JP6970389B2 - 双極板、セルスタック、及びレドックスフロー電池 - Google Patents

双極板、セルスタック、及びレドックスフロー電池 Download PDF

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Description

本発明は、双極板、セルスタック、及びレドックスフロー電池に関する。
本出願は、2016年12月07日付の日本国出願「特願2016−238041」に基づく優先権を主張し、上記日本国出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
大容量の蓄電池の一つに、特許文献1に記載されるレドックスフロー電池(以下、RF電池と呼ぶことがある)がある。RF電池は、正極電解液が供給される正極電極と、負極電解液が供給される負極電極と、両極の電極間に介在される隔膜とを備える電池セルを主な構成要素とし、各極の電極に各極の電解液を供給して充放電を行う(特許文献1の図18)。一つの電池セルは、隔膜の表裏を挟む正極電極及び負極電極の積層物を更に挟むように一組の双極板が配置されて構成される(特許文献1の図19)。複数の電池セルが積層された多セル電池では、セルスタックと呼ばれる構造体が利用され(特許文献1の図19)、一つの双極板の表裏に正極電極、負極電極がそれぞれ配置される。
特許文献1は、正方形型の双極板の表裏面に、複数の溝部から構成される電解液の流路を設けることを開示する。この双極板は、その周縁を構成する四辺のうち、下辺を電解液の供給側に配置される供給縁とし、対向する上辺を電解液の排出側に配置される排出縁とする。特許文献1は、双極板の各面に設けられる電解液の流路として、供給縁に平行な横溝と、横溝から直交方向に延設され、並列配置される複数の縦溝と、横溝から双極板の供給縁又は排出縁に至って開口する短い縦溝とを備えるものを開示する(特許文献1の図1)。
特開2015−122230号公報
本開示に係る双極板は、
電解液が流通される電極に対向配置される双極板であって、
前記双極板の表裏面の少なくとも一面に前記電解液を流通する流路を備え、
前記双極板の表裏面の少なくとも一面に設けられた流路は、
電解液を導入する導入路と、前記導入路とは連通せずに独立しており、前記電解液を排出する排出路とを備え、
前記導入路及び前記排出路の少なくとも一方は、前記双極板の外縁を内包する長方形を想定した場合にこの長方形における長辺及び短辺に対して非直交に交差する傾斜溝を含む。
別の本開示に係る双極板は、
電解液が流通される電極に対向配置される双極板であって、
前記双極板の表裏面のそれぞれに前記電解液を流通する流路を備え、
前記双極板の表裏面の少なくとも一面に設けられた流路は、
電解液を導入する導入路と、前記導入路とは連通せずに独立しており、前記電解液を排出する排出路とを備え、
前記導入路及び前記排出路の少なくとも一方は、前記双極板の外縁を内包する長方形を想定した場合にこの長方形における長辺及び短辺に対して非直交に交差する傾斜溝を含み、
前記双極板の表裏面を平面透視した場合に前記双極板の一面に設けられた前記傾斜溝と、他面に設けられて流路をなす溝とが交差するように配置される溝の組を含む。
本開示に係るセルスタックは、
上記の本開示に係る双極板を備える。
本開示に係るレドックスフロー電池は、
上記の本開示に係るセルスタックを備える。
実施形態1の双極板を模式的に示す平面図である。 実施形態2の双極板を模式的に示す平面図である。 実施形態のレドックスフロー電池の基本構成と、基本的な動作原理とを示す説明図である。 実施形態のセルスタックの一例を示す概略構成図である。 セルスタックを備える実施形態のレドックスフロー電池の概略構成を示す説明図である。 試験例1で測定した各試料のレドックスフロー電池において、双極板の傾斜溝の傾斜角とセル抵抗率との関係、及び傾斜角と電池効率との関係を示すグラフである。
[本開示が解決しようとする課題]
電極の利用率をより高められるレドックスフロー電池が望まれている。
上述の横溝及び縦溝を双極板の一辺の長さよりも短い所定の長さとし、更には短い縦溝を設けることで、これら縦溝や横溝は、双極板の周縁から離れて設けられる。この双極板は、その角部及びその近傍に溝部を有していない。このような双極板上に例えば正方形の電極を配置すると、電極の角部及びその近傍に双極板の流路を介して電解液を供給し難く、電極の角部及びその近傍を電池反応に利用できなかったり、電極の角部及びその近傍から流路を介して電解液を排出し難くなったりすると考えられる。即ち、電極に有効活用されていない領域(上記の場合では角部及びその近傍)が存在し得る。
そこで、電極の利用率を高められる双極板を提供することを目的の一つとする。また、電極の利用率が高いセルスタック、レドックスフロー電池を提供することを他の目的の一つとする。
[本開示の効果]
上記の本開示の双極板は、電極の利用率を高められる。上記の本開示のセルスタック、上記の本開示のレドックスフロー電池は、電極の利用率が高い。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る双極板は、
電解液が流通される電極に対向配置される双極板であって、
前記双極板の表裏面の少なくとも一面に前記電解液を流通する流路を備え、
前記双極板の表裏面の少なくとも一面に設けられた流路は、
電解液を導入する導入路と、前記導入路とは連通せずに独立しており、前記電解液を排出する排出路とを備え、
前記導入路及び前記排出路の少なくとも一方は、前記双極板の外縁を内包する長方形を想定した場合にこの長方形における長辺及び短辺に対して非直交に交差する傾斜溝を含む。
ここでの「導入路」とは、流路を構成する溝部のうち、以下の(α)から(γ)のいずれかの条件を満たすものをいう。
(α)溝部の一端が、双極板の周縁において電解液の供給側に配置される部分(供給縁)に開口する。
(β)溝部の一端が、後述する分配溝に連続する。
(γ)供給縁に開口せず、かつ分配溝に連続しない溝部であって、この溝部の一端から供給縁までの距離、又は分配溝までの距離がこの溝部の他端から後述する排出縁までの距離、又は後述する集約溝までの距離よりも短い。
ここでの「排出路」とは、流路を構成する溝部のうち、以下の(χ)から(ω)のいずれかの条件を満たすものをいう。
(χ)溝部の一端が、双極板の周縁において電解液の排出側に配置される部分(排出縁)に開口する。
(ψ)溝部の一端が、後述する集約溝に連続する。
(ω)排出縁に開口せず、かつ集約溝に連続しない溝部であって、この溝部の一端から排出縁までの距離、又は集約溝までの距離が上記溝部の他端から上記の供給縁までの距離、又は上記の分配溝までの距離よりも短い。
「双極板の外縁を内包する長方形」は、双極板の平面形状(外形)が長方形(正方形を含む)であれば、外形と同じ長方形であり、非長方形状であれば、外縁を内包する最小の長方形である。
これらの事項は、後述する(2)の双極板についても同様に適用できる。
上記の双極板は、その表裏面の少なくとも一面に設けられた電解液の流路に傾斜溝を備えるため、この双極板上にレドックスフロー電池(RF電池)用の電極を配置した場合に、上述した表裏面に、複数の縦溝を主体とする流路が設けられた双極板(以下、従来の縦溝形態と呼ぶことがある)に比較して、電極の利用率を高められる。以下に具体例を挙げてこの理由を説明する。
例えば、導入路が傾斜溝を含む場合、この傾斜溝の導入口から離れた溝端部の位置は、傾斜溝の傾斜角に応じて、導入口よりも上述の想定上の長方形における一方の短辺側に近づくようにずれる。即ち、溝端部は、上記想定上の長方形における長辺と一方の短辺とがつくる角部近傍に近づくように配置される。又は、例えば、排出路が傾斜溝を含む場合、この傾斜溝の排出口から離れた溝端部の位置は、傾斜溝の傾斜角に応じて、排出口よりも上述の短辺側に近づくようにずれる。即ち、この溝端部も、上述の長辺と短辺とがつくる角部近傍に近づくように配置される。いずれの場合も双極板の角部近傍を電解液の流通領域とすることができる。このような双極板上に電極を配置すると、電極の角部近傍に上記流路を介して電解液を供給したり、電極の角部近傍から上記流路を介して電解液を排出したりできるからである。
また、上記の双極板は、導入路及び排出路が独立しているため、以下の理由により、電解液を電池反応に効率よく利用できる。上記の双極板上に配置された電極は、導入路に流れる未反応の電解液を受け取ると、電極における導入路を構成する溝部に対応した領域(以下、電極における溝部に対応した領域を溝対向領域と呼ぶことがある)の近傍の領域を反応領域として電池反応を行える。かつこの電極は、反応済の電解液を、電極における排出路に対応した溝対向領域を介して、双極板の排出路に排出できる。この電極は、導入路や排出路を構成する溝部間の領域に対応した領域(以下、電極における溝部間の領域に対応した領域を畝対向領域と呼ぶことがある)を電池の反応領域に利用できると共に、反応領域への未反応の電解液の供給、及び反応領域からの反応済の電解液の排出を効率よく行えるからである。
上記の双極板は、上述のように電極の利用率を高められる上に、電解液を電池反応に効率よく利用できるため、RF電池の内部抵抗の低下や電池効率の向上などに寄与する。また、上記の双極板は、流路を備えるため、電解液の流通性に優れ、ポンプロスなどの損失の低減にも寄与する。上記の双極板は、電池セルを一つのみ備える単セル電池、電池セルを複数積層して備える多セル電池のいずれにも利用できる。
(2)別の本開示の一態様に係る双極板は、
電解液が流通される電極に対向配置される双極板であって、
前記双極板の表裏面のそれぞれに前記電解液を流通する流路を備え、
前記双極板の表裏面の少なくとも一面に設けられた流路は、
電解液を導入する導入路と、前記導入路とは連通せずに独立しており、前記電解液を排出する排出路とを備え、
前記導入路及び前記排出路の少なくとも一方は、前記双極板の外縁を内包する長方形を想定した場合にこの長方形における長辺及び短辺に対して非直交に交差する傾斜溝を含み、
前記双極板の表裏面を平面透視した場合に前記双極板の一面に設けられた前記傾斜溝と、他面に設けられて流路をなす溝とが交差するように配置される溝の組を含む。
上記の双極板は、上述した(1)の双極板と同様に、その表裏面の少なくとも一面に設けられた電解液の流路に傾斜溝を含むため、従来の縦溝形態に比較して電極の利用率を高められる上に、電解液を電池反応に効率よく利用でき、RF電池の内部抵抗の低下や電池効率の向上などに寄与する。また、上記の双極板は、その表裏面に流路を備えるため、電解液の流通性に優れ、ポンプロスなどの損失の低減にも寄与する。このような上記の双極板は、多セル電池に好適に利用できる。
特に、上記の双極板は、その表裏面に流路を備えるものの、一面の流路をなす傾斜溝と他面の流路を成す溝(傾斜溝でもよいし、傾斜溝でなくてもよい)とが平面透視した状態で重複する領域を低減できる。例えば、重複する領域を溝同士の交差箇所のみとすることができる。そのため、上記の双極板の一面に設けられた傾斜溝に沿って流れる一極の電解液と、他面に設けられた溝に沿って流れる他極の電解液とは、上述の交差箇所を除いて異なる位置で流れることができる。このことから、上記の双極板は、両極の電解液が双極板の表裏面の同様な位置で流れる場合に比較して、両極の電解液の流通性により優れ、ポンプロスなどの損失をより低減し易い。また、上記の双極板は、双極板の表裏面にそれぞれ配置される正極電極の反応領域と、負極電極の反応領域とをずらすことができて電池反応を行い易い傾向にある。このことから、上記の双極板は、電解液の利用率をより高められると期待される。更に、上述のように溝の重複領域が少ないことで、双極板の厚さが薄く、かつ傾斜溝の深さがある程度深い場合であっても強度に優れる双極板とし易い。このことから、上記の双極板は、傾斜溝の個数を多くし易く、双極板の広い範囲に亘って均一的に電解液を流し易い点からも電極の利用率を高められると期待される。
(3)上記の双極板の一例として、
前記少なくとも一面に設けられた流路は、
前記導入路に含む前記傾斜溝と前記排出路に含む前記傾斜溝とが隣り合って並ぶ傾斜溝の組を少なくとも一つ含む形態が挙げられる。
上記形態は、従来の縦溝形態と比較して電極の利用率を高められる上に、以下の理由により、電解液を電池反応により効率よく利用できる。上記形態の双極板上に配置された電極は、上記の傾斜溝の組をつくる導入側の傾斜溝に対応する溝対向領域を未反応の電解液の受取領域とし、上記排出側の傾斜溝に対応する溝対向領域を反応済の電解液の排出領域とし、これら導入側の傾斜溝と排出側の傾斜溝とに挟まれる領域に対応する畝対向領域を電池の反応領域とすることができる。このように未反応の電解液の受取領域、電池の反応領域、反応済の電解液の排出領域が隣り合って並ぶ領域を電極に含むことができるからである。
(4)上述の傾斜溝の組を備える双極板の一例として、
前記少なくとも一面に設けられた流路は、
前記導入路及び前記排出路の双方が複数の前記傾斜溝を含み、
前記導入路に含む前記傾斜溝と前記排出路に含む前記傾斜溝とが互いに噛み合うように配置される噛合領域を有する形態が挙げられる。
上記形態は、従来の縦溝形態と比較して電極の利用率を高められる上に、この双極板上に配置された電極は、上述した未反応の電解液の受取領域、電池の反応領域、反応済の電解液の排出領域が隣り合って並ぶ領域をより多く含むため、電解液を電池反応に更に効率よく利用できる。
(5)上記の双極板の一例として、
前記傾斜溝の一端は、前記双極板の周縁に開口する形態が挙げられる。
上記形態は、従来の縦溝形態と比較して電極の利用率を高められる上に、傾斜溝が双極板の周縁から連続するという単純な形状であるため双極板の製造性にも優れる。
(6)上記の双極板の一例として、
前記導入路は、
前記双極板の周縁に沿って開口し、前記導入路に含む複数の前記傾斜溝の一端に連続して、各傾斜溝に前記電解液を供給する分配溝を含み、
前記排出路は、
前記双極板の周縁における前記分配溝側とは対向する側に開口し、前記排出路に含む複数の前記傾斜溝の一端に連続して、これらの傾斜溝からの前記電解液をまとめて排出する集約溝を含む形態が挙げられる。
上記形態は、導入路及び排出路の双方が複数の傾斜溝を含む。上記形態は、傾斜溝の一端部に設けられる導入口や排出口が、双極板の周縁のうち電解液の供給縁や排出縁から離れて配置される場合でも、分配溝を介して導入側の各傾斜溝に電解液を供給でき、かつ排出側の各傾斜溝から集約溝を介して電解液を排出できる。そのため、例えば、傾斜角が大きい場合でも上述の噛合領域をより大きく確保し易い。従って、上記形態は、従来の縦溝形態と比較して電極の利用率を高められる上に、電解液を電池反応に更に効率よく利用できる。
(7)上記の双極板の一例として、
前記傾斜溝の一端部からみて他端部は、この傾斜溝の溝幅以上にずれて配置される形態が挙げられる。
上記形態は、溝幅にもよるが、傾斜角がある程度大きく、従来の縦溝形態と比較して電極の利用率を高められる。
(8)上記の双極板の一例として、
前記傾斜溝の傾斜角が1°以上である形態が挙げられる。
「傾斜溝の傾斜角」とは、双極板がRF電池に組み付けられた場合に上述の想定上の長方形において電解液の流通方向に沿って配置される辺に対する角度とする。
上記形態は、傾斜角が大きく、従来の縦溝形態と比較して電極の利用率を高められ、RF電池の内部抵抗の低下や電池効率の向上などに効果的である(後述の試験例参照)。
(9)上記の双極板の一例として、
前記傾斜溝の傾斜角が40°以下である形態が挙げられる。
上記形態は、傾斜角が上記の範囲であることで、従来の縦溝形態と比較して電極の利用率を高められる上に、傾斜角が大き過ぎず電解液の流通性にも優れる傾斜溝とすることができ、RF電池の内部抵抗の低下や電池効率の向上などに効果的である(後述の試験例参照)。
(10)本開示の一態様に係るセルスタックは、
上記(1)から(9)のいずれか一つに記載の双極板を備える。
上記のセルスタックは、上述のように表裏面の少なくとも一面に傾斜溝が設けられた上記の双極板を備えるため、双極板上に配置される電極の利用率を高められて、電解液を電池反応に効率よく利用できる。従って、上記のセルスタックは、RF電池の内部抵抗の低下や電池効率の向上などに寄与する。
(11)上記のセルスタックの一例として、
前記表裏面の少なくとも一面に前記傾斜溝が設けられた一組の双極板を含む電池セルを備え、
前記一組の双極板は、一方の前記双極板における正極電極との対向面に設けられた前記傾斜溝と、他方の前記双極板における負極電極との対向面に設けられた前記傾斜溝とが互いに交差するように配置される形態が挙げられる。
上記形態は、一組の双極板において向かい合わせに配置される面に設けられた傾斜溝の傾斜方向及び傾斜角の少なくとも一方を異ならせることで、向かい合わせの傾斜溝が交差するように配置される。このような上記形態は、正極電極及び負極電極を挟む一組の双極板を平面透視した場合に、傾斜溝が重複する領域を低減できる。例えば、傾斜溝が重複する領域を溝同士の交差箇所のみとすることができる。そのため、一方の双極板の傾斜溝に沿って流れる正極電解液と、他方の双極板の傾斜溝に沿って流れる負極電解液とは、上述の交差箇所を除いて、向かい合わせの異なる位置で流れることができる。このことから、上記形態は、上述の電極の利用率をより高め易い。また、上記形態は、両極の電解液が向かい合わせに同様な位置で流れる場合に比較して、両極の電解液の流通性に優れ、ポンプロスなどの損失の低減も期待できる。更に、上記形態は、正極電極及び負極電極における反応領域をずらすことができるため、電池反応を行い易い傾向にあり、電解液の利用率をより高められると期待される。
(12)本開示の一態様に係るレドックスフロー電池(RF電池)は、
(10)又は(11)のセルスタックを備える。
上記のRF電池は、上述のように表裏面の少なくとも一面に傾斜溝が設けられた上記の双極板を備えており、上述のように双極板上に配置される電極の利用率を高められて、内部抵抗が低くかったり、電池効率が高かったりする(後述の試験例参照)。また、上記のRF電池は、ポンプロスなどの損失も低減できる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本願発明の実施形態を具体的に説明する。図中、同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1を参照して実施形態1の双極板2Aを説明する。
(概要)
実施形態1の双極板2Aは、RF電池の構成要素に利用され、電流を流すが電解液を通さない導電性の平板材である。双極板2Aは、電解液が流通される電極(正極電極14又は負極電極15、後述の図4)に対向配置される表裏面の少なくとも一面に電解液を流通する流路を備える。双極板2Aの表裏面の少なくとも一面に設けられた流路20は、電解液を導入する導入路21と、導入路21とは連通せずに独立しており、電解液を排出する排出路22とを備える。特に、実施形態1の双極板2Aでは、導入路21及び排出路22の少なくとも一方は、双極板2Aの外縁を内包する長方形を想定した場合にこの長方形における長辺及び短辺に対して非直交に交差する傾斜溝(ここでは噛合溝210,220など)を含む。この例の双極板2Aの平面形状は長方形である。そのため、「外縁を内包する長方形の長辺及び短辺」とは、双極板2Aの周縁を構成する長辺及び短辺に相当する。以下の説明では、双極板2Aの周縁をつくる四辺のうち、後述するセルフレーム12の枠体120に設けられる供給路近くに配置される一辺を供給縁200、枠体120に設けられる排出路近くに配置される他辺を排出縁202と呼ぶことがある。図1及び後述する図2では、下端縁を供給縁200、上端縁を排出縁202とする。また、図1及び図2では、双極板2A,2Bが縦長の長方形であり、上下に配置される短辺を供給縁200,排出縁202とするが、図4に示すように双極板2が横長の長方形であり、上下に配置される長辺を供給縁200,排出縁202とすることもできる。
また、この例の双極板2Aは、以下の構成とする。
(α)流路20は、導入路21及び排出路22の双方が複数の傾斜溝を含み、各傾斜溝の一端が双極板2Aの周縁(供給縁200,排出縁202)に開口する。即ち、導入路21に含む傾斜溝(後述の噛合溝210,単独溝212)は、双極板2Aの供給縁200に開口する導入口215を含む。排出路22に含む傾斜溝(後述の噛合溝220,単独溝222)は、双極板2Aの供給縁200とは対向する側(図1では上側)に位置する排出縁202に開口する排出口225を含む。
(β)双極板2Aは、導入路21に含む傾斜溝(噛合溝210)と排出路22に含む傾斜溝(噛合溝220)とが互いに噛み合うように配置される噛合領域24(図1では二点鎖線で囲まれる仮想の領域)を有する。即ち、双極板2Aは、導入路21に含む傾斜溝(噛合溝210)と排出路22に含む傾斜溝(噛合溝220)とが隣り合って並ぶ傾斜溝の組を複数有する。
(γ)傾斜溝(210,212,220,222)の傾斜角θが1°以上40°以下である。この例の双極板2A及び後述する実施形態2の双極板2Bはいずれも、RF電池に組み付けられた場合に、上述した想定上の長方形における側辺縁204を電解液の流通方向に沿って配置される辺とする。図1及び図2では長辺を側辺縁204とし、図4では短辺を側辺縁204とする。図1及び図2では、傾斜角θが分かり易いように、側辺縁204に平行な直線を一点鎖線で示し、この直線に対する角度として示す。
(δ)噛合溝210,220に加えて、噛合領域24外の領域(図1では、左下の角部及び右上の角部)にも傾斜溝(単独溝212,222)を含む。単独溝212,222は、互いに噛み合うように配置されていない。
図1では、全ての傾斜溝において、その平面形状(双極板2Aの表裏面に直交方向にみた形状)が平行四辺形状であり、傾斜角θが等しく、これらの傾斜溝が双極板2Aの幅方向(図1では左右方向)に等間隔に並列配置される場合を例示する。また、導入側の傾斜溝の一部(噛合溝210)と排出側の傾斜溝の一部(噛合溝220)とが交互に配置された部分を有する場合を例示する。更に、傾斜溝の傾斜方向が左上がりの場合を例示するが、後述する図2に示すように右上がりの傾斜溝とすることもできる。
導入側の傾斜溝の一端(導入口215)は、供給縁200に位置し、他端は、傾斜角θに応じて、双極板2Aの幅方向にずれた地点(図1では左上にずれた地点)に位置する。即ち、導入側の傾斜溝の他端は、供給縁200とは対向する排出縁202と一方(図1では左方)の側辺縁204とがつくる角部に近づいて設けられる。排出側の傾斜溝の一端(排出口225)は、排出縁202に位置し、他端は、傾斜角θに応じて、双極板2Aの幅方向にずれた地点(図1では右下にずれた地点)に位置する。即ち、排出側の傾斜溝の他端は、供給縁200と他方(図1では右方)の側辺縁204とがつくる角部に近づいて設けられる。このような双極板2Aは、その角部近傍を電解液の流通領域とすることができる。
(噛合溝)
傾斜溝のうち、導入側の噛合溝210の一端は、供給縁200に開口し、他端は、排出縁202から直交方向に長さLeの地点に位置して閉じている。排出側の噛合溝220の一端は、排出縁202に開口し、他端は、供給縁200から直交方向に長さLeの地点に位置して閉じている。両噛合溝210,220の他端が閉じていることで、導入側の噛合溝210と、排出側の噛合溝220とは独立した流路を形成する。導入側の噛合溝210における供給縁200から、図1に示す下側の長さLeの地点までの範囲を除く領域と、排出側の噛合溝220における排出縁202から、図1に示す上側の長さLeの地点までの範囲を除く領域とが噛合領域24を構成する。双極板2A上に配置される電極において、噛合領域24に対応する領域のうち、噛合溝210,220に対応する溝対向領域の両側を反応領域とすることができる。電極の反応領域は噛合溝210,220に挟まれるように設けられるといえる。また、電極における導入側の噛合溝210に対向する溝対向領域を未反応の電解液の受取領域とし、排出側の噛合溝220に対向する溝対向領域を反応済の電解液の排出領域とすることができる。そのため、電極の反応領域は、未反応の電解液の受取領域と反応済の電解液の排出領域とに挟まれるといえる。
双極板2Aの一面に対する噛合領域24が占める面積割合が大きいほど、上述の電極の反応領域を多く確保し易い上に、未反応の電解液を反応領域に供給し易く、かつ反応済の電解液を反応領域から排出し易い。上記面積割合は、例えば、60%以上、更に70%以上、80%以上とすることが挙げられる。上記面積割合が上述の範囲を満たすように長さLeは、双極板2Aの周縁において供給縁200又は排出縁202に直交する側辺縁204の長さLの5%以上20%以下とすることが挙げられる。ここでの側辺縁204の長さLとは、双極板2Aの周縁のうち、主として電解液の流通方向に沿って配置される部分の長さである。
(単独溝)
双極板2Aの平面形状、傾斜角θなどによっては、噛合溝210,220(噛合領域24)を十分に確保できず、双極板2Aの広い範囲を電解液の流通領域に利用できないことが考えられる。そこで、導入側の傾斜溝として、排出側の傾斜溝に隣り合わず、かつ上述の供給縁200から所定の地点(ここでは排出縁202に近い上側の長さLeの地点)までに至らない単独溝212を備えることができる。排出側の傾斜溝として、導入側の傾斜溝に隣り合わず、かつ上述の排出縁202から所定の地点(ここでは供給縁200に近い下側の長さLeの地点)までに至らない単独溝222を備えることができる。単独溝212,222を備えると、噛合溝210,220を設けられないような比較的狭い領域、図1では左下の角部近傍や右上の角部近傍を、電解液の流通領域にすることができる。双極板2A上の電極は、単独溝212に対応した溝対向領域から電解液を受け取り、この溝対向領域の近傍を反応領域として電池反応を行う。反応済の電解液は電極内を介して双極板2Aの排出路22に排出される。
単独溝212,222の個数などは適宜選択でき、導入側の単独溝212及び排出側の単独溝222の少なくとも一方を省略することもできる。図1では、溝長さが異なるものの、単独溝212,222の形状、傾斜角θ・溝幅W・溝深さ等の大きさが等しい場合を示すがこれらを異ならせることもできる。また、図1では、溝長さが異なるものの、単独溝212,222の形状、傾斜角θなどの大きさを噛合溝210,220と等しい場合を示すが、これらを異ならせることもできる。傾斜溝の個数が多いほど、双極板2Aの広い範囲に亘って電解液を均一的に流し易い。
(溝の形状)
傾斜溝の平面形状は、図1に示す平行四辺形状が代表的である。この傾斜溝は、その長手方向の全域に亘って、溝幅W(ここでは供給縁200、排出縁202に沿った長さ)が等しい。この例の傾斜溝のように溝幅Wが傾斜溝の全長に亘って一様であると、電解液の流通圧力の変動が生じ難く、電解液の流通性に優れる。また、この例のように全ての傾斜溝の形状が等しいと、溝幅Wや隣り合う傾斜溝間の距離Cなどにもよるが、双極板2Aにおける傾斜溝の個数を多くし易く、双極板2Aの広い範囲に亘って電解液を均一的に流し易い。
傾斜溝の横断面形状(ここでは供給縁200又は排出縁202に平行な平面で切断した形状)は、双極板2Aの表裏面に平行な底面を有する長方形状(図示せず、本例)が代表的である。この場合、傾斜溝の容積を大きく確保し易く、電解液の流通性に優れる。また、この例では、全ての傾斜溝の全長に亘って溝深さが一様であり、傾斜溝の任意の横断面形状及び開口部の端面形状が等しい。この場合、各傾斜溝における電解液の流通圧力の変動が生じ難く、電解液の流通性に優れる上に、全ての傾斜溝における流通状態を均一的にし易い。その結果、電解液の流通性により優れたり、電解液の利用率をより高められたりできると期待される。
(溝の大きさ)
傾斜溝における傾斜角θ、傾斜溝における溝幅W、溝深さ、溝長さ(ここでは傾斜方向に沿った長さ)、隣り合う傾斜溝間の距離C、噛合溝210,220における噛合領域24外に配置される導入口215側の領域、排出口225側の領域の大きさ(例えば、側辺縁204に沿った長さLe)などは適宜選択できる。この例では、全ての傾斜溝において、溝幅W及び溝深さが等しく、噛合溝210,220の溝長さが等しい。そのため、双極板2Aが単純な形状になり易く、製造性にも優れる。なお、図1,図2,図4は傾斜溝を模式的に示し、傾斜角θなどのパラメータは後述の範囲を満たさない場合がある。
傾斜角θは、0°超90°未満の範囲とする。特に、傾斜角θが1°以上であると、傾斜溝の個数、溝幅W、溝長さなどを適切に調整することで、長方形の双極板2Aの角部近傍を含む広い範囲を電解液の流通領域とし易い。その結果、電極の利用率を高められる。傾斜角θが大きいほど、傾斜溝の一端部と他端部とにおける幅方向のずれが大きく、双極板2Aの角部など、隅々に亘って傾斜溝を有し易いため、傾斜角θを1.5°以上、更に2°以上、2.5°以上とすることができる。特に、傾斜角θが40°以下であると、上述のように双極板2Aの広い範囲を電解液の流通領域にできる上に、傾斜角が大き過ぎず電解液の流通性にも優れる傾斜溝とすることができる。供給縁や排出縁に開口する傾斜溝の個数を多く含み易いことからも、電解液の流通性に優れると期待される。これらのことから、傾斜角θを40°未満、38°以下、更に35°以下、30°以下、25°以下、20°以下とすることができる。
又は、傾斜角θは、例えば、傾斜溝の一端部(導入口215又は排出口225)からみて他端部は、この傾斜溝の溝幅W以上にずれて配置されるという条件を満たすことが挙げられる。傾斜溝における上述の幅方向のずれが溝幅W程度である場合、溝幅Wにもよるが、傾斜角θが比較的大きく、双極板2Aの電解液の流通領域を大きく確保し易く、電極の利用率を高められる。上記の幅方向のずれが溝幅Wの1.2倍以上、更に1.5倍以上、2倍以上とすることができる。
溝幅Wは、例えば、双極板2Aの供給縁200又は排出縁202の長さWの0.5%以上5%以下程度、更に0.5%以上2%以下程度であることが挙げられる。又は、溝幅Wは、0.1mm以上10mm以下、更に0.1mm以上8mm以下、0.1mm以上5mm以下、0.5mm以上3mm以下であることが挙げられる。溝幅Wが大きいほど、傾斜溝を流れる際の流通抵抗を低減して、圧力損失の低下を期待できる。溝幅Wが小さいほど、傾斜溝の個数を多くし易く、双極板2Aの広い範囲に亘って電解液を均一的に流し易い。
溝深さは、例えば、双極板2Aの厚さの10%以上45%以下程度を満たすことが挙げられる。溝深さが上記範囲を満たすと、双極板2Aの表裏面に流路を備える場合(この場合、少なくとも一面の流路は傾斜溝を含む流路20)でも、双極板2Aの機械的強度の低下を抑制し易く、強度に優れる。溝深さが双極板2Aの厚さの10%以上35%以下を満たすと、強度により優れる。
溝長さは、傾斜角θ、双極板2Aの大きさなどに応じて適宜選択するとよい。溝長さが長いほど、電極の反応領域を長く確保し易く、電池反応性に優れると期待される。例えば、傾斜溝を斜辺とし、傾斜角θを一つの内角とする直角三角形を想定した場合に、傾斜溝との間に傾斜角θをつくる辺の長さが側辺縁204の長さLの80%以上95%以下、更に85%以上90%以下を満たす傾斜溝を含むことが挙げられる。
傾斜溝間の距離Cは、例えば、1mm以上10mm以下程度、更に1.5mm以上5mm以下程度を満たすことが挙げられる。距離Cが大きいほど、電極の反応領域を大きく確保し易い。距離Cが小さいほど、傾斜溝の個数を多くし易く、双極板2Aの広い範囲に亘って電解液を均一的に流し易い。図1では、噛合領域24における導入側の傾斜溝間の距離及び排出側の傾斜溝間の距離はいずれも(2×C+溝幅W)である場合を例示する。
なお、セルフレーム12の枠体120が一対の枠体片で構成されて、双極板の周縁領域を枠体片間に挟んで支持する場合には、双極板の周縁領域は枠体片の内周縁近傍の領域に覆われる。このような枠体に組み付けられる場合には、双極板2Aにおける枠体120の窓部から露出される領域に流路(少なくとも一面の流路は傾斜溝を含む流路20)を備えるとよい。枠体120に覆われる部分には流路がなくてもよい。この枠体に関連する事項は、後述する実施形態2についても同様である。
(表裏面の流路)
双極板2Aは、表裏面の一面に傾斜溝を含む流路20を備え、他面が平面で形成されて流路を備えていない形態(α)、両面に電解液の流路を備え、一面に傾斜溝を含む流路20を備え、他面に傾斜溝を含まない流路を備える形態(β1)、両面に傾斜溝を含む流路20を備える形態(β2)とすることができる。形態(β1)において他面の流路は、例えば、上述の縦溝や横溝などを含むことが挙げられる。この双極板2Aは、その表裏面を平面透視した場合に一面に設けられた傾斜溝と、他面に設けられて流路をなす縦溝や横溝などの溝とが交差するように配置される。形態(β2)において、表裏面の傾斜溝の傾斜方向及び傾斜角の少なくとも一方が異なると、この双極板2Aの表裏面を平面透視した場合に一面に設けられた傾斜溝と、他面に設けられた傾斜溝とが交差するように配置される(以下、この形態をβ2−1と呼ぶことがある)。形態(β2−1)では、各面の傾斜溝において傾斜角が等しく、傾斜方向が異なる形態、各面の傾斜溝の傾斜方向が等しく、傾斜角が異なる形態、各面の傾斜溝の傾斜角及び傾斜方向の双方が異なる形態とすることができる。又は、形態(β2)において、傾斜角及び傾斜方向が同じであり、実質的に交差しない形態(β2−2)とすることもできる。形態(β2−2)では、平面透視した場合に双極板2Aの一面の傾斜溝と他面の傾斜溝とが完全に重複するように、表裏の流路20を同様な仕様とすることができる。又は、形態(β2−2)では、平面透視した場合に双極板2Aの一面の傾斜溝と他面の傾斜溝との少なくとも一部が重複しないように、傾斜溝の形成位置がずれていると、表裏面の溝が重複する領域を低減でき、双極板2Aの強度を高め易い。但し、この場合、傾斜溝の個数が少なくなり易く、電極の利用率の低下を招き易い。従って、表裏面の溝が交差状態で配置される形態(β1)、形態(β2−1)の方が好ましい。また、表裏面の少なくとも一面の流路20は、この例のように噛合領域24を備えることが好ましい。表裏面の流路に関する事項は、後述する実施形態2についても同様に適用できる。
(構成材料)
実施形態の双極板2Aの構成材料は、電気抵抗が小さい導電性材料であって、電解液と反応せず、電解液に対する耐性(耐薬品性、耐酸性など)を有するものが好適に利用できる。更に、適度な剛性を有する構成材料であると、流路20を構成する溝の形状や寸法が長期に亘って変化し難く、流路20の具備による効果(電極の利用率の向上、流通抵抗の低減、ポンプロスなどの損失の低減など)を維持し易く好ましい。
具体的な構成材料は、炭素材と有機材とを含有する複合材料が挙げられる。より具体的には黒鉛などの導電性無機材とポリオレフィン系有機化合物や塩素化有機化合物などの有機材とを含む導電性プラスチックが挙げられる。
流路20を備える双極板2Aは、上記の構成材料を射出成型、プレス成型、真空成型などの公知の方法によって板状に成形すると共に、流路20も成形することで製造できる。流路20を同時成形すれば双極板2Aの製造性に優れる。流路20を有していない平板材に切削加工などを行って、流路20を形成することもできる。
(主要な効果)
実施形態1の双極板2Aは、特定の傾斜溝(210,220,212,222)を備えるため、その角部近傍などを電解液の流通領域とすることができ、流通領域を増大できる。従って、実施形態1の双極板2Aは、RF電池に組み付けられることで、電極の利用率を高められる。この例の双極板2Aは、導入路21及び排出路22の双方に傾斜溝を備えることからも、流通領域を増大し易く、電極の利用率を高め易い。また、この例の双極板2Aでは、より多くの傾斜溝(単独溝212,222を含む)を備えることからも、電極の利用率を高め易い。
更に、実施形態1の双極板2Aは、導入路21及び排出路22が連通していない。そのため、双極板2A上に電極を配置すると、電極は、導入路21からの電解液を導入路21に対応した溝対向領域で受け取り、この溝対向領域の近傍(ここでは両側)を反応領域として電池反応を行った後、反応済の電解液を反応領域から排出路22に対応した溝対向領域を経て、双極板2Aの排出路22に排出できる。従って、実施形態1の双極板2Aは、RF電池に組み付けられることで、電解液を電池反応に効率よく利用できる。この例の双極板2Aは、導入路21と排出路22とが互いに噛み合うように配置された傾斜溝(噛合溝210,220)を備えることで、電解液を電池反応に更に効率よく利用できる。
その他、この例の双極板2Aは、傾斜溝が双極板2Aの供給縁200、排出縁202に開口するため、製造性にも優れる。
[実施形態2]
図2を参照して実施形態2の双極板2Bを説明する。
(概要)
実施形態2の双極板2Bの基本的構成は、実施形態1の双極板2Aと同様であり、電極との対向面に、導入路21及び排出路22を含む流路20を備え、導入路21及び排出路22の少なくとも一方が傾斜溝(210,212,220,222)を含む。実施形態2の双極板2Bにおける実施形態1との主な相違点は、導入路21が、供給縁200を含む双極板2Bの周縁に沿って設けられ、この周縁に開口する分配溝214を含み、排出路22が、排出縁202を含む双極板2Bの周縁に沿って設けられ、この周縁に開口する集約溝224を含むこと、傾斜角θが比較的大きいことが挙げられる。以下、実施形態1との相違点を詳細に説明し、実施形態1と重複する構成(形状、大きさなど)及び効果は詳細な説明を省略する。
図2に示すように傾斜角θが比較的大きい場合(図2では傾斜角θが30°の場合を例示する)、溝部の両端が供給縁200、排出縁202から離れた傾斜溝が多くなり易い。これらの傾斜溝は、供給縁200から電解液を直接供給され難かったり、電解液を排出縁202から直接排出し難かったりする。これに対して、実施形態2の双極板2Bは、傾斜溝のうち、供給縁200、排出縁202から離れて、側辺縁204,204に近い側に配置される傾斜溝に電解液を供給する分配溝214と、上記傾斜溝から電解液を排出する集約溝224とを備える。
導入路21の一部を構成する分配溝214は、双極板2Bにおける供給縁200に沿って設けられて、供給縁200に開口する供給側部分と、側辺縁204に沿って設けられて、側辺縁204に開口する側方部分とを有するL字状の溝である。分配溝214の側方部分には、導入路21に含む複数の傾斜溝(ここでは噛合溝210)のうち、上述の側辺縁204に近い側に配置される傾斜溝の一端が連続する。そのため、分配溝214を介して、側辺縁204の近くに配置される各傾斜溝に電解液を供給できる。図2に示す導入路21は、側方部分に連続する傾斜溝と、供給側部分に連続する傾斜溝との双方を備え、これらの全ての傾斜溝が分配溝214に開口する。分配溝214の供給側部分を供給縁200の長さよりも短い形態とすることができる。この場合、導入路21に含む複数の傾斜溝のうち、供給縁200側に配置される一部の傾斜溝が供給縁200に開口し、他部の傾斜溝が供給側部分に開口する形態、又は、供給縁200側に配置される全ての傾斜溝が供給縁200に開口し、分配溝214の供給側部分に連続する傾斜溝を有しない形態などとすることもできる。図2に示すように供給側部分を供給縁200の全長に及ぶ長さとすると、供給側部分を整流溝としても利用できる。この場合、枠体120の整流溝を省略してもよい。
排出路22の一部を構成する集約溝224は、双極板2Bにおける排出縁202に沿って設けられて、排出縁202に開口する排出側部分と、側辺縁204に沿って設けられて、側辺縁204に開口する側方部分とを有するL字状の溝である。即ち、集約溝224は、双極板2Bの周縁における分配溝側(供給縁200、左方の側辺縁204)とは対向する側(排出縁202、右方の側辺縁204)に開口する。集約溝224の側方部分には、排出路22に含む複数の傾斜溝(ここでは噛合溝220)のうち、側辺縁204に近い側に配置される傾斜溝の一端が連続する。そのため、側辺縁204の近くに配置される各傾斜溝からの電解液をまとめて、集約溝224を介して排出できる。図2に示す排出路22は、側方部分に連続する傾斜溝と、排出側部分に連続する傾斜溝との双方を備え、これらの全ての傾斜溝が集約溝224に開口する。集約溝224の排出側部分を排出縁202の長さよりも短い形態とすることができる。この場合、排出路22に含む複数の傾斜溝のうち、排出縁202側に配置される一部の傾斜溝が排出縁202に開口し、他部の傾斜溝が排出側部分に開口する形態、又は、排出縁202側に配置される全ての傾斜溝が排出縁202に開口し、集約溝224の排出側部分に連続する傾斜溝を有しない形態とすることもできる。図2に示すように排出側部分を排出縁202の全長に及ぶ長さとすると、排出側部分を整流溝としても利用できる。この場合、枠体120の整流溝を省略してもよい。
分配溝214及び集約溝224における溝幅W214,W224、溝深さ、溝長さ(供給側部分や排出側部分における供給縁200、排出縁202に沿った長さ、側方部分における側辺縁204に沿った長さL)などは適宜選択できる。供給側部分や排出側部分の長さは、供給縁200、排出縁202の長さW以下の範囲で選択でき、この例のようにWとしてもよいし、例えば長さWの5%以上10%以下、更に5%以上8%以下とすることもできる。長さLは、側辺縁204の長さL未満の範囲で選択でき、例えば長さLの80%以上95%以下、更に85%以上90%以下であることが挙げられる。溝幅W214,W224や溝深さは、傾斜溝の項を参照することができる。分配溝214及び集約溝224において、溝幅W214,W224、溝深さ、溝長さの少なくとも一つを異ならせることもできるが、この例のように分配溝214及び集約溝224における溝幅、溝深さ、溝長さが等しいと、双極板2Bが単純な形状になり易く、製造性にも優れる。
(主要な効果)
実施形態2の双極板2Bは、特定の傾斜溝(210,220,212,222)を備えるため、実施形態1と同様に、RF電池に組み付けられた際に電極の利用率を高められる。また、実施形態2の双極板2Bは、独立した導入路21及び排出路22を備えるため、実施形態1と同様に、RF電池に組み付けられた際に、電解液を電池反応に効率よく利用できる。
特に、実施形態2の双極板2Bでは、実施形態1の双極板2Aに比較して、傾斜溝の傾斜角θが比較的大きいものの、分配溝214及び集約溝224も備えて、分配溝214に連続する傾斜溝と、集約溝224に連続する傾斜溝を含む。この分配溝214を介して、導入側の各傾斜溝(ここでは噛合溝210)に電解液を供給できると共に、排出側の各傾斜溝(ここでは噛合溝220)から集約溝224を介して電解液を排出できる。即ち、側辺縁204側に配置される傾斜溝についても、供給縁200や排出縁202に開口する傾斜溝と同様に、電解液の導入、排出を良好に行える。このような実施形態2の双極板2Bは、RF電池に組み付けられた際に、電解液を電池反応に効率よく利用できる。傾斜溝の傾斜角θが比較的大きい場合、例えば1°以上である場合には、分配溝214及び集約溝224を備えることで、傾斜溝の個数をより多くし易く、更にこれら傾斜溝を噛合溝210,220として噛合領域24をより大きくできて、電解液を電池反応に効率よく利用できる。
[実施形態3]
図3から図5を参照して、実施形態のRF電池10、実施形態のセルスタック30の概要を説明する。
図3,図5の正極タンク16内及び負極タンク17内に示すイオンは、各極の電解液中に含むイオン種の一例を示す。図3において実線矢印は充電、破線矢印は放電を意味する。
実施形態のRF電池10は、双極板2として、実施形態1,2で説明した特定の傾斜溝を含む流路20(図4)が設けられたものを備える単セル電池(図3)、又は多セル電池(図4,図5)である。実施形態のセルスタック30は、双極板2として、実施形態1,2で説明した特定の傾斜溝を含む流路20(図4)が設けられたものを備え、多セル電池に利用される。以下、具体的な構成を説明する。
(RF電池の概要)
RF電池10は、図3に示すように、電池セル10Cと、電池セル10Cに電解液を循環供給する循環機構とを備える。代表的には、RF電池10は、交流/直流変換器400や変電設備410などを介して、発電部420と、電力系統や需要家などの負荷440とに接続され、発電部420を電力供給源として充電を行い、負荷440を電力提供対象として放電を行う。発電部420は、例えば、太陽光発電機、風力発電機、その他一般の発電所などが挙げられる。
(RF電池の基本構成)
・電池セル
電池セル10Cは、図4に示すように、正極電解液が供給される正極電極14と、負極電解液が供給される負極電極15と、正極電極14,負極電極15間に介在される隔膜11と、隔膜11を挟む正極電極14及び負極電極15を更に挟む一組の双極板2,2を備える。
正極電極14,負極電極15は、活物質を含む電解液が供給されて、活物質(イオン)が電池反応を行う反応場であり、炭素材料の繊維集合体といった多孔体などが利用される。
隔膜11は、正極電極14,負極電極15間を分離すると共に所定のイオンを透過する部材であり、イオン交換膜などが利用される。
・セルフレーム
電池セル10Cは、代表的には、図4に示すセルフレーム12を用いて構成される。セルフレーム12は、双極板2と、双極板2の外周に形成される枠体120とを備える。電池セル10Cを一つのみ備える単セル電池では、一組のセルフレーム12,12を備える。電池セル10Cを複数備える多セル電池では、複数組のセルフレーム12を備える。多セル電池では、一面を正極電極14が対向配置される面、他面を負極電極15が対向配置される面とし、代表的には、一面に正極電解液の流路、他面に負極電解液の流路を備える双極板2を複数備える形態が挙げられる。図4では平面形状(外形)が長方形である双極板2を例示するが、双極板2の平面形状は適宜選択できる。また、図4では流路20として、傾斜溝である噛合溝210,220を有し、分配溝214及び集約溝224を有さない実施形態1の双極板2Aを例示する。
枠体120は、双極板2を支持し、双極板2上に配置された電極への電解液の供給、電極からの電解液の排出に利用される部材である。図4では、中央部に長方形の窓部(貫通部)を有する長方形の枠を例示する。枠体120は、電解液に対する耐性、電気絶縁性に優れる樹脂などで構成される。枠体120には電解液の供給路及び排出路が設けられている。供給路は、給液孔(正極では124i,負極では125i)と、給液孔から窓部に至るスリットなどとを備える。排出路は、排液孔(正極では124o,負極では125o)と、窓部から排液孔に至るスリットなどとを備える。双極板2の供給縁200(図1,図2)は、枠体120における上記供給路に繋がる内周縁に接するように配置され、排出縁202は、枠体120における上記排出路に繋がる内周縁に接するように配置される。
上述のスリットと窓部の周縁間であって、枠体120の内周縁に沿った内周領域に整流溝(図示せず)を設けることができる。図4では、供給側の整流溝を窓部の下端縁に沿って設け、排出側の整流溝を窓部の上端縁に沿って設けることができる。整流溝を備えると、双極板2及び電極の幅方向(図4では下端縁又は上端縁に沿った方向)に均一的に電解液を導入したり、排出したりし易い。枠体120における整流溝の具備に代えて、双極板2の周縁に沿って双極板2に整流溝(図示せず)を備えることもできる。
・セルスタック
セルスタック30は、図4,図5に示すように、セルフレーム12(双極板2)と、正極電極14と、隔膜11と、負極電極15とが順に複数積層された積層体と、積層体を挟む一対のエンドプレート32,32と、エンドプレート32,32間を繋ぐ長ボルトなどの連結材34及びナットなどの締結部材とを備える。締結部材によってエンドプレート32,32間が締め付けられると、積層体は、その積層方向の締付力によって積層状態が保持される。
セルスタック30は、所定数の電池セル10Cをサブセルスタック30Sとし、複数のサブセルスタック30Sを積層した形態で利用されることがある。
サブセルスタック30Sやセルスタック30における電池セル10Cの積層方向の両端に位置するセルフレームには双極板2を含む集電板が配置されたものが利用される。
隣り合う枠体120,120間にはシール部材が配置され、積層体を液密に保持する。
・循環機構
循環機構は、図3,図5に示すように正極電極14に循環供給する正極電解液を貯留する正極タンク16と、負極電極15に循環供給する負極電解液を貯留する負極タンク17と、正極タンク16と電池セル10C(セルスタック30)間を接続する配管162,164と、負極タンク17と電池セル10C(セルスタック30)間を接続する配管172,174と、電池セル10Cへの供給側の配管162,172に設けられたポンプ160,170とを備える。配管162,164,172,174はそれぞれ、積層された複数のセルフレーム12の給液孔124i,125i及び排液孔124o,125oによって形成される電解液の流通管路などに接続されて、各極の電解液の循環経路を構築する。
RF電池10,セルスタック30の基本構成、材料などは、公知の構成、材料などを適宜利用できる。電解液は公知のものを適宜利用できる。
(RF電池の具体的な構成例)
実施形態の単セル電池では、電池セル10Cを構成する一組の双極板2,2のうち、少なくとも一方の双極板2は、その電極との対向面に上述の傾斜溝を含む流路20が設けられたものとする。一組の双極板2,2のうち、一方の双極板2にのみ傾斜溝を含む流路20が設けられた形態とすることができるが、両双極板2,2に傾斜溝を含む流路20が設けられていると、両極の電極14,15の利用率を高められて好ましい。表裏の両面に流路20が設けられた双極板2を利用することもできる。
実施形態の多セル電池は、表裏面に流路を備える双極板2を複数備える。このような双極板2として、一面のみに傾斜溝を備える形態(β1)、両面に傾斜溝を備える形態(β2)が挙げられる。特に、平面透視すると各面の傾斜溝が交差状態に配置される形態(β2−1)の双極板2を備えると、両極の電極14,15の利用率を高められて好ましい。形態(β2−1)の双極板2の一例として、一面に図1に示す左上がりの傾斜溝を含む流路20が設けられ、他面に図2に示す右上がりの傾斜溝を含む流路20が設けられた形態が挙げられる。形態(β1)、(β2−1)は、双極板2の表裏面を平面透視した場合に溝同士が重複する領域を低減できる。傾斜角θや溝幅W、距離C(図1,図2)などにもよるが、重複する領域を溝同士の交差箇所のみとすることができる。そのため、この双極板2の一面の傾斜溝に沿って流れる正極電解液と、他面の傾斜溝に沿って流れる負極電解液とは、上述の交差箇所を除いて異なる位置で流れることができ、各極の電解液の流通性に優れる。この点から、ポンプロスなどの損失の低減が期待できる。また、この双極板2を挟む正極電極14の反応領域と負極電極15の反応領域とをずらすことができる。この点から、電池反応を行い易い傾向にあり、電解液の利用率を高められると期待される。更に、この双極板2は、その厚さが薄く、溝深さがある程度深い場合でも高い強度を有し易く、傾斜溝の個数を多くできる。従って、この双極板2は、より広い範囲に亘って均一的に電解液を流し易く、電極の利用率を高め易いと期待される。
向かい合わせに配置される一方(図4では左側)の双極板2における正極電極14との対向面に設けられた流路、及び他方(図4では右側)の双極板2における負極電極との対向面に設けられた流路の少なくとも一方は傾斜溝を含み、一方の流路に含む傾斜溝と他方の流路をなす溝とが互いに交差するように配置されることが好ましい。この形態は、一組の双極板2,2を平面透視した場合に、溝同士が重複する領域を低減できる。傾斜角θや溝幅W、距離C(図1,図2)などにもよるが、重複する領域を溝同士の交差箇所のみとすることができる。そのため、一方の双極板2の傾斜溝に沿って流れる一方の電解液と、他方の双極板2の流路をなす溝に沿って流れる他方の電解液とは、上述の交差箇所を除いて、向かい合わせの異なる位置で流れることができ、各極の電解液の流通性に優れる。この点から、ポンプロスなどの損失の更なる低減が期待できる。また、この形態は、正極電極14の反応領域と負極電極15の反応領域とをずらすことができる。この点から、電池反応を行い易い傾向にあり、電解液の利用率を高められると期待される。この形態は、一方の双極板2に傾斜溝を含み、他方の双極板2に上述の縦溝や横溝を含むことができるが、双方の双極板2に傾斜溝を含み、一方の双極板2の傾斜溝と他方の双極板2の傾斜溝とが互いに交差するように配置されると、上述の電解液の流通性、電解液の利用率の向上に加えて、電極の利用率をより高められて好ましい。一組の双極板2,2において、向かい合わせに配置した場合に流路をなす溝が交差するように、各双極板2の流路をなす溝の形状、傾斜溝の傾斜方向や傾斜角などを選択するとよい。平面透視すると各面の流路をなす溝が交差状態に配置される形態(β1)、(β2−1)の双極板2を一組向かい合わせに配置する場合には、向かい合う面の溝が交差するように双極板2の配置方向などを調整するとよい。
向かい合わせに配置される一方の双極板2における正極電極14との対向面に設けられた傾斜溝と、他方の双極板2における負極電極との対向面に設けられた傾斜溝とにおいて傾斜方向及び傾斜角が同じであり、実質的に交差しないように配置される形態とすることもできる。この場合、向かい合う一方の双極板2の傾斜溝と他方の双極板2の傾斜溝との少なくとも一部が重複しないように、傾斜溝の形成位置がずれていると、上述の重複する領域を低減でき、電解液の流通性を向上できる。但し、この場合、傾斜溝の個数が少なくなり易く、電極の利用率の低下を招き易い。従って、上述の向かい合う溝が交差状態に配置される形態の方が好ましい。
(主要な効果)
実施形態のRF電池10は、実施形態の双極板2(2A,2Bなど)を備えるため、電極の利用率が高い。その結果、RF電池10は、内部抵抗が低く、電池効率が高い。この効果を試験例1で具体的に説明する。また、RF電池10は、流路20が設けられた双極板2を備えるため、電解液の流通性に優れ、ポンプロスなどの損失を低減できる。実施形態のセルスタック30は、実施形態の双極板2(2A,2Bなど)を備えるため、電極の利用率を高められて、内部抵抗が低かったり、電池効率が高かったりするRF電池、更にポンプロスなどの損失も低減できるRF電池を構築できる。
[試験例1]
種々の傾斜角θである傾斜溝が設けられた双極板を用意してRF電池を構築し、RF電池の内部抵抗、RF電池の電流効率を求めた。
この試験で用いた双極板の仕様を以下に示す。用意した双極板は、図2に示す双極板2Bに概ね近い形状である。
双極板の平面形状:長方形
長辺の長さ:18cm(ここでは側辺縁の長さLに相当)
短辺の長さ:15cm(ここでは供給縁及び排出縁の長さWに相当)
厚さ:3mm
傾斜溝の傾斜角θ:1°,3°,10°,20°,23°,30,40°
傾斜溝の溝幅W:1mm
傾斜溝の溝深さ:1mm
傾斜溝間の距離C:2mm
噛合領域:有り、単独溝:なし
分配溝及び集約溝:有り、溝幅W214,W224:5mm、溝深さ:1mm、
供給側部分の長さ及び排出側部分の長さ:短辺の長さと同じ(15cm)、
側方部分の長さL:17cm(=L−(Le+W214)=L−(Le+W224))
噛合領域以外の領域の長さLe:5mm
ここでは、双極板の表裏面の双方に傾斜溝を備えるものを用意した。双極板を平面透視した場合に表裏面の傾斜溝が交差するように、表裏面の傾斜角θが同じで、傾斜方向が異なる傾斜溝を表裏面に設けた。このような双極板を用いて、RF電池(試料No.1からNo.7)を構築した。
更に、ここでは、単セル電池と、多セル電池とを用意した。いずれの電池も、向かい合わせに配置される双極板に設けられた傾斜溝が互いに交差するように双極板を配置した。
比較として、同様の大きさの長方形の双極板(18cm×15cm)であって、縦溝を備えるもの、即ち傾斜角が0°であるものを用意して、RF電池(試料No.100)を構築した。この双極板は、傾斜溝、分配溝、及び集約溝を有しておらず、供給縁に開口し、供給縁から直交方向に延びる導入側の縦溝と、排出縁に開口し、排出縁から直交方向に延び、導入側の縦溝とは独立した排出側の縦溝とを備える。導入側の縦溝と排出側の縦溝とが交互に配置された噛合領域を備える。縦溝の幅は1mm、縦溝の深さは1mm、溝間の距離は2mm、噛合領域における長辺方向の長さが17cm、導入側、排出側にそれぞれ設けた噛合領域以外の領域の長さが5mmである。この比較の電池も、単セル電池と、多セル電池とを用意した。
用意したRF電池について、定電流(ここでは54A)の充放電試験を行った。ここでは、バナジウム系の電解液を用いて、液温を35℃、各極の電解液の流量をいずれも0.7L/分として、3サイクル実施した。3サイクルのうち、最初のサイクルを除く2サイクルについて、充電電圧及び放電電圧を測定し、2サイクルの平均充電電圧と平均放電電圧とを用いてセル抵抗(Ω・cm/セル)を求めた。結果を図6及び表1に示す。
また、以下のようにして電池効率(%)を求めた。結果を図6及び表1に示す。
電流効率(%)=(放電時間/充電時間)×100
電圧効率(%)=平均放電電圧(V)/平均充電電圧(V)×100
電池効率(%)=電流効率(%)×電圧効率(%)×0.01
Figure 0006970389
図6のグラフは、横軸が傾斜角(°)、左縦軸がセル抵抗率(Ω・cm/セル)、右縦軸が電池効率(%)を示す。試料No.1からNo.7は、長方形の双極板の長辺及び短辺に対して非直交に交差する傾斜溝が設けられた双極板を備えるRF電池である。試料No.100は、長方形の双極板の長辺に平行、かつ短辺に直交する縦溝が設けられた双極板を備えるRF電池であり、いわば従来の縦溝形態に類似する。
図6、表1に示すように、上記傾斜溝を備える試料No.1からNo.7のRF電池は、縦溝を備える試料No.100のRF電池に比較して、セル抵抗が小さい傾向にあることが分かる。この試験では、傾斜溝の傾斜角θが1°以上であれば、セル抵抗の低減に効果があることが分かる。傾斜角θがより大きいと、特に3°以上、更に10°以上、10°超であるとセル抵抗をより低くし易いといえる。また、傾斜角θが40°以下、特に40°未満、35°以下であるとセル抵抗をより低くし易いといえる。
更に、図6、表1に示すように、No.1からNo.7のRF電池は、縦溝を備える試料No.100のRF電池に比較して、電池効率が高いことが分かる。この試験では、1°以上であれば、電池効率の向上に効果があるといえる。傾斜角θがより大きいと、特に3°以上、更に10°以上、10°超であると電池効率をより向上し易いといえる。傾斜角θが40°以下であれば、高い電池効率を有し易いといえる。従って、セル抵抗と電池効率とを考慮すると、傾斜溝の傾斜角θは1°以上40°未満が好ましいといえる。
上述の結果は単セル電池に関するものであるが、多セル電池についてもセル抵抗率及び電池効率の双方について同様の傾向が得られた。このことから、上述の特定の傾斜溝が設けられた双極板を備える単セル電池や多セル電池は、従来の縦溝形態に比較して、セル抵抗が低かったり、電池効率が高かったりすることが示された。
[変形例]
実施形態の双極板2、実施形態のRF電池10、実施形態のセルスタック30について、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(1)双極板2の平面形状を変更する。例えば、楕円やレーストラック状など、双極板2の周縁の少なくとも一部に曲線を含む形状や、六角形や八角形などの多角形状などが挙げられる。
この場合、傾斜溝の一端部に設けられる導入口や排出口が、双極板2の周縁における電解液が導入される部分(供給縁)やこの導入部分に対向し、電解液を排出する部分(排出縁)から離れて設けられる傾斜溝が多くなり易い。従って、双極板2の周縁の適宜な位置に、この周縁に開口する分配溝214や集約溝224を備えることが挙げられる。
(2)傾斜溝の平面形状を変更する。例えば、溝幅Wが部分的に異なり、太い箇所や細い箇所を局所的に有するもの、波線状やジグザグ状などの蛇行形状などが挙げられる。この場合、平面視した溝の周縁を抽出し、この周縁を内包する四角形をとる。この四角形が平行四辺形であり、対向する二辺が上述した想定上の長方形の長辺及び短辺に非直交に交差するものを傾斜溝とする。
その他、傾斜溝の一端部(導入口215又は排出口225)から他端部に向かって、溝幅Wが細くなるテーパ形状などが挙げられる。
(3)傾斜溝の横断面形状を変更する。例えば、半円弧状、V字状、U字状、溝の開口幅が底面の幅よりも狭い蟻溝状などが挙げられる。
(4)複数の傾斜溝を含む場合に、平面形状や断面形状が異なる傾斜溝、大きさ(傾斜角θ、溝幅W、溝深さなど)が異なる傾斜溝、部分的に溝深さが異なる傾斜溝などを含む。又は、距離Cが部分的に異なる傾斜溝を含む。
(5)傾斜溝に加えて、側辺縁204に平行な縦溝を含む。
(6)導入側の傾斜溝と排出側の傾斜溝とが交互に並ぶ噛合領域を有さない形態とすることができる。例えば、複数の導入側の傾斜溝群と、複数の排出側の傾斜溝群とが交互に並ぶ、又は複数の導入側の傾斜溝群と複数の排出側の傾斜溝群とが隣り合って並ぶ。
(7)傾斜溝を連続した溝ではなく、断続した複数の溝群とする。
例えば、噛合溝210,220をその傾斜方向に間隔をあけて設けられた複数の溝片の群とする。この場合、双極板2上の電極は各溝片に対応する溝対向領域で電解液を受け取ると、この溝対向領域を囲む周囲を反応領域に利用できる。従って、反応領域を増大でき、電池反応性に優れると期待される。なお、溝群のうち、供給縁200又は分配溝214に開口する溝片、又は供給縁200又は分配溝214の近傍に配置される溝片の傾斜角θに沿った仮想の延長線をとり、この延長線上に配置される溝群を一つの導入側の傾斜溝を形成する溝群と見做すことができる。また、溝群のうち、排出縁202又は集約溝224に開口する溝片、又は排出縁202又は集約溝224の近傍に配置される溝片の傾斜角θに沿った仮想の延長線をとり、この延長線上に配置される溝群を一つの排出側の傾斜溝を形成する溝群と見做すことができる。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2,2A,2B 双極板
20 流路
21 導入路
22 排出路
24 噛合領域
200 供給縁
202 排出縁
204 側辺縁
210,220 噛合溝(傾斜溝)
212,222 単独溝(傾斜溝)
214 分配溝
215 導入口
224 集約溝
225 排出口
10 レドックスフロー電池(RF電池)
10C 電池セル
11 隔膜
14 正極電極
15 負極電極
16 正極タンク
17 負極タンク
160,170 ポンプ
162,164,172,174 配管
12 セルフレーム
120 枠体
124i,125i 給液孔
124o,125o 排液孔
30 セルスタック
30S サブセルスタック
32 エンドプレート
34 連結材
400 交流/直流変換器
410 変電設備
420 発電部
440 負荷

Claims (12)

  1. 電解液が流通される電極に対向配置される双極板であって、
    前記双極板の平面形状が長方形状であり、
    前記双極板の表裏面の少なくとも一面に前記電解液を流通する流路を備え、
    前記双極板の表裏面の少なくとも一面に設けられた流路は、
    電解液を導入する導入路と、前記導入路とは連通せずに独立しており、前記電解液を排出する排出路とを備え、
    前記導入路及び前記排出路の双方が、前記双極板長辺及び短辺に対して非直交に交差する傾斜溝を含み、
    前記傾斜溝は、少なくとも前記双極板の長方形状の角部に配置されている、
    双極板。
  2. 電解液が流通される電極に対向配置される双極板であって、
    前記双極板の平面形状が長方形状であり、
    前記双極板の表裏面のそれぞれに前記電解液を流通する流路を備え、
    前記双極板の表裏面の少なくとも一面に設けられた流路は、
    電解液を導入する導入路と、前記導入路とは連通せずに独立しており、前記電解液を排出する排出路とを備え、
    前記導入路及び前記排出路の双方が、前記双極板長辺及び短辺に対して非直交に交差する傾斜溝を含み、
    前記傾斜溝は、少なくとも前記双極板の長方形状の角部に配置されており、
    前記双極板の表裏面を平面透視した場合に前記双極板の一面に設けられた前記傾斜溝と、他面に設けられて流路をなす溝とが交差するように配置される溝の組を含む
    双極板。
  3. 前記少なくとも一面に設けられた流路は、
    前記導入路に含む前記傾斜溝と前記排出路に含む前記傾斜溝とが隣り合って並ぶ傾斜溝の組を少なくとも一つ含む請求項1又は請求項2に記載の双極板。
  4. 前記少なくとも一面に設けられた流路は、
    前記導入路及び前記排出路の双方が複数の前記傾斜溝を含み、
    前記導入路に含む前記傾斜溝と前記排出路に含む前記傾斜溝とが互いに噛み合うように配置される噛合領域を有する請求項3に記載の双極板。
  5. 前記傾斜溝の一端は、前記双極板の周縁に開口する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の双極板。
  6. 前記導入路は、
    前記双極板の周縁に沿って開口し、前記導入路に含む複数の前記傾斜溝の一端に連続して、各傾斜溝に前記電解液を供給する分配溝を含み、
    前記排出路は、
    前記双極板の周縁における前記分配溝側とは対向する側に開口し、前記排出路に含む複数の前記傾斜溝の一端に連続して、これらの傾斜溝からの前記電解液をまとめて排出する集約溝を含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の双極板。
  7. 前記傾斜溝の一端部からみて他端部は、この傾斜溝の溝幅以上にずれて配置される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の双極板。
  8. 前記傾斜溝の傾斜角が1°以上である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の双極板。
  9. 前記傾斜溝の傾斜角が40°以下である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の双極板。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の双極板を備える
    セルスタック。
  11. 前記表裏面の少なくとも一面に前記傾斜溝が設けられた一組の双極板を含む電池セルを備え、
    前記一組の双極板は、一方の前記双極板における正極電極との対向面に設けられた前記傾斜溝と、他方の前記双極板における負極電極との対向面に設けられた前記傾斜溝とが互いに交差するように配置される請求項10に記載のセルスタック。
  12. 請求項10又は請求項11のセルスタックを備える
    レドックスフロー電池。
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