JP6970484B2 - 二軸押出機の自動立上制御方法 - Google Patents

二軸押出機の自動立上制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、二軸押出機のパージ処理を行った後の自動立上げに係る自動立上制御方法に関する。
二軸押出機は、これに供給する原料供給量とスクリュ回転数を自由に設定・変更することができるようになっているところ、二軸押出機が押出の対象とする原料、組成又は処理量、あるいは二軸押出機の構成・仕様は様々であるために、二軸押出機の立上げ、稼働には高度な知識と経験が要求され、熟練のオペレータであっても、試行錯誤を行いつつ二軸押出機を立ち上げることが一般的に行われている。このため、熟練のオペレータに限らず効率的に生産稼働状態まで二軸押出機を立ち上げることができる自動立上制御方法が求められている。
二軸押出機の自動立上制御の要請に対し、特許文献1に、スクリュー2を回転することで供給された樹脂材料を溶融樹脂として金型4に向かって押し出しする樹脂押出機1の立上制御方法であって、前記樹脂押出機1の起動時は、樹脂材料を目標供給量よりも少ない低供給量で供給すると共に、スクリュー2を目標回転数よりも少ない低回転数で回転し、その後に樹脂材料の供給量を漸増すると共に、スクリュー2の回転数を漸増して設定した立上時間経過後に目標供給量、目標回転数とする樹脂押出機の立上制御方法が提案されている。この立上制御方法によると、作業者の熟練度がなくても安定した立上制御を行うことができ、樹脂押出機の起動から設定した目標供給量、目標回転数まで自動的に短時間に立ち上げることができるとされる。
特許文献2に、押出機の停止状態から生産状態までこれを自動的に立上げる自動運転システムにおいて、熟練工等のオペレータが立ち上げたときのスクリュモータ電流値、フィーダモータ電流値、樹脂圧力等の立上げデータ、あるいは、その立上げデータを編集したデータを含むデータベースから所要の立上げデータを選択し、その立上げデータに基づいて押出機を自動的に立上げる自動運転システムが提案されている。この自動運転システムによると、熟練工でなくても熟練工と同様の立上げ運転をすることができ、短時間で立ち上げることができるとされる。
特許文献3に、押出機のスクリュ回転数と、押出機に原料を供給するフィーダの回転数とを停止状態から定常状態まで制御しながら押出機の自動立ち上げを行う方法において、前件部をスクリュ回転数、フィーダ回転数およびスクリュ負荷電流変化とし、後件部をスクリュ回転数(変速)、フィーダ回転数(変速)としたファジールールと、これらファジー変数のメンバシップ関数とにより、スクリュ、フィーダ回転数を目標回転数まで増速する押出機の自動立ち上げ方法が提案されている。この自動立ち上げ方法によると、押出機または使用原料もしくは使用口金の違いによって、多くの立ち上げ条件の設定をする必要がなく、かつ、立ち上げ時間を短縮することができるとされる。
特開2011-207024号公報 特開平10-109354号公報 特開平10-100235号公報
二軸押出機の立上げにおいては、二軸押出機に供給する原料供給量Q(kg/h)と二軸押出機のスクリュ回転数Ns(rpm)の関係をどの様にするかが重要である。特許文献1に記載の立上制御方法は、樹脂材料の供給量を漸増すると共に、スクリュー2の回転数を漸増することにより目標供給量、目標回転数まで自動的に短時間に立ち上げるとするが、その具体的な制御は明確でない。特許文献2に記載の自動運転システムは、熟練工等のオペレータの操作と同様な立上げを行うことができるが、その適用は限定的で汎用性に欠ける恐れがある。特許文献3に記載の自動立ち上げ方法は、スクリュ、フィーダ回転数を、オペレータの経験則に基づくファジールールを基にファジー理論を適用して目標回転数まで増速する方法であり、その適用の汎用性に欠ける恐れがある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、様々な構成・仕様の二軸押出機について、種々の原料、組成又は処理量を押出の対象とするものであっても、熟練工等のオペレータに限らず効率的に二軸押出機を立ち上げることができ、また、二軸押出機内部の混練状態を許容できる程度に維持しながら、短時間で生産運転条件まで立ち上げることができる自動立ち上げ制御方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の点に着目して本発明を完成させた。すなわち、二軸押出機の立上げにおいて、スクリュ回転数Nsの値に対して原料供給量Qの値が大きい場合は、二軸押出機内部の溶融部で十分な充満率を確保できるため溶融状態が安定するが、原料供給量Qの値が大きすぎる場合には、二軸押出機の原料搬送能力不足による原料供給部でのフィードネック、ガス抜き用ベント口からの樹脂の逆流(ベントアップ)、過負荷による生産停止などの不具合が発生することがある。一方、原料供給量Qの値に対してスクリュ回転数Nsの値が大きいとモータトルクが小さい値で運転できるため、モータ出力限界値に対する余裕代が大きくなるが、スクリュ回転数Nsの値が大きすぎる場合には、樹脂温度の上昇による製品物性の悪化、原料樹脂充満不足による混練不良の発生、二軸押出機内部が飢餓状態となって左右のスクリュ同士が接触し、スクリュ、シリンダ、スクリュ軸又は二軸押出機構成機械部品を損傷させることがある。つまり、二軸押出機の運転には、運転に適したスクリュ回転数Nsと原料供給量Qの比率の範囲が存在する。なお、この許容できる比率の範囲・広さは使用する樹脂の種類及び混練プロセスによって大きく異なる。
一方、二軸押出機の生産運転条件に達するまでの立ち上げ運転においては、その運転時間及び排出された原料は生産ロスとなるため、できるだけ立ち上げ速度を早くして、短時間で立ち上げたい。しかしながら、二軸押出機においてQ/Nsを一定の比率を保って立ち上げ運転するときは、Q/Ns一定であっても立ち上げ速度(スクリュ回転数の加速度)が速すぎると、二軸押出機内部の充満・溶融・混練状態が変動して不安定となり、結果としてモータ電流値・消費電力値が変動する場合がある。この時運転条件がモータ出力限界近くであれば、変動した消費電力値がモータ出力限界を超えて過負荷で停止する可能性が有るため、立ち上げ速度は低くしなければならない。立ち上げ速度を上げるためにはモータ出力限界から余裕代を確保する必要がある。このように、運転条件、スクリュ回転数Nsと原料供給量Qによって、適した立ち上げ速度が異なる。本発明は上記の様に、スクリュ回転数Nsと原料供給量Qの比率及び立ち上げ速度が二軸押出機の運転に影響することに着目して本発明を完成させた。
本発明に係る二軸押出機の自動立上制御方法は、駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fn(Q=kn×(Qo/Nso)×Ns)の負荷関数knとを設定することにより、前記立上げ曲線fnに基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法である。ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fnは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=kn×(Qo/Nso)×Nsにより規定される曲線であり、Ns-Q座標系の原点と生産負荷点を通る曲線である。負荷関数kn(k1、k2・・kn)は、0.2〜2の値を取り、スクリュ回転数Nsに依存する係数である。ただし、nは整数で、n=1(k1)のときのみ1なる一定値をとり、立上げ曲線f1(Q=k1×(Qo/Nso)×Ns)は、原点と生産負荷点を通る直線となる。
また、本発明に係る二軸押出機の自動立上制御方法は、駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線の負領域に生産運転を行う生産原料供給量Qo、生産スクリュ回転数Nsoを定め、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Q=(Qo/Nso)×Nsをなる立上げ直線に基づいて、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsを生産原料供給量Qo、生産スクリュ回転数Nsoまで増大させる二軸押出機の自動立上制御方法とすることができる。
上記発明において、スクリュ回転数Nsは、単位時間当たりの回転数増加量が調整できるようになっているのがよい。
上記二軸押出機の自動立上制御方法において、立ち上げた自動立上制御方法を、その自動立上制御方法に係る自動立ち上げ運転中に原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを自由に設定できるマニュアル制御方法に切り替えて二軸押出機を立ち上げることができる。
また、上記二軸押出機の自動立上制御方法において、立上げ曲線fnに基づいて立ち上げた自動立上制御方法を、その自動立上制御方法に係る自動立ち上げ運転中に原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを自由に設定できるマニュアル制御方法に切り替えた後、そのマニュアル制御方法の最後のスクリュ回転数Nsを維持し、もとの立上げ曲線fnに復帰して自動立上制御を継続することができる。
また、上記二軸押出機の自動立上制御方法において、立上げ曲線fnに基づいて立ち上げた自動立上制御方法を、その自動立上制御方法に係る自動立ち上げ運転中に原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを自由に設定できるマニュアル制御方法に切り替えた後、そのマニュアル制御方法の最後のスクリュ回転数Nsを維持し、新たな負荷関数knを設定して新たな立上げ曲線fnに基づいた自動立上制御方法により二軸押出機を立ち上げることができる。
また、本発明に係る二軸押出機の自動立上制御方法は、駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fm(Q=am×Nsm+(am-1)×Nsm-1+・・・+a1×Ns+a0)に基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法とすることができる。ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fmは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=am×Nsm+(am-1)×Nsm-1+・・・+a1×Ns+a0により規定される曲線であり、Ns-Q座標系の生産負荷点を通る曲線である。mは整数で、m=1〜5である。am、(am-1)、・・・a1、a0は、定数である。なお、立上げ曲線fmはNs-Q座標系の原点を必ずしも通らなくてよい。
また、本発明に係る二軸押出機の自動立上制御方法は、駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fα(Q=a×ebNs)に基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法である。ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fαは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=a×ebNsにより規定される曲線であり、Ns-Q座標系の生産負荷点を通る曲線である。eはネイピア数で、自然対数の底である。a、bは、定数である。
また、本発明に係る二軸押出機の自動立上制御方法は、駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fβ(Q=a×In(Ns)+b)に基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法である。ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fβは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=a×In(Ns)+bにより規定される曲線であり、Ns-Q座標系の生産負荷点を通る曲線である。a、bは、定数である。
本発明に係る二軸押出機の自動立上制御方法によれば、様々な構成・仕様の二軸押出機について、種々の原料、組成又は処理量を押出の対象とするものであっても、熟練工等のオペレータに限らず効率的に二軸押出機を立ち上げることができる。
モータ出力限界曲線と、生産負荷点の設定についての説明図である。 二軸押出機の立上げ運転において、モータ消費電力がモータ電力限界曲線Pwを越えてモータが過負荷状態になるときの例を示す説明図である。 本発明に係る立上げ曲線fnの説明図である。 本発明に係る負荷関数の説明図である。 本発明に係るスクリュ回転数増加速度調整についての説明図である。 本発明に係る立上げ曲線fm(m=2)の説明図である。 本発明に係る立上げ曲線fm(m=3)の説明図である。 本発明に係る立上げ曲線fα、fβの説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、二軸押出機のパージ処理を行った後の自動立上げに係る自動立上制御方法に関する。すなわち、本発明に係る自動立上制御方法は、駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fn(Q=kn×(Qo/Nso)×Ns)の負荷関数knとを設定することにより、前記立上げ曲線fnに基づいて二軸押出機を立ち上げる自動立上制御方法である。ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数である。なお、上記パージ処理とは、停止状態にあった二軸押出機の残留物を排出し、二軸押出機内部が飢餓状態でスクリュが回転されないように所定量の樹脂詰めを行うことをいう。
生産負荷点(生産スクリュ回転数Nso,生産原料供給量Qo)は、上記の様に、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwの負領域に定められる。すなわち、図1に示すように、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwの負領域に定められる。この負領域内で、原料供給量Q及びスクリュ回転数Nsを、0(停止状態)から生産負荷点(生産スクリュ回転数Nso、生産原料供給量Qo)に至るまで増大させる過程を二軸押出機の立上げ運転と呼ぶ。なお、図1は、二軸押出機の比動力(二軸押出量の単位押出質量あたりの駆動モータ電力量(kwh/kg))を所定値(例えば0.17)としている。
二軸押出機の立上げ運転において、生産運転に達するまでの運転時間及びその間に供給される原料は生産ロスとなるため、できるだけ短時間で立ち上げるのが好ましい。しかしながら、スクリュ回転数Ns及び原料供給量Qの増加速度が大きい場合、二軸押出機内部の樹脂の充満状態・混練状態が大きく変動し、結果としてモータ電流値及びモータ消費電力値が大きく変動する場合がある。この時Q及びNsの運転条件がモータ電力限界fwに近い場合、モータの消費電力が限界値を超えてしまい、過負荷によりモータが停止することにより二軸押出機の運転が停止する可能性がある。そのため、二軸押出機を素早く立ち上げるためにスクリュ回転数Ns及び原料供給量Qの増加速度を大きく設定する場合は、モータ電流値・消費電力の変動が大きくなって過負荷によりモータが停止するリスクを避けるために、生産条件に到達するまでの立上げルートをできるだけ安全側に設定することが好ましく、生産条件までモータ出力限界に達することなく安定的に立上げのできる制御方法が必要である。
図2に、二軸押出機を素早く立ち上げるためにスクリュ回転数Ns及び原料供給量Qの増加速度が大き過ぎた設定の場合を示す。図2は、二軸押出機のスクリュ回転数Nsにおける二軸押出機の出力トルクをモータ消費電力で表したモータ電力限界値曲線Pwを示し、横軸はスクリュ回転数Ns、縦軸は二軸押出機のモータ消費電力を示す。Poは、生産負荷点(Qo、Nso)におけるモータ消費電力を示す。また、二軸押出機内部の樹脂の充満状態・混練状態が、安定した状態で立ち上げたときのモータ消費電力曲線Pn、および、大きく変動する状態で立ち上げたときのモータ消費電力曲線Paを示す。二軸押出機内部の樹脂の充満状態・混練状態が大きく変動すると、結果としてモータ消費電力値がモータ消費電力曲線Paの様に大きく変動する。このとき、あるスクリュ回転数Nsxにおいて二軸押出機のモータ消費電力値がモータ電力限界値曲線Pwを超えるとモータ過負荷になるためモータが停止し、二軸押出機の運転が停止するようになっている。
生産原料に対して好適な生産負荷点が設定されると、立上げ曲線fn(Q=kn×(Qo/Nso)×Ns)は、例えば、図3に示すように定められる。図3に示す座標系(Ns-Q)は、生産負荷点のスクリュ回転数Nso、原料供給量Qoに基づいて規格化されており、横軸はスクリュ回転数Ns(%)、縦軸は原料供給量Q(%)を示す。立上げ曲線fnは原点と生産負荷点を通る曲線群(f1、f2、f3、f4・・・)であり、負荷関数knにおいてn=1(k1)のときのみ1なる一定値(kn=1)をとり、立上げ曲線f1(Q=k1×(Qo/Nso)×Ns)は、原点と生産負荷点を通る直線となる。なお、nは整数で、本発明においては、100≧nとすることができる。
本発明において、負荷関数knは、スクリュ回転数Nsに依存する係数であり、0.2〜2の値をとる。負荷関数knは、例えば、図4に示すような値をとる。図4において横軸は規格化されたスクリュ回転数Ns、縦軸は負荷関数knの値を示す。knは、図4に示すように、スクリュ回転数Nsが0〜100%において、直線、連続直線群又は近似曲線で表される。図4において、k1の直線の場合は、図3における立上げ曲線f1になる。k2又はk3の場合は、図3におけるf2曲線又はf3曲線になる。k4の場合は、図3におけるf4曲線になる。
立上げ曲線f1に沿うようにスクリュ回転数Nsと原料供給量Qを増大すると、同程度の混練状態及び二軸押出機の比動力(二軸押出量の単位押出質量あたりの駆動モータ電力量(kwh/kg))を維持しながら立ち上げることができる。しかしながらできるだけ短時間で立ち上げたいために、一般的な溶融が容易なコンパウンド樹脂の場合は、立ち上げ曲線1と比較してQ/Ns比が小さくなる立上げ曲線f2や立上げ曲線f3に示すような立上げ曲線に基づいて二軸押出機を立ち上げるのがよい。
Q/Nsの値が低いと二軸押出機の充満率は下がり、結果として二軸押出機モータの電流値・消費電力値が下がるため、高速で立ち上げてモータ電流値・モータ消費電力値の変動があったとしても、二軸押出機のモータの過負荷や樹脂圧の急上昇のリスクを阻止することができる。このため、Q/Nsの値が低い立上げ曲線fn、例えば、図3に示す立上げ曲線f3に基づいて立ち上げると、安全側で二軸押出機を立ち上げることができる。また、高充満率を維持しないと混練が安定しない、一部の溶融困難な樹脂や化学反応を伴う樹脂の場合は、二軸押出機の立上げ運転中に二軸押出機内の混練状態の変動があったとしても、十分な充満率を維持しながら立ち上げたいために、立上げ曲線f1と比較してQ/Ns比が大きくなる立上げ曲線f4に示すような立上げ曲線に基づいて二軸押出機を立ち上げるのが良い。Q/Nsの値が高いと二軸押出機の充満率は上がり、結果として二軸押出機の混練部に十分な原料の充満状態を維持することができるため、二軸押出機の立上げ運転中に多少の変動が有ったとしても、十分な二軸押出機の混練部の充満状態を維持することができるので、安定して二軸押出機を運転することができる。このため、Q/Nsの値が高い立上げ曲線fn、例えば、立上げ曲線f4に基づいて立ち上げると、二軸押出機内の充満状態を維持しながら二軸押出機を立ち上げることができる。ただし、立上げ曲線f4の場合は、二軸押出機内の充満率が高くなり、結果として結果として二軸押出機モータの電流値・消費電力値が上がるため、生産負荷点(生産原料供給量Qo及びスクリュ回転数Nso)がNs-Q座標系のモータ出力限界曲線fwに近い場合は、二軸押出機のモータの過負荷や樹脂圧の急上昇を避けるために、立上げ時間は長く設定し、ゆっくり立ち上げる必要がある。
本発明においては、上述のように、生産負荷点(Nso,Qo)が設定されると、立上げ曲線fn(f1、f2、f3・・・f100)が予め準備される。これらの立上げ曲線fnは、二軸押出機の構成・仕様、供給原料の組成、処理量等に応じて区分け(Aタイプ、Bタイプ、Cタイプなど)されているのがよい。これにより、熟練工等でないオペレータであっても二軸押出機を立ち上げ易くなる。なお、新たな生産負荷点を設定すると改めて立上げ曲線fnが準備される。
二軸押出機の立上げにおいては、素早い立上げが求められる。二軸押出機の立上げ状態が予想できる場合などは、早急に立ち上げるために、二軸押出機のスクリュの単位時間当たりの回転数増加量が調整できるようになっているのが好ましい。このような場合は、図5に示すような二軸押出機の立上げを行うことができる。図5において、横軸は立上げ時間t、縦軸はスクリュ回転数Nsを示す。図5に示すf1は、Ns-Q座標系において立上げ曲線fnが原点と生産負荷点を通る直線の場合のスクリュ回転数と立上げ時間との関係を示す。なお各曲線の傾斜はスクリュ回転数Nsの単位時間当たりの回転数増加量(回転数増加速度)を示す。f2又はf3は、f1に比較して傾斜が急になっており、スクリュ回転数増加速度が高くなっている。これはf1と比較してf2及びf3はモータ出力限界まで余裕代が有るので、モータ電流値・消費電力値が変動しても過負荷になり難いから、高いスクリュ回転数増加速度が設定できるためである。
しかしながら、f2又はf3の場合は、生産スクリュ回転数Nsが生産スクリュ回転数Nsoに近づくと、図4で示した様にknの値が1.0に近づき、図3で示した様にQ/Nsの値が大きくなる。すなわち運転条件がモータ出力限界に近づいて余裕代が小さくなるため、モータ電流値・モータ消費電力値が大きく変動しないように、スクリュ回転速度の増加量を小さくする必要がある。そのため、Nsoに到達するまで、スクリュ回転数増加速度を減じて安定状態(f1の状態)に収束させる必要がある。なお、このスクリュ回転数増加速度を減じて安定状態に収束させるときのスクリュ回転数Nsは、二軸押出機の供給原料等の稼働条件により適切な範囲が選択される。
また、二軸押出機においては、スクリュ回転数Ns及び原料供給量Qを任意に設定することができるという特徴を活かすために、上記立上げ曲線fnに基づいて二軸押出機の自動立上制御を行っていても、途中でマニュアル制御方法に切り替えることができるようになっているのがよい。そして、上記マニュアル制御方法の最後のスクリュ回転数Nsを維持し、もとの立上げ曲線fnに復帰して自動立上制御を継続して行うことができるようになっているのがよい。かかるマニュアル制御方法において、さらに、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを自由に設定できるマニュアル制御方法に切り替えた後、そのマニュアル制御方法の最後のスクリュ回転数Nsを維持することにより、新たな負荷関数knを設定して新たな立上げ曲線fnに基づいて自動立上げ制御で二軸押出機を立ち上げるようにすることができるようになっているのがよい。
本発明に係る二軸押出機においては、駆動モータの電流値を監視する電流センサ、二軸押出機先端樹脂圧を検知する圧力センサを設けるのがよい。二軸押出機のスクリュ回転数の増加は、この電流センサ及び圧力センサの測定値が一定の範囲内に入っていることを確認後に、原料供給量を増大するのがよい。また、モータ停止状態からの二軸押出機の立上げにおいて、最初のモータスタート時のスクリュ回転数Nsは、任意に設定することができる。例えば、図3に示す立上げ曲線fnにおけるスクリュ回転数10%から開始することができる。
以上本発明について説明した。本発明は、二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域に生産負荷点を定めることにより、その生産負荷点により予め定まる計算上の立上げ曲線fnに基づいて、二軸押出機を効率的に立ち上げることができる。しかしながら、二軸押出機を効率的に立ち上げるための立上げ曲線は、必ずしも立上げ曲線fnに限定されない。例えば、多項式を用いた立上げ曲線fm(Q=am×Nsm+(am-1)×Nsm-1+(am-2)×Nsm-2・・・+a1×Ns+a0)に基づいて二軸押出機を立ち上げることができる。ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、上述のように、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。そして、立上げ曲線fmは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=am×Nsm+(am-1)×Nsm-1+(am-2)×Nsm-2・・・+a1×Ns+a0により規定される曲線であり、Ns-Q座標系の生産負荷点を通る曲線である。mは整数である。am、(am-1)、・・・a1、a0は、定数である。なお、立上げ曲線fmはNs-Q座標系の原点を必ずしも通らなくてよい。mは、通常の立上げ運転においては、m=1〜5とすることができる。
上記mが、m=2であるときの立上げ曲線fm2について、以下に説明する。すなわち、立上げ曲線fm2は、Q=a2×Ns2+a1×Ns+a0となり、図6に示すように定められる。図6に示す座標系(Ns-Q)は、生産負荷点のスクリュ回転数Nso、原料供給量Qoに基づいて規格化されており、横軸はスクリュ回転数Ns(%)、縦軸は原料供給量Q(%)を示す。立上げ曲線fm2の定数(a2、a1、a0)は、図6に示す生産負荷点(Nso,Qo)、立上げ中間点(Ns1,Q1)、および運転開始点(Nss,Qs)の3点の運転条件から算出することができ、上記3点から定まる立上げ曲線fm2により立上げ運転が行われる。
上記、運転開始点(Nss,Qs)及び立上げ中間点(Ns1,Q1)は、以下の様に生産負荷点(Nso,Qo)から求められる。すなわち、運転開始点(Nss,Qs)は、is及びjsを負荷係数とすると、Nss=is×Nso、Qs=js×Qoとなる。ここでis及びjsは、0〜0.4の定数とする。立上げ中間点(Ns1,Q1)は、i1及びj1を負荷係数とすると、Ns1=i1×Nso、Q1=j1×Qoとなる。ここで、i1及びj1は、0〜1の定数とする。
is=0かつjs=0とすると、運転開始点(Nss,Qs)は、Ns-Q座標系の原点に一致し、立上げ曲線fm2は原点を通る曲線になる。立上げ曲線fm2は、(is=0、js=0)とし、(i1=0.5、j1=0.5)とすると、図6に示す立上げ曲線fm2k1となる。この立上げ曲線fm2k1は、図2に示す立上げ曲線f1とほぼ同等の立上げ運転を行うことができる。図6において、(is=0、js=0)と一定にし、(i1=0.5、j1=0.4)としたときが立上げ曲線fm2k2、(i1=0.5、j1=0.3)としたときが立上げ曲線fm2k3、(i1=0.5、j1=0.65)としたときが立上げ曲線fm2k4になり、それぞれ、図3に示す立上げ曲線f2、立上げ曲線f3又は立上げ曲線f4とほぼ同等の立上げ運転を行うことができる。なお、負荷係数(is、js、i1、j1)は、各種の立上げ曲線が設定できるように複数の組み合わせが予め準備され、二軸押出機の構成・仕様、供給原料の組成、処理量等に応じて適切な組合せが選択できるように区分けされているのがよい。なお、図6において、横軸はスクリュ回転数Ns(%)、縦軸は原料供給量Q(%)を示し、生産負荷点のスクリュ回転数Nso、原料供給量Qoに基づいて規格化されている。以下に示す図7及び8において同様である。
また、上記mが、m=3であるときの立上げ曲線fm3について、以下に説明する。すなわち、立上げ曲線fm3は、Q=a3×Ns3+a2×Ns2+a1×Ns+a0となる。立上げ曲線fm3
の定数(a3、a2、a1、a0)は、さらに第2の立上げ中間点2(Ns2,Q2)を定めて求めることができる。立上げ曲線fm3k1〜立上げ曲線fm3k4は、例えば、図7に示すようになる。なお、立上げ曲線fmは、mの値が大きいほど複雑な立上げ曲線を設定することができるが、mの値が大きくなるとスムーズな立上げ曲線を設定することが難しくなる。このため、mの値は1〜5の範囲で設定するのがよい。
また、二軸押出機の効率的な立上げ運転は、例えば、指数関数を用いた立上げ曲線によっても行うことができる。すなわち、駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fα(Q=a×ebNs)に基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法である。ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fαは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=a×ebNsにより規定される曲線であり、Ns-Q座標系の生産負荷点を通る曲線である。eはネイピア数で、自然対数の底である。a、bは、定数である。
立上げ曲線fα(Q=a×ebNs)の定数(a、b)は、生産負荷点(Nso,Qo)と運転開始点(Nss,Qs)の2点の運転条件を定めることにより求められ、図8に示すように上記2つの運転条件を満たす立上げ曲線fαが求められる。図8に示す立上げ曲線fαは、図3に示す立上げ曲線f3とほぼ同等の立上げ運転を行うことができる。なお、図8において、Nss=10%、Qs=5%とした。立上げ曲線fαは、原点(0,0)を通らないので、原点以外の運転開始点(Nss,Qs)を設定する必要がある。
また、二軸押出機の効率的な立上げ運転は、自然対数関数を用いた立上げ曲線によっても行うことができる。すなわち、駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fβ(Q=a×In(Ns)+b)に基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法である。ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fβは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=a×In(Ns)+bにより規定される曲線であり、Ns-Q座標系の生産負荷点を通る曲線である。a、bは、定数である。
立上げ曲線fβ(Q=a×In(Ns)+b)の定数(a、b)は、生産負荷点(Nso,Qo)と運転開始点(Nss,Qs)の2点の運転条件を定めることにより求められ、図8に示すように上記2つの運転条件を満たす立上げ曲線fβが求められる。図8に示す立上げ曲線fβは、図3に示す立上げ曲線f4とほぼ同等の立上げ運転を行うことができる。なお、図8において、Nss=10%、Qs=12%とした。立上げ曲線fαは、原点(0,0)を通らないので、原点以外の運転開始点(Nss,Qs)を設定する必要がある。

Claims (9)

  1. 駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fn(Q=kn×(Qo/Nso)×Ns)の負荷関数knとを設定することにより、前記立上げ曲線fnに基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法。
    ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fnは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=kn×(Qo/Nso)×Nsにより規定される曲線であり、Ns-Q座標系の原点と生産負荷点を通る曲線である。負荷関数kn(k1、k2・・kn)は、0.2〜2の値を取り、スクリュ回転数Nsに依存する係数である。ただし、nは整数で、n=1(k1)のときのみ1なる一定値をとり、立上げ曲線f1(Q=k1×(Qo/Nso)×Ns)は、原点と生産負荷点を通る直線となる。
  2. 駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線の負領域に生産運転を行う生産原料供給量Qo、生産スクリュ回転数Nsoを定め、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Q=(Qo/Nso)×Nsをなる立上げ直線に基づいて、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsを生産原料供給量Qo、生産スクリュ回転数Nsoまで増大させる二軸押出機の自動立上制御方法。
  3. スクリュ回転数Nsは、単位時間当たりの回転数増加量が調整できるようになっている請求項1又は2に記載の二軸押出機の自動立上制御方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の自動立上制御方法を、その自動立上制御方法に係る自動立ち上げ運転中に原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを自由に設定できるマニュアル制御方法に切り替えて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の立上制御方法。
  5. 請求項1〜3の何れか一項に記載の立上げ曲線fnに基づいて立ち上げた自動立上制御方法を、その自動立上制御方法に係る自動立ち上げ運転中に原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを自由に設定できるマニュアル制御方法に切り替えた後、そのマニュアル制御方法の最後のスクリュ回転数Nsを維持し、もとの立上げ曲線fnに復帰して自動立上制御を継続して行う二軸押出機の立上制御方法。
  6. 請求項1に記載の立上げ曲線fnに基づいて立ち上げた自動立上制御方法を、その自動立上制御方法に係る自動立ち上げ運転中に原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを自由に設定できるマニュアル制御方法に切り替えた後、そのマニュアル制御方法の最後のスクリュ回転数Nsを維持し、新たな負荷関数knを設定して新たな立上げ曲線fnに基づいた自動立上制御方法により二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の立上制御方法。
  7. 駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fm(Q=am×Nsm+(am-1)×Nsm-1+・・・+a1×Ns+a0)に基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法。
    ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fmは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=am×Nsm+(am-1)×Nsm-1+(am-2)×Nsm-2・・・+a1×Ns+a0により規定される曲線であり、Ns-Q座標系の生産負荷点を通る曲線である。mは整数である。am、(am-1)、・・・a1、a0は、定数である。
  8. 駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fα(Q=a×ebNs)に基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法。
    ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fαは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=a×ebNsにより規定される曲線であり、Ns-Q座標系の生産負荷点を通る曲線である。eはネイピア数で、自然対数の底である。a、bは、定数である。
  9. 駆動モータの出力が、原料供給量Q、スクリュ回転数Nsとするとき、Ns-Q座標系のモータ出力限界曲線fwにより規定される二軸押出機において、そのモータ出力限界曲線fwの負領域の生産負荷点と、その生産負荷点により予め定まる立上げ曲線fβ(Q=a×In(Ns)+b)に基づいて二軸押出機を立ち上げる二軸押出機の自動立上制御方法。
    ここで、生産負荷点における生産原料供給量Qo及び生産スクリュ回転数Nsoは、二軸押出機を立ち上げて生産を行うときの原料供給量、スクリュ回転数に相当する。立上げ曲線fβは、原料供給量Qとスクリュ回転数Nsを変数とし、Q=a×In(Ns)+bにより規定される曲線であり、Ns-Q座標系の生産負荷点を通る曲線である。a、bは、定数である。
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