以下、本発明に係るハンディー型電気掃除機の実施形態について図1から図6を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
図1は、本発明の実施形態に係るハンディー型電気掃除機の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除機1は、例えばスティック型であって、ハンディー型でもある。電気掃除機1は、手持ち操作可能な掃除機本体2と、掃除機本体2に着脱可能な延長管3と、延長管3に着脱可能な吸込口体5と、を備えている。
なお、使用者が電気掃除機1を手持ちした状態では、図1は、電気掃除機1を使用者の左斜め前方から見た図に相当する。
また、電気掃除機1は、延長管3および吸込口体5を取り外した、掃除機本体2のみの形態でハンディー型電気掃除機としても利用される。つまり、掃除機本体2は、単独でハンディー型電気掃除機としても利用できる。また、電気掃除機1は、延長管3および吸込口体5に代えて、延長管3よりも極めて短いノズルを装着して使用することもできる。
掃除機本体2は、把手部11を有する本体ケース12と、本体ケース12に収容されて吸込負圧を生じさせる電動送風機13と、電動送風機13の吸込側に流体的に接続される吸込管15と、本体ケース12に着脱可能に装着される分離集塵部16(集塵装置)と、主に電動送風機13を制御する本体制御部17と、本体ケース12に着脱可能に装着される二次電池18(電池部)と、本体ケース12に分離集塵部16を着脱可能に保持する保持機構(図示省略)と、を備えている。
掃除機本体2は、二次電池18が蓄える電力によって電動送風機13を駆動させ、電動送風機13の駆動によって負圧を発生させ、発生した吸込負圧を分離集塵部16に作用させる。分離集塵部16に作用する吸込負圧は、吸込管15、延長管3、および吸込口体5に順次に作用する。吸込口体5に達した吸込負圧は、吸込口体5の吸込口19に作用する。吸込口19に作用する吸込負圧は、床面から塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸込口19に吸い込む。吸込口19に吸い込まれた含塵空気は、吸込口体5、延長管3、および吸込管15を通じて分離集塵部16へ流入する。分離集塵部16は、吸込負圧によって吸い込まれる含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに塵埃が分離された空気を電動送風機13へ送る。電動送風機13は、塵埃が分離された空気を本体ケース12外へ排気する。
なお、電気掃除機1および掃除機本体2は、掃除機本体2を手に持つ使用者によって、様々な姿勢で利用される。そこで、図1中、実線矢印P方向視を平面視(上面視)とし、実線矢印Pの反対方向視を底面視とする。図1中、実線矢印F方向視を正面視(前面視)とし、実線矢印Fの反対方向視を背面視とする。図1中、実線矢印L方向視を左側面視とし、実線矢印Lの反対方向視を右側面視とする。つまり、延長管3が使用者の前方へ向かって水平に突出する姿勢で電気掃除機1を使用者が持っている場合には、電気掃除機1の前後、上下、左右は、使用者のそれに一致する。
そして、本体ケース12は、電動送風機13、および本体制御部17が実装される制御回路板21を収容している。
本体ケース12は、延長管3の延長線上に配置され、かつ延長管3の延長線に沿って延びる柱状の前部12aと、前部12aから下斜め後方へ垂れ下がる中央部12bと、中央部12bの背面の下半部から後方へ延びる筒状の後部12cと、中央部12bの背面の上半部から後方へ延び、円弧形状に湾曲して後部12cの上面の後端に繋がる把手部11と、を備えている。
また、本体ケース12は、二次電池18へ充電電力を導く充電ソケットを備えている。充電ソケットは、充電回路を介して二次電池18に接続されている。
また、本体ケース12は、把手部11を握った使用者が、その手指を動かせる範囲に配置される入力部22を備えている。
前部12aと中央部12bとは、協働して分離集塵部16を着脱可能に保持している。分離集塵部16は、全体で筒状の外観を有する。前部12aと中央部12bとは、分離集塵部16の中心線C、換言すると長手方向を延長管3の中心線の延長線に平行させて分離集塵部16を保持している。本体ケース12に延長管3および分離集塵部16が装着された状態では、延長管3の中心線の延長線および分離集塵部16の中心線Cは、本体ケース12を左右に実質的に均等に分断する中央縦断面上に配置されている。つまり、長手状の前部12aと筒状の分離集塵部16とは、中心線が平行するように併設されている。
本体ケース12の前部12aは、延長管3の長手方向、つまり延伸方向の延長上に配置されて管状に延びる吸込管15を収容している。
本体ケース12の後部12cは、電動送風機13および制御回路板21を収容している。後部12cは、電動送風機13の排気を本体ケース12内から吐出させる排気口25を有している。
本体ケース12の中央部12bは、前部12aに併設される分離集塵部16の後端部の一部を覆い隠すように保持し、かつ分離集塵部16と電動送風機13とを繋ぐ風路(図示省略)を収容している。中央部12bは、実質的に直線状に延びる前部12aの後端部に連接して本体ケース12の下斜め後方へ向かって膨らんでいる。中央部12bは、本体ケース12の後方へ向かって後ろ下がりに傾斜する外観を有している。
吸込管15は、本体ケース12の前部12a内に収容されて本体ケース12に支持されている。本体ケース12に分離集塵部16が装着された状態では、吸込管15は、分離集塵部16に平行に並ぶ。吸込管15は、実質的に屈曲なく真っ直ぐに延びる直管である。吸込管15の中心線に沿う方向、吸込管15の延伸方向、吸込管15の長手方向は、実質的に同意であり、本体ケース12の前後方向に実質的に一致している。
吸込管15は、延長管3を着脱可能な継手構造を備えている。この継手構造は、吸込管15の開口端部に設けられている。吸込管15は、掃除機本体2の流体的な入口であり、延長管3と分離集塵部16とを流体的に接続する継手でもある。掃除機本体2から延長管3を取り外すことによって、吸込管15は、掃除機本体2をハンディー型電気掃除機として単体で使用する際の吸込口として機能する。吸込管15の筒先は、掃除機本体2の前方へ開放されている。
吸込管15の後端部は、分離集塵部16に接続される第二開口を有している。第二開口は、吸込管15の径方向外側へ向かって開放されて分離集塵部16へ向かっている。第二開口は、本体ケース12の下方へ向かって開放されている。第二開口は、本体ケース12の前部12aの底面に設けられている。本体ケース12に分離集塵部16が装着されている状態では、前部12aの底面は、分離集塵部16に近接して倣う。そうすると、第二開口は、分離集塵部16に流体的に接続される。
分離集塵部16は、本体ケース12の前部12aと本体ケース12の中央部12bとが成すL文字形状の収容空間に配置されている。分離集塵部16は、掃除機本体2に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機13へ送る。分離集塵部16は、塵埃と空気との質量の差異を利用して塵埃と空気とを遠心分離する遠心分離方式である。分離集塵部16の下流側に含塵空気から塵埃を濾し取る濾過分離方式のフィルターが設けられていても良い。
また、分離集塵部16は、本体ケース12の前後方向に沿って筒状に延伸している。換言すると、分離集塵部16は、本体ケース12の前後方向に延びる中心線Cを有する筒形状の容器である。分離集塵部16の中心線Cに沿う方向、分離集塵部16の延伸方向、分離集塵部16の長手方向は、実質的に同意であり、本体ケース12の前後方向に実質的に一致している。したがって、分離集塵部16の中心線Cは、吸込管15の中心線に実質的に平行している。また、分離集塵部16は、吸込管15に併設されている。つまり、分離集塵部16の長手方向は、吸込管15の長手方向に倣っている。分離集塵部16の直径は、吸込管15の直径よりも大きく、分離集塵部16は、吸込管15および本体ケース12の前部12aよりも掃除機本体2の左右方向(幅方向)に突出している。なお、掃除機本体2の左右方向(幅方向)は、筒状の分離集塵部16の中心線Cおよび吸込管15の中心線を実質的に含む仮想的な平面の法線方向、あるいは筒状の分離集塵部16の中心線Cおよび吸込管15の中心線を実質的に通る仮想的な平面の法線方向に相当する。また、この仮想的な平面は、掃除機本体2の中央縦断面に相当する。
保持機構は、分離集塵部16の一方の端部と本体ケース12とを着脱可能に連結する第一機構と、分離集塵部16の他方の端部と本体ケース12とを着脱可能に連結する第二機構と、を備えている。
第一機構は、分離集塵部16に設けられる凹部に、本体ケース12に設けられる凸部を引っ掛けて分離集塵部16と本体ケース12とを連結するロック機構である。第一機構の凹部と凸部とは、分離集塵部16と本体ケース12との相対的な位置の変化によって引っ掛かったり、外れたりする。
第一機構の凸部は、本体ケース12の前部12aの底面の前端部に設けられている。第一機構の凹部は、分離集塵部16の一方の端部であって、凸部に適合する位置に配置されている。
第二機構は、分離集塵部16に設けられる凸部に、本体ケース12に設けられる凹部を引っ掛けて分離集塵部16と本体ケース12とを連結するロック機構である。第二機構は、第一機構と異なり、分離集塵部16と本体ケース12との相対的な位置を保ったまま、凹部から凸部を外すことが可能な操作片を備えている。操作片は、分離集塵部16に設けられ、第二機構の凸部は、操作片に一体化されている。
第二機構の凹部は、本体ケース12の中央部12bの底部、つまり吸込管15の径方向において吸込管15から最も遠い部位に設けられている。第二機構の凸部は、分離集塵部16の他方の端部であって、凹部に適合する位置に配置されている。そして、第一機構の凹部と第二機構の凸部とは、いずれも分離集塵部16に設けられ、かつ分離集塵部16の長手方向の中心、かつ短手方向の中心に対して実質的に対象に配置されている。また、第一機構の凹部から見て第二機構の凸部は、分離集塵部16内で最も離れた部位に配置されている。
操作片は、スライド、スイングを含む機械的な移動をともなう操作が可能であり、この操作にともなう移動を凹部から凸部を外す動きに変換する種々の機構の一部である。例えば、使用者が操作片をスライドさせることで、第二機構の凸部を凹部から外すことができる。また、操作片は、使用者によって操作されていない場合には、第二機構の凸部を凹部に引っ掛かる位置へ移動させる。
分離集塵部16が本体ケース12に装着されている場合には、第一機構は、凹部に凸部を引っ掛けて分離集塵部16と本体ケース12とを連結し、第二機構は、凹部に凸部を引っ掛けて分離集塵部16と本体ケース12とを連結している。そして、操作片が操作されて第二機構の凸部が第二機構の凹部から抜け出すと、第二機構のロックが解除される。このとき、第一機構の凸部は、凹部に引っ掛かった状態を維持している。そこで、使用者は、第二機構のロックが解除されている状態で、第一機構を支点にして分離集塵部16の他方の端部を本体ケース12から遠ざける。そうすると、分離集塵部16は本体ケース12から離れ、いずれ第一機構の凸部が凹部から抜け出して第一機構のロックも解除される。
分離集塵部16が本体ケース12から離脱している場合には、先ず、第一機構の凸部が凹部に引っ掛けられる。使用者は、第一機構がロックされている状態で、第一機構を支点にして分離集塵部16の他方の端部を本体ケース12に近づける。そうすると、分離集塵部16は本体ケース12に装着され、いずれ第二機構の凸部が凹部に引っ掛かって第二機構もロックされる。
なお、本実施形態に係る分離集塵部16は、円弧軌道を描きながら本体ケース12に着脱されるが、吸込管15の径方向へ直線軌道を描きながら着脱されるものであっても良い。この場合には、第一機構および第二機構は、実質的に同時にロックされたり、ロックを解除されたりすることが好ましい。本体ケース12に分離集塵部16が着脱される際の分離集塵部16の移動方向は、吸込管15の長手方向に交差する方向であれば良い。したがって、本体ケース12に分離集塵部16が装着される際には、分離集塵部16は、吸込管15の径方向において吸込管15に近づく方向へ移動し、本体ケース12から分離集塵部16が離脱される際には、分離集塵部16は、吸込管15の径方向において吸込管15から遠ざかる方向へ移動すれば良い。
本体ケース12の中央部12bは、分離集塵部16の排気側に流体的に接続される連結口と、連結口と電動送風機13とを流体的に接続する分離部下流風路管と、を備えている。中央部12bは、分離集塵部16と本体ケース12の後部12cとの間に挟み込まれている部位を含んでいる。この部位に連結口および分離部下流風路管が配置されている。
連結口は、中央部12bの正面を臨む部位に配置されている。連結口は、分離集塵部16が本体ケース12に装着された状態で、分離集塵部16の後ろ側の端面に正対する。したがって、連結口は、分離集塵部16が本体ケース12に装着された状態で、分離集塵部16の中心線Cの延長線上に配置される。
電動送風機13の吸込側は、連結口および分離部下流風路管を介して分離集塵部16に接続される。電動送風機13は、分離集塵部16から空気を吸い込んで吸込負圧を発生させる。電動送風機13は、羽根車と、羽根車の回転駆動力を発生する電動機と、電動機から羽根車へ回転駆動力を伝達する回転軸と、を備えている。
羽根車は、例えばターボファンであり、複数の羽根を備えている。それぞれの羽根は、円錐状のハブの中心部からハブの外縁部へ向かって徐々にハブの径方向へ向かって起立する、捻れた形状を有している。換言すると、それぞれの羽根は、前縁から後縁に掛けて翼型(airfoil)または翼断面(wing section)が変化する、いわゆる3次元翼である。羽根車は、吸込口を有するケースに覆われている。
電動送風機13は、回転軸を中心とする円筒状、または円柱状の形状を有している。回転軸の中心線を本体ケース12の前後方向へ向け、かつ吸込口を前方へ向けて本体ケース12に収容されている。また、電動送風機13の回転軸の中心線は、実質的に分離集塵部16Cの延長線上に配置されている。
本体ケース12の後部12cは、本体制御部17が実装される制御回路板21を収容している。制御回路板21は、電動送風機13の真後ろに配置されている。
本体制御部17は、マイクロプロセッサー、およびマイクロプロセッサーが実行する各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する記憶装置を備えている。記憶装置は、予め設定される複数の運転モードに関連する種々の設定、つまり引数を記憶している。複数の運転モードは電動送風機13の出力に関連付けられている。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値、つまり電動送風機13の入力値であり、電動送風機13に流れる電流目標値が設定されている。それぞれの運転モードは、入力部22が受け付ける操作入力に関連付けられている。本体制御部17は、入力部22への操作入力に対応する任意の運転モードを、予め設定される複数の運転モードから択一的に選択し、選択した運転モードの設定を記憶部から読み出し、読み出した運転モードの設定にしたがって電動送風機13を運転する。
本体ケース12の後部12cは、分離集塵部16が本体ケース12に装着された状態において、分離集塵部16の中心線Cの延長線上に配置されている。
二次電池18は、蓄電池、充電式電池、および充電池とも呼ばれる。二次電池18は、電動送風機13や本体制御部17で消費される電力を蓄える。二次電池18は、本体ケース12の後部12cの底部に着脱可能に装着されている。二次電池18は、着脱不能に固定されていても良い。着脱可能な二次電池18は、複数の二次電池18を準備しておくことで、適宜に交換して利用できる。電気掃除機1に装着されている二次電池18の充電率が低下した場合には、この二次電池18を、充電済みの二次電池18に交換することによって、電気掃除機1は、運転を継続できる。
なお、電気掃除機1は、二次電池18に代えて一次電池を電源として利用するものであっても良い。
把手部11は本体ケース12に一体に設けられている。把手部11は、電気掃除機1で床面を掃除するために、使用者が手で把持する部分である。そのため、把手部11は、人の手指で把持し易い適宜の形状を有することが好ましい。
把手部11は、本体ケース12の前部12aと後部12cとの間に架設されている。把手部11は、前部12aの後端から延長管3の延長方向へ延び、かつ弧状に湾曲して後部12cの後端部に繋がっている。把手部11と本体ケース12の中央部12bの背面との間、および把手部11と本体ケース12の後部12cの天面との間には、一続きの空間が、本体ケース12の左右方向(幅方向)へ貫通している。この空間には、把手部11を握る使用者の手指、もっぱら人差し指、中指、薬指、および小指を含む四指が配置される。
入力部22は、把手部11を握った使用者が、その親指で容易に操作できるよう、把手部11の前側の端部の天面に設けられている。
入力部22は、電動送風機13の運転開始操作を受け付ける運転開始スイッチ22aと、電動送風機13の運転停止操作を受け付ける運転停止スイッチ22bと、を備えている。運転開始スイッチ22aおよび運転停止スイッチ22bは、本体制御部17に電気的に接続されている。電気掃除機1の使用者は、入力部22を操作して電動送風機13の運転モードを択一的に選択できる。運転開始スイッチ22aは、電動送風機13の運転中に、運転モードの切替スイッチとしても機能している。この場合、本体制御部17は、運転開始スイッチ22aから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、入力部22は、運転開始スイッチ22aに代えて、強運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)、および弱運転スイッチ(図示省略)を個別に備えていても良い。
図2および図3は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の掃除機本体の側面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の掃除機本体の底面図である。
図2は、二次電池18が装着された掃除機本体2の側面図であり、図3は、二次電池18が離脱された掃除機本体2の側面図である。
図2から図4に示すように、本実施形態に係る掃除機本体2は、ハンディー型電気掃除機として単体で機能する。
ところで、掃除機本体2をハンディー型電気掃除機として単体で利用する際に、掃除機本体2を水平面HSに置いておく場合がある。
そこで、本実施形態に係る掃除機本体2は、二次電池18が本体ケース12に装着されている場合には、3つの脚部31のうち、2つの脚部31を接地し、かつ1つの脚部31を非接地させて水平面HSに第一姿勢で自立する(図2)。また、掃除機本体2は、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合には、3つの脚部31のうち、第一姿勢で非接地の脚部31を含む2つの脚部31を接地し、かつ第一姿勢で接地の2つの脚部31のうち、1つの脚部31を非接地させて水平面HSに第二姿勢で自立する(図3)。
具体的には、本実施形態に係る掃除機本体2は、3つの脚部41、42、43を備えている。3つの脚部41、42、43は、掃除機本体2の前側から後ろ側へ順に並んでいる。つまり、3つの脚部41、42、43は、前後方向へ長尺な掃除機本体2の長手方向へ並んでいる。3つの脚部41、42、43は、掃除機本体2の中央縦断面を貫いて、掃除機本体2の左右方向に延びる凸形状の条であり、突起である。それぞれの脚部41、42、43は、全体として、または、最突出部位において、下方へ凸の半円弧形状の接触部位を有している。したがって、脚部41、42、43は、水平面HSに線接触する。脚部41、43は、水平面HSに面接触しても良い。面接触する脚部41、43は、掃除機本体2の自立姿勢をより安定させる。
脚部41、42、43は、水平面HSに接触する弾性部材51を有していても良い。弾性部材51は、それぞれの脚部41、42、43と水平面HSとの間に挟まって、水平面HSの損傷を防いだり、水平面HSとそれぞれの脚部41、42、43との間の滑りを防いだりする。
それぞれの脚部41、42、43は、一続きの条でなくても良い。例えば、掃除機本体2の右側と左側とに分断されて点在していても良い。3つの脚部41、42、43は、掃除機本体2を堅い水平面HSに置いた場合には、掃除機本体2の左右方向へ延びる直線形状で水平面HSに接触する。それぞれの脚部41、42、43は、第一姿勢で自立可能であり、かつ第二姿勢で自立可能な範囲で、周囲に対して突出していなくても良く、例えば面の縁部のような箇所であっても良い。
最も前側の脚部41は、分離集塵部16に設けられているが、本体ケース12に設けられていても良い。また、最も後ろ側の脚部43は、二次電池18に設けられているが、本体ケース12に設けられていても良い。脚部42は、掃除機本体2の前後方向において2つの脚部41、43の間であって、本体ケース12に設けられている。なお、2つ以上の脚部31が二次電池18に設けられていても良い。二次電池18は、少なくとも1つの脚部43を備えていることが好ましい。
そして、本実施形態に係る掃除機本体2は、二次電池18が本体ケース12に装着されている場合には(図2)、中央の脚部42と後方の脚部43とを接地させて水平面HSに自立することができる。
ここで、説明を簡単にするために、図2のように、中央の脚部42と後方の脚部43とを接地させて水平面HSに自立する第一姿勢を、「電池装着自立姿勢」と呼ぶ。電池装着自立姿勢の掃除機本体2は、3つの脚部41、42、43のうち、2つの脚部42、43を含み、かつ1つの脚部41を除いた第一脚群48によって水平面HSに自立する。換言すると、電池装着自立姿勢の掃除機本体2は、3つの脚部41、42、43のうち、2つの脚部42、43を接地し、かつ1つの脚部41を非接地させて水平面に自立する。
二次電池18が装着されている掃除機本体2の重心G1は、中央の脚部42と後方の脚部43との間に位置する。
また、本実施形態に係る掃除機本体2は、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合には、前方の脚部41と中央の脚部42とを接地させて水平面HSに自立することができる。
ここで、説明を簡単にするために、図3のように、前方の脚部41と中央の脚部42とを接地させて水平面HSに自立する第二姿勢を、「電池離脱自立姿勢」と呼ぶ。電池離脱自立姿勢の掃除機本体2は、3つの脚部41、42、43のうち、2つの脚部41、42を含み、かつ1つの脚部43を除いた第二脚群49によって水平面HSに自立する。換言すると、電池離脱自立姿勢の掃除機本体2は、3つの脚部41、42、43のうち、電池装着自立姿勢で非接地の脚部41を含む2つの脚部41、42を接地し、かつ電池装着自立姿勢で接地の2つの脚部42、43のうち、1つの脚部43を非接地させて水平面に自立する。
二次電池18が離脱されている掃除機本体2の重心G2は、前方の脚部41と中央の脚部42との間に位置する。
そのため、掃除機本体2は、二次電池18が本体ケース12に装着されている場合であっても、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合であっても、水平面HSに転倒することなく、安定して自立できる。
なお、「安定して自立できる」とは、本実施形態に係る脚部31のように、水平面HSに接触させることを企図して設けられた部位のみを水平面HSに接触させて自立することであり、掃除機本体2の外観面のいずれか任意の箇所を適当に水平面HSに接触させて軽微な外力で容易に姿勢を変化させるような置かれ方ではない。
また、3つ脚部31は、第一脚群48および第二脚群49の両方に属する脚部42を有している。このように、第一脚群48および第二脚群49の両方に属する脚部42を、共用脚部と呼ぶ。共用脚部は、電池装着自立姿勢および電池離脱自立姿勢のいずれの姿勢であっても、水平面HSに接触する脚部31である。
図5および図6は、本発明の実施形態に係る掃除機本体の他の例の模式的な側面図である。
図5は、二次電池18が装着された掃除機本体2Aの側面図であり、図3は、二次電池18が離脱された掃除機本体2Aの側面図である。
図5および図6に示すように、本実施形態に係る掃除機本体2Aは、二次電池18が本体ケース12に装着されている場合には、4つの脚部31のうち、2つの脚部31を接地し、かつ2つの脚部31を非接地させて水平面に第一姿勢で自立する(図5)。また、掃除機本体2Aは、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合には、4つの脚部31のうち、第一姿勢で非接地の2つの脚部31を接地し、かつ第一姿勢で接地の2つの脚部31を非接地させて水平面に第二姿勢で自立する(図6)。
具体的には、本実施形態に係る掃除機本体2Aは、4つの脚部41、42、43、44を備えている。4つの脚部41、42、43、44は、掃除機本体2Aの前側から後ろ側へ順に並んでいる。4つの脚部41、42、43、44は、掃除機本体2Aの中央縦断面を貫いて、掃除機本体2Aの左右方向に延びる凸形状の条であり、突起である。それぞれの脚部41、42、43、44は、全体として、または、最突出部位において、下方へ凸の半円弧形状の接触部位を有している。したがって、脚部41、42、43、44は、水平面HSに線接触する。脚部41、42、43、44は、水平面HSに面接触しても良い。面接触する脚部41、42、43、44は、掃除機本体2Aの自立姿勢をより安定させる。
脚部41、42、43、44は、水平面HSに接触する弾性部材51を有していても良い。弾性部材51は、それぞれの脚部41、42、43、44と水平面HSとの間に挟まって、水平面HSの損傷を防いだり、水平面HSとそれぞれの脚部41、42、43、44との間の滑りを防いだりする。
それぞれの脚部41、42、43、44は、一続きの条でなくても良い。例えば、掃除機本体2の右側と左側とに分断されて点在していても良い。4つの脚部41、42、43、44は、掃除機本体2を堅い水平面HSに置いた場合には、掃除機本体2の左右方向へ延びる直線形状で水平面HSに接触する。
そして、本実施形態に係る掃除機本体2Aは、二次電池18が本体ケース12に装着されている場合には(図5)、前から3つめの脚部42と最後尾の脚部44とを接地させて水平面HSに自立することができる。
ここで、説明を簡単にするために、図5のように、前から3つめの脚部43と最後尾の脚部44とを接地させて水平面HSに自立する第一姿勢を、「電池装着自立姿勢」と呼ぶ。電池装着自立姿勢の掃除機本体2Aは、4つの脚部41、42、43、44のうち、2つの脚部43、44を含み、かつ2つの脚部41、42を除いた第一脚群48Aによって水平面HSに自立する。換言すると、電池装着自立姿勢の掃除機本体2Aは、4つの脚部41、42、43、44のうち、2つの脚部43、44を接地し、かつ2つの脚部41、42を非接地させて水平面に自立する。
二次電池18が装着されている掃除機本体2Aの重心G1は、前から3つめの脚部43と最後尾の脚部44との間に位置する。
また、本実施形態に係る掃除機本体2Aは、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合には、最前列の脚部41と前から2つめの脚部42とを接地させて水平面HSに自立することができる。
ここで、説明を簡単にするために、図6のように、最前列の脚部41と前から2つめの脚部42とを接地させて水平面HSに自立する第二姿勢を、「電池離脱自立姿勢」と呼ぶ。電池離脱自立姿勢の掃除機本体2Aは、4つの脚部41、42、43、44のうち、2つの脚部41、42を含み、かつ2つの脚部43、44を除いた第二脚群49Aによって水平面HSに自立する。換言すると、電池離脱自立姿勢の掃除機本体2は、4つの脚部41、42、43、44のうち、電池装着自立姿勢で非接地の脚部41、42を接地し、かつ電池装着自立姿勢で接地の2つの脚部43、44を非接地させて水平面に自立する。
二次電池18が離脱されている掃除機本体2Aの重心G2は、最前列の脚部41と前から2つめの脚部42との間に位置する。
そのため、掃除機本体2Aは、二次電池18が本体ケース12に装着されている場合であっても、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合であっても、水平面HSに転倒することなく、安定して自立できる。
そして、3つの脚部41、42、43を備える掃除機本体2は、中央と後方の2つの脚部42、43の間に複数の脚部31があっても、電池装着自立姿勢で安定して起立可能であり、かつ前方と中央の2つの脚部41、42の間に複数の脚部31があっても電池離脱自立姿勢で安定して自立可能である。
また、4つの脚部41、42、43、44を備える掃除機本体2Aは、前から3つめと最後尾の2つの脚部43、44の間に複数の脚部31があっても、電池装着自立姿勢で安定して起立可能であり、かつ最前列と前から2つめの2つの脚部41、42の間に複数の脚部31があっても電池離脱自立姿勢で安定して自立可能である。
つまり、図3から図6に示すように、本実施形態に係る掃除機本体2、2Aは、3つ以上の脚部31のうち、少なくとも2つの脚部31を含む第一脚群48、48Aを接地し、かつ少なくとも1つの脚部31を非接地させて水平面に電池装着自立姿勢で自立する(図2、図5)。また、掃除機本体2は、電池部18が本体ケース12から離脱されている場合には、3つ以上の脚部31のうち、電池装着自立姿勢で非接地の脚部31を含む少なくとも2つの脚部31を含む第二脚群49、49Aを接地し、かつ第一脚群48、48Aのうち、少なくとも1つの脚部31を非接地させて水平面に電池離脱自立姿勢で自立する(図3、図6)。
なお、図2から図4における第一脚群48および第二脚群49は、両方の脚群48、49に属する共用脚部(脚部42)を含む一方、図5から図6における第一脚群48Aおよび第二脚群49Aは、両方の脚群48A、49Aに属する共用脚部を有していない。つまり、第一脚群48、48Aおよび第二脚群49、49Aは、重なり(共有される脚部)を有していても良いし、有していなくても良い。
そして、電池装着自立姿勢の掃除機本体2、2Aは、第一脚群48のうち最も離れて位置する一対の脚部31の間に重心G1が位置するよう重量配分されていれば、確実に安定して自立できる。つまり、電池装着自立姿勢の掃除機本体2は、第一脚群48のうち最も離れて位置する一対の脚部42、43の間に重心G1が位置するよう重量配分されていれば、確実に安定して自立できる。電池装着自立姿勢の掃除機本体2Aは、第一脚群48のうち最も離れて位置する一対の脚部43、44の間に重心G1が位置するよう重量配分されていれば、確実に安定して自立できる。
また、電池離脱自立姿勢の掃除機本体2、2Aは、第二脚群49のうち最も離れて位置する一対の脚部31の間に重心G2が位置するよう重量配分されていれば、確実に安定して自立できる。つまり、電池離脱自立姿勢の掃除機本体2は、第二脚群49のうち最も離れて位置する一対の脚部41、42の間に重心G2が位置するよう重量配分されていれば、確実に安定して自立できる。電池離脱自立姿勢の掃除機本体2Aは、第二脚群49のうち最も離れて位置する一対の脚部41、42の間に重心G2が位置するよう重量配分されていれば、確実に安定して自立できる。
二次電池18が本体ケース12に装着されている場合の重心の位置は、電池装着自立姿勢の掃除機本体2、2Aの重心の位置である。電池装着自立姿勢の掃除機本体2、2Aの重心の位置は、本体ケース12の重心の位置、電動送風機13の重心の位置、分離集塵部16の重心の位置、および二次電池18の重心の位置によって実質的に定まる。
また、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合の重心の位置は、電池離脱自立姿勢の掃除機本体2、2Aの重心の位置である。電池離脱自立姿勢の掃除機本体2、2Aの重心の位置は、本体ケース12の重心の位置、電動送風機13の重心の位置、および分離集塵部16の重心の位置によって実質的に定まる。
そのため、本体ケース12の重心の位置、電動送風機13の重心の位置、分離集塵部16の重心の位置、および二次電池18の重心の位置の関係を定めることによって、電池装着自立姿勢の掃除機本体2、2Aの重心の位置を、掃除機本体2、2Aが第一脚群48で安定して自立可能な位置へ容易に配置可能であり、電池離脱自立姿勢の掃除機本体2、2Aの重心の位置を、掃除機本体2、2Aが第二脚群49で安定して自立可能な位置へ容易に配置可能である。
分離集塵部16の質量は、電動送風機13の質量よりも重く、二次電池18の質量は、分離集塵部16の質量よりも重い。そして、本実施形態に係る掃除機本体2では、図2および図3に示すように、分離集塵部16は、本体ケース12の前半部に配置され、電動送風機13および二次電池18は、本体ケース12の後半部に配置されている。そのような機器の質量の大小および機器の配置の関係は、掃除機本体2、2A内の風路長さを短縮化して吸い込み効率を向上させ、掃除機本体2の小型化に寄与し、電池装着自立姿勢および電池離脱自立姿勢における掃除機本体2、2Aの自立の安定性を向上させる。
なお、二次電池18が本体ケース12に装着されている場合の重心の位置は、自立している掃除機本体2、2Aが微少な外力によって姿勢を変化させない範囲で、第一脚群48、48Aのうち最も離れて位置する一対の脚部31、31の間になくても良い。また、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合の重心の位置は、自立している掃除機本体2、2Aが微少な外力によって姿勢を変化させない範囲で、第二脚群49、49Aのうち最も離れて位置する一対の脚部31、31の間になくても良い。
以上で説明したように、本実施形態に係るハンディー型掃除機としての掃除機本体2、2Aは、二次電池18が本体ケース12に装着されている場合には、第一脚群48、48Aを接地し、かつ少なくとも1つの脚部31を非接地させて水平面に第一姿勢(電池装着自立姿勢)で自立し、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合には、第二脚群49、49Aを接地し、かつ第一脚群48、48Aのうち、少なくとも1つの脚部31を非接地させて水平面に第二姿勢(電池離脱自立姿勢)で自立する。そのため、掃除機本体2、2Aは、二次電池18の着脱にともなう重心の変化に追従して、安定した自立姿勢を維持することができる。
また、本実施形態に係る掃除機本体2は、第一脚群48および第二脚群49の両方に属する共用脚部としての脚部42を備えている。そのため、掃除機本体2は、最低3つの脚部41、42、43を備えていれば、第一姿勢および第二姿勢のいずれの姿勢であっても安定して自立できる。
さらに、本実施形態に係る掃除機本体2、2Aは、二次電池18が本体ケース12に装着されている場合には、第一脚群48のうち最も離れて位置する一対の脚部31の間に重心が位置し、二次電池18が本体ケース12から離脱されている場合には、第二脚群49のうち最も離れて位置する一対の脚部31の間に重心が位置するよう重量配分されている。そのため、掃除機本体2、2Aは、第一姿勢および第二姿勢のいずれの姿勢であっても安定して自立できる。
また、本実施形態に係る掃除機本体2、2Aは、本体ケース12の重心の位置、電動送風機13の重心の位置、分離集塵部16の重心の位置、二次電池18の重心の位置によって実質的に定まる第一姿勢の重心の位置と、本体ケース12の重心の位置、電動送風機13の重心の位置、分離集塵部16の重心の位置によって実質的に定まる第二姿勢の重心の位置と、を有している。そのため、掃除機本体2、2Aは、第一姿勢および第二姿勢のいずれの姿勢であっても安定して自立できるよう、第一姿勢の重心位置および第二姿勢の重心位置を容易に設定できる。
さらに、本実施形態に係る掃除機本体2、2Aは、電動送風機13よりも重い分離集塵部16と、分離集塵部16よりも重い二次電池18と、を備えている。分離集塵部16は、本体ケース12の前半部に配置され、電動送風機13および二次電池18は、本体ケース12の後半部に配置されている。そのため、掃除機本体2、2Aは、風路長さを短縮化による吸い込み効率の向上、掃除機本体2、2Aの小型化、第一姿勢および第二姿勢における自立の安定性を向上できる。
また、本実施形態に係る掃除機本体2、2Aは、水平面HSに線接触または面接触する脚部31を備えている。そのため、掃除機本体2、2Aは、水平面HSに脚部31を容易に接地して自立できる。
さらに、本実施形態に係る掃除機本体2、2Aは、水平面に接触する弾性部材51を備えている。そのため、掃除機本体2、2Aは、水平面HSの損傷を防ぎ、かつ水平面HSを滑ることなく確実に自立し静止できる。
したがって、本発明に係る掃除機本体2、2Aによれば、二次電池18の着脱による重心位置の変化に応じて床や作業台などの水平面HSに転倒することなく、安定して自立できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。