JP6955953B2 - ガスレンジ用トッププレート覆い - Google Patents

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Description

この発明はガスレンジ用トッププレート覆いに関し、特に、ガスレンジのトッププレートの上方面を覆うように設置されるガスレンジ用トッププレート覆いに関するものである。
従来、ガスレンジのトッププレート上に設置して使用されるトッププレート覆いが存在する。
図4は特許文献1に開示された従来のトッププレート覆いの全体形状を示した平面図であり、図5は図4で示したV−Vラインの拡大断面図である。
これらの図を参照して、トッププレート覆い51を構成するシート本体52は、矩形シート形状を有し、後述するガスレンジにおけるガスバーナーの外径(位置及び大きさ)に対応した複数の開口61a〜61cが形成されている。
又、シート本体52は、難燃紙54の両面にアルミニウム箔55a、55bを接着剤層56a、56bを介して積層して構成されている。
次に、図6は図4で示したトッププレート覆いの使用状態を示す斜視図である。
図を参照して、トッププレート覆い51の底面部53は、ガスレンジ71の機器台上面に形成された凹形状のトッププレート72にはまり込むような大きさに設定されている。
トッププレート72は種々の素材からなるものが存在し、例えばホーロー製のものが存在する。又、トッププレート覆い51の複数の開口61a〜61cの各々は、ガスレンジ71における複数のガスバーナー73a〜73cの各々の外径と対応するように設定されている。
このように構成されていることにより、トッププレート覆い51はガスレンジ71の機器台上面全体をほぼ覆うように設置される。トッププレート覆い51を設置した状態でガスレンジ71を使用して調理を行ったとき、調理に伴って飛び散った水分や油分を含む調理カス等の汚れがガスレンジ71上面に到達するのをトッププレート覆い51が阻止し、ガスレンジ71のトッププレート72の汚れを防止する。
特開2000−205581号公報
従来のトッププレート覆い51は使用時に、シート本体52の最も下方に積層されたアルミニウム箔55bの下方面とトッププレート72の上方面とが直接的に接触している。そのため、ガスレンジ71で調理を行うと、特に揚げ物等の高温かつ比較的長時間に亘る調理の際には、ガスバーナー73周辺のトッププレート72とトッププレート覆い51との接触箇所が200度(摂氏であり、以下、温度については同様とする。)以上の高温に達することがある。
又、トッププレート覆い51を取り外し、アルカリ性洗剤を用いてガスレンジ71のトッププレート72の上方面を清掃することがある。清掃後には再度トッププレート覆い51をトッププレート72上に設置するが、その際にトッププレート72とトッププレート覆い51との接触箇所にアルカリ性洗剤が残留していることがある。
そして、従来のトッププレート覆いをホーロー製のトッププレート上に直接的に接触するように設置し、接触箇所にアルカリ性洗剤が残留していると共にガスバーナー73を使用することでガスバーナー73周辺のトッププレート72とトッププレート覆い51との接触箇所が高温になったとき(特に、200度以上の高温に達したとき)、トッププレートの上方面に濃いシミ状の変色が発生することがある。
尚、上述した直接的な接触とは、二つの面が厳密に密着することを要さず、トッププレート覆いをトッププレート上に通常の設置方法にて設置した状態における、トッププレート覆いの下方面とトッププレートの上方面との接触状態を含む。又このとき、少量の液体を介して接触することを含む。
又、上述した問題は、アルカリ性洗剤がpH11以上の強アルカリ性である場合に顕著である。
このような問題は、アルミニウム金属質材料面とホーロー材料面とが直接的に接触していること、その接触箇所にアルカリ性洗剤が残留していること、及び、接触箇所が高温に達したこと、以上の条件において反応が起こり発生するものである。即ち、例えばホーロー以外の素材からなるトッププレートにおいて従来のトッププレート覆いを使用してもこのような問題は発生せず、又、ホーロー製のトッププレートにおいて接触箇所にアルカリ性洗剤が残留している場合でも、通常の使用方法では高温(200度)に達する機会が少なく又その温度が保持される時間も短いことから問題が発生し難く、発生する場合にも70度程度の高温に達してから変色が発生するまでに3ヶ月(2000時間)以上の期間を要していた。そのため問題発生の頻度は高くなく、現時点まで発見されることのなかったものであるが、発生した場合にはトッププレート上の変色箇所は各種洗剤等を使用しても容易には除去できないものであるため、改善の必要性が高い。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ホーロー製のトッププレート上での使用時、アルカリ性洗剤の残留及び高温の条件下における、トッププレート上に変色が発生する虞が減少したガスレンジ用トッププレート覆いを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ガスレンジのホーロー製トッププレートの上方面を覆うように設置されるガスレンジ用トッププレート覆いであって、シート状の紙と、紙の上方面に積層された第1のアルミニウム箔と、紙の下方面に積層された第2のアルミニウム箔と、第2のアルミニウム箔の下方面に積層された、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層とを備えたものである。
このように構成すると、使用時に、第2のアルミニウム箔の下方面とトッププレートの上方面とが直接的には接触せず、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層がトッププレートに接触する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、合成樹脂は、エポキシ−アミノ樹脂であるものである。
このように構成すると、保護コート層は、高温強アルカリ耐性を有する。又、その表面の撥水性が向上する。更に、防滑性が向上する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、保護コート層の表面に対しメチルエチルケトン含浸ウエスを900g荷重にて15cm間を10往復させるラビングテストを行った後に保護コート層の剥離が発生しないものである。
このように構成すると、第2のアルミニウム箔に対する固着性が安定した保護コート層となる。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、ガスレンジにおけるガスバーナーの外径に対応した開口と、開口周辺に形成され、異なったタイプのガスレンジのガスバーナーに対応した他の開口を形成するための開口補助線とを更に備え、保護コート層の表面は、防滑性を有するものである。
このように構成すると、開口補助線を用いて他の開口を形成することができる。又、トッププレート覆いの下方面の防滑性が向上する。
請求項5記載の発明は、ガスレンジのホーロー製トッププレートの上方面を覆うように設置されるガスレンジ用トッププレート覆いであって、その下方面がアルミニウム金属質材料からなるシート本体と、シート本体の下方面に積層された、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層とを備えたものである。
このように構成すると、使用時に、アルミニウム金属質材料の下方面とトッププレートの上方面とが直接的には接触せず、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層がトッププレートに接触する。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、使用時に、第2のアルミニウム箔の下方面とトッププレートの上方面とが直接的には接触せず、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層がトッププレートに接触するため、ホーロー製のトッププレート上での使用時、アルカリ性洗剤の残留及び高温の条件下における、トッププレート上に変色が発生する虞が減少する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、保護コート層は、高温強アルカリ耐性を有するため、強アルカリ性洗剤を使用する場合、トッププレート上に変色が発生する虞がより確実に減少する。又、その表面の撥水性が向上するため、清掃の手間が減少する。更に、防滑性が向上するため、設置の安定性が向上する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、第2のアルミニウム箔に対する固着性が安定した保護コート層となるため、トッププレート上に変色が発生する虞が更に減少する。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、開口補助線を用いて他の開口を形成することができるため、異なったタイプのガスレンジにも対応して設置することができ、使用勝手が向上する。又、トッププレート覆いの下方面の防滑性が向上するため、開口補助線に沿って他の開口を形成する際のずれを防止でき、使用勝手が向上する。
請求項5記載の発明は、使用時に、アルミニウム金属質材料の下方面とトッププレートの上方面とが直接的には接触せず、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層がトッププレートに接触するため、ホーロー製のトッププレート上での使用時、アルカリ性洗剤の残留及び高温の条件下における、トッププレート上に変色が発生する虞が減少する。
この発明の実施の形態によるトッププレート覆いの全体形状を示す平面図である。 図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。 図1で示したトッププレート覆いの使用状態を示す斜視図である。 従来のトッププレート覆いの全体形状を示した平面図である。 図4で示したV−Vラインの拡大断面図である。 図4で示したトッププレート覆いの使用状態を示す斜視図である。
図1はこの発明の実施の形態によるトッププレート覆いの全体形状を示す平面図であり、図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図であり、図3は図1で示したトッププレート覆いの使用状態を示す斜視図である。
これらの図を参照して、トッププレート覆い1のシート本体2は、例えば縦40cm、横60cmの略矩形シート状を有し、ガスレンジ21における複数のガスバーナー23a〜23cの各々の外径に対応した複数の開口11a〜11cが形成されている。図3で示すように、トッププレート覆い1は、ガスレンジ21のトッププレート22の上方面を覆うように設置される。従来のトッププレート覆いと同様、トッププレート覆い1を設置した状態でガスレンジ21を使用して調理を行ったとき、調理に伴って飛び散った水分や油分を含む調理カス等の汚れがガスレンジ21上面に到達するのをトッププレート覆い1が阻止し、ガスレンジ21のトッププレート22の汚れを防止する。そして、揚げ物等の調理の際には、ガスバーナー23周辺のトッププレート22とトッププレート覆い1との接触箇所が200度以上の高温に達することがある。
尚、上方あるいは下方とは、トッププレート覆い1の設置状態において、トッププレート22に対してトッププレート覆い1の存在する方向を上方とし、逆の方向を下方とする。
トッププレート覆い1を構成するシート本体2は、図2で示すように、紙4と、紙4の上方面に第1の接着剤層6を介して全面に積層された第1のアルミニウム箔5と、紙4の下方面に第2の接着剤層8を介して全面に積層された第2のアルミニウム箔7と、第2のアルミニウム箔7の下方面の全面に積層された保護コート層10とから構成されている。尚、図2においては第1の接着剤層6及び第2の接着剤層8は紙4の表裏面に明確に層として別個に形成されているが、第1の接着剤層6及び第2の接着剤層8を紙4に浸透させて一体となっていても良い。
ここで、本実施の形態に係る紙4は、シート状であってトッププレート覆いの形状の基礎となる部分であり、保形性と折り曲げし易さとを両立させる観点から、坪量(シート本体における平均坪量)が70g/m以上300g/m以下であることが好ましい。
又、上述した紙4は、公知の紙を用いることが可能であるが、ガスバーナー周辺に設置して使用する際の安全性確保の観点から、難燃紙であることが好ましく、不燃紙であることが更に好ましい。紙の種類は特に限定されないが、所望の用途に応じて、純白ロール紙、クラフト紙、パーチメント紙、アイボリー紙、マニラ紙、カード紙、カップ紙、グラシン紙等を用いることができる。
次に、本実施の形態に係る第1のアルミニウム箔5は、アルミニウム金属質材料(アルミニウム合金を含む)からなり、防湿性、ガスバリア性、耐熱性、形態保持性等を有すると共にメタリックな光沢性により美観を向上させる。耐久性や形態保持性の確保と後述する破断のし易さを確保する観点から、厚さ(シート本体における平均厚さ)が6μm以上50μm以下であることが好ましい。
又、上述した第1のアルミニウム箔5は、焼きなまし等の安定化処理を行ったものでも良いし、行っていないものでも良い。
更に、本実施の形態においては、第1のアルミニウム箔5の上方面は耐熱インキによって全面印刷され意匠性を向上させると共に汚れの拭き取り易さを向上させているが、印刷は必ずしも必要なものではない。
次に、本実施の形態に係る第2のアルミニウム箔7は、上述した第1のアルミニウム箔5と同様に、アルミニウム金属質材料(アルミニウム合金を含む)からなり、防湿性、ガスバリア性、耐熱性、形態保持性等を有する。耐久性や形態保持性の確保と加工し易さを確保する観点から、厚さが6μm以上50μm以下であることが好ましい。
尚、本実施の形態においては、第1のアルミニウム箔5が紙4の上方面に、厚さ15μm程度の第1の接着剤層6を介して一般的なラミネート加工により貼り合わせることで積層されているが、他の接着手段を用いても良いし、接着層を介することなく蒸着等によりアルミニウムを積層しても良い。又、第2の接着剤層8を用いた第2のアルミニウム箔7の紙4に対する積層手段も、第1の接着剤層6及び第1のアルミニウム箔5の場合と同様であるので記載を繰り返さない。
このように、シート本体2の紙4の両面が、形態保持性を有する第1のアルミニウム箔5及び第2のアルミニウム箔7で覆われる。従って、紙4の吸湿が抑えられると共に、シート本体2の保形性が向上する。その結果、ガスレンジからの熱や湿気による反りが抑えられるので、設置するトッププレートにフィットさせることができる。
次に、本実施の形態に係る保護コート層10は、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなり、トッププレート覆い1の使用時に接触箇所において高温に達したアルカリ性洗剤が第2のアルミニウム箔7に到達するのを阻止する。
ここで、高温アルカリ耐性とは、70度程度の高温環境下において、pH8以上のアルカリに接しても物性が著しく低下することのない性能をいい、特に200度以上の高温環境下においても同様の性能であることが好ましい。高温アルカリ耐性の有無は具体的には、後述する実施例の高温アルカリ環境試験に従ってトッププレート覆いを使用したとき、ホーロー製のトッププレート上に変色が発生するか否かによって判断することが可能である。尚、高温に対する耐性(耐熱性)及びアルカリに対する耐性をいずれも有している場合であっても、高温アルカリ耐性を有しているとは限らない。
本実施の形態に係るトッププレート覆いにあっては、シート本体の最も下方に保護コート層が積層されていることにより、使用時に、第2のアルミニウム箔の下方面とトッププレートの上方面とが直接的には接触せず、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層がトッププレートに接触するため、ホーロー製のトッププレート上での使用時、アルカリ性洗剤の残留及び高温の条件下における、トッププレート上に変色が発生する虞が減少する。
従来のトッププレート覆いにあっては、最も下方に積層されたアルミニウム箔の表面に保護コート層を設けることは、そのアルミニウム箔の銀色面の意匠性の高さ(流通時や使用前には視認可能)、トッププレートと接触する裏面であることから保護コート層の必要性が低いこと、又、コストが発生すること等から一般的でなかった。本発明にあっては、第2のアルミニウム箔の下方面に高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層をあえて積層することで、トッププレート上の変色発生の虞を減少させたものである。
又、200度以上の高温アルカリ耐性を有する合成樹脂としては、例えばエポキシ−アミノ樹脂、エポキシ、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドイミド等が挙げられる。又、エポキシ−アミノ樹脂であることが好ましい。エポキシ−アミノ樹脂からなる保護コート層は、高温強アルカリ耐性を有するため、強アルカリ性洗剤を使用する場合、トッププレート上に変色が発生する虞がより確実に減少する。又、その表面の撥水性が向上するため、清掃の手間が減少すると共に接触箇所におけるアルカリ性洗剤の残留の虞が減少する。更に、防滑性が向上するため、設置の安定性が向上する。
ここで、高温強アルカリ耐性とは、pH11以上の強アルカリに対する性能をいうこと以外は上述した高温アルカリ耐性と基本的に同様であるので記載を繰り返さない。一般的な家庭用洗剤であっても、例えば強アルカリ電解水を主成分として含むpH12〜13の洗剤が存在するため、高温強アルカリ耐性を有することは重要である。
又、上述した保護コート層10の厚さは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。薄すぎては十分に高温アルカリ耐性を発揮することができず、又、厚すぎては後述するトッププレート覆いの破断が容易でなくなるためである。
又、上述した保護コート層10を積層する手段としては、合成樹脂を面状に積層する公知の手段を用いることができ、例えば合成樹脂をこれに適した溶剤中に溶解又は分散させたものを用いた、グラビア印刷等の印刷、塗布、フィルムのラミネート等が挙げられる。
又、上述した保護コート層10の第2のアルミニウム箔7に対する固着性としては、ウエスに溶剤としてのメチルエチルケトンを染み込ませて900gの錘に巻き付け、保護コート層10の表面15cm間を10往復させるラビングテストを行った後に保護コート層10の剥離が発生しないものであることが好ましい。尚、ここで剥離とは、ラビングテストの往復工程において保護コート層の表面が徐々に剥がれたり削られたりすることを含む。又、剥離が発生しないものとは、ラビングテストを行った後に第2のアルミニウム箔の露出が発生しないものをいう。即ち、保護コート層10の硬化を十分なものとすることで第2のアルミニウム箔7に対する固着性が安定した保護コート層10となるため、トッププレート上に変色が発生する虞が更に減少する。このような保護コート層10を積層する手段としては、例えば上述したグラビア印刷の乾燥工程において、乾燥温度を50度以上250度以下(好ましくは160度以上200度以下)、湿度を10%以上80%以下(好ましくは30%以上60%以下)、ライン速度を10m/分以上200m/分(好ましくは、50m/分以上120m/分以下)、及び、乾燥時間を30秒以上1時間以下(好ましくは5分以上12分以下)とする方法が挙げられるが、これに限られず保護コート層を十分に硬化できれば良い。
次に、トッププレート覆いが備える開口補助線について説明する。
図1を参照して、トッププレート覆い1には、上述したように特定機種のガスレンジのガスバーナーの外径に対応した開口11a〜11cが形成されている。又、開口11aの周辺には、異なったタイプのガスレンジのガスバーナーの外径に対応した位置及び大きさに開口補助線としての切れ目12aが形成され、更にその外方には更に異なったタイプのガスレンジの外径に対応した位置及び大きさに開口補助線としての切れ目13aが形成されている。更に、開口11bの周辺及び開口11cの周辺にも同様に、切れ目12b及び切れ目13b並びに切れ目12c及び切れ目13cが形成されている。
ここで、切れ目は、シート本体の下方面から保護コート層と第2のアルミニウム箔と紙の一部とに連続して形成されたものである。製造にあたっては、例えばシート本体2に対してトムソン刃を用いて、下方面から保護コート層10、第2のアルミニウム箔7及び紙4の少なくとも一部まで連続した切れ込みを入れることで形成することができる。
これによって、例えば開口11aに対応するガスバーナーのリングプレートの外径が切れ目12aに対応した機種の場合、使用者がプラスチック製ナイフ等を用いて切れ目12aを基準にシート本体2を破断することによって、開口11aに代えてより大きな他の開口をシート本体2に形成することができるため、異なったタイプのガスレンジにも対応して設置することができ、使用勝手が向上する。尚、切れ目12b、12c及び13a〜13cにあっても切れ目12aと同様である。
本実施の形態にあっては、図3に示したように、開口11aがガスバーナー23aのリングプレート24aの外径に合致しており、開口11bがガスバーナー23bのリングプレート24bの外径に合致しており、開口11cがガスバーナー23cのリングプレート24cの外径に合致している。そのため、切れ目を用いて新たに他の開口を形成する必要はないが、本実施の形態と異なったタイプのガスレンジに対して設置する場合には、そのガスレンジのガスバーナーの各々の外径に合わせて、切れ目を使用して他の開口を形成した状態で使用すれば良い。
そして、切れ目によって他の開口を形成する際には、上述したように使用者が設置状態において上方から破断することとなるが、従来のトッププレート覆いのようにトッププレートと接触する面がアルミニウム箔であると、防滑性の低さから破断する際にずれが生じることがある。
そのため、本実施の形態に係る保護コート層は、例えばエポキシ−アミノ樹脂等の防滑性を有する合成樹脂を用いる、あるいは防滑処理を施す等して、その表面が防滑性を有するものとすることが好ましい。開口補助線を備えるトッププレート覆いにあっては、このように保護コート層の表面が防滑性を有するものとすることで、開口補助線に沿って他の開口を形成する破断の際のずれを防止でき、更に使用勝手が向上する相乗効果を奏する。
尚、本実施の形態においては、トッププレート覆いが図1に示したような特定の全体形状であったが、図6に示したような従来のトッププレート覆いと同様の全体形状であっても良い。又、トッププレート覆いは、完全にガスレンジのトッププレート全体を覆うものではなく、ガスレンジにおけるガスバーナーの周囲のトッププレートのみを覆うためのトッププレート覆い(例えば、円板状で中央部には1つのガスバーナーの大きさに対応した開口を形成したトッププレート覆い)であっても良い。
又、本実施の形態においては、第2のアルミニウム箔の下方面に保護コート層が積層されていたが、第1のアルミニウム箔の上方面に、高温アルカリ耐性を有する第2の合成樹脂からなる第2の保護コート層が更に積層されていても良い。尚、第1のアルミニウム箔の上方面は直接トッププレート覆いと接することが無いので、第2の合成樹脂は本実施の形態に係る上述した合成樹脂と異なるものであっても良いし、同様であっても良い。従って、第2の保護コート層の構成は本実施の形態に係る上述した保護コート層の構成と異なるものであっても良いし、同様であっても良い。但し、トッププレート覆いの表裏を返して使用するような場合には、トッププレート覆いの表裏いずれも高温アルカリ耐性を備えることが望ましいため、第2の保護コート層の構成は本実施の形態に係る上述した保護コート層の構成と同様であることが好ましい。その場合、第2の合成樹脂としてもエポキシ−アミノ樹脂が好適である。このように構成することで、トッププレート覆いの表裏を返して使用したときにも、トッププレート上に変色が発生する虞が減少する。
更に、本実施の形態においては、シート本体が特定の積層構造であったが、その下方面がアルミニウム金属質材料からなるシート本体と、シート本体の下方面に積層された、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層とを備えたトッププレート覆いであれば、本発明を同様に適用することができる。即ち、使用時に、アルミニウム金属質材料の下方面とトッププレートの上方面とが直接的には接触せず、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層がトッププレートに接触するため、ホーロー製のトッププレート上での使用時、アルカリ性洗剤の残留及び高温の条件下における、トッププレート上に変色が発生する虞が減少する。例えば、本実施の形態に係るトッププレート覆いと同等の機能を奏する形状及び厚さを有するアルミニウム箔成形体の下方面に保護コート層を積層したトッププレート覆いが挙げられる。
更に、本実施の形態においては、シート本体に形成されている開口は3箇所であったが、開口は使用対象となるガスレンジのガスバーナーの数に合わせて形成されるものであり、他の個数であっても良い。又、開口は形成せず、全て開口補助線によるものであっても良い。
更に、本実施の形態においては、開口補助線として切れ目が形成されていたが、他の開口の形成位置の基準となるものであれば他の手段であっても良い。例えばミシン目状の罫線等が挙げられる。
更に、本実施の形態においては、開口補助線を備えたトッププレート覆いであったが、開口補助線がなくても良い。
更に、本実施の形態においては、第1のアルミニウム箔が紙の上方面の、又、第2のアルミニウム箔が紙の下方面の、更に、保護コート層が第2のアルミニウム箔の下方面の、それぞれ全面に積層されたものであったが、いずれも全面でなくとも良い。例えば、保護コート層が、使用時に高温に達し得る開口周辺においてのみ積層されたもの等が挙げられる。尚、それぞれ全面に積層されたものであることが、トッププレート覆いのトッププレートに対する設置のフィット性向上や製造のし易さの観点から好ましい。
更に、本実施の形態においては、保護コート層が第2のアルミニウム箔の下方面に直接積層されたものであったが、保護コート層と第2のアルミニウム箔との間に接着剤層その他の層が積層されていても良い。即ち、保護コート層が第2のアルミニウム箔の下方の面に積層されており、使用時に保護コート層が設置箇所のトッププレートと接触すれば良い。
更に、本発明においては、ホーロー製とは、425℃以上の温度で、融解によって鉄やアルミニウム等の金属質に接合された本質的に磁化又はガラス質の無機コーティング、又は、このような無機コーティングが天板(トッププレート覆いを設置する面)に施された製品をいう。このような製品には、ホーロー用鋼板のみならず、その上方面の一部又は全部にカラー層、マイカ層、クリア層、ガラス繊維、ガラスコート等が施された多層構成を含む。
以下、実施例に基づいて本発明について具体的に説明する。尚、本実施の形態は実施例に限定されるものではない。
I.試験に用いたトッププレート覆いの構成
図2に示したような、紙(坪量100g/m)の両面に第1のアルミニウム箔(厚さ12μm)及び第2のアルミニウム箔(厚さ6.5μm)が、それぞれ第1の接着剤層及び第2の接着剤層を介して積層されたシート本体を準備し、第2のアルミニウム箔の下方面に以下に記載する各構成の保護コート層(厚さ1μm)が積層された実施例1、実施例2及び比較例1のシート本体を作製した。
実施例1及び実施例2:エポキシ−アミノ樹脂
比較例1:塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ)系樹脂
実施例1及び実施例2の作製にあたっては、エポキシ−アミノ樹脂と有機溶媒(コート剤の総量100重量%において65重量%〜75重量%)を少なくとも含むコート剤を固形分1g/mの塗布量にて第2のアルミニウム箔の下方面にグラビア印刷により積層し、上述した乾燥条件により硬化させた。
このとき、実施例1及び実施例2の保護コート層の表面に対し、メチルエチルケトン含浸ウエスを900g荷重にて15cm間を10往復させるラビングテストを行った後に保護コート層の剥離が発生しない(第2のアルミニウム箔の露出が発生しない)ものであった。
比較例1の作製にあたっては、塩酢ビ系樹脂と有機溶媒とを少なくとも含むコート剤を用いた。積層方法は実施例1及び実施例2と同様である。
以上の2種のトッププレート覆いを用いて、高温アルカリ環境下においてホーロー製のトッププレート上の変色発生の有無を確認する高温アルカリ環境試験を行った。
II.高温アルカリ環境試験
試験体として、上記Iで作製した各トッププレート覆いのシート本体から縦5cm×横5cmの矩形シート状に切り出した試験体を準備した。
実施例1及び比較例1のガスレンジとして、リンナイ株式会社製「RS31W13K10R−VL」のガスコンロを準備した。その天板の構成は、ホーロー用鋼板の上にカラーホーローを積層し、その上に更にクリア層及びマイカ層を積層したものである。又、実施例2のガスレンジとして、リンナイ株式会社製「RS31W13H2R−BL」のガスコンロを準備した。その天板の構成は、ホーロー用鋼板からなるものである。尚、いずれも図3に示したガスレンジと基本的に同様の構成である。
アルカリ性洗剤として、レック株式会社製「水の激落ち君」を準備した。
まず、室内で、ガスレンジのガスバーナー周辺のトッププレート上の6箇所に、アルカリ性洗剤をスポイトで2滴(約1mL)垂らし、その上に試験体を保護コート層を設置面として互いに重ならないように設置した。この操作を実施例1、実施例2及び比較例1の3試験においてそれぞれ実施した。
次に、ガスレンジのガスバーナー上に水を8割程度入れた市販の26cm径のフライパンを乗せ、ガスバーナーを点火し火力を最大にしたまま1時間経過させた。尚、約40分経過時点でガスレンジのガスバーナー周辺の温度は250度に達し、1時間経過時までその温度が維持された。
そして、1時間経過後にガスバーナーを消化し、常温常湿の室内で放置した。1ヶ月ごとに試験体をそれぞれ2枚ずつ取り除いてトッププレート上に変色が発生したか否かを目視にて確認し、計3ヶ月に亘って実施した。
結果は以下の表1のようになった。
Figure 0006955953
表中、「○」は試験体2枚の設置箇所のいずれにも変色が発生していなかったこと、「×」は試験体2枚の設置箇所の少なくとも1箇所に変色が発生したこと、「−」はそれ以前に変色が発生していたためデータが無いことを示す。
実施例1及び実施例2は、3ヶ月が経過してもトッププレート上に変色が発生することがなく、良好な結果となることが確認された。
比較例1は、1ヶ月目にはトッププレート上に変色が発生していた。高温アルカリ環境下において塩酢ビ系樹脂が剥離(溶解)し、ホーロー製のトッププレートとトッププレート覆いのアルミニウム金属質材料とが直接的に接触する部分が存在することとなったためと考えられる。
1…トッププレート覆い
4…紙
5…第1のアルミニウム箔
7…第2のアルミニウム箔
10…保護コート層
11…開口
12、13…切れ目(開口補助線)
21…ガスレンジ
22…トッププレート
23…ガスバーナー
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

  1. ガスレンジのホーロー製トッププレートの上方面を覆うように設置されるガスレンジ用トッププレート覆いであって、
    シート状の紙と、
    前記紙の上方面に積層された第1のアルミニウム箔と、
    前記紙の下方面に積層された第2のアルミニウム箔と、
    前記第2のアルミニウム箔の下方面に積層された、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層とを備えた、ガスレンジ用トッププレート覆い。
  2. 前記合成樹脂は、エポキシ−アミノ樹脂である、請求項1記載のガスレンジ用トッププレート覆い。
  3. 前記保護コート層の表面に対しメチルエチルケトン含浸ウエスを900g荷重にて15cm間を10往復させるラビングテストを行った後に前記保護コート層の剥離が発生しない、請求項1又は請求項2記載のガスレンジ用トッププレート覆い。
  4. 前記ガスレンジにおけるガスバーナーの外径に対応した開口と、
    前記開口周辺に形成され、異なったタイプのガスレンジのガスバーナーに対応した他の開口を形成するための開口補助線とを更に備え、
    前記保護コート層の表面は、防滑性を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスレンジ用トッププレート覆い。
  5. ガスレンジのホーロー製トッププレートの上方面を覆うように設置されるガスレンジ用トッププレート覆いであって、
    その下方面がアルミニウム金属質材料からなるシート本体と、
    前記シート本体の下方面に積層された、高温アルカリ耐性を有する合成樹脂からなる保護コート層とを備えた、ガスレンジ用トッププレート覆い。
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