JP6959889B2 - ワーク整列装置及び工作機械 - Google Patents
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Description
図1に示すように、工作機械1は、円柱状の被加工物であるワークWの前面、側面及び背面を加工する旋盤である。以下では、加工中のワークWの回転軸に沿った方向を「Z軸方向」といい、そのZ軸方向に直交する鉛直方向を「Y軸方向」といい、Y軸及びZ軸方向に垂直な方向を「X軸方向」という。なお、水平面は、Z軸方向及びX軸方向に沿う方向である。
工作機械1は、制御部300による制御のもと、第1の工具ユニット50をX軸方向及びY軸方向に移動させる図示しない工具移動機構を備える。工具移動機構は、上述した第1Z軸スライド機構と同様の構成を有する。
詳しくは、機内ワークコンベア42は、一対の歯車42L,42Rと、一対の歯車42L,42Rの間に巻き回された円環状のベルト42aと、を備える。一対の歯車42L,42Rは、Z軸方向に沿って並べられ、X軸方向に延びる回転軸を中心に回転する。歯車42Lはシュート41に対応して位置し、歯車42RはベッドSの外面Saよりも外側に位置する。歯車42Rは、Y軸方向において、歯車42Lよりも高い位置に設けられる。よって、図3に示すように、ベルト42aはシュート41から離れるにつれて高くなるように傾斜している。ベルト42aの傾斜により、ベルト42aの上面である運搬面42bに載るワークWに付着した油を落とすことができる。
図1に示すように、機内ワークコンベア42は、一対の歯車42L,42Rの何れか一方を回転させる図示しないモータを備える。このモータが駆動されることにより、ベルト42aが一対の歯車42L,42R間で回転する。これにより、ベルト42aの上面である運搬面42bに載せられたワークWがシュート41に対向する位置からワーク整列装置60の機外ワークコンベア61に向けて運ばれる。
ワーク寄せ部42cは、運搬面42bにおける機外ワークコンベア61に近い端部に位置する。ワーク寄せ部42cは、運搬面42bにおけるワークWを連結橋部8に導く傾斜面42dを有する。
機外ワークコンベア61は、機内ワークコンベア42と同様に、一対の歯車61L,61Rと、一対の歯車61L,61Rの間に巻き回された円環状のベルト61aと、ストッパ61sと、を備える。
一対の歯車61L,61RはZ軸方向に沿って並べられ、X軸方向に延びる回転軸を中心に回転する。一対の歯車61L,61Rは同一の高さに位置する。このため、ベルト61aの上面である運搬面61bはXZ平面、すなわち水平面に沿う。
機外ワークコンベア61は、一対の歯車61L,61Rの何れか一方を回転させる図示しないモータを備える。このモータが駆動されることにより、ベルト61aが一対の歯車61L,61R間で回転する。これにより、運搬面61bに載せられたワークWがワークプッシュ装置80により押される位置に運ばれる。
図1及び図3に示すように、連結橋部8は、傾斜底板8aと、2つの側壁8bと、を備える。
傾斜底板8aは、機内ワークコンベア42から機外ワークコンベア61に近づくにつれて低くなるように傾斜する。傾斜底板8aは、機内ワークコンベア42の運搬面42bから落ちたワークWを自重により機外ワークコンベア61の運搬面61bへ導く。
2つの側壁8bは、それぞれ傾斜底板8aのZ軸方向に延びる両縁部に沿って設けられる。2つの側壁8bは、傾斜底板8aの上面に位置するワークWが外部へ落下することを抑制する。2つの側壁8bは、X軸方向において、ワークWの径よりも大きく、かつワークWの径の2倍よりも小さい距離だけ互いに離間している。これにより、連結橋部8には1つずつワークWを通過させることができ、複数のワークWがX軸方向に重なった状態で機外ワークコンベア61の運搬面61bに載せられることが抑制される。
受け皿68は、底板68aと、奥壁68bと、2つの側壁68sと、を備える。
底板68aは、XZ平面に沿って延びる長方形板状に形成される。底板68aの上面68a1は、運搬面61bと同一の高さにて運搬面61bと連続する。
図1及び図2に示すように、奥壁68bは、底板68aの上面68a1における4辺の縁部のうち運搬面61bから遠い縁部に沿って形成される。奥壁68bは、Y軸方向においてワークWの厚さよりも高く、底板68aの上面68a1に立設し、Z軸方向に長い長方形状をなす。
2つの側壁68sは、底板68aの上面68a1における4辺の縁部のうちX軸方向に延びる2つの縁部に沿って形成される。2つの側壁68sは、ワークWの厚さよりも高く、底板68aの上面68a1に立設し、X軸方向に長い長方形状をなす。2つの側壁68sは、プッシャ81の押圧部81bの長さよりも互いにZ軸方向に離れている。
連結板部87aは、YZ平面に延びる長方形板状をなす。補強プレート87b,87cは、プッシャ81を移動させる際に大きな負荷が加わりやすい連結板部87aを補強するために設けられている。
プッシャ81は、本体板部81aと、押圧部81bと、一対の側壁部81cと、を備える。
本体板部81aは、XZ平面に沿う長方形板状をなし、連結板部87aの下面に固定されている。押圧部81bは、本体板部81aの先端側に位置し、Z軸方向において本体板部81aよりも長い角棒状をなす。図5に示すように、押圧部81bのZ軸方向の両端は、対向する受け皿68の側壁68sに対してワークWの径よりも小さい距離の隙間D1を持つ。これにより、ワークWが隙間D1を通過しないため、押圧部81bによりワークWを受け皿68内に確実に押し込むことができる。
図2に示すように、2つの側壁部81cは、それぞれ本体板部81aの上面におけるX軸方向に延びる2つの縁部に沿う板状をなす。一対の側壁部81cは、連結板部87aをZ軸方向から挟み込むように位置し、連結板部87aに連結されている。
制御部300は、後述する加工処理及びワーク整列処理に係るプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)301と、ROM301に記憶されるプログラムを実行することにより後述する加工処理及びワーク整列処理を行うCPU(Central Processing Unit)302と、CPU302のワークエリアとして利用されるRAM(Random Access Memory)303と、時間を計測するタイマ304と、を備える。制御部300は、数値制御(NC(Numerical Control))によってワークWの加工を行う。
以上で、加工処理が終了となる。この加工処理が繰り返されることにより、連続的にワークWを加工することができる。
設定時間Tthは、例えば、上述した加工処理により1個のワークWの加工完了に要するサイクルタイムに設定される。サイクルタイムは、例えば、30秒である。
なお、ワーク整列処理において、最初のステップS203における設定時間Tthは、サイクルタイムに加算時間を加算してもよい。この加算時間は、ワークWがシュート41に落とされたときから機外ワークコンベア61の運搬面61bにおけるプッシャ81に対向する位置に到達するまでに要する時間に設定される。2回目以降のステップS203における設定時間Tthは、上述のように、サイクルタイムに設定される。
図1に示すように、背面主軸71からシュート41に落とされた加工済みのワークWは、シュート41の傾斜面41aに沿って機内ワークコンベア42の運搬面42bに載せられる。運搬面42bに載るワークWは、機内ワークコンベア42により機外ワークコンベア61に向けて運ばれる。そして、ワークWは、連結橋部8に到達すると、自重により連結橋部8の傾斜底板8aに沿って滑ることで、機外ワークコンベア61の運搬面61bに載る。
なお、図1に示すワークWが機内ワークコンベア42の運搬面42bにおける背面主軸ユニット70側に位置している場合、ワークWは、ワーク寄せ部42cの傾斜面42dに沿って連結橋部8に導かれる。
簡単に説明すると、図6(d)に示すように、受け皿68内の第1列B1に11個のワークWが並べられ、その後、図6(f)に示すように、受け皿68内の第2列B2に11個のワークWが並べられる。以降同様に、第3列以降の各列にもワークWが11個ずつ並べられる。第1列B1及び第2列B2はそれぞれZ軸方向に沿って延び、第1列B1は第2列B2よりも奥壁68bの近くに位置する。
この状態からプッシャ81により新たな第3のワークWcが受け皿68内に押されると、図6(e)に示すように、第3のワークWcは、第1列B1に位置するワークWに接触し、第2列B2に位置する。この場合、プッシャ81は、第3のワークWc及び第1列B1に位置するワークWを介して奥壁68bからの反力を受けて、その位置で停止する。言い換えると、第1列B1の隙間SmがワークWの径未満であるため、第3のワークWcは第1列B1のワークWを第1列B1に沿って押し付けない。第1列B1と同様に、図6(f)に示すように、第2列B2にも11個のワークWが並べられる。第2列B2の11個のワークWは、第1列B1の11個のワークWに対して列方向(Z方向)にワークWの半径分の距離だけずれて位置している。言い換えると、第2列B2の1つのワークWは、第1列B1において隣接する2つのワークWの中間に位置する。これにより、空間的に効率良く受け皿68内にワークWを整列させることができる。第2列B2にワークWが並べられる際のプッシャ81の伸長位置P1は、ワークWの径の約2倍の距離だけ奥壁68bから離れた位置にある。
同様に、第3列以降の各列にもワークWが11個ずつ並べられる。各列に11個ずつワークWが並べられるため、オペレーターは容易に受け皿68内に並べられるワークWの数を把握することができる。
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
この構成によれば、受け皿68内で複数のワークWを整列させることができる。このため、次の工程、例えば、ワークの洗浄工程のため、受け皿68内のワークWを整列する手間がなくなり、工数を省くことができる。
また、ワーク整列装置60は、例えばロボットアームを使ってワークを整列させる構成に比べて、簡易に構成することができる。
この構成によれば、プッシャ81は運搬面61bを横切るように往復動作する。このため、プッシャ81が退避位置P2にあるとき、運搬面61bのワークWの運搬がプッシャ81により阻害されない。また、プッシャ81が退避位置P2から伸長位置P1に移動することにより、運搬面61bに位置するワークWを確実に受け皿68内に移動させることができる。
さらに、受け皿68及びワークプッシュ装置80は、機外ワークコンベア61を挟み込むように配置されるため、ワーク整列装置60をコンパクトに構成することができる。
この構成によれば、ワークWを押すプッシャ81の位置に関わらず、ワークWを簡単に整列させることができる。
この構成によれば、ワークWを押すプッシャ81の位置を制御することなく、第1列B1におけるワークWの整列が完了すると、第2列B2におけるワークWの整列が開始される。
この構成によれば、プッシャ81は、ワークWを介して奥壁68bからの反力により停止するため、制御部300によりプッシャ81の停止位置を制御する必要がなく、簡単にワークWを整列することができる。
この構成によれば、無駄にプッシャ81が往復動作することが抑制される。よって、ワーク整列装置60の消費電力の低減を図ることができる。また、ワークWを1つずつ受け皿68内に移動させることにより、エアシリンダ82の出力が小さくて済む。よって、小型のエアシリンダ82が採用可能であり、ワーク整列装置60をコンパクトに構成することができる。
この構成によれば、主軸ユニット10及び第2の工具ユニット20等によって加工が行われたワークWをワーク整列装置60により整列させることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
また、上記実施形態においては、受け皿68及びワークプッシュ装置80は、X軸方向に沿って配置されていたが、水平面におけるX軸方向に対して傾斜する方向に沿って配置されてもよい。
さらに、上記実施形態においては、ワーク整列装置60は、ベッドSの外面Saに対向する位置に設けられていたが、これに限らず、ベッドSの上面に設けられていてもよい。この場合、機外ワークコンベア61が省略され、受け皿68及びワークプッシュ装置80は機内ワークコンベア42を挟み込むように位置する。この構成によれば、ワーク整列装置60を有する工作機械1をコンパクトに構成することができる。
10 主軸ユニット
11 主軸
20 第2の工具ユニット
41 シュート
42 機内ワークコンベア
50 第1の工具ユニット
60 ワーク整列装置
61 機外ワークコンベア
61s ストッパ
68 受け皿
68a 底板
68b 奥壁
68a1 上面
68s 側壁
70 背面主軸ユニット
71 背面主軸
80 ワークプッシュ装置
81 プッシャ
81a 本体板部
81b 押圧部
81c 側壁部
82 エアシリンダ(流体シリンダ)
82a 筒部
82b ロッド
87 連結部
300 制御部
B1 第1列
B2 第2列
P1 伸長位置
P2 退避位置
S ベッド
W ワーク
Wa 第1のワーク
Wb 第2のワーク
Wc 第3のワーク
Sm 隙間
Claims (5)
- 加工済みのワークを運ぶ運搬面を有するワークコンベアと、
複数の前記ワークが整列される受け皿と、
前記運搬面に位置する前記ワークを前記受け皿内に向けて押すことにより前記受け皿内で複数の前記ワークを整列させるワークプッシュ装置と、を備え、
前記ワークコンベアは、前記運搬面に載る前記ワークを水平面に沿う第1方向に運び、
前記受け皿及び前記ワークプッシュ装置は、前記水平面に沿いつつ前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記ワークコンベアを挟んで互いに反対側に配置され、
前記ワークプッシュ装置は、
前記運搬面に載る前記ワークの外周面と同一の高さに位置するプッシャと、
前記プッシャを前記第2方向に沿って往復動作させる流体シリンダと、を備え、
前記流体シリンダは、前記プッシャを往復動作させる際、前記プッシャを前記受け皿から離れた退避位置から前記運搬面を横切って前記受け皿内の伸長位置に移動させることにより前記ワークを前記運搬面から前記受け皿内に移動させた後、前記プッシャを前記退避位置に戻し、前記受け皿内の第1列における隙間の合計が前記ワークの径以上である場合、前記プッシャを通じて移動中の第1のワークが前記第1列に位置する第2のワークに接触した後、前記第2のワークを前記第1列に沿って押し付けつつ前記第1のワークを前記第1列に進入させることにより前記第1列に前記第1のワーク及び前記第2のワークを整列させる、
ことを特徴とするワーク整列装置。 - 前記流体シリンダは、前記第1列における前記隙間の合計が前記ワークの径未満である場合、前記プッシャを通じて第3のワークを前記第1列に並ぶ前記ワークに接触する位置まで移動させることにより、前記第3のワークを前記第1列に隣接する第2列に整列させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のワーク整列装置。 - 前記受け皿は、
前記運搬面と同一の高さの上面を有する四角形板状の底板と、
前記底板の前記上面の4辺の縁部のうち前記運搬面から遠い縁部に位置し、前記第1方向に延びる奥壁と、
前記4辺の縁部のうち前記第2方向に延びる2つの縁部それぞれに位置する側壁と、を備え、
前記流体シリンダは、前記プッシャが前記ワークを介して前記奥壁からの反力を受けたときに前記プッシャを停止させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク整列装置。 - 前記流体シリンダは、1つの前記ワークの加工に要する時間が経過する毎に、前記退避位置を起点として前記プッシャを前記退避位置及び前記伸長位置の間で往復動作させる、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のワーク整列装置。 - ワークを加工する加工部と、
請求項1から4の何れか一項に記載のワーク整列装置と、を備える、
ことを特徴とする工作機械。
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