JP6963662B2 - 流量制御弁、流量制御用三方弁及び温度制御装置 - Google Patents

流量制御弁、流量制御用三方弁及び温度制御装置 Download PDF

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本発明は、流量制御弁、流量制御用三方弁及び温度制御装置に関する。
従来、流量制御用三方弁に関する技術として、本出願人は、特許文献1等に開示されたものを既に提案している。
特許文献1は、第1の流体が流入する断面矩形状の第1の弁口と第2の流体が流入する断面矩形状の第2の弁口が形成された円柱形状の空所からなる弁座を有する弁本体と、前記第1の弁口を閉状態から開状態に切り替えると同時に前記第2の弁口を開状態から閉状態に切り替えるよう前記弁本体の弁座内に回転自在に配置され、予め定められた中心角を有する半円筒形状に形成され且つ周方向に沿った両端面が曲面形状に形成された弁体と、前記弁体を回転駆動する駆動手段と、を備えるように構成したものである。
特許第6104443号公報
本発明は、弁口形成部材を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成しない場合に比較して、低温域から高温域にわたり摺動性に優れた弁口形成部材を備えた流量制御弁、流量制御用三方弁及び温度制御装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、弁体と弁座の間隙から漏れた流体の圧力を第1及び第2の弁口形成部材に作用させ、弁体が第1及び第2の弁口を開閉する際に弁体の位置が変動するのを抑制する圧力作用部を有しない場合に比較して、弁体と弁口形成部材の接触に起因した弁体の駆動トルクの上昇を抑制することが可能な流量制御用三方弁及びこれを用いた温度制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、流体が流通する断面矩形状の弁口が形成された円柱形状の空所からなる弁座を有する弁本体と、
前記弁本体に装着されて前記弁口を形成する弁口形成部材と、
前記弁本体の弁座内に回転自在に配置され、前記弁口の開閉状態に切り替える開口部が形成された円筒形状の弁体と、
前記弁体を回転駆動する駆動手段と、
を備え、
前記弁口形成部材を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を10%配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成してなることを特徴とする流量制御弁である。
請求項2に記載された発明は、流体が流通する断面矩形状の第1の弁口と前記流体が流通する断面矩形状の第2の弁口が形成された円柱形状の空所からなる弁座を有する弁本体と、
前記弁本体に装着されて前記第1及び第2の弁口をそれぞれ形成する第1及び第2の弁口形成部材と、
前記弁本体の弁座内に回転自在に配置され、前記第1の弁口を閉状態から開状態に切り替えると同時に前記第2の弁口を開状態から閉状態に切り替える開口部が形成された円筒形状の弁体と、
前記弁体と前記弁座の間隙から漏れた前記流体の圧力を前記第1及び第2の弁口形成部材に作用させ、前記弁体が前記第1及び第2の弁口を開閉する際に前記弁体の位置が変動するのを抑制する圧力作用部と、
前記弁体を回転駆動する駆動手段と、
を備え、
前記第1及び第2の弁口形成部材を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を10%配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成してなることを特徴とする流量制御用三方弁である。
請求項3に記載された発明は、前記圧力作用部は、前記弁体と前記弁座の間隙から漏れた前記流体の圧力を前記第1及び第2の弁口形成部材の前記弁体と反対側の面に作用させ、前記第1及び第2の弁口形成部材によって前記弁体を支持することにより、前記第1及び第2の弁口から流出又は流入する流体の圧力差によって前記弁体の位置が変動するのを抑制することを特徴とする請求項2に記載の流量制御用三方弁である。
請求項4に記載された発明は、前記圧力作用部は、前記第1及び第2の弁口を流通する流体と区画されている請求項2又は3に記載の流量制御用三方弁である。
請求項5に記載された発明は、前記第1及び第2の弁口形成部材は、前記弁体に対して接離する方向に移動自在に装着され、
前記第1及び第2の弁口形成部材の前記弁体と反対側の面を押動することによって前記第1及び第2の弁口形成部材の位置を調整する調整部材を備えたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の流量制御用三方弁である。
請求項6に記載された発明は、前記弁本体は、当該弁本体に対して流体を流通させる部材を接続するための接続部材と、
前記接続部材と前記第1及び第2の弁口形成部材との間を密封した状態で接続する第1及び第2の流路形成部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の流量制御用三方弁である。
請求項7に記載された発明は、前記調整部材は、前記第1及び第2の弁口形成部材が前記弁体に対して接離する方向に
移動するのを許容する弾性部材を介して前記第1及び第2の弁口形成部材を押動することを特徴とする請求項5に記載の流量制御用三方弁である。
請求項8に記載された発明は、混合比が調整された低温側流体及び高温側流体からなる温度制御用流体が流れる温度制御用流路を有する温度制御手段と、
低温側の予め定められた第1の温度に調整された前記低温側流体を供給する第1の供給手段と、
高温側の予め定められた第2の温度に調整された前記高温側流体を供給する第2の供給手段と、
前記第1の供給手段と前記第2の供給手段に接続され、前記第1の供給手段から供給される前記低温側流体と前記第2の供給手段から供給される前記高温側流体とを混合して前記温度制御用流路に供給する混合手段と、
前記温度制御用流路を流通した温度制御用流体を前記第1の供給手段と前記第2の供給手段に流量を制御しつつ分配する流量制御弁と、
を備え、
前記流量制御弁として請求項2〜7のいずれかに記載の流量制御用三方弁を用いたことを特徴とする温度制御装置である。
請求項9に記載された発明は、混合比が調整された低温側流体及び高温側流体からなる温度制御用流体が流れる温度制御用流路を有する温度制御手段と、
低温側の予め定められた第1の温度に調整された前記低温側流体を供給する第1の供給手段と、
高温側の予め定められた第2の温度に調整された前記高温側流体を供給する第2の供給手段と、
前記第1の供給手段と前記第2の供給手段に接続され、前記第1の供給手段から供給される前記低温側流体と前記第2の供給手段から供給される前記高温側流体とを混合比を調整して前記温度制御用流路に流す流量制御弁と、
を備え、
前記流量制御弁として請求項2〜7のいずれかに記載の流量制御用三方弁を用いたことを特徴とする温度制御装置である。
本発明によれば、弁口形成部材を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を10%配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成しない場合に比較して、低温域から高温域にわたり摺動性に優れた弁口形成部材を備えた流量制御弁、流量制御用三方弁及び温度制御装置を提供することができる。
また、本発明は、弁体と弁座の間隙から漏れた流体の圧力を第1及び第2の弁口形成部材に作用させ、弁体が第1及び第2の弁口を開閉する際に弁体の位置が変動するのを抑制する圧力作用部を有しない場合に比較して、弁体と弁口形成部材の接触に起因した弁体の駆動トルクの上昇を抑制することが可能な流量制御用三方弁及びこれを用いた温度制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを示す外観斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを示す正面図、同右側面図及びアクチュエータ部の底面図である。 本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを示す図2(b)のA−A線断面図である。 本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを示す図2(a)のB−B線断面図である。 本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを示す図2(a)のC−C線断面図である。 バルブ本体を示す断面構成図である。 本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを示す要部の断面斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを示す要部の分解斜視図である。 バルブシートを示す構成図である。 バルブシートと弁軸との関係を示す構成図である。 ウェーブワッシャーを示す構成図である。 調整リングを示す斜視構成図である。 弁軸の動作を示す構成図である。 弁軸を示す構成図である。 弁軸の動作を示す構成図である。 弁軸の動作を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブの動作を示す断面構成図である。 本発明の実施の形態2に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを示す断面構成図である。 本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを適用した恒温維持装置(チラー装置)を示す概念図である。 本発明の実施の形態2に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを適用した恒温維持装置(チラー装置)を示す概念図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁の一例としての三方弁型モータバルブを示す外観斜視図、図2(a)(b)(c)は正面図、同右側面図及びアクチュエータ部の底面図、図3は図2(b)のA−A線断面図、図4は図2(a)のB−B線断面図、図5は図2(a)のC−C線断面図、図6は三方弁型モータバルブのバルブ本体を示す断面図、図7は三方弁型モータバルブの要部を示す断面斜視図、図8は三方弁型モータバルブの要部を示す分解斜視図である。
三方弁型モータバルブ1は、回転型3方向弁として構成されている。三方弁型モータバルブ1は、図1に示すように、大別して、下部に配置されたバルブ部2と、上部に配置されたアクチュエータ部3と、バルブ部2とアクチュエータ部3の間に配置されたシール部4及びカップリング部5とから構成されている。
バルブ部2は、図2乃至図8に示すように、SUS等の金属により略直方体状に形成されたバルブ本体6を備えている。バルブ本体6には、図3及び図4に示すように、その一方の側面(図示例では、左側面)に流体が流出する第1の流出口7と、円柱形状の空所からなる弁座8に連通した断面矩形状の第1の弁口9がそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、第1の流出口7及び第1の弁口9をバルブ本体6に直接設けるのではなく、第1の弁口9を形成した第1の弁口形成部材の一例である第1のバルブシート70と、第1の流出口7を形成する第1の流路形成部材15とをバルブ本体6に装着することにより、第1の流出口7及び第1の弁口9を設けている。
第1のバルブシート70は、図9に示すように、バルブ本体6の内側に配置される角筒形状に形成された角筒部71と、バルブ本体6の外側に配置される円筒形状に形成された円筒部72と、角筒部71と円筒部72の間に円筒部82側へ向けて外径が大きくなるように配置されたテーパー部73とを一体的に備えている。第1のバルブシート70の角筒部71の内部には、矩形状(本実施の形態では、正方形状)の断面を有する角柱形状の第1の弁口9が形成されている。また、第1のバルブシート70の円筒部72の内部には、第1の流出口7を形成する第1の流路形成部材15の一端部が密封された状態で挿入されるように構成されている。第1のバルブシート70の円筒部72と第1の流路形成部材15との間は、図4に示すように、Oリング15aによって密封されている。第1のバルブシート70の円筒部72の内周面には、図9に示すように、Oリング15aを収容する凹溝75が設けられている。
第1のバルブシート70の材料としては、例えば、所謂“スーパーエンジニアリングプラスチック”が用いられる。スーパーエンジニアリングプラスチックは、通常のエンジニアリングプラスチックを上回る耐熱性や高温時の機械的強度を有するものである。スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、あるいはこれらの複合材料などが挙げられる。なお、第1のバルブシート70の材料としては、例えば、エンズィンガージャパン株式会社製の切削加工用PEEK樹脂素材である「TECAPEEK」(登録商標)、特に10%PTFEを配合して摺動性に優れた「TECAPEEK TF 10 blue」(商品名)などが好適に使用される。
バルブ本体6には、図6及び図7に示されるように、第1のバルブシート70の外形状に対応し当該バルブシート70と相似形状の凹所76が切削加工等により形成されている。凹所76は、第1のバルブシート70の角筒部71に対応した角筒部76aと、円筒部72に対応した円筒部76bと、テーパー部73に対応したテーパー部76cとを備えている。バルブ本体6の円筒部76bは、第1のバルブシート70の円筒部72より長さが長く設定されている。バルブ本体6の円筒部76bは、後述するように、第1の圧力作用部94を形成している。第1のバルブシート70は、バルブ本体6の凹所76に対して弁体としての弁軸34に接離する方向に微小な距離ではあるが移動自在に装着される。
第1のバルブシート70は、バルブ本体6の凹所76に装着された状態で、第1のバルブシート70の外周面とバルブ本体6の凹所76の内周面との間には、微小な間隙が形成されている。弁座8の内部に流入した流体は、第1のバルブシート70の外周の領域に微小な間隙を介して漏れて流入可能となっている。また、第1のバルブシート70の外周の領域へと漏れた流体は、当該第1のバルブシート70の円筒部72の外側に位置する空間からなる第1の圧力作用部94へと導入される。この第1の圧力作用部94は、流体の圧力を第1のバルブシート70の弁軸34と反対側の面70aに作用させるものである。弁座8の内部に流入する流体は、第1の弁口9を介して流出する流体の他、後述するように、第2の弁口18を介して流出する流体である。第1の圧力作用部94は、第1の流出口7との間が第1の流路形成部材15によって密封された状態で区画されている。
弁座8の内部に配置された弁軸34に作用する流体の圧力は、弁軸34の開閉度による流体の流量に依存する。弁座8の内部に流入する流体は、第1の弁口9と第2の弁口18を介して弁座8と弁軸34の外周面との間に形成される微小な間隙にも流れ込む(漏れ入る)。したがって、第1のバルブシート70に対応した第1の圧力作用部94には、第1の弁口9から流出する流体以外に、弁座8と弁軸34の外周面との間に形成される微小な間隙に流れ込んだ第2の弁口18から流出する流体も流れ込む(漏れ入る)。
また、第1のバルブシート70のテーパー部73と凹所76のテーパー部76cとの間には、図3、図4及び図7に示すように、微小な間隙が形成されている。その結果、バルブ本体6の凹所76は、第1のバルブシート70を装着した状態で、テーパー部73と凹所76のテーパー部76cとの間の微小な間隙に対応した距離だけ、当該バルブシート70がバルブ本体6の内外方向に沿って数100μm〜数mm程度にわたり移動(変位)自在であり、バルブシート70の装着位置が調整可能となっている。
第1のバルブシート70の角筒部71の先端には、図9(b)に示すように、バルブ本体6に形成された円柱形状の弁座8に対応した円柱形状の曲面の一部を成す平面円弧形状の間隙縮小部の一例としての凹部74が設けられている。凹部74の曲率半径Rは、弁座8の曲率半径又は弁軸34の曲率半径と略等しい値に設定される。バルブ本体6の弁座8は、後述するように、当該弁座8の内部で回転する弁軸34の齧りを防止するため、弁軸34の外周面との間に僅かな間隙を形成している。第1のバルブシート70の凹部74は、図10に示すように、当該第1のバルブシート70をバルブ本体6に装着した状態でバルブ本体6の弁座8より弁軸34側に突出するように装着されるか、又は弁軸34の外周面に接触するように装着される。その結果、弁軸34と当該弁軸34と対向する部材としてのバルブ本体6の弁座8の内面との間隙Gは、第1のバルブシート70の凹部74が突出した分だけ弁座8の他の部分に比較して部分的に縮小された値に設定される。このように、第1のバルブシート70の凹部74と弁軸34との間隙G1は、弁軸34と弁座8の内面との間隙G2より狭い(小さい)所要の値(G1<G2)に設定されている。なお、第1のバルブシート70の凹部74と弁軸34との間隙G1は、バルブシート70の凹部74が弁軸34に接触した状態、つまり間隙無しの状態(間隙G1=0)であっても良い。
ただし、第1のバルブシート70の凹部74が弁軸34に接触する場合には、弁軸34を回転駆動する際に凹部74の接触抵抗によって弁軸34の駆動トルクが上昇する虞れがある。そのため、第1のバルブシート70の凹部74が弁軸34に接触する程度は、弁軸34の回転トルクを考慮して調整される。すなわち、弁軸34の駆動トルクが増加しないか、増加してもその増加量が小さく、弁軸34の回転に支障がない程度に調整される。
第1の流路形成部材15は、図8に示すように、SUS等の金属によって比較的薄肉の円筒形状に形成されている。第1の流路形成部材15は、第1のバルブシート70の位置変動にかかわらず、第1の弁口9に連通した第1の流出口7を内部に形成している。
第1のバルブシート70の円筒部72の軸方向に沿った外側には、当該第1のバルブシート70が弁軸34に対して接離する方向に変位するのを許容しつつ、当該第1のバルブシート70を弁軸34に対して接離する方向に移動するのを許容する弾性部材の一例としての第1のウェーブワッシャー(波状ワッシャー)16が設けられている。第1のウェーブワッシャー16は、図11に示すように、ステンレスや鉄、あるいは燐青銅などからなり、正面に投影した形状が所要の幅を有する円環状に形成されている。また、第1のウェーブワッシャー16は、側面形状がウェーブ状(波状)に形成されており、その厚さ方向に沿って弾性変形が可能となっている。第1のウェーブワッシャー16の弾性率は、厚さや材質、あるいは波の数等によって決定される。第1のウェーブワッシャー16は、第1
の圧力作用部94に収容されている。
さらに、第1のウェーブワッシャー16の外側には、当該第1のウェーブワッシャー16を介して弁軸34と第1のバルブシート70の凹部74との間隙G1を調整する調整部材の一例としての第1の調整リング77が配置される。第1の調整リング77は、図12に示すように、耐熱性を有する合成樹脂又は金属によって外周面に雄ネジ77aが形成された相対的に長さが短く設定された円筒形状の部材からなる。第1の調整リング77の外側の端面には、当該第1の調整リング77をバルブ本体6に設けられた雌ネジ部78に締め付けて装着する際に、締付量を調整するための図示しない治具を係止して当該第1の調整リング77を回転させるための凹溝77bが180度対向する位置にそれぞれ設けられている。
バルブ本体6には、図6に示すように、第1の調整リング77を装着するための第1の雌ネジ部78が設けられている。バルブ本体6の開口端部には、外周に向けて直径が拡大するようにテーパー部79が設けられている。テーパー部79には、Oリング79aが介在される。
第1の調整リング77は、バルブ本体6の雌ネジ部78に対する締め込み量を調整することにより、当該第1の調整リング77が第1のウェーブワッシャー16を介して第1のバルブシート70を内側に向けて押動する量(距離)を調整するものである。第1の調整リング70の締め込み量を増加させると、第1のバルブシート70は、図10に示すように、第1の調整リング77によって第1のウェーブワッシャー16を介して押され、凹部74が弁座8の内周面から突出して弁軸34に近接する方向に変位し、当該凹部74と弁軸34との間隙G1が減少する。また、第1の調整リング77の締め込み量を予め少ない量に設定すると、第1のバルブシート70は、第1の調整リング77によって押動される距離が減少し、弁軸34から離間した位置に配置され、第1のバルブシート70の凹部74と弁軸34との間隙G1が相対的に増大する。第1の調整リング77の雄ネジ77a及びバルブ本体6の雌ネジ部78は、そのピッチが小さく設定されており、第1のバルブシート70の突出量を微調整可能に構成されている。
また、バルブ本体6の一側面には、図3及び図4に示すように、流体を流出させる図示しない配管等を接続するため接続部材の一例としての第1のフランジ部材10が4本の六角穴付きボルト11により取り付けられている。図8中、符号11aは、六角穴付きボルト11が締結されるネジ孔を示している。第1のフランジ部材10は、バルブ本体6と同様にSUS等の金属により形成される。第1のフランジ部材10は、バルブ本体6の側面形状と略同一の側面矩形状に形成されたフランジ部12と、フランジ部12の内側面に円筒形状に突設された挿入部13(図3参照)と、フランジ部12の外側面に厚肉の略円筒形状に突設され、図示しない配管が接続される配管接続部14とを有している。第1のフランジ部材10の挿入部13と第1の流路形成部材15との間は、図4に示すように、Oリング13aによって密封されている。第1のフランジ部材10の挿入部13の内周面には、Oリング13aを収容する凹溝13bが設けられている。配管接続部14の内周は、例えば、その口径が直径約21mmのテーパー付き雌ネジであるRc1/2や直径約0.58インチの雌ネジに設定されている。なお、配管接続部14の形状は、テーパー付き雌ネジ或いは雌ネジに限定されるものではなく、チューブを装着するチューブフィッティングなどでもよく、第1の流出口7から流体を流出可能なものであれば良い。
バルブ本体6には、図3及び図4に示すように、その他方の側面(図中、右側面)に流体が流出する第2の流出口17と、円柱形状の空所からなる弁座8に連通した断面矩形状の第2の弁口18がそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、第2の流出口17及び第2の弁口18をバルブ本体6に直接設けるのではなく、第2の弁口18を形成した弁口形成部材の一例としての第2のバルブシート80と、第2の流出口17を形成した第2の流路形成部材25とをバルブ本体6に装着することにより、第2の流出口17及び第2の弁口18を設けている。
第2のバルブシート80は、図9に符号を括弧付きで示すように、第1のバルブシート70と同様に構成されている。すなわち、第2のバルブシート80は、バルブ本体6の内側に配置される角筒形状に形成された角筒部81と、バルブ本体6の外側に配置される円筒形状に形成された円筒部82と、角筒部81と円筒部82の間に円筒部82側へ向けて外径が大きくなるよう配置されたテーパー部83とを一体的に備えている。第2のバルブシート80の角筒部81の内部には、矩形状(本実施の形態では、正方形状)の断面を有する角柱形状の第2の弁口18が形成されている。また、第2のバルブシート80の円筒部82の内部には、第2の流出口17を形成する第2の流路形成部材25の一端部が密封された状態で挿入されるように配置されている。第2のバルブシート80の円筒部82と第2の流路形成部材25との間は、図4に示すように、Oリング25aによって密封されている。第2のバルブシート80の円筒部82の内周面には、図9に示すように、Oリング25aを収容する凹溝85が設けられている。
バルブ本体6には、図6及び図7に示されるように、第2のバルブシート80の外形状に対応し当該バルブシート80と相似形状の凹所86が切削加工等により形成されている。凹所86は、第2のバルブシート80の角筒部81に対応した角筒部86aと、円筒部82に対応した円筒部86bと、テーパー部83に対応したテーパー部86cとを備えている。バルブ本体6の円筒部86bは、第2のバルブシート80の円筒部82より長さが長く設定されている。バルブ本体6の円筒部86bは、後述するように、第2の圧力作用部96を形成している。第2のバルブシート80は、バルブ本体6の凹所86に対して弁体としての弁軸34に接離する方向に微小な距離ではあるが移動自在に装着される。
第2のバルブシート80は、バルブ本体6の凹所86に装着された状態で、バルブシート80の角筒部81とバルブ本体6の角筒部86aとの間には、微小な間隙が形成されている。弁座8の内部に流入した流体は、微小な間隙を介して第2のバルブシート80の外周の領域に流入可能となっている。また、第2のバルブシート80の外周の領域へと流入した流体は、当該第2のバルブシート80の円筒部82の外側に位置する空間からなる第2の圧力作用部96へと導入される。この第2の圧力作用部96は、流体の圧力を第2のバルブシート80の弁軸34と反対側の面80aに作用させるものである。弁座8の内部に流入する流体は、第2の弁口18を介して流出する流体の他、第1の弁口9を介して流出する流体がある。第2の圧力作用部98は、第2の流出口17との間が第2の流路形成部材25によって密封された状態で区画されている。
弁座8の内部に配置された弁軸34に作用する流体の圧力は、弁軸34の開閉度による流体の流量に依存する。弁座8の内部に流入する流体は、第1の弁口9と第2の弁口18を介して弁座8と弁軸34の外周面との間に形成される微小な間隙にも流れ込む(漏れ入る)。したがって、第2のバルブシート80に対応した第2の圧力作用部96には、第2の弁口18から流出する流体以外に、弁座8と弁軸34の外周面との間に形成される微小な間隙に流れ込んだ第1の弁口9から流出する流体も流入する。
また、第2のバルブシート80のテーパー部83と凹所86のテーパー部86cとの間には、図3及び図4に示すように、微小な間隙が形成されている。その結果、バルブ本体6の凹所86は、第2のバルブシート80を装着した状態で、テーパー部83と凹所86のテーパー部86cとの間の微小な間隙に対応した距離だけ、当該バルブシート80がバルブ本体6の内外方向に沿って数100μm〜数mm程度にわたり移動自在であり、バルブシート80の装着位置が調整可能となっている。なお、第2のバルブシート80は、第1のバルブシート70と同じ材料により形成されている。
第2のバルブシート80の角筒部81の先端には、図9(b)に示すように、バルブ本体6に形成された円柱形状の弁座8に対応した円柱形状の曲面の一部を成す平面円弧形状の間隙縮小部の一例としての凹部84が設けられている。凹部84の曲率半径Rは、弁座8の曲率半径又は弁軸34の曲率半径と略等しい値に設定される。バルブ本体6の弁座8は、後述するように、当該弁座8の内部で回転する弁軸34の齧りを防止するため、弁軸34の外周面との間に僅かな間隙を形成している。第2のバルブシート80の凹部84は、当該第2のバルブシート70をバルブ本体6に装着した状態でバルブ本体6の弁座8より弁軸34側に突出するように装着されるか、又は弁軸34の外周面に接触するように装着される。その結果、弁軸34と当該弁軸34と対向する部材としてのバルブ本体6の弁座8の内面との間隙Gは、第2のバルブシート80の凹部84が突出した分だけ弁座8の他の部分に比較して部分的に縮小された値に設定される。このように、第2のバルブシート80の凹部84と弁軸34との間隙G3は、弁軸34と弁座8の内面との間隙G2より狭い(小さい)所要の値(G3<G2)に設定されている。なお、第2のバルブシート80の凹部84と弁軸34との間隙G3は、バルブシート80の凹部84が弁軸34に接触した状態、つまり間隙無しの状態(間隙G3=0)であっても良い。
ただし、第2のバルブシート80の凹部84が弁軸34に接触する場合には、弁軸34を回転駆動する際に凹部84の接触抵抗によって弁軸34の駆動トルクが上昇する虞れがある。そのため、第2のバルブシート70の凹部84が弁軸34に接触する程度は、初期的に、弁軸34の回転トルクを考慮して調整される。すなわち、弁軸34の駆動トルクが増加しないか、増加してもその増加量が小さく、弁軸34の回転に支障がない程度に調整される。
第2のバルブシート80の円筒部82の外側には、当該第2のバルブシート80が弁軸34に対して接離する方向に変位するのを許容しつつ、当該第2のバルブシート80を弁軸34に対して接触する方向に押動する弾性部材の一例としての第2のウェーブワッシャー(波形ワッシャー)26が設けられている。第2のウェーブワッシャー26は、図11に示すように、ステンレスや鉄、あるいは燐青銅などからなり、正面に投影した形状が所要の幅を有する円環状に形成されている。また、第2のウェーブワッシャー26は、側面形状がウェーブ状(波状)に形成されており、その厚さ方向に沿って弾性変形が可能となっている。第2のウェーブワッシャー26の弾性率は、厚さや材質、あるいは波の数等によって決定される。第2のウェーブワッシャー26としては、第1のウェーブワッシャー16と同一のものが使用される。
さらに、第2のウェーブワッシャー26の外側には、当該第2のウェーブワッシャー26を介して弁軸34と第2のバルブシート80の凹部84との間隙G3を調整する調整部材の一例としての第2の調整リング87が配置される。第2の調整リング87は、図12に示すように、耐熱性を有する合成樹脂又は金属によって外周面に雄ネジ87aが形成された相対的に長さが短く設定された円筒形状の部材からなる。第2の調整リング87の外側の端面には、当該第2の調整リング87をバルブ本体6に設けられた雌ネジ部88に締め付けて装着する際に、締付量を調整するための図示しない治具を係止して当該第2の調整リング87を回転させるための凹溝87bが180度対向する位置にそれぞれ設けられている。
バルブ本体6には、図6及び図7に示すように、第2の調整リング87を装着するための第2の雌ネジ部88が設けられている。バルブ本体6の開口端部には、外周に向けて直径が拡大するようにテーパー部89が設けられている。テーパー部89には、Oリング89aが介在される。
第2の調整リング87は、バルブ本体6の雌ネジ部88に対する締め込み量を調整することにより、当該第2の調整リング87が第2のウェーブワッシャー26を介して第2のバルブシート80を内側に向けて押動する量(距離)を調整するものである。第2の調整リング87の締め込み量を増加させると、第2のバルブシート80は、図10に示すように、第2の調整リング87によって第2のウェーブワッシャー26を介して押され、凹部84が弁座8の内周面から突出して弁軸34に近接する方向に変位し、当該凹部84と弁軸34との間隙G3が減少する。また、第2の調整リング87の締め込み量を予め少ない量に設定すると、第2のバルブシート80は、第2の調整リング87によって押動される距離が減少し、弁軸34から離間した位置に配置され、第2のバルブシート80の凹部84と弁軸34との間隙G3が相対的に増大する。第2の調整リング87の雄ネジ87a及びバルブ本体6の雌ネジ部88は、そのピッチが小さく設定されており、第2のバルブシート80の突出量を微調整可能に構成されている。
バルブ本体6の他方の側面には、図3及び図4に示すように、流体を流出させる図示しない配管を接続するため接続部材の一例としての第2のフランジ部材19が4本の六角穴付きボルト20により取り付けられている。第2のフランジ部材19は、第1のフランジ部材10と同様にSUS等の金属により形成される。第2のフランジ部材19は、バルブ本体6の側面形状と同一の側面矩形状に形成されたフランジ部21と、フランジ部21の内側面に円筒形状に突設された挿入部22と、フランジ部21の外側面に厚肉の略円筒形状に突設され、図示しない配管が接続される配管接続部23とを有している。第2のフランジ部材19の挿入部22と第2の流路形成部材25との間は、図4に示すように、Oリング22aによって密封されている。第2のフランジ部材19の挿入部22の内周面には、Oリング22aを収容する凹溝22bが設けられている。配管接続部23の内周は、例えば、その口径が直径約21mmのテーパー付き雌ネジであるRc1/2や、直径約0.58インチの雌ネジに設定されている。なお、配管接続部23の形状は、配管接続部14と同様、テーパー付き雌ネジ或いは雌ネジに限定されるものではなく、チューブを装着するチューブフィッティングなどでもよく、第2の流出口17から流体を流出可能なものであれば良い。
尚、図3及び図4に示す実施の形態では、第1及び第2の流路形成部材15,25を第1及び第2のフランジ部材10,19にわたり長尺に設けた場合について図示したが、第1及び第2の流路形成部材15,25は、これよりも短くとも良い。すなわち、第1及び第2の流路形成部材15,25は、図7に示すように、第1及び第2の調整リング77,87の内側にそれぞれ配置される第1及び第2の密封部材97,98までに達する相対的に短い長さに設定しても良い。第1及び第2の調整リング77,87は、第1及び第2のウェーブワッシャー16,26と同様に、第1及び第2の圧力作用部96の内部に配置される。第1及び第2の調整リング77,87の内周面及び外周面には、第1及び第2の流路形成部材15,25との間を密封する図示しないOリングを収容する凹溝97a,98aが形成されている。また、第1及び第2のフランジ部材10,19は、バルブ本体6に設けられたテーパー部89に介在されるOリング89aによって密封されるのではなく、図7に示すように、第1及び第2のフランジ部材10,19のフランジ部12,21の内面に設けられた凹溝12a,21aに装着されるOリング79a,89aによって密封されるように構成しても良い。
ここで、流体としては、例えば、圧力が0〜1MPa、0〜80℃程度の温度に調整された水(純水など)などが好適に使用される。また、流体としては、例えば、−20〜+120℃程度の温度範囲において、−20℃程度の温度においても凍結せず、+120℃程度においても沸騰しないフロリナート(登録商標)などのフッ素系不活性液体、エチレングリコール等の流体が使用される。
また、バルブ本体6には、図3に示すように、その下端面に流体が流入する第3の弁口として断面円形状の流入口26が開口されている。バルブ本体6の下端面には、流体を流入させる図示しない配管を接続するため接続部材の一例としての第3のフランジ部材27が4本の六角穴付きボルト28により取り付けられている。流入口26の下端部には、第3のフランジ部材27を装着するためテーパー状に拡径したテーパー部26aを介して円筒部26bが開口されている。なお、流入口26の下端部には、図7に示すように、テーパー部26aを設けずに円筒部26bのみを設けるように構成しても良い。第3のフランジ部材27は、第1及び第2のフランジ部材10,19と同様にSUS等の金属により形成される。第3のフランジ部材27は、バルブ本体6の下端面形状より小さい平面矩形状に形成されたフランジ部29と、フランジ部29の上端面に円筒形状に突設された挿入部30と、フランジ部29の下端面に厚肉の略円筒形状に突設され、図示しない配管が接続される配管接続部31とを有している。配管接続部31の内周は、例えば、その口径が直径約21mmのテーパー付き雌ネジであるRc1/2や直径約0.58インチの雌ネジに設定されている。バルブ本体6の流入口26の下端内周端には、第3のフランジ部材27のフランジ部29との間にOリング32を装着するための面取り33が施されている。なお、配管接続部31の形状は、テーパー付き雌ネジ或いは雌ネジに限定されるものではなく、チューブを装着するチューブフィッティングなどでもよく、流入口26から流体を流入可能なものであれば良い。なお、第3のフランジ部材27のフランジ部29の密封構造は、図7に示すように、第1及び第2のフランジ部材10,19と同様に、フランジ部29の内面に設けられた図示しない凹溝に装着されるOリングによって密封されるように構成しても良い。
バルブ本体6の中央には、第1及び第2のバルブシート70,80を装着することによって断面矩形状の第1の弁口9及び断面矩形状の第2の弁口18が設けられる弁座8を備えている。弁座8は、後述する弁体の外形状に対応した円柱形状に形成された空所からなる。また、弁座8の一部は、第1及び第2のバルブシート70,80によって形成されている。円柱形状に形成された弁座8は、バルブ本体6の上端面に貫通した状態で設けられる。バルブ本体6に設けられる第1の弁口9及び第2の弁口18は、図13に示すように、円柱形状に形成された弁座8の中心軸(回転軸)Cに対して軸対称に配置されている。更に説明すると、第1の弁口9及び第2の弁口18は、円柱形状に形成された弁座8に対して直交するように配置されており、第1の弁口9の一方の端縁は、中心軸Cを介して第2の弁口18の他方の端縁と対向する位置(180度異なる位置)に開口されている。また、第1の弁口9の他方の端縁は、中心軸Cを介して第2の弁口18の一方の端縁と対向する位置(180度異なる位置)に開口されている。なお、図13では、便宜上、弁座8と弁軸34との間隙は図示が省略されている。
また、第1の弁口9及び第2の弁口18は、図3及び図4に示すように、上記のごとく、バルブ本体6に第1及び第2のバルブシート70,80を装着することによって形成される断面正方形状等の断面矩形状に形成された開口部からなる。第1の弁口9及び第2の弁口18は、その一辺の長さが第1の流出口7及び第2の流出口17の直径より小さく設定されており、当該第1の流出口7及び第2の流出口17に内接する断面矩形状に形成されている。
弁体の一例としての弁軸34は、図14に示すように、SUS等の金属により外形が略円柱形状に形成されている。弁軸34は、大別して、弁体として機能する弁体部35と、当該弁体部35の上下にそれぞれ設けられて弁軸34を回転自在に支持する上下の軸支部36,37と、上軸支部36の上部に設けられたシール部38と、シール部38の上部にテーパー部39を介して設けられたカップリング部40とを一体的に備えている。
上下の軸支部36,37は、弁体部35より外径が小さく同一又は異なる直径を有するように設定された円筒形状にそれぞれ形成されている。下軸支部37の軸方向に沿った長さは、上軸支部36より若干長く設定されている。下軸支部37は、図3に示すように、バルブ本体6に設けられた弁座8の下端部にベアリング41を介して回転自在に支持されている。弁座8の下部には、ベアリング41を支持する環状の支持部42が内周へ向けて突出するように設けられている。ベアリング41、支持部42及び第3の弁口26は、同一の内径に設定されており、弁体部35の内部へと温度制御用流体が抵抗を殆ど生じることなく流入するよう構成されている。一方、上軸支部36には、スラストワッシャー43が装着されており、弁軸34が後述するシール筐体53に押圧されることで発生する負荷を低減させている。
また、弁体部35は、図3及び図14(b)に示すように、第1及び第2の弁口9,18の開口高H1より高さが低い開口高H2を有する略半円筒形状の開口部44が設けられた円筒形状に形成されている。弁体部35の開口部44が設けられた弁動作部45は、予め定められた中心角α(例えば、約190度)を有する半円筒形状(円筒形状の部分のうち、開口部44を除いた略半円筒形状)に形成されている。弁動作部45は、開口部44の上下に位置する弁体部35を含めて第1の弁口9を閉状態から開状態に切り替えると同時に、第2の弁口18を逆方向の開状態から閉状態に切り替えるよう弁座8内に且つ弁座8の内周面に金属同士の齧りを防止するため微小な間隙を介して非接触状態となるよう回転自在に配置されている。弁動作部45の上下に配置された上下の弁軸部46,47は、図14に示すように、弁動作部45と同一の外径を有する円筒形状に形成されており、弁座8の内周面に微小な間隙を介して非接触状態にて回転自在となっている。弁動作部45及び上下の弁軸部46,47、更にはシール部38にわたる内部には、円柱形状の空所48が下端部に向けて貫通した状態で設けられている。
また、弁動作部45は、周方向(回転方向)に沿った両端面45a,45bがその回転軸Cと交差する(直交する)方向に沿った断面形状が曲面形状に形成されている。更に説明すると、弁動作部45は、図14に示すように、周方向に沿った両端部45a,45bの回転軸Cと交差する断面形状が開口部44に向けて凸形状を成す円弧形状に形成されている。両端部45a,45bの曲率半径は、例えば、弁動作部45の厚さTの1/2に設定される。その結果、両端部45a,45bの断面形状は、半円形状となる。
弁動作部45は、周方向に沿った両端部45a,45bの回転軸Cと交差する断面形状が円弧形状に限定されるものではなく、周方向(回転方向)に沿った両端面45a,45bが曲面形状に形成されても良い。弁動作部45としては、図15(b)に示すように、周方向に沿った両端部45a,45bの回転軸Cと交差する断面形状が外周面側に位置する第1の曲線部50と、内周面側に位置して第1の曲線部50より曲率半径が小さい第2の曲線部51を滑らかに接続した曲線状に形成することも可能である。
弁動作部45の周方向に沿った両端部45a,45bは、図15に示すように、弁軸34が回転駆動されて第1及び第2の弁口9,18を開閉する際に、流体の流れの中において、第1及び第2の弁口9,18の周方向に沿った端部から突出する又は退避するように移動(回転)することで第1及び第2の弁口9,18を開状態から閉状態あるいは閉状態から開状態へと移行させる。このとき、弁動作部45の周方向に沿った両端部45a,45bは、弁軸34の回転角度に対する第1及び第2の弁口9,18の開口面積をより一層リニア(直線状)に変化させるため、断面形状が曲面形状に形成されていることが望ましい。
また、弁動作部45の周方向に沿った両端部45a,45bは、これに限定されず、図16に示すように、半径方向に沿った平面形状に形成しても良い。弁動作部45の周方向に沿った両端部45a,45bを平面形状に形成した場合でも、弁軸34の回転角度に対する第1及び第2の弁口9,18の開口面積を略リニア(直線状)に変化させることができる。
シール部4は、図3に示すように、弁軸34を液密状態に密封するものである。シール部4は、SUS等の金属によって弁軸34を挿通する挿通孔52を有する円筒形状に形成されたシール筐体53を有している。シール筐体53は、図6に示すように、バルブ本体6の上端面に設けられた円柱形状の凹部54に配置されている。シール筐体53は、環状のシール部材55,56を介して弁軸34との位置関係が決まり、位置決めピン58(図2(b)参照)を介して後述するスペーサ部材59に対して回り止め状態に固定される構造となっている。シール筐体53の内周面には、弁軸34を密封するOリング等からなる2つの環状のシール部材55,56が上下に配置されている。シール部材55,56としては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)製のOリングが用いられる。上方に位置するシール部材56は、押さえ部材56aにより押さえられている。また、シール筐体53は、Oリング等からなる環状のシール部材57によりバルブ本体6に対して密封されている。
カップリング部5は、シール部4が内蔵されたバルブ本体6とアクチュエータ部3との間に配置されている。カップリング部5は、弁軸34と当該弁軸34を一体に回転させる図示しない回転軸とを連結するためのものである。カップリング部5は、シール部4とアクチュエータ部3の間に配置されたスペーサ部材59と、スペーサ部材59の上部に固定されたアダプタプレート60と、スペーサ部材59及びアダプタプレート60の内部に貫通状態で形成された円柱形状の空間61に収容され、弁軸34と図示しない回転軸とを連結するカップリング部材62とから構成されている。スペーサ部材59は、SUS等の金属によりバルブ本体6と略同一の平面形状を有する比較的高さが低い角筒状に形成されている。スペーサ部材59は、ネジ止め等の手段によってバルブ本体6及びアダプタプレート60の双方に固定される。また、アダプタプレート60は、図2(c)に示すように、SUS等の金属により平面多角形の板状に形成されている。アダプタプレート60は、六角孔付きボルト63によりアクチュエータ部3の基盤64に固定した状態で取り付けられる。
カップリング部材62は、図3に示すように、金属や耐熱性を有する合成樹脂、或いはセラミクス等により円柱形状に形成されたものである。弁軸34の上端には、水平方向に沿って貫通するように凹溝65が設けられている。そして、弁軸34は、カップリング部材62に設けられた凸部66を凹溝65に嵌合することによりカップリング部材62に連結固定されている。一方、カップリング部材62の上端には、水平方向に沿って貫通するように凹溝67が設けられている。図示しない回転軸は、カップリング部材62に設けられた凹溝67に図示しない凸部を嵌合することによりカップリング部材62に連結固定される。スペーサ部材59は、シール部材55,56から液体が漏洩した際、挿通孔52を通じて漏洩した液体を検知するための開口部68を側面に有している。開口部68は、例えば、その口径が直径約8mmのテーパー付き雌ネジであるRc1/16に設定されている。
アクチュエータ部3は、図2に示すように、平面矩形状に形成された基盤64を備えている。基盤64の上部には、ステッピングモータやエンコーダ等からなる駆動手段を内蔵した直方体形状の箱体として構成されたケーシング90がビス91止めにより装着されている。アクチュエータ部3の駆動手段は、制御信号に基づいて図示しない回転軸を所望の方向に所定の精度で回転可能なものであれば良く、その構成は限定されない。駆動手段は、ステッピングモータ及び当該ステッピングモータの回転駆動力をギア等の駆動力伝達手段を介して回転軸に伝達する駆動力伝達機構、並びに回転軸の回転角度を検出するエンコーダ等の角度センサにより構成される。
なお、図2中、符号92はステッピングモータ側ケーブルを、93は角度センサ側ケーブルをそれぞれ示している。これらステッピングモータ側ケーブル92及び角度センサ側ケーブル93は、三方弁型モータバルブ1を制御する図示しない制御装置にそれぞれ接続される。
<三方弁型モータバルブの動作>
本実施の形態に係る三方弁型モータバルブ1では、次のようにして流体の流量が制御される。
三方弁型モータバルブ1は、図8に示すように、組立時又は使用する際の調整時に、第1及び第2のフランジ部材10,19がバルブ本体6から一旦取り外され、調整リング77,87が外部に露出した状態とされる。この状態で、図示しない治具を用いて調整リング77,87のバルブ本体6に対する締付量を調整することにより、図10に示すように、第1及び第2のバルブシート70,80におけるバルブ本体6の弁座8に対する突出量を変化させる。調整リング77,87のバルブ本体6に対する締付量を増加させた場合には、第1及び第2のバルブシート70,80の凹部74,84がバルブ本体6の弁座8の内周面から突出し、第1及び第2のバルブシート70,80の凹部74,84と弁軸34の外周面との間隙G1が減少して、第1及び第2のバルブシート70,80の凹部74,84と弁軸34の外周面とが接触するに至る。一方、調整リング77,87のバルブ本体6に対する締付量を減少させた場合には、第1及び第2のバルブシート70,80の凹部74,84がバルブ本体6の弁座8の内周面から突出する長さが減少し、第1及び第2のバルブシート70,80の凹部74,84と弁軸34の外周面との間隙G1が増加する。
本実施の形態では、第1及び第2のバルブシート70,80の凹部74,84と弁軸34の外周面との間隙G1が10μm未満に設定される。ただし、第1及び第2のバルブシート70,80の凹部74,84と弁軸34の外周面との間隙G1は、この値に限定されるものではなく、当該値より小さい値、例えば間隙G1=0μm(接触状態)であっても良く、10μm以上に設定しても良い。
三方弁型モータバルブ1は、図1に示すように、第3のフランジ部材27を介して流体が図示しない配管を介して流入し、第1のフランジ部材10及び第2のフランジ部材19を介して流体が図示しない配管を介して流出する。また、三方弁型モータバルブ1は、図13(a)に示すように、例えば、動作を開始する前の初期状態において、弁軸34の弁動作部45が第1の弁口9を閉塞(全閉)すると同時に第2の弁口18を開放(全開)した状態とされる。
三方弁型モータバルブ1は、図3に示すように、アクチュエータ部3に設けられた図示しないステッピングモータを所定量だけ回転駆動させると、ステッピングモータの回転量に応じて図示しない回転軸が回転駆動される。三方弁型モータバルブ1は、回転軸が回転駆動されると、当該回転軸に連結固定された弁軸34が回転軸の回転量(回転角)と同一の角度だけ回転する。弁軸34の回転に伴って弁動作部45が弁座8の内部において回転し、図15(a)に示すように、弁動作部45の周方向に沿った一端部45aが第1の弁口9を徐々に開放して、流入口26から流入した流体が弁座8の内部に流入するとともに、第1のハウジング部材10から第1の流出口7を介して流出する。
このとき、弁動作部45の周方向に沿った他端部45bは、図15(a)に示すように、第2の弁口18を開放しているため、流入口27から流入した流体が弁座8の内部に流入して弁軸34の回転量に応じて分配されるととともに、第2のハウジング部材19から第2の流出口17を介して外部に流出する。
三方弁型モータバルブ1は、図15(a)に示すように、弁軸34が回転駆動されて弁動作部45の周方向に沿った一端部45aが第1の弁口9を徐々に開放すると、弁座8並びに弁軸34の内部を通って流体が第1及び第2の弁口9,18を介して第1及び第2の流出口9,18を介して外部に供給される。
また、三方弁型モータバルブ1は、弁動作部45の周方向に沿った両端部45a,45bが断面曲面形状又は断面平面形状に形成されているため、弁軸34の回転角度に対して第1及び第2の弁口9,18の開口面積をリニア(直線状)に変化させることが可能となる。また、弁動作部45の両端部45a,45bによって流量が規制される流体が層流に近い状態で流動すると考えられ、第1の弁口9及び第2の弁口18の開口面積に応じて流体の分配比(流量)を精度良く制御することができる。
本実施の形態に係る三方弁型モータバルブ1では、上述したように、初期的に、弁軸34の弁動作部45が第1の弁口9を閉塞(全閉)すると同時に第2の弁口18を開放(全開)した状態とされる。
このとき、三方弁型モータバルブ1は、弁軸34の弁動作部45が第1の弁口9を閉塞(全閉)すると、理想的には、流体の流量がゼロとなる筈である。
しかしながら、三方弁型モータバルブ1は、図10に示すように、弁軸34が弁座8の内周面に対して金属同士の齧りを防止するために、弁軸34の外周面と弁座8の内周面との間に微小な間隙を介して非接触状態となるよう回転自在に配置されている。その結果、弁軸34の外周面と弁座8の内周面との間には、微小な間隙G2が形成されている。そのため、三方弁型モータバルブ1は、弁軸34の弁動作部45が第1の弁口9を閉塞(全閉)した場合であっても、流体の流量がゼロとならず、弁軸34の外周面と弁座8の内周面との間に存在する微小な間隙G2を介して流体が少量ながら第2の弁口18側へ流れ込もうとする。
ところで、本実施の形態に係る三方弁型モータバルブ1では、図10に示すように、第1及び第2のバルブシート70,80に凹部74,84が設けられており、当該凹部74,84が弁座8の内周面から弁軸34側に突出して、弁軸34の外周面と弁座8の内周面との間の間隙G1を部分的に縮小している。
したがって、三方弁型モータバルブ1は、弁軸34が弁座8の内周面に対して金属同士の齧りを防止するため、弁軸34の外周面と弁座8の内周面との間に微小な間隙を介して非接触状態となるよう回転自在に配置されていても、流体が第1の弁口9から弁軸34の外周面と弁座8の内周面との間に存在する微小な間隙G2へ流れ込むことが、弁軸34の外周面と弁座8の内周面との間隙が部分的に縮小された領域である間隙G1により大幅に制限されて抑制される。
そのため、三方弁型モータバルブ1では、弁軸34と当該弁軸34と対向する第1及び第2のバルブシート70,80との間隙を部分的に縮小するよう設けられた凹部74,84を備えない三方弁型モータバルブに比較して、当該三方弁型モータバルブ1の全閉時における流体の漏れを大幅に抑制することが可能となる。
望ましくは、本実施の形態に係る三方弁型モータバルブ1は、第1及び第2のバルブシート70,80の凹部74,84を弁軸34の外周面と接触させることにより、間隙G1,G2を大幅に縮小することができ、当該三方弁型モータバルブ1の全閉時における流体の漏れが大幅に抑制される。
また同様に、三方弁型モータバルブ1は、弁軸34の弁動作部45が第2の弁口18を閉塞(全閉)とした場合にも、流体が第2の弁口18を介して、他方の第1の弁口9側に漏れて流出するのを大幅に抑制することができる。
さらに、本実施の形態では、図3に示すように、第1及び第2のバルブシート70,80の弁軸34と反対側の面70a,80aに、弁軸34の外周面と弁座8の内周面との間に微小な間隙を介して流体の圧力を作用させる第1及び第2の圧力作用部94,96が設けられている。そのため、三方弁型モータバルブ1は、図13(a)に示すように、開度0%つまり第1の弁口9が全閉の付近、及び開度100%つまり第1の弁口9が全開の付近において、第1及び第2の弁口9,18が全閉に近づくと、当該第1及び第2の弁口9,18から流出する流体の量が大幅に減少する。これに伴って、三方弁型モータバルブ1は、全閉状態に近づく弁口では、流出する流体の圧力が低下する。そのため、例えば開度0%つまり第1の弁口9が全閉のとき、流入口26から圧力700KPa程度の流体が流入し、略700KPaのまま第2の弁口18から流出する。このとき、全閉に近い状態である第1の弁口9側は、出口側の圧力が例えば100KPa程度まで低下する。その結果、第2の弁口18と第1の弁口9との間に600KPa程度の圧力差が生じることになる。
したがって、対策を講じない三方弁型モータバルブ1では、第2の弁口18と第1の弁口9との間の圧力差によって弁軸34が相対的に圧力の低い第1の弁口9側に移動(変位)し、弁軸34がベアリング41に片当たりした状態となる。そのため、弁軸34を閉じる方向に回転駆動する際の駆動トルクが増大して、動作不良を生じる虞れがある。
これに対して、本実施の形態に係る三方弁型モータバルブ1では、図17に示すように、第1及び第2のバルブシート70,80の弁軸34と反対側の面に、弁軸34の外周面と弁座8の内周面との間に微小な間隙を介して漏れる流体の圧力を第1及び第2のバルブシート70,80に作用させる第1及び第2の圧力作用部94,96が設けられている。そのため、本実施の形態に係る三方弁型モータバルブ1では、第2の弁口18と第1の弁口9との間の圧力差が生じる場合であっても、相対的に圧力が高い側の流体の圧力が弁軸34の外周面と弁座8の内周面との微小な間隙を介して第1及び第2の圧力作用部94,96に作用する。その結果、相対的に100KPa程度と圧力が低い側の第1のバルブシート70は、当該第1の圧力作用部94に作用する相対的に圧力が100KPa程度と高い側の流体の圧力によって、弁軸34を適正な位置へと戻すように作用する。したがって、本実施の形態に係る三方弁型モータバルブ1では、第2の弁口18と第1の弁口9との間の圧力差によって弁軸34が相対的に圧力の低い第1の弁口9側に移動(変位)するのを防止乃至抑制し、弁軸34がベアリング41によって滑らかに支持された状態を維持することができ、弁軸34を閉じる方向に回転駆動する際の駆動トルクが増大するのを防止乃至抑制することができる。
また、本実施の形態に係る三方弁型モータバルブ1では、第1の弁口9が全開の付近、つまり第2の弁口18が全閉状態に近いときにも同様に動作し、弁軸34を回転駆動する際の駆動トルクが増大するのを防止乃至抑制することができる。
[実施の形態2]
図18は本発明の実施の形態2に係る流量制御弁の一例としての三方弁型モータバルブを示すものである。
本実施の形態2に係る三方弁型モータバルブ1は、同一の流体を二つに分配するものではなく、異なる2種類の流体を混合する混合用の三方弁型モータバルブ1として構成されたものである。
三方弁型モータバルブ1は、図18に示すように、バルブ本体6の一方の側面に第1の流体としての低温側流体が流入する第1の流入口7と、円柱形状の空所からなる弁座8に連通した断面矩形状の第1の弁口9がそれぞれ設けられている。本実施の形態では、第1の流出口7及び第1の弁口9をバルブ本体6に直接設けるのではなく、第1の弁口9を形成した弁口形成部材の一例としての第1のバルブシート70と、第1の流入口7を形成した第1の流路形成部材15とをバルブ本体6に装着することにより、第1の流入口17及び第1の弁口9を設けている。
また、三方弁型モータバルブ1は、バルブ本体6の他方の側面に第2の流体としての高温側流体が流入する第2の流入口17と、円柱形状の空所からなる弁座8に連通した断面矩形状の第2の弁口18がそれぞれ設けられている。本実施の形態では、第2の流出口17及び第2の弁口18をバルブ本体6に直接設けるのではなく、第2の弁口18を形成した弁口形成部材の一例としての第2のバルブシート80と、第2の流出口17を形成した第2の流路形成部材25とをバルブ本体6に装着することにより、第2の流出口17及び第2の弁口18を設けている。
また、三方弁型モータバルブ1は、バルブ本体6の底面に第1及び第2の流体がバルブ本体6の内部で混合された混合流体である温度制御用流体が流出する流出口26が開口されている。
ここで、第1の流体としての低温側流体及び第2の流体としての高温側流体は、温度制御用に使用される流体であって相対的に温度が低い流体を低温側流体と称し、相対的に温度が高い流体を高温側流体と称している。したがって、低温側流体及び高温側流体は、相対的なものを意味し、絶対的に温度が低い低温の流体及び絶対的に温度が高い高温の流体を意味するものではない。低温側流体及び高温側流体としては、例えば、圧力が0〜1MPa、0〜80℃程度の温度範囲において0〜30℃程度の温度に調整された水(純水など)、及び50〜80℃程度の温度に調整された水(純水)などが好適に使用される。また、低温側流体及び高温側流体としては、例えば、−20〜+120℃程度の温度範囲において、−20℃程度の温度においても凍結せず、+120℃程度においても沸騰しないフロリナート(登録商標)などのフッ素系不活性液体、エチレングリコール等の流体が使用される。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
[実施例1]
図19は本発明の実施の形態1に係る流量制御用三方弁を適用した恒温維持装置(チラー装置)を示す概念図である。
このチラー装置100は、例えば、プラズマエッチング処理などを伴う半導体製造装置に使用され、温度制御対象Wの一例としての半導体ウエハ等の温度を一定温度に維持するものである。半導体ウエハ等の温度制御対象Wは、プラズマエッチング処理等を受けると、プラズマの生成や放電等に伴って温度が上昇する場合がある。
チラー装置100は、温度制御対象Wと接触するように配置される温度制御手段の一例としてのテーブル状に構成された温度制御部101を備える。温度制御部101は、混合比が調整された低温側流体及び高温側流体からなる温度制御用流体が流れる温度制御用流路102を内部に有している。
温度制御部101の温度制御用流路102には、開閉弁103を介して混合手段111が接続されている。混合手段111の一方には、予め定められた低温側の設定温度に調整された低温流体を貯蔵した低温側恒温槽104が接続されている。低温側恒温槽104からは、三方弁型モータバルブ1に第1のポンプ105により低温側流体が供給される。また、混合手段111の他方には、予め定められた高温側の設定温度に調整された高温流体を貯蔵した高温側恒温槽106が接続されている。高温側恒温槽106からは、三方弁型モータバルブ1に第2のポンプ107により高温側流体が供給される。混合手段111は、開閉弁103を介して温度制御部101の温度制御用流路102に接続されている。
また、温度制御部101の温度制御用流路102の流出側には、帰還用の配管が設けられており、分配用の流量制御用三方弁1を介して低温側恒温槽104及び高温側恒温槽106にそれぞれ接続されている。
このチラー装置100は、温度制御部101の温度制御用流路102を流れた制御用流体を低温側恒温槽104と高温側恒温槽106とにそれぞれ分配するために三方弁型モータバルブ1を使用している。三方弁型モータバルブ1は、ステッピングモータ110によって弁軸34を回転駆動することにより、低温側恒温槽104と高温側恒温槽106とにそれぞれ分配する制御用流体の流量を制御する。
なお、低温側恒温槽104から第1のポンプ105により供給される低温側流体と、高温側恒温槽106から第2のポンプ107により供給される高温側流体との混合部111には、各低温側流体及び高温側流体の流量を制御した後に適宜混合する混合手段が用いられる。混合手段としては、上述したように、混合用の三方弁型モータバルブ1を用いても勿論良い。
[実施例2]
図20は本発明の実施の形態2に係る流量制御用三方弁を適用した恒温維持装置(チラー装置)を示す概念図である。
温度制御部101の温度制御用流路102には、開閉弁103を介して三方弁型モータバルブ1が接続されている。三方弁型モータバルブ1の第1のフランジ部10には、予め定められた低温側の設定温度に調整された低温流体を貯蔵した低温側恒温槽104が接続されている。低温側恒温槽104からは、三方弁型モータバルブ1に第1のポンプ105により低温側流体が供給される。また、三方弁型モータバルブ1の第2のフランジ部19には、予め定められた高温側の設定温度に調整された高温流体を貯蔵した高温側恒温槽106が接続されている。高温側恒温槽106からは、三方弁型モータバルブ1に第2のポンプ107により高温側流体が供給される。三方弁型モータバルブ1の第3のフランジ部27は、開閉弁103を介して温度制御部101の温度制御用流路102に接続されている。
また、温度制御部101の温度制御用流路102の流出側には、帰還用の配管が設けられており、低温側恒温槽104及び高温側恒温槽106にそれぞれ接続されている。
三方弁型モータバルブ1は、弁軸34を回転駆動するステッピングモータ108を備えている。また、温度制御部101には、当該温度制御部101の温度を検知する温度センサ109が設けられている。温度センサ109は、図示しない制御装置に接続されており、制御装置は、三方弁型モータバルブ1のステッピングモータ108の駆動を制御する。
チラー装置100は、図20に示すように、温度制御対象Wの温度を温度センサ109によって検知し、当該温度センサ109の検知結果に基いて制御装置によって三方弁型モータバルブ1のステッピングモータ108の回転を制御することにより、温度制御対象Wの温度を予め定められた設定温度と等しい温度となるよう制御する。
三方弁型モータバルブ1は、ステッピングモータ108によって弁軸34を回転駆動することにより、低温側恒温槽104から第1のポンプ105により供給される低温側流体と、高温側恒温槽106から第2のポンプ107により供給される高温側流体との混合比を制御し、三方弁型モータバルブ1から開閉弁103を介して温度制御部101の温度制御用流路102に供給する低温側流体と高温側流体とが混合された温度制御用流体の温度を制御する。
このとき、三方弁型モータバルブ1は、弁軸34の回転角に応じて低温側流体と高温側流体との混合比を高い精度で制御することができ、温度制御用流体の温度を微調整することが可能となる。そのため、本実施の形態に係る三方弁型モータバルブ1を使用したチラー装置100は、低温側流体と高温側流体との混合比が制御された所定の温度に調整された温度制御用流体を温度制御部101の温度制御用流路102に流すことにより、温度制御部101が接触する温度制御対象Wの温度を所望の温度に制御することができる。
低温域から高温域にわたり摺動性に優れた弁口形成部材を備えた流量制御弁、流量制御用三方弁及び温度制御装置を提供することができる。
1…三方弁型モータバルブ
2…バルブ部
3…アクチュエータ部
4…シール部
5…カップリング部
6…バルブ本体
7…第1の流入口
8…弁座
9…第1の弁口
10…第1のフランジ部材
11…六角穴付きボルト
12…フランジ部
13…挿入部
14…配管接続部
15…Oリング
16…面取り
17…第2の流入口
18…第2の弁口
19…第2のフランジ部材
20…六角穴付きボルト
21…フランジ部
22…挿入部
23…配管接続部
34…弁軸
35…弁体部
45…弁動作部
45a,45b…両端部
70,80…第1及び第2のバルブシート
74,84…凹部
94,96…第1及び第2の圧力作用部

Claims (9)

  1. 流体が流通する断面矩形状の弁口が形成された円柱形状の空所からなる弁座を有する弁本体と、
    前記弁本体に装着されて前記弁口を形成する弁口形成部材と、
    前記弁本体の弁座内に回転自在に配置され、前記弁口の開閉状態に切り替える開口部が形成された円筒形状の弁体と、
    前記弁体を回転駆動する駆動手段と、
    を備え、
    前記弁口形成部材を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を10%配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成してなることを特徴とする流量制御弁。
  2. 流体が流通する断面矩形状の第1の弁口と前記流体が流通する断面矩形状の第2の弁口が形成された円柱形状の空所からなる弁座を有する弁本体と、
    前記弁本体に装着されて前記第1及び第2の弁口をそれぞれ形成する第1及び第2の弁口形成部材と、
    前記弁本体の弁座内に回転自在に配置され、前記第1の弁口を閉状態から開状態に切り替えると同時に前記第2の弁口を開状態から閉状態に切り替える開口部が形成された円筒形状の弁体と、
    前記弁体と前記弁座の間隙から漏れた前記流体の圧力を前記第1及び第2の弁口形成部材に作用させ、前記弁体が前記第1及び第2の弁口を開閉する際に前記弁体の位置が変動するのを抑制する圧力作用部と、
    前記弁体を回転駆動する駆動手段と、
    を備え、
    前記第1及び第2の弁口形成部材を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を10%配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成してなることを特徴とする流量制御用三方弁。
  3. 前記圧力作用部は、前記弁体と前記弁座の間隙から漏れた前記流体の圧力を前記第1及び第2の弁口形成部材の前記弁体と反対側の面に作用させ、前記第1及び第2の弁口形成部材によって前記弁体を支持することにより、前記第1及び第2の弁口から流出又は流入する流体の圧力差によって前記弁体の位置が変動するのを抑制することを特徴とする請求項2に記載の流量制御用三方弁。
  4. 前記圧力作用部は、前記第1及び第2の弁口を流通する流体と区画されている請求項2又は3に記載の流量制御用三方弁。
  5. 前記第1及び第2の弁口形成部材は、前記弁体に対して接離する方向に移動自在に装着され、
    前記第1及び第2の弁口形成部材の前記弁体と反対側の面を押動することによって前記第1及び第2の弁口形成部材の位置を調整する調整部材を備えたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の流量制御用三方弁。
  6. 前記弁本体は、当該弁本体に対して流体を流通させる部材を接続するための接続部材と、
    前記接続部材と前記第1及び第2の弁口形成部材との間を密封した状態で接続する第1及び第2の流路形成部材と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の流量制御用三方弁。
  7. 前記調整部材は、前記第1及び第2の弁口形成部材が前記弁体に対して接離する方向に
    移動するのを許容する弾性部材を介して前記第1及び第2の弁口形成部材を押動することを特徴とする請求項5に記載の流量制御用三方弁。
  8. 混合比が調整された低温側流体及び高温側流体からなる温度制御用流体が流れる温度制御用流路を有する温度制御手段と、
    低温側の予め定められた第1の温度に調整された前記低温側流体を供給する第1の供給手段と、
    高温側の予め定められた第2の温度に調整された前記高温側流体を供給する第2の供給手段と、
    前記第1の供給手段と前記第2の供給手段に接続され、前記第1の供給手段から供給される前記低温側流体と前記第2の供給手段から供給される前記高温側流体とを混合して前記温度制御用流路に供給する混合手段と、
    前記温度制御用流路を流通した温度制御用流体を前記第1の供給手段と前記第2の供給手段に流量を制御しつつ分配する流量制御弁と、
    を備え、
    前記流量制御弁として請求項2〜7のいずれかに記載の流量制御用三方弁を用いたことを特徴とする温度制御装置。
  9. 混合比が調整された低温側流体及び高温側流体からなる温度制御用流体が流れる温度制御用流路を有する温度制御手段と、
    低温側の予め定められた第1の温度に調整された前記低温側流体を供給する第1の供給手段と、
    高温側の予め定められた第2の温度に調整された前記高温側流体を供給する第2の供給手段と、
    前記第1の供給手段と前記第2の供給手段に接続され、前記第1の供給手段から供給される前記低温側流体と前記第2の供給手段から供給される前記高温側流体とを混合比を調整して前記温度制御用流路に流す流量制御弁と、
    を備え、
    前記流量制御弁として請求項2〜7のいずれかに記載の流量制御用三方弁を用いたことを特徴とする温度制御装置。
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