JP6968578B2 - マイクロリアクター、並びに、抽出方法及び反応方法 - Google Patents

マイクロリアクター、並びに、抽出方法及び反応方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロリアクター並びに抽出方法及び反応方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば液液抽出操作や気液抽出操作或いは触媒反応などに用いて好適な技術に関する。
光触媒反応に用いられる従来のマイクロリアクターとして、例えば、光透過性材料より成り、反応原料が流通されるマイクロ流路を有するマイクロ反応器と、マイクロ流路に反応原料を送り込む原料送り込み手段と、マイクロ流路の内面に設けられた光触媒の層とを備え、反応原料が、気体原料と、光触媒に対して低親和性の有機液体原料または光触媒に対して低親和性の有機溶媒に反応原料を溶解させた有機溶液原料である場合に対して、原料送り込み手段は、有機液体原料または有機溶液原料がマイクロ流路の内面に沿って流れ、気体原料が中央部を流れる状態のパイプフローを形成可能に構成されているものがある(特許文献1)。
特開2008−86993号公報
しかしながら、特許文献1のマイクロリアクターでは、光触媒の比表面積の増大や相間の物質移動の効率の向上によって光触媒反応を高効率で進行させることが企図されているものの、界面を介した物質移動を伴う化学プロセスの所要時間が十分に短縮化されているとは言い難い。
そこで、本発明は、複数の流体が関与して行われる化学プロセスの迅速化を実現することができるマイクロリアクター並びに抽出方法及び反応方法を提供することを目的とする。
また、本発明の抽出方法は、第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面が親水性表面とされ第一の合流路を通過した第一の流体試料及び第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、気体または液体の第一の流体試料と、油性の第二の流体試料とを第一の合流路へと供給し、第一の合流路を通過させた第一の流体試料及び第二の流体試料と水性の第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、第二の合流路の親水性表面の内周面に沿って第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる第一の流体試料との間の液膜上に第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、第二の流体試料と第三の流体試料との間で抽出操作を行わせるようにしている。
また、本発明の抽出方法は、第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面が疎水性表面とされ第一の合流路を通過した第一の流体試料及び第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、気体または液体の第一の流体試料と、水性の第二の流体試料とを第一の合流路へと供給し、第一の合流路を通過させた第一の流体試料及び第二の流体試料と油性の第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、第二の合流路の疎水性表面の内周面に沿って第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる第一の流体試料との間の液膜上に第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、第二の流体試料と第三の流体試料との間で抽出操作を行わせるようにしている。
さらに、本発明の抽出方法は、第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面に親水性あるいは疎水性の触媒の層が固定化され第一の合流路を通過した第一の流体試料及び第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、気体または液体の第一の流体試料と、水性または油性の第二の流体試料とを第一の合流路へと供給し、第一の合流路を通過させた第一の流体試料及び第二の流体試料と油性または水性の第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、第二の合流路の親水性あるいは疎水性の触媒の層の内周面に沿って第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる第一の流体試料との間の液膜上に第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、いずれか一方の流体試料を原料として触媒反応を生じさせた上で他の流体試料との間で抽出作用を行わせるようにしている。
また、本発明の反応方法は、第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面が親水性表面とされ第一の合流路を通過した第一の流体試料及び第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、気体または液体の第一の流体試料と、油性の第二の流体試料とを第一の合流路へと供給し、第一の合流路を通過させた第一の流体試料及び第二の流体試料と水性の第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、第二の合流路の親水性表面の内周面に沿って第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる第一の流体試料との間の液膜上に第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、第二の流体試料と第三の流体試料との間で反応させるようにしている。
また、本発明の反応方法は、第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面が疎水性表面とされ第一の合流路を通過した第一の流体試料及び第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、気体または液体の第一の流体試料と、水性の第二の流体試料とを第一の合流路へと供給し、第一の合流路を通過させた第一の流体試料及び第二の流体試料と油性の第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、第二の合流路の疎水性表面の内周面に沿って第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる第一の流体試料との間の液膜上に第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、第二の流体試料と第三の流体試料との間で反応させるようにしている。
さらに、本発明の反応方法は、第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面に親水性あるいは疎水性の触媒の層が固定化され第一の合流路を通過した第一の流体試料及び第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、気体または液体の第一の流体試料と、水性または油性の第二の流体試料とを第一の合流路へと供給し、第一の合流路を通過させた第一の流体試料及び第二の流体試料と油性または水性の第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、第二の合流路の親水性あるいは疎水性の触媒の層の内周面に沿って第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる第一の流体試料との間の液膜上に第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、いずれか一方の流体試料を原料として触媒反応を生じさせた上で他の流体試料との間で反応させるようにしている。
したがって、これら抽出方法,反応方法によると、比界面積の増大,流れを乱した撹拌効果の増大,及び拡散距離の短縮化が達成されて延いては例えば液液抽出プロセス,気液抽出プロセス,触媒反応プロセスが迅速に行われ、さらに、流体試料の選択・組み合わせによっては複数のプロセスが同時に行われる。
本発明の抽出方法,反応方法に用いるマイクロリアクター第二の合流路の内周面が親水性表面である場合には、第二の合流路の内周面上に水性液体(水相)の液膜が形成されると共に例えば当該液膜中または当該液膜上に油性液体(油相)が液滴状やスラグ状に流れ且つ気体(気相)が流路中心部分を流れる三相の流れを形成することができる。
本発明の抽出方法,反応方法に用いるマイクロリアクター第二の合流路の内周面が疎水性表面である場合には、第二の合流路の内周面上に油性液体(油相)の液膜が形成されると共に例えば当該液膜中または当該液膜上に水性液体(水相)が液滴状やスラグ状に流れ且つ気体(気相)が流路中心部分を流れる三相の流れを形成することができる。
本発明の抽出方法,反応方法に用いるマイクロリアクター第二の合流路の内周面に親水性あるいは疎水性の触媒の層が固定化される場合には、第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる第一の流体試料との間の液膜上に第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、いずれかの流体試料を原料として触媒反応を生じさせた上で他の流体試料との間で抽出作用や化学反応などを更に生じさせることができる。
本発明の抽出方法,反応方法によれば、比界面積の増大,流れを乱した撹拌効果の増大,及び拡散距離の短縮化が達成されて延いては例えば液液抽出プロセス,気液抽出プロセス,触媒反応プロセスを迅速に行うことができ、また、流体試料の選択・組み合わせによっては複数のプロセスを同時に行うことができる。このため、反応装置・反応手法としての有用性の向上が可能になる。
本発明の抽出方法,反応方法に用いるマイクロリアクター第二の合流路の内周面が親水性表面であるようにした場合には、水相中または水相の表面上に油相が液滴状やスラグ状に流れ且つ気相が流路中心部分を流れる三相の流れを形成することができるので、水性液体と油性液体とによる作用や反応を引き起こすに好適な仕組みとして構成することが可能になる。
本発明の抽出方法,反応方法に用いるマイクロリアクター第二の合流路の内周面が疎水性表面であるようにした場合には、油相中または油相の表面上に水相が液滴状やスラグ状に流れ且つ気相が流路中心部分を流れる三相の流れを形成することができるので、油性液体と水性液体とによる作用や反応を引き起こすに好適な仕組みとして構成することが可能になる。
本発明の抽出方法,反応方法に用いるマイクロリアクター第二の合流路の内周面に触媒の層が固定化されるようにした場合には、触媒反応に加えて抽出作用や化学反応などを更に生じさせることができるので、複数の作用・反応を同時に生じさせる仕組みとして構成することが可能になり、延いては反応装置・反応手法としての有用性の更なる向上が可能になる。
本発明に係るマイクロリアクターの実施形態の一例の概略構成を示す概念図である。 本発明に係るマイクロリアクターの第二の合流路に於ける流れの様子を説明する概念図であり、流路の内周面が親水性表面である場合の様子である。(A)は流路内を通過する流体の流れの方向に沿う断面の図である。(B)は流路内を通過する流体の流れの方向に直交する断面の図である。 本発明に係るマイクロリアクターの第二の合流路に於ける流れの様子を説明する概念図であり、流路の内周面が疎水性表面である場合の様子である。(A)は流路内を通過する流体の流れの方向に沿う断面の図である。(B)は流路内を通過する流体の流れの方向に直交する断面の図である。 本発明に係るマイクロリアクターが用いられて行われる処理の具体例を説明する概念図である。(A)は光触媒による脱塩素化における従来の問題点を説明する概念図である。(B)は本発明の適用による問題点解決の仕組みを説明する概念図である。 本発明に係るマイクロリアクターが用いられて行われる処理の他の具体例を説明する概念図である。(A)は触媒反応における従来の問題点を説明する概念図である。(B)は本発明の適用による問題点解決の仕組みを説明する概念図である。 本発明に係るマイクロリアクターの実施形態の他の例の概略構成を示す概念図である。 本発明に係るマイクロリアクターの実施形態の更に他の例の概略構成を示す概念図である。(A)は流路内を通過する流体の流れの方向に沿う断面の図である。(B)は、流路内を通過する流体の流れの方向に直交する断面の図であり、(A)におけるI−I矢視図である。 実施例1における第二の合流路内の相流の形成状況を示す図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図5に、本発明に係るマイクロリアクター並びに抽出方法及び反応方法の実施形態の一例を示す。なお、図1乃至図5は、本発明に係るマイクロリアクターに纏わる機器・装置の構成や相流の形態のあくまでも概要を説明するための概念図・模式図であり、各部相互・部材相互の寸法関係や具体詳細な構造・形態を規定するものではない。
本実施形態のマイクロリアクターは、第一の流体試料1と第二の流体試料2とが供給される第一の合流路14と、当該第一の合流路14を通過した第一の流体試料1及び第二の流体試料2が供給されると共に第三の流体試料3が供給される第二の合流路24とを有するようにしている。
《前段合流部》
前段合流部10は、基板11の内部に形成された、第一の流体試料1(尚、図1では、マイクロチューブ34を通過するものとして矢印で表されている)が注入される第一の供給路12及び第二の流体試料2(尚、図1では、マイクロチューブ35を通過するものとして矢印で表されている)が注入される第二の供給路13と、これら二つの供給路12,13が合流した先の流路であって第一の流体試料1及び第二の流体試料2が供給される第一の合流路14とを有する。
基板11の材質は、特定の種類に限定されるものではなく、例えば第一・第二の供給路12,13や第一の合流路14を流れる流体試料などと反応しないものであることが考慮されるなどした上で、適当なものが適宜選択される。基板11の材質としては、具体的には例えば、ガラス(石英),シリコン,金属,或いは樹脂が用いられ得る。
基板11の寸法は、特定の数値に限定されるものではなく、例えば所定の形態の相流を形成するために必要な各流路の長さが考慮されるなどした上で、適当な数値に適宜設定される。基板11は、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、板面視(即ち、基板11が水平に載置されている状態での平面視)の寸法が10〜100 mm 程度の範囲である部材として形成され得る。
基板11は、図1に示す例では矩形状に形成されているが、矩形状に限定されるものではなく、例えば他の多角形状或いは円形状や楕円形状に形成されても良い。
第一の供給路12と第二の供給路13とが合流して第一の合流路14へと至る(言い換えると、連通する,連続する)合流ポイント15は、流入の二口と流出の一口とからなる三叉路を構成する。
第一の供給路12の、流入口(別言すれば、注入口)に相当する一端は基板11の上面に形成された開口16へと連通し、流出口に相当する他端は合流ポイント15へと連通する。
第二の供給路13の、流入口(別言すれば、注入口)に相当する一端は基板11の上面に形成された開口17へと連通し、流出口に相当する他端は合流ポイント15へと連通する。
第一の合流路14の、流入口(別言すれば、供給口)に相当する一端は合流ポイント15へと連通し、流出口に相当する他端は基板11の上面に形成された開口18へと連通する。
基板11は基底部を構成する板状部材と天板部を構成する板状部材とから構成され、基底部の板表面に例えばエッチングや研削等の微細機械加工によって第一の供給路12及び第二の供給路13並びに第一の合流路14が例えば溝として形成される。そして、基底部の板表面に溝が形成された状態で天板部の板表面が基底部の板表面へと貼り合わされて接合されて基板11が構成され、また、第一・第二の供給路12,13並びに第一の合流路14が構成される。
各流路12−14の構成態様は上述の態様に限定されるものではなく、基板11の天板部を構成する板状部材の板表面に溝が形成された上で基底部を構成する板状部材の板表面と貼り合わされて結合されて構成されるようにしても良く、或いは、基板11の基底部を構成する板状部材の板表面と天板部を構成する板状部材の板表面とのそれぞれの対向する位置に溝が形成された上でこれら二つの板状部材の板表面が貼り合わされて結合されて構成されるようにしても良く、更に或いは、基板11の基底部を構成する板状部材の板表面に各流路12−14のうちの一部に相当する溝が形成されると共に天板部を構成する板状部材の板表面に各流路12−14のうちの一部に相当する溝が形成された上でこれら二つの板状部材の板表面が貼り合わされて結合されて構成されるようにしても良い。
また、上述の開口16,17,及び18は、天板部に、貫通孔として形成される。
第一の供給路12は第一の合流路14へと第一の流体試料1を供給するための流路であり、当該第一の供給路12の開口16には、マイクロチューブ34を介して第一の供給路12へと第一の流体試料1を注入するための第一の流体供給手段31が接続され連結される。
第二の供給路13は第一の合流路14へと第二の流体試料2を供給するための流路であり、当該第二の供給路13の開口17には、マイクロチューブ35を介して第二の供給路13へと第二の流体試料2を注入するための第二の流体供給手段32が接続され連結される。
第一の流体供給手段31が操作されることによって所定の流量で第一の流体試料1が第一の供給路12へと注入されると共に第二の流体供給手段32が操作されることによって所定の流量で第二の流体試料2が第二の供給路13へと注入され、延いては第一の流体試料1及び第二の流体試料2が第一の合流路14へと供給される。
第一・第二の流体供給手段31,32は、特定の機器や仕組みに限定されるものではなく、第一の供給路12や第二の供給路13へと供給される流体試料の種別・種類や性状に合わせて適当なものが適宜選択される。
第一・第二の流体供給手段31,32としては、具体的には例えば、流体試料が気体である場合には、あくまで一例としては、マスフローコントローラーや圧力制御型ポンプが挙げられ、また、流体試料が液体である場合には、あくまで一例としては、シリンジポンプ,ダイヤフラムポンプ,或いは圧力制御型ポンプが挙げられる。
第一・第二の流体供給手段31,32は、前段合流部10を経て後段合流部20の第二の合流路24内に於いて三相の流れが形成され得るように流体試料の供給流量が調整され得るように、流体送出速度を制御するなどして流量を調整する機能を備えていることが好ましい。
第一の供給路12及び第二の供給路13並びに第一の合流路14は、マイクロ流路(別言すれば、小径流路)として形成される。
第一の供給路12及び第二の供給路13並びに第一の合流路14それぞれの、流路内を通過する流体の流れの方向(言い換えると、流路の軸心方向)に直交する断面(「流路断面」と呼ぶ)の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば、円形や半円形或いは楕円形や半楕円形でも良く、また、三角形や四角形或いは他の多角形でも良い。
第一の供給路12及び第二の供給路13並びに第一の合流路14は、内径(別言すれば、流路断面の差渡し)の最大寸法が例えば0.05〜1 mm 程度の範囲で設定されて形成される。なお、本発明における流路の内径に纏わる最大寸法とは、流路断面の形状が、円形や半円形である場合には直径の大きさであり、楕円形や半楕円形である場合には長軸の長さであり、三角形である場合には最も長い辺の長さであり、また、四角以上の多角形である場合には複数の対角線のうちの最も長い対角線の長さである。
合流ポイント15に於いて、第一の供給路12から供給される第一の流体試料1と第二の供給路13から供給される第二の流体試料2とが受ける圧力の差を小さくすることにより、第一の合流路14への第一の流体試料1や第二の流体試料2の供給の制御が容易になる(具体的には、合流ポイント15に於ける第一の流体試料1と第二の流体試料2との圧力の釣り合いの調整が容易になり、延いては第一の流体試料1と第二の流体試料2とをどちらも途切れること無く連続流として供給することが容易になる)。このため、第一の供給路12及び第二の供給路13の流路断面は、第一・第二の流体試料1,2の粘性や流量が考慮された上で、適当な形状及び適当な大きさに適宜設定されることが好ましい。
《後段合流部》
後段合流部20は、基板21の内部に形成された、前段合流部10から流出した第一の流体試料1及び第二の流体試料2が流入する前段合流路22と、第三の流体試料3(尚、図1では、マイクロチューブ36A,36Bを通過するものとして矢印で表されている)が注入される一対の第三の供給路23A,23Bと、これら前段合流路22及び一対の第三の供給路23A,23Bが合流した先の流路であって第一乃至第三の流体試料1−3が供給される第二の合流路24とを有する。
図1に示す例では、前段合流部10と後段合流部20とが別個の基板11,21によって構成され、前段合流部10の第一の合流路14の開口18と後段合流部20の前段合流路22の開口26とがマイクロチューブ19によって接続される(言い換えると、連結される,連通する)ようにしている。しかしながら、前段合流部10と後段合流部20とがどちらも同じ一つの基板に形成され構成されるようにしたり、前段合流部10の第一の合流路14と後段合流部20の前段合流路22とが直接連通して一体のものとして形成され構成されるようにしたりしても良い。
基板21の材質は、特定の種類に限定されるものではなく、例えば前段合流路22,一対の第三の供給路23A,23B,及び第二の合流路24を流れる流体試料などと反応しないものであることが考慮されるなどした上で、適当なものが適宜選択される。基板21の材質としては、具体的には例えば、ガラス(石英),シリコン,金属,或いは樹脂が用いられ得る。
基板21の寸法は、特定の数値に限定されるものではなく、例えば所定の形態の三相の流れを形成すると共に所望の操作や反応を進行させるために必要な各流路の長さが考慮されるなどした上で、適当な数値に適宜設定される。基板21は、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、板面視の寸法が10〜100 mm 程度の範囲である部材として形成され得る。
基板21は、図1に示す例では矩形状に形成されているが、矩形状に限定されるものではなく、例えば他の多角形状或いは円形状や楕円形状に形成されても良い。
一対の第三の供給路23A,23Bが前段合流路22へと合流して第二の合流路24へと至る(言い換えると、連通する,連続する)合流ポイント25は、流入の三口と流出の一口とからなる四叉路を構成する。
流入の三口のうちの、中央/真ん中の口に前段合流路22が連通し、前記中央/真ん中の口の両側の口には一対の第三の供給路23A,23Bのそれぞれが連通する。
そして、前段合流路22と第二の合流路24とは合流ポイント25を挟んで配設される。
また、板面視において前段合流路22の、一方の側に一対のうちの一方の第三の供給路23Aが配設されて一端が合流ポイント25へと至り、他方の側に(言い換えると、前段合流路22を挟んで上記の第三の供給路23Aとは反対側に)一対のうちの他方の第三の供給路23Bが配設されて一端が合流ポイント25へと至る。
これにより、前段合流路22から供給される第一の流体試料1及び第二の流体試料2によって形成される二相の流れが第二の合流路24の真ん中/中心部分に流され、前記二相の流れを両側から挟むように第三の流体試料3(別言すれば、第三の相)が流される。
前段合流路22の、流入口(別言すれば、供給口)に相当する一端は基板21の上面に形成された開口26へと連通し、流出口に相当する他端は合流ポイント25へと連通する。
一対のうちの一方の第三の供給路23Aの、流入口(換言すれば、注入口)に相当する一端は基板21の上面に形成された開口27Aへと連通し、流出口に相当する他端は合流ポイント25へと連通する。
一対のうちの他方の第三の供給路23Bの、流入口(換言すれば、注入口)に相当する一端は基板21の上面に形成された開口27Bへと連通し、流出口に相当する他端は合流ポイント25へと連通する。
第二の合流路24の、流入口(別言すれば、供給口)に相当する一端は合流ポイント25へと連通し、流出口(換言すれば、排出口,取出し口)に相当する他端は基板21の上面に形成された開口28へと連通する。
基板21は基底部を構成する板状部材と天板部を構成する板状部材とから構成され、基底部の板表面に例えばエッチングや研削等の微細機械加工によって前段合流路22,一対の第三の供給路23A・23B,及び第二の合流路24が例えば溝として形成される。そして、基底部の板表面に溝が形成された状態で天板部の板表面が基底部の板表面へと貼り合わされて接合されて基板21が構成され、また、前段合流路22,一対の第三の供給路23A,23B,及び第二の合流路24が構成される。
各流路22−24の構成態様は上述の態様に限定されるものではなく、基板21の天板部を構成する板状部材の板表面に溝が形成された上で基底部を構成する板状部材の板表面と貼り合わされて結合されて構成されるようにしても良く、或いは、基板21の基底部を構成する板状部材の板表面と天板部を構成する板状部材の板表面とのそれぞれの対向する位置に溝が形成された上でこれら二つの板状部材の板表面が貼り合わされて結合されて構成されるようにしても良く、更に或いは、基板21の基底部を構成する板状部材の板表面に各流路22−24のうちの一部に相当する溝が形成された上で天板部を構成する板状部材の板表面に各流路22−24のうちの一部に相当する溝が形成された上でこれら二つの板状部材の板表面が貼り合わされて結合されて構成されるようにしても良い。
また、上述の開口26,27A及び27B,並びに28は、天板部に、貫通孔として形成される。
前段合流路22は前段合流部10の第一の合流路14から流出する第一の流体試料1及び第二の流体試料2を第二の合流路24へと供給するための流路であり、前段合流部10の第一の合流路14の開口18へと一端が接続しているマイクロチューブ19の他端が前段合流路22の開口26に接続される。
一対の第三の供給路23A,23Bは第二の合流路24へと第三の流体試料3を供給するための流路であり、これら一対の第三の供給路23A,23Bの開口27A,27Bの各々には、マイクロチューブ36A,36Bを介して一対の第三の供給路23A,23Bへと第三の流体試料3を注入するための第三の流体供給手段33A,33Bが接続され連結される。
一対の第三の流体供給手段33A,33Bのそれぞれが操作されることによって所定の流量で第三の流体試料3が一対の第三の供給路23A,23Bのそれぞれへと注入され、延いては第三の流体試料3が第二の合流路24へと供給される。
上述の構成により、第一乃至第三の流体試料1−3が第二の合流路24へと供給される。
第二の合流路24は、例えば液液抽出操作や気液抽出操作或いは触媒反応などの、所望の操作や反応を進行させるための区間である。
第二の合流路24は、図1に示す例では直線状に表されているが、直線状に限定されるものではなく、所望の操作や反応を進行させる区間を確保するために例えば蛇行する(具体的には、直線状の流路と湾曲形状の流路とが交互に複数連接して連続する)ように形成されても良い。
第三の流体供給手段33A,33Bは、特定の機器や仕組みに限定されるものではなく、一対の第三の供給路23A,23Bへと供給される流体試料の種別・種類や性状に合わせて適当なものが適宜選択される。
第三の流体供給手段33A,33Bとしては、具体的には例えば、流体試料が気体である場合には、あくまで一例としては、マスフローコントローラーや圧力制御型ポンプが挙げられ、また、流体試料が液体である場合には、あくまで一例としては、シリンジポンプ,ダイヤフラムポンプ,或いは圧力制御型ポンプが挙げられる。
第三の流体供給手段33A,33Bは、前段合流部10を経て後段合流部20の第二の合流路24内に於いて三相の流れが形成され得るように流体試料の供給流量が調整され得るように、流体送出速度を制御するなどして流量を調整する機能を備えていることが好ましい。
一対の第三の流体供給手段33A,33Bは、一対の第三の供給路23A,23Bのそれぞれへと等しい供給流量で第三の流体試料3を注入するようにそれぞれが調整されることが好ましい。
一対の第三の供給路23A,23Bのそれぞれへと等しい流量で第三の流体試料3が注入されると共に一対の第三の供給路23A,23Bを介して第一及び第二の流体試料1,2の二相の流れを両側から挟むように第三の流体試料3が流されることにより、釣り合いがとられた流量の流体試料が両側から供給されるようになり、本発明が企図する形態の相流が一層確実に第二の合流路24内に形成されるようになる。
前段合流路22,一対の第三の供給路23A・23B,及び第二の合流路24は、マイクロ流路(別言すれば、小径流路)として形成される。
前段合流路22,一対の第三の供給路23A・23B,及び第二の合流路24それぞれの、流路断面の形状は、特定の形状に限定されるものではなく、例えば、円形や半円形或いは楕円形や半楕円形でも良く、また、三角形や四角形或いは他の多角形でも良い。
前段合流路22,一対の第三の供給路23A・23B,及び第二の合流路24は、内径(別言すれば、流路断面の差渡し)の最大寸法が例えば0.1〜2 mm 程度の範囲で設定されて形成される。
合流ポイント25に於いて、前段合流路22から供給される第一の流体試料1及び第二の流体試料2と一対の第三の供給路23A,23Bから供給される第三の流体試料3とが受ける圧力の差を小さくすることにより、第一の合流路14への第一の流体試料1や第二の流体試料2の供給も含めて一対の第三の供給路23A,23Bへの第三の流体試料3の供給の制御が容易になる(具体的には、合流ポイント25に於ける第一の流体試料1及び第二の流体試料2と第三の流体試料3との圧力の釣り合いの調整が容易になり、延いては第一の流体試料1及び第二の流体試料2と第三の流体試料3とをどちらも途切れること無く連続流として供給することが容易になる)。このため、前段合流路22及び一対の第三の供給路23A,23Bの流路断面は、第一乃至第三の流体試料1−3の粘性や流量が考慮された上で、適当な形状及び適当な大きさに適宜設定されることが好ましい。
また、一対の第三の供給路23A,23Bのそれぞれから供給される第三の流体試料3が第二の合流路24に於いて均一な液膜を形成し得るようにするために、一対の第三の供給路23A,23Bのそれぞれから供給される第三の流体試料3の流速が同一であることが好ましく、一対の第三の供給路23A,23Bの流路断面の形状及び大きさが同一であるように形成されることが好ましい。
また、前段合流部10の第一の供給路12及び第二の供給路13並びに第一の合流路14の流路断面の大きさよりも、後段合流部20の前段合流路22,第三の供給路23A・23B,及び第二の合流路24の断面の大きさの方が、小さいことは好ましくなく、大きいことが好ましい。後段合流部20の第二の合流路24の方が前段合流部10の第一の合流路14よりも流路断面が大きくなるように調節されて形成されることにより、第二の合流路24に於ける流体試料の流速の増大が抑制され、第二の合流路24に於ける所望の操作や反応を進行させるための時間が適切に調整され得る。
《流体試料,相流の形態》
本発明では、第二の合流路24内に、三相の流れが形成され、具体的には、中心相と当該中心相の周囲を取り囲む膜相(別言すれば、液膜)と当該膜相中又は当該膜相上(即ち、膜相の流路中心側の表面上;言い換えると、膜相と流路中心部分を流れる相との間)を流れる不連続相とからなる三相の流れ、或いは、中心相と当該中心相の周囲を取り囲む連続する二相のパイプフローからなる三相の流れが形成される。前記における不連続相は、(流体供給手段から流体試料が継続的・連続的に供給されたとしても)液体が例えば液滴状やスラグ状に流れることによって構成される。
上記の三相の流れが形成されるようにするため、第一乃至第三の流体試料1−3としては、性状が異なって互いに混ざり合うことがない(別言すれば、相互に不混和の)流体、言い換えると、相互に液液界面若しくは気液界面を形成する流体が選択される。なお、相互に混ざり合うことがない(言い換えると、液液界面や気液界面が形成される)液体であれば第一乃至第三の流体試料1−3の全てが液体でも良く、或いは、第一の流体試料1若しくは第二の流体試料2のうちの一方が気体でも良い。
第一乃至第三の流体試料1−3として全て液体が選択される場合には、具体的には例えば、あくまで一例としては、水性液体と油性液体とに加えてこれら水性液体や油性液体と混ざり合うことがない(言い換えると、溶けない)フッ素系溶媒が選択され得る。
第一乃至第三の流体試料1−3について、具体的には例えば、第二の合流路24内に気相,水相,及び油相が流れる(言い換えると、気相,水相,及び油相からなる三相の流れが形成される)ようにし、第二の合流路24の内周面に水相と油相とのうちのどちらか一方の液相の液膜が形成されると共に、当該液膜中または当該液膜上(即ち、液膜の流路中心側の表面上;言い換えると、液膜と流路中心部分を流れる相との間)をもう一方の液相が流れ、且つ、流路中心部分を気相が流れる形態が構成されるようにすることが考えられる。
第二の合流路24内に水相と油相とが流れるようにした場合には、第二の合流路24の内周面を親水性表面と疎水性表面とのうちのどちらにするかにより、第二の合流路24内に形成される三相の流れの形態が制御され得る。
第二の合流路24の内周面が親水性表面であると共に、第一の流体試料1として気体が用いられ、第二の流体試料2として油性の液体が用いられ、さらに、第三の流体試料3として水性の液体が用いられる場合には、第一の合流路14に於いて気体と油性液体とが合流して当該流路内に気相−油相流が形成され、第二の合流路24内に流れている気相−油相流へと水性液体(水相)が更に流されることにより、図2に示すように、第二の合流路24の内周面上(即ち、親水性表面上)に水性液体(水相;符号3)の液膜が形成され、当該液膜中または当該液膜上に油性液体(油相;符号2)が液滴状やスラグ状に流れ、気体(気相;符号1)が流路中心部分を流れる三相の流れが形成される。
上記の場合に、また、第二の合流路24の内周面上(即ち、親水性表面上)に水性液体(水相)の液膜が形成され、当該液膜上(即ち、液膜の流路中心側の表面上;言い換えると、液膜と流路中心部分を流れる相との間)に油性液体(油相)が連続体として(言い換えると、連続する管状に)流れ、気体(気相)が流路中心部分を流れる形態、すなわち、中心の気相と当該気相の周囲を取り囲む連続する管状の油相及び水相の二層のパイプフローとからなる形態もあり得る。
なお、ガラスは親水性であるため、後段合流部20の基板21がガラス(或いは、ガラスなどの親水性の材料)によって形成された場合には、特段の処理が施されることなく、第二の合流路24の内周面は親水性表面として取り扱われ得る。
第二の合流路24の内周面が疎水性表面であると共に、第一の流体試料1として気体が用いられ、第二の流体試料2として水性の液体が用いられ、さらに、第三の流体試料3として油性の液体が用いられる場合には、第一の合流路14に於いて気体と水性液体とが合流して当該流路内に気相−水相流が形成され、第二の合流路24内に流れている気相−水相流へと油性液体(油相)が更に流されることにより、図3に示すように、第二の合流路24の内周面上(即ち、疎水性表面上)に油性液体(油相;符号3)の液膜が形成され、当該液膜中または当該液膜上に水性液体(水相;符号2)が液滴状やスラグ状に流れ、気体(気相;符号1)が流路中心部分を流れる三相の流れが形成される。
上記の場合に、また、第二の合流路24の内周面上(即ち、疎水性表面上)に油性液体(油相)の液膜が形成され、当該液膜上(即ち、液膜の流路中心側の表面上;言い換えると、液膜と流路中心部分を流れる相との間)に水性液体(水相)が連続体として(言い換えると、連続する管状に)流れ、気体(気相)が流路中心部分を流れる形態、すなわち、中心部分の気相と当該気相の周囲を取り囲む連続する管状の水相及び油相の二層のパイプフローとからなる形態もあり得る。
第二の合流路24の内周面を疎水化させる方法は、特定の手法に限定されるものではないものの、具体的には例えばオクタデシルトリエトキシシラン等のシラン化剤やフッ素系コーティング剤が用いられて疎水化する手法が用いられ得る。
なお、第一の合流路14へと供給される第一の流体試料1と第二の流体試料2とのうちのどちらが流路中心部分を流れる相になるのかは、二つの流体試料1,2の主に粘性によって決定され、二つの流体試料1,2のうちの粘性が低い方の流体試料が流路中心部分を流れる相になる。
また、上述のマイクロリアクターが触媒系の反応装置として用いられるようにしても良く、この場合に、第二の合流路24の内周面に触媒の層(言い換えると、被膜)が固定化されて設けられるようにしても良い。この場合には、触媒表面上(言い換えると、触媒層の内周面上)を液相が液膜状に流れ、触媒表面で起こる触媒反応によって生成される物質を、別の相における(言い換えると、別の相との)反応などに効率的に利用することが可能になる。
特に光触媒系の反応装置として上述のマイクロリアクターが用いられる場合には、第二の合流路24の内周面に光触媒の層が固定化されて設けられて第二の合流路24に対して紫外線等の光線が照射される。また、光触媒系の反応装置として用いられる場合、基板21(尚、基板21が基底部と天板部とから構成される場合にはこれら基底部と天板部とのうちの少なくとも一方)は、例えばガラスなどの光透過性を備える材質によって形成される。
《操作手順》
上述したマイクロリアクターの基本的な操作手順を以下に説明する。
まず、前段合流部10を構成する基板11に形成された第一の供給路12の開口16に、マイクロチューブ34を介して、第一の流体供給手段31が接続される。図1に示す例では、第一の流体試料1が気体であり、第一の流体供給手段31としてマスフローコントローラーが用いられるようにしている。
また、基板11に形成された第二の供給路13の開口17に、マイクロチューブ35を介して、第二の流体試料2が収容された第二の流体供給手段32が接続される。図1に示す例では、第二の流体試料2が液体であり、第二の流体供給手段32としてシリンジポンプが用いられるようにしている。
さらに、後段合流部20を構成する基板21に形成された一対の第三の供給路23A,23B各々の開口27A,27Bそれぞれに、マイクロチューブ36A,36Bを介して、第三の流体試料3が収容された第三の流体供給手段33A,33Bが接続される。図1に示す例では、第三の流体試料3が液体であり、第三の流体供給手段33A,33Bとしてシリンジポンプが用いられるようにしている。
第一乃至第三の流体供給手段31,32,並びに33A及び33Bのそれぞれに対して流体注入開始の操作が行われ、前段合流部10の第一の供給路12へと第一の流体試料1(図1に示す例では、気相)が注入されると共に、第二の供給路13へと第二の流体試料2(図1に示す例では、液相)が注入され、さらに、後段合流部20の一対の第三の供給路23A,23Bのそれぞれへと第三の流体試料3(図1に示す例では、液相)が注入される。
このとき、第二の合流路24の内周面上に形成される相(言い換えると、内周面へと接する相,内周面に接する液膜を構成する相)に対応する流体試料(下記※1を参照)が第三の流体供給手段33A,33Bに収容されて当該第三の流体供給手段33A,33Bによる流体注入開始の操作が最初に行われて第二の合流路24内が第三の流体試料3で満たされた後に、第一の流体供給手段31及び第二の流体供給手段32による流体注入開始の操作が行われるという手順が好ましい。
(※1)例えば、図2に示す例のように第二の合流路24の内周面が親水性表面である場合の水性液体や、図3に示す例のように第二の合流路24の内周面が疎水性表面である場合の油性液体が挙げられる。
上記の手順が採用されることにより、第二の合流路24の内周面上に形成される相ではない相に対応する流体試料(「非膜相試料」と呼ぶ)が第二の合流路24へと最初に注入されて当該第二の合流路24内が非膜相試料で満たされた後に第二の合流路24の内周面上に形成される相に対応する流体試料(「膜相試料」と呼ぶ)が注入されたときに、非膜相試料が流路内周面上に残存して(言い換えると、付着して)膜相試料による膜相(液膜)の形成が阻害される状況を回避することが可能になり、延いては、第二の合流路24の内周面上に膜相(液膜)が適切に形成された上で非膜相試料が供給されることになり、第二の合流路24内に於いて三相の流れが一層確実に形成されるようになる。
そして、前段合流部10の第一の供給路12を通過した第一の流体試料1及び第二の供給路13を通過した第二の流体試料2が第一の合流路14へと供給されて合流した上で(図1に示す例では、気相−液相流を形成した上で)マイクロチューブ19を介して後段合流部20の開口26から前段合流路22へと流入する。
前段合流路22を通過した第一の流体試料1及び第二の流体試料2(言い換えると、第一の流体試料1と第二の流体試料2とが合流した流体;図1に示す例では、気相−液相流)並びに一対の第三の供給路23A,23Bを通過した第三の流体試料3がこれら一対の第三の供給路23A,23Bのそれぞれから第二の合流路24へと供給される。
第一乃至第三の流体試料1−3が合流する第二の合流路24内に、これら第一乃至第三の流体試料1−3によって三相の流れが形成される。
そして、第二の合流路24に於いて、流体試料による三相の流れが形成された状態で、例えば、液液抽出や気液抽出が行われたり、液液界面や気液界面での化学反応が行われたり、或いは紫外線等の光線が照射されて光触媒反応が行われたりする。
第二の合流路24に於いて所定の操作や反応が行われた後の流体試料は、開口28から排出され、マイクロチューブ38を通過して貯留容器39に収容されて回収される。
《操作・反応の具体例1》
本発明に係るマイクロリアクターが用いられて行われる処理の具体例として、光触媒によるポリクロロビフェニル(PCB)等の脱塩素化について説明する。
酸化チタンは、安価な光触媒であり、有機塩素化合物などの脱塩素化を行うことが可能である。しかしながら、脱塩素化に寄与する活性種の寿命が短く、光触媒効果によって発生する活性種を効率的に利用できていないために脱塩素化効率が低いという問題がある。
具体的には例えば、酸化チタン光触媒及びPCBが存在すると共に水を加えた系(言い換えると、液状PCB)を対象とした光触媒によるPCBの脱塩素化に関する従来の手法では、図4(A)に示すように、活性種のうちの一部はPCBの脱塩素化に寄与する一方で、活性種の消失のために反応することができないPCBが残るために脱塩素化率が低いという問題がある。
この問題への解決手段として本発明に係るマイクロリアクターが利用され得る。
本具体例では、第二の合流路24の内周面に、光触媒の層として二酸化チタン(TiO2)が固定化されて設けられる(当該二酸化チタンによって図4(B)における酸化チタン相が構成される)。
その上で、第一の流体試料1として空気が用いられ(当該空気によって気相が構成される)、第二の流体試料2としてPCBの有機塩素化合物を含有した絶縁油が用いられ(当該絶縁油によって油相が構成される)、さらに、第三の流体試料3として水が用いられる(当該水によって水相が構成される)。
そして、第二の合流路24に対して紫外線が照射される。なお、基板21は、ガラスが用いられて形成される。
二酸化チタンは、紫外線の照射により、超親水性になる。このため、第一乃至第三の流体試料1−3を流すと、図4(B)に示すように、第三の流体試料3によって水相として光触媒層上に液膜流が形成され、当該水相の液膜中または液膜上(即ち、水相の流路中心側の表面上;言い換えると、水相と流路中心部分を流れる相との間)に第二の流体試料2が油相として液滴状やスラグ状に流れ、第一の流体試料1が気相として流路中心部分を流れる。なお、油相は数 μm 程度の厚さを有するものとして形成され得ると共に水相は数 μm 以下程度の厚さを有するものとして形成され得る。
活性種を発生する原料として水相(第三の流体試料3)が利用され、光触媒効果によって発生した活性種が消失する前に効率的に油相(第二の流体試料2)中のPCB等の有機塩素化合物と反応させることにより、有機塩素化合物の脱塩素化反応が効率的に進行する。
以上の具体例1では、本発明に係る反応方法として、第一の流体試料1と第二の流体試料2とを第一の合流路14へと供給し、第一の合流路14を通過させた第一の流体試料1及び第二の流体試料2と第三の流体試料3とを第二の合流路24へと供給し、第二の流体試料2と第三の流体試料3とを反応させるようにしている。
《操作・反応の具体例2》
本発明に係るマイクロリアクターが用いられて行われる処理の他の具体例として、触媒反応と液液抽出との組み合わせについて説明する。
触媒反応は、原料Aから目的物Bが生成された後、反応を止める操作をしないと、目的物Bが原料Aと更に反応して別の化合物C(言い換えると、副反応物C)へと変化してしまう場合がある(図5(A)参照)。
この問題への解決手段として本発明に係るマイクロリアクターが利用され得る。
本具体例では、第二の合流路24の内周面に、触媒の層が固定化されて設けられる(当該触媒によって図5(B)における触媒相が構成される)。この場合の触媒としては、所定の原料Aから所望の目的物Bを生成するために適当なものが適宜選択される。
その上で、第一の流体試料1として気体が用いられ(当該気体によって気相が構成される)、第二の流体試料2として液体Xが用いられ(当該液体Xによって液相が構成される)、さらに、第三の流体試料3として液体Yが用いられる(当該液体Yによって液相が構成される)。この場合、液体X及び液体Yとしては、性状が異なって互いに混ざり合うことがない流体、言い換えると、相互に液液界面を形成する液体が選択される。
図5(B)に示す例では、第二の流体試料2として油系(油性液体)が用いられ(当該油系によって油相が構成される)、第三の流体試料3として水系(水性液体)が用いられる(当該水系によって水相が構成される)。
そして、第一乃至第三の流体試料1−3を流すと、図5(B)に示すように、第三の流体試料3によって水相として触媒相上に液膜流が形成され、当該水相の液膜中または液膜上(即ち、水相の流路中心側の表面上;言い換えると、水相と流路中心部分を流れる相との間)に第二の流体試料2が油相として液滴状やスラグ状に流れ、第一の流体試料1が気相として流路中心部分を流れる。なお、油相と水相とはどちらも、数〜数十 μm 程度の厚さを有するものとして形成され得る。
このとき、触媒反応によって原料Aから生成された目的物Bが液液抽出によって水相(第三の流体試料3)から油相(第二の流体試料2)へと抽出されて分離され(言い換えると、油相へと取り込まれ)、目的物Bが原料Aと反応してしまう(言い換えると、副反応物Cが生成されてしまう)ことが防止され、目的物Bのまま取り出すことが可能になる。
以上の具体例2では、本発明に係る抽出方法として、第一の流体試料1と第二の流体試料2とを第一の合流路14へと供給し、第一の合流路14を通過させた第一の流体試料1及び第二の流体試料2と第三の流体試料3とを第二の合流路24へと供給し、第二の流体試料2と第三の流体試料3との間で抽出操作を行わせるようにしている。
以上のように構成されたマイクロリアクターや抽出方法,反応方法によれば、比界面積の増大,流れを乱した撹拌効果の増大,及び拡散距離の短縮化が達成されて延いては例えば液液抽出プロセス,気液抽出プロセス,触媒反応プロセスを迅速に行うことができ、また、流体試料の選択・組み合わせによっては複数のプロセスを同時に行うことができる。このため、反応装置・反応手法としての有用性の向上が可能になる。
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
例えば、上述の実施形態では基板11や基板21に各流路が形成されるようにしているが、基板に相当する構成部材を有することは本発明において必須の構成ではなく、各流路がそれぞれチューブによって構成されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では第三の流体供給手段を一対のものとして(即ち、二つ)有するようにしているが、第三の流体供給手段は一つでも良い。また、この場合には、図6に示すように、第三の流体供給手段33からマイクロチューブ36を介して第三の流体試料3が注入される開口27から分岐して合流ポイント25へと至る第三の供給路23A,23Bが一対のものとして形成され、前段合流路22から供給される第一の流体試料1及び第二の流体試料2によって形成される二相の流れを両側から挟むように第三の流体試料3が流されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では相流を構成するための仕切りを流路の中に設けるようにはしていないが、管状の仕切りによって流路の中が複数の層に区画されるようにしても良い。すなわち、流路の一部区間(Sa)の内部空間を中心部分と当該中心部分を取り囲む筒状の領域(43c)とに区画するための外側の仕切り(41)と当該外側の仕切り(41)の内部空間を中心部分(43a)と当該中心部分(43a)を取り囲む筒状の領域(43b)とに区画するための内側の仕切り(42)とを有し、当該内側の仕切り(42)の内部空間(43a)へと第一の流体試料(1)が供給され、外側の仕切り(41)と内側の仕切り(42)との間の空間(43b)へと第二の流体試料(2)が供給され、さらに、外側の仕切り(41)の周囲の空間(43c)へと第三の流体試料(3)が供給されるようにしても良い(尚、前記において、この態様の一例としての図7に示す例における符号を括弧内に記した)。
具体的には例えば、図7に示すように、チューブ40の内部の一部区間Saに、外側区画チューブ41と内側区画チューブ42とが設けられる。この場合には、例えば、第一の流体供給手段31から第一の流体試料1がマイクロチューブを介して内側区画チューブ42の内部空間43aへと供給され、また、第二の流体供給手段32から第二の流体試料2がマイクロチューブを介して外側区画チューブ41と内側区画チューブ42との間の空間43bへと供給され、さらに、第三の流体供給手段33(尚、一つで良い)から第三の流体試料3がマイクロチューブを介してチューブ40と外側区画チューブ41との間の空間43cへと供給される。そして、第一乃至第三の流体試料1−3が、それぞれチューブの内部空間43aやチューブ同士の間の空間43b,43cを満たすように流れ、その後、外側区画チューブ41及び内側区画チューブ42が途切れた先の区間Sbにおいても、チューブ40内に於いて三相の流れを構成する。この場合は、中心相(即ち、第一の流体試料1)と当該中心相の周囲を取り囲む連続する二相のパイプフロー(即ち、第二の流体試料2及び第三の流体試料3)とからなる三相の流れが形成される。なお、図7に示す例では流路断面が円形であるようにしているが、流路断面の形状は円形に限られるものではなく、半楕円形や三角形や四角以上の多角形でも良い。
本発明に係るマイクロリアクターによる三相の流れの形成状況を検証するための実施例を図8を用いて説明する。
本実施例では、第二の合流路24の内周面がオクタデシルトリエトキシシランによって疎水化された上で、各流体試料として以下のものが用いられ、また、各流体試料の注入速度が以下のように設定された。
第一の流体試料:窒素ガス (1 mL/分) 〜 気相を構成する
第二の流体試料:水溶液 (1 μL/分) 〜 水相を構成する
第三の流体試料:ブタノール (0.5 μL/分) 〜 油相を構成する
各流路の流路断面は半楕円形に形成され、前段合流部10の第一の供給路12及び第二の供給路13並びに第一の合流路14は基板11の板面視において流路幅(即ち、流路断面の半楕円の長径に相当)0.100 mm 且つ流路深さ(即ち、流路断面の半楕円の短径に相当)0.040 mm に形成され、また、後段合流部20の前段合流路22及び第二の合流路24は基板21の板面視において流路幅0.300 mm 且つ流路深さ0.050 mm に形成されると共に第三の供給路23A,23Bは基板21の板面視において流路幅0.150 mm 且つ流路深さ0.025 mm に形成された。
本実施例では、基板11と基板21とはそれぞれ二枚のガラス板によって構成された。基板11については、基底部を構成するガラス板の板表面に各流路12−14が半楕円形の溝として形成され、また、各開口16−18が天板部を構成するガラス板に貫通孔として形成された。そして、天板部のガラス板の板表面と基底部のガラス板の板表面とが貼り合わされて接合されて基板11が製作された。
基板21については、天板部を構成するガラス板の板表面に一対の第三の供給路23A,23Bが半楕円形の溝として形成されると共に基底部を構成するガラス板の板表面に他の流路が半楕円形の溝として形成された。また、各開口26−28は天板部を構成するガラス板に貫通孔として形成された。そして、天板部のガラス板の板表面と基底部のガラス板の板表面とが貼り合わされて接合されて基板21が製作された。
本実施例では、水相が2,2’−ジヒドロキシアゾベンゼンのアルミニウム錯体水溶液とされ、ブタノールに抽出された。この錯体はブタノールに抽出されることで蛍光を発するようになる。
第一乃至第三の流体試料1−3が注入された上で第二の合流路24に於ける蛍光の状況が観察されて図8に示す結果が得られた。
図8に示す結果から、第二の合流路24の全面で蛍光が観察され、ブタノールは流路全体を流れており、第二の合流路24の内周面全体を覆うように液膜が形成されていることが確認された。
以上の結果から、本発明に係るマイクロリアクターによれば、第一乃至第三の流体試料によって第二の合流路24に於いて三相の流れが形成されることが確認され、流路に於いて三相の流れを構成した上で意図した種々の抽出操作や触媒反応・化学反応を行うことが可能であることが確認された。
本発明に係るマイクロリアクターによる三相の流れの形成条件を検討するための実施例を説明する。
本実施例では、具体的には、中心相が断裂すること無く連続して流れる条件、すなわち、中心相が連続流として形成される条件を検討・確認することが企図された。
本実施例では、第二の合流路24の内周面がオクタデシルトリエトキシシランによって疎水化された上で、各流体試料として以下のものが用いられた。
第一の流体試料:窒素ガス 〜 気相を構成する
第二の流体試料:超純水 〜 水相を構成する
第三の流体試料:ブタノール 〜 油相を構成する
各流路の流路断面は半楕円形に形成され、前段合流部10の第一の供給路12及び第二の供給路13並びに第一の合流路14は基板11の板面視において流路幅(即ち、流路断面の半楕円の長径に相当)0.100 mm 且つ流路深さ(即ち、流路断面の半楕円の短径に相当)0.040 mm に形成され、また、後段合流部20の前段合流路22及び第二の合流路24は基板21の板面視において流路幅0.300 mm 且つ流路深さ0.050 mm に形成されると共に第三の供給路23A,23Bは基板21の板面視において流路幅0.150 mm 且つ流路深さ0.025 mm に形成された。
本実施例では、基板11と基板21とはそれぞれ二枚のガラス板によって構成された。基板11については、基底部を構成するガラス板の板表面に各流路12−14が半楕円形の溝として形成され、また、各開口16−18が天板部を構成するガラス板に貫通孔として形成された。そして、天板部のガラス板の板表面と基底部のガラス板の板表面とが貼り合わされて接合されて基板11が製作された。
基板21については、天板部を構成するガラス板の板表面に一対の第三の供給路23A,23Bが半楕円形の溝として形成されると共に基底部を構成するガラス板の板表面に他の流路が半楕円形の溝として形成された。また、各開口26−28は天板部を構成するガラス板に貫通孔として形成された。そして、天板部のガラス板の板表面と基底部のガラス板の板表面とが貼り合わされて接合されて基板21が製作された。
第二の流体試料(超純水)の流量及び第三の流体試料(ブタノール)の流量が固定される一方で第一の流体試料(窒素ガス)の流量が50 μL/分 ピッチで変化させられ、第一の流体試料(窒素ガス)によって中心相が連続流として形成される条件が検証された。
第一の流体試料(窒素ガス)の流量が変化させられながら第二の合流路24内に於ける中心相を含む三相の流れの形成状況が観察され、中心相を含む三相の流れが形成されるために必要とされる第一の流体試料(窒素ガス)の流量として表1に示す結果が得られた。
Figure 0006968578
表1に示す結果は第二の流体試料(水相)の流量と第三の流体試料(油相)の流量との組み合わせに対して三相の流れを形成するために必要とされる第一の流体試料(気相)の流量であり、水相の流量及び油相の流量の増加に伴って必要とされる気相の流量も増加する傾向が確認された。
表1に示す結果から、第二の流体試料の流量及び第三の流体試料の流量が適切に調整されると共に第二の流体試料の流量と第三の流体試料の流量との組み合わせに対して第一の流体試料の流量が適切に調整されることにより、第二の合流路24内に於いて三相の流れを形成することが可能であることが確認された。
1 第一の流体試料
2 第二の流体試料
3 第三の流体試料
10 前段合流部
11 基板
12 第一の供給路
13 第二の供給路
14 第一の合流路
15 合流ポイント
16 開口
17 開口
18 開口
19 マイクロチューブ
20 後段合流部
21 基板
22 前段合流路
23A 第三の供給路
23B 第三の供給路
24 第二の合流路
25 合流ポイント
26 開口
27A 開口
27B 開口
28 開口
31 第一の流体供給手段
32 第二の流体供給手段
33A 第三の流体供給手段
33B 第三の流体供給手段
34 マイクロチューブ
35 マイクロチューブ
36A マイクロチューブ
36B マイクロチューブ
38 マイクロチューブ
39 貯留容器

Claims (6)

  1. 第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面が親水性表面とされ前記第一の合流路を通過した前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、
    気体または液体の前記第一の流体試料と、油性の前記第二の流体試料とを前記第一の合流路へと供給し、
    前記第一の合流路を通過させた前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料と水性の前記第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、
    前記第二の合流路の親水性表面の内周面に沿って前記第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、前記第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる前記第一の流体試料との間の前記液膜上に前記第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、
    前記第二の流体試料と前記第三の流体試料との間で抽出操作を行わせることを特徴とする抽出方法。
  2. 第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面が疎水性表面とされ第一の合流路を通過した前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、
    気体または液体の前記第一の流体試料と、水性の前記第二の流体試料とを前記第一の合流路へと供給し、
    前記第一の合流路を通過させた前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料と油性の前記第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、
    前記第二の合流路の疎水性表面の内周面に沿って前記第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、前記第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる前記第一の流体試料との間の前記液膜上に前記第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、
    前記第二の流体試料と前記第三の流体試料との間で抽出操作を行わせることを特徴とする抽出方法。
  3. 第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面に親水性あるいは疎水性の触媒の層が固定化され前記第一の合流路を通過した前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、
    気体または液体の前記第一の流体試料と、水性または油性の前記第二の流体試料とを前記第一の合流路へと供給し、
    前記第一の合流路を通過させた前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料と油性または水性の前記第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、
    前記第二の合流路の親水性あるいは疎水性の前記触媒の層の内周面に沿って前記第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、前記第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる前記第一の流体試料との間の前記液膜上に前記第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、
    いずれか一方の流体試料を原料として触媒反応を生じさせた上で他の流体試料との間で抽出作用を行わせることを特徴とする抽出方法。
  4. 第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面が親水性表面とされ前記第一の合流路を通過した前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、
    気体または液体の前記第一の流体試料と、油性の前記第二の流体試料とを前記第一の合流路へと供給し、
    前記第一の合流路を通過させた前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料と水性の前記第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、
    前記第二の合流路の親水性表面の内周面に沿って前記第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、前記第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる前記第一の流体試料との間の前記液膜上に前記第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、
    前記第二の流体試料と前記第三の流体試料との間で反応させることを特徴とする反応方法。
  5. 第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面が疎水性表面とされ第一の合流路を通過した前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、
    気体または液体の前記第一の流体試料と、水性の前記第二の流体試料とを前記第一の合流路へと供給し、
    前記第一の合流路を通過させた前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料と油性の前記第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、
    前記第二の合流路の親水性あるいは疎水性の前記触媒の層の内周面に沿って前記第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、前記第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる前記第一の流体試料との間の前記液膜上に前記第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、
    前記第二の流体試料と前記第三の流体試料との間で反応させることを特徴とする反応方法。
  6. 第一の流体試料と第二の流体試料とが供給される第一の合流路と、内周面に親水性あるいは疎水性の触媒の層が固定化され前記第一の合流路を通過した前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料が供給されると共に第三の流体試料が供給される第二の合流路とを有するマイクロリアクターに、
    気体または液体の前記第一の流体試料と、水性または油性の前記第二の流体試料とを前記第一の合流路へと供給し、
    前記第一の合流路を通過させた前記第一の流体試料及び前記第二の流体試料と油性または水性の前記第三の流体試料とを第二の合流路へと供給し、
    前記第二の合流路の疎水性表面の内周面に沿って前記第三の流体試料を膜状の液膜流として流す一方、前記第三の流体試料の液膜中または流路中心部分を流れる前記第一の流体試料との間の前記液膜上に前記第二の流体試料を液滴状またはスラグ状にして流す三相の流れを形成し、
    いずれか一方の流体試料を原料として触媒反応を生じさせた上で他の流体試料との間で反応させることを特徴とする反応方法。
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