開示する基板処理システムは、1つの実施形態において、基板処理装置と、基板処理装置を制御する制御装置とを備える。基板処理装置は、チャンバと、チャンバ内に設けられ、被処理基板を載置する載置台と、載置台の上面を複数の領域に分割したそれぞれの分割領域に対応する載置台の内部に埋め込まれたヒータとを有する。制御装置は、分割領域毎に、載置台の内部に埋め込まれたヒータの抵抗値と分割領域の温度との関係を示すテーブルを保持する保持部と、分割領域毎に、載置台の内部に埋め込まれたヒータの抵抗値を測定する測定部と、分割領域毎に、テーブルを参照して、測定部によって測定されたヒータの抵抗値に対応する分割領域の温度を推定し、推定された温度が目標温度となるようにヒータに供給される電力を制御する制御部とを有する。
また、開示する基板処理システムの1つの実施形態において、それぞれのヒータには、交流電圧および交流電流が供給されており、測定部は、それぞれのヒータに供給される交流電圧の瞬時値が0Vとなるゼロクロス点であって、隣接するゼロクロス点の中間のタイミングにおける交流電圧および交流電流の瞬時値に基づいて、それぞれのヒータの抵抗値を測定してもよい。
また、開示する基板処理システムの1つの実施形態において、少なくとも1つの分割領域に対応する載置台の内部には、温度センサが設けられていてもよく、制御部は、温度センサによって測定された分割領域の温度と、該分割領域に設けられたヒータの抵抗値に基づいて推定された温度との間に所定値以上の差が生じた場合に、該差に基づいて、全ての分割領域について推定された温度を補正してもよい。
また、開示する温度制御方法は、1つの実施形態において、チャンバと、チャンバ内に設けられ、被処理基板を載置する載置台と、載置台の上面を複数の領域に分割したそれぞれの分割領域において、載置台の内部に埋め込まれたヒータとを有する基板処理装置に対して、載置台の表面の温度を制御する温度制御方法である。該温度制御方法において、制御装置は、分割領域毎に、載置台の内部に埋め込まれたヒータの抵抗値を測定する測定ステップと、分割領域毎に、載置台の内部に埋め込まれたヒータの抵抗値と分割領域の温度との関係を示すテーブルを参照して、測定されたヒータの抵抗値に対応する分割領域の温度を推定する推定ステップと、推定された温度が目標温度となるようにヒータに供給される電力を制御する制御ステップとを実行する。
また、開示する温度制御方法の1つの実施形態において、それぞれのヒータには、交流電圧および交流電流が供給されており、測定ステップでは、それぞれのヒータに供給される交流電圧の瞬時値が0Vとなるゼロクロス点であって、隣接するゼロクロス点の中間のタイミングにおける交流電圧および交流電流の瞬時値に基づいて、それぞれのヒータの抵抗値が測定されてもよい。
また、開示する温度制御方法の1つの実施形態において、少なくとも1つの分割領域に対応する載置台の内部には、温度センサが設けられていてもよく、制御ステップでは、温度センサによって測定された分割領域の温度と、該分割領域に設けられたヒータの抵抗値に基づいて推定された温度との間に所定値以上の差が生じた場合に、該差に基づいて、全ての分割領域について推定された温度が補正されてもよい。
また、開示する温度制御方法の1つの実施形態において、制御装置は、上記テーブルを作成する作成ステップをさらに実行してもよい。作成ステップには、設定温度毎に、温度センサによって測定された温度に基づいて、当該温度センサが設けられた分割領域の温度が設定温度となるように、当該分割領域に設けられたヒータに供給される電力を制御するステップと、設定温度毎に、カメラを用いて、それぞれの分割領域から放射される所定波長の光の放射量を測定するステップと、設定温度毎に、温度センサが設けられていない他の分割領域から放射される所定波長の光の放射量と、温度センサが設けられた分割領域から放射される所定波長の光の放射量との差が所定値以内となるように、それぞれの分割領域に設けられたヒータに供給される電力を制御するステップと、設定温度毎に、それぞれの分割領域に設けられたヒータの抵抗値を測定するステップと、設定温度と、それぞれの分割領域に設けられたヒータの抵抗値とを対応付けてテーブルを作成するステップとが含まれてもよい。
以下に、開示する基板処理システムおよび温度制御方法の実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により開示される発明が限定されるものではない。また、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[基板処理システム10のシステム構成]
図1は、基板処理システム10の一例を示すシステム構成図である。基板処理システム10は、例えば図1に示すように、基板処理装置100および制御装置200を備える。基板処理装置100は、被処理基板の一例である半導体ウエハWに対して、プラズマエッチング、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)、または熱処理等の処理を行う。制御装置200は、基板処理装置100の各部を制御し、基板処理装置100内に搬入された半導体ウエハWに対して基板処理装置100に所定の処理を実行させる。
[基板処理装置100の構成]
図2は、実施例1における基板処理装置100の構成の一例を示す断面図である。本実施例における基板処理装置100は、例えば図2に示すように、気密に構成され、電気的に接地されたチャンバ1を有する。チャンバ1は、例えば表面が陽極酸化被膜で覆われたアルミニウム等により、略円筒状に形成されている。
チャンバ1内には、例えばアルミニウム等の導電性の金属で形成された基材2aが設けられている。基材2aは、下部電極の機能を有する。基材2aは、絶縁板3上に設けられた導体の支持台4に支持されている。また、基材2aの上方の外周には、例えば単結晶シリコン等で形成されたフォーカスリング5が設けられている。さらに、基材2aおよび支持台4の周囲には、基材2aおよび支持台4を囲むように、例えば石英等からなる円筒状の内壁部材3aが設けられている。
基材2aの上方には、基材2aと略平行に対向するように、換言すれば、基材2a上に配置される半導体ウエハWと対向するように、上部電極としての機能を有するシャワーヘッド16が設けられている。シャワーヘッド16と基材2aとは、一対の電極(上部電極と下部電極)として機能する。基材2aには、整合器11aを介して高周波電源12aが接続されている。また、基材2aには、整合器11bを介して高周波電源12bが接続されている。
高周波電源12aは、プラズマの発生に用いられる所定の周波数(例えば100MHz)の高周波電力を基材2aに供給する。また、高周波電源12bは、イオンの引き込み(バイアス)に用いられる所定の周波数の高周波電力であって、高周波電源12aよりも低い周波数(例えば、13MHz)の高周波電力を基材2aに供給する。高周波電源12aおよび12bのオンおよびオフの制御、ならびに、高周波電源12aおよび12bによって供給される高周波の電力等は、後述する制御装置200によって制御される。
基材2aの上面には、半導体ウエハWを吸着保持すると共に、半導体ウエハWを加熱するための静電チャック6が設けられている。静電チャック6は、絶縁体6bと、絶縁体6bの間に設けられた電極6aおよび複数のヒータ6cとを有する。電極6aは、直流電源13に接続されている。ヒータ6cは、後述する制御装置200に接続されている。静電チャック6は、直流電源13から印加された直流電圧によって静電チャック6の表面にクーロン力を発生させ、クーロン力により半導体ウエハWを静電チャック6の上面に吸着保持する。直流電源13のオンおよびオフは、後述する制御装置200によって制御される。
また、静電チャック6は、制御装置200から供給された電力で加熱されたヒータ6cにより、半導体ウエハWを加熱する。静電チャック6の上面は、複数の領域である分割領域に分割されており、それぞれの分割領域にヒータ6cが1個ずつ設けられている。基材2aおよび静電チャック6は、載置台の一例である。
基材2aの内部には、ガルデン等の冷媒が流れる流路2bが形成されており、流路2bには、配管2cおよび2dを介してチラーユニット33が接続されている。チラーユニット33から供給された冷媒が流路2b内を循環することによって、冷媒との熱交換により基材2aが冷却される。チラーユニット33によって供給される冷媒の温度および流量等は、後述する制御装置200によって制御される。
また、基材2aには、基材2aを貫通するように、半導体ウエハWの裏面側にヘリウムガス等の伝熱ガス(バックサイドガス)を供給するための配管32が設けられている。配管32は、伝熱ガス供給部31に接続されている。伝熱ガス供給部31から配管32を通って半導体ウエハWの裏面側に供給される伝熱ガスの流量等は、後述する制御装置200によって制御される。
制御装置200は、流路2bを流れる冷媒の温度と、静電チャック6内の各ヒータ6cに供給される電力と、半導体ウエハWの裏面に供給される伝熱ガスの流量とを制御することにより、静電チャック6の上面に吸着保持された半導体ウエハWの温度を、所定範囲内の温度に制御することができる。
シャワーヘッド16は、チャンバ1の上部に設けられている。シャワーヘッド16は、本体部16aと電極板をなす上部天板16bとを備えており、絶縁性部材45を介してチャンバ1の上部に支持されている。本体部16aは、例えば表面に陽極酸化処理が施されたアルミニウム等により形成され、その下部に上部天板16bを着脱自在に支持する。上部天板16bは、例えば石英等のシリコン含有物質で形成される。
本体部16aの内部には、ガス拡散室16cが設けられている。本体部16aの底部には、ガス拡散室16cの下部に位置するように、多数のガス流出口16eが形成されている。上部天板16bには、当該上部天板16bを厚さ方向に貫通するように複数のガス導入口16fが設けられており、それぞれのガス導入口16fは、上記したガス流出口16eに連通している。このような構成により、ガス拡散室16cに供給された処理ガスは、それぞれのガス流出口16eおよびガス導入口16fを介してチャンバ1内にシャワー状に拡散されて供給される。なお、本体部16a等には、図示しないヒータや、冷媒を循環させるための図示しない配管等の温度調整器が設けられており、半導体ウエハWの処理中にシャワーヘッド16を所望の範囲内の温度に制御できるようになっている。
本体部16aには、ガス拡散室16cに処理ガスを導入するためのガス導入口16gが形成されている。ガス導入口16gには、配管15bの一端が接続されており、配管15bの他端には、弁Vおよびマスフローコントローラ(MFC)15aを介して、半導体ウエハWの処理に用いられる処理ガスを供給する処理ガス供給源15が接続されている。処理ガス供給源15から供給された処理ガスは、配管15bを介してガス拡散室16cに供給され、それぞれのガス流出口16eおよびガス導入口16fを介してチャンバ1内にシャワー状に拡散されて供給される。弁VおよびMFC15aは、後述する制御装置200により制御される。
シャワーヘッド16には、ローパスフィルタ(LPF)40およびスイッチ41を介して可変直流電源42が電気的に接続されている。可変直流電源42は、スイッチ41により直流電圧の供給および遮断が可能となっている。可変直流電源42の電流および電圧ならびにスイッチ41のオンおよびオフは、後述する制御装置200によって制御される。例えば、高周波電源12aおよび12bから高周波電力が基材2aに供給されてチャンバ1内の処理空間にプラズマが発生する際には、必要に応じて制御装置200によりスイッチ41がオンとされ、上部電極として機能するシャワーヘッド16に所定の大きさの直流電圧が印加される。
チャンバ1の底部には、排気口71が形成されている。排気口71には、排気管72を介して排気装置73が接続されている。排気装置73は、真空ポンプを有しており、この真空ポンプを作動させることによりチャンバ1内を所定の真空度まで減圧することができる。排気装置73の排気流量等は、後述する制御装置200により制御される。また、チャンバ1の側壁には、開口部74が設けられており、開口部74には、当該開口部74を開閉するためのゲートバルブGが設けられている。
チャンバ1の内壁には、内壁の面に沿って、デポシールド76が、着脱自在に設けられている。また、内壁部材3aの外周面には、内壁部材3aを覆うようにデポシールド77が設けられている。デポシールド76および77は、チャンバ1の内壁にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止する。静電チャック6上に吸着保持された半導体ウエハWと略同じ高さのデポシールド76の位置には、直流的にグランドに接続された導電性部材(GNDブロック)79が設けられている。導電性部材79により、チャンバ1内の異常放電が抑制される。
また、チャンバ1の周囲には、同心円状にリング磁石9が配置されている。リング磁石9は、シャワーヘッド16と基材2aとの間の空間に磁場を形成する。リング磁石9は、図示しない回転機構により回転自在に保持されている。
[静電チャック6]
図3は、静電チャック6の上面の一例を示す図である。静電チャック6の外周には、静電チャック6を囲むようにフォーカスリング5が設けられている。半導体ウエハWが載置される静電チャック6の上面は複数の分割領域60に分けられている。それぞれの分割領域60は、静電チャック6の上面が同心円状に複数の領域に分割され、さらに、中心の領域を除くそれぞれの同心円状の領域が周方向に複数の領域に分割されたそれぞれの領域である。
本実施例において、静電チャック6の上面は、例えば図3に示すように、同心円状に5個の領域に分けられている。同心円状の5個の領域のうち、中心から2個目の領域は、例えば図3に示すように、周方向に3個の領域に分けられている。また、中心から3個目の領域は、例えば図3に示すように、周方向に6個の領域に分けられている。また、中心から4個目の領域は、例えば図3に示すように、周方向に9個の領域に分けられている。また、最外周の領域は、例えば図3に示すように、周方向に8個の領域に分けられている。このように、本実施例において、静電チャック6の上面は、27個の分割領域60に分けられている。なお、静電チャック6の上面の分割方法は、図3に示した例に限られない。
それぞれの分割領域60に対応する静電チャック6の内部には、ヒータ6cが1個ずつ設けられている。それぞれの分割領域60に設けられたヒータ6cに供給される電力は、制御装置200によってそれぞれ独立に制御される。なお、フォーカスリング5内にもフォーカスリング5の形状に沿って図示しないヒータが1個設けられており、該ヒータに供給される電力は、制御装置200によって制御される。制御装置200は、静電チャック6のそれぞれの分割領域60に設けられた27個のヒータ6cに供給される電力と、フォーカスリング5に設けられた1個のヒータに供給される電力とを、それぞれ独立に制御する。
[制御装置200の構成]
図4は、制御装置200の一例を示すブロック図である。制御装置200は、例えば図4に示すように、複数の電力供給部20−1〜20−n、測定部24、制御部25、および保持部26を備える。なお、以下では、複数の電力供給部20−1〜20−nのそれぞれを区別することなく総称する場合に、単に電力供給部20と記載する。
電力供給部20は、静電チャック6の分割領域60に設けられた1個のヒータ6cに対して1個ずつ設けられており、対応するヒータ6cに電力を供給する。本実施例では、基板処理装置100内に28個のヒータ6cが設けられており、それぞれのヒータ6cに対応して28個の電力供給部20が設けられている。それぞれの電力供給部20は、スイッチ(SW)21、電流計22、および電圧計23を有する。
SW21は、制御部25からの制御に従って、オンおよびオフし、オンの期間において、電源27から供給された電力を、対応するヒータ6cに供給する。電流計22は、電源27から、対応するヒータ6cに供給された交流電流の瞬時値を測定して測定部24へ出力する。電圧計23は、電源27から、対応するヒータ6cに供給された交流電圧の瞬時値を測定して測定部24へ出力する。
測定部24は、それぞれの電力供給部20から出力されたヒータ6cの電圧および電流の測定値に基づいて、それぞれのヒータ6cの抵抗値を測定する。そして、測定部24は、ヒータ6c毎に測定した抵抗値を制御部25へ出力する。例えば図5に示すように、電源27からは所定周波数(例えば50Hz)の交流電圧が出力されており、SW21がオンしたタイミングで、ヒータ6cに電圧および電流が供給される。図5は、各ヒータ6cに供給される交流電圧および交流電流の波形の一例を示す図である。
測定部24は、それぞれのヒータ6cについて、隣接するゼロクロス点の中間の交流電圧および交流電流の瞬時値に基づいて、それぞれのヒータ6cの抵抗値を測定する。ゼロクロス点とは、例えば図6に示すように、交流電圧の瞬時値が0Vとなるタイミングt1およびt2である。具体的には、測定部24は、それぞれのヒータ6cについて、例えば図6に示すように、隣接するゼロクロス点であるt1およびt2の中間のタイミングである期間Δtにおいて測定された交流電圧および交流電流の瞬時値の比を抵抗値として測定する。
ここで、半導体の製造を行う工場内では、様々な製造装置や搬送装置等が稼働しているため、工場内で使用される電源には、様々なノイズが含まれる。そのため、工場内の電源を用いてヒータ6cに電力を供給すると、ノイズの影響により電圧および電流の測定値にばらつきが発生する。そこで、本実施例の測定部24では、それぞれのヒータ6cについて、例えば図6に示したように、隣接するゼロクロス点の中間のタイミングにおいて測定された交流電圧および交流電流の瞬時値の比から抵抗値を測定する。これにより、ノイズの影響による電圧および電流の測定値のばらつきを抑えることができ、より高い精度で各ヒータ6cの抵抗値を測定することができる。
なお、測定部24は、各ヒータ6cについて、抵抗値を複数回測定して平均することにより、さらにノイズの影響を低減してもよい。また、それぞれのヒータ6cに供給する電力として、工場内で用いられている3相交流電源を用いると、それぞれの相に含まれる異なるノイズの影響により、測定される抵抗値のばらつきが大きくなる。そのため、それぞれのヒータ6cには、単相の交流電源からの交流電圧および交流電流が供給されることが好ましい。
保持部26は、例えば図7に示す変換テーブル260を保持する。図7は、変換テーブル260の一例を示す図である。変換テーブル260には、例えば図7に示すように、それぞれのヒータ6cが設けられた分割領域60を識別する領域ID261毎に、個別テーブル262が格納されている。それぞれの個別テーブル262には、温度263に対応付けて、ヒータ6cの抵抗値264が格納されている。また、保持部26は、半導体ウエハWの処理を示すレシピを保持する。レシピには、工程毎に、各分割領域60の目標温度の情報が含まれている。なお、変換テーブル260およびレシピ等は、基板処理システム10の管理者等によって予め作成されて保持部26内に格納される。
制御部25は、保持部26内に保持されたレシピに基づいて、基板処理装置100の各部を制御する。また、制御部25は、処理の各工程において、静電チャック6の各分割領域60に設けられたヒータ6cに供給される電力を制御することにより、各分割領域60の温度がレシピで示された目標温度となるように制御する。
具体的には、制御部25は、処理の各工程において、各分割領域60の目標温度の情報と、変換テーブル260とを保持部26から読み出す。また、制御部25は、測定部24によって測定されたヒータ6c毎の抵抗値を随時取得する。そして、制御部25は、静電チャック6の分割領域60毎に、変換テーブル260を参照して、該分割領域60に設けられたヒータ6cの抵抗値に対応する温度を、該分割領域60の温度として推定する。そして、制御部25は、分割領域60毎に、推定した温度と目標温度との差に応じて、電力供給部20内のSW21のオンとオフの比率を制御することにより、ヒータ6cに供給される電力を制御する。
ここで、静電チャック6の分割領域60毎に基材2a内に温度センサを設けることにより、各分割領域60の温度を測定するとすれば、温度センサを配置するための空間が基材2a内に必要になる。また、静電チャック6の温度分布をより細かく制御する場合には、静電チャック6がより多くの分割領域60に分割されることになる。そのため、基材2a内には分割領域60の数に応じてより多くの温度センサが配置されることになる。基材2a内に配置される温度センサの数が多くなると、基材2aの小型化が困難となる。また、基材2a内に配置される温度センサの数が多くなると、基材2aの構造が複雑化し、設計の自由度も低下する。
これに対し、本実施例の基板処理システム10では、静電チャック6内の分割領域60毎に設けられたヒータ6cの抵抗値に基づいて各分割領域60の温度を推定する。これにより、基材2a内に温度センサを配置する必要がなくなり、基材2aの小型化が可能となる。また、基材2a内に配置される温度センサをなくす、あるいは、少なくすることができるので、基材2aの構造を簡素化することができ、設計の自由度も向上する。
[制御装置200の動作]
図8は、実施例1における制御装置200の動作の一例を示すフローチャートである。例えば、制御装置200は、レシピに基づく処理を開始した場合に、本フローチャートに示す温度制御処理を開始する。なお、保持部26内には、変換テーブル260およびレシピ等の情報が予め格納されている。
まず、制御部25は、各電力供給部20内のSW21を制御することにより、各ヒータ6cに電力の供給を開始する。そして、測定部24は、隣接する交流電圧のゼロクロス点の中間の期間において、各電流計22が測定した交流電流の瞬時値と、各電圧計23が測定した交流電圧の瞬時値とに基づいて、分割領域60毎にヒータ6cの抵抗値を測定する(S100)。測定部24は、各ヒータ6cにおいて、所定期間(例えば数秒間)の間に複数回測定された抵抗値を平均し、平均された抵抗値を制御部25へ出力する。
次に、制御部25は、分割領域60毎に、保持部26内の変換テーブル260を参照して、該分割領域60に設けられたヒータ6cの抵抗値に対応する温度を、該分割領域60の温度として推定する(S101)。そして、制御部25は、分割領域60毎に、推定された温度と目標温度との差に応じて、電力供給部20内のSW21のオンとオフの比率を制御することにより、ヒータ6cに供給される電力を制御する(S102)。
次に、制御部25は、レシピを参照して、処理が終了したか否かを判定する(S103)。処理が終了していない場合(S103:No)、測定部24は、再びステップS100に示した処理を実行する。一方、処理が終了した場合(S103:Yes)、制御装置200は、本フローチャートに示した温度制御処理を終了する。
このように、本実施例の基板処理システム10は、基板処理装置100および制御装置200を備える。基板処理装置100は、チャンバ1と、チャンバ1内に設けられ、半導体ウエハWを載置する静電チャック6と、静電チャック6の上面を複数の領域に分割したそれぞれの分割領域60に対応する静電チャック6の内部に埋め込まれたヒータ6cとを有する。制御装置200は、分割領域60毎に、静電チャック6の内部に埋め込まれたヒータ6cの抵抗値と分割領域60の温度との関係を示す変換テーブル260を保持する保持部26と、分割領域60毎に、静電チャック6の内部に埋め込まれたヒータ6cの抵抗値を測定する測定部24と、分割領域60毎に、変換テーブル260を参照して、測定部24によって測定されたヒータ6cの抵抗値に対応する分割領域60の温度を推定し、推定された温度が目標温度となるようにヒータ6cに供給される電力を制御する制御部25とを有する。これにより、静電チャック6および基材2aの小型化および構造の簡素化が可能となる。
また、本実施例において、それぞれのヒータ6cには、交流電圧および交流電流が供給されており、測定部24は、それぞれのヒータ6cに供給される交流電圧の瞬時値が0Vとなるゼロクロス点であって、隣接するゼロクロス点の中間のタイミングにおける交流電圧および交流電流の瞬時値に基づいて、それぞれのヒータ6cの抵抗値を測定する。これにより、ノイズが多い工場内の電源を用いた場合であっても、測定部24は、各ヒータ6cの抵抗値の測定精度の低下を抑制することができる。
上記した実施例1では、静電チャック6内の分割領域60毎に設けられたヒータ6cの抵抗値に基づいて、各分割領域60の温度を推定するため、分割領域60の温度を測定するための温度センサは設けられない。これに対し本実施例では、複数の分割領域60の中の1個に温度センサが設けられる。そして、温度センサが設けられた分割領域60のヒータ6cの抵抗値から推定された温度と、該温度センサによって測定された温度との差に基づいて、各分割領域60において推定された温度が補正される。
[基板処理装置100の構成]
図9は、実施例2における基板処理装置100の構成の一例を示す断面図である。なお、以下に説明する点を除き、図9において、図2と同じ符号を付した部材は、図2に示した部材と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
本実施例において、静電チャック6内の複数の分割領域60の中の1個の分割領域60には、該分割領域60の下方の基材2a内に該分割領域60の温度を測定するための温度センサ7が1個設けられている。温度センサ7は、例えば蛍光式光ファイバ温度計である。温度センサ7は、静電チャック6の裏面から、1個の分割領域60の温度を測定し、測定した温度を制御装置200へ出力する。本実施例において、温度センサ7は、中心から3個目の同心円状の領域に含まれる6個の分割領域60の中の1個の分割領域60の温度を測定する。
[制御装置200の動作]
図10は、実施例2における制御装置200の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する点を除き、図10において、図8と同じ符号を付した処理は、図8に示した処理と同様の処理であるため説明を省略する。
制御部25は、静電チャック6の各分割領域60の温度を推定した後(S101)、温度センサ7によって測定された分割領域60の温度Tsの情報を、温度センサ7から取得する(S110)。なお、ステップS110において、制御部25は、所定期間(例えば数秒間)内に温度センサ7によって複数回測定された分割領域60の温度の平均値を、温度センサ7によって測定された分割領域60の温度Tsとして用いる。そして、制御部25は、温度センサ7によって測定された分割領域60の温度Tsと、温度センサ7が設けられた分割領域60について推定された温度Teとの差分ΔTを下記の算出式(1)により算出する(S111)。
ΔT=Te−Ts ・・・(1)
例えば、温度センサ7が設けられた分割領域60について推定された温度Teが18℃であり、温度センサ7によって測定された分割領域60の温度Tsが20℃である場合、差分ΔTは、18−20=−2℃となる。
次に、制御部25は、差分ΔTの絶対値が所定の閾値Tthよりも大きいか否かを判定する(S112)。閾値Tthは、例えば0.2℃である。差分ΔTの絶対値が閾値Tth以下である場合(S112:No)、制御部25は、ステップS102に示した処理を実行する。
一方、差分ΔTの絶対値が閾値Tthよりも大きい場合(S112:Yes)、制御部25は、各分割領域60について推定された温度Teを差分ΔTで補正する(S113)。具体的には、制御部25は、分割領域60毎に、推定された温度Teに差分ΔTを加算することにより、各分割領域60について推定された温度Teを補正する。例えば、差分ΔTが−2℃であり、ある分割領域60について推定された温度Teが20℃である場合、制御部25は、この分割領域60について推定された温度Teを、20+(−2)=18℃に補正する。
[実験結果]
図11は、温度センサ7による補正の効果を説明するための図である。図11に示した実験結果では、第1の分割領域60に第1の温度センサ7が設けられ、第1の分割領域60とは異なる第2の分割領域60に第2の温度センサ7が設けられた基板処理装置100が用いられた。また、図11に示した実験結果では、第1の分割領域60は、同心円状の領域のうち、中心側から3個目の領域に含まれる1個の分割領域60であり、第2の分割領域60は、同心円状の領域のうち、中心側から4個目の領域に含まれる1個の分割領域60である。なお、第2の温度センサ7は、今回の実験のためにのみ設けられたものである。また、図11では、各分割領域60の温度を30℃に制御している。また、冷媒の温度は10℃である。
図11(A)は、第1の温度センサ7による補正が行われていない場合の第1の分割領域60の温度と、該分割領域60に設けられたヒータ6cに供給された交流電圧の実効値とを示している。図11(B)は、第1の温度センサ7による補正が行われた場合の第1の分割領域60の温度と、該分割領域60に設けられたヒータ6cに供給された交流電圧の実効値とを示している。第1の分割領域60の温度は、第1の温度センサ7によって測定された温度である。
図11(A)の実験結果では、第1の分割領域60の温度の変動は0.53℃の範囲内であり、温度の変動の分布を示す3σは0.34℃であった。図11(B)の実験結果では、第1の分割領域60の温度の変動は0.09℃の範囲内であり、温度の変動の分布を示す3σは0.03℃であった。なお、σは温度の変動の分布の標準偏差を示す。
図11(C)は、第1の温度センサ7による補正が行われていない場合の第2の分割領域60の温度と、該分割領域60に設けられたヒータ6cに供給された交流電圧の実効値とを示している。図11(D)は、第1の温度センサ7による補正が行われた場合の第2の分割領域60の温度と、該分割領域60に設けられたヒータ6cに供給された交流電圧の実効値とを示している。第2の分割領域60の温度は、第2の温度センサ7によって測定された温度である。
図11(C)の実験結果では、第2の分割領域60の温度の変動は0.51℃の範囲内であり、温度の変動の分布を示す3σは0.36℃であった。図11(D)の実験結果では、第2の分割領域60の温度の変動は0.33℃の範囲内であり、温度の変動の分布を示す3σは0.26℃であった。
図11(A)および(C)の実験結果を参照すると、第1の温度センサ7による補正が行われていない場合であっても、分割領域60の温度の変動範囲は1℃未満に抑えられている。また、図11(B)および(D)の実験結果を参照すると、第1の温度センサ7による補正が行われている場合には、分割領域60の温度の変動範囲は0.5℃未満にさらに抑えられている。
このように、本実施例の基板処理システム10では、少なくとも1つの分割領域60に対応する基材2aの内部には、温度センサ7が設けられており、制御部25は、温度センサ7によって測定された分割領域60の温度と、該分割領域60に設けられたヒータ6cの抵抗値に基づいて推定された温度との間に所定値以上の差が生じた場合に、該差に基づいて、全ての分割領域60について推定された温度を補正する。これにより、各分割領域60の温度をより高い精度で制御することができる。
上記した実施例1および2では、変換テーブル260が予め作成されて保持部26内に格納された。これに対し、本実施例の基板処理システム10では、変換テーブル260の作成も行われる。
図12は、変換テーブル260作成時の基板処理装置100aの構成の一例を示す断面図である。変換テーブル260の作成時には、例えば図12に示すように、図2または図9を用いて説明したシャワーヘッド16がチャンバ1から取り外され、例えば図12に示すキャリブレーションユニット50がチャンバ1に取り付けられる。なお、以下に説明する点を除き、図12において、図2または図9と同じ符号を付した部材は、図2または図9に示した部材と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
キャリブレーションユニット50は、IR(InfraRed)カメラ51およびカバー部材52を有する。カバー部材52は、IRカメラ51の撮影方向が静電チャック6の方向を向くようにIRカメラ51を支持する。IRカメラ51は、静電チャック6の上面から放射される所定波長の光(本実施例では赤外線)の放射量の分布を測定する。そして、IRカメラ51は、測定した赤外線の放射量の分布を示す情報を制御装置200へ出力する。
[変換テーブル260の作成処理]
図13は、実施例3における制御装置200の動作の一例を示すフローチャートである。制御装置200は、例えば、基板処理システム10の管理者等から変換テーブル260の作成指示を受け付けた場合に、本フローチャートに示す変換テーブル260の作成処理を開始する。なお、変換テーブル260に設定される各設定温度の情報は、予め基板処理システム10の管理者等によって保持部26内に格納されている。
まず、制御部25は、保持部26を参照して、未選択の設定温度を1つ選択する(S200)。本実施例において、変換テーブル260内には、例えば20℃から120℃まで10℃ステップで11通りの設定温度が予め保持部26内に格納されている。
次に、制御部25は、温度センサ7によって測定された分割領域60の温度を取得する(S201)。そして、制御部25は、温度センサ7が設けられた分割領域60の温度と、ステップS200で選択した設定温度との差が所定値以内(例えば±0.5℃以内)となるように、温度センサ7が設けられた分割領域60のヒータ6cに供給される電力を制御する(S202)。ステップS202では、制御部25は、温度センサ7が設けられた分割領域60以外の分割領域60のヒータ6cについても、同量の電力が供給されるように、各電力供給部20内のSW21を制御する。なお、制御部25は、設定温度に応じてチラーユニット33を制御し、基材2a内を流通する冷媒の温度を調整する。
温度センサ7が設けられた分割領域60の温度と、ステップS200で選択した設定温度との差が所定値以内となった後、IRカメラ51は、静電チャック6の上面から放射される赤外線の放射量の分布を測定する(S203)。そして、IRカメラ51は、赤外線の放射量の分布を示す情報を制御装置200へ出力する。制御部25は、IRカメラ51から出力された赤外線の放射量の分布の情報を用いて、分割領域60毎に放射量を平均化して、分割領域60毎に赤外線の放射量を算出する。
次に、制御部25は、温度センサ7が設けられていない他の分割領域60からの赤外線の放射量と、温度センサ7が設けられた分割領域60からの赤外線の放射量との差が所定値以内となるように、各ヒータ6cに供給される電力を制御する(S204)。所定値とは、赤外線の放射量の差を温度差に換算した場合に、例えば0.2℃の温度差となる値である。
温度センサ7が設けられていない他の分割領域60からの赤外線の放射量と、温度センサ7が設けられた分割領域60からの赤外線の放射量との差が所定値以内となった後、測定部24は、隣接する交流電圧のゼロクロス点の中間のタイミングにおいて、各電流計22が測定した交流電流の瞬時値と、各電圧計23が測定した交流電圧の瞬時値とに基づいて、分割領域60毎にヒータ6cの抵抗値を測定する(S205)。そして、制御部25は、分割領域60毎に、ステップS200で選択した設定温度を、分割領域60に設けられたヒータ6cの抵抗値に対応付けて保持する。
次に、制御部25は、保持部26を参照して、全ての設定温度を選択したか否かを判定する(S206)。未選択の設定温度がある場合(S206:No)、制御部25は、再びステップS200に示した処理を実行する。
一方、全ての設定温度を選択した場合(S206:Yes)、制御部25は、分割領域60毎に、設定温度とヒータ6cの抵抗値とを対応付けて変換テーブル260を作成する(S207)。そして、制御装置200は、本フローチャートに示す変換テーブル260の作成処理を終了する。
[ハードウェア]
なお、上記した実施例1〜3に示した制御装置200は、例えば図14に示すような構成のコンピュータ90により実現される。図14は、制御装置200の機能を実現するコンピュータ90の一例を示す図である。コンピュータ90は、CPU(Central Processing Unit)91、RAM(Random Access Memory)92、ROM(Read Only Memory)93、補助記憶装置94、通信インターフェイス(I/F)95、入出力インターフェイス(I/F)96、およびメディアインターフェイス(I/F)97を備える。
CPU91は、ROM93または補助記憶装置94に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM93は、コンピュータ90の起動時にCPU91によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ90のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
補助記憶装置94は、例えばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等であり、CPU91によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。CPU91は、当該プログラムを、補助記憶装置94から読み出してRAM92上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
通信I/F95は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介して基板処理装置100との間で通信を行う。通信I/F95は、通信回線を介して基板処理装置100からデータを受信してCPU91へ送り、CPU91が生成したデータを、通信回線を介して基板処理装置100へ送信する。
CPU91は、入出力I/F96を介して、キーボード等の入力装置およびディスプレイ等の出力装置を制御する。CPU91は、入出力I/F96を介して、入力装置から入力された信号を取得してCPU91へ送る。また、CPU91は、生成したデータを、入出力I/F96を介して出力装置へ出力する。
メディアI/F97は、記録媒体98に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、補助記憶装置94に格納する。記録媒体98は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
コンピュータ90のCPU91は、RAM92上にロードされたプログラムを実行することにより、電力供給部20、測定部24、および制御部25の各機能を実現する。また、補助記憶装置94には、保持部26内のデータが格納される。
コンピュータ90のCPU91は、RAM92上にロードされるプログラムを、記録媒体98から読み取って補助記憶装置94に格納するが、他の例として、他の装置から、通信回線を介してプログラムを取得して補助記憶装置94に格納してもよい。
なお、開示の技術は、上記した実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記した実施例1では、ヒータ6cに供給される交流電圧の瞬時値が0Vとなるゼロクロス点であって、隣接するゼロクロス点の中間のタイミングにおける交流電圧および交流電流の瞬時値に基づいて、それぞれのヒータ6cの抵抗値を測定している。しかし、ヒータ6cに供給される電圧は交流電圧に限られない。例えば、ヒータ6cには直流電圧および直流電流が供給されてもよい。この場合、ヒータ6cの抵抗値は、ヒータ6cに供給される直流電圧および直流電流から求められる。
また、上記した実施例3では、半導体ウエハWの製造にも用いられる基板処理装置100aにおいて、シャワーヘッド16がチャンバ1から取り外され、キャリブレーションユニット50がチャンバ1の上部に取り付けられた。しかし、開示の技術はこれに限られない。例えば、静電チャック6および基材2aを製造する製造メーカにおいて、変換テーブル260を作成するための治具として基板処理装置100aが用いられてもよい。この場合、変換テーブル260作成時には不要な機能(例えば、リング磁石9、整合器11aおよび11b、高周波電源12aおよび12b、直流電源13、ならびに伝熱ガス供給部31など)は、基板処理装置100aに設けられていなくてもよい。
また、上記した実施例2および3では、基材2a内に温度センサ7が1個設けられたが、開示の技術はこれに限られない。分割領域60の数よりも少ない数であれば、基材2a内に温度センサ7が2個以上設けられてもよい。温度センサ7が2個以上設けられた場合であっても、全ての分割領域60のそれぞれに温度センサ7が設けられる場合に比べて、静電チャック6および基材2aの小型化および構造の簡素化が可能となる。
また、上記した実施例2では、温度センサ7が設けられた分割領域60のヒータ6cの抵抗値から推定された温度Teと、該温度センサ7によって測定された温度Tsとの間に所定値以上の差があった場合に、温度Teと温度Tsとの差に基づいて、各分割領域60において推定された温度Teが補正される。しかし、開示の技術はこれに限られない。例えば、温度Teと温度Tsとの差の大小にかかわらず、温度Teと温度Tsとの差に基づいて、各分割領域60において推定された温度Teが補正されてもよい。
また、上記した実施例2および3では、温度センサ7として蛍光式光ファイバ温度計を例に説明したが、開示の技術はこれに限られない。温度センサ7は、温度の測定が可能なセンサであれば、例えば熱電対等であってもよい。