以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、連続紙(印字媒体)を印字のために搬送する方向、具体的には連続紙を用紙供給部からサーマルヘッド部に送る方向を印字方向といい、特に説明がない場合、搬送方向上流とは印字方向において上流側のことをいい、搬送方向下流とは印字方向において下流側のことをいう。
図1は本実施の形態に係るプリンタの外観の全体斜視図である。
本実施の形態のプリンタ1は、例えば、台紙に仮着されたラベルに、文字、記号、図形またはバーコード等のような情報を印字するラベル印字機能を備えている。
プリンタ1の正面のフロントカバー部2には、操作パネル部3と、電源スイッチ4と、発行口(媒体排出口)5とが設けられている。
操作パネル部3には、メッセージ等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、プリンタ1の動作を操作する複数のキー(ラインキー、フィードキー、ファンクションキー、方向指示キーおよびキャンセルキー等)と、プリンタ1の状態を示す複数のLED(Light Emitting Diode)とが配置されている。
プリンタ1の片側側面には、オープンカバー部6が2箇所のヒンジ部7により上下方向に開閉自在の状態で装着されている。
次に、プリンタ1の内部構造について図2および図3を参照して説明する。図2は図1のプリンタの内部を示した斜視図、図3は図2のプリンタの側面図である。なお、以下の説明ではプリンタ1の正面側(フロントカバー部2側)を前方(連続紙の搬送方向下流側)、その向かい側の背面側(バックカバー部側)を後方(連続紙の搬送方向上流側)という。
プリンタ1の内部には、その後方に配置された用紙供給部(媒体供給部)10と、前方に配置された印字部11と、その上方に配置されたインクリボン部12とが設置されている。
用紙供給部10は、連続紙(印字媒体)Pを印字部11に供給する構成部であり、支持軸10aと、その一端に設置されたロールガイド部10bとを備えている。
支持軸10aは、ロール状に巻き取られた連続紙Pを回転自在の状態で支持する構成部である。ロールガイド部10bは、ロール状の連続紙Pを固定する構成部であり、連続紙Pの幅に応じて位置を変えられるように支持軸10aの軸方向に沿って移動自在の状態で設置されている。
連続紙Pは、例えば、長尺状の台紙と、その長手方向に沿って予め決められた間隔毎に仮着された複数枚のラベルとを有している。台紙においてラベルの粘着面が接触する面には、シリコーン等のような剥離剤がコーティングされており、ラベルを容易に剥離することが可能になっている。また、台紙においてラベルが貼られていない面には、長手方向に沿って予め決められた間隔毎にラベルの位置を示す位置検出マークが形成されている。ラベルは、感熱紙を使用する場合と普通紙を使用する場合とがある。感熱紙の場合は、その表面に、予め決められた温度領域に達すると特定の色(黒や赤等)に発色する感熱発色層が形成されている。
また、連続紙Pには、表巻きラベルと裏巻きラベルとの2種類がある。表巻きラベルは、連続紙Pのラベルがロール状の連続紙Pの外周面に位置する状態で巻回されており、図3で示すように、連続紙Ps(P:破線)が用紙供給部10の高さ方向中央あたりから印字部11の底部に向けて繰り出されている。これに対して、裏巻きラベルは、連続紙Pのラベルがロール状の連続紙Pの内周面側に位置する状態で巻回されており、図3に示すように、連続紙Pb(P:実線)がプリンタ1の内部底面あたりから印字部11の底部に向けて繰り出されている。なお、表巻きでも裏巻きでも印字部11での連続紙P(Ps,Pb)の通紙ルートは同じである。また、表巻きラベルでも裏巻きラベルでも連続紙Pはラベルが仮着された面(被印字面)を上に向けた状態で搬送される。
上記した印字部11は、連続紙Pのラベル等に印字を行う構成部であり、印字ヘッド部13と、その下方に配置された支持台14と、それらの後方(印字工程時の連続紙Pの搬送上流)に配置されたダンパ部15とを備えている。
印字ヘッド部13は、後述のように、開閉自在の状態でプリンタ1の内部に設置されている。印字ヘッド部13が閉止状態の場合に、印字ヘッド部13と支持台14との間に通紙ルート(媒体搬送路)が形成される。そして、その通紙ルートは、上記した発行口5(図1参照)に繋がっている。
支持台14には、印字ヘッド部13の閉止状態を維持するヘッドロックレバー部16が設置されている。このヘッドロックレバー部16を操作すると印字ヘッド部13の閉止状態が解除され、印字ヘッド部13の前方部が持ち上がり印字ヘッド部13が開く(プラテンローラ部23に対して離間する)ようになっている。
ダンパ部15は、連続紙Pに張力を付与する構成部である。本実施の形態においては、ダンパ部15が、アウターダンパ部(第1のダンパ部)15aとインナーダンパ部(第2のダンパ部)15bとを備えているとともに、印字ヘッド部13の開閉に連動して上下に移動(開閉)するようになっている。ただし、印字ヘッド部13の閉止状態時において、アウターダンパ部15aおよびインナーダンパ部15bは、それぞれ連続紙Pに張力を付与可能なように揺動自在の状態で設置されている。
上記したインクリボン部12は、印字用インクを塗布したインクリボンを供給し、巻き取る構成部であり、リボン供給部12aと、その前方横に配置されたリボン巻き取り部12bとを備えている。リボン供給部12aは、ロール状に巻き取られたインクリボンを回転自在の状態で支持する構成部である。リボン巻き取り部12bは、印字済みのインクリボンRBを巻き取り回収する構成部である。なお、インクリボンを使用する場合は、リボン供給部12aから引き出されたインクリボンを印字ヘッド部13の下に通してリボン巻き取り部12bで巻き取る。
このようなプリンタ1においては、用紙供給部10からシート状に繰り出された連続紙P(Ps,Pb)がダンパ部15を介して印字ヘッド部13と支持台14との間の通紙ルートに搬送され、その途中において連続紙Pのラベル等に印字処理がなされた後、発行口5からプリンタ1の外部に排出されるようになっている。
次に、上記した印字部11の構成について図4〜図7を参照して説明する。図4(a)は図3の印字ヘッド部の閉止状態時の印字部を正面から見た拡大斜視図、図4(b)は図3の印字ヘッド部の開放状態時の印字部を正面から見た拡大斜視図、図5は図4(a)の印字部を背面側から見た拡大斜視図、図6は図3の印字部の拡大側面図、図7は図6の印字ヘッド部を抜き出して下側から見た斜視図である。
印字ヘッド部13は、その前方部が後方の回転軸S1(図5および図7参照)を中心に上下方向に揺動(すなわち、開閉)自在の状態で印字ヘッド部13の片側側面のヘッド支持板(第1の支持体)17に支持されている。
印字ヘッド部13の下面(通紙ルートを向く面)には、サーマルヘッド部18(図4(b)および図7参照)がその印字面を通紙ルートに向けた状態で設置されている。サーマルヘッド部18は、その印字面に配置された印字ライン18Lの発熱抵抗体により連続紙Pのラベル等に印字を行う印字手段である。この印字ライン18Lには、通電により発熱する複数の発熱抵抗体(発熱素子)が連続紙Pの幅方向(連続紙Pの搬送方向に対し直交する方向)に沿って並んで配置されている。
印字ヘッド部13の前方側の下面にはサーマルヘッド部18を挟むように凹状爪部19,19(図4(b)および図7参照)が設けられている。また、印字ヘッド部13の下面において凹状爪部19の後方には、印字ヘッド部13の両側面から外方に突出するピン20,20が設けられている。
このような印字ヘッド部13は、回転軸S1(図5および図7参照)に装着されたトーションバネ21により開方向に付勢されているが、印字ヘッド部13の下部のピン20,20に、支持台14のロック爪部22,22が引っ掛かることにより閉止状態が維持されている。ロック爪部22は、上記ヘッドロックレバー部16を図6の右方向に引くと、それに連動して図6の右方向に移動し、ピン20から外れるようになっている。ロック爪部22がピン20から外れると、図4(b)に示すように、印字ヘッド部13は、トーションバネ21の付勢力により自動的に開くようになっている。
また、印字ヘッド部13の閉止状態時には、サーマルヘッド部18の印字面が下方のプラテンローラ部23(図4(a),(b)参照)に押し付けられるとともに、印字ヘッド部13の凹状爪部19,19(図4(b)および図7参照)がプラテンローラ部23の回転軸S2(図4および図6参照)の両端部に嵌められるようになっている。
プラテンローラ部23は、用紙供給部10から繰り出された連続紙Pを通紙ルートに沿って発行口5(図1参照)へ搬送する搬送手段であり、その表面は硬質ゴム等のような弾性材料により被覆されている。このプラテンローラ部23は、正逆方向に回転可能な状態で支持台14の上部に設置されている。プラテンローラ部23の回転軸S2の軸方向一端には、ギアG1が接続されている。このギアG1は、例えば、タイミングベルト(図示せず)等を介してステッピングモータのような駆動体(図示せず)の回転軸に係合されている。また、ギアG1は、連結ギアG2,G3を介してギアG4に接続されている(図5参照)。
また、本実施の形態においては、印字ヘッド部13を支持するヘッド支持板17においてダンパ部15側の端部に抑止部17a(図5〜図7参照)が一体形成されている。この抑止部17aは、回転軸S1を境にしてヘッド支持板17の前方部と対極の位置に形成されている。この抑止部17aの先端側においてダンパ部15を向く面には、その面から突出するピン17b(図7参照)が設けられている。抑止部17aおよびピン17bは、印字ヘッド部13の開閉に連動してダンパ部15を開閉する機構部の一部である。この開閉機構については後ほど詳細に説明する。
なお、印字部11の通紙ルートにおいてサーマルヘッド部18とダンパ部15との間には、用紙位置検出センサ(図示せず)が設けられている。この用紙位置検出センサは、連続紙Pに形成された位置検出マークや隣り合うラベル間の台紙部分を検出することにより連続紙Pのラベルの位置を検出するセンサであり、例えば、光反射型または光透過型のセンサにより構成されている。
印字工程時には、サーマルヘッド部18とプラテンローラ部23との間に連続紙を挟み込んだ状態でプラテンローラ部23を回転させることにより連続紙Pを搬送する。そして、用紙位置検出センサにより検出された情報に基づいて印字タイミングを図り、サーマルヘッド部18に送信された印字信号により印字ライン18Lの発熱抵抗体を選択的に発熱させる。これにより、連続紙Pのラベルに、文字、記号、図形またはバーコード等のような所望の情報を印字する。
一方、ダンパ部15のアウターダンパ部15aは、印字部11の側面を見た場合に前方側から後方側に向かって斜め下方に延びており、前方側の回転軸S3(図4および図6参照)を中心にして、後方部が上下方向に揺動自在の状態でダンパ支持部材(第2の支持体)25に支持されている。なお、図5のコイルバネ26は、後述するように、アウターダンパ部15aが上方側(後方側)に行きすぎないように抑制するとともに、アウターダンパ部15aを揺動自在の状態で支持する部材である。
また、ダンパ部15のインナーダンパ部15bは、印字部11の側面を見た場合に、アウターダンパ部15aとは逆に後方側から前方側に向かって斜め下方に延びており、後方側の回転軸S4(図4および図6参照)を中心にして、前方部が上下方向に揺動自在の状態でアウターダンパ部15aの後方部に支持されている。
印字工程時において、インナーダンパ部15bの用紙接触部は、アウターダンパ部15aの用紙接触部よりも連続紙Pの搬送下流に位置している。すなわち、インナーダンパ部15bの用紙接触部は、印字ヘッド部13とアウターダンパ部15aの用紙接触部との間に配置されている。
また、通紙前段階において、インナーダンパ部15bの用紙接触部の高さは、アウターダンパ部15aの用紙接触部の高さよりも低い位置に配置されている。すなわち、インナーダンパ部15bの用紙接触部の高さは、アウターダンパ部15aの用紙接触部とプリンタ1の内部底面との間に配置されている。なお、アウターダンパ部15aおよびインナーダンパ部15bの構成については後ほど詳細に説明する。
また、アウターダンパ部15aの下部には、幅調整ガイド部27が回転軸S3,S4の軸方向に沿って移動自在の状態で設置されている。幅調整ガイド部27は、用紙供給部10から搬送された連続紙Pの幅方向の両端に当接し、連続紙Pの搬送をガイドする構成部である。この幅調整ガイド部27は、アウターダンパ部15aの背面側のガイド操作部28に接続されている。このガイド操作部28は、連続紙Pの幅に合わせて幅調整ガイド部27を移動するとともに、幅調整ガイド部27の位置を固定するための摘みである。
また、本実施の形態においては、ダンパ部15の下方のプリンタ1の内部底面に窪み部29(図6参照)が部分的に形成されている。窪み部29は、印字ヘッド部13およびダンパ部15の閉止状態時において、幅調整ガイド部27の下部がプリンタ1の内部底面よりも下方に位置するように形成されている。幅調整ガイド部27の下端部は、図5等に示すように、窪み部29内に位置しているが、窪み部29の底面には接触しておらず、窪み部29の底面から予め決められた距離だけ離れている。この幅調整ガイド部27の下端部は、例えば、円弧状に形成しても良い。この窪み部29についても後ほど詳細に説明する。
このようなダンパ部15のアウターダンパ部15aを支持するダンパ支持部材25は、前方部側の回転軸S5(図5および図6参照)を中心にして後方部が上下方向に揺動自在の状態でプリンタ1内に支持されている。
このダンパ支持部材25の上部には、ダンパ支持部材25の長手方向に沿って延びる長溝部(誘導部)25a(図5参照)が形成されている。この長溝部25aには、上記ヘッド支持板17のピン17b(図8参照)が長溝部25aに沿って移動自在の状態で嵌められている。これにより、印字ヘッド部13を支持するヘッド支持板17は、ダンパ支持部材25と係合されている。
また、ダンパ支持部材25は、その後方部が回転軸S5に装着されたトーションバネ30(図5参照)により回転軸S5(図5および図6参照)を中心にして上方に開く方向(ダンパ部15全体が持ち上がる方向)に付勢されているが、ヘッド支持板17の抑止部17aがアウターダンパ部15a側に位置している間は抑止部17aに抑えられ、閉止状態が維持されている。
次に、ダンパ部15の開閉動作については図8および図9を参照して説明する。図8は印字ヘッド部の閉止状態時における印字部の拡大側面図、図9は印字ヘッド部の開放状態時における印字部の拡大側面図である。なお、図8および図9においては、ダンパ支持部材25の裏面を透かして見せている。
本実施の形態においては、図8および図9に示すように、印字ヘッド部13の開閉動作に連動してダンパ部15が上下に移動(開閉)するようになっている。すなわち、印字ヘッド部13の閉止状態時のダンパ部15の基準位置の高さを第1の高さとすると、印字ヘッド部13を開くと、それに連動してダンパ部15の基準位置の高さが第1の高さよりも高い第2の高さに移動し、逆に印字ヘッド部13を閉めると、それに連動してダンパ部15の基準位置の高さが第1の高さに戻るようになっている。
印字動作の準備段階として印字ヘッド部13を開き、連続紙Pを通紙ルートに通す際に、ダンパ部15が固定のままだと、ダンパ部15がプリンタ1の筐体底面の近傍に設置されているので、用紙供給部10から引き出した連続紙Pを作業し難い筐体底面の近傍においてダンパ部15の下にくぐらせなければならない。また、ダンパ部15とプリンタ1の筐体の底面との隙間は狭いので連続紙Pを通し難い。さらに、ダンパ部15の下部には、幅調整ガイド部27が装着されているので、連続紙Pを挿通する際に連続紙Pが幅調整ガイド部27に引っ掛かってしまう場合がある。これらにより、連続紙Pをプリンタ1の通紙ルートに挿通する作業が難しいという問題がある。これに対して本実施の形態においては、印字ヘッド部13を開くと、それに連動してダンパ部15が持ち上がるので、連続紙Pを挿通する間口が広くなり、ダンパ部15の下部の視認性を向上させることができる。このため、用紙供給部10から引き出された連続紙Pを幅調整ガイド部27に引っ掛けることなく、ダンパ部15の下に容易にくぐらせることができる。したがって、連続紙Pをプリンタ1の通紙ルートに挿通する作業を容易にすることができる。
また、ダンパ部15を手動で開く機構を別に設ける場合もあるが、その場合は、ダンパ部15を閉じ忘れて印字ヘッド部13を閉じてしまい、連続紙Pに充分な張力が付与されない状態で印字を行ってしまうという不具合が発生する場合がある。これに対して本実施の形態においては、印字ヘッド部13を閉じると、それに連動してダンパ部15が下がり元の第1の高さに戻る。すなわち、ダンパ部15の閉じ忘れを防止することができるので、連続紙Pに張力が付与されない状態で印字を行ってしまう不具合を防止することができる。また、連続紙Pの一連の挿通作業を簡単化することができる。
次に、印字ヘッド部13とダンパ部15との連動機構について図8〜図11を参照して説明する。図10は印字ヘッド部の開閉状態時におけるヘッド支持板およびダンパ支持部材を抜き出して示した側面図、図11(a)は図10の印字ヘッド部の閉止状態時におけるヘッド支持板およびダンパ支持部材の側面図、図11(b)は図10の印字ヘッド部の開放状態時におけるヘッド支持板およびダンパ支持部材の側面図である。なお、図10において二点鎖線は閉止状態時のヘッド支持板17およびダンパ支持部材25を示している。また、図10および図11は、図5で示した印字部11の側面を示している。
まず、図10の二点差線および図11(a)に示すように、ダンパ支持部材25の後方部(図10および図11の左側)はトーションバネ30(図10参照)の付勢力により上方に開く方向(プリンタ1の内部底面から離間する方向)に付勢されているが、ヘッド支持板17(印字ヘッド部13)の閉止状態時には、ヘッド支持板17の抑止部17aがダンパ支持部材25の後方部側の抑止位置(アウターダンパ部15aの配置側)を抑えているので、ダンパ支持部材25の開放が抑止されており、図8に示すように、ダンパ部15も閉じている。
ここで、図10の実線および図11(b)に示すように、ヘッド支持板17(印字ヘッド部13)の前方部(図10および図11の右側部分)を上方(プラテンローラ部23から離間する方向)に開くと、回転軸S1を中心にヘッド支持板17が回転するのでヘッド支持板17の前方部に対して対極に位置する抑止部17aがヘッド支持板17の前方部の移動方向とは逆方向に移動する。すなわち、抑止部17aのピン17bが、ダンパ支持部材25の長溝部25aの一端側の抑止位置から離れ、長溝部25aに沿って長溝部25aの他端側の抑止解除位置に自動的に移動する。これにより、ダンパ支持部材25の後方部がトーションバネ30の付勢力により自動的に持ち上がるので、それに追従して図9に示すようにダンパ部15も自動的に持ち上がり開く(プリンタ1の内部底面から離間する)ようになっている。この場合、ダンパ部15は、抑止部17aのピン17bが長溝部25aに沿って抑止位置から抑止解除位置へ移動するにつれて次第に持ち上がるようになっているので、ダンパ部15が急激に開く場合に生じる不快な音の発生を抑制または防止することができる。
一方、ヘッド支持板17(印字ヘッド部13)の前方部を下方(プラテンローラ部23に近接する方向)に閉じると、ヘッド支持板17の抑止部17aがヘッド支持板17の前方部の移動方向とは逆方向に移動する。すなわち、抑止部17aのピン17bが、ダンパ支持部材25の長溝部25aの他端側の抑止解除位置から離れ、長溝部25aに沿って長溝部25aの一端側の抑止位置に自動的に戻る。これにより、ダンパ支持部材25の後方部がトーションバネ30の付勢力に抗して下がるので、それに追従して図8に示すようにダンパ部15も自動的に下がり閉じる(プリンタ1の内部底面に近接する)ようになっている。
ダンパ部15の開閉機構は、上記構成に限定されるものではなく、例えば以下のようにしても良い。すなわち、ダンパ支持部材25は、その後方部が回転軸S5に装着されたトーションバネ30により回転軸S5を中心にして閉じる方向(ダンパ部15全体が下がる方向)に付勢されていても良い。この場合、印字ヘッド部13を開くと、抑止部17aが長溝部25aに沿って抑止位置から抑止解除位置に移動するにつれて、ダンパ支持部材25の後方部が上がるように引っ張るようになっている。これにより、ダンパ部15の後方部が印字ヘッド部13の開動作に連動して開く。一方、印字ヘッド部13を閉じると、抑止部17aが長溝部25aに沿って抑止解除位置から抑止位置に移動するにつれて、トーションバネ30の作用によりダンパ支持部材25の後方部が下がるようになっている。これにより、ダンパ部15の後方部が印字ヘッド部13の閉動作に連動して閉じる。この場合、印字ヘッド部13側のトーションバネ21の付勢力が、ダンパ支持部材25側のトーションバネ30の付勢力よりも大きくなるように設定されている。
上記のようにダンパ部15を手動で開く機構部を別に設ける場合、構造が複雑になり部品点数が増えるのでプリンタ1のコストが増大する上、プリンタ1の小型化を阻害する問題がある。これに対して本実施の形態においては、ダンパ部15を手動で開くための機構部を別に設けない上、ダンパ部15の開動機構部と閉動機構部とが互いに兼用されているので、構造を簡単化することができる上、部品点数を低減することができる。このため、プリンタ1のコストを低減できる上、プリンタ1の小型化を推進することができる。
次に、ダンパ支持部材25の構成やダンパ部15とダンパ支持部材25との接続関係について図12〜図14を参照して説明する。図12は図5の印字部の側面側から見たダンパ部およびダンパ支持部材の斜視図、図13はダンパ部が装着される側から見たダンパ支持部材の分解斜視図、図14(a)は図12のアウターダンパ部とダンパ支持部材との接
続部を示した斜視図、図14(b)は図14(a)のアウターダンパ部とダンパ支持部材との接続位置関係を示した分解斜視図である。なお、ダンパ支持部材25の両側面において、アウターダンパ部15aが対向する側面を内側面といい、その裏側の側面を外側面という。
ダンパ支持部材25の長手方向の一端側には、ダンパ支持部材25の両側面を貫通する軸受け孔部25bが形成されている。この軸受け孔部25bには、回転軸S5が回転しないように固定された状態で挿入され、外れないようにネジ35a(図13参照)により止められている。なお、トーションバネ30は、そのリングが回転軸S5に嵌り込んだ状態で装着されている。
また、ダンパ支持部材25の長手方向の他端側には、ダンパ支持部材25の両側面間を貫通する孔部25cが形成されている。この孔部25cには、アウターダンパ部15aの側面に形成された突部36が突出されている。孔部25cは、突部36の周囲に予め決められた寸法の余裕が生じるように形成されている。
また、ダンパ支持部材25の外側面は、厚さ方向に窪むように形成されている。このダンパ支持部材25の外側面において、孔部25cの近傍には、突部25dが形成されている。このダンパ支持部材25の突部25dとアウターダンパ部15aの突部36との間には、コイルバネ26が橋渡しされるように設置されている。このコイルバネ26は、アウターダンパ部15aの突部36をダンパ支持部材25の突部25dの方向に引っ張るように付勢されている。これにより、アウターダンパ部15aは、回転軸S3の軸方向に沿ってしっかりと支持され上方側に行きすぎないように抑制されているとともに、連続紙Pに張力を付与できるように揺動自在の状態で支持されている。
さらに、ダンパ支持部材25の内側面の上部において長手方向中央の近傍には、軸受け孔部25e(図13参照)が形成されている。この軸受け孔部25eには、アウターダンパ部15aの回転軸S3が回転しないように固定された状態で挿入され、外れないようにネジ35b(図12参照)により止められている。
次に、ダンパ部15の構成について図15〜図18を参照して説明する。図15(a)はダンパ部およびダンパ支持部材を斜め上方から見た斜視図、図15(b)はダンパ部を斜め下方から見た斜視図、図16はダンパ部およびダンパ支持部材を上方から見た斜視図、図17はアウターダンパ部の分解斜視図、図18はアウターダンパ部とインナーダンパ部との分解斜視図である。
アウターダンパ部15aを側面から見て長手方向一端側(上端部側)には、軸受け孔部37が形成されている。この軸受け孔部37内には回転軸S3が挿入されている。これにより、アウターダンパ部15aは回転軸S3を中心に回転自在の状態で軸支されている。すなわち、アウターダンパ部15aは、その長手方向他端部(下端部)が回転軸S3を中心にして連続紙Pに張力を付与できるように上下方向に揺動自在の状態で軸支されている。
また、アウターダンパ部15aの背面には、スライド孔部38が回転軸S3の軸方向に沿って形成されている。このスライド孔部38には、2個のガイド操作部28の軸部が挿入されている。このガイド操作部28の軸部には、ピン39(図17参照)により幅調整ガイド部27が接続されている。ここでは、例えば、奥側のガイド操作部28は固定されている。また、手前側のガイド操作部28はスライド孔部38に沿って移動することが可能になっているとともに、連続紙Pの幅に合わせて固定することが可能になっている。なお、幅調整ガイド部27およびガイド操作部28については後ほど詳細に説明する。
また、アウターダンパ部15aを側面から見て長手方向他端側(下端部側)において連続紙Pが接する用紙接触部は、アウターダンパ部15aを側面側から見て円弧状に形成されている。これにより、アウターダンパ部15aと連続紙Pとの接触抵抗を下げることができるので、連続紙Pの流れをスムーズすることができる。
また、アウターダンパ部15aの下端部には、軸受け孔部40が形成されている。この軸受け孔部40内には回転軸S4が回転しないように固定された状態で挿入されている。回転軸S4は回転軸S3に対して平行に配置されている。この回転軸S4にはインナーダンパ部15bが軸支されている。
インナーダンパ部15bは、2箇所の支持部41a,41aと、それらの一端側にそれらを橋渡すように一体形成された本体部41bとを有している。支持部41a,41aの一端には、軸受け孔部41cが形成されている。この軸受け孔部41c,41c内には回転軸S4が挿入されている。これにより、インナーダンパ部15bは回転軸S4を中心にして回転自在の状態で軸支されている。
また、回転軸S4の一端側には、トーションバネ42(図16および図18参照)がインナーダンパ部15bに係合された状態で装着されている。このトーションバネ42の付勢力により、インナーダンパ部15bは、その下端部(用紙接触部)が、連続紙Pに張力を付与できるように、上下方向に揺動自在の状態で回転軸S4に軸支されている。
一方、インナーダンパ部15bの本体部41bにおいて連続紙Pに接する用紙接触部側は、インナーダンパ部15bを側面から見て円弧状に形成されている。これにより、インナーダンパ部15bと連続紙Pとの接触抵抗を下げることができるので、連続紙Pの流れをスムーズすることができる。
また、本体部41bにおいて用紙接触部の反対面側には、窪み部41dが形成されている。この窪み部41d内には、回転軸S4の軸方向に沿って予め決められた間隔毎に複数枚の補強板41eが配置されている。これにより、インナーダンパ部15bの強度を確保したまま、インナーダンパ部15bを軽量化することができる。
また、ダンパ機能を全く別個に設けることも考えられるが、その場合、ダンパ部15付近のスペースに制限があるので、プリンタ1の大型化を招く場合がある。これに対して本実施の形態においては、インナーダンパ部15bをアウターダンパ部15aに軸支したことにより、プリンタ1の大型化を招くことなく、裏巻きラベルの場合でも充分な張力を付加することが可能なダンパ機能を追加することができる。
さらに、本実施の形態においては、上記のようなアウターダンパ部15aおよびインナーダンパ部15bが、例えば、透明な樹脂により構成されている。これにより、ダンパ部15での連続紙Pの視認性を向上させることができるので、連続紙Pをプリンタ1の通紙ルートに挿通する作業をさらに容易にすることができる。このような観点から、透明とは、当該部材の向こう側が視認可能であることを指し、透明な材料とは、無着色な材料は勿論のこと、着色された半透明な材料や無着色でも半透明な材料も含むものとする。
なお、インナーダンパ部15bの本体部41bとアウターダンパ部15aとの間には、幅調整ガイド部27の移動を遮らないように隙間43(図15(b)および図16参照)が形成されている。
次に、ダンパ部15による作用効果について図19〜図21を参照して説明する。
図19(a)は表巻きラベルの連続紙を挿通した場合におけるダンパ部の拡大側面図、(b)は裏巻きラベルの連続紙を挿通した場合におけるダンパ部の拡大側面図である。
図19(a)に示すように、表巻きラベルの場合は、連続紙Psが用紙供給部10の高さ方向中央あたりから繰り出されダンパ部15の下に通されるので、アウターダンパ部15aおよびインナーダンパ部15bの両方に接触した状態で通紙ルートに挿通される。このため、連続紙Psに充分な張力を付与することができるので、連続紙Psを良好に搬送でき、印字品質を確保することができる。
一方、裏巻きラベルの場合は、連続紙Pがプリンタ1の内部底面あたりから繰り出されダンパ部15の下に通されるので、アウターダンパ部15aのみが配置されている場合(インナーダンパ部15bが無い場合)は、連続紙Pに対して充分な張力が付与されないまま通紙ルートに挿通されてしまう場合がある。このため、連続紙Pを上手く搬送できず印字品質が劣化する場合がある。
これに対して、本実施の形態においては、図19(b)に示すように、裏巻きラベルの場合であっても連続紙Pbがインナーダンパ部15bに接触した状態で通紙ルートに挿通される。このため、裏巻きラベルの場合であってもインナーダンパ部15bにより連続紙Pbに対して充分な張力を付与することができるので、連続紙Pbを良好に搬送でき、印字品質を確保することができる。
次に、図20(a)〜(c)は各段階のダンパ部の側面図である。なお、図20(a)は連続紙Pをプリンタ1の通紙ルートに挿通する前段階を示している。
図20(b)は、表巻きラベルの場合であって用紙供給部10のロール状の連続紙Psが少なくなりロール状の連続紙Psの外周部が支持軸10aに近づいた段階を例示している。この場合、連続紙Psの繰り出し位置が初期段階よりも低くなるので、アウターダンパ部15aに対する連続紙Psの押圧力が弱くなりアウターダンパ部15aの高さは変わらないが、インナーダンパ部15bが持ち上がり連続紙Psに充分な張力を付与することができる。
図20(c)は、裏巻きラベルの場合であって用紙供給部10のロール状の連続紙Pbが少なくなり始めた段階を例示している。この場合、連続紙Pbの繰り出し位置が初期段階よりも少し高くなるので、連続紙Pbがアウターダンパ部15aに接するものの押圧力が弱くアウターダンパ部15aの高さは変わらないが、インナーダンパ部15bが持ち上がり連続紙Pbに充分な張力を付与することができる。
図21(a)は、表巻きラベルの場合であって用紙供給部10のロール状の連続紙Psが初期段階の場合を例示している。この場合、連続紙Psの繰り出し位置が高いので、アウターダンパ部15aおよびインナーダンパ部15bの両方が持ち上がり、連続紙Psに充分な張力を付与することができる。
図21(b)は、裏巻きラベルの場合であって用紙供給部10のロール状の連続紙Pbが少なくなりロール状の連続紙Pbの外周部が支持軸10aに近づいた場合を例示している。この場合、連続紙Pbの繰り出し位置が初期段階よりも高くなるので、アウターダンパ部15aおよびインナーダンパ部15bの両方が持ち上がり、連続紙Pbに充分な張力を付与することができる。
次に、幅調整ガイド部27およびガイド操作部28について図22〜図26を参照して説明する。図22はプリンタの正面側から見たアウターダンパ部の斜視図、図23は図22からアウターダンパ部を抜き出して示した斜視図、図24は図22から幅調整ガイド部およびガイド操作部28を抜き出して示した斜視図、図25は幅調整ガイド部とガイド操作部との接続部を示した斜視図、図26はガイド操作部の軸部と幅調整ガイド部との係合部分の斜視図である。なお、図26ではガイド操作部28の軸部28aを見易くするためにピン39を省略している。
図22および図23に示すように、アウターダンパ部15aの内側には、2つのガイドレール部45がスライド孔部38の上下を挟むようにスライド孔部38に沿って延在した状態で形成されている。ガイドレール部45は、アウターダンパ部15aと一体に成形されており、例えば、透明な樹脂により形成されている。
図22に示すように、幅調整ガイド部27とガイド操作部28とを接続するピン39は、アウターダンパ部15aの2つのガイドレール部45に挟まれた位置に配置されている。ピン39の外周には、図22、図24および図25に示すように、2つの凸部39a,39aが径方向に突出形成されている。凸部39a,39aは、互いに180度離れた位置に形成されている。
ガイド操作部28を摘んで軸部28aを中心に回動させると、ピン39も回動するようになっている。そして、ピン39の回動位置によりピン39の2つの凸部39a,39aが2つのガイドレール部45に押し付けられることにより、ガイドレール部45が撓み、ピン39が固定されるようになっている。これにより、ガイド操作部28がロックされる。一方、ロック状態からガイド操作部28をさらに90度回動させると、ピン39の2つの凸部39a,39aが2つのガイドレール部45から離れるので、ガイド操作部28のロック状態が解除される。したがって、本実施の形態においては、簡単な構造で、かつ、簡単な操作で、幅調整ガイド部27の位置を設定することができる。
また、図26に示すように、ガイド操作部28の軸部28aの外周には凸部28bが形成されている。幅調整ガイド部27においてガイド操作部28の軸部28aが挿入される孔27aの外周には、範囲設定孔27bが孔27aに連通した状態で形成されている。凸部28bは、その範囲設定孔27b内に配置されており、その範囲設定孔27bの周方向の範囲θでガイド操作部28を回動させることが可能になっている。
次に、ダンパ部15の下方に窪み部29を設けたことによる作用効果を図19等を参照して説明する。
ダンパ部15の下方に窪み部29が無く平坦な場合に連続紙Pを印字部11から用紙供給部10側に戻す、いわゆるバックフィードを行うと、連続紙Pが弛んでプリンタ1の内部底面についてしまう。この場合、ダンパ部15の幅調整ガイド部27の下部がプリンタ1の内部底面よりも上方に位置しているので、連続紙が幅調整ガイド部の下端よりも下方に位置する。そのため、連続紙が幅調整ガイド部で決められた範囲外に外れてしまう場合がある。しかし、その状態で印字動作に戻ると、連続紙が幅調整ガイド部に乗り上げ、ダンパ部が機能しない状態で搬送されてしまう結果、印字位置が予定位置からずれたり、印字濃度が薄くなったりして、印字品質が低下する問題がある。特に、幅の短い連続紙の場合には、幅調整ガイド部から外れることが多い。また、用紙供給部に装填したロール状の連続紙が回転による慣性により弛む場合がある。
これに対して本実施の形態においては、ダンパ部15の幅調整ガイド部27の下部がプリンタ1の内部底面よりも下方に位置するように、プリンタ1の内部底面に窪み部29を設けている。これにより、ダンパ部15の幅調整ガイド部27の下部がプリンタ1の内部底面のラインよりも下方に位置するので、連続紙Pは幅調整ガイド部27で決められた範囲内から外れることがない。このため、印字動作に戻った場合に、連続紙Pが幅調整ガイド部27に乗り上げることもないので、ダンパ部15の機能が損なわれることもない。したがって、印字位置が予定位置からずれたり、印字濃度が薄くなったりする不具合を回避することができるので、プリンタ1の印字品質を確保することができる。
窪み部29の断面形状は、後方(印字工程時の搬送上流)の傾斜が前方(印字工程時の搬送下流)の傾斜よりも緩やかになるように形成されている。ただし、窪み部29の内壁面は、プリンタ1の内部底面に対してほぼ垂直になっていても良い。
また、窪み部29を含むプリンタ1の内部底面に連続紙Pの搬送方向に沿って延びる複数の突部(図示せず)を連続紙Pの幅方向に沿って予め決められた間隔毎に配置しても良い。これらにより、バックフィード時に連続紙Pの流れをスムーズにすることができるので、ダンパ部15の下方で連続紙Pが詰まる不具合を低減または防止することができる。
次に、連続紙Pをプリンタ1の通紙ルートに挿通する作業について図8および図9等を参照して説明する。
まず、図8に示す印字部11のヘッドロックレバー部16を図8の右方向に引くと、その動作に連動してロック爪部22が右方向に移動してピン20から外れる。すると、図9に示すように、印字ヘッド部13の前方部がトーションバネ21(図10等参照)の付勢力により自動的に上方に開くとともに、その動作に連動してダンパ支持部材25の後方部がトーションバネ30(図10等参照)の付勢力により持ち上がりダンパ部15も自動的に持ち上がる。これにより、ダンパ部15の下方の間口を広げることができる。
続いて、用紙供給部10から繰り出された連続紙Pをダンパ部15の下にくぐらせ、印字ヘッド部13と支持台14との間に通す。この際、ダンパ部15が持ち上がり開いているので、連続紙Pの挿通作業を容易にすることができる。
その後、図8に示すように、印字ヘッド部13の前方部を押し下げ印字ヘッド部13を閉めると、その動作に連動してダンパ支持部材25の後方部がトーションバネ30の付勢力に抗して下がりダンパ部15も自動的に下がる。これにより、ダンパ部15の閉め忘れを防止することができるので、印字工程時に連続紙Pに対してダンパ部15による張力を付与することができる。したがって、連続紙Pを良好に搬送することができるので、印字品質を確保することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
例えば前記実施の形態においては、印字媒体として複数枚のラベルを台紙に仮着した連続紙を用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、一方面に粘着面を有する連続状のラベル(台紙無しラベル)、粘着面を有しない連続状のシート(連続シート)あるいは紙類に限らずサーマルヘッドにより印字可能なフィルム等を印字媒体として使用することもできる。台紙無しラベル、連続シートまたはフィルムは位置検出マークを有することができる。また、粘着剤が露出する台紙無しラベルなどを搬送する場合には、搬送路を非粘着コーティングするとともにシリコーンを含有したローラを設けることができる。
また、プリンタは、印字媒体を供給する媒体供給部と、前記媒体供給部から供給された前記印字媒体を媒体搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記媒体搬送路に設けられ、前記印字媒体に印字を行う印字手段と、前記媒体搬送路において前記印字媒体に接触する媒体接触部が、前記印字手段と前記媒体供給部との間に前記印字媒体に対して張力を付与するように揺動自在の状態で設けられている第1のダンパ部と、前記媒体搬送路において前記印字媒体に接触する媒体接触部が、前記印字手段と前記第1のダンパ部の媒体接触部との間であって前記第1のダンパ部の媒体接触部とそれに対向する筐体面との間に前記印字媒体に対して張力を付与するように揺動自在の状態で設けられている第2のダンパ部と、を有することができる。これによれば、第2のダンパ部を設けたことにより、裏巻きラベルの場合であっても印字媒体に対して充分な張力を付与することができる。
また、前記第2のダンパ部が、前記第1のダンパ部に揺動自在の状態で軸支されているようにすることができる。これによれば、プリンタの大型化を招くことなく、裏巻きラベルの場合であっても印字媒体に対して充分な張力を付与することができる。
また、前記第1のダンパ部および前記第2のダンパ部が透明材料により構成されているようにすることができる。これによれば、第1のダンパ部および第2のダンパ部での印字媒体の視認性を向上させることができるので、印字媒体をプリンタの媒体搬送路に挿通する作業を容易にすることができる。