JP6964291B2 - 一台のカメラによるワーク測定システム 並びにこのシステムが搭載されたマシニングセンタ - Google Patents

一台のカメラによるワーク測定システム 並びにこのシステムが搭載されたマシニングセンタ Download PDF

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Description

本発明は、例えば金属素材や合成樹脂素材等から成るブロック状の始発ワークを、目的の立体形状に削り出して行くモデリングマシン等のマシニングセンタ(切削機)に組み込まれることが好ましいワーク測定システムに関するものであって、特に切削・研削等の実質的な加工に先立ち、テーブル上に固定したワークの位置を能率的に且つ容易に測定することができるようにした新規なワーク測定システム並びにこのシステムが搭載されたマシニングセンタに係るものである。
例えばいわゆるマシニングセンタにより金属素材をCAD/CAMデータに基づき三次元形状に切削・研削して行く装置としてモデリングマシンが普及しつつある。
この種の装置は、自動的に立体形状を削り出す点で、金属加工や樹脂成形の分野で大いなる評価を得ている。しかしながら、事前に行う、いわゆる数値制御の設定等については、その制御データの扱いにかなりの熟練が要求され、誰でも容易に扱えるものではない。
また、実質的な切削・研削加工を行うにあたっては、まずブロック状の始発ワーク(以下、単にワークとする)を、加工機のテーブル上にバイス等を使って固定する作業が必要となるが、この際、例えばワークの基準面を、テーブル(テーブルの移動方向またはテーブルの一面)に対し平行(または直角)に取り付けたい場合がある。このようなときには、まずワークをテーブル上に仮クランプするものであり、これは作業者の感覚により行われる(ワークをテーブルに対しほぼ平行(またはほぼ直角)等になるように仮クランプする)。
その後、例えばダイヤルゲージ等を使い、その接触子をワークの基準面に何箇所か当てて(少なくとも二箇所以上)、ワークの基準面が平行(または直角)からどの程度ずれているか計測し、仮クランプの微調整をして行くものである(仮クランプの補正)。そして、このような計測と補正を何回か繰り返した後、ワーク(基準面)をテーブルに対し平行(または直角)に設定した上で、ワークをテーブル上にしっかりと固定する(最終クランプ(本クランプ))。
また、このようにして最終クランプを掛けたワークに対し、切削加工等の実加工を施すにあたっては、ワークの基準面を原点とする原点出し(芯出し)を行い、その原点位置をモデリングマシン等の加工機の制御部にインプットする必要がある。なお、その原点出しの作業には、一例として図7に示すように、アキューセンターと呼ばれる芯出し治具Jsが使用されることがある。
この芯出し治具Jsは、例えば上記図7に示すように、円板状のフランジ大径部Js1の一端側に、細長円柱状のロッド部(後述のシャンクJs2と測定子Js3)を突出させた金属片(独楽状の金属片)Asを一対とし、これら一対の金属片Asを、マグネットとバネによって、互いのフランジ大径部Js1を合わせるように接続させて成るが、接続部で互いのフランジ大径部Js1がずれること、つまりロッド部の偏心が許容される構造となっている。
そして、一方のロッド部が、スピンドルチャック等に把持されるシャンクJs2となり、これに対向する他のロッド部がワークWに当接させる測定子Js3となる。
また、この芯出し治具Jsの使い方は、例えば上記図7に示すように、シャンクJs2と測定子Js3の軸芯を合致させた状態(二つのフランジ大径部Js1にズレがない状態)で芯出し治具Jsを回転させながら、ワークWの基準面(端面)に少しずつ接近させて行くものである。そして測定子Js3がワークWの基準面に触れると、測定子Js3がずれるため、このずれた位置を検出することにより(測定子Js3の半径分を補正することが必要)、簡単にワークWの原点出し(基準面の位置検出)が行えるものである。もちろん、このようにして得られた原点位置は上記のように実加工を行う前にモデリングマシン等の加工機(制御部)にインプットされる。
なお、このような芯出し治具Jsは、ワークWの原点出しを行うだけでなく、ワーク端面の傾斜状態を計測する際などにも使用される。
また、このようなワーク位置測定後、モデリングマシン等の加工機によって切削・研削加工を行う場合には、適用する刃物一つ一つについて刃先高さ(位置)の原点出しを行うものであり、もちろんこのデータについても加工機の制御部に事前にインプットされる(刃物についての刃先高さの原点出しについては後述する)。
このように従来は、実加工を行うにあたり、事前にワークWの取り付け・原点出し(芯出し)等を行う必要があり、これらは専ら作業者による手作業で行われていた。このため正確なデータを得るには熟練を要するし、また熟練の作業者であっても相応の作業時間を要することとなっており、手間の掛かる煩わしい作業であった。
そのため、このような煩わしい作業を極力減らすべく、カメラを使ってワークの位置を測定することが考えられている。この方法は、例えば二台以上のカメラを使って、テーブル上に固定したワークを撮影し、その映像からワークまでの距離やテーブルへの固定姿勢等を測定するという方法であり、いわゆるステレオビジョン(ステレオ視)等と称される手法であり、考え方としては分かり易い(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、実際の加工機(マシニングセンタ)では、テーブル面に対向して二台以上のカメラを固定することは必ずしも容易に採り得る手法ではなかった。これは実際の加工機は、あくまでも切削等の実加工を行うために製作されており、この作業に直接関与しない付随作業、すなわちワークの取り付けやその位置測定等の作業については、もともと考慮されていないためである。もとより加工機には、カメラを複数基、設置するスペース等は、考慮されておらず、このような付随作業のためにマシン(加工機)自体を大型化させることも現実的ではなかった。加えて、マシニングセンタの一種であるモデリングマシンについては、これを実際に使用するユーザから、設計室や研究室などの室内でも設置できるだけの小型化がますます求められており、マシン(加工機)自体を大型化させることは到底不可能であった。
また、たとえ実際の加工機に、二台のカメラを設置するスペースが確保できたとしても、現実には、二台のカメラを正確に一定距離、離して、しかも正確な撮影姿勢で取り付けることは極めて難しく、このようなカメラの設置自体が現実的には困難であった。
特開2012−42220号公報 (特に〔0003〕欄)
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、一台のカメラでもテーブル上に固定した始発ワークの位置を測定することができるようにした新規なワーク測定システム並びにこのシステムを適用したマシニングセンタの開発を試みたものである。
まず請求項1記載の、一台のカメラによるワーク測定システムは、
ワークを固定するテーブルと、このテーブルに対し適宜の距離を隔てて対向的に設けられる一台のカメラとを具え、このカメラでワークを撮影することにより、ワークがテーブルのどこに位置しているのかを測定するシステムであって、
前記テーブルとカメラとは、少なくともいずれかが平行移動できるように構成され、
またワークは、テーブル上においてカメラの視野角内に固定されるものであり、
前記カメラでワークを測定するにあたっては、テーブルまたはカメラを、ワークが撮影できる視野角の範囲内で一定距離、移動させ、これに伴う撮影した映像上のワークの移動量から、この移動量に見合うテーブル上のワーク高さを割り出し、これによりテーブル上におけるワークの位置を検出するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項2記載の、一台のカメラによるワーク測定システムは、前記請求項1記載の要件に加え、
前記ワークは、基準面が、テーブルに対し、直角または平行以外の傾きを有して固定されていることを特徴として成るものである。
また請求項3記載の、一台のカメラによるワーク測定システムは、前記請求項1または2記載の要件に加え、
前記一台のカメラでワークの位置を測定した後、接触式のセンサを用いて、より精密にワークの位置測定を行うようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項4記載の、一台のカメラによるワーク測定システムは、前記請求項1から3のいずれか1項記載の要件に加え、
前記カメラによるワークの測定によって、ワークがサイズ違いであるか否かを判定するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項5記載のマシニングセンタは、前記請求項1から4のいずれか1項記載のワーク測定システムが搭載されていることを特徴として成るものである。
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
すなわち、請求項1または5記載の発明によれば、テーブルまたはカメラを一定距離移動させながらワークを撮影するため、一台のカメラでもテーブル上に固定した始発ワークの高さや位置を測定することができる。
また、請求項2または5記載の発明によれば、ワークをテーブルに対し、直角または平行に固定する必要がない。またワークをテーブルに仮クランプしてから直角または平行に固定し直す必要もなく、実加工の前に行うワークの固定作業や測定作業が効率的に行える。
また、請求項3または5記載の発明によれば、カメラによるワーク測定後に、接触式のセンサを用いて、より精密な位置測定を行うため、例えばカメラによるワーク測定では比較的誤差が大きい場合でも、その後の実加工を高い精度で行うことができる。
また、接触式のセンサでは測定子をワークに当てて測定するが、事前にカメラによる測定でワークの位置がほぼ特定できているため、上記測定子をワークに強く当て過ぎてしまうことも防止できる。
また、請求項4または5記載の発明によれば、カメラによって測定したワークのデータから、テーブル上に固定されたワークの適否を判定するため、実加工を行う前にワークのサイズ違いを識別でき、無駄な実加工を防止することができる。
また、このような自動判定をシステムに持たせることで、実際の加工機にワークをセットするオペレータ(作業者)が、目的の三次元形状がどのような形状や大きさであるのかが分かっていなくても実加工に移行することができる。すなわち、ワークをセットする作業者に、加工に伴う専門的な知識がなくても、実加工ができるようになり、例えばモデリング形状の設計者と、実加工を行う場所が遠く離れていても、実加工を行うことができる。
本発明に係るマシニングセンタの一種であるモデリングマシンを概略的に示す斜視図(a)、並びにこのモデリングマシンに搭載される本発明のワーク測定システムを骨格的に示す斜視図(b)、並びにモデリングマシンの刃物ユニットを部分的に示す斜視図(c)である。 一台のカメラでワークを撮影した場合、ワークの高さ(カメラとワークとの距離)の違いによって映像上のワークの大きさが異なることを示す二種の説明図である。 一台のカメラでワークを撮影した場合、その映像からワークの高さが決められないことを示す説明図である。 一台のカメラでワークを撮影する際、テーブルを一定の距離移動させると、映像上、ワークの移動量が、ワークの高さ(カメラとワークとの距離)の違いによって、異なることを示す二種の説明図である。 本発明のワーク測定システムを適用してワークを測定する流れ(一例)を示すフローチャートである。 刃先位置測定治具を用いて、切削に使う刃物の高さ基準位置を設定する様子を示す斜視図である。 従来のマシニングセンタにおいて実加工(切削)に先立ち、行われていたワークの測定手法を示す説明図である。
本発明を実施するための形態は、以下述べる実施例をその一つとするものであるとともに、この技術思想に基づく種々の改良した実施例をも含むものである。
以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。
なお、説明にあたっては本発明のワーク測定システム(一台のカメラによるワーク測定システム)Sが搭載されるマシニングセンタとしてモデリングマシンMを例に挙げ、このモデリングマシンMの概略から説明する。
モデリングマシンMは、一例として図1(a)に示すように、縦長ボックス状の筐体10の内部に、切削加工等の実加工を行う加工空間Rが形成されて成り、この加工空間RはモデリングマシンMの正面側に設けられた開閉扉11によって開閉自在に構成され、ここからワークW(特に加工前のものを始発ワークと称することがある)の取り出しが行われる。因みに、開閉扉11は、モデリングマシンMの正面から視て左側壁の内側に収納されるようなスライド構造となっている。
また、加工空間Rの下部にはテーブル12が設けられ、ここにワークWが固定される。なお、ワークWをテーブル12上に固定するにあたっては、例えばテーブル12面に形成された溝(ここではT溝)を利用し、バイス等を使って固定するものである。
なお、本実施例においては、テーブル12がモデリングマシンMの前後方向に移動できるように構成されており(しかも正確な平行移動)、この方向をY方向とする。
また、加工空間Rの上方には、一例として図1(b)・(c)に示すように、刃物ユニット13が設けられる。この刃物ユニット13は、スピンドルチャック14に対し、嵌合自在に取り付けられるものであり、刃物ユニット13は、刃物13aとこれを保持し、なお且つスピンドルチャック14と嵌合するテーパー軸形状を有するホルダ13bとを具えて成る。
またスピンドルチャック14は、スピンドルホルダ15に対し回転自在に保持され、このスピンドルホルダ15の上方に、スピンドルモータM1が設けられる。
ここで本実施例においては、刃物ユニット13(スピンドルホルダ15)がモデリングマシンMの左右方向(これをX方向とする)及び上下方向(これをZ方向とする)に移動できるように構成されている。
また、本実施例においては種々の切削加工が行えるように前記筐体10内には刃物ストッカ16が設けられ、ここに複数の刃物ユニット13が格納される。もちろん、刃物ユニット13の選択・交換も自動で行われる(いわゆるATC(自動工具交換装置))。
また刃物ユニット13は、加工空間Rを前後方向に仕切るように設けられた仕切板17の後方側に設けられ、一見するとこの仕切板17で遮られた状態に設けられる。
このようにモデリングマシンMは、スピンドルチャック14に適宜の刃物ユニット13を取り付けるとともに、テーブル12上にワークWを固定し、制御プログラムに対応した刃物ユニット13の選択とその移動を行うことにより、ワークWに対し、目的とする三次元形状を切削・研削加工して行く装置である。
なお、モデリングマシンMを使用するユーザからは、上述したように、設計室や研究室などの室内でも設置できる小型化の要求が近年、ますます求められている。
因みに、本発明のワーク測定システムSが搭載される加工機としては、モデリングマシンMだけでなく、自動工具交換機能を有し、目的に応じてフライス削り、中ぐり、ねじ立て等の異種の加工を一台で行うことができる数値制御工作機械(いわゆるマシニングセンタ)全般が想定される。
次に、本発明のワーク測定システム(一台のカメラによるワーク測定システム)Sについて説明する。
本発明のワーク測定システムSは、一例として図1に示すように、上記モデリングマシンMの加工空間Rに組み込まれるものであり、ブロック状の始発ワークWを固定するテーブル12と、このテーブル12に対し適宜の距離を隔てて対向的に設けられる一台のカメラ21とを具えて成る。
ここでカメラ21としては、例えば一般的なCCDカメラを適用することができ、本実施例では上記モデリングマシンMの仕切板17から正面側に突出状態に設けられた保持ロッド18の先端部に固定される。
またテーブル12は、モデリングマシンMのテーブル12を適用するものであり、これらテーブル12とカメラ21とは、少なくともいずれか一方が平行移動できるように構成される。因みに、本実施例では上記のようにテーブル12がY方向に前後移動できるように構成され、カメラ21が固定状態に設置されている。
また当然ながら始発ワークWは、テーブル12上においてカメラ21の視野角内に固定されるものであり、テーブル12を一定距離移動した後も、ワークWがカメラ21の視野角内に収まるように設定される(移動前後のワークWがカメラ21の視野角内に入るように設定される)。
また、ワーク測定システムSは、カメラ21で撮影した映像を目視できるモニター22を具えるものであり、他にもカメラ21で映した移動前後のワークWの距離(映像上の距離)から実際のワークWの高さ等を検出する制御部(図示略)を具えるものであるが、これらはモデリングマシンMがもともと有しているものを適用することができる。
なお、本発明では、ワークWの測定にあたり、一台のカメラ21でワークWを撮影しならが、テーブル12またはカメラ21を、ワークWが撮影できる視野角内で一定距離、移動させ、これに伴う映像上のワークWの移動量から、この移動量に見合うテーブル12上のワーク高さを割り出し、これによりテーブル12上におけるワークWの位置(固定位置)を特定するものである。
以下、ワークWを撮影しながら、これを載せたテーブル12を一定距離移動させることによってワークWの実際の高さや位置が割り出せる経緯について説明する。
まず一台のカメラ21で同じ幅寸法(図中L1)のワークWを撮影した様子を、その映像とともに図2に示す。ここで図2(a)は、ワークWの高さが高い場合、すなわちカメラ21とワーク上面との距離が近い場合を示しており、このときカメラ21の映像上、ワークWは大きな映像となって映り込む。
一方、図2(b)は、ワークWの高さが低い場合、すなわちカメラ21とワーク上面との距離が遠い場合を示しており、このときカメラ21の映像上、ワークWは図2(a)よりも小さな映像となって映り込む。
このように、テーブル12に対し等距離離れた位置に固定したカメラ21で、同じ幅寸法のワークWを撮影してもワークWの高さによって映像上のワークWの大きさは異なって映り込むものである。
また、図3は、一台のカメラ21において同じ視野角上にワークWの上面(上端縁)が位置する様子を示した図であり、この場合、カメラ21の映像上、ワークWは同じ大きさに映り込むことになる。このことは、一つのワークWの映像から考えられるワークWの候補が複数あることを意味している。すなわち、一台のカメラ21の映像からワークWの高さを絞り込むことができないことを示している。
このようなことから本実施例では、一台のカメラ21でワークWを撮影しながら、ワークWを載せたテーブル12を一定距離(図中L2)、移動させるようにしたものである。もちろん、テーブル12の移動距離は、カメラ21にワークWが映る範囲内での移動距離とする。
そして、このような手法で、同じ幅寸法のワークWを撮影した様子を、その映像とともに図4に示す。ここで図4(a)は、ワークWの高さが高い場合、すなわちカメラ21とワーク上面との距離が近い場合を示しており、このときカメラ21の映像上、ワークWの移動量は大きくなる。
一方、図4(b)は、ワークWの高さが低い場合、すなわちカメラ21とワーク上面との距離が遠い場合を示しており、このときカメラ21の映像上、ワークWの移動量は小さくなる。
このように、テーブル12を一定の距離(同じ距離)移動させても、カメラ21からのワークWの距離の違い(遠近)によって、映像上のワークWの移動量も異なるものである。そのため映像上のワークWの移動量から実際のワークWの高さに合致するものを割り出すことができ、このワーク高さからテーブル12に固定されたワークWの位置、すなわちワークWがテーブル12のどの位置に固定されているのかを検出することができる。
なお、本実施例では、加工機のテーブル12が正確に平行移動を行うことから、カメラ21を固定設置する一方、テーブル12を一定距離移動させるようにしたが、テーブル12を固定しておく一方、カメラ21を一定距離移動させるようにしても構わない。すなわち、カメラ21とテーブル12は相対的に平行移動できるように構成されればよいものである。
また、本発明ではカメラ21による撮影でワークWの高さや位置を測定するため、ワークWをテーブル12上に固定する際、例えばワークWの基準面をテーブル12の移動方向(またはテーブル12の一面)に対し、平行(または直角)に固定しなくてもよいものである。すなわち、本発明ではワークWの基準面がテーブル12に対し、直角・平行以外の傾きを有するように固定されても何ら構わず、このような固定状態でも、その後の実加工を忠実に行うことができる。
次に、本発明のワーク測定システムSを適用した測定態様(測定処理の流れ)の一例を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
(1)「ワークをテーブル上に固定」ステップ
まず、当該ステップでは、ワークWをテーブル12上にバイス等を使って固定するものであり、その際、ワークWは、カメラ21の視野角内に固定される。もちろん、ここでは上記のようにテーブル12を移動させるため、移動後のワークWの映像もカメラ21の視野角内に収まるようにワークWの初期固定位置が決定される。
因みに、本発明ではカメラ21による位置測定であるため、従来、行っていた仮クランプを行う必要はない。また、例えばワークWは、上記のように、基準面がテーブル12に対し、直角・平行以外の傾きを有するように固定してよく、その場合でもその後の実加工を忠実に行うことができる。
(2)「カメラによる撮影」ステップ
当該ステップは、テーブル12に固定したワークW(移動前)を撮影するステップであり、この段階の映像からは、上述したように、ワークWの高さとして複数の候補が考えられ、当然、ワークWの実際の高さも絞り込めない。もちろんワークWのテーブル12に対する固定位置も特定できないものである。
(3)「テーブルの定距離移動」ステップ
当該ステップは、ワークWを取り付けたテーブル12を、一定の距離移動させるステップであり、その移動距離は、上記のように移動後のワークWの映像が、カメラ21の視野角内に収まるように設定される。
(4)「カメラによる撮影」ステップ
当該ステップは、テーブル移動後のワークWを撮影するステップであり、通常は移動の前後において、ワークWの撮影が継続して行われる。なお、移動前のワークWの位置と移動後のワークWの位置は制御部に入力される。
また、撮影した映像(移動前後のワークWの映像)は、モニター22に映し出されるようにしておき、作業者が目視により明確に確認できるようにすることが好ましい。
(5)「画面上におけるワーク移動量の計測」ステップ
当該ステップは、上記カメラ21の映像上におけるワークWの移動量を計測するステップであり、これは例えば制御部によって計測される。なお、この数値もモニター22等に表示し、作業者が明確に確認できるようにすることが好ましい。
(6)「ワークの実際の高さ特定」ステップ
当該ステップは、カメラ21の映像上におけるワークWの移動量から実際のワークWの高さに合致するもの(高さ)を割り出すステップであり、ここからカメラ21とワーク上面との距離も特定できる。
(7)「ワークの位置計測」ステップ
当該ステップは、特定したワークWの実際の高さ(カメラ21とワーク上面との距離)から、テーブル12上におけるワークWの固定位置を割り出すステップであり、これによりワークWの大きさ及び位置が、ある程度の精度で検出される。
(8)「ワーク適合」判断ステップ
このようにカメラ21による測定データから、実加工を行う前のワークWの大きさが分かるものであり、これを利用して例えばテーブル12上に固定されたワークWが正しいものであるか否かを判定することができ、当該ステップはこのための判断ステップである。すなわち、当該判断ステップにより、例えばサイズ違いのワークWをテーブル12上に固定してしまった場合でも、実加工を行う前にサイズ違いであることを作業者に告知することができる。
具体的には、かりにテーブル12上に固定したワークW(カメラ21による測定を行ったワークW)が不適合品であった場合には(フローチャートの「no」の場合)、「ワーク不適合の告知」ステップに移行し、ここで作業者に当該ワークWが不適合品であることを音や光等の警報で告知するものである。その後、「ワークをテーブルから除去」ステップで、作業者がテーブル12に固定していたワークWを、テーブル12から取り外すものであり、次いで「ワークをテーブル上に固定」ステップに戻り(移行し)、新たなワークWをテーブル12上に固定し直すものである。
もちろん、「ワーク適合」判断ステップで、ワークWが適合品であれば(フローチャートの「yes」の場合)、切削等の実加工に向けて、次のステップ(ここでは「精密測定 必要」の判断ステップ)に進むことになる。
(9)「精密測定 必要」判断ステップ
当該ステップは、カメラ21による測定後、ワークWの位置測定をより高精度に行うか否かを決める判断ステップである。すなわちカメラ21は映る範囲が決まっており、その中でも撮影範囲の中央部分(カメラ21の直下部分)がもっとも歪みが少なく、ここから離れるほど(周辺部ほど)歪みが生じ易い。ここで本発明は、テーブル12(またはカメラ21)を一定距離移動させながらワークWを撮影するため、ワークWがカメラ21の直下位置から離れるほど、このような歪みの影響が生じることは避けられず、そのためワークWの位置計測にも、例えば±0.1mm程度の誤差を含むものである。
従って、より精密にその後の実加工を行いたい場合には、カメラ21による測定後、より精密にワークWの位置測定を行うものであり、当該ステップはこのための判断ステップである。もちろん、上記のような誤差を含む精度で実加工を行っても差し支えない場合には、当該判断ステップで「no」に移行し、切削加工等の実加工に向けて進む。もちろん、より精密なワークWの位置測定が必要であれば、当該判断ステップで「yes」に進む。
(10)「ワーク位置計測 再計測(精密測定)」ステップ
当該ステップは、上記判断ステップで「yes」に進んだ場合であり、上述した芯出し治具Js等の接触式センサを使用して、より精密にワークWの位置測定を行うステップである。
(11)「適用刃物の高さ基準の設定」ステップ
当該ステップは、適用する刃物13a一つ一つについて、その刃先高さ(位置)の原点出しを正確に行うステップである。
これには例えば大昭和精機株式会社製のベースマスター(登録商標)等の刃先位置測定治具Jhが使用され、このものは一例として図6に示すように、上方窄まりの略円柱形状を呈し、ワークWの上に置いて使用する(例えば磁力によりワークWに固定させる)。また刃先位置測定治具Jhの上端部には、刃物先端の接触を感知する検出部Jh1が設けられ、この検出部Jh1には低触圧クッション機構が採用され、これにより接触時の刃物13aの損傷を極力防止する構造となっている。また、刃物先端の接触は、LED等の接触灯Jh2を点灯させることで、作業者が明確に目視できる構造となっている。
なお、刃先位置測定治具Jhの全高(検出部Jh1まで高さ)は当然、正確に定められており(例えば50mm)、計測した接触高さからこの高さを補正して、対象刃物13aの刃先位置(高さの基準位置)が設定される。
因みに、図5に示すフローチャートでは、ワークWの「精密測定が必要」の場合に、適用刃物13aの高さ基準を設定するように示したが、「精密測定が不要」の場合でも、適用刃物13aの高さ基準を設定するような流れ図とすることも可能である。
(12)「測定データの入力」ステップ
当該ステップは、上記のようにして得られたワークWの位置データや刃物13a一つ一つの高さ基準のデータを、切削加工(実加工)を行う前に、事前にモデリングマシンM等の加工機(制御部)にインプットするステップである。
(13)「切削加工」ステップ
その後、当該ステップにより切削加工等の実加工に移行するものであり、適用する刃物ユニット13の選択、交換、移動等が全て自動で行われ、ワークWに所望の三次元形状が形成される。
M モデリングマシン
10 筐体
11 開閉扉
12 テーブル
13 刃物ユニット
13a 刃物
13b ホルダ
14 スピンドルチャック
15 スピンドルホルダ
16 刃物ストッカ
17 仕切板
18 保持ロッド
R 加工空間
M1 スピンドルモータ

S ワーク測定システム
21 カメラ
22 モニター

Jh 刃先位置測定治具
Jh1 検出部
Jh2 接触灯

Js 芯出し治具
As 金属片
Js1 フランジ大径部
Js2 シャンク
Js3 測定子

W ワーク

Claims (5)

  1. ワークを固定するテーブルと、このテーブルに対し適宜の距離を隔てて対向的に設けられる一台のカメラとを具え、このカメラでワークを撮影することにより、ワークがテーブルのどこに位置しているのかを測定するシステムであって、
    前記テーブルとカメラとは、少なくともいずれかが平行移動できるように構成され、
    またワークは、テーブル上においてカメラの視野角内に固定されるものであり、
    前記カメラでワークを測定するにあたっては、テーブルまたはカメラを、ワークが撮影できる視野角の範囲内で一定距離、移動させ、これに伴う撮影した映像上のワークの移動量から、この移動量に見合うテーブル上のワーク高さを割り出し、これによりテーブル上におけるワークの位置を検出するようにしたことを特徴とする、一台のカメラによるワーク測定システム。

  2. 前記ワークは、基準面が、テーブルに対し、直角または平行以外の傾きを有して固定されていることを特徴とする請求項1記載の、一台のカメラによるワーク測定システム。

  3. 前記一台のカメラでワークの位置を測定した後、接触式のセンサを用いて、より精密にワークの位置測定を行うようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の、一台のカメラによるワーク測定システム。

  4. 前記カメラによるワークの測定によって、ワークがサイズ違いであるか否かを判定するようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の、一台のカメラによるワーク測定システム。

  5. 前記請求項1から4のいずれか1項記載のワーク測定システムが搭載されていることを特徴とするマシニングセンタ。
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