JP6967852B2 - 性比スキューイング用抗体およびこの抗体の使用方法 - Google Patents

性比スキューイング用抗体およびこの抗体の使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6967852B2
JP6967852B2 JP2016552532A JP2016552532A JP6967852B2 JP 6967852 B2 JP6967852 B2 JP 6967852B2 JP 2016552532 A JP2016552532 A JP 2016552532A JP 2016552532 A JP2016552532 A JP 2016552532A JP 6967852 B2 JP6967852 B2 JP 6967852B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
antigen
seq
sperm
binding fragment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016552532A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017507137A5 (ja
JP2017507137A (ja
Inventor
エドワーズ,ジェイ.,ラネット
リスポリィ,ルイザ,エイ.
シュリック,エフ.,ニール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tennessee Research Foundation
Original Assignee
University of Tennessee Research Foundation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tennessee Research Foundation filed Critical University of Tennessee Research Foundation
Publication of JP2017507137A publication Critical patent/JP2017507137A/ja
Publication of JP2017507137A5 publication Critical patent/JP2017507137A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6967852B2 publication Critical patent/JP6967852B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
    • G01N33/56966Animal cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/33Crossreactivity, e.g. for species or epitope, or lack of said crossreactivity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/34Identification of a linear epitope shorter than 20 amino acid residues or of a conformational epitope defined by amino acid residues

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本特許出願は、2014年2月19日に出願され、性比スキューイング用抗体およびこの抗体の使用方法(Antibody for Skewing Sex Ratio and Methods of Use Thereof)を発明の名称とする米国仮特許出願第61/942,020号および2014年10月20日に出願され、性比スキューイング用抗体およびこの抗体の使用方法を発明の名称とする米国仮特許出願第62/065,797号の優先権を主張する出願で、各開示全体を本明細書に援用するものとする。
本発明は哺乳類動物における性比をスキューイング(skewing)して(ゆがめて)、子孫の好ましい性別(ジェンダー)を選択することに関する。特に、本発明は哺乳類動物の精子の特定の集団を選択および/または変更して、次に哺乳類動物の性比をスキューイングする方法に関する。本発明方法は、X−染色体の存在を示す精子細胞マーカーに特異的な抗体、および上記のスキューイングおよび選択に使用することを対象として特異的な抗体を提供するものである。
XY性別判定システムは、ほとんどの哺乳類動物にみられる性別判定システムである。このシステムでは、ある哺乳類動物の性は、この動物の性を塩基配列によって指定(コード化)する一対の性染色体(生殖体部)によって判定する。同形配偶子性であるメスの場合、2つのX染色体を示す。同形配偶子性であるオスの場合、X染色体とY染色体を示す。動物の育成の場合、育成者の目的に応じて、性比をメスかオスのいずれかにスキューイングすることが望ましいことが多い。例えば、乳牛を育成する場合、農業経営者の収入源即ち産乳するのは、種のうちのメスである。泌乳牛群に代わる代替動物を得るために人工授精を利用する酪農業者の場合、メスの子孫を残しがちな精子を利用して、代替牛として若い雄牛の信頼性のある供給源を確保し、従って持続的な収入源を確保することを好む。無論、牛群をオス化したい傾向には営利的理由がある。例えば、肉牛の場合、主要な収入源(肉)を与えるのは雄牛である。このように、精子の性別に影響を与えることによって性比に影響を与える方法が望まれている。
性比に影響を与える、潜在的に非侵襲的な方法が数多く知られている。すべての鳥類や哺乳動物の場合のように、性染色体が子孫の性別を主に決定する種の場合、非侵襲的な性比操作の潜在的な可能性はそれほど自明なことではない。記録のある歴史の開始以来、ヒトや動物における子孫の性別を予め選択することは常に興味の対象であった。精子DNAのフローサイトメトリー分析については、精液のサンプルにおけるX−染色体を有する精子とY−染色体を有する精子との割合を評価するきわめて有用な分析であることが知られている。また、ある点で、X−染色体を有する精子およびY−染色体を有する精子のフローサイトメトリー選別法は、精液の性比をスキューイングする唯一の実験室手法であることが知られている(Johnson、1992)。
出生前の性別を調節するために行われた最初の真剣な研究の一つは、J.L.Lushによって報告された研究である(1925)。Lush博士の研究の基礎は、ウサギにおけるX−染色体を有する精子とY−染色体を有する精子との間にあると考えられる密度差であった。遠心分離によって分離した精子を用いて行った受精からの子孫には、性比の変化は認められなかった。それ以来、X−染色体を有する精子とY−染色体を有する精子とを分離する広範囲に及ぶ方法を記載した、数えきれないほどの報告が発表されている。これら方法の大部分は、“物理的分離方法”(“physical separation”methods)と呼ぶことができる。いずれの方法も、精子の重量、密度、大きさ、運動性や表面電荷の実際の、あるいは観察された相違に依拠するものであった(Johnson、1992)。
子孫の性別を予め決定するために行われた精子のフローサイトメトリーに基づく他の研究は、生体外受精、胚移植、試験管内(intratubal)受精やイントラサイトプラスミック(intracytoplasmic)精子注入に使用する、X−染色体を有する精子をY−染色体を有する精子から分離する、有効性が確認されている方法に結びついた(Johnson、1995)。現在、哺乳動物の精子の性別を判定する営利的に有効な唯一の方法では、フローサイトメーター(flow cytometer)を使用して、DNA−結合蛍光体ヘキスト33342(fluorophore Hoechst33342)によって精子のDNA含有量を測定し、次に精子を次の3集団:1)蓋然的なX集団、2)蓋然的なY集団、および3)DNAが測定されない集団に選別する。この方法によって年間数百万の性別を判定した精子の受精量を実現している。性別判定精度は通常90%を超えるが、この、一度に一つの精子の性別を判定する方法には大きな制限が付随する。即ち、コスト、選別率、精子への物理的な損傷であり、いずれもが受精率の低下に関係があるが、子孫における異常は認められない。
研究上示唆されている領域には、精子の損傷をどのように判定するか、そして受精過程および胚発生過程のどの時期において無受精が発生するのかがある。選別前方法、および選別後方法はほぼ一時間毎にバッチ方式で行うが、一部を変更して、連続的に行うことも可能である。数百万の精子を並行的に性別判定する数多くの遺伝子的方法、物理的方法および免疫的方法が提案されているが、いずれも精度、反復再現性、精子への損傷や他の問題があるため、現時点では営利化に向いていない。なお、これら方法の改善に関する報告数は増加の一途をたどっているが、これらの一つかそれ以上が最終的に有効であることが証明されることが必然的に求められている。これら方法を発展させるために、定期的に、好ましくは営利的な実験室条件で実行できる迅速かつ低コストの手順を使用することによって、性別判定精度を監視することが決定的に重要である。
最近の証拠によれば、栄養要因、遺伝子要因、生理学的要因、および免疫学的要因によって哺乳動物の性比を操作できることが判明している。精子の性別を判定する方法がいくつか知られているが、いずれも低い精度、不妊の原因となる精子への損傷、低い反復再現性、適当な規模拡大方法の欠如などの問題がある。受精あたりの精子数を加増することによっては代償することができないと考えられる未知の作用機序によって畜牛やその他の考えられる種における受精能力が10%程度犠牲になっている(Seidel、2012)。このように、哺乳動物の精子を性別判別する改良方法が依然として求められている。
る。
USP5,641,870
Burry、R.W.(2011)、Journal of Histochemistry and Cytochemistry 59:6−12 L.A.Johnshon (1992)、J.Anim.Sci.70:8−18 L.A.Johnshon (1995)、Reprod Fertil Dev.7(4):893−903 J.L.Lush(1925)、J.Agric.Res.30:893 Perret et al.(1990)、Genomics6:482−90 Rens et al.(2001)、Reproduction 121:541−6 G.E.Seidel(2012)、J.Reprod Dev.58(5):505−9 Zapata et al、Protein Eng.8(1):1057−1062(1995)
以上の従来技術の問題からみて、本発明は哺乳動物のX−染色体を有する精子細胞を同定する方法、およびY−染色体を有する精子細胞を有する精子細胞の混合集団からこのような精子細胞を分離して、X−染色体分に富む精子細胞集団および/またはY−染色体分に富む精子細胞集団を生成する方法を提供するものである。本発明方法は有効性が高く、反復再現性があり、ロバストな上に、営利企業に適用できるように規模を拡大できる方法である。
本発明の一つの態様は、X−染色体を有する精子細胞に対して特異性を示す哺乳動物の精子細胞タンパク質に選択的に結合する抗体、あるいはこれの抗原フラグメントに関する。上記抗体、あるいはこの抗原−結合フラグメントとしては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、あるいはこれらの抗原−結合フラグメントであればよい。一つの実施態様では、哺乳動物の精子細胞タンパク質は、SEQ ID No.4に記述されている配列を有する。タンパク質は、遺伝子マッピングによって哺乳動物のX−染色体にコード化することができ、SEQ ID No.5のヌクレオチド配列、あるいはこの配列に対して相補的な配列、あるいはSEQ IDNo.5対して少なくとも85%の相同性を示すヌクレオチド配列、あるいはこの配列に対して相補的な配列を有する。哺乳動物の精子細胞タンパク質(以下GX1と表記する)は、NCBI受け入れNo.XP_001249544.1.に記述されている配列を有すればよい。
上記抗体、あるいはこれの抗原−結合フラグメントは、SEQ ID No.4として記述される天然または合成抗原アミノ酸配列、あるいはこれに対して少なくとも85%の相同性を示す抗原配列を有する抗原ペプチド組成物によってホストを免疫化することによって誘導することができる。いくつかの実施態様の場合、上記抗体、あるいはこれの抗原−結合フラグメントは、SEQ ID No.1、SEQ ID No.2、およびSEQ ID No.3のうちの一つかそれ以上からなる群から選択される抗原ペプチド組成物によって上記ホストを免疫化することによって誘導することができる。
本発明の別な態様は、精子細胞の混合集団中のX−染色体を有する精子細胞を同定する方法に関する。いくつかの同定の方法の実施態様の場合、上記の抗体、あるいはこれの抗原−結合フラグメントを正味の、あるいは希釈された精液に添加する。この場合には、標識抗体、あるいはこれの抗原−結合フラグメントを直接、あるいは間接に検出する。
本発明の別な態様は、哺乳動物における性比を、雄を主とする子孫集団、あるいは雌を主とする子孫集団にスキューイング(skewing)する方法に関する。この方法のいくつかの実施態様の場合、上記の抗体がX−染色体を有する精子細胞に結合する条件下で上記の抗体、あるいはこれの抗原−結合フラグメントを哺乳動物の精液の正味の、あるいは希釈されたサンプルに添加する。次に、少なくとも一部が結合抗体、あるいはこれの抗原−結合フラグメントを有する精液、あるいはこれから単離された精子細胞を使用して卵母細胞を生体中で、あるいは生体外で受精させて、得られた子孫集団の性をスキューイングする。
別な実施態様では、上記スキューイング方法において、抗体、あるいは抗原−結合フラグメントに結合した精子細胞から未結合の精子細胞を分離して、X−染色体を有する精製細胞分に富む精子細胞集団およびY−染色体を有する精子細胞分に富む精子細胞集団を生成する。適当な選別方法を使用することができ、制限するものではないが、例示すると、蛍光活性細胞選別法、磁気細胞選別法などがある。次に、X−染色体を有する精製細胞分に富む精子細胞集団、あるいはY−染色体を有する精子細胞分に富む精子細胞集団を使用して、卵母細胞を生体中で、あるいは生体外で受精させて、得られた子孫集団の性をスキューイングする。
本発明は、X−染色体を有する精子細胞の同定するために有効な方法、X−染色体を有する精子細胞とY−染色体を有する精子細胞とを分離するために有効な方法、および上記のように処理した精子細胞での受精から得られた子孫の性比をスキューイングするために有効な方法を提供するものである。本発明方法は、実質的に非侵襲性であり、再現可能であるので有利であり、また後で行う営利的な人工授精方法に好適な実行可能なX−染色体スキューイング精子細胞集団を提供するものである。
本明細書に添付し、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明のいくつかの態様を示すもので、明細書における説明とともに、本発明のいくつかの原理を説明するものである。以下各図について説明する。
精子細胞集団を含有する混合染色体、精子細胞集団を含有する純粋なY−染色体含有精子細胞、および純粋なX−染色体か含有精子細胞集団からのGX1cDNAの定量的PCR分析結果(Quantitative PCR Analysis results)を示す図である。 図1AのcDNAの毛管ゲル分析結果(Capillary Gel Analysis results)を示す図である。 免疫化処置8週間後に得られたウサギの精子に、SEQ ID No.1のペプチドに対する本発明抗体が存在していることを示す図である(比較対照は、免疫前のウサギの精子である)。 免疫化処置8週間後に得られたウサギの精子に、SEQ ID No.2のペプチドに対する本発明抗体が存在していることを示す図である(比較対照は、免疫前のウサギの精子である)。 免疫化処置8週間後に得られたウサギの精子に、SEQ ID No.3のペプチドに対する本発明抗体が存在していることを示す図である(比較対照は、免疫前のウサギの精子である)。 免疫前のウサギの精子における本発明GX−1タンパク質に対する抗体の特異性を示すウェスタンブロット分析結果を示す図である。 免疫化処置8週間後に得られたウサギの精子における本発明GX−1タンパク質に対する抗体の特異性を示すウェスタンブロット分析結果を示す図である。 SEQ ID No.1、SEQ ID No.2およびSEQ ID No.3のペプチドで図3Bの抗体を予め吸収しておくと、GX−1タンパク質の検出が必要ないことを証明するウェスタンブロット分析結果を示す図である。 図3BのGX−1に対する抗体に対してネガティブと決定された精子細胞の蛍光顕微鏡写真である(スケールバー=25μ)。 図3BのGX−1に対する抗体に対してポジティブと決定された精子細胞の蛍光顕微鏡写真である(スケールバー=25μ)。 図3BのGX−1に対する抗体を使用してインキュベーションし、かつ図4Bの抗体に対してポジティブな健全な精子を選択した後、X−染色体精子細胞に対してスキューイングしたウシ精子細胞の性比を示すグラフである。 タンパク質横縞パターンを可視化するために対比染色剤で染色したSDS−12%ポリアクリルアミドゲルによって得られた大腸菌(E.coli)発現GX1全長タンパク質の純度の評価結果を示すグラフである。 E.coli発現GX1タンパク質およびSEQ ID No.4の加水分解から誘導されたペプチドのコンピュータ・マッチング分析結果を示す図である。 E.coli細胞(GX1−Eタンパク質)から発現し、かつ精製した全長GX1タンパク質で免疫化したウサギから8週間で得た抗精子における抗体の存在を示すグラフである(比較対照は免疫前精子である)。 免疫前精子(ブロットA)および雄牛の精子溶解物上の精製抗−GX1−Eタンパク質抗体(ブロットB)のウェスタンブロット分析によって行った雄牛の精子溶解物中における単一種のタンパク質の抗−GX1−Eタンパク質抗体の特異性を示す図である。 体外翻訳を使用して発現させたGX1全長タンパク質の評価結果を示す図である(GX1−M;矢印はGX1−Mタンパク質の位置を示す)。 体外発現GX1タンパク質(GX1−M)およびSEQ ID No.4の加水分解から誘導したペプチドのコンピュータ・マッチング分析結果を示す図である。
以下、本発明の実施態様を詳細に説明する。なお、本発明の実施例は、添付図面に示す。
本開示に含まれる、あるいは本開示において言及する公知技術文献、遺伝子配列、受け入れ番号および参考配列は、本明細書の一部を構成し、本明細書に全体を援用するものである。なお、本明細書に示しかつ記載する実施態様は、本発明を実施するために最善のモードの一つを説明するものである。本発明の他の異なる実施態様でも実施可能であり、細部については、本発明から逸脱しなくても、各種の自明な態様で変更することが可能である。従って、本明細書における添付図面および説明は例示であり、限定を意図するものではない。以下、本発明の方法および組成物の各種実施態様を以下の実施例によって説明する。
実施例1:X精子の新規なバイオマーカーの同定

レーザーキャプチャーマイクロダイセクション (LCM)を使用して、選別していない雄牛精子からY精子を単離し、精子バイオマーカーを確認した。つまり、多数のBos taurus種およびBos indicus種からのPercoll(登録商標)製凍結解凍精子を固定し、脱凝縮し、顕微鏡のガラススライドに貼着した。ウシのY染色体用のStar*FISH(著作物)ペイント系(Cambio Ltd.;Cambridge(UK))を使用するインサイチュー ハイブリダイゼーション(in situ hybridization)を製造者の使用説明書に従って精子スライドに行った。染色体プローブ上の蛍光ラベル(Cy3)によって、精子の性染色体顔料を視覚的に分類できた。LCM装備顕微鏡を使用して、目的に染色体含量の個々の精子細胞をスライドから取り出し、膜に“捕捉”した。(純粋なY染色体および混合染色体を含有する)捕捉された精子細胞の各集団から単離したトータルRNAを次にマイクロアレイ解析によって比較し、X染色体精子に対して特異的な新規バイオマーカーを確認した。
6組のトータルRNAサンプル(6つのY染色体含有サンプル対6つの混合染色体含有サンプル)のGeneChip(登録商標)ウシゲノムアレイ(Affymetrix;SantaClara、CA)に対する結合を比較した後、特徴づけされていないタンパク質LOC781191(SEQ ID No.5)の発現は、混合染色体含有の捕捉された精子から誘導されたRNAのみに認められ、純粋なY染色体を含有する捕捉された精子から誘導されたRNAには認められなかったことを確認した。さらに国立生物工学情報センター( National Center for Biotechnology Information、NCBI)による遺伝子マッピングは、GX1のDNAがウシのX染色体であること突き止めた(アメリカ国立医学図書館( United States National Library of Medicine (NLM)、8600 Rockville Pike、Bethesda、MD20894;遺伝子ID781191)。
マイクロアレイ分析結果(即ち、GX1バイオマーカーの発現がX−染色体精子に対して特異的であるかどうか)を確認するために、ウシY−染色体またはX−染色体(Cambio)のいずれかについてStar*FISH(著作物)ペイント系を使用して調べた新たに用意したスライドから別な精子細胞を得、得られた精子細胞の3集団(1)混合染色体含有集団、(2)純粋なY−染色体含有集団および(3)純粋なX−染色体含有集団からトータルRNAを単離した。トータルRNAをcDNAに転換してから、GX1に対して特異的な鋳型(プライマー)を使用して定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を行った(表1)。
外因性制御で規格化した後、qPCR結果(図1A)は、GX1の検出された発現は混合染色体含有サンプルと純粋なX染色体含有サンプルとの間で等しく、また純粋なY染色体含有サンプルと非cDNAテンプレートコントロール(NTC)との間で等しかった。このように、qPCR分析に基づくと、GX1の発現はX−染色体含有精子集団(即ち、純粋なX−染色体含有集団または混合染色体含有集団)から誘導されたcDNAにのみ認められ、純粋なY−染色体精子から誘導されたcDNAには認められなかった(図1A参照)。なお、サンプルが閾値と交差する場合(図1A点線)、サンプルの閾値サイクルが決まり、比較からサイクル数が小さくなるに従って、発現レベルが高くなる。毛管ゲル分析を使用してPCR結果を確認した(図1B)。GX1の増幅DNAは混合染色体含有サンプルと純粋なX染色体含有サンプルのみに認められた。

表1:qPCRに使用したプライマーの配列
Figure 0006967852
実施例2:抗−GX1ペプチド抗体の生成

次に、Bio−Synethesis Inc(Lewisville、TX)製のGX1の複数のペプチド抗原に対してウサギにポリクローナル抗精子を生成した。具体的には、GX1のDNA配列(SEQ ID No.4)からGX1タンパク質のアミノ酸配列を誘導し、抗原位置について分析した。PEG−ポリスチレン樹脂を使用して、連続流条件下でFMOC化学を使用して、GX1タンパク質(表2)内の3種類の異なる抗原位置から誘導される3種類の免疫グレードペプチドを合成した。合成終了時に、樹脂からペプチドを切断し、保護を外してから、低温ジエチルエーテルを使用して沈殿処理した。沈殿物を低温ジエチルエーテルで三回洗浄し、溶解し、凍結乾燥した。
ペプチドの純度および質量について、それぞれ分析スケールの逆相高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)クロマトグラムおよびマトリックス支援レーザー脱イオン化法(MALDI)によって評価した。分析的/調製的HPLCのために、バイナリーポンプ輸送システム、オートサンプラー、カラム状サーモスタット、一波長(UV)検出器または多波長検出器(DAD)を備えたベックマン・システム低温液体クロマトグラフィーシステムを使用して分析および精製を行った。使用したクロマトグラフィー法については、20℃で5μm、150×4.6mmカラムまたは150×2.1mmカラム(PhenomenxまたはAgilent)を使用し、検出波長λ=210nm、220nmまたは280nmを使用する標準条件で行った。移動相Aは超純水中0.1%TFAであり、移動相Bは正味アセトニトリルであった。線形勾配プログラムを使用する流量1.0mL/分または0.2mL/分で分離を行った。
Voyager−DE STR生体分光ワークステーションを使用してMALDI−TOF質量分析を行った。このワークステーションは遅延抽出能および線形能力を有し、337−nm窒素レーザーおよび2−mフライトチューブを設けた。25kVの加速電圧を使用するポジティブイオンモードでマススペクトルを求めた。ほぼ1μリットルのペプチドまたはタンパク質サンプルを1μリットルのマトリックス(1mリットルの蒸留水中シナピン酸および0.1%4-ヒドロキシ−α−シアノ桂皮酸10mg)と混合し、0.3μリットルのこの混合物をサンプルプレートに貼着した。
品質の確認後、各合成ペプチドを個々にキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)担体タンパク質に抱合し、結合してカクテル混合物にした。完全フロイントアジュバント(Freund's Complete Adjuvant, FCA)中でペプチドカクテルを乳化し、2週間おきにニュージーランド産白ウサギに注射し、合計で5回の同時免疫を行い、GX1抗精子生成を誘導した。一次免疫(前免疫)の前(ウィーク0)、4回目のブースター注射(ウィーク8)の前、4回目のブースター注射2週間後(ウィーク10)、および試験終了時(ウィーク14)に血清を回収した。ウィーク0およびウィーク8に回収した血清を各抗原ペプチドについて酵素 結合免疫吸着測定(ELISA)滴定法によって分析し、抗血清の特異性を確認した。
ELISAタイター法の場合、まず、コーティング緩衝液中のペプチド溶液(PBS)を室温においてマイクロタイタープレートウェルにコーティングしてから、PBSにおいて37℃で1時間1%BSAを用いてブロッキングした。サンプル、即ち血清中の抗体および精製抗体を繰り返しローディングし、室温で2時間インキュベーションした。ブロッキング緩衝液中の2次HRP抱合化IgGs(1:20,000)を添加し(1時間、室温)、色素原基質(ABTS)を30分添加することによって反応を可視化した。ELISAプレートリーダーを使用して405nmでの吸光度を測定した。各ステップ後に、洗浄緩衝液(PBS、pH7.4、0.1%(v/v)Tween20を含有)でプレートを4回洗浄した。定量化基準として、対照抗体の段階希釈によって標準曲線を決定した。
ELISA結果から、試験したすべての希釈液について、免疫前血清が三種類のペプチド抗原に対して反応性を示す抗体を欠いていることが判明した(即ち、405nmにおける吸光度の値が0.1未満)。試験したすべての希釈液について、ウィーク8の血清は、抗体のペプチド抗原でコーティングされたウェルへの結合によって示されるように、三種類のペプチド抗原に対して反応性を示す抗体を含有していた(即ち、405nmにおける吸光度の値が0.1以上、図2A、図2B、図2Cを参照)。
ペプチド複合化樹脂カラムを使用して、免疫親和性クロマトグラフィーによってGX1抗血清からのペプチド抗原に対して特異的な抗体を精製し、かつ濃縮し、抗−GX1ペプチド抗体を生成した。実験室到着時に、抗体のそれぞれ単独のタンパク質に対する特異性について、免疫前血清、抗−GX1ペプチド抗体、および雄牛の精子溶解物に予め吸着した抗−GX1ペプチド抗体の反応性を比較するウェスタンブロット分析によって決定を行った。
つまり、SDS−12%ポリアクリルアミドゲル上で精子溶解物を分離し、PVDF膜に移した。結果を図3に示す。図中、Mはタンパク質スタンダード、およびSは精子溶解物である。図示のように、免疫前精で精子溶解物を免疫ブロッティングした場合には、タンパク質バンドは検出できなかったが(図3A)、抗−GX1ペプチド抗体で精査した場合は、雄牛の精子溶解物に単独のタンパク質バンドを検出できた(図3Bの矢印を参照)。ウェスタンブロット法で精査する前に、ペプチド抗原で抗−GX1ペプチド抗体を前吸着した場合には、精子溶解物におけるタンパク質バンドを検出は必要なかった(図3C)。
表2:ウサギを免疫してGX1抗精子を生成した合成ペプチドの配列
Figure 0006967852
実施例3:雄牛の精液を使用する抗−GX1ペプチド抗体のインキュベーション

以下の試験では、市販の展開/冷却(extended and cooled)精液を使用した。つまり、精液を雄牛(複数のBos taurus種、Bos indicus種、具体的にはAngus、Cross、Red Brangusを試験した)から回収し、BIOX細胞展開剤(extender、IMV Technologies、Maple Grove MN)と混合し、4〜5℃で3時間平衡してから、アイスパックを使用して一夜輸送した。実験室到着時に、HEPES−PVA緩衝液(25〜30℃に加温した114mMNaCl、3.2mMKCL、0.3mMNaHPO、10mM乳酸、2mMCaCl、0.5mMMgCl、10mMHEPES、2mMNaHCO、0.2mMピルビン酸ナトリウム、0.1%PVA)で洗浄した。1:1000希釈比のLive/Dead(登録商標) Fixable Far Red(Life Technologies、Grand Island、NY)死細胞染料を含有するHEPES−PVAに精子ペレットを再懸濁してから、35℃で10分間インキュベーションした。HEPES−PVAで精子を一回洗浄して、過剰の染料を除去してから、10×10細胞/mLHEPES−PVAの最終濃度に再懸濁した。
1mリットルの精子懸濁液を底が丸いProtein LoBind管に移してから、×400g、4℃で5分間遠心分離処理し、上澄みを除去し、精子ペレットを穏やかに渦巻き処理した(なお、これらの条件は以降の遠心分離処理でも使用した)。以降のステップ全体を通して、精子および緩衝液は4℃に維持した。遠心分離後、1mLのブロッキング緩衝液[3%規定ヤギ精子(NGS;Southern Biotec、Birmingham、AL)およびDulbeccoのリン酸緩衝生理的食塩水中2mMのEDTA(DPBS;Gibco(登録商標)Life Technorogies)]に懸濁した。穏やかに撹拌しながら、30分間精子を懸濁してから、遠心分離した。得られた精子ペレットを抗−GX1ペプチド抗体を(0〜20μg/mL)含有する1mLのブロッキング緩衝液に懸濁し、穏やかに撹拌しながら1.5時間インキュベーションした。次に、洗浄緩衝液(1mL;0.5%NGS、2mMEDTA、DPBS)を各試験管に加えてから、遠心分離した。精子を洗浄してから、1.5μgの抗−ウサギIgG−シアニン染料抱合体(Cy2;Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、PA)を含有する0.5mLの洗浄緩衝液に懸濁した。
穏やかに撹拌しながら、精子を20分間インキュベーションしてから、洗浄緩衝液を使用して2度洗浄し、1%パラホルムアルデヒド(15分間;16%パラホルムアルデヒドから新たに調製したパラホルムアルデヒド;Electron Microscopy Sciences、Hatfield、PA)で固定した。固定細胞を遠心分離し、洗浄し、遠心分離し、最後に0.1%PVAでDPBSに懸濁した。GX1タンパク質表面染色に対してポジティブな膜健全精子(Cy2に対してポジティブで、Live/Dead(登録商標)Far Redに対してネガティブな細胞)の百分率について、BD Accuri C6フローサイトメーター(BD Bioscences、San Jose、CA)を使用して求めた。さらに、分析を行うまで、サンプルを4℃で保存し、光から保護した。
実施例4:抗−GX1ペプチド抗体結合(association)にポジティブな雄牛精子の単離

50mWの488nmレーザーおよび100mWの640nmレーザーを備えたFACSAria IIスペシャルオーダーシステム(2−レーザー6−色4B−2R;BD Biosciences)を利用してウシの精子を分離した。このシステムは、保存剤を含有しないBioSure(登録商標)シース流体(sheath fluid)(BioSure;Grass Valley、CA)を使用して70psiのシース圧力において1.0中性デイフィルター(day filter)および70μmのノズル先端を使用して構成した。検出器は、順方向散乱域、散乱高さ、散乱幅(FSC−A;−H;−W)、一重項識別用側方散乱域、散乱高さ、散乱幅(SCC−A;−H;−W)、530/30nmフィルター組および上述したようにCy2(GX1タンパク質に対してポジティブな細胞)で標識化した細胞を検出する505nmロングパスミラーを有する488nmレーザー(FITC−A)、および670/30nmフィルターおよびLive/Dead(登録商標)FarRed染料の有無を判別する750nmロングパスフィルターを有する640nmレーザー(APC−A)を有していた。すべてのサンプルを4℃で処理し、シース流体中の12×75mmBSA被覆管に回収した。各サンプルの一部をBD FACSDiva6.1.3で分析してから選別を行うか、選別を行った後に分析し、GX1タンパク質に対してポジティブな膜健全精子の百分率を求めた。
抗−GX1ペプチド抗体結合の有無の選別、即ち抗−GX1ペプチド抗体結合の有無について精製すべき混合細胞集団の選別に関しては、蛍光顕微鏡検査を使用して確認した(図4A、図4Bを参照。スケールバー=25μ)。細胞を抗−GX1抗体に曝すとともに、上述したように、抗−ウサギIgG−シアニン染料抱合体(Cy2;緑色)に曝して、抗−GX1ペプチド抗体との結合に対してポジティブな細胞を検出し、DAPI(青色)で対比着色した。図示のように、抗−GX1ペプチド抗体との結合に対してネガティブな精子細胞の集団を与えるように選別した膜−健全細胞はCy2では標識化せず(図4A)、一方抗−GX1ペプチド抗体との結合に対してポジティブな精子細胞の集団を与えるように選別した膜−健全細胞はCy2で標識化した(図4A)。
実施例5:抗−GX1ペプチド抗体結合に対してポジティブな雄牛の精子の性比

使い捨て式サイトファンネル(cytofunnel)Thermo Fisher Scientific)を一つ備えたサイトセントラフュージ(cytocentrifuge、設定操作条件1000rpm/5分)を使用する汚れのない未被覆サイトスピンガラススライド上で各選別サンプル(上記の実施例4を参照)を回転した。サイトファンネルクリップから取り外した直後に、Rensなど(2001)の方法を一部変更した脱凝縮法によって各スライドを処理した。具体的には、溶液A(10mMトリス、154mMNaCl)を精子スポットに置き、等容積の溶液B(溶液A中50mMDTTで新たに調製した)を液滴に加えた。室温で2.5分後、等容積の一部変更した溶液C(1%SDS、100mMテトラホウ酸ナトリウム)を液滴に加えた。スライドを10秒間インキュベーションしてから、前冷却した100%EtOH(−20℃)に移した。次に、−20℃で15分間スライドをインキュベーションしてから、室温で乾燥した。続いて、再水和、浸透化および脱水を以下のようにして行った。DPBS中5分間(2回)、HO中で新たに調製した200mHCl中において15分間、2X SSC中において5分間、70%EtOH中において2分間、90%EtOH中において2分間、100%EtOH中において2分間、そして室温における乾燥。ウシのY染色体用プローブ混合物をスライド処理と同時に調製した。即ち5μMのペプチド核酸プローブ[Cy3−OO−AGCCCTGTGCCCTG;SEQ ID No.8;50%脱イオンホルムアミド、10%硫酸デキシタン(dextan sulfate)、2X SSC中においてPerretなど(1990)の方法で誘導した配列]を75℃で10分間インキュベーションし、37℃において使用するまで保持した。
乾燥したスライドを前加温したオムニスライドサーマルサイクラー(Omnislide thermal cyler)(37℃)に置き、ガラスカバースリップを用いて、調製したプローブを精子スポットに付着した。エッジはゴムセメントで封止した。スライドを75℃で2分間置いてから37℃において最低で18時間インキュベーションした。ハイブリダイゼーションインキュベーション後に、カバースリップの位置を乱さずにゴムセメントを丁寧に取り外した。次に、0.1%Tweenを含有したDPBSにスライドを挿入し、2分間撹拌し、穏やかにカバースリップを取り外した。DPBS−0.1%Tween20中において45℃で15分間インキュベーションし、さらに2X SSC−0.005%Tween20中において5分間インキュベーションすることによって過剰のプローブをスライドから洗浄した。DAPIとともにProlong Gold(登録商標)取り付けメディア(Life Technologies)を使用して、各スライド上の精子スポットにガラスカバースリップを取り付けた。特質を制御するための評価では、未選別の精子だけでなくX−選別精子およびY−選別精子(Select Sires Inc、Plain City、OH)から調製したスライドを使用した。処理について何も知らされていない二人の評価者に、Y染色体の有無について(精子頭部内のCy3点頭スポットの有無について)評価してもらい、各サンプル中のY―精子およびX−精子の百分率を求めた。
抗−GX1ペプチド抗体結合に対してポジティブな膜健全精子を選別した結果、一定の抗−GX1ペプチド抗体の一定の濃度をもつX−精子に対してスキューイングが認められた。雄牛の精子でインキュベーションした抗−GX1ペプチド抗体の濃度が高くなると、X−染色体精子の比率が抗−GX1ペプチド抗体との結合に対してポジティブなるよう選択された集団内で高くなった。即ち、雄牛の精子でインキュベーションした抗−GX1ペプチド抗体の濃度を高くすると、結果としてX−染色体精子の比率が抗−GX1ペプチド抗体との結合に対してポジティブなるように選択された集団内で高くなった(図5)。
実施例6:抗−GX1ペプチド抗体の雄牛精子、雄馬の精子、ヒト精子、雄羊の精子、イノシシ精子および雄鹿の精子との結合

抗−GX1ペプチド抗体の各種の精子に結合する能力について、雄牛および雄馬だけでなく、ヒト、雄羊、イノシシおよび雄鹿(シカ科)の精子から新たに回収した精液に基づいて評価した。まず、これら種から回収した精液をDPBSで2度洗浄して、エキステンダーおよび/または精液を除去した。精液ペレットをDPBSに再懸濁し、未被覆のガラス顕微鏡スライドにスポッティングした。スライドを室温で10分間乾燥してから、−20℃のメタノール(100%ACS級;Thermo Fisher Scientific Inc.)中に固定した。−20℃で10分間スライドをインキュベーションしてから、ドラフトチャンバー内で最低10分間完全乾燥した。
疎水性のインク(GnomePen;FroggaBio Inc、Tronto、ON、カナダ)を使用して、精子スポット位置周囲の領域を取り囲んだ。Live/Dead(登録商標) Fixable Violet(Life Technologies)細胞染料の1:500希釈液を含有するDPBS中で精子細胞を再水和してから、光から保護した調湿室において室温で30分間インキュベーションした(なお、特に断わらない限り、以降のすべてのインキュベーションにこれら条件を適用した)。ガーゼを使用してスライドから再水和液体を除去し、DPBS中10%NGSで置換し、非特異的な結合サイトをブロックした。室温で1時間スライドをインキュベーションした。
ブロッキング溶液をスライドからガーゼで除去してから、0.5μg/mLまたは5μg/mLの抗−GX1ペプチド抗体(一次抗体としても知られている)を含有する3%NGS−DPBSを、3種類のペプチド抗原(抗体/ペプチド抗原比1:10、表2を参照)を使用して、あるいは使用せずに吸収後にスライド上に置いた。一次抗体とペプチド抗原の混合物を含有するスライドは吸収対照(Burry、R.W.(2011)に依拠した命名法)として機能する。さらに対照として、2枚のスライドを3%NGS−DPBSで覆った。即ち、一次抗体は使用しなかった。すべてのスライドを4℃で一夜インキュベーションした。
スライドから液体をガーゼで取り除いた後、室温でDPBSを使用して精子スポットを3回洗浄し、1回の洗浄につき5分間インキュベーションを行った。次に、抗−ウサギIgG−Cy3抱合体(2次抗体;Jackson ImmunoResearch Laboratories)の1:1000希釈液を含有する3%NGS−DPBSを各精子スポットに置いた。次に、室温で15分間スライドをインキュベーションした。対照スライドのうち、2次抗体でインキュベーションしたスライドは、Cy3抱合体の非特異的な結合を識別する2次対照として働く。2次抗体を排除した3%NGS−DPBSを使用して、残りの対照スライドをインキュベーションした。これは、内生的な蛍光を決するための表示規制(labeling control)である。
スライドから液体をガーゼで取り除いた後、室温でDPBSを使用して精子スポットを3回洗浄し、1回の洗浄につき5分間インキュベーションを行った。DAPI(LifeTechnologies)とともにProlong Gold(登録商標)取り付けメディアを使用して各スライド上の精子スポットにガラスカバースリップを取り付けた。Nikon Eclipse Ti−E倒立研究顕微鏡(40&60x対物レンズ)および落射蛍光顕微鏡(Life Technologies)を備えたArchurus(登録商標)LCMシステムを使用してスライドを評価した。抗−ウサギIgG−Cy3抱合体の、おそらくは抗−GX1ペプチド抗体の特異的結合を介して生じた精子への取り付け状態を可視化することによって、固定された染色精子をGX1タンパク質の存在について評価した。励起波長510〜560nmで、発光波長が>590nmの蛍光フィルターを利用して、抗−GX1ペプチド抗体に対する特異的な染色を評価した。対比染色を使用して、精子に生じた結合位置を突き止めた。即ち、励起波長325〜375nmで、発光波長が>420nmの蛍光フィルターを利用して、Live/Dead(登録商標) Fixable VioletおよびDAPIを可視化した。
抗−GX1抗体が結合した精子の場合、ウシの上頭部領域に局在化していた。ヒトの精子の場合、抗−GX1抗体は尾に対応していた。抗−GX1抗体が結合していた馬、羊およびシカの精子の場合、尾部に局在化が認めら、幾つかの精子は下頭部領域に一部の局在化が認められた。イノシシの精子の場合、抗−GX1の結合は一部の精子の下頭部領域に認められた。抗−GX1ペプチド抗体ラベリングサンプルを調べるために使用したのと同じ暴露条件で対照スライドを評価した。すべての動物種(ウシ、ヒト、ウマ、ヒツジ、シカ、ブタ)について、抗−GX1ペプチド抗体との結合はすべての対照スライド上の精子にはなかった:吸収、2次および標識化(ラベリング)。抗−GX1抗体はすべての精子細胞に結合していなかった。即ち、X−染色体精子細胞に対する特異性を支持するものである。
実施例7:E.Coli(大腸菌)を使用するGX1タンパク質の合成および精製

牛の精巣RNAから誘導したcDNAのPCR増幅によってGX1mRNAのクローンを生成した。ほぼ349bpサイズのアンプリコンをTAクローニングベクトル(pGEM−T Easy、Promega、Madison、WI)に配位子結合した。一旦シーケンシングによって確認した後、GX1cDNA含有プラスミドをPCR処理して、cDNAフラグメントを生成した。このフラグメントは、制限酵素開裂サイトが側面に位置するGX1に対するタンパク質コーディング領域のヌクレオチド配列からなり、次に大腸菌タンパク質発現ベクトルに配位子結合を発現する。具体的には、フォワードプライマーについては、GX1コーディング域の開始コドンの直前にNdeI開裂サイトが加わるように設計し、一方リバースプライマーについては、GX1コーディング域の停止コドンをグリシンアミノ酸、インテイン−キチン結合ドメインタグおよびSpeI開裂サイトに対する配列で置換するように設計した(表3)。PCRの生成物を適切な制限酵素で加水分解してから、加水分解pTXB1ベクターに配位子結合し[New England Biolabs Inc(NEB)、Ipswich、MA]、そして大腸菌JM109細胞(NEB)に形質転換した。形質転換体からプラスミドを単離してから、制限加水分解によってGX1 cDNA挿入の存在についてスクリーニングを行った。ポジティブクローンを順に配列して、C−末端ラベリングのインテインタグに対して正しい向きにあることを確認してから、(T7RNAポリメラーゼ遺伝子を含有する)大腸菌T7発現細胞に転換した。
Figure 0006967852
インテインラベリングGX1タンパク質を発現するために、LB培地にT7発現細胞形質転換体を接種し、0.4〜0.6OD600の密度まで細胞を培養してから、イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)を添加して、細胞を誘導した。接種2〜4時間後、IPTG−誘導培養物から細胞を回収し、溶解し、そしてキチン樹脂カラムに担持した。インテイン−キチン結合ドメインタグの結合によってGX1融合タンパク質をキチン樹脂に固定した。カラムを洗浄して、非GX1融合蛋白質の非特異的結合を除去した。ジチオトレイトール含有緩衝液を添加することによってインテイン開裂を誘導し、これによってカラムからGX1タンパク質を解放した。
溶離後、大腸菌発現GX1タンパク質(以下省略してGX1−Eと呼ぶ)をPBSで透析し、Amicon(登録商標)超遠心分離装置(10KMWCO;EMD Millipore、Bellerica、MA)を使用して濃縮し、純度をSDS−PAGE(図6を参照;M=タンパク質スタンダード、P=透析/濃縮タンパク質)によって確認した。染色ゲル上にタンパク質の単一バンドのみが観察できる。GX1−Eタンパク質を所定の会社に送り、タンパク質を確認してもらった。会社到着時、GX1−Eタンパク質をトリプシンで加水分解し、得られたペプチドをLC/MS/MS(MS Bioworks LLC、AnnArbor、MI)によって分析した。コンピュータ分析では、ペプチド配列はGX1タンパク質配列に一致し、カバーリッジ(coverage)は86%であった(図7を参照;98/114のアミノ酸がマッチし、明るいグレー域はペプチドマッチング位置を示し、そしてダークグレー域は変性アミノ酸を示す)。
実施例8:大腸菌発現GX1タンパク質からの抗−GX1タンパク質抗体の生成

実施例7の記載に従って調製したGX1−Eタンパク質に対してウサギ中にポリクローナル抗血清を生成した。具体的には、GX1−Eタンパク質を完全フロイントアジュバントに乳化し、完全フロイントアジュバント中でGX1−Eタンパク質を乳化し、2週間おきにニュージーランド産白ウサギに注射し、合計で5回の同時免疫を行い、GX1−E抗精子生成を誘導した。一次免疫(前免疫)の前(ウィーク0)、4回目のブースター注射(ウィーク8)の前、4回目のブースター注射2週間後(ウィーク10)、7回目のブースター注射の前(ウィーク14)、7回目のブースター注射1週間後(ウィーク15)、および試験終了時(ウィーク17)に血清を回収した。
ウィーク0およびウィーク8に血清を回収し、ELISAタイター評価によって分析し、抗血清のGX1−Eタンパク質に対する特異性を確認した。ELISAの結果から、免疫前血清はGX1−Eタンパク質に対する反応性を欠き、一方ウィーク8で回収した血清はGX1−Eタンパク質に対して高濃度の抗体(即ち、高力価)を含有していたことがわかった。図8に示すように、免疫前血清の場合、試験したすべての希釈液について、GX1−Eタンパク質に対して反応性を示す抗体を欠き(405nmにおける吸光度値が0.1未満)、一方ウィーク8の血清の場合、試験したすべての希釈液について、GX1−Eタンパク質に対して反応性を示す抗体を含有していた(405nmにおける吸光度値が0.1以上)。
タンパク質抱合樹脂カラムを使用して、ウィーク10の抗血清(免疫親和性クロマトグラフィー)からの抗体を精製し、かつ濃縮して、精製抗−GX1−Eタンパク質抗体を生成した。実験室到着時に、単一のタンパク質の特異性をウェスタンブロット分析によって決定し、雄牛の精子溶解物上で免疫前血清(図9、ブロットA)および精製抗−GX1−Eタンパク質(図9、ブロットB)の反応性と比較した。免疫前血清で精子溶解物を免疫ブロッティングした場合、タンパク質バンドはいずれも検出されず、一方抗−GX1−Eタンパク質抗体を使用して分析した場合、雄牛の精子溶解物および対照GX1−Eタンパク質に単一のタンパク質バンドを検出できた(図9、レーン1=タンパク質スタンダード、レーン2=雄牛の精子溶解物、レーン3=ブランク、レーン4=精製GX1−Eタンパク質)。
実施例9:哺乳動物の性体外タンパク質発現システムを使用するGX1タンパク質の合成および精製

GX1mRNAのクローン(実施例7)をPCRし、cDNAフラグメントを生成した。このフラグメントは制限酵素裂開サイトの側面に位置するGX1に対するタンパク質コーティング域のヌクレオチド配列からなり、これらが次に配位子結合してタンパク質発現ベクターになる。具体的には、フォワードプライマーについて、GX1コーティング域の開始コドンの直前にNdeI裂開サイトを加えるように設計し、一方リバースプライマーについては、GX1コーディング域の停止コドンの直後にXhoIを加えるように設計した(表4)。
Figure 0006967852
PCR生成物を適正な制限酵素で加水分解してから、配位子結合して、加水分解pT7CFE1−NHIS−GST−CHAベクター(Thermo Fisher Scientific)を生成するとともに、形質転換して大腸菌JM109細胞(NEB)を生成した。形質転換体からプラスミドを単離し、次に制限加水分解によってGX1cDNA挿入の存在についてスクリーニングした。ポジティブクローンの配列を決定して、GX1cDNAが、N−末端ラベリングのためのヘキサヒスチジン(His)−グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)標識に対して適切な配向にあることを確認した。ポジティブクローンからの精製プラスミドを1ステップヒト用高収率生体外翻訳キット(Thermo Fisher Scientific)に使用し、使用説明書に従って、His−GST標識GX1タンパク質を合成した。xTractor(登録商標)緩衝液(Clontech Laboratories Inc、Mountain View、CA)に希釈した生体外翻訳反応物をHis TALON自然落下式カラム(Clontech)に担持した。希釈反応物がカラムを横断して流れるため、ヘキサヒスチジン標識の結合によってコバルト樹脂にHis−GST GX1融合タンパク質を固定できた。カラムを洗浄して、非−GX1タンパク質の非特異的な結合を取り外した。離散的な容量のイミダゾール含有緩衝液の添加を通じてカラムからGX1タンパク質を脱離した。
溶離容量毎にHis−GST GX1融合タンパク質の純度を(SDS−12%ポリアクリルアミドゲル上の)SDS−PAGEによって評価(図10)し、タンパク質スタンダート(レーン1)と生体外翻訳反応(レーン2)を比較してから、コバルト樹脂に結合、離散的な容量のイミダゾール含有緩衝液を使用して固定タンパク質の溶離(レーン3〜10)を行った。生体外発現GX1タンパク質(以下にGX1−Mと省略する)のみを含有していると考えられる溶離液を合わせて、PBSで透析してから、Amicon(登録商標)超遠心分離装置(10K MWCO、EMD Millipore)を使用して濃縮し、次にこのタンパク質がどんなタンパク質であるかを確認してもらうために一般の会社に送った。会社到着時、GX1−Mタンパク質をトリプシンで加水分解し、得られたペプチドをLC/MS/MS(MS Bioworks LLC)によって分析した。コンピュータ分析では、ペプチド配列はGX1タンパク質配列に一致し、カバーリッジは87%であった(図11;99/114アミノ酸、淡いグレー域はペプチドマッチングの位置を示す、そしてダークグレー域は、変性アミノ酸の位置を示す)。
実施例10:SEQ ID No.4の変異型の確認

変異型については、SEQ ID No.4に記述された配列から一つかそれ以上のアミノ酸残基分逸脱していると決定されたアミノ酸配列からなることが確認された。なお、生成した変異型タンパク質の抗原特性への影響は最小であった。各変異形タンパク質は、本明細書でSEQ ID No.1、2、3として記述したペプチド域を一つかそれ以上含有していた。変異型の場合、BLASTNPソフトウェア(NCBI)によって少なくとも79%、85%、90%または95%がSEQ ID No.4に記述されたアミノ酸配列と一致していた。X−染色体を有する哺乳動物の精子細胞蛋白質は、SEQ IDNo.9〜16に記述されているアミノ酸配列からなり、そしてX−染色体を有する哺乳動物の精子細胞タンパク質の変異型のタンパク質の場合、SEQ ID No.17〜24に記述されているヌクレオチド配列によって遺伝子情報を指定(コード化)することが可能である。
上記に要約したコンピュータ分析から、評価に使用した変異型タンパク質配列は、GX1に対して高い配列相同を示し、抗−GX1ペプチド抗体(実施例2)だけでなく、全長タンパク質に対する抗体(実施例8、11;以降を参照)によって特異的に結合したものと考えられる。また、コンピュータ分析によって一部の変異型のGX1タンパク質配列(SEQ ID No.4)に対する以下の相同が得られた。即ち、SEQ ID No.9(遺伝子ID:781267)=98%、SEQ ID No.10(遺伝子ID=100336610)=92%、SEQ ID No.11(遺伝子ID=781072)=91%、SEQ ID No.12(遺伝子ID:100299333)=90%、SEQ ID No.13(遺伝子ID=102327690)=81%、SEQ ID No.14(遺伝子ID=102328632)=79%、SEQ ID No.15(遺伝子ID:100337198)=85%、およびSEQ ID No.16(遺伝子ID=100337198アイソフォーム)=82%。
実施例11:生体外発現GX1タンパク質からの抗−GX1タンパク質抗体の生成

GX1−Eタンパク質に対してウサギ中にBio−Synthesis Incによってポリクローナル抗血清を生成した。具体的には、完全フロイントアジュバント中でGX1−Mタンパク質を乳化し、2週間おきにニュージーランド産白ウサギに注射し、合計で5回の同時免疫を行い、GX1−M抗精子生成を誘導した。一次免疫(前免疫)の前(ウィーク0)、4回目のブースター注射(ウィーク8)の前、4回目のブースター注射2週間後(ウィーク10)、および試験終了時(ウィーク14)に血清を回収した。ウィーク0およびウィーク8に血清を回収し、ELISAタイター評価によって分析し、抗血清の特異性を確認した。タンパク質抱合樹脂カラムを使用して、GX1−M抗血清(免疫親和性クロマトグラフィー)からの抗体を精製し、かつ濃縮して、精製抗−GX1−Mタンパク質抗体を生成した。実験室到着時に、単一のタンパク質に対する特異性をウェスタンブロット分析によって決定し、雄牛の精子溶解物上で免疫前血清および抗−GX1−Mタンパク質抗体および予め吸収処理した抗−GX1−Mタンパク質抗体の反応性を比較した。
実施例12:精子分離後の子孫における性比のスキューイング

実施例2、8および/または11の抗体または抗原−結合フラグメントを検出可能な物質で標識化する。なお、標識は限定するものではなく、蛍光標識、放射性標識、酵素標識、タンパク質標識などを使用することができる。抗体または抗原−結合フラグメントは、制限するものではないが、管、ビーズおよび/またはプレートなどの固形支持体に抱合化することができる。次に、抗体がX−染色体を有する精子細胞に結合する条件下で、標識化および/または抱合化抗体または抗原−結合フラグメントを哺乳動物の精液および/または精子の正味の、あるいは希釈したサンプルに添加する。次に、抗体に結合した精子細胞を未結合の精子細胞から分離する。任意の適当な分離法を使用することができるが、例示すると、蛍光活性化細胞選別法、磁気細胞選別法、抗体被覆管への接着法、抗体被覆プレートへの接着法、抗体被覆ビーズへの接着法、他の固形マトリックスへの接着法がある。分離した精子細胞を直接使用して、生体外で雌に精液を注入するか、卵母細胞に受精させるか、公知な方法を使用して処理、凍結して、後日の生体外精液注入および/または受精に備える。
実施例13:精子を分離して行う子孫性比のスキューイング

抗体/抗原結合フラグメントがX−染色体を有する精子細胞に結合し、抗体結合精子細胞が卵母細胞に受精することを防止する物理的なバリヤを与える条件下で、実施例2、8および/または11で説明したように誘導した抗体または抗原−結合フラグメントを哺乳動物の精液および/または精子の正味の、あるいは希釈したサンプルに添加する。次に、一部が抗体、あるいはこれの抗原−結合フラグメントが結合し、そして一部がこのような結合抗体/抗原−結合フラグメントを有しない精子細胞の混合物を含有する精液を直ちに使用して、雌に注入するか、あるいは卵母細胞に生体外で受精させるか、あるいは公知方法を使用して処理および/または凍結して、後日の注入および/または受精に備える。この方法では、未結合精子、即ちY−染色体を有する精子分に富む集団は卵母細胞に受精でき、得られた子孫集団を雄にスキューイングでき、一方結合精子、即ちX−染色体を有する精子分に富む集団は抑制を受ける。
実施例14:精子を分離せずに行う子孫性比のスキューイング

実施例2、8および/または11と同様に誘導した抗体、あるいはこれの抗原−結合フラグメントを公知方法によって阻害性物質に抱合する。この阻害性物質としては、限定するわけではないが、化学剤、薬剤および/または細胞毒を例示することができる。次に、抗体/抗原−結合フラグメントがX−染色体を有する精子細胞に結合する条件下で、哺乳動物の精液および/または精子の正味の、あるいは希釈したサンプルに添加する。阻害性物質が結合しているため、抗体/抗原−結合フラグメント−結合精子細胞が卵母細胞に受精することはない。次に、一部が抗体、あるいはこれの抗原−結合フラグメントが結合、抱合し、そして一部がこのような結合抗体/抗原−結合フラグメントを有しない精子細胞の混合物を含有する精液を直ちに使用して、雌に注入するか、あるいは卵母細胞に生体外で受精させるか、あるいは公知方法を使用して処理および/または凍結して、後日の注入および/または受精に備える。この方法では、未結合精子、即ちY−染色体を有する精子分に富む集団は卵母細胞に受精でき、得られた子孫集団を雄にスキューイングでき、一方結合精子、即ちX−染色体を有する精子分に富む集団は抑制を受ける。
本発明は、従来技術の課題の解決に有効な、X−染色体を有する精子細胞の同定方法、X−染色体を有する精子細胞とY−染色体を有する精子細胞とを分離する方法、および/または混合X−/Y−染色体を有する精子細胞の性比をX−染色体を有する精子細胞、あるいはY−染色体を有する精子細胞のいずれかに有利にスキューイングする方法を提供するものである。本発明方法は、実質的に非侵襲性であり、再現可能であるので有利であり、また後で行う営利的な人工授精方法に好適な実行可能なX−染色体スキューイング精子細胞集団を提供するものである。
次に、本明細書に記載の方法には、例えば人工授精目的で性比をスキューイングされ、雄・雌を調整された精子細胞を提供する多量の精液を分離したり、あるいは、卵母細胞の受精を防ぐX染色体の精子細胞を含む、本発明の抗体の結合又はその抗原結合性フラグメットによるX染色体及びY染色体の精子細胞の混合集団を含む精液又精子細胞のサンプルを提供したりといった、商業規模のスケールアップが明らかに認められる。
本発明の以上の説明に使用した用語は当業者にとって自明な用語と考えられるが、本発明の要旨の理解を容易にするために、以下定義を示しておく。
特許請求の範囲を含む本明細書では、単数表現、複数表現、上記などの表現、一つかそれ以上という表現はいずれも長く存続している特許法の国際協定に従うものである。例えば、細胞という場合、複数の細胞を含むものとする。
特に断らない限り、本明細書および特許請求の範囲に記載した成分の数量や反応条件などの特性などについては、いずれも“約、ほぼ”を付して理解すべきである。従って、逆のことが指示されていない限り、本明細書および特許請求の範囲に記載した数値パラメーターは近似値であり、本発明要旨によって実現することを目的としている特性に応じてこれら近似値は異なってくる。
また、“約”は、数値や、あるいは組成物の量、容量、(例えば2つかそれ以上のヌクレオチド配列やアミノ酸配列を比較する場合などの)配列同一性、質量、重量、温度、時間、容量、濃度、百分率などに言及がある場合、一部の実施態様では具体的に記載した数値から±20%の変動、一部の実施態様では±10%の変動、一部の実施態様では±5%の変動、一部の実施態様では±1%の変動、一部の実施態様では±0.1%の変動を包含することを意味し、いずれの変動も本発明を実施するさいに適切であり、また本明細書に開示した組成物を利用するさいにも適切なものである。
また、本明細書で使用する“有する(comprising)”、“含有する(including)”と同義な“からなる(containing)”、あるいは“特徴とする(characterized by)”は包摂的な表現、あるいは非限定的な表現であり、付随的な、あるいは記載されていない要素または方法ステップを排除する表現ではない。表現“有する(comprising)”は、記載された要素が本質的であることを意味する特許請求の範囲に従来から使用されてきた表現ではあるが、他の要素を追加することが可能であり、いずれも特許請求の範囲内にある構成である。
同様に、表現“からなる(consisting of)”も、特許請求の範囲に具体的に記載されている任意の要素、ステップを排除するものではない。また、表現“からなる”が、明細書の前文直後ではなく、特許請求の範囲に出てきた場合、これは特許請求の範囲に記載されている要素のみを限定することを意味するが、他の要素を全体として特許請求の範囲から排除するものではない。
同様に、表現“本質的にからなる(consisting essentially of)”も、特許請求の範囲を具体的に記載されている任意の材料またはステップに限定するだけでなく、特許請求の範囲に記載されている要旨の基本的かつ新規な特徴に重要な影響を与えないものにも限定するものである。以上の表現“有する(comprising)”、“からなる(consisting of)”および“本質的にからなる”について、これら表現のうち一つが使用されている場合、本明細書に開示し、かつ特許請求の範囲に記載した要旨は、他の2つの表現のいずれかを包含するものである。
同様に、表現“および/または”が実在物のリストの文脈内で使用されている場合、これは実在物が単独存在するか、あるいは組み合わせで存在していることを指す。例えば、“A、S、C、および/またはO”という表現は、A、S、C、Oが個々に存在することが意味するだけでなく、A、S、C、Oのうち任意のものを、またこれらのすべての組み合わせや部分的組み合わせを意味する。
本明細書で使用する用語“抗体”(Ab)は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異性抗体および抗体フラグメントが生物学的活性を示す限り、これらを包含するものである。本明細書で使用する用語“ポリクローナル抗体”は、異種抗体の集団から得られた抗体、即ち生体内の異なるB細胞系譜が分泌した抗体を指し、また本明細書で使用する“モノクローナル抗体は、実質的に同一性の抗体の集団、即ち集団を構成する個々の抗体が、自然に発生する可能性がある突然変異の場合を除いて同一である集団を指す。モノクローナル抗体は特異性が高く、単一の抗原サイトを指向する抗体である。
本明細書で使用する用語“抗体”(Ab)は、抗体フラグメントを包含するものでもある。“抗体フラグメント”は健全な抗体の一部である、好ましくは健全な抗体の抗原結合域、あるいは抗原変化域である。抗体フラグメントを、制限するわけではないが例示すると、Fab、Fab´、F(ab´);およびFvフラグメント;二重特異性抗体;線形抗体(USP5,641,870;実施例2;Zapata et al、Protein Eng.8(1):1057−1062(1995)を参照);単一鎖抗体分子;および抗体フラグメントから形成した多特異性抗体がある。
本明細書で使用する用語“性比(sex ratio)”は、哺乳動物集団における雄の雌に対する比を指す用語である。この用語には、ある特定の集団における性比を予測することも含めることができる。
本明細書で使用する用語“精液(semen)”は、哺乳動物における流体細胞および精子細胞を指す用語である。この用語には、正味の、および希釈された精液も含まれる。
例示および記述を目的として、好適な実施態様を説明してきたが、発明を徹底的に説明するものではなく、また発明を開示された正確な形態に制限するものでもない。以上開示してきた教示に照らせば、自明な一部変更や変形が可能である。選択した実施態様については、開示してきた要旨の原理およびその応用の最善の説明を与えることによって、当業者が各種の実施態様で、かつ特定の用途に合うように変更して実施できるように記載した。このような変更や変形はいずれも、本発明を公正な範囲、法的な範囲、および正当な範囲に従って解釈した場合に特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲に包摂されるものである。

Claims (31)

  1. SEQ ID No.4およびSEQ ID No.9〜16からなる群から選択される配列、またはSEQ ID No.4に対して少なくとも90%の同一性を示す配列を有する哺乳動物のX−染色体を有する精子細胞タンパク質に選択的に結合することを特徴とする精製抗体、またはこれの抗原結合フラグメント。
  2. SEQ ID No.5およびSEQ ID No.17〜24からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する遺伝子によって前記の哺乳動物のX−染色体を有する精子細胞タンパク質をコード化する請求項1に記載の精製抗体、またはこれの抗原結合フラグメント。
  3. 前記抗体がモノクローナル抗体かポリクローナル抗体、あるいはこれらの抗原結合フラグメントである請求項1に記載の精製抗体、またはこれの抗原結合フラグメント。
  4. SEQ ID No.4およびSEQ ID No.9〜16からなる群から選択される配列、またはこれに対して少なくとも90%の同一性を示す抗原配列からなる群から選択される天然または合成抗原アミノ酸配列を有する抗原ペプチド組成物によってホスト(ヒトを除く)を免疫化することによって前記の抗体またはこれの抗原結合フラグメントを誘導する請求項3に記載の精製抗体、またはこれの抗原結合フラグメント。
  5. SEQ ID No.1、SEQ ID No.2、およびSEQ ID No.3のうちの一つかそれ以上からなる群から選択されるペプチドを有する抗原ペプチド組成物によってホスト(ヒトを除く)を免疫化することによって前記の抗体またはこれの抗原結合フラグメントを誘導する請求項3に記載の精製抗体、またはこれの抗原結合フラグメント。
  6. 前記哺乳動物がヒト、雄牛、ウマ科の動物、羊、シカ科の動物、ラクダ科の動物、および豚からなる群から選択される請求項1に記載の精製抗体、またはこれの抗原結合フラグメント。
  7. 前記哺乳動物がBos TaurusおよびBos indicusのいずれか一つ、あるいはこれらの交配種である請求項6に記載の精製抗体、またはこれの抗原結合フラグメント。
  8. SEQ ID No.4およびSEQ ID No.9〜16からなる群から選択される配列、またはSEQ ID No.4に対して少なくとも90%の同一性を示す配列を有する天然の、あるいは合成した、哺乳動物のX−染色体を有する精子細胞タンパク質に対して選択的に結合する抗体、あるいはこれの抗原結合フラグメントに哺乳動物の精子の正味の、あるいは希釈サンプルを接触させ、そして、
    結合した抗体、あるいはこれの抗原結合フラグメントを直接または間接検出するX−染色体を有することを特徴とする哺乳動物の精子細胞の集団を同定する方法。
  9. SEQ ID No.5およびSEQ ID No.17〜24からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する遺伝子によって前記の哺乳動物のX−染色体を有する精子細胞タンパク質である天然の、あるいは合成したペプチドをコード化する請求項8に記載の方法。
  10. モノクローナル抗体かポリクローナル抗体、あるいはこれらの抗原結合フラグメントである抗体に前記サンプルを接触させる請求項8に記載の方法。
  11. SEQ ID No.4およびSEQ ID No.9〜16からなる群から選択される配列、またはSEQ ID No.4に対して少なくとも90%の同一性を示す抗原配列からなる群から選択される天然または合成抗原アミノ酸配列を有する抗原ペプチド組成物によってホスト(ヒトを除く)を免疫化することによって誘導した抗体またはこれの抗原結合フラグメントに前記サンプルを接触させる請求項10に記載の方法。
  12. SEQ ID No.1、SEQ ID No.2、およびSEQ ID No.3のうちの一つかそれ以上からなる群から選択される天然または合成ペプチドを有する抗原ペプチド組成物によってホスト(ヒトを除く)を免疫化することによって誘導する抗体、あるいはこれの抗原結合フラグメントに前記サンプルを接触させる請求項10に記載の方法。
  13. 前記哺乳動物が、牛、ウマ科の動物、羊、シカ科の動物、ラクダ科の動物、および豚からなる群から選択される哺乳動物から前記サンプルを得る請求項8に記載の方法。
  14. 前記哺乳動物がBos Taurus(ウシ)およびBos indicus(コブウシ)のいずれか一つ、あるいはこれらの交配種である請求項13に記載の方法。
  15. X−染色体を有する精子細胞およびY−染色体を有する精子細胞を有する精子細胞の集団を有する哺乳動物(但しヒトを除く、以下同様)の精液のサンプルを得てから、
    SEQ ID No.4およびSEQ ID No.9〜16からなる群から選択される配列、またはSEQ ID No.4に対して少なくとも90%の同一性を示す配列を有する天然の、あるいは合成した、哺乳動物のX−染色体を有する精子細胞タンパク質に対して選択的に結合する抗体、あるいはこれの抗原結合フラグメントに前記精液のサンプルおよび/または前記の精子細胞の集団を接触させて、前記抗体、あるいはこれの抗原結合フラグメントを有する精子の一部を含むことを特徴とする精子細胞の混合集団を生成する性比のスキューイング方法。
  16. 前記の哺乳動物のX−染色体を有する精子細胞タンパク質が、SEQ ID No.5およびSEQ ID No.17〜24からなる群から選択されるヌクレオチド配列有する遺伝子によって前記の哺乳動物のX−染色体を有する精子細胞タンパク質をコード化した天然の、あるいは合成したペプチドである請求項15に記載の方法。
  17. 前記サンプル、またはこれから単離した精子細胞の前記集団をモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である抗体、あるいはこれの抗原結合フラグメントに接触させる請求項15に記載の方法。
  18. SEQ ID No.4およびSEQ ID No.9〜16からなる群から選択される配列、またはSEQ ID No.4に対して少なくとも90%の同一性を示す抗原配列からなる群から選択される天然または合成抗原アミノ酸配列を有する抗原ペプチド組成物によってホスト(ヒトを除く)を免疫化することによって誘導した抗体またはこれの抗原結合フラグメントに前記サンプルを接触させる請求項17に記載の方法。
  19. SEQ ID No.1、SEQ ID No.2、およびSEQ ID No.3からなる群から選択される天然または合成ペプチドを有する抗原ペプチド組成物によってホスト(ヒトを除く)を免疫化することによって誘導した抗体またはこれの抗原結合フラグメントに前記サンプルを接触させる請求項17に記載の方法。
  20. さらに、前記の精子細胞の混合集団の一部を使用して卵母細胞(ヒトを除く)に受精する請求項15に記載の方法。
  21. さらに、前記抗体、またはこれに結合した抗原結合フラグメントを有する精子細胞を、前記受精ステップの前に、前記混合集団の他の精子細胞から分離して、精子細胞のX−染色体に富む集団およびY−染色体に富む集団を生成する請求項20に記載の方法。
  22. 前記分離を、蛍光活性化細胞選別法、磁気細胞選別法、抗体被覆管への接着法、抗体被覆プレートへの接着法、抗体被覆ビーズへの接着法、およびこれらを組み合わせた方法のうちの一つかそれ以上の方法によって行う請求項21に記載の方法。
  23. 前記哺乳動物が雄牛、ウマ科の動物、羊、シカ科の動物、ラクダ科の動物、および豚からなる群から選択される哺乳動物から前記精液サンプルを得る請求項15に記載の方法。
  24. 前記哺乳動物がBos TaurusおよびBos indicusのいずれか一つ、あるいはこれらの交配種である請求項23に記載の方法。
  25. SEQ ID No.4およびSEQ ID No.9〜16からなる群から選択される配列を有する哺乳動物のX−染色体を有する精子細胞タンパク質に対して選択的に結合する精製抗体またはこれの抗原結合フラグメント。
  26. SEQ ID No.5およびSEQ ID No.17〜24からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有する遺伝子によって前記の哺乳動物の精子細胞タンパク質をコード化する請求項25に記載の精製抗体またはこれの抗原結合フラグメント。
  27. 前記抗体がモノクローナル抗体かポリクローナル抗体、あるいはこれらの抗原結合フラグメントである抗体である請求項25に記載の精製抗体またはこれの抗原結合フラグメント。
  28. 前記抗体またはこれに結合した抗原結合フラグメントを、SEQ ID No.4およびSEQ ID No.9〜16からなる群から選択される天然または合成抗原アミノ酸配列を有する抗原ペプチド組成物によりホスト(ヒトを除く)を免疫化することによって誘導する請求項27に記載の精製抗体またはこれの抗原結合フラグメント。
  29. 前記抗体またはこれに結合した抗原結合フラグメントを、SEQ ID No.1、SEQ ID No.2、およびSEQ ID No.3の1以上からなる群から選択される抗原ペプチド組成物によりスト(ヒトを除く)を免疫化することによって誘導する請求項27に記載の精製抗体またはこれの抗原結合フラグメント。
  30. 前記哺乳動物が、ヒト、雄牛、ウマ科の動物、羊、シカ科の動物、ラクダ科の動物、および豚からなる群から選択される請求項25に記載の精製抗体またはこれの抗原結合フラグメント。
  31. 前記哺乳動物がBos TaurusおよびBos indicusのいずれか一つ、あるいはこれらの交配種である請求項30に記載の精製抗体またはこれの抗原結合フラグメント。
JP2016552532A 2014-02-19 2015-02-19 性比スキューイング用抗体およびこの抗体の使用方法 Active JP6967852B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201461942020P 2014-02-19 2014-02-19
US61/942,020 2014-02-19
US201462065797P 2014-10-20 2014-10-20
US62/065,797 2014-10-20
PCT/US2015/016589 WO2015127055A1 (en) 2014-02-19 2015-02-19 Antibody for skewing sex ratio and methods of use thereof

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017507137A JP2017507137A (ja) 2017-03-16
JP2017507137A5 JP2017507137A5 (ja) 2017-07-27
JP6967852B2 true JP6967852B2 (ja) 2021-11-17

Family

ID=53797916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016552532A Active JP6967852B2 (ja) 2014-02-19 2015-02-19 性比スキューイング用抗体およびこの抗体の使用方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20150233920A1 (ja)
EP (2) EP3107554B1 (ja)
JP (1) JP6967852B2 (ja)
AU (2) AU2015219008B2 (ja)
BR (1) BR112016018826A8 (ja)
CA (1) CA2938767A1 (ja)
DK (1) DK3107554T3 (ja)
MX (2) MX2016010623A (ja)
PL (1) PL3107554T3 (ja)
WO (1) WO2015127055A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3988646A1 (en) 2016-01-04 2022-04-27 University of Tennessee Research Foundation Methods for improvement of semen quality
CN112889088A (zh) * 2018-10-31 2021-06-01 合同会社予幸集团中央研究所 程序、学习模型、信息处理装置、信息处理方法、信息显示方法和学习模型的制造方法
US11760793B2 (en) * 2020-12-18 2023-09-19 University Of Tennessee Research Foundation Antibody for skewing sex ratio and methods of use thereof

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5346990A (en) * 1987-04-08 1994-09-13 Cytogam, Inc. Sex-associated membrane proteins and methods for increasing the probability that offspring will be of a desired sex
CA1341328C (en) * 1989-06-07 2001-12-25 Glenn F. Spaulding Sex-associated membrane proteins and methods for increasing the probability that offspring will be of a desired sex
US5641870A (en) 1995-04-20 1997-06-24 Genentech, Inc. Low pH hydrophobic interaction chromatography for antibody purification
BR0016212A (pt) * 1999-12-07 2002-08-27 Univ Guelph Proteìna especìfica do cromossoma sexual e sequência de ácido nucleico isolada e purificada, método para identificar moléculas especìficas de cromossomas sexuais associadas com membranas celulares de esperma animal, anticorpo contra um epìtopo de uma molécula especìfica de cromossomas sexuais, métodos de triagem para uma molécula especifica de cromossomas sexuais, e para separar esperma determinante de macho e fêmea de sêmen nativo kit para executar um método, contraceptivo, proteìna especìfica do cromossoma sexual isolada e purificada, e , molécula
US7713687B2 (en) * 2000-11-29 2010-05-11 Xy, Inc. System to separate frozen-thawed spermatozoa into x-chromosome bearing and y-chromosome bearing populations
WO2005042721A2 (en) * 2003-10-31 2005-05-12 Abs Global, Inc. A method for altering the gender ratio of offspring in mammals by manipulation of spermatozoa
CA2568512A1 (en) * 2006-12-04 2008-06-04 Ab Biotech Inc. Gender selection with the use of antibodies
EP2181331A1 (en) * 2007-07-23 2010-05-05 Androgenix Ltd Materials and methods for sperm sex selection
CA2793945A1 (en) * 2009-04-01 2011-10-21 Biocern, Inc. Sperm cell separation methods and compositions containing sperm cell targeting ligands for use therein
GB0910826D0 (en) * 2009-06-23 2009-08-05 Ovasort Ltd Identification of sex-linked proteins

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015127055A1 (en) 2015-08-27
PL3107554T3 (pl) 2020-12-28
EP3782630A1 (en) 2021-02-24
AU2015219008A1 (en) 2016-08-25
DK3107554T3 (da) 2020-10-19
MX2016010623A (es) 2017-03-20
AU2015219008B2 (en) 2020-10-01
EP3107554B1 (en) 2020-07-22
BR112016018826A8 (pt) 2020-06-30
AU2020294293A1 (en) 2021-01-28
CA2938767A1 (en) 2015-08-27
EP3107554A4 (en) 2017-09-27
US20150233920A1 (en) 2015-08-20
EP3107554A1 (en) 2016-12-28
NZ722893A (en) 2023-08-25
MX2022008298A (es) 2022-08-08
JP2017507137A (ja) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2020294293A1 (en) Antibody for skewing sex ratio and methods of use thereof
EP0876612B1 (en) Method for identifying sex specific and species specific molecules, molecules identified using the method, and uses of the molecules
WO2009014456A1 (en) Materials and methods for sperm sex selection
JP4926965B2 (ja) ドーパミン産生ニューロン増殖前駆細胞マーカーNato3
EP2486406B1 (en) Identification of sex-linked proteins
KR101488950B1 (ko) 정자의 수태능력 판별용 마커 조성물
JP5033121B2 (ja) ドーパミン産生ニューロン前駆細胞マーカー187a5
Soleymani et al. Goat polyclonal antibody against the sex determining region Y to separate X-and Y-chromosome bearing spermatozoa
CA2568512A1 (en) Gender selection with the use of antibodies
WO2011147274A1 (zh) 用于检测生育相关人睾丸和附睾表达305种精子定位蛋白的方法
US11760793B2 (en) Antibody for skewing sex ratio and methods of use thereof
Yonetamari et al. Localization of BRUNOL2 in rat spermatogenic cells as revealed by immunofluorescence and immunoelectron microscopic techniques
JP5408802B2 (ja) 魚類未成熟生殖細胞表面特異的タンパク質を利用した、魚類未成熟生殖細胞の分離方法
CN105018576B (zh) 15种男性生育相关蛋白或其组合的应用
NZ722893B2 (en) Antibody for skewing sex ratio and methods of use thereof
JP6721571B2 (ja) 15種類の男性生殖関連タンパク質またはその組み合わせの使用
KR101934619B1 (ko) Dazl 단백질 특이적 항체를 이용한 개 정원줄기세포의 확인 및 동정 방법
Takase et al. Fertility Investigation in F1 Hybrid and Backcross Progeny of Cattle (Bos taurus) and Yak (B. gruniens) in Mongolia.: II. Little variation in gene products studied in male sterile and fertile animals.
KR101879496B1 (ko) Acrbp 항체를 유효성분으로 포함하는 포유동물의 정소세포 동정용 조성물
KR20180007442A (ko) Pgp9.5 항체를 유효성분으로 포함하는 포유동물의 정소세포 동정용 조성물
US20090305270A1 (en) Antigenic surface structure of sperm cells associated with the y chromosome
WO2021143958A1 (en) Method for separation of sperm with undamaged intact heads from sperm with damaged heads and somatic cells
KR20130000950A (ko) T-형(타입) 칼슘 채널의 알파1g 서브유닛의 소 임신 진단 마커로서의 용도
US20050049401A1 (en) Fertility prediction of mammalian males and polyclonal antibodies for the prediction thereof
KR20180007571A (ko) Vasa 항체를 유효성분으로 포함하는 포유동물의 정소세포 동정용 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170616

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181122

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190709

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200824

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210412

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210412

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210525

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211005

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6967852

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150