以下、図面を参照して、所定方向に携帯情報端末等の外部機器の接続端子を押し付けることにより外部機器の接続端子と電気的に接続する押し付け型のコネクタを例に挙げて説明する。図1は、第1の実施の形態に係るコネクタの外観を示す斜視図である。この第1の実施の形態に係るコネクタ10は、図1に示すように、ベース体2、保護部材3、シェル4、接触子6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h、及びグランド接触子8a,8b,8c,8d,8e,8fを備えている。
なお、以下の説明においては、図1に示すXYZ直交座標系を設定し、この直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係等について説明する。Y軸は、グランド接触子8a、接触子6a,6b、グランド接触子8b、接触子6c,6d及びグランド接触子8cが配列される方向に平行となるように設定されている。Z軸は、外部機器100(図6参照)をコネクタ10に押し付ける方向と平行となるように設定されている。X軸は、YZ平面に直交する方向に設定されている。また、第2接触子群9b(図4参照)側が+X方向及び第1接触子群9a(図4参照)側が−X方向となるように、グランド接触子8a,8d側が+Y方向及びグランド接触子8c,8f側が−Y方向となるように、コネクタ10に外部機器100を押し付ける方向が−Z方向及びコネクタ10から外部機器100を引き離す方向が+Z方向となるように設定されている。
ベース体2は、絶縁性を有する部材、例えば樹脂から成り、図1に示すように、接触子6a〜6h及びグランド接触子8a〜8fを収容する保護部材3を収容する。図2は、ベース体2の構成を示す図である。図2に示すように、ベース体2の上側(+Z方向側)の面には、+Z方向に保護部材3を突出させる矩形状の第1開口部2aが形成されている。第1開口部2aには、図1に示すように、保護部材3がベース体2の上側の面から突出した状態で配置されている。
また、ベース体2の右側(+X方向側)の下方の面には、挿通孔23d、19e,19f,23e,19g,19h,23fがY方向に沿って一列に形成されている。挿通孔19e〜19hは同軸ケーブル18e〜18h(図1参照)を挿通させるための孔であり、挿通孔23d〜23fはグランド用同軸ケーブル17d〜17f(図1参照)を挿通させるための孔である。同様に、ベース体2の左側(−X方向側)の下方の面には、図示しない7つの挿通孔がY方向に沿って一列に形成されている。7つの挿通孔のうちの4つは同軸ケーブル18a(図5参照)及び図示しない3本の同軸ケーブルを挿通させるための孔であり、他3つはグランド用同軸ケーブル17a(図10参照)及び図示しない2本のグランド用同軸ケーブルを挿通させるための孔である。
保護部材3は、絶縁性を有する部材、例えば樹脂から成り、接触子6a〜6h及びグランド接触子8a〜8fを+Z方向側から覆うことにより接触子6a〜6hの接点部5a〜5h(図4参照)及びグランド接触子8a〜8fのグランド接点部7a〜7f(図4参照)を保護する。保護部材3は、Z方向において移動可能に構成されている。図3は、保護部材3の構成を示す図である。図3に示すように、保護部材3の上側(+Z方向側)の面には、8つの円形状の第2開口部12a〜12h、6つの長丸形状の第3開口部14a〜14f及び細長い矩形状の貫通孔16が形成されている。第3開口部14a、第2開口部12a,12b、第3開口部14b、第2開口部12c,12d、及び第3開口部14cは、−X方向側にY方向に沿って一列に形成されている。また、第3開口部14d、第2開口部12e,12f、第3開口部14e、第2開口部12g,12h、及び第3開口部14fは、+X方向側にY方向に沿って一列に形成されている。第2開口部12a〜12hは、+Z方向に接触子6a〜6hの接点部5a〜5hを突出させる。第3開口部14a〜14fは、+Z方向にグランド接触子8a〜8fのグランド接点部7a〜7fを突出させる。
貫通孔16は、第2開口部12a〜12dと第2開口部12e〜12hとの間でY方向に延びた細長い矩形状の孔であって、保護部材3の上側(+Z方向側)の面から下側(−Z方向側)の面に向けて形成されている(図5参照)。貫通孔16には後述する金属プレート32(図5参照)が配置されており、保護部材3が−Z方向に移動した際、貫通孔16から金属プレート32が+Z方向に突出する。
また、保護部材3の右側(+X方向側)の下方の面には、挿通孔25d、20e,20f,25e,20g,20h,25fがY方向に沿って一列に形成されている。挿通孔20e〜20hは同軸ケーブル18e〜18hを挿通させるための孔であり、挿通孔25d〜25fはグランド用同軸ケーブル17d〜17fを挿通させるための孔である。同様に、保護部材3の左側(−X方向側)の下方の面には、図示しない7つの挿通孔がY方向に沿って一列に形成されている。7つの挿通孔のうちの4つは同軸ケーブル18a(図5参照)及び図示しない3本の同軸ケーブルを挿通させるための孔であり、他3つはグランド用同軸ケーブル17a(図10参照)及び図示しない2本のグランド用同軸ケーブルを挿通させるための孔である。シェル4は、導電性を有する部材、例えば金属から成り、図1に示すように、ベース体2を覆っている。
図4は、接触子6a〜6h、グランド接触子8a〜8f及び金属プレート32の配列位置を示す図である。図4に示すように、コネクタ10には、複数(この実施の形態においては8つ)の接触子6a〜6hが設けられている。接触子6eは、外部機器100の接続端子102(図6参照)と接続する接点部5eを有している。同様に、接触子6a〜6d,6f〜6hのそれぞれは、外部機器100の図示しない接続端子と接続する接点部5a〜5d,5f〜5hを有している。接触子6a,6b及び接触子6c,6dは−X方向側であってY方向に沿って隣り合って配置されており、接触子6e,6f及び接触子6g,6hは+X方向側であってY方向に沿って隣り合って配置されている。なお、接点部5a〜5hは、外部機器100が+Z方向側から押し付けられた場合に外部機器100の接続端子102等と接触する。
また、コネクタ10には、複数(この実施の形態においては6つ)のグランド接触子8a〜8fが設けられている。グランド接触子8a〜8fのそれぞれは、外部機器100の図示しないグランド端子とグランド接続するグランド接点部7a〜7fを有している。グランド接触子8a,8bは2つの接触子6a,6bを、グランド接触子8b,8cは2つの接触子6c,6dを、グランド接触子8d,8eは2つの接触子6e,6fを、グランド接触子8e,8fは2つの接触子6g,6hを挟んで配置されている。グランド接触子8a〜8fは、グランドとしての機能を強化させるために、ZX平面において接触子6a〜6hよりX方向に幅広に形成されている。なお、グランド接点部7a〜7fは、外部機器100が+Z方向側から押し付けられた場合に外部機器100の図示しないグランド端子と接触する。
コネクタ10は、図4に示すように、グランド接触子8a、接触子6a,6b、グランド接触子8b、接触子6c,6d、及びグランド接触子8cの順に+Y方向から−Y方向に向けて一列に配列された第1接触子群9aを有している。また、コネクタ10は、グランド接触子8d、接触子6e,6f、グランド接触子8e、接触子6g,6h、及びグランド接触子8fの順に+Y方向から−Y方向に向けて一列に配列された第2接触子群9bを有している。第1接触子群9aは−X方向側に、第2接触子群9bは+X方向側に配置されている。
図5は、接触子6a,6eとグランド接触子8a,8dとの間のZX断面を+Y方向側から視た図であり、図6は、図5に示す断面図の+X方向側の拡大図である。図6に示すように、接触子6eには、同軸ケーブル18eの芯線26eが半田付け等により接続されている。同軸ケーブル18eは、芯線26e、芯線26eを覆う内部絶縁体27e、内部絶縁体27eを介して芯線26eを覆う導電体から成るシールド部材28e、シールド部材28eを覆う外部絶縁体29eにより構成されている。同軸ケーブル18eは、接触子6eと保護部材3の挿通孔20e(図3参照)の−X方向側の挿通口との間で、後述する保持部材22eがZ方向において移動する長さ分、同軸ケーブル18eを撓ませた状態で保護部材3の挿通孔20eに固定されている。また、同軸ケーブル18eには、固定部材34eが取り付けられており、固定部材34eは、挿通孔19eの−X方向側の挿通口を塞いでベース体2に固定されている。固定部材34eは、保護部材3の挿通孔20eの+X方向側の挿通口と固定部材34eとの間で、保護部材3がZ方向において移動する長さ分、同軸ケーブル18eを撓ませた状態で同軸ケーブル18eに取り付けられ、ベース体2に固定されている。
また、図6に示すように、ベース体2及び保護部材3により形成される内部空間には、グランド端子21e、絶縁体より成る保持部材22e、導電体より成る弾性部材24e、金属プレート32が設けられている。
図7は、グランド端子21eの構成を示す図である。グランド端子21eは保持部材22eに保持されており、グランド端子21eの+Z方向側に位置する曲面30は、同軸ケーブル18eのシールド部材28eを把持している。また、グランド端子21eの−Z方向側に位置する下面31は、弾性部材24eと常時接触している。即ち、同軸ケーブル18eのシールド部材28eと弾性部材24eとは、グランド端子21eを介して電気的に接続されている。
図8は、保持部材22e、接触子6e及びグランド端子21eの構成を示す図である。保持部材22eは、接触子6e及びグランド端子21eを保持しており、Z方向に移動可能である。即ち、接触子6eは保持部材22eの移動とともにZ方向に移動し、接触子6eの接点部5eのZ方向における位置も変動する。接触子6e及び保持部材22eは、+Z方向においては保護部材3の第2開口部12e周りの裏面に保持部材22eの上面40が係止されるまで移動することができ、−Z方向においては接点部5eが保護部材3の上側の表面と略同一面に位置するまで移動可能である。
弾性部材24eは、導電性を有する部材から成り、金属プレート32と一体に形成されている。即ち、弾性部材24eは、金属プレート32を介してグランドに接続されている。また、弾性部材24eの下部は、ベース体2の被保持面2cに保持されており、弾性部材24eの上部は、グランド端子21eの下面31に常時接触している。即ち、弾性部材24eは、グランド端子21eを介してグランドに接続されている。弾性部材24eは、接触子6eとは別体に形成されており、グランド端子21e及び保持部材22eを介して接触子6eを+Z方向に押している。
金属プレート32は、第1接触子群9aと第2接触子群9bとの間であって、保護部材3の中央部に形成されている貫通孔16に配置されており、−Z方向側の辺がベース体2に固定されている。図9は、金属プレート32の構成を示す図である。金属プレート32は、−X方向側の面が第1接触子群9aに、+X方向側の面が第2接触子群9bに向いており、第1接触子群9aと第2接触子群9bとを遮蔽する。また、金属プレート32は、弾性部材24a(図5参照),24e〜24h、後述する弾性部材48a,48d〜48f及び図示しない5つの弾性部材と一体に形成されている。弾性部材48a,24a,図示しない5つの弾性部材は、金属プレート32の−X方向側の面に形成されており、弾性部材48d〜48f,24e〜24hは、金属プレート32の+X方向側の面に形成されている。即ち、弾性部材24a,24e〜24h、後述する弾性部材48a,48d〜48f及び図示しない5つの弾性部材は、金属プレート32を介して電気的に接続されている。
金属プレート32は、保護部材3が−Z方向に移動する前においては貫通孔16から突出せずに貫通孔16内に埋没しており、保護部材3が−Z方向に移動した際には貫通孔16から突出する。また、外部機器100が保護部材3を押し付け、保護部材3が−Z方向に移動すると、金属プレート32は、外部機器100の金属プレート挿入部104に挿入され、導電体より成るグランド用端子106と接触する。なお、金属プレート32は、保護部材3が−Z方向に移動する前において、保護部材3の上側の表面と略同一面に位置していてもよく、または貫通孔16から突出していてもよい。
なお、図5に示す接触子6a、同軸ケーブル18a、固定部材34a、グランド端子21a、保持部材22a及び弾性部材24aの構成は、コネクタ10の短手方向の中心線を線対称として、接触子6e、同軸ケーブル18e、固定部材34e、グランド端子21e、保持部材22e及び弾性部材24eの構成と同一である。また、コネクタ10は、接触子6b〜6d、接触子6b〜6dのそれぞれに接続される図示しない3つの同軸ケーブル、図示しない3つの同軸ケーブルに取り付けられている図示しない3つの固定部材、図示しない3つの同軸ケーブルのシールド部材のそれぞれに接続される図示しない3つのグランド端子、接触子6b〜6dのそれぞれを保持する図示しない3つの保持部材、及び接触子6b〜6dのそれぞれを+Z方向に押す図示しない3つの弾性部材を備えている。これらの構成は、接触子6a、同軸ケーブル18a、固定部材34a、グランド端子21a、保持部材22a及び弾性部材24aの構成と同一である。また、コネクタ10は、接触子6f〜6h、接触子6f〜6hのそれぞれに接続される図示しない3つの同軸ケーブル、図示しない3つの同軸ケーブルに取り付けられている図示しない3つの固定部材、図示しない3つの同軸ケーブルのシールド部材のそれぞれに接続される図示しない3つのグランド端子、接触子6f〜6hを保持する図示しない3つの保持部材及び接触子6f〜6hのそれぞれを+Z方向に押す弾性部材24f〜24hを備えている。これらの構成は、接触子6e、同軸ケーブル18e、固定部材34e、グランド端子21e、保持部材22e及び弾性部材24eの構成と同一である。
図10は、グランド接触子8a,8dの+Y方向側のZX断面を+Y方向側から視た図であり、図11は、グランド接触子8dの構成を示す図である。グランド接触子8dは、ZX平面に略平行に配置される面42を有しており、面42は、接触子6a〜6hよりX方向に幅広に形成されている。グランド接触子8dの面42には、図11に示すように、グランド用同軸ケーブル17dを嵌め込むための窪み43が形成されている。グランド接触子8dには、図10に示すように、グランド用同軸ケーブル17dの芯線36d及びシールド部材38dが半田付け等により接続されている。グランド用同軸ケーブル17dの構成は、同軸ケーブル18eの構成と同一である。グランド用同軸ケーブル17dは、グランド接触子8dと保護部材3の挿通孔25d(図3参照)の−X方向側の挿通口との間で、グランド接触子8dがZ方向において移動する長さ分、グランド用同軸ケーブル17dを撓ませた状態で保護部材3の挿通孔25dに固定されている。また、グランド用同軸ケーブル17dには、固定部材44dが取り付けられており、固定部材44dは、挿通孔23dの−X方向側の挿通口を塞いでベース体2に固定されている。固定部材44dは、保護部材3の挿通孔25dの+X方向側の挿通口と固定部材44dとの間で、保護部材3がZ方向において移動する長さ分、グランド用同軸ケーブル17dを撓ませた状態でグランド用同軸ケーブル17dに取り付けられ、ベース体2に固定されている。なお、窪み43は、グランド接触子8dの−Y方向側の面に形成されてもよく、その場合には、グランド用同軸ケーブル17dは、−Y方向側の面に形成された窪みに配置される。
グランド接触子8dは、Z方向に移動可能である。グランド接触子8dは、+Z方向においては保護部材3の第3開口部14d周りの裏面にグランド接触子8dの上面46が係止されるまで移動することができ、−Z方向においてはグランド接点部7dが保護部材3の上側の表面と略同一面に位置するまで移動可能である。
また、図10に示すように、ベース体2及び保護部材3により形成される内部空間には、弾性部材48dが設けられている。弾性部材48dは、導電性を有する部材から成り、金属プレート32と一体に形成されている。弾性部材48dの下部は、ベース体2の被保持面2cに保持されており、弾性部材48dの上部は、グランド接触子8dの下面50に電気的に接続されている。弾性部材48dは、グランド接触子8dとは別体に形成されており、グランド接触子8dを+Z方向に押している。
なお、図10に示すグランド接触子8a、グランド用同軸ケーブル17a、及び弾性部材48aの構成は、コネクタ10の短手方向の中心線を線対称として、グランド接触子8d、グランド用同軸ケーブル17d及び弾性部材48dの構成と同一である。また、コネクタ10は、グランド接触子8b,8c、グランド接触子8b,8cのそれぞれに接続される図示しない2つの同軸ケーブル、及びグランド接触子8b,8cのそれぞれを+Z方向に押す図示しない2つの弾性部材を備えている。これらの構成は、グランド接触子8a、グランド用同軸ケーブル17a及び弾性部材48aの構成と同一である。また、コネクタ10は、グランド接触子8e,8f、グランド接触子8e,8fのそれぞれに接続される図示しない2つの同軸ケーブル、及びグランド接触子8e,8fのそれぞれを+Z方向に押す弾性部材48e,48fを備えている。これらの構成は、グランド接触子8d、グランド用同軸ケーブル17d及び弾性部材48dの構成と同一である。
次に、図面を参照して、この第1の実施の形態に係るコネクタ10に外部機器100を押し付ける過程における保護部材3及び接点部5eの変位について説明する。
外部機器100が保護部材3及び接点部5eと接触する前においては、図6に示すように、保護部材3の上側(+Z方向側)の表面は、ベース体2の上側(+Z方向側)の表面から所定量突出した状態に維持されている。また、接点部5eは、保護部材3の第2開口部12eから所定量突出した位置に位置している。また、金属プレート32は、貫通孔16内に、保護部材3の上側の表面から所定量埋没している。なお、接点部5eの突出量は、コネクタ10に外部機器100を押し付ける際に外部機器100の接続端子102を接点部5eに接触させるために必要な最低限度の突出量である。
次に、外部機器100がコネクタ10に押し当てられると、外部機器100の接続端子102が接点部5eに接触するとともに押し付けられ、接点部5eに−Z方向側の押圧力が加えられる。そして、接点部5eが−Z方向側に移動し、弾性部材24eがZ軸方向に圧縮される。また、接点部5eの移動に伴い、保護部材3が−Z方向側に移動し、金属プレート32が貫通孔16から突出する。
更に外部機器100がコネクタ10に押し付けられると、図12に示すように、弾性部材24eが更にZ軸方向に圧縮され、保護部材3は、保護部材3の+Z方向側の表面がベース体2の+Z方向側の表面と略同一面上となるまで−Z方向に移動する。また、図12に示すように、接点部5eは、接点部5eの頂点が保護部材3の+Z方向側の表面及びベース体2の+Z方向側の表面と略同一面上となるまで−Z方向に移動する。即ち、外部機器100との最終結合状態においては、接点部5eの頂点、保護部材3の+Z方向側の表面及びベース体2の+Z方向側の表面が略同一平面上に位置する。この最終結合状態においては、圧縮された弾性部材24eのバネ力によって接点部5eが常時上向き(+Z方向)に付勢され、接点部5eが十分な接触力で接続端子102と接触するため、コネクタ10と外部機器100とを確実に電気的に接続させることができる。また、最終結合状態において、金属プレート32は、貫通孔16から所定量突出するとともに、外部機器100の金属プレート挿入部104に挿入され、グランド用端子106と接触する。
この第1の実施の形態に係るコネクタ10によれば、接触子6a〜6hと弾性部材24a,24e〜24hとが一体でなく別体で形成されているため、コネクタの設計の自由度を高めることができる。即ち、接触子と弾性部材とが一体化した端子では端子のサイズや形状、ひいてはコネクタのサイズや形状に制約が多く、設計の自由度が低くなるが、この第1の実施の形態によれば、接触子と弾性部材とが別体で形成されているため、接触子のサイズや形状に係る設計の自由度が高くなり、ひいてはコネクタのサイズや形状に係る設計の自由度が高くなる。また、設計の自由度が高くなることにより、コネクタのコンパクト化を図ることもできる。
さらに、接触子のサイズや形状に係る設計の自由度が高くなるため、接触子の構成及びコネクタの伝送路をシンプルにすることができ、高速伝送に対するインピーダンスマッチングを容易に行うことができる。即ち、インピーダンスに影響を及ぼすコネクタ断面(コネクタの伝送路に対して垂直な面)をシンプル且つコネクタ断面の種類を少数化することができるため、ターゲットインピーダンスに合致した同軸ケーブルを用いることにより、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。
また、この第1の実施の形態に係るコネクタ10によれば、接触子6a〜6hと弾性部材24a,24e〜24hとが一体でなく別体で形成されているため、接触子と弾性部材とが一体化した端子より構造を単純化することができる。また、接触子6eと接続する同軸ケーブル18eのシールド部材28eと弾性部材24eとがグランド接続されているため、グランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。また、隣り合って配置される接触子を挟んでグランド接触子が配置されているため、グランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。更に、弾性部材24a,24e〜24h,48a,48d〜48f、グランド接触子8a〜8f、及び金属プレート32が電気的に接続されているため、更なるグランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。
また、この第1の実施の形態に係るコネクタ10によれば、保護部材3が接点部5a〜5hを保護するため、安価で故障しにくいコネクタを提供することができる。例えば、接点部5a〜5hが保護部材3で保護されているため、誤って指やペン先等がコネクタ10に触れた場合でも、指やペン先等との接触による接触子6a〜6hの変形を防止することができる。また、最終結合状態において十分な押圧力で接続端子102等に接点部5e等を接触させることができる。
なお、上述の第1の実施の形態においては、複数の接触子6a〜6hを備えているが、少なくとも1つの接触子を備えていればよい。
また、上述の第1の実施の形態においては、第1接触子群9a及び第2接触子群9bの2つの接触子群を備えているが、3つ以上の接触子群を備える構成であってもよい。
また、上述の第1の実施の形態に係るコネクタ10においては、1枚の金属プレート32を備えているが、2つの金属プレートを備える構成であってもよい。この場合においては、一方の金属プレートを保護部材3に配置し、他方の金属プレートをベース体2に配置する。一方の金属プレートの一部は、他方の金属プレートとオーバーラップさせて配置されており、一方の金属プレートと他方の金属プレートとは、互いに導通している。なお、保護部材3がZ方向に移動する場合であっても、一方の金属プレートと他方の金属プレートとのオーバーラップは維持される。
次に、図面を参照して第2の実施の形態に係るコネクタについて説明する。この第2の実施の形態に係るコネクタは、キーボード等の周辺機器等に搭載される第1コネクタ及び携帯情報端末等の外部機器に搭載される第2コネクタを備えている。また、この第2の実施の形態に係るコネクタは、所定方向に第2コネクタの接続端子を押し付けることにより第1コネクタと電気的に接続する押し付け型のコネクタである。図13は、第2の実施の形態に係るコネクタが備える第1コネクタの外観を示す斜視図、図14は、第2の実施の形態に係るコネクタが備える第1コネクタの外観を示す正面図である。図15は、第2の実施の形態に係るコネクタが備える第1コネクタの構成を示す分解図である。この第2の実施の形態に係る第1コネクタ60は、図13〜図15に示すように、ベース体61、カバー62、保護部材63、複数(第2の実施の形態では8個)の第1接触子64、複数(第2の実施の形態では5個)の第2接触子65、複数(第2の実施の形態では8個)の第1同軸ケーブル67、及び複数(第2の実施の形態では5個)の第2同軸ケーブル68を備えている。
なお、以下の説明においては、図13に示すXYZ直交座標系を設定し、この直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係等について説明する。Y軸は、第1接触子64及び第2接触子65が配列される方向に平行となるように設定されている。Z軸は、第2コネクタ79(図23参照)を第1コネクタ60に押し付ける方向と平行となるように設定されている。X軸は、YZ平面に直交する方向に設定されている。
ベース体61は、絶縁性を有する部材、例えば樹脂から成り、図13及び図14に示すように、保護部材63、第1接触子64、第2接触子65、第1同軸ケーブル67、及び第2同軸ケーブル68を収容する。ベース体61の上側(+Z方向側)の面には、ベース体61にカバー62を装着することにより、矩形状の第1開口部が形成される。第1開口部は、+Z方向に保護部材63を突出させる。
保護部材63は、絶縁性を有する部材、例えば樹脂から成り、第1接触子64及び第2接触子65の周囲を覆うことにより、第1接触子64の第1接点部64a(図17参照)及び第2接触子65の第2接点部65a(図17参照)を保護する。保護部材63は、ベース体61に対して±Z方向に移動可能に構成されており、第2コネクタ79(図23参照)の移動に伴い移動する。保護部材63は、第2コネクタ79が保護部材63と接触する前においては、図13に示すように、ベース体61の上側の面から突出した状態で配置されている。
図16は、保護部材63の構成を示す図である。保護部材63の上側(+Z方向側)の面(第2コネクタ79を押し付ける面)には、図16に示すように、−Y方向側から順に、1つの第3開口部71、2つの第2開口部70、1つの第3開口部71、2つの第2開口部70、1つの第3開口部71、2つの第2開口部70、1つの第3開口部71、2つの第2開口部70、1つの第3開口部71がY方向に沿って一列に形成されている。第2開口部70は、+Z方向側に第1接触子64の第1接点部64aを突出させる。第3開口部71は、+Z方向側に第2接触子65の第2接点部65aを突出させる。
図17は、第2の実施の形態に係る第1コネクタ60に係るベース体61、カバー62及び保護部材63以外の部材の構成を示す分解図である。図18は、図14のB−B断面図である。第1接触子64は、図17及び図18に示すように、−Z方向に第2コネクタ79の第1接続端子80(図23参照)を押し付けることにより第1接続端子80と電気的に接続する第1接点部64aを有している。また、第1接触子64の形状は、第2接点部65aを含む第2接触子65の一部分(図19参照)と同一の形状である。2つの第1接触子64は、Y方向に沿って隣り合って配置され、隣り合う2つの第1接触子64は、Y方向に沿って4組配列されている。
図18に示すように、第1接触子64には、第1同軸ケーブル67の第1芯線67aが半田付け等により電気的に接続されている。第1同軸ケーブル67は、第1芯線67a、第1芯線67aを覆う第1内部絶縁体67b、第1内部絶縁体67bを介して第1芯線67aを覆う導体から成る第1シールド部材67c、第1シールド部材67cを覆う第1外部絶縁体67dにより構成されている。第1内部絶縁体67bは、第1芯線67aと第1シールド部材67cとを電気的に絶縁する。第1シールド部材67cは、グランド用導体(第1グランド用導体)として機能し、グランドに接続する。また、第1芯線67aと第1シールド部材67cとの間のインピーダンスは、整合されている。第1同軸ケーブル67は、後述する第1保持部材74がZ方向において移動する長さ分及び保護部材63がZ方向において移動する長さ分、ベース体61内で第1同軸ケーブル67を撓ませた状態でベース体61に固定されている。
また、図18に示すように、ベース体61、カバー62及び保護部材63により形成される内部空間には、グランド端子73、絶縁体より成る第1保持部材74、及び導体より成る第1弾性部材75が設けられている。
グランド端子73は、図18に示すように、第1接触子64の近傍に配置され、第1保持部材74に保持されている。また、グランド端子73の形状は、第2接触子65の下面(−Z方向側の面であって接続部材78と接続する被接続部)を含む第2接触子65の一部分(図19参照)と同一の形状である。グランド端子73の+X方向側の面には、第1同軸ケーブル67の第1シールド部材67cが半田付け等により電気的に接続されている。また、グランド端子73の−X方向側の部分には、第1弾性部材75の+Z方向側の先端部が接続されている。即ち、第1同軸ケーブル67の第1シールド部材67cと第1弾性部材75とは、グランド端子73を介して電気的に接続されている。
第1保持部材74は、図18に示すように、第1接触子64及びグランド端子73を保持しており、±Z方向に移動可能である。即ち、第1接触子64は第1保持部材74の移動とともに±Z方向に移動し、第1接触子64の第1接点部64aのZ方向における位置も変動する。第1接触子64及び第1保持部材74は、+Z方向においては保護部材63の第2開口部70周りの裏面に第1保持部材74の+Z方向側の上面が係止されるまで移動することができ、−Z方向においては第1接点部64aが保護部材63の上側の表面と略同一面に位置するまで移動可能である。
また、第1保持部材74は、保護部材63を上方向(+Z方向)に押圧する押圧部74aを有している。押圧部74aは、第1弾性部材75の弾性力により、第2コネクタ79が押し付けられる前(初期状態)においては保護部材63を上方向(+Z方向)に押圧し、第2コネクタ79が押し付けられた後(最終結合状態)においては保護部材63と接触せず保護部材63を押圧しない。即ち、初期状態から最終結合状態までの間で、押圧部74aは、保護部材63と接触し保護部材63を押圧する状態から、保護部材63との接触が解け保護部材63を押圧しない状態へと徐々に変移する。
第1弾性部材75は、導電性を有する部材から成り、図18に示すように、第1弾性部材75の+Z方向側の先端部は、グランド端子73の−X方向側の部分に接続されている。また、第1弾性部材75の−Z方向側の先端部は、ベース体61の被保持部61aに保持されている。第1弾性部材75は、第1接触子64と別体に形成されており、グランド端子73及び第1保持部材74を介して第1接触子64及び保護部材63を+Z方向に押している。第1弾性部材75は、グランドに接続される。
図19は、図14のC−C断面図である。第2接触子65は、図17及び図19に示すように、−Z方向に第2コネクタ79の第2接続端子81(図23参照)を押し付けることにより第2接続端子81と電気的に接続する第2接点部65aを有している。第2接触子65は、隣り合って配置される2つの第1接触子64を挟んで配置されており、5個の第2接触子65が、Y方向に沿って配列されている。なお、第1接触子64と第2接触子65との間のインピーダンスは、整合されている。
図19に示すように、第2接触子65には、第2同軸ケーブル68の第2芯線68a及び第2シールド部材68cが半田付け等により電気的に接続されている。第2同軸ケーブル68は、第2芯線68a、第2芯線68aを覆う第2内部絶縁体68b、第2内部絶縁体68bを介して第2芯線68aを覆う導体から成る第2シールド部材68c、第2シールド部材68cを覆う第2外部絶縁体68dにより構成されている。第2内部絶縁体68bは、第2芯線68aと第2シールド部材68cとを電気的に絶縁する。第2芯線68aと第2シールド部材68cとの間のインピーダンスは整合されており、第2芯線68a及び第2シールド部材68cは、グランド用導体(第2グランド用導体)として機能し、グランドに接続する。第2同軸ケーブル68は、後述する第2保持部材76がZ方向において移動する長さ分及び保護部材63がZ方向において移動する長さ分、ベース体61内で第2同軸ケーブル68を撓ませた状態でベース体61に固定されている。なお、この第2同軸ケーブル68と上述した第1同軸ケーブル67とは、配線材として機能する。
また、図19に示すように、ベース体61、カバー62及び保護部材63により形成される内部空間には、絶縁体より成る第2保持部材76及び導体より成る第2弾性部材77が設けられている。
第2保持部材76は、図19に示すように、第2接触子65を保持しており、±Z方向に移動可能である。即ち、第2接触子65は第2保持部材76の移動とともに±Z方向に移動し、第2接触子65の第2接点部65aのZ方向における位置も変動する。第2接触子65及び第2保持部材76は、+Z方向においては保護部材63の第3開口部71周りの裏面に第2保持部材76の+Z方向側の上面が係止されるまで移動することができ、−Z方向においては第2接点部65aが保護部材63の上側の表面と略同一面に位置するまで移動可能である。
また、第2保持部材76は、保護部材63を上方向(+Z方向)に押圧する押圧部76aを有している。押圧部76aは、第2弾性部材77の弾性力により、第2コネクタ79が押し付けられる前(初期状態)においては保護部材63を上方向(+Z方向)に押圧し、第2コネクタ79が押し付けられた後(最終結合状態)においては保護部材63と接触せず保護部材63を押圧しない。即ち、初期状態から最終結合状態までの間で、押圧部76aは、保護部材63と接触し保護部材63を押圧する状態から、保護部材63との接触が解け保護部材63を押圧しない状態へと徐々に変移する。
第2弾性部材77は、導電性を有する部材から成り、図19に示すように、第2弾性部材77の+Z方向側の先端部は、第2接触子65の−X方向側の部分に接続されている。また、第2弾性部材77の−Z方向側の先端部は、ベース体61の被保持部61bに保持されている。第2弾性部材77は、第2接触子65と別体に形成されており、第2接触子65及び保護部材63を+Z方向に押している。第2弾性部材77は、グランドに接続される。
図20は、第1弾性部材75及び第2弾性部材77の構成を示す図である。図20に示すように、複数の第1弾性部材75及び複数の第2弾性部材77は、−Z方向側で連結されている。即ち、第1弾性部材75は、他の第1弾性部材75と電気的に接続されており、且つ第1弾性部材75と第2弾性部材77とは、電気的に接続されている。
また、図18及び図19に示すように、ベース体61、カバー62及び保護部材63により形成される内部空間には、導体より成る接続部材78が設けられている。図21は、接続部材78の構成を示す図である。図21に示すように、接続部材78は、1枚の平板により構成されており、L字状に折り曲げられた8個の第1折曲げ部78a、L字状に折り曲げられた5個の第2折曲げ部78b、U字状に湾曲させた6個の第1湾曲部78c、及びU字状に湾曲させた6個の第2湾曲部78dを有している。
第1折曲げ部78aは、図18に示すように、グランド端子73の下面(−Z方向側の面)に接続されている。第2折曲げ部78bは、図19に示すように、第2接触子65の下面(−Z方向側の面、接続部材78と接続する被接続部)に接続されている。
図22は、接続部材78、グランド端子73及び第2接触子65の接続状態を示す図である。第1湾曲部78cは、図22に示すように、隣り合う2つのグランド端子73に接続されている。具体的には、第1湾曲部78cは、一方のグランド端子73(第1湾曲部78cに対して+Y方向側に位置するグランド端子73)の−Y方向側の面、及び他方のグランド端子73(第1湾曲部78cに対して−Y方向側に位置するグランド端子73)の+Y方向側の面に接続されている。第2湾曲部78dは、図22に示すように、隣り合うグランド端子73と第2接触子65とに接続されている。具体的には、第2湾曲部78dは、グランド端子73の−Y方向側の面及び第2接触子65の+Y方向側の面、またはグランド端子73の+Y方向側の面及び第2接触子65の−Y方向側の面に接続されている。
即ち、一方のグランド端子73と他方のグランド端子73とは、接続部材78を介して電気的に接続されている。ひいては、一方のグランド端子73に接続されている第1シールド部材67cと他方のグランド端子73に接続されている第1シールド部材67cとは、グランド端子73及び接続部材78を介して電気的に接続されている。また、グランド端子73及び第2接触子65とは、接続部材78を介して電気的に接続されている。ひいては、グランド端子73に接続されている第1シールド部材67cと第2接触子65に接続されている第2芯線68a及び第2シールド部材68cとは、グランド端子73、第2接触子65及び接続部材78を介して電気的に接続されている。
また、接続部材78の第1湾曲部78c及び第2湾曲部78dは、可撓性(弾性)を有している。したがって、接続部材78は、個々の第1保持部材74(第1接点部64a)のZ方向における動き、及び個々の第2保持部材76(第2接点部65a)のZ方向における動きに追従することができる。
次に、第2の実施の形態に係るコネクタが備える第2コネクタ79について説明する。図23は第2の実施の形態に係るコネクタが備える第2コネクタ79の外観を示す斜視図、図24は第2の実施の形態に係るコネクタが備える第2コネクタ79の構成を示す分解図である。第2コネクタ79は、図23及び図24に示すように、第1接続端子80、第2接続端子81、ハウジング84及びシェル83を備えている。
第1接続端子80は、第2コネクタ79が第1コネクタ60に押し付けられることにより、第1コネクタ60の第1接触子64(図13参照)と電気的に接続する。第2接続端子81は、第2コネクタ79が第1コネクタ60に押し付けられることにより、第1コネクタ60の第2接触子65(図13参照)と電気的に接続する。第1接続端子80及び第2接続端子81は、ハウジング84にインサート成形されている。
ハウジング84は、絶縁性を有する部材、例えば樹脂から成り、シェル83により覆われている。シェル83は、金属等の導電性を有する部材により形成されており、図24に示すように、第1接続端子80及び第2接続端子81を露出させるための開口部83aを有し、第1接続端子80及び第2接続端子81を露出した状態でハウジング84を覆っている。
次に、図面を参照して、この第2の実施の形態に係る第1コネクタ60に第2コネクタ79を押し付ける過程における保護部材63及び第1接点部64aの変位について説明する。なお、第1コネクタ60に第2コネクタ79を押し付ける過程における第2接点部65aの変位については、第1接点部64aの変位と略同一のため、説明を省略する。
第2コネクタ79が保護部材63、第1接点部64a及び第2接点部65aと接触する前(初期状態)においては、図18に示すように、第1接点部64aは、保護部材63の第2開口部70から所定量突出した位置に位置している。なお、第1接点部64aの突出量は、第1コネクタ60に第2コネクタ79を押し付ける際に第2コネクタ79の第1接続端子80を第1接点部64aに接触させるために必要な最低限度の突出量である。保護部材63の上側(+Z方向側)の表面は、ベース体61の上側(+Z方向側)の表面から所定量突出した状態に維持されている。第1弾性部材75は、第1保持部材74を+Z方向へ押し上げており、第1保持部材74の押圧部74aは、第1弾性部材75の弾性力により保護部材63を押圧している。
次に、第2コネクタ79が第1コネクタ60に押し当てられると、第2コネクタ79の第1接続端子80が第1接点部64aに接触するとともに押し付けられ、第1接点部64aに−Z方向側の押圧力が加えられる。第1接点部64aは−Z方向への移動を開始し、第1接点部64aの移動開始に伴い、保護部材63も−Z方向側への移動を開始する。第1弾性部材75は、Z軸方向へ圧縮され始め、第1保持部材74の押圧部74aは、第1弾性部材75の弾性力により保護部材63を押圧している。
更に第2コネクタ79が第1コネクタ60に押し付けられると、第1接点部64aは−Z方向へ更に移動し、保護部材63は−Z方向への移動を停止する。第1弾性部材75は、Z軸方向へ更に圧縮し、第1保持部材74の押圧部74aは、第1弾性部材75の弾性力により保護部材63を押圧している。
更に第2コネクタ79が第1コネクタ60に押し付けられると、保護部材63は移動せず、第1接点部64aのみが−Z方向へ移動する。第1弾性部材75は、Z軸方向へ更に圧縮するが、保護部材63は移動しないため、第1保持部材74の押圧部74aによる保護部材63の押圧は、徐々に解ける。
図25は第1コネクタ60と第2コネクタ79との結合状態を示す外観斜視図、図26はその断面図である。図25及び図26に示すように、第2コネクタ79が第1コネクタ60に完全に押し付けられると(最終結合状態)、第1接点部64aのZ方向における位置は、保護部材63の+Z方向側の表面(第1接続端子80及び第2接続端子81を押し付ける押付け面)と略同一面となる。第1弾性部材75は、Z軸方向への圧縮を停止し、第1保持部材74を+Z方向に押し上げている。第1保持部材74の押圧部74aは、保護部材63の第2開口部70周りの裏面から離れ、保護部材63を押圧しない。
この第2の実施の形態に係るコネクタが備える第1コネクタ60によれば、第1接触子64と第1弾性部材75と(第2接触子65と第2弾性部材77と)が一体でなく別体で形成されているため、コネクタの設計の自由度を高めることができる。即ち、接触子と弾性部材とが一体化した端子では端子のサイズや形状、ひいてはコネクタのサイズや形状に制約が多く、設計の自由度が低くなるが、この第2の実施の形態によれば、接触子と弾性部材とが別体で形成されているため、接触子のサイズや形状に係る設計の自由度が高くなり、ひいてはコネクタのサイズや形状に係る設計の自由度が高くなる。また、設計の自由度が高くなることにより、コネクタのコンパクト化を図ることもできる。
さらに、接触子のサイズや形状に係る設計の自由度が高くなるため、接触子の構成及びコネクタの伝送路をシンプルにすることができ、高速伝送に対するインピーダンスマッチングを容易に行うことができる。即ち、インピーダンスに影響を及ぼすコネクタ断面(コネクタの伝送路に対して垂直な面)をシンプル且つコネクタ断面の種類を少数化することができるため、ターゲットインピーダンスに合致した同軸ケーブルを用いることにより、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。
また、この第2の実施の形態に係るコネクタが備える第1コネクタ60によれば、第1接触子64と第1弾性部材75と(第2接触子65と第2弾性部材77と)が一体でなく別体で形成されているため、接触子と弾性部材とが一体化した端子より構造を単純化することができる。また、第1接触子64と接続する第1同軸ケーブル67の第1シールド部材67cと、第2接触子65と接続する第2同軸ケーブル68の第2シールド部材68cとがグランド端子73、接続部材78及び第2接触子65を介してグランドに接続されているため、グランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。また、隣り合う第1シールド部材67cがグランド端子73及び接続部材78を介して電気的に接続されているため、グランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。また、第1シールド部材67c、第2シールド部材68c、第1弾性部材75及び第2弾性部材77がグランド端子73及び第2接触子65を介して電気的に接続されているため、グランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。また、隣り合って配置される第1接触子64を挟んで第2接触子65が配置されているため、グランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。
また、この第2の実施の形態に係るコネクタが備える第1コネクタ60によれば、保護部材63が第1接点部64a及び第2接点部65aを保護するため、安価で故障しにくいコネクタを提供することができる。例えば、第1接点部64a及び第2接点部65aが保護部材63で保護されているため、誤って指やペン先等が第1コネクタ60に触れた場合でも、指やペン先等との接触による第1接点部64a及び第2接点部65aの変形を防止することができる。また、最終結合状態において十分な押圧力で第1接続端子80及び第2接続端子81に第1接点部64a及び第2接点部65aを接触させることができる。
なお、上述の第2の実施の形態においては、隣り合う第1シールド部材67cを電気的に接続し、且つ第1シールド部材67cと第2シールド部材68cとを電気的に接続する接続部材78を備えているが、隣り合う第1シールド部材67cを電気的に接続する第1接続部材、及び第1シールド部材67cと第2シールド部材68cとを電気的に接続する第2接続部材(第1接続部材と別体)を備えてもよい。
次に、図面を参照して第3の実施の形態に係るコネクタについて説明する。図27は、第3の実施の形態に係るコネクタの外観を示す斜視図である。図27に示すように、この第3の実施の形態に係るコネクタ1は、キーボード等の周辺機器等に搭載される第1コネクタ11及び携帯情報端末等の外部機器に搭載される第2コネクタ13を備えている。またコネクタ1は、所定方向(後述する−Z方向)に第2コネクタ13を押し付けることにより第1コネクタ11と電気的に接続する押し付け型のコネクタである。なお、以下の説明においては、図27に示すXYZ直交座標系を設定し、この直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係等について説明する。Y軸は、後述する第1接触子47及び第2接触子49が配列される方向に平行となるように設定されている。Z軸は、第2コネクタ13を第1コネクタ11に押し付ける方向と平行となるように設定されている。X軸は、YZ平面に直交する方向に設定されている。
図28は、第1コネクタ11の外観を示す正面図、図29は、第1コネクタ11の構成を示す分解図である。第1コネクタ11は、図28及び図29に示すように、第1シェル33、第1ベース体15、第2シェル35、保護部材37、複数(第3の実施の形態では22個)の第1接触子47、複数(第3の実施の形態では12個)の第2接触子49、複数(第3の実施の形態では22個)の第1同軸ケーブル51、複数(第3の実施の形態では12個)の第2同軸ケーブル55、4つの第3接触子56、2つの第4接触子57、第2ベース体45、金属プレート58、及びカバー41を備えている。
図30は、第1シェル33及び第1ベース体15の構成を示す図である。第1シェル33は、導電性を有する部材、例えば金属から成り、図28及び図29に示すように、第1ベース体15の外側を覆っている。第1シェル33の+Z方向側の面には、図30に示すように、矩形状の開口部33aが設けられており、開口部33aは、第1ベース体15の第1開口部15a(図30参照)を介して、+Z方向に第2シェル35及び保護部材37を突出させる。また、第1シェル33の+X方向側の側面33bには、−Z方向側に3つの開口部33c,33d,33eが設けられている。開口部33c及び33eからは、図27に示すように、第3接触子56、第4接触子57及び金属プレート58から伸びている端子58aが露出している。開口部33dからは、図27に示すように、第1同軸ケーブル51及び第2同軸ケーブル55を第1ベース体15内から第1コネクタ11の外部へ導出する。
第1ベース体15は、絶縁性を有する部材、例えば樹脂から成り、保護部材37、第1接触子47、第2接触子49、第3接触子56、第4接触子57、第1同軸ケーブル51、第2同軸ケーブル55、及び金属プレート58を収容する。第1ベース体15の上側(+Z方向側)の面には、矩形状の第1開口部15aが形成されている。第1開口部15aは、+Z方向に第2シェル35及び保護部材37を突出させる。また、第1ベース体15の+X方向側の側面15bには5つの開口部15cが設けられており、第1ベース体15の−X方向側の側面15dには5つの開口部15eが設けられている。開口部15c及び15eは、Z方向に長手方向を有する矩形状の開口部であり、開口部15c及び15eには、第2シェル35の弾性体35d(図31参照)及び図示しない弾性体が配置される。また、第1ベース体15の+X方向側の側面15bには、第1ベース体15にカバー41を装着することにより、第3接触子56の端部、第4接触子57の端部及び金属プレート58から伸びている端子58aを固定し、露出させる開口部が形成される。また、第1ベース体15の+X方向側の側面15bには、第1ベース体15にカバー41を装着することにより、第1同軸ケーブル51及び第2同軸ケーブル55を固定し、第1ベース体15内から第1コネクタ11の外部へ導出する開口部が形成される。
図31は、第2シェル35、保護部材37及び保護部材37に組み込まれるジャンパープレート39の構成を示す図である。第2シェル35は、導電性を有する部材、例えば金属から成り、図28及び図29に示すように、保護部材37の外側を覆っている。第2シェル35は、保護部材37と共に、第1ベース体15及び第2ベース体45に対して±Z方向に移動可能に構成されており、第2コネクタ13(図27参照)の移動に伴い移動する。第2シェル35は、第2コネクタ13が第2シェル35と接触する前においては、図27に示すように、第1ベース体15(第1シェル33)の上側の面から突出した状態で配置されている。
第2シェル35の+Z方向側の面(第2コネクタ13を押し付ける面)には、図31に示すように、開口部35aが設けられており、開口部35aは、保護部材37の開口部37a(図31参照)を介して+Z方向に第1接触子47及び第2接触子49を突出させ、保護部材37の開口部37b(図31参照)を介して第3接触子56を突出させる。また、開口部35aは、保護部材37の貫通孔37e(図31参照)を介して、+Z方向に金属プレート58を露出させる。
また、第2シェル35の+Z方向側の面(第2コネクタ13を押し付ける面)には、図31に示すように、6つの弾性体35bが設けられている。弾性体35bは、第2コネクタ13が第1コネクタ11に−Z方向に押し付けられた際に、第2コネクタ13のシェル69の−Z方向側の面(図35参照)を+Z方向に押し上げることにより、第2コネクタ13のシェル69と電気的に接続する。また、第2シェル35の+X方向側の側面35cには、−Z方向側に伸びる5つの弾性体35dが設けられており、第2シェル35の−X方向側の側面には、−Z方向側に伸びる5つの弾性体(図示せず)が設けられている。弾性体35dは、第1ベース体15の開口部15c(図30参照)を介して、第1シェル33の+X方向側の側面33bを弾性力により+X方向に押すことにより、第1シェル33と電気的に接続する。同様に、図示しない弾性体は、第1ベース体15の開口部15e(図30参照)を介して、第1シェル33の−X方向側の側面33f(図30参照)を弾性力により−X方向に押すことにより、第1シェル33と電気的に接続する。
保護部材37は、絶縁性を有する部材、例えば樹脂から成り、第1接触子47、第2接触子49及び第3接触子56の周囲を覆うことにより、第1接触子47の第1接点部47a(図32参照)、第2接触子49の第2接点部49a(図33参照)及び第3接触子56の第3接点部56a(図28参照)を保護する。保護部材37は、第2シェル35と共に、第1ベース体15及び第2ベース体45に対して±Z方向に移動可能に構成されており、第2コネクタ13(図27参照)の移動に伴い移動する。保護部材37は、第2コネクタ13が保護部材37と接触する前においては、図27に示すように、第1ベース体15(第1シェル33)の上側の面から突出した状態で配置されている。
保護部材37の+Z方向側の面(第2コネクタ13を押し付ける面)には、図31に示すように、第1接触子47の第1接点部47a及び第2接触子49の第2接点部49aを+Z方向に突出させるための開口部37aが設けられている。また、保護部材37の+Z方向側の面には、図31に示すように、第3接触子56の第3接点部56aを+Z方向に突出させるための4つの開口部37b、第4接触子57の第4接点部57a(図29参照)を+Z方向に突出させるための2つの開口部37cが設けられている。また、保護部材37の+Z方向側の面には、図31に示すように、金属プレート58から伸びる第1突出部58b(図34参照)を配置し+Z方向に突出させるための3つの貫通孔37d、金属プレート58から伸びる第2突出部58c(図34参照)を配置し+Z方向に突出させるための2つの貫通孔37eが設けられている。
図32は、図28のA−A断面図である。ジャンパープレート39は、導電性を有する部材、例えば金属から成り、図32に示すように、保護部材37に組み込まれている。ジャンパープレート39は、複数の第1接触子47及び複数の第2接触子49の周囲を囲む形状であり、ジャンパープレート39の+X方向側の側面は、櫛状に形成されている。ジャンパープレート39の櫛歯のそれぞれは、図32に示すように、後述するグランド端子52または第2接触子49(図33参照)に電気的に接続されている。即ち、ジャンパープレート39を介して、グランド端子52同士、及びグランド端子52と第2接触子49とは電気的に接続されている。なお、ジャンパープレート39は、グランド端子52及び第2接触子49と電気的に接続されていればよく、図31に示す形状以外の形状であってもよい。
第1接触子47は、図32に示すように、−Z方向に第2コネクタ13の第1接続端子82(図35参照)を押し付けることにより第1接続端子82と電気的に接続する第1接点部47aを有している。2つの第1接触子47は、Y方向に沿って隣り合って配置され、隣り合う2つの第1接触子47は、Y方向に沿って11組配列されている。図32に示すように、第1接触子47には、第1同軸ケーブル51の第1芯線51aが半田付け等により電気的に接続されている。
第1同軸ケーブル51は、第1芯線51a、第1芯線51aを覆う第1内部絶縁体51b、第1内部絶縁体51bを介して第1芯線51aを覆う導体から成る第1シールド部材51c、第1シールド部材51cを覆う第1外部絶縁体51dにより構成されている。第1内部絶縁体51bは、第1芯線51aと第1シールド部材51cとを電気的に絶縁する。第1シールド部材51cは、グランド用導体(第1グランド用導体)として機能し、グランドに接続する。また、第1芯線51aと第1シールド部材51cとの間のインピーダンスは、整合されている。第1同軸ケーブル51は、後述する第1保持部材53がZ方向において移動する長さ分及び保護部材37がZ方向において移動する長さ分、第2ベース体45内で第1同軸ケーブル51を撓ませた状態で第2ベース体45に固定されている。
また、図32に示すように、第1ベース体15、第2ベース体45及び保護部材37により形成される内部空間には、導体より成るグランド端子52、絶縁体より成る第1保持部材53、及び導体より成る第1弾性部材54が設けられている。グランド端子52は、図32に示すように、第1接触子47の近傍に配置され、第1保持部材53に保持されている。グランド端子52の−X方向側の端部は、第1同軸ケーブル51の第1シールド部材51cと電気的に接続されている。また、グランド端子52の+X方向側の端部は、弾性体であり、ジャンパープレート39の櫛歯のひとつを弾性力により+X方向に押している。即ち、グランド端子52とジャンパープレート39とは、電気的に接続されている。グランド端子52とジャンパープレート39とは、第1保持部材53(第1接点部47a)のそれぞれが個別にZ方向に動いた場合であっても、グランド端子52が有する弾性体の弾性力により、グランド端子52とジャンパープレート39との接続を維持することができる。なお、グランド端子52の弾性体に代えて、ジャンパープレート39の櫛歯を弾性体とし、櫛歯の弾性力によりグランド端子52を押すことにより、グランド端子52とジャンパープレート39とを電気的に接続するようにしてもよい。
第1保持部材53は、図32に示すように、第1接触子47及びグランド端子52を保持しており、±Z方向に移動可能である。即ち、第1接触子47は第1保持部材53の移動とともに±Z方向に移動し、第1接触子47の第1接点部47aのZ方向における位置も変動する。第1接触子47及び第1保持部材53は、+Z方向においては第2シェル35の開口部35a近傍の裏面に第1保持部材53の+Z方向側の上面が係止されるまで移動することができ、−Z方向においては第1接点部47aが第2シェル35(保護部材37)の上側(+Z方向側)の表面と略同一面に位置するまで移動可能である。
また、第1保持部材53は、第2シェル35を上方向(+Z方向)に押圧する押圧部を有している。第1保持部材53の押圧部は、第1弾性部材54の弾性力により、第2コネクタ13が押し付けられる前(初期状態)においては第2シェル35を上方向(+Z方向)に押圧し、第2コネクタ13が押し付けられた後(最終結合状態)においては第2シェル35と接触せず第2シェル35を押圧しない。即ち、初期状態から最終結合状態までの間で、第1保持部材53の押圧部は、第2シェル35と接触し第2シェル35を押圧する状態から、第2シェル35との接触が解け第2シェル35を押圧しない状態へと徐々に変移する。
第1弾性部材54は、導電性を有する部材から成り、図32に示すように、第1弾性部材54の+Z方向側の先端部は、グランド端子52に接続されている。即ち、第1同軸ケーブル51の第1シールド部材51cと第1弾性部材54とは、グランド端子52を介して電気的に接続されている。また、第1弾性部材54の−Z方向側の端部は、第2ベース体45に保持されている。第1弾性部材54は、図29及び図32に示すように、金属プレート58と一体に形成されている。また、第1弾性部材54は、第1接触子47と別体に形成されており、グランド端子52及び第1保持部材53を介して第1接触子47及び保護部材37を+Z方向に押している。
図33は、図28のB−B断面図である。第2接触子49は、図33に示すように、−Z方向に第2コネクタ13の第2接続端子86(図35参照)を押し付けることにより第2接続端子86と電気的に接続する第2接点部49aを有している。第2接触子49は、隣り合って配置される2つの第1接触子47を挟んで配置されており、12個の第2接触子49が、Y方向に沿って配列されている。なお、第1接触子47と第2接触子49との間のインピーダンスは、整合されている。
図33に示すように、第2接触子49には、第2同軸ケーブル55の第2芯線55a及び第2シールド部材55cが半田付け等により電気的に接続されている。第2同軸ケーブル55は、第2芯線55a、第2芯線55aを覆う第2内部絶縁体55b、第2内部絶縁体55bを介して第2芯線55aを覆う導体から成る第2シールド部材55c、第2シールド部材55cを覆う第2外部絶縁体55dにより構成されている。第2内部絶縁体55bは、第2芯線55aと第2シールド部材55cとを電気的に絶縁する。第2芯線55aと第2シールド部材55cとの間のインピーダンスは整合されており、第2芯線55a及び第2シールド部材55cは、グランド用導体(第2グランド用導体)として機能し、グランドに接続する。第2同軸ケーブル55は、後述する第2保持部材59がZ方向において移動する長さ分及び保護部材37がZ方向において移動する長さ分、第2ベース体45内で第2同軸ケーブル55を撓ませた状態で第2ベース体45に固定されている。なお、この第2同軸ケーブル55と上述した第1同軸ケーブル51とは、配線材として機能する。
また、第2接触子49は、+X方向側に弾性体49bを有しており、弾性体49bは、ジャンパープレート39の櫛歯のひとつを弾性力により+X方向に押している。即ち、第2接触子49とジャンパープレート39とは、電気的に接続されており、ひいては、グランド端子52及び第2接触子49は、ジャンパープレート39に押し付けられることにより電気的に接続されている。第2接触子49とジャンパープレート39とは、弾性体49bの弾性力により接続されているため、第2保持部材59(第2接点部49a)のそれぞれが個別にZ方向に動いた場合であっても、第2接触子49とジャンパープレート39との接続を維持することができる。なお、弾性体49bに代えて、ジャンパープレート39の櫛歯を弾性体とし、櫛歯の弾性力により第2接触子49を押すことにより、第2接触子49とジャンパープレート39とを電気的に接続するようにしてもよい。
また、図33に示すように、第1ベース体15、第2ベース体45及び保護部材37により形成される内部空間には、絶縁体より成る第2保持部材59及び導体より成る第2弾性部材66が設けられている。第2保持部材59は、図33に示すように、第2接触子49を保持しており、±Z方向に移動可能である。即ち、第2接触子49は第2保持部材59の移動とともに±Z方向に移動し、第2接触子49の第2接点部49aのZ方向における位置も変動する。第2接触子49及び第2保持部材59は、+Z方向においては第2シェル35の開口部35a近傍の裏面に第2保持部材59の+Z方向側の上面が係止されるまで移動することができ、−Z方向においては第2接点部49aが第2シェル35(保護部材37)の上側(+Z方向側)の表面と略同一面に位置するまで移動可能である。
また、第2保持部材59は、第2シェル35を上方向(+Z方向)に押圧する押圧部を有している。第2保持部材59の押圧部は、第2弾性部材66の弾性力により、第2コネクタ13が押し付けられる前(初期状態)においては第2シェル35を上方向(+Z方向)に押圧し、第2コネクタ13が押し付けられた後(最終結合状態)においては第2シェル35と接触せず第2シェル35を押圧しない。即ち、初期状態から最終結合状態までの間で、第2保持部材59の押圧部は、第2シェル35と接触し第2シェル35を押圧する状態から、第2シェル35との接触が解け第2シェル35を押圧しない状態へと徐々に変移する。
第2弾性部材66は、導電性を有する部材から成り、図33に示すように、第2弾性部材66の+Z方向側の先端部は、第2保持部材59に接触しており、第2保持部材59を+Z方向に押し上げている。第2弾性部材66は、図29及び図33に示すように、金属プレート58と一体に形成されている。即ち、第1弾性部材54と第2弾性部材66とは、金属プレート58を介して電気的に接続されている。また、第2弾性部材66の−Z方向側の端部は、第2ベース体45に保持されている。第2弾性部材66は、第2接触子49と別体に形成されており、第2接触子49及び保護部材37を+Z方向に押している。なお、第2弾性部材66の+Z方向側の先端部が第2接触子49に接触するように構成してもよい。この場合には、第2同軸ケーブル55の第2シールド部材55cと第2弾性部材66とが第2接触子49を介して電気的に接続され、ひいては金属プレート58が第2弾性部材66及び第2接触子49を介して第2シールド部材55cに電気的に接続される。
図34は第2ベース体45、第3接触子56、第4接触子57及び金属プレート58の構成を示す図である。図34に示すように、複数(第3の実施の形態では22個)の第1弾性部材54及び複数(第3の実施の形態では12個)の第2弾性部材66は、金属プレート58と一体に形成されている。即ち、複数の第1弾性部材54と複数の第2弾性部材66とは、金属プレート58を介して電気的に接続されている。
金属プレート58は、第1接触子47及び第2接触子49の近傍に配置され、第2ベース体45に固定されている。金属プレート58は、上述したように、第1弾性部材54及び第2弾性部材66と一体に形成されている。したがって、金属プレート58は、第1弾性部材54及びグランド端子52を介して第1同軸ケーブル51の第1シールド部材51cに電気的に接続されている。金属プレート58には、図34に示すように、−Z方向側に伸びる2つの端子58aが設けられている。端子58aは、グランドに接続される。また、金属プレート58には、+Z方向側に伸びる3つの平板状の第1突出部58b、+Z方向側に伸びる2つのU字形状の第2突出部58cが設けられている。第1突出部58bは、第2コネクタ13が第1コネクタ11に−Z方向に押し付けられた際に、保護部材37の貫通孔37dを介して第2シェル35に接続される。第2突出部58cの先端部は、第2コネクタ13が第1コネクタ11に−Z方向に押し付けられた際に、保護部材37の貫通孔37e及び第2シェル35の開口部35aを介して第2コネクタ13が備えるグランドプレート85のグランド用端子85a(図35参照)に接続される。
第3接触子56は、図34に示すように、−Y方向側に2個、+Y方向側に2個配置されている。第3接触子56の+Z方向側の端部には、第3接点部56aが設けられており、第3接点部56aは、第2コネクタ13の第3接続端子87(図35参照)と接続する。第3接触子56は±Z方向に移動可能であり、第3接触子56の移動に伴い、第3接点部56aのZ方向における位置も変動する。第3接触子56は、+Z方向においては保護部材37の開口部37b周りの裏面に第3接触子56の+Z方向側の先端部が係止されるまで移動することができ、−Z方向においては第3接点部56aが第2シェル35(保護部材37)の上側の表面と略同一面に位置するまで移動可能である。第3接触子56の−Z方向側の端部は、第1ベース体15にカバー41を装着することにより形成される開口部から導出される。
第4接触子57は、図34に示すように、−Y方向側に1個、+Y方向側に1個配置されている。第4接触子57の+Z方向側の端部には、第4接点部57aが設けられており、第4接点部57aは、第2シェル35と接続する。第4接触子57は±Z方向に移動可能であり、第4接触子57の移動に伴い、第4接点部57aのZ方向における位置も変動する。第4接触子57の−Z方向側の端部は、第1ベース体15にカバー41を装着することにより形成される開口部から導出される。
次に、第3の実施の形態に係るコネクタ1が備える第2コネクタ13について説明する。図35は、第2コネクタ13の外観を示す底面図、図36及び図37は、第2コネクタ13の構成を示す分解図であり、第2コネクタ13は、図27に示すように、プリント基板88に実装されており、図35〜図37に示すように、シェル69、ハウジング72、複数(第3の実施の形態では22個)の第1接続端子82、複数(第3の実施の形態では12個)の第2接続端子86、4個の第3接続端子87及びグランドプレート85を備えている。シェル69は、金属等の導電性を有する部材により形成されており、ハウジング72を覆っている。シェル69は、図36に示すように、開口部69aを有しており、開口部69aは、第1接続端子82の第1接続面82a、第2接続端子86の第2接続面86a(図35参照)、第3接続端子87の第3接続面87a、及びグランドプレート85のグランド用端子85aを露出させる。
ハウジング72は、絶縁性を有する部材、例えば樹脂から成り、シェル69により覆われている。ハウジング72は、第1接続端子82の第1接続面82aを露出させるための22個の開口部72a、第2接続端子86の第2接続面86aを露出させるための12個の開口部72b、第3接続端子87の第3接続面87aを露出させるための4個の開口部72c、及びグランドプレート85のグランド用端子85aを露出させるための2個の開口部72dを有している。
図38は、図35のC−C断面図である。第1接続端子82は、図38に示すように、一端部に第1接続面82aを有し、ハウジング72の開口部72a及びシェル69の開口部69aから−Z方向に第1接続面82aを露出させた状態でハウジング72に組み込まれている。第1接続端子82の第1接続面82aは、第2コネクタ13が第1コネクタ11に押し付けられた際に、第1コネクタ11が備える第1接触子47の第1接点部47a(図32参照)に押し付けられることにより第1接点部47aと電気的に接続する。第1接続端子82の他端部82bは、プリント基板88に実装される。2つの第1接続端子82は、Y方向に沿って隣り合って配置され、隣り合う2つの第1接続端子82は、Y方向に沿って11組配列されている。
図39は、図35のD−D断面図である。第2接続端子86は、グランドプレート85と一体に形成されており、具体的には、グランドプレート85の−Z方向側の端部を折り曲げて形成されている。即ち、第2接続端子86は、グランドプレート85と電気的に接続されている。なお、第2接続端子86は、グランドプレート85と電気的に接続される構成であれば、グランドプレート85と別体に形成されていてもよい。第2接続端子86は、第2接続面86aを有し、ハウジング72の開口部72b及びシェル69の開口部69aから−Z方向に第2接続面86aを露出させた状態でハウジング72に組み込まれている。第2接続端子86の第2接続面86aは、第2コネクタ13が第1コネクタ11に押し付けられた際に、第1コネクタ11が備える第2接触子49の第2接点部49a(図33参照)に押し付けられることにより第2接点部49aと電気的に接続する。第2接続端子86は、隣り合って配置される2つの第1接続端子82を挟んで配置されており、12個の第2接続端子86が、Y方向に沿って配列されている。なお、第1接続端子82と第2接続端子86との間のインピーダンスは、整合されている。
第3接続端子87は、一端部に第3接続面87aを有し、ハウジング72の開口部72c及びシェル69の開口部69aから−Z方向に第3接続面87aを露出させた状態でハウジング72に組み込まれている。第3接続端子87の第3接続面87aは、第2コネクタ13が第1コネクタ11に押し付けられた際に、第1コネクタ11が備える第3接触子56の第3接点部56a(図34参照)に押し付けられることにより第3接点部56aと電気的に接続する。第3接続端子87の他端部87b(図39参照)は、プリント基板88に実装される。第3接続端子87は、図35に示すように、−Y方向側に2個、+Y方向側に2個配置されている。
グランドプレート85は、導電性を有する部材、例えば金属から成り、複数の第1接続端子82の近傍に配置されている。具体的には、グランドプレート85は、複数の第1接続端子82の+X方向側であって、複数の第1接続端子82及び複数の第2接続端子86を一列に配列する配列方向(Y方向)に沿った面内(第3の実施の形態ではYZ平面内)に配置されている。グランドプレート85は、−Z方向側の端部から−X方向に向けて折り曲げて形成される12個の第2接続端子86を有している。また、グランドプレート85は、−Z方向側の端部から+X方向に向けて折り曲げて形成される2個のグランド用端子85a、+Z方向側の端部から−X方向に向けて折り曲げて形成される11個の折曲げ部85b、及び+Z方向側の端部から−X方向に向けて折り曲げて形成される12個のグランド用端子85cを有している。グランドプレート85は、複数の第1接続端子82の近傍に配置され、ハウジング72の開口部72b及びシェル69の開口部69aから−Z方向に第2接続端子86の第2接続面86aを露出させた状態で、且つハウジング72の開口部72d及びシェル69の開口部69aから−Z方向にグランド用端子85aを露出させた状態でハウジング72に組み込まれている。なお、第1接続端子82とグランドプレート85との間のインピーダンスは、整合されている。
図40は、図35のE−E断面図である。グランド用端子85aは、ハウジング72の開口部72d及びシェル69の開口部69aから−Z方向に露出しており、第2コネクタ13が第1コネクタ11に押し付けられた際に、第1コネクタ11が備える金属プレート58の第2突出部58c(図34参照)に押し付けられることにより第2突出部58cと電気的に接続する。グランド用端子85cは、プリント基板88に実装される。
次に、この第3の実施の形態に係る第1コネクタ11に第2コネクタ13を押し付ける過程における保護部材37及び第1接点部47aの変位について説明する。なお、第1コネクタ11に第2コネクタ13を押し付ける過程における第2接点部49aの変位については、第1接点部47aの変位と略同一のため、説明を省略する。
第2コネクタ13が第2シェル35、保護部材37、第1接点部47a及び第2接点部49aと接触する前(初期状態)においては、図32に示すように、第1接点部47aは、第2シェル35の開口部35aから所定量突出した位置に位置している。なお、第1接点部47aの突出量は、第1コネクタ11に第2コネクタ13を押し付ける際に第2コネクタ13の第1接続端子82(第1接続面82a)を第1接点部47aに接触させるために必要な最低限度の突出量である。保護部材37の上側(+Z方向側)の表面は、第1ベース体15の上側(+Z方向側)の表面から所定量突出した状態に維持されている。
次に、第2コネクタ13が第1コネクタ11に押し当てられると、第2コネクタ13の第1接続端子82(第1接続面82a)が第1接点部47aに接触するとともに押し付けられ、第1接点部47aに−Z方向側の押圧力が加えられる。第1接点部47aは−Z方向への移動を開始し、第1接点部47aの移動開始に伴い、第2シェル35及び保護部材37も−Z方向側への移動を開始する。
更に第2コネクタ13が第1コネクタ11に押し付けられると、第1接点部47aは−Z方向へ更に移動し、第2シェル35及び保護部材37は−Z方向への移動を停止する。更に第2コネクタ13が第1コネクタ11に押し付けられると、第2シェル35及び保護部材37は移動せず、第1接点部47aのみが−Z方向へ移動する。図41は、第1コネクタ11と第2コネクタ13との結合状態を示す外観斜視図である。図41に示すように、第2コネクタ13が第1コネクタ11に完全に押し付けられると(最終結合状態)、第1接点部47aのZ方向における位置は、第2シェル35の+Z方向側の表面(第1接続端子82及び第2接続端子86を押し付ける押付け面)と略同一面上となる。
この第3の実施の形態に係るコネクタ1が備える第1コネクタ11によれば、第1接触子47と第1弾性部材54と(第2接触子49と第2弾性部材66と)が一体でなく別体で形成されているため、コネクタの設計の自由度を高めることができる。即ち、接触子と弾性部材とが一体化した端子では端子のサイズや形状、ひいてはコネクタのサイズや形状に制約が多く、設計の自由度が低くなるが、この第3の実施の形態によれば、接触子と弾性部材とが別体で形成されているため、接触子と弾性部材とが一体化した端子より構造を単純化することができ、接触子のサイズや形状に係る設計の自由度が高くなり、ひいてはコネクタのサイズや形状に係る設計の自由度が高くなる。また、設計の自由度が高くなることにより、コネクタのコンパクト化を図ることもできる。
さらに、接触子のサイズや形状に係る設計の自由度が高くなるため、接触子の構成及びコネクタの伝送路をシンプルにすることができ、高速伝送に対するインピーダンスマッチングを容易に行うことができる。即ち、インピーダンスに影響を及ぼすコネクタ断面(コネクタの伝送路に対して垂直な面)をシンプル且つコネクタ断面の種類を少数化することができるため、ターゲットインピーダンスに合致した同軸ケーブルを用いることにより、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。
また、この第3の実施の形態に係るコネクタ1が備える第1コネクタ11によれば、保護部材37が第1接点部47a、第2接点部49a及び第3接点部56aを保護するため、安価で故障しにくいコネクタを提供することができる。例えば、第1接点部47a、第2接点部49a及び第3接点部56aが保護部材37で保護されているため、誤って指やペン先等が第1コネクタ11に触れた場合でも、指やペン先等との接触による第1接点部47a、第2接点部49a及び第3接点部56aの変形を防止することができる。また、最終結合状態において十分な押圧力で第1接続端子82、第2接続端子86及び第3接続端子87に第1接点部47a、第2接点部49a及び第3接点部56aを接触させることができる。
また、この第3の実施の形態に係るコネクタ1が備える第1コネクタ11によれば、グランド端子52を介して第1同軸ケーブル51の第1シールド部材51c、ジャンパープレート39及び第1弾性部材54は電気的に接続されている。また、第2接触子49を介して第2同軸ケーブル55の第2芯線55a、第2同軸ケーブル55の第2シールド部材55c及びジャンパープレート39は電気的に接続されている。また、ジャンパープレート39を介して22個のグランド端子52及び12個の第2接触子49はすべて電気的に接続されている。また、金属プレート58を介して22個の第1弾性部材54及び12個の第2弾性部材66はすべて電気的に接続されている。更に、金属プレート58は、第2シェル35に電気的に接続されており、第2シェル35は、第1シェル33に電気的に接続されている。また、第1コネクタ11と第2コネクタ13との最終結合状態においては、金属プレート58が第2コネクタ13のグランドプレート85に、第2シェル35が第2コネクタ13のシェル69に電気的に接続される。したがって、更なるグランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。また、隣り合って配置される第1接触子47を挟んで第2接触子49が配置されているため、グランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。
また、この第3の実施の形態に係るコネクタ1が備える第2コネクタ13によれば、隣り合う2つの第1接続端子82は、グランドプレート85、グランドプレート85の折曲げ部85b、及び第2接続端子86により形成される空間に配置されている。また、第1接続端子82とグランドプレート85との間のインピーダンスは整合されており、第1接続端子82と第2接続端子86との間のインピーダンスも整合されている。また、グランドプレート85と第2接続端子86とは電気的に接続されている。更に、第1コネクタ11と第2コネクタ13との最終結合状態においては、グランドプレート85が第1コネクタ11の金属プレート58に、シェル69が第1コネクタ11の第2シェル35に電気的に接続される。したがって、更なるグランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。また、隣り合って配置される第1接続端子82を挟んで幅広の第2接続端子86が配置されているため、グランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。
なお、上述の第3の実施の形態に係る第2コネクタ13においては、1個のグランドプレート85を備えているが、2個以上のグランドプレートを備えてもよい。2個のグランドプレート(第1グランドプレート及び第2グランドプレート)を備える場合には、第1グランドプレートを複数の第1接続端子82の+X方向側に、第2グランドプレートを複数の第1接続端子82の−X方向側に配置する。即ち、複数の第1接続端子82及び複数の第2接続端子86を第1グランドプレートと第2グランドプレートとの間に配置(一列に配列)する。この場合には、第1接続端子82、第1グランドプレート及び第2グランドプレート間のインピーダンスが整合されているため、更なるグランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。
また、複数のグランドプレート及び複数の第2接続端子86を用いて、隣り合う2つの第1接続端子82を囲む構成にしてもよい。例えば上述した第1グランドプレート及び第2グランドプレート、並びにY方向と交差する面(ZX平面に沿った面)において第1接続端子82より幅広である第2接続端子86を用いて、隣り合う2つの第1接続端子82を囲む構成にする。この場合には、第1接続端子82と第2接続端子86との間のインピーダンスが整合されており、且つ第1接続端子82、第1グランドプレート及び第2グランドプレート間のインピーダンスが整合されているため、更なるグランド強化を図ることができ、高速伝送特性を向上させることができる。
なお、上述の第2及び第3の実施の形態においては、複数の第1接触子を備えているが、少なくとも1つの第1接触子を備えていればよい。また、複数の第2接触子を備えているが、少なくとも1つの第2接触子を備えていればよい。
また、上述の各実施の形態においては、配線材として同軸ケーブルを例に挙げて説明したが、同軸ケーブル以外の配線材、例えばFFC(フレキシブルフラットケーブル)またはFPC(フレキシブルプリント基板)等を用いてもよい。この場合には、第1接触子及び第2接触子に接続される側のFFC(またはFPC)の導体間に、FFC(またはFPC)の長手方向に沿って切り込みを設ける。また、第1接触子または第1保持部材にFFC(またはFPC)を押し付ける第1押付部を第1接触子に設け、該第1押付部が第1接触子または第1保持部材にFFC(またはFPC)の導体を押し付けることにより、第1接触子とFFC(またはFPC)の導体とが電気的に接続されるように構成するとよい。また、第2接触子または第2保持部材にFFC(またはFPC)を押し付ける第2押付部を第2接触子に設け、該第2押付部が第2接触子または第2保持部材にFFC(またはFPC)の導体を押し付けることにより、第2接触子とFFC(またはFPC)のグランド用導体とが電気的に接続されるように構成するとよい。なお、FFCまたはFPCのグランド用導体は、2層または3層からなる。
また、上述の各実施の形態においては、2つの接触子(第1接触子)が隣り合って配置されているが、3つ以上の接触子(第1接触子)が隣り合って配置される構成であってもよい。
また、上述の各実施の形態においては、ベース体及び保護部材を備え、ベース体が+Z方向に保護部材を突出させる第1開口部、保護部材が+Z方向に接点部(第1接点部)等を突出させる第2開口部を有しているが、ベース体のみを備え、ベース体が+Z方向に接点部(第1接点部)等を突出させる第2開口部を有する構成にしてもよい。この場合には、第1接点部及び第2接点部は、第2コネクタ(第1接続端子及び第2接続端子)を押し付ける押付け面よりも第2コネクタ側(+Z方向側)に、ベース体から突出可能である。また、第2コネクタが第1接点部または第2接点部と接触する前においては、第1接点部及び第2接点部が+Z方向側に突出した位置に位置し、第2コネクタとの最終結合状態においては、第1接点部及び第2接点部が第2コネクタ(第1接続端子及び第2接続端子)を押し付ける押付け面と略同一面に位置する。
また、上述の各実施の形態において、コネクタは、クレードル、パソコン、携帯電話、スマートホン、及びタブレット端末等の電子機器に取付けられる。