《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る空気吹出装置(以降、「第1装置」と称呼される場合がある。)について説明する。図1は、第1装置を構成する第1の筒体を含む本体部、第2の筒体を含む導入部、及び第3の筒体を含む放出部を示す模式的な斜視図である。尚、図1においては、第1装置の構成を判り易くするため、本体部、導入部、及び放出部の内部構造を破線によって示すと共に、後述するフィンは省略した。また、以下の説明において参照する各図面における各部分の寸法及び縦横比等は必ずしも実際の寸法及び縦横比等を示すものではなく、本発明の理解を助けることを目的として、適宜変形されている場合がある。
〈構成〉
例えば、図1に示すように、第1装置100は、第1の筒体を含む本体部110、第2の筒体を含む導入部120、及び第3の筒体を含む放出部130を備える。本体部110、導入部120、及び放出部130の大きさ及び形状は、空気が流れる流路(空気流路)として十分な断面積及び長さを有する空間が内部に形成された筒状の部材である限り特に限定されない。具体的には、これらの筒体は、例えば、円筒、楕円筒、及び角筒であってもよい。但し、少なくとも本体部を構成する第1の筒体の形状は円筒状であることが望ましい。尚、図1においては、図面に向かって、上側を「U」、下側を「D」、左側を「L」、右側を「R」、奥側(前側)を「F」、及び手前側(後ろ側)を「B」によって、それぞれ表す。
また、本体部110、導入部120、及び放出部130を構成するそれぞれの筒体の軸は必ずしも直線である必要は無く、例えば、第1装置100が配設される空間の形状、第1装置100から吹き出される幕状の空気流を供給する対象物(例えば、車両のフロントガラス等)の形状、及び第1装置100に空気を導入するブロワ等の関連装置の配置等に応じて曲がっていてもよい。
前記本体部110の一部には、第1の開口部111が形成されている。第1の開口部111は、例えば、本体部110を構成する第1の筒体の側面、頂面又は底面に形成された貫通孔である。第1の開口部111の大きさ及び形状並びに位置は、導入部120を構成する第2の筒体から第1の筒体へと第1の開口部111を介して空気が円滑に流れることが可能である限り特に限定されない。典型的には、第1の開口部111は、第1の筒体と第2の筒体との接合面に対応する大きさ及び形状を有する貫通孔として形成される。
前記本体部110の側面には、前記本体部110を構成する第1の筒体の軸に平行な長手方向を有する第2の開口部112が形成されている。第2の開口部112は、第1の筒体の側壁に形成された貫通孔である。第2の開口部112の大きさ及び形状は、第1の筒体から放出部120を構成する第3の筒体へと第2の開口部112を介して空気が円滑に流れることが可能である限り特に限定されない。典型的には、第2の開口部112は、第1の筒体と第3の筒体との接合面に対応する大きさ及び形状を有するように構成される。
また、第2の開口部112は、全体として本体部110を構成する第1の筒体の軸に平行な長手方向を有する細長い形状を有していれば、第1の筒体の内部と外部とを連通する単一の貫通孔又は複数の貫通孔の集合体の何れによって構成されていてもよい。具体的には、第2の開口部112は、例えば図2の(a)に示すように、本体部110を構成する第1の筒体の軸に平行な長手方向を有するスリット状の単一の開口によって構成されていてもよい。或いは、第2の開口部112は、例えば図2の(b)に示すように、第1の筒体の軸に平行な方向に沿って配列された不連続な複数の開口によって構成されていてもよい。或いは、第2の開口部112は、例えば図2の(c)に示すように、第1の筒体の軸に平行な長手方向を有するスリット状の単一の開口であって、例えば本体部110の機械的強度の維持等を目的として、1つ以上のリブ112rによって分割された開口によって構成されていてもよい。尚、図2は、図1に示した本体部110を図中に示した方向U(即ち、上方)から観察した場合における平面図である。
更に、例えば第1装置100の用途等に応じて、上述した第1の開口部111及び第2の開口部112以外に更なる開口部が本体部に形成されていてもよい。具体的には、第1装置100に求められる空気流の流速及び流量を満足する限りにおいて、例えば、本体部110を構成する第1の筒体の頂面及び/又は底面に1つ以上の貫通孔が形成されていてもよい。
加えて、前記第1の筒体の内部空間と前記第2の筒体の内部空間とが前記第1の開口部111を介して連通するように、前記本体部110と前記導入部120とが接続されている。本体部110と導入部120とは必ずしも厳密な意味で気密に接続されている必要は無いが、一般的には気密に接続されていることが望ましい。また、前記第1の筒体の内部空間と前記第3の筒体の内部空間とが前記第2の開口部112を介して連通するように、前記本体部110と前記放出部130とが接続されている。本体部110と放出部130とは必ずしも厳密な意味で気密に接続されている必要は無いが、一般的には気密に接続されていることが望ましい。
図3は、上記のようにして接続された本体部110、導入部120、及び放出部130を含む第1装置100の外観を例示する模式的な斜視図である。上述したように、第1の開口部111は、例えば、本体部110を構成する第1の筒体の側面、頂面又は底面に形成され得る。例えば、第1の筒体の側面の中央部、側面の端部及び一方の端面(頂面又は底面)に第1の開口部111が形成されている場合、第1装置100は、それぞれ図3の(a)、(b)及び(c)に示すような外観を有する。
上記に加えて、第1装置100は、前記第1の筒体の内部空間の部分領域である分配領域の少なくとも一部に形成されたフィンを更に備える。このフィンは、前記第1の筒体の内壁から突出し且つ前記第1の筒体の軸に平行な螺旋軸を有する一重螺旋状又は多重螺旋状の形状を有する。換言すれば、上記フィン単独では、その外周が第1の筒体の内壁に接触し且つ第1の筒体の軸に平行な螺旋軸を有する一重コイル又は多重コイルのような形状を有する。
図4は、第1装置100が備えるフィンの一例を示す模式的な斜視図である。図4に示したフィン115は、螺旋状に捩られた細長い板状の部材からなる滑らかな一重螺旋状の形状を有する。また、このフィン115は、本体部110を構成する第1の筒体の内壁から突出し且つ前記第1の筒体の軸に平行な螺旋軸HAを有する。しかしながら、図4に示したフィン115の形状はあくまでも一例に過ぎず、第1の筒体の内部を通過する空気がフィンの形状に沿って旋回することが可能である限り、フィン115の形状は特に限定されない。
尚、一般に、フィンを構成する螺旋状の構造の多重度が高まるほど、第1の筒体の内部を通過する空気がフィンの形状に沿って旋回し易くなる(即ち、螺旋状の旋回流を形成し易くなる)一方で、第1の筒体の内部を通過する空気の圧力損失が増大する。従って、フィンの多重度(組み合わされる螺旋状の構造の数)は、例えば、空気吹出装置として求められる機能(例えば、空気吹出装置から吹き出される幕状の空気流の均一さ等)に圧力損失の増大が及ぼす影響等を考慮しながら適宜設定することができる。
また、一般に、第1の筒体の内壁からの上記フィンの突出量(高さ)が大きくなるほど、第1の筒体の内部を通過する空気がフィンの形状に沿って旋回し易くなる一方で、第1の筒体の内部を通過する空気の圧力損失が増大する。従って、フィンの高さもまた、例えば、空気吹出装置として求められる機能に圧力損失の増大が及ぼす影響等を考慮しながら適宜設定することができる。
更に、一般に、フィンの螺旋軸を中心とする一回転分の螺旋軸に平行な方向におけるフィンの長さ(ピッチ)が小さくなるほど、第1の筒体の内部を通過する空気がフィンの形状に沿って旋回し易くなる一方で、第1の筒体の内部を通過する空気の圧力損失が増大する。従って、フィンのピッチもまた、例えば、空気吹出装置として求められる機能に圧力損失の増大が及ぼす影響等を考慮しながら適宜設定することができる。
加えて、フィンの高さ及び/又はピッチは必ずしも分配領域の全長に亘って一定でなくてもよい。例えば、第1装置が配設される空間の形状、第1装置から吹き出される幕状の空気流を供給する対象物(例えば、車両のフロントガラス等)の形状、及び第1装置に空気を導入するブロワ等の関連装置の配置等に応じて、フィンの高さ及び/又はピッチを変化させてもよい。この場合、フィンの高さ及び/又はピッチの変化は連続的であっても、或いは段階的であってもよい。
典型的には、フィンは、フィンの螺旋軸と第1の筒体の軸とが一致するように構成される。換言すれば、フィンと第1の筒体とは同軸状に構成される。これにより、第1の開口部を介して導入部から本体部へと導入された空気がより円滑に旋回流を形成することができる。
尚、上記分配領域は、前記第1の筒体の軸に直交する平面が前記第1の開口部と交差しない前記第1の筒体の内部空間の部分領域である。換言すれば、上記分配領域は、「第1の筒体の軸に直交する平面が第1の開口部と交差する第1の筒体の内部空間の部分領域である導入領域」以外の第1の筒体の内部空間の部分領域である。更に換言すれば、上記分配領域は、本体部を構成する第1の筒体において、導入部が接続されている部分を除く筒状の部分によって囲まれる領域である。
例えば、図2の(a)及び図3の(a)に示した本体部110の場合、上記「導入領域」は図5の(a)において斜線によって示す部分に該当する第1の筒体の内部空間の部分領域113であり、上記「分配領域」は図5の(b)において斜線によって示す部分に該当する第1の筒体の内部空間の部分領域114(114L及び114R)である。尚、図3の(b)に示した第1装置100が備える本体部110の場合は、本体部110の右側(R側)の端部に該当する第1の筒体の内部空間の部分領域が導入領域であり、当該導入領域以外の第1の筒体の内部空間の部分領域が分配領域である(図示せず)。一方、図3の(c)に示した第1装置100が備える本体部110の場合は、第1の筒体の内部空間には導入領域に該当する部分領域は存在せず、第1の筒体の内部空間の全ての領域が分配領域である(図示せず)。
図5に示したように、本体部110を構成する第1の筒体の側面の端部以外の部分に第1の開口部111が形成されている場合、本体部110の途中に導入領域113が位置する。従って、導入領域113と本体部110の一方の端部との間の領域及び当該導入領域と本体部の他方の端部との間の2つの領域が分配領域114L及び114Rとなる。この場合、これら2つの分配領域114L及び114Rのそれぞれに形成されたフィンの螺旋状の形状の捩れ方向は互いに反対である。
例えば、図6の(a)は、上記のような構成を有する第1装置100の模式的な透視斜視図であり、(b)はフィンのみを別途描いた模式的な透視斜視図である。図6に示す例においては、図面に向かって左側(L側)の分配領域114Lに形成されたフィン115Lの捩れ方向は空気の流れ(白抜きの矢印)に対して左ネジ方向であり、図面に向かって右側(R側)の分配領域114Rに形成されたフィン115Rの捩れ方向は空気の流れ(黒塗りの矢印)に対して右ネジ方向である。
上記のように、図6に示した例においては、2つの分配領域114L及び114Rのそれぞれに形成されたフィンの螺旋状の形状の捩れ方向は互いに反対である。しかしながら、分配領域114L及び分配領域114Rにおける空気の流れ方向は反対(図6の(b)の矢印を参照)である。その結果、図7に示すように、第1の筒体の軸に直交する平面への投影図において、2つの分配領域114L及び114Rを通過する空気がフィンの形状に沿って旋回することによって生ずる旋回流の向きは同じである。
一方、例えば、図3の(b)に示したように本体部110を構成する第1の筒体の側面の端部に第1の開口部111が形成されている場合は、本体部110の端部に導入領域113が位置するので、第1の筒体の導入領域113とは反対側の端部と導入領域113との間の領域が1つの分配領域114となる。尚、図3の(c)に示したように第1の筒体の頂面及び/又は底面に第1の開口部111が形成されている場合は、第1の筒体の軸に直交する平面と第1の開口部111とは交差しないため、導入領域113は存在せず、第1の筒体の内部空間の全体が分配領域114となる。
加えて、前記フィンは、前記第1の筒体の軸に直交する平面への投影図において、前記フィンが形成されていない領域である貫通領域が存在するように構成されている。換言すれば、第1装置100が備える本体部の分配領域においては、フィンが形成されている領域である領域(旋回領域)の他に、第1の筒体の軸に平行な長手方向を有する連続的な空間からなる貫通領域が形成されている。即ち、第1装置が備える本体部の分配領域は、この貫通領域に該当する部分において、フィンの一部が切除された(くり抜かれた)ような構造を有する。尚、上述した図7においては、網掛けが施された領域116が貫通領域に該当する。
尚、上記のような構成を有する第1装置は、当業者に周知の材料及び方法によって製造することができる。例えば、第1装置の形状に対応する金型に熱可塑性樹脂等の樹脂を射出する射出成形法により、第1装置を一体的に製造してもよい。或いは、上述したような構造を有する第1の筒体、第2の筒体、及び第3の筒体を個別に製造し、これらを周知の手法によって接合してもよい。或いは、第1の筒体、第2の筒体、及び/又は第3の筒体を複数の部分に分けて個別に射出成形し、それらの部分を接合してもよい。第1の筒体の内部に配設されるフィンもまた、第1の筒体又は第1の筒体を構成する部分とは別個の部材として成形し、第1の筒体又は第1の筒体を構成する部分の内壁の所定の位置に接合してもよい。或いは、フィンと第1の筒体とを一体的に成形してもよい。
また、第1の筒体又は第1の筒体を構成する部分とフィンとを一体的に成形する場合における所謂「アンダーカット」を防止することを目的として、複数の(捩れの無い)平板状の部材の組み合わせによって略螺旋状の形状を有するフィンを構成してもよい。これによれば、フィンを構成する平板状の部材の面内方向に離型方向が一致するように金型を構成することにより、アンダーカットを回避するための金型の分割を必要とすること無くフィンを成形することができる。
更に、第1装置を構成する本体部、導入部、及び放出部は、それぞれを構成する筒体の他に、例えばフランジ及びステー等、お互いを接続して第1装置を構成したり第1装置を他の物品(例えばブロワ及びダッシュボード)に固定したりするための固定用構造を有していてもよい。
〈効果〉
上記のような構成を有する第1装置においては、第1の開口部を介して導入部から本体部へと導入された空気の一部が、フィンの形状に沿って流れて旋回流を形成し、第2の開口部を介して本体部から放出部へと流入し、放出部の第2の開口部とは反対側の開口部である空気出口から幕状の空気流として吹き出される。一方、第1の開口部を介して本体部へと導入された空気の残りの一部は、貫通領域を通って本体部の端部へと容易に到達することができる。また、旋回流を形成していた空気の一部が貫通領域に流れ込んだり、貫通領域を流れていた空気の一部がフィンに接触する等して旋回流を形成したりする場合もあると考えられる。
上記の結果、第1装置においては、より均一な状態(例えば、第2の開口部の長手方向における空気の流速及び流量等のばらつきが少ない状態)にて第2の開口部に空気を分配する(分散・拡散させる)ことができる。そして、そのように分配された空気が、第2の開口部及び放出部を介して空気出口から吹き出される。すなわち、第1装置によれば、均一性の高い幕状の空気流を吹き出すことができる。
また、第1装置においては、上記のように、本体部へと導入された空気の一部が貫通領域を介して本体部の端部へと容易に到達することができる。これにより、本体部の内部を通過する空気がフィンの形状に沿って流れて旋回流を形成することに伴う圧力損失に起因して本体部の端部へと到達することが困難となり空気出口の端部から吹き出される空気の流速及び流量が低下することをも防止することができる。
即ち、第1装置によれば、筒体の一部から筒体の内部に空気を吹き込み筒体に形成された開口から幕状の空気流を吹き出す空気吹出装置において、構造の複雑化及び圧力損失の増大を十分に低減しつつ、空気吹出装置の小型化と均一性の高い空気流とを両立させることができる。
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る空気吹出装置(以降、「第2装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
上述した第1装置を始めとする本発明に係る空気吹出装置(本発明装置)が備える放出部を構成する第3の筒体によって画定される空気の流路(放出路)が延在する向きは、第2の開口部を通過した後の空気の流れる向きが、第2の開口部を通過する前の空気の流れる向きに対して如何に変化するか(即ち、第2の開口部を通過する前後における空気の流れる向きの変化の度合い)に影響を及ぼす。
例えば、第1の開口部を介して導入部から本体部へと導入されてフィンによって旋回された空気が流れる向きに対して逆向きに放出路が延在している場合、第2の開口部を通過する前後において、空気の流れる向きが逆向きに変化することとなる。この場合、第2の開口部を通過する前後における空気の流れる向きの変化の度合いが大きい。
上記のように第2の開口部を通過する前後における空気の流れる向きの変化の度合いが大きい場合、フィンによって旋回された空気の流れ(旋回流)に起因するエネルギ(例えば、運動エネルギ)を空気の吹き出しに効率良く利用することが困難である。換言すれば、本体部において第1の筒体の内側面に沿って流れる旋回流を第2の開口部から効率良く取り出すことが困難であり、第2の開口部を通過する際のエネルギの損失が大きい。このエネルギの損失が大きくなるほど、第2の開口部を通過するときに生ずる圧力損失が大きくなる。
逆に、第2の開口部を通過する前後における空気の流れる向きの変化の度合いが小さい場合、旋回流に起因するエネルギを空気の吹き出しに効率良く利用することが容易である。換言すれば、本体部において第1の筒体の内側面に沿って流れる旋回流を第2の開口部から効率良く取り出すことが容易であり、第2の開口部を通過する際のエネルギの損失が小さい。このエネルギの損失が小さくなるほど、第2の開口部を通過するときに生ずる圧力損失が小さくなる。
〈構成〉
そこで、第2装置は、上述した第1装置において、前記第1の開口部を介して前記導入部から前記本体部へと導入されて前記フィンによって旋回された空気が流れる向きに沿って前記放出部の内部空間が前記第2の開口部から延在するように前記放出部が前記本体部と接続されている、空気吹出装置である。
上記放出部は、第2の開口部を介して本体部から流出した空気を(放出部の第2の開口部とは反対側の開口部である)空気出口に向かって流す(搬送する)べく、第2の開口部と空気出口とを繋ぐ空気流路としての内部空間を画定する。この内部空間は、例えば図7において実線の矢印によって示したように、第1の開口部111(図示せず)を介して導入部120(図示せず)から本体部110へと導入されてフィン115によって旋回された空気が流れる向きに沿って第2の開口部112から延在するように構成されている。典型的には、放出部130の内部空間は、本体部110を構成する第1の筒体の側面の接線方向に向かって第2の開口部112から伸びるように構成される。
〈効果〉
上記構成により、第2装置においては、フィンによって旋回された空気の少なくとも一部は、その流れ方向を維持しながら第2の開口部を通過して本体部から放出部へと円滑に流れることができる。その結果、第2の開口部を通過する空気の圧力損失を低減することができる。従って、第2装置によれば、筒体の一部から筒体の内部に空気を吹き込み筒体に形成された開口から幕状の空気流を吹き出す空気吹出装置において、構造の複雑化及び圧力損失の増大を更に十分に低減しつつ、空気吹出装置の小型化と均一性の高い空気流とを両立させることができる。
《第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係る空気吹出装置(以降、「第3装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
第1装置に関して上述したように、第1の開口部及び第2の開口部以外に更なる開口部が本体部に形成されていてもよい。しかしながら、当該空気吹出装置に空気を供給するブロワの送風能力の全てを利用して、十分な流速及び流量にて、幕状の空気流を空気出口から吹き出すためには、第1の開口部及び第2の開口部以外の更なる開口部が本体部に形成されていない方が望ましい場合がある。
〈構成〉
そこで、第3装置は、上述した第1装置又は第2装置であって、前記第1の筒体の軸方向における前記本体部の両端が閉じられている、空気吹出装置である。例えば、
上記のように、第3装置においては、例えば図3の(a)及び(b)に示した例のように、本体部110を構成する第1の筒体の軸方向における両端、即ち、頂面及び底面が塞がっている。これにより、本体部110へと導入された空気の全てが第2の開口部112を介して放出部130へと導入され、放出部130の第2の開口部112とは反対側の開口部である空気出口131から幕状の空気流として吹き出される。
〈効果〉
上記構成により、第3装置においては、第3装置に空気を供給するブロワの送風能力の全てを利用して、十分な流速及び流量にて、幕状の空気流を空気出口から吹き出すことができる。
《第4実施形態》
以下、本発明の第4実施形態に係る空気吹出装置(以降、「第4装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
第1装置に関して上述したように、例えば当該空気吹出装置の用途等に応じて、第1の開口部及び第2の開口部以外に更なる開口部が本体部に形成されていてもよい。例えば、他の空気吹出装置への空気の供給源として当該空気吹出装置を使用する場合等において、第1の開口部及び第2の開口部以外の更なる開口部が本体部に形成されている方が望ましい場合がある。
〈構成〉
そこで、第4装置は、上述した第1装置又は第2装置であって、前記第1の筒体の軸方向における前記本体部の両端の少なくとも一方に第3の開口部が形成されている、空気吹出装置である。具体的には、第4装置においては、例えば、図8の(a)乃至(c)に示すように、本体部110を構成する第1の筒体の軸方向における両端の少なくとも一方に、本体部110の内部空間と外部とを連通する貫通孔である第3の開口部117が形成されている。
尚、図8に示した例においては第1の筒体の図面に向かって左側(L側)の端面の中心に第1の筒体の端面と同軸の円(同心円)の形状を有する貫通孔が第3の開口部117として形成されている。しかしながら、これはあくまでも一例であり、第3の開口部117が形成される位置並びに第3の開口部117の形状及び大きさは、空気吹出装置としての第4装置の機能が過度に損なわれない限り特に限定されない。
〈効果〉
上記のように、第4装置においては、本体部を構成する第1の筒体の軸方向における両端の少なくとも一方、即ち、頂面及び/又は底面に、本体部の内部空間と外部とを連通する貫通孔である第3の開口部が形成されている。これにより、本体部へと導入された空気の一部が第3の開口部を介して外部へと排出され得る。
上記のようにして外部へと排出される空気流は、例えば、他の空気吹出装置へと供給され、他の目的に使用することができる。このような他の目的の具体例としては、例えば、車両に搭載されるサイドデフロスタ等の他の空気吹出装置によるフロントドアガラスの結露の防止又は除去等を挙げることができる。
但し、筒体の一部から筒体の内部に空気を吹き込み筒体に形成された開口から幕状の空気流を吹き出す空気吹出装置としての本来の機能に照らせば、空気出口から吹き出される幕状の空気流の流量の方が、上記第3の開口部を介して吹き出される空気流の流量よりも大きいことが望ましい。
《第5実施形態》
以下、本発明の第5実施形態に係る空気吹出装置(以降、「第5装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
ところで、上述したように、第1装置乃至第4装置を始めとする本発明装置においては、第1の筒体の側面には、第1の筒体の軸に平行な長手方向を有する第2の開口部が形成されている。また、例えば本体部を構成する第1の筒体の側面に第1の開口部が形成されている場合等においては、第1の筒体の軸に直交する平面が第1の開口部と交差する第1の筒体の内部空間の部分領域である「導入領域」が生ずる。一方、第1の筒体の内壁から突出し且つ第1の筒体の軸に平行な螺旋軸を有する一重螺旋状又は多重螺旋状の形状を有するフィンは、第1の筒体の軸に直交する平面が第1の開口部と交差しない第1の筒体の内部空間の部分領域(分配領域)の少なくとも一部に形成されている。
従って、上記導入領域において、フィンが形成されておらず、且つ、第2の開口部が形成されている場合がある。この場合、導入部から第1の開口部を介して本体部の導入領域へと流入した空気の少なくとも一部は、フィンに触れること無く、即ち、特段の圧力損失を伴うこと無く、第2の開口部から放出部へと流出することができる。この結果、導入領域から分配領域へと向かう空気の流量が相対的に減少し、分配領域の近傍の第2の開口部から放出部へと流出する空気の流量が、導入領域の近傍の第2の開口部から放出部へと流出する空気の流量よりも少なくなり、空気出口から吹き出される幕状の空気流の均一性が低下する虞がある。
〈構成〉
そこで、第5装置は、上述した第1装置乃至第4装置の何れかの空気吹出装置であって、前記第1の筒体の軸に直交する平面が前記第1の開口部と交差する前記第1の筒体の内部空間の部分領域である導入領域に、前記第1の開口部から前記第2の開口部へと向かう空気の流量を減らし前記分配領域へと向かう空気の流量を増やすように構成された構造である抑制構造が設けられている、空気吹出装置である。
上記「導入領域」としては、例えば、図9において斜線によって示されている領域113を挙げることができる。導入領域113に抑制構造を設けることにより、フィンに接触して旋回流を形成すること無く第2の開口部112へと向かう空気の流量を減らし、分配領域114(第1の筒体の内部空間における導入領域113以外の領域)へと向かう空気の流量を増やすことができる。尚、図9は、第5装置の導入領域113の周辺の構造を示す模式的な断面図である。図9に示す例においては、二重螺旋状のフィン115(115L及び115R)の螺旋軸HAと第1の筒体の軸とが一致している。従って、以下の説明においては、第1の筒体の軸もまた「HA」と称呼される。
図9の(a)は空気入口121側から観察したときの導入部120の概略図であり、(b)は本体部110を構成する第1の筒体の軸HA及び導入部120を構成する第2の筒体の軸AXを含む平面による断面を上側(U側)から観察したときの導入領域113の周辺の概略図である。また、図9の(c)は第1の筒体の軸HAに直交し且つ第2の筒体の軸AXを含む平面による導入領域113の周辺の断面図であり、(d)は第1の筒体の軸HAに直交し且つ(b)に示した線Xを含む平面による本体部110及び放出部130の断面図である。
抑制構造の具体的な構成は、導入領域113において第1の開口部111から第2の開口部112へと向かう空気の流量を減らし分配領域(114)へと向かう空気の流量を増やすことが可能である限り、特に限定されない。具体的には、抑制構造は、前記第1の開口部から前記第2の開口部へと向かう空気の圧力損失を増大させるように構成され得る。また、抑制構造は、前記第1の開口部から前記第2の開口部へと向かう空気の流路の断面積を小さくするように構成され得る。このような抑制構造は、例えば、導入領域113の少なくとも一部に配設された遮蔽板(バッフル)、ネット、ピン、フィン、及び突起等の部材を含むことができる。或いは、例えば導入領域113の少なくとも一部における第1の筒体の外壁を厚くする等して流路断面積を小さくすることによって抑制構造を構成することもできる。
ところで、抑制構造には、導入領域113において第1の開口部111から第2の開口部112へと向かう空気の流量を減らす機能と、分配領域114へと向かう空気の流量を増やす機能と、が求められる。これら2つの機能を十分に発揮させる観点からは、例えば、第1の開口部111を介して導入部120から本体部110の導入領域113へと流入した空気がそのまま第2の開口部112へと向かうことを妨げて分配領域114へと流入させるような案内板を導入領域に設けることが望ましい。即ち、抑制構造は、前記導入領域に流入した空気を前記分配領域へと導く案内板を含んでもよい。
例えば、図10に示すように、空気入口121から第1の開口部を経て導入領域に流入した空気を分配領域へと円滑に流入させるような曲面状の案内板118(118L及び118R)を導入領域に設けることが望ましいと考えられる。図10に示した例においては、空気入口121から導入領域へと流入した空気のうち、これら2枚の案内板118L及び118Rの間の空間に流入した空気は旋回流を形成すること無く第2の開口部112へと向かう。一方、これら2枚の案内板118L及び118Rよりも左側(L側)及び右側(R側)の空間に流入した空気は、それぞれ左側(L側)及び右側(R側)の分配領域へと向かう。即ち、図10に示した例によれば、導入領域に流入した空気を分配領域内へと円滑に導くと共に、旋回流を形成すること無く第2の開口部112へと向かう空気の流量を有効に低減することができる。
しかしながら、例えば第5装置の設計仕様等によっては、図10に示したような案内板118L及び118Rを備える抑制構造を導入領域に設けると圧力損失が過大となり、吹き出し空気流に求められる流量の達成が困難となる問題を招く場合がある。ところが、導入領域に流入した空気を左側(L側)及び右側(R側)に分ける単純な平板状の分流板を導入領域に設けることにより上記問題を低減することができることを本発明者は見出した。従って、案内板は、前記第1の筒体の軸と交差する主面を有する平板状の部材であってもよい。
例えば、図11に示す例においては、第1の筒体(本体部110)の軸(即ち、フィン115の螺旋軸)HAに直交する平板状の分流板119が導入領域113に設けられている。尚、図11に示した例においては導入領域113の上流側にある導入部120の内部及び導入領域113の下流側にある放出部130の内部にまで分流板119が延在しているが、分流板119は少なくとも導入領域113に設けられていればよい。これによれば、空気入口121から第1の開口部111を介して第2の開口部(図示せず)へと向かう空気の流路断面積を過剰に小さくすること無く、導入領域113において第1の開口部111から第2の開口部へと向かう空気の流量を減らす機能と、分配領域114へと向かう空気の流量を増やす機能と、を十分に発揮することができる。
換言すれば、図11に示す例における分流板119は、導入部120の空気入口121から導入された空気が本体部110へと流入する領域である導入領域113の少なくとも一部に設けられ、フィン115に接触して旋回流を形成すること無く第1の開口部111から第2の開口部へと向かう空気の流量を減らし且つ分配領域114へと向かう空気の流量を増やすことができる。即ち、図11に示す例における分流板119は、導入領域113に流入した空気を分配領域へと導く案内板として良好に機能し、上述した抑制構造を構成することができる。
尚、上述した図9乃至図11に示した各例に係る空気吹出装置においては、本体部110の中央部の下側(D側)ではなく前側(F側)に第1の開口部111が形成され、導入部120が接続されている。但し、当然のことながら、図9乃至図11に示した各例に係る空気吹出装置において、例えば本体部110の下側(D側)等、上記以外の箇所に第1の開口部111が形成され、導入部120が接続されていてもよい。
〈効果〉
上記のように、第5装置及びその各種変形例に係る空気吹出装置が備える本体部には、第1の筒体の軸に直交する平面が第1の開口部と交差する部分領域である導入領域が存在する。この導入領域においては、第1の開口部から第2の開口部へと向かう空気の流量が抑制構造によって低減され、分配領域へと向かう空気の流量が増大される。
上記の結果、上記のように分配領域から放出部へと流出する空気の流量が導入領域から放出部へと流出する空気の流量よりも少なくなり空気出口から吹き出される幕状の空気流の均一性が低下する問題を低減することができる。即ち、第5装置によれば、筒体の一部から筒体の内部に空気を吹き込み筒体に形成された開口から幕状の空気流を吹き出す空気吹出装置において、構造の複雑化及び圧力損失の増大を十分に低減しつつ、より高いレベルにて空気吹出装置の小型化と均一性の高い空気流とを両立させることができる。
《第6実施形態》
以下、本発明の第6実施形態に係る空気吹出装置(以降、「第6装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
前述したように、本発明装置においては、導入部を構成する第2の筒体から第1の開口部を介して本体部を構成する第1の筒体へと流れ込んだ空気が、本体部の内部において導入領域から分配領域へと移動し、その一部が第2の開口部を介して放出部を構成する第3の筒体へと流れ込みつつ、残りは本体部の端部へと広がってゆく。従って、例えば第2の開口部が一定の幅を有するスリット状の単一の開口として構成されている場合等、第2の開口部を通過する空気の圧力損失が第2の開口部の長手方向に亘って一定である場合、導入領域に近いほど空気圧が高く導入領域から遠いほど空気圧が低いという圧力勾配が生ずる。
上記圧力勾配が過度に大きい場合、第2の開口部を介して放出部を構成する第3の筒体へと流れる空気においても、導入領域に近いほど流量が多く導入領域から遠いほど流量が少ないという流量勾配が生ずる。その結果、反対側の第2の開口部とは放出部の開口部である空気出口から吹き出される空気の流速及び流量の均一性が低下する虞がある。
〈構成〉
そこで、第6装置は、上述した第5装置及び第5装置の何れかの変形例に係る空気吹出装置において、前記第2の開口部は、前記導入領域から遠くなるほど開口面積が大きくなるように構成されている、空気吹出装置である。
具体例を挙げると、第1の筒体の軸に平行な長手方向を有するスリット状の単一の開口によって第2の開口部112が構成されている場合は、例えば図12の(a)に示すように、当該スリット状の開口の幅(長手方向に直交する方向における開口の大きさ)が導入領域から遠いほど大きいように第2の開口部112を構成することができる。また、第1の筒体の軸に平行な方向に沿って配列された不連続な複数の開口によって第2の開口部が構成されている場合は、例えば図12の(b)に示すように、個々の開口112aの大きさ(開口面積)が導入領域から遠いほど大きいように第2の開口部112を構成することができる。
尚、第2の開口部は、例えば空気出口から吹き出される幕状の空気の流れの均一性等に悪影響が及ばない限り、導入領域から遠くなるほど開口面積が連続的に大きくなるように構成されていてもよく、導入領域から遠くなるほど開口面積が段階的に大きくなるように構成されていてもよい。また、導入領域から遠くなるほど開口面積が連続的に大きくなるように構成されている部分と、導入領域から遠くなるほど開口面積が段階的に大きくなるように構成されている部分と、が混在していてもよい。
〈効果〉
上記構成によれば、第2の開口部を介して本体部から放出部へと流れる空気を、導入領域に近いほど流れ難く、導入領域から遠いほど流れ易くすることができる。その結果、上述したような流量勾配を低減し、空気出口から吹き出される空気の流速及び流量の均一性を高めることができる。
《第7実施形態》
以下、本発明の第7実施形態に係る空気吹出装置(以降、「第7装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
前述したように、本発明装置においては、導入部を構成する第2の筒体から第1の開口部を介して本体部を構成する第1の筒体へと流れ込んだ空気が、本体部の内部において導入領域から分配領域へと移動し、その一部が第2の開口部を介して放出部を構成する第3の筒体へと流れ込みつつ、残りは本体部の端部へと広がってゆく。
より具体的には、前述したように、第1の開口部を介して本体部へと導入された空気の一部は、フィンの形状に沿って流れて旋回流を形成し、第2の開口部を介して本体部から放出部へと流入し、放出部の第2の開口部とは反対側の開口部である空気出口から幕状の空気流として吹き出される。一方、第1の開口部を介して本体部へと導入された空気の残りの一部は、貫通領域を通って本体部の端部へと到達する。また、旋回流を形成した空気の一部が貫通領域に流れ込んだり、貫通領域を流れていた空気の一部がフィンに接触する等して旋回流を形成したりする場合もあると考えられる。
従って、例えば本体部を構成する第1の筒体の内部空間の断面積が軸方向に亘って一定であり且つ貫通領域の断面積もまた軸方向に亘って一定である場合等、第1の筒体の軸に直交する平面による第1の筒体の内部空間の断面に占める貫通領域の割合が軸方向に亘って一定である場合、導入領域に近いほど空気の流量が多く導入領域から遠いほど空気の流量が少ないという流量勾配が生ずる。
上記流量勾配が過度に大きい場合、第2の開口部を介して放出部を構成する第3の筒体へと流れる空気においても、導入領域に近いほど流量が多く導入領域から遠いほど流量が少ないという流量勾配が生ずる。その結果、放出部の第2の開口部とは反対側の開口部である空気出口から吹き出される空気の流速及び流量の均一性が低下する虞がある。
〈構成〉
そこで、第7装置は、上述した第5装置又は第6装置において、前記フィンは、前記第1の筒体の軸に直交する平面による前記第1の筒体の内部空間の断面に占める前記貫通領域の割合が前記導入領域から遠くなるほど大きくなるように構成されている、空気吹出装置である。
具体例を挙げると、例えば、図13の(a)に示すように、本体部110を構成する第1の筒体の内部空間の断面積が軸方向に亘って一定である場合、導入領域113(斜線部)から遠くなるほど貫通領域116(網掛け部)の断面積が大きくなるようにフィン115(115L及び115R)を構成することにより、第1の筒体の軸に直交する平面による第1の筒体の内部空間の断面に占める貫通領域116の割合を導入領域113から遠くなるほど大きくすることができる。
また、例えば、図13の(b)に示すように、貫通領域116の断面積が軸方向に亘って一定である場合、導入領域113(斜線部)から遠くなるほど本体部110を構成する第1の筒体の内部空間の断面積が小さくなるように第1の筒体を構成することにより、第1の筒体の軸に直交する平面による第1の筒体の内部空間の断面に占める貫通領域116(網掛け部)の割合を導入領域113から遠くなるほど大きくすることができる。これらの何れの場合においても、導入領域113から遠くなるほど、第1の筒体の内壁からのフィンの突出量(高さ)が小さくなる。
尚、第1の筒体の軸に直交する平面による第1の筒体の内部空間の断面に占める貫通領域の割合は、例えば空気出口から吹き出される幕状の空気の流れの均一性等に悪影響が及ばない限り、導入領域から遠くなるほど連続的に大きくなるように構成されていてもよく、導入領域から遠くなるほど段階的に大きくなるように構成されていてもよい。また、導入領域から遠くなるほど上記割合が連続的に大きくなるように構成されている部分と、導入領域から遠くなるほど上記割合が段階的に大きくなるように構成されている部分と、が混在していてもよい。
〈効果〉
上記構成によれば、第1の開口部を介して本体部へと導入された空気のうち貫通領域を通過する空気の圧力損失が導入領域から遠くなるほど小さくなるので、本体部の端部まで空気が到達し易くなる。その結果、上述したような流量勾配を低減し、空気出口から吹き出される空気の流速及び流量の均一性を高めることができる。
《第8実施形態》
以下、本発明の第8実施形態に係る空気吹出装置(以降、「第8装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
前述したように、本発明装置においては、導入部を構成する第2の筒体から第1の開口部を介して本体部を構成する第1の筒体へと流れ込んだ空気が、本体部の内部において導入領域から分配領域へと移動し、その一部が第2の開口部を介して放出部を構成する第3の筒体へと流れ込みつつ、残りは本体部の端部へと広がってゆく。従って、例えばフィンの螺旋軸を中心とする一回転分の螺旋軸に平行な方向におけるフィンの長さ(ピッチ)が第2の開口部の長手方向に亘って一定である場合等、本体部の分配領域において導入領域側から本体部の端部へと流れる空気の圧力損失が第2の開口部の長手方向に亘って一定である場合、導入領域に近いほど空気圧が高く導入領域から遠いほど空気圧が低いという圧力勾配が生ずる。
上記圧力勾配が過度に大きい場合、第2の開口部を介して放出部を構成する第3の筒体へと流れる空気においても、導入領域に近いほど流量が多く導入領域から遠いほど流量が少ないという流量勾配が生ずる。その結果、第2の開口部とは反対側の放出部の開口部である空気出口から吹き出される空気の流速及び流量の均一性が低下する虞がある。
〈構成〉
そこで、第8装置は、上述した第5装置乃至第7装置の何れかの空気吹出装置において、前記フィンは、前記螺旋軸を中心とする一回転分の前記螺旋軸に平行な方向における前記フィンの長さであるピッチが前記導入領域から遠くなるほど大きくなるように構成されている、空気吹出装置である。換言すれば、第8装置においては、導入領域から遠くなるほどフィンの螺旋軸方向におけるフィンの存在頻度が低くなるように(フィンのピッチが大きくなるように)フィンが構成されている。
具体例を挙げると、例えば、図14に示す例におけるフィン115(115L及び115R)のピッチは、導入領域113(斜線部)に近い側から順に、P1、P2、P3…となっており、それぞれのピッチの大きさは、P1<P2<P3となっている。このようにして導入領域113から遠くなるほどピッチが大きくなるようにフィン115を構成することができる。
尚、第8装置におけるフィンのピッチは、例えば空気出口から吹き出される幕状の空気の流れの均一性等に悪影響が及ばない限り、導入領域から遠くなるほど連続的に大きくなるように構成されていてもよく、導入領域から遠くなるほど段階的に大きくなるように構成されていてもよい。また、導入領域から遠くなるほどピッチが連続的に大きくなるように構成されている部分と、導入領域から遠くなるほどピッチが段階的に大きくなるように構成されている部分と、が混在していてもよい。
〈効果〉
前述したように、フィンのピッチが小さくなるほど本体部の内部を通過する空気の圧力損失が増大し、逆にフィンのピッチが大きくなるほど本体部の内部を通過する空気の圧力損失が減少する。従って、第8装置によれば、導入領域から遠くなるほど本体部の内部を通過する空気の圧力損失が減少するので、上述したような流量勾配を低減し、空気出口から吹き出される空気の流速及び流量の均一性を高めることができる。
次に、本発明の実施例に係る空気吹出装置の1つの具体例(以降、「実施例装置101」と称呼される場合がある。)につき、図面を参照しつつ、以下に詳しく説明する。
〈構成〉
図15は、実施例装置101の構成を示す模式的な透視斜視図である。実施例装置101は、第1の筒体を含む本体部110、第2の筒体を含む導入部120、及び第3の筒体を含む放出部130を備える。本体部110の一部(長手方向における中央部)には、第1の筒体と第2の筒体との接合面に対応する大きさ及び形状を有する貫通孔として第1の開口部111が形成されている。第1の筒体の内部空間と第2の筒体の内部空間とが第1の開口部111を介して連通するように、本体部110と導入部120とが気密に接続されている。また、本体部110の側面には、第1の筒体の軸に平行な長手方向を有し且つ第1の筒体と第3の筒体との接合面に対応する大きさ及び形状を有する第2の開口部112が形成されている。第1の筒体の内部空間と第3の筒体の内部空間とが第2の開口部112を介して連通するように、本体部110と放出部130とが気密に接続されている。
また、実施例装置101は、第1の筒体の内部空間の部分領域である分配領域114に形成されたフィン115を更に備える。分配領域114は、第1の筒体の軸に直交する平面が第1の開口部111と交差しない第1の筒体の内部空間の部分領域である。実施例装置101が備えるフィン115は、フィン115の螺旋軸と第1の筒体の軸とが一致するように構成されており、図16の(a)に示すように、第1の筒体の内壁から突出し且つ第1の筒体の軸に平行な螺旋軸を有する二重螺旋状の形状を有する。図16に示すように、実施例装置101が備えるフィン115は、螺旋状に捩られた細長い板状の部材からなる滑らかな二重螺旋状の形状を有する。加えて、フィン115は、図7を参照しながら前述したように、第1の筒体の軸に直交する平面への投影図においてフィン115が形成されていない領域である貫通領域116が存在するように構成されている(図16の(b)を参照)。
更に、実施例装置101においては、本体部110を構成する第1の筒体の軸に直交する平面が第1の開口部111と交差する第1の筒体の内部空間の部分領域である導入領域113に、第1の開口部111から第2の開口部112へと向かう空気の流量を減らし分配領域114(114L及び114R)へと向かう空気の流量を増やすように構成された構造である抑制構造としての案内板が設けられている。図15に示す例においては、上記案内板は第1の筒体の軸と交差する主面を有する平板状の部材(分流板119)である。
図17は、図15に示した実施例装置101の構造を示す模式図である。(a)は、実施例装置101を手前側(後ろ側、B側)から観察した場合における模式的な透視図である。(b)は、(a)における線B−Bを含み且つ第1の筒体の軸に直交する平面によって切断された実施例装置101を左側(L側)から観察した場合における模式的な透視図である。(c)は、(a)における線C−Cを含む水平面(前後方向(F−B方向)及び左右方向(L−R方向)を含む平面)による実施例装置101の模式的な断面図である。
また、図18は、図15に示した実施例装置101における導入領域113の周辺の構造を示す模式的な断面図である。図18の(a)は空気入口121側から観察したときの導入部120の概略図であり、(b)は本体部110を構成する第1の筒体の軸HA及び導入部120を構成する第2の筒体の軸AXを含む平面による断面を上側(U側)から観察したときの導入領域113の周辺の概略図である。また、図18の(c)は第1の筒体の軸HAに直交し且つ第2の筒体の軸AXを含む平面による導入領域113の周辺の断面図であり、(d)は第1の筒体の軸HAに直交し且つ(b)に示した線Xを含む平面による本体部110及び放出部130の断面図である。
〈効果〉
上記のような構成を有する実施例装置101においては、第1の開口部を介して導入部120から本体部110へと導入された空気の一部が、フィン115の形状に沿って流れて旋回流を形成し、第2の開口部112を介して本体部110から放出部130へと流入し、放出部130の第2の開口部112とは反対側の開口部である空気出口131から幕状の空気流として吹き出される。一方、第1の開口部111を介して本体部110へと導入された空気の残りの一部は、貫通領域116を通って本体部110の端部へと容易に到達することができる。また、旋回流を形成していた空気の一部が貫通領域116に流れ込んだり、貫通領域116を流れていた空気の一部がフィン115に接触する等して旋回流を形成したりする場合もある。
上記の結果、実施例装置101においては、より均一な状態(例えば、第2の開口部112の長手方向における空気の流速及び流量等のばらつきが少ない状態)にて第2の開口部112に空気を分配する(分散・拡散させる)ことができる。そして、そのように分配された空気が、第2の開口部112及び放出部130を介して空気出口131から吹き出される。すなわち、実施例装置101によれば、均一性の高い幕状の空気流を吹き出すことができる。
また、実施例装置101においては、上記のように、本体部110へと導入された空気の一部が貫通領域116を介して本体部110の端部へと容易に到達することができる。これにより、本体部110の内部を通過する空気がフィン115の形状に沿って流れて旋回流を形成することに伴う圧力損失に起因して本体部110の端部へと到達することが困難となり空気出口131の端部から吹き出される空気の流速及び流量が低下することをも防止することができる。
更に、実施例装置101は、上記のように、第1の筒体の軸に直交する平面が第1の開口部と交差する部分領域である導入領域113に配設された抑制構造としての分流板119を備える。これにより、導入領域113において第1の開口部111から第2の開口部112へと向かう空気の流量が低減され、分配領域114へと向かう空気の流量が増大される。その結果、分配領域から放出部へと流出する空気の流量と導入領域から放出部へと流出する空気の流量との差が小さくなり、空気出口131から吹き出される幕状の空気流の均一性がより向上する。
即ち、実施例装置101によれば、筒体の一部から筒体の内部に空気を吹き込み筒体に形成された開口から幕状の空気流を吹き出す空気吹出装置において、構造の複雑化及び圧力損失の増大を十分に低減しつつ、空気吹出装置の小型化と均一性の高い空気流とを両立させることができる。
次に、本発明の実施例に係る空気吹出装置のもう1つの具体例(以降、「実施例装置102」と称呼される場合がある。)につき、図面を参照しつつ、以下に詳しく説明する。尚、上述した実施例装置101が備えるフィンは、図16に示したように、螺旋状に捩られた細長い板状の部材からなる滑らかな一重螺旋状の形状を有する。一方、実施例装置102においては、前述したアンダーカットの防止を目的として、複数の(捩れの無い)平板状の部材の組み合わせによってフィンが構成されている。
上記の点を除き、実施例装置102は実施例装置101と同様の構成を有する。従って、実施例装置102に関する以下の説明においては、実施例装置101と同様の構成に関する内容については簡略に述べ、フィンの構成について詳細に述べる。
〈構成〉
図19は、実施例装置102の構成を示す模式的な透視斜視図である。実施例装置102もまた、実施例装置101と同様に、第1の筒体を含む本体部110、第2の筒体を含む導入部120、及び第3の筒体を含む放出部130を備える。本体部110の一部(長手方向における中央部)には第1の開口部111が形成されており、互いの内部空間が第1の開口部111を介して連通するように、本体部110と導入部120とが気密に接続されている。また、本体部110の側面には、第1の筒体の軸に平行な長手方向を有し且つ第1の筒体と第3の筒体との接合面に対応する大きさ及び形状を有する第2の開口部112が形成されており、互いの内部空間が第2の開口部112を介して連通するように、本体部110と放出部130とが気密に接続されている。
また、実施例装置102もまた、第1の筒体の内部空間の部分領域である分配領域114に形成されたフィン115を備える。実施例装置102が備えるフィン115もまた、フィン115の螺旋軸と第1の筒体の軸とが一致するように構成されている。但し、実施例装置102が備えるフィン115は、図20の(a)に示すように、複数の(捩れの無い)平板状の部材115pの組み合わせによってフィンが構成されている。これにより、例えば、フィン115を成形する場合におけるアンダーカットを防止することができる。従って、フィン115を構成する平板状の部材115pの面内方向に離型方向が一致するように金型を構成することにより、アンダーカットを回避するための金型の分割を必要とすること無く、フィン115を成形することができる。
更に、1つの平板状の部材115pと当該部材115pに対応する第1の筒体の部分とを1つのユニットとして成形し、所定数の当該ユニットを連結することにより、所望の長さを有する本体部110を容易に構成することができる。
尚、実施例装置102においても、実施例装置101と同様に、フィン115は、第1の筒体の内壁から突出し且つ第1の筒体の軸に平行な螺旋軸を有する二重螺旋状の形状を有する。フィン115は、図7を参照しながら前述したように、第1の筒体の軸に直交する平面への投影図においてフィン115が形成されていない領域である貫通領域116が存在するように構成されている(図20の(b)を参照)。
上記以外の点については、実施例装置102は実施例装置101と同様の構成を有するので、これ以上の詳細な説明は省略する。尚、図19に示した実施例装置102の構造を示す模式図である図21及び図19に示した実施例装置102における導入領域の周辺の構造を示す模式的な断面図である図22は、上述した図17及び図18にそれぞれ対応する。
〈効果〉
上記のような構成を有する実施例装置102においてもまた、実施例装置101と同様に、筒体の一部から筒体の内部に空気を吹き込み筒体に形成された開口から幕状の空気流を吹き出す空気吹出装置において、構造の複雑化及び圧力損失の増大を十分に低減しつつ、空気吹出装置の小型化と均一性の高い空気流とを両立させることができる。
更に、本発明に係る空気吹出装置(本発明装置)及び従来技術に係る空気吹出装置(従来装置)について数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)解析を行い、空気吹出装置における圧力損失、空気の流線及び空気出口から吹き出される空気流の速度分布を調べた結果を図23に示す。
〈構成〉
CFD解析の対象となる試験用空気吹出装置A乃至E(以降、「装置A」乃至「装置E」とそれぞれ称呼される)は、本体部におけるフィンの構成が異なる点を除き、全て同じ構成を有する。先ず、装置Aは本体部がフィンを備えない従来技術に係る空気吹出装置(従来装置)の1つの例である。次に、装置Bにおいては、前述した特許文献2に記載された装置のように、本体部が備えるフィンが螺旋状のリボン構造物によって構成されている。即ち、装置Bは従来技術に係る空気吹出装置(従来装置)の1つの例である。
一方、装置C及びDは、図16に示したようなコイル状の二重螺旋構造を有するフィンを備える。即ち、装置C及びDは本発明に係る空気吹出装置(本発明装置)の例である。尚、装置Cにおいては第1の筒体の内壁からの上記フィンの突出量(高さ)が7mmであるのに対し、装置Dにおいてはフィンの突出量(高さ)が5mmである。更に、装置Eは、図20に示したようなコイル状の二重螺旋構造を有するフィンを備える。より詳しくは、装置Eにおいては、前述したアンダーカットの防止を目的として、複数の(捩れの無い)平板状の部材の組み合わせによってフィンが構成されている。即ち、装置Eもまた本発明に係る空気吹出装置(本発明装置)の例である。尚、装置Eにおいては第1の筒体の内壁からの上記フィンの突出量(高さ)が5mmである。
〈解析結果〉
(1)圧力損失
上述した装置A乃至装置Eにつき、255m3/hの風量における圧力損失(圧損)を測定した結果を図23に列挙する。本体部がフィンを備えない従来装置である装置Aは313Paの圧力損失を示した。一方、本体部が螺旋状のリボン構造物によって構成されたフィンを備える従来装置である装置Bは468Paという大きい圧力損失を示した。この装置Bに対し、フィンがコイル状の二重螺旋構造を有する結果として上述した貫通領域を有する本発明装置である装置C乃至装置Eは何れも装置Bよりも低い圧力損失を示した。
具体的には、7mmの高さを有する滑らかな螺旋状のフィンを備える装置Cは上414Paの圧力損失を示した。更に低い5mmの高さを有する滑らかな螺旋状のフィンを備える装置Dは363Paという更に低い圧力損失を示した。尚、装置Eは、装置Dと同様に5mmの高さを有するフィンを備えるものの、前述したアンダーカットの防止を目的とするアンダーカット対策(UC対策)が施されている。具体的には、装置Eが備えるフィンは、装置C及び装置Dのように滑らかな螺旋状のフィンではなく、複数の(捩れの無い)平板状の部材の組み合わせによって構成されたフィンを備えている。このような装置Eにおいても、上記装置Dと同等の378Paという低い圧力損失が達成された。
上記のように、本発明装置によれば、本体部が螺旋状のリボン構造物によって構成されたフィンを備える従来装置(装置B)に比べて、より低い圧力損失を達成することができる。
(2)流線
次に、上述した装置A乃至装置Eにおける空気の流れを示す流線をCFD解析によって求めた。図23に示すように、本体部がフィンを備えない従来装置である装置Aにおいては、本体部の端部にまで空気の流れが到達しているものの、空気出口から吹き出される空気の流線の密度が不均一である。一方、本体部が螺旋状のリボン構造物によって構成されたフィンを備える従来装置である装置Bにおいては、導入部の空気入口から導入された空気が本体部へと流入する領域である導入領域に近い空気出口から吹き出される空気の流線が増大した。しかしながら、本体部の端部(破線によって囲まれた部分)にまで空気の流れが到達しておらず、導入領域から遠い側の空気出口の端部から吹き出される空気の流線が減少した。このように、従来装置である装置A及び装置Bにおいては、空気出口から吹き出される空気の風量が不均一であることが確認された。
一方、コイル状の二重螺旋構造を有するフィンを備える本発明装置である装置C乃至装置Eにおいては、本体部の端部(破線によって囲まれた部分)にまで空気の流れが到達している。これにより、導入領域から遠い側の空気出口の端部からも空気が吹き出されており、空気出口から吹き出される空気の流線もまた均一に分布している。即ち、本発明装置である装置C乃至装置Eにおいては、空気出口から吹き出される空気の風量の均一性が高いことが確認された。
(3)速度分布
次に、上述した装置A乃至装置Eの空気出口から吹き出される空気の流速の分布を示す流速分布をCFD解析によって求めた。上述した流線と同様に、本体部がフィンを備えない従来装置である装置Aにおいては、本体部の端部にまで空気の流れが到達していることを反映して、空気出口の端部からも空気が吹き出されているものの、流速分布が不均一である。一方、本体部が螺旋状のリボン構造物によって構成されたフィンを備える従来装置である装置Bにおいては、導入領域に近い空気出口から吹き出される空気の流速が増大したものの、本体部の端部にまで空気の流れが到達していないことを反映して、空気出口の導入領域から遠い側から吹き出される空気の流速が低い。このように、従来装置である装置A及び装置Bにおいては、空気出口から吹き出される空気の流速の分布が不均一であることが確認された。
一方、コイル状の二重螺旋構造を有するフィンを備える本発明装置である装置C乃至装置Eにおいては、本体部の端部にまで空気の流れが到達していることを反映して、導入領域から遠い側の空気出口の端部からも空気が吹き出されており、空気出口の全体に亘って空気の流速分布が均一である。即ち、本発明装置である装置C乃至装置Eにおいては、空気出口から吹き出される空気の流速の分布が均一であることが確認された。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態及び実施例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態及び実施例に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。