの能力値に基づいて、該対戦を進行させる。つまり、対戦モード実行部115は、対ユーザ対戦が実施される時に主役キャラクタ情報122から読み出される能力値に基づいて該対戦を進行させる。
オブジェクト制御部116は、ユーザによる操作入力、および/または、ゲームプログラムに基づいて、各種オブジェクトを制御する。オブジェクトは、ゲーム空間としての球場に配置されるものである。
オブジェクトの中には、可視化されて、打撃画面600または投球画面700内に表示されるものがある。ユーザは、表示されたオブジェクトを視認して、該オブジェクトに対する操作を行って、該対戦型野球ゲームをプレイすることができる。オブジェクトとしては、これに限らないが、打者キャラクタ601、バット602、投手キャラクタ603、ボール604、および、ミートカーソル606等がある。各オブジェクトについては後に詳しく説明する。
さらに、オブジェクト制御部116は、バット602、ボール604、ミートカーソル606等の、ゲーム空間における位置を判定する。例えば、オブジェクト制御部116は、ボール604がストライクゾーン617またはボールゾーン618のいずれの位置に到達するかを判定したり、到達したボール604に、バット602が当たったか否かをミートカーソル606の位置に基づいて判定したりする。
なお、サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、ユーザ端末100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよい。
<ユーザ端末100の処理フロー>
図3は、ユーザ端末100が、ゲームプログラムに基づいて実行する処理の流れを示すフローチャートである。まず、ユーザによって、シーズンプレイモードをプレイするのか、対戦モードをプレイするのかが選択される。シーズンプレイモードの選択を操作受付部111が受け付けると(ステップS101でA)、プレイモード実行部113は、ゲームプログラム131に基づいて、シーズンプレイモードを開始する。ここで、プレイモード実行部113は、シーズンの開始に先行して、シーズンプレイモードをプレイする上で必要な設定を、ユーザの指示にしたがって行ってもよい。例えば、プレイモード実行部113は、自チームに属するキャラクタのうち、ユーザの操作に基づいて指定されたキャラクタを、シーズンプレイモードでシーズンを過ごさせる主役キャラクタとして設定する(ステップS102)。次に、プレイモード実行部113は、1つのシーズンを開始する(ステップS103)。シーズンが開始されると、イベント管理部30は、該シーズンに割り当てられた各種イベントを提示する(ステップS104)。イベント実行部31は、記憶部120に記憶されている主役キャラクタ情報122を読み出す(ステップS105)。イベント実行部31は、主役キャラクタ情報122に示されている、今シーズンの主役キャラクタの能力値と、ユーザの操作とにしたがって、主役キャラクタにステップS104にて提示されたイベントを進行させる(ステップS106)。イベントは例えば対コンピュータ対戦である。イベントは例えば該対戦の前に発生するミニゲーム(詳細は後述する)である。イベントは例えば該対戦の後に発生する該対戦結果の出力である。
上述のシーズンに含まれるすべてのイベントが終了しないうちは(ステップS107でNO)、イベント管理部30によるイベントの提示と、イベント実行部31によるイベントの実行とが繰り返される。シーズンの完了は、例えば、イベント管理部30が、該シーズンに割り当てられているすべてのイベントを1セットとして、各イベントが提示されたこと、かつ、イベント実行部31が、該提示されたすべてのイベントの進行を完了させたことに基づいて判断されてもよい。
シーズンに割り当てられたイベントのセットが実行され、該シーズンが完了すると(ステップS107でYES)、年俸算定部32は、該シーズンにおいて実行されたイベントの実行結果に応じて、該主役キャラクタの該シーズンにおける年俸を算定する(ステップS108)。これにより、該主役キャラクタに対して今シーズンの年俸が設定される。
能力値調整部114は、能力値決定テーブル121にしたがって、年俸算定部32によって新たに算定された年俸に基づいて、主役キャラクタの能力値を調整する(ステップS109)。能力値決定テーブル121は、年俸と能力値との相関関係を示す情報であり、例えば、計算式等である。能力値調整部114は、決定した新しい能力値を記憶部120に記憶することにより、主役キャラクタ情報122の内容を更新する。
シーズンプレイモードを終了する旨の指示がユーザから入力されない内は(ステップS110でNO)、プレイモード実行部113は、今シーズンを終了させて、次の新しいシーズンを開始させる(ステップS102)。そして、次シーズンについてステップS104〜S109の各処理が繰り返される。したがって、上述の次シーズンのステップS106において、対戦等のイベントは、上述の今シーズンのステップS108にて算定された年俸に基づいて決定された能力値に基づいて進行する。
一方、対戦モードの選択を操作受付部111が受け付けると(ステップS101でB)
、対戦モード実行部115は、ゲームプログラム131に基づいて、対戦モードを実行する。まず、対戦モード実行部115は、対戦モードが選択された時点において、記憶部120に記憶されている主役キャラクタ情報122を読み出す(ステップS111)。対戦モード実行部115は、読み出した主役キャラクタ情報122に示されている主役キャラ
クタの能力値に基づいて、対ユーザ対戦を進行させる(ステップS112)。対ユーザ対戦では、シーズンという時間概念が存在しない。したがって、対ユーザ対戦が実行されるその時々で、記憶部120に格納されている最新の能力値が読み出され、対戦に使用される。
<対戦について>
まず、対戦を実施するチームについて説明する。対戦が開始される前に、複数のキャラクタから成るチームが編成される。チームには、シーズンプレイモードで指定された主役キャラクタが含まれることとしてよく、チームに含まれる主役キャラクタは1名または複数名であるとしてもよい。ユーザは、ユーザ端末100を操作して、9名のキャラクタをポジションごとに選出することができる。ユーザは、控え選手のキャラクタを数名さらに選出することができてもよい。相手チームは、対戦相手によって制御される9名のキャラクタによって編成される。本実施形態では、対戦相手は、対コンピュータ対戦の場合、相手コンピュータとしてのサーバ200であり、対ユーザ対戦の場合、他のユーザ端末100を操作して対戦型野球ゲームをプレイする相手ユーザである。以下では、上述の主役キャラクタを含むチームを、相手チームと区別するために自チームと称する。
図4は、本実施形態に係るゲームシステム1において、対戦型野球ゲームのゲームプログラム131に基づいて進行される対戦を模式的に示す図である。本実施形態に係る対戦型野球ゲームの対戦は、シーズンプレイモードにおいて、イベントの1つとして実行されるものであってもよいし、対戦モードにおいて実行されるものであっても構わない。対戦は、対コンピュータ対戦であっても、対ユーザ対戦であっても、共通して以下に説明するパート(回(イニング)、表、裏、打席、1投球1振り(フェーズ))で構成される。そして、各パートは、サーバ200、および、ユーザ端末100のイベント実行部31または対戦モード実行部115によって進行される。
図4に示すとおり、対戦は、複数のイニングで構成され、1イニングにつき、表と裏でチームの攻守を入れ替え、各チームが1回ずつ守備と攻撃とを実行して、対戦が進行する。1イニングの表および裏のそれぞれは、複数の打席で構成され、攻撃側のキャラクタ1名につき1つの打席が対応付けられる。1つの打席は、守備側のキャラクタと、攻撃側のキャラクタとが1対1で対決する対決要素と、対決の結果を決定し、出力させて、該打席を完了させる結果出力要素とで構成される。
対決要素は、さらに複数のフェーズに区切られる。フェーズは、対決する各キャラクタが、守備動作および攻撃動作のいずれか一方を、1回ずつ行う期間である。フェーズは、いわば、対戦を構成するパートの最小単位である。各フェーズにおいて、守備側のキャラクタによって、1つの守備動作(例えば、投球)が実行され、攻撃側のキャラクタによって1つの攻撃動作(例えば、打撃)が実行されると、1つのフェーズが完了し、次のフェーズへ移行する。
いくつかのフェーズの進行を経て、結果出力要素において、当該打席の結果(アウトまたは進塁等)が決定する。これにより、1つの打席が完了し、次の打席へ移行する。いくつかの打席を経て、1イニングの表(または裏)において、3つのアウトが累積されると、1つのイニングの表(または裏)が完了し、攻守が入れ替わって、同イニングの裏(または次のイニング)へ移行する。
対戦を構成する各パートは、主に、各コンピュータ(サーバ200、および、ユーザ端末100)が読み出すゲームプログラムにしたがって、各チームを構成する各キャラクタに設定されている能力値に基づいて進行される。
以上のとおり、対戦は、チームに属する各キャラクタに設定されている能力値に基づいて進行し、該能力値は、対戦の勝敗を左右する重要な要因となる。自チームに所属させた主役キャラクタの能力値をシーズンプレイモードにおいて高めることにより、該対戦を有利に進めることが可能となる。能力値が、対戦結果に対して具体的にどのように影響を与えるのかについて、後に詳述する。
なお、本実施形態では、各キャラクタを制御する主体が人(ユーザまたは相手ユーザ)である場合、各フェーズにおいてキャラクタが実行する守備動作または攻撃動作の内容は、人が入力部151を介して実施する操作に基づいて決定されてもよい。したがって、各フェーズの結果は、上述の能力値に加えて、人が入力部151を介して実施する操作の内容に基づいて決定されてもよい。以下、対戦を構成するパートのうち、キャラクタに対するユーザの操作を受け付けずに自動で進行するパートを、オート進行パート(第3パート)と称する。キャラクタに対してユーザが実施する操作に基づいて進行するパートを、マニュアル進行パート(第1パート、第2パート)と称する。
本実施形態では、一例として、マニュアル進行パートにおいてユーザが実施するマニュアル操作には、第1操作と第2操作との2種類がある。第1操作は、シーズンプレイモード(第1ゲームモード)とは異なる対戦モード(第2ゲームモード)において対戦を進行させるために必須の、自チームに属するキャラクタの動作を決定するための操作である。本実施形態において、第1操作は、投球操作または打撃操作などの比較的難易度の高い操作を含み、ユーザが対戦ゲームをプレイするときの根幹をなす操作であることから、以下では、コア操作と称する。
第2操作は、第1操作より簡易に、自チームに属するキャラクタの動作を決定するための操作である。本実施形態において、第2操作は、上述の投球操作よりも簡易な操作で投手キャラクタの投球内容を決定する操作、または、上述の打撃操作よりも簡易な操作で打者キャラクタの打撃内容を決定する操作である。
ここで、「操作が簡易である」とは、キャラクタの良い動作結果の導き易さを意味するのではなく、操作の入力のし易さを意味する。一例として、第1操作の入力手順と比較して、第2操作の入力手順が単純であることを、「第2操作が第1操作より簡易である」と表現できる。第1操作によってユーザ端末100に対して入力しなければならない情報の項目数と比較して、第2操作によって入力しなければならない項目数が少ないことを、「第2操作が第1操作より簡易である」と表現できる。第1操作および第2操作は、例えば、タッチスクリーン15に対する1回以上のタッチ操作(タップ、ダブルタップ、スライド、スワイプ、フリック、ドラッグアンドドロップ、ピンチイン、ピンチアウトなど)で構成される。この場合、第1操作を構成するタッチ操作の回数と比較して、第2操作のタッチ操作の回数が少ないことを、「第2操作が第1操作より簡易である」と表現できる。
一例として、第2操作は、単に、ユーザ端末100に対して、タイミングを指定する操作であってもよい。第2操作が入力されたタイミング、および、第2操作の入力にしたがって開始される抽選の少なくともいずれか一方に基づいて、ユーザ端末100が、投球内容または打撃内容を決定できてもよい。詳細には、第2操作は、投球内容または打撃内容が出目になっているルーレットを止めるためのタップ操作であってもよい。このように、第2操作は、第1操作とは全く異なる操作であるので、非コア操作と称する。
上述のユーザにより実施されるマニュアル操作にしたがって進行するマニュアル進行パートのうち、コア操作にしたがって進行するマニュアル進行パートをフルマニュアル進行パート(第1パート)と称し、非コア操作にしたがって進行するマニュアル進行パートをセミマニュアル進行パート(第2パート)と称する。
本実施形態では、シーズンプレイモードにおけるイベントとしての対戦の各フェーズは、大部分がオート進行パートで構成され、一部のフェーズにおいて、マニュアル進行パートが含まれて構成される。シーズンプレイモードにおいて進行される複数の対戦には、オート進行パートとフルマニュアル進行パートとで構成されるコア操作対戦(第1イベント)と、オート進行パートとセミマニュアル進行パートとで構成される非コア操作対戦(第2イベント)とがある。
本実施形態では、対戦モードにおける対戦の各フェーズは、基本的に、フルマニュアル進行パートである。別の実施形態では、ゲームシステム1は、対戦モードの対戦の進行に関して、フェーズごとにユーザが、所望の進行方法を選択できる構成であってもよい。つまり、フェーズごとに、オート進行させるか、コア操作に基づいてフルマニュアル進行させるのかを、ユーザが指定できてもよい。なお、本実施形態では、いずれのモードの対戦においても、結果出力要素(走塁および送球などに係る進行)は、オート進行パートである。
次項では、マニュアル進行パートにおける、攻撃動作(打撃)および守備動作(投球)の内容を決定するためのユーザの操作について、UIの具体例を参照しながら詳細に説明する。
<操作UI>
図5〜図9は、本実施形態におけるユーザ端末100の制御部110によって生成される、対戦型野球ゲームのゲーム画面の一例である。図5〜図9において、ゲーム空間としての球場における一場面が示されている。生成されたゲーム画面は、表示制御部112によって、表示部152に表示される。
図5は、攻撃側のユーザ端末100の表示部152に表示される打撃画面600を示している。図6〜図9は、守備側のユーザ端末100の表示部152に表示される投球画面700を示している。いずれの画面も、投手キャラクタ603が立っている位置(第1位置)から捕手キャラクタ612のいる位置(第2位置)まで投手キャラクタ603がボール604を投球して、打者キャラクタ601がボール604に対して打撃を与える場面を示している。
(打撃内容を決定するためのコア操作UI)
図5に示す打撃画面600は、上述の対決要素におけるフェーズがフルマニュアル進行パートである場合に、該フェーズの進行中に、攻撃側のユーザ端末100に表示される画面である。
オブジェクト制御部116は、球場における第1位置と第2位置との間に、ホームベース607を配置する。オブジェクト制御部116は、ホームベース607上に、第1位置から第2位置に向かう方向に交差する方向に延在する交差面を設定する。オブジェクト制御部116は、交差面に基づいて、打者キャラクタ601がボール604を打撃したか否かを判定する。交差面は、例えば、ストライクゾーン617と、該ストライクゾーンの外側に配置されるボールゾーン618とを含んでいてもよい。操作受付部111が、投手キャラクタ603が投球したボール604が交差面に到達したタイミングで、ユーザからの打撃操作を受け付けると、打者キャラクタ601は、バット602をスイングすること(攻撃動作)によって、ボール604を打ち返す作用をボール604に与えることができる。図5に示すボール604は、投手キャラクタ603が投球したボール604が交差面に実際に到達した位置の一例を示す。
図5に示すとおり、打撃画面600には、その他、ユーザの打撃操作を支援するためのさまざまなオブジェクトが表示されてもよい。打撃操作を支援する支援オブジェクトとしては、例えば、タイミングヒントオブジェクト605、ミートカーソル606、位置ヒントオブジェクト608、方向ヒントオブジェクト609等がある。
交差面に配置され、表示されたミートカーソル606は、バット602がスイングされた際に、交差面においてボール604に作用を与え得る領域を示す標識である。ミートカーソル606は、バット602がスイングされたときの到達予定位置に設定される領域であり、特に良好な打撃力によってボール604に作用を与えることができる領域である。
本実施形態において、打撃内容を決定するためのコア操作は、少なくとも、ミートカーソル606の位置を指定するためのスワイプ操作と、決定したミートカーソル606の位置に向けてバット602を振るタイミングを指定するためのフリック操作とを含む。つまり、スワイプ操作が、投球に対して打撃を行う位置を指定する操作であり、フリック操作が、該打撃を行うタイミングを指定する操作である。以下に説明するとおり、フルマニュアル進行パートでは、ユーザが実施するスワイプ操作およびフリック操作の巧拙が、打撃結果の良否に直接影響する。
表示部152に表示されている打撃画面600において、投手キャラクタ603からボール604が投げられると、オブジェクト制御部116は、ミートカーソル606を打撃画面600に表示させる。操作受付部111が、表示部152に重畳して設けられている入力部151に対するユーザのスワイプ操作を受け付けると、該スワイプ操作にしたがって、オブジェクト制御部116は、ミートカーソル606を移動させる。操作受付部111は、タッチスクリーン15の任意の位置において、ミートカーソル606を移動させるための上述のスワイプ操作を受け付けることができる。具体的には、操作受付部111は
、タッチスクリーン15に対するユーザの最初の接触位置(初期タッチ座標)と、スワイプ操作後の接触位置(タッチナウ座標)とを取得する。そして、これらの座標を比較し、初期タッチ座標に対するタッチナウ座標の変化方向、および、変化量を特定する。オブジェクト制御部116は、特定された変化方向および変化量に基づいて、ミートカーソル606の位置の変化方向および変化量をそれぞれ決定する。これにより、オブジェクト制御部116は、ホームベース607上の交差面と異なる領域におけるスワイプ操作に対しても、それに連動して、ミートカーソル606を間接的に移動させることができる。このようにすれば、ユーザの指によってミートカーソル606の視認が妨げられることを回避できる。
続いて、オブジェクト制御部116は、投手キャラクタ603より投球されたボール604が交差面を基準とする所定の範囲内に到達したか否かを判定する。つまり、投げられたボール604が、ホームベース607上に設定された交差面に所定距離未満まで近づいてきたか否かを判定する。ボール604が交差面から所定距離未満まで到達したと判定された場合、オブジェクト制御部116は、ミートカーソル606の移動の少なくとも一部を制限してもよい。移動が制限されたことを示すように、オブジェクト制御部116はミートカーソル606の色または模様などの表示態様を変化させてもよい。ミートカーソル606は、バット602を振るタイミングを指定するためのフリック操作に基づいて、移動が制限されることが好ましい。例えば、上方向(0°〜180°方向)にフリック操作が入力された場合には、該上方向へのミートカーソル606の移動が制限されることが好ましい。これにより、例えばフリック操作が入力された場合に、該フリック操作を、ミートカーソル606の移動を指示するスワイプ操作と誤って判定されてしまうことを確実に防止することができる。なお、下方向(180°〜360°方向)への移動も併せて制限されてもよい。すなわち、ミートカーソル606の全方向への移動が制限されてもよい。
別の実施形態では、下方向への移動は許容されてもよい。例えば、変化球は下方向(180°〜360°方向)の範囲内において変化することが想定されるため、下方向への移動が許容されることにより、ユーザはボール604が交差面に到達するぎりぎりまでミートカーソル606を移動させることができる。このように、ミートカーソル606を移動させてミートカーソル606の位置を決めるためのスワイプ操作と、スイングのタイミングを指定するためのフリック操作との入力の競合を回避することが可能になる。また、図5に示すようにボール604を飛ばす範囲(例えばスタンドまたは外野など)は、画面上、ボール604とバット602とが当たる位置より上方に描画される。そのため、ユーザは、上方向へフリックすることを、スイングするタイミングを指定する操作であると直感的に理解することができる。
ユーザは、ボール604がホームベース607上に到達したと思うベストのタイミングで、打者キャラクタ601が行うスイングの開始タイミングを指定するためにフリック操作を行えばよい。投球されたボール604には、ストライクゾーン617に向かって移動してくるアニメーションが付与されるので、ユーザは、ボール604の現在位置を確認してフリック操作のタイミングを計ればよい。別の実施形態では、オブジェクト制御部116は、タイミングヒントオブジェクト605を表示させてもよい。タイミングヒントオブジェクト605は、ボール604の投球が開始されたときから表示が開始され、ボール604がホームベース607上の交差面に近づくにつれてボール604の中心に向かって収縮するようなアニメーションが付与されて表示される。さらに、該アニメーションは、ボール604が交差面に到達したタイミングで、ボール604の輪郭と同じ大きさにまで縮小するアニメーションである。ユーザは、タイミングヒントオブジェクト605の大きさを確認して、タイミングヒントオブジェクト605がボール604と同じ大きさにまで縮小したタイミングで、フリック操作を行えばよい。
操作受付部111は、ユーザからのフリック操作を受け付ける。操作受付部111はタッチスクリーン15上のいかなる位置に対して行なわれたフリック操作も、スイングの開始を指示する操作として受け付けることができる。つまり、ユーザはタッチスクリーン15上の任意の位置で、スイングを開始するためのフリック操作をすることができる。操作受付部111は、入力されたタッチ位置の履歴を解析して、フリック操作の方向、スピード、および、タイミングを取得する。具体的には、操作受付部111は、フレーム毎にユーザ(ユーザにより操作される指またはスタイラスといった指示体)による接触が入力された入力部151における座標を取得する。これらの座標に基づいて、操作受付部111は、フリック操作の方向を特定する。また、操作受付部111は、フレーム間におけるタッチ位置の座標変動量を求めることにより、フリック操作のスピードを特定する。また、操作受付部111を、フレーム間におけるタッチ位置の座標変動量が所定の閾値を越えた場合にフリック操作と判定するように構成してもよい。これにより、当該閾値を超えるスピードで初めてタッチ位置の座標が変動したフレームを、フリック操作が入力されたタイミングとして特定することができる。なお、操作受付部111が、ユーザの操作をフリック操作と判定しなかった場合には、該操作がスイングの開始を指示する操作ではなかったと判定できる。なお、フリック操作は、タッチスクリーン15における任意の位置で検知することができる。これにより、ミートカーソル606を移動させるためのスワイプ操作から連続してフリック操作が入力された場合にもフリック操作を好適に判定することができ、ミートカーソル606の移動、位置確定からスイングの開始までをシームレスに行うことが可能な操作性をユーザに提供できる。
フリック操作が受け付けられると、オブジェクト制御部116は、交差面におけるボール604とミートカーソル606との位置関係に少なくとも基づいて、打者キャラクタ601がボール604に打撃を与えたか否かを判定する。つまり、ユーザのスワイプ操作とフリック操作とに基づいて、打者キャラクタ601によってスイングされたバット602
が、ボール604に当たったか否かを判定する。
具体的には、オブジェクト制御部116は、ミートカーソル606の位置が、ボール604への打撃に適合した位置の範囲にあれば、ボール604が打撃されたと判定する。例えば、交差面においてボール604がミートカーソル606と少なくとも部分的に重畳している場合には、打者キャラクタ601がボール604を打撃したと判定してもよい。交差面において、ボール604がミートカーソル606の外部に配置されている場合には、打者キャラクタ601がボール604を打撃しなかったと判定してもよい。
さらに、オブジェクト制御部116は、操作受付部111が特定したフリック操作のタイミングに基づいて、打撃を与えたか否かの判定を実行してもよい。例えば、交差面におけるボール604およびミートカーソル606が打撃に適合した位置関係にある場合であっても、フリック操作のタイミングがボール604への打撃に適合したタイミングに対して、早過ぎたり遅すぎたりする場合には、オブジェクト制御部116は、打者キャラクタ601がボール604を打撃しなかったと判定してもよい。
また、オブジェクト制御部116は、上述の位置関係に少なくとも基づいて、打撃が与えられたボール604がゲーム空間において移動する際の移動経路を算出する。具体的には、オブジェクト制御部116は、上述の位置関係に基づいて、バット602とボール604との衝突を力学的にモデル化する。この場合、バット602に衝突した直後のボール604の速度ベクトル、回転軸、回転量等を、ボール604を移動させるための初期条件として取得すればよい。例えば、ボール604の下部をミートカーソル606の上部で打撃した場合には、打球の角度が上がりフライとなる。また、ボール604の上部をミートカーソル606の下部で打撃した場合には、打球の角度が下がりゴロとなる。また、例えば、オブジェクト制御部116は、ミートカーソル606の中央の位置(図5の芯619)でボール604の中央を打撃する等の所謂ジャストミートの場合には、ライナーでボール604が飛ぶような移動経路を算出する。一方、ジャストミート以外の場合には凡打と判定して、凡打に対応する移動経路を算出してもよい。
オブジェクト制御部116は、フリック操作のタイミングに基づいて、速度ベクトルの向きを特定してもよい。オブジェクト制御部116は、その後、ゲーム空間内に設定された各種物理パラメータ、および、物理法則を規定する方程式に基づいて、ボール604の移動経路を算出すればよい。
これにより、オブジェクト制御部116は、表示制御部112を介して、算出された移動経路を飛んでいくボール604のアニメーションを表示部152に表示させることができる。定性的には現実の野球と同様の打球の移動結果を、表示部152に表示させることができる。例えば、オブジェクト制御部116は、フリック操作のタイミングが早い場合には、引っ張り打ちの方向にボール604を移動させ、フリック操作のタイミングが遅い場合には、流し打ちの方向にボール604を移動させる。なお、オブジェクト制御部116は、打者キャラクタ601がボール604に打撃を与えなかったと判定した場合には、ボール604の移動経路の算出を省略してもよい。この場合、表示制御部112によって、打者キャラクタ601がボール604を空振りするアニメーションが表示部152に表示される。
(投球内容を決定するためのコア操作UI)
図6〜図9に示す投球画面700は、上述の対決要素におけるフェーズがフルマニュアル進行パートである場合に、該フェーズの進行中に、守備側のユーザ端末100に表示される画面である。
本実施形態において、投球内容を決定するためのコア操作は、一例として、球種を指定する第1タップ操作と、投球コースを指定するスワイプ操作とを含む。該コア操作は、さらに、ボール604を投げるタイミングを指定する第2タップ操作を含んでいてもよい。このタイミングの良否に応じて、投球結果の成否が決定される。つまり、第2タップ操作は、投球結果の成否を決定するための操作である。以下に説明するとおり、フルマニュアル進行パートでは、ユーザが実施する第1タップ操作およびスワイプ操作に基づく選択の内容と、第2タップ操作の巧拙が、投球結果の良否に直接影響する。また、間接的には、打撃側のユーザに対して、良い打撃結果を得られにくくする影響を及ぼす。
図6に示すとおり、1つのフェーズが開始されると、オブジェクト制御部116は、まず、投球画面700において、投手キャラクタ603に投げさせる球種を指定するための球種指定オブジェクト610を表示させる。
オブジェクト制御部116は、球種指定オブジェクト610に対するユーザのタップ操作に基づいて、球種を決定する。球種指定オブジェクト610は、図6に示すとおり、例えば、球種が1対1で対応付けられたアイコンを含む。アイコンは、対応付けられている球種を示すテキストまたはイラストなどを含んでいる。操作受付部111は、いずれかのアイコンに対する第1タップ操作を、球種を指定するための操作として受け付ける。オブジェクト制御部116は、球種指定オブジェクト610において一覧される球種の種類を、投手キャラクタ603の能力に基づいて異ならせてもよい。
操作受付部111が第1タップ操作を受け付けると、オブジェクト制御部116は、操作受付部111によって特定された、第1タップ操作の入力位置の座標情報に基づいて球種を決定する。球種にはボール604の移動経路、球速等を特定するためのパラメータが対応付けられている。球種のパラメータは、球速、変化量、および変化の方向を示す情報を含む。また、球種のパラメータは、投手キャラクタ603の識別情報に対応付けられて、記憶部120に記憶されている(不図示)。オブジェクト制御部116は、投手キャラクタ603の識別情報に対応付けられた球種のパラメータのうち、決定した球種のパラメータを記憶部120から読み出す。
球種が決定されると、次に、オブジェクト制御部116は、図7に示すとおり、投球画面700において、投手キャラクタ603に投げさせる投球コース(内角高め、低め等)を指定するためのコース指定オブジェクト613を表示させる。
コース指定オブジェクト613は、一例として、ストライクゾーン617(図5参照)に対応する矩形を9つのマスに分割したものである。コース指定オブジェクト613は、ボール604の到達予定位置を示す標識であるカーソル614を含む。カーソル614は
、先に決定された球種に応じた変化の量および方向を示すベクトル(図示の矢印)を含む
。
図7に示す投球画面700が表示されている間、操作受付部111は、カーソル614の位置を指定するためのスワイプ操作を受け付ける。操作受付部111がスワイプ操作を受け付けると、オブジェクト制御部116は、スワイプ操作に基づいて、コース指定オブジェクト613内でカーソル614を移動させる。
操作受付部111は、タッチスクリーン15に対するユーザの最初の接触位置(初期タッチ座標)と、カーソル移動操作後の接触位置(タッチナウ座標)とを取得する。オブジェクト制御部116は、取得された各座標を比較した結果得られた変化方向、および、変化量に基づいて、カーソル614の位置の変化方向、および、変化量をそれぞれ決定する
。これにより、オブジェクト制御部116は、カーソル614が直接タッチされなくても
、また、コース指定オブジェクト613の表示領域外でスワイプ操作が受け付けられても、該スワイプ操作に連動して、カーソル614を移動させることができる。このようにすれば、ユーザの指によってカーソル614の視認が妨げられることを回避できる。表示制御部112は、オブジェクト制御部116によって実行されているカーソル614の移動の様子を投球画面700上に表示させる。
オブジェクト制御部116は、投球コースの確定を、任意の方法で行う。例えば、ユーザがスワイプ操作に基づく接触が維持された状態で、所定閾値以上の圧力で強く押し込む操作を続けて行ったとする。オブジェクト制御部116は、押し込む操作が受け付けられた時点におけるカーソル614の位置を、最終的な投球コースとして確定させる。あるいは、「コース確定」などのボタン(不図示)が別途投球画面700に設けられ、オブジェクト制御部116は、該ボタンがタップされたときに、カーソル614の位置に基づいて投球コースを確定させてもよい。
投球コースが確定すると、次に、オブジェクト制御部116は、図8および図9に示すとおり、投球画面700において、タイミング判定オブジェクト615を表示させる。
タイミング判定オブジェクト615(UIオブジェクト)は、投球開始を指示するための第2タップ操作の良好な入力タイミングを、ユーザに提示するためのオブジェクトであるとともに、ユーザによって入力された第2タップ操作のタイミングの良否を判定するためのオブジェクトでもある。一例として、タイミング判定オブジェクト615は、確定した投球コースに対応する点を中心とする円として表示される。タイミング判定オブジェクト615は、判定基準616(基準位置)を含む。判定基準616は、タイミング判定オブジェクト615と中心を共有し、かつ、タイミング判定オブジェクト615よりも小さい同心円として表示される。なお、タイミング判定オブジェクト615および判定基準616は、円以外の形状、例えば、棒状のゲージであってもよい。
図8に示す破線の円は、タイミング判定オブジェクト615の初期位置である。タイミング判定オブジェクト615には、アニメーションが付与されている。具体的には、タイミング判定オブジェクト615の外縁が、徐々に円の中心に向かって収縮するアニメーションが付与されている。
本実施形態では、図9に示すとおり、タイミング判定オブジェクト615の外縁が判定基準616の円に一致したタイミングで第2タップ操作が入力された場合に、オブジェクト制御部116は、投球が最も成功したと判定する。ここで、「投球が成功する」とは、ゲームシステム1において、投球が、好投または失投の2値のうち「好投」であると判定されること、および、指定された球種および確定した投球コースどおりにボール604がゲーム空間上を移動することを意味する。
したがって、ユーザは、タイミング判定オブジェクト615が収縮するアニメーションを確認し、タイミング判定オブジェクト615が判定基準616に一致するタイミングで第2タップ操作を行えばよい。
オブジェクト制御部116は、第2タップ操作が入力された時点のタイミング判定オブジェクト615の外縁が判定基準616に近いほど、守備側のユーザが有利になるように投球結果を決定する。例えば、オブジェクト制御部116は、外縁と判定基準616とのずれが所定値未満である場合に、好投であると判定する。
別の実施形態では、好投であると判定された場合には、攻撃側のユーザ端末100において打撃画面600に表示される打撃支援オブジェクト(図5におけるタイミングヒント
オブジェクト605、位置ヒントオブジェクト608および方向ヒントオブジェクト609など)を非表示にしたり、見えにくくしたり、表示するタイミングを遅くしたりしてもよい。これにより、守備側のユーザが、投球にかかる一連の操作をうまく実施して投球を成功させた場合には、打撃側のユーザが打撃を成功させにくくなる。このように、ユーザのゲームの操作に対する習熟度が対戦の進行に直接影響をおよぼすため、対戦ゲームの興趣性がより一層高まる。
(打撃内容または投球内容を決定するための非コア操作UI)
図10に示す打撃画面600は、上述の対決要素におけるフェーズがセミマニュアル進行パートである場合に、該フェーズの進行中に、攻撃側のユーザ端末100に表示される画面である。図11に示す投球画面700は、上述の対決要素におけるフェーズがセミマニュアル進行パートである場合に、該フェーズの進行中に、守備側のユーザ端末100に表示される画面である。
本実施形態において、打撃(投球)内容を決定する非コア操作は、一例として、抽選機に出目を決定させるためのタップ操作である。本実施形態では、プレイモード実行部113は、スロットマシンを模した抽選機を制御する。一例として、プレイモード実行部113は、打撃画面600および投球画面700において、回転している円柱(回転体)を有する抽選機620を表示する。一例として、図示の例では、抽選機620は、円柱の側面の一部が窓枠から見えるように表示され、円柱の全体像は表示されない。
円柱は、各出目に対応する各領域を側面において有する。各領域には、抽選によって当選する複数の出目が対応付けられている。1つの出目は、1つの打席において、投球と打撃とが複数回ずつ実施された後の打撃(または投球)結果(以下、打席結果と称する)を示す。例えば、図10に示すとおり、主役キャラクタが野手である場合に提示される抽選機620では、出目は、良い出目から順に「ホームラン」、「ヒット」、「フライ」、「ゴロ」、および、「三振」などである。図11に示すとおり、主役キャラクタが投手である場合に提示される抽選機620では、良い出目から順に、「ダブルプレー」、「三振」、「フライ」、および、「ヒット」などである。
本実施形態では、操作受付部111は、図10に示す打撃画面600および図11に示す投球画面700が表示されているときに、円柱の回転の停止を指示するためのタップ操作を受け付ける。プレイモード実行部113は、タップ操作が入力されたことに応じて、1つの出目を決定し、決定した出目に対応する結末を迎えるように1つの打席を完了させて以降の打席を進行させる。
なお、プレイモード実行部113が出目を決定する方法としてはさまざまな方法が考えられる。第1の方法として、プレイモード実行部113は、タップ操作が入力されたときに、出目ごとにあらかじめ設定されている確率に基づいて抽選を実行し、1つの出目を決定してもよい。この場合、プレイモード実行部113は、抽選機620の挙動を、ユーザのタップ操作のタイミングと、円柱の回転位置との関係に寄らず、決定された出目で円柱が止まるように制御する。例えば、プレイモード実行部113は、タップ操作が入力されたタイミングで円柱が完全に停止するのではなく、該タイミングで円柱の回転駆動が停止され、円柱がある程度滑り、摩擦によって速度を落とし、決定された出目のところで完全に停止するというアニメーションを出力してもよい。このとき、速度の落とし方を調節することにより、プレイモード実行部113は、円柱を決定された出目のところで完全に停止させることができる。
あるいは、第2の方法として、プレイモード実行部113は、タップ操作が入力されたタイミングと、そのときの円柱の回転位置とに基づいて、1つの出目を決定してもよい。
この場合、プレイモード実行部113は、円柱に表示されている各出目の配置と、回転中の円柱の回転位置に基づいて決定される、抽選機620の窓枠に表示される位置(つまり、当選位置)に対応する出目と示す円柱データを、円柱が回転している間、記憶部120において保持し把握しておく。そして、プレイモード実行部113は、タップ操作が入力されたタイミングで、当選位置にある出目または当選位置から所定出目分離れた位置にある出目の内容を、打席結果として決定する。この場合、プレイモード実行部113は、タップ操作が入力されたタイミングで円柱を完全に停止させてもよい。あるいは、プレイモード実行部113は、タップ操作が入力されたタイミングで円柱の回転駆動を停止し、あらかじめ定義されている一定の摩擦係数に基づいて、一定量円柱を滑らせてから円柱を完全に停止させてもよい。
打撃画面600および投球画面700の各画面は、抽選機620の他にも、出目の一覧を結果の良いものから順に示した出目一覧621を含んでいてもよい。また、各画面は、主役キャラクタの調子を示す調子パラメータ622を含んでいてもよい。調子パラメータ622は、自チームにとっての良い目の出やすさに影響を与える。調子パラメータ622の詳細は後述する。
また、各画面は、スコアボード623を含んでいてもよい。これにより、ユーザは、対戦がどういう進行状況であるところのどの打席における打席結果を抽選機620で決定しようとしているのかを理解することができる。
上述のとおり、非コア操作は、コア操作と比較して非常に簡素化されており、より短い時間で、打撃(または投球)結果が導出される。したがって、セミマニュアル進行パートにおける各フェーズの進行に要する時間が、フルマニュアル進行パートの所要時間を比較して大幅に短縮される。
<能力値について>
本実施形態では、各キャラクタに設定される能力値には、一例として、スキル別身体パラメータ(能力値、第2パラメータ)と、総合パラメータ(能力値、第3パラメータ)とがある。
スキル別身体パラメータは、対戦において発揮されるキャラクタの身体能力を表す値である。具体的には、スキル別身体パラメータは、野球で必要とされるスキルごとに、キャラクタの技量を数値化したものである。本実施形態では、例えば、スキル別身体パラメータとして、打撃力、命中力、最速球速、制球力、変化球力、走力、守備力、送球力(送球速度および送球精度等)がある。
スキル別身体パラメータのうち、対決要素の各フェーズにおける守備動作(投球)に関係する数値は、最速球速、制球力および変化球力である。投手キャラクタ603のこれらのスキル別身体パラメータが高いほど、守備側に有利にフェーズが進行する。例えば、最速球速の数値が高いほど、ボール604が第1位置から第2位置に到達するまでの所要時間が短くなる。つまり、攻撃側のユーザに対して、打撃操作を行うために与えられる時間を短くすることができるので、このような投球結果は、守備側にとって有利といえる。あるいは、投手キャラクタ603のスキル別身体パラメータが高いほど、打者キャラクタ601が安打を出す確率を下げることができる。これにより、該打席につき、守備側にとって有利な結果が得られやすい。
スキル別身体パラメータのうち、対決要素の各フェーズにおける攻撃動作(打撃)に関係する数値は、打撃力、および、命中力である。打者キャラクタ601のこれらのスキル別身体パラメータが高いほど、攻撃側に有利にフェーズが進行する。例えば、打撃力が高
いほど、打撃されたボール604は早く遠くに飛ばされる。このような打撃結果は、攻撃側にとって有利といえる。あるいは、打者キャラクタ601のスキル別身体パラメータが高いほど、投手キャラクタ603が失投する確率を上げることができる。あるいは、打者キャラクタ601のスキル別身体パラメータが高いほど、ユーザの打撃操作を支援するオブジェクトであるミートカーソル606を大きいサイズで表示させることができる。これにより、該打席について、ユーザは、打撃操作を行いやすくなり、攻撃側にとって有利な結果が得られやすい。
スキル別身体パラメータのうち、結果出力要素に関係する数値は、走力、守備力および送球力である。チームを構成する各キャラクタのこれらのスキル別身体パラメータが高いほど、打席ごとに、該チームにとって有利な結果が得られやすい。例えば、攻撃側のキャラクタの走力が高いほど、出塁および盗塁等の成功率が高くなる。例えば、守備側のキャラクタの守備力または送球力が高いほど、上述の成功率が低くなる。このように、1つの打席の結果(アウトになるか安打になるか)は、各キャラクタの走力、守備力および送球力に左右される。
総合パラメータは、スキルの種別に関係なく、キャラクタの総合的な強さを数値化したものであり、キャラクタごとに設定される。総合パラメータは、例えば、対戦の開始時に、編成されたチーム間の強さを比較するために参照されてもよい。あるいは、上述の対決要素の各フェーズの進行時に、対決するキャラクタ間の強さを比較するために参照されてもよい。総合パラメータが上回ったチーム、または、キャラクタに対して、有利に対戦が進行してもよい。
<能力値の表示例および具体的使用例>
本実施形態において、主役キャラクタ情報122に含まれる能力値は、各キャラクタの能力表示時、対戦開始時、および、対決要素の各フェーズ進行時に、制御部110の各部によって読み出され、表示制御部112によって表示部152に表示される。
図12は、主役キャラクタの能力値を表示する選手情報画面の一具体例を示す図である。選手情報画面800には、例えば、主役キャラクタを識別するためのキャラクタ名801と、総合パラメータ802と、スキル別身体パラメータ803とが含まれる。図12は、主役キャラクタが野手である例を示している。主役キャラクタが投手である場合、守備のカテゴリには、送球力および守備力のスキル別身体パラメータに代えて、最速球速、制球力および変化球力が表示される。
さらに、選手情報画面800には、該主役キャラクタに付与された第1パラメータが含まれることが好ましい。本実施形態では、第1パラメータは、例えば、シーズンプレイモードのシーズンの終わりにおいて、主役キャラクタについて、イベントの実行結果に応じて算定される年俸である。とりわけ、本実施形態において、第1パラメータは、これまでに主役キャラクタに対して付与された年俸のうち最も高額である生涯最高年俸804(最も良好な第1パラメータ)である。
さらに、選手情報画面800には、主役キャラクタの強さまたは能力の高さを、ユーザにとって直感的に分かりやすくするために、別のパラメータが含まれていてもよい。例えば、主役キャラクタの強さを段階的に分かりやすく表す別のパラメータとして、レベル805(能力値)が含まれていてもよい。さらに、主役キャラクタの強さをより一層単純化して表す別のパラメータとして、総合評価806が含まれていてもよい。例えば、レベル805は、生涯最高年俸804と同様に、シーズンプレイモードにおける主役キャラクタの活躍、すなわち、メインイベントの実行結果に応じて、年俸算定部32によって設定されてもよい。能力値調整部114は、生涯最高年俸804およびレベル805の両方に基
づいて、あるいは、どちらか一方に基づいて、主役キャラクタの能力値を調整してもよい。例えば、総合評価806は、年俸算定部32が、生涯最高年俸804およびレベル805の両方に基づいて、あるいは、どちらか一方に基づいて、設定してもよい。総合評価806は、生涯最高年俸804およびレベル805などの数字ではなく、数個のアルファベットによって強さを数個に区分するためのパラメータであるため、主役キャラクタの強さをより一層単純に表すことができる。ユーザは、これにより、主役キャラクタの強さを直感的に把握することができ、他のキャラクタとの強さの比較、分析などを簡単に行うことができる。
図13は、対戦が開始される直前に表示される対戦開始画面の一具体例を示す図である。本実施形態では、上述のとおり、制御部110(イベント実行部31または対戦モード実行部115)は、対戦を開始する前に、自チームと相手チームとの間の強さを比較する。図13に示す対戦開始画面810には、その比較結果が表示されている。
制御部110は、チームを構成する各キャラクタの総合パラメータを合計して、総合パラメータの合計値を算定し、該合計値に基づいて、チームの強さの指標としての、チーム総合パラメータ(トータル第3パラメータ)を得る。チーム総合パラメータは、単純に、チームを構成する9名の各キャラクタの総合パラメータを合計することにより得られてもよい。あるいは、制御部110は、チーム総合パラメータを、さまざまな要因に基づいて、上述の基準の合計値から増減することにより得てもよい。あるいは、他の例では、相性の良い特定のキャラクタ同士を同じチームに編成することによって、チーム総合パラメータが加算されてもよい。チーム総合パラメータは、加算条件をうまくそろえることによって高騰させやすい値であり、このような加算条件をそろえることも、ゲームの興趣性を向上させることに貢献している。
制御部110は、対戦前に、自チームのチーム総合パラメータと、相手チームのチーム総合パラメータとを比較する。そして、該対戦が進行する期間、チーム総合パラメータが低い方のチームにおける各キャラクタのスキル別身体パラメータをマイナス補正する。図13に示す例では、自チームのチーム総合パラメータ811が、相手チームのチーム総合パラメータ812を下回っている。そこで、制御部110は、該対戦の間、自チームに属する各キャラクタのスキル別身体パラメータを、それぞれ、例えば10%減算する。上述のとおり、スキル別身体パラメータは、打席の結果の良否を大きく作用する要因である。したがって、対戦を有利に進める上では、総合パラメータがより高いキャラクタをより多くチームに編成することが必要となる。あるいは、制御部110は、チーム総合パラメータが高い方のチームにおける各キャラクタのスキル別身体パラメータをプラス補正してもよい。
総合パラメータは、投手キャラクタ603と打者キャラクタ601とが対決する場面、すなわち、上述の各フェーズにおいて参照されてもよい。制御部110は、対決する各キャラクタの総合パラメータに基づいて、各フェーズを進行させる。
図5〜図9に示す打撃画面600および投球画面700において、表示制御部112は、対決中の各キャラクタの能力値情報を表示する。具体的には、打者キャラクタ601の能力値情報701と、投手キャラクタ603の能力値情報703とを表示する。本実施形態では、表示制御部112は、自チームのキャラクタの能力値情報を画面上部の左側に、相手チームのキャラクタの能力値情報を画面上部の右側に表示する。
制御部110は、1の打席開始時に、打者キャラクタ601の総合パラメータと、投手キャラクタ603の総合パラメータとを比較する。そして、該打席が進行する期間、総合パラメータが低い方のキャラクタのスキル別身体パラメータをマイナス補正する。図5〜
図9に示す例では、投手キャラクタ603の総合パラメータが、打者キャラクタ601の総合パラメータを下回っている。そこで、制御部110は、該打席の間、投手キャラクタ603の投球に関わるスキル別身体パラメータ(最高球速および制球力)を、それぞれ、例えば10%減算する。このように、総合パラメータがより高いキャラクタを起用することが、各打席を有利に進行させることにつながる。
<シーズンプレイモード>
本実施形態にかかるゲームプログラム131に基づいて、プレイモード実行部113が実行するシーズンプレイモードの一具体例について、図14を参照して説明する。図14は、シーズンプレイモードの概要を示す図である。
シーズンプレイモードで起こるイベントは、大きく2つのグループに分かれる。1つ目は、シーズンプレイモードをプレイするために必要な各種設定をユーザに実施させるための準備イベント群である。2つ目は、主役キャラクタの目線でシーズンをユーザにプレイさせるためのシーズンイベント群である。
例えば、準備イベント群は、チーム編成、選手選択、および、難易度選択の各イベントで構成される。例えば、シーズンイベント群は、ミニゲーム、対戦、対戦結果出力、および、最終結果出力の各イベントで構成される。準備イベント群において、各イベントは、シーズンプレイモードが新規にプレイされる時に1度だけ実行されてもよいし、あるいは、ユーザが希望した時に、任意の回数実行されてもよい。
本実施形態では、一例として、シーズンイベント群には、以下の複数のイベントが含まれる。すなわち、ミニゲームが1つと、セミマニュアル進行パートを含む対戦(以下、非コア操作対戦)および該対戦の対戦結果出力のセットが4つと、フルマニュアル進行パートを含む対戦(以下、コア操作対戦)および該対戦の対戦結果出力のセットが1つと、ならびに、シーズン最終結果出力が1つ、の以上の各イベントが1つのシーズンを構成し、シーズンプレイモードは、該シーズン単位で繰り返し進行される。本実施形態では、ユーザは、主役キャラクタをシーズンごとに変えて、さまざまなキャラクタについて、万遍なく強化を図ることもできるし、一人の主役キャラクタについて何度も繰り返しシーズンを過ごさせて、一人のキャラクタについて集中して強化を図ることもできる。
対戦は、図4を参照して詳述したとおり、オート進行パートと、マニュアル進行パートとを含む。本実施形態では、基本9イニングの全打席うち、少なくとも1打席(例えば、対戦の最後の打席)について、マニュアル進行パートが含まれる。イベント実行部31は、対戦におけるこれまで各パートの進行状況に応じて、動的に、次のオート進行パートをマニュアル進行パートに切り替えてもよい。例えば、イベント実行部31は、一打の結果によって逆転が起こり得るような打撃側にとってのチャンス(守備側にとってのピンチ)の打席またはフェーズに移行したと判断した時に、該打席またはフェーズを、オート進行パートからマニュアル進行パートに変更してもよい。対戦の残りのパートはすべてオート進行パートである。これにより、対戦の1つ1つが非常にスムーズに短時間で進行し、キャラクタ強化のためのシーズンプレイモードを効率よく進めることが可能となる。
本実施形態では、一例として、上述したとおり、1シーズン中に実行される5つの対戦のうち4つは、マニュアル進行パートとしてセミマニュアル進行パートを含む非コア操作対戦であり、残りの1つは、マニュアル進行パートとしてフルマニュアル進行パートを含むコア操作対戦である。コア操作対戦は、1回表が開始される直前またはフルマニュアル進行パートのフェーズが開始される直前に発生する監督ミッション提示パートを含んでいてもよい。
対戦がセミマニュアル進行パートを含むことの利点は、フルマニュアル進行パートと比較してテンポよくゲームが進行する上、自分の操作が進行結果に影響を与えることから、オート進行パートと比較してユーザが結果に納得できる点にある。一方、対戦がフルマニュアル進行パートを含むことの利点は、対戦モードで使うコア操作の習熟の機会を、ユーザに提供できる点にある。
このように、1つのシーズンにおいて、セミマニュアル進行パートを含む対戦とフルマニュアル進行パートを含む対戦とがバランスよく構成されていることにより、シーズンプレイモードの興趣性を損なうことなく、シーズンプレイモードの所要時間を短縮することができる。これにより、対戦型野球ゲームのメインモードである対戦モードで起用するキャラクタの強化が促進される。これが、対戦モードで起用する各キャラクタ、延いてはチーム全体の効率的な強化につながる。結果として、対戦モードをプレイすることの動機付けがより一層強化される。
シーズンイベント群においてイベント管理部30が提示するイベントのうち、対戦の実行結果は、シーズン最後の年俸の算定に直接に関与する。このように、年俸の算定に直結しているイベントを、以下では、メインイベントと称する。一方、ミニゲームのイベントの実行結果は、年俸の算定に関与しない。代わりに、主役キャラクタがメインイベントを実行するときに参照される能力値の調整に関与する。このように、年俸の算定に直結しないイベントを以下では、サブイベントと称する。
さらに、イベント管理部30は、イベントの進行中に、1以上のタスクを提示してもよい。タスクは、主役キャラクタが、イベント単位で、または、シーズン単位で達成すべき目標として提示される。主役キャラクタがタスクをどの程度達成したのかの評価は、例えば、タスク実行成績が算定されることによりなされる。タスク実行成績に応じて、次に進行されるイベントが有利に進行したり、そのシーズンの最後に算定される年俸が加算されたり、減算されたりする。したがって、タスク実行成績も、年俸の算定に直接または間接的に影響を与える。タスク実行成績は、例えば、タスクの成否またはタスクの達成度などを、数値またはランクを表す記号などの評価値で表したものである。タスク実行成績は、イベント実行部31が主役キャラクタに実行させた動作に基づいて、イベント管理部30によって算定される。
(チーム編成/選手選択)
図15は、チーム編成または選手選択の各イベントが進行しているときに、表示部152に表示されるオーダー画面の一例を示す図である。表示制御部112は、オーダー画面820においてデッキ821を表示する。デッキ821は、9つの各ポジションに、どの選手(キャラクタ)を起用するのかをユーザが指定するためのUIである。例えば、ユーザは、自身が所有している選手、すなわち、ユーザ情報133として記憶部120に記憶されているキャラクタのデータの中から、起用するキャラクタをポジションごとに9名選択する。ユーザによって選択された9名のキャラクタのデータは、自チームを構成する初期設定情報としてユーザ情報133に記憶され、デッキ821に表示される。本実施形態では、表示制御部112は、選択された9名のキャラクタの各アイコンを、ポジションが分かるようにデッキ821に表示する。キャラクタのアイコンには、例えば、キャラクタ顔写真、キャラクタ名、総合パラメータおよび生涯最高年俸が含まれる。表示制御部112は、選択された9名のキャラクタの総合パラメータに基づいて算定されたチーム総合パラメータ822をオーダー画面820に表示してもよい。
さらに、ユーザは、デッキ821に表示されたキャラクタのうち、主人公にしたいキャラクタのアイコンを1つ指定する。こうして指定されたキャラクタが主役キャラクタとして設定される。
なお、シーズンプレイモードにおいて、シーズンを1度も完了していない(年俸が付与されていない)キャラクタ、または、主人公として指定されていないキャラクタ(以下、非主役キャラクタ)に関して、アイコンに表示される生涯最高年俸は、該キャラクタに設定されているデフォルト値である。シーズンプレイモードにおいて、1度でもシーズンを経て年俸が付与されたことがある主役キャラクタについては、その他の非主役キャラクタの生涯最高年俸とは異なる表示態様で生涯最高年俸を表示することが好ましい。これにより、主役キャラクタの生涯最高年俸が、デフォルト値ではなく、シーズンプレイモードのプレイの成果として得られた値であるということが分かる。さらに、表示制御部112は、選択された9名のキャラクタの年俸の合計値(年俸合計823)を、オーダー画面820に表示してもよい。
別の実施形態では、プレイモード実行部113は、デッキ821を表示する代わりに、ユーザが所有するキャラクタの一覧表を表示し、その中から、主役キャラクタをユーザに選択させるようにしてもよい。
(難易度選択)
図16は、難易度選択のイベントが進行しているときに、表示部152に表示される難易度選択画面の一例を示す図である。本実施形態に係る対戦型野球ゲームにおいて、シーズンプレイモードには、難易度が設定されていてもよい。
シーズンプレイモードが初めてプレイされる初期段階では、難易度選択画面830が表示される。プレイモード実行部113は、難易度選択画面830において、初期段階で選択可能な難易度に対応付けられたボタン831を、選択可能であることを示す表示態様にて表示する。プレイモード実行部113は、現時点では選択できないより高度な難易度に対応付けられたボタン832およびボタン833については、選択できないようにロックされていることが分かる表示態様で表示し、該ロックの解放条件を併せて表示する。ユーザがシーズンプレイモードをプレイし、解放条件が達成されるにつれて、ボタン832および833の表示態様が変更される。これにより、ユーザは、解放されたボタンに対応したより高難易度のシーズンプレイモードを選択できるようになる。高難易度では、相手チームの強さまたは相手チームのキャラクタの能力が高く、自チームについて良い結果を得ることが難しくなるが、より高い年俸を獲得できるチャンスが増す。あるいは、主役キャラクタが到達できる最大レベルもより高くなる。
(ミニゲーム)
本実施形態では、イベント管理部30は、対戦のメインイベントの前に、サブイベントを提示する。イベント実行部31は、サブイベントが提示されると、操作受付部111を介してユーザ操作を受け付け、ユーザ操作に基づいて主役キャラクタを動作させ、サブイベントを進行させる。本実施形態では、例えば、サブイベントは、対戦よりも規模が小さいミニゲームである。しかしながら、ミニゲームは、対戦モードで使用されるコア操作に基づいて、進行される。つまり、ミニゲームは、対戦モードにおける本番の対戦以外で、ユーザに対して、コア操作の入力の機会を与える練習として位置付けられる。
コア操作の練習を目的としたミニゲームを提供することにより、ユーザに対して、コア操作の習熟を促すことができる。習熟によって、コア操作の入力がうまく行われると、ユーザは、うまくできた達成感または優越感を味わうことができる。結果として、本実施形態に係る対戦型野球ゲームを繰り返しプレイすることの動機付けが強化される。
コア操作に習熟しているプレイヤーほど、ゲームのプレイ継続率が高いと考えられる。そのため、ゲームプロバイダは、多くの場合、コア操作をユーザに習得させようとチュー
トリアルイベントの作成に力を入れる。しかしながら、従来、チュートリアルイベントは、本番のゲームとは独立して作成されるものであって、チュートリアルイベントの実行結果が本番のゲームの進行に与える影響は、直接的にも間接的にもほとんどなかった。そのため、やがて、チュートリアルイベントをプレイする動機付けが損なわれ、ユーザがチュートリアルイベントをプレイしなくなり、コア操作の習熟が促進されず、結果として、ユーザがゲームに飽きてしまいプレイされなくなるという悪循環が起こる。
本実施形態では、後述するように、ミニゲームの実行結果は、その後に進行されるシーズンプレイモードにおける対戦が有利に進められるか否かに関して直接作用する。そして、シーズンプレイモードにおける対戦の実行結果は、対戦モードにおける本番の対戦が有利に進められるか否かに関して直接作用する。このように、本番の対戦に直接または間接的に影響を及ぼすゲームの一部としてのミニゲームに、コア操作の練習を行う機会を提供する役目を担わせることにより、本番の対戦と独立したチュートリアルイベントを設ける場合と比較して、ユーザはゲームのプレイを楽しむ過程で自然にコア操作に習熟することができる。具体的には、シーズンプレイモードをプレイすれば、ユーザ自身もコア操作が巧くなり、キャラクタも強化され、チームも強化され、対戦モードにおける対戦で勝利しやすくなる、そして、勝利のためにまたシーズンプレイモードをプレイしたくなる、という好循環を生むことができる。
具体的には、ミニゲームは、ピッチングマシンを使った打撃練習、ピッチャーマウンドからパネルを狙ってボールを投げる投球練習等である。例えば、主役キャラクタが野手である場合、イベント管理部30は、打撃練習のミニゲームをゲームプログラム131から読み出して、該打撃練習の実行をイベント実行部31に指示する。一方、主役キャラクタが投手である場合、イベント管理部30は、投球練習のミニゲームをゲームプログラム131から読み出して、該投球練習の実行をイベント実行部31に指示する。
さらに、本実施形態では、ミニゲームにおいて、イベント管理部30は、主役キャラクタに対してタスクを課す。イベント管理部30は、イベント実行部31が主役キャラクタに実行させた動作に基づいてタスク実行成績を算定し、該タスク実行成績に応じて、主役キャラクタに設定されている調子パラメータ(第4パラメータ)を変更する。調子パラメータとは、主役キャラクタの調子を示すパラメータである。調子パラメータは、主役キャラクタの総合パラメータを一時的に補正するために用いられる。本実施形態では、調子パラメータは、例えば、悪い段階から順に、絶不調、不調、普通、好調および絶好調の5段階で設定される。調子パラメータは、後述するように、対戦におけるフルマニュアル進行パートおよびセミマニュアル進行パートの進行に影響を及ぼす。
図17は、打撃練習の実行が開始されたときに表示部152に表示されるタスク提示画面の具体例を示す図である。イベント実行部31は、イベント管理部30の指示にしたがい、タスク提示画面840を生成する。タスク提示画面840は、イベント管理部30によって指定されたタスクをユーザに提示するためのタスク一覧841を含む。
一例として、打撃練習は、ピッチングマシンから投げられた球を、主役キャラクタが打撃したときの球の飛距離の合計に応じて調子パラメータが決定されるミニゲームである。イベント実行部31は、タスク提示画面840の次に、図5に示す打撃画面600を表示する。しかし、ミニゲームでは、対戦相手が設定されない。そこで、投手キャラクタ603の位置には代わりにピッチングマシンが配置され、投手キャラクタ603の能力値情報703も表示されない。イベント実行部31は、投手キャラクタ603に代えて、ピッチングマシンから投球させる以外は、上述の(打撃内容を決定するためのコア操作UI)の項で説明したのと同様に、各フェーズを進行させる。図17に示す例では、投球回数は5回であるので、イベント実行部31は、投球および打撃のフェーズを5回繰り返し実行す
る。イベント実行部31は、フェーズの最後に、すなわち、主役キャラクタによって打撃が行われた後に、打撃結果(ここでは飛距離)をイラストまたはアニメーションで示すフェーズ結果画面(不図示)を表示してもよい。
なお、イベント実行部31は、上述の打撃画面600およびフェーズ結果画面において、タスクの達成度(現時点での飛距離合計)および5回のうち何回目のフェーズが進行されているのかを示す進行状況を併せて表示してもよい。図18は、打撃画面600およびフェーズ結果画面に含まれる、達成進捗情報482および進行状況情報483の具体例を示す図である。
イベント管理部30は、すべてのフェーズが実行されたあと、飛距離の合計に応じて獲得されるポイントを特定し、獲得されたポイントが、5段階の調子パラメータのどの段階に対応するのかを決定する。例えば、飛距離の合計が73mであった場合、イベント管理部30は、730ポイントが獲得されたと特定し、730ポイントに対応するのは「普通」であるとして、ミニゲームが実行された後の主役キャラクタの調子パラメータを「普通」と決定する。
別の実施形態では、イベント管理部30は、5回の打撃による飛距離合計が所定閾値以上であるか否かに基づいて、ミニゲーム(打撃練習)の成否を判定してもよい。そして、ミニゲームに成功したと判定した場合に、イベント管理部30は、現在主役キャラクタに設定されている調子パラメータを1段階良い方へ(例えば、不調から普通へ)変更する。例えば、調子パラメータは、ミニゲームに失敗したと判定した場合は、逆に、1段階悪い方へ変更される。また、飛距離合計が所定閾値と一致した場合には、イベント管理部30は、調子パラメータを変更しない構成であってもよい。
イベント実行部31は、打撃練習の最後に、イベント管理部30によって決定された新しい調子パラメータをユーザに通知するための、ミニゲーム結果画面(不図示)を表示してもよい。
図19は、投球練習の実行が開始されたときに表示部152に表示されるタスク提示画面の具体例を示す図である。打撃練習の場合と同様に、主役キャラクタが投手の場合にも
、タスク一覧846を含むタスク提示画面845がイベント実行部31によって生成される。
一例として、投球練習は、ストラックアウトである。ストラックアウトは、例えば、ピッチャーマウンドから、ホームベース607あたりに配置された複数枚(例えば、9枚)のパネルを狙って投球を行い、パネルを抜き落とすというゲームである。イベント実行部31は、タスク提示画面845の次に、図6〜図9に示す投球画面700をユーザの操作にしたがって順次表示する。しかし、ストラックアウトのミニゲームでは、バッターボックスの位置には、打者キャラクタ601の代わりに9枚のパネルが配置される。また、打者キャラクタ601の能力値情報701も表示されない。イベント実行部31は、打者キャラクタ601に代えて、9枚のパネルを配置する以外は、上述の(投球内容を決定するためのコア操作UI)の項で説明したのと同様に、各フェーズ(図19に示す例では計7回)を進行させる。イベント実行部31は、フェーズの最後に、すなわち、主役キャラクタによって投球が行われた後に、投球結果(ここでは抜き落とされたパネル)をイラストまたはアニメーションで示すフェーズ結果画面(不図示)を表示してもよい。また、イベント実行部31は、上述の投球画面700およびフェーズ結果画面において、タスクの達成度(現時点で抜かれたパネルの枚数)を示す達成進捗情報482、および、7回のうち何回目のフェーズが進行されているのかを示す進行状況情報483を併せて表示してもよい。
イベント管理部30は、すべてのフェーズが実行されたあと、抜き落とされたパネルの枚数に応じて獲得されるポイントを特定し、獲得されたポイントが、5段階の調子パラメータのどの段階に対応するのかを決定する。なお、ポイントは、1投で複数枚パネルが抜き落とされた場合、または、連続してパネルが抜き落とされた場合に、ボーナスポイントが加算されるものであってもよい。例えば、7枚のパネルが抜き落とされた場合、イベント管理部30は、100ポイント×7枚+ボーナス500ポイント=1200ポイントが獲得されたと特定し、1200ポイントに対応するのは「好調」であるとして、ミニゲームが実行された後の主役キャラクタの調子パラメータを「好調」と決定する。
別の実施形態では、イベント管理部30は、7回の投球によるポイント合計が所定閾値以上であるか否かに基づいて、ミニゲーム(投球練習)の成否を判定してもよい。そして、打撃練習の場合と同様に、イベント管理部30は、ミニゲームの成否に応じて、現在主役キャラクタに設定されている調子パラメータを変更する。なお、ポイント合計が所定閾値と一致した場合には、イベント管理部30は、調子パラメータを変更しない構成であってもよい。
こうしてミニゲームで設定された調子パラメータは、以降で実行される対戦の進行を左右する。
第1に、セミマニュアル進行パートにおいて、プレイモード実行部113は、調子パラメータが良いほど、抽選機620において円柱が自チームにとって良い出目で停止するように、抽選機620のデータ構造または挙動を制御してもよい。
例えば、上述の第1の方法で出目を決定する場合、プレイモード実行部113は、調子パラメータが良いほど、良い目が出る確率が高くなるように確率を設定する。そして、そのように設定された確率に基づいて抽選機620を制御する。
図20は、ゲーム情報132として記憶部120に記憶されている確率データのデータ構造を示す図である。図20は、一例として、ある打者キャラクタ601について設定された確率データを示す。図20に示すとおり、打者キャラクタ601の調子パラメータが良いほど、良い目の当選確率が高い。なお、当選確率は、出目ごとではなく、大当たり、当たり、ハズレの3つの区分ごとに設定されてもよい。この場合、調子パラメータが良いほど、良い区分の確率が高くなるように確率が設定される。また、当選確率は、打者キャラクタ601の総合パラメータに基づいて、または、対戦相手の投手キャラクタ603との総合パラメータの比較結果に基づいて、決定されてもよい。
例えば、上述の第2の方法で出目を決定する場合、プレイモード実行部113は、調子パラメータが良いほど、抽選機620の円柱の側面に、自チームにとって良い出目の割合が多くなるように出目を配置してもよい。さらに、良い出目で止めやすいように円柱の側面における出目の配置を決定してもよい。図21は、ゲーム情報132として記憶部120に記憶されている円柱データのデータ構造を示す図である。図22は、図21に示す円柱データに基づいて、抽選機620の円柱を構成した場合の該円柱の模式図である。図23は、円柱データのデータ構造の別の例を示す図である。図24は、図23に示す円柱データに基づいて、抽選機620の円柱を構成した場合の該円柱の模式図である。
本実施形態では、一例として、円柱624の側面を16枠に区切り、各枠に、出目が表示される。円柱データは、第0枠から第15枠までの16枠に対して、それぞれ、出目(
1つの打席結果)が対応付けられて構成される。円柱624の側面の16枠のうち、正面中央の1枠が、抽選機620の窓枠(図10および図11参照)から視認される。そして
、当選する出目は、円柱624が回転を止めたときに、該窓枠から視認される枠に対応付けられた出目に決定される。該窓枠に対応する、円柱624側面の正面中央の位置を当選位置625と称する。図21および図23における「当選位置」のカラムに示された黒星は、黒星が付された枠が現在当選位置625に位置しているということを意味する。プレイモード実行部113は、黒星の位置を16枠の中で順次動かして、当選位置625にある出目を常に把握する。また、プレイモード実行部113は、黒星を動かす方向に応じた回転方向および黒星を動かすタイミングに応じた回転速度にて、円柱624を回転させて、抽選機620を打撃画面600(または投球画面700)に表示する。プレイモード実行部113は、円柱624の回転を止めるためのタップ操作が受け付けられると、該タップ操作の入力時点において黒星が付された枠に対応付けられている出目を当選した出目として決定する。あるいは、プレイモード実行部113は、該タップ操作の入力時点において黒星が付された枠から所定枠分離れた枠に対応付けられている出目を当選した出目として決定してもよい。
図21は、主役キャラクタの調子パラメータが絶好調であることに基づいて構成された円柱データの一例を示す。プレイモード実行部113は、調子パラメータが良いほど、良い出目が多く配置されるように円柱データを生成する。さらに、プレイモード実行部113は、ユーザが、良い出目で円柱624を止めやすいように、良い出目を連続する枠にまとめて配置してもよい。
図23は、主役キャラクタの調子パラメータが絶不調であることに基づいて構成された円柱データの一例を示す。プレイモード実行部113は、調子パラメータが悪いほど、良い出目が少なく配置されるように円柱データを生成する。さらに、プレイモード実行部113は、ユーザが良い出目で円柱624を止めにくいように、良い出目を分散して配置してもよい。
さらに、プレイモード実行部113は、円柱624の回転速度を、主役キャラクタの調子パラメータに基づいて決定してもよい。つまり、プレイモード実行部113は、調子パラメータが良いほど回転速度が遅くなるように円柱624を回転させる。回転速度が遅いほど、ユーザは、抽選機620の窓枠から見える円柱624の側面に表示された出目の内容を目視しつつ、回転を止めるタイミングを計ることができ、狙った出目で円柱624を止めやすくなる。
プレイモード実行部113は、出目の決定方法について、上述の第2の方法に、上述の第1の方法を組み合わせた方法にて出目を決定してもよい。具体的には、プレイモード実行部113は、ユーザのタップ操作にしたがって円柱624の回転駆動を停止する工程までは、第2の方法にしたがって、円柱データおよび円柱624を処理する。この後、タップ操作が入力された時点における黒星を、どの枠まで移動させるのか(すなわち、円柱624を滑らせてどの枠で止めるのか)を、調子パラメータに基づいて予め設定された確率に応じて決定してもよい。
例えば、図23に示すとおり、タップ操作入力時点において、黒星が第5枠にある場合であって、円柱624を滑らせる距離が最大で5枠までと設定されている場合、当選する出目の候補は、第0枠から第5枠までである(円柱624が上から下へ回転する場合)。この場合、プレイモード実行部113は、予め設定された確率に応じて、調子パラメータが良いほど、5つの候補の中から良い出目が当選するように黒星を移動させる(円柱624を滑らせる)。例えば、主役キャラクタの調子パラメータが絶好調の場合には、第3枠の「3ランホームラン」が当選する確率が最も高く、反対に、絶不調の場合には、第3枠が当選する確率が最も低く設定される。
第2に、オート進行パートにおいて、調子パラメータが良いほど、自チームにとって良い打撃(投球)結果に基づいて対戦が進行するように、ゲームシステム1の各装置がプログラムされていてもよい。
第3に、調子パラメータは、対戦において、主役キャラクタの総合パラメータを補正するのに用いられる。具体的には、プレイモード実行部113は、次の対戦を開始させるとき、直前のミニゲームで変更された調子パラメータを主役キャラクタ情報122から読み出す。そして、読み出した調子パラメータに基づいて、該対戦の進行期間中における該主役キャラクタの総合パラメータを以下のように補正する。一例として、プレイモード実行部113は、調子パラメータが普通のとき、40%の確率で、総合パラメータを所定割合上昇させ、20%の確率で、総合パラメータを現状維持し、残りの40%の確率で、総合パラメータを所定割合下降させる。あるいは、プレイモード実行部113は、調子パラメータが絶好調のとき、3分の1の確率で、総合パラメータを現状維持し、残りの3分の2の確率で、総合パラメータを所定割合上昇させる。あるいは、プレイモード実行部113は、調子パラメータが絶不調のとき、3分の1の確率で、総合パラメータを現状維持し、残りの3分の2の確率で、総合パラメータを所定割合下降させる。
総合パラメータは、シーズンごとに更新される年俸に基づいて、長期的スパン(シーズンごと)で更新されるものであるところ、さらに、シーズンの始めに、対戦前に実行されるミニゲームの成否に基づいて、短期的スパン(シーズンごと)で増減させることが可能となる。このように、総合パラメータは、ユーザ操作の巧拙によって、高騰させやすいパラメータであり、この総合パラメータの高さが、対戦を有利に進めることにつながる。したがって、高騰させやすい総合パラメータを採用することにより、対戦の興趣性をより一層向上させることができる。
第4に、主役キャラクタが打者キャラクタ601である場合に、対戦のフルマニュアル進行パートにおいて、ユーザ端末100は、各種打撃支援オブジェクトの表示態様を、調子パラメータが良いほど、ユーザの打撃操作にとって有利になるように制御してもよい。具体的には、オブジェクト制御部116は、調子パラメータが良い場合に、図5におけるタイミングヒントオブジェクト605、位置ヒントオブジェクト608および方向ヒントオブジェクト609などを、分かりやすく表示したり、早いタイミングで表示したりしてもよい。これにより、主役キャラクタの調子パラメータが良いほど、ユーザが打撃操作を成功させる可能性が高くなる。
(対戦)
イベント実行部31は、イベント管理部30の指示にしたがい、ミニゲームの次に、メインイベントとしての対戦を実行する。本実施形態では、1シーズンにつき、非コア操作対戦が4回、コア操作対戦が1回の計5回の対戦が実行される。
非コア操作対戦:
非コア操作対戦では、プレイモード実行部113は、ゲームプログラム131にしたがって、各チームに属する各キャラクタの各種パラメータにしたがって、1打席ごとに自動で打席結果を演算し、対戦を進行させる。「自動で」とは、打席結果が決定されるのに、ユーザの操作が一切関与しないことを意味する。プレイモード実行部113が自動で進行させた各打席が、図14に示すオート進行パートに相当する。
図25は、イベント実行部31が、対戦を進行させているときに表示部152に表示される対戦画面の一例を示す図である。対戦画面870は、あるイニングがオート進行しているときに表示される画面である。
非コア操作対戦には、ユーザが「選手選択」イベント(図14参照)において選択した主役キャラクタの出番が少なくとも1打席含まれている。対戦画面871は、主役キャラクタが打者キャラクタ601である場合に、該主役キャラクタの打席が回ってきたタイミングで表示される画面である。該打席は、図14に示すセミマニュアル進行パートに相当する。プレイモード実行部113は、対戦画面871を表示させた後、例えば、図10に示す打撃画面600を表示する。該打席の打席結果(主役キャラクタ目線では打撃結果)は、抽選機620の回転を止めるためのユーザのタップ操作(非コア操作)にしたがって、決定される。
対戦結果出力:
図26は、対戦が完了した後に表示部152に表示される、該対戦の結果を示す対戦結果画面の一例を示す図である。イベント管理部30は、イベント実行部31によって対戦が終了するごとに、該対戦における主役キャラクタの出来ばえ(動作)を評価する評価値を決定する。例えば、決定された評価値881を含む対戦結果画面880が表示制御部112によって表示される。
評価値881は、主役キャラクタのシーズンを通しての動作について、複数の評価項目ごとに算定されてもよい。例えば、主役キャラクタが野手の場合、対戦が終わるごとに、「打率」、「打点」、「本塁打(の本数)」、「安打(の本数)」、「OPS(On-base Plus Slugging)」などの個人成績に係る評価項目ごとに評価値881が算定されてもよ
い。また、“○勝○敗○分”などのチームの勝敗を示す「チーム成績」の評価項目について評価値881が算定されてもよい。さらに、タスクとして主役キャラクタに課された監督ミッションに対する、該主役キャラクタの「タスク実行成績」を示す評価値881が算定されてもよい。対戦ごとに算定される評価値881は、シーズンの最後に合算され、シーズンを通しての主役キャラクタの動作に対する評価結果として得られる。そして、該評価結果は、シーズンの終わりに実施される年俸の算定またはレベルの決定に影響を与える。なお、主役キャラクタが投手の場合、例えば、「勝利数」、「防御率」、「奪三振(の数)」、「イニング数」、「WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)」、「チーム成績」などの評価項目ごとに評価値881が算定されてもよい。
なお、イベント管理部30は、提示した個々のイベントがイベント実行部31によって実行されたことに応じて、または、その実行結果(例えば、個人成績、監督評価等)に応じて、主役キャラクタに対して報酬を付与してもよい。報酬は、例えば、主役キャラクタを強化する効果を有する消費アイテム等である。
コア操作対戦:
コア操作対戦では、非コア操作対戦と同様に、1打席ごとに自動で打席結果を演算し、対戦のオート進行パートを進行させる。コア操作対戦には、主役キャラクタの出番が少なくとも1打席含まれている。主役キャラクタが打者キャラクタ601である場合、プレイモード実行部113は、該主役キャラクタの打席が回ってきたタイミングで対戦画面871を表示させる。該打席は、図14に示すフルマニュアル進行パートに相当する。
本実施形態では、イベント管理部30は、フルマニュアル進行パートに移行する直前に、フルマニュアル進行パートにおいて主役キャラクタが達成すべきタスクを提示する。図27は、イベント管理部30が、コア操作対戦において、タスクをユーザに提示するときに表示部152に表示されるタスク提示画面の一例を示す図である。タスクは、例えば、監督ミッションである。
例えば、図27に示すタスク提示画面850は、タスク851を含む。このタスク851は、主役キャラクタが野手である場合に、主役キャラクタに対して、1打席の間にヒッ
トを打つことを課す監督ミッションであり、8回表で主役キャラクタに打席が回ってきたタイミングで、ユーザに提示される。
次に、イベント実行部31は、図5に示す打撃画面600を表示する。該打席の打席結果(主役キャラクタ目線では打撃結果)は、打者キャラクタ601の打撃動作を決定するための、ユーザのスワイプ操作およびフリック操作(打撃に係るコア操作)にしたがって決定される。ユーザは、この打席にて、主役キャラクタである打者キャラクタ601にヒットを打たせることによって、主役キャラクタにタスクを達成させることができる。
続いて、イベント管理部30は、イベント実行部31が、タスクの実行結果(打席結果)を決定し、上述のフルマニュアル進行パートの打席の進行を完了させた後、次の打席に移行する前に、該実行結果を、表示制御部112を介して出力させてもよい。例えば、イベント実行部31が、上述の打席を、「主役キャラクタが、相手チームの投手キャラクタ603からヒットを打った」という内容で完了させた場合には、イベント管理部30は、タスク成功を意味するタスク実行成績861を含むタスク提示画面860を表示させてもよい。タスク実行成績861は、表現を変えて複数表示されてもよい。反対に、イベント実行部31が、上述の打席を、「主役キャラクタが凡打でアウトを取られた」という内容で完了させた場合には、イベント管理部30は、タスク失敗を意味するタスク実行成績を含むタスク提示画面860を表示させてもよい。タスク失敗を意味するタスク実行成績には、例えば、「ミッション失敗」および「凡打」などのテキストが含まれてもよい。
主役キャラクタが投手である場合、野手用のタスク851に代えて、例えば、1イニングの間、0点に抑えることを課す監督ミッションなどが、守りのイニングの開始時にユーザに提示される。次に、イベント実行部31は、該イニングに含まれる打席の回数分、図6〜図9に示す投球画面700を繰り返し表示する。該イニングのイニング結果(主役キャラクタの目線では投球結果)は、打席の回数分繰り返し入力された、投手キャラクタ603の投球動作を決定するための、ユーザの第1タップ操作、スワイプ操作および第2タップ操作にしたがって決定される。ユーザは、このイニングにおいて、1点も取られずに3アウト取ることによって、主役キャラクタにタスクを達成させることができる。
イベント管理部30は、イベント実行部31が決定したタスクの実行結果(イニング結果)を、表示制御部112を介して出力させてもよい。例えば、イベント実行部31が、上述のイニングを、「主役キャラクタが0点に抑えた」という内容で完了させた場合には、イベント管理部30は、タスク成功を意味するタスク実行成績861として、「2ベースヒット」のテキストに代えて、「奪三振1、被安打1、失点0」などのテキストをタスク提示画面860に表示させてもよい。
コア操作対戦における対戦結果出力も、上述の非コア操作対戦における対戦結果出力と同様に実行される。
(シーズン最終結果出力)
図28は、シーズン最終結果出力のイベントにおいて、年俸算定部32によって実行される、図3のステップS108に示された年俸算定処理の一具体例を示すフローチャートである。該シーズン最終結果出力のイベントは、1シーズンに割り当てられている各イベントのセットが完了した後、年俸算定部32によってシーズンの最後に実行される(図3のステップS108参照)。図29は、シーズン最終結果出力のイベントの進行中に表示部152に表示される個人成績画面の一例を示す図である。図30は、シーズン最終結果出力のイベントの進行中に表示部152に表示される最終結果画面の一例を示す図である
。
年俸算定部32は、主役キャラクタ情報122から、主役キャラクタを含む自チームのチーム成績を取得してもよい(ステップS201)。取得されたチーム成績は、表示制御部112を介して、表示部152に表示されてもよい。
年俸算定部32は、主役キャラクタ情報122から、主役キャラクタの個人成績を取得する(ステップS202)。取得された個人成績は、表示制御部112を介して、表示部152に表示される(図29に示す個人成績画面890)。
なお、年俸算定部32は、各対戦の実行結果として算定された評価値881に基づいて、チーム成績または個人成績を、ステップS201またはステップS202において算出してもよいし、あらかじめ算出された評価値881の合計値をチーム成績または個人成績として取得してもよい。
年俸算定部32は、主役キャラクタ情報122から、監督ミッション達成結果を取得する(ステップS203)。また、年俸算定部32は、対戦ごとのタスクの実行結果に基づいて、シーズンを通じてのタスク実行成績を算出してもよい。タスクの実行結果は、本実施形態では、一例として、監督ミッションのどの程度達成できたのかを示す監督ミッション達成度であり、タスク実行成績は、一例として、監督評価である。算出された監督評価は、表示制御部112を介して、表示部152に表示される(図29に示す個人成績画面890)。なお、年俸算定部32は、ホーム対戦においては、監督ミッション達成度に基づく監督評価の値が大きく上下に振れるように算定し、ビジター対戦においては、ホーム対戦よりも監督評価の値の変動を抑えてもよい。
年俸算定部32は、上述の各ステップで取得した各評価値を合算する。そして、あらかじめ定められた計算式にしたがい、合算した評価値に基づいて、今シーズンの年俸を算定する(ステップS204)。年俸算定部32は、シーズンの識別情報(例えば、「2016年シーズン」等)と、算定した年俸とを対応付けて、主役キャラクタ情報122の一部として記憶させる。算定された年俸は、個人成績画面890に含まれて、表示制御部112を介して、表示部152に表示されてもよい。
本実施形態では、年俸算定部32が、各評価値を合算するとき、各評価値の重要度に応じて重み付け値が付加されてもよい。例えば、本実施形態では、監督評価の値に対して、最も大きい重みづけ値を付加する。これにより、年俸算定部32が、主役キャラクタの年俸またはレベルを算定するにあたって、上述の監督評価の値が、最も大きい影響を与える。ステップS201〜S203で取得される各評価値のうち、チーム成績は、オート進行パートの進行結果に最も多く左右され、次に、個人成績も、オート進行パートの進行結果に多く左右される。しかし、監督ミッションは、上述したとおり、フルマニュアル進行パートに対して課されるタスクであるので、監督ミッション達成結果、すなわち、監督評価の値は、フルマニュアル進行パートの進行結果を直接反映するものである。こうして、ユーザが実施するコア操作が、シーズンの評価において最も重要な割合を占めるように、年俸算定部32を構成することにより、コア操作の習熟をユーザに促すことができる。
なお、主役キャラクタ情報122は、主役キャラクタにつき、過去プレイされたシーズンにおいて最も高額の年俸を、生涯最高年俸として含んでいてもよい。この場合、年俸算定部32は、主役キャラクタ情報122に含まれている前シーズンまでの生涯最高年俸と、ステップS204で算定した今シーズンの年俸とを比較する(ステップS205)。今シーズンの年俸が、前シーズンまでの生涯最高年俸を上回る場合には(ステップS205でYES)、年俸算定部32は、生涯最高年俸を、今シーズンの年俸に更新する(ステップS206)。
生涯最高年俸が今シーズンの年俸に更新された場合、年俸算定部32は、主役キャラクタがキャリアハイ(career-high;自己最高額)を達成したと判断する(ステップS20
7)。この場合、年俸算定部32は、達成された自己最高額、すなわち、更新後の生涯最高年俸に基づいて、主役キャラクタのレベルを大幅にアップさせる(ステップS208)。例えば、「Lv.1」から「Lv.12」にアップさせる。
一方、生涯最高年俸が今シーズンの年俸に更新されなかった場合、年俸算定部32は、キャリアハイが達成されなかったと判断する(ステップS209)。この場合であっても、年俸算定部32は、主役キャラクタのレベルを1段階だけアップさせてもよい(ステップS210)。この構成によれば、ユーザは、シーズンプレイモードをプレイすれば、少なくとも、1段階、主役キャラクタを強化することができる。したがって、シーズンプレイモードをプレイした結果、一切リターンがない(主役キャラクタを強化できない)という事態を無くすことができる。結果として、シーズンプレイモードをプレイすることの動機付けが損なわれることを回避することが可能となる。
能力値調整部114は、能力値決定テーブル121にしたがって、ステップS206を経て決定された生涯最高年俸およびレベルの少なくともいずれか一方に基づいて、主役キャラクタの能力値を調整する(図3のステップS109参照)。例えば、能力値調整部114は、主役キャラクタの生涯最高年俸が高額であるほど、あるいは、レベルが高いほど、主役キャラクタが強くなるように総合パラメータおよびスキル別身体パラメータの少なくともいずれか一方の値を調整する。
図30に示すとおり、キャリアハイ達成または未達の判定結果、更新後のレベル805、更新後の総合評価806、調整後の総合パラメータ、および、調整後の各種スキル別身体パラメータを含む、最終結果画面895が、表示制御部112を介して、表示部152に表示されてもよい。
以上のことから、シーズンプレイモードにおいて、対戦のイベントで参照される主役キャラクタの能力値(具体的には、「スキル別身体パラメータ」、「総合パラメータ」)は、その対戦が進行されているシーズンより前のシーズンまでの生涯最高年俸および/またはレベルに基づいて決定される。生涯最高年俸および/またはレベルは、シーズンプレイモードにおいて、主役キャラクタにシーズンを繰り返し過ごさせることによって毎シーズンの終わりに決定される。生涯最高年俸は、シーズンごとに算定された年俸が下降した場合は更新されない。レベルは、シーズンごとに生涯最高年俸が更新されなかった場合でも少なくとも1段階はアップされる。これにより、年俸が下ったことに基づいて、主役キャラクタの能力値、および、自チームの強さが下降することはない。
むしろ、シーズンプレイモードがプレイされることによって、レベルが1段階アップすることは保証されている。そのため、ユーザは、主役キャラクタの能力値、および、自チームの強さが下降するというリスクを負うことがない。むしろ、シーズンプレイモードでは、対戦における主役キャラクタおよび自チームの能力を強化することができるというメリットのみが得られる。結果として、シーズンプレイモードをプレイすることに対するユーザのインセンティブを強化し、ゲームの興趣性を一層向上させることが可能となる。
〔実施形態2〕
能力値調整部114は、主役キャラクタ個人の総合パラメータに代えて、主役キャラクタを含む自チームに設定されるチーム総合パラメータを、算定された年俸に基づいて調整してもよい。
具体的には、能力値調整部114は、自チームに属する各キャラクタに設定されている年俸または生涯最高年俸の合計値が高額であるほど、自チームのチーム総合パラメータが
高くなるように、チーム総合パラメータを調整する。能力値調整部114は、自チームに属する各キャラクタに設定されている総合パラメータの合計値に対して、さらに、年俸の合計値に応じた増分を加算して、最終的なチーム総合パラメータを自チームに対して設定する。
このようにして、調整された自チームのチーム総合パラメータは、対戦において相手チームのチーム総合パラメータと比較される。比較の結果、チーム総合パラメータが下回った方のチームの各キャラクタは、対戦において発揮される能力に係るスキル別身体パラメータを下方に調整される。
〔実施形態3〕
能力値調整部114は、主役キャラクタ個人の総合パラメータに代えて、主役キャラクタ個人のスキル別身体パラメータを、算定された年俸に基づいて調整してもよい。
例えば、シーズンプレイモードにおいて、プレイモード実行部113は、シーズンの終了時に算定された年俸に応じて、報酬として経験値を主役キャラクタに対してシーズンごとに付与する。能力値調整部114は、該経験値の積算値に応じて、主役キャラクタのスキル別身体パラメータを上方に調整する。
〔効果〕
以上の各実施形態によれば、シーズンプレイモードにおいて、主役キャラクタの年俸を上げるという分かりやすい課題がユーザに対して提示される。そして、1つのキャラクタを主人公にして、何シーズンにも亘ってプレイすることができる。そのため、ユーザは、主役キャラクタに愛着を持って、主役キャラクタのキャリアアップを長く楽しんでプレイすることができる。
また、シーズンプレイモードにおける主役キャラクタの年俸の上昇が、主役キャラクタ個人および/または主役キャラクタが所属する自チーム全体の強化につながり、対戦を有利に進行させることが可能となる。このことがシーズンプレイモードをプレイする強いインセンティブとなる。
その上、生涯最高年俸という概念を採用することにより、シーズンプレイモードをプレイするインセンティブは損なわれない。生涯最高年俸は、シーズン単位で更新される年俸の変動の影響を受けない値であり、この生涯最高年俸に基づいて、主役キャラクタおよび/または自チーム全体の対戦における強さが決定されるからである。ユーザは、年俸減額に起因する能力値の下降というリスクを負わずに、チームの強化というメリットのみを追求して、シーズンプレイモードをプレイできる。
例えば、特許文献1の技術によれば、キャラクタに種々の能力値が設定されており、どの能力値をどの程度強化するのかをユーザが選択できる。しかし、育成の自由度が高い反面、キャラクタを目的に沿って計画的に育成していくことが難しいという課題がある。
また、特許文献2の技術よれば、育成対象のキャラクタが頻繁に変更されるので、育成対象のキャラクタに対する愛着が高まらない。したがって、育成モードをプレイすることに対してユーザが魅力を感じない可能性がある。
上で述べたとおり、各実施形態によれば、これらの従来技術の課題をいずれも解決することが可能である。
さらに、実施形態1によれば、シーズンプレイモードで進行する対戦のイベントには、
少なくとも1つ打席分の、または、少なくとも1つのフェーズ分のマニュアル進行パートが含まれている。該マニュアル進行パートには、対戦モードにおける対戦(本番の対戦)で採用されるコア操作に基づいて進行するフルマニュアル進行パートと、非コア操作に基づいて進行するセミマニュアル進行パートとがある。
フルマニュアル進行パートの利点は、主役キャラクタの強化を主目的とするシーズンプレイモードにおいて、対戦モードで採用されるコア操作の習熟の機会をユーザに提供できる点にある。
セミマニュアル進行パートの利点は、フルマニュアル進行パートと比較してテンポよくイベントが進行する上、自分の操作が進行結果に影響を与えることから、オート進行パートと比較して、ユーザが結果に納得できる点にある。
さらに、セミマニュアル進行パートで採用されるマニュアル操作は、一例として、コア操作よりも簡単な、抽選機620を制御するための非コア操作である。したがって、打席結果(投球結果または打撃結果)は、コア操作に基づく複雑な計算がなくとも抽選で決定される。そのため、ゲーム空間に配置された各キャラクタの動き、および、各オブジェクトの動き(例えば、ボール604の移動軌道)を計算したり、これらの動きに基づくアニメーションを生成したりすることが不要になる。結果として、クライアントのコンピュータとしてのユーザ端末100、および、サーバのコンピュータとしてのサーバ200のそれぞれの処理負荷または通信に係る負荷が低減される。
実施形態1によれば、フルマニュアル進行パートを含むコア操作対戦と、セミマニュアル進行パートを含む非コア操作対戦とが、1つシーズンにおいて好適な割合で実行される。これにより、シーズンプレイモードの興趣性が損なわれることなく、シーズンプレイモードにおける1つのシーズンをプレイするための所要時間が短縮される。したがって、メインの対戦モードで起用するキャラクタの強化が促進される。これが、対戦モードで起用する各キャラクタ、延いてはチーム全体の効率的な強化につながる。その上、ユーザ自身のコア操作の習熟も促進される。結果として、対戦モードにおいて、ユーザは、対戦に勝ちやすくなり、対戦モードをプレイすることの動機付けがより一層強化される。すなわち、シーズンプレイモードをプレイすれば、ユーザ自身も巧くなる、ユーザが所有するチームも強くなる、対戦モードで勝利しやすくなる、勝利のためにシーズンプレイモードをプレイしたくなる、という好循環を生み出すことができる。
さらに、実施形態1によれば、各対戦の前にミニゲームが実施される。本実施形態では、ミニゲームは、対戦のフルマニュアル進行パートと同様に、ユーザが実施するコア操作と、主役キャラクタに設定されている各種能力値に基づいて進行する。つまり、ユーザのコア操作が巧いほど、また、主役キャラクタの能力値が高いほど、ミニゲームにおいて良い実行結果が得られる。さらに、ミニゲームの実行結果が良いほど、その後に実施される各対戦を有利に進めることができる。
ミニゲームを実施することの利点は、シーズンプレイモードのプレイの一環として、コア操作の習熟の機会を、ユーザに自然に提供できる点にある。また、主役キャラクタを強化することに対する、明確なリターンがユーザに提示される。具体的には、ミニゲームを巧くこなせば、ユーザ自身も巧くなる、その後の対戦のイベントを有利に進めることができる、主役キャラクタを効率よく強化することができる、ミニゲームをさらに有利に進めることができる、という好循環を生み出すことができる。結果として、シーズンプレイモードをプレイすることの動機付けがより一層強化される。
実施形態1によれば、シーズンプレイモードにおける対戦のイベントは、野球ゲームと
しての興趣性を追求するマニュアル進行パート(フルマニュアル進行パートおよびセミマニュアル進行パート)と、所要時間の短縮を追求するオート進行パートとを両方を含んでいる。各対戦のイベントが、これらの各進行パートを、好適な割合で含むことにより、シーズンプレイモードをプレイすることの動機付けを弱化させることなく、シーズンプレイモードにおけるキャラクタの強化について一層の効率化を実現する。
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部110の制御ブロック(特に、操作受付部111、表示制御部112、プレイモード実行部113、能力値調整部114、対戦モード実行部115およびオブジェクト制御部116)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによ
って実現してもよい。
後者の場合、制御部110を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
上述の情報処理装置は、ゲームシステム1を構築するいずれか1台の装置(サーバ200またはユーザ端末100)によって実現されてもよいし、複数の装置の組み合わせ(サーバ200およびユーザ端末100)によって実現されてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容を列記すると以下のとおりである。
(項目1) ゲームプログラム(131)について説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサ(10)、メモリ(11)および表示部(152)を備えるコンピュータ(ユーザ端末100)により実行される。ゲームプログラムに基づくゲームは、ユーザが操作する自チームと、対戦相手となる他チームとを対戦させるゲームである。ゲームプログラムは、プロセッサに、ユーザの操作に基づいて、自チームに属する少なくとも1つのキャラクタを、指定キャラクタとして設定するステップ(S102)と、複数のイベントを含む第1ゲームモード(シーズンプレイモード)において、ユーザの操作に基づいて、指定キャラクタを動作させることによりイベントを進行させるステップ(S106)と、イベントにおいて実施された指定キャラクタの動作を評価するステップ(S108)と、評価するステップにおける評価結果に基づいて、対戦に参加させる、指定キャラクタを含む1以上のキャラクタの能力値(総合パラメータ、スキル別身体パラメータ、レベル)を調整し、調整後の能力値に基づいて該対戦を進行させるステップ(S106、S112)とを実行させる。イベントには、ユーザの第1操作(コア操作)に
基づいて進行する第1パート(フルマニュアル進行パート)を含む第1イベント(コア操作対戦)と、ユーザの第2操作(非コア操作)に基づいて進行する第2パート(セミマニュアル進行パート)を含む第2イベント(非コア操作対戦)とがあり、第1操作は、第1ゲームモードとは異なる第2ゲームモード(対戦モード)において対戦を進行させるために必須の、自チームに属するキャラクタの動作を決定するための操作であり、第2操作は、第1操作より簡易に、自チームに属するキャラクタの動作を決定するための操作であり、イベントを進行させるステップでは、第1イベントおよび第2イベントを、それぞれ1回以上進行させる。これにより、ゲームの興趣性を一層向上させるという効果を奏する。
(項目2) (項目1)において、ゲームは、野球ゲームであり、対戦は、野球の試合であって、第1操作は、自チームに属するキャラクタの打撃動作を決定するための操作であり、該第1操作は、投球に対して打撃を行う位置を指定する操作と、該打撃を行うタイミングを指定する操作とを含む。これにより、第2ゲームモードで必要となる、投球に対して打撃を行う位置を指定する操作および該打撃を行うタイミングを指定する操作に習熟する機会を、第1ゲームモードにおいて、ユーザに与えることができる。
(項目3) (項目2)において、第1操作は、打撃を行う位置を指定する操作として
、該位置を示すミートカーソルを移動させるためのスワイプ操作を含み、打撃を行うタイミングを指定する操作としてフリック操作を含む。これにより、第2ゲームモードで必要となる、ミートカーソルを移動させるためのスワイプ操作およびタイミングを指定するフリック操作に習熟する機会を、第1ゲームモードにおいて、ユーザに与えることができる
。
(項目4) (項目1)から(項目3)までのいずれか1項目において、ゲームは、野球ゲームであり、対戦は、野球の試合であって、第1操作は、自チームに属するキャラクタの投球動作を決定するための操作であり、該第1操作は、球種を指定する操作と、投球コースを指定する操作とを含む。これにより、第2ゲームモードで必要となる、球種および投球コースを指定するそれぞれの操作に習熟する機会を、第1ゲームモードにおいて、ユーザに与えることができる。
(項目5) (項目4)において、第1操作は、さらに、投球結果の成否を決定するための操作を含み、対戦を進行させるステップは、投球結果の成否を決定するための操作が入力されたタイミングに基づいて、自チームに属するキャラクタが実行した投球が成功か失敗かを判定すること、および、投球が成功したと判定した場合に、自チームに有利に対戦を進行させることを含む。これにより、第2ゲームモードで必要となる、投球結果の成否を決定するための操作に習熟する機会を、第1ゲームモードにおいて、ユーザに与えることができる。ユーザは、投球が成功したと判定されるように巧く、投球結果の成否を決定するための操作を行えるようになる。
(項目6) (項目5)において、対戦を進行させるステップは、表示部に、投球の成否を判定するための基準位置(判定基準616)、および、該基準位置に向かって動いていくUIオブジェクト(タイミング判定オブジェクト615)を表示することを含み、第1操作は、投球結果の成否を決定するための操作として、UIオブジェクトの動きを止めるタイミングを指定するタップ操作を含み、対戦を進行させるステップでは、基準位置と、UIオブジェクトとの位置関係に基づいて投球の成否を判定する。これにより、第2ゲームモードで必要となる、UIオブジェクトの動きを止めるタイミングを指定するタップ操作に習熟する機会を、第1ゲームモードにおいて、ユーザに与えることができる。
(項目7) (項目1)から(項目6)までのいずれか1項目において、イベントを進行させるステップは、第1パートにおいて、指定キャラクタに対してタスク(監督ミッシ
ョン)を課すこと、および、タスクを達成するために指定キャラクタに実行させる動作を、第1操作に基づいて決定すること、を含み、評価するステップは、指定キャラクタの動作について、複数の評価項目ごとに評価値を算定すること、および、算定された各評価値を総合して動作についての評価結果を決定することを含み、評価するステップでは、評価項目の1つとして、指定キャラクタがタスクをどの程度達成したのかを評価したタスク実行成績を算定する。これにより、ユーザが実施する第1操作(対戦で必須となる操作)の巧拙が直接反映されるタスク実行成績が、対戦において参照されるキャラクタの能力値に影響を与える。ユーザは、対戦を有利に進めるために、キャラクタの能力値を高めよう望み、そのために、良いタスク実行成績を残そうとして、第1操作に習熟しようと努力する。結果として、ユーザの第1操作の習熟を促進し、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化することができる。
(項目8) (項目7)において、複数の評価項目ごとに重みづけ値が設定されており、タスク実行成績には、他の評価項目よりも大きい重みづけ値が設定されており、評価するステップでは、複数の評価項目ごとに付与された重みづけ値を考慮して、各評価値を総合する。キャラクタの能力値を高めることに関して、良いタスク実行成績を残すことが重要な位置を占めるため、ユーザは、第1操作に習熟しようとより一層努力する。また、ユーザ自身が実施する第1操作の巧拙が、対戦を有利に進める上で重要な要素となるため、ユーザは、対戦の進行結果に対して十分に納得することができる。結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けをより一層強化することができる。
(項目9) (項目1)から(項目8)までのいずれか1項目において、第2操作は、自チームに属するキャラクタの動作結果が出目になっている抽選機に対して、1つの出目を決定することを指示する操作である。第1操作と比較して、第2操作は簡易であるため
、第2イベントを第1イベントよりも円滑に進行させることができる上、進行内容は、ユーザが実施する第2操作に左右されるため、ユーザは、対戦の進行結果に対して十分に納得することもできる。結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを弱化させることなく、ユーザに、効率よく第1ゲームモードをプレイさせることができる
。
(項目10) (項目9)において、第1ゲームモードは、指定キャラクタの能力値および第1操作に基づいて進行する、少なくとも1つのサブイベントを含み、イベントを進行させるステップでは、サブイベントの実行結果および第1操作に基づいて第1パートを進行させ、サブイベントの実行結果および第2操作に基づいて第2パートを進行させる。これにより、ユーザに対して、第1操作を練習する機会を、ゲームをプレイする過程で自然に提供できる。ユーザは、第2ゲームモードにおける対戦を有利に進めるために、第1ゲームモードにおけるイベントで良い結果を残そうと望み、そのために、第1操作に基づいて進行するサブイベントをプレイする。サブイベントをプレイすること自体が、ユーザにとって第1操作に習熟するよい機会となり、第1操作に習熟すれば、サブイベントで良い結果が得られる。延いては、第1ゲームモードにおけるイベントで良い結果が得られ、第2ゲームモードにおける対戦を有利に進めることができるという好循環が生まれる。結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けをより一層強化することができる。
(項目11) (項目10)において、イベントを進行させるステップでは、第2パートにおいて、サブイベントの実行結果が良いほど、自チームにとって有利な動作結果が対応付けられている目が出やすいように、抽選機を制御する。これにより、上述の好循環が生まれ、結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けをより一層強化することができる。
(項目12) (項目11)において、イベントを進行させるステップでは、第2パートにおいて、サブイベントの実行結果が良いほど、自チームにとって有利な動作結果が対応付けられている目が出やすいように、抽選機における有利な出目の割合、および、各出目の配置の少なくともいずれか一方を変更する。これにより、上述の好循環が生まれ、結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けをより一層強化することができる。
(項目13) (項目11)または(項目12)において、抽選機は、各出目に対応する各領域を有する回転体(円柱624)を含み、イベントを進行させるステップは、第2パートにおいて、1つの出目を決定することを指示する操作にしたがって回転体を停止させること、および、回転体が停止したときに所定の当選位置にある領域に対応する1つの出目に基づいて、自チームに属するキャラクタの動作結果を決定することを含み、イベントを進行させるステップでは、サブイベントの実行結果が良いほど、回転体の回転速度を遅くする。これにより、上述の好循環が生まれ、結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けをより一層強化することができる。
(項目14) (項目11)において、イベントを進行させるステップでは、第2パートにおいて、サブイベントの実行結果が良いほど、自チームにとって有利な動作結果が対応付けられている目が出やすいように、抽選機における各出目の当選確率を変更する。これにより、上述の好循環が生まれ、結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けをより一層強化することができる。
(項目15) (項目10)から(項目14)までのいずれか1項目において、イベントを進行させるステップは、第1パートにおいて、表示部に、ユーザの第1操作を支援するための支援オブジェクト(タイミングヒントオブジェクト605、ミートカーソル606、位置ヒントオブジェクト608、方向ヒントオブジェクト609)を表示することを含み、イベントを進行させるステップでは、サブイベントの実行結果に応じて、支援オブジェクトの表示態様を制御する。これにより、上述の好循環が生まれ、結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けをより一層強化することができる。
(項目16) (項目10)から(項目15)までのいずれか1項目において、第1イベントおよび第2イベントは、それぞれ、指定キャラクタの能力値に少なくとも基づいて、ユーザの操作によらずに進行する第3パートを含み、イベントを進行させるステップでは、サブイベントの実行結果が良いほど、第3パートを自チームにとって有利に進行させる。これにより、上述の好循環が生まれ、結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けをより一層強化することができる。
(項目17) (項目16)において、イベントを進行させるステップでは、サブイベントの実行結果が良いほど、能力値が高くなるように調整し、調整後の能力値に基づいて、第1イベントおよび第2イベントを進行させる。これにより、上述の好循環が生まれ、結果として、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けをより一層強化することができる。
(項目18) (項目1)から(項目17)までのいずれか1項目において、第1ゲームモードは、複数のイベントのうち、1以上の第1イベントと、1以上の第2イベントとを所定の割合で含み、対戦を進行させるステップでは、第1イベントおよび第2イベントにおいて実施された指定キャラクタの動作に係る評価結果に応じて高められた、該指定キャラクタの能力値に基づいて該対戦を進行させる。これにより、第1ゲームモードが、第1パートを含む第1イベントと、第2パートを含む第2イベントとでバランスよく構成されていることにより、第1ゲームモードの興趣性を損なうことなく、第1ゲームモードの
所要時間を短縮することができる。したがって、第2ゲームモードにおいて起用されるキャラクタの強化が促進される。結果として、第2ゲームモードをプレイすることの動機付けがより一層強化される。
(項目19) (項目18)において、第1イベントおよび第2イベントは、複数のパートからなり、第1イベントは、少なくとも1つの第1パートと、指定キャラクタの能力値に少なくとも基づいて、ユーザの操作によらずに進行する複数の第3パートとを所定の割合で含み、第2イベントは、少なくとも1つの第2パートと、複数の第3パートとを所定の割合で含む。各イベントが、キャラクタに対するユーザの操作を受け付けるマニュアルの進行パートと、キャラクタに対するユーザの操作によらないオートの進行パートとを、好適な割合で含むことにより、第1ゲームモードをプレイすることの動機付けを弱化させることなく、第1ゲームモードにおけるキャラクタの強化について一層の効率化を実現する。
(項目20) (項目19)において、イベントを進行させるステップは、第1イベントまたは第2イベントにおける各パートの進行状況に応じて、次に第3パートとして進行させる予定のパートを、それぞれ、第1パートまたは第2パートに変更することを含む。これにより、第1ゲームモードにおける効率化を実現しつつ、第1ゲームモードの興趣性を効果的に向上させることができる。
(項目21) ゲームプログラムを実行する方法を説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラム(131)は、プロセッサ(10)、メモリ(11)および表示部(152)を備えるコンピュータにより実行される。ゲームプログラムに基づくゲームは、ユーザが操作する自チームと、対戦相手となる他チームとを対戦させるゲームである。該方法は、プロセッサが、ユーザの操作に基づいて、自チームに属する少なくとも1つのキャラクタを、指定キャラクタとして設定するステップと、複数のイベントを含む第1ゲームモードにおいて、ユーザの操作に基づいて、指定キャラクタを動作させることによりイベントを進行させるステップと、イベントにおいて実施された指定キャラクタの動作を評価するステップと、評価するステップにおける評価結果に基づいて、対戦に参加させる、指定キャラクタを含む1以上のキャラクタの能力値を調整し、調整後の能力値に基づいて該対戦を進行させるステップとを含む。イベントには、ユーザの第1操作に基づいて進行する第1パートを含む第1イベントと、ユーザの第2操作に基づいて進行する第2パートを含む第2イベントとがあり、第1操作は、第1ゲームモードとは異なる第2ゲームモードにおいて対戦を進行させるために必須の、自チームに属するキャラクタの動作を決定するための操作であり、第2操作は、第1操作より簡易に、自チームに属するキャラクタの動作を決定するための操作であり、イベントを進行させるステップでは、第1イベントおよび第2イベントを、それぞれ1回以上進行させる。(項目21)に係る方法は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
(項目22) 情報処理装置(ユーザ端末100)について説明した。本開示のある局面によると、情報処理装置は、ゲームプログラム(131)を記憶する記憶部(120)と、表示部(152)と、ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置の動作を制御する制御部(110)とを備える。ゲームプログラムに基づくゲームは、ユーザが操作する自チームと、対戦相手となる他チームとを対戦させるゲームである。制御部は、ユーザの操作に基づいて、自チームに属する少なくとも1つのキャラクタを、指定キャラクタとして設定し、複数のイベントを含む第1ゲームモードにおいて、ユーザの操作に基づいて、指定キャラクタを動作させることによりイベントを進行させ、イベントにおいて実施された指定キャラクタの動作を評価し、評価結果に基づいて、対戦に参加させる、指定キャラクタを含む1以上のキャラクタの能力値を調整し、調整後の能力値に基づいて該対戦を進行させる。イベントには、ユーザの第1操作に基づいて進行する第1パートを含
む第1イベントと、ユーザの第2操作に基づいて進行する第2パートを含む第2イベントとがあり、第1操作は、第1ゲームモードとは異なる第2ゲームモードにおいて対戦を進行させるために必須の、自チームに属するキャラクタの動作を決定するための操作であり、第2操作は、第1操作より簡易に、自チームに属するキャラクタの動作を決定するための操作である。制御部は、イベントを進行させる際、第1イベントおよび第2イベントを、それぞれ1回以上進行させる。(項目22)に係る情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。