JP6958131B2 - 光学モジュール、電子機器、及び光学モジュールの制御方法 - Google Patents

光学モジュール、電子機器、及び光学モジュールの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学モジュール、電子機器、及び光学モジュールの制御方法に関する。
従来、一対のミラーを有し、当該ミラーの間隔(ミラーギャップ)を変更することで透過光の波長を変化させる波長可変型の干渉フィルターを備えた光学モジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光学モジュールは、干渉フィルターがベース部に固定部材により固定されている。干渉フィルターは、第一ミラーを備える第一基板と、第二ミラーを備える第二基板とを備え、第二基板は、第二ミラーを第一基板側に変位させる可動部が設けられている。そして、干渉フィルターの固定部材による固定位置を固定端とした1次共振周波数が、可動部の1次共振周波数の半値以下に維持されている。このような光学モジュールでは、干渉フィルターを駆動させた際の、可動部の振動に伴う共振を抑制できる。
特開2016−125820号公報
ところで、上記のような干渉フィルターを備えた光学モジュールは、様々な用途に適用することができ、その使用環境も変化することがある。例えば、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル機器に搭載される場合、ヘッドマウントディスプレイの姿勢によって、干渉フィルターが傾き、干渉フィルターへの入射光の入射角度が変動する場合がある。また、使用環境によっては、分光測定時の温度が変化することもある。
特許文献1では、干渉フィルター自身の振動による傾斜等を抑制可能であるが、上記のような使用環境の変動による、干渉フィルターの分光特性の変化や、干渉フィルターを駆動させるための駆動特性の変化まで考慮していない。よって、使用環境の変化により、干渉フィルターから所望波長の光を分光させることが困難な場合があり、分光性能が低下するとの課題がある。
本発明は、使用環境によらず、高い分光性能を実現可能な光学モジュール、電子機器、及び光学モジュールの制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一適用例に係る光学モジュールは、互いに対向する一対のミラー、及び電圧印加により前記一対のミラーの間の寸法を所定の可変範囲内で変更するギャップ変更部を備えた干渉フィルターと、前記干渉フィルターの光軸上に設けられ、前記可変範囲内に対応する波長域において、透過率が局所的極値となる特定波長を有するバンドパスフィルターと、前記干渉フィルター及び前記バンドパスフィルターを透過した光を受光する受光部と、前記干渉フィルターを透過する光の中心波長に対する前記ギャップ変更部への電圧指令値を記録した駆動テーブルが記憶されたメモリーと、前記駆動テーブルに基づいて、前記干渉フィルターの駆動を制御する駆動制御部と、を備え、前記駆動制御部は、前記駆動テーブルに基づいて前記特定波長に対応する前記電圧指令値を前記ギャップ変更部に出力した際の、前記受光部における受光量に基づいて、前記駆動テーブルを補正することを特徴とする。
ここで、局所的極値とは、透過率が所定波長範囲内で最大値となる極大値(ピーク値)、又は、透過率が所定波長範囲内で最小値となる極小値(ボトム値)を意味する。
本適用例では、駆動制御部は、駆動テーブルに基づいて、特定波長に対応する指令値をギャップ変更部に出力して、干渉フィルターのミラー間の寸法(ミラーギャップ寸法)を特定波長に対応した寸法に変更させ、その際に受光部で受光される光の光量を測定する。
ここで、バンドパスフィルターにおいて、特定波長に対する透過率が例えば局所的極大値(ピーク値)である場合、干渉フィルター及びバンドパスフィルターの双方で、特定波長の光が透過されるので、その光量が所定の最大値となる。この場合、駆動制御部は、駆動テーブルの補正を行う必要がない。
一方、光学モジュールの使用環境等によって、干渉フィルターの特性が変化している場合、干渉フィルターから特定波長とは異なる波長の光が透過されるので、受光部で受光される光の光量は、最大値に対して低下する。この場合、駆動制御部は、受光部で受光された光の光量に基づいて、駆動テーブルを補正する。例えば、前記最大値と検出された光量との差又は比に応じて、各波長に対する電圧指令値を増減させる。
これにより、本適用例では、光学モジュールの使用環境が変動した場合でも、干渉フィルターを駆動するための駆動テーブルが、当該使用環境に応じた内容に補正されることになる。よって、使用環境の変化による分光性能の低下を抑制でき、所望の波長の光を干渉フィルターから透過させることが可能となる。
本適用例の光学モジュールにおいて、前記バンドパスフィルターは、前記透過率が第一閾値以上となる第一透過帯域を有し、前記特定波長は、前記第一透過帯域内の波長であることが好ましい。
本適用例では、バンドパスフィルターは、透過率が第一閾値以上となる第一透過帯域を有する。このようなバンドパスフィルターを用いた光学モジュールでは、第一透過帯域、又は第一透過帯域内の所定範囲を測定対象の波長域と設定することで、測定対象の波長域の分光測定を行うことができる。
そして、本適用例では、この第一透過帯域内に特定波長が含まれている。この場合、例えば、第一透過帯域を光学モジュールにより分光測定を行う測定波長域として、第一透過帯域と、ミラーギャップの可変範囲に対する波長域とを一致させることができる。すなわち、第一透過帯域外に特定波長が有る場合、第一透過帯域を測定波長域とした際に、ミラーギャップの可変範囲は、測定波長域に対する寸法よりも広げる必要がある。ここで、特定波長が第一透過帯域より長波長側にある場合、干渉フィルターのミラーギャップを予め大きく形成する必要がある。また、特定波長が第一透過帯域より短波長側にある場合、ミラーギャップを非常に小さい寸法に高精度に制御するためのギャップ変更部を用いる必要があり、製造コストも高くなる。これに対して、本適用例では、第一透過帯域内に特定波長が有るため、干渉フィルターの大型化を抑制でき、製造コストも低くできる。
本適用例の光学モジュールにおいて、前記バンドパスフィルターは、前記透過率が第一閾値以上となる第一透過帯域を有し、前記特定波長は、前記第一透過帯域外の波長であってもよい。
本適用例では、第一透過帯域外に特定波長が含まれている。
第一透過帯域は、分光測定時等において干渉フィルターから出力された光を受光部に透過させる必要があるので、第一閾値以上の透過率を有する必要がある。ここで、バンドパスフィルターの第一透過帯域内に特定波長があり、かつ当該特定波長における透過率がピーク値となる場合、その特定波長の前後の波長での透過率も第一閾値以上となって比較的高くなる。したがって、干渉フィルターの透過中心波長が特定波長よりずれたとしても、比較的大きい受光量が検出されることになり、受光量の変化が小さくなる。
これに対して、本適用例では、第一透過帯域外に特定波長があるので、バンドパスフィルターにおいて特定波長の前後の波長の透過率を、著しく下げることができる。この場合、干渉フィルターの透過中心波長が特定波長よりずれた際に、受光量の変化が顕著となり、使用環境による干渉フィルターの特性変動を精度良く判定することができ、駆動テーブルを精度良く補正することができる。
本適用例の光学モジュールにおいて、前記特定波長は複数設けられ、前記駆動制御部は、前記駆動テーブルに基づいて複数の前記特定波長のそれぞれに対応する前記電圧指令値を前記ギャップ変更部に出力した際の、前記受光部における前記受光量に基づいて、前記駆動テーブルを補正することが好ましい。
本適用例は、駆動テーブルに基づいて、干渉フィルターのミラーギャップ寸法を複数の特定波長のそれぞれに対応した寸法に順次切り替え、各々において受光部で光量を検出する。これにより、干渉フィルターの使用環境による特性変化をより精度良く検出することができる。特に、各受光量の比を算出することで、光源の光量変動による影響を抑制することができ、精度の高い駆動テーブルの補正を行うことができる。
本適用例の光学モジュールにおいて、前記駆動制御部は、前記駆動テーブルに基づいて前記特定波長に対応する前記電圧指令値を前記ギャップ変更部に出力した際の前記受光量に基づいて、前記干渉フィルターの傾斜角を算出し、前記傾斜角に応じて前記駆動テーブルを補正することが好ましい。
一般に、干渉フィルターを透過する光の中心波長は、入射光が一対のミラーに対して法線方向から入射した際に最大となり、ミラーの法線方向に対する角度が大きくなるに従って透過光の中心波長がシフトする。
したがって、駆動制御部は、入射光がミラーの法線方向から入射した場合の受光量(すなわち、干渉フィルターを透過する光の中心波長が特定波長と一致する場合の光量)を理想受光量とし、前記特定波長に対応する前記指令値を前記ギャップ変更部に出力した際に検出される受光量との比を算出することで、干渉フィルターの傾斜角を求めることができる。そして、本適用例では、駆動制御部は、この傾斜角に応じて駆動テーブルを補正することで、干渉フィルターが傾斜した場合でも、ミラーギャップ寸法を目標波長に対応する寸法とすることができる。
本適用例の光学モジュールにおいて、前記駆動制御部は、前記駆動テーブルに基づいて前記特定波長に対応する前記電圧指令値を前記ギャップ変更部に出力した際の前記受光量に基づいて、前記干渉フィルターの温度を算出し、前記温度に応じて前記駆動テーブルを補正することが好ましい。
干渉フィルターは、温度変化による膨張や伸縮によって特性が変動し、透過波長がシフトすることがある。この場合、基準温度からの温度変化量と、特定波長に対する受光量の変化量との関係を予め測定することで、特定波長に対応する電圧指令値をギャップ変更部に出力した際に検出される受光量から温度変化量を求めることができる。また、温度変化量に対する各波長の波長シフト量を予め測定しておけば、温度変化に対応した駆動テーブルに補正することができる。
本適用例の光学モジュールにおいて、前記干渉フィルターは、前記一対のミラーの間の静電容量を検出する容量検出部を有し、前記駆動テーブルは、測定対象波長と当該測定対象波長に対する駆動電圧を記録し、前記メモリーは、前記測定対象波長に対する前記一対のミラーの間の前記静電容量を記録したフィードバック用データを更に記憶し、前記駆動制御部は、補正された前記駆動テーブルに基づいて前記一対のミラーの間の寸法を前記特定波長に対応する寸法に変化させた際に、前記容量検出部により検出される前記静電容量に基づいて、寄生容量の変化量を算出し、前記寄生容量の変化量に基づいて、前記フィードバック用データを補正することが好ましい。
本適用例では、干渉フィルターに容量検出部が設けられ、容量検出部により検出される静電容量に基づいて、ギャップ変更部における駆動をフィードバック制御する。このようなフィードバック制御では、検出される静電容量と、ミラーギャップ寸法(又は干渉フィルターを透過する光の波長)との関連を示すテーブルデータを用いて、静電容量が目標値となるように、ギャップ制御部に出力する電圧指令値(駆動電圧)を制御する。しかしながら、例えば電源電圧の変動等によって、回路部における寄生容量が変動することがあり、寄生容量が変動するとギャップ検出部で検出される静電容量も変動するので、誤差が生じる。これに対して、本適用例では、補正された駆動テーブルに基づいて、干渉フィルターから特定波長の光を透過させ、その際に、容量検出部により検出される静電容量に基づいて、寄生容量の変動値を算出し、フィードバック用データを補正する。これにより、当該寄生容量の変動を考慮した精度の高いフィードバック制御が可能となり、干渉フィルターの分光性能をさらに向上させることができる。
本発明の一適用例に係る電子機器は、上述したような光学モジュールと、前記光学モジュールを制御し、前記受光部で受光された測定結果に応じた処理を実施する処理部と、を備えることを特徴とする。
本適用例では、光学モジュールにおいて、使用環境が変動した場合でも高精度な分光測定を実施することができる。したがって、処理部における光学モジュールでの測定結果に基づいた各種処理(例えば、測定対象の測色処理や測色結果に基づいた補正処理等)においても精度の高い処理を実施することができる。
本発明の一適用例に係る光学モジュールの制御方法は、互いに対向する一対のミラー、及び前記一対のミラーの間の寸法を変更するギャップ変更部を備えた干渉フィルターと、前記干渉フィルターの光軸上に設けられ、透過率が局所的極値となる特定波長を有するバンドパスフィルターと、前記干渉フィルター及び前記バンドパスフィルターを透過した光を受光する受光部と、を備えた光学モジュールの制御方法であって、前記干渉フィルターを透過する光の波長に対する前記ギャップ変更部への指令値を示す駆動テーブルに基づいて、前記特定波長に対応する前記指令値を前記ギャップ変更部に出力し、前記受光部により受光される前記特定波長の光の光量に基づいて、前記駆動テーブルを補正することを特徴とする。
本適用例では、上述した適用例と同様に、光学モジュールの使用環境が変動した場合でも、干渉フィルターを駆動するための駆動テーブルが、当該使用環境に応じた内容に補正されることになる。よって、使用環境の変化による分光性能の低下を抑制でき、所望の波長の光を干渉フィルターから透過させることが可能となり、精度高い処理(例えば分光測定処理)を実施することができる。
第一実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)の概略構成を示す斜視図。 第一実施形態のHMDの概略構成を示すブロック図。 第一実施形態の分光器の概略構成を示す図。 図3における分光デバイスの拡大図。 第一実施形態のバンドパスフィルターの透過特性を示す図。 第一実施形態において、分光器の姿勢が変化した場合の波長可変干渉フィルターの位置の一例を示す図。 第一実施形態において、波長可変干渉フィルターのミラーギャップを一定に維持し、波長可変干渉フィルターの傾斜角θが変動した場合の分光特性を示す図。 第一実施形態において、ミラーギャップGを各波長に対応する寸法とした際の、波長可変干渉フィルターの傾斜による波長シフト量を示す図。 第一実施形態における校正部による校正処理を説明するための図。 第一実施形態におけるΛ−θデータの一例を示す図。 第一実施形態におけるθ−Gデータの一例を示す図。 第一実施形態におけるV−Gデータの一例を示す図。 第一実施形態におけるV−Cデータの一例を示す図。 ミラーギャップの寸法と、第一ミラー及び第二ミラーの間の静電容量との関係を示す図。 第一実施形態の分光器による分光測定方法を示すフローチャート。 第二実施形態におけるバンドパスフィルターの透過特性を示す図。 第二実施形態における校正部による校正処理を説明するための図。 第二実施形態におけるΛ−θデータの一例を示す図。 波長可変干渉フィルターの温度特性を示す図。 第四実施形態におけるバンドパスフィルターの透過特性を示す図。 第四実施形態における各ピーク波長と波長可変干渉フィルターの分光特性との関係を説明するための図。 変形例1に係るバンドパスフィルターの透過率を示す図。
[第一実施形態]
以下、第一実施形態として、本発明の電子機器の一例であるヘッドマウントディスプレイについて説明する。
[ヘッドマウントディスプレイの概略構成]
図1は、第一実施形態に係るヘッドマウントディスプレイを示す斜視図である。図2は、ヘッドマウントディスプレイの概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(以降、HMD1と略す)は、図1に示すように、ユーザーの頭部やヘルメット等の装着部位(詳しくは、前額部及び側頭部を含む頭部の上部分に応じた位置)に装着可能な頭部装着型表示装置である。このHMD1は、ユーザーによって視認可能に虚像を表示するとともに、外界光を透過させて外界の景色(外景)を観察可能とするシースルー型の頭部装着型表示装置である。
HMD1は、制御部10と、画像表示部20と、を備えている。画像表示部20は、ユーザーの頭部に装着された状態においてユーザーに虚像を視認させる。また、画像表示部20は、分光器30が搭載されており、当該分光器30は、ユーザーの視認方向から入射した光を、複数の波長の光に分光し、分光された各光の受光量を検出する。
そして、制御部10は、画像表示部20を制御し、例えば、分光器30により測定対象を測定した際の測定結果に基づいて各種分析処理を実施して、画像表示部20に分析結果を表示させたりする。すなわち、制御部10は、本発明の処理部に相当する。
以下、HMD1の各構成について説明する。
[制御部の構成]
制御部10は、図1に示すように、例えば、金属ケーブルや光ファイバーにより構成されたコード130により画像表示部20に接続されている。なお、ここでは、コード130による接続を例示するが、例えば無線LANやブルートゥース(登録商標)等を用いた無線接続としてもよい。
制御部10は、HMD1を制御するための装置であり、例えば、トラックパッド11Aや方向キー11B、電源スイッチ11C等を含む操作部11を有する。また、制御部10は、図2に示すように、記憶部110やCPU120等を備える。
なお、制御部10に、現在位置を測定する位置検出センサー等の各種センサーや、インターネットや外部機器と接続可能なインターフェイス部が設けられる構成等としてもよい。
記憶部110は、ROMやRAM等によって構成され、種々のコンピュータープログラムや各種データを格納している。
CPU120は、記憶部110に格納されているコンピュータープログラムを読み出して実行することにより、測定制御部121、分析処理部122、表示制御部123等として機能する。
測定制御部121は、画像表示部20に設けられた分光器30を制御し、例えば視線方向に配置された測定対象の分光測定処理を実施させる。
分析処理部122は、分光測定処理により得られた分光測定結果に基づき、測定対象の分析処理を行う。例えば、分光測定処理により得られた分光測定結果に基づいて、測定対象の成分分析を実施する。
表示制御部123は、右表示駆動部22および左表示駆動部24を制御する制御信号を生成して、画像情報を表示させる。
[画像表示部20の構成]
次に、画像表示部20について説明する。
画像表示部20は、ユーザーの頭部に装着される装着体であり、本実施形態では眼鏡形状を有している。画像表示部20は、右保持部21と、右表示駆動部22と、左保持部23と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26と、左光学像表示部28と、分光器30と、などを含んでいる。
なお、画像表示部20には、さらに、ユーザーの頭部の動きを検出する各種センサー(例えば加速度センサー等)や、ユーザーの瞳位置を検出する瞳検出センサー、視線方向の画像を撮像する撮像カメラ等が設けられていてもよい。
右光学像表示部26および左光学像表示部28は、それぞれ、ユーザーが画像表示部20を装着した際にユーザーの右および左の眼前に位置するように配置されている。右光学像表示部26の一端と左光学像表示部28の一端とは、ユーザーが画像表示部20を装着した際のユーザーの眉間に対応する位置で、互いに接続されている。
なお、以降において、右保持部21および左保持部23を総称して単に「保持部」とも呼び、右表示駆動部22および左表示駆動部24を総称して単に「表示駆動部」とも呼び、右光学像表示部26および左光学像表示部28を総称して単に「光学像表示部」とも呼ぶ。
右保持部21は、右光学像表示部26の他端である端部ERから、ユーザーが画像表示部20を装着した際のユーザーの側頭部に対応する位置にかけて、延伸して設けられた部材である。同様に、左保持部23は、左光学像表示部28の他端である端部ELから、ユーザーが画像表示部20を装着した際のユーザーの側頭部に対応する位置にかけて、延伸して設けられた部材である。右保持部21および左保持部23は、例えば眼鏡のテンプルのようにして、ユーザーの頭部に画像表示部20を保持する。
表示駆動部22,24とは、ユーザーが画像表示部20を装着した際のユーザーの頭部に対向する側に配置されている。表示駆動部22,24は、図2に示すように、表示制御部221,241や、液晶ディスプレイ(LCD222,242)、投写光学系(図示略)等を含んで構成されている。右表示制御部221は、制御部10からの制御に基づいて右LCD222を制御して右目用の画像光を出力させ、右光学像表示部26に右目用虚像を表示させる。左表示制御部241は、制御部10からの制御に基づいて左LCD242を制御して左目用の画像光を出力させ、左光学像表示部28に左目用虚像を表示させる。
[分光器30の構成]
図3は、分光器30の概略構成を示す図である。
分光器30は、ユーザーの視界内のうち、ユーザーの視線方向から入射した光に基づいて分光測定を実施する。なお、分光器30としては、視線方向の一点からの光に対する分光測定を実施するものに限られない。例えば、ユーザーの視線方向における分光画像を取得する分光カメラであってもよい。
この分光器30は、図3に示すように、分光デバイス600、バンドパスフィルター31、受光部32、電圧制御部33、光源部37、及びシャッター38等を備え、本発明の光学モジュールを構成する。また、図示は省略するが、分光デバイス600、バンドパスフィルター31、及び受光部32に光を導く入射光学系が設けられていてもよい。なお、本実施形態において、分光デバイス600(波長可変干渉フィルター5)、バンドパスフィルター31、及び受光部32の光軸は一致しており、測定光軸Lとして示す。
光源部37は、測定光軸Lに対して例えば45°の角度で照明光を照射する。具体的には、シャッター38が閉塞位置(図3の実線で示されたシャッター38の位置)に位置した際に、シャッター38に設けられる校正基準板39と測定光軸Lとの交点を中心とした範囲に光が照射されるように配置されている。
シャッター38は、図3に示すように、測定光軸L上に対して進退自在に設けられ、分光器30内(分光デバイス600、バンドパスフィルター31、及び受光部32)に光を通過させる開放位置(図3における破線で示されたシャッター38の位置)と、分光器30内への光の入射を遮断する閉塞位置(図3における実線で示されたシャッター38の位置)とで移動可能に設けられている。
シャッター38の開放位置及び閉塞位置への移動は、シャッター駆動機構38Aにより実施される。シャッター駆動機構38Aの構成としては、特に限定されず、例えば、駆動モーターから駆動力によりシャッター38を移動させる構成等が例示できる。
また、シャッター38には、分光デバイス600に対向する面に校正基準板39が設けられている。この校正基準板39は、シャッター38が閉塞位置に移動された際に、測定光軸Lと交差し、かつ、分光デバイス600に対向する位置に配置される。校正基準板39は、各波長に対する反射率が既知である部材であり、例えば、各波長に対する反射率が99%以上となる白色基準板等を用いることができる。
図4は、図3の分光デバイス600の拡大図である。
図4に示すように、分光デバイス600は、筐体610と、筐体610の内部に収納される波長可変干渉フィルター5(本発明の干渉フィルター)と、を備えている。
筐体610は、図4に示すように、ベース620と、リッド630と、を備えている。これらのベース620及びリッド630が接合されることで、内部に収容空間が形成され、この収容空間内に波長可変干渉フィルター5が収納される。
(波長可変干渉フィルターの概略構成)
波長可変干渉フィルター5は、第一基板51と、第一基板51に対向する第二基板52とを有する。第一基板51の第二基板52に対向する面には、第一ミラー54が設けられ、第二基板52の第一基板51に対向する面には、第一ミラー54に対向する第二ミラー55が設けられている。つまり、第一ミラー54及び第二ミラー55が、本発明の一対のミラーに相当し、ミラーギャップG(エアギャップ)を介して対向配置されている。
第一ミラー54及び第二ミラー55は、例えば金属膜や誘電体多層膜により構成されている。第一ミラー54及び第二ミラー55を誘電体多層膜により構成する場合、導電性膜(例えばITO膜やAg等の金属薄膜)を積層する。これらの第一ミラー54及び第二ミラー55は、電圧制御部33のギャップ検出部34に接続されており、容量検出部としても機能する。
また、第二基板52には、第二ミラー55が設けられる可動部521と、可動部521の外周に設けられ、可動部521よりも厚み寸法が小さいダイアフラム部522とが設けられている。
さらに、第一基板51は、第二基板52に対向する面に第一電極561を備え、第二基板52は、第一電極561に対向する第二電極562を備えている。これらの第一電極561及び第二電極562により、静電アクチュエーター56が構成されており、第一電極561及び第二電極562の間に電圧を印加することで、第二基板52のダイアフラム部522が撓み、可動部521が第一基板51側に変位する。すなわち、静電アクチュエーター56は、本発明のギャップ変更部を構成する。これにより、ミラーギャップGの寸法(ミラーギャップ寸法)が変動し、当該ミラーギャップ寸法に応じた波長の光を波長可変干渉フィルター5から透過させることが可能となる。
また、本実施形態の波長可変干渉フィルター5において、第一基板51の一端部が、第二基板52の一端部よりも外側に突出するフィルター固定端511を構成する。このフィルター固定端511は、筐体610に対して、固定部材64を介して固定されている。
なお、第二基板52の前記一端部とは反対側の他端部は、第一基板51の他端部よりも外側に突出し、電装部563を構成する。この電装部563には、第一ミラー54や第二ミラー55、第一電極561や第二電極562のそれぞれに独立して接続された配線563Aが配置されており、筐体610に設けられた端子(内側端子部624)に接続される。
(筐体の構成)
筐体610は、上述したように、ベース620及びリッド630により構成される。ベース620は、例えばセラミック等により構成され、台座部621及び側壁部622を備える。
台座部621は、フィルター平面視において例えば矩形状の外形を有する平板状に構成されており、この台座部621の外周部から筒状の側壁部622がリッド630に向かって立ち上がる。
台座部621は、受光部32の光軸(測定光軸L)に沿って厚み方向に貫通する開口部623を備えている。この開口部623は、筐体610に波長可変干渉フィルター5を収容した状態で、台座部621を厚み方向から見た平面視において、第一ミラー54及び第二ミラー55と重なる領域を含むように設けられている。
また、台座部621のリッド630とは反対側の面(ベース外側面621B)には、開口部623を覆うガラス部材627が接合されている。
台座部621のリッド630に対向する内面(ベース内側面621A)には、波長可変干渉フィルター5の電装部563に設けられた配線に接続される内側端子部624が設けられている。内側端子部624と、電装部563の配線との接続は、例えばAu等のワイヤーを用いたワイヤーボンディング、FPC(Flexible Printed Circuits)等を例示できる。
また、台座部621は、内側端子部624が設けられる位置に、貫通孔625が形成されている。内側端子部624は、貫通孔625を介して、台座部621のベース外側面621Bに設けられた外側端子部626に接続されている。波長可変干渉フィルター5の、第一ミラー54、第二ミラー55、第一電極561、及び第二電極562は、電装部563から、内側端子部624、外側端子部626を介して、電圧制御部33に接続される。
側壁部622は、台座部621の縁部から立ち上がり、ベース内側面621Aの周囲を囲って設けられる側壁部622の端面は、例えばベース内側面621Aに平行な平坦面となり、リッド630が接合される。リッド630は、例えば、平面視において矩形状の外形を有する透明部材であり、例えばガラス等により構成される。
そして、波長可変干渉フィルター5は、筐体610の例えば側壁部622に対して、固定部材64を介して固定される。なお、本実施形態では、側壁部622に波長可変干渉フィルター5が固定される例を示すが、これに限定されず、例えば、台座部621に対して固定されていてもよい。
また、波長可変干渉フィルター5は、第一基板51のフィルター固定端511の1か所で、筐体610に接続される。すなわち、波長可変干渉フィルター5と筐体610との固定位置を複数個所とする場合、固定部材64の応力が、波長可変干渉フィルター5のそれぞれ異なる部分に伝達されるおそれがある。また、波長可変干渉フィルター5及び筐体610の熱膨張係数の差により、波長可変干渉フィルター5に応力が加えられるおそれもある。これらの場合、第一基板51や第二基板52が撓み、第一ミラー54や第二ミラー55に撓みや傾斜が発生するおそれがある。このように、第一ミラー54や第二ミラー55に撓みや傾斜が発生すると、波長可変干渉フィルター5から、ミラーギャップ寸法が変動して透過光の中心波長がシフトしたり、当該ミラーギャップ寸法が位置によって異なる値となることで、半値幅が増大して分解能が低下したりし、波長可変干渉フィルター5の分光性能が低下する。
これに対して、上記のように、波長可変干渉フィルター5を筐体610に1か所で固定する構成では、波長可変干渉フィルター5への応力の伝達が抑制され、第一ミラー54や第二ミラー55の撓みや傾斜を効果的に抑制することが可能となる。
(バンドパスフィルター及び受光部の構成)
バンドパスフィルター31は、測定光軸L上に設けられ、入射光のうち所定の波長域の光を透過させ、その他の波長の光を遮断する。本実施形態では、バンドパスフィルター31は、分光デバイス600と受光部32との間に設けられているが、これに限定されない。例えば、バンドパスフィルター31と受光部32との間に分光デバイス600が配置される構成などとしてもよい。
図5は、本実施形態におけるバンドパスフィルター31の透過特性を示す図である。
本実施形態では、バンドパスフィルター31は、図5に示すように、第一閾値Q1(例えば透過率50%)以上の透過率を有する第一透過帯域Pを有する。この第一透過帯域Pは、分光器30により分光測定を実施する際の測定波長域に相当する。つまり、分光器30は、第一透過帯域P内の波長(λ,λ,・・・λ)に対して、分光測定を実施することができる。
また、バンドパスフィルター31は、第一透過帯域Pの範囲外に、透過率が第一閾値Q1以上となるピーク波長(第一校正波長λa)を有する。第一校正波長λaは、透過率が局所的極値(極大値)となる波長であり、その前後の波長において急峻に透過率が低下する(第一閾値Q1未満になる)。つまり、本実施形態のバンドパスフィルター31では、第一透過帯域P及び第一校正波長λaの光を透過させ、その他の波長の光を遮断する。
なお、本実施形態では、第一校正波長λaが第一透過帯域Pよりも長波長側に位置する例を示す。
また、第一校正波長λaは、波長可変干渉フィルター5における分光可能範囲(ミラーギャップGの可変範囲)内の波長となる。つまり、ミラーギャップGの可変範囲には、第一校正波長λaに対応する寸法が含まれ、第一校正波長λaに対応するミラーギャップ寸法は、ミラーギャップGの最大値(静電アクチュエーター56に電圧印加がない場合のミラーギャップ寸法)よりも小さい。
なお、上述のように、本実施形態では、特定波長である第一校正波長λaが第一透過帯域Pよりも長波長である例であるが、第一透過帯域Pよりも短い波長を特定波長としてもよい。この場合、特定波長に対応するミラーギャップ寸法が、ミラーギャップGの最小値(静電アクチュエーター56に最大電圧を印加した場合のミラーギャップ寸法)よりも大きくなるようにすればよい。
受光部32は、分光デバイス600により分光された光を受光し、受光量に応じた受光信号を制御部10に出力する。上述したように、分光器30として、分光画像を撮像する分光カメラとして機能させてもよく、この場合、受光部32として、複数の画素を有するイメージセンサー等を用いることができる。
[電圧制御部の構成]
次に、図3に基づいて、分光器30の電圧制御部33の構成を説明する。
電圧制御部33は、図3に示すように、ギャップ検出部34と、フィードバック制御部35と、マイコン36(マイクロコントローラー)とを備えて構成され、本発明の駆動制御部を構成する。
ギャップ検出部34は、第一ミラー54及び第二ミラー55の間の静電容量を検出してフィードバック制御部35やマイコン36に出力する。具体的には、ギャップ検出部34は、図示略のC−V変換回路を有し、ミラー54,55間の静電容量に応じた電圧値(検出信号)に変換して出力する。このようなC−V変換回路としては、例えば、スイッチト・キャパシター回路等が挙げられる。
フィードバック制御部35は、波長可変干渉フィルター5の第一電極561及び第二電極562に接続されている。そして、フィードバック制御部35は、マイコン36から入力されたミラーギャップGを所定の目標値に設定する旨の指令信号に基づき、静電アクチュエーター56に対して駆動電圧を印加する。
また、フィードバック制御部35は、ギャップ検出部34からの検出信号と、マイコン36から入力された指令信号との偏差が所定閾値以下となるように、静電アクチュエーター56に対する駆動電圧を増減して制御する。すなわち、フィードバック制御部35は、検出信号及び指令信号に基づいて、フィードバック制御を実施する。
マイコン36は、メモリー363を備え、このメモリー363には、波長可変干渉フィルター5を制御するための各種データが記憶されている。
この各種データとしては、波長可変干渉フィルター5から所望の波長の光を透過させるために、静電アクチュエーター56に印加する電圧を記録したV−λデータ(駆動テーブル)が挙げられる。
このV−λデータは、波長可変干渉フィルター5から、所望の目標波長(測定波長)を透過させるために必要な、静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧(電圧指令値)を示すデータであり、例えば、測定波長と駆動電圧とが1対1で対応付けられてテーブルデータとして記録されている。
また、メモリー363には、波長可変干渉フィルター5をフィードバック制御するためのV−Cデータ(フィードバック用データ)が記録されている。V−Cデータは、駆動電圧と、第一ミラー54及び第二ミラー55の間の静電容量との関係を示すデータである。
また、マイコン36は、図3に示すように、測定指令部361、校正部362として機能する。
測定指令部361は、制御部10から分光測定の開始を指令する測定指令信号が入力されると、フィードバック制御部35に、駆動テーブル(V−λデータ)に基づく駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加する旨を指令して、分光測定を開始する。この測定指令信号には、目標とする測定波長域及び測定間隔が含まれている。したがって、測定指令部361は、測定指令信号を受信した場合、V−λデータから測定波長域の各測定波長に対応するそれぞれの電圧値を読み出し、フィードバック制御部35に出力する。
また、測定指令部361は、測定指令信号を受信すると、メモリー363に記憶されたV−Cデータから、測定波長に対応する静電容量を読み出し、フィードバック制御部35に出力する。
これにより、フィードバック制御部35は、V−λデータに基づいた駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加し、ギャップ検出部34で検出された第一ミラー54及び第二ミラー55の間の静電容量が、V−Cデータに基づいた静電容量となるように、静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧を増減させる。
校正部362は、V−λデータやV−Cデータの校正処理を実施する。
すなわち、HMD1に搭載された分光器30では、使用環境によって、波長可変干渉フィルター5が傾斜する場合がある。したがって、校正部362は、制御部10から測定指令信号が入力された際に、測定指令部361による分光測定処理の前に、V−λデータやV−Cデータを補正する校正処理を実施する。
ここで、波長可変干渉フィルター5が傾斜した場合の透過波長の波長シフトについて説明する。
図6は、分光器30の姿勢が変化した場合の波長可変干渉フィルター5の位置の一例を示す図である。本実施形態では、筐体610から波長可変干渉フィルター5への応力の伝達を抑制するため、波長可変干渉フィルター5をフィルター固定端511の1か所で筐体610に固定する。このため、例えば、画像表示部20を装着したユーザーの頭部の角度が変化すると、図6に示すように、波長可変干渉フィルター5が測定光軸Lに対して入射光が傾斜する。
図7は、波長可変干渉フィルター5のミラーギャップGを一定に維持し、波長可変干渉フィルター5の傾斜角θが変動した場合の分光特性を示す図である。また、図8は、ミラーギャップGを500nm、600nm、及び700nmの各波長に対応する寸法とした際の、波長可変干渉フィルター5の傾斜による波長シフト量Δλを示す図である。
図7に示すように、波長可変干渉フィルター5が測定光軸Lに対して傾斜すると、その傾斜角θに応じて波長可変干渉フィルター5を透過する光の特性も変化し、透過波長がシフトする。また、図8に示すように、波長可変干渉フィルター5への入射光が測定光軸Lに対して傾斜する場合、波長毎に波長シフト量Δλが変動する。
例えば、ミラーギャップGを波長500nmの光に対応した寸法とした場合、傾斜角θが0°であれば、波長可変干渉フィルター5から透過される光の中心波長は、目標波長である500nmとなる。しかしながら、傾斜角θが5°になると、1.5nm程度の波長シフトが発生し、波長可変干渉フィルター5から透過される光の中心波長は498.5nmとなる。
また、ミラーギャップGを波長700nmの光に対応した寸法とした場合、傾斜角θが5°になると、2.5nm程度の波長シフトが発生することになり、波長可変干渉フィルター5から透過される光の中心波長は797.5nmとなる。
図9は、校正部362による校正処理を説明するための図であり、バンドパスフィルター31における第一校正波長λaにおける透過特性A0と、波長可変干渉フィルター5の分光特性A1,A2とを示している。
本実施形態では、校正部362により、上記の様な使用環境による波長シフトの影響を抑制するために、駆動テーブルを補正する。これには、校正部362は、まず、V−λデータから第一校正波長λaに対応する駆動電圧(Va)を読み出し、フィードバック制御部35に出力する。これにより、フィードバック制御部35は、V−λデータに基づいた駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加する。
ここで、波長可変干渉フィルター5の法線方向が測定光軸Lに対して傾斜していない場合、図9の特性A1に示すように、波長可変干渉フィルター5の分光特性のピーク位置が、第一校正波長λaに一致する。この際の受光部32の受光量を理想受光量lとする。なお、当該理想受光量lは、メモリー363に予め記憶されている。
一方、波長可変干渉フィルター5の法線方向が測定光軸Lに対して傾斜している場合、図9の特性A2に示すように、波長可変干渉フィルター5の分光特性のピーク位置が、第一校正波長λaからずれた位置にシフトする。この場合、受光部32で受光される受光量lは、波長可変干渉フィルター5の傾斜角θに応じて理想受光量lよりも小さくなる。
ここで、本実施形態では、校正部362は、理想受光量lと受光量lとの受光比Λを算出し、当該受光比Λに基づいて、波長可変干渉フィルター5の傾斜角θを予測する。そして、特定された傾斜角θに基づいて、駆動テーブルであるV−λデータを補正する。
具体的には、本実施形態では、メモリー363に、受光比Λ(=l/l)に対する、波長可変干渉フィルター5の傾斜角θの関係を示すΛ−θデータが記録されている。また、メモリー363には、波長可変干渉フィルター5の傾斜角θと、各波長に対応するミラーギャップ寸法との関係を示すθ−Gデータが記録されている。さらに、メモリー363には、静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧Vに対するミラーギャップ寸法を記録したV−Gデータが記録されている。
図10は、Λ−θデータの一例であり、図11は、測定波長(例えば600nm)におけるθ−Gデータの一例であり、図12は、V−Gデータの一例である。
なお、θ−Gデータは、波長可変干渉フィルター5から測定波長λの光を透過させる際の、波長可変干渉フィルター5の測定光軸Lに対する傾斜角θに対するミラーギャップ寸法を示すデータであり、波長毎に設定されている。例えば、測定対象となる波長がn個(λ,λ…,λ)ある場合、n個の波長のそれぞれに対するθ−Gデータ(λに対するθ−Gデータ,λに対するθ−Gデータ,…λに対するθ−Gデータ)が記録される。
校正部362は、図10に示すようなΛ−θデータに基づいて、受光比Λに対する波長可変干渉フィルター5の傾斜角θを予測する。また、校正部362は、図11に示すようなθ−Gデータから、予測した傾斜角θに対するミラーギャップ寸法を波長毎に算出する。そして、図12に示すようなV−Gデータに基づいて、ミラーギャップ寸法に対応する駆動電圧Vを波長毎に算出し、V−λデータにおける駆動電圧Vを補正する。
なお、本実施形態では、θ−Gデータを用いる例を示すが、波長可変干渉フィルター5の測定光軸Lに対する傾斜角θと、駆動電圧の補正値Vを示すθ−Vデータが記憶されていてもよい。この場合、校正部362は、V−Gデータを参照することなく、予測した傾斜角θに対応する駆動電圧の補正値Vを読み込み、V−λデータ補正することができる。
ところで、本実施形態では、フィードバック制御部35は、ギャップ検出部34からの検出信号に基づいてフィードバック制御を実施する。しかしながら、例えば電源電圧の変化等の要因によって回路部の寄生容量が変化することがあり、この場合、ギャップ検出部34で検出される静電容量が変動する場合がある。
図13は、静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧に対する第一ミラー54及び第二ミラー55の間の静電容量を示すV−Cデータの一例を示す図である。
また、図14は、ミラーギャップ寸法に対する、第一ミラー54及び第二ミラー55間の静電容量を示す図である。なお、図14の実線は、寄生容量が所定の基準値である場合のミラーギャップGと静電容量との関係を示す。また、図14の破線は、寄生容量がΔCだけ増加した場合のミラーギャップGと静電容量との関係を示す。
マイコン36は、波長可変干渉フィルター5から透過させる光の測定波長に対応する駆動電圧をV−λデータから読み出して、フィードバック制御部35に出力する。この際、フィードバック制御を実施するために、当該駆動電圧に対応する静電容量の目標値(目標容量)をフィードバック制御部35に出力する。これにより、フィードバック制御部35は、ギャップ検出部34にて検出される静電容量と目標容量との偏差に基づいたフィードバック制御を行う。
しかしながら、図14に示すように、寄生容量がΔCだけ変動すると、ミラーギャップGの各寸法に対する静電容量Cも一様にΔCだけ変化する。この場合、上記のようなフィードバック制御を実施すると、ミラーギャップGが、寄生容量の変化量ΔCに対応した値だけ目標からずれた寸法に合わされる。このため、波長可変干渉フィルター5から出力される光の中心波長も寄生容量の変化量ΔCに対応した値だけシフトする。
そこで、本実施形態では、校正部362は、補正された駆動テーブルに基づいて、第一校正波長λaに対応する駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加し、その際のギャップ検出部34にて検出される静電容量から、寄生容量の変化量ΔCを算出する。そして、図13に示すようなV−Cデータの各静電容量の値に寄生容量の変化量ΔCを加算して、V−Cデータを補正する。これにより、フィードバック制御部35は、寄生容量の変化が考慮されたフィードバック制御を実施することが可能となる。
なお、ここでは、校正部362がV−Cデータを補正する例を示すが、これに限られない。例えば、メモリー363に、各測定波長λに対する第一ミラー54及び第二ミラー55の間の静電容量の関係を示す、λ−Cデータが記録され、マイコン36は、λ−Cデータに基づいて、目標波長に対する目標容量をフィードバック制御部35に出力してもよい。この場合、校正部362は、寄生容量の変化量ΔCに基づいて、λ−Cデータを補正する。
[分光器の制御方法]
次に、上述したようなHMD1における測定対象の測定処理を実施する際の分光器30の制御方法について説明する。
図15は、分光器30による分光測定方法を示すフローチャートである。
本実施形態のHMD1では、例えばユーザーの制御部10の操作により、分光器30による分光測定を実施する旨の操作信号が入力されると、制御部10は、画像表示部20に分光測定を指令する測定指令信号を送信する。なお、当該測定指令信号には、分光測定を実施する各測定波長λ(λ,λ,…λ)が含まれている。
分光器30のマイコン36は、制御部10からの測定指令信号を受信すると、測定対象に対する分光測定を実施する前に、駆動テーブルの補正処理(校正処理)を実施する。
具体的には、マイコン36は、先ず、シャッター駆動機構38Aを制御して、シャッター38を閉塞位置に移動させ、光源部37を点灯させる(ステップS1)。これにより、光源部37からの光が、シャッター38の校正基準板39に照射され、その反射光が分光器30内に入射される。
次に、マイコン36の校正部362は、メモリー363に記憶されたV−λデータから、第一校正波長λaに対応する駆動電圧Vaを読み出し、フィードバック制御部35に出力する(ステップS2)。これにより、フィードバック制御部35から波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に駆動電圧Vaが印加され、ミラーギャップ寸法が変更される。そして、波長可変干渉フィルター5からミラーギャップ寸法に応じた波長の光が透過され、受光部32にて光が受光される。校正部362は、受光部32からの受光信号に基づいて、受光量lを検出する(ステップS3)。
この後、校正部362は、メモリー363に記憶されている理想受光量lと、ステップS2により検出された受光量lとの受光比Λを算出する(ステップS4)。
そして、校正部362は、メモリー363に記憶されている、Λ−θデータに基づいて、受光比Λに対応する波長可変干渉フィルター5の傾斜角θを予測する(ステップS5)。
また、校正部362は、メモリー363に記憶された測定波長毎のθ−Gデータに基づいて、各測定波長λについて、予測された傾斜角θに対するミラーギャップ寸法Gを算出する(ステップS6)。さらに、校正部362は、メモリー363に記憶されているV−Gデータに基づいて、ステップS5で取得した各ミラーギャップ寸法Gに対応する駆動電圧Vを算出する(ステップS7)。そして、メモリー363に記憶されているV−λデータの各測定波長λに対応する駆動電圧を、ステップS7にて算出された駆動電圧Vに補正して、V−λデータを更新する(ステップS8)。
次に、校正部362は、ステップS8にて更新された(補正された)V−λデータに基づいて、第一校正波長λaに対応する駆動電圧Vaをフィードバック制御部35に出力して、静電アクチュエーター56に印加する(ステップS9)。この際、校正部362は、受光部32からの受光量lを検出し、理想受光量lに対して、所定許容範囲以内の誤差に収まっているか否かを判定してもよい。この場合、受光量lが理想受光量lに対して許容範囲外である場合、ステップS4に戻り、再度V−λデータを更新する。
そして、校正部362は、ギャップ検出部34にて検出された第一ミラー54及び第二ミラー55の静電容量Cを取得し(ステップS10)、メモリー363に記憶されている基準値Cと検出された静電容量Cとの差分値(寄生容量の変化量ΔC)を算出する(ステップS11)。この後、校正部362は、メモリー363に記憶されたV−Cデータに記録されている静電容量にΔCを加算してV−Cデータを補正して更新する(ステップS12)。
以上の後、測定指令部361は、シャッター38を開放位置に移動させて光源部37を消灯し(ステップS13)、測定指令信号に応じた各測定波長λに対応する駆動電圧Vと、駆動電圧V(又は測定波長λ)に対応する静電容量Cをフィードバック制御部35に出力する(ステップS14)。
これにより、波長可変干渉フィルター5は、使用環境の変化等によって変化した傾斜角θに対応する駆動テーブル(V−λデータ)に基づいて駆動され、各測定波長λiの光が精度良く波長可変干渉フィルター5から透過されることになる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の分光器30は、波長可変干渉フィルター5を備えた分光デバイス600と、バンドパスフィルター31と、分光デバイス600及びバンドパスフィルター31を透過した光を受光する受光部32と、電圧制御部33とを備える。バンドパスフィルター31は、透過率がピークとなる第一校正波長λa(特定波長)を有し、当該第一校正波長λaは波長可変干渉フィルター5のミラーギャップGの可変範囲内に設けられている。
また、電圧制御部33は、フィードバック制御部35及びマイコン36(校正部362)を有する。この校正部362は、メモリー363に記憶された駆動テーブル(V−λデータ)に基づいてミラーギャップGを第一校正波長λaに対応する寸法に変更した際に受光部32の受光量に基づいて、V−λデータを補正する。
すなわち、波長可変干渉フィルター5の分光特性に変化がない場合では、V−λデータに基づいて、ミラーギャップGを第一校正波長λaに対応する寸法に変更した際、波長可変干渉フィルター5及びバンドパスフィルター31から第一校正波長λaの光が透過され、受光量が最大値(理想受光量l)となる。一方、使用環境の変化等によって波長可変干渉フィルター5の特性が変化しており、波長可変干渉フィルター5を透過する光の中心波長が第一校正波長λaからずれている場合、理想受光量lに比べて受光部32での受光量が低下する。よって、校正部362は、理想受光量lと、実際に受光した受光量lとに基づいて、波長可変干渉フィルター5の特性が変化しているか否かを判定することができ、使用環境によって変化した特性に応じた駆動テーブルに補正することができる。
これにより、本実施形態の分光器30では、使用環境の変化による分光性能の低下を抑制でき、所望の波長の光を波長可変干渉フィルター5から透過させることが可能となる。
また、波長可変干渉フィルター5から目標波長の光を精度良く透過させることができるので、分光器30における分光測定の精度が向上する。よって、HMD1は、その分光測定結果に基づいて、例えば、測定対象に対する分析処理等の各種処理を高精度に実施することができる。
本実施形態では、バンドパスフィルター31は、分光器30により分光測定を実施する測定波長域に相当し、透過率が第一閾値Q1以上となる第一透過帯域Pを有し、第一校正波長λaは、第一透過帯域Pの範囲外に設けられている。
つまり、第一透過帯域P内に第一校正波長λaが含まれる場合、各測定波長の光の透過率の減衰を抑制するために、所定値以上の透過率が必要となる。この場合、波長可変干渉フィルター5を透過する光の透過中心波長が第一校正波長λaからずれていても、当該ずれた透過中心波長の光がバンドパスフィルター31を透過して、受光部32での受光量が増大してしまう。
これに対して、本実施形態のように、第一透過帯域P以外に第一校正波長λaが設けられる構成では、バンドパスフィルター31における第一校正波長λa前後の透過率の変化を急峻させることができる。この場合、波長可変干渉フィルター5を透過する光の透過中心波長が第一校正波長λaからずれていれば、当該透過中心波長の光の多くがバンドパスフィルター31により遮光され、受光部32での受光量lが著しく低下する。したがって、受光量lと理想受光量lとの差が大きくなり、使用環境の変化による波長可変干渉フィルター5の特性の変化を精度良く検出できる。
本実施形態の分光器30は、第一ミラー54及び第二ミラー55の間の静電容量を検出するギャップ検出部34を備え、フィードバック制御部35は、ギャップ検出部34により検出される静電容量に基づいてフィードバック制御を実施する。そして、本実施形態では、メモリー363にフィードバックを実施するためのV−Cデータが記憶されており、校正部362は、補正されたV−λデータに基づいて、ミラーギャップGを第一校正波長λaとした際にギャップ検出部34にて検出される静電容量から寄生容量の変化量ΔCを算出し、V−Cデータを補正する。
これにより、経年変化等によって寄生容量が変動した場合でも、当該寄生容量の変動を考慮した精度の高いフィードバック制御が可能となり、波長可変干渉フィルター5の分光性能をさらに向上させることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態について説明する。
上述した第一実施形態では、マイコン36の校正部362は、1つの特定波長(第一校正波長λa)に基づいて、駆動テーブル(V−λデータ)を補正する例を示した。これに対して、第二実施形態では、複数の特定波長に基づいて、駆動テーブルを補正する点で、上記第一実施形態と相違する。
なお、以降の説明にあたり、既に説明した事項に関しては同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
また、以降に説明する第二実施形態の分光器30は、第一実施形態と同様の構成を有し、校正部362により実施される処理が相違するものである。したがって、校正部362の処理を中心に説明する。
第一実施形態における校正部362は、第一校正波長λaに基づいて、波長可変干渉フィルター5の傾斜角θを予測した。しかしながら、光源部37から出射される光の光量が経時変化する場合があり、この場合、第一校正波長λaに対する受光量を測定した際に、光源部37による受光量の変化であるか、波長可変干渉フィルター5の傾斜による受光量の変化であるかを判定することが困難である。
そこで、第二実施形態の校正部362は、第一校正波長λa及び第二校正波長λbに対する受光量を検出することで、波長可変干渉フィルター5の傾斜角θを予測する。
図16は、第二実施形態のバンドパスフィルター31の透過特性を示す図である。
本実施形態では、バンドパスフィルター31として、図16に示すように、第一透過帯域Pと、第一透過帯域Pの範囲外に設けられて透過率が第一閾値Q1以上となる第一校正波長λa及び第二校正波長λbを有する。第一校正波長λaは第一実施形態と同様に、第一透過帯域Pよりも長波長側に設けられたピーク波長である。また、第二校正波長λbは、第一透過帯域Pよりも短波長側に設けられたピーク波長であり、その前後において急峻に透過率が低下する。つまり、本実施形態のバンドパスフィルター31では、第一透過帯域P及び第一校正波長λa、第二校正波長λbの光を透過させ、その他の波長の光を遮断する。
また、第一校正波長λa及び第二校正波長λbは、第一実施形態と同様、波長可変干渉フィルター5における分光可能範囲内の波長であり、第二校正波長λbに対応するミラーギャップ寸法は、静電アクチュエーター56に最大駆動電圧を印加した場合のミラーギャップGの最小寸法よりも大きい。
そして、本実施形態では、校正部362は、分光測定を実施する前の校正処理において、V−λデータに基づいて、ミラーギャップ寸法を、第一校正波長λa及び第二校正波長λbに対応する寸法に変化させ、その際の受光量に基づいてV−λデータを補正する。
図17は、第二実施形態における校正部362による校正処理を説明するための図である。図17において、特性A0は、バンドパスフィルター31の透過特性である。特性A1及び特性A2は、V−λデータに基づいて第一校正波長λaに対応する駆動電圧を印加した際の波長可変干渉フィルター5の分光特性であり、特性A1は波長可変干渉フィルター5の傾斜がない場合、特性A2は所定の傾斜角θで傾斜している場合を示す。また、特性A3及び特性A4は、V−λデータに基づいて第二校正波長λbに対応する駆動電圧を印加した際の波長可変干渉フィルター5の分光特性であり、特性A3は波長可変干渉フィルター5の傾斜がない場合、特性A4は所定の傾斜角θで傾斜している場合を示す。
図17及び図8に示すように、波長可変干渉フィルター5が傾斜した場合、波長によって、シフト量がそれぞれ異なり、かつ、長波長になるほど、波長シフト量Δλが大きくなる。したがって、波長可変干渉フィルター5が傾斜した場合、第一校正波長λaにおける受光量の減少量が、第二校正波長λbにおける受光量の減少量よりも大きくなる。
そこで、本実施形態では、校正部362は、第一実施形態のステップS2からステップS5の処理に替えて、以下の処理を実施する。
つまり、校正部362は、まず、V−λデータに基づいて波長可変干渉フィルター5のミラーギャップGを第一校正波長λaに対応する寸法にして、受光部32での受光量(第一受光量l)を検出する。次に、校正部362は、V−λデータに基づいて波長可変干渉フィルター5のミラーギャップGを第二校正波長λbに対応する寸法にして、受光部32での受光量(第二受光量l)を検出する。
そして、校正部362は、第一受光量lと第二受光量lとの比である受光比Λ(例えばΛ=l/l)に基づいて、波長可変干渉フィルター5の傾斜角θを予測する。
図18は、第二実施形態におけるΛ−θデータの一例を示す図である。
傾斜角θの予測では、校正部362は、図18に示すようなΛ−θデータを用いて、受光比Λに対する傾斜角θを読み出す。
なお、図18では、Λ=l/lとしているが、Λ=l/lとしてもよく、この場合、傾斜角θの増大に伴って受光比Λが増加するデータとなる。
また、図18では、説明の簡略化のため、光源部37から出射される照明光が各波長に対して一様な光量となる発光スペクトルであり、第一校正波長λaの光と、第二校正波長λbの光とで光量が同一である例をしている。光源部37から出力される第一校正波長λaの光と、第二校正波長λbの光とで光量が異なる場合は、その光量比を、図18の各受光比に対してかけ合せて補正すればよい。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、校正部362は、第一受光量lと第二受光量lとの受光比Λ(=l/l)に基づいて、傾斜角θを予測する。この場合、光源部37からの照明光が経時変化等によって変動した場合でも、照明光の変動による受光量変動をキャンセルして、傾斜角θを適正に予測することができる。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。
上述した第一実施形態及び第二実施形態では、使用環境の変化として、波長可変干渉フィルター5の傾斜角θの変化による波長シフトを補正する例を示した。これに対して、第三実施形態では、使用環境の変化として、波長可変干渉フィルター5の温度が変化した場合の波長シフトを補正する点で上記第一実施形態及び第二実施形態と相違する。
図19は、波長可変干渉フィルターの温度特性を示す図である。なお、図19に示す例は、第一波長λにおける温度変化による波長変化量を示す図である。また、図19では、波長可変干渉フィルター5の傾斜(測定光軸Lに対する傾斜)はないものとする。
駆動テーブルであるV−λデータは、所定の基準温度Tにおいて、駆動電圧Vに対して波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長λを示すデータである。しかしながら、図19に示すように、波長可変干渉フィルター5は、周囲環境により温度が変動すると、駆動電圧を印加した際に透過波長がシフトする。すなわち、図19に示すように、波長可変干渉フィルター5の温度が上がれば、透過波長は、長波長側にシフトし、温度が下がれば透過波長は短波長側にシフトする。そのため、各温度に応じてV−λデータを修正する必要がある。
そこで、本実施形態では、メモリー363には、受光比Λと、波長可変干渉フィルター5の温度変化量ΔTとの関係を示すΛ−Tデータが記憶されている。受光比Λは、第二実施形態と同様、V−λデータに基づいて、波長可変干渉フィルター5のミラーギャップGを第一校正波長λa及び第二校正波長λbに対応する寸法に変動させた際の第一受光量lと、第二受光量lとの比である。
また、メモリー363には、温度変化量ΔTに対して、T−Gデータが記録されている。このT−Gデータは、波長可変干渉フィルター5から測定波長λの光を透過させる際の、波長可変干渉フィルター5の基準温度Tからの温度変化量ΔTに対するミラーギャップ寸法を示すデータであり、波長毎に設定されている。例えば、測定対象となる波長がn個(λ,λ…,λ)ある場合、n個の波長のそれぞれに対するθ−Tデータ(λに対するθ−Tデータ,λに対するθ−Tデータ,…λに対するθ−Tデータ)が記録される。
このような第三実施形態では、校正部362は、ステップS4において、メモリー363に記憶されているΛ−Tデータに基づいて、受光比Λ(=l/l)に対応する波長可変干渉フィルター5の温度変化量ΔTを予測する。したがって、温度が上昇している場合は、Λ>1となり、温度が下降している場合は、Λ<1となる。そして、ステップS5において、校正部362は、メモリー363に記憶された測定波長毎のθ−Tデータに基づいて、各測定波長λに対するミラーギャップ寸法Gを取得する。
この後、第一実施形態と同様、ステップS6及びステップS7を実施して、駆動テーブルであるV−λデータを補正する。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、メモリー363に、Λ−Tデータ及びθ−Tデータが記録されており、校正部362は、駆動テーブルに基づいて、波長可変干渉フィルター5のミラーギャップGを第一校正波長λa及び第二校正波長λbに対応する寸法とした際の第一受光量lと第二受光量lとの受光比Λに基づいて、温度変化量ΔTを予測し、V−λデータを補正する。このため、波長可変干渉フィルター5の温度が変化した場合でも、V−λデータに基づいて波長可変干渉フィルター5を駆動させることで、所望の測定波長の光を透過させることができ、測定精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第二実施形態と同様に、受光比Λを算出して温度変化量ΔTを予測したが、第一校正波長λaに対する第一受光量lと理想受光量l0−1との比、第二校正波長λbに対する第二受光量lと理想受光量l0−2との比に基づいて、温度変化量ΔTを算出してV−λデータを補正してもよい。
[第四実施形態]
次に、第四実施形態について説明する。
第一実施形態から第三実施形態では、特定波長として、第一透過帯域P外に設けられた第一校正波長λaや、第二校正波長λbを用いる例を示した。これに対して、第四実施形態では、特定波長としては、第一透過帯域P内の波長を用いる点で上記各実施形態と相違する。
図20は、第四実施形態におけるバンドパスフィルター31の透過特性を示す図である。
図20に示すように、本実施形態のバンドパスフィルター31は、透過率が第一閾値Q1以上となる第一透過帯域Pを有し、かつ、当該第一透過帯域P内で、透過率が第一閾値Q1よりも大きい第二閾値Q2となるピーク波長λQj(λQ1,λQ2,…λQm)が複数設けられている。これらのピーク波長λQjは、それぞれ、本発明の特定波長に相当する。
なお、分光測定時における透過光の減衰を抑制するため、第一閾値Q1としては、例えば50%以上であることが好ましい。
また、各ピーク波長λQjは、それぞれ測定波長λと一致していてもよく、一致していなくてもよい。さらに、ピーク波長λQjの個数mと、測定波長λの個数nとが一致していてもよく、一致していなくてもよい。
ピーク波長λQjと測定波長λとが一致している場合、V−λデータにおけるデータ数を小さくでき、かつ、測定波長λに対する駆動電圧をより精度良く補正することが可能となる。
図21は、ピーク波長λQjと波長可変干渉フィルター5の分光特性との関係を説明するための図である。図21において、特性A5は、バンドパスフィルター31の透過特性を示し、特性A6は、波長可変干渉フィルター5の分光特性を示す。
各ピーク波長λQjの波長間隔が、波長可変干渉フィルター5の分光特性の半値幅W以下である場合、図21に示すように、隣り合う2つのピーク波長λQjの間に波長可変干渉フィルター5を透過中心波長が位置した際に、2つのピーク波長λQjに対して受光部32での受光量が略同一値となることがある。このため、各ピーク波長λQjの波長間隔は、波長可変干渉フィルター5の分光特性における半値幅Wよりも大きくすることが好ましい。
本実施形態では、校正部362は、上述した第二実施形態と略同様の処理により、V−λデータを補正することができる。すなわち、校正部362は、V−λデータに基づいて、各ピーク波長λQjに対応する駆動電圧を順次静電アクチュエーター56に印加し、その際に受光部32により検出される受光量lを順次取得する。また、例えば、各ピーク波長λQjのうちの1つを基準波長として、基準波長に対する受光量と、各ピーク波長に対する受光量との受光比を算出する。或いは、第一実施形態と同様、各ピーク波長λQjに対する理想受光量を記憶しておき、各ピーク波長λQjに対する受光量の理想受光量との比を算出してもよい。
また、本実施形態では、校正部362は、上記のように算出された比(受光比、又は各ピーク波長λQjに対する受光量の理想受光量との比)が1を中心とした所定閾値以内となるように、静電アクチュエーター56に対する印加電圧をフィードバック制御する。
これにより、波長可変干渉フィルター5の駆動特性が、どのような外乱で変化した場合でも、ミラーギャップGを各ピーク波長λQjに対応する寸法に設定するための駆動電圧を検出することができる。この場合、得られた各ピーク波長λQjに対する駆動電圧の近似式を算出して、各測定波長λに対する駆動電圧を求めることができ、V−λデータを補正することができる。また、各ピーク波長λQjが、各測定波長λと一致する場合では、上記のようにフィードバック制御により検出された駆動電圧を、そのままV−λデータに記録すればよい。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、測定波長域に対応する第一透過帯域P内に、特定波長である各ピーク波長λQjが設けられ、各ピーク波長λQjの透過率が第二閾値Q2以上であり、第一透過帯域P内のその他の波長に対する透過率が第一閾値Q1以上、第二閾値Q2未満となる。
そして、校正部362は、V−λデータに基づいて、ミラーギャップ寸法を、各ピーク波長λQjに対応する寸法に変更した際の各受光量lを順次取得して、これらの受光量lに基づいてV−λデータを補正する。
このような場合、波長可変干渉フィルター5として、測定対象波長域(第一透過帯域P)の外側の領域までミラーギャップGを変動させる必要がない。すなわち、第一実施形態や第二実施形態では、波長可変干渉フィルター5のミラーギャップGを、第一透過帯域Pよりも長波長側の第一校正波長λaに対応する寸法や、第一透過帯域Pよりも短波長側の第二校正波長λbに対応する寸法に変化させる必要がある。このため、可動部521を広い範囲で変化させる必要があり、波長可変干渉フィルター5が大型化し、また、波長可変干渉フィルター5を駆動するための駆動電圧も大きく、駆動制御も困難となる。これに対して、本実施形態では、ミラーギャップGを変化させる範囲を小さくできるので、波長可変干渉フィルター5を小型化でき、省電力化を図れる。
また、本実施形態では、校正部362は、受光比、又は各ピーク波長λQjに対する受光量の理想受光量との比が1を中心とした所定閾値以内となるように、静電アクチュエーター56に対する印加電圧をフィードバック制御して、その際の静電アクチュエーター56の印加電圧に基づいてV−λデータを補正する。この場合、環境変化の要因によらず、波長可変干渉フィルター5の駆動テーブルを適正に補正することができる。
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
[変形例1]
上記各実施形態において、バンドパスフィルター31が特定波長(第一校正波長λaや第二校正波長λb)において、局所的極大値(ピーク値)を有する例を示したが、これに限定されない。
例えば、バンドパスフィルター31が、特定波長において局所的極小値を有してもよい。
図22は、変形例1に係るバンドパスフィルター31の透過率の一例を示す図である。
図22に示すバンドパスフィルター31は、第一実施形態と同様、第一透過帯域Pにおける透過率が第一閾値Q1以上となる。また、第一透過帯域P外において、第二波長域P2を有する。当該第二波長域P2には、特定波長(第三校正波長λc)が含まれ、第二波長域P2の透過率は、第三校正波長λcにて極小値となり、それ以外の波長で透過率が例えば第一閾値Q1以上となる。
このようなバンドパスフィルター31を用いる場合、波長可変干渉フィルター5を透過する光の中心波長が第三校正波長λcと一致する場合に、受光部32で受光される受光量(理想受光量l)が最小値となる。そして、波長可変干渉フィルター5を透過する光の中心波長が第三校正波長λcからずれると、受光部32で受光される受光量lが増大する。
したがって、第一実施形態と同様、メモリー363に、Λ−θデータを記憶することで、受光量に基づいて波長可変干渉フィルター5の傾斜角θを求めることができる。
また、図22の例では、第一透過帯域Pより長波長側に第二波長域P2と第三校正波長λcを設ける例であるが、第二実施形態と同様、第一透過帯域Pを挟んで、長波長側及び短波長側にそれぞれ透過率が極小値となる特定波長を設けてもよい。
この場合、第二実施形態や第三実施形態と同様、メモリー363に、Λ−θデータやΛ−Tデータを記憶することで、受光量に基づいて波長可変干渉フィルター5の傾斜角θや温度Tを求めることができる。
さらに、第四実施形態のように、測定波長域である第一透過帯域P内に透過率が極小値となる特定波長を設けてもよい。この場合、特定波長を測定波長とは異なる波長にする。すなわち、バンドパスフィルター31は、測定波長において透過率が第一閾値Q1以上となるピーク波長となり、隣り合う測定波長の間に、透過率が第一閾値Q1未満となるボトム値となる光透過特性を有する。
この場合、校正部362は、V−λデータに基づいてミラーギャップGを各特定波長に設定した際の受光部32での受光量を算出し、当該受光量が最小値となるように、フィードバック制御を実施して、受光量が最小値となった際の駆動電圧を、各特定波長に対する駆動電圧として検出することができる。
[変形例2]
第二実施形態及び第三実施形態では、2つの特定波長に対する受光部32での受光量に基づいて、分光器30の使用環境の変動要素(波長可変干渉フィルター5の傾斜角θや温度T)を求め、当該変動要素に基づいて駆動テーブルを補正したが、これに限定されない。
例えば、第三実施形態において、更に多くの特定波長を設け、これらの複数の特定波長に対するそれぞれの受光量を取得する。そして、例えば、これらの受光量のうちの1つの基準値として、各受光量の受光比を算出し、各受光比を解析処理(例えばフーリエ解析等)することで、V−λデータの補正量を算出してもよい。
[変形例3]
第二実施形態において、第一受光量lと第二受光量lとの受光比Λから傾斜角θを予測したが、これに限られない。
例えば、校正部362は、第一受光量lと、第一校正波長λaに対する理想受光量l0−1とに基づいて、受光比Λ2−1(=l/l0−1)を算出し、第二受光量lと、第二校正波長λbに対する理想受光量l0−2とに基づいて、受光比Λ2−2(=l/l0−2)を算出する。そして、校正部362は、Λ=Λ2−1/Λ2−2により算出してもよい。
[変形例4]
第一実施形態において、第一受光量lと理想受光量lとの受光比Λに基づいて、V−λデータを補正する例を示すが、これに限定されない。例えば、第一受光量lと理想受光量lとの差に対する傾斜角θをメモリー363に記憶しておき、当該差に基づいて、傾斜角を算出してV−λデータを補正してもよい。
[変形例5]
上記実施形態において、ギャップ変更部として静電アクチュエーター56を例示したが、これに限定されない。例えば、第一基板51及び第二基板52の間に圧電アクチュエーターを配置し、圧電アクチュエーターへの印加電圧を制御することで、ミラーギャップ寸法を変更する構成などとしてもよい。
また、第一ミラー54、及び第二ミラー55が容量検出部を構成する例示を示すが、これに限定されない。例えば、第一基板51に、第一ミラー54や第一電極561とは別体の第一容量検出用電極が設けられ、第二基板52に、第一容量検出用電極に対向する第二容量検出用電極が設けられ、これらの第一容量検出用電極及び第二容量検出用電極がそれぞれギャップ検出部34に接続されていてもよい。
[変形例6]
本実施形態では、電子機器として、光学モジュールである分光器30を備えたHMD1を例示したが、これに限定されない。例えば、電子機器としては、光学モジュールである分光器30を備えたプリンター等であってもよい。この場合、プリンターにより印刷媒体に画像を印刷し、印刷された画像を分光器30により測色することで、印刷された画像の色再現性等を測定することができる。また、測定結果に応じて、プリンターの印刷補正(濃度むら補正や、印刷位置補正等)を行うことができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。
1…HMD(電子機器)、5…波長可変干渉フィルター(干渉フィルター)、10…制御部(処理部)、20…画像表示部、30…分光器(光学モジュール)、31…バンドパスフィルター、32…受光部、33…電圧制御部(駆動制御部)、34…ギャップ検出部、35…フィードバック制御部、36…マイコン、37…光源部、38…シャッター、38A…シャッター駆動機構、39…校正基準板、51…第一基板、52…第二基板、54…第一ミラー、55…第二ミラー、56…静電アクチュエーター、361…測定指令部、362…校正部、363…メモリー、A1,A2,A3,A4…波長可変干渉フィルターの分光特性、θ…傾斜角、λa…第一校正波長(特定波長)、λb…第二校正波長(特定波長)、λc…第三校正波長(特定波長)、λQj…ピーク波長(特定波長)、λi…測定波長。

Claims (9)

  1. 互いに対向する一対のミラー、及び電圧印加により前記一対のミラーの間の寸法を所定
    の可変範囲内で変更するギャップ変更部を備えた干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターの光軸上に設けられ、前記可変範囲内に対応する波長域において、
    透過率が局所的極値となる特定波長を有するバンドパスフィルターと、
    前記干渉フィルター及び前記バンドパスフィルターを透過した光を受光する受光部と、
    前記干渉フィルターを透過する光の中心波長に対する前記ギャップ変更部への電圧指令
    値を記録した駆動テーブルが記憶されたメモリーと、
    前記駆動テーブルに基づいて、前記干渉フィルターの駆動を制御する駆動制御部と、を
    備え、
    前記メモリーは、所定の時点で前記駆動テーブルに基づいて前記特定波長に対応する前
    記電圧指令値を前記ギャップ変更部に出力した場合であって、光源からの光が校正基準版
    に照射されて反射した反射光を前記干渉フィルター及び前記バンドパスフィルターを介し
    て前記受光部が受光した場合に前記受光部から取得される第1の受光量を記憶しており、
    前記駆動制御部は、前記所定の時点より後の時点で前記駆動テーブルに基づいて前記特
    定波長に対応する前記電圧指令値を前記ギャップ変更部に出力した場合であって、前記光
    源からの光が前記校正基準版に照射されて反射した反射光を前記干渉フィルター及び前記
    バンドパスフィルターを介して前記受光部が受光した場合に前記受光部から第2の受光量
    を取得し、前記メモリーに記憶された前記第1の受光量と前記第2の受光量とに基づいて
    、前記駆動テーブルを補正する
    ことを特徴とする光学モジュール。
  2. 請求項1に記載の光学モジュールにおいて、
    前記バンドパスフィルターは、前記透過率が第一閾値以上となる第一透過帯域を有し、
    前記特定波長は、前記第一透過帯域内の波長である
    ことを特徴とする光学モジュール。
  3. 請求項1に記載の光学モジュールにおいて、
    前記バンドパスフィルターは、前記透過率が第一閾値以上となる第一透過帯域を有し、
    前記特定波長は、前記第一透過帯域外の波長である
    ことを特徴とする光学モジュール。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光学モジュールにおいて、
    前記特定波長は複数設けられ、
    前記駆動制御部は、前記複数の前記特定波長に対応する複数の前記第1の受光量と、前
    記複数の前記特定波長に対応する複数の前記第2の受光量と、に基づいて、前記駆動テー
    ブルを補正する
    ことを特徴とする光学モジュール。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光学モジュールにおいて、
    前記駆動制御部は、前記第1の受光量と前記第2の受光量に基づいて、前記干渉フィル
    ターの傾斜角を算出し、前記傾斜角に応じて前記駆動テーブルを補正する
    ことを特徴とする光学モジュール。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光学モジュールにおいて、
    前記駆動制御部は、前記第1の受光量と前記第2の受光量とに基づいて、前記干渉フィ
    ルターの温度を算出し、前記温度に応じて前記駆動テーブルを補正する
    ことを特徴とする光学モジュール。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光学モジュールにおいて、
    前記干渉フィルターは、前記一対のミラーの間の静電容量を検出する容量検出部を有し

    前記駆動テーブルは、測定対象波長と当該測定対象波長に対する駆動電圧を記録し、
    前記メモリーは、前記測定対象波長に対する前記一対のミラーの間の前記静電容量を記
    録したフィードバック用データを更に記憶し、
    前記駆動制御部は、補正された前記駆動テーブルに基づいて前記一対のミラーの間の寸
    法を前記特定波長に対応する寸法に変化させた際に、前記容量検出部により検出される前
    記静電容量に基づいて、寄生容量の変化量を算出し、前記寄生容量の変化量に基づいて、
    前記フィードバック用データを補正する
    ことを特徴とする光学モジュール。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光学モジュールと、
    前記光学モジュールを制御し、前記受光部で受光された測定結果に応じた処理を実施す
    る処理部と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  9. 互いに対向する一対のミラー、及び前記一対のミラーの間の寸法を変更するギャップ変
    更部を備えた干渉フィルターと、前記干渉フィルターの光軸上に設けられ、透過率が局所
    的極値となる特定波長を有するバンドパスフィルターと、前記干渉フィルター及び前記バ
    ンドパスフィルターを透過した光を受光する受光部と、を備えた光学モジュールの制御方
    法であって、
    所定の時点で前記干渉フィルターを透過する光の波長に対する前記ギャップ変更部への
    指令値を示す駆動テーブルに基づいて前記特定波長に対応する前記指令値を前記ギャップ
    変更部に出力することで、光源からの光が校正基準版に照射されて反射した反射光を前記
    干渉フィルター及び前記バンドパスフィルターを介して前記受光部が受光した場合に前記
    受光部から第1の受光量を取得することと、
    前記第1の受光量をメモリーに記憶することと、
    前記所定の時点より後の時点で前記駆動テーブルに基づいて前記特定波長に対応する
    記指令値を前記ギャップ変更部に出力することで、前記光源からの光が前記校正基準版に
    照射されて反射した反射光を前記干渉フィルター及び前記バンドパスフィルターを介して
    前記受光部が受光した場合に前記受光部から第2の受光量を取得することと、
    前記メモリーに記憶された前記第1の受光量と前記第2の受光量とに基づいて、前記駆
    動テーブルを補正することと、
    を備えることを特徴とする光学モジュールの制御方法。
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