以下、本発明を適用した株取引情報表示プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
第1実施形態
図1は、本発明を適用した株取引情報表示プログラムが実装される株取引情報表示システム1の全体構成を示すブロック図である。株取引情報表示システム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された探索装置2と、探索装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する探索装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を探索装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、その他物質や物性を特定することが可能なセンサも含む。情報取得部9は、インターネット上のサイトに掲載されている文字列やデータを自動的に取り込んでくる手段で構成されていてもよい。
データベース3は、株取引情報表示を行う上で必要な様々な情報が蓄積される。株取引情報表示を行う上で必要な情報としては、過去の市況に関する参照用市況情報、過去の市況の検出時期に発生したイベントが反映された参照用イベント情報、過去の市況の検出時期における外部環境が反映された参照用外部環境情報、過去の市況の検出時期における家計に関する統計的データが反映された参照用家計情報、過去の市況の検出時期における不動産に関する統計的データが反映された参照用不動産情報、過去の市況の検出時期に発表された専門家の意見が反映された参照用専門家意見情報、過去の市況の検出時期における自然環境の情報が反映された参照用自然環境情報と、その過去の市況における各銘柄の株価の増減データとのデータセットが記憶されている。
つまり、データベース3には、このような参照用市況情報に加え、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用家計情報、参照用不動産情報、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報の何れか1以上と、過去の市況における各銘柄の株価の増減データが互いに紐づけられて記憶されている。
探索装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この探索装置2による探索解を得ることができる。
図2は、探索装置2の具体的な構成例を示している。この探索装置2は、探索装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、探索装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
上述した構成からなる株取引情報表示システム1における動作について説明をする。
株取引情報表示システム1では、例えば図3に示すように、参照用市況情報と、各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用市況情報とは、市況に関する様々な情報である。この参照用市況情報の例としては、金利、為替、各銘柄の株価、原油、先物、貴金属、ビットコイン等の値動きを対象としたものである。この参照用市況情報は、これらの対象について時系列的なチャートや折れ線グラフ等で表示されていてもよい。またボリンジャーバンド、出来高、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。また、この市況情報は、各銘柄のチャート、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。為替についても各通貨間における値動きを示すチャート、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。
各銘柄の株価の増減データは、その参照用市況情報を取得した後の時点において各銘柄の株価の増減がどの程度あったかを示すデータである。この増減データは、実際の増減した値幅でカウントされるものであってもよいし、増減率で表現されるものであってもよい。この増減データは、前の時点(即ち、参照用市況情報を取得した時点)の株価に対する、測定時点(後の時点)における株価の増減で表される。ここでいう前の時点は、測定時点より10秒前、1分前、30分前、1時間前、4時間前、1日前、10日前、1か月前、1年前、5年前等のように、測定時点に対していかなる時間幅をもって構成されるものであってもよい。つまり株価の増減データは、チャートにおけるある時点を測定時点としたとき、その測定時点における株価の、その前の時点における株価に対する増減を示すものである。或いは、この株価の増減データは、株価のチャートでいうところの足そのものを表現するものであってもよい。
つまり、この参照用市況情報と、株価の増減データのデータセットを通じて、参照用市況情報において生じた様々なテクニカルなイベント(例えばチャートが3日連続で上がっている、一時的に高値を付けた上ヒゲがチャート上に現れた場合等)の後の時点においてどのように株価が増減したかが分かる。つまりテクニカルなイベントに対する株価の増減結果がデータセットとなっている。このため、参照用市況情報と株価の増減データのデータセットを集めておくことにより、過去どのような市況となった後の時点で、株価がどのように増減したかを知ることが可能となる。
図3の例では、入力データとして例えば参照用市況情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用市況情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、株価の増減データが表示されている。
参照用市況情報は、この出力解としての、株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、各株価の増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用市況情報に対して、何れの株価の増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用市況情報が、いかなる株価の増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用市況情報から最も確からしいる株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。図3の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図3に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用市況情報と、その場合の株価の増減データの何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図3に示す連関度を作り上げておく。
例えば、ある参照用市況情報が、とある銘柄の株価チャートにおいて、先行するMACDが遅行する同平均(SIGNAL)を下から上に抜いた時であるものとする。このような市況において、当該銘柄の株価がその後の時点において30%アップしたものが多かったものとする。このような場合には、当該銘柄の株価30%アップの連関度が強くなる。これに対して、全く同じ市況において、当該銘柄の株価がその後の時点において25%ダウンしたものが多く、当該銘柄の株価30%アップしたものが少ないものとする。かかる場合には、当該銘柄の株価25%ダウンの連関度が強くなり、当該銘柄の株価30%アップの連関度が低くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用市況情報P01である場合に、過去の各銘柄の株価の値動きデータから分析する。これは、例えば過去の株価チャートの電子データから抽出するようにしてもよい。参照用市況情報P01である場合に、各銘柄の株価の増減データA1(銘柄〇×社 75%アップ)の事例が多い場合には、この増減データA1につながる連関度をより高く設定し、増減データA3(銘柄△□社 25%ダウン)の事例が多い場合には、この増減データA3につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用市況情報P01の例では、増減データA1と、増減データA3にリンクしているが、以前の事例から増減データA1につながるw13の連関度を7点に、増減データA3につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図3に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに顧客に対して株取引の銘柄に関する助言を行う上で、上述した学習済みデータを利用して株価の増減を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに株取引を行う時期における市況に関する市況情報を取得する。この市況情報は、上述した参照用市況情報と同種のデータで構成される。
新たに取得する市況情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、チャートや値動きのデータ等を電子データとして取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した市況情報に基づいて、実際にその市況情報に対して、起こりえる可能性の高い、将来の株価(即ち、将来の株価の増減データ)を予測する。かかる場合には、予め取得した図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した市況情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して増減データA2がw15、増減データA3が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA2を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA3を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する市況情報から、将来起こりえる各銘柄の株価の状況を、株価の増減データを通じて探索し、ユーザ(コンサルタント)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ(コンサルタント)は、探索された株価の増減データに基づいて、売買すべき銘柄の指針を得ることができる。株価の増減データの探索結果を見せるだけでもユーザに対して有益な助言を与えることができる。ちなみに、この助言を構成する上では、単に探索された株価の増減データのみを表示する以外に、この増減データに基づいて、具体的にどの銘柄の株をどの程度購入し、或いは売却すべきかまでを表示することで助言を構成するようにしてもよい。
図4の例では、入力データとして例えば参照用市況情報P01〜P03、参照用行事日程情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用市況情報に対して、参照用行事日程情報が組み合わさったものが、図4に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
図4の例では、参照用市況情報と、参照用行事日程情報との組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用行事日程情報とは、国内又は国外において発生した様々な株価に影響与える行事日程に関する情報である。この参照用行事日程情報の例としては、例えば、金曜日等のように週末を持ち越したくない日や、年末年始やゴールデンウィーク等の長期休日前の最後の営業日等は株の売却数が増える傾向があるが、このような行事日程を含むものである。また、この参照用行事日程情報としては、配当権利落ち日や、様々な記念日、株主優待がもらえる日等も含む。更にこの参照用行事日程情報としては、オリンピックや国体、祭り、万博、ワールドカップのようなスポーツイベントの開催日等、予め行事として日程が決まっているあらゆるものを含むものである。この行事日程情報は、年月日で表されるが、これに対してそれぞれの行事内容が紐付けられてなるものであってもよい。これらの参照用行事日程情報は、ニュース記事をテキストマイニングを通じて分析した文字列や係り受け等を介して抽出されるものであってもよいし、ユーザ側、システム側において更新入力がなされるものであってもよい。
図4の例では、入力データとして例えば参照用市況情報P01〜P03、参照用行事日程情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用市況情報に対して、参照用行事日程情報が組み合わさったものが、図4に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用市況情報と参照用行事日程情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用市況情報と参照用行事日程情報がこの連関度を介して左側に配列し、各銘柄の株価の増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用市況情報と参照用行事日程情報に対して、各銘柄の株価の増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用市況情報と参照用行事日程情報が、いかなる各銘柄の株価の増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用市況情報と参照用行事日程情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。市況データに加え、実際に社会全体、又は各企業において起こった様々なイベントに応じて、後の時点における各銘柄の株価の増減データは異なるものとなる。このため、これらの参照用市況情報と参照用行事日程情報の組み合わせで、最適な銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
図4の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図4に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用市況情報と、参照用行事日程情報、並びにその場合の各銘柄の株価の増減データの何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図4に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用市況情報P01で、参照用行事日程情報P16である場合に、その各銘柄の株価の増減データを過去のデータから分析する。各銘柄の株価の増減データが増減データA1(銘柄〇×社 75%アップ)の事例が多い場合には、この増減データA1につながる連関度をより高く設定し、増減データA2(銘柄〇×社 50%ダウン)の事例が多く、増減データA1の事例が少ない場合には、増減データA2につながる連関度を高くし、増減データA1につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、増減データA1と増減データA2の出力にリンクしているが、以前の事例から増減データA1につながるw13の連関度を7点に、増減データA2につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図4に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図4に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用市況情報P01に対して、参照用行事日程情報P14の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用市況情報P02に対して、参照用行事日程情報P15、P17の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから株取引情報表示のための増減データの探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、新たに株取引を行う時期における市況に関する市況情報を取得するとともに、新たに株取引を行う時期に予定されている行事の日程に関する行事日程情報を取得する。この行事日程情報は、上述した参照用行事日程情報に対応するものである。
このようにして新たに取得した市況情報、行事日程情報に基づいて、最適な各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図4(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した市況情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、行事日程情報がP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また、入力から伸びている連関度w1〜w12の例を以下の表2に示す。
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
図5は、上述した参照用市況情報と、参照用ファンダメンタル情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報は、株取引を行う上でいわゆるファンダメンタル分析を行う上での各銘柄の財務指標、経営指標等であり、例えば自己資本比率、流動比率、手元流動性、キャッシュフロー、EPSの経年変化、売上高比率、ROE、ROA、PER、PBR、BPS等の各指標である。これ以外に、通常の財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等も参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報に含まれる。更にこの参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報には、会社四季報に掲載されている情報、株主構成、資本金、資本剰余金等の情報も含まれる。この参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報は、上述した各指標やデータの変化傾向で構成されていてもよい。例えば、一の時点における売上高比率、ROE、ROA、PER、PBR、BPS等の各指標と、その後の時点における売上高比率、ROE、ROA、PER、PBR、BPS等の各指標の差異、増減を参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報としてもよい。
図5の例では、入力データとして例えば参照用市況情報P01〜P03、参照用ファンダメンタル情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用市況情報に対して、参照用ファンダメンタル情報が組み合わさったものが、図5に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用市況情報と参照用ファンダメンタル情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に株価チャートにおいて不利なシグナルが現れていても、その銘柄のファンダメンタルな財務状況が良ければそれほど大きなリスクと捉えられることなく、株価の落ち込みもあまり大きくならない場合があるが、このようなケースも含めてこの図5に示す連関度を通じて判断する。参照用市況情報と参照用ファンダメンタル情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用市況情報と参照用ファンダメンタル情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用市況情報と参照用ファンダメンタル情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用市況情報と参照用ファンダメンタル情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。市況情報に加え、実際のファンダメンタル情報がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用市況情報と参照用ファンダメンタル情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図5に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用市況情報と参照用ファンダメンタル情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図5に示す連関度を作り上げておく。
図5に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用市況情報P01に対して、参照用ファンダメンタル情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用市況情報P02に対して、参照用ファンダメンタル情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した市況情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄のファンダメンタル情報を取得する。
このようにして新たに取得した市況情報、ファンダメンタル情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図5(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した市況情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、ファンダメンタル情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図6は、上述した参照用市況情報と、参照用関連銘柄市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、株取引を行う取引候補銘柄に対して予め関連付けられた他の関連銘柄の市況情報で構成されている。他の関連銘柄とは、その取引候補銘柄が仮に自動車メーカーであれば、ライバルとなる他の自動車メーカーであってもよいし、自動車メーカーに部品を供給する部品メーカーであってもよい。他の関連銘柄は、同一業界の中のライバル企業のみならず、他の業界であっても取引候補銘柄と互いに協調してエコシステムを構築する企業も含まれる。この関連銘柄は、システム内において取引候補銘柄に対して予め設定されていてもよいし、ユーザ側において自在に設定してもよい。またこの関連銘柄は、インターネットによるアクセス傾向等を分析し、ある一の銘柄にアクセスする場合に、同様にアクセスする頻度の高い他の銘柄を関連銘柄として設定するようにしてもよい。
市況情報の詳細は、上述と同様である。このため、参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、関連銘柄における時系列的なチャートや折れ線グラフ、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報で構成される。
図6の例では、入力データとして例えば参照用市況情報P01〜P03、参照用関連銘柄市況情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用市況情報に対して、参照用関連銘柄市況情報が組み合わさったものが、図6に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データが表示されている。つまり関連銘柄の市況から取引候補銘柄の株価の増減を予測するものである。
参照用市況情報と参照用関連銘柄市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利な株価チャートのシグナルが発生し、関連銘柄の値動き下落傾向にあれば、取引候補銘柄の株価の下落可能性もより確度が高いものと判断することができる。このようなケースも含めてこの図6に示す連関度を通じて判断する。参照用市況情報と参照用関連銘柄市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用市況情報と参照用関連銘柄市況情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用市況情報と参照用関連銘柄市況情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用市況情報と参照用関連銘柄市況情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。市況情報に加え、実際の関連銘柄の値動きがいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用市況情報と参照用関連銘柄市況情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図6に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用市況情報と参照用関連銘柄市況情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図6に示す連関度を作り上げておく。
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用市況情報P01に対して、参照用関連銘柄市況情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用市況情報P02に対して、参照用関連銘柄市況情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した市況情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄の関連銘柄市況情報を取得する。
このようにして新たに取得した市況情報、関連銘柄市況情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図6(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した市況情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、関連銘柄市況情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図7は、上述した参照用市況情報と、参照用テキスト情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用テキスト情報とは、ユーザや個人投資家、投資期間により各種情報サイトへ書き込まれたあらゆるテキストデータを含む。この参照用テキスト情報は、株の増減に関する自らの予想に関する書き込み、各銘柄の業績に関する書き込み、各銘柄に関して自ら知りえる情報の書き込みの何れも含む。つまり、参照用テキスト情報は、各銘柄に関して、株価に影響を及ぼす可能性があるあらゆるテキスト情報を含むものである。参照用テキスト情報は、単に各銘柄の株価が上がるか、下がるか、変わらないか、に関する予想そのものであってもよい。この参照用テキスト情報としては、日経平均株価全体に関する意見、或いは特定のセグメント、業種に関する意見、更には個々の銘柄に関する意見の何れも含まれる。また参照用テキスト情報としては、インターネット上に掲載される一般人によるコメントや上昇又は下落の予想を取り込んでくるものであってもよい。
このような参照用テキスト情報及びテキスト情報は、形態素解析され、構文解析、意味解析がなされたものであってもよい。同様にイベント情報についてもテキストデータで取り込んだ上で、これを形態素解析、構文解析、意味解析を行い、上述した参照用イベント情報に紐づけるようにしてもよい。
図7の例では、入力データとして例えば参照用市況情報P01〜P03、参照用テキスト情報P26〜29であるものとする。このような入力データとしての、参照用市況情報に対して、参照用テキスト情報が組み合わさったものが、図7に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用市況情報と参照用テキスト情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用市況情報と参照用テキスト情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用市況情報と参照用テキスト情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用市況情報と参照用テキスト情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用市況情報と参照用テキスト情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。株価の変動が、市況データに加え、実際の各種情報サイトへの書き込みに関するテキスト情報の内容と相関がみられる場合がある。このため、これらの参照用市況情報と参照用テキスト情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
図7の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図7に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用市況情報と参照用テキスト情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図7に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用市況情報P01で、参照用テキスト情報P28である場合に、その増減データを過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、増減データA1と増減データA2の出力にリンクしているが、以前の事例から増減データA1につながるw13の連関度を7点に、増減データA2につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図7に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図7に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用市況情報P01に対して、参照用テキスト情報P26の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用市況情報P02に対して、参照用テキスト情報P27、P29の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した市況データに加え、新たに株取引を行う時期に発表された専門家の意見が反映されたテキスト情報を取得する。テキスト情報は、例えば、新聞記事において専門家の意見が示されたものがあれば、そのデータを直接取り込むようにしてもよい。
このようにして新たに取得した市況情報、テキスト情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図7(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した市況情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、テキスト情報がP29である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図8は、上述した参照用第1市況情報と、参照用第2市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用第1市況情報、参照用第2市況情報は、上述した参照用市況情報と同様である。但し、この参照用第1市況情報、参照用第2市況情報は互いに異なる種類の市況情報で構成される。例えば参照用第1市況情報が株価のチャートであれば、参照用第2市況情報は、これとは異なる種類のMACDで構成されている。例えば、例えば参照用第1市況情報が株価のチャートであれば、参照用第2市況情報は、これとは異なる種類のMACDで構成されている。例えば、例えば参照用第1市況情報が株価の移動平均線であれば、参照用第2市況情報は、これとは異なる種類の出来高で構成されている。
図8の例では、入力データとして例えば参照用第1市況情報P01〜P03、参照用第2市況情報P30〜33であるものとする。このような入力データとしての、参照用第1市況情報に対して、参照用第2市況情報が組み合わさったものが、図8に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用第1市況情報と参照用第2市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用第1市況情報と参照用第2市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用第1市況情報と参照用第2市況情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用第1市況情報と参照用第2市況情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用第1市況情報と参照用第2市況情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。株価の変動が、移動平均線に加え、MACDや出来高、ボリンジャーバンド等の2種類以上の市況情報との間で相関がみられる場合がある。このため、これらの参照用第1市況情報と参照用第2市況情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
図8の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図8に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用第1市況情報と参照用第2市況情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図8に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用第1市況情報P01で、参照用第2市況情報P32である場合に、その増減データを過去のデータから分析する。例えば参照用第1市況情報P01で、参照用第2市況情報P32がリンクする中間ノード61aの例では、増減データA1と増減データA2の出力にリンクしているが、以前の事例から増減データA1につながるw13の連関度を7点に、増減データA2につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図8に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図8に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用第1市況情報P01に対して、参照用第2市況情報P30の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用第1市況情報P02に対して、参照用第2市況情報P31、P33の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した第1市況情報、第2市況情報を取得する。この第1市況情報は、参照用第1市況情報と同種であり、例えば参照用第1市況情報が移動平均線であれば、この第1市況情報も同種となる。第2市況情報は、参照用第2市況情報と同種であり、例えば参照用第2市況情報がMACDであれば、この第1市況情報も同様となる。
このようにして新たに取得した第1市況情報、第2市況情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図8(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した第1市況情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、第2市況情報がP33である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
なお、上述した連関度は、参照用第1市況情報、参照用第2市況情報の2種類の組み合わせ間で上述した連関度を構成する場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、3種類以上の参照用市況情報の組み合わせ間で上述した連関度が構成されていてもよい。
図9は、上述した参照用市況情報と、参照用行事日程情報に加えて、更に参照用ファンダメンタル情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
かかる場合において、連関度は、図9に示すように、参照用市況情報と、参照用行事日程情報と、参照用ファンダメンタル情報との組み合わせの集合が上述と同様に中間ノードのノード61a〜61eとして表現されることとなる。
例えば、図9において、ノード61cは、参照用市況情報P02が連関度w3で、参照用行事日程P15が連関度w7で、参照用ファンダメンタル情報P19が連関度w11で連関している。同様にノード61eは、参照用市況情報P03が連関度w5で、参照用行事日程P15が連関度w8で、参照用ファンダメンタル情報P18が連関度w10で連関している。
このような連関度が設定されている場合も同様に、新たに取得した市況情報と、行事日程と、ファンダメンタル情報とに基づいて、探索解を判別する。
この探索解を判別する上で予め取得した図9に示す連関度を参照する。例えば、取得した市況情報が参照用市況情報P02に同一又は類似で、取得した行事日程が参照用行事日程P15に対応し、更に取得したファンダメンタル情報が参照用ファンダメンタル情報P19に対応する場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、増減データA2が連関度w17で、また増減データA4が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際に探索解を求めていくことになる。
このような入力パラメータの種類を3種類以上にわたり組み合わせる場合には、参照用市況情報に加え、参照用行事日程、参照用ファンダメンタル情報等、上述した各参照用情報の何れか2以上で組み合わせが構成されたものであっても適用可能である。
また、出力データとしては、各銘柄の株価の増減データ以外に、図10に示すように、実際の株の購買行動(例えば、〇×社買え、×〇社保持)等に関する助言を直接表示するようにしてもよい。この助言は売買を助言する銘柄を指定する以外に具体的な株数までも助言するようにしてもよい。かかる助言は、上述した増減データに基づいて生成するようにしてもよい。かかる場合には、将来的に株価が高くなるのであれば買うべき旨を助言し、将来的に株価が低くなるのであれば売るべき旨を助言するようにしてもよい。また、助言の中には、株取引のリターンの可能性以外に、リスクについても表示するようにしてもよい。このとき、入力データと学習させるデータとしては、増減データの代わりに直接この助言内容をデータセットに含めて学習させるようにしてもよいことは勿論である。
また、本発明は、株取引を自動的に行う自動株取引プログラムとして具現化されるものであってもよい。かかる場合には、増減データを上述した手順に基づいて探索した後、その増減データに基づいて株価の各銘柄を自動的に売買する。かかる場合には、株の購買行動(例えば、〇×社買え、×〇社保持)等に関する助言に基づいて、システム側が自ら株の売買を行う。かかる場合には、各銘柄の増減データが探索された結果、ある銘柄の株価が上昇する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に購入する処理を行う。一方、ある銘柄の株価が下落する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に売却するか、空売りをする処理を行う。
第2実施形態
以下、第2実施形態について説明をする。この第2実施形態を実行する上では、第1実施形態において使用する株取引情報表示システム1、情報取得部9、探索装置2、データベース3を同様に使用する。これらの各構成の説明は、第1実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。
第2実施形態では、例えば図11に示すように、参照用イベント情報と、各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用イベント情報、イベント情報、株価の増減データは、上述した第1実施形態と同様である。
参照用イベント情報と、株価の増減データのデータセットを通じて、参照用イベント情報において生じた様々なイベントの後の時点においてどのように株価が増減したかが分かる。つまりイベントに対する株価の増減結果がデータセットとなっている。このため、参照用イベント情報と株価の増減データのデータセットを集めておくことにより、過去どのようなイベントになった後の時点で、株価がどのように増減したかを知ることが可能となる。
図11の例では、入力データとして例えば参照用イベント情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用イベント情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、株価の増減データが表示されている。
参照用イベント情報は、この出力解としての、株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用イベント情報がこの連関度を介して左側に配列し、各株価の増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用イベント情報に対して、何れの株価の増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用イベント情報が、いかなる株価の増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用イベント情報から最も確からしいる株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。図11の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図11に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用イベント情報と、その場合の株価の増減データの何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図11に示す連関度を作り上げておく。
例えば、ある参照用イベント情報が、インフルエンザが大流行するというイベントであったとする。このとき、マスクを生産、販売する企業の銘柄の株価がその後の時点において70%アップしたものが多かったものとする。このような場合には、当該銘柄の株価37%アップの連関度が強くなる。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
参照用イベント情報は、テキストマイニングを通じて文章が形態素解析され、構文解析、意味解析がなされたものであってもよい。同様にイベント情報についてもテキストデータで取り込んだ上で、これを形態素解析、構文解析、意味解析を行い、上述した参照用イベント情報に紐づけるようにしてもよい。
また、この図11に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図12に示すように、入力データとして参照用イベント情報が入力され、出力データとして各銘柄の株価の増減データが出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。入力ノード又は隠れ層ノードの何れか一方又は両方において上述した連関度が設定され、これが各ノードの重み付けとなり、これに基づいて出力の選択が行われる。そして、この連関度がある閾値を超えた場合に、その出力を選択するようにしてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに顧客に対して株取引の銘柄に関する助言を行う上で、上述した学習済みデータを利用して株価の増減を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに株取引を行う時期におけるイベント情報を取得する。このイベント情報は、上述した参照用イベント情報と同種のデータで構成される。
新たに取得するイベント情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、チャートや値動きのデータ等を電子データとして取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得したイベント情報に基づいて、実際にそのイベント情報に対して、起こりえる可能性の高い、将来の株価(即ち、将来の株価の増減データ)を予測する。かかる場合には、予め取得した図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得したイベント情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して増減データA2がw15、増減データA3が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA2を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA3を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得するイベント情報から、将来起こりえる各銘柄の株価の状況を、株価の増減データを通じて探索し、ユーザ(コンサルタント)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ(コンサルタント)は、探索された株価の増減データに基づいて、売買すべき銘柄の指針を得ることができる。株価の増減データの探索結果を見せるだけでもユーザに対して有益な助言を与えることができる。ちなみに、この助言を構成する上では、単に探索された株価の増減データのみを表示する以外に、この増減データに基づいて、具体的にどの銘柄の株をどの程度購入し、或いは売却すべきかまでを表示することで助言を構成するようにしてもよい。
また第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、、株の購買行動(例えば、〇×社買え、×〇社保持)等に関する助言に基づいて、システム側が自ら株の売買を行うようにしてもよい。かかる場合には、各銘柄の増減データが探索された結果、ある銘柄の株価が上昇する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に購入する処理を行う。一方、ある銘柄の株価が下落する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に売却するか、空売りをする処理を行う。
図13は、上述した参照用イベント情報と、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用外部環境情報及び外部環境情報は、上述した第1実施形態と同様である。
図13の例では、入力データとして例えば参照用イベント情報P01〜P03、参照用外部環境情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用イベント情報に対して、参照用外部環境情報が組み合わさったものが、図13に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用イベント情報と参照用外部環境情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用イベント情報と参照用外部環境情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用イベント情報と参照用外部環境情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用イベント情報と参照用外部環境情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用イベント情報と参照用外部環境情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。イベント情報に加え、実際の外部環境がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用イベント情報と参照用外部環境情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図13に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用イベント情報と参照用外部環境情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図13に示す連関度を作り上げておく。
図13に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用イベント情報P01に対して、参照用外部環境情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用イベント情報P02に対して、参照用外部環境情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述したイベント情報に加え、新たに株取引を行う時期における外部環境が反映された外部環境情報を取得する。外部環境情報は、例えば、雇用統計情報であればそのデータを直接取り込むようにしてもよい。他の統計データであれば、そのデータを直接取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得したイベント情報、外部環境情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図13(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得したイベント情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、外部環境情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
なお、上述した参照用外部環境情報の代替として、参照用専門家意見情報との間で上述した連関度を構成するようにしてもよい。ここでいう参照用専門家意見情報は、上述した第1実施形態と同様である。
このような参照用専門家意見情報を図13に示す参照用外部環境情報の代替に置き換えて、参照用イベント情報との間の組み合わせノード61を介して各銘柄の株価の増減データと連関度を形成しておく。そして、実際に各銘柄の株価の増減を予想したい場合には、現状におけるイベント情報と、外部環境情報を取得し、これらの組み合わせの連関度に基づいて各銘柄の株価の増減データを探索することになる。
なお、上述した参照用外部環境情報の代替として、参照用自然環境情報との間で上述した連関度を構成するようにしてもよい。ここでいう参照用自然環境情報は、上述した第1実施形態と同様である。
このような参照用自然環境情報を図13に示す参照用外部環境情報の代替に置き換えて、参照用イベント情報との間の組み合わせノード61を介して各銘柄の株価の増減データと連関度を形成しておく。そして、実際に各銘柄の株価の増減を予想したい場合には、現状におけるイベント情報と、自然環境情報を取得し、これらの組み合わせの連関度に基づいて各銘柄の株価の増減データを探索することになる。
図14は、上述した参照用イベント情報と、参照用ファンダメンタル情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報は、株取引を行う上でいわゆるファンダメンタル分析を行う上での各銘柄の財務指標、経営指標等であり、例えば自己資本比率、流動比率、手元流動性、キャッシュフロー、EPSの経年変化、売上高比率、ROE、ROA、PER、PBR、BPS等の各指標である。これ以外に、通常の財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等も参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報に含まれる。更にこの参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報には、会社四季報に掲載されている情報、株主構成、資本金、資本剰余金等の情報も含まれる。この参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報は、上述した各指標やデータの変化傾向で構成されていてもよい。例えば、一の時点における売上高比率、ROE、ROA、PER、PBR、BPS等の各指標と、その後の時点における売上高比率、ROE、ROA、PER、PBR、BPS等の各指標の差異、増減を参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報としてもよい。
図14の例では、入力データとして例えば参照用イベント情報P01〜P03、参照用ファンダメンタル情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用イベント情報に対して、参照用ファンダメンタル情報が組み合わさったものが、図14に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用イベント情報と参照用ファンダメンタル情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利なイベントが発生しても、その銘柄のファンダメンタルな財務状況が良ければそれほど大きなリスクと捉えられることなく、株価の落ち込みもあまり大きくならない場合があるが、このようなケースも含めてこの図14に示す連関度を通じて判断する。参照用イベント情報と参照用ファンダメンタル情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用イベント情報と参照用ファンダメンタル情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用イベント情報と参照用ファンダメンタル情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用イベント情報と参照用ファンダメンタル情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。イベント情報に加え、実際のファンダメンタル情報がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用イベント情報と参照用ファンダメンタル情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図14に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用イベント情報と参照用ファンダメンタル情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図14に示す連関度を作り上げておく。
図14に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用イベント情報P01に対して、参照用ファンダメンタル情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用イベント情報P02に対して、参照用ファンダメンタル情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述したイベント情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄のファンダメンタル情報を取得する。
このようにして新たに取得したイベント情報、ファンダメンタル情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図14(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得したイベント情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、ファンダメンタル情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
なお、この参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報は、参照用イベント情報との間で連関度を形成する場合に限定されるものではなく、第1実施形態に示す参照用市況情報との間で連関度を形成してもよい。
かかる場合には、参照用市況情報と、その参照用市況情報の取得時期における各銘柄の参照用ファンダメンタル情報とを有する組み合わせと、上記各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度を取得しておく。その次に、新たに株取引を行う時期における各銘柄のファンダメンタル情報と、新たに株取引を行う取引候補銘柄の市況情報を取得する。次に、取得したファンダメンタル情報に応じた参照用ファンダメンタル情報と取得した市況情報に応じた参照用市況情報とを有する組み合わせと、各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて表示する。
図15は、上述した参照用イベント情報と、参照用関連銘柄市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、株取引を行う取引候補銘柄に対して予め関連付けられた他の関連銘柄の市況情報で構成されている。他の関連銘柄とは、その取引候補銘柄が仮に自動車メーカーであれば、ライバルとなる他の自動車メーカーであってもよいし、自動車メーカーに部品を供給する部品メーカーであってもよい。他の関連銘柄は、同一業界の中のライバル企業のみならず、他の業界であっても取引候補銘柄と互いに協調してエコシステムを構築する企業も含まれる。この関連銘柄は、システム内において取引候補銘柄に対して予め設定されていてもよいし、ユーザ側において自在に設定してもよい。またこの関連銘柄は、インターネットによるアクセス傾向等を分析し、ある一の銘柄にアクセスする場合に、同様にアクセスする頻度の高い他の銘柄を関連銘柄として設定するようにしてもよい。
市況情報の詳細は、上述した第1実施形態と同様である。このため、参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、関連銘柄における時系列的なチャートや折れ線グラフ、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報で構成される。
図15の例では、入力データとして例えば参照用イベント情報P01〜P03、参照用関連銘柄市況情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用イベント情報に対して、参照用関連銘柄市況情報が組み合わさったものが、図15に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データが表示されている。つまり関連銘柄の市況から取引候補銘柄の株価の増減を予測するものである。
参照用イベント情報と参照用関連銘柄市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利なイベントが発生し、関連銘柄の値動き下落傾向にあれば、取引候補銘柄の株価の下落可能性もより確度が高いものと判断することができる。このようなケースも含めてこの図15に示す連関度を通じて判断する。参照用イベント情報と参照用関連銘柄市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用イベント情報と参照用関連銘柄市況情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用イベント情報と参照用関連銘柄市況情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用イベント情報と参照用関連銘柄市況情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。イベント情報に加え、実際の関連銘柄の値動きがいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用イベント情報と参照用関連銘柄市況情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図15に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用イベント情報と参照用関連銘柄市況情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図15に示す連関度を作り上げておく。
図15に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用イベント情報P01に対して、参照用関連銘柄市況情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用イベント情報P02に対して、参照用関連銘柄市況情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述したイベント情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄の関連銘柄市況情報を取得する。
このようにして新たに取得したイベント情報、関連銘柄市況情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図15(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得したイベント情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、関連銘柄市況情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
なお、この参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、参照用イベント情報との間で連関度を形成する場合に限定されるものではなく、第1実施形態に示す参照用市況情報との間で連関度を形成してもよい。
かかる場合には、参照用市況情報と、取引候補銘柄に対して予め関連付けられた他の関連銘柄のその参照用市況情報の取得時期における市況情報からなる参照用関連銘柄市況情報とを有する組み合わせと、上記取引候補銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度を形成しておく。その次に、新たに株取引を行う取引候補銘柄に対して予め関連付けられた他の関連銘柄の市況情報からなる関連銘柄市況情報と、新たに株取引を行う取引候補銘柄の市況情報を取得する。次に、取得した関連銘柄市況情報に応じた参照用関連銘柄市況情報と取得した市況情報に応じた参照用市況情報とを有する組み合わせと、上記取引候補銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて上記各銘柄の株価の増減データを表示するようにしてもよい。
図16は、上述した参照用イベント情報と、参照用統計情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用統計情報及び統計情報は、家計消費状況調査、家計データ、1週間の平均就業時間、貯蓄額の統計データ、年収の統計データ、家計に関する等に関する様々な統計情報を含む。また、参照用統計情報及び統計情報は、オフィス空室率、坪単価、賃料相場、地価、空き家に関する統計的データ等、不動産に関するあらゆる統計情報も含まれる。また参照用統計情報及び統計情報は、経済に関する統計情報としてのGDP、景気動向指数、消費支出、新車販売台数、消費者物価指数等のデータが含まれる。参照用統計情報及び統計情報は、家計、不動作、経済の何れかに関する統計的な情報を含むものである。
図16の例では、入力データとして例えば参照用イベント情報P01〜P03、参照用統計情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用イベント情報に対して、参照用統計情報が組み合わさったものが、図16に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。つまり関連銘柄の市況から銘柄の株価の増減を予測するものである。
参照用イベント情報と参照用統計情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利なイベントが発生する一方、上述した統計情報が上向きであれば、取引候補銘柄の株価もそれほど大きく下落しないものと判断することができる。このようなケースも含めてこの図16に示す連関度を通じて判断する。参照用イベント情報と参照用統計情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用イベント情報と参照用統計情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用イベント情報と参照用統計情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用イベント情報と参照用統計情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。イベント情報に加え、実際の家計、不動産、経済の各統計情報がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用イベント情報と参照用統計情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図16に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用イベント情報と参照用統計情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図16に示す連関度を作り上げておく。
図16に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用イベント情報P01に対して、参照用統計情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用イベント情報P02に対して、参照用統計情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述したイベント情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄の統計情報を取得する。この取得する統計情報の種類は、参照用統計情報に対応したものであることが望ましく、例えば参照用統計情報が不動産に関する統計であれば、新たに取得する統計情報も同様に不動産に関する統計とすることが望ましい。
このようにして新たに取得したイベント情報、統計情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図16(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得したイベント情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、統計情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また第2実施形態においても、図9に示すように、入力パラメータの種類を3種類以上にわたり組み合わせてもよく、かかる場合には、参照用イベント情報に加え、参照用外部環境情報、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか2以上で組み合わせの連関度が構成されたものであっても適用可能である。また、これ以外に、参照用イベント情報に加え、参照用外部環境情報、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか1以上と他のパラメータとの組み合わせの連関度が構成されているものであってもよい。即ち、参照用イベント情報に加え、参照用外部環境情報、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報とを有する組み合わせの連関度が構成されていてもよい。
更には、第1実施形態における入力パラメータの何れか1以上と、第2実施形態における入力パラメータの何れか1以上との組み合わせの連関度が構成されるものであってもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものでは無い。例えば図17に示すように、各銘柄の株価の増減データの代わりに、参照用イベント情報に対して各為替の増減データを関連付けて学習させておくことで連関度を設定するようにしてもよい。各為替の増減データは、例えば日本円−米ドル、日本円−人民元、英ポンド−米ドル等の各為替について、どの程度の増減があるかを示すものである。
この図17に示す例において、各為替の増減データを探索する方法は、上述した図11の説明において出力解を各銘柄の株価の増減データから各為替の増減データに置き換えて説明することにより、以下での説明を省略する。
新たに為替取引を行う時期に発生したイベントが反映されたイベント情報を取得したとき、この図17に示す参照用イベント情報と、そのイベントが発生した後の時点における各為替の増減データとの3段階以上の連関度を利用する。そして、取得したイベント情報に応じた参照用イベント情報と各為替の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて上記各為替の増減データを表示する。
図18は、上述した参照用イベント情報と、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各為替の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。この図18に示す例において、各為替の増減データを探索する方法は、上述した図12の説明において出力解を各銘柄の株価の増減データから各為替の増減データに置き換えて説明することにより、以下での説明を省略する。
新たに為替取引を行う時期に発生したイベントが反映されたイベント情報と、外部環境が反映された外部環境情報を取得したとき、この図18に示す参照用イベント情報と、参照用外部環境情報との組み合わせに対する各為替の増減データの連関度を使用する。そして、取得したイベント情報に応じた参照用イベント情報と、取得した外部環境情報に応じた参照用外部環境情報との組み合わせに対する各為替の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて各為替の増減データを表示する。
参照用イベント情報に加え、この参照用外部環境情報の代替として、上述した参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか1以上との組み合わせの連関度を各為替の増減データとの間で作っておくようにしてもよい。これにより、イベント情報に加え、この外部環境情報の代替として、上述した専門家意見情報、自然環境情報、ファンダメンタル情報、関連銘柄市況情報、統計情報が入力された場合に、この連関度を利用することで同様に為替の増減を探索、予測することが可能となる。
為替の増減を探索、予測する場合においても同様に、システム側が自ら為替の売買を行うようにしてもよい。かかる場合には、各為替の増減データが探索された結果、ある為替(通貨の組み合わせ)において一方の通貨が上昇する旨が判定された場合には、その為替の通貨を自動的に購入する処理を行う。一方、ある通貨の組み合わせにおいて一方の通貨が下落する旨が判定された場合には、その通貨を自動的に売却するか、空売りをする処理を行うようにしてもよい。
第3実施形態
以下、第3実施形態について説明をする。この第3実施形態を実行する上では、第1実施形態において使用する株取引情報表示システム1、情報取得部9、探索装置2、データベース3を同様に使用する。これらの各構成の説明は、第1実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。
第3実施形態では、例えば図19に示すように、外部環境情報と、各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用外部環境情報、外部環境情報、株価の増減データは、上述した第1実施形態と同様である。
予め取得した過去の外部環境が反映された参照用外部環境情報と、その参照用外部環境の取得後の時点における各銘柄の株価の増減データとのデータセットを通じて、参照用外部環境情報の取得後の時点においてどのように株価が増減したかが分かる。つまりイベントに対する株価の増減結果がデータセットとなっている。このため、参照用外部環境情報と株価の増減データのデータセットを集めておくことにより、過去どのような外部環境になった後の時点で、株価がどのように増減したかを知ることが可能となる。
図19の例では、入力データとして例えば参照用外部環境情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用外部環境情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、株価の増減データが表示されている。
参照用外部環境情報は、この出力解としての、株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外部環境情報がこの連関度を介して左側に配列し、各株価の増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外部環境情報に対して、何れの株価の増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外部環境情報が、いかなる株価の増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外部環境情報から最も確からしい株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。図19の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図19に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外部環境情報と、その場合の株価の増減データの何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図19に示す連関度を作り上げておく。
例えば、ある参照用外部環境情報が、消費者物価指数〇〇ポイントダウンというイベントであったとする。このとき、小売りを主たる事業とする企業の銘柄の株価がその後の時点において20%ダウンしたものが多かったものとする。このような場合には、当該銘柄の株価20%ダウンの連関度が強くなる。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
参照用外部環境情報は、テキストデータで提供されるニュースである場合には、テキストマイニングを通じて文章が形態素解析され、構文解析、意味解析がなされたものであってもよい。同様に外部環境情報についてもテキストデータで取り込んだ上で、これを形態素解析、構文解析、意味解析を行い、上述した参照用外部環境情報に紐づけるようにしてもよい。
また、この図19に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図20に示すように、入力データとして参照用外部環境情報が入力され、出力データとして各銘柄の株価の増減データが出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。入力ノード又は隠れ層ノードの何れか一方又は両方において上述した連関度が設定され、これが各ノードの重み付けとなり、これに基づいて出力の選択が行われる。そして、この連関度がある閾値を超えた場合に、その出力を選択するようにしてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに顧客に対して株取引の銘柄に関する助言を行う上で、上述した学習済みデータを利用して株価の増減を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに株取引を行う時期における外部環境情報を取得する。この外部環境情報は、上述した参照用外部環境情報と同種のデータで構成される。
新たに取得する外部環境情報は、上述した情報取得部9により入力される。
このようにして新たに取得した外部環境情報に基づいて、実際にその外部環境情報に対して、起こりえる可能性の高い、将来の株価(即ち、将来の株価の増減データ)を予測する。かかる場合には、予め取得した図19(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外部環境情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して増減データA2がw15、増減データA3が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA2を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA3を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する外部環境情報から、将来起こりえる各銘柄の株価の状況を、株価の増減データを通じて探索し、ユーザ(コンサルタント)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ(コンサルタント)は、探索された株価の増減データに基づいて、売買すべき銘柄の指針を得ることができる。株価の増減データの探索結果を見せるだけでもユーザに対して有益な助言を与えることができる。ちなみに、この助言を構成する上では、単に探索された株価の増減データのみを表示する以外に、この増減データに基づいて、具体的にどの銘柄の株をどの程度購入し、或いは売却すべきかまでを表示することで助言を構成するようにしてもよい。
また第3実施形態においても、第1、2実施形態と同様に、株の購買行動(例えば、〇×社買え、×〇社保持)等に関する助言に基づいて、システム側が自ら株の売買を行うようにしてもよい。かかる場合には、各銘柄の増減データが探索された結果、ある銘柄の株価が上昇する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に購入する処理を行う。一方、ある銘柄の株価が下落する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に売却するか、空売りをする処理を行う。
図21は、上述した参照用外部環境情報と、参照用専門家意見情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用専門家意見情報及び専門家意見情報は、上述した第1実施形態と同様である。
図21の例では、入力データとして例えば参照用外部環境情報P01〜P03、参照用専門家意見情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用外部環境情報に対して、参照用専門家意見情報が組み合わさったものが、図21に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用外部環境情報と参照用専門家意見情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外部環境情報と参照用専門家意見情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外部環境情報と参照用専門家意見情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外部環境情報と参照用専門家意見情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外部環境情報と参照用専門家意見情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。外部環境情報に加え、実際の専門家の意見がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用外部環境情報と参照用専門家意見情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図21に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外部環境情報と参照用専門家意見情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図21に示す連関度を作り上げておく。
図21に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外部環境情報P01に対して、参照用専門家意見情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外部環境情報P02に対して、参照用専門家意見情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した外部環境情報に加え、新たに株取引を行う時期における専門家の意見が反映された専門家意見情報を取得する。専門家意見情報は、例えば、専門家のコメントをテキストデータで取得し、これを形態素解析、構文解析、意味解析を通じて、その意見情報を抽出するようにしてもよい。参照用専門家意見情報を抽出する場合も同様である。
このようにして新たに取得した外部環境情報、専門家意見情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図21(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外部環境情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、専門家意見情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
なお、上述した参照用専門家意見情報の代替として、参照用自然環境情報との間で上述した連関度を構成するようにしてもよい。ここでいう参照用自然環境情報は、上述した第1実施形態と同様である。
このような参照用自然環境情報を図21に示す参照用外部環境情報の代替に置き換えて、参照用外部環境情報との間の組み合わせノード61を介して各銘柄の株価の増減データと連関度を形成しておく。そして、実際に各銘柄の株価の増減を予想したい場合には、現状における外部環境情報と、自然環境情報を取得し、これらの組み合わせの連関度に基づいて各銘柄の株価の増減データを探索することになる。
図22は、上述した参照用外部環境情報と、参照用ファンダメンタル情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報は、株取引を行う上でいわゆるファンダメンタル分析を行う上での各銘柄の財務指標、経営指標等であり、例えば自己資本比率、流動比率、手元流動性、キャッシュフロー、EPSの経年変化、売上高比率、ROE、ROA、PER、PBR、BPS等の各指標である。これ以外に、通常の財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等も参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報に含まれる。更にこの参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報には、会社四季報に掲載されている情報、株主構成、資本金、資本剰余金等の情報も含まれる。
図22の例では、入力データとして例えば参照用外部環境情報P01〜P03、その参照用外部環境情報の取得時期における各銘柄の参照用ファンダメンタル情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用外部環境情報に対して、参照用ファンダメンタル情報が組み合わさったものが、図22に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用外部環境情報と参照用ファンダメンタル情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利な外部環境情報が発生しても、その銘柄のファンダメンタルな財務状況が良ければそれほど大きなリスクと捉えられることなく、株価の落ち込みもあまり大きくならない場合があるが、このようなケースも含めてこの図22に示す連関度を通じて判断する。参照用外部環境情報と参照用ファンダメンタル情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外部環境情報と参照用ファンダメンタル情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外部環境情報と参照用ファンダメンタル情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外部環境情報と参照用ファンダメンタル情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。外部環境情報に加え、実際のファンダメンタル情報がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用外部環境情報と参照用ファンダメンタル情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図22に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外部環境情報と参照用ファンダメンタル情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図22に示す連関度を作り上げておく。
図22に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外部環境情報P01に対して、参照用ファンダメンタル情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外部環境情報P02に対して、参照用ファンダメンタル情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した外部環境情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄のファンダメンタル情報を取得する。
このようにして新たに取得した外部環境情報、ファンダメンタル情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図22(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外部環境情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、ファンダメンタル情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図23は、上述した参照用外部環境情報と、参照用関連銘柄市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、株取引を行う取引候補銘柄に対して予め関連付けられた他の関連銘柄の市況情報で構成されている。他の関連銘柄とは、その取引候補銘柄が仮に自動車メーカーであれば、ライバルとなる他の自動車メーカーであってもよいし、自動車メーカーに部品を供給する部品メーカーであってもよい。他の関連銘柄は、同一業界の中のライバル企業のみならず、他の業界であっても取引候補銘柄と互いに協調してエコシステムを構築する企業も含まれる。この関連銘柄は、システム内において取引候補銘柄に対して予め設定されていてもよいし、ユーザ側において自在に設定してもよい。またこの関連銘柄は、インターネットによるアクセス傾向等を分析し、ある一の銘柄にアクセスする場合に、同様にアクセスする頻度の高い他の銘柄を関連銘柄として設定するようにしてもよい。
市況情報の詳細は、上述した第1実施形態と同様である。このため、参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、関連銘柄における時系列的なチャートや折れ線グラフ、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報で構成される。
図23の例では、入力データとして例えば参照用外部環境情報P01〜P03、参照用関連銘柄市況情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用外部環境情報に対して、参照用関連銘柄市況情報が組み合わさったものが、図23に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データが表示されている。つまり関連銘柄の市況から取引候補銘柄の株価の増減を予測するものである。
参照用外部環境情報と参照用関連銘柄市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利なイベントが発生し、関連銘柄の値動き下落傾向にあれば、取引候補銘柄の株価の下落可能性もより確度が高いものと判断することができる。このようなケースも含めてこの図23に示す連関度を通じて判断する。参照用外部環境情報と参照用関連銘柄市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外部環境情報と参照用関連銘柄市況情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外部環境情報と参照用関連銘柄市況情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外部環境情報と参照用関連銘柄市況情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。外部環境情報に加え、実際の関連銘柄の値動きがいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用外部環境情報と参照用関連銘柄市況情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図23に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外部環境情報と参照用関連銘柄市況情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図23に示す連関度を作り上げておく。
図23に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外部環境情報P01に対して、参照用関連銘柄市況情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外部環境情報P02に対して、参照用関連銘柄市況情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した外部環境情報に加え、株取引を行う時期における取引候補銘柄の関連銘柄市況情報を取得する。
このようにして新たに取得した外部環境情報、関連銘柄市況情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図23(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外部環境情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、関連銘柄市況情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図24は、上述した参照用外部環境情報と、参照用統計情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用統計情報及び統計情報は、家計消費状況調査、家計データ、1週間の平均就業時間、貯蓄額の統計データ、年収の統計データ、家計に関する等に関する様々な統計情報を含む。また、参照用統計情報及び統計情報は、オフィス空室率、坪単価、賃料相場、地価、空き家に関する統計的データ等、不動産に関するあらゆる統計情報も含まれる。また参照用統計情報及び統計情報は、経済に関する統計情報としてのGDP、景気動向指数、消費支出、新車販売台数、消費者物価指数等のデータが含まれる。参照用統計情報及び統計情報は、家計、不動作、経済の何れかに関する統計的な情報を含むものである。
図24の例では、入力データとして例えば参照用外部環境情報P01〜P03、参照用統計情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用外部環境情報に対して、参照用統計情報が組み合わさったものが、図24に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。つまり関連銘柄の市況から銘柄の株価の増減を予測するものである。
参照用外部環境情報と参照用統計情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利なイベントが発生する一方、上述した統計情報が上向きであれば、取引候補銘柄の株価もそれほど大きく下落しないものと判断することができる。このようなケースも含めてこの図24に示す連関度を通じて判断する。参照用外部環境情報と参照用統計情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外部環境情報と参照用統計情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外部環境情報と参照用統計情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外部環境情報と参照用統計情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。外部環境情報に加え、実際の家計、不動産、経済の各統計情報がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用外部環境情報と参照用統計情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図24に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外部環境情報と参照用統計情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図24に示す連関度を作り上げておく。
図24に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外部環境情報P01に対して、参照用統計情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外部環境情報P02に対して、参照用統計情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した外部環境情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄の統計情報を取得する。この取得する統計情報の種類は、参照用統計情報に対応したものであることが望ましく、例えば参照用統計情報が不動産に関する統計であれば、新たに取得する統計情報も同様に不動産に関する統計とすることが望ましい。
このようにして新たに取得した外部環境情報、統計情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図24(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外部環境情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、統計情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また第3実施形態においても、図9に示すように、入力パラメータの種類を3種類以上にわたり組み合わせてもよく、かかる場合には、参照用外部環境情報に加え、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか2以上で組み合わせの連関度が構成されたものであっても適用可能である。また、これ以外に、参照用外部環境情報に加え、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか1以上と他のパラメータとの組み合わせの連関度が構成されているものであってもよい。即ち、参照用外部環境情報に加え、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報とを有する組み合わせの連関度が構成されていてもよい。
更には、第3実施形態における入力パラメータの何れか1以上と、第1実施形態における入力パラメータの何れか1以上、又は第2実施形態における入力パラメータの何れか1以上との組み合わせの連関度が構成されるものであってもよい。また、第3実施形態における入力パラメータの何れか1以上と、第1実施形態における入力パラメータの何れか1以上と、第2実施形態における入力パラメータの何れか1以上との組み合わせの連関度が構成されるものであってもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものでは無い。例えば図25に示すように、各銘柄の株価の増減データの代わりに、参照用外部環境情報に対して各為替の増減データを関連付けて学習させておくことで連関度を設定するようにしてもよい。各為替の増減データは、例えば日本円−米ドル、日本円−人民元、英ポンド−米ドル等の各為替について、どの程度の増減があるかを示すものである。
この図25に示す例において、各為替の増減データを探索する方法は、上述した図19の説明において出力解を各銘柄の株価の増減データから各為替の増減データに置き換えて説明することにより、以下での説明を省略する。
新たに為替取引を行う時期に発生したイベントが反映された外部環境情報を取得したとき、この図25に示す参照用外部環境情報と、そのイベントが発生した後の時点における各為替の増減データとの3段階以上の連関度を利用する。そして、取得した外部環境情報に応じた参照用外部環境情報と各為替の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて上記各為替の増減データを表示する。
図26は、上述した参照用外部環境情報と、参照用専門家意見情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各為替の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。この図26に示す例において、各為替の増減データを探索する方法は、上述した図21の説明において出力解を各銘柄の株価の増減データから各為替の増減データに置き換えて説明することにより、以下での説明を省略する。
新たに為替取引を行う時期に発生したイベントが反映された外部環境情報と、専門家の意見が反映された専門家意見情報を取得したとき、この図26に示す参照用外部環境情報と、参照用専門家意見情報との組み合わせに対する各為替の増減データの連関度を使用する。そして、取得した外部環境情報に応じた参照用外部環境情報と、取得した専門家意見情報に応じた参照用専門家意見情報との組み合わせに対する各為替の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて各為替の増減データを表示する。
参照用外部環境情報に加え、この参照用専門家意見情報の代替として、上述した参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか1以上との組み合わせの連関度を各為替の増減データとの間で作っておくようにしてもよい。これにより、外部環境情報に加え、この専門家意見情報の代替として、上述した自然環境情報、ファンダメンタル情報、関連銘柄市況情報、統計情報が入力された場合に、この連関度を利用することで同様に為替の増減を探索、予測することが可能となる。
為替の増減を探索、予測する場合においても同様に、システム側が自ら為替の売買を行うようにしてもよい。かかる場合には、各為替の増減データが探索された結果、ある為替(通貨の組み合わせ)において一方の通貨が上昇する旨が判定された場合には、その為替の通貨を自動的に購入する処理を行う。一方、ある通貨の組み合わせにおいて一方の通貨が下落する旨が判定された場合には、その通貨を自動的に売却するか、空売りをする処理を行うようにしてもよい。
第4実施形態
以下、第4実施形態について説明をする。この第4実施形態を実行する上では、第1実施形態において使用する株取引情報表示システム1、情報取得部9、探索装置2、データベース3を同様に使用する。これらの各構成の説明は、第1実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。
第4実施形態では、例えば図27に示すように、専門家意見情報と、各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用専門家意見情報、専門家意見情報、株価の増減データは、上述した第1実施形態と同様である。
予め取得した参照用専門家意見情報と、その参照用外部環境の取得後の時点における各銘柄の株価の増減データとのデータセットを通じて、参照用専門家意見情報の取得後の時点においてどのように株価が増減したかが分かる。つまり専門家の意見やコメントに対する株価の増減結果がデータセットとなっている。このため、参照用専門家意見情報と株価の増減データのデータセットを集めておくことにより、過去において各銘柄に対して専門家の意見が述べられた後の時点で、株価がどのように増減したかを知ることが可能となる。
図27の例では、入力データとして例えば参照用専門家意見情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用専門家意見情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、株価の増減データが表示されている。
参照用専門家意見情報は、この出力解としての、株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用専門家意見情報がこの連関度を介して左側に配列し、各株価の増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用専門家意見情報に対して、何れの株価の増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用専門家意見情報が、いかなる株価の増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用専門家意見情報から最も確からしい株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。図19の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図27に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用専門家意見情報と、その場合の株価の増減データの何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図27に示す連関度を作り上げておく。
例えば、ある参照用専門家意見情報が、ある銘柄について、上昇する旨のコメントを発表したものとする。このとき、当該銘柄の株価がその後の時点において20%ダウンしたものが多かったものとする。このような場合には、当該銘柄の株価20%ダウンの連関度が強くなる。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
参照用専門家意見情報は、テキストデータで提供されるコメントである場合には、テキストマイニングを通じて文章が形態素解析され、構文解析、意味解析がなされたものであってもよい。同様に専門家意見情報についてもテキストデータで取り込んだ上で、これを形態素解析、構文解析、意味解析を行い、上述した参照用専門家意見情報に紐づけるようにしてもよい。また単に上昇、停滞、下降の判定を専門家が行った場合には、それをそのまま取り込むようにしてもよい。
また、この図27に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図28に示すように、入力データとして参照用専門家意見情報が入力され、出力データとして各銘柄の株価の増減データが出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。入力ノード又は隠れ層ノードの何れか一方又は両方において上述した連関度が設定され、これが各ノードの重み付けとなり、これに基づいて出力の選択が行われる。そして、この連関度がある閾値を超えた場合に、その出力を選択するようにしてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに顧客に対して株取引の銘柄に関する助言を行う上で、上述した学習済みデータを利用して株価の増減を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに株取引を行う時期における専門家意見情報を取得する。この専門家意見情報は、上述した参照用専門家意見情報と同種のデータで構成される。
新たに取得する専門家意見情報は、上述した情報取得部9により入力される。
このようにして新たに取得した専門家意見情報に基づいて、実際にその専門家意見情報に対して、起こりえる可能性の高い、将来の株価(即ち、将来の株価の増減データ)を予測する。かかる場合には、予め取得した図27(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した専門家意見情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して増減データA2がw15、増減データA3が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA2を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA3を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する専門家意見情報から、将来起こりえる各銘柄の株価の状況を、株価の増減データを通じて探索し、ユーザ(コンサルタント)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ(コンサルタント)は、探索された株価の増減データに基づいて、売買すべき銘柄の指針を得ることができる。株価の増減データの探索結果を見せるだけでもユーザに対して有益な助言を与えることができる。ちなみに、この助言を構成する上では、単に探索された株価の増減データのみを表示する以外に、この増減データに基づいて、具体的にどの銘柄の株をどの程度購入し、或いは売却すべきかまでを表示することで助言を構成するようにしてもよい。
また第4実施形態においても、第1〜3実施形態と同様に、株の購買行動(例えば、〇×社買え、×〇社保持)等に関する助言に基づいて、システム側が自ら株の売買を行うようにしてもよい。かかる場合には、各銘柄の増減データが探索された結果、ある銘柄の株価が上昇する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に購入する処理を行う。一方、ある銘柄の株価が下落する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に売却するか、空売りをする処理を行う。
図29は、上述した参照用専門家意見情報と、参照用自然環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用自然環境情報及び自然環境情報は、上述した第1実施形態と同様である。
図29の例では、入力データとして例えば参照用専門家意見情報P01〜P03、参照用自然環境情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用専門家意見情報に対して、その参照用専門家意見情報の取得時期における参照用自然環境情報が組み合わさったものが、図29に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用専門家意見情報と参照用自然環境情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用専門家意見情報と参照用自然環境情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用専門家意見情報と参照用自然環境情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用専門家意見情報と参照用自然環境情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用専門家意見情報と参照用自然環境情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。専門家意見情報に加え、実際の自然環境がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する場合がある。このため、これらの参照用専門家意見情報と参照用専門家意見情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図29に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用専門家意見情報と参照用自然環境情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図29に示す連関度を作り上げておく。
図29に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用専門家意見情報P01に対して、参照用自然環境情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用専門家意見情報P02に対して、参照用自然環境情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した専門家意見情報に加え、新たに株取引を行う時期における自然環境の情報が反映された自然環境情報を取得する。
このようにして新たに取得した専門家意見情報、自然環境情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図29(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した専門家意見情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、自然環境情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図30は、上述した参照用専門家意見情報と、参照用ファンダメンタル情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報は、株取引を行う上でいわゆるファンダメンタル分析を行う上での各銘柄の財務指標、経営指標等であり、例えば自己資本比率、流動比率、手元流動性、キャッシュフロー、EPSの経年変化、売上高比率、ROE、ROA、PER、PBR、BPS等の各指標である。これ以外に、通常の財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等も参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報に含まれる。更にこの参照用ファンダメンタル情報及びファンダメンタル情報には、会社四季報に掲載されている情報、株主構成、資本金、資本剰余金等の情報も含まれる。
図30の例では、入力データとして例えば参照用専門家意見情報P01〜P03、その参照用専門家意見情報の取得時期における各銘柄の参照用ファンダメンタル情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用専門家意見情報に対して、参照用ファンダメンタル情報が組み合わさったものが、図30に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。
参照用専門家意見情報と参照用ファンダメンタル情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利な専門家意見情報が発生しても、その銘柄のファンダメンタルな財務状況が良ければそれほど大きなリスクと捉えられることなく、株価の落ち込みもあまり大きくならない場合があるが、このようなケースも含めてこの図30に示す連関度を通じて判断する。参照用専門家意見情報と参照用ファンダメンタル情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用専門家意見情報と参照用ファンダメンタル情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用専門家意見情報と参照用ファンダメンタル情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用専門家意見情報と参照用ファンダメンタル情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。専門家意見情報に加え、実際のファンダメンタル情報がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用専門家意見情報と参照用ファンダメンタル情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図30に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用専門家意見情報と参照用ファンダメンタル情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図30に示す連関度を作り上げておく。
図30に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用専門家意見情報P01に対して、参照用ファンダメンタル情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用専門家意見情報P02に対して、参照用ファンダメンタル情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した専門家意見情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄のファンダメンタル情報を取得する。
このようにして新たに取得した専門家意見情報、ファンダメンタル情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図30(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した専門家意見情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、ファンダメンタル情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図31は、上述した参照用専門家意見情報と、参照用関連銘柄市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、株取引を行う取引候補銘柄に対して予め関連付けられた他の関連銘柄の市況情報で構成されている。他の関連銘柄とは、その取引候補銘柄が仮に自動車メーカーであれば、ライバルとなる他の自動車メーカーであってもよいし、自動車メーカーに部品を供給する部品メーカーであってもよい。他の関連銘柄は、同一業界の中のライバル企業のみならず、他の業界であっても取引候補銘柄と互いに協調してエコシステムを構築する企業も含まれる。この関連銘柄は、システム内において取引候補銘柄に対して予め設定されていてもよいし、ユーザ側において自在に設定してもよい。またこの関連銘柄は、インターネットによるアクセス傾向等を分析し、ある一の銘柄にアクセスする場合に、同様にアクセスする頻度の高い他の銘柄を関連銘柄として設定するようにしてもよい。
市況情報の詳細は、上述した第1実施形態と同様である。このため、参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、関連銘柄における時系列的なチャートや折れ線グラフ、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報で構成される。
図31の例では、入力データとして例えば参照用専門家意見情報P01〜P03、参照用関連銘柄市況情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用専門家意見情報に対して、参照用関連銘柄市況情報が組み合わさったものが、図31に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データが表示されている。つまり関連銘柄の市況から取引候補銘柄の株価の増減を予測するものである。
参照用専門家意見情報と参照用関連銘柄市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利なコメントが専門家から述べられ、関連銘柄の値動き下落傾向にあれば、取引候補銘柄の株価の下落可能性もより確度が高いものと判断することができる。このようなケースも含めてこの図31に示す連関度を通じて判断する。参照用専門家意見情報と参照用関連銘柄市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用専門家意見情報と参照用関連銘柄市況情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用専門家意見情報と参照用関連銘柄市況情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用専門家意見情報と参照用関連銘柄市況情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。専門家意見情報に加え、実際の関連銘柄の値動きがいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用専門家意見情報と参照用関連銘柄市況情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図31に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用専門家意見情報と参照用関連銘柄市況情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図31に示す連関度を作り上げておく。
図31に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用専門家意見情報P01に対して、参照用関連銘柄市況情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用専門家意見情報P02に対して、参照用関連銘柄市況情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した専門家意見情報に加え、株取引を行う時期における取引候補銘柄の関連銘柄市況情報を取得する。
このようにして新たに取得した専門家意見情報、関連銘柄市況情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図31(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した専門家意見情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、関連銘柄市況情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図32は、上述した参照用専門家意見情報と、参照用統計情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用統計情報及び統計情報は、家計消費状況調査、家計データ、1週間の平均就業時間、貯蓄額の統計データ、年収の統計データ、家計に関する等に関する様々な統計情報を含む。また、参照用統計情報及び統計情報は、オフィス空室率、坪単価、賃料相場、地価、空き家に関する統計的データ等、不動産に関するあらゆる統計情報も含まれる。また参照用統計情報及び統計情報は、経済に関する統計情報としてのGDP、景気動向指数、消費支出、新車販売台数、消費者物価指数等のデータが含まれる。参照用統計情報及び統計情報は、家計、不動作、経済の何れかに関する統計的な情報を含むものである。
図32の例では、入力データとして例えば参照用専門家意見情報P01〜P03、参照用統計情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用専門家意見情報に対して、参照用統計情報が組み合わさったものが、図32に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。つまり関連銘柄の市況から銘柄の株価の増減を予測するものである。
参照用専門家意見情報と参照用統計情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄において、非常に不利なコメントが専門家から述べられる一方、上述した統計情報が上向きであれば、取引候補銘柄の株価もそれほど大きく下落しないものと判断することができる。このようなケースも含めてこの図32に示す連関度を通じて判断する。参照用専門家意見情報と参照用統計情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用専門家意見情報と参照用統計情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用専門家意見情報と参照用統計情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用専門家意見情報と参照用統計情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。専門家意見情報に加え、実際の家計、不動産、経済の各統計情報がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用専門家意見情報と参照用統計情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図32に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用専門家意見情報と参照用統計情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図32に示す連関度を作り上げておく。
図32に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用専門家意見情報P01に対して、参照用統計情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用専門家意見情報P02に対して、参照用統計情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した専門家意見情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄の統計情報を取得する。この取得する統計情報の種類は、参照用統計情報に対応したものであることが望ましく、例えば参照用統計情報が不動産に関する統計であれば、新たに取得する統計情報も同様に不動産に関する統計とすることが望ましい。
このようにして新たに取得した専門家意見情報、統計情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図32(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した専門家意見情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、統計情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また第4実施形態においても、図9に示すように、入力パラメータの種類を3種類以上にわたり組み合わせてもよく、かかる場合には、参照用専門家意見情報に加え、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか2以上で組み合わせの連関度が構成されたものであっても適用可能である。また、これ以外に、参照用専門家意見情報に加え、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか1以上と他のパラメータとの組み合わせの連関度が構成されているものであってもよい。即ち、参照用専門家意見情報に加え、参照用自然環境情報、参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報とを有する組み合わせの連関度が構成されていてもよい。
更には、第4実施形態における入力パラメータの何れか1以上と、第1実施形態〜第3実施形態における入力パラメータの何れか1以上との組み合わせの連関度が構成されるものであってもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものでは無い。例えば図33に示すように、各銘柄の株価の増減データの代わりに、参照用専門家意見情報に対して各為替の増減データを関連付けて学習させておくことで連関度を設定するようにしてもよい。各為替の増減データは、例えば日本円−米ドル、日本円−人民元、英ポンド−米ドル等の各為替について、どの程度の増減があるかを示すものである。
この図33に示す例において、各為替の増減データを探索する方法は、上述した図27の説明において出力解を各銘柄の株価の増減データから各為替の増減データに置き換えて説明することにより、以下での説明を省略する。
新たに為替取引を行う時期に発生したイベントが反映された専門家意見情報を取得したとき、この図33に示す参照用専門家意見情報と、そのイベントが発生した後の時点における各為替の増減データとの3段階以上の連関度を利用する。そして、取得した専門家意見情報に応じた参照用専門家意見情報と各為替の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて上記各為替の増減データを表示する。
図34は、上述した参照用専門家意見情報と参照用自然環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各為替の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。この図34に示す例において、各為替の増減データを探索する方法は、上述した図29の説明において出力解を各銘柄の株価の増減データから各為替の増減データに置き換えて説明することにより、以下での説明を省略する。
新たに為替取引を行う時期に発生したイベントが反映された専門家意見情報と、自然環境情報を取得したとき、この図34に示す参照用専門家意見情報と、参照用自然環境情報との組み合わせに対する各為替の増減データの連関度を使用する。そして、取得した専門家意見情報に応じた参照用専門家意見情報と、取得した自然環境情報に応じた参照用自然環境情報との組み合わせに対する各為替の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて各為替の増減データを表示する。
参照用専門家意見情報に加え、この参照用自然環境情報の代替として、上述した参照用ファンダメンタル情報、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか1以上との組み合わせの連関度を各為替の増減データとの間で作っておくようにしてもよい。これにより、専門家意見情報に加え、この自然環境情報の代替として、上述したファンダメンタル情報、関連銘柄市況情報、統計情報が入力された場合に、この連関度を利用することで同様に為替の増減を探索、予測することが可能となる。
為替の増減を探索、予測する場合においても同様に、システム側が自ら為替の売買を行うようにしてもよい。かかる場合には、各為替の増減データが探索された結果、ある為替(通貨の組み合わせ)において一方の通貨が上昇する旨が判定された場合には、その為替の通貨を自動的に購入する処理を行う。一方、ある通貨の組み合わせにおいて一方の通貨が下落する旨が判定された場合には、その通貨を自動的に売却するか、空売りをする処理を行うようにしてもよい。
第5実施形態
以下、第5実施形態について説明をする。この第5実施形態を実行する上では、第1実施形態において使用する株取引情報表示システム1、情報取得部9、探索装置2、データベース3を同様に使用する。これらの各構成の説明は、第1実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。
第5実施形態では、例えば図35に示すように、自然環境情報と、各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用自然環境情報、自然環境情報、株価の増減データは、上述した第1実施形態と同様である。
予め取得した参照用自然環境情報と、その参照用外部環境の取得後の時点における各銘柄の株価の増減データとのデータセットを通じて、参照用自然環境情報の取得後の時点においてどのように株価が増減したかが分かる。つまり専門家の意見やコメントに対する株価の増減結果がデータセットとなっている。このため、参照用自然環境情報と株価の増減データのデータセットを集めておくことにより、過去において各銘柄に対して専門家の意見が述べられた後の時点で、株価がどのように増減したかを知ることが可能となる。
図35の例では、入力データとして例えば参照用自然環境情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用自然環境情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、株価の増減データが表示されている。
参照用自然環境情報は、この出力解としての、株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用自然環境情報がこの連関度を介して左側に配列し、各株価の増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用自然環境情報に対して、何れの株価の増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用自然環境情報が、いかなる株価の増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用自然環境情報から最も確からしい株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。図35の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての株価の増減データと互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図35に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用自然環境情報と、その場合の株価の増減データの何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図35に示す連関度を作り上げておく。
例えば、ある参照用自然環境情報が、猛暑であった年の8月の気温データであるものとする。このときビールのような猛暑日に売れる製品を販売するような銘柄の株価がその後の時点において20%アップしたものが多かったものとする。このような場合には、当該銘柄の株価20%アップの連関度が強くなる。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
また、この図35に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図36に示すように、入力データとして参照用自然環境情報が入力され、出力データとして各銘柄の株価の増減データが出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。入力ノード又は隠れ層ノードの何れか一方又は両方において上述した連関度が設定され、これが各ノードの重み付けとなり、これに基づいて出力の選択が行われる。そして、この連関度がある閾値を超えた場合に、その出力を選択するようにしてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに顧客に対して株取引の銘柄に関する助言を行う上で、上述した学習済みデータを利用して株価の増減を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに株取引を行う時期における自然環境情報を取得する。この自然環境情報は、上述した参照用自然環境情報と同種のデータで構成される。
新たに取得する自然環境情報は、上述した情報取得部9により入力される。
このようにして新たに取得した自然環境情報に基づいて、実際にその自然環境情報に対して、起こりえる可能性の高い、将来の株価(即ち、将来の株価の増減データ)を予測する。かかる場合には、予め取得した図35(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した自然環境情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して増減データA2がw15、増減データA3が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA2を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA3を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する自然環境情報から、将来起こりえる各銘柄の株価の状況を、株価の増減データを通じて探索し、ユーザ(コンサルタント)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ(コンサルタント)は、探索された株価の増減データに基づいて、売買すべき銘柄の指針を得ることができる。株価の増減データの探索結果を見せるだけでもユーザに対して有益な助言を与えることができる。ちなみに、この助言を構成する上では、単に探索された株価の増減データのみを表示する以外に、この増減データに基づいて、具体的にどの銘柄の株をどの程度購入し、或いは売却すべきかまでを表示することで助言を構成するようにしてもよい。
なお、第5実施形態においては、図37に示すように、去の各銘柄の取引時における家計、不動産に関する統計的な情報からなる参照用統計情報と、その参照用統計情報の取得後の時点における各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度を形成しておくようにしてもよい。
そして、新たに株取引を行う時期における家計、不動産の何れかに関する統計情報を取得し、この連関度を参照して、取得した統計情報に応じた参照用統計情報と各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて各銘柄の株価の増減データを表示するようにしてもよい。
参照用統計情報及び統計情報は、家計消費状況調査、家計データ、1週間の平均就業時間、貯蓄額の統計データ、年収の統計データ、家計に関する等に関する様々な統計情報を含む。また、参照用統計情報及び統計情報は、オフィス空室率、坪単価、賃料相場、地価、空き家に関する統計的データ等、不動産に関するあらゆる統計情報も含まれる。また参照用統計情報及び統計情報は、経済に関する統計情報としてのGDP、景気動向指数、消費支出、新車販売台数、消費者物価指数等のデータが含まれる。参照用統計情報及び統計情報は、家計、不動作、経済の何れかに関する統計的な情報を含むものである。
また第5実施形態においても、第1〜3実施形態と同様に、株の購買行動(例えば、〇×社買え、×〇社保持)等に関する助言に基づいて、システム側が自ら株の売買を行うようにしてもよい。かかる場合には、各銘柄の増減データが探索された結果、ある銘柄の株価が上昇する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に購入する処理を行う。一方、ある銘柄の株価が下落する旨が判定された場合には、その銘柄の株を自動的に売却するか、空売りをする処理を行う。
図38は、上述した参照用自然環境情報と、参照用関連銘柄市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、株取引を行う取引候補銘柄に対して予め関連付けられた他の関連銘柄の市況情報で構成されている。他の関連銘柄とは、その取引候補銘柄が仮に自動車メーカーであれば、ライバルとなる他の自動車メーカーであってもよいし、自動車メーカーに部品を供給する部品メーカーであってもよい。他の関連銘柄は、同一業界の中のライバル企業のみならず、他の業界であっても取引候補銘柄と互いに協調してエコシステムを構築する企業も含まれる。この関連銘柄は、システム内において取引候補銘柄に対して予め設定されていてもよいし、ユーザ側において自在に設定してもよい。またこの関連銘柄は、インターネットによるアクセス傾向等を分析し、ある一の銘柄にアクセスする場合に、同様にアクセスする頻度の高い他の銘柄を関連銘柄として設定するようにしてもよい。
市況情報の詳細は、上述した第1実施形態と同様である。このため、参照用関連銘柄市況情報及び関連銘柄市況情報は、関連銘柄における時系列的なチャートや折れ線グラフ、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報で構成される。
図38の例では、入力データとして例えば参照用自然環境情報P01〜P03、参照用関連銘柄市況情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用自然環境情報に対して、参照用関連銘柄市況情報が組み合わさったものが、図38に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データが表示されている。つまり関連銘柄の市況から取引候補銘柄の株価の増減を予測するものである。
参照用自然環境情報と参照用関連銘柄市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各取引候補銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄が猛暑になれば売れるビールメーカーである場合に、自然環境情報に示されてるものが冷夏の気温データであり、関連銘柄の値動き下落傾向にあれば、取引候補銘柄の株価の下落可能性もより確度が高いものと判断することができる。このようなケースも含めてこの図38に示す連関度を通じて判断する。参照用自然環境情報と参照用関連銘柄市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用自然環境情報と参照用関連銘柄市況情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用自然環境情報と参照用関連銘柄市況情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用自然環境情報と参照用関連銘柄市況情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。自然環境情報に加え、実際の関連銘柄の値動きがいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用自然環境情報と参照用関連銘柄市況情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図38に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用自然環境情報と参照用関連銘柄市況情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図38に示す連関度を作り上げておく。
図38に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用自然環境情報P01に対して、参照用関連銘柄市況情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用自然環境情報P02に対して、参照用関連銘柄市況情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した自然環境情報に加え、株取引を行う時期における取引候補銘柄の関連銘柄市況情報を取得する。
このようにして新たに取得した自然環境情報、関連銘柄市況情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図38(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した自然環境情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、関連銘柄市況情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
なお、この図38における参照用自然環境情報を、上述した参照用統計情報に置き換えてもよい。つまり、参照用統計情報と、参照用関連銘柄市況情報と組み合わせに対して、各銘柄の株価の増減データが上述した連関度をもって関連付けられている。新たに統計情報と関連銘柄市況情報を取得した場合に、当該連関度を参照することにより、各銘柄の株価の増減データを探索する。
図39は、上述した参照用自然環境情報と、参照用統計情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各銘柄の株価の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
図39の例では、入力データとして例えば参照用自然環境情報P01〜P03、参照用統計情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用自然環境情報に対して、参照用統計情報が組み合わさったものが、図39に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各銘柄の株価の増減データが表示されている。つまり関連銘柄の市況から銘柄の株価の増減を予測するものである。
参照用自然環境情報と参照用統計情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、各銘柄の株価の増減データに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。ある銘柄にとってその自然環境情報が芳しいものでなくても、上述した統計情報が上向きであれば、取引候補銘柄の株価もそれほど大きく下落しないものと判断することができる。このようなケースも含めてこの図39に示す連関度を通じて判断する。参照用自然環境情報と参照用統計情報がこの連関度を介して左側に配列し、増減データが連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用自然環境情報と参照用統計情報に対して、増減データと関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用自然環境情報と参照用統計情報が、いかなる増減データに紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用自然環境情報と参照用統計情報から最も確からしい各銘柄の株価の増減データを選択する上での的確性を示すものである。自然環境情報に加え、実際の家計、不動産の各統計情報がいかなる状態にあるのかに応じて、株価は変化する。このため、これらの参照用自然環境情報と参照用統計情報の組み合わせで、最適な各銘柄の株価の増減データを探索していくこととなる。
探索装置2は、このような図39に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用自然環境情報と参照用統計情報、並びにその場合の増減データが何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図39に示す連関度を作り上げておく。
図39に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用自然環境情報P01に対して、参照用統計情報P18の組み合わせのノードであり、増減データA3の連関度がw15、増減データA5の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用自然環境情報P02に対して、参照用統計情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減データA2の連関度がw17、増減データA4の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した自然環境情報に加え、株取引を行う時期における各銘柄の統計情報を取得する。この取得する統計情報の種類は、参照用統計情報に対応したものであることが望ましく、例えば参照用統計情報が不動産に関する統計であれば、新たに取得する統計情報も同様に不動産に関する統計とすることが望ましい。
このようにして新たに取得した自然環境情報、統計情報に基づいて、最適な助言を構成するべく、各銘柄の株価の増減データを探索する。かかる場合には、予め取得した図39(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した自然環境情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、統計情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減データA3がw19、増減データA4が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減データA3を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減データA4を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また第5実施形態においても、図9に示すように、入力パラメータの種類を3種類以上にわたり組み合わせてもよく、かかる場合には、参照用自然環境情報に加え、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか2以上で組み合わせの連関度が構成されたものであっても適用可能である。また、これ以外に、参照用自然環境情報に加え、参照用関連銘柄市況情報、参照用統計情報の何れか1以上と他のパラメータとの組み合わせの連関度が構成されているものであってもよい。また参照用統計情報に加え、参照用統計情報と他のパラメータとの組み合わせの連関度が構成されているものであってもよい。
更には、第5実施形態における入力パラメータの何れか1以上と、第1実施形態〜第4実施形態における入力パラメータの何れか1以上との組み合わせの連関度が構成されるものであってもよい。そして、その組み合わせの連関度の入力パラメータに応じた情報が入力された場合に、その当該連関度を介して上述と同様に解探索をするようにしてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものでは無い。例えば図40に示すように、各銘柄の株価の増減データの代わりに、参照用自然環境情報に対して各為替の増減データを関連付けて学習させておくことで連関度を設定するようにしてもよい。各為替の増減データは、例えば日本円−米ドル、日本円−人民元、英ポンド−米ドル等の各為替について、どの程度の増減があるかを示すものである。
この図40に示す例において、各為替の増減データを探索する方法は、上述した図35の説明において出力解を各銘柄の株価の増減データから各為替の増減データに置き換えて説明することにより、以下での説明を省略する。
新たに為替取引を行う時期に発生したイベントが反映された自然環境情報を取得したとき、この図40に示す参照用自然環境情報と、そのイベントが発生した後の時点における各為替の増減データとの3段階以上の連関度を利用する。そして、取得した自然環境情報に応じた参照用自然環境情報と各為替の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて上記各為替の増減データを表示する。
同様に図41に示すように、参照用統計情報に対して各為替の増減データを関連付けて学習させておくことで連関度を設定するようにしてもよい。この図42に示す例において、各為替の増減データを探索する方法は、上述した図37の説明において出力解を各銘柄の株価の増減データから各為替の増減データに置き換えて説明することにより、以下での説明を省略する。
新たに為替取引を行う時期に発生したイベントが反映された統計情報を取得したとき、この図41に示す参照用統計情報と、そのイベントが発生した後の時点における各為替の増減データとの3段階以上の連関度を利用する。そして、取得した統計情報に応じた参照用統計情報と各為替の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて上記各為替の増減データを表示する。
図42は、上述した参照用自然環境情報と参照用統計情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する各為替の増減データとの3段階以上の連関度が設定されている例を示している。この図42に示す例において、各為替の増減データを探索する方法は、上述した図39の説明において出力解を各銘柄の株価の増減データから各為替の増減データに置き換えて説明することにより、以下での説明を省略する。
新たに為替取引を行う時期に発生したイベントが反映された自然環境情報と、統計情報を取得したとき、この図42に示す参照用自然環境情報と、参照用統計情報との組み合わせに対する各為替の増減データの連関度を使用する。そして、取得した自然環境情報に応じた参照用自然環境情報と、取得した統計情報に応じた参照用統計情報との組み合わせに対する各為替の増減データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて各為替の増減データを表示する。
参照用自然環境情報に加え、この参照用統計情報の代替として、上述した参照用関連銘柄市況情報との組み合わせの連関度を各為替の増減データとの間で作っておくようにしてもよい。これにより、自然環境情報に加え、この統計情報の代替として、上述した関連銘柄市況情報が入力された場合に、この連関度を利用することで同様に為替の増減を探索、予測することが可能となる。また、参照用統計情報と参照用関連銘柄市況情報との組み合わせの連関度を各為替の増減データとの間で作っておくようにしてもよい。これにより、統計情報に加え、上述した関連銘柄市況情報が入力された場合に、この連関度を利用することで同様に為替の増減を探索、予測することが可能となる。
為替の増減を探索、予測する場合においても同様に、システム側が自ら為替の売買を行うようにしてもよい。かかる場合には、各為替の増減データが探索された結果、ある為替(通貨の組み合わせ)において一方の通貨が上昇する旨が判定された場合には、その為替の通貨を自動的に購入する処理を行う。一方、ある通貨の組み合わせにおいて一方の通貨が下落する旨が判定された場合には、その通貨を自動的に売却するか、空売りをする処理を行うようにしてもよい。
第6実施形態
また、本発明では、第1実施形態〜第5実施形態における、市況情報、参照用市況情報について、チャートを売買シグナルのチャートパターンに当てはめてもよい。図43、44は、チャートの売買シグナルのチャートパターンの例を示している。例えば図43(a)は、移動平均線を基準に株価が上下動を繰り返しているときに、株価が移動平均線まで落ちてきたときが買いのシグナルとなる。また、図43(b)は、もみ合い相場が長く続いた後、株価が上値抵抗線を上抜けたときが買いのシグナルとなる。図43(c)は、Wボトム型と言われており、株価が安値圏で2回安値を付けたときが買いのシグナルとなる。図43(d)は、逆三尊と言われており、株価が安値圏で3回安値を付け、そのうち真ん中が最も安くなるチャートパターンであり、これが現れると買いのシグナルとなる。図44(a)は、株価が急騰した後、すぐに急落し、長い下ヒゲのローソク足または大陽線が出て反転した場合であり、これが出たときは買いのサインとなる。図44(b)は、三川明けの明星と言われており、底値圏での大陰線が出て、下マド開けてヒゲも実体も短い陽・陰線(コマ足)が現れ、上マド開けて大陽線の形が出た場合は、目先買いシグナルとなる。図44(c)は、三川明けがらすと言われ、黒三兵(三羽がらす)で突っ込んだ後の赤三兵でV型の転換を表し、買いのサインとなる。図44(d)は、三川宵の明星は、上昇局面で大陽線となり、上マド開けてヒゲも実体も短い陽・陰線(コマ足)が出て、下マド開けて大陰線が出る形で下降に転換するサインになり、売りシグナルとなる。
このようなシグナルは株取引における過去の経験則から生まれたものであるが、本発明においては、この市況情報、参照用市況情報をこれらの売買シグナルのチャートパターンの類型に当てはめるようにしてもよい。
この当てはめは、図45に示すような機械学習により生成した判定モデルを利用してもよい。この判定モデルでは、上述した例からなる売買シグナルのチャートパターンの画像を教師データとして用いる。入力は、各株価のチャートとし、出力を売買シグナルの類型とする。チャートを取得した場合には、この機械学習より生成した判定モデルに基づいて当てはめを行い、いかなる売買シグナルの類型に当てはめるのかを判定する。
例えばチャートを入力した結果、出力として、三川明けがらす、三川宵の明星等の売買シグナルの類型に当てはまるのか否かを判定することができる。
本発明においては、参照用市況情報と各株価の増減データ間の連関度を通じて機械学習を行わせる場合において、この参照用市況情報を取得する際には、その市況を表す各株価のチャートを取得する。そして、取得したチャートを図45に示す判定モデルを通じていかなる売買シグナルの類型に当てはまるのかを判定し、それぞれの参照用市況情報を売買シグナルの類型に当てはめていく。
その結果、この参照用市況情報は、類型化された売買シグナルで表されることになる。このような売買シグナルに対する、その後の時点で株価の増減傾向を学習させておくことにより、上述した連関度を形成しておく。この連関度は、上述した第1実施形態において説明した全ての連関度において同様に適用してもよい。
次に、実際に市況情報を取得し場合においても、その取得したチャートを図45に示す判定モデルを通じていかなる売買シグナルの類型に当てはまるのかを判定し、それぞれの参照用市況情報を売買シグナルの類型に当てはめていく。その結果、この市況情報は、類型化された売買シグナルで表されることになる。このような市況情報の売買シグナルの類型は、参照用市況情報のいかなる売買シグナルの類型に当てはまるのかを、上述した連関度を通じて判断する。そして、市況情報の売買シグナルの類型に対応する参照用市況情報の売買シグナルの類型と各株価の増減データとの3段階以上の連関度を利用し、連関度のより高いものを優先させて上記各株価の増減データを表示する。
なお、図45に示す出力に該当する売買シグナルの類型は既存の提案されている者に限定されるものでは無く、順次新たなシグナルの類型を更新するようにしてもよい。
例えば、参照用市況情報や市況情報の各チャートを分析しても、図45に示す出力における既存の類型に当てはまらない場合、そのチャートの傾向を新たな類型として登録しておく。そして、この新たに登録した類型と、その後の時点における各株価の増減データとの間で連関度を形成しておく。その後、この新たに登録した類型と類似するチャートが入力された場合に、同様に各株価の増減データとの間で連関度を作ることで、この新たに登録した類型と各株価の増減データとの間で、連関度の重みづけwが形成されることになる。
このような連関度を更新しておき、新たに市況情報が入力された場合であって、図45の判定モデルより新たに登録されたシグナルの類型であることが判別された場合には、その新たに登録された類型からなる参照用市況情報を介して探索解を探索することが可能となる。
なお、この第6実施形態は、第1実施形態に加え、他の第1〜第5実施形態において市況情報、参照用市況情報を連関度において関連着けて利用するケースにおいても同様に適用することができる。
また本発明は、図46に示すように参照用情報Uと参照用情報Vという2種類以上の情報の組み合わせの連関度に基づいて各銘柄の株価(為替)の増減データを判別するものである。この参照用情報Yが参照用市況情報であり、参照用情報Vが他の参照用イベント情報や、参照用自然環境情報等であるものとする。
このとき、図46に示すように、参照用情報Uについて得られた出力をそのまま入力データとして、参照用情報Vとの組み合わせの中間ノード61を介して出力(各銘柄の株価の増減データ)と関連付けられていてもよい。例えば、参照用情報Uについて、出力解を出した後、これをそのまま入力として、他の参照用情報Vとの間での連関度を利用し、出力(各銘柄の株価の増減データ)を探索するようにしてもよい。
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に株取引を行う上で最適な銘柄の探索や、為替取引を行う上で最適な為替の探索を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
なお、上述した入力データ、及び出力データは、学習させる過程で完全に同一のものが存在しない場合も多々あることから、これらの入力データと出力データを類型別に分類した情報であってもよい。つまり、入力データを構成する情報P01、P02、・・・・P15、16、・・・は、その情報の内容に応じて予めシステム側又はユーザ側において分類した基準で分類し、その分類した入力データと出力データとの間でデータセットを作り、学習させるようにしてもよい。
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0〜100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいてより利益率が高く、リスクの低い株の銘柄を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また市況情報に加え、イベント情報、外部環境情報、家計情報、不動産情報、専門家意見情報、自然環境情報に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。同様に、イベント情報に加え、この外部環境情報の代替として、上述した専門家意見情報、自然環境情報、ファンダメンタル情報、関連銘柄市況情報、統計情報を取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。
第7実施形態
第7実施形態では、市況情報を介して、インサイダー取引を初めとする不正な株取引を検出する。この第7実施形態を実施する上で、上述した第1実施形態〜第6実施形態において説明した全ての構成の説明を引用する。
第7実施形態において、例えば図47に示すように、参照用売買履歴情報と、不正可能性との3段階以上の連関度が予め設定されていることが前提となる。
参照用売買履歴情報とは、取引銘柄の市況に過去の取引者の売買履歴が紐付けられた情報である。図48は、ある取引銘柄の株価の推移の例であるが、タイミングT1において、ある一の取引者により買いが入り、タイミングT2において当該一の取引者によりその株が売られたことを示している。参照用売買履歴情報は、このような各銘柄の株価の推移に、それぞれ取引者の買い注文、売り注文のそれぞれの時期T1、T2が紐付けられたもので構成されている。図48は、ある取引者による買い注文、売り注文が株価の推移に紐付けられているが、このようなデータを各取引者ごとに取得し、収集する。またこのような参照用売買履歴情報は、一の銘柄のみならず、他の銘柄も同様に、各取引者による買い注文、売り注文の時期が紐付けられて構成されている。
不正可能性は、不正な株取引、つまり株価が上がることや下がることを裏から仕入れた情報に基づいて事前に取引を行う、いわゆるインサイダー取引の可能性を示すものである。
この不正可能性は、不正があるか否かの2段階で示されるものであってもよいし、システム側、又はユーザ側が設定した5段階や10段階以上で評価したランキングで表現されるものであってもよい。或いは、単に物凄く怪しい、怪しい、やや怪しい、問題なし等で表現されたものであってもよい。
不正可能性は、金融や証券取引の専門家による以前の経験に基づいてその可能性を判断してもよいし、実際に過去、不正取引と判断された事例を抽出し、それについての実際の株価のチャート(株価の推移)に対する過去の取引者の売買履歴から判断するようにしてもよい。かかる場合には不正可能性を判断する複数人の検査者が不正可能性について、予め設定した各項目について複数段階で評価し、それらを統計的に分析して不正可能性の評価値としてもよい。析を通じて判断してもよい。
各参照用売買履歴情報に対して、それぞれ不正可能性を判断することにより、参照用売買履歴情報と不正可能性とのデータセットを作ることができ、これを集めることにより、上述した図47に示すような連関度を形成することができる。
図47の例では、入力データとして例えば参照用売買履歴情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用売買履歴情報P01〜P03は、出力としての不正可能性に連結している。この出力においては、出力解としての、不正可能性が表示されている。
参照用売買履歴情報は、この出力解としての不正可能性A〜Dに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用売買履歴情報がこの連関度を介して左側に配列し、各不正可能性が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用売買履歴情報に対して、何れの不正可能性と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用売買履歴情報が、いかなる不正可能性に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用売買履歴情報から最も確からしい不正可能性を選択する上での的確性を示すものである。図47の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての不正可能性と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての不正可能性と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図47に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用売買履歴情報と、その場合の不正可能性の何れが採用、評価されたか、過去のデータセットを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図47に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用売買履歴情報P01である場合に、過去の不正可能性の評価を行った結果の各種データから分析する。参照用売買履歴情報P01である場合に、不正可能性Aの事例が多い場合には、この不正可能性の評価につながる連関度をより高く設定し、不正可能性B(例えば不正可能性20%9の事例が多い場合には、この不正可能性の評価につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用売買履歴情報P01の例では、不正可能性Aと、不正可能性Cにリンクしているが、以前の事例から不正可能性Aにつながるw13の連関度を7点に、不正可能性Cにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図47に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図49に示すように、入力データとして参照用売買履歴情報が入力され、出力データとして不正可能性が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。入力ノード又は隠れ層ノードの何れか一方又は両方において上述した連関度が設定され、これが各ノードの重み付けとなり、これに基づいて出力の選択が行われる。そして、この連関度がある閾値を超えた場合に、その出力を選択するようにしてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに不正可能性の判別を行う上で、上述した学習済みデータを利用して不正可能性を探索することとなる。かかる場合には、不正取引の判別対象者の株の売買履歴に関する売買履歴情報を新たに取得する。新たに取得する売買履歴情報は、上述した情報取得部9により入力される。この売買履歴情報は、参照用売買履歴情報に対応したものであり、図48に示すように、取引銘柄の市況(株価の推移)に判別対象者による売買履歴が紐付けられて構成される。
なお、上述した学習データは、一の銘柄ののみで構成してもよいし、他の銘柄を含めて学習させてもよい。また、新たに不正検出をする対象者が行っている取引銘柄は、学習データを構成する取引銘柄が同一であること場合に限定されるものではなく、他の銘柄の学習データを利用してもよいし、他の複数の銘柄を含めた学習データを使用してもよい。
このようにして新たに取得した売買履歴情報に基づいて、不正可能性を判別する。かかる場合には、予め取得した図47(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した売買履歴情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して不正可能性Bがw15、不正可能性Cが連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の高い不正可能性Bを優先して選択する。即ち、連関度が高いものほど選択の優先度を高くする。
このようにして、新たに取得する売買履歴情報から、最も好適な不正可能性を探索し、ユーザに表示することができる。この探索結果を見ることにより、監査者は、探索された不正可能性に基づいて不正取引の検出を行うことができ、違法行為の可能性を容易に推定することができる。
また、本発明においては、上述した参照用売買履歴情報について、過去の取引銘柄の市況として株価の時系列的推移を取得するとともに、過去の取引者の売買履歴を、予め類型化された株価の時系列的推移と売買履歴とのパターンに当てはめるようにしてもよい。
図50は、株価の時系列的推移と売買履歴とのパターンの例を示している。図50(a)に示すような株価の時系列的推移に対して、買いのタイミングと売りのタイミングが紐付けられてパターン化されている。このパターンでは、一旦底を付ける下値の前に株を購入し、その後いったん示すピークである上値の到達前に売り抜けているパターンである。また図50(b)は、同じ時系列的推移であっても、下値よりも後の時点で買いが入り、その後の上値のピーク後落ち込んだ段階で売ったケースである。
図51(a)は、株価が上昇基調に乗る前の段階で買いが入り、その後上昇基調に乗ってピークに到達した辺りで売り抜けるケースである。図51(b)は、株価が上昇基調に乗った後の段階で買いが入り、その後のピークに到達して落ち込み始めたときに売るケースである。
いずれの場合も、このような時系列的推移に対する買いのタイミングと、売りのタイミングを類型化したパターンを予め作っておく。この時、上述したように、時系列的推移の特徴(ピーク位置、下値、上値)との関係を考慮し、これらに対する買いのタイミングや売りのタイミングのパターンを予め作っておくことが望ましい。
このパターンを形成する上では、図44に示すようなチャートパターンを含め、これらに対する買いのタイミングや売りのタイミングを紐付けて構成してもよい。
過去の取引者の売買履歴が紐付けられた取引銘柄の市況を上述したパターンに当てはめる場合、図51に示すような機械学習により生成した判定モデルを利用してもよい。この判定モデルでは、株の時系列的推移の画像を教師データとして用いるとともに、これらに紐付けられた買いタイミングと売りタイミング(売買履歴)の情報を取得する。入力は、株の時系列的推移、売買履歴とし、出力を類型化されたパターンとする。新たに株価の時系列的な変化傾向と売買履歴を取得した場合には、この機械学習より生成した判定モデルに基づいて当てはめを行い、いかなるパターンの類型に当てはめるのかを判定する。
その結果、この参照用売買履歴情報は、類型化されたパターンで表されることになる。このような変化傾向パターンに対する、不正可能性を学習させておくことにより、上述した連関度を形成しておく。
次に、実際に新たに判別対象の取引者から、取引銘柄の市況として株価の時系列的推移を取得するとともに、売買履歴(買いタイミング、売りタイミング)を取得した場合、これを、例えば図52に示す判定モデルを通じていかなる類型に当てはまるのかを判定し、それぞれの参照用売買履歴情報をパターンの類型に当てはめていく。その結果、この売買履歴情報は、類型化されたパターンで表されることになる。このようなパターンの類型は、参照用売買履歴情報のいかなるパターンの類型に当てはまるのかを、上述した連関度を通じて判断する。そして、売買履歴情報のパターンの類型に対応する参照用売買履歴情報の変化傾向パターンの類型と各不正可能性との3段階以上の連関度を利用し、連関度のより高いものを優先させて、不正可能性を判定する。
例えば図53の例では、参照用売買履歴情報と、参照用外部環境情報との組み合わせが形成されている場合を示している。ここで参照用外部環境情報は、外部環境情報に関する様々な情報である。ここでいう外部環境情報は、経済データ(GDP、雇用統計、鉱工業生産指数、設備投資、労働力調査等)、家計データ(家計消費状況調査、家計データ、1週間の平均就業時間、貯蓄額の統計データ、年収の統計データ等)、不動産データ(オフィス空室率、坪単価、賃料相場、地価、空き家データ等)、自然環境データ(災害データ、気温データ、降水量データ、風向きデータ、湿度データ等)に代表されるものである。外部環境情報は、これらのデータの一部、全部が反映されるもの以外に、その審査対象の企業の外部のあらゆる情報が含まれる。参照用外部環境情報は、外部環境自体を類型化しておくようにしてもよく、例えば、雇用統計におけるデータで区切ることで分類するようにしてもよい。また、パターン(例えば、GDPの伸び率が急激が、あるいは徐々に増加するか等のパターン)等により類型化されていてもよい。
このような参照用売買履歴情報に加えて、参照用外部環境情報を組み合わせて判断することで、不正可能性をより高精度に判別することができる。例えば、ある筋から、雇用統計の内容が今後大幅に悪化することを知っていた場合や、ある筋から今後賃料相場が大幅に低下することを知っていた場合、株価に影響を受ける銘柄があり、当該銘柄の売買履歴と照らし合わせることで不正取引か否かを高精度に判別することができる。このため、参照用売買履歴情報に加えて、参照用外部環境情報を組み合わせて上述した連関度を形成しておく。
図53の例では、入力データとして例えば参照用売買履歴情報P01〜P03、参照用外部環境情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用外注情報に対して、参照用外部環境情報が組み合わさったものが、図53に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、不正可能性が表示されている。
参照用売買履歴情報と参照用外部環境情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、不正可能性に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用売買履歴情報と参照用外部環境情報がこの連関度を介して左側に配列し、不正可能性が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用売買履歴情報と参照用外部環境情報に対して、不正可能性と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用売買履歴情報と参照用外部環境情報が、いかなる不正可能性に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用売買履歴情報と参照用外部環境情報から最も確からしい不正可能性を選択する上での的確性を示すものである。このため、これらの参照用売買履歴情報と参照用外部環境情報の組み合わせで、最適な不正可能性を探索していくこととなる。
図53の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図53に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用売買履歴情報と参照用外部環境情報、並びにその場合の不正可能性が何れが見合うものであったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図53に示す連関度を作り上げておく。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
図53に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用売買履歴情報P01に対して、参照用外部環境情報P14の組み合わせのノードであり、不正可能性Cの連関度がw15、不正可能性Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用売買履歴情報P02に対して、参照用外部環境情報P15、P17の組み合わせのノードであり、不正可能性Bの連関度がw17、不正可能性Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから不正可能性を判別する際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際に不正可能性を判別しようとする売買履歴情報、外部環境情報を入力又は選択する。
このようにして新たに取得した売買履歴情報、外部環境情報に基づいて、最適な不正可能性を探索する。かかる場合には、予め取得した図53(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した売買履歴情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、外部環境情報がP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、不正可能性Cがw19、不正可能性Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度のより高い不正可能性Cを最適解として選択する。
また図54の例では、参照用売買履歴情報と、参照用売買株数情報との組み合わせが形成されている場合を示している。ここで参照用売買株数情報は、実際に参照用売買株数情報における株価の時系列的推移の時期における売買株数に関する情報である。換言すれば、参照用売買履歴情報は、図48に示す横軸の期間を含む期間において取引された株の数量を示すものである。これは、実際に判別対象者による株の数量以外に他の取引者の売買株数に関する情報も含まれる。この参照用売買株数情報は、参照用売買履歴情報における株の時系列推移と紐付けられている。
このような参照用売買履歴情報に加えて、参照用売買株数情報を組み合わせて判断することで、不正可能性をより高精度に判別することができる。例えば、その判別対象の銘柄において他の一般の取引者による株の取引量が多くなる前に、その判別対象者による取引が行われていた場合、何らかの事情を知っている可能性もあり、不正取引の可能性が上がることとなる。このため、参照用売買履歴情報に加えて、参照用売買株数情報を組み合わせて上述した連関度を形成しておく。
図54の例では、入力データとして例えば参照用売買履歴情報P01〜P03、参照用売買株数情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用外注情報に対して、参照用売買株数情報が組み合わさったものが、図53に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、不正可能性が表示されている。
参照用売買履歴情報と参照用売買株数情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、不正可能性に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用売買履歴情報と参照用売買株数情報がこの連関度を介して左側に配列し、不正可能性が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用売買履歴情報と参照用売買株数情報に対して、不正可能性と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用売買履歴情報と参照用売買株数情報が、いかなる不正可能性に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用売買履歴情報と参照用売買株数情報から最も確からしい不正可能性を選択する上での的確性を示すものである。このため、これらの参照用売買履歴情報と参照用売買株数情報の組み合わせで、最適な不正可能性を探索していくこととなる。
図54の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図54に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用売買履歴情報と参照用売買株数情報、並びにその場合の不正可能性が何れが見合うものであったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図54に示す連関度を作り上げておく。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
図54に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用売買履歴情報P01に対して、参照用売買株数情報P14の組み合わせのノードであり、不正可能性Cの連関度がw15、不正可能性Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用売買履歴情報P02に対して、参照用売買株数情報P15、P17の組み合わせのノードであり、不正可能性Bの連関度がw17、不正可能性Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから不正可能性を判別する際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際に不正可能性を判別しようとする売買履歴情報、売買株数情報を入力又は選択する。
このようにして新たに取得した売買履歴情報、売買株数情報に基づいて、最適な不正可能性を探索する。かかる場合には、予め取得した図54(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した売買履歴情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、売買株数情報がP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、不正可能性Cがw19、不正可能性Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度のより高い不正可能性Cを最適解として選択する。
参照用売買履歴情報に加え、参照用外部環境情報の代替として、上述した参照用イベント情報との組み合わせの連関度を不正可能性との間で作っておくようにしてもよい。これにより、売買履歴情報に加え、この外部環境情報の代替として、上述したイベント情報が入力された場合に、この連関度を利用することで同様に不正可能性を探索、予測することが可能となる。
また参照用売買履歴情報に加え、参照用外部環境情報の代替として、上述した参照用関連銘柄市況情報との組み合わせの連関度を不正可能性との間で作っておくようにしてもよい。関連銘柄市況情報は、参照用売買履歴情報において学習させた銘柄と関連するものである。銘柄間の関連性については、事前にシステム側において設定されるものであってもよい。これにより、売買履歴情報に加え、この外部環境情報の代替として、上述した関連銘柄市況情報が入力された場合に、この連関度を利用することで同様に不正可能性を探索、予測することが可能となる。
参照用売買履歴情報に加え、参照用外部環境情報の代替として、第1実施形態〜第6実施形態において説明した他のいかなる参照用情報との組み合わせの連関度を不正可能性との間で作っておくようにしてもよい。これにより、売買履歴情報に加え、この外部環境情報の代替として、上述した参照用情報に対応する情報が入力された場合に、この連関度を利用することで同様に不正可能性を探索、予測することが可能となる。
更に本実施形態においては、判別対象者の属性に関する属性情報をするようにしてもよい。この属性情報とは、判別対象者が個人である場合、当該個人の年齢や健康状態、年収、生年月日、出身地、家庭環境、学歴、職務経歴、現在又は過去に勤務している企業の情報、その企業がいかなる会社の資本が入っているか、またその企業がいかなる会社に投資しているか、その企業の取引先、外注先に関する情報等である。また所属しているクラブや同好会の情報等も属性情報に含めてもよい。また判別対象者が法人の場合は、その企業の情報、その企業がいかなる会社の資本が入っているか、またその企業がいかなる会社に投資しているか、その企業の取引先、外注先に関する情報等である。
次に、取引銘柄と属性情報との関係が記憶されたデータベース3を参照する。このデータベース3には、各取引銘柄と、上記属性情報との関係の有無が記憶されている。例えば、取引銘柄が、属性情報に含まれる企業やその企業に資本を入れている会社に該当するか、または関連するか否かが、このデータベース3に記憶されている。このため、取引銘柄と属性情報の関係の有無は、このデータベース3を参照することで、判別することができる。その結果、取引銘柄と属性情報の関係が認められた場合、判別対象者からその取引銘柄に関して情報を知りえる環境にあると仮定し、不正可能性の判別結果に反映させる。かかる場合には、例えば、上述した連関度のうち、不正可能性の高いものにつながる連関度を高くするようにしてもよい。また算出された不正可能性を上げるように調整するようにしてもよい。かかる場合には、仮に不正可能性が80%と判定された場合、取引銘柄と属性情報の関係が認められた場合には、更に10%上げて不正可能性90%としてもよい。