JP6955268B2 - 微小共鳴体及び微小共鳴装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入射される音波の周波数に応じて共鳴する微小共鳴体に関する。
図19(a)は人体の耳の構造を示す模式図であり、(b)は上記耳の内耳91に設けられた蝸牛97の構造を示す模式図であり、(c)は上記蝸牛97内の中央階84の構造を示す模式図であり、(d)は上記中央階84に配置された外有毛細胞82の構造を示す模式図である。
人の聴覚システムは、図19(a)に示すように、外耳90、内耳91、中耳92から構成される。入射音は、空気の振動として耳介93で受け取られ、外耳道94を通って鼓膜95へと運ばれる。この空気の振動は、鼓膜95でメカニカルな振動に変換され、耳小骨96へと導かれる。このメカニカルな振動は、前庭窓を通って、蝸牛97の内部へと進む。蝸牛97の内部はリンパ液に満たされており、メカニカルな振動は、図19(b)に示すように、蝸牛97の前庭窓から蝸牛頂へと進み、先端の穴を通って鼓室階98へと進む。この一連の過程において、液体の振動が図19(c)のライスネル膜99と基底膜80とを振動させて、コルチ器を揺らす。ヒトの場合、1個の内有毛細胞81と3個の外有毛細胞82とを一組として、約3500列の感覚細胞が基底膜80上に並んでおり、蝸牛97の入口近くで高音を、頂上近くで低音を知覚していると言われている。図19(d)は外有毛細胞82の拡大モデルである。この外有毛細胞82は試験管のように底が丸い筒状の形状をしており、その先端には聴毛83が伸びている。
聴覚メカニズムについては未だ完全な解明には至っていないが、入射された音波の振動がこれら有毛細胞を刺激して、有毛細胞を覆う蓋膜85に聴毛83が接触するとパルス信号が発生して、聴覚神経86にパルス信号が流れるとされている。
堀井康史 他,伝送線路理論から見るひとの聴覚メカニズム,輻射科学研究会資料,RS17-07
上記ヒトの聴覚メカニズムを信号伝送工学の観点から検証すると、全長30mmのコルチ器が30mmよりもはるかに長い波長の音波を解析することができている。その理由として、有毛細胞の周期配列が生み出すメタマテリアル的な界の局在化及び波長圧縮効果の存在、及び、個々の有毛細胞の共鳴による高分解能の周波数解析性能の存在に本発明者らは着目した。
上記蝸牛97の内部の有毛細胞は、独自の共鳴周波数を持っており、有毛細胞内で共鳴に基づく音波の検出を行っていると考えられる。このため、上記有毛細胞の構造を応用して、微小共鳴体を構成することを本発明者らは着想した。
本発明の一態様は、長い波長の音波を解析することができる微小寸法の微小共鳴体を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る微小共鳴体は、両端が開放された筒状の共鳴部材と、前記共鳴部材の内壁に挿入されて第1ピンホールを有する第1パネルと、前記共鳴部材の内壁と前記第1パネルとで共鳴空間を形成するように前記内壁に挿入されて第2ピンホールを有する第2パネルと、前記共鳴部材の前記第1パネル側の一端を覆う第1共鳴膜と、前記共鳴部材の前記第2パネル側の他端を覆う第2共鳴膜とを備えることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る微小共鳴装置は、音波が入射される伝搬管と、前記伝搬管の内部に配置された複数個の請求項1に記載の微小共鳴体とを備え、前記複数個の微小共鳴体のうちの一つの共鳴周波数と、前記複数個の微小共鳴体のうちの他の一つの共鳴周波数とが異なっていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、長い波長の音波を解析することができる微小寸法の微小共鳴体を実現することができる。
(a)は実施形態1に係る微小共鳴体を伝搬管内に配置した態様を示す断面斜視図であり、(b)は上記微小共鳴体の拡大断面斜視図であり、(c)は上記微小共鳴体を伝搬管内に配置した態様を透視した斜視図であり、(d)は上記微小共鳴体に設けられた共鳴部材の断面斜視図であり、(e)は上記微小共鳴体に設けられた第1及び第2パネルと第1及び第2共鳴膜との断面斜視図である。 (a)は上記第1及び第2パネルに形成された第1及び第2ピンホールの直径を変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記第1及び第2ピンホールの直径を示す断面斜視図である。 (a)は上記第1及び第2ピンホールの長さを変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記第1及び第2ピンホールの長さを示す断面斜視図である。 (a)は、上記微小共鳴体に形成された共鳴空間の長さを変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記共鳴空間の長さを示す断面斜視図である。 (a)は上記共鳴空間の直径を変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記共鳴空間の直径を示す断面斜視図である。 (a)は上記伝搬管内に配置された微小共鳴体の透視図であり、(b)は上記微小共鳴体の通過特性と反射特性とを示すグラフであり、(c)は上記微小共鳴体の共鳴周波数における上記微小共鳴体の共鳴部材の円筒中心軸上の音圧分布を示すグラフであり、(d)は上記共鳴周波数における音圧分布を示す図である。 (a)〜(c)は、上記微小共鳴体が配置された伝搬管内を音波が伝搬する様子を表す流線図である。 (a)は上記伝搬管内に上記微小共鳴体を複数個並べた構造を示す図であり、(b)は上記構造を有する微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(c)(d)は上記微小共鳴体の3連構造を透視的に示す斜視図である。 上記構造の音圧分布を示す図である。 (a)は実施形態2に係る微小共鳴体を伝搬管内に配置した態様を示す断面斜視図であり、(b)は上記微小共鳴体の拡大断面斜視図であり、(c)は上記微小共鳴体を伝搬管内に配置した態様を透視した斜視図である。 (a)は上記微小共鳴体の第1及び第2パネルに形成された第1及び第2ピンホールの直径を変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記第1及び第2ピンホールの直径を示す断面斜視図である。 (a)(b)は上記第1及び第2ピンホールの長さを変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(c)は上記第1及び第2ピンホールの深さを示す断面斜視図である。 (a)は、上記微小共鳴体に形成された共鳴空間の長さを変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記共鳴空間の長さを示す断面斜視図である。 (a)は上記微小共鳴体に設けられた共鳴空間の直径を変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記共鳴空間の直径を示す断面斜視図である。 (a)は上記微小共鳴体に設けられた自由端反射仕切部材と第1、第2パネルとの間の距離を変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記距離を示す断面斜視図である。 (a)は上記自由端反射仕切部材の厚みを変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記厚みを示す断面斜視図である。 (a)は上記伝搬管内に配置された微小共鳴体の構造を透視的に示す斜視図であり、(b)は上記微小共鳴体の通過特性と反射特性とを示すグラフであり、(c)は上記微小共鳴体の共鳴周波数における上記微小共鳴体の共鳴部材の円筒中心軸上の音圧分布を示すグラフであり、(d)は上記共鳴周波数における音圧分布を示す図である。 (a)は上記第1ピンホールの長さを固定し、第2ピンホールの長さを変化させたときの上記微小共鳴体の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記第1及び第2ピンホールの長さを示す断面斜視図である。 (a)は人体の耳の構造を示す模式図であり、(b)は上記耳の内耳に設けられた蝸牛の構造を示す模式図であり、(c)は上記蝸牛内の中央階の構造を示す模式図であり、(d)は上記中央階に配置された有毛細胞の構造を示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
〔実施形態1〕
(微小共鳴体1の構成)
図1(a)は実施形態1に係る微小共鳴体1を伝搬管13内に配置した態様を示す断面斜視図であり、(b)は上記微小共鳴体1の拡大断面斜視図であり、(c)は上記微小共鳴体1を伝搬管13内に配置した態様を透視した斜視図であり、(d)は上記微小共鳴体1に設けられた共鳴部材2の断面斜視図であり、(e)は上記微小共鳴体1に設けられた第1及び第2パネル3・4と第1及び第2共鳴膜7・8との断面斜視図である。
微小共鳴体1は、両端が開放された筒状の共鳴部材2を備える。共鳴部材2の内壁10に円盤状の第1パネル3が挿入される。第1パネル3の中央に第1ピンホール5が形成される。共鳴部材2の内壁10と第1パネル3とで共鳴空間11を形成するように、円盤状の第2パネル4が共鳴部材2の内壁10に挿入される。第2パネル4の中央に第2ピンホール6が形成される。
共鳴部材2の第1パネル3側の一端を覆うように第1共鳴膜7が設けられる。共鳴部材2の第2パネル4側の一端を覆うように第2共鳴膜8が設けられる。
第1及び第2ピンホール5・6の寸法、並びに、共鳴空間11の寸法に基づく共鳴周波数を有する音波12の入射に応じて、共鳴空間11の内部の音圧が上昇する。
(微小共鳴体1の特性)
(基本特性)
(第1及び第2共鳴膜7・8の基本特性)
シミュレーションでは第1及び第2共鳴膜7・8として、厚さ10μmのポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)を想定して解析を行っている。これは、市販のキッチンラップでの実験を想定したものである。
ただし、本発明はこれに限定されず、可聴周波数の音波(20Hz〜20,000Hz)に対して、エネルギーの吸収(損失)が少なく、振動しやすい材料であれば良い。なお、本実施形態では、空気中に微小共鳴体1が置かれているものとし、液体中に置かれている場合を含まないものと仮定する。もし液体中で同等な特性を得ようとする場合は、別途、液体に適した性質の共鳴膜に変更する必要がある。
(第1及び第2ピンホール5・6付き第1及び第2パネル3・4の基本特性)
第1パネル3、第2パネル4は、剛体の板に微小な貫通穴(第1ピンホール5、第2ピンホール6)をあけたものであり、微小共鳴体1の共鳴周波数を決める重要なパーツである。この共鳴周波数は、主に第1及び第2ピンホール5・6の長さと直径、及び、第1及び第2ピンホール5・6を有する剛体板(第1及び第2パネル3・4)で挟まれた共鳴空間11の容積によって決まる。すなわち、以下のような関係を持つ。
図2(a)は上記第1及び第2パネル3・4に形成された第1及び第2ピンホール5・6の直径を変化させたときの上記微小共鳴体1の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記第1及び第2ピンホール5・6の直径を示す断面斜視図である。
図2(b)に示される第1ピンホール5の直径R、第2ピンホール6の直径Rを小さくすると、図2(a)に示されるように、微小共鳴体1の共鳴空間11は低い周波数で共鳴する。第1ピンホール5の直径R、第2ピンホール6の直径Rの減少は、等価回路的には直列に接続されたL(インダクタンス)成分とC(コンデンサ)成分とのうちのL成分が増加することに相当する。
図3(a)は上記第1及び第2ピンホール5・6の長さを変化させたときの上記微小共鳴体1の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記第1及び第2ピンホール5・6の長さを示す断面斜視図である。
図3(b)に示される第1ピンホール5の長さD、第2ピンホール6の長さDを長くすると、図3(a)に示されるように、微小共鳴体1の共鳴空間11は低い周波数で共鳴する。第1ピンホール5の長さD、第2ピンホール6の長さDの増大は、等価回路的には直列に接続されたL成分とC成分とのうちのL成分が増加することに相当する。
(共鳴空間11の基本特性)
共鳴空間11の形状については、図1に示した円柱状の他、球形、立方体、円すい等、形状は問わないが、共鳴空間11の両端に、共鳴膜とピンホールとで構成した構造が1対以上必要である。
図4(a)は、上記微小共鳴体1に形成された共鳴空間11の長さを変化させたときの上記微小共鳴体1の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記共鳴空間11の長さを示す断面斜視図である。
図4(b)に示される円柱状の共鳴空間11の長さ(キャビティー長)Dcavを大きくとると共鳴空間11の容積が増加し、図4(a)に示されるように、微小共鳴体1は低い周波数で共振する。共鳴空間11の容積の増加は、等価回路的には直列に接続されたL成分とC成分とのうちのC成分が増加することに相当する。
図5(a)は上記共鳴空間11の直径を変化させたときの上記微小共鳴体1の散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記共鳴空間11の直径を示す断面斜視図である。
図5(b)に示される共鳴空間11の直径RUCを増大させて共鳴空間11の容積を増すと、図5(a)に示されるように微小共鳴体1は低い周波数で共振する。直径RUCの増大による共鳴空間11の容積の増加は、等価回路的には直列に接続されたL成分とC成分とのうちのC成分が増加することに相当する。
(基本特性から分かる微小共鳴体1の動作原理)
(第1及び第2ピンホール5・6のL(インダクタンス)としての特性)
音波は、縦波の平面波であり、理論的にはカットオフ周波数(これ以上低い周波数は通過できないとする最低周波数)がないため、孔径の小さなピンホールであっても孔径に関係なく通過することができる。しかしながら、空間に広がりをもって伝わってくる音波を、突然、径の小さな第1及び第2ピンホール5・6に効率よく導くことは難しい。そのため、入射する音波は、「急激にピンホールの径が小さくなるほどピンホールを通りにくくなる」ことから、第1及び第2ピンホール5・6を等価的にインダクタとみなすことができる。
(第1及び第2共鳴膜7・8のC(コンデンサ)としての特性)
音波が膜を通過する際、膜は周波数が低いほど大きく振動することが知られている。そのため、周囲を固定した膜に低周波音が入ると、膜全体が大きく振動しようとするものの、膜の周囲が固定(拘束)されているために思ったように振動ができず、低周波音は膜を通過しにくくなる。一方、周波数が上がると膜は小刻みに振動するだけで良く、膜の周囲が固定されていても、膜の中央付近を震わせるだけで音は通過してしまう。このような特性は、回路素子のコンデンサがもつ「低い周波数の音を通しにくく、高い周波数の音をよく通す」という特性に似ていることから、第1及び第2共鳴膜7・8を等価的にコンデンサとして扱うことができる。
(共鳴空間11(キャビティ―)のC(コンデンサ)としての特性)
キャビティーは一定の容積を持つ空間であり、この容積の大小により、共振周波数が大きく変わることが、前述した図4及び図5に関する検討の結果わかった。このことは、膜が作るCとピンホールが作るLとが直列共振を起こして共鳴するのではなく、むしろキャビティーの容積が作るCとピンホールが作るLとが直列共振を起こし、共鳴現象を起こすことを意味している。
今回使用した膜は、容量Cが大きすぎるため、音波は膜を素通りし、膜の効果よりもキャビティーの効果が支配的になったものと考えられる。本来、膜がもつ容量Cを利用するには、より低い周波数でLC共振が起こるような条件設定を行う必要があるといえる。
(直列LC共振回路の形成)
以上の検討により、実施形態1の構造では、第1及び第2共鳴膜7・8と第1及び第2ピンホール5・6とを直列に接続した構造によりコンデンサCとコイルLとの直列接続を作ったものとみることはできず、むしろ、共鳴空間11(キャビディー)と第1及び第2ピンホール5・6とを直列に接続した構造によりコンデンサCとコイルLとの直列共振回路を作ったとみるのが正しい解釈である。第1及び第2共鳴膜7・8を使用しているからと言って、メタマテリアルにおける「異常音響伝搬現象」が起こっているというものではないことに注意しなければいけない。
(直列LC共振回路による共鳴の詳細)
図6(a)は伝搬管13内に配置された微小共鳴体1の透視図であり、(b)は上記微小共鳴体1の通過特性と反射特性とを示すグラフであり、(c)は上記微小共鳴体1の共鳴周波数における上記微小共鳴体1の共鳴部材2の円筒中心軸上の音圧分布を示すグラフであり、(d)は上記共鳴周波数における音圧分布を示す図である。
図6(a)は、円筒状の共鳴部材2の両端に第1及び第2共鳴膜7・8と第1及び第2ピンホール5・6を取り付け、その内側に共鳴空間11を設けた微小共鳴体1を、直径の大きい円筒状の伝搬管13内に配置した構成を示している。伝搬管13の一方の入口から縦波平面波の音波12を励振し、もう一方の出口へと伝搬させる。図6(a)は、微小共鳴体1が音波12にさらされたときに生じる現象を解析するためのモデルとして構築したものである。
図6(b)は、伝搬管13内を伝わる音波12の入出力特性を表しており、通過特性│S21│|は入力から出力にどれだけの音波が伝わるか、また、反射特性│S11│|は入射した音波が途中の微小共鳴体1の影響で反射して、どれだけの音波が入射側に戻るかをdB値で表したものである。
230.5Hz付近において、通過特性│S21│を表す曲線e1に著しい変化がみられるが、それ以外の周波数ではほぼ0dBを表している。これは、伝搬管13の入射側に与えられた音波12が減衰することなく出力側に伝搬することを意味している。一方、230.5Hzにおいて通過特性|S21|を表す曲線e1が減少し、反射特性|S11|を表す曲線e2が0dB近くにまで上昇している。これは、伝搬管13の入射側に与えられた音波12が出力側に伝わらず、入射側にほとんど反射することを意味している。
このときの音波12の流れを「流線」で見たのが、図7(a)〜(c)である。図7(a)は共鳴を起こさない周波数200Hzにおける流線の図で、入射した音波12は微小共鳴体1を避けるように流れ、共鳴空間11の内部への流れ込みや音圧の集中、上昇は一切見られない。
これに対して、共鳴周波数(この例では230.5Hz)では、図7(b)のように微小共鳴体1の共鳴空間11内に音波12が吸い込まれるように流れ、かつ内部で音圧が増強されていることが確認できる。また、図7(c)は231.5Hzのもので同様に共鳴状態にあると考えられる。
(実施形態1に係る基本特性の応用)
図8(a)は伝搬管13内に微小共鳴体1を複数個並べた構造を示す図であり、(b)は上記構造を有する微小共鳴体1の散乱特性を示すグラフである。図9は上記構造の音圧分布を示す図であり、(c)(d)は上記微小共鳴体1の3連構造を透視的に示す斜視図である。
実施形態1に係る微小共鳴体1は、共鳴周波数において共鳴空間11に非常に強い音圧分布を作り出す性質がある。そのため、共鳴空間11内部に微小な音圧センサー15を装着して、その増強された音圧を受信することにより、非常に高い周波数選択性を持った状態で、特定の周波数の音波を高感度に受信することができる。そのため、ピンホールの直径を少しずつ変えた微小共鳴体1を複数個円筒状の伝搬管13内に図8(a)に示すように並べれば、それぞれの共鳴周波数に相当する音波が入射すると、これに対応する微小共鳴体1が反応して音波を受信する微小共鳴装置14を構成することができる。
10個の微小共鳴体1を伝搬管13の中に直列に並べ、それぞれの10個の共振周波数を212.6Hz、216.8Hz,221.2Hz,225.8Hz,230.2Hz,234.6Hz,239.0Hz,243.4Hz,247.6Hz,及び、251.8Hzのように設計する。これらの微小共鳴体1を内部に並べた円筒状の伝搬管13を備える微小共鳴装置14の構造図を図8(a)に、またこのときの散乱特性│S21│、│S11│を図8(b)に示す。図8(b)に示されるように共鳴周波数で音波がトラップされ、10個の共鳴周波数で散乱特性に影響が出ていることが確認できる。一方、励振周波数を、個々の微小共鳴体1の共鳴周波数に合わせて順次微小共鳴装置14の構造を励振すると、内部の音圧分布は図9のように、この共鳴周波数に対応する微小共鳴体1の内部にのみ、強い音圧分布が発生することが確認できる。一方、微小共鳴体1の共鳴周波数に関係のない200Hz、あるいは260Hzの音波を励振したときは、図9に示すように、微小共鳴体1における音圧集中は見られなかった。
以上のような特性を用いることにより、特定の周波数を目的に周波数選択性の高い、高感度な信号受信が可能な微小共鳴装置14を実現することができると考えられる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(微小共鳴体1Aの構成)
図10(a)は実施形態2に係る微小共鳴体1Aを伝搬管13内に配置した態様を示す断面斜視図であり、(b)は上記微小共鳴体1Aの拡大断面斜視図であり、(c)は上記微小共鳴体1Aを伝搬管13内に配置した態様を透視した斜視図である。
実施形態2に係る微小共鳴体1Aが、前述した実施形態1の微小共鳴体1と異なる点は、微小共鳴体1Aが自由端反射仕切部材9を備える点である。この自由端反射仕切部材9は第1パネル3と第2パネル4との間に配置される。そして、自由端反射仕切部材9は、第1パネル3の第1ピンホール5を通って共鳴空間11に入射された音波12の第2ピンホール6への伝搬を遮断するとともに、第1ピンホール5を通って共鳴空間11に入射された音波12を自由端反射する。また、自由端反射仕切部材9は、第2パネル4の第2ピンホール6を通って共鳴空間11に入射された音波12の第1ピンホール5への伝搬を遮断するとともに、第2ピンホール6を通って共鳴空間11に入射された音波12を自由端反射する。
本明細書において、「自由端反射」とは、反射波が入射波を反射面で面対称に折り返した形になる反射を意味する。この場合上記反射面は、振動可能な自由端を構成する。これに対して、「固定端反射」とは、反射波が入射波を反射面の反射点を中心に点対称に写した形になる反射を意味する。この場合上記反射面は、振動しない固定端を構成する。
第1パネル3の第1ピンホール5の寸法、及び、第1共鳴膜7の物理特性に基づく共鳴周波数を有する音波12の入射に応じて、第1パネル3と第1共鳴膜7との間の音圧が上昇する。
自由端反射仕切部材9は、入射する音波に対して振動可能で自由端反射を引き起こす柔軟性を有する材料によって構成することができ、例えば、膜状部材、スポンジ状部材によって構成することができる。また、自由端反射仕切部材9は、複数の膜状部材を重ねた積層構造によって構成することができる。この複数の膜状部材を重ねた積層構造は、聴覚細胞(有毛細胞)の内壁にはっきりと確認することができる。この有毛細胞は、独自の共鳴周波数を持っており、有毛細胞内で共鳴に基づく音波の検出を行っていると考えられる。この有毛細胞の構造を応用して、自由端反射仕切部材9を構成することを本発明者らは着想した。
自由端反射仕切部材9の周縁は、共鳴部材2の内壁10に固定されていてもよいし、また、自由端反射仕切部材9の周縁を共鳴部材2の軸方向に沿って挟むストッパを共鳴部材2の内壁10に設け、自由端反射仕切部材9の周縁も入射する音波に応じて振動可能に構成してもよい。
(微小共鳴体1Aの特性)
(基本特性)
(第1及び第2共鳴膜7・8の基本特性)
実施形態1と同様、シミュレーションでは厚さ10μmのポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride,PVC)を想定して解析を行っている。これは、市販のキッチンラップでの実験を想定したものである。ただし、本発明はこれに限定されず、可聴周波数の音波(20Hz〜20,000Hz)に対して、エネルギーの吸収(損失)が少なく、振動しやすい材料であればよい。
(第1及び第2ピンホール5・6付き第1及び第2パネル3・4の基本特性)
実施形態1と同様、剛体の板に微小な貫通穴(第1ピンホール5、第2ピンホール6)をあけたものであり、微小共鳴体1Aの共鳴周波数を決める重要なパーツである。共鳴周波数は、主に第1及び第2ピンホール5・6の長さと直径、および第1及び第2共鳴膜7・8の特性によって決まる。
(自由端反射仕切部材9の基本特性)
縄跳びの縄を揺らせてサイン波をつくるとき、先端を固定して縄を揺らすと固定端の反射が起こる。一方、縄の先端を持たずに自由にしておくと、自由端の反射が起こる。このことを念頭に置いて考えると、通常、入射音波に対して剛体の壁は固定端として動作して全反射を起こす。一方、膜などの柔らかいものを配置して、これにより反射を起こさせる場合は自由端のような反射が起こる。
ここでは、自由端反射を起こす材料として自由端反射仕切部材9(ソフトパーティション)を微小共鳴体1A内部に配置した構造を想定して解析を行っている。ソフトパーティションは、音波の入射する面に対してソフト境界と呼ばれる自由端反射面を設定したものである。具体的な例としては、聴覚細胞の壁面に見られる第3層の構造subsurface cisternaeがそれにあたる。
このソフトパーティションを置くことにより、微小共鳴体1Aが、第1及び第2共鳴膜7・8と第1及び第2ピンホール5・6で作る共鳴を壊すことなく音波を共鳴体内部に導くことができるというもので、この自由端反射仕切部材9を通常の剛体で設計すると共鳴特性を得ることはできない。
(共鳴空間11)
実施形態2は、実施形態1の構造をもとにしているため、共鳴空間11を残しているが、重要なのは自由端反射仕切部材9(ソフトパーティション)であり、実施形態2において共鳴空間11は特に意味をなさない。
(第1及び第2ピンホール5・6付き第1及び第2パネル3・4の基本特性)
図11(a)は上記微小共鳴体1Aの第1及び第2パネル3・4に形成された第1及び第2ピンホール5・6の直径を変化させたときの上記微小共鳴体1Aの散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記第1及び第2ピンホール5・6の直径を示す断面斜視図である。
図11(b)に示される第1ピンホール5の直径R、第2ピンホール6の直径Rを小さくすると、図11(a)に示されるように、微小共鳴体1Aの第1パネル3と第1共鳴膜7との間の空間、及び、第2パネル4と第2共鳴膜8との間の空間は低い周波数で共鳴する。第1ピンホール5の直径R、第2ピンホール6の直径Rの減少は、等価回路的には直列に接続されたL成分とC成分とのうちのL成分が増加することに相当する。
図12(a)(b)は上記第1及び第2ピンホール5・6の長さを変化させたときの上記微小共鳴体1Aの散乱特性を示すグラフであり、(c)は上記第1及び第2ピンホール5・6の長さを示す断面斜視図である。
図12(c)に示される第1ピンホール5の長さD、第2ピンホール6の長さDを小さくすると、図12(a)(b)に示されるように、微小共鳴体1Aの第1パネル3と第1共鳴膜7との間の空間、及び、第2パネル4と第2共鳴膜8との間の空間は低い周波数で共鳴する。第1ピンホール5の長さD、第2ピンホール6の長さDの増大は、等価回路的には直列に接続されたL成分とC成分とのうちのL成分が増加することに相当する。
図13(a)は、上記微小共鳴体1Aに形成された共鳴空間の長さを変化させたときの上記微小共鳴体1Aの散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記共鳴空間の長さを示す断面斜視図である。
図13(b)に示される共鳴空間の長さDcavを長くとっても、図14(a)に示されるように微小共鳴体1Aの共鳴周波数への変化は無い。
図14(a)は上記微小共鳴体1Aに設けられた共鳴空間の直径を変化させたときの上記微小共鳴体1Aの散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記共鳴空間の直径を示す断面斜視図である。
図14(b)に示される微小共鳴体1Aの直径Rucを大きくすると、共鳴空間が大きくなることによる共鳴周波数の変化ではなく、図14(a)に示されるように、第1及び第2共鳴膜7・8の面積が増大することによる影響が強く出ている。この結果、実施形態2では第1及び第2共鳴膜7・8の影響が極めて大きいことが確認できる。
図15(a)は上記微小共鳴体1Aに設けられた自由端反射仕切部材9と第1パネル3との間の距離、及び、自由端反射仕切部材9と第2パネル4との間の距離を変化させたときの上記微小共鳴体1Aの散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記距離を示す断面斜視図である。
図15(b)に示される自由端反射仕切部材9と第1パネル3との間の距離Dmp、及び、自由端反射仕切部材9と第2パネル4との間の距離Dmpを変化させても、微小共鳴体1Aの散乱特性は図15(a)に示されるように変化がほとんど見られない。第1及び第2共鳴膜7・8と第1及び第2ピンホール5・6が共鳴周波数を決定づけており、自由端反射仕切部材9と第1パネル3との間の空間の体積、及び、自由端反射仕切部材9と第2パネル4との間の空間の体積は関係ないようである。
図16(a)は上記自由端反射仕切部材9の厚みを変化させたときの上記微小共鳴体1Aの散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記厚みを示す断面斜視図である。
図16(b)に示される共鳴空間内に配置した自由端反射仕切部材9(ソフトパーティション)の厚みDsoftを変化させても、微小共鳴体1Aの散乱特性への変化は図16(a)に示されるようにほとんど見られない。やはり、第1及び第2共鳴膜7・8と第1及び第2ピンホール5・6とが共鳴周波数を決めているといえる。
(基本特性から分かる微小共鳴体1Aの動作原理)
実施形態2では、第1及び第2共鳴膜7・8の特性が共鳴特性に大いに生かされており、第1及び第2共鳴膜7・8と第1及び第2ピンホール5・6が共鳴周波数を決定づけている。
図17(a)は伝搬管13内に配置された微小共鳴体1Aの構造を透視的に示す斜視図であり、(b)は上記微小共鳴体1Aの通過特性と反射特性とを示すグラフであり、(c)は上記微小共鳴体1Aの共鳴周波数における上記微小共鳴体1Aの共鳴部材2の円筒中心軸上の音圧分布を示すグラフであり、(d)は上記共鳴周波数における音圧分布を示す図である。
図17(a)に示される構造において、音波12を励振すると、図17(b)のような散乱特性を得る。微小共鳴体1Aの寸法は、基本的に実施形態1の微小共鳴体1と等しいが、共鳴周波数は37Hz付近に得られることから、実施形態1の場合に比べて実施形態2の共鳴周波数が低域側に大きくシフトしていることがわかる。この共鳴は、微小共鳴体1・1Aの構造の体積や長さといった分布定数的な寸法に依存するものではないことから、実施形態2の共鳴周波数の調整についての自由度は極めて高いといえる。共鳴周波数において、円筒状の共鳴部材2の中心軸上の音圧分布を図17(c)に、また、微小共鳴体1Aの構造内の音圧分布を図17(d)にそれぞれ示す。実施形態1とは異なり、第1及び第2共鳴膜7・8と第1及び第2パネル3・4とが作る空間のそれぞれに音圧の集中がみられることが確認できる。
(実施形態2に係る基本特性の応用)
図18(a)は第1ピンホール5の長さを固定し、第2ピンホール6の長さを変化させたときの上記微小共鳴体1Aの散乱特性を示すグラフであり、(b)は上記第1及び第2ピンホール5・6の長さを示す断面斜視図である。
実施形態1では、第1及び第2ピンホール5・6(L)と共鳴空間11の容量(C)とが共鳴周波数を決めていたため、微小共鳴体1が複数の共鳴周波数を持つことはできなかった。これに対して、実施形態2では、円筒状の共鳴部材2の一端側に配置した第1共鳴膜7と第1ピンホール5との一組と、共鳴部材2の他端側に配置した第2共鳴膜8と第2ピンホール6との一組とはそれぞれ個別に動作している。そのため、第1及び第2ピンホール5・6の長さをどちらもD=D=1.0mmにしたときには共鳴条件が同一になり、周波数37Hzでともに音圧の増強が確認できた。一方、D=1.0mmに固定し、もう一方の第2ピンホール6の長さDを0.5mm、1.0mm、2.0mmのように変化させると、図18(a)に示されるように共鳴周波数が変化した。従って、2種類の共鳴周波数で動作する微小共鳴体1Aを設計できる。
また、ヒトの聴覚システムを見ると、蝸牛内部の基底膜上に有毛細胞が規則正しく並んだ構造が存在する。有毛細胞は聴覚細胞とも呼ばれ、音波の高さや大きさを詳細に解析する機能を有する。実施形態2はこの有毛細胞を模した構造ともいえる。有毛細胞は特定の高さの音に対して選択的に応答する細胞であるが、そのメカニズムは十分に解明されていない。しかし、細胞膜周辺の構造に着目すると、第1層の細胞膜、第2層のラティス構造、第3層のクッション構造が実施形態2に酷似しており、その急峻な動作も似ているといえる。
今後、一層の研究が必要であるが、ヒトの聴覚メカニズムを説明する新しいモデルとしての可能性も大いにあると考えられる。
(まとめ)
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る微小共鳴体は、両端が開放された筒状の共鳴部材と、前記共鳴部材の内壁に挿入されて第1ピンホールを有する第1パネルと、前記共鳴部材の内壁と前記第1パネルとで共鳴空間を形成するように前記内壁に挿入されて第2ピンホールを有する第2パネルと、前記共鳴部材の前記第1パネル側の一端を覆う第1共鳴膜と、前記共鳴部材の前記第2パネル側の他端を覆う第2共鳴膜とを備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る微小共鳴体は、前記第1及び第2ピンホール、並びに、前記共鳴空間の寸法に基づく共鳴周波数を有する音波の入射に応じて、前記共鳴空間の内部の音圧が上昇することが好ましい。
本発明の一態様に係る微小共鳴体は、前記第1ピンホールを通って前記共鳴空間に入射された音波の前記第2ピンホールへの伝搬を遮断するとともに、前記第1ピンホールを通って前記共鳴空間に入射された音波を自由端反射するために、前記第1パネルと前記第2パネルとの間に配置された自由端反射仕切部材をさらに備えることが好ましい。
本発明の一態様に係る微小共鳴体は、前記第1ピンホールの寸法、及び、前記第1共鳴膜の物理特性に基づく共鳴周波数を有する音波の入射に応じて、前記第1パネルと前記第1共鳴膜との間の音圧が上昇することが好ましい。
本発明の一態様に係る微小共鳴体は、前記自由端反射仕切部材は、前記第2ピンホールを通って前記共鳴空間に入射された音波の前記第1ピンホールへの伝搬を遮断するとともに、前記第2ピンホールを通って前記共鳴空間に入射された音波を自由端反射することが好ましい。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る微小共鳴装置は、音波が入射される伝搬管と、前記伝搬管の内部に配置された複数個の請求項1に記載の微小共鳴体とを備え、前記複数個の微小共鳴体のうちの一つの共鳴周波数と、前記複数個の微小共鳴体のうちの他の一つの共鳴周波数とが異なっていることを特徴とする。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 微小共鳴体
2 共鳴部材
3 第1パネル
4 第2パネル
5 第1ピンホール
6 第2ピンホール
7 第1共鳴膜
8 第2共鳴膜
9 自由端反射仕切部材
10 内壁
11 共鳴空間
12 音波
13 伝搬管
14 微小共鳴装置
15 音圧センサー

Claims (6)

  1. 両端が開放された筒状の共鳴部材と、
    前記共鳴部材の内壁に挿入されて第1ピンホールを有する第1パネルと、
    前記共鳴部材の内壁と前記第1パネルとで共鳴空間を形成するように前記内壁に挿入されて第2ピンホールを有する第2パネルと、
    前記共鳴部材の前記第1パネル側の一端を覆う第1共鳴膜と、
    前記共鳴部材の前記第2パネル側の他端を覆う第2共鳴膜とを備えることを特徴とする微小共鳴体。
  2. 前記第1及び第2ピンホール、並びに、前記共鳴空間の寸法に基づく共鳴周波数を有する音波の入射に応じて、前記共鳴空間の内部の音圧が上昇する請求項1に記載の微小共鳴体。
  3. 前記第1ピンホールを通って前記共鳴空間に入射された音波の前記第2ピンホールへの伝搬を遮断するとともに、前記第1ピンホールを通って前記共鳴空間に入射された音波を自由端反射するために、前記第1パネルと前記第2パネルとの間に配置された自由端反射仕切部材をさらに備える請求項1に記載の微小共鳴体。
  4. 前記第1ピンホールの寸法、及び、前記第1共鳴膜の物理特性に基づく共鳴周波数を有する音波の入射に応じて、前記第1パネルと前記第1共鳴膜との間の音圧が上昇する請求項3に記載の微小共鳴体。
  5. 前記自由端反射仕切部材は、前記第2ピンホールを通って前記共鳴空間に入射された音波の前記第1ピンホールへの伝搬を遮断するとともに、前記第2ピンホールを通って前記共鳴空間に入射された音波を自由端反射する請求項3に記載の微小共鳴体。
  6. 音波が入射される伝搬管と、
    前記伝搬管の内部に配置された複数個の請求項1に記載の微小共鳴体とを備え、
    前記複数個の微小共鳴体のうちの一つの共鳴周波数と、前記複数個の微小共鳴体のうちの他の一つの共鳴周波数とが異なっていることを特徴とする微小共鳴装置。
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