JP6967691B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱調理器に関し、特に、湯切りを必要とする調理に使用される加熱調理器に関する。
一般的に、食材を調理する調理工程の一種である湯切りは、パスタやうどんなどの麺やホウレンソウなどの野菜などの食材を茹でた後に行われる。また、食材の種類によって、食材を茹で始めてから湯切りを行うまでの時間は異なってくる。
例えば、ほうれん草などの葉菜類の野菜や麺類など、比較的火が通りやすい食材を茹でる場合、水が入った鍋を加熱して水を沸騰させてから食材を沸騰した水の中に投入し、その後、食材に火が通るまで所定時間加熱した後、湯切りを行う。一方、人参などの根菜類やじゃがいもなどのイモ類など、比較的火が通りにくい食材を茹でる場合、水が沸騰する前に、水が入った鍋に食材を投入して、水と食材を一緒に加熱し、その後、食材に火が通るまで所定時間加熱した後、湯切りを行う。このように、食材を茹で、その後、湯切りを行う調理においては、食材の種類によって、食材を鍋に投入するタイミングや食材を茹で始めてから湯切りを行うまでに要する時間(以下、「茹で時間」という。)が異なってくる。
そのため、従来、食材を茹で、その後、湯切りを行う調理に使用される調理器具としては、食材ごとに異なる茹で時間に応じて、任意のタイミングで簡単に湯切りが行える構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図10は、特許文献1に記載された従来の調理器具を示すものである。図10に示すように、従来の調理器具200は、調理鍋201と、調理鍋201内に配置される湯切り用の調理容器202とを備えている。調理鍋201の上方には、調理鍋201の外周方向に向かってその径が拡大した鍋フランジ部201aが設けられている。また、鍋フランジ部201aには、中央に開口部(図示せず)を有するサポートリング201bが設けられている。調理容器202の側面及び底面には、複数の孔202aが設けられている。また、調理容器202の側面には、調理容器202の側面から調理容器202の外周方向に向かって膨らむ複数の凸部202bが設けられている。
そして、従来の調理器具200において、使用者が調理器具200を使用する場合、使用者は、調理容器202をサポートリング201bの中央に設けられた開口部(図示せず)に挿入し、調理容器202の底面と調理鍋201の内底面とを当接させ、調理容器202を調理鍋201内に配置する。その後、使用者は、調理容器202内に水や食材を投入し、調理器具200をガスコンロ等によって加熱することで、食材を茹でる。食材を茹で終わり、食材の湯切りを行う場合、使用者は、調理容器202の底面が調理鍋201内にある水の水面よりも高くなるように調理容器202を上方へと持ち上げ、その後、調理容器202の底面が調理鍋201内の水面よりも高くなる位置で調理容器202の凸部202bをサポートリング201bの上に載置し、調理容器202をサポートリング201bに保持させる。このとき、複数の孔202aから水が流出し、調理容器202内の食材の湯切りを簡単に行うことができる。
上述のように、食材を茹で、その後、湯切りを行うことで調理される食材としては、麺や野菜などの食材が一般的であるが、日本以外の地域においては、米を調理する際に、米を茹で、その後、湯切りを行うことで、米を調理する食文化を有する地域もある。
主に、米を調理する炊飯方法としては、米と米の量に応じた所定の量の水とを鍋内に投入し、その後、米が鍋内に投入された水を吸収し、鍋内の水が無くなるまで炊きあげる炊き干し法と、米と多量の水を鍋に入れ、その後、鍋内の水を所定時間沸騰させ、鍋内の米を調理した後、鍋内の余分な水とご飯とを分離するために湯切りを行う湯取り法の2種類が存在する。
炊き干し法及び湯取り法の何れの炊飯方法においても、炊飯時に、米に含まれるデンプンなどの粘り成分が水の中に溶けだすことになる。炊き干し法においては、鍋内の米が鍋内の水を吸収し、鍋内の水が無くなるまで炊き上げるため、水の中に溶けだしたデンプンなどの粘り成分が炊飯中に米の表面に付着し、粘りのあるご飯が炊きあがる。一方、湯取り法においては、鍋内の水を所定時間沸騰させ、鍋内の米を加熱した後、鍋内の水と米とを分離するため、水の中に溶けだした米に含まれるデンプンなどの粘り成分が米の表面に付着しにくくなり、ご飯同士が離れた粘りの少ないご飯が炊きあがる。
上述のように、炊き干し法と湯取り法とでは、炊きあがったご飯の粘り気が異なるため、地域ごとの食文化やご飯の嗜好に応じて、炊き干し法と湯取り法とが使い分けられている。
例えば、日本や中国などの東アジア地域のように、ご飯とおかずとを分けて食べる食文化を有する地域においては、ご飯自体の味やおいしさが大切にされ、粘りのあるご飯が好まれている。一方、インドやスリランカなどの南アジア地域や中東地域のように、カレーやソースなどのおかずをご飯に混ぜ、ご飯とおかずとを一緒に食べる食文化を有する地域においては、おかずと混ぜたときのおいしさや食感が大切にされ、ご飯の粒同士が離れ、ご飯一粒ひとつぶがおかずと混ざりやすい粘りの少ないご飯が好まれている。また、日本や中国などの東アジア地域においては、箸を使って食事をする地域が多いため、箸でつかみやすく食べやすい粘りのあるご飯が好まれている。一方、インドやスリランカなどの南アジア地域や中東地域においては、手が最も清潔なものとされており、手で食事をする地域が多いため、手につきにくい粘りの少ないご飯が好まれている。
上述のように、湯取り法による炊飯に使用される炊飯器においては、炊き干し法による炊飯に使用される炊飯器とは異なり、炊飯時に湯切りを行う必要がある。そのため、従来、湯取り法による炊飯に使用される炊飯器としては、炊飯が完了した際に、外鍋に内装された内鍋を引き上げることで、米に含まれるデンプンなどの粘り成分を含む高温の水と、ご飯とを分離し、内鍋内のご飯の湯切りを行うことができる炊飯器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
図11は、特許文献2に記載された従来の炊飯器を示すものである。図11に示すように、従来の炊飯器300は、本体301と、本体301内に内装された外鍋302と、本体301内に配置されており、外鍋302を加熱する加熱手段303と、外鍋302内に内装されており、底面部に排水用の複数の穴305を有する内鍋304と、内鍋304の上部に形成された開口部(図示せず)を閉止する蓋306と、から構成されている。
そして、従来の炊飯器300においては、外鍋302内に内鍋304を配置し、内鍋304内に米と多量の水を投入した状態で、内鍋304の上部を蓋306によって閉止し、炊飯を開始することで、加熱手段303によって外鍋302が加熱され、内鍋304内の米が炊飯される。また、従来の炊飯器300においては、炊飯が完了した場合、使用者が内鍋304を引き上げることで、米に含まれるデンプンなどの粘り成分を含む高温の水が内鍋304の底面部に形成された複数の穴305から外鍋302内へと排出され、内鍋304内のご飯と米に含まれるデンプンなどの粘り成分を含む高温の水とが分離される。
米国特許第6055901号明細書 特開2015−112168号公報
しかしながら、上記従来の湯切りを必要とする調理に使用される加熱調理器においては、調理物である食材を均一に加熱するという観点からは未だ改善の余地があった。
すなわち、前記特許文献1に記載の加熱調理器200においては、調理容器202が調理鍋201内に配置された際、調理容器202が調理鍋201と直接接しているため、加熱部からの熱が調理鍋201を通じて直接調理容器202に伝わることで、調理容器202内の調理物を局所的に加熱してしまうという課題があった。また、調理容器202の底面に設けられた複数の底面孔は、それぞれの孔同士の中心間距離(以下、ピッチと呼ぶ)が不規則になるように配置されており、開孔率は数%であるため、沸騰時に調理容器202内に十分な対流が発生せず、調理容器202内の調理物に調理の斑が生じてしまうという課題があった。
また、前記特許文献2に記載の加熱調理器300においては、湯切り容器として機能する内鍋304の側面に孔が設けられておらず、内鍋304内のご飯が加熱によって、吸水、膨張した場合に、内鍋304の底面孔305は一部塞がれて、沸騰泡が内鍋304の上部へ抜けにくくなり、内鍋304と外鍋302の間の空間の圧力が上昇してふきこぼれてしまうという課題があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、湯切り容器内に激しい沸騰を発生させて調理物を調理できるので、調理物に調理の斑が生じることを十分に抑制することができ、加熱調理器の調理性能を向上させることができる加熱調理器を提供することを目的とする。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、
加熱調理器本体と、
前記加熱調理器本体内に配置された鍋と、
前記加熱調理器本体内に配置され前記鍋を加熱する加熱部と、
前記鍋内に配置可能であるとともに、側面及び底面に形成された複数の側面孔及び底面孔を有する湯切り容器と、
を備え、
前記複数の底面孔は、開孔率5%〜25%の範囲で設けられ、前記湯切り容器が前記鍋内に配置されたとき、前記湯切り容器の底面と前記鍋との間に形成された隙間の最短距離は0.5mm〜8mmの範囲である加熱調理器としたものである。
これにより、鍋内の水が沸騰することによって生じた鍋の底面の気泡は、湯切り容器の複数の底面孔から湯切り容器内へ流入して湯切り容器の上部へ上がるようになり、湯切り容器内の激しい対流が起こるので、湯切り容器内の下部の調理物が対流によって上部へ押し上げられるようになり、同時に、上部の調理物は対流によって下部へ押し下げられる。そのため、湯切り容器内の調理物を均一に加熱できるようになり、調理の斑を十分に抑制できる。
本発明の加熱調理器によれば、湯切り容器内に激しい沸騰を発生させて調理物を調理できるので、調理物に調理の斑が生じることを十分に抑制することができ、加熱調理器の調理性能を向上させることができる加熱調理器を提供することができる。
本発明の実施の形態1における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の分解斜視図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋を示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋を示す断面図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器のプレートを示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器のプレートと鍋の位置関係を示す断面図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図(c)本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋とプレートと湯切り容器の位置関係を示す断面図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器の蓋体を示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋とプレートと湯切り容器及び蓋体の位置関係を示す断面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の変形例を示す全体断面図 従来の湯切りを必要とする調理に使用される調理器具を示す断面図 従来の湯取り法による炊飯に使用される炊飯器を示す断面図
第1の発明は、
加熱調理器本体と、
前記加熱調理器本体内に配置された鍋と、
前記加熱調理器本体内に配置され前記鍋を加熱する加熱部と、
前記鍋内に配置可能であるとともに、側面及び底面に形成された複数の側面孔及び底面孔を有する湯切り容器と、
を備え、
前記複数の底面孔は、開孔率5%〜25%の範囲で設けられ、前記湯切り容器が前記鍋内に配置されたとき、前記湯切り容器の底面と前記鍋との間に形成された隙間の最短距離は0.5mm〜8mmの範囲である加熱調理器としたものである。
これにより、鍋内の水が沸騰することによって生じた鍋の底面の気泡は、湯切り容器の複数の底面孔から湯切り容器内へ流入して湯切り容器の上部へ上がるようになり、湯切り容器内の強い対流が起こるので、湯切り容器内の下部の調理物が対流によって上部へ押し上げられるようになり、同時に、上部の調理物は対流によって下部へ押し下げられる。そのため、湯切り容器内の調理物は、上下の水温差のほとんどない均一な水温中で加熱されるようになるため、調理の斑を十分に抑制できる。
第2の発明は、特に第1の発明において、湯切り容器の複数の側面孔は、湯切り容器が鍋内に配置された状態において、湯切り容器内に投入される調理物の種類及び量に応じて、調理物を調理するために予め設定されている最大の水の量に対応する位置よりも上方に設けられた構成としたものである。
これにより、湯切り容器内の調理物が加熱されて吸水、膨張して、調理物が湯切り容器
の底面孔の一部をふさいで沸騰泡が底面孔から湯切り容器内へ流入しにくい状況下においても、蒸気は複数の側面孔から抜けるので、鍋内の蒸気の圧力が過剰に上昇するはことなく、調理完了まで安全に調理することが可能になる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記湯切り容器は、側面の円周方向に形成された突変形部を備え、
前記突変形部は、前記湯切り容器内に投入される調理物の種類及び量に応じて、前記調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成されている構成としたものである。
これにより、使用者は、調理物の種類及び量に応じて、調理物の種類及び量に応じた高さに位置している突変形部の位置まで湯切り容器内に水を投入するだけで、調理物を調理するために必要な水を湯切り容器内に投入することができ、加熱調理器の使い勝手を向上させることができる。また、湯切り容器内で調理物が対流によって動かされる場合でも、調理物が湯切り容器の外に流出することがない。
以下、図面を参照しながら本発明の加熱調理器の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の加熱調理器の実施の形態1について、以下、図1〜図9を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図である。また、図2は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図である。さらに、図3は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の分解斜視図である。また、図4(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋を示す斜視図であり、図4(b)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋を示す断面図である。さらに、図5(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器のプレートを示す斜視図であり、図5(b)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器のプレートと鍋の位置関係を示す断面図である。また、図6(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図であり、図6(b)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図であり、図6(c)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図である。さらに、図7は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋、プレート、及び湯切り容器の位置関係を示す断面図である。また、図8(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の蓋体を示す斜視図であり、図8(b)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋、プレート、及び湯切り容器及び蓋体の位置関係を示す断面図である。図9は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の変形例を示す全体断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施の形態における加熱調理器100は、外郭を形成する有底筒状の加熱調理器本体1と、加熱調理器本体1内に配置される鍋2と、鍋2の上部に配置されるプレート3と、鍋2内に配置される湯切り容器4と、湯切り容器4の容器開口部の上方を閉塞する蓋体5と、を有している。鍋2と湯切り容器4とは、平面視において、外形が円形状を有しており、互いに相似形の関係を有している。
加熱調理器本体1の内部には、鍋2が収容される鍋収納部1aが形成されている。また、加熱調理器本体1の上部には、使用者が加熱調理器本体1を移動させる際に保持する一対の本体把持部1bが配置されている。ここで、鍋2は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに着脱自在に配置されていてもよく、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに固定されて配置されていてもよい。
また、加熱調理器本体1の内部には、鍋2を加熱する加熱部6と、加熱部6の中央部に配置されており、鍋2の温度を検知する温度検知部7と、が配置されている。ここで、加熱部6は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに配置された鍋2を加熱するように構成されていればよく、例えば、鍋2に接触し、鍋2を直接加熱する電気抵抗式のヒータで構成されていてもよく、または、鍋2を誘導加熱する加熱コイルで構成されていてもよい。また、温度検知部7は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに配置された鍋2の温度を検知するように構成されていればよく、例えば、サーミスタなど、鍋2に接触して鍋2の温度を測定する接触式の温度センサで構成されていてもよく、または、赤外線センサなど、鍋2に接触せずに鍋2の温度を測定する非接触式の温度センサで構成されていてもよい。なお、本実施の形態においては、加熱部6が電気抵抗式のヒータで構成されており、かつ、温度検知部7が接触式の温度センサで構成されている構成について説明する。
さらに、加熱調理器本体1の内部には、加熱調理器本体1に形成された鍋収納部1aの底面部を形成する保持部材8が配置されている。加熱部6及び温度検知部7は、加熱調理器本体1の内部に配置された保持部材8の上面に配置されており、保持部材8によって加熱調理器本体1の内部に保持されている。また、加熱部6及び温度検知部7は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに鍋2が配置された状態において、鍋2の底面に接触するように構成されている。すなわち、加熱部6の上面、及び、温度検知部7の上面は、鍋2の底面部の形状に沿うように形成されている。
また、加熱調理器本体1の外面には、加熱部6を動作させるスイッチ9が配置されている。スイッチ9は、加熱部6の動作のオン及びオフが切り替え可能となるように構成されており、使用者がスイッチ9をオン状態とすると加熱部6による鍋2の加熱が開始され、使用者がスイッチ9をオフ状態とすると加熱部6に鍋2の加熱が停止される。
図1及び図4に示すように、鍋2は、上方に開口10aを有する有底筒状の鍋本体10と、鍋本体10の上端部に形成されたフランジ部11と、で構成されている。フランジ部11は、鍋本体10の上端部から鍋本体10の外周に向かって延びる第1の延出部11aと、第1の延出部11aの外周端部から鍋2の上方にむかって延びる第2の延出部11bと、を有している。第2の延出部11bは、鍋本体10の上端部から鍋2の上方に向かうにつれてフランジ部11の径が徐々に拡大するように、傾斜して形成されている。そして、図4(a)及び図4(b)に示すように、フランジ部11は、フランジ部11の第2の延出部11bの最小径D10が鍋本体10の開口10aの径D1よりも大きくなるように構成されている。
ここで、鍋2は、アルミニウムの板材を絞り加工して形成されており、鍋2の表面にアルマイト処理が施されていることが好ましい。この構成により、加熱部6から鍋2の表面に伝達された熱を鍋2自体の熱伝導によって鍋2の側面に伝えやすくすることができる。また、アルマイト処理を施すことで、鍋2が錆びることを十分に抑制することができる。
図1〜図3、及び図5に示すように、プレート3の中央部には、湯切り容器4が挿入される開口部12が形成されている。図5(a)及び図5(b)に示すように、プレート3の中央部に形成された開口部12は、開口部12の径D3が鍋2の第1の開口10aの径D1よりも小さくなるように形成されている。また、プレート3は、プレート3の外径D4が鍋2の開口10aの径D1よりも大きく、かつ、鍋2のフランジ部11の第2の延出部11bの最大径D2よりも小さくなるように形成されている。さらに、プレート3は、プレート3の高さH1が鍋2のフランジ部11の高さH2よりも小さくなるように形成されており、鍋2のフランジ部11の上面で保持されている。
この構成により、鍋2の上部にプレート3が配置された際に、鍋2のフランジ部11にプレート3を保持させることができるとともに、鍋2のフランジ部11の内部にプレート3を収容することができる。また、湯切り容器4が開口部12の径方向にずれた状態で鍋2内に配置された場合であっても、湯切り容器4の側面と鍋2との間に隙間T1を形成することができる。そのため、湯切り容器4が開口部12の径方向にずれた状態で鍋2内に配置された場合であっても、加熱部6の熱が鍋2を介して湯切り容器4に伝わることを十分に防止することができる。
図1〜図3、及び図6に示すように、湯切り容器4は、上方に開口13aを有する有底筒状の湯切り容器本体13と、湯切り容器本体13の上端部に形成された径拡大部14と、で構成されている。
湯切り容器4の上部に位置する径拡大部14には、使用者が湯切り容器4を持ち運ぶ際に保持する一対の湯切り容器把持部4aが配置されている。湯切り容器把持部4aは、フェノール樹脂などの熱伝導性の低い樹脂により形成されている。また、湯切り容器把持部4aは、湯切り容器把持部4aが湯切り容器4の径拡大部14に取り付けられた状態において、湯切り容器把持部4aと径拡大部14との間に空隙が形成されるよう、リベットなどによって径拡大部14に固定された固定金具に取り付けられている。この構成により、径拡大部14と湯切り容器把持部4aとが当接する面積を小さくすることができ、径拡大部14から湯切り容器把持部4aへ熱が伝わるのを十分に抑制し、湯切り容器把持部4aの温度が上昇することを十分に抑制することができる。
湯切り容器4の径拡大部14は、湯切り容器本体13の上部に形成された第1の段差部17と、第1の段差部17の上部に形成された第2の段差部18と、第2の段差部18の上部に形成された第3の段差部19と、から構成されている。そして、第3の段差部19の下面には、パッキン22が配置されている。第1の段差部17は、径方向に延びた第2の延出部17aと、第2の延出部17aから垂直方向に延びた第3の延出部17bとで形成されている。第2の段差部18は、径方向に延びた第4の延出部18aと、第4の延出部18aから垂直方向に延びた第5の延出部18bとで形成されている。第3の段差部19は、径方向に延びた第6の延出部19aと、第6の延出部19aから垂直方向に延びた第7の延出部19bとで形成されている。
パッキン22は、硬度が30〜60度のシリコンで形成されている。パッキン22の外側には、湯切り容器4及びパッキン22とは別体に形成された円環状のリング部材21が配置されており、パッキン22は湯切り容器4の第3の段差部19の下面とリング部材21とで挟み込まれることで、第3の段差部19の下面に取り付けられている。
図8に示すように、パッキン22は、湯切り容器4と当接する部分から下方に所定の長さの厚肉部と、厚肉部の下端部に形成された略V字形状の薄肉部とを有しており、薄肉部が厚肉部と連結した断面形状を全周に有している。また、薄肉部は、湯切り容器4の外周側に向かって凸状になるように、その断面形状が略V字形状となるように形成されている。さらに、薄肉部の厚さは、0.3〜2mm程度で設定されており、厚肉部は、薄肉部に比べて厚く、例えば、2倍程度の厚さに設定されている。
また、パッキン22の上面には、円環状の凸部が複数設けられており、パッキン22は凸部が圧縮された状態で湯切り容器4に固定されている。
また、リング部材21の外周部には、下方に向かって延びる延出部が形成されおり、延出部の径は鍋2の鍋2上部の径よりも大きくなるように構成され、鍋2の上部に当接している。
ここで、湯切り容器4は、食材を加熱調理する際に食材を保持するのに十分な強度を有し、使用者が持ち運び可能な重さであればよく、例えば、アルミニウムの板材を絞り加工してアルマイト処理を施して形成してもよく、または、予め複数の孔を開けたステンレスの板材を絞り加工して形成してもよい。なお、本実施の形態では、湯切り容器4は、アルミニウムの板材を絞り加工して形成されており、湯切り容器4の表面にアルマイト処理が施された場合について説明する。この構成により、湯切り容器4の重さを軽くすることができ、使用者が加熱調理器本体1から湯切り容器4を取り出す場合にも作業がしやすい。また、アルマイト処理を施すことで、湯切り容器4が錆びるのを十分に抑制することができる。
図6に示すように、湯切り容器本体13の側面には、複数の側面孔15が形成されている。また、湯切り容器本体13の底面には、複数の底面孔16が形成されている。
湯切り容器本体13の側面に形成された複数の側面孔15、及び、湯切り容器本体13の底面に形成された複数の底面孔16は、米などの大きさが小さな調理物や麺などの細い調理物が湯切り容器4内に投入された際に、調理物が側面孔15及び底面孔16から湯切り容器4の外部に落ちることを十分に抑制できる大きさで形成されていればよい。例えば、側面孔15は、その孔径が1mm〜5mmの範囲内となるように設定されていることが好ましい。
また、湯切り容器本体13の底面に形成された複数の底面孔16は、鍋2内の水が加熱され沸騰した状態において、加熱部6によって直接加熱される鍋2の底面から発生する気泡の湯切り容器4内への流入しやすさに大きく影響する。複数の底面孔16の開孔率は5%〜25%の範囲であることが好ましい。複数の底面孔16の開孔率が25%を超えて、開孔率が大きくなればなるほど、湯切り容器4の底面から気泡が湯切り容器4内へ流入しやすくなるが、湯切り容器4の底面の強度が低下し、湯切り容器4内の調理物の重量が大きい場合において、湯切り容器4の底面が変形するため、想定される調理物の最大量に応じて十分な強度を確保できるように、開孔率を設定すればよい。また、複数の底面孔16の開孔率が5%未満のときには、加熱部6によって直接加熱される鍋2の底面から発生する気泡が湯切り容器4内へ流入しにくくなる。すると、湯切り容器4内で充分な対流が発生せず、湯切り容器4内の調理物に調理の斑が生じるという課題が発生する。
ここで、開孔率とは単位面積内の開孔部の比率をあらわすものであり、開孔率=C×(D×D)/(P×P)で求めることができる。ここで、Dは孔径、Pは孔間ピッチ、Cは複数の孔の配列によって定まる定数であり、一般的によく用いられる60°千鳥型の配列では、C=90.6となる。なお、本実施の形態においては、湯切り容器4の底面孔16の孔径を2mm、孔間ピッチを7mmとし、開孔率は7.4%と設定した。
また、湯切り容器4の複数の底面孔16は、湯切り容器4内の調理物の調理が完了し、湯切り容器4を持ち上げて湯切りする場合において、湯切り容器4内の水が湯切り容器4外へ流出する時間(以下、湯切り時間とする)にも影響する。湯切りに要する時間が長すぎると、調理物が湯切り容器4内の高温の水から加熱されてしまうため、湯切り時間は30秒以下にするのが好ましく、湯切り容器本体13の底面に所定の開口面積が確保されるように、複数の底面孔16の数を設定すればよい。さらに、湯切り容器4の複数の底面孔16は、隣り合う底面孔16の間隔が所定の間隔となるように、規則的に形成されている。本実施の形態においては、複数の底面孔16が湯切り容器本体13の底面の全体に亘って千鳥配置されている構成について説明するが、複数の底面孔16は、湯切り容器本体13の底面に所定の開口面積が確保されるように配置されていればよく、例えば、湯切り容器本体13の底面にm列及びn行を有するように配置されていてもよく、また、湯切り容
器本体13の底面に万遍なく均一に配置されていてもよい。複数の底面孔16を湯切り容器本体13の底面に万遍なく均一に配置することで、湯切りの際に湯切り容器4内の水を残すことなく、湯切り容器本体13の底面から排出することができる。ここで、千鳥配置とは、孔間ピッチの半分の位置に交互に孔を並べた配置であり、そのうち、各孔間ピッチが同じになるようにした配置を60°千鳥配置という。
また、湯切り容器4の底面には、湯切り容器4の底面から湯切り容器4の下方に向かって延びる複数の脚部4bが形成されている。使用者が湯切り容器4を流し台などの載置面に載置した際に、湯切り容器4の底面に形成された複数の脚部4bが載置面に当接することで、湯切り容器4が載置面上に保持される。
図6及び図7に示すように、湯切り容器本体13は、湯切り容器本体13の上端部から底面までの径D5(以下、容器側面径と称す)が略同一の径を有するように構成されており、湯切り容器本体13は、容器側面径D5が鍋2の開口10aの径D1よりも小さくなるように構成されている。また、径拡大部14は、径拡大部14の第7の延出部19bの径D6が容器側面径D5よりも大きくなるように構成されている。
また、湯切り容器4は、加熱調理器本体1に鍋2と湯切り容器4が配置された状態において、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との間に隙間T2が形成されるように、湯切り容器本体13の径拡大部14の底面から湯切り容器本体13の底面までの高さ(以下、側面高さ)が設定されている。すなわち、湯切り容器4は、加熱調理器本体1に鍋2と湯切り容器4が配置された状態において、湯切り容器4の底面と鍋2の底面とが離間され、湯切り容器4の底面と鍋2の底面とが接触しないように、湯切り容器4の側面高さが鍋2の高さよりも小さくなるように形成されている。湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との間の隙間T2は、加熱部6によって直接加熱される鍋2の底面から発生する気泡の湯切り容器4内への流入しやすさに大きく影響するため、0.5mm〜8mmの範囲で設定するのが好ましい。
湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との隙間T2が8mmを超えて大きい場合、鍋2内の水が沸騰して鍋2の底面から発生する複数の気泡は、所定の大きさまで大きくなった時点で浮力により鍋2の底面から離れ、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との隙間T2を上昇して、湯切り容器本体13の底面に達する。複数の気泡のうち、一部の気泡は湯切り容器本体13の底面に設けられた複数の底面孔16を通じて湯切り容器4内に流入し、残りの気泡は、湯切り容器本体13の底面に衝突してから湯切り容器本体13の側面と鍋2の側面との隙間T1に流れ、隙間T1を上昇する。そのため、湯切り容器本体13の底面から直接湯切り容器4内へ流入する気泡は少ないため、湯切り容器4内で強い対流が発生しにくい。
湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との隙間T2が0.5mm未満の場合、湯切り容器4の底面と鍋2の底面とが近接することとなり、加熱部からの熱が鍋2を通じて湯切り容器4にほぼ直接的に伝わることで、湯切り容器4内の調理物を局所的に加熱することとなる。
一方、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との隙間T2が0.5mm〜8mmの範囲においては、鍋2内の水が沸騰して鍋2の底面から発生する複数の気泡は、所定の大きさに大きくなる過程で隣接する気泡同士が合わさって、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面に接する大きな気泡を形成して、湯切り容器本体13の底面から直接湯切り容器4内へ流入するようになるため、湯切り容器4内を上昇する気泡が連続的に生成されて強い対流となる。鍋2の径や絞り形状、及び湯切り容器本体13の径に応じて、湯切り容器4と鍋2とが当接しないように、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との間の隙間T2
を設定すればよい。本実施の形態では、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との間の隙間T2を3mmとした。
なお、湯切り容器本体13の底面に容器脚部3bが形成されている場合には、容器脚部3bが鍋2に接触しないように湯切り容器4の側面高さ及び容器脚部3bの高さが設定されていればよい。すなわち、容器脚部3bと鍋2の底面との間に隙間T2が形成されていればよい。この構成により、加熱部6によって鍋2が加熱された場合であっても、加熱部6の熱が鍋2を介して湯切り容器4の底面に伝わることを十分に防止することができる。
また、調理物を調理するために設定した最大の水の量は、湯切り容器4が鍋2内に配置された状態において、鍋2の底面から鍋2のフランジ部11を構成する第1の延出部11aまでの高さと同じ高さH10に設定しており、湯切り容器4の複数の側面孔15は、高さH10よりも上方に設けられている。
以上のように構成された加熱調理器100について、以下その動作、作用を説明する。使用者が加熱調理器100を用いて調理物の調理を行う場合、すなわち、加熱調理器100を用いて調理物を茹で、その後、調理物の湯切りを行う場合、使用者は、加熱調理器本体1に配置された鍋2のフランジ部11にプレート3を配置する。
このとき、本実施の形態において、鍋2は、鍋2のフランジ部11を構成する第2の延出部11bの最小径D10が鍋本体10の開口10aの径D1よりも大きくなるように構成されているとともに、プレート3は、プレート3の外径D4が鍋本体10の開口10aの径D1よりも大きく、かつ、鍋2のフランジ部11の第2の延出部11bの最大径D2よりも小さくなるように構成されている。この構成により、プレート3を鍋2のフランジ部11に確実に保持させることができる。
また、本実施の形態において、プレート3は、プレート3の高さH1が鍋2のフランジ部11の高さH2よりも小さくなるように構成されているため、プレート3の上面が鍋2のフランジ部11の上端部よりも上方に突出することがなく、プレート3を鍋2のフランジ部11内に収容することができる。
加熱調理器本体1に配置された鍋2のフランジ部11にプレート3を配置したあと、使用者は、プレート3の開口部12に湯切り容器4を挿入し、湯切り容器4の径拡大部14をプレート3の上面に当接させ、湯切り容器4を加熱調理器本体1に配置する。
このとき、本実施の形態において、湯切り容器4は、湯切り容器本体13の径D5がプレート3の開口部12の径D3よりも小さくなるように構成されているため、使用者は、湯切り容器本体13をプレート3の開口部12内に容易に挿入することができる。
また、本実施の形態において、湯切り容器4は、湯切り容器4の径拡大部14を構成する第7の延出部19bの径D6がプレート3の開口部12の径D3よりも大きく、かつ、鍋2に形成されたフランジ部11の第2の延出部11bの最小径D10以下となるように構成されている。この構成により使用者は、湯切り容器本体13をプレート3の開口部12内に挿入し、径拡大部14をプレート3の上面に当接させるだけで、湯切り容器本体13が鍋2内に位置した状態で、湯切り容器4をプレート3の上面に確実に保持させることができる。
このとき、湯切り容器4に取り付けられたパッキン22は、略V字形状の薄肉部が所定量(例えば、1〜10mmなど)だけ上下に閉じる方向に撓んだ状態で鍋2の上面に当接している。
加熱調理器本体1に鍋2、プレート3、及び湯切り容器4が配置された状態で、使用者は、湯切り容器4の開口13aから調理物及び調理物を調理するために必要な量の水を湯切り容器4内に投入する。
使用者により、湯切り容器4内に調理物及び水が投入されると、湯切り容器4内に投入された調理物及び水のうち、水のみが湯切り容器本体13に形成された複数の底面孔16から鍋2へと流出するとともに、調理物は湯切り容器4内に投入された水に浸かった状態で湯切り容器4内に保持されることになる。すなわち、湯切り容器本体13の側面と鍋2の側面との間に形成された隙間T1及び、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との間に形成された隙間T2には、湯切り容器4の開口13aから投入された水が存在することになる。
加熱調理器本体1に、鍋2、プレート3、及び湯切り容器4を配置し、湯切り容器4内に調理物及び水が投入したあと、使用者は、図1に示すように湯切り容器4の上部を蓋体5により閉塞する。
このとき、本実施の形態において、蓋体5は、図8に示すように、蓋体本体5aの外周端部の径D7が湯切り容器本体13の径D5よりも大きく、かつ、径拡大部14の第7の延出部19bの径D6よりも小さくなるように構成されている。この構成により、使用者は、湯切り容器4の径拡大部14の内部に蓋体5を配置するだけで、湯切り容器4の上部の開口13aを蓋体5により容易に閉塞することができるとともに、蓋体5を湯切り容器4の径拡大部14に確実に保持させることができる。蓋体本体5aの中央部には使用者が把持することが可能な蓋体把持部5bが形成されている。
加熱調理器本体1に、鍋2、プレート3、及び湯切り容器4を配置し、その後、湯切り容器4内に調理物及び水を投入し、湯切り容器4の上部に蓋体5を配置したあと、使用者は、加熱調理器本体1に配置されたスイッチ9をオン状態に操作して、調理物の調理を開始する。使用者によりスイッチ9がオン状態にされると、加熱部6への通電が開始され、加熱部6によって鍋2が加熱されるとともに、温度検知部7に鍋2の温度の検知が開始される。加熱部6によって鍋2の加熱が開始されると、温度検知部7によって検知された鍋2の温度に基づいて加熱部6が制御されるとともに、鍋2内の水の温度が徐々に上昇する。そして、加熱部6によって鍋2の加熱が開始されたあと所定時間が経過すると、鍋2内の水が沸騰状態に至る。
鍋2内の水が沸騰すると、鍋2内で蒸気が発生し、鍋2内の蒸気の圧力が上昇する。このとき、湯切り容器4に取り付けられたパッキン22の内面にも蒸気の圧力がかかり、パッキン22の薄肉部が鍋2の上面を下方へ押し続ける状態になり、パッキン22と鍋2との密着性を向上させることができるので、パッキン22の気密性を保持することができる。
また、調理物が米である場合、鍋2内の水には米のデンプンなどの粘り成分が溶け出していることになるが、湯切り容器4と鍋2との間は、パッキン22でシールされているため、米のデンプンなどが溶け出した水(以下、「おねば」と称す。)が外に漏れ出すことなく、安全に調理できる。また、パッキン22の外周側にはリング部材21が配置されているため、仮に「おねば」が湯切り容器4と鍋2との間から漏れ出した場合であっても、「おねば」が加熱調理器100の周囲に飛び散ることを十分に防止することができ、加熱調理器100の安全性を向上することができる。
このとき、本実施の形態においては、加熱調理器本体1に、鍋2、プレート3、及び湯
切り容器4が配置された状態において、湯切り容器本体13の側面と鍋2との間に隙間T1が形成されているとともに、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との間に隙間T2が形成されている。この構成によって鍋2内において、加熱部6によって加熱される鍋2と調理物を収容される湯切り容器本体13とが接触することを防止することができ、加熱部6の熱が鍋2を介して湯切り容器4へと伝わり、湯切り容器4が局所的に加熱されることを十分に防止することができる。よって、湯切り容器4内の調理物を均一に加熱することができ、湯切り容器4内の調理物に調理の斑が生じることを十分に防止することができる。
また、本実施の形態においては、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面との間の隙間T2が3mmで、かつ底面孔16の開孔率が7.4%に設定されているので、鍋2内の水が沸騰して鍋2の底面から発生する複数の気泡は、所定の大きさに大きくなる過程で隣接する気泡同士が合わさって、湯切り容器本体13の底面と鍋2の底面に接する大きな気泡を形成して、湯切り容器本体13の底面から直接湯切り容器4内へ流入するようになるため、湯切り容器4内を上昇する気泡が連続的に生成されて強い対流となる。湯切り容器4内に発生した強い対流によって、湯切り容器4内の下部の調理物が対流によって上部へ押し上げられるようになり、同時に、上部の調理物は対流によって下部へ押し下げられるようになる。そのため、湯切り容器4内の調理物は、上下の水温差のほとんどない均一な水温中で加熱されるようになるため、湯切り容器4内の調理物を均一に加熱することができ、湯切り容器4内の調理物に調理の斑が生じることを十分に防止することができる。
また、本実施の形態においては、湯切り容器本体13の複数の側面孔15は、湯切り容器4が鍋2内に配置された状態において、湯切り容器4内に投入される調理物の種類及び量に応じて、調理物を調理するために予め設定されている最大の水の量に対応する位置よりも上方に設けられている。この構成によって加熱された調理物が吸水して膨張した場合にも、蒸気が複数の側面孔15から抜ける構成となるため、鍋2内の蒸気の圧力が過剰に上昇することを抑制して、安全に調理することが可能になる。
調理物を調理するために必要な水の量は、調理物の種類及び量に応じて厳密に設定されているわけではないが、調理後の調理物の状態を良好に保つという観点から、調理物を調理するために必要な水の最小量を設定することができる。
例えば、調理物が米であり、加熱調理器100を用いて米を炊飯する場合、米を炊飯する過程において、湯切り容器4内の米が湯切り容器4内の水を吸収し、湯切り容器4内の水が徐々に減少することになる。湯取り法による炊飯においては、米を多量の水で茹でる必要があるため、米が水を吸収した場合であっても、米の量に対して十分な量の水が湯切り容器4内に残存している必要がある。そのため、湯切り容器4が湯取り法による炊飯に使用される場合には、複数の側面孔15のうちの少なくとも1つが湯取り法によって所定量の米を炊飯するために必要な水の最小量に対応する位置に形成されていることが好ましい。ここで、1合の米を湯取り法によって炊飯するために必要な水の最小量は1.5Lである。
また、例えば、調理物がパスタ麺であり、加熱調理器100を用いてパスタ麺を茹でる場合、パスタ麺を茹でる過程において、湯切り容器4内のパスタ麺のデンプン成分が湯切り容器4内の水に溶け出し、パスタ麺の茹で汁にぬめりが出る。パスタ麺の茹で汁のぬめりは、パスタ麺から水に溶け出したデンプン成分の濃度が高くなるほど、ぬめりが出やすくなる。茹で汁のぬめりが強い、すなわち、茹で汁に含まれるデンプン成分の濃度が高いほど、パスタ麺の表面にデンプン成分などの粘り成分が付着しやすく、調理後のパスタ麺がぬめり気を帯びることになる。調理後のパスタ麺のぬめり気が強い場合、調理後のパスタ麺同士がくっついてしまうなど、調理後のパスタ麺の状態を良好な調理状態に保つこと
ができない場合がある。調理後のパスタ麺を良好な調理状態に保つためには、パスタ麺の茹で汁に含まれるデンプン成分の濃度を最適な範囲に保つ必要がある。パスタ麺の茹で汁に含まれるデンプン成分の濃度は、パスタ麺の量とパスタ麺を茹でる水の量によって決定されるため、パスタ麺の量に応じて、パスタ麺を茹でるために必要な水の最小量が設定されることになる。そのため、湯切り容器4がパスタ麺を茹でるために使用される場合には、複数の側面孔15のうちの少なくとも1つが所定量のパスタ麺を茹でるために必要な水の最小量に対応する位置に形成されていることが好ましい。ここで、1人前(約100g)のパスタ麺を茹でるために必要な水の最小量は2.0Lである。
なお、上述のように、調理物を調理するために必要な水の最小量については、調理物の種類及び量に応じて予め設定されているが、調理物を調理するために必要な水の最大量については特に設定されていない。しかしながら、水の量が増加するにつれて水が沸騰するまでの時間が長くなり、調理物を調理する調理時間全体が長くなってしまう。そのため、短い調理時間で良好な調理状態を得るためには、調理を行う調理物の種類及び量に応じて、調理物を調理するために必要な水の最小量に近い水の量で調理物を調理することが好ましい。
湯切り容器4内に投入された調理物の調理が完了した場合、すなわち、湯切り容器4内に投入された調理物が茹でられ、使用者の好みの硬さになった場合、使用者は、加熱調理器本体1に配置されたスイッチ9をオン状態からオフ状態にする。その後、使用者は、湯切り容器4内の調理物の湯切りを行うために、湯切り容器4の上部に配置された容器把持部4aを保持し、湯切り容器4を上方へと持上げ、図2に示すように湯切り容器4の突起部20がプレート3の上に保持させて湯切り容器4内の調理物の湯切りを行う。具体的には、湯切り容器4を上方へと持上げると、湯切り容器4の底面に形成された複数の底面孔16から湯切り容器4内の水、すなわち、茹で汁が湯切り容器4の外部へと排出される。湯切り容器本体13の底面に形成された複数の底面孔16から湯切り容器4の外部へと排出された水は、湯切り容器4の下方に配置された鍋2内へと流出し、湯切り容器4内には、調理が完了した調理物のみが残る。これにより、調理物の調理を完了する。
以上のように、本実施の形態においては、加熱調理器本体1に鍋2、プレート3、及び湯切り容器4が配置された状態において、プレート3は、鍋2のフランジ部11内に収容されている。また、本実施の形態においては、加熱調理器本体1に鍋2、プレート3、及び湯切り容器4が配置された状態において、湯切り容器4は、湯切り容器4の湯切り容器本体13がプレート3の開口部12内に挿入され、湯切り容器4の径拡大部14がプレート3の上面に当接されている。すなわち、湯切り容器4は、プレート3によって、湯切り容器4の径方向のずれが規制され、湯切り容器本体13の側面と鍋2との間の隙間T1が規制される。また、湯切り容器4の径拡大部14がプレート3の上面に当接されているので、複数の底面孔16を有する湯切り容器本体13の底面と鍋2との間の隙間T2を確実に形成することができる。そのため、鍋2内の水が沸騰することで発生した気泡は湯切り容器本体13の底面から直接湯切り容器4内へ流入するようになり、湯切り容器4内を上昇する気泡が連続的に生成されて強い対流となるので、湯切り容器4内の調理物は、上下の水温差のほとんどない均一な水温中で加熱されるようになるため、湯切り容器4内の調理物を均一に加熱することができ、湯切り容器4内の調理物に調理の斑が生じることを十分に防止することができる。
なお、本実施の形態1においては、図9に示すように、湯切り容器本体13の側面に円周方向に形成された突変形部P1〜P3を、湯切り容器4内に投入される調理物の種類や量に応じて、調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成している。ここで、突変形部P1は、湯切り容器4内に投入される2合の米を炊飯するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成されており、突変形部P2は、湯切り
容器4内に投入される3合の米を炊飯するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成されており、突変形部P3は、湯切り容器4内に投入される5合の米を炊飯するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成されている。なお、図9(a)は、2合の米を炊飯するために必要な最小量の水を入れた状態を示し、図9(b)は、5合の米を炊飯するために必要な最小量の水を入れた状態を示している。
この構成により使用者は、複数の側面孔15のうち、調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成されている突変形部P1〜P3のいずれかの位置に合わせて湯切り容器4内に水を投入するだけで、調理物の調理に必要な水の量を湯切り容器4内に投入することができる。そのため、加熱調理器100の使い勝手を向上させることができる。
また、本実施の形態1において、湯切り容器4の容器把持部4aは熱伝導性の低い樹脂で形成されているため、湯切り容器4から容器把持部4aへの熱伝導を抑制することができ、容器把持部4aが熱くなることを十分に防止することができる。そのため、調理物の調理が完了し、調理物を加熱調理器から移動させるために、使用者が容器把持部4aを保持した場合であっても、使用者が火傷してしまうことを十分に防止することができ、湯切りした後も安全に取り扱える加熱調理器100を提供することができる。
さらに、本実施の形態1においては、湯切り容器本体13の底面に形成された複数の底面孔16から湯切り容器4の外部へと排出された水は、湯切り容器4の下方に配置された鍋2内へと流出し、鍋2内に貯められるように構成されている。この構成によって、例えば、パスタの茹で汁を使用してパスタソースを作るなど、調理物を茹でたあと、調理物の茹で汁を別の調理に使用する場合であっても、湯切り容器4の容器把持部4aを保持して湯切り容器4を加熱調理器100から取り外して別の場所へと持ち運び、鍋2内に貯められた調理物の茹で汁を別の調理に使用することができ、加熱調理器100の使い勝手を向上することができる。
本発明の加熱調理器によれば、湯切り容器内の調理物を上下の水温差のほとんどない均一な水温中で加熱することができ、湯切り容器内の調理物に調理の斑が生じることを十分に防止することができる加熱調理器を提供することが可能となるので、家庭用及び業務用の加熱調理器の分野・用途に好適に適用することができる。
1 加熱調理器本体
1a 鍋収納部
1b 本体把持部
2 鍋
3 プレート
4 湯切り容器
4a 容器把持部
4b 脚部
5 蓋体
5a 蓋体本体
5b 蓋体把持部
6 加熱部
7 温度検知部
8 保持部材
9 スイッチ
10 鍋本体
10a 開口
11 フランジ部
11a 第1の延出部
11b 第2の延出部
12 開口部
13 湯切り容器本体
13a 開口
14 径拡大部
15 側面孔
16 底面孔
17 第1の段差部
17a 第2の延出部
17b 第3の延出部
18 第2の段差部
18a 第4の延出部
18b 第5の延出部
19 第3の段差部
19a 第6の延出部
19b 第7の延出部
20 突起部
21 リング部材
22 パッキン
100 加熱調理器

Claims (3)

  1. 加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体内に配置された鍋と、
    前記加熱調理器本体内に配置され前記鍋を加熱する加熱部と、
    前記鍋内に配置可能であるとともに、側面及び底面に形成された複数の側面孔及び底面孔を有する湯切り容器と、
    を備え、
    前記複数の底面孔は、開孔率5%〜25%の範囲で設けられ、前記湯切り容器が前記鍋内に配置されたとき、前記湯切り容器の底面と前記鍋との間に形成された隙間の最短距離は0.5mm〜8mmの範囲である加熱調理器。
  2. 前記複数の側面孔は、前記湯切り容器が前記鍋内に配置された状態において、前記湯切り容器内に投入される調理物の種類及び量に応じて、前記調理物を調理するために予め設定されている最大の水の量に対応する位置よりも上方に設けられた請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記湯切り容器は、側面の円周方向に形成された突変形部を備え、
    前記突変形部は、前記湯切り容器内に投入される調理物の種類及び量に応じて、前記調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成されている請求項1または2に記載の加熱調理器。
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