図1および図2に示すように、本開示の対話型電子機器として携帯端末11を含むコミュニケーションシステム10は、携帯端末11および充電台12を含んでいる。充電台12は携帯端末11を載置可能である。携帯端末11を充電台12に載置している間、充電台12は携帯端末11の内蔵のバッテリを充電する。また、携帯端末11を充電台12に載置する場合、コミュニケーションシステム10はユーザと対話し得る。また、携帯端末11および充電台12の少なくとも一方は、伝言機能を有しており、指定したユーザに対する伝言を当該ユーザに報知する。
図3に示すように、携帯端末11は、通信部13、受電部14、バッテリ15、マイク16、スピーカ17、カメラ18、ディスプレイ19、入力部20、記憶部21、および制御部22などを含んでいる。
通信部13は、音声、文字、および画像などを通信可能な通信インタフェースを含む。本開示における「通信インタフェース」は、例えば物理コネクタ、および無線通信機を含んでよい。物理コネクタは、電気信号による伝送に対応した電気コネクタ、光信号による伝送に対応した光コネクタ、および電磁波による伝送に対応した電磁コネクタを含んでよい。電気コネクタは、IEC60603に準拠するコネクタ、USB規格に準拠するコネクタ、RCA端子に対応するコネクタ、EIAJ CP−1211Aに規定されるS端子に対応するコネクタ、EIAJ RC−5237に規定されるD端子に対応するコネクタ、HDMI(登録商標)規格に準拠するコネクタ、およびBNC(British Naval Connector、またはBaby‐series N Connectorなど)を含む同軸ケーブルに対応するコネクタを含んでよい。光コネクタは、IEC 61754に準拠する種々のコネクタを含んでよい。無線通信機は、Bluetooth(登録商標)、およびIEEE802.11を含む各規格に準拠する無線通信機を含んでよい。無線通信機は、少なくとも1つのアンテナを含む。
通信部13は、自身の携帯端末11の外部機器、例えば充電台12と通信する。通信部13は、有線通信または無線通信により、外部機器と通信する。通信部13は、充電台12と有線通信をする構成においては、携帯端末11を充電台12の正規の位置及び姿勢で載置することにより、充電台12の通信部23に接続され、通信し得る。また、通信部13は、無線通信により、直接的に、または、例えば、基地局、およびインターネット回線または電話回線を介して間接的に、外部機器と通信してよい。
受電部14は、充電台12から供給する電力を受電する。受電部14は、例えば、コネクタを有し、有線を介して充電台12から電力を受電する。または、受電部14は、例えば、コイルなどを有し、電磁誘導方式および磁界共振方式などの無線給電方法により充電台12から電力を受電する。受電部14は、受電した電力をバッテリ15に蓄電する。
バッテリ15は、受電部14から供給される電力を蓄電する。バッテリ15は、蓄電した電力を放電することにより、携帯端末11の各構成要素に、当該構成要素を機能させるために必要な電力を供給する。
マイク16は、携帯端末11の周囲で発生する音声を検出して、電気信号に変換する。マイク16は、検出した音声を制御部22に出力する。
スピーカ17は、制御部22の制御に基づいて、音声を発する。スピーカ17は、例えば、後述する発話処理が実行されている場合、制御部22が発話を決定した言葉を発する。また、スピーカ17は、例えば、他の携帯端末との通話を実行している場合、当該携帯端末から取得する音声を発する。
カメラ18は、撮像範囲内の被写体を撮像する。カメラ18は、静止画像および動画像のいずれも撮像可能である。カメラ18は、動画像の撮像時に、例えば60fpsで、被写体を連続的に撮像する。カメラ18は、撮像した画像を制御部22に出力する。
ディスプレイ19は、例えば液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))、または、有機若しくは無機ELディスプレイである。ディスプレイ19は、制御部22の制御に基づいて、画像を表示する。
入力部20は、例えば、ディスプレイ19と一体化したタッチパネルである。入力部20は、ユーザによる携帯端末11に関する多様な要求または情報の入力を検出する。入力部20は、検出した入力を制御部22に出力する。
記憶部21は、例えば、半導体メモリ、磁気メモリ、および光メモリなどを用いて構成されてよい。記憶部21は、例えば、後述する、登録処理、内容変更処理、発話処理、音声認識処理、見守り処理、データ通信処理、および通話処理などを実行するための多様な情報、ならびに上記の処理において制御部22が取得する、ユーザの画像、ユーザ情報、充電台12の設置場所、外部情報、会話内容、行動履歴、地域情報、見守り処理の特定の対象などを記憶する。
制御部22は、1又は複数のプロセッサを含む。制御部22は、種々の処理のためのプログラム及び演算中の情報を記憶する1又は複数のメモリを含んでよい。メモリは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが含まれる。メモリは、プロセッサから独立しているメモリ、及びプロセッサの内蔵メモリが含まれる。プロセッサには、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、特定の処理に特化した専用のプロセッサが含まれる。専用のプロセッサには、特定用途向けIC(ASIC; Application Specific Integrated Circuit)が含まれる。プロセッサには、プログラマブルロジックデバイス(PLD; Programmable Logic Device)が含まれる。PLDには、FPGA(Field−Programmable Gate Array)が含まれる。制御部22は、一つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System on a Chip)、及びSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。
制御部22は、例えば、後述するように充電台12からコミュニケーションモードへの移行指令を取得すると、コミュニケーションモードにおける多様な機能を実行するために、携帯端末11の各構成要素を制御する。ここで、コミュニケーションモードとは、携帯端末11を充電台12とともにコミュニケーションシステム10として、特定のユーザを含む対話対象のユーザとの対話、特定のユーザの観察、および特定のユーザへのメッセージ発信などを実行させるモードである。
制御部22は、コミュニケーションモードを実行するユーザの登録のための登録処理を実行する。制御部22は、例えば、入力部20へのユーザ登録を要求する入力の検出などにより、登録処理を開始する。
例えば、制御部22は、登録処理において、ユーザにカメラ18のレンズを見るようにメッセージを発し、カメラ18を駆動することによりユーザの顔を撮像する。さらに、制御部22は、撮像した画像を、ユーザの名称および属性などのユーザ情報と関連付けて記憶する。属性とは、例えば、携帯端末11の所有者および当該所有者に対する続柄または交友関係、性別、年齢層、身長、体重などである。続柄は、例えば親子、兄弟などの携帯端末11の所有者との家族関係を示す。また、交友関係は、知り合い、親友、クラスメート、職場の同僚などの携帯端末11の所有者との交流の度合いを示す。制御部22は、ユーザ情報を、入力部20へのユーザによる入力により取得する。
制御部22は、登録処理において、さらに、登録された画像を関連付けたユーザ情報とともに充電台12に転送する。充電台12に付与するために、制御部22は、携帯端末11と通信可能であるかを判別する。
制御部22は、充電台12と通信できない場合に、通信可能とさせるメッセージをディスプレイ19に表示させる。例えば、携帯端末11が充電台12と有線通信を行う構成において携帯端末11と充電台12とが接続されていない場合、制御部22は接続を要求するメッセージをディスプレイ19に表示させる。また、携帯端末11が充電台12と無線通信を行う構成において携帯端末11と充電台12とが通信できない程度に離れている場合、制御部22は充電台12に近付くことを要求するメッセージをディスプレイ19に表示させる。
制御部22は、携帯端末11および充電台12が通信可能である場合、登録された画像およびユーザ情報を充電台12に向けて転送させ、転送中であることをディスプレイ19に表示させる。さらに、制御部22は、転送の完了の通知を充電台12から取得する場合、初期設定完了のメッセージをディスプレイ19に表示させる。
制御部22は、コミュニケーションモードに移行している間、発話処理および音声認識処理の少なくとも一方を実行することにより、コミュニケーションシステム10を対話対象のユーザと対話させる。対話対象のユーザは、登録処理で登録されたユーザであって、例えば携帯端末11の所有者である。また、制御部22は、発話処理として、対話対象のユーザに対する各種の情報をスピーカ17によって音声出力する。各種の情報は、例えばスケジュールの内容、メモの内容、メールの送信者、メールの件名、電話の発信者等を含む。
制御部22が実行する発話処理における発話内容はプライベートレベルに応じて変更される。プライベートレベルは、発話内容に対話対象のユーザのプライベートな情報(対話対象のユーザが特定される個人に関する情報)を含められる程度を示す度合いである。プライベートレベルは、携帯端末11の周囲にいる人に応じて設定される。プライベートレベルは、携帯端末11の周囲にいる人の、対話対象のユーザとの続柄または交友関係によって変動し得る。プライベートレベルは、例えば、携帯端末11の周囲にいる人が対話対象のユーザと親しくない人(例えば他人)を含む、第1のレベルを含む。また、プライベートレベルは、例えば、携帯端末11の周囲にいる人が対話対象のユーザおよび対話対象のユーザと親しい人(例えば家族または親友等)である第2のレベルを含む。また、プライベートレベルは、例えば、携帯端末11の周囲にいる人が対話対象のユーザだけである第3のレベルを含む。
プライベートレベルが第1のレベルである場合の発話内容(以下「第1のレベルの発話内容」という)は、例えばプライベートな情報を全く含まない内容、または不特定のユーザに対して開示が許可された内容である。例えば、スケジュールについて音声出力する場合の第1のレベルの発話内容は「本日予定があります」である。また、例えば、メモについて音声出力する場合の第1のレベルの発話内容は「メモがあります」である。また、例えば、メールについて音声出力する場合の第1のレベルの発話内容は「メールがきています」である。また、例えば、電話について音声出力する場合の第1のレベルの発話内容は「着信がありました」である。
プライベートレベルが第2のレベルまたは第3のレベルである場合の発話内容(以下「第2または第3のレベルの発話内容」という)は、例えばプライベートな情報を含む内容、または、対話対象のユーザに対して開示が許可された内容である。例えば、スケジュールについて音声出力する場合の第2または第3のレベルの発話内容は「本日の19時に歓送迎会の予定があります」である。また、例えば、メモについて音声出力する場合の第2または第3のレベルの発話内容は「明日、報告書Yを提出する必要があります」である。また、例えば、メールについて音声出力する場合の第2または第3のレベルの発話内容は「AさんからZの件でメールがきています」である。また、例えば、電話について音声出力する場合の第2または第3のレベルの発話内容は「Aさんから着信がありました」である。
ここで、ユーザは第1のレベルから第3のレベルにおける開示が許可される内容などを、入力部20によって設定し得る。例えば、ユーザは、例えばスケジュールに設定された予定があること、メモがあること、メールを受信したこと、電話があったことなどを音声で通知するか否かを個別に設定可能である。また、ユーザは、例えばスケジュールの内容、メモの内容、メールの送信者、メールの件名、電話の発信者などを音声出力するか否かを個別に設定可能である。また、ユーザは、例えばスケジュールの内容、メモの内容、メールの送信者、メールの件名、電話の発信者などについて、プライベートレベルに応じた変更を実行するか否かを個別に設定可能である。また、ユーザは、第2のレベルにおいて情報を開示する者を、例えば続柄または交友関係に基づいて、設定可能である。これらの設定された内容(以下、「設定情報」という)は、例えば記憶部21に記憶されて、充電台12との間で同期および共有される。
制御部22は、発話処理において、現在時刻、充電台12の設置された場所、後述するように充電台12に特定された対話対象のユーザ、携帯端末11が受信したメールおよび電話、携帯端末11に登録されたメモおよびスケジュール、当該ユーザの発した音声、ならびに当該ユーザの過去の会話内容に基づいて、発話する言葉を決定する。制御部22は、決定した言葉を発するように、スピーカ17を駆動する。ここで、制御部22は、発話処理のために、プライベートレベルを充電台12から取得する。制御部22は、発話する言葉が所定の情報に基づく場合に、プライベートレベルに応じてスピーカ17によって音声出力する内容を変更する内容変更処理を実行する。本実施形態において、所定の情報は、スケジュール、メモ、メールおよび電話である。制御部22は、上記の設定情報に従って、音声出力する内容が内容変更処理の対象となるか否かを判定する。制御部22は、対象となる内容について内容変更処理を実行する。
制御部22は、発話内容の決定のために、充電台12に載置した場合および充電台12から離脱させた場合のいずれであるかを判別する。制御部22は、充電台12から取得する載置の通知に基づいて、載置した場合か離脱した場合かを判別する。例えば、制御部22は、載置されていることを示す通知を充電台12から取得している間、充電台12に載置されている場合であると判別する。また、例えば、制御部22は、当該通知を取得出来なくなる時に離脱されたと判別する。または、制御部22は、受電部14が充電台12から電力を取得可能か否か、または通信部13が充電台12と通信可能であるか否かに基づいて携帯端末11の充電台12に対する載置関係を判別してよい。
また、制御部22は、音声認識処理において、マイク16が検出する音声の形態素解析を行い、ユーザの発話内容を認識する。制御部22は、認識した発話内容に基づいて、所定の処理を実行する。所定の処理は、例えば、前述のように認識した発話内容に対する発話処理、ならびに所望の情報の探索、所望の画像の表示、および所望の相手への電話およびメールの発信を実行するための処理である。
また、制御部22は、コミュニケーションモードに移行している間、連続的に実行した、上述の発話処理および音声認識処理を記憶部21に記憶させ、特定された対話対象のユーザに対する会話内容を学習する。制御部22は、学習した会話内容に基づいて、以後の発話処理において発話する言葉の決定に活用する。また、制御部22は、学習した会話内容を、充電台12に転送してよい。
また、制御部22は、コミュニケーションモードに移行している間、携帯端末11の現在位置を検出する。現在位置の検出は、例えば、通信中の基地局の設置位置または携帯端末11が備え得るGPSに基づく。制御部22は、検出した現在位置に関連付けられた地域情報をユーザに報知する。地域情報の報知は、スピーカ17による音声の発話でも、ディスプレイ19への画像の表示であってもよい。地域情報は、例えば、近隣店舗の特売情報などである。
また、制御部22は、コミュニケーションモードに移行している間に特定の対象に対する見守り処理の開始要求を入力部20が検出する場合、当該開始要求を充電台12に通知する。特定の対象とは、例えば、登録された特定のユーザ、および充電台12が設置された部屋などである。
見守り処理は携帯端末11の載置の有無に関わらず、充電台12により実行される。制御部22は、見守り処理を実行させている充電台12から特定の対象が異常状態である通知を取得する場合、その旨をユーザに報知する。ユーザへの報知は、スピーカ17による音声の発信でも、ディスプレイ19への警告画像の表示であってもよい。
また、制御部22は、コミュニケーションモードへの移行の有無に関わらず、入力部20への入力に基づいて、メールの送受信およびブラウザを用いた画像表示などのデータ通信処理、ならびに他の電話との通話処理を実行する。
充電台12は、通信部23、給電部24、変動機構25、マイク26、スピーカ27、カメラ28、人感センサ29、載置センサ30、記憶部31、および制御部32などを含んでいる。
通信部23は、携帯端末11の通信部13と同様に、音声、文字、および画像などを通信可能な通信インタフェースを含む。通信部23は、有線通信または無線通信により、携帯端末11と通信する。通信部23は、有線通信または無線通信により、外部機器と通信してもよい。
給電部24は、充電台12に載置された携帯端末11の受電部14に電力を供給する。給電部24は、上述のように、有線または無線により受電部14に電力を供給する。
変動機構25は、充電台12に載置される携帯端末11の向きを変動させる。変動機構25は、充電台12に対して定められる下底面bs(図1、2参照)に対して定められる上下方向および左右方向の少なくとも一方に沿って、携帯端末11の向きを変動可能である。変動機構25はモータを内蔵しており、モータの駆動により携帯端末11の向きを変動させる。また、変動機構25は、回転機能(例えば360°回転)を備えており、載置された携帯端末11のカメラ18によって充電台12の周囲を撮像可能であってもよい。
マイク26は、充電台12の周囲で発生する音声を検出して、電気信号に変換する。マイク26は、検出した音声を制御部32に出力する。
スピーカ27は、制御部32の制御に基づいて、音声を発する。
カメラ28は、撮像範囲内の被写体を撮像する。また、カメラ28は、撮像の向きを変えられる装置(例えば回転機構)を備えており、充電台12の周囲を撮像できる。カメラ28は、静止画像および動画像のいずれも撮像可能である。カメラ28は、動画像の撮像時に、例えば60fpsで、被写体を連続的に撮像する。カメラ28は、撮像した画像を制御部32に出力する。
人感センサ29は、例えば、赤外線センサであり、熱の変化を検出することにより、充電台12の周囲における人の存在を検出する。人感センサ29は、人の存在を検出する場合、その旨を制御部32に通知する。人感センサ29は、赤外線センサ以外のセンサであってよく、例えば、超音波センサであってもよい。または、人感センサ29は、連続的に撮像される画像の変化に基づいて人の存在を検出するようにカメラ28を機能させる構成であってよい。
載置センサ30は、充電台12において、例えば、携帯端末11の載置面に設けられており、携帯端末11の載置の有無を検出する。載置センサ30は、例えば圧電素子などにより構成されている。載置センサ30は、携帯端末11が載置されるとき、その旨を制御部32に通知する。
記憶部31は、例えば、半導体メモリ、磁気メモリ、および光メモリなどを用いて構成されてよい。記憶部31は、例えば、携帯端末11から取得するユーザの登録に係る画像、ユーザ情報および設定情報を、携帯端末11毎および登録したユーザ毎に記憶する。また、記憶部31は、例えば、携帯端末11から取得する会話内容をユーザ毎に記憶する。また、記憶部31は、例えば、後述するように、カメラ28による撮像結果に基づく変動機構25の駆動のための情報を記憶する。また、記憶部31は、例えば、携帯端末11から取得する行動履歴をユーザ毎に記憶する。
制御部32は、携帯端末11の制御部22と同様に、1又は複数のプロセッサを含む。制御部32は、携帯端末11の制御部22と同様に、種々の処理のためのプログラム及び演算中の情報を記憶する1又は複数のメモリを含んでよい。
制御部32は、少なくとも載置センサ30が携帯端末11の載置を検出してから離脱を検出するまでの間、さらには離脱を検出してから所定時間が経過するまでの間、コミュニケーションシステム10をコミュニケーションモードに維持させる。したがって、制御部32は、充電台12に携帯端末11が載置されている場合、携帯端末11に発話処理および音声認識処理の少なくとも一方を実行させ得る。また、制御部32は、充電台12から携帯端末11が離脱してからの所定時間が経過するまでの間、携帯端末11に発話処理および音声認識処理の少なくとも一方を実行させ得る。
制御部32は、充電台12に携帯端末11が載置されている間、人感センサ29の検出結果に基づいて、充電台12の周囲における人の存在の有無を判別する。制御部32は、人が存在すると判別する場合、マイク26およびカメラ28の少なくとも一方を起動して、それぞれ音声および画像の少なくとも一方を検出させる。制御部32は、検出された音声および画像の少なくとも一方に基づいて、対話対象のユーザを特定する。そして、制御部32は、充電台12の周囲にいる人について対話対象のユーザとの関係を判定して、プライベートレベルを決定する。本実施形態においては、制御部32は、画像に基づいて、プライベートレベルを決定する。
制御部32は、例えば、取得した画像から、充電台12の周囲(載置されている場合には携帯端末11の周囲)にいる人の数等を判別する。また、制御部32は、画像内に含まれる人の顔、背格好および全体輪郭などの特徴から、充電台12の周囲にいる対話対象のユーザを特定する。また、制御部32は、充電台12の周囲にいる対話対象のユーザ以外の人を特定する。ここで、制御部32は、さらに音声を取得してもよい。制御部32は、取得した音声における声の大きさ、高さ、および声質に基づいて、充電台12の周囲にいる人の数を検証(または特定)してもよい。また、制御部32は、音声のこれらの特徴から、対話対象のユーザを検証(または特定)してもよい。また、制御部32は、音声のこれらの特徴から、対話対象のユーザ以外の人を検証(または特定)してもよい。
制御部32は、対話対象のユーザを特定した場合、充電台12の周囲にいる他の人の
対話対象のユーザとの関係を特定する。制御部32は、充電台12の周囲に他の人がいない場合、すなわち、充電台12の周囲に対話対象のユーザだけがいる場合に、プライベートレベルを第3のレベルに決定する。制御部32は、特定した対話対象のユーザの情報とともに、プライベートレベルが第3のレベルであることを、携帯端末11に通知する。制御部32は、充電台12の周囲に対話対象のユーザと対話対象のユーザと親しい人(例えば家族、親友等)だけがいる場合に、プライベートレベルを第2のレベルに決定する。ここで、制御部32は、対話対象のユーザ以外の人が親しい人か否かを、携帯端末11から充電台12に転送されたユーザ情報に基づいて判別する。制御部32は、特定した対話対象のユーザおよび充電台12の周囲にいる他の人の情報とともに、プライベートレベルが第2のレベルであることを、携帯端末11に通知する。制御部32は、充電台12の周囲に対話対象のユーザと親しくない人(例えば他人等)がいる場合に、プライベートレベルを第1のレベルに決定する。制御部32は、特定した対話対象のユーザの情報とともに、プライベートレベルが第1のレベルであることを、携帯端末11に通知する。制御部32は、充電台12の周囲にいる人に、ユーザ情報に基づいて判別ができない人が含まれる場合には、プライベートレベルを第1のレベルに決定し、携帯端末11に通知する。ここで、制御部32は、設定情報に基づいて全ての情報(例えばスケジュール、メモ、メールおよび電話等)に対して内容変更処理が実行されない(無効である)と判定した場合に、プライベートレベルの決定および携帯端末11への通知を実行しなくてもよい。
制御部32は、充電台12に携帯端末11が載置されている間、カメラ28による撮像を継続させ、特定の対話対象のユーザの顔を画像毎に探索する。制御部32は、画像の中で探索された顔の位置に基づいて、携帯端末11のディスプレイ19が当該ユーザの方向を向くように、変動機構25を駆動する。
制御部32は、載置センサ30が携帯端末11の載置を検出する時、コミュニケーションシステム10のコミュニケーションモードへの移行を開始させる。したがって、制御部32は、充電台12に携帯端末11が載置される時、携帯端末11に発話処理および音声認識処理の少なくとも一方の実行を開始させる。また、制御部32は、載置センサ30が携帯端末11の載置を検出する場合、載置されていることを携帯端末11に通知する。
また、制御部32は、載置センサ30が携帯端末11の離脱を検出する時または検出後の所定時間の経過後に、コミュニケーションシステム10におけるコミュニケーションモードを終了させる。したがって、制御部32は、充電台12から携帯端末11が離脱する時または検出後の所定時間の経過後に、携帯端末11に発話処理および音声認識処理の少なくとも一方の実行を終了させる。
また、制御部32は、携帯端末11からユーザ毎の会話内容を取得する場合、当該会話内容を携帯端末11毎に記憶部31に記憶させる。制御部32は、必要に応じて、充電台12と直接または間接的に通信する異なる携帯端末11間において記憶した会話内容を共有させる。ここで、充電台12と間接的に通信するとは、充電台12が電話回線に繋がれており、当該電話回線を介して通信すること、および充電台12に載置された携帯端末11を介して通信することの少なくとも一方を含む。
また、制御部32は、携帯端末11から見守り処理を実行する指令を取得する場合、見守り処理を実行する。制御部32は、見守り処理において、カメラ28を起動して、特定の対象の連続的な撮像を実行する。制御部32は、カメラ28が撮像した画像の中で特定の対象を抽出する。制御部32は、抽出した特定の対象の状態を、画像認識などに基づいて、判断する。特定の対象の状態とは、例えば、特定のユーザが倒れたままなどの異常状態、留守中の部屋における動体の検出状態である。制御部32は、特定の対象が異常状態であると判断する場合、見守り処理の実行を指令した携帯端末11に、特定の対象が異常状態であることを通知する。
次に、本開示において携帯端末11の制御部22が実行する、初期設定処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。初期設定処理は、ユーザによる初期設定を開始する入力を入力部20が検出する場合に開始する。
ステップS100において、制御部22は、携帯端末11のカメラ18に顔を合わせるように要求するメッセージをディスプレイ19に表示させる。ディスプレイ19への表示後に、プロセスはステップS101に進む。
ステップS101では、制御部22は、カメラ18に撮像を実行させる。撮像後、プロセスはステップS102に進む。
ステップS102では、制御部22は、ユーザの名称および属性を尋ねる質問をディスプレイ19に表示させる。質問の表示後、プロセスはステップS103に進む。
ステップS103では、制御部22は、ステップS102における質問に対する回答の有無を判別する。回答が無い時、プロセスはステップS103を繰返す。回答がある時、プロセスはステップS104に進む。
ステップS104では、制御部22は、ステップS101において撮像した顔の画像を、ステップS103において検出された質問に対する回答をユーザ情報として関連付けて、記憶部21に記憶させる。記憶後、プロセスはステップS105に進む。
ステップS105では、制御部22は、充電台12と通信可能であるか否かを判別する。通信不可能である時、プロセスはステップS106に進む。通信可能である時、プロセスはステップS107に進む。
ステップS106では、制御部22は、ディスプレイ19に充電台12との通信を可能にさせる行動を要求するメッセージをディスプレイ19に表示させる。通信を可能にさせる行動を要求するメッセージは、携帯端末11が充電台12と有線通信を行う構成において、例えば、“充電台に載置してください”である。また、通信を可能にさせる行動を要求するメッセージは、携帯端末11が充電台12と無線通信を行う構成において、例えば、“充電台12に近付けてください”である。メッセージの表示後、プロセスはステップS105に戻る。
ステップS107では、制御部22は、ステップS104において記憶した顔の画像、およびユーザ情報を充電台12に転送する。また、制御部22は、転送中であることを示すメッセージをディスプレイ19に表示させる。転送の開始後にプロセスはステップS108に進む。
ステップS108では、制御部22は、充電台12から転送完了の通知を取得したか否かを判別する。取得していない時、プロセスはステップS108を繰返す。取得している時、プロセスはステップS109に進む。
ステップS109では、制御部22は、初期設定の完了を示すメッセージをディスプレイ19に表示させる。表示後、初期設定処理は終了する。
次に、本開示において携帯端末11の制御部22が実行する、プライベート設定処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。プライベート設定処理は、ユーザによるプライベート設定を開始する入力を入力部20が検出する場合に開始する。
ステップS200において、制御部22は、ユーザにプライベート設定を実行するように要求するメッセージをディスプレイ19に表示させる。ディスプレイ19への表示後に、プロセスはステップS201に進む。
ステップS201では、制御部22は、例えばスケジュールに設定された予定があること、メモがあること、メールを受信したこと、電話があったことなどを音声で通知する場合に、プライベート情報を保護するか否かを尋ねる質問をディスプレイ19に表示させる。また、制御部22は、例えばスケジュールの内容、メモの内容、メールの送信者、メールの件名、電話の発信者などを音声出力する場合に、プライベート情報を保護するか否かを尋ねる質問をディスプレイ19に表示させる。また、制御部22は、プライベートレベルが第2のレベルである場合に情報を開示する者の範囲を尋ねる質問をディスプレイ19に表示させる。質問の表示後、プロセスはステップS202に進む。
ステップS202では、制御部22は、ステップS201における質問に対する回答の有無を判別する。回答が無い時、プロセスはステップS202を繰返す。回答がある時、プロセスはステップS203に進む。
ステップS203では、制御部22は、ステップS202において検出された質問に対する回答を設定情報として関連付けて、記憶部21に記憶させる。記憶後、プロセスはステップS204に進む。
ステップS204では、制御部22は、充電台12と通信可能であるか否かを判別する。通信不可能である時、プロセスはステップS205に進む。通信可能である時、プロセスはステップS206に進む。
ステップS205では、制御部22は、ディスプレイ19に充電台12との通信を可能にさせる行動を要求するメッセージをディスプレイ19に表示させる。通信を可能にさせる行動を要求するメッセージは、携帯端末11が充電台12と有線通信を行う構成において、例えば、“充電台に載置してください”である。また、通信を可能にさせる行動を要求するメッセージは、携帯端末11が充電台12と無線通信を行う構成において、例えば、“充電台12に近付けてください”である。メッセージの表示後、プロセスはステップS204に戻る。
ステップS206では、制御部22は、ステップS203において記憶した設定情報を充電台12に転送する。また、制御部22は、転送中であることを示すメッセージをディスプレイ19に表示させる。転送の開始後にプロセスはステップS207に進む。
ステップS207では、制御部22は、充電台12から転送完了の通知を取得したか否かを判別する。取得していない時、プロセスはステップS207を繰返す。取得している時、プロセスはステップS208に進む。
ステップS208では、制御部22は、プライベート設定の完了を示すメッセージをディスプレイ19に表示させる。表示後、プライベート設定処理は終了する。
次に、本開示において充電台12の制御部32が実行する、発話等実行判別処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。制御部32は、発話等実行判別処理を周期的に開始してもよい。
ステップS300において、制御部32は、携帯端末11の載置を載置センサ30が検出しているか否かを判別する。検出している時、プロセスはステップS301に進む。検出していない時、発話等実行判別処理は終了する。
ステップS301では、制御部32は、変動機構25および人感センサ29を駆動して、充電台12の周囲に人がいるか否かの検出を行う。変動機構25および人感センサ29を駆動させた後、プロセスはステップS302に進む。
ステップS302では、制御部32は、充電台12の周囲の人を人感センサ29が検出しているか否かを判別する。周囲の人を検出する時、プロセスはステップS303に進む。周囲の人を検出しない時、発話等実行判別処理は終了する。
ステップS303では、制御部32は、カメラ28を駆動し画像を検出させる。検出した画像の取得後、プロセスはステップS304に進む。ここで、検出した画像は少なくとも充電台12の周囲の画像を含む。ここで、ステップS303において、制御部32は、カメラ28とともに、マイク26を駆動して音声を検出させてもよい。
ステップS304では、制御部32は、ステップS303において撮像により取得した画像内に含まれる人の顔を探索する。顔の探索後、プロセスはステップS305に進む。
ステップS305では、制御部32は、ステップS304において探索した顔を、記憶部31に記憶した登録済みの顔の画像と比較することにより、対話対象のユーザを特定する。制御部32は、画像内に含まれる対話対象のユーザ以外の人についても特定する。つまり、充電台12の周囲の人が複数である場合、制御部32は、それぞれの人について特定を行う。制御部32は、例えば特定できない人(例えば顔の画像を登録していない人)が画像内に含まれている場合に、充電台12の周囲に他人がいると認識する。また、制御部32は、携帯端末11のディスプレイ19を対話対象のユーザの顔の方向を向ける処理のために、対話対象のユーザの顔の画像内の位置を特定する。特定後、プロセスはステップS306に進む。
ステップS306では、制御部32は、ステップS305における画像内に含まれる人の特定に基づいて、プライベートレベルを決定する。制御部32は、特定された対話対象のユーザ以外の人について、対話対象のユーザとの続柄または交友関係等を特定する。プライベートレベルの決定後、プロセスはステップS307に進む。
ステップS307では、制御部32は、ステップS306において決定したプライベートレベルを携帯端末11に通知する。通知後、プロセスはステップS308に進む。
ステップS308では、制御部32は、ステップS305において検出した顔の位置に基づいて、携帯端末11のディスプレイ19がステップS303において撮像された対話対象のユーザの顔の方向を向くように、変動機構25を駆動させる。変動機構25の駆動後、プロセスはステップS309に進む。
ステップS309では、制御部32は、発話処理および音声認識処理の少なくとも一方を開始させる指令を携帯端末11に通知する。通知後、プロセスはステップS310に進む。
ステップS310では、制御部32は、携帯端末11の離脱を載置センサ30が検出しているか否かを判別する。検出していない時、プロセスはステップS303に戻る。検出している時、プロセスはステップS311に進む。
ステップS311では、制御部32は、離脱の検出後から所定時間が経過しているか否かを判別する。所定時間が経過していない場合、プロセスはステップS311に戻る。所定時間が経過している場合、プロセスはステップS312に進む。
ステップS312では、制御部32は、発話処理および音声認識処理の少なくとも一方を終了させる指令を携帯端末11に通知する。
次に、本開示において携帯端末11の制御部22が実行する、プライベートレベル認識処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。プライベートレベル認識処理は、充電台12が通知するプライベートレベルを取得する時に開始する。
ステップS400において、制御部22は取得したプライベートレベルを認識する。制御部22は、認識したプライベートレベルに基づいて、以後の発話処理における発話内容を変更する内容変更処理を実行する。プライベートレベルの認識後、プライベートレベル認識処理は終了する。
次に、本開示において携帯端末11の制御部22が実行する、内容変更処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。内容変更処理は、例えば携帯端末11が充電台12によって通知されたプライベートレベルを認識した時に開始する。内容変更処理は、例えば携帯端末11がプライベートレベルを認識してから発話処理を終了させる指令を受け取るまで、周期的に実行されてもよい。
ステップS500では、制御部22は、対話対象のユーザに通知すべきスケジュールがあるか否かを判別する。例えば、まだ対話対象のユーザに通知していないスケジュールであって、実行予定日時まで所定の時間以内であるものがあれば、制御部22は、通知すべきスケジュールがあると判定する。通知すべきスケジュールがある場合、プロセスはステップS600に進む。通知すべきスケジュールがない場合、プロセスはステップS501に進む。
ステップS600では、制御部22は、後述するスケジュール通知のサブルーチンを実行する。スケジュール通知のサブルーチンの実行後、プロセスはステップS501に進む。
ステップS501では、制御部22は、対話対象のユーザに通知すべきメモがあるか否かを判別する。例えば、まだ対話対象のユーザに通知していない新たに登録されたメモがあれば、制御部22は、通知すべきメモがあると判定する。通知すべきメモがある場合、プロセスはステップS700に進む。通知すべきメモがない場合、プロセスはステップS502に進む。
ステップS700では、制御部22は、後述するメモ通知のサブルーチンを実行する。メモ通知のサブルーチンの実行後、プロセスはステップS502に進む。
ステップS502では、制御部22は、対話対象のユーザに通知すべきメールがあるか否かを判別する。例えば、まだ対話対象のユーザに通知していない新たに受信したメールがあれば、制御部22は、通知すべきメールがあると判定する。通知すべきメールがある場合、プロセスはステップS800に進む。通知すべきメールがない場合、プロセスはステップS503に進む。
ステップS800では、制御部22は、後述するメール通知のサブルーチンを実行する。メール通知のサブルーチンの実行後、プロセスはステップS503に進む。
ステップS503では、制御部22は、対話対象のユーザに通知すべき電話着信があるか否かを判別する。例えば、対話対象のユーザ宛ての電話着信があれば、または、まだ対話対象のユーザに通知していない電話の録音メモがあれば、制御部22は、通知すべき電話着信があると判定する。通知すべき電話着信がある場合、プロセスはステップS900に進む。通知すべき電話着信がない場合、内容変更処理は終了する。
ステップS900では、制御部22は、後述する電話着信通知のサブルーチンを実行する。電話着信通知のサブルーチンの実行後、内容変更処理は終了する。また、内容変更処理において通知すべきスケジュール、メモ、メールおよび電話着信の少なくとも一つがあった場合、制御部22は、発話処理において、内容変更処理を経た発話内容を音声出力する。
次に、本開示において携帯端末11の制御部22が実行する、スケジュール通知のサブルーチンS600について、図9のフローチャートを用いて説明する。
ステップS601において、制御部22は、プライベートレベルが第1のレベルであるか否かを判別する。第1のレベルでない場合(第2のレベルまたは第3のレベルである場合)、制御部22は、スケジュール通知のサブルーチンS600を終了する。第1のレベルである場合、プロセスはステップS602に進む。
ステップS602において、制御部22は、設定情報に基づいて、スケジュールを音声で通知することについてプライベート設定が有効であるか否かを判別する。ここで、プライベート設定が有効であるとは、プライベート情報を保護する設定となっていることを意味する。制御部22は、プライベート設定処理で生成された設定情報を参照することによって、内容変更処理の対象となる所定の情報(スケジュール、メモ、メールおよび電話)のそれぞれについて、プライベート設定が有効であるか否かを判別可能である。スケジュールを音声で通知することについてプライベート設定が有効である場合、プロセスはステップS603に進む。プライベート設定が有効でない場合、プロセスはステップS604に進む。
ステップS603では、制御部22は、発話内容をなしに変更する。つまり、制御部22は、スケジュールについて発話しないように変更する。
ステップS604では、制御部22は、スケジュールの内容についてプライベート設定が有効であるか否かを判別する。プライベート設定が有効である場合、プロセスはステップS605に進む。プライベート設定が有効でない場合、制御部22は、スケジュール通知のサブルーチンS600を終了する。
ステップS605では、制御部22は、発話内容を定型句に変更する。定型句は例えば記憶部21に記憶されている。例えば、制御部22は、「本日の19時に歓送迎会の予定があります」という発話内容を、プライベートな情報を含まない定型句である「本日予定があります」に変更する。制御部22は、発話内容の変更後に、スケジュール通知のサブルーチンS600を終了する。
次に、本開示において携帯端末11の制御部22が実行する、メモ通知のサブルーチンS700について、図10のフローチャートを用いて説明する。
ステップS701において、制御部22は、プライベートレベルが第1のレベルであるか否かを判別する。第1のレベルでない場合(第2のレベルまたは第3のレベルである場合)、制御部22は、メモ通知のサブルーチンS700を終了する。第1のレベルである場合、プロセスはステップS702に進む。
ステップS702において、制御部22は、設定情報に基づいて、メモを音声で通知することについてプライベート設定が有効であるか否かを判別する。プライベート設定が有効である場合、プロセスはステップS703に進む。プライベート設定が有効でない場合、プロセスはステップS704に進む。
ステップS703では、制御部22は、発話内容をなしに変更する。つまり、制御部22は、メモについて発話しないように変更する。
ステップS704では、制御部22は、メモの内容についてプライベート設定が有効であるか否かを判別する。プライベート設定が有効である場合、プロセスはステップS705に進む。プライベート設定が有効でない場合、制御部22は、メモ通知のサブルーチンS700を終了する。
ステップS705では、制御部22は、発話内容を定型句に変更する。定型句は例えば記憶部21に記憶されている。例えば、制御部22は、「明日、報告書Yを提出する必要があります」という発話内容を、プライベートな情報を含まない定型句である「メモがあります」に変更する。制御部22は、発話内容の変更後に、メモ通知のサブルーチンS700を終了する。
次に、本開示において携帯端末11の制御部22が実行する、メール通知のサブルーチンS800について、図11のフローチャートを用いて説明する。
ステップS801において、制御部22は、プライベートレベルが第1のレベルであるか否かを判別する。第1のレベルでない場合(第2のレベルまたは第3のレベルである場合)、制御部22は、メール通知のサブルーチンS800を終了する。第1のレベルである場合、プロセスはステップS802に進む。
ステップS802において、制御部22は、設定情報に基づいて、メールを音声で通知することについてプライベート設定が有効であるか否かを判別する。プライベート設定が有効である場合、プロセスはステップS803に進む。プライベート設定が有効でない場合、プロセスはステップS804に進む。
ステップS803では、制御部22は、発話内容をなしに変更する。つまり、制御部22は、メールについて発話しないように変更する。
ステップS804では、制御部22は、メールの宛先および件名の少なくとも一方についてプライベート設定が有効であるか否かを判別する。プライベート設定が有効である場合、プロセスはステップS805に進む。メールの宛先も、件名も、プライベート設定が有効でない場合、制御部22は、メール通知のサブルーチンS800を終了する。
ステップS805では、制御部22は、メールの宛先および件名のうちプライベート設定が有効であるものを定型句または「なし」に変更する。定型句は例えば記憶部21に記憶されている。例えばメールの宛先および件名のプライベート設定が有効である場合、制御部22は、「AさんからZの件でメールがきています」という発話内容を、「メールがきています」に変更する。また、例えばメールの件名のプライベート設定だけが有効である場合、制御部22は、「AさんからZの件でメールがきています」という発話内容を、「Aさんからメールがきています」に変更する。また、例えばメールの宛先のプライベート設定だけが有効である場合、制御部22は、「AさんからZの件でメールがきています」という発話内容を、「Zの件でメールがきています」に変更する。制御部22は、発話内容の変更後に、メール通知のサブルーチンS800を終了する。
次に、本開示において携帯端末11の制御部22が実行する、電話着信通知のサブルーチンS900について、図12のフローチャートを用いて説明する。
ステップS901において、制御部22は、プライベートレベルが第1のレベルであるか否かを判別する。第1のレベルでない場合(第2のレベルまたは第3のレベルである場合)、制御部22は、電話着信通知のサブルーチンS900を終了する。第1のレベルである場合、プロセスはステップS902に進む。
ステップS902において、制御部22は、設定情報に基づいて、電話着信を音声で通知することについてプライベート設定が有効であるか否かを判別する。プライベート設定が有効である場合、プロセスはステップS903に進む。プライベート設定が有効でない場合、プロセスはステップS904に進む。
ステップS903では、制御部22は、発話内容をなしに変更する。つまり、制御部22は、電話着信について発話しないように変更する。
ステップS904では、制御部22は、電話着信の発信者についてプライベート設定が有効であるか否かを判別する。プライベート設定が有効である場合、プロセスはステップS905に進む。プライベート設定が有効でない場合、制御部22は、電話着信通知のサブルーチンS900を終了する。
ステップS905では、制御部22は、発話内容を定型句に変更する。定型句は例えば記憶部21に記憶されている。例えば、制御部22は、「Aさんから着信がありました」という発話内容を、プライベートな情報を含まない定型句である「着信がありました」に変更する。また、例えば、制御部22は、「Aさんの伝言メモがあります」という発話内容を、プライベートな情報を含まない定型句である「伝言メモがあります」に変更する。制御部22は、発話内容の変更後に、電話着信通知のサブルーチンS900を終了する。
以上のような構成の本実施形態に係る対話型電子機器は、対話対象のユーザのプライベートレベルに基づいて、スピーカによって音声出力する内容を変更する内容変更処理を実行する。プライベートレベルは自機器の周囲にいる人に応じて設定される。対話型電子機器では、対話対象のユーザに対して、音声で各種の通知を行うことによって利便性が高まる。一方、対話型電子機器の周囲に対話対象のユーザと親しくない人がいる場合に、プライベートな情報を含めた内容まで音声出力することは好ましくない。上述のような構成により、本実施形態の対話型電子機器は、内容変更処理を実行することによって、対話対象のユーザの個人情報を保護することが可能になる。このように、対話型電子機器は、従来の対話型電子機器に比べて機能が改善される。
また、本実施形態に係る対話型電子機器は携帯端末11である。制御部22は、自機器(携帯端末11)が充電台12に載置された場合に内容変更処理を実行する。一般的に、外出中の携帯端末11のユーザは、帰宅後早急に携帯端末11の充電を開始することが多い。それゆえ、対話型電子機器は、ユーザの帰宅時など適切なタイミングで、当該ユーザ宛の通知をユーザに報知し得る。このように、対話型電子機器は、従来の対話型電子機器に比べて機能が改善される。
また、本実施形態に係る充電台12は、携帯端末11が載置されている場合、携帯端末11に発話処理および音声認識処理の少なくとも一方を実行させている。このような構成により、充電台12は、単体で所定の機能を実行する携帯端末11とともにユーザとの対話相手になり得る。したがって、充電台12は、例えば、一人暮らしの高齢者の食事中の対話相手となり、高齢者の孤食を防ぎ得る。このように、充電台12は、従来の充電台に比べて、機能が改善されている。
また、本実施形態に係る充電台12は、携帯端末11が載置される時、携帯端末11に発話処理および音声認識処理の少なくとも一方の実行を開始させている。したがって、充電台12は、携帯端末11の載置により、煩雑な入力などを必要とすること無く、ユーザとの対話などを開始させ得る。
また、本実施形態に係る充電台12は、携帯端末11が離脱する時、携帯端末11に発話処理及び音声認識処理の少なくとも一方の実行を終了させている。したがって、充電台12は、携帯端末11の離脱のみにより、煩雑な入力などを必要とすること無く、ユーザとの対話などを終了させ得る。
また、本実施形態に係る充電台12は、携帯端末11のディスプレイ19が発話処理および音声認識処理の少なくとも一方の実行対象のユーザの方向を向くように変動機構25を駆動する。したがって、充電台12は、ユーザとの対話時に、コミュニケーションシステム10を、実際に会話をする人のように、当該ユーザに認識させ得る。
また、本実施形態に係る充電台12は、ユーザとの会話内容を、充電台12と通信する異なる携帯端末11間において共有させ得る。このような構成により、充電台12は、特定のユーザの会話内容を他のユーザに把握させ得る。したがって、充電台12は、会話内容を遠隔地にいる家族などと共有させ得、家族間のコミュニケーションを円滑化し得る。
また、本実施形態に係る充電台12は、特定の対象の状態を判断して異常状態である場合に携帯端末11のユーザに報知する。したがって、充電台12は、特定の対象を見守りし得る。
また、本実施形態に係るコミュニケーションシステム10は、対話対象のユーザに対して、過去の会話内容、発した音声、および充電台12の設置された場所などに基づいて、発する言葉を決める。このような構成により、コミュニケーションシステム10は、対話中のユーザの現在の会話内容および過去の会話内容ならびに設置場所に合わせた会話を行い得る。
また、本実施形態に係るコミュニケーションシステム10は、特定のユーザの行動履歴などを学習して、ユーザへのアドバイスを出力することも可能である。このような構成により、コミュニケーションシステム10は、薬を飲むべき時の通知、当該ユーザの好みの食事の提案、当該ユーザの健康のための食事内容の提案、および当該ユーザが継続可能かつ効果的な運動の提案を行うことにより、ユーザの忘却し易いこと、ユーザに未知のことを認識させ得る。
また、本実施形態に係るコミュニケーションシステム10は、現在位置に関連付けられた情報を報知する。このような構成により、コミュニケーションシステム10は、ユーザの居住地近辺に特化した地域情報をユーザに教示し得る。
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
例えば、本実施形態において、携帯端末11の制御部22が、プライベートレベルに応じた内容変更処理、内容変更処理に従った内容での発話処理、音声認識処理を実行するが、これらを充電台12の制御部32が実行してもよい。充電台12の制御部32が実行する構成においては、ユーザとの対話において充電台12のマイク26、スピーカ27、およびカメラ28を駆動してもよいし、携帯端末11のマイク16、スピーカ17、およびカメラ18を、通信部23、13を介して駆動してもよい。
また、本実施形態において、充電台12の制御部32が実行する処理(例えば、プライベートレベルの判定処理等)の少なくとも一部を、携帯端末11の制御部22に実行させてもよい。
また、本実施形態において、スケジュール通知のサブルーチン、メモ通知のサブルーチン、メール通知のサブルーチン、および電話着信通知のサブルーチンは、プライベートレベルが第1のレベルであることを、プライベート状態でないとしている(ステップS601、ステップS701、ステップS801およびステップS901)。しかし、これらのサブルーチンは個別に(互いに独立に)、プライベートレベルが「第1のレベルまたは第2のレベル」であることを、プライベート状態でないとしてもよい。
また、本実施形態において、プライベートレベルが第2のレベルおよび第3のレベルである場合に、プライベート状態であるとして発話内容の変更が実行されない。ここで、プライベートレベルが第2のレベルである場合に、発話内容を、第3のレベルの内容(プライベート情報を完全に含む内容)から変更してもよい。例えば、スケジュールについて音声出力する場合に、第3レベルの発話内容が「本日の19時に場所Xで歓送迎会の予定があります」であるとする。このとき、制御部22は、第2のレベルの発話内容を「歓送迎会の予定があります」に変更してもよい。つまり、制御部22は、重要なプライベート情報と判定する内容(この例では時刻および場所)を省略して、第2のレベルの発話内容としてもよい。このとき、プライベートレベルが第1のレベルから第3のレベルに応じて、段階的にプライベート情報が含まれるように発話内容が調整される。そのため、プライベート情報について、プライベートレベルに応じた、より適切な保護が可能になる。
また、本実施形態において、上記変形例を組み合わせて、充電台12の制御部32が内容変更処理、発話処理、音声認識処理等を実行し、かつ携帯端末11の制御部22がプライベートレベルの判定処理等を実行してもよい。
また、本実施形態において、携帯端末11の制御部22が、登録処理を実行するが、充電台12の制御部32が実行してもよい。
また、本実施形態において、プライベート設定処理は、ユーザによる入力部20への入力で実行される。プライベート設定処理は、内容変更処理の対象となる所定の情報(スケジュール、メモ、メールおよび電話)のそれぞれについて、プライベート設定が有効であるか否かを個別に設定した設定情報を生成する。設定情報の変更は、プライベート設定処理を再び実行することによって可能である。ここで、一括した設定情報の変更(プライベート設定の有効と無効の切り替え)が、対話型電子機器とユーザとの特定の会話によって実行可能であってもよい。例えば、天気の話をした後に特定の言葉(一例として「そうそう」という返答)をユーザが発すると、制御部22によって設定情報が更新されて、スケジュール、メモ、メールおよび電話の全てについて一括してプライベート設定が有効(または無効)になってもよい。また、例えばユーザがタッチパネルに登録した画像(一例としてキャラクタの顔)を表示させて、登録した画像の特定の位置を特定の順番(一例として目、口、鼻の順)でユーザがタッチすると、スケジュール、メモ、メールおよび電話の全てについて一括してプライベート設定が有効(または無効)になってもよい。また、例えば対話型電子機器とユーザとの間で、一定時間、会話がない場合に、スケジュール、メモ、メールおよび電話の全てについて一括してプライベート設定が有効(または無効)になってもよい。また、例えば対話型電子機器によって実行される顔認識で、ユーザが確認できなくなると、スケジュール、メモ、メールおよび電話の全てについて一括してプライベート設定が有効(または無効)になってもよい。また、例えばユーザが電源ボタンなどの特定のボタンを押し下げると、スケジュール、メモ、メールおよび電話の全てについて一括してプライベート設定が有効(または無効)になってもよい。このような機能によって、プライベート設定について、ユーザが思う通りの素早い設定が可能になる。例えば当初プライベート設定をすることなく対話していて急に他人が入ってきたような場合に、他人に気付かれずにプライベート設定を有効にするといった使い方が可能になる。また、他人が去ってプライベートな空間となった場合に、一括してプライベート設定を無効化することによって、必要な情報を音声出力させることが可能になる。ここで、プライベート設定の一括の有効化(または無効化)が実行される前に、ユーザに対して確認画面が表示されてもよい。また、本実施形態において、周囲に他人がいるか否かの確認は、制御部32がカメラ28を駆動して画像から人の顔を探索することで行っていた(図6のステップS303〜ステップS305)で実行されていた。ここで、制御部32は、音声認識(声紋認識)によって周囲に他人がいるか否かを確認してもよい。また、制御部32は、上記のような対話型電子機器とユーザとの特定の会話を用いて、周囲に他人がいるか否かを確認してもよい。また、制御部32は、上記のような登録した画像へのタッチ順を用いて、周囲に他人がいるか否かを確認してもよい。
また、本実施形態において、発話処理において発話する言葉がスケジュール、メモ、メールおよび電話に基づく場合に、内容変更処理が実行される。ここで、発話処理において発話する言葉の全て(例えば一般対話を含む)に対して、内容変更処理が実行されてもよい。例えば、制御部22は、特定の場所(一例として対話対象のユーザの家)以外に設けられた充電台12に携帯端末11が載置されたことを、充電台12から取得した位置情報またはGPS信号等から検出した場合に、発話する言葉の全てに対して内容変更処理を実行してもよい。このとき、発話する言葉に含まれる全てのプライベートな情報が定型句または一般的な言葉に置き換えられてもよい。例えば、制御部22は、対話対象のユーザの家以外の外出先に設けられた充電台12に携帯端末11が載置された場合に、発話する言葉の全てに対して内容変更処理を実行する。このとき、例えば、制御部22は、「今日、Bさんの誕生日です」という一般対話での発話内容を、「今日、友達の記念日です」に変更する。一般対話を含む全ての発話内容に対して内容変更処理を実行することによって、対話対象のユーザの個人情報をより強固に保護することが可能になる。