JP6958268B2 - モーター制御装置 - Google Patents
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Description
なお、特許文献1に記載のモーター制御装置においては、還流ダイオードとして電界効果トランジスタ(FET)のボディダイオードを用いている。
例えばFETのゲート電圧が、モーター駆動用のバッテリー電圧よりも高くなると、モーターへの電力供給を阻害し、モーターが正常に動作しなくなることがある。また、FETのゲート端子に耐圧以上の電圧が印加されると、FETがショート破壊してしまう可能性もある。
そこで、モーターの還流回路の不具合を早期に発見することが課題となっている。
上記のモーター制御装置によれば、モーターの還流回路から測定される電圧により還流回路の異常を検出し、ユーザに対して異常の発生を報知できる。これにより、モーターの還流回路の異常をユーザに対して早期に知らせることができる。
また、こうすることで、電界効果トランジスタのゲート電圧が閾値を超える場合に、モーター制御装置は、還流回路における還流が適切に行われていないと判定し、その旨をユーザに知らせることができる。これにより、電界効果トランジスタに関する不具合がある場合に、その旨をユーザに早期に知らせることができる。
モーターの還流回路を構成する素子に高い電圧が印加されている場合には、還流が適切に行われていない可能性がある。そのため、還流回路の素子に高い電圧が印加されている場合に、モーター制御装置は、還流回路に異常があると判定し、その旨をユーザに知らせることができる。
電界効果トランジスタに電源の電圧以上の電圧が印加されていると、モーターの動作に不具合が生じる可能性がある。また、電界効果トランジスタに耐圧より大きい電圧が印加されていると電界効果トランジスタがショート破壊してしまう可能性がある。
そのため、上記構成によれば、モーターの動作に不具合が生じる可能性があり、且つ電界効果トランジスタのドレイン−ゲート間がショート破壊される前に還流回路の異常をユーザに知らせることができる。これにより、還流回路を構成する電界効果トランジスタの故障を未然に防止できる。
こうすることで、ユーザはモーターの動作に基づいて、還流回路に異常が発生したか否かを判断できる。これにより、ユーザにとっては、還流回路の状態を容易に判断しやすくなる。
こうすることで、還流回路に異常が発生した場合に、モーターの動作によって、還流回路の異常を認識しやすくなる。また、還流回路に異常が発生した場合における負荷を低減させることができる。これにより、モーター制御装置における故障の進行を抑制できる。
こうすることで、ユーザが還流回路に異常が発生したことをより認識しやすくなる。
こうすることで、車両の開閉部材の開閉を切り替えるためのモーターに関する還流回路の異常をユーザに対して早期に知らせることができる。これにより、車両の開閉部材の開閉を行う装置に重大な不具合が発生する前に、早期の修理、交換による対応が可能となる。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
以下に本発明の一実施形態に係るモーター制御装置10を備えるパワーウインドウ装置1について説明する。
図1に示されるように、パワーウインドウ装置1は、車両のドア3に配設される移動部材としてのウインドウガラス4をモーター5の回転駆動により昇降(開閉)作動させるものである。パワーウインドウ装置1は、ウインドウガラス4を開閉駆動する昇降機構2と、昇降機構2の作動を制御するためのモーター制御装置10と、乗員が作動を指令するための操作スイッチ24を備える。
本例の昇降機構2は、ドア3に固定された減速機構を有するモーター5と、モーター5に駆動される扇形状のギヤ6aを備えた昇降アーム6と、昇降アーム6とクロスして枢支される従動アーム7と、ドア3に固定された固定チャンネル8及びウインドウガラス4と一体のガラス側チャンネル9とを主要な構成要素とする。
次に、図2に基づいてモーター5を制御するモーター制御装置10のハードウェア構成について説明する。なお、図2に示す例においては、モーター5はブラシ付きモーターとするが、モーター制御装置10はブラシ付きモーターを制御する回路であってもよい。
リレー回路22は、電源21及びモーター5を接続する回路であり、第1スイッチ22Aと第2スイッチ22Bのオンとオフの切り替えに応じて、電源21とモーター5の導通を制御するとともに、モーター5の正回転と逆回転とを制御する。
上述したように、上昇スイッチをオンにしている間に、制御部40は、ウインドウガラス4が上昇するようにモーター5を動作させる。
そして、下降スイッチをオンにしている間に、制御部40は、ウインドウガラス4が下降するようにモーター5を動作させる。
このように、PWM用FET26のオンとオフを駆動信号に応じて切り替えることでモーター5の出力が制御可能である。
換言すれば、還流回路30は、PWM用FET26により電源21からモーター5への電流の供給が遮断されている間に、モーター5から流れる電流を還流させるために設けられる回路である。
図3に示されるように、電流Iは、電源21、第1スイッチ22A、モーター5、第2スイッチ22B、PWM用FET26を通じたループに流れる。
図4に示されるように、電流Iは、モーター5、第2スイッチ22B、還流用FET31、第1スイッチ22Aを通じたループに流れる。
なお、ソース端子31Sとドレイン端子31Dとが還流回路30に正常に接している場合には、モーター5の還流電流はボディダイオード31Bを通じて流れることとなる。
図5及び図6に示されるように、ソース端子31Sに接点不良があり、この場合にはソース端子31Sからドレイン端子31Dに電流を流すことができない。
ただし、図6に示されるように、PWM用FET26がオフである場合には、モーター5から還流回路30に電流が流れ込むが、ソース端子31Sが接点不良のため、ボディダイオード31Bを通じてドレイン端子31Dに電流を流すことができない。そのため、図7に示すように、ゲート端子31Gに印加される電圧が上昇していくこととなる。
この場合、ゲート端子31Gのゲート電圧が電源21の電圧を超えると、PWM用FET26がオンに切り替わった場合に、電源21からモーター5に向けて電流が流れず、モーター5が駆動できない可能性が生じる。
さらに、ゲート端子31Gのゲート電圧が還流用FET31の耐圧を超えると、ゲート端子31Gとドレイン端子31Dの間でショート破壊が生じ、PWM用FET26がオンに切り替わった場合に、電源21から還流用FET31に大電流が流れ、還流用FET31が発熱する可能性が生じる。
例えば、上記の閾値V1は任意に設定可能であるが、一例としては、上記の閾値V1を電源21の電圧(バッテリーの電圧)以上であり、還流用FET31の耐圧以下の値とする。もちろん、閾値V1は、電源21の電圧より小さい値に設定しても構わない。
もちろん、上記の異常報知処理は、上記の寸動動作に限定されるものではなく、異常報知音を出力したり、モーター5の駆動を他の態様で制限したりすることで実現してもよい。
次に、以上の処理を実現するためにモーター制御装置10に備えられる機能について説明する。
図8には、モーター制御装置10の機能ブロック図を示した。図8に示されるように、モーター制御装置10は、機能として、電圧測定部11及び異常報知処理部12を備える。
モーター制御装置10に備えられる上記の各部の機能は、プロセッサ41が、メモリ42に記憶されるプログラム及びデータに基づいて制御部40の各部を制御することにより実現されるものである。もちろん、モーター制御装置10は、図8に示す機能以外の機能を有していても構わない。
以下、モーター制御装置10に備えられる上記の各部の機能の詳細について説明する。
電圧測定部11は、還流回路30を構成する素子の電圧を測定する。
電圧測定部11は、主にモーター制御装置10の制御部40及び電圧モニタ回路28により実現される。
より具体的には、モーター制御装置10の電圧モニタ回路28が、還流回路30のゲート端子31Gの電圧を監視し、監視した電圧を制御部40のA/D変換回路43に出力する。
制御部40のA/D変換回路43は、電圧モニタ回路28から入力された電圧のアナログ信号を、デジタルデータに変換してゲート電圧の電圧値を得る。
異常報知処理部12は、還流回路30の異常を報知するための異常報知処理を実行する。なお、異常報知処理部12は、電圧測定部11により測定される電圧に基づいて、異常報知処理を実行するか否かを決定する。
異常報知処理部12は、主にモーター制御装置10の制御部40、リレー回路22により実現される。
上記の閾値は、任意に設定することが可能であるが、例えば閾値は、電源21の電圧以上の値であり、且つ還流用FET31のゲート耐圧以下の値とする。
こうすることで、モーター5の動作に影響が生じており、かつ還流用FET31がショート破壊される前に、還流回路30の異常をユーザに報知できる。
例えば、第2動作モードによるモーターの回転速度は、第1動作モードによるモーターの回転速度よりも遅い。
具体的には、第1動作モードは、連続して動作する連続動作モードであり、第2動作モードは、動作と停止を繰り返してモーターを寸動動作させる動作モードである。
具体的には、制御部40のプロセッサ41は、A/D変換回路43により得られたゲート電圧の電圧値が、メモリ42に記憶される閾値V1を超える場合に、モーター5の動作モードを寸動モードに設定する。
寸動モードでは、例えば、プロセッサ41は所定時間おきにリレー回路22のオンとオフを切り替えることで電源21からモーター5への通電を間欠的に制御する。こうすることで、寸動モードではモーター5は駆動と停止とを繰り返すように動作する。
また、寸動モードによるモーター5の動作制御は、制御部40がPWM駆動回路27への駆動信号を制御することにより行ってもよい。
次に、図9を参照しながら、モーター制御装置10により実行されるモーター5の制御処理について説明する。図9に示すフローは、操作スイッチ24の上昇スイッチ(又は下降スイッチ)がオンされた場合に開始する処理である。
こうすることで、ユーザは、パワーウインドウ装置1やモーター制御装置10の修理、交換による対応を早期に実施することが可能となる。
本発明は上記の実施形態に限られるものではない。
例えば、上記の実施形態ではモーター5にブラシ付きモーターを用いたが、本発明はブラシレスモーターを用いた回路に対しても同様に適用可能である。
本実施形態に係るモーター制御装置10は、モーター5を制御する。モーター制御装置10は、電源21からモーター5に供給する電流量を調整するためのPWM用FET26(スイッチング素子の一例)と、PWM用FET26により電源21からモーター5への電流の供給が遮断されている間に、モーター5から流れる電流を還流させるために設けられた還流回路30と、還流回路30を構成する素子の電圧を測定する電圧測定部11と、還流回路30の異常を報知するための異常報知処理を実行する異常報知処理部12と、を有する。異常報知処理部12は、電圧測定部11により測定される電圧に基づいて、異常報知処理を実行するか否かを決定する。
モーター制御装置10によれば、モーター5の還流回路30から測定される電圧により還流回路30の異常を検出し、ユーザに対して異常の発生を報知できる。これにより、モーター5の還流回路30の異常をユーザに対して早期に知らせることができる。
モーター5の還流回路30を構成する素子に高い電圧が印加されている場合には、還流が適切に行われていない可能性がある。そのため、還流回路30の素子に高い電圧が印加されている場合に、モーター制御装置10は、還流回路30に異常があると判定し、その旨をユーザに知らせることができる。
こうすることで、還流用FET31のゲート電圧が閾値を超える場合に、モーター制御装置10は、還流回路30における還流が適切に行われていないと判定し、その旨をユーザに知らせることができる。これにより、還流用FET31に関する不具合がある場合に、その旨をユーザに早期に知らせることができる。
還流用FET31に電源21の電圧以上の電圧が印加されていると、モーター5の動作に不具合が生じる可能性がある。また、還流用FET31に耐圧より大きい電圧が印加されていると還流用FET31がショート破壊してしまう可能性がある。
そのため、上記構成によれば、モーター5の動作に不具合が生じる可能性があり、且つ還流用FET31のドレイン−ゲート間がショート破壊される前に還流回路30の異常をユーザに知らせることができる。これにより、還流回路30を構成する還流用FET31の故障を未然に防止できる。
こうすることで、ユーザはモーター5の動作に基づいて、還流回路30に異常が発生したか否かを判断できる。これにより、ユーザにとっては、還流回路30の状態を容易に判断しやすくなる。
こうすることで、還流回路30に異常が発生した場合に、モーター5の動作によって、還流回路30の異常を認識しやすくなる。また、還流回路30に異常が発生した場合における負荷を低減させることができる。これにより、モーター制御装置における故障の進行を抑制できる。
こうすることで、ユーザが還流回路30に異常が発生したことをより認識しやすくなる。
こうすることで、車両の開閉部材の開閉を切り替えるためのモーター5に関する還流回路30の異常をユーザに対して早期に知らせることができる。これにより、車両の開閉部材の開閉を行う装置(パワーウインドウ装置1)に重大な不具合が発生する前に、早期の修理、交換による対応が可能となる。
2 昇降機構
3 ドア
4 ウインドウガラス(開閉部材)
5 モーター
6 昇降アーム
6a ギヤ
7 従動アーム
8 固定チャンネル
9 ガラス側チャンネル
10 モーター制御装置
11 電圧測定部
12 異常報知処理部
21 電源
22 リレー回路
22A 第1スイッチ
22B 第2スイッチ
24 操作スイッチ
25 スイッチインターフェース回路
26 PWM用FET
27 PWM駆動回路
28 電圧モニタ回路
30 還流回路
31 還流用FET
31B ボディダイオード
31D ドレイン端子
31G ゲート端子
31S ソース端子
40 制御部
41 プロセッサ
42 メモリ
43 A/D変換回路
I 電流
Claims (7)
- モーターを制御するモーター制御装置であって、
電源から前記モーターに供給する電流量を調整するためのスイッチング素子と、
前記スイッチング素子により前記電源から前記モーターへの電流の供給が遮断されている間に、前記モーターから流れる電流を還流させるために設けられた還流回路と、
前記還流回路を構成する素子の電圧を測定する電圧測定部と、
前記還流回路の異常を報知するための異常報知処理を実行する異常報知処理部と、を有し、
前記異常報知処理部は、前記電圧測定部により測定される電圧に基づいて、前記異常報知処理を実行するか否かを決定し、
前記還流回路は、電界効果トランジスタを有し、
前記電界効果トランジスタのボディダイオードが、前記還流回路の還流ダイオードとなり、
前記電圧測定部は、前記電界効果トランジスタのゲート電圧を測定することを特徴とするモーター制御装置。 - 前記異常報知処理部は、前記電圧測定部により測定される電圧が閾値を超えた場合に、前記異常報知処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のモーター制御装置。
- 前記閾値は、前記電源の電圧以上の値であり、且つ前記電界効果トランジスタの耐圧以下の値であることを特徴とする請求項2に記載のモーター制御装置。
- 前記モーターは、通常時の動作モードである第1動作モードと、異常時の動作モードである第2動作モードで動作可能であり、
前記異常報知処理部は、前記異常報知処理として、前記第2動作モードで前記モーターを動作させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモーター制御装置。 - 前記第2動作モードによる前記モーターの回転速度は、前記第1動作モードによる前記モーターの回転速度よりも遅いことを特徴とする請求項4に記載のモーター制御装置。
- 前記第2動作モードは、動作と停止を繰り返して前記モーターを寸動動作させる動作モードであることを特徴とする請求項5に記載のモーター制御装置。
- 前記モーターは、車両に備えられる開閉部材の開閉を切り替えるために駆動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のモーター制御装置。
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