JP6957309B2 - 測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、液体試料を測定領域に導入し、測定装置にて光学的な測定を行う測定システムに関するものであり、具体的には、液体試料導入後の当該測定領域に存在する気体を検知する技術に関するものである。
従来、液体試料を所定の測定領域に導入し、該液体試料中に含有される測定対象物質に応じた波長の測定光を照射して、その吸光度にて当該測定対象物質の濃度を検出する方法においては、該液体試料中に混入した気泡による検出への影響が問題となっていた。すなわち、液体試料中に気泡が混入している場合、通常、吸光度は低下するが、その吸光度の低下を測定対象物質の濃度が低いものと誤認することが起こり得る。同じように、測定領域への液体試料の流入不足等に起因する流入不良によって、測定領域に液体試料が存在しない箇所があることによる検出への影響が問題となっていた。そのため、気泡が混入しているかどうか、又は流入不良が発生していないかどうかを検知する技術が待望されてきた。たとえば、下記特許文献1では、DNA試料を電気泳動する際、200nm及び260nmの2波長の紫外光を電気泳動中の試料に照射し、両波長の吸光度がいずれも所定の閾値以下に低下した場合、気泡が発生しているものとして、電気泳動を中止する、という技術が開示されている。
特許第3783616号公報
本件特許出願人は、マイクロ測定デバイスを用いて、微細流路に液体試料を導入し、その微細流路の途中で光学的に測定対象物質の検出を試みる技術の開発を行っている。そのような技術においては、導入した試料中に気泡が混入していたり、また、流入不良があった場合に得られる測定結果は不適切なものとなる。また、測定結果に及ぼす影響のみならず、微細流路を気泡が塞いでしまうことで、測定工程そのものを阻害することも懸念される。よって、液体試料中の気泡及び流入不良の検出技術は、このようなマイクロ測定デバイスを用いる測定方法においては必須のものである。
上記の事情に鑑み、本発明は、測定領域中の気泡又は流入不良を確実に検出することで、測定結果及び測定工程への悪影響を除去することを課題とする。
本発明の第1の態様によって提供される測定システムは、液体試料が導入される光透過性の測定領域を備えた測定デバイスと、前記測定デバイスが載置される測定ステージと、2種類の測定波長を含む照射光を前記測定領域に対し照射する照射手段と、前記測定領域が前記照射光に対して複数の測定位置を取るように前記測定ステージを相対的に移動させる移動手段と、前記複数の測定位置ごとに、前記照射光が前記測定領域を透過した後の透過光を受光する受光手段と、前記複数の測定位置ごとに前記2種類の測定波長における前記透過光の光学測定値を演算し、これらの光学測定値に基づき判定値を求める演算手段と、前記複数の測定位置ごとに前記判定値を比較して、前記液体試料導入後の前記測定領域における気体の有無を判断する判断手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記照射手段が照射する「照射光」としては、発散光、平行光又は収束光があり、前記測定領域を含む範囲を照射し得るような光源から発せられる光であれば、その光学的性質は問わない。また、「前記液体試料導入後の前記測定領域における気体」とは、液体試料に混入したことで測定領域に存在している気泡や、液体試料が試薬と反応して発生したことで測定領域に存在している気泡や、あるいは液体試料の流入不足等の流入不良によって測定領域に残ってしまっている空気を包含する概念である。
前記照射光が前記測定領域に至ると、当該測定領域に存在する物質による吸収を受ける。この吸収を受けた後に当該測定領域を透過し、前記受光手段が受光した透過光について、前記2種類の測定波長ごとに光学測定値が前記演算手段により演算される。ここで、光学測定値とは、当該透過光について何らかの光学的な測定を行って得られた値をいい、たとえば、当該透過光の強度や光量の値であってもよいし、このような値を演算して二次的に導出される値(たとえば吸光度)であってもよい。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記2種類の測定波長は、前記液体試料に含有される測定対象物質に応じた主波長及び副波長であるとともに、前記演算手段は、前記主波長における光学測定値と前記副波長における光学測定値との差を前記判定値として求める。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の測定位置は、前記照射光の光軸が前記測定領域の中心と一致する中心位置と、前記中心位置とは異なる2箇所の偏心位置であるとともに、前記判断手段は、前記中心位置及び前記2箇所の偏心位置の計3箇所の測定位置のうち、いずれか2箇所について前記判定値の差の絶対値が所定の範囲を外れているか否かによって前記測定領域における気体の有無を判断する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記演算手段は前記透過光の光学測定値に基づいて吸光度を演算し、前記吸光度の値に基づき前記判定値を求める。
ここで、吸光度とは、前記照射光が前記測定領域に存在する物質によって吸収された度合いを表すものであり、照射光の強度と透過光の強度との比の常用対数の値の絶対値を表したものである。
この際、前記演算手段は、前記主波長における吸光度と前記副波長における吸光度との差を前記判定値として求めることとしてもよい。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記測定デバイスは、前記液体試料が導入される試料導入孔と、前記試料導入孔と前記測定領域とを連絡する試料導入路と、前記測定領域から空気を抜くために外部へ開口する排気孔と、前記測定領域と前記排気孔とを連絡する排気路と、を有する。
光学的な測定領域に気体が存在する場合、気体が存在する位置によっては、気体の存在が光学的に検出できないことも考えられる。そのため、本発明の上記態様では、測定領域中の複数箇所(望ましくは、3箇所)で測定を行うこととしているが、測定箇所による吸光度に差が出ることもあり得る。そのため、さらに各測定箇所において2波長の吸光度を測定し、それら吸光度の演算結果を当該複数箇所間で比較することで、測定箇所の違いによる吸光度の差を相殺することとしている。
以上により、測定領域中の気泡を確実に検出することで、測定結果及び測定工程への悪影響を除去することが可能となっている。
本発明の実施の形態に係る測定システムを模式的に示す。 図1の測定システムに用いられる測定デバイスを模式的に示した斜視図である。 図1の測定システムにおいて光軸が中心位置にある場合を模式的に示す。 図1の測定システムにおいて光軸が前方偏心位置にある場合を模式的に示す。 図1の測定システムにおいて光軸が後方偏心位置にある場合を模式的に示す。 測定領域において気泡がない場合(A)及び気泡が中心位置付近の辺縁にある場合(B)を例示する。 図4(A)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値をグラフで示す。 図4(B)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値をグラフで示す。 測定領域において、前方から中心にかけて大きな気泡が2つある場合(A)、前方に小さな気泡及び後方に比較的大きな気泡がある場合(B)、後方に比較的大きな気泡がある場合(C)、後方に比較的小さな気泡がある場合(D)、(C)よりもやや中心位置寄りに気泡がある場合(E)並びに後方に(D)よりも小さな気泡がある場合(F)をそれぞれ例示する。 図6(A)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値をグラフで示す。 図6(B)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値をグラフで示す。 図6(C)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値をグラフで示す。 図6(D)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値をグラフで示す。 図6(E)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値をグラフで示す。 図6(F)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値をグラフで示す。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、以下の記載で言及される各部材の構造及び材質はあくまでも例示であって、本発明はそれらに限定されないことはいうまでもない。
本発明の実施の形態に係る測定システム10は、図1に示すように、液体試料が導入される光透過性の測定領域60を備えた測定デバイス50と、前記測定デバイス50が載置される測定ステージ21と、2種類の測定波長を含む照射光B(図3A参照)を前記測定領域60に対し照射する照射手段23と、前記測定領域60が前記照射光Bに対して複数の測定位置(図3A〜図3C参照)を取るように前記測定ステージ21を相対的に移動させる移動手段91と、前記複数の測定位置ごとに、前記照射光が前記測定領域を透過した後の透過光を受光する受光手段26と、前記複数の測定位置ごとに前記2種類の測定波長における前記透過光の光学測定値を演算しさらにこの光学特定値に基づき吸光度を演算して判定値を求める演算手段92と、前記複数の測定位置ごとに前記判定値を比較して、前記液体試料導入後の前記測定領域60における気体(たとえば、図4及び図6における気泡65)の有無を判断する判断手段93と、を備える。
なお、図3A〜図3Cでは照射光Bとして発散光を例示しているが、平行光又は収束光であってもよい。前記演算手段92は透過光に基づいて吸光度を演算する。前記吸光度は前記液体試料によって吸収された照射光の度合いを演算した結果であり、測定する受光手段26には汎用的な分光光度計を吸光度の測定手段として使用できる。なお、吸光度は照射光Bの強度と透過光Tの強度との比の常用対数の値の絶対値を表したものであるが、後述するように2種類の測定波長における透過光Tの値を演算して判定値を求める本発明では、吸光度ではなく単純に透過光Tの強度の値そのものを示すこともできる。以下においては、吸光度を求めた場合を例に説明する。
なお、前記移動手段91、前記演算手段92及び前記判断手段93は、前記測定ステージ21、前記照射手段23及び前記受光手段26を備える測定装置20の制御全般を担う制御部90の一部として構成される。前記制御部90は実際には、前記測定装置20を制御するコンピュータを構成するCPUが所定の処理プログラムを実行することにより実現されるものである。
なお、前記2種類の測定波長は、前記液体試料に含有される測定対象物質に応じた主波長及び副波長である。主波長は測定対象物質によって吸収される波長であることが望ましく、副波長はそうでない波長であることが望ましい。前記演算手段92は、前記主波長における吸光度と前記副波長における吸光度とについて所定の演算を行って判定値を算出する。前記判定値は、前記主波長における吸光度と前記副波長における吸光度との差であることが望ましい。この場合、前記演算手段92は、前記主波長における吸光度と前記副波長における吸光度との差を判定値として求める演算を行うことになる。
なお、上述のように光学測定値として単純に透過光Tの強度の値そのものとする場合、前記判定値は、前記主波長における光学測定値と前記副波長における光学測定値との差とすればよい。
さらに、この演算は差を求めることに限られず、測定対象物質の種類や性質に応じて、たとえば比率(たとえば、主波長における吸光度を副波長における吸光度で除した商)を求めるなど、適宜演算の方法を設定することとしてもよい。
また、吸光度は上記したように主波長と副波長との2波長に限定して測定される必要はなく、3波長以上で測定することとしてもよい。
測定デバイス50は、図2に示すように、長尺の略長方形状の合成樹脂製の基材51の先端に測定部52が装着された構造を有する。測定部52は、複数の薄層フィルムが重ね合わされて形成され、液体試料が導入される試料導入孔70と、この試料導入孔70から液体試料が流入する測定領域60と、その流入の際に、該測定領域60の内部にあった空気を抜くための排気孔75とが設けられている。なお、以下の説明では、この測定デバイス50の長手方向について、測定部52が位置する方向を前方とし、その反対方向を後方としている。
基材51には、測定領域60を透過する照射光Bを下方へ透過させるための図示しない透光孔が設けられている。この透光孔は、測定領域60と同形同大で、平面視で同一位置に設けられる。
測定領域60は、透光性の透明フィルムで上下を画されている。
試料導入孔70は、上方が開放しているとともに、図示しない試料導入路で測定領域60と連絡している。
排気孔75は、上方が開放しているとともに、図示しない排気路で測定領域60と連絡している。
上記の構造によって、試料導入孔70に導入された液体試料は、試料導入路を通って測定領域60に入る。そして、この測定領域60に存在していた空気は、排気路を通って、外部に開口している排気孔75から排出される。なお、その際、測定領域60から排出しきれなかった空気は気泡65として残る。その他、液体試料に元々混入していた気泡や、測定領域60内で液体試料が所定の試薬と反応した際に生じた気泡も、測定領域60内に滞留した気泡65となり得る。
図3A〜図3Cは、本実施の形態の測定システムにおける測定位置を示すものである。
まず、図3Aは、照射手段23から測定領域60に対して垂直に照射された照射光Bの光軸Xが、測定領域60の中心と一致する「中心位置」にある状態を示す。この状態では、図中右上囲み内の平面視に示すように、照射領域Rが測定領域60の全体に一致している状態を示している。なお、照射領域Rは測定領域60の全体を照射していれば、測定領域60より広い範囲を照射していてもよい。少なくとも「中心位置」では測定領域60全体を照射手段23が照射することが必要である。この状態では照射光Bは特に何物にも妨げられることなく、測定領域60を透過した透過光Tは測定ステージ21において測定領域60の下方に設けられた開口部22を通り、さらに測定ステージ21の下方に位置する光通過手段24の通過孔25を経て受光手段26に受光される。
ここで、この照射光Bは好ましくは発散光であり、前記開口部22に到達した段階における照射範囲は前記照射領域Rより広くなるが、下方へ透過される部分である透過光Tは前記開口部22で妨げられなかった部分に限られる。
このように照射手段23から照射する照射光Bとして発散光を使用する場合、少なくとも主波長と副波長の波長域を有した広い波長域を含んだ光となる。発散光とは指向性の少ない光であり、照射手段23から発散して光が広がるため、前記開口部22に到達した際には前記開口部22より広い照射領域Rとなる。すなわち開口部22は発散した発散光が照射する領域を制限し、一定の領域のみを通過させる機能となる。
一方、透過光Tを受光する受光手段26においては、光通過手段24としてたとえばアパーチャ等が利用される。換言すると、光通過手段24は、アパーチャとしての通過孔25を有する。この通過孔25は、前記開口部22を通過した透過光Tを受光手段26が受光する際の受光の枠を決定する機能を有する。この通過孔25を通過した透過光Tが、たとえば受光センサ等の受光手段26によって受光され、演算手段92等により光学測定値(そしてそれに基づく吸光度)が演算される。このとき測定領域60及び開口部22と、光通過手段24の通過孔25とは同程度の口径の領域であり、いずれも受光手段26に至る透過光Tの領域を規定するものである。また、たとえば、バンドパスフィルターを利用し、まずは主波長の光を通過するフィルタによって捕らえられた主波長の光を受光手段26で受光し、次に副波長の光を通過するフィルタに移動等によって変更し、捕らえられた副波長の光を同じ受光手段26で受光する構成とすることもできる。
なお、前記照射手段23が照射する照射光Bが平行光や収束光(たとえばレーザー光)等、発散光ではない場合であっても、その照射する範囲を前記開口部22より広く設定することができれば、このような平行光や収束光等を発する光源も本実施の形態の照射手段23として使用することが可能である。ただし、収束光の場合、測定領域60の前後が焦点となるように照射光Bを調整する必要がある。
照射光Bとして平行光を使用する場合、少なくとも主波長と副波長の波長域を有した広い波長域を含むが、前記した発散光とは光が発散せずに平行になる点で相違する。そのため、受光装置ではバンドパスフィルターを利用することが特に好ましいが、その構成は発散光と同様にすることができる。
照射光Bとして収束光であるレーザー光を使用する場合、照射手段23として、主波長のレーザー光を照射する光源と、副波長のレーザー光を照射する光源との2種類が必要となる。この場合、両方のレーザー光で測定領域60の同じ領域を照射する必要があるので、回転構造(ターレット式)に照射する光源を順次変更し、照射することが望ましい。なお、一方、一般的なレーザー光は短い波長範囲であるため、受光手段26ではフィルタを省略することができる。また、受光手段26として、主波長及び副波長のそれぞれに対応した受光装置を設け、同じように回転構造を採用することもできる。
図3Bは、照射手段23から照射された照射光Bの光軸Xが、上記「中心位置」より前方にずれた「前方偏心位置」にある状態を示す。この状態では、図中右上囲み内の平面視に示すように、照射領域Rが測定領域60に対して前方へずれている。この状態では照射光Bの一部は測定領域60の前方側の辺縁に妨げられる。そして、照射光Bのうちでこのように妨げられなかった後方の部分のみが透過光Tとして測定ステージ21の開口部22を通り、さらに光通過手段24の通過孔25を経て受光手段26に受光される。
図3Cは、照射手段23から照射された照射光Bの光軸Xが、上記「中心位置」より後方にずれた「後方偏心位置」にある状態を示す。この状態では、図中右上囲み内の平面視に示すように、照射領域Rが測定領域60に対して後方へずれている。この状態では照射光Bの一部は測定領域60の後方側の辺縁に妨げられる。そして、照射光Bのうちでこのように妨げられなかった前方の部分のみが透過光Tとして測定ステージ21の開口部22を通り、さらに光通過手段24の通過孔25を経て受光手段26に受光される。
なお、「前方偏心位置」及び「後方偏心位置」を合わせて「偏心位置」という。この状態では照射光Bの一部は測定領域60の一部の辺縁に妨げられる。そして、照射光Bのうちでこのように妨げられなかった部分のみが透過光Tとして測定ステージ21の開口部22を通り、さらに光通過手段24の通過孔25を経て受光手段26に受光される。なお、「偏心位置」の位置は「前方偏心位置」及び「後方偏心位置」の2箇所に限定されず、上述の照射光Bのうちの一部が辺縁に妨げられ、残りの部分のみが透過光Tとして受光手段26に受光されるのであれば、任意の位置を選択でき、また3箇所以上としてもよい。
なお、本実施の形態では照射手段23から発せられた照射光Bは測定領域60に対し光軸が垂直になるように照射されているが、測定領域60に対しある程度の角度をもって照射され、測定領域60の下面で反射した反射光が受光手段26に受光されるようにしてもよい。
ここで、測定ステージ21は、前記移動手段91によって前記測定デバイス50の長手方向に沿って移動可能となっている。
まず、液体試料が導入された測定デバイス50は、測定ステージ21にセットされた初期状態では、その前方の端が照射光Bに照射されていない位置にある。この位置から測定ステージ21は前方へ移動し、図3Bに示す前方偏心位置でまず吸光度が測定される。次いでさらに前方へ移動して、図3Aに示す中心位置でさらに吸光度が測定される。そしてさらに前方へ移動して、図3Cに示す後方偏心位置でも吸光度が測定される。
ここで、前記複数の測定位置は、上記したように、前記照射光Bの光軸Xが前記測定領域60の中心と一致する中心位置と、前記中心位置とは異なる2箇所の偏心位置である。この場合、前記判断手段93は、前記中心位置及び前記2箇所の偏心位置の計3箇所の測定位置のうち、いずれか2箇所について前記判定値の差の絶対値が所定の範囲を外れているか否かによって前記測定領域60における気泡の有無を判断することが望ましい。換言すると、前記判定値の差の絶対値が所定の範囲を外れている場合に、前記測定領域60に気泡が存在する、と判断することが望ましい。
なお、測定位置は上記した3箇所に限定されず、さらにその中間的な位置でも測定を行うこととしても差し支えない。また、上記したように、固定された照射手段23に対して前記移動手段91によって測定ステージ21が移動するような態様に限らず、測定ステージ21が固定されていて照射手段23が前記移動手段91によって移動するような態様も可能である。
さらに、前記移動手段91による測定ステージ21の相対的な移動は、上述したような測定デバイス50の長手方向に沿った一次元の移動に限られず、この方向に水平面上で垂直な方向も加えた二次元の移動も行うようにすることとしてもよい。
以下、実際の測定の例を挙げる。
本実施例では、液体試料として、青色染料(食用青色1号、東京化成)を溶解した水を調整し、これを前記測定デバイスに導入したものを用いた。測定デバイスにおける測定領域の直径は約2.5mmであり、前方偏心位置及び後方偏心位置は中心位置からそれぞれ2.0mm前方及び後方にずれた位置とした。
上記した前方偏心位置、中心位置及び後方偏心位置のそれぞれについて、主波長を610nm及び副波長を660nmに設定して吸光度を測定した。
まず、図4に示すように、気泡のない状態(A)と、中心付近の辺縁に大きな気泡がある状態(B)とを測定した。なお、本図及び後述の図6において、図中の上方が前方で、下方が後方である。
下記表1は、図4(A)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値を示したものである。
Figure 0006957309
なお、上記表1においては、前方偏心位置を「偏心(前)」と表記し、後方偏心位置を「偏心(後)」と表記している。また、再右欄に示す「差の絶対値」は、上段が前方偏心位置と中心位置とにおける判定値の差の絶対値、中段が中心位置と後方偏心位置とにおける判定値の差の絶対値、及び、下段が後方偏心位置と前方偏心位置とにおける判定値の差の絶対値である。以上は、後述の表2〜表8についても同じである。
図5Aは、上記表1に示す各吸光度及び判定値をグラフで示したものである。なお、本図及び図5B並びに後述の図7A〜図7Fにおいても、前方偏心位置を「偏心(前)」と表記し、後方偏心位置を「偏心(後)」と表記している。
まず、一般論として、主波長及び副波長ともに、前方偏心位置及び後方偏心位置では開口部22を透過する透過光Tの光量は中心位置における光量よりも少ない。そのため、前方偏心位置及び後方偏心位置では、中心位置よりも吸光度が高くなり、その結果グラフはV字状を呈することとなっている。そして、図4(A)のように測定領域に気泡のない状態では主波長及び副波長の吸光度の差で定義される判定値はほぼ一定の値を示し、各測定位置間での判定値の差の絶対値は、最大でも上記表1に示すように0.0123と、ほとんど認められなかった。
一方、下記表2は、図4(B)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値を示したものである。
Figure 0006957309
図5Bは、上記表2に示す各吸光度及び判定値をグラフで示したものである。これらが示すように、気泡により中心位置における主波長の吸収が妨げられ、それにより吸光度が低くなっている。一方、副波長はさほどの影響を受けておらず、図5Aとほぼ同じである。これにより、気泡の存在している中心位置での判定値が低下することとなって、各測定位置間での判定値の差の絶対値は上記表2に示すように最大0.3467と顕著であった。
次に、図6に示すような、様々な位置に様々な大きさの気泡が測定領域に存在する場合について検証した。
下記表3は、前方から中心にかけて大きな気泡が2つある図6(A)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値を示したものである。
Figure 0006957309
図7Aは、上記表3に示す各吸光度及び判定値をグラフで示したものである。この例では、気泡の存在が顕著な前方偏心位置及び中心位置における主波長の吸光度の低下が著しく、結果としてこれらの位置での判定値が低下することとなった。そして、判定値の差の絶対値は上記表3に示すように最大0.3519と顕著であった。
下記表4は、前方に小さな気泡及び後方に比較的大きな気泡がある図6(B)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値を示したものである。
Figure 0006957309
図7Bは、上記表4に示す各吸光度及び判定値をグラフで示したものである。この例ではより大きな気泡が存在している後方偏心位置で主波長の吸光度の低下が見られ、中心位置でもやや低下が見られ、結果としてこれらの位置での判定値が低下している。そして、判定値の差の絶対値は上記表4に示すように最大0.1384であった。
下記表5、表6及び表7はいずれも、後方に気泡がある図6(C)、(D)及び(E)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値をそれぞれ示したものである。
Figure 0006957309
Figure 0006957309
Figure 0006957309
図7C、図7D及び図7Eは、それぞれ上記表5,表6及び表7に示す各吸光度及び判定値をグラフで示したものである。これらの例ではいずれも気泡が存在する後方偏心位置での判定値が最も低下している。そして、判定値の差の絶対値で最大のものは、それぞれ0.2782(図7C、表5)、0.0845(図7D、表6)及び0.1922(図7E、表7)であった。
以上より、前方偏心位置、中心位置及び後方偏心位置における判定値のグラフが明らかに折れ線状を呈している場合は、気泡が存在しているものと認められる。そして、最高の判定値と最低の判定値との差の絶対値としては、0.05が気泡の存在を認めるための閾値として妥当と考えられる。
なお、中心よりも後方寄りに小さな気泡が存在していた図6(F)における測定位置ごとの主波長及び副波長の吸光度並びに判定値は、下記表8の通りである。
Figure 0006957309
そして、判定値の差の絶対値は上記表8に示すように最大0.0679であったが、上記表8に示す各吸光度及び判定値をグラフで示した図7Fでは、判定値のグラフは明確な折れ線を呈してはいなかった。これは、気泡の存在する位置が、中心と後方の端とのちょうど中間付近に相当するため、吸光度にさほどの影響を及ぼさなかったものと推測される。よって、小さな気泡も検出しようとする場合は、測定位置を、前方偏心位置と中心位置との間、及び、中心位置と後方偏心位置との間、必要であればそれ以上の箇所にも設定することが有効であると思われる。
以上で言及した各グラフを通してみても、副波長の吸光度は気泡の有無によってほぼ変動がないことが認められた。これは、副波長は、液体試料中の測定対象物質には吸収されない波長として選択されているためである。このように、副波長は、測定対象物質に吸収されず、その結果として気泡の有無によっても吸光度がほぼ変動しない、つまり気泡によって吸光度の低下が起こらないような波長を選択することが望ましい。
ここで、図5及び図7に示すように、主波長のデータだけでは、いずれもV字のグラフを呈しているため、グラフの形状のみでは気泡の有無を判断することは困難である。そこで、先述のように「判定値」という概念を導入することとした。そして、この判定値のグラフが図5Aのようにほぼ一直線で判定値の差が小さければ気泡がないと判断することとができ、図5B及び図7A〜Eのように折れ線を呈していれば気泡があると判断することができるようになった。
なお、前記図4及び図6はいずれも気泡65の有無を問題としていたが、測定領域60への液体試料の流入不良によって測定領域60の一部又は全部に液体試料が存在しない場合、すなわち、測定領域60の一部又は全部に気体(空気)が存在している場合にも、上記と同様に、各測定位置ごとの判定値を比較することでこれを検出することが可能である。
本発明は、液体試料を測定領域に導入し、測定装置にて光学的な測定を行う測定システムに利用可能である。
10 測定システム
20 測定装置
21 測定ステージ
22 開口部
23 照射手段
24 光通過手段
25 通過孔
26 受光手段
50 測定デバイス
51 基材
52 測定部
60 測定領域
65 気泡
70 試料導入孔
75 排気孔
90 制御部
91 移動手段
92 演算手段
93 判断手段
B 照射光
R 照射領域
T 透過光
X 光軸

Claims (3)

  1. 液体試料が導入される光透過性の測定領域を備えた測定デバイスと、
    前記測定デバイスが載置される測定ステージと、
    2種類の測定波長を含む照射光を前記測定領域に対し照射する照射手段と、
    前記測定領域が前記照射光に対して複数の測定位置を取るように前記測定ステージを相対的に移動させる移動手段と、
    前記複数の測定位置ごとに、前記照射光が前記測定領域を透過した後の透過光を受光する受光手段と、
    前記複数の測定位置ごとに前記2種類の測定波長における前記透過光の光学測定値を演算し、これらの光学測定値に基づき判定値を求める演算手段と、
    前記複数の測定位置ごとに前記判定値を比較して、前記液体試料導入後の前記測定領域における気体の有無を判断する判断手段と、
    を備え
    前記2種類の測定波長は、前記液体試料に含有される測定対象物質に応じた主波長及び副波長であるとともに、
    前記演算手段は、前記主波長における光学測定値と前記副波長における光学測定値との差を前記判定値として求め、
    前記複数の測定位置は、前記照射光の光軸が前記測定領域の中心と一致する中心位置と、前記中心位置とは異なる2箇所の偏心位置であるとともに、
    前記判断手段は、前記中心位置及び前記2箇所の偏心位置の計3箇所の測定位置のうち、いずれか2箇所について前記判定値の差の絶対値が所定の範囲を外れているか否かによって前記測定領域における気体の有無を判断することを特徴とする測定システム。
  2. 前記演算手段は前記透過光の光学測定値に基づいて吸光度を演算し、前記吸光度の値に基づき前記判定値を求める請求項1に記載の測定システム。
  3. 前記測定デバイスは、
    前記液体試料が導入される試料導入孔と、
    前記試料導入孔と前記測定領域とを連絡する試料導入路と、
    前記測定領域から空気を抜くために外部へ開口する排気孔と、
    前記測定領域と前記排気孔とを連絡する排気路と、
    を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測定システム。
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