以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
本発明が適用される第一実施形態の走行アシストシステム1は、図1,2に示すように、自車両2に搭載される。
図2に示すように走行アシストシステム1は、周辺監視系3、車両制御系4及び表示系5から構成されている。これら走行アシストシステム1の各系3,4,5は、例えばLAN(Local Area Network)等の車内ネットワーク6を介して接続されている。
周辺監視系3は、外界センサ30及び周辺監視ECU(Electronic Control Unit)31を備えている。外界センサ30は、自車両2の外界に存在して衝突する可能性のある障害物、例えば他車両、人工構造物、人間及び動物等や、外界に存在する交通表示を検知する。外界センサ30は、例えばソナー、レーダ及びカメラ等のうち、一種類又は複数種類である。
具体的にソナーは、自車両2のうち例えばフロント部又はリア部等に設置される超音波センサである。ソナーは、自車両2の外界のうち検知エリアへと送信した超音波の反射波を受信することで、当該検知エリア内の障害物を検知して検知信号を出力する。レーダは、自車両2のうち例えばフロント部若しくはリア部等に設置されるミリ波センサ、又はレーザセンサである。レーダは、自車両2の外界のうち検知エリアへと送信したミリ波若しくは準ミリ波、又はレーザの反射波を受信することで、当該検知エリア内の障害物を検知して検知信号を出力する。カメラは、自車両2のうち例えばルームミラー若しくはドアミラー等に設置される単眼式、又は複眼式のカメラである。カメラは、自車両2の外界のうち検知エリアを撮影することで、当該検知エリア内の障害物又は交通表示を検知して画像信号を出力する。
図2に示す周辺監視ECU31は、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを主体として構成され、外界センサ30及び車内ネットワーク6に接続されている。周辺監視ECU31は、例えば制限速度標識及びレーン標識等といった標識情報、並びに白線及び黄線等といった区画線情報を、外界センサ30の出力信号に基づき取得する。それと共に周辺監視ECU31は、例えば障害物の種類、及び自車両2に対する障害物の相対関係等といった障害物情報を、外界センサ30の出力信号に基づき取得する。ここで特に障害物情報としては、例えば前方障害物である前方車両8v(図9〜11参照)と自車両2との間における車間距離及び相対速度等が周辺監視ECU31により取得される。
車両制御系4は、車両状態センサ40、乗員センサ41及び車両制御ECU42を備えている。車両状態センサ40は、車内ネットワーク6に接続されている。車両状態センサ40は、自車両2の走行状態を検知する。車両状態センサ40は、例えば車速センサ、回転数センサ、舵角センサ、燃料センサ、水温センサ及び電波受信機等のうち、一種類又は複数種類である。
具体的に車速センサは、自車両2の車速を検知することで、当該検知に応じた車速信号を出力する。回転数センサは、自車両2におけるエンジン回転数を検知することで、当該検知に応じた回転数信号を出力する。舵角センサは、自車両2の舵角を検知することで、当該検知に応じた舵角信号を出力する。燃料センサは、自車両2の燃料タンクにおける燃料残量を検知することで、当該検知に応じた燃料信号を出力する。水温センサは、自車両2における内燃機関の冷却水温度を検知することで、当該検知に応じた水温信号を出力する。電波受信機は、例えば測位衛星、車車間通信用の他車両送信機、及び路車間通信用の路側機等からの出力電波を受信することで、交通信号を出力する。ここで交通信号は、例えば走行位置、走行方向、走行路状態及び制限速度等といった自車両2に関連する交通情報、並びに上記の障害物情報を表わす信号である。
乗員センサ41は、車内ネットワーク6に接続されている。乗員センサ41は、図1に示す自車両2の車室2c内に搭乗したユーザの状態又は操作を検知する。乗員センサ41は、例えばパワースイッチ、ユーザ状態モニタ、表示設定スイッチ、ターンスイッチ等のうち一種類又は複数種類と、自動制御スイッチ、レーン制御スイッチ及びクルーズ制御スイッチの三種類である。
具体的にパワースイッチは、自車両2の内燃機関又は電動モータを始動させるために車室2c内にてユーザによりオン操作されることで、当該操作に応じたパワー信号を出力する。ユーザ状態モニタは、車室2c内にて運転席20上のユーザ状態を画像センサにより撮影することで、当該ユーザ状態を検知して画像信号を出力する。表示設定スイッチは、車室2c内にて表示状態を設定するためにユーザにより操作されることで、当該操作に応じた表示設定信号を出力する。ターンスイッチは、自車両2の方向指示器を作動させるために車室2c内にてユーザによりオン操作されることで、当該操作に応じたターン信号を出力する。
自動制御スイッチは、自車両2の走行状態に対する自動制御を指令するために、車室2c内にてユーザによりオン操作されることで、当該操作に応じた自動制御信号を出力する。レーン制御スイッチは、自車両2の走行する走行レーンにおいて幅方向位置の自動制御を指令するために、車室2c内にてユーザによりオン操作されることで、当該操作に応じたレーン制御信号を出力する。クルーズ制御スイッチは、自車両2において車間距離又は車速を保つクルーズの自動制御を指令するために、車室2c内にてユーザによりオン操作されることで、当該操作に応じたクルーズ制御信号を出力する。
図2に示す車両制御ECU42は、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを主体として構成され、車内ネットワーク6に接続されている。「自動制御ユニット」として自車両2に搭載される車両制御ECU42は、エンジン制御ECU、モータ制御ECU、ブレーキ制御ECU、ステアリング制御ECU及び統合制御ECU等のうち、統合制御ECUを少なくとも含む一種類又は複数種類である。
具体的にエンジン制御ECUは、エンジンのスロットルアクチュエータや燃料噴射弁の作動を、図1に示す車室2c内でのアクセルペダル26の操作に従って又は自動で制御することで、自車両2の車速を加減速する。モータ制御ECUは、モータジェネレータの作動を、車室2c内でのアクセルペダル26の操作に従って又は自動で制御することで、自車両2の車速を加減速する。ブレーキ制御ECUは、ブレーキアクチュエータの作動を、車室2c内でのブレーキペダル27の操作に従って又は自動で制御することで、自車両2の車速を加減速する。ステアリング制御ECUは、電動パワーステアリングの作動を、車室2c内でのステアリングハンドル24の操作に従って自動で制御することで、自車両2の舵角を調整する。統合制御ECUは、例えばセンサ40,41の出力信号、周辺監視ECU31での取得情報、及び車両制御ECU42のうち他制御ECUでの制御情報等に基づき、当該他制御ECUの作動を同期制御する。
ここで特に統合制御ECUは、走行路のうち自車両2の走行レーンにおける幅方向の位置を自動で制御するレーン制御の実行により、白線又は黄線といった区画線からの逸脱を規制するレーンキーピングアシスト(LKA:Lane Keeping Assist)を、実現する。このLKAを実現する「レーン制御ユニット」として自車両2に搭載された統合制御ECUは、周辺監視ECU31での取得情報及び電波受信機の出力信号に基づき、ステアリング制御ECUの作動を制御する。このとき統合制御ECUは、自車両2に予定される予定経路Rp(図6〜8,10〜12参照)を随時設定することで、当該経路Rpにレーン制御を追従させる。
こうしたLKAによるレーン制御は、図14〜16の各分図(a)に示すように、自動制御スイッチ及びクルーズ制御スイッチがオン操作された状態下、レーン制御スイッチがオン操作されると、開始してオン状態となる。一方、図14,15の各分図(a)に示すように、自動制御スイッチ及びクルーズ制御スイッチがオン操作された状態下、例えば区画線の消失等に応じてレーン制御スイッチがオフ作動すると、レーン制御は一時的に終了して準備状態となる。さらに、図15,16の各分図(a)に示すように、レーン制御スイッチ及びクルーズ制御スイッチに拘らず自動制御スイッチがオフ操作されると、レーン制御は完全に終了してオフ状態となる。
また、本実施形態の統合制御ECUは、外界風景8中での前方車両8vの存在有無に応じた追従走行時又は単独走行時に自車両2のクルーズを自動で制御するクルーズ制御の実行により、全車速域での車間距離又は車速を保つ全車速域アダプティブクルーズコントロール(FSRA:Full Speed Range Adaptive Cruise Control)も、実現する。このFSRAを実現する「クルーズ制御ユニット」としても自車両2に搭載された統合制御ECUは、周辺監視ECU31での取得情報及び電波受信機の出力信号に基づき、エンジン制御ECU又はモータ制御ECUの作動と、ブレーキ制御ECUの作動とを制御する。
こうしたFSRAによるクルーズ制御は、図14〜16の各分図(b)に示すように、自動制御スイッチがオン操作された状態下、クルーズ制御スイッチがオン操作されると、開始してオン状態となる。一方、図15,16の各分図(b)に示すように、自動制御スイッチがオン操作された状態下、例えばブレーキペダル27の操作に従う自車両2の制動等に応じてクルーズ制御スイッチがオフ作動すると、クルーズ制御は一時的に終了して準備状態となる。さらに、図15,16の各分図(b)に示すように、クルーズ制御スイッチに拘らず自動制御スイッチがオフ操作されると、クルーズ制御は完全に終了してオフ状態となる。
図2に示すように表示系5は、情報を視覚提示するために自車両2に搭載されている。表示系5は、HUD50、MFD(Multi Function Display)51、コンビネーションメータ52及びHCU(HMI(Human Machine Interface) Control Unit)54を備えている。
HUD50は、図1,3に示す車室2c内にてインストルメントパネル22に設置されている。HUD50は、例えば液晶パネル又はプロジェクタ等の表示器50iにて形成した表示画像56を、自車両2における「投影部材」としてのフロントウインドシールド21に対して、光学系50oを通して投影する。ここでフロントウインドシールド21は、透光性ガラスにより形成されることで、車室2c外のうち自車両2の前方に存在する外界風景8を透過させる。その結果、フロントウインドシールド21で反射した表示画像56の光束と、同シールド21を透過した外界風景8からの光束とが、運転席20上のユーザにより知覚される。以上により、フロントウインドシールド21よりも前方位置に結像される表示画像56の虚像は、図1,4〜13に示すように外界風景8の一部に重畳して表示されて、運転席20上のユーザにより視認可能となる。このとき表示画像56は、半透明に虚像表示されるため、外界風景8のうち当該画像56の重畳した部分の視認も可能となる。
こうしてHUD50により虚像表示される表示画像56は、特に図4〜13の如く自車両2の走行状態に関連する複数種類の画像として、経路画像560、開始画像561、終了画像562、強調画像563,564及び作動画像565,566を含んでいる。これらの画像560,561,562,563,564,565,566は、図14〜16の作動例に示す期間Tnol,Tpel,Tpsl,Trol,Trdl,Troc,Trdcのいずれかにおいて、虚像表示されることになる。
図6〜8,10〜12に示すように経路画像560は、外界風景8中の前方走行路8rと重畳する第一虚像表示領域A1に、結像される。その結果、第一虚像表示領域A1において経路画像560は、LKAによるレーン制御にて自車両2が追従させられる予定経路Rpを、前方走行路8rと重畳させて示すことになる。尚、第一虚像表示領域A1(図1,3参照)は、運転席20から前方へ例えば15m程度離間した位置に、設定される。
経路画像560は、レーン制御がオン状態となる所定期間Tnol,Tpel(図14〜16参照)に、断続的に虚像表示される。ここで、自車両2が単独で走行する単独走行時の経路画像560は、図6,7の如く同車両2側から前方のうち水平線8h側へと向かって漸次延伸する動画状に、繰返し形成される。一方、自車両2が前方車両8vの後方に追従して走行する追従走行時の経路画像560は、図10,11の如く同車両2側から前方のうち前方車両8v側へと向かって漸次延伸する動画状に、繰返し形成される。
これらいずれの走行時にも、予定経路Rpがストレートの場合には図7,11,12の如く経路画像560がストレートに形成される一方、予定経路Rpがカーブの場合には図8の如く経路画像560がカーブして形成される。また、いずれの走行時にも経路画像560の表示色は、レーン制御の状態に従って設定される。
具体的に、レーン制御が開始されてから同制御の一時終了又は完全終了が予定されるまでの通常オン期間Tnol(図14〜16参照)には、図6〜8,10,11に右上がりハッチングを付した例えば水色等に、経路画像560の表示色が設定される。一方、レーン制御の一時終了又は完全終了が予定されてから実現されるまでの終了予定期間Tpel(図14〜16参照)には、図12に左上がりハッチングを付して示す例えばアンバー色等、通常オン期間Tnolと異なる色に経路画像560の表示色が設定される。さらに、レーン制御が一時終了により準備状態となる、又はレーン制御が完全終了によりオフ状態となると、経路画像560の表示自体が図4,13の如く終了する。
図4に示すように開始画像561は、経路画像560と同様、外界風景8中の前方走行路8rと重畳する第一虚像表示領域A1に、結像される。その結果、第一虚像表示領域A1において開始画像561は、レーン制御の開始が予定される開始予定位置Psを、前方走行路8rと重畳させて示すことになる。
開始画像561は、レーン制御の開始が予定されてから自車両2が開始予定位置Psに到達するまでの開始予定期間Tpsl(図14〜16参照)において、前方走行路8r上の当該位置Psに継続的に重畳して虚像表示される。このとき開始画像561は、図4の如く上底及び下底が水平線8hに沿う台形図形を、開始予定位置Psへの自車両2の接近に従って拡大させる動画状に、形成される。また、このとき開始画像561の表示色は、図4に右上がりハッチングを付して示す例えば水色等、通常オン期間Tnolの経路画像560と同一色に設定される。一方、自車両2が開始予定位置Psに到達すると、開始画像561の表示自体が図5の如く終了する。
図12に示すように終了画像562は、経路画像560と同様、外界風景8中の前方走行路8rと重畳する第一虚像表示領域A1に、結像される。その結果、第一虚像表示領域A1において終了画像562は、レーン制御の終了が予定される終了予定位置Peを、前方走行路8rと重畳させて示すことになる。
終了画像562は、レーン制御の終了が予定されてから自車両2が終了予定位置Peに到達するまでの終了予定期間Tpel(図14〜16参照)において、前方走行路8r上の当該位置Peに継続的に重畳して虚像表示される。このとき終了画像562は、図12の如く上底及び下底が水平線8hに沿う台形図形を、終了予定位置Peへの自車両2の接近に従って拡大させる動画状に、形成される。また、このとき終了画像562の表示色は、図12に左上がりハッチングを付して示す例えばアンバー色等、同期間Tpelの経路画像560と同一色に設定される。即ち、終了画像562の表示色は、開始画像561と異なる色に設定される。一方、自車両2が終了予定位置Peに到達すると、終了画像562の表示自体が図13の如く終了する。
図5〜7,9〜11,13に示すように強調画像563,564は、経路画像560と同様、外界風景8中の前方走行路8rと重畳する第一虚像表示領域A1に、結像される。その結果、第一虚像表示領域A1において強調画像563,564は、前方走行路8rと重畳することで、FSRAによるクルーズ制御にて自車両2が追従させられる前方車両8vの存在有無を強調することになる。
強調画像563,564は、クルーズ制御がオン状態となる実オン期間Troc(図14〜16参照)に、断続的に虚像表示される。ここで、自車両2が単独で走行する単独走行時の実オン期間Trocに検知強調画像563は、図5〜7の如く同車両2側から前方のうち水平線8h側へと向かって漸次移動する動画状に、繰返し形成される。このとき検知強調画像563は、水平線8hに沿う細長のバー状に、形成される。また、このとき検知強調画像563の表示色は、図5〜7,13に右上がりハッチングを付して示す例えば水色等、通常オン期間Tnolの経路画像560と同一色に設定される。さらに、単独走行時の実オン期間Trocにおいて車両強調画像564は、形成されない。
一方、自車両2が前方車両8vの後方に追従して走行する追従走行時の実オン期間Trocに検知強調画像563は、図9,10の如く同車両2側から前方のうち前方車両8v側へと向かって漸次移動する動画状に、繰返し形成される。このときも検知強調画像563は、水平線8hに沿う細長のバー状に、形成される。また、このときも検知強調画像563の表示色は、図9,10に右上がりハッチングを付して示す例えば水色等、通常オン期間Tnolの経路画像560と同一色に設定される。即ち、検知強調画像563の表示色は、単独走行時と追従走行時とでは同一色となる。
さらに、追従走行時の実オン期間Trocにおいては、検知強調画像563が水平線8hよりも手前の前方車両8vまで図10の如く移動してから、図11の如く消去されるのに伴い、車両強調画像564が形成される。このとき車両強調画像564は、前方車両8vを囲む環状、特に本実施形態では同車両8vの周囲を下方を除いて連続する円弧環状に、形成される。また、このとき車両強調画像564の表示色も、図11に右上がりハッチングを付して示す例えば水色等、通常オン期間Tnolの経路画像560と同一色に設定される。即ち、検知強調画像563の表示色と車両強調画像564の表示色とは、追従走行時において同一色となる。こうした車両強調画像564は、一時的に表示された後に消去されることで、次の強調画像563,564の表示が繰り返される。このような本実施形態では、前方車両8vまで漸次移動する動画状の検知強調画像563が形成された後、同車両8vを囲む環状の車両強調画像564へと検知強調画像563が変化させられることになる。
図4〜13に示すように作動画像565,566は、第一虚像表示領域A1よりも下方且つ自車両2側において前方走行路8rと重畳する第二虚像表示領域A2に、結像される。その結果、第二虚像表示領域A2においてレーン作動画像565は、車両制御ECU42のうち統合制御ECUの作動状態として、レーン制御の状態を前方走行路8rと重畳させて示すことになる。また、第二虚像表示領域A2のうちレーン作動画像565の下方に結像されるクルーズ作動画像566は、車両制御ECU42のうち統合制御ECUの作動状態として、クルーズ制御の状態を前方走行路8rと重畳させて示すことになる。尚、第二虚像表示領域A2(図1,3参照)は、運転席20から前方へ例えば2m程度離間した位置に、設定される。
レーン作動画像565は、レーン制御がオン状態又は準備状態となる所定期間Trol,Trdl(図14〜16参照)に、継続的に虚像表示される。ここでレーン作動画像565は、図5〜13の如く自車両2の走行レーンを保つためのステアリングハンドル24を模すことで、レーン制御をイメージ可能に形成される。このときレーン作動画像565の表示色は、レーン制御の状態に従って設定される。
具体的に、レーン制御が開始されてから一時終了又は完全終了するまでの実オン期間Trol(図14〜16参照)には、図5〜12に右上がりハッチングを付して示す例えば水色等、通常オン期間Tnolの経路画像560と同一色にレーン作動画像565の表示色が設定される。一方、レーン制御が一時終了により準備状態となってから再度開始又は完全終了するまでの準備期間Trdl(図14,15参照)には、図13に左上がりハッチングを付して示す例えばアンバー色等、終了予定期間Tpelの経路画像560と同一色にレーン作動画像565の表示色が設定される。さらに、レーン制御が完全終了によりオフ状態となると、レーン作動画像565の表示自体が図1,4の如く終了する。このように本実施形態では、レーン制御の状態がオン状態と準備状態との間で切替わるのに応じて、レーン作動画像565の表示色が変更される。
以上のレーン作動画像565に対してクルーズ作動画像566は、クルーズ制御がオン状態又は準備状態となる所定期間Troc,Trdc(図14〜16参照)に、継続的に虚像表示される。ここでクルーズ作動画像566は、図4〜13の如く図形及び文字を組み合わせることで、クルーズ制御をイメージ可能に形成される。このときクルーズ作動画像566の表示色は、クルーズ制御の状態に従って設定される。
具体的に、クルーズ制御が開始されてから一時終了又は完全終了するまでの実オン期間Troc(図14〜16参照)には、図5〜13に右上がりハッチングを付して示す例えば水色等、実オン期間Trolのレーン作動画像565と同一色にクルーズ作動画像566の表示色が設定される。一方、クルーズ制御が一時終了により準備状態となってから再度開始又は完全終了するまでの準備期間Trdc(図15,16参照)には、図4に左上がりハッチングを付して示す例えばアンバー色等、準備期間Trdlのレーン作動画像565と同一色にクルーズ作動画像566の表示色が設定される。さらに、クルーズ制御が完全終了によりオフ状態となると、クルーズ作動画像566の表示自体が図1の如く終了する。このように本実施形態では、クルーズ制御の状態がオン状態と準備状態との間で切替わるのに応じて、クルーズ作動画像566の表示色が変更される。
尚、HUD50による虚像表示としては、以上の画像560,561,562,563,564,565,566の表示に追加して、例えば自車両2の走行状態、ナビゲーション情報、標識情報及び障害物情報等のうち、一種類又は複数種類の情報を示す画像56の表示を採用してもよい。ここで図1,4〜13は、車速を示す表示画像56の虚像を、第一虚像表示領域A1の下方にて第二虚像表示領域A2に表示させた例を、示している。また、インストルメントパネル22に配置されてフロントウインドシールド21と共同して外界風景8を透過させる透光性コンバイナを用いることで、当該コンバイナに表示画像56を投影することによっても、虚像表示の実現が可能である。さらにまた、上記のナビゲーション情報は、例えば後に詳述するHCU54において、メモリ54mに記憶の地図情報と、センサ40の出力信号とに基づき取得可能である。
MFD51は、図1に示す車室2c内にてセンターコンソール23に設置される。MFD51は、一つ又は複数の液晶パネルにて所定情報を示すように形成した画像の実像を、運転席20上のユーザにより視認可能に表示する。こうしたMFD51による実像表示としては、ナビゲーション情報、オーディオ情報、映像情報及び通信情報等のうち、一種類又は複数種類の情報を示す画像の表示が採用される。
コンビネーションメータ52は、車室2c内にてインストルメントパネル22に設置される。コンビネーションメータ52は、自車両2に関する車両情報を、運転席20上のユーザにより視認可能に表示する。コンビネーションメータ52は、液晶パネルに形成した画像により車両情報を表示するデジタルメータ、又は指針により目盛を指示して車両情報を表示するアナログメータである。こうしたコンビネーションメータ52による表示としては、例えば車速、エンジン回転数、燃料残量、冷却水温度、並びにターンスイッチ、自動制御スイッチ、レーン制御スイッチ及びクルーズ制御スイッチの操作状態等のうち、一種類又は複数種類の情報を示す表示が採用される。
図2に示すようにHCU54は、プロセッサ54p及びメモリ54mを有するマイクロコンピュータを主体として構成され、表示系5の表示要素50,51,52及び車内ネットワーク6に接続されている。HCU54は、表示要素50,51,52の作動を同期制御する。このときHCU54は、例えばセンサ40,41の出力信号、ECU31での取得情報、ECU42での制御情報、メモリ54mの記憶情報、並びにHCU54自身での取得情報等に基づき、それらの作動制御を実行する。尚、HCU54のメモリ54m及び他の各種ECUのメモリは、例えば半導体メモリ、磁気媒体若しくは光学媒体等といった記憶媒体を、一つ又は複数使用してそれぞれ構成される。
ここで特に本実施形態では、データとしてメモリ54mに記憶された画像560,561,562,563,564,565,566を読出してHUD50に虚像表示させるHCU54は、「車両用表示制御装置」として機能する。具体的にHCU54は、プロセッサ54pにより表示制御プログラムを実行することで、図17〜22に示す複数フローを実現する。尚、表示画像56を記憶させる画像記憶手段については、表示要素50,51,52の内蔵ECUの各メモリのうちいずれかにより、又はそれら各メモリ及びHCU54のメモリ54mのうち複数メモリの共同により、実現しても勿論よい。また、各フローは、乗員センサ41としてのパワースイッチのオン操作に応じて開始され、同スイッチのオフ操作に応じて終了する。さらにまた、各フロー中の「S」とは、各ステップを意味する。
まず、図17に示すレーン制御状態チェックフローを説明する。レーン制御状態チェックフローでは、パワースイッチの操作に応じた開始又は終了に伴って、メモリ54mに記憶のレーン制御状態フラグFlが「OFF」に設定されているものとする。
レーン制御状態チェックフローのS101では、レーン制御に関連した「作動情報」として、車両制御ECU42のうち統合制御ECUでの制御情報を取得する。続くS102では、自動制御スイッチがオン操作されているか否かを、S101での取得情報に基づき判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS103へ移行することで、レーン制御がオフ状態であることを示す「OFF」にレーン制御状態フラグFlを設定してから、S101へ戻る。一方、肯定判定が下された場合には、S104へ移行する。
S104では、レーン制御がオン状態であるか否かを、S101での取得情報に基づき判定する。その結果、肯定判定が下された場合にはS105へ移行することで、レーン制御がオン状態であることを示す「ON」にレーン制御状態フラグFlを設定してから、S101へ戻る。一方、否定判定が下された場合にはS106へ移行することで、レーン制御が準備状態であることを示す「READY」にレーン制御状態フラグFlを設定してから、S101へ戻る。
次に、図18に示すレーン制御予定チェックフローを説明する。レーン制御予定チェックフローでは、パワースイッチの操作に応じた開始又は終了に伴って、メモリ54mに記憶のレーン制御予定フラグFpが「OFF」に設定されているものとする。
レーン制御予定チェックフローのS201では、レーン制御の開始が予定される開始予定位置Psに関連した「開始情報」として、車両制御ECU42のうち統合制御ECUでの制御情報を取得する。続くS202では、レーン制御の開始は予定されているか否かを、S201での取得情報に基づき判定する。その結果、肯定判定が下された場合にはS203へ移行することで、レーン制御が開始予定であることを示す「START」にレーン制御予定フラグFpを設定してから、S201へ戻る。一方、否定判定が下された場合には、S204へ移行する。
S204では、レーン制御の終了が予定される終了予定位置Peに関連した「終了情報」として、統合制御ECUでの制御情報を取得する。続くS205では、レーン制御の終了は予定されているか否かを、S201での取得情報に基づき判定する。その結果、肯定判定が下された場合にはS206へ移行することで、レーン制御が終了予定であることを示す「END」にレーン制御予定フラグFpを設定してから、S201へ戻る。一方、否定判定が下された場合にはS207へ移行することで、レーン制御の開始予定又は終了予定がないことを示す「OFF」にレーン制御予定フラグFpを設定してから、S201へ戻る。
次に、図19に示すクルーズ制御状態チェックフローを説明する。クルーズ制御状態チェックフローでは、パワースイッチの操作に応じた開始又は終了に伴って、メモリ54mに記憶のクルーズ制御状態フラグFcが「OFF」に設定されているものとする。
クルーズ制御状態チェックフローのS301では、クルーズ制御に関連した「作動情報」として、車両制御ECU42のうち統合制御ECUでの制御情報を取得する。続くS302では、自動制御スイッチがオン操作されているか否かを、S301での取得情報に基づき判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS303へ移行することで、クルーズ制御がオフ状態であることを示す「OFF」にクルーズ制御状態フラグFcを設定してから、S301へ戻る。一方、肯定判定が下された場合には、S304へ移行する。
S304では、クルーズ制御がオン状態であるか否かを、S301での取得情報に基づき判定する。その結果、肯定判定が下された場合にはS305へ移行することで、クルーズ制御がオン状態であることを示す「ON」にクルーズ制御状態フラグFcを設定してから、S301へ戻る。一方、否定判定が下された場合にはS306へ移行することで、クルーズ制御が準備状態であることを示す「READY」にクルーズ制御状態フラグFcを設定してから、S301へ戻る。
次に、図20,21に示す第一虚像表示領域A1での表示フローとして、第一虚像表示フローを説明する。
図20に示すように第一虚像表示フローのS401では、レーン制御状態フラグFlの設定内容を取得する。続くS402では、クルーズ制御状態フラグFcの設定内容を取得する。さらに続くS403では、S401にて取得されたレーン制御状態フラグFlの設定内容が「OFF」又は「READY」であると共に、S402にて取得されたクルーズ制御状態フラグFcの設定内容が「OFF」又は「READY」であるか否かを、判定する。その結果、肯定判定が下された場合にはS404へ移行することで、第一虚像表示領域A1での画像560,561,562,563,564の表示を消去してから、S401へ戻る。一方、否定判定が下された場合には、S405へ移行する。
S405では、S401にて取得されたレーン制御状態フラグFlの設定内容が「OFF」又は「READY」であると共に、S402にて取得されたクルーズ制御状態フラグFcの設定内容が「ON」であるか否かを、判定する。その結果、肯定判定が下された場合には、S406へ移行する。
S406では、レーン制御予定フラグFpの設定内容を取得する。続くS407では、S406にて取得されたレーン制御予定フラグFpの設定内容が「START」であるか否かを、判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS408へ移行することで、前方車両8vに関連した「前方情報」として、車両制御ECU42のうち統合制御ECUでの制御情報を取得する。さらに続くS409では、クルーズ制御にて自車両2を追従させている前方車両8vは存在するか否かを、S408での取得情報に基づき判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS410へ移行する一方、肯定判定が下された場合にはS411へ移行する。
前方車両8vは存在せずに自車両2が単独走行している場合となるS410では、検知強調画像563を、実オン期間Trocの表示色に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。ここで、特に本実施形態のS410では、S408にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、水平線8h側へ移動する動画状の検知強調画像563を形成する。それと共にS410では、第一虚像表示領域A1での画像560,561,562,564の表示を消去する。
一方、前方車両8vが存在して自車両2が追従走行している場合となるS411では、検知強調画像563及び車両強調画像564を順次、実オン期間Trocの表示色に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。ここで、特に本実施形態のS411では、S408にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、前方車両8v側へ移動する動画状の検知強調画像563を形成した後、同車両8vを囲む環状の車両強調画像564を形成する。それと共にS411では、第一虚像表示領域A1での画像560,561,562の表示を消去する。尚、このS411及び上記のS410の実行終了後には、S401へ戻る。
S407にて否定判定が下された場合の後続処理は上記のS408〜S411であるのに対して、同S407にて肯定判定が下された場合には、S412へ移行する。S412では、開始予定位置Psに関連した「開始情報」と、前方車両8vに関連した「前方情報」として、統合制御ECUでの制御情報を取得する。続くS413では、クルーズ制御にて自車両2を追従させている前方車両8vは存在するか否かを、S412での取得情報に基づき判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS414へ移行する一方、肯定判定が下された場合にはS415へ移行する。
自車両2が単独走行している場合となるS414では、開始画像561を、開始予定期間Tpslの表示色に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。ここで、特に本実施形態のS414では、S412にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、開始予定位置Psに重畳表示される開始画像561を形成する。それと共にS414では、S412にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、検知強調画像563を、上記のS410と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。さらにS414では、第一虚像表示領域A1での画像560,562,564の表示を消去する。
一方、自車両2が追従走行している場合となるS415では、S412にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、開始画像561を、上記のS414と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。それと共にS415では、S412にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、検知強調画像563及び車両強調画像564を、上記のS411と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。さらにS415では、第一虚像表示領域A1での画像560,562の表示を消去する。尚、このS415及び上記のS414の実行終了後には、S401へ戻る。
S405にて肯定判定が下された場合の後続処理は以上のS406〜S415であるのに対して、同S405にて否定判定が下された場合には、図21に示すようにS416へ移行する。即ち、S401にて取得されたレーン制御状態フラグFlの設定内容が「ON」であると共に、S402にて取得されたクルーズ制御状態フラグFcの設定内容が「ON」である場合には、S416へ移行する。
S416では、レーン制御予定フラグFpの設定内容を取得する。続くS417では、S416にて取得されたレーン制御予定フラグFpの設定内容が「END」であるか否かを、判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS418へ移行することで、予定経路Rpに関連した「経路情報」と、前方車両8vに関連した「前方情報」として、統合制御ECUでの制御情報を取得する。さらに続くS419では、クルーズ制御にて自車両2を追従させている前方車両8vは存在するか否かを、S418での取得情報に基づき判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS420へ移行する一方、肯定判定が下された場合にはS421へ移行する。
自車両2が単独走行している場合となるS420では、経路画像560を、通常オン期間Tnolの表示色にて形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。ここで、特に本実施形態のS420では、S418にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、予定経路Rpに重畳表示される経路画像560を形成する。それと共にS420では、S418にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、検知強調画像563を、上記のS410と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。さらにS420では、第一虚像表示領域A1での画像561,562,564の表示を消去する。
一方、自車両2が追従走行している場合となるS421では、S418にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、経路画像560を、上記のS420と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。それと共にS421では、S418にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、検知強調画像563及び車両強調画像564を、上記のS411と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。さらにS421では、第一虚像表示領域A1での画像561,562の表示を消去する。尚、このS421及び上記のS420の実行終了後には、S401へ戻る。
S417にて否定判定が下された場合の後続処理は上記のS418〜S421であるのに対して、同S417にて肯定判定が下された場合には、S422へ移行する。S422では、予定経路Rpに関連した「経路情報」と、終了予定位置Peに関連した「終了情報」と、前方車両8vに関連した「前方情報」として、統合制御ECUでの制御情報を取得する。続くS423では、クルーズ制御にて自車両2を追従させている前方車両8vは存在するか否かを、S422での取得情報に基づき判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS424へ移行する一方、肯定判定が下された場合にはS425へ移行する。
自車両2が単独走行している場合となるS424では、経路画像560を、終了予定期間Tpelの表示色にて形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。それと共にS424では、終了画像562を、終了予定期間Tpelの表示色にて形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。ここで、特に本実施形態のS424では、S422にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、予定経路Rpに重畳表示される経路画像560と、当該経路Rp上の終了予定位置Peに重畳表示される終了画像562とを形成する。さらにS424では、S422にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、検知強調画像563を、上記のS410と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。加えてS424では、第一虚像表示領域A1での画像561,564の表示を消去する。
一方、自車両2が追従走行している場合となるS425では、S422にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、経路画像560及び終了画像562を、上記のS424と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。それと共にS425では、S422にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、検知強調画像563及び車両強調画像564を、上記のS411と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。さらにS425では、第一虚像表示領域A1での画像561の表示を消去する。尚、このS425及び上記のS424の実行終了後には、S401へ戻る。
次に、図22に示す第二虚像表示領域A2での表示フローとして、第二虚像表示フローを説明する。
第二虚像表示フローのS501では、レーン制御状態フラグFlの設定内容を取得する。続くS502では、S501にて取得されたレーン制御状態フラグFlの設定内容が「OFF」であるか否かを、判定する。その結果、肯定判定が下された場合にはS503へ移行することで、第二虚像表示領域A2でのレーン作動画像565の表示を消去する。一方、否定判定が下された場合には、S504へ移行する。
S504では、S501にて取得されたレーン制御状態フラグFlの設定内容が「ON」であるか否かを、判定する。その結果、肯定判定が下された場合にはS505へ移行することで、レーン作動画像565を、実オン期間Trolの表示色に形成して第二虚像表示領域A2に表示させる。このとき実オン期間Trolの表示色は、レーン制御状態フラグFlの設定内容に基づくことになる。即ち実オン期間Trolの表示色は、レーン制御状態チェックフローにおいてレーン制御状態フラグFlを設定するために、レーン制御と関連する「作動情報」として取得された制御情報に、基づく色となる。
一方、S504にて否定判定が下された場合には、S506へ移行することで、レーン作動画像565を、準備期間Trdlの表示色に形成して第二虚像表示領域A2に表示させる。このとき準備期間Trdlの表示色は、レーン制御状態フラグFlの設定内容に基づくことになる。即ち準備期間Trdlの表示色は、レーン制御状態チェックフローにおいてレーン制御状態フラグFlを設定するために、レーン制御と関連する「作動情報」として取得された制御情報に、基づく色となる。尚、このS506及び上記のS503,S505の実行終了後には、S507へ移行する。
S507では、クルーズ制御状態フラグFcの設定内容を取得する。続くS508では、S507にて取得されたクルーズ制御状態フラグFcの設定内容が「OFF」であるか否かを、判定する。その結果、肯定判定が下された場合にはS509へ移行することで、第二虚像表示領域A2でのクルーズ作動画像566の表示を消去する。一方、否定判定が下された場合には、S510へ移行する。
S510では、S507にて取得されたクルーズ制御状態フラグFcの設定内容が「ON」であるか否かを、判定する。その結果、肯定判定が下された場合にはS511へ移行することで、クルーズ作動画像566を、実オン期間Trocの表示色に形成して第二虚像表示領域A2に表示させる。このとき実オン期間Trocの表示色は、クルーズ制御状態フラグFcの設定内容に基づくことになる。即ち実オン期間Trocの表示色は、クルーズ制御状態チェックフローにおいてクルーズ制御状態フラグFcを設定するために、クルーズ制御と関連する「作動情報」として取得された制御情報に、基づく色となる。
一方、S510にて否定判定が下された場合には、S512へ移行することで、クルーズ作動画像566を、準備期間Trdcの表示色にて形成して第二虚像表示領域A2に表示させる。このとき準備期間Trdcの表示色は、クルーズ制御状態フラグFcの設定内容に基づくことになる。即ち準備期間Trdcの表示色は、クルーズ制御状態チェックフローにおいてクルーズ制御状態フラグFcを設定するために、クルーズ制御と関連する「作動情報」として取得された制御情報に、基づく色となる。尚、このS512及び上記のS509,S511の実行終了後には、S501へ戻る。
以上より第一実施形態では、HCU54のうちS101〜S106,S401,S418,S422を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「経路情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS403〜S405,S407,S409〜S411,S413〜S415,S417,S419〜S421,S423〜S425を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「経路画像形成手段」に相当する。また、第一実施形態では、S101〜S106,S401,S418,S422は、プロセッサ54pにより実行される「経路情報取得ステップ」に相当し、S403〜S405,S407,S409〜S411,S413〜S415,S417,S419〜S421,S423〜S425は、プロセッサ54pにより実行される「経路画像形成ステップ」に相当する。
さらに第一実施形態では、HCU54のうちS201〜S207,S406,S412を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「開始情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS403〜S405,S407,S409〜S411,S413〜S415,S417,S419〜S421,S423〜S425を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「開始画像形成手段」に相当する。また、第一実施形態では、HCU54のうちS201〜S207,S416,S422を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「終了情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS403〜S405,S407,S409〜S411,S413〜S415,S417,S419〜S421,S423〜S425を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「終了画像形成手段」に相当する。
加えて第一実施形態では、HCU54のうちS301〜S306,S402,S408,S412,S418,S422を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「前方情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS403〜S405,S407,S409〜S411,S413〜S415,S417,S419〜S421,S423〜S425を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「強調画像形成手段」に相当する。また、第一実施形態では、HCU54のうちS101〜S106,S301〜S306,S501,S507を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「作動情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS502〜S506,S508〜S512を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「作動画像形成手段」に相当する。
(作用効果)
ここまで説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
第一実施形態によると、自車両2の前方走行路8rと重畳する第一虚像表示領域A1には、表示画像56としての経路画像560がHUD50により結像されることになる。このとき経路画像560は、車両制御ECU42のうち統合制御ECUでのレーン制御により自車両2に予定される予定経路Rpを示すように、当該経路Rpに関連した統合制御ECUでの制御情報に基づき形成されることで、前方走行路8rと重畳させられる。これによりユーザに対しては、予定経路Rpの正しさを前方走行路8rとの重畳具合から直感的に且つ事前に把握させることができるので、安心感をもたらすことが可能となる。
また、第一実施形態において経路画像560は、統合制御ECUでのレーン制御により自車両2を追従させる予定経路Rpを示すように形成されて、前方走行路8rと重畳させられる。これによりユーザに対しては、レーン制御による予定経路Rpの正しさを直感的に且つ事前に把握させて、安心感をもたらすことが可能となる。
さらにまた、第一実施形態において経路画像560は、自車両2側から前方へ向かって漸次延伸する動画状に、繰返し形成される。これによりユーザに対しては、レーン制御による予定経路Rpの正しさだけでなく、レーン制御が正しく継続されていることも、直感的に且つ迅速に把握させることができる。故に、安心感を高めることが可能となる。
さて、第一実施形態において自車両2の前方走行路8rと重畳する第一虚像表示領域A1には、表示画像56としての経路画像560と共に、開始画像561もHUD50により結像されることになる。このとき開始画像561は、統合制御ECUでのレーン制御が開始予定される開始予定位置Psを示すように、当該位置Psに関連した統合制御ECUでの制御情報に基づき形成されることで、前方走行路8rと重畳させられる。これによりユーザに対しては、予定経路Rpの正しさだけでなく、レーン制御が開始することも、直感的に且つ事前に把握させることができる。故に、安心感を高めることが可能となる。
また、第一実施形態において自車両2の前方走行路8rと重畳する第一虚像表示領域A1には、表示画像56としての経路画像560と共に、終了画像562もHUD50により結像されることになる。このとき終了画像562は、統合制御ECUでのレーン制御が開始後に終了予定される終了予定位置Peを示すように、当該位置Peに関連した統合制御ECUでの制御情報に基づき形成されることで、前方走行路8rと重畳させられる。これによりユーザに対しては、予定経路Rpの正しさだけでなく、開始されたレーン制御が終了することも、直感的に且つ事前に把握させることができる。故に、安心感を高めることが可能となる。
さらにまた、終了画像562の表示色を開始画像561の表示色とは異ならせる第一実施形態によると、統合制御ECUでのレーン制御が開始するのか、それとも終了するのかを、ユーザに正しく把握させることができる。故に、こうした表示色の変更は、ユーザの安心感を高める上で有効となる。
さらにまた、第一実施形態において経路画像560の表示色は、終了画像562の形成される終了予定期間Tpelには、当該終了画像562の表示色と同一色に設定される。これによれば、統合制御ECUでのレーン制御が終了することの伝達を、終了画像562だけでなく、経路画像560も利用して実現できるので、ユーザに正しく且つ事前に把握させる効果が増す。故に、ユーザの安心感を高める上で特に有効となる。
加えて、第一実施形態において自車両2の前方走行路8rと重畳する第一虚像表示領域A1には、表示画像56としての経路画像560と共に、強調画像563,564もHUD50により結像されることになる。このとき強調画像563,564は、統合制御ECUでのクルーズ制御により自車両2を追従させる前方車両8vの存在有無を強調するように、当該車両8vに関連した統合制御ECUでの制御情報に基づき形成されることで、前方走行路8rと重畳させられる。これによりユーザに対しては、予定経路Rpの正しさだけでなく、クルーズ制御による自車両2の追従対象として前方車両8vの存在有無も直感的に且つ迅速に把握させることができる。故に、安心感を高めることが可能となる。
また、第一実施形態において検知強調画像563は、自車両2側から前方へ向かって漸次移動する動画状に、繰返し形成される。これによりユーザに対しては、予定経路Rpの正しさだけでなく、前方車両8vの存在有無が正しく且つ継続的にクルーズ制御に反映されていることも、直感的に且つ迅速に把握させることができる。故に、安心感を高めることが可能となる。
さらにまた、第一実施形態による検知強調画像563は、特に自車両2の追従走行時には、同車両2側から前方車両8v側へ向かって漸次移動する動画状に、繰返し形成される。これによりユーザに対しては、予定経路Rpの正しさだけでなく、クルーズ制御による追従対象の前方車両8vが正しいことも、直感的に且つ迅速に把握させることができる。故に、安心感を高めることが可能となる。
ここで第一実施形態においては、追従走行時の検知強調画像563が前方車両8vまで動画状に漸次移動してから、当該車両8vを囲む環状の車両強調画像564へと変化する。これによりユーザに対しては、クルーズ制御による追従対象の前方車両8vを、確実に且つ迅速に把握させることができるので、こうした強調画像563,564の変化は、安心感を高める上で有効となる。
また一方、第一実施形態による検知強調画像563は、特に自車両2の単独走行時には、同車両2側から前方走行路8rの水平線8h側へ向かって漸次移動する動画状に、繰返し形成される。これによりユーザに対しては、予定経路Rpの正しさだけでなく、クルーズ制御による追従対象の前方車両8vが存在しないことも、直感的に且つ迅速に把握させることができる。故に、安心感を高めることが可能となる。
以上に加えて第一実施形態では、自車両2の前方走行路8rと重畳する経路画像560が結像される第一虚像表示領域A1よりも、下方且つ自車両2側に設定される第二虚像表示領域A2には、表示画像56としての作動画像565,566がHUD50により結像されることになる。ここで作動画像565,566は、統合制御ECUでのレーン制御又はクルーズ制御の状態を示すように、当該状態に関連した統合制御ECUでの制御情報に基づき形成されることで、経路画像560よりも下方且つ自車両2側に虚像表示される。これにより作動画像565,566は、ユーザの注視点が集まる経路画像560からは下方に外れるが、ユーザ側に寄った位置にて視認され得る。以上のことからユーザに対しては、予定経路Rpの正しさだけでなく、レーン制御又はクルーズ制御の状態も、直感的に且つ迅速に把握させることができるので、安心感を高めることが可能となる。
また、第一実施形態によると、レーン制御又はクルーズ制御の状態が切替わるのに応じて、作動画像565,566の表示色を変更することで、当該作動状態の切替をユーザに正しく把握させることができる。故に、こうした表示色の変更は、ユーザの安心感を高める上で有効となる。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態の表示画像56は、図23〜28に示すように、第一実施形態とは異なる経路画像2560、開始画像2561、終了画像2562及び作動画像2565,2566,2567を、第一実施形態と同様な強調画像563,564と共に含んでいる。そこで以下では、経路画像2560、開始画像2561、終了画像2562及び作動画像2565,2566,2567について、説明する。
図23〜27に示す経路画像2560は、通常オン期間Tnol及び終了予定期間Tpelに加え、開始予定期間Tpslにも継続的に虚像表示されることで、第一虚像表示領域A1では前方走行路8rに重畳して予定経路Rpを示す。ここで、自車両2の単独走行時における経路画像2560は、図23,24,27の如く同車両2の左右両側から前方の水平線8h側へと向かってドット状に並ぶ形態に、複数形成される。一方、自車両2の追従走行時における経路画像2560は、図25,26の如く同車両2の左右両側から前方車両8v側へと向かってドット状に並ぶ形態に、複数形成される。
これらいずれの走行時にも各経路画像2560は、車速に合わせて自車両2側へと接近する動画状に形成されることで、それぞれ前方走行路8r上の決められた箇所に位置決めして重畳される。また、いずれの走行時にも、予定経路Rpがストレートの場合には図23〜27の如く各経路画像2560がストレートに並んで形成される一方、予定経路Rpがカーブの場合(図示しない)には各経路画像2560の並び方向がカーブする。
こうした各経路画像2560の表示色は、単独走行時及び追従走行時の期間Tpsl,Tnol,Tpelのいずれにおいても、後に詳述する開始画像2561又は終了画像2562への切替箇所の表示色を除いて、同一色となる。例えば各経路画像2560の表示色は、図23〜27に右上がりハッチングを付して示す水色等、設定される。また、レーン制御が待機状態又はオフ状態になると、各経路画像2560の表示自体が図28の如く終了する。
図23に示す開始画像2561は、開始予定期間Tpslに継続して経路画像2560と一緒に虚像表示されることで、第一虚像表示領域A1では前方走行路8rと重畳して開始予定位置Psを示す。ここで開始画像2561は、自車両2の左右両側にて表示される経路画像2560のうち、最も下方箇所に表示される一対の画像2560からそれぞれ切替えて、ドット状に形成される。これにより各開始画像2561は、車速に合わせて自車両2側へと接近する動画状となる。このとき各開始画像2561の表示色は、図23にクロスハッチングを付して示す例えば緑色等、経路画像2560とは異なる色に設定される。一方、自車両2が開始予定位置Psに到達すると、各開始画像2561の表示自体が図24の如く終了する。
図27に示す終了画像2562は、終了予定期間Tpelに継続して経路画像2560と一緒に虚像表示されることで、第一虚像表示領域A1では前方走行路8rと重畳して終了予定位置Peを示す。ここで終了画像2562は、自車両2の左右両側にて表示される経路画像2560のうち、最も上方箇所に表示される一対の画像2560からそれぞれ切替えて、ドット状に形成される。これにより各終了画像2562は、車速に合わせて自車両2側へと接近する動画状となる。このとき各終了画像2562の表示色は、図27に左上がりハッチングを付して示す例えばアンバー色等、経路画像2560及び開始画像2561とは異なる色に設定される。一方、自車両2が終了予定位置Peに到達すると、各終了画像2562の表示自体が図28の如く終了する。
図24〜28に示すレーン作動画像2565は、実オン期間Trol及び準備期間Trdlに継続して虚像表示されることで、第二虚像表示領域A2ではレーン制御の状態を前方走行路8rと重畳させて示す。ここでレーン作動画像2565は、左右に離間する一対の斜線状図形により区画線を模すことで、レーン制御をイメージ可能に形成される。このときレーン作動画像2565の表示色は、レーン制御の状態に従って設定される。
具体的に実オン期間Trolには、図24〜27に右上がりハッチングを付して示す例えば水色等、経路画像2560と同一色にレーン作動画像2565の表示色が設定される。一方で準備期間Trdlには、図28に左上がりハッチングを付して示す例えばアンバー色等、終了予定期間Tpelの終了画像2562と同一色にレーン作動画像2565の表示色が設定される。さらに、レーン制御がオフ状態になると、レーン作動画像2565の表示自体が図23の如く終了する。このように第二実施形態においても、レーン制御の状態がオン状態と準備状態との間で切替わるのに応じて、レーン作動画像2565の表示色が変更される。
図23〜28に示すクルーズ作動画像2566は、実オン期間Troc及び準備期間Trdcに継続して虚像表示されることで、第二虚像表示領域A2ではクルーズ制御の状態を前方走行路8rと重畳させて示す。ここでクルーズ作動画像2566は、レーン作動画像2565をなる斜線状図形の間にて上下に並ぶ複数の台形図形により走行レーンを模すことで、クルーズ制御をイメージ可能に形成される。このときクルーズ作動画像2566の表示色は、クルーズ制御の状態に従って設定される。
具体的に実オン期間Trocには、図24〜28に右上がりハッチングを付して示す例えば水色等、実オン期間Trolのレーン作動画像2565と同一色にクルーズ作動画像2566の表示色が設定される。一方で準備期間Trdcには、図23に左上がりハッチングを付して示す例えばアンバー色等、準備期間Trdlのレーン作動画像2565と同一色にクルーズ作動画像2566の表示色が設定される。さらに、クルーズ制御がオフ状態になると、クルーズ作動画像2566の表示自体が終了する。このように第二実施形態においても、クルーズ制御の状態がオン状態と準備状態との間で切替わるのに応じて、クルーズ作動画像2566の表示色が変更される。
図25,26に示す追従作動画像2567は、実オン期間Trocのうち追従走行時に継続して虚像表示されることで、第二虚像表示領域A2ではクルーズ制御の当該追従走行時の状態を前方走行路8rと重畳させて示す。ここで追従作動画像2567は、クルーズ作動画像2566の上方に隣接する矩形図形により前方車両8vを模すことで、追従走行時のクルーズ制御をイメージ可能に形成される。このとき追従作動画像2567の表示色は、図25,26に右上がりハッチングを付して示す例えば水色等、実オン期間Trocのクルーズ作動画像2566と同一色に設定される。さらに、クルーズ制御のオン状態にあっても自車両2が追従走行から単独走行に切替わる、又はクルーズ制御がオフ状態になると、追従作動画像2567の表示自体が終了する。
以上の第二実施形態にてHCU54は、第一実施形態と同様なレーン制御状態チェックフロー、レーン制御予定チェックフロー及びクルーズ制御状態チェックフローを実現する一方、第一実施形態とは異なる第一虚像表示フロー及び第二虚像表示フローを実現する。そこで以下では、図29〜31に示す第一虚像表示フローと、図32に示す第二虚像表示フローとについて説明する。
図29に示すように第二実施形態の第一虚像表示フローでは、S406,S407を実行しないで、S405にて肯定判定が下された場合にS408へと直接移行することで、S401〜S405,S408〜S411を第一実施形態に準じて実行する。ここでS401〜S405,S408〜S411での処理は、画像560,561,562を画像2560,2561,2562と読み替えた処理となる。
また、第二実施形態の第一虚像表示フローでは、S405にて否定判定が下された場合には、 図30に示すようにS416を実行してから、S2417へ移行する。S2417では、S416にて取得されたレーン制御予定フラグFpの設定内容を、判定する。その結果、レーン制御予定フラグFpの設定内容が「OFF」である場合には、S418へ移行することで、S418〜S421を第一実施形態に準じて実行する。ここでS418〜S421での処理は、画像560,561,562を画像2560,2561,2562と読み替えた処理となる。また、S2417での判定の結果、レーン制御予定フラグFpの設定内容が「END」である場合には、S422へ移行することで、S422〜S425を第一実施形態に準じて実行する。ここでS422〜S425での処理は、画像560,561,562を画像2560,2561,2562と読み替えた処理となる。
さらに、第二実施形態の第一虚像表示フローでは、S2417での判定の結果、レーン制御予定フラグFpの設定内容が「START」である場合には、図31に示すように、S2412へ移行する。S2412では、予定経路Rpに関連した「経路情報」と、開始予定位置Psに関連した「開始情報」と、前方車両8vに関連した「前方情報」として、車両制御ECU42のうち統合制御ECUでの制御情報を取得する。続くS2413では、クルーズ制御にて自車両2を追従させている前方車両8vは存在するか否かを、S2412での取得情報に基づき判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS2414へ移行する一方、肯定判定が下された場合にはS2415へ移行する。
自車両2が単独走行している場合となるS2414では、経路画像2560を、開始予定期間Tpslの表示色にて形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。それと共にS424では、開始画像2561を、開始予定期間Tpslの表示色に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。ここで、特に本実施形態のS2414では、S2412にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、予定経路Rpに重畳表示される経路画像2560と、当該経路Rp上の開始予定位置Psに重畳表示される開始画像2561とを形成する。さらにS2414では、S2412にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、検知強調画像563を、第一実施形態にて説明のS410と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。加えてS2414では、第一虚像表示領域A1での画像2562,564の表示を消去する。
一方、自車両2が追従走行している場合となるS2415では、S2412にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、経路画像2560及び開始画像2561を、上記のS2414と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。それと共にS2415では、S2412にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、検知強調画像563及び車両強調画像564を、第一実施形態にて説明のS411と同様に形成して第一虚像表示領域A1に表示させる。さらにS2415では、第一虚像表示領域A1での画像2562の表示を消去する。尚、このS2415及び上記のS2414の実行終了後には、S401へ戻る。
図32に示すように第二実施形態の第二虚像表示フローでは、S511の実行終了後にはS2513へと移行することを除いて、S501〜S512を第一実施形態に準じて実行する。ここでS501〜S512での処理は、画像565,566を画像2565,2566と読み替えた処理となる。
S2513では、クルーズ制御と関連する「作動情報」として、車両制御ECU42のうち統合制御ECUでの制御情報を取得する。続くS2514では、クルーズ制御にて自車両2を追従させている前方車両8vは存在するか否かを、S2513での取得情報に基づき判定する。その結果、否定判定が下された場合にはS501へ戻る一方、肯定判定が下された場合にはS2515へ移行する。
S2515では、S2513にて取得された統合制御ECUでの制御情報に基づくことで、追従作動画像2567を、実オン期間Trocの表示色に形成して第二虚像表示領域A2に表示させる。尚、このS2515の実行終了後には、S501へ戻る。
以上より第二実施形態では、HCU54のうちS101〜S106,S401,S418,S422,S2412を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「経路情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS403〜S405,S409〜S411,S419〜S421,S423〜S425,S2413〜S2415,S2417を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「経路画像形成手段」に相当する。また、第一実施形態では、S101〜S106,S401,S418,S422,S2412は、プロセッサ54pにより実行される「経路情報取得ステップ」に相当し、S403〜S405,S409〜S411,S419〜S421,S423〜S425,S2413〜S2415,S2417は、プロセッサ54pにより実行される「経路画像形成ステップ」に相当する。
さらに第一実施形態では、HCU54のうちS201〜S207,S416,S2412を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「開始情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS403〜S405,S409〜S411,S419〜S421,S423〜S425,S2413〜S2415,S2417を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「開始画像形成手段」に相当する。また、第一実施形態では、HCU54のうちS201〜S207,S416,S422を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「終了情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS403〜S405,S409〜S411,S419〜S421,S423〜S425,S2413〜S2415,S2417を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「終了画像形成手段」に相当する。
加えて第一実施形態では、HCU54のうちS301〜S306,S402,S408,S418,S422,S2412を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「前方情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS403〜S405,S409〜S411,S419〜S421,S423〜S425,S2413〜S2415,S2417を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「強調画像形成手段」に相当する。また、第一実施形態では、HCU54のうちS101〜S106,S301〜S306,S501,S507,S2513を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「作動情報取得手段」に相当し、HCU54のうちS502〜S506,S508〜S512,S2514,S2515を実行する部分は、プロセッサ54pにより構築される「作動画像形成手段」に相当する。
ここまで説明した第二実施形態によると、漸次延伸する動画状の経路画像560による作用効果と、同一色の画像560,562による作用効果とを除いて、第一実施形態と同様な作用効果を発揮可能である。また、第二実施形態による経路画像2560は、前方走行路8r上の決められた箇所に位置決めして重畳されることで、車速に合わせて自車両2側へと接近する動画状に形成される。これによりユーザに対しては、レーン制御による予定経路Rpの正しさだけでなく、レーン制御が正しく継続されていることも、直感的に且つ迅速に把握させることができる。故に、安心感を高めることが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
第一実施形態に関する変形例1では、開始予定期間Tpslに経路画像560を表示させてもよい。第二実施形態に関する変形例2では、開始予定期間Tpslに経路画像2560の表示を消去してもよい。ここで、かかる変形例2では、開始予定期間Tpslにおいて経路画像2560を表示させることなく、ドット状の開始画像2561を表示させる。
第一実施形態に関する変形例3では、予定経路Rpの全体を示すように、長手形状の経路画像560を継続的に表示させてもよい。第二実施形態に関する変形例4では、ドット状に形成した経路画像2560の表示数を、自車両2側から前方へ向かって漸次増加させる表示を、繰返してもよい。
第一実施形態に関する変形例5では、経路画像560の表示色を、通常オン期間Tnolと終了予定期間Tpelとで同一色に設定してもよい。第二実施形態に関する変形例6では、経路画像2560の表示色を、通常オン期間Tnolと終了予定期間Tpelとで異ならせてもよい。ここで、かかる変形例6ではさらに、経路画像2560の表示色を、通常オン期間Tnolと終了予定期間Tpelと開始予定期間Tpslとで異ならせてもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例7では、開始画像561,2561及び終了画像562,2562のうち少なくとも一方を、表示させなくてもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例8では、クルーズ制御の開始が予定される開始予定位置を示すための開始画像、及びクルーズ制御の終了が予定される終了予定位置を示すための終了画像のうち少なくとも一方を、表示させてもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例9では、開始画像561,2561及び終了画像562,2562のうち少なくとも一方を、点滅表示させてもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例10では、開始画像561,2561の表示色と終了画像562,2562の表示色とを同一色に設定してもよい。
第一実施形態に関する変形例11では、開始画像561の表示色と経路画像560の表示色とを異ならせてもよい。第二実施形態に関する変形例12では、開始画像2561の表示色と経路画像2560の表示色とを同一色に設定してもよい。
第一実施形態に関する変形例13では、終了画像562の表示色と経路画像560の表示色とを異ならせてもよい。第二実施形態に関する変形例14では、終了画像2562の表示色と経路画像2560の表示色とを同一色に設定してもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例15では、追従走行時には車両強調画像564を検知強調画像563と共に表示させるが、単独走行時には車両強調画像564の表示を検知強調画像563の表示と共に消去してもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例16では、特定条件が成立した場合に限り、強調画像563,564を表示させてもよい。ここで特定条件とは、例えば単独走行と追従走行との切替えが生じることや、走行ラインの変更が生じること等である。
第一及び第二実施形態に関する変形例17では、追従走行時において、検知強調画像563及び車両強調画像564のうちいずれか一方を表示させなくてもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例18では、強調画像563,564を表示させなくてもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例19では、強調画像563,564の表示色と経路画像560の表示色とを異ならせてもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例20では、レーン作動画像565,2565及びクルーズ作動画像566,2566のうち少なくとも一方を、表示させなくてもよい。第二実施形態に関する変形例21では、追従作動画像2567を表示させなくてもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例22では、レーン作動画像565,2565の表示色を、レーン制御の状態に拘らず一定色に設定してもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例23では、クルーズ作動画像566,2566の表示色を、クルーズ制御の状態に拘らず一定色に設定してもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例24では、HDU50に代えて又は加えて、他の表示要素51,52のうち少なくとも一方により、作動画像565,566,2565,2566,2567を表示してもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例25では、画像560,561,562,563,564,565,566,2560,2561,2562,2565,2566,2567の表示、消去若しくは表示色の変更等に併せて、音波又は音声による報知を実行してもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例26では、画像560,561,562,563,564,565,566,2560,2561,2562,2565,2566,2567の表示、消去若しくは表示色の変更等に併せて、ユーザへの振動付与による報知を実行してもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例27では、自動制御スイッチがオン操作された状態下では、クルーズ制御スイッチに拘らず、レーン制御スイッチのオン操作によりレーン制御を開始してオン状態としてもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例28では、乗員センサ41としての自動制御スイッチを設けなくてもよい。ここで、かかる変形例28では、自動制御スイッチがオン操作された状態下でのレーン制御スイッチのオン操作により、又は変形例27と組合わせて乗員センサ41としてのレーン制御スイッチのオン操作のみにより、レーン制御を開始してオン状態としてもよい。また、変形例28では、乗員センサ41としてのクルーズ制御スイッチのオン操作のみにより、クルーズ制御を開始してオン状態としてもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例29では、車両制御ECU42としての統合制御ECUによりレーン制御以外の自動制御を実行する際に自車両2を追従させる予定経路Rpを設定して、当該経路Rpに応じた経路画像560,2560を形成してもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例30では、車両制御ECU42としての統合制御ECUにより自車両2の走行レーンにおける幅方向位置を自動制御することで、区画線からの逸脱規制の状態と、区画線を跨ぐレーン変更の状態とを切替えてもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例31では、自車両2のクルーズを自動制御することで、高速域等の特定車速域での車間距離又は車速を保つアダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)をFSRAに代えて、車両制御ECU42としての統合制御ECUにより実現してもよい。第一及び第二実施形態に関する変形例32では、車両制御ECU42としての統合制御ECUにより、クルーズ制御を実行しなくてもよい。ここで、かかる変形例32では、変形例18を組合わせて採用する。
第一及び第二実施形態に関する変形例33では、HCU54を設けなくてもよい。こうした変形例33では、例えばECU31,42と、表示要素50,51,52の制御用に設けられる表示ECUとのうち、一種類又は複数種類を「車両用表示制御装置」として機能させてもよい。即ち、一種類又は複数種類のECUが有するプロセッサにより、各実施形態の表示制御フローを実現して「虚像表示制御手段」構築してもよい。ここで図33は、HUD50のうちプロセッサ54p及びメモリ54mを有したECU50eにより、「車両用表示制御装置」の機能を果たす場合の変形例33を、示している。