JP6966225B2 - 直下型バックライト - Google Patents

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本開示は、例えば液晶ディスプレイの色ムラを改善し得る直下型バックライトに関する。
例えば液晶ディスプレイに使用されるバックライトには、エッジライト型方式及び直下型方式の二種類がある。近年、大型ディスプレイでは高画質化、高輝度化等の要求に伴い、直下型方式のバックライトが採用されてきている。直下型方式のバックライトは、液晶パネルにおける液晶の裏側に複数の光源を敷き詰めた構造であり、エッジ型方式のバックライトとは異なり、いくつかの光源のブロックとしても分割できるため、映像の明るい部分のバックライトは明るく、映像の暗い部分のバックライトは暗くすることなどができる。これは部分駆動、ハイダイナミックレンジ(HDR)、ローカルディミングと呼ばれる機能であり、映像全体のコントラストを上げることができる。
特許文献1(特開2015−035336号公報)には、基板と、基板上に配置された複数の光源と、複数の光源に対向配置された波長変換部材と、基板上において複数の光源とは異なる領域に配置された反射部材とを備え、反射部材が占める基板の最表面における面積の割合が92%〜95%である、直下型光源装置が記載されている。
特開2015−035336号公報
例えば液晶ディスプレイにおいて鮮明な色を表示するには、光源から得られる青、緑、赤の光の強度が均一であった方がよい。しかしながら、例えば白色LEDは、黄色蛍光体を使用することにより緑と赤の光が分離されてないので、色再現域が十分にとれないということが知られている。これを改善するために、例えば量子ドットフィルムを採用する技術が知られている。これは、光源として青色LED等の青色光源を採用し、該光源からの青色光の一部を透過し、残りを量子ドットフィルムで緑及び赤色光に変換して、青、緑、赤の光のスペクトルを分離して色再現性を向上するという技術である。
しかしながら、量子ドットフィルムは、変換した緑及び赤色光を光源からの光進行方向へ出射するのと同時に光源方向にも出射する(図1)。直下型バックライトは、光源がディスプレイの裏一面に配置されるため、光源の輪郭等が視認されないように、光源と量子ドットフィルム等を含む光学部材との間にはキャビティ(空間)部が一般的に形成されている。量子ドットフィルムからキャビティ部へ出射した緑及び赤色光は、拡散層又は光源部等で散乱、反射又は吸収等の影響を受け、光源からの光進行方向とは異方向に進行したり、減衰したりしてしまい、色ムラ等の不具合を生じさせてしまう場合があった。
本開示は、例えば液晶ディスプレイの色ムラを改善し得る直下型バックライトを提供する。
本開示の一実施態様によれば、青色光源と、光波長選択性透過反射層であって、青色光源からの光が入射する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面を有する、光波長選択性透過反射層と、ダウンコンバージョン層であって、光波長選択性透過反射層の第2主要面に隣接する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有する、ダウンコンバージョン層と、を備える、直下型バックライトが提供される。
本開示の別の実施態様によれば、上記の直下型バックライトを備える液晶ディスプレイが提供される。
本開示の直下型バックライトは、例えば液晶ディスプレイの色ムラを改善することができるため、鮮明な色を表示することができる。
本開示の直下型バックライトは、色ムラの原因となっていた光源側に侵入する緑及び赤色光の割合を低減し、視認側に戻すことができるため、輝度の向上にも貢献することができる。輝度の向上は、使用する光源数の削減、即ち、コストダウンにも貢献することができる。
上述の記載は、本開示の全ての実施態様及び本開示に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
従来の直下型バックライトを示す概略図である。 本開示の一実施態様による直下型バックライトを示す概略図である。 本開示の一実施態様による直下型バックライトの光学試験測定用サンプルの概略図である。 本開示の一実施態様による直下型バックライトの光学試験装置の概略図である。 本開示の一実施態様によるパターン化拡散層の樹脂含浸量を黒色で置き換えたイメージ図である。 本開示の一実施態様によるパターン化拡散層の樹脂含浸量を黒色で置き換えたイメージ図である。 本開示の一実施態様によるパターン化拡散層の樹脂含浸量を黒色で置き換えたイメージ図である。 本開示の一実施態様によるパターン化拡散層の樹脂含浸量を黒色で置き換えたイメージ図である。 本開示の一実施態様によるパターン化拡散層の樹脂含浸量を黒色で置き換えたイメージ図である。 本開示の一実施態様による直下型バックライト用光学積層体の輝度値に関する測定データである。 本開示の一実施態様による直下型バックライト用光学積層体の輝度値に関する測定データである。 本開示の一実施態様による直下型バックライト用光学積層体の輝度値に関する測定データである。 本開示の一実施態様による直下型バックライト用光学積層体のCIEx値に関する測定データである。 本開示の一実施態様による直下型バックライト用光学積層体のCIEy値に関する測定データである。 本開示の一実施態様による直下型バックライト用光学積層体の観測点3(中心点)で正規化した相対輝度に関する測定データである。 本開示の別の実施態様による直下型バックライトの光学試験装置に関する画像である。 本開示の別の実施態様による直下型バックライトの光学試験装置に関する概略図である。 本開示の別の実施態様による直下型バックライトの光学試験装置に関する概略図である。 本開示の一実施態様によるパターン化拡散層、及び非パターン化拡散層の輝度分布に関する画像である。 本開示の一実施態様によるパターン化拡散層、及び非パターン化拡散層の輝度分布の測定箇所を示す画像である。 (a)は本開示の一実施態様によるパターン化拡散層の輝度分布に関する画像であり、(b)は係るパターン化拡散層の輝度分布に関する測定データである。 (a)は本開示の一実施態様によるパターン化拡散層の輝度分布に関する画像であり、(b)は係るパターン化拡散層の輝度分布に関する測定データである。 (a)は本開示の一実施態様によるパターン化拡散層の輝度分布に関する画像であり、(b)は係るパターン化拡散層の輝度分布に関する測定データである。 (a)は非パターン化拡散層の輝度分布に関する画像であり、(b)は係る非パターン化拡散層の輝度分布に関する測定データである。 本開示の一実施態様によるパターン化拡散層、及び非パターン化拡散層の上部LED列における輝度分布に関する測定データである。 (a)は透過率測定法の概略図であり、(b)は反射率測定法の概略図である。
第1の実施形態における直下型バックライトは、青色光源と、青色光源からの光が入射する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面を有する、光波長選択性透過反射層と、光波長選択性透過反射層の第2主要面に隣接する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有する、ダウンコンバージョン層と、を備える。光波長選択性透過反射層とダウンコンバージョン層とを係る構成で配置することによって、ダウンコンバージョン層から青色光源側へ出射する緑及び赤色光の少なくとも一部を反射させて視認側へ戻すことができるため、例えば液晶ディスプレイの色ムラを改善することができる。視認側へ戻される緑及び赤色光は混ざり合うと黄色光を呈するため、輝度を向上させることもできる。
第1の実施形態における直下型バックライトは、ダウンコンバージョン層の第2主要面に光リサイクル層をさらに備えることができ、及び/又は光波長選択性透過反射層の第1主要面にパターン化拡散層をさらに備えることができる。光リサイクル層は、入射光の一部をリサイクル又は反射し、かつ入射光の一部を透過する層である。該光リサイクル層を適用することによって、輝度を向上させることができるとともに、リサイクル光を再度ダウンコンバージョン層に入射させて緑及び赤色光に変換し、光波長選択性透過反射層で該緑及び赤色光を再度視認側に戻すことができるため、色ムラをより改善することができる。パターン化拡散層を適用した場合には、輝度ムラをより改善することができる。
第1の実施形態における直下型バックライトにおけるダウンコンバージョン層としては、量子ドット層を採用することができる。量子ドット層中に含まれる量子ドットの粒径及び量、並びに量子ドット層の厚み等を調整することによって、青、緑、赤の光強度を好適に制御することができる。
第1の実施形態における直下型バックライトにおける光波長選択性透過反射層は、波長が約380〜約520nmの光に対して約50%以上の透過率、及び波長が約550〜約800nmの光に対して約30%以下の透過率を有し、並びに波長が約380〜約520nmの光に対して約20%以下の反射率、及び波長が約550〜約800nmの光に対して約25%以上の反射率を有することができる。係る光波長選択性透過反射層を通過する青色光源からの光は、ダウンコンバージョン層で緑及び赤色光を効率よく変換できるとともに、ダウンコンバージョン層から青色光源側へ出射した変換光を視認側へ効率よく戻すことができる。
第1の実施形態における直下型バックライトにおける光リサイクル層としては、反射性偏光子層及び微細構造化層からなる群から選択される少なくとも一種を使用することができる。これらの層は、輝度の向上、色ムラの改善等に対してより効果的である。
第1の実施形態における直下型バックライトにおけるパターン化拡散層は、不織布、織布、編布及び多孔性基材からなる群から選択される少なくとも一種を含むことができる。係る材料は、拡散性に寄与する厚さを十分に備え、光の透過性に寄与する樹脂の含浸性にも優れるため、光の拡散及び透過を好適に制御することができる。
第1の実施形態における直下型バックライトにおけるパターン化拡散層は、パターン部が、青色光源の配置箇所と対応していて樹脂非含浸部を備えることができ、パターン部以外の部分は樹脂含浸部を備えることができる。係る構成のパターン化拡散層を採用することで、輝度に不具合を生じさせることなく、輝度ムラをより改善することができる。
第1の実施形態における直下型バックライトにおけるパターン化拡散層は、光源間の半分の位置におけるパターン化拡散層の相対全光線透過率を約105%以上にすることができる。係る透過率を有するパターン化拡散層は輝度ムラをより改善することができる。
第1の実施形態における直下型バックライトにおける青色光源としては、青色LEDを使用することができる。青色LEDの使用は、高輝度及び省エネルギー化に優れることに加え、ダウンコンバージョン層での緑及び赤色光の変換効率に優れている。
第1の実施形態における直下型バックライトは、液晶ディスプレイに使用することができる。係る直下型バックライトを備える液晶ディスプレイは、高輝度で鮮明な色を表示することができる。
以下、本開示の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本開示はこれらの実施態様に限定されない。
本開示において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示において「主要面」とは、バックライトを構成する各層の青色光源側又は視認側の主要な面を意味し、各層の側面(端面)は包含しない。
本開示において「隣接する」とは、2つの層が直接接合している状態、又は接着剤等の接合手段を介して貼り合わされている状態を意味する。
本開示において、「樹脂含浸」とは、透過率又は拡散性調整用の樹脂が基材の表面から内部の少なくとも一部に浸み込んだ状態を意味し、「樹脂非含浸」とは、該樹脂が基材の表面から内部に浸み込んでいない状態を意味する。透過率又は拡散性調整用の樹脂には、各層を接合するための接着剤は包含されない。
本開示の一実施態様の直下型バックライトは、青色光源と、青色光源からの光が入射する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面を有する、光波長選択性透過反射層と、光波長選択性透過反射層の第2主要面に隣接する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有する、ダウンコンバージョン層と、を備える。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。図面の参照番号について、異なる図面において類似する番号が付された要素は、類似又は対応する要素であることを示す。
従来の直下型バックライトの断面図を図1に示し、本開示の一実施態様による直下型バックライトの断面図を図2に示す。
[青色光源]
図2で例示される本開示の直下型バックライト200に用いられる青色光源202は、基材(例えば、白色基材、反射層を備える基材などの反射性基材)上に配置され、ダウンコンバージョン層206で青色光を緑及び赤色光に変換可能なエネルギーを有する光源であればいかなるものでもよく、次のものに限定されないが、約425nm〜約485nmの波長帯域に発光中心(ピーク)波長を有する青色光を発光する光源、例えば、青色発光ダイオード(青色LED)、青色レーザー光を用いることができる。中でも、青色LEDは、高輝度及び省エネルギー化に優れることに加え、ダウンコンバージョン層での緑及び赤色光の変換効率に優れている。LEDとしては、無機LED、有機LEDなどを使用することができる。
青色光源の適用数、配置箇所などは、直下型バックライトが適用されるディスプレイのサイズ、輝度等の要求性能に応じて適宜設定することができる。本開示の直下型バックライトは、光源として青色光源が含まれていればよく、他の光源、例えば、白色光源、緑色光源、赤色光源が含まれていてもよい。
[光波長選択性透過反射層]
図1に例示されるような従来の直下型バックライト100の場合、ダウンコンバージョン層106から青色光源102側へ出射する緑色光(図中の黒色矢印)及び赤色光(図中の白抜き矢印)は、拡散層104又はキャビティ部103を経て、青色光源102から出射する光進行方向とは異方向に進行するため、色ムラ及び輝度減少の原因となっていた。特に、部分駆動(ローカルディミング)を備える液晶ディスプレイの場合には、バックライトを暗くした部分に緑及び赤色光が侵入することがあり、映像全体のコントラストを低下させる原因となっていた。異方向へ進行した緑及び赤色光は、拡散層104等で一部が吸収されて減衰するため、直下型バックライト100を出射する、青色光、緑色光及び赤色光の強度を十分に均一化することが困難であった。
図2で例示される本開示の直下型バックライト200は、青色光源202からの光が入射する第1主要面と、光が出射する当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有する光波長選択性透過反射層205を含んでいる。係る光波長選択性透過反射層205とは、青色光(図中のドット状矢印)の少なくとも一部を透過し、緑色光(図中の黒色矢印)及び赤色光(図中の白抜き矢印)の少なくとも一部を反射する性能を呈する層である。以下で説明するダウンコンバージョン層206に隣接させ、該ダウンコンバージョン層206と青色光源202との間に、光波長選択性透過反射層205を配置することによって、ダウンコンバージョン層から青色光源側へ出射する緑及び赤色光の少なくとも一部を反射させて視認側へ戻すことができるため(言い換えると、拡散層又はキャビティ部を経る緑及び赤色光の割合を低減することができるため)、例えば液晶ディスプレイ、特に、部分駆動(ローカルディミング)を備える液晶ディスプレイにおける色ムラを改善することができることに加え、直下型バックライト200を出射する、青色光、緑色光及び赤色光の強度を十分に均一化することもできる。視認側へ戻される緑及び赤色光は混ざり合うと輝度に寄与し得る黄色光を呈するため、従来の直下型バックライト100を備える液晶ディスプレイに比べて輝度を向上させることもできる。
光波長選択性透過反射層205は、ダウンコンバージョン層206又は任意の層であるパターン化拡散層204に直接配置されていてもよく、接着剤層等を介して配置されていてもよい。光波長選択性透過反射層205は、上述した性能を呈する層であればいかなるものであってもよく、次のものに限定されないが、例えば、反射対象波長の1/4の厚さの層A(例えば、反射対象波長が600nmの場合、設計膜厚は150nmとなる。)と、該層Aと同一の厚さを有するが屈折率の相違する層Bとを、交互に備える積層体などを採用することができる。交互層の積層数は、緑及び赤色光の反射性能等に応じて適宜設定することができ、次のものに限定されないが、161層以上、231層以上又は275層以上にすることができ、2001層以下又は1001層以下にすることができる。積層構成としては、例えば、緑色光を反射するように設計した層A及び層Bを有する交互積層体Gの最上層部又は最下層部に、赤色光を反射するように設計した層A及び層Bを有する交互積層体Rを直接積層してもよく、或いは、交互積層体G及び交互積層体Rを別々に作製しておき、接着剤等を介してそれらを貼り合わせた構成であってもよい。
層A及び層Bの材料としては、次のものに限定されないが、樹脂、金属(例えば、銅、アルミ、銀、鉄、珪素、チタン、亜鉛、スズ)又は該金属を含む合金、及びこれらの金属又は金属合金の酸化物、窒化物、酸窒化物若しくは炭化物からなる群から選択される少なくとも一種を使用することができる。青色光の透過性、生産性等を考慮した場合、層A及び層Bの材料としては、樹脂、及び金属又は金属合金の酸化物、窒化物若しくは酸窒化物からなる群から選択される少なくとも一種を使用することが好ましく、樹脂を使用することがより好ましい。
樹脂材料としては、次のものに限定されないが、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、エチレン単位又はプロピレン単位を有するエチレン系又はプロピレン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などを使用することができる。層A及び層Bを構成する樹脂材料は、単一の樹脂材料又は混合した樹脂材料を使用することができる。層A及び層Bの樹脂材料は同一であってもよく、異なっていてもよい。同一の樹脂材料を使用する場合には、例えば無機充填剤を配合して屈折率を調製することができる。層A及び層Bは、目的を損なわない範囲で、顔料、染料、滑剤、充填剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤などの添加剤を含むことができる。
金属、金属合金、及び金属又は金属合金の酸化物、窒化物、酸窒化物などによる積層構成は、物理気相成長法、化学気相成長法などの公知の方法を使用して形成することができ、樹脂による積層構成は、ナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、キャストコーター、ノッチバーコーター(コンマコーター)、グラビアコーター、ロッドコーター等の塗工法、多層押出し法などの公知の方法を使用して形成することができる。樹脂による積層構成は、一軸方向又は二軸方向に延伸されていてもよい。
光波長選択性透過反射層205の光学特性としては、色ムラの改善、輝度向上性等を考慮すると、波長が約380〜約520nm又は約400〜約520nmの光に対して約50%以上、約60%以上又は約70%以上の透過率を有することが好ましく、波長が約550〜約800nm又は約550〜約700nmの光に対して約30%以下、約20%以下又は約15%以下の透過率を有することが好ましく、波長が約380〜約520nm又は約400〜約520nmの光に対して約20%以下、約17%以下又は約15%以下の反射率を有することが好ましく、波長が約550〜約800nm又は約550〜約700nmの光に対して約25%以上、約27%以上又は約30%以上の反射率を有することが好ましい。青色光及び緑色光の波長範囲は、一般的に約450〜約550nm程度の範囲内で重複するが、ダウンコンバージョン層の光変換効率等を考慮すると、重複する青色光は極力透過する構成(即ち、短波長側の一部の緑色光も透過する構成)にすることが好ましい。
[ダウンコンバージョン層]
本開示の直下型バックライト200は、光波長選択性透過反射層205の第2主要面に隣接する第1主要面と、当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有する、ダウンコンバージョン層206を含んでいる。係るダウンコンバージョン層206とは、青色光を緑色光及び赤色光にダウンコンバージョン(下方変換)し得る層であり、例えば、量子ドット、蛍光染料等の蛍光体、又はこれらの両方を含み、任意にポリマーマトリクスを含む層を使用することができる。中でも、発光スペクトルの幅が狭く、色の均一性を向上させ得る観点から、量子ドットを含む層が好ましい。ポリマーマトリクスとしては、次のものに限定されないが、ホットメルト型マトリクス、エポキシなどの熱硬化型マトリクス、(メタ)アクリレートなどの放射線(例えば、紫外線、電子線)硬化型マトリクスを使用することができる。ダウンコンバージョン層の厚さとしては、約0.3μm以上、約3μm以上又は約30μm以上にすることができ、約500μm以下、約300μm以下又は約150μm以下にすることができる。ダウンコンバージョン層は、ナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、キャストコーター、ノッチバーコーター(コンマコーター)、グラビアコーター、ロッドコーター等の塗工法、押し出し成形法などの公知の方法によって形成することができる。以下に、ダウンコンバージョン層である量子ドット層の一態様を示す。
量子ドット層は、例えば、量子ドットとポリマーマトリクスとを混和し、該マトリクスを必要に応じて重合及び/又は架橋することで調製することができる。ポリマーマトリクスとしては、次のものに限定されないが、ホットメルト型マトリクス、エポキシなどの熱硬化型マトリクス、(メタ)アクリレートなどの放射線(例えば、紫外線、電子線)硬化型マトリクスを使用することができる。量子ドットは、1つ以上の量子ドットの集団を含むことができる。量子ドットは、短波長の光を吸収して長波長の光を放出する性能を有する物質であるため、青色光をダウンコンバージョン(下方変換)し、緑色光及び赤色光に二次発光することができる。量子ドット層の量子ドットとしては、例えば、CdSe/ZnS、InP/ZnS、PbSe/PbS、CdSe/CdS、CdTe/CdS又はCdTe/ZnSを含むコア/シェル型の発光性ナノクリスタルを使用することができる。例示的な実施形態では、発光性ナノクリスタルは、外部リガンドコーティング(シランカップリング剤等の変性処理による変性基など)を含み、ポリマーマトリクス中に分散されている。量子ドットは、Nanosys Inc.(Palo Alto,CA)から市販されている。光吸収後の光出力波長は量子ドットのサイズで調整することができ、外径サイズが小さいと短い波長の光を出力することができ、外径サイズが大きいと長い波長の光を出力することができる。例えば、外径の平均サイズが約3nm以上、約5nm未満の量子ドットは緑色光を出力することができ、外径の平均サイズが約5nm以上、約7nm以下の量子ドットは赤色光を出力することができる。量子ドット層における青色光の吸収能、並びに緑色光及び赤色光の二次発光強度は、量子ドットの配合量及び量子ドット層の厚さによって調整することができる。量子ドット層は、該層の総重量に基づき、量子ドットを約0.1質量%以上又は約0.5質量%以上含むことができ、約2質量%以下又は約1質量%以下含むことができる。量子ドット層の厚さとしては、上述したダウンコンバージョン層の厚さを採用することができる。
ダウンコンバージョン層は、任意選択的に、該層の片面又は両面にバリア層を直接又は接着剤等を介して配置してもよい。バリア層を備えるダウンコンバージョン層は、酸素、水蒸気等の接触を抑制することができるため、耐久性を向上させることができる。バリア層としては、無機バリア層、有機バリア層若しくはこれらの組合せであってもよく、単一層又は積層構成であってもよい。バリア層としては、公知のバリア層を採用することができるが、バリア性の観点から、無機材料を含む層が好ましく、次のものに限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物、金属酸化ホウ化物、及びこれらの組み合わせが挙げられ、具体的には、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化窒化アルミニウム、酸化窒化ケイ素、酸化窒化ホウ素、酸化ホウ化ジルコニウム、酸化ホウ化チタン、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。酸化インジウムスズ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及びこれらの組み合わせは、特に好ましい無機バリア材料である。無機バリア層は、スパッタリング(例えば、カソード又は平面マグネトロンスパッタリング)、蒸着(例えば、抵抗又は電子ビーム蒸着)、化学蒸着、プラズマ蒸着、原子層蒸着(ALD)、めっきなどのフィルム金属化技術に採用される技術を使用して形成することができる。
バリア層は、ダウンコンバージョン層に直接適用してもよく、或いは、例えば、任意にプライマー層及び/又は平滑化層を備える基材上にバリア層を適用した積層体を別途作製しておき、該積層体を接着剤等でダウンコンバージョン層に貼り合わせてもよい。
ダウンコンバージョン層は、目的を損なわない範囲で、拡散性粒子、顔料、染料、滑剤、充填剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤などの添加剤を含むことができる。
[パターン化拡散層]
図1に示されるような従来の直下型バックライト100に備わる拡散層104は、一般的に、拡散性ビーズとバインダー樹脂との混合物からなっている。この場合、拡散性ビーズとバインダー樹脂との間の屈折率差が小さいため、界面領域での光学損失が無視できず、輝度の減少をもたらしていた。また、光源102の直上部と周辺部とでは光強度は一般的に異なるが、従来の拡散層は全体が均一な拡散性を呈するため、光源上の拡散層を通過した、光源付近の光の強度と、光源から離れた付近の光の強度とが大きく相違し、それが輝度ムラの原因となることが判明した。本開示の直下型バックライト200は、光波長選択性透過反射層205の第1主要面にパターン化拡散層204をさらに備えることができる。係るパターン化拡散層204は、例えば図5に示されるような、1つ以上のパターン部(白色部)と、該パターン部以外の部分に相当する1つ以上の非パターン部(黒色部)とを備え、パターン部が非パターン部よりも高い拡散性能(低い光透過率)を有し、非パターン部がパターン部よりも低い拡散性能(高い光透過率)を有する。パターン化拡散層は、このような拡散性又は光透過性の異なる構成を備えるため、パターン部直下の光源からの入射光は、拡散性の高いパターン部によって入射光よりも光強度の弱い散乱光として分散し、一方、光源周辺部の光はパターン部に比べて光強度を弱められずにパターン化拡散層を通過するため、パターン化拡散層を出射した光源直下の散乱光と光源周辺部の散乱光との光強度を同程度にすることができるので、輝度の低下を防止しつつ、光源の輪郭の隠蔽性、輝度ムラを改善することができる。
パターン化拡散層204は、不織布、織布、編布及び多孔性基材からなる群から選択される少なくとも一種の部材を含むことができる。これらの部材を含むパターン化拡散層は、拡散性に優れるとともに、樹脂を含浸させることで低拡散性領域又は光高透過領域を容易に形成することができる。これらの部材は、厚さ方向にわたって拡散性に寄与する繊維部又は多孔質部を有するため、例えば、透明基材上に拡散性のパターン化層を数μm程度印刷した構成に比べて、拡散性に優れている。
不織布は、例えば、ウェットレイド法、カード法、メルトブロウン法、スパンボンド法、ドライレイド法、スパンボンド−メルトブロウン−スパンボンド法といった公知の方法によって得られるものを使用することができ、単一層の形態又は積層形態の不織布を使用することができる。
いくつかの実施形態では、不織布は、約50μm未満、約25μm以下、又は約1〜約25μmの範囲、若しくは約10〜約25μmの範囲の繊維直径を有することができる。いくつかの実施形態では、不織布は、約5を超える長さ/直径の繊維アスペクト比を有することができる。いくつかの実施形態では、不織布は、約10〜約200g/m、又は約20〜約150g/mの範囲の坪量を有することができる。いくつかの実施形態では、不織布は、約0.1g/cm以上、約0.15g/cm以上、又は約0.2g/cm以上の密度を有することができる。
不織布の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、及びポリフェニレンスルフィドなどのエンジニアリングプラスチックス、ナイロン(ポリアミド樹脂)、ガラス繊維などを使用することができる。
ここでいう織布/編布としては、それぞれ複数の繊維が二方向以上に配向した二軸織布/編布、三軸織布/編布等の多軸織布/編布などを使用することができる。構成する繊維は、モノフィラメント及びマルチフィラメントのいずれであってもよい。繊維の材料としては、不織布の材料と同一の材料を使用することができる。織布/編布は、約10〜約200g/m、又は約20〜約150g/mの範囲の坪量を有することができる。
ここでいう多孔性基材とは、不織布、織布、編布以外の多孔性基材を意図し、例えば、ポリマー成分及び希釈剤成分を含む混合物をフィルム化し、該希釈剤成分を加熱除去して得られるフィルム、又はポリマー成分及び発泡剤を含む混合物をフィルム化し、発泡させて得られるフィルムなどを使用することができ、紙製のあぶらとり紙、マイクロポーラスを含む樹脂製のあぶらとりフィルムなども使用することができる。多孔性基材の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、及びポリフェニレンスルフィドなどのエンジニアリングプラスチックス、ナイロン(ポリアミド樹脂);酸化ケイ素等の無機系材料;クラフトパルプ、古紙等の紙材料などを使用することができる。多孔性基材の厚さとしては、約10μm以上又は約30μm以上、約1000μm以下又は約500μm以下にすることができる。
パターン化拡散層のパターン部は、光源の配置箇所と対応し、樹脂非含浸部を含み、パターン部以外の部分(非パターン部)は樹脂含浸部を含むことができる。例えば、パターン化拡散層の構成部材として不織布を使用した場合、樹脂非含浸部は、不織布を構成する繊維と空隙とによって入射光を反射及び散乱させる性能が高く、一方、樹脂含浸部は、空隙に樹脂が充填されるため、樹脂の含浸量に応じて、反射及び散乱させる性能が低下し、入射光の透過性能が高まる。光源(特にLED)は、光源直上部の光強度が高く、光源周辺部の光強度が低いため、係る構成でパターン部及び非パターン部を形成することで、光源の輪郭の隠蔽性及び輝度ムラをより改善することができる。
パターン部の形状は、円形状、楕円状、三角形状、四角形状、五角形状等の多角形状など種々の形状を採用することができる。パターン部と非パターン部とは明確な境界を有していてもよく、明確な境界を有してなくてもよい。例えば、パターン部の中心付近から周辺付近にかけて徐々に樹脂含浸(充填)量を変化させて諧調を有するパターン部とすることで、明確な境界を有さないパターン部及び非パターン部を形成することができる。この場合、最大の諧調率の箇所でパターン部及び非パターン部を区別することができる。例えば、下記の実施例に例示されるパターン部は、白抜き円形状の中心から外側にかけて、0%〜92%の諧調がかかっているため(図5)、最大の諧調率である92%の箇所で、パターン部及び非パターン部を区別することができる。
パターン化拡散層を構成する不織布等の部材に含浸させ得る樹脂としては、該部材に浸透し、拡散層の透過率又は拡散性を調整し得る樹脂であれば如何なるものでもよく、次のものに限定されないが、ホットメルト型樹脂、エポキシなどの熱硬化型樹脂、(メタ)アクリレートなどの放射線(例えば、紫外線、電子線)硬化型樹脂などを使用することができる。拡散層の透過率向上等の観点から、該樹脂は、パターン化拡散層に使用される部材を構成する材料と同一又は類似の屈折率を有することが好ましく、上述した、不織布、織布、編布及び多孔性基材で使用した同一の樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、及びポリフェニレンスルフィドなどのエンジニアリングプラスチックス、ナイロン(ポリアミド樹脂)などを使用することができる。不織布等の各種部材への樹脂の含浸性は、固形分、粘度等を調整して制御することができる。含浸用の樹脂には、目的を損なわない範囲で、拡散性粒子、顔料、染料、滑剤、充填剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤などの添加剤を含むことができる。
パターン化拡散層のパターン部及び非パターン部は、スクリーン印刷法、パターン状のマスクを使用したコーティング法、インクジェット印刷法などの公知の印刷法を使用して形成することができる。
本開示のパターン化拡散層は、パターン部及び非パターン部で光拡散性及び光透過性が各々相違している。この相違を、例えば、相対全光線透過率(%)によって評価することができる。相対全光線透過率とは、樹脂を含浸していない部分(例えば、パターン部形成前の拡散層)の全光線透過率に対する、樹脂を含浸した部分の全光線透過率の割合として定義できる。相対全光線透過率は、樹脂の含浸量の増加に伴い増加する傾向にある。輝度ムラの改善を考慮すると、2つの光源間の半分の位置におけるパターン化拡散層の相対全光線透過率が、約105%以上、約106%以上又は約107%以上であることが好ましく、2つの光源間の1/4の位置におけるパターン化拡散層の相対全光線透過率が、約104%以上、約105%以上又は約106%以上であることが好ましい。ここで、2つの光源間の半分の位置とは、例えば図3に示されるような構成の場合には、光源の配置箇所を示す1の中心点から3の中心点との間の2のクロス部分の位置(1つの光源の中心点から45mmの位置)であり、2つの光源間の1/4の位置とは、1の中心点から2のクロス部分との間の半分の位置(1つの光源の中心点から22.5mmの位置)を意味する。
本開示のパターン化拡散層は、輝度の低下を防止しつつ、光源の輪郭の隠蔽性及び輝度ムラを改善することができる性能を有するため、青色光源に限らず、種々の光源に対しても適用することができる。即ち、ダウンコンバージョン層又は光波長選択性透過反射層を備えない構成の直下型バックライトなどに対してもパターン化拡散層を使用することができる。或いは、例えば、白色LEDを備える照明器具に対しても本開示のパターン化拡散層を適用することは有効である。以下に、パターン化拡散層を使用した別の実施形態を記載する。
第2の実施形態における直下型バックライト又は照明は、光源と、パターン化拡散層であって、光源からの光が入射する第1主要面と、当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有するパターン化拡散層とを備えることができる。
第2の実施形態における直下型バックライト又は照明は、パターン化拡散層の第2主要面上に光リサイクル層をさらに備えることができる。光リサイクル層としては、以下に示す光リサイクル層と同一のものを使用することができる。
第2の実施形態における直下型バックライト又は照明は、光リサイクル層とパターン化拡散層との間にダウンコンバージョン層をさらに備えることができる。ダウンコンバージョン層としては、上述したダウンコンバージョン層と同一のものを使用することができる。
第2の実施形態における直下型バックライト又は照明の光源としては、白色光源(特に白色LED)及び青色光源(特に青色LED)からなる群から選択される少なくとも一種を使用することができる。
第2の実施形態における直下型バックライトは、液晶ディスプレイに使用することができる。
[光リサイクル層]
本開示の直下型バックライト200は、ダウンコンバージョン層の第2主要面に光リサイクル層(208、210)をさらに備えることができ、該光リサイクル層上に、透明パネル212を積層することができる。光リサイクル層とは、入射光の一部分をリサイクル又は反射し、入射光の一部分を透過させる光学要素を指し、光リサイクル層は、入射光の少なくとも約30%、少なくとも約40%、又は少なくとも約50%をリサイクル又は反射することができる。光リサイクル層を直下型バックライトに適用すると、輝度を向上させることができる。光リサイクル層でリサイクルされた光は、ダウンコンバージョン層に再度入射し、緑及び赤色光に変換されるが、本開示の直下型バックライトは、ダウンコンバージョン層の下層に光波長選択性透過反射層を備えるため、このような緑及び赤色光が発生しても、係る光の少なくとも一部を該光波長選択性透過反射層で反射させて視認側に再度戻すことができる。その結果、本開示の直下型バックライトは、光リサイクル層を採用したとしても、光波長選択性透過反射層を所定の位置に適用していない従来の直下型バックライトに比べて、色ムラなく、輝度を向上させることができる。光リサイクル層としては、例えば微細構造化層208及び反射性偏光子層210からなる群から選択される少なくとも一種を使用することができ、光リサイクル効果、色ムラ等の観点から、微細構造化層208及び反射性偏光子層210を併用することが好ましい。
微細構造化層208とは、微細構造トポグラフィーを備える層であり、反射及び屈折を通じて光の向きを変えることができる層である。微細構造化層208は、入射した光を視認者側に集光させることができるため、バックライトの輝度を向上させることができ、視野角外の利用されない光を再反射によってリサイクルし、最適な角度で視認者側に集光させることもできる。微細構造化層208は、例えば基材層と微細構造トポグラフィーとを備えており、これらは同一材料又は異種材料で構成されてもよい。同一材料の微細構造化層208は、例えば、溶融された熱可塑性樹脂を押し出すことによって得ることができる。異種材料の微細構造化層208は、例えば、ポリエステル等の樹脂基材上に、(メタ)アクリル樹脂等よりなる微細構造トポグラフィーパターンを積層することにより得ることができる。微細構造トポグラフィーは、例えば、複数のプリズム形状を採用することができる。複数のプリズム形状としては、例えば、微細構造化層を上面から見たときの一辺をx方向、該x方向と直行する方向をy方向とした場合に、例えばy方向に延びる線状のプリズムがx方向に複数配列した構造(以下、「線状プリズムアレイ」という場合がある。)を採用することができる。輝度向上、色ムラ改善等の観点から、係る線状プリズムアレイを備える微細構造化層は二層使用することが好ましく、この場合、線状プリズムアレイが直交するように各層を配置することが好ましい。プリズムの高さ(例えば図2の微細構造化層208の場合、三角断面部の底辺から頂点までの距離)は、約1μm以上、約75μm以下の範囲にすることができる。プリズムの頂角は、約70°以上又は約80°以上、約120°以下又は約100°以下の範囲にすることができ、約90°であることが好ましい。プリズムの頂部は、先鋭形、丸形、平坦形、又は切頭形などにすることができる。丸形プリズムの頂角は、面(例えばフラット面)の交差により近似することが可能である。プリズム面は同一である必要はなく、プリズムは互いに傾いていてもよい。プリズムアレイのプリズムの高さは、実質的に同一であっても異なっていてもよい。プリズムの高さと微細構造化層の全厚さとの比は、25/125〜2/125の範囲にすることができる。微細構造化層としては、例えば、スリーエムジャパン株式会社製のBEFシリーズの輝度上昇フィルムなどを使用することができる。
微細構造化層が光を再方向付けするように機能するのであれば、微細構造トポグラフィーは、種々の、ピッチ、交差するチャネル、及び/又はプリズム角を有していてもよい。例えば、微細構造トポグラフィーは、米国特許第6,322,236号明細書に記載されるような疑似ランダムプリズム起伏を有するものであってもよい。微細構造トポグラフィーは、4つ以上の面を有していてもよく、ピラミッドのような形状を有していてもよい。微細構造トポグラフィーを構成する面は、曲面であってもよく及び/又は他の非三角形状を有していてもよい。微細構造トポグラフィーは、非プリズム状であってもよい。
反射性偏光子層210とは、単一の偏光状態の光を透過させ、残りの光を反射する層である。例えば、P波の光を透過させ、S波の光を反射させる反射性偏光子層は、該層に入射したS波を反射させてリサイクルし、リサイクルした光のうちP波に変化した光は反射性偏光子層を透過できる。その結果、反射性偏光子層がない構成に比べて、P波をより多く出力することができるため、輝度を向上させることができる。反射性偏光子層としては、例えば、複屈折反射性偏光子層、ファイバー偏光子層及びコリメート多層反射体が挙げられる。複屈折反射性偏光子層は、例えば、共押出により、第1の材料の第1の層が第2の材料の第2の層の上に配置されている多層光学積層体を含む。第1の材料及び第2の材料の一方又は両方が複屈折性のものであってよい。層の総数は、数十、数百、数千、又はそれ以上であり得る。いくつかの代表的な実施形態では、隣接する第1の層及び第2の層を光学的繰り返し単位と呼ぶ場合がある。本開示の実施形態に使用され得る反射性偏光子層は、例えば、米国特許第5,882,774号、同第6,498,683号、同第5,808,794号に記載されている。
例えば、多層光学フィルム(MOF)型反射性偏光子層、連続/分散相型反射性偏光子層のような拡散反射性偏光フィルム(DRPF)、ワイヤグリッド型反射性偏光子層、又はコレステリック型反射性偏光子層を、反射性偏光子層として使用してもよい。
MOF及び連続/分散相型反射性偏光子層の双方は、通常、高分子材料間の屈折率の差に依存する、少なくとも2つの材料から構成され、直交に偏光した状態の光を透過させながら、選択的に1つの偏光状態の光を反射することができる。MOF型反射性偏光子層の例としては、米国特許第5,882,774号などに記載されている。MOF型反射性偏光子は、例えば、スリーエムジャパン株式会社製のDBEFシリーズの輝度上昇フィルム(DBEF−D2−400、DBEF−D4−400等)を使用することができる。
一実施形態において、コリメート型多層光学フィルム(CMOF)を反射性偏光子層として使用することもできる。該CMOFは、例えば、2011年10月20出願の米国特許仮出願第61/549,588号に記載されている。
拡散反射性偏光フィルム(DRPF)としては、例えば、米国特許第5,825,543号に記載された連続/分散相反射性偏光子、米国特許第5,867,316号に記載された拡散反射性多層偏光子が挙げられる。他のタイプのDRPFは、例えば、米国特許第5,751,388号に記載されている。
ワイヤグリッド型偏光子としては、例えば、米国特許第6,122,103号に記載されたものが挙げられる。ワイヤグリッド偏光子は、例えば、Moxtek Inc.,Orem,Utahから市販されている。
コレステリック型偏光子層としては、例えば、米国特許第5,793,456号及び米国特許公開第2002/0159019号に記載されたものが挙げられる。コレステリック型偏光子層は、コレステリック型偏光子層を透過した光が直線偏光に変換されるように、一般的に、出力側に1/4波長リタデーション層と共に提供されることが多い。
複屈折反射性偏光子層を、反射性偏光子層として使用することができる。複屈折反射性偏光子層では、第1の層の屈折率(n1x、n1y、n1z)及び第2の層の屈折率(n2x、n2y、n2z)は、面内の軸(Y軸)に沿って実質的に一致しており、面内の別の軸(X軸)に沿っては実質的に一致していない。一致している方向(Y)は、複屈折反射性偏光子層の透過(通過)軸又は状態を形成するため、その方向に沿って偏光された光は選択的に透過される。一致していない方向(X)は、複屈折反射性偏光子層の反射(遮断)軸を形成するため、その方向に沿って偏光された光は選択的に反射される。一般的に、反射方向に沿った屈折率のずれが大きく、透過方向において屈折率がよく一致しているほど、複屈折反射性偏光子層の性能は高くなる。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本開示はこれに限定されるものではない。
本実施例で使用した商品などを以下の表1に示す。
Figure 0006966225
(光波長選択性透過反射層:BP−MOF)
ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)を用い、共押出プロセスを介して逐次平面フィルム製造ラインで550層の共押出し多層ポリマーフィルムを製造した。該製造方法では、フィードブロック法(例えば、米国特許第3,801,429号によって記載されたものなど)を用いて550層作製し、それを水冷キャスティングホイール上に共押出し、逐次長さ配向装置(長さオリエンター:LO)およびテンター装置によって連続的に配向させた。一つの押出機によってポリエチレンナフタレート(PEN)をフィードブロックに送出し、もう一つの押出機によってPMMAをフィードブロックに送出した。これらの溶融物の流れをフィードブロックに通すことによって、保護境界層(PBL)として機能するPENの二つの外層を伴った光学層であるPENとPMMAの550層の交互層を作製した。この製造方法では、PMMA溶融プロセス装置を約249℃に維持し、PEN溶融プロセス装置を約290℃に維持し、フィードブロック、表皮層モジュールおよびダイも約290℃に維持した。
最も厚い層対最も薄い層の比を約1.72:1として、層厚さにおける適切な直線勾配をフィードブロックに対して材料ごとに設計した。フィードブロックに関し、最も厚い層を製造するフィードブロックの部分を約274℃に加熱しつつ、最も薄い層を製造するフィードブロックの部分を約304℃に加熱した。中間部分をこれらの両極値の間の温度で加熱した。
前記プロセスの後、第3の押出機で、固有粘度(IV)0.56dl/gのPENおよび固有粘度(IV)0.48dl/gのPENの50/50混合物を(光学層の流れの両側に同じ厚さで)表皮層として送り出した。この方法によって、表皮層は光学層より小さい粘度となり、共押出層の溶融物の安定な層流が生じた。その後、材料流れをフィルムダイに通し、約7℃の入口水温を用いる水冷キャスティングホイール上に通した。
キャストされたウェブ(フィルム)を、約130℃において約3.8:1の延伸比で長さ方向に配向した。テンターにおいては、延伸前にフィルムを約9秒間、約138℃に予熱し、次いで、1秒あたり約60%の割合で、約5:1の延伸比に約140℃で横方向に延伸した。得られたフィルム(光波長選択性透過反射層:BP−MOF)は、約0.07mmの厚さを有しており、また、波長380〜520nmの光に対して約70〜約85%の透過率及び約15%以下の反射率を有し、波長550〜800nmの光に対して約12%以下の透過率及び約25〜約30%の反射率を有していた。なお、透過率及び絶対反射率の測定には、日本分光株式会社製の分光光度計 V−650/ARMV−734を使用した。図26に両測定方法の測定原理を示す。
(パターン化拡散層:P−EFD)
サイズ225mm×295mmのEFD−D2−85を用意し、下記の樹脂含浸手段を採用して、図3の上方に示されるような構成(図3中の2、4の円形部は1と3の中間地点を示すものであり、パターン部ではない。)のパターン化拡散層を作製した(以下、「P−EFD」と呼ぶ場合がある。)。パターン部を、光源の真上に配置されるように6箇所形成し、かつ、図5に示されるような0%〜92%の諧調率で形成した。得られたパターン化拡散層の2つの光源間の半分の位置(図3の2又は4の位置)における相対全光線透過率は113.0%であり、2つの光源間の1/4の位置(図3の例えば1及び2の半分の位置)における相対全光線透過率は110.5%であった。
樹脂含浸手段
樹脂含浸法:UVインクジェットプリンターによる印刷法
印刷装置 :UFJ−3042FX(株式会社ミマキエンジニアリング製)
印刷インク:LH−100クリアインク
RIPソフトウェア:Raster LinkPro5 UL
カラーテーブル:UV−PET v3.1
解像度 :720×600VD
印刷条件 :8パス
(直下型バックライト用光学積層体)
<例1>
EFD−D2−85上に、BP−MOF、QDEF−360a、BEF−4 GT及びDBEF D4−400を順に積層して、直下型バックライト用光学積層体を作製した。
<比較例1>
BP−MOFを積層しなかったこと以外は、例1と同様の方法で直下型バックライト用光学積層体を作製した。
<例2>
EFD−D2−85上に、BP−MOF及びQDEF−360aを順に積層し、さらに、線状プリズムアレイが各々直交するように2枚のBEF−4 GTを積層して、直下型バックライト用光学積層体を作製した。
<比較例2>
BP−MOFを積層しなかったこと以外は、例2と同様の方法で直下型バックライト用光学積層体を作製した。
<例3>
EFD−D2−85上に、BP−MOF及びQDEF−360aを順に積層し、さらに、線状プリズムアレイが各々直交するように2枚のBEF−4 GTを積層した後、DBEF D4−400を積層して、直下型バックライト用光学積層体を作製した。
<比較例3>
BP−MOFを積層しなかったこと以外は、例3と同様の方法で直下型バックライト用光学積層体を作製した。
<例4>
P−EFD上に、BP−MOF及びQDEF−360aを順に積層して、直下型バックライト用光学積層体を作製した。
<例5>
図7に示されるような諧調率が0%〜50%のP−EFDを使用したこと以外は、例4と同様の方法で直下型バックライト用光学積層体を作製した。
<例6>
図8に示されるような諧調率が0%〜30%のP−EFDを使用したこと以外は、例4と同様の方法で直下型バックライト用光学積層体を作製した。
<例7>
P−EFDをEFD−D2−85に変更した以外は、例4と同様の方法で直下型バックライト用光学積層体を作製した。
例1〜例7及び比較例1〜比較例3の直下型バックライト用光学積層体について行った以下に示す光学試験の結果を表2〜表3、及び図10〜図15に示す。
(光学試験)
図3に示すような構成で、反射材303(白色PETフィルム)を適用した容器内に、青色LEDを、1、3、5の位置に2つずつ計6箇所配置した。容器上に厚さ2mmの透明板307(アクリル板)を置き、その上に直下型バックライト用光学積層体320を配置し、光学試験用のサンプルを作製した。図4に示すように、直下型バックライト用光学積層体420の上方において、図3の3の位置に配列している2つの青色LEDの略中間位置にカメラレンズを配置するとともに、全ての青色LEDが視野角内に入るように2次元色彩輝度計450(CA−2500、コニカミノルタ株式会社製)を配置した。6.1V、150mAの条件で青色LEDを発光させ、2次元色彩輝度計450で、中心輝度値、平均輝度値、CIEx及びCIEyの値を測定した。
ここで、図10〜図15のx軸の数値は、図3の1〜5の位置(以下、「観測点」という場合がある。)を意味しており、図10〜図12のy軸の値は、輝度値(cd/m)であり、図13のy軸の数値はCIExの値であり、図14のy軸に示される数値はCIEyの値であり、図15のy軸の数値は、図3の観測点3(中心点)で正規化した相対輝度の値、即ち、観測点3の輝度に対する各観測点の輝度の割合(百分率)である。表2及び表3における、中心輝度値又は平均輝度値の相対輝度とは、比較例の中心輝度値又は平均輝度値に対しての割合(百分率)であり、値が100%よりも大きくなるほど比較例の構成よりも輝度が上昇していることを意味する。CIEx及びCIEyにおける標準偏差の値は低い方が、色ムラが少ないことを意味する。
Figure 0006966225
Figure 0006966225
表2〜表3、及び図10〜図12から分かるように、光波長選択性透過反射層(BP−MOF)を配置することによって輝度が大幅に向上していることが分かる。光リサイクル層である、2枚のBEF−4 GT(微細構造化層)及びDBEF D4−400(反射性偏光子層)を配置した例3の構成がより輝度を向上させ得ることが分かった。表3の結果から、CIEyの標準偏差の値に関しては同程度の性能であったが、CIExの標準偏差の値に関しては例3の方が比較例3に比べて低い値を示しており、光波長選択性透過反射層(BP−MOF)を積層することによって、色ムラも改善できていることが確認された。色ムラの改善に関しては、図13のグラフの波形からも確認することができる。即ち、例3の波形の方が比較例3の波形よりもなだらかになっている。図15において、例4及び例5のグラフ形状の方が、例6及び例7のグラフ形状に比べてなだらかになっていることから(特に、観測点2及び4の付近)、輝度ムラ(輝度のばらつき)の観点では、パターン化拡散層(P−EFD)の配置、特に、0%〜30%よりも高い諧調率を有するパターン化拡散層の配置、下記表4の結果に基づき言い換えれば、2つの光源間の半分の位置における相対全光線透過率が104.2%よりも高い、又は2つの光源間の1/4の位置における相対全光線透過率が103.4%よりも高いパターン化拡散層の配置によって輝度ムラが改善されることが確認できた。
(輝度ムラ評価試験用パターン化拡散層サンプル)
サイズ420mm×300mmのEFD−D2−85を用意し、下記の樹脂含浸手段を採用して、図5〜図9に示される諧調率のパターン部を備えるパターン化拡散層サンプル(例8〜例10及び比較例5、6)を各々作製した。図5のパターン化拡散層(例8)は、白抜き円形状の中心から外側にかけて、0%〜92%の諧調がかかっているパターン部を有し、図6のパターン化拡散層(例9)は、白抜き円形状の中心から外側にかけて、0%〜70%の諧調がかかっているパターン部を有し、図7(例10)のパターン化拡散層は、白抜き円形状の中心から外側にかけて、0%〜50%の諧調がかかっているパターン部を有し、図8のパターン化拡散層(比較例4)は、白抜き円形状の中心から外側にかけて、0%〜30%の諧調がかかっているパターン部を有し、図9のパターン化拡散層(比較例5)は、白抜き円形状の中心から外側にかけて、0%〜15%の諧調がかかっているパターン部を有している。ここで、パターン部は光源の真上に配置されるように10箇所形成した。パターン部を有さない拡散層サンプルとして、EFD−D2−85を採用した(比較例6)。
樹脂含浸手段
樹脂含浸法:UVインクジェットプリンターによる印刷法
印刷装置 :UFJ−3042FX(株式会社ミマキエンジニアリング製)
印刷インク:LH−100クリアインク
RIPソフトウェア:Raster LinkPro5 UL
カラーテーブル:UV−PET v3.1
解像度 :720×600VD
印刷条件 :8パス
(パターン化拡散層の輝度ムラ評価試験)
図16及び図17に示されるような構成で、反射材(白色PETフィルム)を適用した容器503内に白色LED502を計10箇所配置した。図18に示されるように、容器に厚さ3mmの透明板607(アクリル板)を置き、その上にパターン化拡散層サンプル620(例8〜例10並びに比較例4及び5)又はEFD−D2−85(比較例6)を配置し、さらに、パターン部が隠蔽されないように黒色層610を適用した厚さ3mmの透明板607(アクリル板)を配置して、輝度ムラ評価試験のサンプルを作製した。図18に示すように、パターン化拡散層サンプル620の上方において、図17の容器の略中心部(点線のクロス部)にカメラレンズを配置するとともに、全ての白色LED602が視野角内に入るように2次元色彩輝度計650(CA−2000、コニカミノルタ株式会社製)を配置した。14.62V、0.7Aの条件で白色LEDを発光させ(但し、図17の上段左から2番目の白色LEDが切れていたため、この白色LEDは発光しなかった。)、2次元色彩輝度計650で輝度分布を測定した。これらのパターン化拡散層サンプルのうち、図5に示した諧調率0%〜92%のサンプル(例8)及び比較例6の輝度分布に関する画像写真を図19に示し、輝度分布の測定箇所、並びに輝度分布に関する画像写真及びその輝度分布の測定結果に関するグラフを図20〜図25に示した。ここで、図21〜図24の(b)における各グラフ内の太実線は、図20の画像写真で例示されるような最上部のライン(「上部LED列」という場合がある。)における輝度値の推移を示しており、点線は、図20の画像写真の中間ラインにおける輝度値の推移を示しており、細実線は、図20の画像写真の最下部のライン(「下部LED列」という場合がある。)における輝度値の推移を示しており、図21〜図24の(b)の各グラフは、図21〜図24の(a)の画像写真の結果に各々対応している。図25は、図21〜図24の(b)の各グラフにおける上部LED列の結果をまとめたグラフである。
図19から分かるように、比較例6の方は白色LEDの輪郭が確認できるのに対し、例8の方は白色LEDの輪郭が確認できなくなっていることから、パターン化拡散層を積層することで、光源の輪郭の隠蔽性、輝度ムラを改善できていることが分かった。隠蔽性、輝度ムラの改善に関しては、図25のグラフからも確認することができ、比較例6のグラフに比べて例8〜例10のグラフの方が、輝度の変動(ばらつき)が緩和されていることが確認された(特に、LEDが正常に点灯している230mm以降のグラフ部分。)。この輝度ムラの改善効果は、パターン部の諧調率が高くなる、即ち、樹脂の含浸量が多くなり相対全光線透過率が高くなるほど、その傾向も高まることが判明した。例えば、例8〜例10並びに比較例4及び5のパターン化拡散層を比較した場合には、最大諧調率が50%以上、即ち、2つの光源間の半分の位置における相対全光線透過率が104.2%よりも高い、又は2つの光源間の1/4の位置における相対全光線透過率が103.4%よりも高い例8〜例10のパターン化拡散層の方が、輝度ムラがより改善できることが分かった。ここで、例8〜例10並びに比較例4及び5のパターン化拡散層における相対全光線透過率の値を表4に示す。
Figure 0006966225
100、200 直下型バックライト
102、202、302 青色光源
103、203 キャビティ部
104 拡散層
106、206 ダウンコンバージョン層
108、208 光リサイクル層(微細構造化層)
110、210 光リサイクル層(反射性偏光子層)
112、212 透明パネル
120、220、320、420 直下型バックライト用光学積層体
204 パターン化拡散層
205 光波長選択性透過反射層
303、403 反射材
307、407、607 透明板
450、650 2次元色彩輝度計
502、602 白色光源
610 黒色層
503 反射材を備える容器
620 パターン化拡散層サンプル
本開示の実施態様の一部を以下の[項目1]−[項目10]に記載する。
[項目1]
青色光源と、
光波長選択性透過反射層であって、前記青色光源からの光が入射する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面を有する、光波長選択性透過反射層と、
ダウンコンバージョン層であって、前記光波長選択性透過反射層の第2主要面に隣接する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有する、ダウンコンバージョン層と、を備える、直下型バックライト。
[項目2]
前記ダウンコンバージョン層の第2主要面に光リサイクル層をさらに備える、及び/又は前記光波長選択性透過反射層の第1主要面にパターン化拡散層をさらに備える、項目1に記載の直下型バックライト。
[項目3]
前記ダウンコンバージョン層が量子ドット層である、項目1又は2に記載の直下型バックライト。
[項目4]
前記光波長選択性透過反射層は、波長が380〜520nmの光に対して50%以上の透過率、及び波長が550〜800nmの光に対して30%以下の透過率を有し、並びに波長が380〜520nmの光に対して20%以下の反射率、及び波長が550〜800nmの光に対して25%以上の反射率を有する、項目1〜3の何れか一項に記載の直下型バックライト。
[項目5]
前記光リサイクル層が、反射性偏光子層及び微細構造化層からなる群から選択される少なくとも一種である、項目2〜4の何れか一項に記載の直下型バックライト。
[項目6]
前記パターン化拡散層が、不織布、織布、編布及び多孔性基材からなる群から選択される少なくとも一種を含む、項目2〜5の何れか一項に記載の直下型バックライト。
[項目7]
前記パターン化拡散層のパターン部が、前記青色光源の配置箇所と対応し、樹脂非含浸部を含み、
前記パターン部以外の部分が樹脂含浸部を含む、項目2〜6の何れか一項に記載の直下型バックライト。
[項目8]
光源間の半分の位置における前記パターン化拡散層の相対全光線透過率が、105%以上である、項目2〜7の何れか一項に記載の直下型バックライト。
[項目9]
前記青色光源が青色LEDである、項目1〜8の何れか一項に記載の直下型バックライト。
[項目10]
項目1〜9の何れか一項に記載の直下型バックライトを備える液晶ディスプレイ。

Claims (9)

  1. 青色光源と、
    光波長選択性透過反射層であって、前記青色光源からの光が入射する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面を有する、光波長選択性透過反射層と、
    ダウンコンバージョン層であって、前記光波長選択性透過反射層の第2主要面に隣接する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有する、ダウンコンバージョン層と、を備え
    前記光波長選択性透過反射層は、波長が380〜520nmの光に対して50%以上の透過率、及び波長が550〜800nmの光に対して30%以下の透過率を有し、並びに波長が380〜520nmの光に対して20%以下の反射率、及び波長が550〜800nmの光に対して25%以上の反射率を有する、直下型バックライト。
  2. 青色光源と、
    光波長選択性透過反射層であって、前記青色光源からの光が入射する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面を有する、光波長選択性透過反射層と、
    ダウンコンバージョン層であって、前記光波長選択性透過反射層の第2主要面に隣接する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有する、ダウンコンバージョン層と、
    前記光波長選択性透過反射層の第1主要面にパターン化拡散層とを備え、
    前記パターン化拡散層のパターン部が、前記青色光源の配置箇所と対応し、樹脂非含浸部を含み、
    前記パターン部以外の部分が樹脂含浸部を含む、直下型バックライト。
  3. 青色光源と、
    光波長選択性透過反射層であって、前記青色光源からの光が入射する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面を有する、光波長選択性透過反射層と、
    ダウンコンバージョン層であって、前記光波長選択性透過反射層の第2主要面に隣接する第1主要面、及び当該第1主要面の反対側に位置する第2主要面とを有する、ダウンコンバージョン層と、
    前記光波長選択性透過反射層の第1主要面にパターン化拡散層とを備え、
    光源間の半分の位置における前記パターン化拡散層の相対全光線透過率が、105%以上である、直下型バックライト。
  4. 前記ダウンコンバージョン層の第2主要面に光リサイクル層を備える、及び/又は前記光波長選択性透過反射層の第1主要面にパターン化拡散層を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の直下型バックライト。
  5. 前記ダウンコンバージョン層が量子ドット層である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の直下型バックライト。
  6. 前記ダウンコンバージョン層の第2主要面に光リサイクル層を備え、前記光リサイクル層が、反射性偏光子層及び微細構造化層からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項の何れか一項に記載の直下型バックライト。
  7. 前記光波長選択性透過反射層の第1主要面にパターン化拡散層を備え、前記パターン化拡散層が、不織布、織布、編布及び多孔性基材からなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項の何れか一項に記載の直下型バックライト。
  8. 前記青色光源が青色LEDである、請求項1〜の何れか一項に記載の直下型バックライト。
  9. 請求項1〜の何れか一項に記載の直下型バックライトを備える液晶ディスプレイ。
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