JP6955207B2 - ガラスセラミックス積層板、その製造方法、電子部品パッケージ、及びその製造方法 - Google Patents

ガラスセラミックス積層板、その製造方法、電子部品パッケージ、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラスセラミックス積層板、その製造方法、電子部品パッケージ、及びその製造方法に関する。
従来、特許文献1,2に開示されるように、例えば回路を構成するための配線基板として、セラミックス積層板が知られている。特許文献2に開示されるように、セラミックス積層板として、ガラスセラミックス積層板が用いられる場合がある。
特開2015−216322号公報 特開2016−154185号公報
近年、ガラスセラミックス積層板は、比較的低温の焼成により得られることから、その利用価値が高まっている。こうしたガラスセラミックス積層板の端面は、ダイサーで切断された切断面であるため、ガラスセラミックス層の層間部分が露出している。このため、ガラスセラミックス積層板の端面から層間に気体が侵入するおそれがある。このようなガラスセラミックス積層板の層間への気体の侵入は、ガラスセラミックス積層板やその積層板を用いた電子部品パッケージの気密性を低下させる一因となっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、気密性の高いガラスセラミックス積層板、その製造方法、電子部品パッケージ、及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するガラスセラミックス積層板は、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板と、前記基板の積層構造の層間を封止するように前記基板の端面に設けられたガラス質層と、を備える。この構成によれば、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板の端面から基板の層間に気体が侵入することをガラス質層によって抑えることができる。
上記ガラスセラミックス積層板において、前記基板は、当該基板の主面に開口する凹部を有していてもよい。この構成によれば、ガラスセラミックス積層板の層間を通じて凹部内に気体が侵入することを抑えることができるため、基板の凹部の気密性を高めることが可能となる。
上記ガラスセラミックス積層板において、前記ガラス質層の厚さは、5μm以上、50μm以下の範囲であることが好ましい。この構成によれば、気密性をより高めることができるとともに、基板の端面からの剥離を抑制することができる。
上記ガラスセラミックス積層板に使用される前記基板の前記ガラスセラミックスは、ガラスマトリックス中に粒子状態のセラミックスフィラーが分散されてなり、前記ガラス質層は、前記粒子状態のセラミックスフィラーを実質的に含まないことが好ましい。この構成によれば、高い強度と高い気密性を両立することができる。
ガラスセラミックス積層板の製造方法は、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板と、前記基板の積層構造の層間を封止するように前記基板の端面に設けられたガラス質層と、を備えるガラスセラミックス積層板の製造方法であって、ガラスセラミックス積層板の母材を準備する準備工程と、前記母材を切断する切断予定線に沿って前記母材を溶断するレーザー光を走査することで前記ガラス質層を形成するガラス質層形成工程と、を備えることが好ましい。
上記ガラスセラミックス積層板の製造方法は、前記母材の溶断時に形成されたドロスを前記ガラス質層形成工程の後に除去する除去工程をさらに備えていてもよい。この方法によれば、ドロスを要因とした不具合を抑えることができる。
上記ガラスセラミックス積層板の製造方法において、前記ガラスセラミックス積層板の母材は、当該母材の両主面のうち一方の主面に開口する凹部を有し、前記ガラス質層形成工程において、前記母材の両主面のうち他方の主面側から前記レーザー光を照射することが好ましい。
この方法によれば、例えば、ガラスセラミックス積層板の母材において、上記他方の主面にめっき層等の機能層を設けたとしても、その機能層がドロスによって汚染されたり、ドロスの除去により損傷を受けたりすることを回避することが可能となる。
上記課題を解決する電子部品パッケージは、ガラスセラミックス積層板と電子部品と蓋材とを備える電子部品パッケージであって、前記ガラスセラミックス積層板は、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板と、前記基板の積層構造の層間を封止するように前記基板の端面に設けられたガラス質層と、を備え、前記基板は、当該基板の主面に開口する凹部を有し、前記凹部に前記電子部品が収容されるとともに、前記凹部の開口は、前記蓋材により封止されている。
この構成によれば、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板の端面から基板の層間に気体が侵入することをガラス質層によって抑えることができる。これにより、ガラスセラミックス積層板の層間を通じて凹部内に気体が侵入することを抑えることができるため、基板の凹部の気密性を高めることができる。
電子部品パッケージの製造方法は、ガラスセラミックス積層板と電子部品と蓋材とを備える電子部品パッケージの製造方法であって、前記ガラスセラミックス積層板は、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板と、前記基板の積層構造の層間を封止するように前記基板の端面に設けられたガラス質層と、を備え、前記基板は、当該基板の主面に開口する凹部を有し、前記製造方法は、前記ガラスセラミックス積層板の母材を準備する準備工程と、パッケージ工程とを備え、前記パッケージ工程は、前記凹部に前記電子部品を収容する収容工程と、前記電子部品が収容された前記凹部の開口を封止するための蓋材を装着する装着工程と、前記母材を切断する切断予定線に沿って前記母材を溶断するレーザー光を走査することで前記ガラス質層を形成するガラス質層形成工程と、を備えることが好ましい。
本発明によれば、ガラスセラミックス積層板の気密性を高めることができる。
実施形態におけるガラスセラミックス積層板を示す断面図である。 (a)は、ガラスセラミックス積層板の母材を示す平面図であり、(b)は、ガラスセラミックス積層板を示す平面図である。 ガラスセラミックス積層板の製造方法を説明する側面図である。 電子部品パッケージの製造方法を説明するフロー図である。 ガラスセラミックス積層板を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した箇所を示す平面図である。 試験例1のガラスセラミックス積層板のSEM写真である。 試験例3のガラスセラミックス積層板のSEM写真である。 (a)〜(e)は、XRD(X線回折)チャートである。
以下、ガラスセラミックス積層板、その製造方法、電子部品パッケージ、及びその製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
<ガラスセラミックス積層板>
図1は、図2(b)に示すガラスセラミックス積層板の1−1線に沿った断面図を示している。図1及び図2(b)示すように、ガラスセラミックス積層板11は、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板12と、基板12の積層構造の層間を封止するように基板12の端面に設けられたガラス質層13とを備えている。本実施形態の基板12は、基板12の両主面のうち一方の主面に開口する凹部14を有している。
基板12は、平板部上に凹部14の周壁を構成する周壁部が積層された構造を有している。基板12は、ガラスセラミックス層と図示を省略した回路部とを備えている。基板12(回路基板)の回路部は、例えば、内層配線、外層配線等の配線を備えている。なお、回路部は、抵抗、インダクタ、コンデンサ等を備えていてもよい。基板12は、電子部品から発生する熱を放熱するサーマルビアを備えていてもよい。基板12の厚さは、例えば、0.5mm以上、5mm以下の範囲である。
ガラスセラミックス積層板11の基板12を構成するガラスセラミックスは、ガラスマトリックス中に粒子状態のセラミックスフィラー(セラミックス材料の粉末)が分散されたものである。ガラスセラミックス積層板11のガラス質層13は、粒子状態のセラミックスフィラーを実質的に含まないことが好ましい。ここで、粒子状態のセラミックスフィラーを実質的に含まないガラス質層13とは、薄膜X線回折測定(入射角度:0.2°)において、ガラスセラミックス部分における特定のセラミックフィラー粒子のピーク積分強度を100とした場合、同様にして測定したガラス質層13における上記セラミックフィラー粒子に基づくピーク積分強度が30未満であることを意味する。
ガラスセラミックスにおける上記ピーク積分強度は、例えばダイサーによって機械的に切断した切断面において薄膜X線回折測定により測定し得る。ガラス質層13において、上記セラミックフィラー粒子がガラスマトリックスのネットワークの一部に取り込まれ非晶質となっている場合、上記のようにピーク積分強度が、ガラスセラミックス部分よりも小さくなると考えられる。
ガラスセラミックス積層板11のガラス質層13は、母材をレーザー光で溶断したり、母材の切断面をレーザー光で改質したりすることによって形成することができる。ガラス質層13は、基板12の端面の全体に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。ガラス質層13は、例えば、平面視四角形状の基板12の一辺を構成する端面のみに設けられていてもよい。ガラス質層13の厚さは、5μm以上、50μm以下の範囲であることが好ましい。ガラス質層13の厚さが5μm以上の場合、気密性をより高めることができる。ガラス質層13の厚さが50μm以下の場合、例えば、基板12の端面からの剥離を抑えることができる。なお、ガラス質層13の厚さは、走査型電子顕微鏡でガラス質層13を観察したときの最小の厚さである。
<ガラスセラミックス積層板の製造方法>
図2(a)及び図2(b)に示すように、ガラスセラミックス積層板11の製造方法は、ガラスセラミックス積層板11の母材15を準備する準備工程と、母材15を切断する切断予定線CLに沿って母材15を溶断するレーザー光を走査することでガラス質層13を形成するガラス質層形成工程とを備えている。
ガラスセラミックス積層板11の母材15は、切断予定線CLにより画定される第1積層部15aと第2積層部15bとを有している。第1積層部15aは、第1積層部15aの両主面のうち一方の主面(上面)に開口する凹部14を有している。第2積層部15bは、第2積層部15bの両主面のうち一方の主面(上面)に開口する凹部14を有している。また、第1積層部15a及び第2積層部15bは、それぞれ図示を省略した回路部を有している。なお、母材15の切断予定線CLに沿った部分は、回路部を有していない。
ガラスセラミックス積層板11の母材15は、ガラスセラミックス用のグリーンシートを用いて回路パターンを形成する周知の方法によって得ることができる。ガラスセラミックスは、低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)とも呼ばれる。ガラスセラミックスを構成するセラミックス材料(セラミックスフィラーの材料)としては、例えば、アルミナ、チタン、酸化ニオブ、ジルコニア、及びウイレマイトが挙げられる。ガラスセラミックスには、顔料が含まれていてもよい。グリーンシートは、例えば、ガラス粉末、セラミックス粉末、顔料、及び有機溶剤を含有するスラリーをドクターブレード法によりシート化することで得られる。ガラスセラミックス積層板11の母材15は、例えば、回路パターンに応じて加工された複数のグリーンシートを積層した後にプレスし、ガラスの軟化温度以上の温度で焼成することで得られる。
図3に示すように、ガラス質層形成工程は、周知のレーザーユニット16を備えた製造装置を用いて行うことができる。製造装置のレーザーユニット16は、光源16aと、光源16aから発射されたレーザー光LAを集光する光学系16bとを備えている。製造装置は、ガラスセラミックス積層板11の母材15を支持する支持台17をさらに備えている。
レーザー光LAとしては、高出力のパルス型ファイバーレーザー光を好適に用いることができる。ここで、レーザー光LAの条件の一例について説明する。レーザー光LAの発振波長は、ガラスセラミックスに吸収帯があれば、その波長域に制限なく用いることができる。また、ガラスセラミックス自体に顔料を混合し黒色化することで、発振波長の選択域を広げることができる。レーザー光LAの平均出力は、50〜150Wの範囲であることが好ましい。レーザー光LAのパルス幅は、10〜500μsの範囲であることが好ましい。レーザー光LAのパルスエネルギーは、10〜1000mJの範囲であることが好ましい。レーザー光LAの繰り返し周波数は、100〜15000Hzであることが好ましい。レーザー光LAの集光位置は、例えば、ガラスセラミックス積層板11の母材15の主面に合わせてもよいし、主面から所定の深さ(例えば、主面からの深さが0.5〜3mmの範囲)となる位置に合わせてもよい。レーザー光LAの集光径は、例えば、20μm程度である。レーザー光LAの走査速度は、1〜10mm/sの範囲であることが好ましい。レーザー光LAの照射時に用いるアシストガスとしては、例えば、窒素等の不活性ガス、エア等が挙げられる。アシストガスの圧力は、10〜20気圧程度であることが好ましい。
なお、製造装置は、レーザーユニット16と支持台17とをXYZ軸に沿った方向に相対移動可能とする移動機構を備えている。製造装置は、予め定めた切断予定線CLに沿ってレーザー光LAを照射するように、移動機構を走査制御する制御部を備えている。
本実施形態のガラス質形成工程では、ガラスセラミックス積層板11の母材15において、凹部14とは反対側の主面側からレーザー光LAを照射する。
ここで、ガラス質形成工程では、ガラスセラミックス積層板11の母材15の溶断時にドロス(溶断によって生成した不要物)が形成される。ドロスは、レーザー光LAの照射側とは反対となる主面側に形成される。すなわち、本実施形態では、ガラスセラミックス積層板11の両主面のうち、凹部14を有する主面側にドロスが形成される。
本実施形態のガラスセラミックス積層板11の製造方法は、ガラス質層形成工程の後にドロスを除去する除去工程をさらに備えている。この除去工程では、例えば、研削によってドロスを除去する。
<電子部品パッケージ>
図1に示すように、電子部品パッケージ18は、ガラスセラミックス積層板11と電子部品19と蓋材20とを備えている。ガラスセラミックス積層板11は、上述したように積層された基板12とガラス質層13とを備えている。基板12の主面に開口する凹部14には、電子部品19が収容される。電子部品19としては、例えば、ICチップ、撮像素子、発光素子等が挙げられる。電子部品19は、例えば、ワイヤーボンディング等で基板12に実装することができる。
基板12の凹部14の開口は、蓋材20により封止されている。蓋材20としては、ガラス薄板やセラミック薄板等の薄板材料が好適に用いられる。蓋材20は、例えば、ガラスフリット、樹脂材料等の封止材(接合材)を用いてガラスセラミックス積層板11の主面に接合されている。
<電子部品パッケージの製造方法>
図4に示すように、電子部品パッケージ18の製造方法は、ガラスセラミックス積層板11の母材15を準備する準備工程S1と、パッケージ工程S2とを備えている。
本実施形態のパッケージ工程S2は、上記ガラスセラミックス積層板11の製造方法で説明したガラス質層形成工程S21及びドロス除去工程S22を備えている。パッケージ工程S2は、さらにガラスセラミックス積層板11における基板12の凹部14に電子部品19を収容する収容工程S23と、電子部品19が収容された凹部14の開口を封止するための蓋材20を装着する装着工程S24とを備えている。
収容工程S23は、ガラスセラミックス積層板11における基板12の凹部14に電子部品19を収容(実装)する周知の方法により行うことができる。装着工程S24は、蓋材20を封止材によってガラスセラミックス積層板11の主面(上面)に接合することでガラスセラミックス積層板11に蓋材20を装着する。
なお、電子部品パッケージ18の製造方法におけるドロス除去工程S22は、装着工程S24の前工程として行えばよい。すなわち、ドロス除去工程S22は、収容工程S23の前工程に限定されず、収容工程S23の後工程として行うこともできる。
次に、試験例について説明する。
(試験例1)
ガラスセラミックス積層板の母材を準備し、この母材に対してレーザー光を走査することでガラス質層形成工程を行った。まず、複数のグリーンシートを積層した後にプレスし、ガラスの軟化温度以上の温度で焼成することで、ガラスセラミックス積層板の母材(厚さ:3.7mm)を作製した。
このガラスセラミックス積層板の母材の組成は、質量%でガラス50%、アルミナ粉末49%、顔料(Fe−Cr−O系顔料)1%である。ガラスの組成は、質量%でSiO:66%、B:15%、CaO+BaO+MgO:12%、NaO+KO+LiO:4%、その他の酸化物(ZrOを含む):3%である。
次に、このガラスセラミックス積層板の母材からガラスセラミックス積層板を得るガラス質層形成工程を行った。ガラス質層形成工程では、レーザー光として高出力のパルス型ファイバーレーザー光を用いた。レーザー光の条件は、以下の通りである。
発振波長:1.07μm
平均出力:120W
パルス幅:400μs
パルスエネルギー:600mJ
繰り返し周波数は、200Hz
集光位置:ガラスセラミックス積層板の母材の主面から1mmの深さ
レーザー光の集光径:20μm
走査速度:5mm/s
アシストガス:窒素ガス(18気圧)
(試験例2)
試験例2では、ガラス質層形成工程においてレーザー光の条件のうち、パルス幅、パルスエネルギー、及び繰り返し周波数を以下のように変更した以外は、試験例1と同様にガラスセラミックス積層板を作製した。
パルス幅:50μs
パルスエネルギー:50mJ
繰り返し周波数は、2400Hz
(試験例3)
試験例3では、ガラス質層形成工程を市販のダイサーを用いた切断工程に変更した以外は、試験例1と同様にガラスセラミックス積層板を作製した。なお、試験例3の切断工程では、切断速度を1mm/sに設定した。この切断速度よりも速いと、上記ガラスセラミックス積層板の母材を切断することは困難である。
(結果)
図5に示すように、試験例1で得られたガラスセラミックス積層板11の端部WをZ軸方向から走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その写真を図6に示す。
図6に示すように、試験例1のガラスセラミックス積層板11の端部Wには、基板12を構成するガラスセラミックスよりも緻密なガラス質層13が形成されていた。
試験例2で得られたガラスセラミックス積層板11の端部Wについても同様に走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、ガラスセラミックス積層板11の端部Wには、基板12を構成するガラスセラミックスよりも緻密なガラス質層13が形成されていた。
図7に示すように、試験例3で得られたガラスセラミックス積層板の端部は、ポーラスな構造であり、試験例1,2のガラスセラミックス積層板のような新たな層の形成は確認できなかった。
図8は、XRD(X線回折)チャートであり、図8(a)は試験例1で得られたガラスセラミックス積層板11の端部W、図8(b)は試験例2で得られたガラスセラミックス積層板11の端部W、図8(c)は試験例3で得られたガラスセラミックス積層板の端部の各XRDチャートを示している。また、図8(d)はアルミナ、図8(e)は顔料の各XRDチャートを示している。
図8の結果から、試験例1,2のアルミナに基づくピーク強度は、試験例3のアルミナに基づくピーク強度よりも低い。このことから、試験例1,2のガラスセラミックス積層板11の端面は、ガラスセラミックスとは異なるガラス質層13が形成されていることが分かる。このガラス質層13は、ガラスのネットワークの一部としてアルミナが取り込まれた構造を有していると考えられる。
また、薄膜X線回折測定(入射角度:0.2°)により、セラミックスフィラー粒子のピーク積分強度を測定した結果、試験例3のピーク積分強度を100とした場合の試験例1のピーク積分強度は9%であり、試験例2のピーク積分強度は17%であった。
以上詳述した実施形態によれば、次のような作用効果が発揮される。
(1)ガラスセラミックス積層板11は、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板12と、基板12の積層構造の層間を封止するように基板12の端面に設けられたガラス質層13とを備えている。この構成によれば、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板12の端面から基板12の層間に気体等が侵入することをガラス質層13によって抑えることができる。従って、ガラスセラミックス積層板11の気密性を高めることができる。
また、基板12を構成するガラスセラミックスに含まれるガラスと、ガラス質層13との密着性は良好であるため、ガラス質層13の剥離が生じ難い。
また、ガラスセラミックス積層板11の端面の平滑性が高まることで、ピッキング等の搬送時のエラーが発生し難くなる。
(2)ガラスセラミックス積層板11の基板12は、この基板12の主面に開口する凹部14を有している。この構成によれば、ガラスセラミックス積層板11の層間を通じて凹部14内に気体が侵入することを抑えることができるため、基板12の凹部14の気密性を高めることが可能となる。
(3)ガラスセラミックス積層板11のガラス質層13の厚さは、5μm以上、50μm以下の範囲であることが好ましい。この場合、気密性をより高めることができるとともに、基板12の端面からの剥離を抑制することができる。
(4)ガラスセラミックス積層板11の基板12におけるガラスセラミックスは、ガラスマトリックス中に粒子状態のセラミックスフィラーが分散されたものである。これに対して、ガラスセラミックス積層板11のガラス質層13は、粒子状態のセラミックスフィラーを実質的に含まないことが好ましい。この場合、高い強度と高い気密性を両立することができる。
(5)ガラスセラミックス積層板11の製造方法は、ガラスセラミックス積層板11の母材15を準備する準備工程と、ガラス質層13を形成するガラス質層形成工程とを備えている。ガラス質層形成工程では、ガラスセラミックス積層板11の母材15を切断する切断予定線CLに沿って母材15を溶断するレーザー光LAを走査している。
この方法によれば、ガラスセラミックス積層板11の母材15の切断と同時に、基板12の端面にガラス質層13を形成することができる。
(6)ガラスセラミックス積層板11の製造方法は、ガラスセラミックス積層板11の母材15の溶断時に形成されたドロスをガラス質層形成工程の後に除去する除去工程をさらに備えることが好ましい。この場合、ドロスを要因とした不具合を抑えることができる。
(7)ガラスセラミックス積層板11の製造方法において、ガラスセラミックス積層板11の母材15は、この母材15の両主面のうち一方の主面に開口する凹部14を有している。また、ガラス質層形成工程において、母材15の両主面のうち他方の主面側からレーザー光LAを照射している。この場合、例えば、ガラスセラミックス積層板11の母材15において、上記他方の主面にめっき層等の機能層を設けたとしても、その機能層がドロスによって汚染されたり、ドロスの除去により損傷を受けたりすることを回避することが可能となる。
(8)電子部品パッケージ18は、ガラスセラミックス積層板11と電子部品19と蓋材20とを備えている。基板12は、この基板12の主面に開口する凹部14を有し、この凹部14に電子部品19が収容されている。基板12の凹部14の開口は、蓋材20により封止されている。
この構成によれば、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板12の端面から基板12の層間に気体が侵入することをガラス質層13によって抑えることができる。これにより、ガラスセラミックス積層板11の層間を通じて凹部14内に気体が侵入することを抑えることができるため、基板12の凹部14の気密性を高めることができる。
(9)電子部品パッケージ18の製造方法は、上記ガラス質層形成工程と、ガラスセラミックス積層板11における基板12の凹部14に電子部品19を収容する収容工程と、電子部品19が収容された凹部14の開口を封止するための蓋材20を装着する装着工程とを備えている。
この方法によれば、ガラスセラミックス積層板11の母材15の切断と同時に、基板12の端面にガラス質層13を形成することができる。
(変更例)
上記実施形態を次のように変更してもよい。
・ガラスセラミックス積層板11の基板12における凹部14を省略してもよい。
・ガラス質形成工程で用いるレーザー光LAは、ガラスセラミックス積層板11の母材15の両主面のうち、いずれか一方の主面側から照射することができる。
・ガラス質形成工程で形成されたドロスを除去する除去工程を省略してもよい。
・電子部品パッケージ18の製造方法において、パッケージ工程では、上記収容工程と装着工程とを行った後にガラス質層形成工程を行うこともできる。
・ガラスセラミックス積層板は、回路部を有する電子材料以外の用途に用いることもできる。
11…ガラスセラミックス積層板、12…基板、13…ガラス質層、14…凹部、15…母材、18…電子部品パッケージ、19…電子部品、20…蓋材、CL…切断予定線、LA…レーザー光。

Claims (8)

  1. ガラスセラミックスの積層構造を有する基板と、前記基板の積層構造の層間を封止するように前記基板の端面に設けられたガラス質層と、を備え
    前記ガラスセラミックスは、ガラスマトリックス中に粒子状態のセラミックスフィラーが分散されてなり、
    前記ガラス質層は、前記粒子状態のセラミックスフィラーを実質的に含まないことを特徴とするガラスセラミックス積層板。
  2. 前記基板は、当該基板の主面に開口する凹部を有することを特徴とする請求項1に記載のガラスセラミックス積層板。
  3. 前記ガラス質層の厚さは、5μm以上、50μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラスセラミックス積層板。
  4. ガラスセラミックスの積層構造を有する基板と、前記基板の積層構造の層間を封止するように前記基板の端面に設けられたガラス質層と、を備えるガラスセラミックス積層板の製造方法であって、
    前記ガラスセラミックスは、ガラスマトリックス中に粒子状態のセラミックスフィラーが分散されてなり、
    前記ガラス質層は、前記粒子状態のセラミックスフィラーを実質的に含まないものであり、
    前記ガラスセラミックス積層板の母材を準備する準備工程と、
    前記母材を切断する切断予定線に沿って前記母材を溶断するレーザー光を走査することで前記ガラス質層を形成するガラス質層形成工程と、を備えることを特徴とするガラスセラミックス積層板の製造方法。
  5. 前記母材の溶断時に形成されたドロスを前記ガラス質層形成工程の後に除去する除去工程をさらに備えることを特徴とする請求項に記載のガラスセラミックス積層板の製造方法。
  6. 前記ガラスセラミックス積層板の母材は、当該母材の両主面のうち一方の主面に開口する凹部を有し、
    前記ガラス質層形成工程において、前記母材の両主面のうち他方の主面側から前記レーザー光を照射することを特徴とする請求項又は請求項に記載のガラスセラミックス積層板の製造方法。
  7. ガラスセラミックス積層板と電子部品と蓋材とを備える電子部品パッケージであって、
    前記ガラスセラミックス積層板は、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板と、前記基板の積層構造の層間を封止するように前記基板の端面に設けられたガラス質層と、を備え、
    前記ガラスセラミックスは、ガラスマトリックス中に粒子状態のセラミックスフィラーが分散されてなり、
    前記ガラス質層は、前記粒子状態のセラミックスフィラーを実質的に含まないものであり、
    前記基板は、当該基板の主面に開口する凹部を有し、前記凹部に前記電子部品が収容されるとともに、前記凹部の開口は、前記蓋材により封止されていることを特徴とする電子部品パッケージ。
  8. ガラスセラミックス積層板と電子部品と蓋材とを備える電子部品パッケージの製造方法であって、
    前記ガラスセラミックス積層板は、ガラスセラミックスの積層構造を有する基板と、前記基板の積層構造の層間を封止するように前記基板の端面に設けられたガラス質層と、を備え、
    前記ガラスセラミックスは、ガラスマトリックス中に粒子状態のセラミックスフィラーが分散されてなり、
    前記ガラス質層は、前記粒子状態のセラミックスフィラーを実質的に含まないものであり、
    前記基板は、当該基板の主面に開口する凹部を有し、
    前記製造方法は、前記ガラスセラミックス積層板の母材を準備する準備工程と、パッケージ工程とを備え、
    前記パッケージ工程は、前記凹部に前記電子部品を収容する収容工程と、前記電子部品が収容された前記凹部の開口を封止するための蓋材を装着する装着工程と、前記母材を切断する切断予定線に沿って前記母材を溶断するレーザー光を走査することで前記ガラス質層を形成するガラス質層形成工程と、を備えることを特徴とする電子部品パッケージの製造方法。
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