JP6971217B2 - 親油性化合物を送達するためのナノカプセルおよびその調製プロセス - Google Patents

親油性化合物を送達するためのナノカプセルおよびその調製プロセス Download PDF

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Description

本発明は、直径1μm未満の液状コアをテンプレートとする、生体適合性を有する多糖類をベースとするカプセルであって、低分子量界面活性剤を使用することなく、電荷を有する疎水変性多糖により安定化されており、疎水性化合物を効率的に内包することができ、水性懸濁液中において長期安定性を示す、カプセルと、これらの調製プロセスおよび安定化プロセスとに関する。
安定性および生分解性を有する水中油型ナノエマルジョン(O/W)は、様々な活性化合物、特に、薬物、ビタミン類、ホルモン類、染色液、酸化防止剤、病虫害防除剤、核磁気共鳴画像化(MRI)造影剤および陽電子放出断層撮影(PET)造影剤の送達系として使用されるナノ製剤の最も一般的な形態の一つである。この種の担体の主な目的は、内包された化合物を劣化から保護することにより作用効率を向上し、体組織に及ぼされる有害反応を低減することにより毒性を低下させることにある。
不混和な2つの相に超音波支援または機械的支援による均質化を行うことによって水中油型エマルジョンが形成される。このプロセスは非常に単純に見えるが、安定な液滴を得ることはかなりの難題である。その理由は、ナノエマルジョンが熱力学的に不安定なことにあり、極性媒体中における油滴の安定性を向上させるためには安定剤を利用することが必要である。表面活性剤(界面活性剤)は、水/油界面に吸着され、それによって表面張力を低下させることができることから、油滴を安定化させるために一般に使用されている。これは液滴の表面を破壊し、そのサイズを縮小し、その凝集を、例えば静電反発力によって阻止するものである。
ナノエマルジョンの安定性を向上させる他の方策は、反対の電荷を有する高分子電解質を交互に吸着させるプロセスにより高分子超薄膜を形成させる交互吸着法(LbL)を実施するものである。結果として得られる構造体は、液状コアをテンプレートとするナノカプセルと称される。低分子量イオン性界面活性剤を使用すると油のコアを高分子のシェルで覆うことが可能になるが、ミセル系内における相互作用の動的特性による深刻な制限を受ける。最も重大な欠点は、系を過度に希釈すると界面活性剤濃度が低下して臨界ミセル濃度(CMC)を下回る可能性があり、そうなると油滴を安定化させている凝集体がバラバラになる、つまり、内包された化合物の放出が標的に到達する前に制御できなくなることにある。他の重要な点は、カプセルに安定なシェルを形成するためには安定な界面複合体の形成が重要であるという理由から、界面活性剤およびシェルの第1層となる高分子電解質の対を適切に選択することにある(U.Bazylinska et al.,Soft Matter,2011,7,6113−6124;Bazylinska U.et al.,Bioelectrochemistry,2012,87,147−153)。
ブロック共重合体は、低分子量界面活性剤よりもCMCの値が低いことから、これを使用することでミセル系の不安定性に関する問題が解決されるようにも思えるが、環境条件の変動もナノ製剤の不安定化を招く(L.I.Atanase et al.,International Journal of Pharmaceutics,2013,448,339−345)。こうした理由から、外部要因の変化に耐えられる材料が求められてきた。
両親媒性グラフト共重合体は、油滴に疎水性アームを投錨して確実に安定化させることができることから、上述の目的を達成することができる(F.Liu et al.,Polymer Chemistry,2014,5,1381−1392)。このようなポリマーは、ナノエマルジョン中において液滴の安定剤として作用する一方で、シェルの第1層を構成するという二重の役割を果たす。さらに、グラフト鎖を有する高分子電解質を使用することにより、安定性の向上した多層カプセルを形成することが可能になる(J.Szafraniec et al.,Nanoscale,2015,7,5525−5536)。
様々な形態のナノ担体から内包物(cargo)の放出を制御または徐放することは、自己修復材料、栄養素の保持、海洋産業、香気放出等の用途において大きな関心が寄せられているが、この種の手法は、疎水性の性質を有することに起因して体内分布量が少なく薬物動態プロファイルに劣る親油性の生物活性化合物に関連する分野において特に重要である。
異なる構造、分子量および物理化学的性質(例えば、極性または粘度)を有する多種多様な分子が存在することを踏まえると、送達系を製造するための様々な代替品を検討する必要があることは明らかである。
多くの論文および特許が、ナノエマルジョンを、特に、化粧品、食品産業、製薬学または農業における様々な化合物の担体として使用することに注力してきたが、これらは常に低分子量表面活性剤または高分子界面活性剤のいずれかにより安定化されていた。例えば、次を参照されたい:
米国特許出願公開第20060063676号明細書には、油コアに病虫害防除剤を内包した、イオン性または非イオン性界面活性剤で安定化されたナノエマルジョンが記載されている。
米国特許出願公開第2007036831号明細書は、高い難燃性を有する、イオン性および/または非イオン性界面活性剤で安定化されたナノエマルジョンに関する。
生物医学用途に用いるための液状コアをテンプレートとするナノカプセルは、静脈内投与後に起こり得る濃度変化に耐えられることが重要である。
内包された薬物または造影剤が標的に到達する前に非制御下に放出されることは非常に好ましくないことであり、有害反応が起こる可能性がある。このようなリスクを最小限に抑えるために、毒性の低いポリ(グルタミン酸)等の生分解性ポリマー、ポリ(L−リジン)やポリ(L−アルギニン)等のポリペプチドに加えて、変性多糖(例えば、キトサンおよびデキストラン)が使用されている(A.Karabasz et al.,Journal of Nanoparticles Research,2014,16,1−14,R.Vecchione et al.,Nanoscale,2014,6,9300−9307)が、カプセルの油コアはやはり典型的な表面活性剤で安定化されている。
国際公開第9637232号パンフレットには、アニオン性のリン脂質およびカチオン性の多糖類の間で形成される界面複合体によって油滴を安定化させる技法が記載されている。この種のカプセルは、インドメタシン、メチプラノロール、ジアゼパム、シクロスポリンA等の生物活性剤の送達を対象としている。
欧州特許第2266546号明細書には、分子鎖に12〜24個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸から構成されるコアをテンプレートとし、このコアがアニオン性リン脂質で安定化され、キトサンの薄層で覆われている、ナノエマルジョンが記載されている。この種のカプセルは化粧品および製薬学において使用される親油性化合物の担体となることが記載されている。
欧州特許第2266546号明細書には、油コアがレシチンで安定化され、キトサンで覆われた、直径1μm以下の製剤が、シクロスポリンAを効率的に内包できることが開示されている。
国際公開第2013001124号パンフレットには、アニオン性または非イオン性界面活性剤で安定化されたイソプレノイドをテンプレートとし、ポリ(D−グルコサミン)で覆われた、ワクチンの担体として使用されるナノエマルジョンを調製するための技法が記載されている。
界面活性剤として作用するブロックポリマーにより油コアを安定化させることに基づく多くの発明も特許に開示されている、例えば:
国際公開第2015013566号パンフレットには、ポリエチレングリコール等のブロック共重合体およびガン治療において白金(II)錯体の担体として使用される1,2ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンで安定化されたナノエマルジョンの調製法が開示されている。
露国特許第2494728号明細書には、生物活性を有する親油性化合物の担体として使用されるユーカリ油をテンプレートとするナノカプセルが記載されており、このナノカプセルは、ポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)のブロック共重合体(PEO−block−PPO)で安定化されており、多糖類(例えば、キトサン)の水溶液中に懸濁されている。
多くの論文および特許がナノエマルジョンをベースとする担体の調製を対象としているが、疎水性の「頭部」および親水性の「尾部」から構成される従来の表面活性剤を使用することなく安定化されたナノカプセルの合成について記載したものは存在しない。この種の分子は互いに隣接している界面で吸着されることにより極性媒体中の液滴を安定化させるが、これが崩壊すると界面活性剤分子は液滴の表面を離れて液滴が不安定になるため、非常に不都合である。
予期せぬことに、この問題は、後述する特許請求の範囲に従い記載される、ナノエマルジョンをベースとする親油性化合物の担体に基づく本発明により解決された。
本発明は、コア−シェル構造を有する新規な生体適合性系およびその調製プロセスに関する。液状コアをテンプレートとするナノカプセルは、低分子量界面活性剤を使用することなく、電荷を有する疎水変性された多糖により安定化される。変性多糖(c=1〜10g/L)の水溶液と適量の油(1〜10v/v%)との乳化を超音波で支援することにより、液滴の直径が1μm未満のエマルジョンが形成される。次いでこの種のカプセルは高分子電解質の超薄膜で覆われ、それによって安定性が向上し、内包された化合物の生体適合性および薬物動態プロファイルが改善される。この種のカプセルの安定性は、多糖の種類および多糖に導入された変性の種類の両方に影響を受ける。したがって、疎水性側鎖の含有量および長さの適切なバランスを見出すことが必要である。疎水性アームが短過ぎると油滴が十分に安定化されず、一方、疎水変性の度合いが高過ぎると多糖類の溶解性が低下し、それによって用途が大幅に制限されることが知られている。
本発明の特に好ましい実施形態においては、疎水変性された、イオン性を有するオリゴ糖および多糖(キトサン、キトサンオリゴ糖、デキストラン、カラギーナン、アミロース、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸)等)ならびにこれらの誘導体が特許請求される。最も好適な安定剤は、ヒアルロン酸、キトサンおよびキトサンオリゴ糖誘導体であると考えられている。
任意の多糖類を疎水変性することが可能である。好ましくは、エマルジョン安定剤として使用される多糖類のモル質量は2000g/molを超えるべきであるが、最も好適な多糖類はモル質量が5000g/molを超えるものである。
本発明の特に好ましい実施形態において、エマルジョン安定剤として使用される多糖類は、高分子鎖内のカルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、アンモニウム基、ピリジン基、またはホスホノ基等のイオン性基により供与される安定な静電荷を有するべきである。好ましくは、イオン性基の含有量は10%を下回るべきではなく、より好適には40%を超えるべきであり、それと同時に、エマルジョンの液滴を十分に安定化させるためには、イオン性基を少なくとも60%有するポリマーを使用することが最も適している。
本発明の特に好ましい実施形態において、カプセルの油コアの安定化は、単一または/および複数部位で結合している、3〜30個の炭素原子を有する直鎖アルキル鎖または分岐アルキル鎖のいずれかの疎水性基で変性された多糖類により行うことができる。環状化合物および/または芳香族化合物を疎水性側鎖(弱い極性基(エーテル基またはジスルフィド基等)またはハロゲンも含むことができる)として使用することも許容される。好ましくは、多糖類分子の疎水性鎖による置換度は40%を超えるべきではない。水中に十分に溶解させるためには、疎水性基による置換を10%未満とすることが推奨されるが、カプセルの油コアを最適に安定化させるためには5%を超えるべきではない。6〜18個の炭素原子を有する疎水性化合物を使用することが推奨されるが、最も好適には、12個の炭素を有する側鎖が使用される。
Figure 0006971217
表1において、Hy−CX(X=6、8、12、18または18x)、CChit−C12、oCh−C18−sulfで示される多糖類の構造は、次の通りである。
式中:Hy−CX(X=6、8、12、18または18x)は、次に示す構造である。
Figure 0006971217

(式中、pは、2、3、5または8から選択される整数であり、mとnは、整数である)
CChit−C12は、次に示す構造である。
Figure 0006971217

(式中、p、m、nは、整数である)
oCh−C18−sulfは、次に示す構造である。
Figure 0006971217

(式中、m、n、pは、整数である)
本発明の特に好ましい実施形態においては、ナノエマルジョンを得るために超音波で支援するプロセスが用いられる。超音波処理は4〜40℃の温度で15〜120分間実施すべきである。好ましくは、超音波処理は20〜35℃で30〜60分間継続するべきであるが、ナノカプセルの製剤を得るための最も好適な条件は室温で30分間である。
多糖類をベースとするナノカプセルは、濃度が0.1〜30g/Lの間で変化する、イオン強度が0.001M〜3Mの間にあるpH2〜12の疎水変性された多糖類の水溶液を使用して製造される。好ましくは、多糖類の溶液のイオン強度は0.015〜0.15Mの範囲とすべきであり、濃度は1〜10g/Lの範囲とすべきである。
本発明のカプセルの油コアは、天然または合成のいずれかの無毒性疎水性化合物、例えば、オレイン酸、パルミチン酸イソプロピル、PROVINOL、脂肪酸、および純粋な天然由来の油(植物由来または動物由来の両方)またはこれらの混合物、特に、亜麻仁油、大豆油、アルガン油等から構成される。結果として得られたカプセルは、生物学的利用能の低い親油性化合物の担体や、酵素的および/または生物的プロセスのナノリアクター等、幅広い用途がある。コア材料またはその中に溶け込んだ化合物のいずれかに、親油性活性化合物および酵素反応の基質を用いることができる。カプセルを調製するプロセスの第1段階において、送達される親油性化合物を油相と混合することにより、無防備な分子が損傷を受けるリスクを最小限に抑えるとともに、内包効率が確実に高くなる。
油コアに染色液を溶解することにより、顕微鏡撮像および内包物のコアからの放出プロファイルを決定するための研究を容易に行うことができるカプセルが形成される。内包される染色液の濃度は約10−5Mから飽和溶液が得られる濃度までの範囲内で変化する。
生体イメージングに使用するためのカプセルは、励起波長および発光波長がスペクトルの赤色領域にある染色液を内包すべきである。その理由は、染色液の発光が細胞の自家蛍光に重ならず、in vivoでの可視化が容易になるためである。
本発明の特に好ましい実施形態において、本発明のナノカプセルは、高分子電解質の超薄膜で被覆するべきである。特に好ましくは、キトサン誘導体、デキストラン、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、グリコサミノグリカン(ヒアルロン酸誘導体、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、コンドロイチンおよびデルマタンを含む)、カラギーナン、アルギン酸塩等の天然由来の生体適合性高分子電解質およびこれらの誘導体、ならびに合成高分子電解質、例えば、ポリ−L−リジン、ポリオルニチン、ポリ(D−グルタミン酸)、ポリ(乳酸)の誘導体、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリアリルアミン塩酸塩またはポリエチレンイミンが使用される。in vivoイメージングに用いる多層カプセルの製造には蛍光標識された多糖を用いることが推奨される。
カプセルを多層膜で覆うことは、カプセルの電荷を制御し、それによって生成物と血球との凝集を回避するために極めて重要であり、このことは生物医学用途に必須である。さらに、このような方策により、カプセルの安定性が増大すると共に、生物学的利用能および生体適合性が向上する。好ましくは、カプセルの外層はアニオン性に帯電しているべきである。特に好ましくは、キトサンおよびグリコサミノグリカンのアニオン性誘導体が使用される。カプセルの外層をポリエチレングリコール(PEG)で変性することも推奨される。その理由は、こうすることによって、カプセルの生物学的利用能が向上し、血流内における循環時間が延長されるためである。
本発明の利点は、生体適合性を有する安定なナノエマルジョンを、低分子量界面活性剤を使用することなく調製できることにある。本発明のカプセルは、油コアに直接溶解させた疎水性化合物を内包することができ、それによって内包効率が非常に高くなる。製造プロセスにおける調製の簡便さ、エネルギーおよび投入資金の低さ、環境条件(pHおよび濃度等)の変化に対する耐性および生体適合系の複雑性の低さにより、親油性生物活性化合物の担体として幅広く使用することが可能になる。
図面および表の簡単な説明
表1および2は実施例I〜IVに記載するカプセルの安定性に関するデータを含む。
表3は、実施例VIII〜IXに記載するカプセルの形態および安定性にpHがどのように影響するかを示すものである。
表4は、実施例X〜XIIに記載する様々な種類の油コアをテンプレートとするカプセルのパラメータに関するデータを含むものである。
表5は、実施例XVIに記載するカプセルの安定性に関するデータを含むものである。
実施例Iに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例IIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例IIIに記載するカプセルのサイズ度分布を示すものである。 実施例VIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例Vに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例VIに示すカプセルの共焦点顕微鏡写真を示すものである。 実施例VIIに示すカプセルの共焦点顕微鏡写真を示すものである。 実施例VIIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例VIIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例VIIIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例IXに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例X〜XIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例XIIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例XIIIに記載するn−ドデカンのコアをテンプレートとするカプセルのSEM顕微鏡写真を示すものである。 実施例XIVに示すカチオン性およびアニオン性キトサンで覆われたカプセルのサイズおよびゼータ電位を示すものである。 実施例XIVに示すカチオン性およびアニオン性キトサンで覆われたカプセルのサイズおよびゼータ電位を示すものである。 実施例XVに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例XVIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例XVIに記載するカプセルのクライオTEM顕微鏡写真を示すものである。 実施例XVIIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例XVIIIに記載のカプセルのサイズおよびゼータ電位を示すものである。 実施例XVIIIに記載のカプセルのサイズおよびゼータ電位を示すものである。 実施例XIXに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。 実施例XXに記載するカプセルのサイズおよびゼータ電位を示すものである。 実施例XXに記載するカプセルのサイズおよびゼータ電位を示すものである。 実施例XXIに記載するカプセルのサイズ分布を示すものである。
本発明を詳細に説明してきたが、以下に示す実施例に従いその特定の好ましい実施形態を参照しながら例示する。
実施例I ヘキシルアミン変性ヒアルロン酸で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするナノカプセルの調製
ヘキシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C6)を0.1MのNaClに溶解し(1g/L)、オレイン酸と混合した(100:1 v/v)。両相をボルテックスで5分間撹拌し、室温の超音波浴で30分間乳化した(540W、パルス1秒間、休止2秒間)。得られたカプセルのサイズを、動的光散乱法(DLS)を用いて測定したところ、約500nmであった。得られたカプセルは少なくとも2週間の安定を示すことが、流体力学的直径およびゼータ電位測定により確認された。調製の2日後、粒子サイズの低下が認められた(約360nmまで)。これは、凝集体および/またはより大きなカプセルが不安定化し、より小さくより安定な粒子のみを含むエマルジョンが形成されたことを示唆している(図1、表1)。
実施例II オクチルアミン変性ヒアルロン酸で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするナノカプセルの調製
オクチル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C8)の水溶液およびオレイン酸の混合物を実施例Iに記載した手順に従い調製した。得られたカプセルのサイズを動的光散乱法(DLS)により測定したところ、約700nmであった。得られたカプセルは少なくとも2週間の安定を示すことが、流体力学的直径およびゼータ電位測定により確認された。超音波処理から2日後、粒子サイズの著しい低下が認められた(約300nmまで)。これは、凝集体および/またはより大きなカプセルが不安定化し、より小さくより安定な粒子のみを含むエマルジョンが形成されたことを示唆している(図2、表1)。
実施例III ドデシルアミン変性ヒアルロン酸で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするナノカプセルの調製
ドデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C12)を0.1MのNaClに溶解し(1g/L)、多糖類を完全に溶解するためにマグネチックスターラーを用いて60分間激しく混合した(500rpm)。次いでこの水溶液をオレイン酸と混合し(100:1 v/v)、5分間ボルテックスで撹拌し、室温の超音波浴で30分間乳化した(540W、パルス1秒間、休止2秒間)。得られたカプセルのサイズを動的光散乱法(DLS)により測定したところ、約200nmであった。得られたカプセルは少なくとも2週間の安定を示すことが、流体力学的直径およびゼータ電位測定により確認された。得られたカプセルのサイズが超音波処理から3日後に若干低下したことから、凝集体および/またはより大きなカプセルが不安定化し、より小さくより安定な粒子のみを含むエマルジョンが形成されたという仮説が立てられる(図3、表1)。
実施例IV オクタデシルアミン変性ヒアルロン酸で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするナノカプセルの調製
オクタデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C18)の水溶液およびオレイン酸の混合物を実施例IIIに記載した手順に従い調製した。得られたカプセルのサイズを動的光散乱法(DLS)により測定したところ、約320nmであった。得られたカプセルは少なくとも2週間安定であることが、流体力学的直径およびゼータ電位測定により確認された。得られたカプセルのサイズが超音波処理から3日後に約250nmまで低下したことから、凝集体および/またはより大きなカプセルが不安定化し、より小さくより安定な粒子のみを含むエマルジョンが形成されたという仮説が立てられる(図4、表1)。
実施例V Hy−C12で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするカプセルのサイズおよび安定性に多糖類および塩の濃度が与える影響の測定
0.15MのNaClに溶解した、ドデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(5g/L)を使用し、実施例IIIに記載した手順に従いオレイン酸コアをテンプレートとするナノカプセルを調製した。得られたカプセルのサイズを動的光散乱法(DLS)により測定したところ、約280nmであった(図5)。
実施例VI オレイン酸コアをテンプレートとするHy−C12カプセルで疎水性染色液を内包する効率の測定
ドデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C12)の水溶液およびオレイン酸の混合物を実施例Vに記載した手順を若干修正して調製した(ナイルレッドをオレイン酸に溶解し(1g/L)、次いでこれをHy−C12の水溶液と混合した)。得られたカプセルのサイズを動的光散乱法(DLS)により測定したところ、約320nmであった。さらに共焦点顕微鏡画像から、得られたカプセルは疎水性染色液を効率的に内包できることが確認された(図6)。
実施例VII 内包された染色液の濃度がカプセルのサイズおよび安定性に与える影響の測定
ドデシル側鎖で変性されたヒアルロン酸(Hy−C12)の水溶液およびオレイン酸の混合物を実施例IIIに記載した手順を若干修正して調製した(ナイルレッドまたはペリレンをオレイン酸に溶解し(0.15g/L)、次いでこれをHy−C12の水溶液と混合した)。得られたカプセルのサイズを動的光散乱法(DLS)により測定したところ、ナイルレッドおよびペリレンを含むカプセルはそれぞれ約190nmおよび120nmであった。カプセルを可視化するために共焦点顕微鏡観察を行った。得られた結果から、油相に溶解した疎水性化合物がカプセルに効果的に内包されていることが確認された(図7、図8、図9)。
実施例VIII オレイン酸コアをテンプレートとするHy−C12カプセルのサイズおよび安定性に低pHが与える影響の測定
ドデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C12)の水溶液およびオレイン酸の混合物を実施例IIIに記載した手順を若干修正して調製した(懸濁液を6MのHClでpH=1.4に酸性化した)。得られたカプセルのサイズを動的光散乱法(DLS)により測定したところ、酸性化前は約280nmであり、酸性化後は310nmであった。光学顕微鏡観察により、懸濁液のpHが低下してもカプセルの安定性に影響がないことが確認された(図10、表4)。
実施例IX オレイン酸コアをテンプレートとするHy−C18のカプセルのサイズおよび安定性に低pHが与える影響の測定
オクタデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C18)の水溶液およびオレイン酸の混合物を実施例VIIIに記載した手順に従い調製した。結果として得られたカプセルのサイズを動的光散乱法(DLS)により測定したところ、酸性化前は約125nmであり、酸性化後は130nmであった。光学顕微鏡観察により、懸濁液のpHが低下してもカプセルの安定性に影響がないことが確認された(図11、表4)。
実施例X ドデシルアミン変性ヒアルロン酸で安定化された亜麻仁油コアをテンプレートとするナノカプセルの調製
ドデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C12)の水溶液および亜麻仁油の混合物を、実施例IIIに記載した手順に従い調製した。得られたカプセルを、DLSを用いて特性評価したところ、サイズは約320nmであり、ゼータ電位は約−22mVであった。得られた結果は、コアとして使用される油の種類とは無関係にナノカプセルを形成することが可能であることを示唆している(図12、表5)。
実施例XI オクタデシルアミン変性ヒアルロン酸で安定化された亜麻仁油コアをテンプレートとするナノカプセルの調製
オクタデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C18)の水溶液および亜麻仁油の混合物を実施例Xに記載した手順に従い調製した。得られたカプセルを、DLSを用いて特性評価したところ、サイズは約530nmであり、ゼータ電位は約−21mVであった。得られた結果は、コアとして使用される油の種類とは無関係にナノカプセルを形成することが可能であることを示唆している(図12、表5)。
実施例XII ドデシルアミン変性ヒアルロン酸で安定化されたアルガン油コアをテンプレートとするナノカプセルの調製
ドデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C12)の水溶液およびアルガン油の混合物を実施例Xに記載した手順に従い調製した。得られたカプセルを、DLSを用いて特性評価したところ、サイズは約710nmであり、ゼータ電位は約−20mVであった。得られた結果は、コアとして使用される油の種類とは無関係にナノカプセルを形成することが可能であることを示唆している(図13、表5)。
実施例XIII 走査型電子顕微鏡観察(SEM)に用いるための、固化したn−オクタデカンコアをテンプレートとするナノカプセルの調製
ヒアルロン酸塩(Hy−C6、Hy−C8、Hy−C12およびHy−C18)を0.1MのNaClに溶解した溶液(1g/L)を、多糖類を完全に溶解するために60分間激しく撹拌した。溶液を約35℃まで加熱し、n−オクタデカンと混合し(100:1 v/v)、32℃の超音波浴(540W、パルス1秒間、休止2秒間)で30分間乳化した。冷却後、n−オクタデカンの懸濁液が固化するため、走査型電子顕微鏡観察を用いたカプセルの画像化が非常に容易になった(図14)。
実施例XIV オレイン酸コアをテンプレートとする多層Hy−C12カプセルの形成
ドデシル側鎖で変性したヒアルロン酸(Hy−C12)で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするカプセルを実施例IIIに記載した手順に従い調製した。DLS測定を行ったところ、直径170nmのカプセルが形成され、ゼータ電位が−19mVであることが示された。次いで、得られたカプセルを交互飽和(layer by layer saturation)法を用いて多層シェルで覆った。少量のカチオン変性キトサンまたはアニオン変性キトサン(1g/L、0.15MのNaCl中)のいずれかを懸濁液に加え、各段階の後に、サイズとゼータ電位を測定することにより各層の吸着過程を制御した。結果として得られた4層カプセルを特性評価したところ、直径は315nmであり、ゼータ電位は−28mVであった。カプセルの平均径が徐々に増大していることに加えて、ゼータ電位のグラフが典型的なジグザグ形状を示していることから、高分子電解質が交互に吸着されていることと、カプセルが静電的に高度に安定化されていることとが確認される(図15および16)。
興味深いことに、得られた結果は、アニオン性層がより好ましく、カプセルをより安定化させることを示唆している。
実施例XV オレイン酸コアをテンプレートとする多層Hy−C12カプセルの調製プロセスに高分子電解質の濃度が与える影響の測定
ドデシル側鎖で変性されたヒアルロン酸(Hy−C12)で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするカプセルを実施例IIIに記載した手順に従い調製した。DLS測定を行ったところ、直径210nmのカプセルが形成され、ゼータ電位が−24mVであることを示していた。次いで、得られたカプセルを、交互飽和法を用いて多層シェルで覆った。少量のカチオン変性キトサンまたはアニオン変性キトサン(10g/L、0.15MのNaCl中)のいずれかを懸濁液に加え、各段階の後に、サイズとゼータ電位を測定することにより各層の吸着過程を制御した。結果として得られた2層カプセルを特性評価したところ、直径は240nmであり、ゼータ電位は−39mVであり、ナノエマルジョンが非常に安定であることを示唆していた(図17)。高濃度のキトサン溶液を使用することにより、試料の希釈が最小限に抑えられる。このことは生物医学用途に非常に重要である。重要なことは、キトサンからなる一つの二重層で、実施例XIVに記載したカプセルよりも安定性が高い系が十分に得られることである。さらに、得られた結果から、アニオン性層がより好ましく、カプセルをより高度に安定化させることが確認される。
実施例XVI ドデシル側鎖変性キトサンのカチオン性誘導体により安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするナノカプセルの調製
ドデシル側鎖で変性されたキトサンのカチオン性誘導体(CChit−C12)を0.1MのNaClに溶解し(1g/L)、4日間激しく撹拌することにより多糖類を完全に溶解させた。得られたCChit−C12の溶液をオレイン酸と混合した(100:1 v/v)。両相を5分間ボルテックスで撹拌し、室温の超音波浴で30分間乳化した(540W、パルス1秒間、休止2秒間)。得られたカプセルのサイズを、DLSを用いて測定したところ、約320nmであった。得られたカプセルは少なくとも2週間の安定を示すことが流体力学的直径およびゼータ電位測定により確認された(図18、図19、表5)。
実施例XVII オレイン酸コアをテンプレートとするCChit−C12ナノカプセルの調製プロセスに溶媒が与える影響の測定
ドデシル側鎖で変性されたキトサンのカチオン性誘導体(CChit−C12)で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするカプセルを実施例XVIに記載した手順を修正して調製した(キトサンを酢酸(0.12M)酢酸に溶解した)。その結果として、キトサンの溶解時間が30分間未満に低下した。得られたカプセルを特性評価したところ、直径は400nmであり、ゼータ電位は25mVであった(DLS測定)(図20)。
実施例XVIII オレイン酸コアをテンプレートとする多層CChit−C12カプセルの調製
ドデシル側鎖で変性されたキトサンのカチオン性誘導体(CCHit−C12)で安定化されたオレイン酸をテンプレートとするカプセルを実施例XVIに記載した手順に従い調製した。結果として得られたカプセルを特性評価したところ、直径は260nmであり、ゼータ電位は+25mVであった。次いで、得られたカプセルを、交互飽和法を用いて多層シェルで覆った。少量のカチオン変性キトサンまたはアニオン変性キトサン(1g/L、0.15MのNaCl中)のいずれかを懸濁液に添加し、各段階の後にサイズとゼータ電位を測定することにより各層の吸着過程を制御した。結果として得られた2層カプセルを特性評価したところ、直径は340nmであり、ゼータ電位は+21mVであった。カプセルの平均径が徐々に増大していることに加えて、ゼータ電位のグラフが典型的なジグザグ形状を示していることから、高分子電解質が交互に吸着されており、カプセルが静電的に高度に安定化していることが確認された(図21、図22)。さらに、得られた結果から、アニオン性層がより好ましく、カプセルをより高度に安定化させることが確認された。
実施例XIX アニオン変性キトサンオリゴ糖のオクタデシル誘導体で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするカプセルの調製
オレイン酸をテンプレートとするカプセルを実施例Iに記載の手順を修正して調製した。アニオン変性キトサンオリゴ糖のオクタデシル誘導体(oChitC18−sulf)をエマルジョン安定剤として使用した。得られたカプセルの特性評価を、DLSを用いて行ったところ、直径は150nmであった(図23)。
実施例XX アニオン変性キトサンオリゴ糖のオクタデシル誘導体で安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとする多層カプセルの調製
オレイン酸をテンプレートとするカプセルを実施例XIXに記載した手順に従い調製した。結果として得られたカプセルを特性評価したところ、直径は170nmであり、ゼータ電位は−17mVであった。カプセルを実施例XVIIIに記載した手順に従い多層シェルで覆った。結果として得られた8層カプセルを特性評価したところ、直径は260nmであり、ゼータ電位は−29mVであった。カプセルの平均径が徐々に増大したことに加えて、ゼータ電位のグラフが典型的なジグザグ形状を示していることは、高分子電解質が交互に吸着されており、カプセルが静電的に高度に安定化していることを立証する(図24、図25)。さらに、得られた結果から、アニオン性層がより好ましく、カプセルをより高度に安定化させることが確認された。
実施例XXI Hy−C18xにより安定化されたオレイン酸コアをテンプレートとするナノカプセルを表すパラメータに疎水変性度(degree of hydrophobic modification)および多糖類の濃度が与える影響の測定
オクタデシル側鎖で変性されたヒアルロン酸塩(4.5%置換)を0.1MのNaClに溶解し(1g/Lまたは5g/L)、多糖類を完全に溶解させるためにマグネチックスターラーを用いて60分間激しく撹拌した(500rpm)。次いでこの水溶液をオレイン酸と混合し(100:1 v/v)、5分間ボルテックスで撹拌し、室温の超音波浴で30分間乳化した(540W、パルス1秒間、休止2秒間)。得られたカプセルのサイズを、DLSを用いて測定したところ、c=1g/Lまたは5g/LのHy−C18xで安定化されたカプセルは、それぞれ約780nmおよび約710nmであった。一方、ゼータ電位はそれぞれ−19mVまたは−16mVであった。得られた結果を実施例IVに示した結果と比較すると、疎水性鎖が長い場合は、側鎖の置換度が低い材料を合成することが好ましいことを示唆している。さらに、得られたカプセルは多糖類の濃度に関わらず安定性に劣ることも示された(図26)。

Claims (10)

  1. 水性懸濁液中で長期安定性を示す、直径がlμm未満のナノカプセルであって、前記ナノカプセルは:
    a)液状コアであって、前記コアの材料は、オレイン酸、パルミチン酸イソプロピル、脂肪酸、天然由来の油および抽出物、またはこれらの混合物から選択される、液状コアと、
    b)ヒアルロン酸塩誘導体カチオン変性されたキトサンのドデシル誘導体またはアニオン変性されたキトサンオリゴ糖のオクタデシル誘導体から選択される疎水変性された多糖類から作製されたシェル
    を有し、
    前記ヒアルロン塩誘導体は、次に示す構造を有し、
    Figure 0006971217
    (式中、pは、2、3、5または8から選択される整数であり、mとnは、整数であり、m/m+nは、0.001以上、0.4以下である)、
    前記カチオン変性されたキトサンのドデシル誘導体は、次に示す構造を有し、
    Figure 0006971217
    (式中、p、m、nは、整数であり、n/(m+n+p)は0.001以上、0.4以下である)
    前記アニオン変性されたキトサンオリゴ糖のオクタデシル誘導体は、次に示す構造を有する、
    Figure 0006971217
    (式中、m、n、pは、整数であり、n/(m+n+p)は、0.001以上、0.4以下である)
    ナノカプセル。
  2. 前記変性された多糖類の疎水性鎖の置換度は0.1〜40%である、請求項1に記載のナノカプセル。
  3. 前記カプセルの前記シェルは、キトサン、デキストラン、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびグリコサミノグリカンから選択される天然由来の生体適合性高分子電解質またはその誘導体、ならびにポリ−L−リジン、ポリオルニチン、ポリ(D−グルタミン酸)、ポリ(乳酸)の誘導体、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリアリルアミン塩酸塩またはポリエチレンイミンから選択される合成高分子電解質から構成される高分子電解質の超薄膜で覆われている、請求項1に記載のナノカプセル。
  4. 蛍光染色液、ビタミンまたは医薬活性成分を油コアに内包したまま送達することができる、請求項1に記載のナノカプセル。
  5. 請求項1〜に記載のカプセルを含む水性懸濁液。
  6. ナノカプセルを調製するためのプロセスであって
    a)水相および油相を、10:1〜10000:1の範囲で変化するv/v比で混合するステップと
    b)機械的に(混合または振盪による)または超音波により支援する乳化ステップと、
    を含み、
    水相は、多糖類の溶液であり、pHは2〜12の範囲にあり、濃度は0.1〜30g/Lであり、イオン強度は0.001〜3Mであり、一方、油相は、オレイン酸、パルミチン酸イソプロピル、脂肪酸、PROVINOL、天然由来の油および抽出物、から選択されるプロセスであって、低分子量界面活性剤を使用することなく実施され、
    前記多糖類は、ヒアルロン酸塩誘導体、カチオン変性されたキトサンのドデシル誘導体またはアニオン変性されたキトサンオリゴ糖のオクタデシル誘導体から選択され、
    前記ヒアルロン塩誘導体は、次に示す構造を有し
    Figure 0006971217
    (式中、pは、2、3、5または8から選択される整数であり、mとnは、整数であり、m/m+nは、0.001以上、0.4以下である)、
    前記カチオン変性されたキトサンのドデシル誘導体は次に示す構造を有し
    Figure 0006971217
    (式中、p、m、nは、整数であり、n/(m+n+p)は0.001以上、0.4以下である)
    前記アニオン変性されたキトサンオリゴ糖のオクタデシル誘導体は次に示す構造を有する
    Figure 0006971217
    (式中、m、n、pは、整数であり、n/(m+n+p)は、0.001以上、0.4以下である)
    プロセス。
  7. 超音波処理は4℃〜40℃の温度で15分間〜2時間実施される、請求項6に記載のプロセス。
  8. 超音波処理は、断続方式で実施され、超音波パルスの持続時間はその間の休止時間の2分の1の長さである、請求項6に記載のプロセス。
  9. 前記ナノカプセルは、反対の電荷を有する高分子電解質の連続的な吸着に基づく交互吸着法により得られる高分子電解質の超薄膜で覆われており、濃度が0.1g/L〜30g/Lの範囲にあり、イオン強度が0.001〜3Mの範囲で変化する、キトサン、デキストラン、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびグリコサミノグリカンから選択される天然由来の生体適合性多糖類またはその誘導体、ならびにポリ−L−リジン、ポリオルニチン、ポリ(D−グルタミン酸)、ポリ(乳酸)の誘導体、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリアリルアミン塩酸塩またはポリエチレンイミンから選択される合成高分子電解質が使用される、請求項6に記載のプロセス。
  10. 内包された疎水性化合物は油相に溶解している、請求項6に記載のプロセス。
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