JP6971439B2 - 二重三相巻線永久磁石同期形電動機の数学モデルと同モデルに立脚した模擬・特性解析・制御装置 - Google Patents

二重三相巻線永久磁石同期形電動機の数学モデルと同モデルに立脚した模擬・特性解析・制御装置 Download PDF

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本発明は、永久磁石を有する回転子と2個の三相巻線(第1三相巻線と第2三相巻線)を有する固定子とからなる二重三相巻線永久磁石同期形電動機の数学モデル、および同モデルに立脚した模擬装置、特性解析装置、制御装置に関する。
以降の説明では、簡単のため、「巻線」を「三相巻線」と同義で使用する。上記の二重三相巻線永久磁石同期形電動機を、簡単のため、二重同期電動機と略称する。
本発明では、二重同期電動機において三相巻線が施された部分を「固定子」と呼称する。本発明における「固定子」は、「電機子」と同義である。固定子に施される三相巻線には、Y形とΔ形が存在する。当業者には周知のように、三相端子から評価した場合、Y形巻線による特性とΔ形巻線による特性は互いに等価変換される。説明の簡明性を確保すべく、本明細書における技術説明は、Y形結線を想定して行なう。等価変換の存在より明白なように、これにより、本発明の一般性を失うことなない。
本発明では、2次元平面を極座標的に捉え、角度、空間的位置、空間的位相の3用語を同義で使用する。これらの単位は「ラジアン(rad)」または「度(degree)」である。本発明における角度、空間的位置、空間的位相の正方向は、左周り(反時計周り)、右周り(時計周り)のいずれに定義してもよい。ただし、本明細書では、説明の簡明性を維持すべく、角度、空間的位置、空間的位相の正方向は左周り(反時計周り)と定義し、本発明を説明する。これにより、本発明の一般性を失うことはない。
本発明では、原則として、第1巻線、第2巻線に関連したパラメータ、物理量等を各々脚符1、2を付してこれを明示する。また、原則として、d軸、q軸の直交2軸からなるdq同期座標系(図4を用いて後に詳細説明)において、各軸と関連したパラメータ、物理量等には、脚符d、qを付して各軸との関係を明示する。
本発明の対象とする二重同期電動機の数学モデルに関する先行発明、同数学モデルに立脚した模擬装置、特性解析装置、制御装置としては、例えば、特許文献1、非特許文献1〜6がある。先行発明の二重同期電動機は、固定子の二重三相巻線の配置の観点から、三相単純同期電動機(特許文献1、非特許文献1)、六相同期電動機(非特許文献2〜4)、三相逆同期電動機(非特許文献5〜6)の3種に概略ながら大別される。
非特許文献1を参考に、先行発明の二重同期電動機(三相単純同期電動機)の概要を、極対数NpをNp=1とした場合を例に、図1に示した。1は二重同期電動機(回転子、固定子を含む)を、11は二重同期電動機の回転子を、121は二重同期電動機の固定子の第1巻線を、122は二重同期電動機の固定子の第2巻線を、各々示している。同図では、固定子の第1巻線と第2巻線との区別の明瞭化を図るべく、第1巻線は実線で、第2巻線は破線で表示している。また、第2巻線が、巻線配置上第1巻線と重なるため、描画上の重複を回避すべく、第2巻線を意図的に右にシフトして描画している。
本配置による二重同期電動機(三相単純同期電動機)は、以下の特徴を有する。(a)第1巻線、第2巻線とも、u相巻線、v相巻線、w相巻線は、1極対数を基準とした空間において、順次2π/3[rad]の空間的位相進みの位置に配置されている。(b)原理的には、第1巻線と第2巻線は、空間上で位相差なく配置されている。(c)原理的には、極対数は任意の整数を取りうる。すなわち、奇数または偶数の極対数が採用可能である。(d)第1巻線と第2巻線に同時通電する場合も、いずれか一方の巻線のみに通電する場合も、相数は三相のまま不変である。(e)原理的には、第1巻線と第2巻線との同時通電の場合には、第1巻線と第2巻線の電流は位相差のない同期が必要である。
二重同期電動機の固定子巻線配置の第2例(六相同期電動機の例)として、非特許文献2〜4を参考に、極対数NpをNp=1とした場合を例に、図2に、回転子とともに概略的に示した(巻線抵抗の描画は省略)。引き線番号1、11、121、122の意味は、図1と同一である。ただし、第2巻線の配置を第1巻線に対して、1極対数を基準とした空間において、空間的にθ12=π/6[rad]シフトしている点が図1の例と異なっている。
本配置による二重同期電動機(六相同期電動機)は、三相単純同期電動機(図1)に比較し、以下の特徴を有する。(a)例1の(a)項と同様。(b)原理的には、第1巻線と第2巻線は、1極対数を基準とした空間において、π/6[rad]の空間的位相差をもつように配置されている。(c)例1の(c)項と同様。(d)第1巻線と第2巻線に同時通電する場合は、六相電動機として動作し、いずれか一方の巻線のみに通電する場合には三相電動機として動作する。(e)原理的には、第1巻線と第2巻線との同時通電の場合には、第1巻線と第2巻線との電流は、空間位相差に対応した位相差をもつ同期が必要である。
二重同期電動機の固定子巻線配置の第3例(三相逆同期電動機の例)として、非特許文献5〜6を参考に、極対数NpをNp=2とした場合の例を図3に、回転子とともに概略的に示した(巻線抵抗の描画は省略)。引き線番号1、11、121、122の意味は、図1と同一である。
本巻線配置による二重同期電動機(三相逆同期電動機)は、例1、例2に比較し、以下の特徴を有する。(a)第1巻線、第2巻線とも、u相巻線、v相巻線、w相巻線は、2極対数を基準とした空間において、順次2π/3[rad]の空間的位相遅れの位置に配置されている。(b)原理的には、第1巻線と第2巻線は、2極対数を基準とした空間において、±π[rad]の位相差をもつように配置されている。(c)極対数は偶数のみ取りうる。すなわち、奇数の極対数は採用できない。(d)例1の(d)項と同様。(e)例1の(e)項と同様。
図1〜図3に例示した二重同期電動機においては、第1巻線と第2巻線は必ずしも同一特性をもつように構成される必要はない。両巻線は、特許文献1及び非特許文献1〜5に示されているように同一特性をもつように構成することも、また、非特許文献6に示されているように互いに異なる特性をもつように構成することも可能である。
続いて、二重同期電動機を対象した数学モデルに関する先行発明技術を紹介する。数学モデルの説明に際し、数学モデルが定義される座標系を説明する。図4を考える。図4には、αβ固定座標系、dq同期座標系、γδ一般座標系を示している。αβ固定座標系は固定子に対応した座標系であり、一般に、α軸は、固定子第1巻線のu相巻線の中心に取られる(固定子第2巻線のu相巻線の中心にとっても本質的相違はない)。dq同期座標系は回転座標系の1つであり、特に、d軸が回転子のN極と同期した座標系となっている。すなわち、dq同期座標系においては、d軸の位相は回転子磁束の位相と同一である。dq同期座標系の速度は、回転子速度(電気速度)ωnと瞬時瞬時において同一である。γδ一般座標系は、任意の座標系速度ωγをもつ一般性に富む座標系である。γδ一般座標系は、特別の場合として、αβ固定座標系、dq同期座標系を包含している。また、座標系の位相に関しては、α軸からみたd軸の位相をθαとし、α軸からみたγ軸の位相をθαγとし、γ軸からみたd軸の位相をθγとしている。
図1〜図3に示した3種の二重同期電動機は、明らかに異なった巻線配置を有する。しかし、これらの数学モデルに関しては、γδ一般座標系、αβ固定座標系、dq同期座標系のいずれの座標系上でも、同一の数学モデルが共通して利用される。先行発明の数学モデルに関しては、非特許文献6が最も詳細かつ正確に示している。これによれば、先行発明の数学モデル(特に回路方程式(第1基本式))は、dq同期座標系上では、次式で与えられる。
Figure 0006971439
数学モデルにおける脚符1、2およびd、qの意味はすでに説明した通りである。記号sは微分演算子d/dtを意味している。第1巻線を例に、数学モデルに使用した物理量を説明する。dq同期座標系上で定義された2×1ベクトルv1、i1は、それぞれ固定子の電圧、電流を意味している。R1は固定子巻線の抵抗であり、Φ1は固定子巻線からみた回転子磁束強度(起電力定数)である。L1d、L1qは、d軸(自己)インダクタンス、q軸(自己)インダクタンスである。また、Md、Mqは、各々、d軸相互インダクタンス、q軸相互インダクタンスである。
非特許文献6によれば、(1)式の回路方程式(第1基本式)に対応したトルク発生式(第2基本式)は、次式のように構築されている。
Figure 0006971439
(2a)式におけるNpは極対数を意味する。また、(2a)式に用いられたL1m、L2m、Mmの定義は、(2b)式の通りである。なお、L1m、L2mは各々第1、第2巻線の鏡相(自己)インダクタスと呼ばれる。Mmは鏡相相互インダクタンスと呼ばれる。
非特許文献6によれば、(1)式の回路方程式(第1基本式)、(2)式のトルク発生式(第2基本式)に対応したエネルギー伝達式(第3基本式)は、回転子速度(機械速度)ωmを用い、次式のように構築されている。
Figure 0006971439
(3c)式は、回転子の速度に関し、電気速度ωnと機械速度ωmの関係を示したものでもある。
(1)式の回路方程式(第1基本式)は、電気回路としての二重同期電動機の動特性を記述したものである。(1)式の関係は、すなわち回路方程式(第1基本式)は、電気速度ωnで回転するdq同期座標系上の仮想ベクトル回路として、図10のように描画される。同図における電圧、電流等のすべての物理量は、dq同期座標系上で定義された2×1ベクトルである。また、同図における2×2インダクタンス行列L1、L2、Mは、以下のように定義されている。
Figure 0006971439
二重同期電動機は、トルク発生機でもある。(2)式のトルク発生式(第2基本式)は、トルク発生機としての電動機特性を記述したものである。特に(2a)式の第2式の右辺第1項はリラクタンストルクを、同第2項はマグネットトルクを意味している。同第1項は、「リラクタンストルクには、各巻線自体によるリラクタンストルクと、第1巻線と第2巻線の相互誘導(磁気的結合)によるリラクタンストルクが存在する」ことも示している。
二重同期電動機は、電気エネルギーを機械エネルギーへ変換するエネルギー変換機でもある。(3)式のエネルギー伝達式(第3基本式)は、エネルギー変換機としての動特性を記述したものである。エネルギー変換機としての特性を表現したエネルギー伝達式は、(3a)式左辺が瞬時入力電力(有効電力)を示し、同式右辺が入力瞬時電力が如何に消耗、蓄積、伝達されるかを示している。(3a)式右辺の第1項は第1、第2巻線で発生した銅損を、第2項は第1、第2巻線に蓄積された磁気エネルギーの瞬時変化を、第3項は、回転子から出力される瞬時機械的電力(単位はワット、軸から出力される機械エネルギーの瞬時値)を、おのおの意味している。
当然のことながら、数学モデルを構成するこれら3基本式は、数学的に整合している。しかしながら、いずれの基本式にも、鉄損への考慮はなされていない。当業者には、周知のように、通常の永久磁石同期電動機においては、速度向上につれ、総合損失に占める鉄損の割合は増加し、定格速度以上の高速域では、鉄損が総合損失における支配的損失となる。このような特性は、二重同期電動機においても同様に見られる。しかしながら、二重同期電動機の先行発明の数学モデルは、鉄損の考慮をしておらず、定格速度以上の高速域では、本電動機の模擬、特性解析、制御への利用には大きな誤差を伴う。このため、先行発明の数学モデルは、定格速度以上の高速域での利用を想定した模擬装置、特性解析装置、制御装置への使用が困難であった。
佐竹彰・水野滋基:「多重巻線電動機の制御装置」、特開第2003−153585号(2001−11−6)
佐竹彰・加藤覚・今中晶:「多重巻線永久磁石モータのモデル化と非干渉制御方式」、電気学会産業応用部門大会講演論文集、I、pp.199−202(2005) J.Karttunen,S.Kallio,P.Peltoniemi,P.silventoinen,and O.Pyrhonen:"Dual Three−Phase Permanent Magnet Synchronous Machine Supplied by Two Independent Voltage Source Inverters",Proc.of 2012 International Symp.on Power Electronics,Electrical Drives,Automation and Motion(SPEEDAM 2012),pp.741−747(2012) S.Kallio,M.Andriollo,A.Tortella,and J.Karttunen:"Decoupled d−q Model of Double−Star Interior−Permanent−Magnet Synchronous Machines",IEEE Trans.Ind.Elect.Vol.60,No.6,pp.2086−2494(2013) 森辰也・古川晃:「二重三相PMSM駆動1シャント電流検出ダブルインバータにおけるトルクリップルを低減するパルスパターン」、電気学会産業応用部門大会講演論文集、III、pp.159−164(2016) 新中新二:「180度空間位相差の逆二重三相巻線をもつ三相永久磁石同期モータ(二重巻線配置、動的数学モデル、ベクトルシミュレータ)」、平成28年電気学会産業応用部門大会講演論文集、III、pp.285−290(2016) 新中新二:「180度空間位相差の逆二重三相巻線をもつ三相永久磁石同期モータ(二重巻線配置、動的数学モデル、ベクトルシミュレータ)」、電気学会論文誌D、Vol.137,No.2,pp.75−86(2017)
本発明は上記背景の下になされたものである。本発明の目的は、二重同期電動機のための数学モデルであって、低速域はもちろんのこと、定格速度以上の高速域でも、模擬、特性解析、制御への利用可能な数学モデルを提供することにある。さらには、同モデルに立脚した模擬装置、あるいは特性解析装置、あるいは制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、永久磁石を有する回転子と2個の三相巻線(第1三相巻線と第2三相巻線)を有する固定子とからなる永久磁石同期形電動機の模擬、あるいは特性解析、あるいは制御のための数学モデルであって、永久磁石同期形電動機が発生する鉄損を等価的に模擬する等価鉄損抵抗を備え、かつ、同等価鉄損抵抗による電圧低下と永久磁石同期形電動機の固定子鎖交磁束の主成分による電圧低下とが概ね等しくなるように、同等価鉄損抵抗を備えるようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の永久磁石同期形電動機の模擬、あるいは特性解析、あるいは制御のための数学モデルであって、微分演算子を「s」とし、該回転子の電気速度を「ωn」とし、該回転子永久磁石のN極の位相をd軸の位相とし、d軸に対してπ/2[rad]の位相進みにq軸をもつ2軸直交座標系をdq同期座標系とし、該第1巻線と該第2巻線との間のd軸相互インダクタンスを「Md」とし、q軸相互インダクタンスを「Mq」とし、等価鉄損抵抗を「Rc」とし、dq同期座標系上における、該第1巻線の電流を「i1」とし、該第2巻線の電流を「i2」とし、相互インダクタスに等価的に流れ込む等価負荷電流を「iM」とし、等価鉄損抵抗に等価的に流れ込む等価鉄損電流を「ic」とし、相互インダクタスに等価的に鎖交する回転子磁束を「φM」とするとき、該数学モデルが、dq同期座標系上での評価において次式を満たすように、
Figure 0006971439
該等価鉄損抵抗を備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、永久磁石を有する回転子と2個の三相巻線(第1三相巻線と第2三相巻線)を有する固定子とからなる永久磁石同期形電動機のための数学モデル立脚形の模擬装置、あるいは特性解析装置、あるいは制御装置であって、立脚の該数学モデルに、永久磁石同期形電動機の発生する鉄損を等価的に模擬する等価鉄損抵抗を備えさせ、かつ、同等価鉄損抵抗による電圧低下と永久磁石同期形電動機の固定子鎖交磁束の主成分による電圧低下とが概ね等しくなるように、同等価鉄損抵抗を備えさせるようにしたことを特徴とする。
本発明の効果を説明する。磁気回路の損失である鉄損は、磁気回路に流れる磁束の二乗に比例することが知られている。また、鉄損を構成する支配的損失は、渦電流損とヒステリシス損であることも、当業者には周知である。渦電流損、ヒステリシス損は、電圧、電流の周波数の二乗、絶対値に各々比例することが知られている。電圧、電流の周波数は、二重同期電動機にあっては、電気速度ωnと同一である。電動機の模擬、あるいは特性解析、あるいは制御のための数学モデルに対しては、これら利用に供しうる程度のコンパクト性が要求される。コンパクト性を確保すべく、電動機の数学モデルでは、磁気回路上の損失である鉄損を、電気回路上の損失として等価的にモデル化することになる。損失を発生しうる電気回路素子は、抵抗である。電動機の数学モデルでは、等価鉄損抵抗を導入し、等価鉄損抵抗による損失として鉄損を表現することになる。等価鉄損抵抗による損失は、鉄損の元来の特性「二乗磁束に比例」、「二乗周波数あるいは絶対周波数に比例」を表現しうるものが最良である。
請求項1の発明に従えば、数学モデルは、二重同期電動機が発生する鉄損を等価的に模擬する等価鉄損抵抗を備え、かつ、同等価鉄損抵抗による電圧低下と二重同期電動機の固定子鎖交磁束の主成分による電圧低下とが概ね等しくなるように、同等価鉄損抵抗を備えることになる。請求項1の発明による等価鉄損抵抗による損失は、鉄損の元来の特性「二乗磁束に比例」、「二乗周波数あるいは絶対周波数に比例」を表現することができる。この詳細は、第1実施例の説明の際に、数式を用いて立証する(後掲の図6、(12)式〜(14)式を用いた説明を参照)。ひいては、請求項1の発明によれば、低速から定格速度を超える広い速度領域において、二重同期電動機の模擬、あるいは特性解析、あるいは制御に供しうる数学モデルを提供できるようになると言う効果が得られる。
つづいて、請求項2の発明の効果を説明する。請求項1の発明による数学モデルは、dq同期座標系、αβ固定座標系、γδ一般座標系のいずれの座標系の上でも構築可能である。しかしながら、構築の難易度は同一ではない。3座標系の中ではdq同期座標系上での構築がもっとも平易である。ひいては、請求項2の発明によれば、二重同期電動機の模擬、あるいは特性解析、あるいは制御に供しうる数学モデルを最も簡単に構築できると言う効果が得られる。この結果、請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果を高めることができると言う効果も得られる。
つづいて、請求項3の発明の効果を説明する。請求項3の発明は、請求項1の発明による数学モデルに立脚した模擬装置、あるいは特性解析装置、あるいは制御装置の構築を可能とするものである。この結果、請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果を、当該の模擬装置、あるいは特性解析装置、あるいは制御装置に反映さすことができると言う効果を得ることができる。すなわち、請求項3の発明によれば、低速から定格速度を超える広い速度領域において適用可能な、二重同期電動機のための模擬装置、あるいは特性解析装置、あるいは制御装置を構築できると言う効果を得ることができる。
「二重三相巻線永久磁石同期形電動機の巻線配置例(三相単純同期電動機)を示す図」 「二重三相巻線永久磁石同期形電動機の巻線配置例(六相同期電動機)を示す図」 「二重三相巻線永久磁石同期形電動機の巻線配置例(三相逆同期電動機)を示す図」 「3種の2軸直交座標系の関係を示す図」 「二重三相巻線永久磁石同期形電動機のための等価鉄損抵抗を備えた仮想ベクトル回路の例を示す図」 「等価鉄損抵抗の細部構成例を示す図」 「本発明によるdq同期座標系上の模擬装置あるいは特性解析装置の構成例を示す図」 「本発明によるdq同期座標系上の模擬装置あるいは特性解析装置の構成例を示す図」 「本発明によるdq同期座標系上の制御装置を用いた駆動システムの構成例を示す図」 「二重三相巻線永久磁石同期形電動機の先行発明の仮想ベクトル回路の例を示す図」
以下、図面を用いて、本発明の好適な実施態様を具体的に説明する。
二重同期電動機に対して請求項1〜2の発明を用いた二重同期電動機のための数学モデルを以下に示す。数学モデルの簡明な表現を図るべく、2×2漏れインダクタンス行列l1、l2を次式のように定義する。
Figure 0006971439
(6)式における2×2インダクタンス行列L1、L2、Mの定義は、(4)式の通りである。
請求項1の発明に従うならば、すなわち「鉄損を等価的に模擬する等価鉄損抵抗を備える」、「等価鉄損抵抗による電圧低下と永久磁石同期形電動機の固定子鎖交磁束の主成分による電圧低下とが概ね等しくなるように、同等価鉄損抵抗を備える」に従うならば、次の2点を構築できる。
(a)磁気回路での損失である鉄損は、漏れインダクタンス行列l1、l2関連の磁束に起因した鉄損は無視でき、相互インダクタンス行列M関連の磁束と回転子磁束とによる鉄損が支配的である。
(b)固定子電流は、固定子鉄損を担う等価鉄損電流icと主要な磁束およびトルク発生に寄与する等価負荷電流iMとに、等価的に分離できる。
上記の2点(a)、(b)をdq同期座標系上で考慮すると、図5のdq同期座標系上の仮想ベクトル回路を得ることができる。図5における2×1ベクトル信号は、すべてdq同期座標系上で定義されている。また、図5における他の信号、記号の意味は、すでに説明した通りである。
図5より、dq同期座標系上の数学モデル(特に回路方程式(第1基本式))として、次式を構築することができる。
Figure 0006971439
上の(7)式すなわち回路方程式(第1基本式)を構成する(7c)、(7d)式は、請求項2の発明による(5a)、(5b)式と完全同一である。(7c)式で用いた2×2行列Dの定義は、すでに(1d)式として与えられている。また、(7)式に用いた信号、行列、ベクトルの定義はすでに与えたとおりである。
請求項1、2の発明によれば、(7)式の回路方程式と整合すべき、dq同期座標系上のトルク発生式(第2基本式)としては、次式が構築される。
Figure 0006971439
(8)式に新規出現したスカラ信号、2×2行列は、以下のように定義されている。
Figure 0006971439
また、請求項1、2の発明によれば、(7)式の回路方程式(第1基本式)と(8)式のトルク発生式(第2基本式)とに整合すべき、dq同期座標系上のエネルギー伝達式(第3基本式)としては、次式が構築される。
Figure 0006971439
数学モデルを構成する3基本式(回路方程式・(7)式、トルク発生式・(8)式、エネルギー伝達式・(10)式)の整合性は、以下の手順に従い、数学的に厳密に証明することができる。(10)式の左辺である瞬時入力電力を、第1基本式である(7)式を用いて、処理・算出・する。処理の段階で、第2基本式であるである(8)式を利用して、機械的出力をトルクを用いて算定する。これにより、第3基本式である(10)式が導出できる。3基本式の数学的な整合性は、3基本式(回路方程式・(7)式、トルク発生式・(8)式、エネルギー伝達式・(10)式)は、すべて、請求項1、2の発明に従ったものであることを数学的に明示している。
(10)式すなわちエネルギー伝達式(第3基本式)は、以下を意味している。右辺第1項は、第1、第2巻線による銅損を、第2項は等価鉄損抵抗による鉄損を、第3項は第1巻漏れインダクタンス、第2巻線漏れインダクタンス、第1、第2巻線間の相互インダクタンスに蓄積された全磁気エネルギーの微分値を、第4項は回転軸から出力される機械的電力(単位はワット、軸から出力される機械エネルギーの瞬時値)を示している。(10)式右辺には、疑義をもたせるような意味不明な項は一切ない。すなわち、先行発明の数学モデルでは考慮されていなかった鉄損が、請求項1、2の発明による数学モデルには、疑義のない形で取り込まれている。また、(8)式すなわちトルク発生式(第2基本式)は、先行発明のトルク発生式である(2a)式との比較より明白なように、鉄損の存在により、等価鉄損電流相当分の発生トルク低減が起きることを明示している。
なお、(9b)式における相互インダクタスに等価的に鎖交する回転子磁束ΦMの一応の選定目安は、次の通りである。
Figure 0006971439
鉄損を構成する支配的損失は、渦電流損とヒステリシス損である。本発明による数学モデルは、渦電流損とヒステリシス損を適切に表現できることを以下に示す。先ず、若干の準備をしておく。鉄損を発生する相互インダクタンス行列Mに関連した磁束と回転子磁束は、(7c)式に示している通りである。本磁束のノルムが一定の場合には、すなわち次の(12a)式が成立する場合には、(12b)式が成立する。
Figure 0006971439
また、等価鉄損抵抗を次式に示すように2種の抵抗でより詳細に表現するものとする。
Figure 0006971439
上式は、図6が示すように、等価鉄損抵抗Rcを2種の等価鉄損抵抗の並列配置による構成を意味している。また上式右辺第2項に対応する等価鉄損抵抗は、周波数比例特性を有する抵抗を意味している。
以上の準備の下に、損失表現の詳細評価に入る。(10)式の右辺第2項として示された等価鉄損抵抗による損失は、(12a)式、(13)式を用いると、次のように評価される。
Figure 0006971439
(14)式の右辺第1項は渦電流損を、第2項はヒステリシス損を示すものとなっている。すなわち、右辺第1項は、「二乗磁束に比例」、「二乗周波数(二乗速度と同一)に比例」の渦電流損特性を的確に表現している。一方、右辺第2項は、「二乗磁束に比例」、「絶対周波数(絶対速度と同一)に比例」のヒステリシス特性を的確に表現している。以上のように、請求項1、2の本発明による数学モデルは、渦電流損とヒステリシス損を適切に表現できる。
第1、第2巻線が、巻線に起因したパラメータが等しくなるように巻かれる場合には、本発明によるdq同期座標系上の数学モデルの1つは、(7)、(8)、(9)、(11)式より、ただちに次の(15)〜(17)式ように構築される(順次、回路方程式(第1基本式)・(15)式、トルク発生式(第2基本式)・(16)式、エネルギー伝達式(第3基本式)・(17)式)。
Figure 0006971439
Figure 0006971439
Figure 0006971439
数学モデルの構築は、3座標系の中ではdq同期座標系上での構築がもっとも平易である。一方で、数学モデルの構築は、3座標系の中ではγδ一般座標系上での構築がもっとも汎用性に富む。汎用性を考慮し、γδ一般座標系上の数学モデルを、請求項1の発明の第3実施形態例として、以下に与える(順次、回路方程式(第1基本式)・(18)式、トルク発生式(第2基本式)・(19)式、エネルギー伝達式(第3基本式)・(20)式)。
Figure 0006971439
Figure 0006971439
Figure 0006971439
Figure 0006971439
(18)式における2×1ベクトルとしての物理量(電圧、電流、磁束)は、すべてγδ一般座標系上で定義されている。特に、磁束は、位相θγを用いて以下のように定義されている。
Figure 0006971439
γδ一般座標系の数学モデルに対して、dq同期座標系の条件(θγ=0、ωγ=ωn)を適用すると、同モデルはdq同期座標系上の数学モデルに帰着する(図4参照)。また、γδ一般座標系の数学モデルに対して、αβ固定座標系の条件(θγ=θα、ωγ=0)を適用すると、同モデルはαβ固定座標系上の数学モデルとなる(図4参照)。
請求項3の発明に基づく実施形態の1例を次に示す。第1、第2巻線が、巻線に起因したパラメータが等しくなるように巻かれる場合には、請求項1、請求項2の発明により、二重同期電動機のdq同期座標系上の数学モデルの1つ(3基本式)は(15)〜(17)式で構築された。このときの回路方程式(第1基本式)である(15)式は、以下のように改めることができる。
Figure 0006971439
請求項3の発明に(22)式と(16)式を適用すると、二重同期電動機のためのdq同期座標系上の模擬装置あるいは特性解析装置として、図7を得る。図7の模擬装置あるいは特性解析装置においては、発生トルクは最後段ブロックで発生されている。本ブロックには、(16)式が実現されている。図6の模擬装置あるいは特性解析装置によれば、印加された第1、第2巻線の固定子電圧v1、v2に対し、第1、第2巻線の固定子電流i1、i2、等価負荷電流iM、等価鉄損電流ic、さらにはこれら電流と関係した各種磁束の瞬時値を模擬・解析できる。また、発生トルクの瞬時値も模擬・解析できる。さらには、模擬・解析されたこれの物理量を(17)式に適用すると、銅損、鉄損、磁気エネルギー、機械的電力の瞬時値を模擬・解析できる。
請求項3の発明に基づく他の実施形態例を次に示す。第1、第2巻線が、巻線に起因したパラメータが等しくなるように巻かれる場合には、請求項1、請求項2の発明により、二重同期電動機のdq同期座標系上の数学モデルの1つ(3基本式)は(15)〜(17)式で構築された。このときの回路方程式(第1基本式)である(15)式は、以下のように改めることができる。
Figure 0006971439
(23)式に用いた2×2インダクタンス行列に関しては、次の関係が成立している。
Figure 0006971439
請求項3の発明に(23)式、(24)式、(16)式を適用すると、二重同期電動機のためのdq同期座標系上の模擬装置あるいは特性解析装置として、図8を得る。図8の模擬装置あるいは特性解析装置においては、第1、第2巻線の固定子電流は、中段のブロックで発生されている。本ブロックには、(24)式が実現されている。一方、発生トルクは最後段ブロックで発生されている。本ブロックには、(15d)式の関係を利用した(16)式が実現されている。図6の模擬装置あるいは特性解析装置によれば、印加された第1、第2巻線の固定子電圧v1、v2に対し、第1、第2巻線の固定子電流i1、i2、等価負荷電流iM、等価鉄損電流ic、さらにはこれら電流と関係した各種磁束の瞬時値を模擬・解析できる。また、発生トルクの瞬時値も模擬・解析できる。さらには、模擬・解析されたこれの物理量を(17)式に適用すると、銅損、鉄損、磁気エネルギー、機械的電力の瞬時値を模擬・解析できる。
図7、図8を用いた実施形態例は、模擬装置あるいは特性解析装置を、dq同期座標系上の数学モデル((15)〜(17)式)を利用して、dq同期座標系上で実現したものである。さらには、第1、第2巻線が、巻線に起因したパラメータが等しくなるように巻かれることを前提としたものである。これに代わって、γδ一般座標系上の数学モデル((18)〜(20)式)を利用するならば、模擬装置あるいは特性解析装置を、γδ一般座標系(dq同期座標系、αβ固定座標系を包含)上で実現できることを指摘しておく。また、「第1、第2巻線が、巻線に起因したパラメータが等しくなるように巻かれる」との制約を撤去できることも指摘しておく。γδ一般座標系上の模擬装置あるいは特性解析装置は、図7、図8に示した模擬装置あるいは特性解析装置に対して、単純な置換処理で構成することができるので、これ以上の説明は省略する。また、請求項3の発明による模擬装置あるいは特性解析装置は、上記の実施形態例、実現例に限定されるものでないことを、指摘しておく。
請求項3の発明に基づく制御装置の実施形態の1例を示す。二重同期電動機として、三相単純同期電動機、三相逆同期電動機を選定し、請求項3の発明に基づく制御装置を利用した駆動システムの1例を図9に示した。図9は、制御装置を含む駆動システムの全体を描画している。駆動システムは大きくは、二重同期電動機(回転子、固定子を含む)1、電力変換装置2(破線ブロック表示)、制御装置3(破線ブロック表示)から構成されている。電力変換装置は、第1、第2巻線用の電力変換器21、電流検出器22から構成されている。制御装置3は、大きくは、指令変換器31と、第1、第2巻線用の電流制御部32(破線ブロック表示)から構成されている。電流制御部32では、第1、第2の2巻線の電流制御が独立的に遂行できるように、各巻線に対応する形で、3相2相変換器321a、2相3相変換器321b、ベクトル回転器322a、322b、電流制御器323を、個別に所有している。単一の回転子に対応して、回転子のための位相検出器(レゾルバ、エンコーダ等)324、速度検出器325は、共有されている。なお、同図では、簡明のため、複数のスカラ信号を1つのベクトル信号として捉え、複数のスカラ信号線を1本の太い信号線で表現している。三相二相変換器、二相三相変換器から左側に存在する二相信号(すなわち、2×1ベクトル信号)は、1本の太い信号線で表現している。なお、ベクトル信号の脚符r、sは、dq同期座標系上の信号、αβ固定座標系の信号であることを示している。本発明の核心は、指令変換器にある。本器を除く諸機器は基本的に先行発明のものと同様であるので、これ諸機器の説明は省略する。次に、本発明の核心である指令変換器について説明する。
指令変換器31は、トルク指令値τ*から第1巻線用の電流指令値i1*、第2巻線用の電流指令値i2*を生成する役割を担っている。例えば、(8)式のトルク発生式が示すように、同一のトルクを発生する第1、第2巻線の固定子電流は無数に存在する。無数に存在する固定子電流の中で重要な電流が、トルク発生式に対応したエネルギー伝達式に含まれる銅損と鉄損の総和(総合損失)を最小化する電流である。(8)式のトルク発生式には、(10)式のエネルギー伝達式が対応する。(10)式では、右辺第1項が銅損、第2項が鉄損を示している。指令変換器31は、数学モデルを構成するトルク発生式(第2基本式)、エネルギー伝達式(第3基本式)を中核に、必要に応じて回路方程式(第1基本式)の関係をも利用して、トルク指令値から銅損と鉄損の総和(総合損失)を最小化する電流指令値を生成する。当然のことながら、指令変換器31の実現には、請求項1、請求項2の発明に基づくような鉄損を考慮した数学モデルが使用される。すなわち、dq同期座標系上の鉄損を考慮した数学モデルに基づき構成される。
図9の駆動システム構成は、二重同期電動機として、三相単純同期電動機、三相逆同期電動機を対象としたものである。二重同期電動機として六相同期電動機を対象とする場合には、第1巻線、第2巻線のベクトル回転器へ受け渡す回転子位相に、第1巻線と第2巻線の位相差と同一の位相差をもたせればよい。これは、当業者には明らかであるので、これ以上の説明は省略する。本発明の核心である指令変換器に関しては、二重同期電動機として六相同期電動機を対象とする場合にも、何らの変更はない。
本発明は、バッテリ電気自動車、燃料電池電気自動車、ハイブリッド電気自動車の主駆動電動機、家電用高速電動機などに代表される広範囲(低速から定格速度を超える高速)にわたり効率駆動を要求される用途での二重同期電動機の模擬、特性解析、制御に好適である。加えて、二重同期電動機の模擬装置、特性解析装置、制御装置に好適である。
1 二重同期電動機
11 二重同期電動機の回転子
121 二重同期電動機の固定子の第1巻線
122 二重同期電動機の固定子の第2巻線
2 電力変換装置
21 電力変換器
22 電流検出器
3 制御装置
31 指令変換器
32 電流制御部
321a 三相二相変換器
321b 二相三相変換器
322a ベクトル回転器
322b ベクトル回転器
323 電流制御器
324 位相検出器
325 速度検出器

Claims (2)

  1. 永久磁石を有する回転子と2個の三相巻線(第1三相巻線と第2三相巻線)を有する固定子とからなる永久磁石同期形電動機のための数学モデル立脚形の模擬装置、あるいは特性解析装置、あるいは制御装置であって、
    立脚の該数学モデルに、
    永久磁石同期形電動機の発生する鉄損を等価的に模擬する等価鉄損抵抗を備えさせ、
    かつ、同等価鉄損抵抗による電圧低下と永久磁石同期形電動機の固定子鎖交磁束の主成分による電圧低下とが概ね等しくなるように、同等価鉄損抵抗を備えさせるようにしたことを特徴とする
    永久磁石同期形電動機のための数学モデル立脚形の模擬装置、あるいは特性解析装置、あるいは制御装置。
  2. 微分演算子を「s」とし、該回転子の電気速度を「ωn」とし、
    該回転子永久磁石のN極の位相をd軸の位相とし、d軸に対してπ/2[rad]の位相進みにq軸をもつ2軸直交座標系をdq同期座標系とし、
    該第1三相巻線と該第2三相巻線との間のd軸相互インダクタンスを「Md」とし、q軸相互インダクタンスを「Mq」とし、等価鉄損抵抗を「Rc」とし、
    dq同期座標系上における、該第1三相巻線の電流を「i1」とし、該第2三相巻線の電流を「i2」とし、相互インダクタスに等価的に流れ込む等価負荷電流を「iM」とし、等価鉄損抵抗に等価的に流れ込む等価鉄損電流を「ic」とし、相互インダクタスに等価的に鎖交する回転子磁束を「φM」とするとき、
    該数学モデルが、dq同期座標系上での評価において次式を満たすように、
    Figure 0006971439
    該等価鉄損抵抗を備えることを特徴とする請求項1記載の永久磁石同期形電動機のための数学モデル立脚形の模擬装置、あるいは特性解析装置、あるいは制御装置
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