JP6958450B2 - 置場管理方法 - Google Patents

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本発明は、線材コイルまたは棒鋼コイルの置場管理システムにおける置場管理方法に関する。
棒鋼製品の一部や線材製品は、圧延等の処理を経て製造され、コイル状の荷姿で貯蔵される。例えば圧延での処理においては、圧延サイズ(寸法)が類似しかつ出荷先や出荷日が同一のコイルを集約した作業ロットを複数まとめて同一圧延チャンスで処理し、圧延サイズの変更頻度を少なくして圧延作業を合理的に行っている。
このように製造された線材または棒鋼のコイルの作業ロットは多様にある。例えば、線材コイルの作業ロットは、例えば250コイル程度の大きいものから例えば1コイルの小さいものまで存在する。また、同一圧延チャンスで製造した各作業ロットの出荷日(製造完了から出荷までの期間)も多様である。
ここで、線材コイルは、1コイル当たり0.5〜2トン程度と薄板コイルと比較すると軽量であり、コイルの搬出入作業においては複数(例えば2〜8コイル程度)のコイルをまとめて運搬することが一般に行われている。このため、薄板コイルのように1コイル単位に運搬する製品に比べ、出荷すべきコイルを出荷しない等の誤出荷が発生する可能性が高い。そこで、従来、誤出荷を防止するための方法として、コイルの置場において、一定の面積あるいは個数の単位で区画された最小単位の置場を複数設定し、一の置場(各最小単位の置場)に特定の作業ロットのコイルのみを保管することが行われている。しかし、作業ロットの大きさは多様であるため、一定の面積や個数単位で区画された置場では空置場が発生し、置場を有効に活用できていない。
このような課題に対して、例えば特許文献1には、薄板コイルを対象として、コイルヤード上に、複数のコイルを幅方向または径方向をコイルヤードの前後方向に向けて配置する方法が開示されている。かかる方法では、コイルヤードはコイルを任意の位置に配置可能なコイルヤードとし、コイルヤードを前後方向に所定の単位間隔で区画し、幅方向または径方向の占有寸法が上記の単位間隔の所定の倍数であるコイルを上記のコイルヤードの前方から順次配置し、また幅方向または径方向の占有寸法が上記の単位間隔の上記の所定の倍数とは異なる倍数であるコイルを上記のコイルヤードの後方から順次配置する。これにより、コイルサイズに応じてコイル置場の中での貯蔵位置を設定し、コイル置場の貯蔵能力を十分に活用できるようにしている。
また、特許文献2には、対象倉庫の荷役作業の決定において、対象倉庫内に現在保管中の製品の少なくとも保管位置を示す在庫情報と出荷条件を示す出荷製品情報とをもとに、現在保管中の製品を出荷条件の近い製品同士のグループに分け、対象倉庫の制約条件および在庫情報をもとに、グループ内の各製品を集めて配置するエリアをグループ毎に決定し、対象倉庫の製品搬送情報および出荷製品情報をもとに、対象倉庫において現在実行すべき製品の入出庫作業の有無を判断し、入出庫作業が有る場合、入出庫作業の実行を決定し、入出庫作業が無い場合、グループ内の各製品を同一のエリアに集めて配置する配替作業の実行を決定し、対象倉庫の荷役設備の制御系に対し、実行が決定された入出庫作業または配替作業を指示する指示情報を出力することが開示されている。特許文献2の手法では、出荷条件の近い製品同士をグループ化し、このグループ毎に貯蔵するエリアを決定することで、出荷作業効率を向上させている。
特開2000−159312号公報 特開2016−222455号公報
しかし、上記特許文献1の方法では、置場の貯蔵能力を活用できるものの、異なる作業ロットのコイルが同じ区画の置場内に混在することになる。このため、予定されていない出荷先に出荷する、出荷すべきコイルを出荷しない等の誤出荷が発生したり、コイルの誤出荷を防ぐためのチェックが煩雑であったりする等の課題があった。
上記特許文献2記載の方法では、出荷作業効率は向上するものの、1コイル単位に貯蔵位置を指示及び管理することになる。このため、低い頻度ではあるが、指示した貯蔵位置と異なる貯蔵位置にコイルを貯蔵する、指示した貯蔵位置とは異なる貯蔵位置からコイルを搬出する等の、データと実態の貯蔵位置とのアンマッチが発生する可能性がある。このようなアンマッチを完全に防止するため、貯蔵位置や搬出時の製品チェックが煩雑になり、誤出荷の原因ともなる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、線材コイルあるいは棒鋼コイルの誤出荷防止と、誤出荷防止を目的としたチェックを容易にする搬出作業の利便性とを維持し、かつ、コイルの置場の貯蔵能力を向上させることが可能な、新規かつ改良された置場管理システムにおける置場管理方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、線材または棒鋼のコイルが貯蔵される置場の置場管理システムによる置場管理方法であって、置場は、コイルを、奥行方向にコイル穴の貫通方向を揃えて列状に配置可能であるとともに、コイル半径方向に隣接させて水平方向及び垂直方向に複数配置可能であり、置場での水平位置を表す列と垂直位置を表す段とにより表される置場の実位置を実番地として、コイルには、少なくとも出荷日及び出荷先が同一の複数のコイルを同一の出荷ロットとして出荷ロット番号が付与されているとともに、同一の出荷ロット内で製造タイミングが同一である複数のコイルを同一の作業ロットとして作業ロット番号が付与されており、置場へ搬入されるコイルである搬入コイルについて、搬入コイルを搬入する置場の搬入位置を算出し、搬入コイルの搬入位置を表す設計置場コードを設定する設計置場コード設定ステップと、実番地に対し、搬入コイルの設計置場コード、出荷ロット、及び、作業ロットを関連付けて、置場テーブルに登録する搬入コイル登録ステップと、作業指示者により指定された搬入コイルの設計置場コードに基づいて、置場テーブルから設計置場コードに対応する実番地及び当該設計置場コードが付与されたコイルのコイル番号を取得し、実番地を作業者へ通知する搬入指示ステップと、を含み、設計置場コード設定ステップでは、同一の作業ロットの搬入コイルについて、搬入コイルの作業ロットのコイル個数nと、一の実番地に貯蔵可能なコイル数Cとに基づいて、一の作業ロットの搬入コイルを貯蔵するために必要な貯蔵列数Cpを算出し、置場の段数Nと貯蔵列数Cpとに基づいて、貯蔵列数Cpを貯蔵するのに必要な一段目の列数Pを算出し、置場においてコイルが配置されていない区画のうち、一段目の列数が少なくとも貯蔵列数Cpを貯蔵するのに必要な一段目の列数P以上ある区画を、搬入コイルの搬入区画として決定し、置場テーブルにおいて搬入区画に対応する実番地に、搬入コイルのコイル番号及び一の設計置場コードを設定する、置場管理方法が提供される。
置場管理方法は、設計置場コード設定ステップにより設定された各設計置場コードについて、設計置場コードが付与された区画に対して貯蔵可能なコイル数の最大値が、搬入コイルの数以上であるか否かを判定する、設計置場コード判定ステップをさらに含んでもよい。
また、置場には、実番地を特定可能な実番地コードが記録されたRFIDタグが設置されており、置場に対してコイルの搬送及び搬出を行う搬送装置には、RFIDタグに記録された実番地コードを読み取るRFIDリーダーを設けてもよい。このとき、置場管理方法は。搬入指示ステップを受けて、作業者が搬送装置により搬入コイルを置場へ搬送したとき、搬送装置のRFIDリーダーにより、搬入コイルの搬入位置に対応するRFIDに記録された実番地コードを読み取る実番地コード読み取りステップと、置場テーブルにおいて、実番地コードから特定された実番地に対応する設計置場コードと、搬入指示ステップにて作業指示者により指定された設計置場コードとを比較し、比較した設計置場コードが異なるときには作業者に対して搬入コイルの搬入作業のやり直し指示を通知する、搬入位置チェックステップと、をさらに含んでもよい。
このとき、置場管理方法は、搬入位置チェックステップにおいて比較した設計置場コードが一致したとき、コイルが搬入された実番地に搬入コイルのコイル番号を関連付けて、置場テーブルにコイルの貯蔵位置を登録するコイル貯蔵位置登録ステップをさらに含んでもよい。
また、置場管理方法は、置場から搬出するコイルを搬出する際、作業指示者により指定された出荷ロットに基づいて、置場テーブルから出荷ロットに対応する実番地を少なくとも取得し、実番地を作業者へ通知する搬出指示ステップをさらに含んでもよい。
このとき、搬出指示ステップによりコイルが搬出された後、置場テーブルから、少なくともコイルが搬出された置場の実番地に関連付けられたコイル番号が削除される。
以上説明したように本発明によれば、線材コイルあるいは棒鋼コイルの誤出荷防止と、誤出荷防止を目的としたチェックを容易にする搬出作業の利便性とを維持し、かつ、コイルの置場の貯蔵能力を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る置場の一部を示す概略斜視図である。 図1に示す置場を正面及び略上面から見た状態を示す説明図である。 コイルを搬送する搬送装置を示す説明図である。 置場からコイルを搬出するときの搬送装置の動作を説明する説明図である。 同実施形態に係る置場管理システムの構成を示すブロック図である。 出荷テーブルの一構成例を示す説明図である。 置場テーブルの一構成例を示す説明図である。 図7の置場テーブルが表す置場のコイルの貯蔵状態を示す説明図である。 同実施形態に係る置場管理システムによる置場管理方法を示すフローチャートである。 搬入コイル登録処理を説明する説明図である。 搬入処理時の設計置場コードの実番地への変換を説明する説明図である。 貯蔵位置登録処理を説明する説明図である。 検証1における置場条件を示す説明図である。 比較例1の従来方法での置場管理を説明する説明図である。 比較例2の混在貯蔵方法での置場管理を説明する説明図である。 実施例1の本発明の方法での置場管理を説明する説明図である。 検証2の検証結果を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.概要>
本発明の一実施形態に係る置場管理システムは、線材または棒鋼のコイルが貯蔵される置場を管理するシステムであって、置場に貯蔵されているコイルの貯蔵位置を管理する。本実施形態に係る置場管理システムで管理する置場の概要を図1及び図2に示す。図1は、本実施形態に係る置場の一部を示す概略斜視図である。図2は、図1に示す置場を正面及び略上面から見た状態を示す説明図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る置場管理システムにより管理するコイル10の置場は、複数のコイル10を奥行方向にコイル穴10aの貫通方向を揃えて列状に配置可能であるとともに、コイル半径方向に隣接させて水平方向及び垂直方向に複数配置可能である。奥行方向に並ぶ1または複数のコイル10をコイル列ともいう。置場において、コイル列の実位置は、水平方向における位置を列、垂直方向における位置を段として表される。列及び段により表されるコイル列の実位置を、以下、「実番地」という。
置場の載置面には、奥行方向に延設され、コイル10を支持する支持部材5が水平方向に配置されている。一対の支持部材5、5によって1段目の1つのコイル列が支持される。2段目以降に配置されるコイル列は、直下の段に置かれた隣接する2つのコイル列の間に載置される。すなわち、図1及び図2に示すように、コイル10はいわゆる俵積みされて置場に貯蔵される。置場にコイル10を積み上げ可能な段数は、コイルの種類、搬送装置の積み上げ可能高さ、倉庫設備の高さ制約等によって予め設定されており、最上段をN段目とする。また、置場には、コイル列の水平方向における位置に対応して、実番地の列を特定可能な実番地コードが記録されたRFIDタグ20が設置されている。実番地コードは、実番地の列そのものであってもよい。
コイル10は、例えば図3に示すような搬送装置30により、置場へ搬入され、置場から搬出される。搬送装置30は、上下に移動可能なフォーク部32にコイル10を懸架して搬送する装置である。搬送装置30は、例えばコイル搬出時には、図4に示すように、搬出コイルの高さ位置にフォーク部32の高さ位置を調整した後、置場の奥行方向に沿って前方に移動してフォーク部32をコイル10のコイル穴10aに通す。そして、後方に移動してフォーク部32に懸架されたコイル10を搬送する。1つのフォーク部32により、1つのコイル列から1または複数のコイル10を搬送することができ、例えば図4の搬送装置30では、2つのフォーク部32が水平方向に設置されているため、1回の搬送作業で2つのコイル列のコイル10を同時に搬送することができる。なお、本実施形態において、搬送装置30に設けられるフォーク部32の数は特に限定されるものではなく、1つのみ設けられてもよく、3つ以上設けられていてもよい。
搬送装置30には、置場の実番地を取得するための機器として、RFIDリーダー34と、高さ位置センサ35とが設けられている。RFIDリーダー34は、置場に設置されたRFIDタグ20に記録された実番地コードを読み取る。また、高さ位置センサ35は、フォーク部32の高さを検知する。高さ位置センサ35により検知されるフォーク部32の高さより、コイル10を搬出入する段数を把握することができる。これにより、例えば、何段目にコイルを搬入しようとしているか、あるいは、何段目のコイルを搬出しようとしているかを把握することができる。
このように、RFIDリーダー34に読み取られた実番地コードと、高さ位置センサ35による検知結果とを組み合わせることで、置場の実番地を特定することができる。なお、置場に置かれたコイルの段数が2段以下であれば、1段目と2段目のコイル列の水平方向における位置はずれていることから、RFIDタグの実番地コードから当該列の垂直方向の位置が1段目であるか2段目であるかを特定することができる。この場合には、高さ位置センサ35は必ずしも必要ではない。
本実施形態に係る置場管理システムでは、このような置場に搬入出されるコイルについて、少なくとも出荷日及び出荷先、製造タイミングが同一の1または複数のコイルを同一の作業ロットとしてグルーピングする。置場へのコイルの搬出入の指示は、各コイルを識別するために付与される固有のコイル番号ではなく、作業ロット単位で行う。このため、同一の作業ロットのコイルは、コイル列の集合体として管理され、置場に1つに纏められて貯蔵される。この際、本実施形態に係る置場管理システムでは、置場に対し、作業ロットの大きさに応じて必要最小限のコイル列数で構成される仮想区画を設定し、コイルの貯蔵位置を管理する。このコンピュータ上に設定される置場の仮想区画を、設計置場コードとして表す。1つの仮想区画には同一の作業ロットのコイルのみが貯蔵される。これにより、設計置場コードを指定することで、同一の作業ロットのコイルの搬入出を指示することができる。
このように、コイルの貯槽位置を設計置場コードで管理することで、作業ロットの大きさに応じて一の設計置場コードに貯蔵可能なコイル数最大値を変動させることができるため、置場の貯蔵能力を高めることができる。また、コイルの搬出入を設計置場コード単位で指示することで、各コイルに付与されているコイル番号によってコイルの搬入出を指示する場合と比較して指示回数が少なくなるため、誤指示を低減することができる。したがって、コイルの誤出荷を防止できる。さらに、同一の設計置場コードが付与された同一の作業ロットのコイルを1つの纏まりとして置場に山積みされる。このとき、設計置場コードは、異なる設計置場コードが付与されたコイルの纏まりは混在しないように設定されるため、置場に置かれたコイルを目視して同一作業ロットのコイルを容易に認識することができる。したがって、コイルの1つの纏まりが置場からなくなっていれば、搬出を指示したコイルがすべて搬出されたことを目視で容易に確認することができる。
<2.置場管理システム>
図5に基づいて、置場管理システム1の構成を説明する。図5は、本実施形態に係る置場管理システム1の構成を示すブロック図である。なお、図5には、コイルの貯蔵位置を管理するための処理を実行する際に機能する機能部のみを示している。
本実施形態に係る置場管理システム1は、図5に示すように、置場に対してコイルを搬入し搬出する搬送装置30と、置場に貯蔵されるコイルの貯蔵位置を管理する置場管理装置100とからなる。
[2−1.搬送装置]
搬送装置30は、図3に示したように、コイルを搬送する装置である。搬送装置30は、搬送するコイルをフォーク部32によって保持し搬送する以外の機能として、図5に示すように、通知部31と、実番地取得部33と、実番地算出部37と、搬入位置チェック部39と、を備える。
通知部31は、作業者に対して通知情報を通知する。通知部31は、例えば情報を表示するディスプレイであって、音声を出力するスピーカ等をさらに備えてもよい。置場管理装置100からの通知情報としては、例えば、コイルの搬入位置あるいは搬出位置の実番地等がある。また、後述する搬入位置チェック部39からの通知情報として、指定された置場に正しくコイルが搬入されていない場合に作業者に通知する搬入作業のやり直しの指示等がある。通知部31からの通知情報を受けて、作業者はコイルの搬送を行う。
実番地取得部33は、置場の実番地を特定するための情報を取得するための機能部であって、例えば図3に示したようにRFIDリーダー34と、高さ位置センサ35とを備える。実番地取得部33は、RFIDリーダー34によってRFIDタグ20から読み取った実番地コードや高さ位置センサ35により検知されたフォーク部32の高さを取得情報として、実番地算出部37へ出力する。
実番地算出部37は、実番地取得部33により取得された取得情報に基づいて、コイルの実番地を算出する。実番地算出部37は、RFIDリーダー34により取得した実番地コードと高さ位置センサ35の取得情報とを組み合わせて、あるいは実番地コードのみから、置場の実位置を表す実番地を算出する。実番地算出部37は、コイルの搬入時に、算出した実番地を搬入位置チェック部39へ出力する。
搬入位置チェック部39は、コイルの搬入時、指定された置場に正しくコイルが搬入されたか否かを確認する。搬入位置チェック部39は、指定された置場に正しくコイルが搬入されていない場合には、搬入作業のやり直しの指示を通知部31へ出力する。これにより、作業者に、通知部31を介して搬入作業のやり直しの指示が通知される。指定された置場に正しくコイルが搬入されている場合には、搬入位置チェック部39は、置場管理装置100に対して、置場に搬入されたコイルのコイル番号を記録する指示を出力する。
[2−2.置場管理装置]
置場管理装置100は、コイルの貯蔵位置を決定し、搬送装置30に対するコイルの搬入出指示を行う情報処理部110と、コイルの置場に関するデータを格納するデータ格納部120とから構成される。情報処理部110は、出荷ロット決定部111と、作業ロット決定部112と、設計置場コード設定部113と、搬送作業指示部114と、更新処理部115と、入力部116とを備える。データ格納部120は、出荷テーブル121と、置場テーブル123とを備える。
(情報処理部)
出荷ロット決定部111は、コイルに対して出荷ロットを決定する。少なくとも出荷日及び出荷先が同一のコイルは、同一の出荷ロットとして管理される。出荷ロット決定部111は、注文情報を管理する注文管理サーバ(図示せず。)から少なくとも各コイルの出荷日及び出荷先を取得し、取得した出荷日及び出荷先が同一のコイルを同一の出荷ロットとして、これらのコイルに同一の出荷ロット番号を付与する。出荷ロット決定部111は、各コイルに付与した出荷ロット番号を、少なくともコイル番号と関連付けて、出荷テーブル121に記録する。
作業ロット決定部112は、コイルに対して作業ロットを決定する。同一の出荷ロットのコイルのうち、製造タイミングが同一のコイルは、同一の作業ロットとして管理される。工場での製品製造においては、同一材質かつ同一圧延寸法の製品をまとめて製造することが通例であり、同一の出荷ロットであれば同一材質かつ同一圧延寸法のコイルが多く含まれる。これより、同一の出荷ロットであるコイルは、1または複数の作業ロットに分類してまとめることができると考えられる。同一の作業ロットのコイルは、同一時期に、すなわち同じ製造タイミングで、まとめて製造される。作業ロット決定部112は、同一の出荷ロットのコイルのうち、製造タイミングが同一のコイルを同一の作業ロットとして、これらのコイルに同一の作業ロット番号を付与する。作業ロット決定部112は、各コイルに付与した作業ロット番号を、少なくともコイル番号と関連付けて、出荷テーブル121に記録する。
出荷ロット決定部111及び作業ロット決定部112により、出荷テーブル121には、各コイルのコイル番号に対して、少なくとも出荷ロット番号と作業ロット番号とが関連付けられた情報が記録される。
設計置場コード設定部113は、置場へ搬入されるコイルである搬入コイルについて、搬入コイルを搬入する置場の搬入位置を算出し、搬入コイルの搬入位置を表す設計置場コードを設定する。設計置場コード設定部113による設計置場コードの設定処理の詳細については後述する。また、設計置場コード設定部113は、設定した設計置場コードについて、設計置場コードが付与された置場の区画に対して貯蔵可能なコイル数の最大値が、搬入コイルの数以上であるか否かを判定する。設計置場コード設定部113は、当該条件を満たすまで置場の区画を再算出する。そして、当該条件を満たすまで置場の区画が算出されると、設計置場コード設定部113は、置場テーブル123の実番地に、対応する設計置場コード、作業ロット番号及び出荷ロット番号を関連付けて記録する。
搬送作業指示部114は、作業指示者からの搬送指示情報が入力部116に入力されたことを受けて、搬送するコイルの搬送先を搬送装置30へ指示する。コイルの搬入時には、搬送作業指示部114は、作業指示者から指定された搬入するコイルの設計置場コードが入力部116に入力されると、当該設計置場コードに基づいて、置場テーブルから設計置場コードに対応する実番地及びコイル番号を取得し、実番地を搬送装置30の通知部31を介して作業者へ通知する。また、コイルの搬出時には、搬送作業指示部114は、作業指示者から指定された搬出するコイルの出荷ロットが入力部116に入力されると、当該出荷ロットに基づいて、置場テーブルから出荷ロットに対応する実番地を取得し、実番地を搬送装置30の通知部31を介して作業者へ通知する。
更新処理部115は、コイルの置場への搬入出に応じて、置場テーブル123を更新する。更新処理部115は、コイルの搬入時には、指定された置場に正しくコイルが搬入されているときに、搬送装置30から置場に搬入されたコイルのコイル番号を記録する指示が入力される。更新処理部115は、当該指示に基づき、置場テーブルの実番地に対応する位置に、搬入されたコイルのコイル番号を記録する。また、コイルの搬出時には、更新処理部115は、搬送作業指示部114から搬送装置30へコイルを搬出させる指示が出力されると、置場テーブルに記録されていた搬出されたコイルのコイル番号が削除される。
入力部116は、作業指示者が入力装置(図示せず。)を用いて入力した情報が入力される。入力部116には、コイル搬入時には設計置場コードが作業指示者から入力され、コイル搬出時には出荷ロットが作業指示者から入力される。なお、作業指示者が利用する入力装置は、例えばキーボードやタッチパネル等であってもよい。
(データ格納部)
出荷テーブル121は、各コイルのコイル番号と、少なくとも出荷ロット番号と作業ロット番号とが関連付けられた情報を記憶する。出荷テーブル121の一構成例を図6に示す。図6に示す出荷テーブル121には、コイル番号、出荷ロット番号及び作業ロット番号以外に、作業ロット重量と、出荷日と、出荷先を特定する出荷先IDとが記録されている。
置場テーブル123は、置場の実番地毎に、当該実番地に貯蔵されているコイルのコイル番号、作業ロット番号、出荷ロット番号、及び、設計置場コードが記録されている。置場テーブル123の一構成例を図7に示す。置場テーブル123において、設計置場コードには、設計置場コード設定部113により設定された値が設定される。コイル番号は、実番地に搬入されたコイルに対応する値が設定され、コイルが搬出されると設定された値は削除される。すなわち図7の実番地(列02:段3)のコイル番号セルのようにコイル番号が設定されていない実番地には、コイルは貯蔵されていないことになる。作業ロット番号及び出荷ロット番号は、出荷テーブル121より、実番地に貯蔵されているコイルに対応する値が設定される。
例えば、図7の置場テーブル123は、図8に示す置場のコイルの貯蔵状態を示している。図8には、コイル番号A0〜A4のコイル10が2段積みされた纏まりと、コイル番号A5〜A7のコイル10が2段積みされた纏まりとが示されている。各コイルの実番地は、列番号(01、01、02、02、03、・・・)と、段数(1段目、2段目、3段目、・・・)とによって表される。コイル番号A0〜A7は、同一の出荷ロット番号(AA01)が付与されており、製造タイミングに応じて、コイル番号A0〜A4には同一の作業ロット番号(a001)が付与され、コイル番号A5〜A7には同一の作業ロット番号(a002)が付与されている。そして、同一の作業ロットのコイルに対して同一の設計置場コードが付与される。すなわち、コイル番号A0〜A4には同一の設計置場コード(X1)が付与され、コイル番号A5〜A7には同一の設計置場コード(X2)が付与されている。
このような置場テーブル123により、実番地(列01:段1)にはコイル番号A0のコイル10が貯蔵されており、当該コイルの出荷ロット番号、作業ロット番号及び設計置場コードが特定可能となる。また、実番地(列02:段3)にはコイルは貯蔵されていないため、当該レコードのコイル番号セルには値が設定されていない。
以上、置場管理システム1の機能構成について説明した。なお、図5に示した置場管理システム1では、搬送装置30の実番地取得部33により取得された情報を処理する実番地算出部37及び搬入位置チェック部39は、搬送装置30に備えるものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、実番地算出部37及び搬入位置チェック部39は、置場管理装置100に備えてもよい。この場合、搬送装置30の実番地取得部33により取得された情報は置場管理装置100に送信され、置場管理装置100にてコイルの実番地が算出される。また、コイルの搬入位置の確認も置場管理装置100にて行われる。
<3.置場管理方法>
図9に基づいて、置場管理システム1による置場管理方法を説明する。図9は、本実施形態に係る置場管理システム1による置場管理方法を示すフローチャートである。
(ロット決定処理:S100、S102)
本実施形態に係る置場管理システム1による置場管理方法では、図9に示すように、まず、出荷ロット決定部111により、コイルの出荷ロットが決定される(S100)。出荷ロット決定部111は、少なくとも出荷日及び出荷先が同一のコイルを、同一の出荷ロットとする。出荷ロット決定部111は、注文情報を管理する注文管理サーバ(図示せず。)から少なくとも各コイルの出荷日及び出荷先を取得し、取得した出荷日及び出荷先が同一のコイルに対して同一の出荷ロット番号を付与する。出荷ロット決定部111は、各コイルに付与した出荷ロット番号を、少なくともコイル番号と関連付けて、出荷テーブル121に記録する。
次いで、作業ロット決定部112により、コイルの作業ロットが決定される(S102)。作業ロット決定部112は、同一の出荷ロットのコイルのうち、製造タイミングが同一のコイルを、同一の作業ロットとする。作業ロット決定部112は、同一の出荷ロットのコイルのうち、製造タイミングが同一のコイルを同一の作業ロットとして、これらのコイルに同一の作業ロット番号を付与する。作業ロット決定部112は、各コイルに付与した作業ロット番号を、少なくともコイル番号と関連付けて、出荷テーブル121に記録する。
ステップS100、S102の処理により、例えば図6に示したような出荷テーブル121が作成される。
(設計置場コード設定処理:S104、S106)
出荷テーブル121が作成されると、設計置場コード設定部113により、置場へ搬入される搬入コイルについて、搬入コイルを搬入する置場の搬入位置が算出され、搬入コイルの搬入位置を表す設計置場コードが設定される(S104)。設計置場コード設定部113は、ステップS102により同一の作業ロット番号が付与された搬入コイルについて、以下の処理を行い、設計置場コードを設定する。
まず、設計置場コード設定部113は、搬入コイルにおいて作業ロット番号が付与されたコイル個数nと、一の実番地に貯蔵可能なコイル数Cとに基づいて、一の作業ロットの搬入コイルを貯蔵するために必要な貯蔵列数Cpを算出する。具体的には、貯蔵列数Cpは、下記式(1)により算出される。一の実番地に貯蔵可能なコイル数Cは、換言すると、置場の奥行方向に配置可能なコイル数である。式(1)による算出値は、整数となるように切り上げられる。
Cp=n/C ・・・(1)
次いで、設計置場コード設定部113は、置場の段数Nと貯蔵列数Cpとに基づいて、貯蔵列数Cpを貯蔵するのに必要な一段目の列数Pを算出する。貯蔵列数Cpを貯蔵するのに必要な一段目の列数Pは、貯蔵列数Cpの値に応じて、下記式(2−1)、式(2−2)または式(2−3)のいずれかにより算出される。なお、Nは、置場に積み上げ可能な最大段数である。式(2−1)、式(2−2)及び式(2−3)による算出値は、整数となるように切り上げられる。
0<Cp≦2のとき、 Cp=P ・・・(2−1)
2<Cp≦3のとき、 Cp=P+P−1 ・・・(2−2)
Cp>3のとき、 Cp=Σ(P−k) ・・・(2−3)
(k=0〜N−1)
そして、設計置場コード設定部113は、置場においてコイルが配置されていない区画のうち、一段目の列数が少なくとも貯蔵列数Cpを貯蔵するのに必要な一段目の列数P以上ある区画を、搬入コイルの搬入区画として決定する。そして、設計置場コード設定部113は、置場テーブル123に対して、決定された搬入区画に対応する実番地に、搬入コイルのコイル番号及び設計置場コードを設定する。置場においてコイルが配置されていない区画は、置場テーブル123のコイル番号が設定されていない実番地となる。そこで、設計置場コード設定部113は、置場テーブル123にコイル番号が設定されていない実番地であって、一段目の列数Pだけ連続して空いている実番地、さらに一段目の列数Pが2以上の場合は当該一段目の列数Pに積み上がる2〜N段目の実番地に、同一の設計置場コードを付与する。
設計置場コードが付与されると、設計置場コード設定部113は、同一の設計置場コードが付与された区画に、搬入コイルを貯蔵可能であるかを判定する(S116)。具体的には、設計置場コード設定部113は、付与した設計置場コードにおける貯蔵可能なコイル数最大値が、搬入されるコイル数以上であることを確認する。ステップS116において、貯蔵可能なコイル数最大値が搬入されるコイル数よりも少ない場合には、当該区画には搬入対象のコイルをすべて貯蔵することができない。このとき、設計置場コード設定部113は、ステップS104の処理を再度実施し、設計置場コードを再設定する。設計置場コード設定部113は、当該条件を満たすまで置場の区画を再算出する。
(搬入コイル登録処理:S108)
ステップS116の条件を満たすまで置場の区画が算出されると、設計置場コード設定部113は、置場テーブル123の実番地に、対応する設計置場コード、作業ロット番号及び出荷ロット番号を関連付けて記録する(S108)。これにより、置場テーブル123は、図10左側のように実番地のみが登録されている状態から、図10右側のように、設計置場コード、作業ロット番号及び出荷ロット番号が設定された状態となる。
(搬入処理:S110)
コイルの搬入指示は、作業指示者によって行われる。コイルの搬入時、搬送作業指示部114は、作業指示者から指定された搬入するコイルの設計置場コードが入力部116に入力されると、当該設計置場コードに基づいて、置場テーブルから設計置場コードに対応する実番地及び作業ロット番号を取得し、実番地及び作業ロット番号が付与されたコイル番号を搬送装置30の通知部31を介して作業者へ通知する(S110)。作業ロット番号が付与されたコイル番号は、出荷テーブル121を参照することで取得可能である。
例えば、図11に示すように、作業指示者から設計置場コードX1が指定されたとき、搬送作業指示部114は、置場テーブル123を参照し、設計置場コードX1が付与された実番地及び作業ロット番号を取得する。作業ロット番号は、出荷テーブル121に基づき、コイル番号に変換される。これにより、作業者には、設計置場コードX1ではなく、設計置場コードX1に対応する実番地が通知されることになる。作業者は、搬送装置30を操作し、通知部31から通知されたコイル番号のコイルを、指定された実番地に搬入する。
(搬入位置チェック処理:S112)
コイル搬入時、搬送装置30により、コイルが搬入された実際の搬入位置(すなわち、実番地)が取得される。置場からの実番地の取得は、例えば、搬送装置30のRFIDリーダー34によって置場に設置されたRFIDタグ20を読み取ることで行ってもよい。あるいは、搬送装置30のRFIDリーダー34によるRFIDタグ20の読み取り結果と高さ位置センサ35の検知結果とを組み合わせて取得してもよい。これにより、搬送装置30がコイルを実際に搬入した搬入位置を把握することができる。
そして、搬入位置チェック部39は、置場テーブル123を参照し、搬送装置30がコイルを実際に搬入した搬入位置の設計置場コードと、作業指示者により指定された設計置場コードとを比較し、これらが一致するか否かを判定する(S112)。ステップS112にて、比較した設計置場コードが異なるときには、搬入位置チェック部39は、作業者に対して搬入コイルの搬入作業のやり直し指示を通知する。かかる通知により、ステップS110の処理が再度実施される。
(貯蔵位置登録処理:S114)
一方、ステップS112の搬入位置チェックにおいて比較した設計置場コードが一致したとき、搬入位置チェック部39は、コイルが搬入された実番地に搬入コイルのコイル番号を関連付けて、置場テーブル123に当該コイルの貯蔵位置を登録する(S114)。例えば、コイル番号A0のコイルが、設計置場コードX1の実番地に正しく搬入されたとき、図12に示すように、実番地(列01:段1)のコイル番号セルに、コイル番号A0が登録される。以上の処理により、コイル搬入時の置場の管理が行われる。
(搬出処理:S116〜S120)
置場に貯蔵されたコイルの搬出指示も、作業指示者によって行われる。コイル搬出時、搬送作業指示部114は、作業指示者から指定された搬出するコイルの出荷ロットが入力部116に入力されると、当該出荷ロットに基づいて、置場テーブル123から出荷ロットに対応する実番地を取得し、実番地を搬送装置30の通知部31を介して作業者へ通知する(S116)。作業者は、搬送装置30を操作し、通知部31から通知された実番地に貯蔵されているコイルを搬出する(S118)。
置場からコイルが搬出されると、更新処理部115は、搬出されたコイルに関する情報を置場テーブル123から削除する(S120)。ステップS120では、コイルが搬出された実番地のレコードから少なくともコイル番号を削除すればよい。なお、置場テーブル123からは、実番地以外の情報は削除されてもよい。ステップS120により、置場テーブル123が更新されると、図9に示した置場管理方法を終了する。
以上、本実施形態に係る置場管理システム1による置場管理方法を説明した。かかる置場管理方法によれば、置場からの搬出入作業指示において、コイル番号単位に実番地を指定する指示ではなく、作業ロット単位に設定される設計置場コードを指定する指示、または、設計置場コードに関連付けられた出荷ロット単位で搬出する指示を行う。これにより、軽重量のコイルを多数搬送するために誤出荷が発生やすく、誤出荷を防ぐためのチェックが煩雑であるという、線材または棒線のコイル特有の課題を解決することができる。
また、実際の置場の位置(実番地)に代えて、システム内のみに存在する設計置場コードを用いて、ロット単位でコイルを貯蔵する仮想区画を設定することができる。これにより、ロットのコイル個数の変動に応じた区画とすることが可能となり、置場の貯蔵能力を有効に活用することができる。さらに、1つの設計置場コードに同一の作業ロットのコイルのみを貯蔵することで、目視確認によって容易に作業ロットの搬出完了チェックを行うことも可能となる。
[検証1:置場のコイル貯蔵能力]
検証1では、図14に示す従来方法(比較例1)、図15に示す混在貯蔵方法(比較例2)、及び、図16に示す本発明の方法(実施例1)の、3種類の置場管理方法について、置場のコイル貯蔵能力の効果を検証した。検証1では、比較例1、2及び実施例1に共通して、図13及び以下の置場条件を設定した。
(共通条件(置場))
1段目のコイル列総数 :400
最大段数 :3段
作業ロット当たりの最大コイル数:300
作業ロット当たりの最小コイル数:1
1コイル列当たりのコイル貯蔵数:10
なお、作業ロット当りのコイル数は、1〜300コイル内でランダムに設定した。また、作業ロット数は、すべてのコイル置場に保管するのに十分な数があるとする。
比較例1の従来方法では、 図14に示すように、一段目を5列、二段目を4列、三段目を3列で俵積みすることが可能な区画を、80区画置場に設定した。1つの置場の区画には、同一の作業ロットのコイル10のみを保管した。すなわち、図14に示すように、1置場には作業ロットLOT1のコイル10が貯蔵され、2置場には作業ロットLOT2のコイル10が貯蔵されるようにした。
比較例2の混在貯蔵方法は、特許文献2の方法に基づくものであり、図14に示した従来技術のように置場を区画せず、図15に示すように、上下方向に異なる作業ロットを存在させ、俵積みした。ただし、同一列には特定の作業ロットのコイル10のみを保管するものとした。すなわち、同一列には異なる作業ロットのコイルは貯蔵しないようにした。
混在貯蔵方法では、段下部にある作業ロットのコイルを搬出する際に、段上部にある作業ロットのコイルを一度別の場所に移動させる必要がある。例えば、作業ロットLOT3のコイルを搬出するには、その前に作業ロットLOT4の3段目のコイルを別の場所に移動させる仕分け作業が必要である。このように一時的にコイルを別の場所に移動させる場所として、一般に、貯蔵コイル数の2割程度の場所を空けておく必要がある。そこで、本検証1では貯蔵コイル数の2割の場所を空けておく前提とした。
実施例1の本発明の方法では、設計置場コードを使用して、コイルを貯蔵する仮想区画を設定した。1つの置場には、同一の作業ロットのコイル10のみを保管した。例えば、図16に示すように、作業ロットLOT1、LOT2、LOT3、・・・のコイル数に応じて、仮想区画として1置場、2置場、3置場、・・・を設定し、コイルを貯蔵した。表1に、検証1の結果を示す。
Figure 0006958450
貯蔵可能ロット数及び貯蔵可能コイル数に関し、本発明の方法である実施例1は、比較例1の従来方法に比べて3割弱向上し、比較例2の混在貯蔵方法とは同程度の結果であった。ただし、本発明の方法では、設計置場コードを用いることで、比較例2の混在貯蔵方法に比べて誤出荷原因が抑制されている。したがって、置場面積を一定とした前提の場合、本発明の方法を用いることで、混在貯蔵方法と同等の置場貯蔵能力でありながら、誤出荷原因を抑制した置場管理が可能となるといえる。
[検証2:安全在庫コイル数の比較]
製造ラインの製造能力のバラつきを考慮して、製造能力が予定より少なかった場合の保険として一定量のコイル(安全在庫コイル数)を在庫する必要がある。1回の出荷当たりの搬出すべきコイル数(船またはトラックに積載するコイル数)を一定とした場合、必要な置場の貯蔵能力は、1回当たりの出荷すべきコイル数と安全在庫コイル数で和で決定される。したがって、安全在庫コイル数が小さいほど、必要な貯蔵能力を小さくすることができる。検証2では、上記検証1にて検証した比較例1の従来方法、比較例2の混在貯蔵方法、及び、実施例1の本発明の方法について、安全在庫コイル数を比較した。
検証2では、以下の条件を設定した。
(1)製造ラインの1日の製造能力には、一般的に±10%のばらつきがあるとする。1日の平均製造能力は搬入能力と同じとする。
(2)搬入作業と搬出作業はそれぞれ独立して行われる。
(3)搬入コイル数及び搬出コイル数と、搬入完了日と、搬出完了日とは、比較例1(従来方法)、比較例2(混在貯蔵方法)、実施例1(本発明)で同一である。
安全在庫コイル数を算出するため、まず、比較例1、2及び実施例1の搬送能力を算出した。比較例2の混在貯蔵方法は、搬出するロットのコイルを搬出するための作業時間に、別のロットを置場内の別の位置に移動させる仕分け作業の時間が含まれる。このため、比較例2の混在貯蔵方法は、比較例1の従来方法及び実施例1の本発明の方法に比べて、搬出作業が長時間必要となる。そこで、本検証2では、本願発明者らの知見より、比較例1の従来方法及び実施例1の本発明の方法による搬出時間を6(比率)としたとき、比較例2の混在貯蔵方法は8(比率)の時間が必要とした。
そして、比較例1、2及び実施例1の搬入能力を8コイル/日の比率、比較例1の従来方法及び実施例1の本発明の方法の搬出能力を8コイル/日、比較例2の混在貯蔵方法の搬出能力を6コイル/日とし、1回目は48コイルの搬出完了日を8日後、2回目は48コイルの搬出完了日を22日後として、シミュレーションを行った。その結果を図17に示す。
図17に示すように、比較例2の混在貯蔵方法では、搬出期間が8日間、搬入期間が6日間のサイクルとなり、比較例1の従来方法及び実施例1の本発明の方法では、搬出期間が6日間、搬入期間が6日、遊休期間が2日間のサイクルとなった。これより、混在貯蔵方法では搬入作業の終了後、すぐに搬出作業を開始する必要があることが判明した。ここで、製造ラインに±10%のばらつきがあるとしたとき、比較例2の混在貯蔵方法では搬入コイル数の1割(5コイル)の安全在庫が必要になる。一方で、比較例1の従来方法と実施例1の本発明の方法では、製造実力が−10%であっても搬出作業開始日(16日目)前の15日目で搬入作業が完了するため、安全在庫は必要ない。
以上の検証より、本発明の方法によれば、従来方法に比べてコイルの貯蔵個数の3割弱の増加が可能となる。混在貯蔵方法も、従来方法に比べてコイル貯蔵個数の増加が可能となるが、混在貯蔵方法はコイル搬出に時間がかかるため、コイル置場から搬出するコイルの単位時間当たりの個数が低下する。あるいはコイル1個当たりの搬出時間が長くなる。このことから、安全在庫コイル数が増加し、実際に使用できる置場は、本発明の方法では3割程度の増加、混在貯蔵方法は2割の増加の結果となった。また、混在貯蔵方法によれば、誤出荷を訂正するための置場作業の停止措置が1年間に数回程度発生する場合があるが、本発明の方法では概ね発生を防止できる。
したがって、本発明の方法は、従来方法に比べて、コイルの搬出能力を低下させることなく、貯蔵個数を増加させることが可能であり、コイルの生産出荷に適合した置場運用を可能とすることができるといえる。また、本発明の方法は、混在貯蔵方法に比べて、貯蔵能力が低下するものの、搬送能力の高位維持が可能であり、この点でもコイルの生産出荷に適合したものといえる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 置場管理システム
5 支持部材
10 コイル
10a コイル穴
20 RFIDタグ
30 搬送装置
31 通知部
32 フォーク部
33 実番地取得部
34 RFIDリーダー
35 位置センサ
37 実番地算出部
39 搬入位置チェック部
100 置場管理装置
110 情報処理部
111 出荷ロット決定部
112 作業ロット決定部
113 設計置場コード設定部
114 搬送作業指示部
115 更新処理部
116 入力部
120 データ格納部
121 出荷テーブル
123 置場テーブル

Claims (6)

  1. 線材または棒鋼のコイルが貯蔵される置場の置場管理システムによる置場管理方法であって、
    前記置場は、前記コイルを、奥行方向にコイル穴の貫通方向を揃えて列状に配置可能であるとともに、コイル半径方向に隣接させて水平方向及び垂直方向に複数配置可能であり、前記置場での水平位置を表す列と垂直位置を表す段とにより表される前記置場の実位置を実番地として、
    前記コイルには、少なくとも出荷日及び出荷先が同一の複数の前記コイルを同一の出荷ロットとして出荷ロット番号が付与されているとともに、前記同一の出荷ロット内で製造タイミングが同一である複数の前記コイルを同一の作業ロットとして作業ロット番号が付与されており、
    前記置場へ搬入される前記コイルである搬入コイルについて、前記搬入コイルを搬入する前記置場の搬入位置を算出し、前記搬入コイルの前記搬入位置を表す設計置場コードを設定する設計置場コード設定ステップと、
    前記実番地に対し、前記搬入コイルの前記設計置場コード、前記出荷ロット、及び、前記作業ロットを関連付けて、置場テーブルに登録する搬入コイル登録ステップと、
    作業指示者により指定された前記搬入コイルの前記設計置場コードに基づいて、前記置場テーブルから前記設計置場コードに対応する前記実番地及び当該設計置場コードが付与されたコイルのコイル番号を取得し、前記実番地を作業者へ通知する搬入指示ステップと、
    を含み、
    前記設計置場コード設定ステップでは、
    同一の前記作業ロットの前記搬入コイルについて、
    前記搬入コイルの前記作業ロットのコイル個数nと、一の前記実番地に貯蔵可能なコイル数Cとに基づいて、一の前記作業ロットの前記搬入コイルを貯蔵するために必要な貯蔵列数Cpを算出し、
    前記置場の段数Nと前記貯蔵列数Cpとに基づいて、前記貯蔵列数Cpを貯蔵するのに必要な一段目の列数Pを算出し、
    前記置場において前記コイルが配置されていない区画のうち、一段目の列数が少なくとも前記貯蔵列数Cpを貯蔵するのに必要な一段目の列数P以上ある区画を、前記搬入コイルの搬入区画として決定し、前記置場テーブルにおいて前記搬入区画に対応する前記実番地に、前記搬入コイルのコイル番号及び一の前記設計置場コードを設定する、
    置場管理方法。
  2. 前記設計置場コード設定ステップにより設定された各前記設計置場コードについて、前記設計置場コードが付与された前記区画に対して貯蔵可能なコイル数の最大値が、前記搬入コイルの数以上であるか否かを判定する、設計置場コード判定ステップをさらに含む、請求項1に記載の置場管理方法。
  3. 前記置場には、前記実番地を特定可能な実番地コードが記録されたRFIDタグが設置されており、
    前記置場に対して前記コイルの搬送及び搬出を行う搬送装置には、前記RFIDタグに記録された前記実番地コードを読み取るRFIDリーダーが設けられており、
    前記搬入指示ステップを受けて、前記作業者が前記搬送装置により前記搬入コイルを前記置場へ搬送したとき、前記搬送装置の前記RFIDリーダーにより、前記搬入コイルの搬入位置に対応する前記RFIDに記録された前記実番地コードを読み取る実番地コード読み取りステップと、
    前記置場テーブルにおいて、前記実番地コードから特定された前記実番地に対応する前記設計置場コードと、前記搬入指示ステップにて前記作業指示者により指定された前記設計置場コードとを比較し、比較した前記設計置場コードが異なるときには前記作業者に対して前記搬入コイルの搬入作業のやり直し指示を通知する、搬入位置チェックステップと、
    をさらに含む、請求項1または2に記載の置場管理方法。
  4. 前記搬入位置チェックステップにおいて比較した前記設計置場コードが一致したとき、前記コイルが搬入された前記実番地に前記搬入コイルのコイル番号を関連付けて、前記置場テーブルに前記コイルの貯蔵位置を登録するコイル貯蔵位置登録ステップをさらに含む、請求項3に記載の置場管理方法。
  5. 前記置場から搬出する前記コイルを搬出する際、前記作業指示者により指定された前記出荷ロットに基づいて、前記置場テーブルから前記出荷ロットに対応する前記実番地を少なくとも取得し、前記実番地を作業者へ通知する搬出指示ステップをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の置場管理方法。
  6. 前記搬出指示ステップにより前記コイルが搬出された後、前記置場テーブルから、少なくとも前記コイルが搬出された前記置場の前記実番地に関連付けられた前記コイル番号を削除する、請求項5に記載の置場管理方法。
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