JP6955256B2 - 前腕用装具 - Google Patents

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Description

本発明は、前腕に装着する前腕用装具に関する。
腕部の骨折や外傷に起因して前腕回旋の可動域が狭まることがある。これを回復させるために、前腕を回旋させる回旋筋群の収縮訓練および動作の再学習を目的とするリハビリテーションが行われる。
可動域回復のためのリハビリテーションにおいて、前腕に装着して使用する前腕用装具が知られている。特許文献1に記載の前腕回内外運動用装具は、対となる棒状部材の先部を繋ぐ連結部材の中央に指挿入部を有する本体フレームと、本体フレームの対となる棒状部材間に外側環状部材が取り付けられ、外側環状部材に対して内側環状部材が回転かつ固定可能に設けられる環状部材と、患者の手首を固定するための手首固定具と、前記手首固定具に取り付けられ、内側環状部材に設けるフックに掛止され手首固定具に弾性力を付与する弾性部材とを備えている。特許文献1に記載の前腕回内外運動用装具は、指挿入部に指を挿入して使用することにより、前腕の中心軸を中心とした回旋運動を行うことができる。
特開2008−212589号公報
特許文献1に記載の前腕回内外運動用装具は、前腕の中心軸を中心とした回旋運動を行うことができるものの、装着時に手指の動きが制限される。さらに、手の周りに構造物が存在することもあり、装着したまま日常生活を送ることは困難である。したがって、その使用はリハビリ作業中に限られ、回復効果に一定の制限がある。
上記事情を踏まえ、本発明は、装着したまま日常生活を送ることができ、回旋筋群の収縮訓練および動作の再学習を好適に行うことができる前腕用装具を提供することを目的とする。
本発明は、内周面の断面形状が長手方向にわたり略円形に形成された外筒と、長手方向の少なくとも一部にわたり外周面の断面形状が略円形に形成され、前記外周面の断面形状が略円形の部位が外筒内に回転可能に配置される内筒と、第一の端部が内筒に固定され、第二の端部が使用者の上腕に対して固定される回旋補助バンドと、内筒を第一回転方向に付勢する第一付勢バンドと、内筒を第一回転方向と反対の第二回転方向に付勢する第二付勢バンドとを備える前腕用装具である。
本発明の前腕用装具は、前記内筒の内面に設けられ、前記使用者の前腕の外形に追従できる程度の柔軟性を有する追従部材をさらに備えてもよい。
前記内筒の外周面の断面形状の真円度は、前記内筒の内周面の断面形状の真円度よりも高くてもよい。
本発明の前腕用装具によれば、装着したまま日常生活を送ることができ、回旋筋群の収縮訓練および動作の再学習を好適に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る前腕用装具を示す図である。 図1のI−I線における断面図である。 同前腕用装具の内筒を示す図である。 同前腕用装具の一部構造を示す図である。 同前腕用装具の回内運動訓練時における装着状態を示す図である。 同前腕用装具の回外運動訓練時における装着状態を示す図である。 同前腕用装具の装着時の動作を説明するための図である。 同前腕用装具の装着時の動作を説明するための図である。
本発明の一実施形態に係る前腕用装具について、図1から図8を参照しつつ説明する。本実施形態の前腕用装具1は、図1に示すように、前腕装着部10と、上腕装着部40と、前腕装着部10と上腕装着部40とを連結するリンク部50とを備えている。
本実施形態の前腕用装具1は、左腕に装着される場合の例で説明するが、各部の寸法や形状を変更することにより、右腕に装着可能に構成することももちろん可能である。
前腕装着部10は、リンク部50と接続された外筒11と、外筒11内に配置される内筒21とを有している。
外筒11は、略円筒状の部材の外周面の一部を、軸方向にわたり除去した形状を有する。したがって、外筒11は、軸方向に延びるスリット12を有し、外筒11の軸方向に直交する断面は、軸方向にわたって、C字状かつ円弧状の略円形である。外筒11の径方向寸法は、先端に近づくにつれて徐々に小さくなっているため、断面形状における円弧の径も先端に近づくにつれて徐々に小さくなっている。
内筒21は、外周面を形成する本体22と、本体22の内面に配置された追従部材23とを有する。本体22の基本形状は、外筒11と概ね同様であり、図3に示すように、軸方向に延びるスリット25を有する。本体22は、少なくとも軸方向における一定範囲が外筒11内に配置できるように各部の寸法が設定されている。
本実施形態の内筒21は、手掌部に装着される前部21aと、手首と肘との間の領域に装着される後部21bとを有する。本実施形態において、内筒21の径方向の寸法は、後端から前部21aと後部21bとの境界までは徐々に小さくなり、前部21aと後部21bとの境界から前端まで徐々に増大している。スリット25の幅も、後部21bより前部21aにおいてより大きくなっている。内筒21は、後部21bのみが外筒11内に配置できるように各部の寸法が設定されている。
内筒21の前部21aには、装着時の前腕の逸脱を防ぐための保持バンド26が設けられている。保持バンド26は、前部21aにおけるスリット25の一部を閉じるように、本体22の外周面上に着脱可能に取り付けられる。
追従部材23は、ウレタン等の発泡樹脂やゲルシート等の柔軟性を有する材料で形成され、本体22の内面を覆うように層状に配置されている。したがって、追従部材23は内筒21の内周面を構成し、内筒21の内周面の形状を規定するとともに、使用者の前腕の外形に追従できる程度の柔軟性を有する。
本実施形態の内筒21は、軸方向に直交する断面において、追従部材23の初期形状における内周面がヒト前腕の長手方向に直交する断面形状に合わせた略楕円形となっており、後述する装着時において、使用者の前腕に好適にフィットするように構成されている。
本体22と追従部材23とで構成される内筒21の断面形状を図2に示す。図2は、図1のI−I線における内筒21の断面図である。上述した構成により、本体22により規定される内筒21の外周面の、内筒21の軸線Xに直交する断面形状は、追従部材23の初期形状により規定される内筒21の内周面の、軸線Xに直交する断面形状よりも真円度が高くなっている。
内筒21には、図1および図3に示すように、伸縮可能な材料で形成された回旋補助バンド(回旋補助部材)31、第一付勢バンド(第一付勢部材)32、および第二付勢バンド(第二付勢部材)33が取り付けられている。
回旋補助バンド31は、長手方向両側に、それぞれ第一端部31aおよび第二端部31bを有する。第一端部31aは、内筒21の先端部に、内筒21に対して回転可能に固定されている。第一端部31aの固定手段としては、ピンやリベットなどを挙げることができる。第二端部31bは、面ファスナーやスナップボタン等により、上腕装着部40に着脱可能に構成されている。また、第二端部31bには、リング35が取り付けられ、装着時に把持しやすく構成されている。
回旋補助バンド31の長さは、後述する装着時において第二端部31bが上腕装着部40に取り付けられた際に、肘の屈曲により長手方向に伸展されて張力を発生する程度に設定される。回旋補助バンド31の材質としては、ゴムやエラストマー、スプリング等の各種弾性体が挙げられるが、中でも平ゴムが装着時の腕の動きを妨げにくく、好ましい。
第一付勢バンド32および第二付勢バンド33は、それぞれ第一端部が内筒21に対して固定され、内筒の軸方向と略直角をなす方向に延びるように取り付けられている。第二付勢バンド33は、第一付勢バンド32よりも幅が狭く、2本のバンド33Aおよび33Bで構成され、内筒21の軸線方向において第一付勢バンド32を挟むように配置されている。
第一付勢バンド32および第二付勢バンド33の第一端部は、図3に示すように、本体22の外周面に形成された切込み22aおよび22bからそれぞれ本体22の内側に進入し、本体22の内側でかしめや接着等により固定されている。固定された各バンドの第一端部は、追従部材23に覆われている。
第一付勢バンド32および第二付勢バンド33の第二端部は、面ファスナーやスナップボタン等により、外筒11に着脱可能に構成されている。本実施形態では、各バンドの第二端部に面ファスナーが取り付けられ、図4に示すように、外筒11の外面にも面ファスナー13が取り付けられている。各バンドおよび外筒11に取り付けられた面ファスナーの一方をオス、他方をメスとすることで、第二端部と外筒11とを着脱可能に構成することができる。
図1および図4に示すように、上腕装着部40は、半円筒状のカフ41と、カフ41に取り付けられたベルト42とを備えている。
カフ41の外周面には、回旋補助バンド31の第二端部31bを固定するための面ファスナー45が取り付けられている。カフ41の材質には特に制限はなく、樹脂や金属等を用いることができるが、樹脂を用いると前腕用装具1を軽量に構成できるため好ましい。カフ41は、内筒21のように内面側が柔軟な部材で覆われてもよい。
本実施形態では、ベルト42が2本設けられているが、ベルトの本数や寸法は適宜設定されてよい。装着者は、ベルト42の遊離端42aを、図4に示すようにカフ41に取り付けられたリング43に通して折り返し、面ファスナー等により自身の一部に固定することで、自身の上腕に上腕装着部40を固定することができる。各ベルト42には、装着時に上腕に接触する部位にフェルト44が取り付けられており(図1参照)、装着時における上腕皮膚への刺激を抑制する構造となっている。
上述したベルトの固定態様やフェルト44は、本発明に必須ではなく、公知の他の構成に置き換えたり、省略したりすることが可能である。
リンク部50は、前腕装着部10の外筒11に取り付けられる一対の第一リンク51と、上腕装着部40のカフ41に取り付けられる一対の第二リンク52とを備えている。第一リンク51と第二リンク52とは、回動軸部材53により相対回動可能に連結されているため、装着者は前腕装着部10および上腕装着部40を装着した状態で、肘を自由に屈伸することができる。リンク部50は、金属や樹脂等で形成することができるが、充分な強度を確保する観点からは金属で形成されるのが好ましい。
上記のように構成された本実施形態の前腕用装具1の使用時の動作について説明する。前腕用装具1は、前腕の回内運動の訓練および回外運動の訓練いずれにも用いることができ、両者の場合で若干装着動作が異なるため、まず回内運動訓練時の装着動作について説明する。
前腕用装具1を装着する際、使用者は、まず内筒21内に左前腕を通して内筒21を前腕に装着する。このとき、内筒21の内周面は、ヒト前腕の外形に近い略楕円状の断面形状を有しているため、内筒21と前腕との間に大きなガタは生じない。また、内周面形状と前腕外形との微小な差異は、追従部材23の弾性変形により好適に吸収される。その結果、内筒21は、後述する回旋時等に前腕が好適に追従するように、適度な密着状態で使用者の前腕に装着される。使用者が前部21aのスリット25の一部を塞ぐように保持バンド26を留めると、内筒21の装着が完了する。
次に、使用者は、内筒21の後部21bを外筒11に通し、第一付勢バンド32を後部21b側から見て左回りに内筒21の周りに巻きながら、第一付勢バンド32の第二端部を外筒11の外面に設けられた面ファスナー13に固定する。このとき、第一付勢バンド32が弛まないように第二端部を固定する。2本の第二付勢バンド33は、後述する内筒21の回転の妨げにならないよう、後部21b側から見て右回りに内筒21の周りに巻きながら外筒11の外部に引き出しておくが、第二端部は面ファスナー13に固定せず、自由な状態にしておく。
続いて使用者は、リンク部50の回動軸部材53を肘の近くに位置させた状態で、ベルト42により上腕装着部40を上腕に固定する。
最後に、回旋補助バンド31を、上腕装着部40に向かって右回りとなるように螺旋状に左腕の周囲に巻きつけ、第二端部31bをカフ41の面ファスナー45に固定すると、第二端部31bが使用者の上腕に対して固定され、回内運動訓練に対応した前腕用装具1の装着が完了する。この際も、回旋補助バンド31が大きく弛まないように第二端部31bを上腕に対して固定する。
図5に、回内運動訓練用に装着された前腕用装具1を示す。図6には、回外運動訓練用に装着された前腕用装具1を示す。回外運動訓練時は、第二付勢バンド33を後部21b側から見て右回りに内筒21の周りに巻きながら、外筒11の面ファスナー13に固定する点、第一付勢バンド32を、後部21b側から見て左回りに内筒21の周りに巻きながら外筒11の外部に引き出し、第二端部を自由な状態にしておく点、および回旋補助バンド31を、上腕装着部40に向かって左回りとなるようにらせん状に左腕の周囲に巻きつけてカフ41の面ファスナー45に固定する点のみが図5と異なっている。他の装着動作は上述した内容と同様である。
使用者は、前腕用装具1の装着前に、図5および図6に示すように、市販のロングスリーブ100等を腕に装着し、前腕用装具1の各部と腕との摩擦を低減させてもよい。
次に、前腕用装具1の作用について、回外運動訓練時を例にとり説明する。
図7に示す肘の伸びた状態から使用者が肘を曲げると、回旋補助バンド31により生じる張力が、前腕を回旋する回旋筋群(主動作筋および補助動作筋)が発生する力と同様の態様で内筒21に作用する。その結果、使用者の上腕に装着された内筒21が外筒11内で回転し、図8に示すように内筒21および内筒21と一体となった前腕を回外方向D1に回旋させる。
前腕の回外方向D1への回旋に伴い、外筒11に固定された第二付勢バンド33が伸長し、張力を生じる。使用者が肘を伸ばすと、伸長した第二付勢バンド33の張力が、内筒21を回外方向D1と反対の回内方向(第二回転方向)に回転するよう付勢し、内筒21および前腕をもとの回転位置に戻すよう補助する。
使用者は、肘の屈伸を繰り返すことにより、前腕の回外方向D1への回旋および戻しを簡便かつ円滑に行うことができる。これにより、使用者前腕の回旋筋群の収縮訓練および動作の再学習が好適に行われる。
回内運動訓練時の作用態様も、上述した内容と概ね同様である。回内運動訓練時においては、使用者が肘を曲げると回旋補助バンド31が前腕を回外方向D1と反対の回内方向に回旋させる。使用者が肘を伸ばすと、伸長した第一付勢バンド32の張力が内筒21を回外方向D1(第一回転方向)に回転するよう付勢し、内筒21および前腕をもとの回転位置に戻すよう補助する。
以上説明したように、本実施形態の前腕用装具1によれば、装着して肘を屈伸することにより、所望の方向への前腕の回旋運動を反復することができる。その結果、使用者の前腕回旋動作の再獲得や機能回復を好適に支援することができる。
また、前腕装着部10において、外筒11と、内筒21のうち外筒11内に配置される後部21bとは、上述した構成により、それぞれの軸線方向に直交する断面の形状が、軸線方向(外筒11や内筒21の長手方向)にわたり略円形となっている。したがって、使用者が肘を屈伸する際に、両者の間で引っ掛かりが生じにくく、外筒11と内筒21とが円滑に相対回転することができる。その結果、前腕の回旋および戻し動作が円滑に行われ、回復支援効果が向上される。
上記効果をさらに高める観点からは、外筒11の内周面と内筒21の外周面とが各種加工等により滑らかに形成され、摩擦を生じにくくされることが好ましい。
さらに、第一付勢バンド32および第二付勢バンド33を備えているため、回内運動訓練時および回外運動訓練時のいずれにおいても、所望の方向への回旋後の戻し動作が円滑に行われる。その結果、強制動作が和らげられ、防御性収縮も軽減される。
また、第一付勢バンド32および第二付勢バンド33は、外筒11に対して着脱可能に構成されているため、戻し動作に寄与しない側の付勢バンドを外筒に対して自由状態にすることにより、戻し動作を補助する側の付勢バンドの張力を減殺することを防止することができる。
さらに、第一付勢バンド32と第二付勢バンド33とを、一本の幅広バンドと幅広バンドを内筒の軸線方向両側に配置される2本の幅の狭いバンドとで構成することにより、回内運動訓練時と回外運動訓練時とで戻し動作を生じる張力の作用態様を略同一にすることができる。その結果、回内運動訓練時と回外運動訓練時との使用感を近くし、使用者に違和感が生じることを抑制することができる。
加えて、第一付勢バンド32と第二付勢バンド33の第一端部が内筒21の内部で内筒21に対して固定されているため、第一端部の固定部位が内筒21と外筒11との相対回転を妨げにくく、回旋後の戻し動作の円滑性が高く保持される。さらに、第一端部の固定部位が追従部材23に覆われているため、前腕と接触することがない。その結果、使用者に刺激や違和感等を与えにくく、装着感を良好にすることができる。
さらに、回旋補助バンド31の第一端部31aが内筒21に回転可能に取り付けられているため、回内運動訓練時と回外運動訓練時のいずれにおいても、回旋補助バンド31を巻きつける際に回旋補助バンド31が肘側に向かって延びる向きが、自動的に腕の周囲に自然な形で巻きつくように変化する。したがって、回内運動訓練時と回外運動訓練時のいずれにおいても、自然な態様で回旋補助バンド31を腕に巻きつけて、好適に張力を発生させることができる。
さらに、内筒21が、硬質な本体22と柔軟な追従部材23とを備えて構成されているため、上述のように外筒11に対して円滑に相対回転可能な外周面形状と、前腕にガタなくフィットする内周面形状とを容易に両立させることができる。したがって、前腕の回旋および戻し動作時に前腕と内筒とが相対回転することが好適に抑制され、相対回転による支援効果の減少や、内筒と前腕との摩擦による使用者への刺激や不快感、あるいは皮膚損傷等の発生を著しく抑制することができる。
また、内筒21には、軸線方向にわたってスリット25が形成されているため、回旋および戻し動作時に内筒21の挙動と前腕の挙動とにずれが生じた場合でも、スリット25の形状が変化するように内筒が変形することにより、当該ずれが好適に吸収される。その結果、前腕の一部が内筒に強く押し付けられる等による刺激や不快感等の発生も好適に抑制される。
さらに、内筒21が保持バンド26を備えているため、スリット25が前部21aにおいて幅広となっていても、回旋および戻し動作時において前腕、特に手首より先の部分が内筒から逸脱することが好適に防止される。その結果、橈骨および尺骨の確実な回旋および戻し動作と、前腕の内筒への装着のしやすさとを好適に両立することができる。
加えて、前腕用装具1においては、装着時に手指が固定されず、かつ手指の周囲に構造物が存在しないため、その装着はリハビリ室等に限られず、装着した状態で日常生活の大部分を送ることが可能である。装着した状態で日常生活を送ることにより、入浴時や就寝時等をのぞき、前腕のリハビリテーションを継続することができるため、訓練時間を大幅に延長することができ、リハビリテーションの効率を著しく高めることができる。
また、前腕用装具1は、リンク部50を除いて金属を用いずに形成することができ、従来の前腕用装具に比べ、大幅に軽量に構成することができる。このようにすると、装着および取り外しが使用者自身で容易に行うことができ、装着した状態で日常生活を送ることがさらに容易になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
例えば、上述した前腕用装具1においては、内筒21のうち前部21aは外筒11内に配置されないため、外周面の断面形状が略円形でなくても内筒と外筒との相対回転に影響を及ぼさない。したがって、前部21aの形状を、手掌部によりフィットしやすい形状に形成してもよい。すなわち、本発明において、内筒は、少なくとも装着時に外筒内に配置される部位の外周面の断面形状が略円形に形成されればよい。
また、上述した実施形態では、第一付勢部材と第二付勢部材とが別部材で構成される例を説明したが、これに変えて、一本の付勢バンドの両面に面ファスナー等の固定機構を設け、巻き方向を変えて外筒に固定することにより、一本の付勢バンドを第一付勢部材および第二付勢部材のいずれとしても機能できるように構成してもよい。
また、本発明の前腕用装具において、上腕装着部やリンク部は必須ではない。例えば、回旋補助バンドの第二端部にバンド等を設け、使用者の上腕に直接固定できるように構成することで、若干効果は劣るものの、上述したものと同種の効果を奏することができる。
本発明の前腕用装具は、前腕の回旋動作に作用する筋肉や靱帯・筋膜など軟部組織の不具合(萎縮や拘縮など)が二次的機能障害として生じ、回内・回外等の前腕回旋動作が失われたり低下したりして、回旋動作を再獲得あるいは回復することが必要な患者に幅広く使用できる。具体的な適用例としては、上肢骨折(前腕骨骨折、肘関節内骨折、上腕部遠位部骨折など)、軟部組織損傷(筋損傷、骨間膜損傷、靭帯損傷、阻血壊死後など)、先天性疾患(先天性橈尺骨癒合症など)の術後等が挙げられる。また、装着者の年齢にも特に制限はなく、各部の寸法を適宜設定することにより、小児から成人、老人まで幅広く適用することができる。
1 前腕用装具
11 外筒
21 内筒
23 追従部材
31 回旋補助バンド(回旋補助部材)
31a 第一端部(第一の端部)
31b 第二端部(第二の端部)
32 第一付勢バンド(第一付勢部材)
33 第二付勢バンド(第二付勢部材)

Claims (3)

  1. 内周面の断面形状が長手方向にわたり略円形に形成された外筒と、
    長手方向の少なくとも一部にわたり外周面の断面形状が略円形に形成され、前記外周面の断面形状が略円形の部位が前記外筒内に回転可能に配置される内筒と、
    第一の端部が前記内筒に固定され、第二の端部が使用者の上腕に対して固定される回旋補助バンドと、
    前記内筒を第一回転方向に付勢する第一付勢バンドと、
    前記内筒を前記第一回転方向と反対の第二回転方向に付勢する第二付勢バンドと、
    を備える、
    前腕用装具。
  2. 前記内筒の内面に設けられ、前記使用者の前腕の外形に追従できる程度の柔軟性を有する追従部材をさらに備える、請求項1に記載の前腕用装具。
  3. 前記内筒の外周面の断面形状の真円度が前記内筒の内周面の断面形状の真円度よりも高い、請求項1または2に記載の前腕用装具。
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