JP6969984B2 - 鉄骨梁の耐火被覆構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄骨梁の耐火被覆構造に関する。
鋼材は高温になると強度や剛性などの力学特性が低下することが知られている。鉄骨梁が火災などによって加熱されると、鋼材の力学特性が低下して耐力が低下し、荷重を支持できなくなる場合がある。このため、従来、火災加熱によって鉄骨梁が耐力低下し破壊することを防止するために、鉄骨梁に対して耐火被覆を施すようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−128844号公報
ここで、本願の発明者が鉄骨梁に対して耐火試験を実施した結果、積載荷重等によって鉄骨梁に曲げモーメントが作用した場合に引張応力負担の要となる下フランジ温度が鋼材断面の他の部分に比較して高くなることが明らかとなった。このため、これを考慮した耐火被覆構造、設計方法の確立が急務とされている。
本発明は、上記事情に鑑み、積載荷重等によって鉄骨梁に曲げモーメントが作用した場合に引張応力負担の要となる下フランジ温度が鋼材断面の他の部分に比較して高くなる状況に好適に対応可能な鉄骨梁の耐火被覆構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の鉄骨梁の耐火被覆構造は、上フランジと下フランジとウェブとを備える鉄骨梁の箱張り形式の耐火被覆構造であって、下フランジの耐火被覆の厚さを側面部の耐火被覆の厚さよりも厚くして構成され、且つ、側面部の耐火被覆厚さt及び下フランジの耐火被覆厚さαtを設定し、鉄骨梁の最小断面と最大断面及びその中間的な断面の3種類の断面を決定し、決定した3種類の断面の鉄骨梁に関して、目標耐火時間あるいは鋼材温度が700℃程度になる時間の加熱を受けた場合の鋼材最高温度を加熱試験、載荷加熱実験または伝熱解析によって把握し、被覆厚さ同等の場合の被覆厚さに対する下フランジ被覆増し厚の場合の等価被覆厚さの割合に応じて加熱周長が小さくなると仮定して修正加熱周長を求め、該修正加熱周長を用いて修正断面形状係数を求めるとともに、修正断面形状係数と鋼材最高温度の関係式を求め、許容鋼材最高温度を定めて修正断面形状係数と鋼材最高温度の関係式から、設置した耐火被覆を適用可能な鉄骨の修正断面形状係数を決定して、目標耐火時間に対する耐火被覆厚さt、αtが修正断面形状係数に応じて設定されていることを特徴とする。
本発明の鉄骨梁の耐火被覆構造においては、積載荷重等によって鉄骨梁に曲げモーメントが作用した場合に引張応力負担の要となる下フランジ温度が鋼材断面の他の部分に比較して高くなる状況に好適に対応することができ、信頼性の高い耐火被覆構造を実現することが可能になる。
(a)が従来の鉄骨梁の耐火被覆構造、(b)が本発明の一実施形態に係る鉄骨梁の耐火被覆構造を示す図である。 断面形状係数の定義を示す図である。 鉄骨梁の鋼材温度に関する伝熱計算の結果を示す図である。 修正断面形状係数と鋼材最高温度の関係を示す図である。
以下、図1から図4を参照し、本発明の一実施形態に係る鉄骨梁の耐火被覆構造について説明する。
はじめに、本実施形態に係る鉄骨梁1は、図1に示すように、上フランジ1aと下フランジ1bとウェブ1cとを備えて形成されている。
本実施形態の鉄骨梁の耐火被覆構造Aは、火災加熱を受ける鉄骨梁1の高温時の耐力低下を抑制するために、下フランジ1bの温度上昇を抑制することに着目したものであり、図1に示すように、従来の箱張り形式の耐火被覆構造Bに対し、下フランジ1bの耐火被覆2の厚さを側面部の耐火被覆2の厚さよりも厚くし、下フランジ1bの温度上昇を抑制するように構成されている。
ここで、従来、箱張り工法によって耐火被覆を施された鉄骨梁の耐火性能(温度上昇特性)の評価方法の一つとして、図2に示す断面形状係数を用いて評価する方法がある。
断面形状係数は、加熱周長を鋼材断面積で除した値であり、被覆厚さが均一な箱張り形式の場合、次の式(1)で求められる。式(1)において、Hは加熱周長、Aは鋼材断面積、hは梁成、bは梁幅である。
Figure 0006969984
鋼材断面積Aは、実際の断面積が既知の場合はその値を用いる。フランジとウェブの接続部の入隅のコーナー部にはアール(円弧状の丸み)が付けられているが、これを考慮しないで保守的な評価をする場合には次の式(2)で求めればよい。なお、tはフランジ厚さ、tはウェブ厚さである。
Figure 0006969984
一方、本実施形態の鉄骨梁の耐火被覆構造のように下フランジの耐火被覆の厚さを側面部の耐火被覆の厚さよりも厚くする場合には、上記の式(1)を用いて評価することができない。
このため、本実施形態の鉄骨梁の耐火被覆構造に対しては、以下に示すように修正断面係数を求めることとし、これを耐火被覆の厚さの設定に用いることとした。
[修正断面形状係数の導出]
被覆厚さ均一の場合(側面部の被覆厚さと下フランジの被覆厚さが同じ場合(図1の左図))の断面形状係数(H/A)は、次の式(3)、式(4)によって求まる。ここに、Hは加熱周長、Aは鋼材断面積、Hは梁成、bは梁幅である。
Figure 0006969984
Figure 0006969984
耐火被覆の体積(隅角部の体積は無視する)は、被覆厚さ均一の場合、次の式(5)を用いて求め、下フランジ被覆増し厚の場合(下フランジの被覆厚さを側面部のα倍とした場合(図1の右図))には、次の式(6)を用いて求める。tは耐火被覆の厚さ、αは側面部の耐火被覆の厚さに対する下フランジの耐火被覆の厚さの比率である。
Figure 0006969984
Figure 0006969984
加熱周長を2h+bとした時の等価被覆厚さは、被覆厚さ均一の場合、次の式(7)を用い、下フランジ被覆増し厚の場合には、次の式(8)を用いて求めることができる。t’は等価被覆厚さである。
Figure 0006969984
Figure 0006969984
そして、本実施形態では、「被覆厚さ同等の場合」の被覆厚さに対する「下フランジ被覆増し厚の場合」の等価被覆厚さの割合に応じて加熱周長が小さくなると仮定して、加熱周長を式(9)のように修正する。ここに、H’は修正加熱周長である。
Figure 0006969984
これにより、修正断面形状係数は、次の式(10)となる。
Figure 0006969984
そして、下フランジの耐火被覆の厚さを増し厚した耐火被覆を設定する場合の手順は次の通りとする。
手順1):箱張り工法における側面部の被覆厚さと下フランジの被覆厚さを設定(決定)
図1右図の側面部の耐火被覆厚さtおよび下フランジの耐火被覆厚さαtを設定(決定)する。
手順2):3水準の鉄骨梁断面に関する鋼材温度の把握
下フランジ被覆増し厚工法を用いる鉄骨梁の最小断面と最大断面およびその中間的な断面の3種類の断面を、互いの断面形状係数が10m−1程度異なるように決定する。決定した3種類の断面の鉄骨梁に関して、目標耐火時間あるいは鋼材温度が700℃程度になる時間の加熱を受けた場合の鋼材最高温度を加熱試験、載荷加熱実験または伝熱解析によって把握する。
手順3):修正断面形状係数と鋼材最高温度の関係を把握する。
式(3)と式(4)を用いて算定した修正断面形状係数と鋼材最高温度をグラフにプロットして、回帰式を導く。
手順4):手順1)で定めた耐火被覆を適用できる鋼材の修正断面形状係数を決定する。
許容鋼材最高温度を定め、手順3)で求めた修正断面形状係数−鋼材最高温度関係から、手順1)で定めた耐火被覆を適用できる鋼材の修正断面形状係数を決定する。
手順5):必要に応じて、手順1)〜手順4)を繰り返し、目標耐火時間−耐火被覆厚さ−修正断面形状係数の関係を得る。
図1右図のαを一定として、tの水準を2以上設定し、手順1)〜手順4)を繰り返し実施することによって、目標耐火時間に対する耐火被覆厚さを修正断面形状係数に応じて決定する。
ここで、より具体的に、上記の手順1)〜手順5)の適用例について説明する。
手順1):箱張り工法における側面部の被覆厚さと下フランジの被覆厚さを決定
ここでは、耐火被覆材料として耐熱ロックウールブランケットを使用し、側面部の耐火被覆の厚さを40mm、下フランジの耐火被覆の厚さを2×40mmとした。
手順2):3水準の鉄骨梁断面に関する鋼材温度の把握
鉄骨梁の断面を次の3水準とする。
H−588×200×12×22(断面形状係数H/A=89.8m−1
H−400×200×12×22(断面形状係数H/A=76.5m−1
H−400×250×12×22(断面形状係数H/A=68.8m−1
また、目標耐火時間を180分として伝熱計算を実施し、図3に示す温度−時間関係と表1に示す鋼材最高温度を得た。
Figure 0006969984
手順3):修正断面形状係数と鋼材最高温度の関係を把握する。
鉄骨梁の修正断面形状係数の算定結果は次のとおりである。
H−588×200×12×22(断面形状係数H’/A=78.4m−1
H−400×200×12×22(断面形状係数H’/A=63.7m−1
H−400×250×12×22(断面形状係数H’/A=55.5m−1
修正断面係数と鋼材最高温度をグラフにプロットして、回帰式を導いた結果を図4に示す。
手順4):手順1)で定めた耐火被覆を適用できる鋼材の修正断面形状係数を決定する。
ここでは、許容鋼材最高温度を520℃とする。上フランジ,ウェブおよび下フランジの中で鋼材最高温度が高いのは下フランジであることから、下フランジが520℃以下となる修正断面形状係数を求めると、59.19m−1 以下となる。
なお、修正断面形状係数が59.19m−1 以下となる鋼材としては、例えば、H−1000×300×19×28などがある。
手順5):必要に応じて、手順1)〜手順4)を繰り返し、目標耐火時間−耐火被覆厚さ−修正断面形状係数の関係を得る。
これにより、火災加熱を受ける鉄骨梁で温度がもっとも上昇しやすい部位である下フランジの温度上昇を抑制できるとともに、修正断面形状係数を用いることによって最適な耐火被覆厚さを設計することが可能になる。
したがって、本実施形態の鉄骨梁の耐火被覆構造においては、火災加熱を受ける鉄骨梁で温度がもっとも上昇しやすい部位である下フランジの温度上昇を抑制できるとともに、修正断面形状係数を用いることによって最適な耐火被覆厚さを設定することが可能になる。
すなわち、本実施形態の鉄骨梁の耐火被覆構造によれば、積載荷重等によって鉄骨梁に曲げモーメントが作用した場合に引張応力負担の要となる下フランジ温度が鋼材断面の他の部分に比較して高くなる状況に好適に対応することができ、信頼性の高い耐火被覆構造を実現することが可能になる。
以上、本発明に係る鉄骨梁の耐火被覆構造の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 鉄骨梁
1a 上フランジ
1b 下フランジ
1c ウェブ
2 耐火被覆
A 鉄骨梁の耐火被覆構造
B 従来の鉄骨梁の耐火被覆構造

Claims (1)

  1. 上フランジと下フランジとウェブとを備える鉄骨梁の箱張り形式の耐火被覆構造であって、
    下フランジの耐火被覆の厚さを側面部の耐火被覆の厚さよりも厚くして構成され、
    且つ、側面部の耐火被覆厚さt及び下フランジの耐火被覆厚さαtを設定し、
    鉄骨梁の最小断面と最大断面及びその中間的な断面の3種類の断面を決定し、決定した3種類の断面の鉄骨梁に関して、目標耐火時間あるいは鋼材温度が700℃程度になる時間の加熱を受けた場合の鋼材最高温度を加熱試験、載荷加熱実験または伝熱解析によって把握し、
    被覆厚さ同等の場合の被覆厚さに対する下フランジ被覆増し厚の場合の等価被覆厚さの割合に応じて加熱周長が小さくなると仮定して修正加熱周長を求め、該修正加熱周長を用いて修正断面形状係数を求めるとともに、修正断面形状係数と鋼材最高温度の関係式を求め、
    許容鋼材最高温度を定めて修正断面形状係数と鋼材最高温度の関係式から、設置した耐火被覆を適用可能な鉄骨の修正断面形状係数を決定して、
    目標耐火時間に対する耐火被覆厚さt、αtが修正断面形状係数に応じて設定されていることを特徴とする鉄骨梁の耐火被覆構造。
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