JP6965171B2 - 骨手術用トライアル - Google Patents

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Description

本発明は、骨の切開部分に人工骨を補填する手術に用いられる骨手術用トライアルに関するものである。
従来、変形性膝関節症の治療において、脛骨に対して高位脛骨骨切り術(HTO:High Tibial Osteotomy )等の骨切り術を施し、骨の角度を改善する外科手術が行われている。具体的には、骨切り術によって脛骨の内側に切り込みを入れ、その切開部分を広げることにより、O脚がX脚になるように脛骨の角度を調整する。その結果、膝の内側に掛かりすぎている荷重を外側に移動させることが可能となる。なお、骨切り術によって生じた切開部分には、通常、楔状の人工骨が挿入されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。このため、人工骨によって脛骨に掛かる荷重を支えることができる。
ところで、上述の切開部分に人工骨を挿入しようとしても、どの程度の大きさの人工骨を挿入すべきかが分からない場合がある。そこで、従来では、互いに大きさや外形が異なる複数種類の人工骨トライアルを準備しておき、準備した複数種類の人工骨トライアルを切開部分に対して順次挿入することにより、挿入した人工骨トライアルが切開部分の形状に合うか否かを確認する作業を行っている。そして、切開部分の形状に合う人工骨トライアルが見つかった場合に、その人工骨トライアルと同じ大きさの人工骨を切開部分に挿入すれば、人工骨によって切開部分を確実に埋めることができる。
特開2016−165441号公報(図1等)
なお、切開部分に挿入した人工骨トライアルの位置は、人工骨トライアルにX線を照射することにより確認される。ところが、人工骨トライアルは、通常、ステンレス(SUS)等の金属材料によって人工骨と同じ厚さに形成されるため、X線を殆ど透過せず、X線画像上にて真っ黒に映ってしまう。この場合、人工骨トライアルの位置自体はX線画像で確認できるものの、脛骨の前後方向への人工骨トライアルのズレは、X線画像を見ても確認できないという問題がある。また、人工骨トライアルを人工骨と並べて挿入した場合には、人工骨トライアルの像と人工骨の像とが重なり合うため、人工骨の位置を確認できない可能性がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、骨の切開部分に挿入した際に骨の前後方向へのズレを検知でき、かつ、切開部分に人工骨と並べて挿入した際に人工骨の位置を検知することが可能な骨手術用トライアルを提供することにある。
上記課題を解決するための手段(手段1)としては、骨の切開部分に挿入される先端部と、前記先端部の反対側に位置する基端部とを有するトライアル本体を備えた骨手術用トライアルであって、前記トライアル本体は、幅方向から見たときにX線透過率が異なる部位を有することを特徴とする骨手術用トライアルがある。
従って、上記手段1に記載の発明では、トライアル本体が、幅方向から見たときにX線透過率が異なる部位を有している。この場合、切開部分に挿入した骨手術用トライアルに骨の前後方向へのズレが生じると、X線画像に映る「X線透過率が異なる部位」が、ズレが生じていないときよりも幅広に変化する。そして、この変化を確認することにより、骨手術用トライアルのズレを検知することができる。また、X線は、トライアル本体における「X線透過率が異なる部位」または「それ以外の部位」を透過するようになる。よって、骨手術用トライアルを人工骨と並べて挿入した際においても、人工骨が「X線透過率が異なる部位」または「それ以外の部位」を介してX線画像に確実に映るようになるため、人工骨の位置を確実に検知することができる。
なお、トライアル本体の形状は特に限定される訳ではないが、例えば、トライアル本体は、先端部に近付くに従って高さ方向における長さが小さくなる先細り形状(いわゆる「楔状」)をなすことが好ましい。なお、切開部分は広げられることにより楔状となるため、切開部分に先細り形状のトライアル本体を挿入すれば、トライアル本体の上面及び下面を、切開部分の内面に対してほぼ隙間なく接触させることができる。よって、トライアル本体のズレを確実に防止することができる。
また、トライアル本体は、X線を相対的に透過しやすい易透過部と、X線を相対的に透過しにくい難透過部とを有していてもよい。このようにした場合、切開部分に挿入した骨手術用トライアルに骨の前後方向へのズレが生じると、X線画像に映る難透過部が、ズレが生じていないときよりも幅広に変化する。そして、この変化を確認することにより、骨手術用トライアルのズレを検知することができる。また、X線は、トライアル本体における易透過部を透過するようになる。よって、骨手術用トライアルを人工骨と並べて挿入した際においても、人工骨が易透過部を介してX線画像に確実に映るようになるため、人工骨の位置を確実に検知することができる。
さらに、トライアル本体は、単一材料によって形成され、幅方向における長さが相対的に大きい肉厚部と、幅方向における長さが相対的に小さい肉薄部または貫通部とを有し、肉薄部または貫通部のX線透過率が、肉厚部のX線透過率よりも高くなっていてもよい。このようにした場合、切開部分に挿入した骨手術用トライアルに骨の前後方向へのズレが生じると、X線画像に映る肉厚部が、ズレが生じていないときよりも幅広に変化しうる。そして、この変化を確認することにより、骨手術用トライアルのズレを検知することができる。また、X線は、トライアル本体における肉薄部または貫通部を透過するようになる。よって、骨手術用トライアルを人工骨と並べて挿入した際においても、人工骨が肉薄部または貫通部を介してX線画像に確実に映るようになるため、人工骨の位置を確実に検知することができる。
しかも、肉薄部または貫通部のX線透過率が人工骨のX線透過率よりも高くなっており、肉厚部のX線透過率が人工骨のX線透過率よりも低くなっていることが好ましい。このようにすれば、骨手術用トライアルを人工骨と並べて挿入した際に、肉薄部または貫通部を透過したX線により、人工骨をX線画像に確実に映すことができる。
ここで、トライアル本体の形成材料としては、金属材料、セラミック材料、樹脂材料などを挙げることができ、コスト性、加工性、機械的強度などを考慮してそれらの中から適宜選択することができる。かかる金属材料の好適例としては、ステンレス、コバルト、チタン、鉛、鉄、ニッケル等を挙げることができる。また、セラミック材料の好適例としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、べリリア、ムライト、ガラスセラミック等が挙げられる。さらに、樹脂材料の好適例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。なお、トライアル本体が上述の貫通部を有する場合には、例えば鉛のようなX線透過率が極めて低い材料であったとしても、貫通部とそれ以外の部位とでX線透過率が確実に変化するため、トライアル本体の形成材料として選択することが可能である。しかし、トライアル本体が、貫通部の代わりに上述の肉薄部を有する場合には、トライアル本体の強度を確保することができる。
なお、肉厚部は、幅方向から見たときにトライアル本体を高さ方向に延びる突条を含んで構成されることが好ましい。このようにすれば、骨手術用トライアルに骨の前後方向へのズレが生じた際に、X線画像に映る突条が幅広に変化する。よって、その変化を確認することにより、骨手術用トライアルのズレを確実に検知することができる。さらに、肉薄部が、第1面と、第1面の裏側に位置する第2面とを有し、突条が、第1面に突設される第1突条と、第2面に突設される第2突条とからなり、トライアル本体を幅方向から見たときに、第1突条と第2突条とが互いに異なる箇所に配置されていてもよい。このようにした場合、X線画像に映る第1突条及び第2突条の少なくとも一方が幅広に変化するだけで、骨手術用トライアルのズレを検知することができる。よって、骨手術用トライアルのズレの検知精度が向上する。
また、肉厚部は、幅方向から見たときにトライアル本体の外周縁に沿って延びていることが好ましい。このようにすれば、トライアル本体の外周面と切開部分の内面との接触面積が大きくなるため、トライアル本体のズレをより確実に防止することができる。
なお、上記トライアル本体は、骨の切開部分に挿入される先端部と、先端部の反対側に位置する基端部とを有する。ここで、基端部には、切開部分からのトライアル本体の取り出しに用いられる取出器具を係止可能な係止部が形成されていることが好ましい。このようにすれば、係止部に係止させた取出器具を引っ張ることにより、切開部分からトライアル本体を容易に取り出すことができる。なお、基端部には、上記した取出器具が一体形成されていてもよい。このようにすれば、トライアル本体の取り出し時に取出器具を別途用意しなくても済む。
本実施形態における人工骨トライアルの使用方法を示す説明図。 人工骨トライアルを示す正面図。 人工骨トライアルを示す上面図。 人工骨トライアルを示す側面図。 人工骨トライアルを示すX線画像。 人工骨トライアルのズレによるX線画像の変化を示す写真。 脛骨に人工骨が取り付けられた状態を示す説明図。 人工骨トライアル及び人工骨を示すX線画像。 ステンレス板を示すX線画像。 他の実施形態における人工骨トライアルを示す上面図。 他の実施形態における人工骨トライアルを示す正面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示されるように、人工骨トライアル10(骨手術用トライアル)は、外科手術において脛骨1に対して骨切り術を施した結果、脛骨1に生じた切開部分2に挿入されるものである。
図2〜図4に示されるように、人工骨トライアル10を構成するトライアル本体11は、切開部分2に挿入される先端部12と、先端部12の反対側に位置する基端部13とを有している。トライアル本体11は、幅方向(図2では奥行方向)から見たときに、先端部12に近付くに従って高さ方向(図2では上下方向)における長さが小さくなる先細り形状(いわゆる「楔状」)をなしている。また、トライアル本体11は、上面14、下面15、先端面16及び基端面17を有している。なお、本実施形態のトライアル本体11は、単一の金属材料(例えば、SUS304等のステンレス)によって形成されている。
また、トライアル本体11では、先端面16と基端面17とが互いに平行に配置される一方、上面14が下面15に対して傾斜している。なお、上面14と下面15とがなす角度θ1(図2参照)は、5°以上20°以下(本実施形態では10°)となっている。また、トライアル本体11は、先端部12(先端面16)の高さ方向における長さH1(図2参照)が、基端部13(基端面17)の高さ方向における長さH2(図2,図4参照)よりも低くなっている。本実施形態では、先端部12の高さ方向における長さH1が3.71mmとなっており、基端部13の高さ方向における長さH2が12.527mmとなっている。また、本実施形態では、トライアル本体11の長さL1(つまり、先端面16と基端面17との離間距離)(図2,図3参照)が50mmとなっており、トライアル本体11の幅方向における長さW1(図3,図4参照)が10mmとなっている。
図2〜図4に示されるように、トライアル本体11は、幅方向から見たときにX線透過率が異なる部位を有している。詳述すると、トライアル本体11は、幅方向における長さが相対的に大きいためにX線を相対的に透過しにくい肉厚部21(難透過部)と、幅方向における長さが相対的に小さいためにX線を相対的に透過しやすい肉薄部22(易透過部)とを有している。なお、肉厚部21の幅方向における長さ(厚さ)は、2.0mm以上(本実施形態では10mm)となっている。即ち、肉厚部21の幅方向における長さは、トライアル本体11の幅方向における長さW1と等しくなっている。一方、肉薄部22の幅方向における長さ(厚さ)は、強度や透過性を考慮して設定され、0.4mm以上1.2mm以下(本実施形態では1.0mm)となっている。また、本実施形態では、肉厚部21のX線透過率を0%、トライアル本体11(人工骨トライアル10)が存在しない領域のX線透過率を100%と仮定した場合に、肉薄部22のX線透過率が60%となる。即ち、肉薄部22のX線透過率は肉厚部21のX線透過率よりも高くなっており、肉厚部21のX線透過率と肉薄部22のX線透過率との差は60%である。
図2〜図4に示されるように、肉厚部21は、幅方向から見たときにトライアル本体11の外周縁全体に沿って延びている。外周縁に存在する肉厚部21の幅は、先端部12において10mm(図2のW2参照)となっており、それ以外の部分(図2のW3参照)において1mmとなっている。
さらに、肉厚部21は、トライアル本体11の幅方向から見たときに、トライアル本体11の中央部を高さ方向に延びる突条30を含んで構成されている。詳述すると、肉薄部22は、第1面23と、第1面23の裏側に位置する第2面24とを有している。第1面23には、突条30を構成する第1突条31が突設され、第2面24には、同じく突条30を構成する第2突条32が突設されている。第1突条31及び第2突条32は、先端面16から30mmだけ離間した箇所において、互いに反対方向に突出している。即ち、トライアル本体11を幅方向から見たときに、第1突条31及び第2突条32は互いに同じ箇所に配置されるようになる。また、第1突条31及び第2突条32の突出高さは、それぞれ4.5mmとなっている。なお、本実施形態では、第1突条31及び第2突条32の長さが9mmとなっており、第1突条31及び第2突条32の幅W4が1mmとなっている。
なお、本実施形態では、第1突条31の形成により、トライアル本体11が2つの第1開口部33(図2,図3参照)を有するようになる。各第1開口部33は、肉薄部22の第1面23と、外周縁に位置する肉厚部21の内壁面と、第1突条31の側壁面とによって構成されている。また、各第1開口部33は、トライアル本体11の幅方向から見たときに略台形状をなしており、四隅にR1のアールを有している。同様に、本実施形態では、第2突条32の形成により、トライアル本体11が2つの第2開口部34(図3参照)を有するようになる。各第2開口部34は、肉薄部22の第2面24と、外周縁に位置する肉厚部21の内壁面と、第2突条32の側壁面とによって構成されている。また、各第2開口部34は、トライアル本体11の幅方向から見たときに略台形状をなしており、四隅にR1のアールを有している。
図2〜図4に示されるように、トライアル本体11の基端部13に位置する肉厚部21には、係止部である第1切欠部41と、同じく係止部である第2切欠部42とが形成されている。第1切欠部41は、肉厚部21の一方の端面(図4では左端面)にて開口し、第1開口部33に連通している。第2切欠部42は、肉厚部21のもう一方の端面(図4では右端面)にて開口し、第2開口部34に連通している。本実施形態では、第1切欠部41及び第2切欠部42の幅が5mmとなっており、第1切欠部41及び第2切欠部42の深さが4.5mmとなっている。そして、第1切欠部41及び第2切欠部42には、切開部分2からのトライアル本体11の取り出しに用いられる取出器具である鉗子(図示略)が係止可能となっている。
なお、本実施形態の人工骨トライアル10は、切開部分2の大きさに応じて、16種類の人工骨トライアルの中から選択したものである。具体的に言うと、各人工骨トライアルは、角度θ1が互いに異なっている(具体的には、5°,6°,7°,8°,9°,10°,11°,12°,13°,14°,15°,16°,17°,18°,19°,20°のいずれか)。
次に、人工骨トライアル10の使用方法を説明する。
まず、脛骨1に対して骨切り術を施し、その結果生じた切開部分2に対して人工骨トライアル10を挿入する(図1参照)。次に、挿入した人工骨トライアル10が切開部分2の形状に合うか否かを確認する作業を行う。その結果、人工骨トライアル10が切開部分2の形状に合わない場合には、トライアル本体11の切欠部41,42に対して係止させた鉗子(図示略)を引っ張ることにより、切開部分2から人工骨トライアル10を取り出すようにする。その後、角度θ1が異なる別の人工骨トライアルを切開部分2に挿入し、挿入した人工骨トライアルが切開部分2の形状に合うか否かを再度確認する。なお、人工骨トライアル10が切開部分2の形状に合わない具体例としては、人工骨トライアル10が大きすぎて切開部分2に挿入できないことや、人工骨トライアル10を切開部分2に挿入できたものの、人工骨トライアル10と切開部分2との間に生じる隙間が大きすぎるために脛骨1の角度を維持できないことなどが考えられる。
そして、切開部分2の形状に適合する人工骨トライアル10が見つかった場合には、その適合した人工骨トライアル10を挿入した状態でX線撮影装置で撮影する。次に、撮影して得られたX線画像51(図5参照)を確認することにより、人工骨トライアル10の脛骨1の前後方向へのズレを確認する(具体的には、人工骨トライアル10の正面(図1,図2において前を向いている面)が右または左に傾いている否かを確認する)。即ち、人工骨トライアル10が傾いている場合には、突条30を斜め方向から撮影することとなり、突条30が幅広に映るため、X線画像51に映る突条30の幅を確認すれば、人工骨トライアル10のズレ角度を検知することができる(図6参照)。そして、ズレ角度が小さい場合には、人工骨トライアル10が切開部分2の正しい位置にあることが分かるようになる。
次に、人工骨トライアル10が切開部分2の正しい位置にあることが分かった場合、取り出した人工骨トライアル10とほぼ同じ外形(同じ角度θ1)を有する人工骨61を準備し、準備した人工骨61を切開部分2に挿入する。そして、鉗子を切欠部41,42に係止させて引っ張ることにより、切開部分2から人工骨トライアル10を取り出す。このようにすれば、人工骨61を切開部分2の内面に対してほぼ隙間なく接触させることができるとともに、脛骨1を所定の角度に固定することができる(図7参照)。
ここで、人工骨61は、公知の生体適合性を有する材料、具体的には、脛骨1に一体化しうる材料によって形成することができる。例えば、人工骨61の形成材料としては、ハイドロキシアパタイトやβ−リン酸三カルシウム(β−TCP)等のリン酸カルシウム化合物などのセラミック材料を挙げることができる。
なお、図8の状態では、切開部分2に人工骨トライアル10と人工骨61との両方が挿入され、両者が一時的に脛骨1の前後方向に沿って並べて配置された状態となっている。なお、人工骨61のX線透過率は40%以上60%以下となっている。即ち、肉薄部22のX線透過率(60%)は、人工骨61のX線透過率と等しくまたはそれよりも高く、肉厚部21のX線透過率(0%)は、人工骨61のX線透過率よりも低くなっている。このため、人工骨トライアル10の裏側にある人工骨61の挿入位置を、X線画像51によって確認することができる。
その後、患者が手術後に通常生活に戻ると、歩行の際に体重(荷重)が脛骨1に掛かることになる。また、人工骨61は楔状をなすため、脛骨1に掛かる荷重は人工骨61を押し出す方向に作用し、切開部分2から人工骨61が押し出される現象(いわゆる脱転)を生じるようになる。
そこで、本実施形態では、人工骨61の挿入後に、切開部分2の開口部を覆うプレート62を脛骨1に取り付ける作業を行っている。その結果、人工骨61の脱転が防止されるようになる。なお、切開部分2が治癒すると、プレート62は不要になるため、再度切開手術を行ってプレート62を取り外す作業を行う。
次に、人工骨トライアル10の形成材料(SUS304)の評価方法及びその結果を説明する。
まず、測定用サンプルを次のように準備した。SUS304によって形成したステンレス板71(図9参照)を準備した。そして、ステンレス板71の表面に対してワイヤー放電加工または切削加工を施すことにより、複数の帯状領域(具体的には、板厚0.4mmの領域、板厚0.6mmの領域、板厚0.8mmの領域、板厚1.0mmの領域、板厚1.2mmの領域、板厚1.4mmの領域、板厚1.6mmの領域、板厚1.8mmの領域、板厚2.0mmの領域)を階段状に形成し、これを試料とした。
次に、測定用サンプル(試料)をX線撮影装置で撮影した。具体的には、X線撮影装置からステンレス板71に対してX線を照射することにより、ステンレス板71の表面の撮影を行った。そして、撮影して得られたX線画像72(図9参照)に基づいて、各帯状領域におけるX線の透過具合を確認した。
その結果、板厚1.4mm〜2.0mmの領域は、X線を殆ど透過しないことが確認された。一方、板厚0.4mm〜1.0mmの領域は、X線を確実に透過することが確認され、板厚1.2mmの領域でも、X線を僅かに透過することが確認された。以上のことから、ステンレス(SUS304)の厚さを1.4mm以上に設定すれば、その部分を肉厚部21として使用可能であることが証明された。また、ステンレスの厚さを1.2mm以下に設定すれば、その部分を肉薄部22として使用可能であることが証明された。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の人工骨トライアル10では、トライアル本体11が、X線を相対的に透過しやすい肉薄部22と、X線を相対的に透過しにくい肉厚部21とを有し、肉厚部21が、トライアル本体11を高さ方向に延びる突条30を含んで構成されている。この場合、切開部分2に挿入した人工骨トライアル10に脛骨1の前後方向へのズレが生じると、X線画像51に映る突条30が、ズレが生じていないときよりも幅広に変化する(図6参照)。そして、この変化を確認することにより、人工骨トライアル10のズレを検知することができる。また、X線は、トライアル本体11における肉薄部22を透過するようになる。よって、人工骨トライアル10を人工骨61と並べて挿入した際(図8参照)においても、人工骨61が肉薄部22を介してX線画像51に確実に映るようになるため、人工骨61の位置を確実に検知することができる。
(2)本実施形態では、単一材料(SUS304)によって形成したトライアル本体11の厚さを部分的に変えることにより、X線透過率が異なる部位(肉厚部21及び肉薄部22)を作り出している。この場合、複数種類の材料を用いなくても、トライアル本体11にX線透過率が異なる部位を形成できるため、X線撮影によってズレを検知可能な人工骨トライアル10を低コストで得ることができる。
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記実施形態のトライアル本体11は、単一材料(SUS304)によって形成されていたが、複数種類の材料によって形成されていてもよい。具体的には、X線を相対的に透過しやすい材料によって易透過部を形成し、X線を相対的に透過しにくい別の材料によって難透過部を形成してもよい。
・上記実施形態のトライアル本体11は、幅方向における長さが相対的に大きい肉厚部21と、幅方向における長さが相対的に小さい肉薄部22とを有していた。しかし、トライアル本体11は、肉薄部22の代わりに、幅方向における長さが0mmとなる貫通部を有していてもよい。この場合、貫通部のX線透過率は、100%となり、肉厚部21のX線透過率(0%)よりも高くなる。
・上記実施形態のトライアル本体11は、先端部12に近付くに従って高さ方向における長さが小さくなる先細り形状(楔状)をなしていたが、トライアル本体11の形状を症例に応じて変更してもよい。例えば、トライアル本体は、先端部12から基端部13に亘って高さ方向における長さが等しくなる形状、具体的には、幅方向から見て長方形状をなしていてもよい。
・上記実施形態のトライアル本体11では、突条30が、トライアル本体11の幅方向から見たときに、トライアル本体11の中央部に配置されていた。しかし、突条30は、トライアル本体11の先端部12寄りに配置されていてもよいし、トライアル本体11の基端部13寄りに配置されていてもよい。但し、トライアル本体11の強度を確保するという観点から見ると、突条30は、トライアル本体11の中央部に配置されることが好ましい。
・上記実施形態のトライアル本体11では、肉薄部22が、トライアル本体11の幅方向における中央部に配置されていた。しかし、肉薄部22は、幅方向における一方の端面側(図4では左端面側)に配置されていてもよいし、幅方向におけるもう一方の端面側(図4では右端面側)に配置されていてもよい。
・上記実施形態において、トライアル本体11に、文字や記号等の刻印(溝)を形成してもよい。例えば、突条30などに刻印を形成した場合、突条30において刻印となる部分の厚さがそれ以外の部分の厚さよりも小さくなるため、X線透過率が異なるようになる。よって、X線撮影を行えば、X線画像に刻印が映るようになる。なお、刻印としては、人工骨トライアル10のズレ角度を示す文字(例えば、「0°」,「3°」,「5°」など)が挙げられる。
・上記実施形態のトライアル本体11では、第1開口部33及び第2開口部34が略台形状をなしていたが、開口部33,34は、円形状、楕円形状、四角形状などの他の形状をなしていてもよい。
・図10の人工骨トライアル80(骨手術用トライアル)に示されるように、肉薄部81(易透過部)の第1面82に1つの第1突条83を突設するとともに、肉薄部81の第2面84に2つの第2突条85を突設し、トライアル本体86を幅方向から見たときに、1つの第1突条83と2つの第2突条85とが互いに異なる箇所に配置されるようにしてもよい。このようにすれば、X線画像51に映る第1突条83及び第2突条85が幅広に変化する態様を確認することにより、人工骨トライアル80のズレが、脛骨1の前方向へのズレなのか、脛骨1の後方向へのズレなのかを検知することができる。
・上記実施形態のトライアル本体11では、トライアル本体11の取り出しに用いられる鉗子を係止可能な切欠部41,42が、『係止部』として用いられていた。しかし、図11の人工骨トライアル90(骨手術用トライアル)に示されるように、鉗子を係止可能な凸部91を『係止部』として用いてもよい。この場合、凸部91を鉗子で摘んで引っ張ることにより、切開部分2から人工骨トライアル90が取り出されるようになる。
・上記実施形態では、トライアル本体11の基端部13に切欠部41,42が形成され、切欠部41,42に対して、切開部分2からのトライアル本体11の取り出しに用いられる鉗子が係止可能となっていた。しかし、トライアル本体11の基端部13に、鉗子等の取出器具を一体形成してもよい。このようにすれば、トライアル本体11の取り出し時に取出器具を別途用意しなくても済む。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段1において、前記トライアル本体は、単一材料によって形成され、前記幅方向における長さが相対的に大きい肉厚部と、前記幅方向における長さが相対的に小さい肉薄部または貫通部とを有し、前記肉厚部のX線透過率と、前記肉薄部または前記貫通部のX線透過率との差は、30%以上であることを特徴とする骨手術用トライアル。
(2)上記手段1において、前記トライアル本体は、単一材料によって形成され、前記幅方向における長さが相対的に大きい肉厚部と、前記幅方向における長さが相対的に小さい肉薄部または貫通部とを有し、前記肉厚部は、前記幅方向から見たときに前記トライアル本体を高さ方向に延びる突条を含んで構成され、前記切開部分に挿入した状態において、前記幅方向にX線を照射した際に映る前記突条の幅の大きさに基づき、前記トライアル本体の前記幅方向へのズレが検知可能であることを特徴とする骨手術用トライアル。
(3)上記手段1において、前記トライアル本体は、単一材料によって形成され、前記幅方向における長さが相対的に大きい肉厚部と、前記幅方向における長さが相対的に小さい肉薄部または貫通部とを有し、前記肉厚部は、前記幅方向から見たときに前記トライアル本体を高さ方向に延びる突条を含んで構成され、前記切開部分に対して前記トライアル本体を人工骨と並べて挿入した状態において、前記幅方向にX線を照射した際に映る前記突条の幅の大きさに基づき、前記人工骨の挿入位置が確認可能であることを特徴とする骨手術用トライアル。
(4)上記手段1において、前記トライアル本体は、上面及び下面を有し、かつ前記上面が前記下面に対して傾斜しており、前記上面と前記下面とがなす角度が、5°以上20°以下に設定されていることを特徴とする骨手術用トライアル。
1…骨としての脛骨
2…切開部分
10,80,90…骨手術用トライアルとしての人工骨トライアル
11,86…トライアル本体
12…先端部
13…基端部
21…難透過部としての肉厚部
22,81…易透過部としての肉薄部
30…突条
41…係止部としての第1切欠部
42…係止部としての第2切欠部
61…人工骨
82…第1面
84…第2面
83…突条としての第1突条
85…突条としての第2突条
91…係止部としての凸部

Claims (10)

  1. 骨の切開部分に挿入される先端部と、前記先端部の反対側に位置する基端部とを有するトライアル本体を備えた骨手術用トライアルであって、
    前記トライアル本体は、幅方向から見たときにX線透過率が異なる部位を有することを特徴とする骨手術用トライアル。
  2. 前記トライアル本体は、前記先端部に近付くに従って高さ方向における長さが小さくなる先細り形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の骨手術用トライアル。
  3. 前記トライアル本体は、X線を相対的に透過しやすい易透過部と、X線を相対的に透過しにくい難透過部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の骨手術用トライアル。
  4. 前記トライアル本体は、単一材料によって形成され、前記幅方向における長さが相対的に大きい肉厚部と、前記幅方向における長さが相対的に小さい肉薄部または貫通部とを有し、前記肉薄部または前記貫通部のX線透過率が、前記肉厚部のX線透過率よりも高くなっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の骨手術用トライアル。
  5. 前記肉薄部または前記貫通部のX線透過率が人工骨のX線透過率よりも高くなっており、前記肉厚部のX線透過率が前記人工骨のX線透過率よりも低くなっていることを特徴とする請求項4に記載の骨手術用トライアル。
  6. 前記肉厚部は、前記幅方向から見たときに前記トライアル本体を高さ方向に延びる突条を含んで構成されることを特徴とする請求項4または5に記載の骨手術用トライアル。
  7. 前記肉薄部は、第1面と、前記第1面の裏側に位置する第2面とを有し、
    前記突条は、前記第1面に突設される第1突条と、前記第2面に突設される第2突条とからなり、
    前記トライアル本体を前記幅方向から見たときに、前記第1突条と前記第2突条とが互いに異なる箇所に配置される
    ことを特徴とする請求項6に記載の骨手術用トライアル。
  8. 前記肉厚部は、前記幅方向から見たときに前記トライアル本体の外周縁に沿って延びていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の骨手術用トライアル。
  9. 前記基端部に、前記切開部分からの前記トライアル本体の取り出しに用いられる取出器具を係止可能な係止部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の骨手術用トライアル。
  10. 前記基端部に、前記切開部分からの前記トライアル本体の取り出しに用いられる取出器具が一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の骨手術用トライアル。
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