<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る生体解析装置100の側面図である。生体解析装置100は、被験者の生体の血流に関する指標(以下「血流指標」という)を非侵襲的に測定する測定機器である。被験者の身体のうち特定の部位(以下「測定部位」という)Hに生体解析装置100が装着される。例えば手首または上腕が測定部位Hとして例示される。
生体解析装置100は、測定部位Hに装着される。第1実施形態の生体解析装置100は、図1に例示される通り、筐体部12と取付部材14(14A,14B)と弾性部材16と留め具18とを具備する腕時計型の携帯機器である。筐体部12は、光透過性の透過部121(例えばガラス板)を含む中空の構造体である。筐体部12において測定部位Hに対向する表面に透過部121が設置される。生体解析装置100の使用時には、利用者は透過部121を測定部位Hに密着させる。なお、生体解析装置100の具体的な構造については後述する。
図2は、生体解析装置100の電気的な構成図である。生体解析装置100は、検出装置30と生体解析部22と表示装置23とを具備する。生体解析部22および検出装置30は、筐体部12の内部に設置される。つまり、筐体部12は、照明装置31を収容する構造体である。表示装置23(例えば液晶表示パネル)は、図1に例示される通り、例えば筐体部12における測定部位Hとは反対側の表面に設置される。表示装置23は、測定結果を含む各種の画像を表示する。
検出装置30は、測定部位Hの状態に応じた検出信号Sを生成する光学センサーモジュールである。図2に例示される通り、第1実施形態の検出装置30は、照明装置31と受光部Rと出力回路34とを具備する。照明装置31および受光部Rは、例えば筐体部12において測定部位Hに対向する位置に設置される。
照明装置31は、生体(測定部位H)にレーザー光を照射する照明機器である。第1実施形態の照明装置31は、発光部Eと駆動回路313と遮光部315と移動機構317とを具備する。なお、駆動回路313および出力回路34の一方または双方を検出装置30とは別体の外部回路として設置することも可能である。遮光部315と移動機構317とについては、後述する。
発光部Eは、測定部位Hに光を照射する光源である。狭帯域でコヒーレントなレーザー光が発光部Eから測定部位Hに照射される。例えば共振器内の共振によりレーザー光を出射するVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)等の発光素子が発光部Eとして好適に利用される。第1実施形態の発光部Eは、例えば近赤外領域内の所定の波長λ(λ=800nm〜1300nm)の光を測定部位Hに照射する。駆動回路313は、発光部Eに電力を供給する。なお、相異なる波長の光を出射する複数の発光素子を発光部Eとして利用してもよい。照明装置31から出射したレーザー光は、透過部121を通過して測定部位Hに入射する。なお、発光部Eが出射する光は近赤外光に限定されない。ただし、近赤外領域の光は生体組織を透過するから、生体に関する指標の測定に好適であるという利点がある。
照明装置31から測定部位Hに入射した光は、測定部位Hの内部を通過しながら拡散反射を繰返したうえで筐体部12側に出射する。具体的には、測定部位Hの内部に存在する動脈(例えば、上腕動脈、橈骨動脈または尺骨動脈)等の血管と血管内の血液とを通過した光が測定部位Hから筐体部12側に出射する。測定部位Hから出射した光は、透過部121を通過して受光部Rに入射する。
受光部Rは、レーザー光の照射により測定部位Hから出射する光を受光する。例えば、受光強度に応じた電荷を発生するフォトダイオード(PD:Photo Diode)等の受光素子が受光部Rとして利用される。具体的には、近赤外領域に高い感度を示すInGaAs(インジウムガリウム砒素)で光電変換層が形成された受光素子が受光部Rとして好適である。発光部Eと受光部Rとは、平面視において(例えば透過部121の表面に垂直な方向からみて)透過部121と重なるように設置される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の検出装置30は、発光部Eと受光部Rとが測定部位Hに対して片側に位置する反射型の光学センサーである。ただし、発光部Eと受光部Rとが測定部位Hを挟んで反対側に位置する透過型の光学センサーを検出装置30として利用してもよい。
出力回路34は、受光部Rが受光した光の強度に応じた検出信号Sを生成する。具体的には、出力回路34は、受光部Rに発生した電荷に応じた電圧の出力信号を生成する増幅回路(図示略)と、増幅回路の出力信号をアナログからデジタルに変換することで検出信号Sを生成するA/D変換器(図示略)とを具備する。出力回路34が生成した検出信号Sは、生体解析部22に供給される。照明装置31と装着部90とを含む部分は、測定部位Hに対してレーザー光を照射する光学装置として機能する。第1実施形態の生体解析装置100は、光学装置を具備する。
図2の受光部Rに到達する光は、測定部位Hの内部において静止する組織(静止組織)で拡散反射した成分と、測定部位Hの内部の動脈の内部において移動する物体(典型的には赤血球)で拡散反射した成分とを含む。静止組織での拡散反射の前後において光の周波数は変化しない。他方、赤血球での拡散反射の前後では、赤血球の移動速度(すなわち血流速度)に比例した変化量(以下「周波数シフト量」という)だけ光の周波数が変化する。すなわち、測定部位Hを通過して受光部Rに到達する光は、発光部Eが出射する光の周波数に対して周波数シフト量だけ変動(周波数シフト)した成分を含有する。生体解析部22に供給される検出信号Sは、測定部位Hの内部の血流による周波数シフトが反映された光ビート信号である。
生体解析部22は、検出装置30が生成した検出信号S(つまり受光部Rの受光強度)に応じて血流指標を算定する。例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算処理装置がプログラムを実行することで生体解析部22が実現される。第1実施形態の生体解析部22は、血流量指標F(いわゆるFLOW値)を血流指標として算定する。血流量指標Fは、測定部位Hの血流量(すなわち単位時間内に動脈内を移動する血液の体積)の指標である。具体的には、生体解析部22は、検出信号Sから強度スペクトルを算定し、当該強度スペクトルから血流量指標Fを算定する。血流量指標Fは、以下の数式(1a)の演算により算定される。数式(1a)の記号<I
2>は、検出信号Sの全帯域にわたる平均強度、または、強度スペクトルXのうち0Hzにおける強度G(0)(すなわち直流成分の強度)である。
数式(1a)から理解される通り、強度スペクトルにおける各周波数fの信号強度G(f)と当該周波数fとの積である1次モーメント(f×G(f))を、周波数軸上の下限値f1と上限値f2との間の範囲について積算することで血流量指標Fが算定される。なお、生体解析部22は、数式(1a)の積分を総和(Σ)に置換した以下の数式(1b)の演算により血流量指標Fを算定してもよい。生体解析部22による血流量指標Fの算定は、単位期間毎に反復的に実行される。表示装置23は、生体解析部22が算定した血流量指標Fを表示する。
以下、生体解析装置100の具体的な構造について説明する。被験者は、筐体部12と取付部材14(14A,14B)とを利用して、生体解析装置100を自身の測定部位Hに対して着脱可能である。すなわち、筐体部12(第1部分の例示)と取付部材14Aと取付部材14B(第2部分の例示)とは、生体解析装置100を生体に着脱するための装着部90として機能する。生体解析装置100は前述の通り照明装置31(検出装置30)を含むから、装着部90は、照明装置31を生体に着脱するための機構とも換言される。
図3は、照明装置31が測定部位Hに装着された状態における生体解析装置100を表示装置23に垂直な方向からみた平面図であり、図4は、照明装置31が測定部位Hから外された状態における生体解析装置100を表示装置23に垂直な方向からみた平面図である。図3および図4に例示される通り、取付部材14(14A,14B)は、測定部位H(生体)の周方向に沿う帯状の部材である。例えば樹脂材料または革素材で作成されたベルトが取付部材14として好適である。取付部材14Aは、基端部が筐体部12に連結される。他方、取付部材14Bの基端部は、筐体部12を挟んで取付部材14Aとは反対側において、弾性部材16を介して筐体部12に連結される。すなわち、筐体部12と取付部材14Aとは弾性部材16により連結される。例えばゴム等の弾性体が弾性部材16として好適である。
図1の留め具18は、例えば環状の構造体であり、取付部材14Aの先端部に設置される。なお、取付部材14Bの先端部に留め具18を設置してもよい。取付部材14Aと取付部材14Bを測定部位Hに巻回した状態で、取付部材14Aに設置された留め具18に取付部材14Bを通すことで照明装置31が測定部位Hに装着される。
ここで、装着部90は、筐体部12と取付部材14Bとの位置関係が異なる第1状態または第2状態となる。図3に示される装着部90は、第1状態であり、図4に示される装着部90は第2状態である。図3に例示される通り、第1状態は、筐体部12と取付部材14Bとが離間した状態である。他方、図4に例示される通り、第2状態は、筐体部12と取付部材14Bとが第1状態よりも近接した状態である。すなわち、筐体部12と取付部材14Bとの間の距離が第1状態と第2状態とでは相違する。装着部90は、第1状態および第2状態の一方から他方に変化する。
筐体部12(具体的には透過部121)が測定部位Hの表面に密着するように生体解析装置100が測定部位Hに装着された状態では、弾性部材16が弾性的に伸長した状態で筐体部12と取付部材14Bとが離間するから、装着部90は第1状態にある。すなわち、装着部90が張力をもって測定部位Hに巻回されることで筐体部12が測定部位Hの表面を押圧する状態は第1状態である。換言すると、筐体部12と測定部位Hとが相互に密着し、両者間の隙間から外部に光が漏洩しない状態では、装着部90は第1状態にある。
他方、生体解析装置100が測定部位Hから取り外されて外力が作用しない状態では、弾性部材16が開放されて自然長となり、結果的に筐体部12と取付部材14Bとが相互に近接するから、筐体部12と取付部材14Bとの距離が第1状態と比較して短い第2状態にある。すなわち、筐体部12が測定部位Hの表面に密着しない状態では、装着部90は第2状態にある。換言すると、筐体部12が測定部位Hの表面から離間し、両者間の隙間から外部に光が漏洩する状態では、装着部90は第2状態にある。
第1実施形態の照明装置31は、生体にレーザー光を照射する状態(以下「照射状態」という)と、生体にレーザー光を照射しない状態(以下「非照射状態」という)とになる。装着部90が第1状態にある場合に照明装置31が照射状態となり、装着部90が第2状態にある場合に照明装置31が非照射状態になるように、筐体部12と取付部材14Bとの位置関係に応じて照射状態と非照射状態とが切り替わる。第1実施形態では、遮光部315と移動機構317とを利用することで、照明装置31の照射状態と非照射状態とを機械的に切り替える。
遮光部315と移動機構317とは筐体部12の内部に設置される。遮光部315は、発光部Eから出射するレーザー光を遮光可能な板状部材である。例えば透過部121全体を被覆可能な大きさに遮光部315が形成される。図5は、照明装置31が照射状態にある場合の筐体部12の断面図であり、図6は、照明装置31が非照射状態にある場合の筐体部12の断面図である。図5および図6に例示される通り、遮光部315は、発光部Eと透過部121との間の平面内に位置する。
図3および図4の移動機構317は、筐体部12と取付部材14Bとの位置関係に応じて遮光部315を移動させる。具体的には、移動機構317は、遮光部315を、発光部Eからのレーザー光を遮光しない位置と、レーザー光を遮光する位置との間で移動させる。第1実施形態の移動機構317は、装着部90が第1状態である場合に、発光部Eが出射したレーザー光を遮光しない位置に遮光部315を移動させることで照明装置31を照射状態にし、装着部90が第2状態である場合に、発光部Eが出射したレーザー光を遮光する位置に遮光部315を移動させることで照明装置31を非照射状態にする。第1状態では、平面視において発光部Eに重ならない位置に遮光部315が移動し、第2状態では、平面視において発光部Eに重なる位置に遮光部315が移動する。
図3および図4に例示される通り、第1実施形態の移動機構317は、付勢部材171と連動部173とで構成される。連動部173は、第1端部U1と第1端部U1とは反対側の第2端部U2とを含む長尺状の部材である。第1端部U1は遮光部315に連結され、第2端部U2は取付部材14Bに連結される。付勢部材171(図3および図4の例示ではバネ)は、第2端部U2からみて第1端部U1側に連動部173を付勢する。具体的には、付勢部材171の一端が連動部173の第1端部U1に連結され、付勢部材171の他端が筐体部12に固定される。遮光部315は、筐体部12に設置された回転軸Pにより筐体部12に軸支され、当該回転軸Pを中心として回転可能である。遮光部315のうち回転軸Pからみて一方側の部分aが発光部E(さらには透過部121)と重なり得る。遮光部315のうち回転軸Pからみて他方側の部分bに連動部173の第1端部U1が連結される。以上の構成を採用することで、取付部材14Bに連動して連動部173も移動する。具体的には、利用者が生体解析装置100を測定部位Hに装着するために取付部材14Bを筐体部12に対して引張ると、取付部材14Bが筐体部12と離間する方向に移動するから、連動部173はX方向の正側(図中の右方向)に移動する。他方、生体解析装置100を測定部位Hから取り外す過程では、弾性部材16の復元力により取付部材14Bが筐体部12に近接する方向に移動するから、連動部173はX方向の負側(図中の左方向)に移動する。連動部173に連結された遮光部315も連動部173に連動して移動する。図3および図4のX方向は、取付部材14Aまたは取付部材14Bが延在する方向(生体の周方向)に相当する。
装着部90が第2状態から第1状態に遷移する過程では、連動部173の移動により、平面視において発光部Eに重ならない位置(つまり発光部Eからのレーザー光を遮光しない位置)まで遮光部315が反時計回りに回転する。したがって、図3および図5に例示される通り、筐体部12から取付部材14Bが離間して第1状態では、遮光部315は、透過部121全体に重ならない位置に配置される。つまり、第1状態において遮光部315は発光部Eおよび受光部Rとの双方に重ならず、照明装置31は照射状態となる。他方、装着部90が第1状態から第2状態に遷移する過程では、連動部173の移動により、平面視において発光部Eに重なる位置(つまり発光部Eからのレーザー光を遮光する位置)まで遮光部315が時計回りに回転する。したがって、図4および図6に例示される通り、筐体部12に取付部材14Bが近接する第2状態では、透過部121全体に重なる位置に遮光部315が配置される。つまり、第2状態において遮光部315は発光部Eと受光部Rとの双方に重なり、照明装置31は非照射状態となる。
ここで、例えばレーザー光を常時出射している光学装置(以下「対比例」という)では、身体への誤射(例えば目への誤射)が問題となり得る。第1実施形態では、測定部位Hに照明装置31が装着されている場合には照明装置31が照射状態となり、照明装置31が測定部位Hから外された場合には照明装置31が非照射状態となる。したがって、対比例と比較して、身体への誤射の可能性を低減することが可能である。
第1実施形態では特に、第1状態において照明装置31が照射状態となり、第2状態において照明装置31が非照射状態となるように、筐体部12と取付部材14Bとの位置関係に応じて照射状態と非照射状態とが切り替わるから、例えば照明装置31の装着を検出するタッチセンサーの信号に応じて照明装置31の照射状態と非照射状態とが切り替わる構成と比較して、光学装置の省電力化が可能である。また、照明装置31を装着するために取付部材14(14A,14B)を生体に巻回すると筐体部12と取付部材14Bとが離間して第1状態になり、取付部材14(14A,14B)を生体から外すと筐体部12と取付部材14Bとが近接して第2状態になるから、照明装置31を生体に着脱する動作により照射状態と非照射状態とを簡便に切り替えることができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。以下に例示する各態様において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第1実施形態では、遮光部315を回転移動させることで、照明装置31の照射状態と非照射状態とを切り替えた。それに対して、第2実施形態では、遮光部315を平行移動させることで、照明装置31の照射状態と非照射状態とを切り替える。
図7は、第2実施形態における装着部90が第1状態にある場合(つまり照明装置31が照射状態にある場合)の生体解析装置100の平面図であり、図8は、第2実施形態における装着部90が第2状態にある場合(つまり照明装置31が非照射状態にある場合)の生体解析装置100の平面図である。第2実施形態の移動機構317は、第1実施形態と同様の付勢部材171および連動部173とに加えて、遮光部315の移動を規制するガイド部175(175A,175B)を具備する。
第1実施形態と同様に、連動部173の第1端部U1は遮光部315に連結され、連動部173の第2端部U2が取付部材14Bに連結される。また、第1実施形態と同様に、付勢部材171の一端が連動部173の第1端部U1に連結され、付勢部材171の他端が筐体部12に固定される。ガイド部175(175A,175B)は、長尺状の部材であり、遮光部315の移動方向を、X方向に規制する。具体的には、遮光部315を上下から挟むように相互に平行に配置されたガイド部175Aとガイド部175Bとが、筐体部12の内部に設置される。第2実施形態の遮光部315は、ガイド部175(175A,175B)により筐体部12に支持される。
装着部90が第2状態から第1状態に遷移する過程では、連動部173の移動により、発光部Eに重ならない位置までX方向の正側に遮光部315が平行移動する。したがって、図7に例示される通り、第1状態では、遮光部315は、発光部Eに重ならない位置に配置される。つまり、照明装置31が照射状態になる。他方、装着部90が第1状態から第2状態に遷移する過程では、連動部173の移動により、発光部Eに重なる位置までX方向の負側に遮光部315が平行移動する。したがって、図8に例示される通り、第2状態では、遮光部315は、発光部Eに重なる位置に配置される。つまり、照明装置31が非照射状態になる。第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第1実施形態および第2実施形態の例示から理解される通り、「遮光部の移動」は、平行移動(第2実施形態)と回転移動(第1実施形態)との双方を含む概念である。
<第3実施形態>
第3実施形態においても第2実施形態と同様に、移動機構317が遮光部315を平行移動させることで、照明装置31の照射状態と非照射状態とを切り替える。図9は、第3実施形態における装着部90が第1状態にある場合(つまり照明装置31が照射状態にある場合)の生体解析装置100の平面図であり、図10は、第3実施形態における装着部90が第2状態にある場合(つまり照明装置31が非照射状態にある場合)の生体解析装置100の平面図である。
第3実施形態の移動機構317は、第2実施形態と連動部173と付勢部材171とガイド部175(175A,175B)とに加えて、連結部177を具備する。連結部177は、回転軸Pにより筐体部12に軸支される。連結部177の一端は連動部173に連結される。連結部177の他端(遮光部315側の端部)には軸方向に沿う長円の貫通孔179が形成される。第2実施形態の遮光部315には突起60が形成され、当該突起60が連結部177の貫通孔179に挿入される。遮光部315の突起60は、第2状態では連結部177の貫通光において連動部173側に位置し、第1状態では貫通孔179において連動部173とは反対側に位置する。
装着部90が第2状態から第1状態に遷移する過程では、連動部173の移動により、発光部Eに重ならない位置までX方向の正側に遮光部315が平行移動する。したがって、図9に例示される通り、第1状態では、遮光部315は、発光部Eに重ならない位置に配置される。つまり、照明装置31が照射状態になる。他方、装着部90が第1状態から第2状態に遷移する過程では、連動部173の移動により、発光部Eに重なる位置までX方向の負側に遮光部315が平行移動する。したがって、図10に例示される通り、第2状態では、遮光部315は、発光部Eに重なる位置に配置される。つまり、照明装置31が非照射状態になる。第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
<第4実施形態>
前述の各形態では、筐体部12と取付部材14Bとの位置関係に応じて照射状態と非照射状態とを切り替えた。それに対して第4実施形態では、筐体部12(第1部分の例示)と取付部材14Aおよび取付部材14Bとの位置関係に応じて照射状態と非照射状態とを切り替える。つまり、筐体部12と2つ以上の部材(取付部材14A,取付部材14B)との位置関係に応じて照射状態と非照射状態とを切り替えてもよい。第4実施形態では、取付部材14Aおよび取付部材14Bの一対が「第2部分」に相当する。
図11は、第4実施形態における装着部90が第1状態にある場合(つまり照明装置31が照射状態にある場合)の生体解析装置100の平面図であり、図12は、第4実施形態における装着部90が第2状態にある場合(つまり照明装置31が非照射状態にある場合)の生体解析装置100の平面図である。第4実施形態の取付部材14Aは、取付部材14Bと同様に、弾性部材16を介して筐体部12に連結される。第1状態は、取付部材14Aおよび取付部材14Bの双方が筐体部12から離間した状態である。他方、第2状態は、取付部材14Aおよび取付部材14Bの双方が第1状態よりも筐体部12に対して近接した状態である。
生体解析装置100が測定部位Hに装着された状態では、取付部材14Aおよび取付部材14Bの各々に連結された弾性部材16が弾性的に伸長するから、筐体部12から取付部材14Aと取付部材14Bとが離間する。したがって、装着部90が第1状態になる。他方、生体解析装置100が測定部位Hから取り外された状態では、取付部材14Aおよび取付部材14Bの各々に連結された弾性部材16が開放されて自然長になるから、筐体部12に取付部材14Aと取付部材14Bとが近接する。したがって、装着部90が第2状態になる。
第4実施形態の遮光部315は、第1部材315Aと第2部材315Bとで構成される。第1部材315Aと第2部材315Bとは、第1部材315Aと第2部材315Bとの双方で透過部121を被覆可能な大きさに形成される。第4実施形態の移動機構317は、筐体部12と取付部材14Aおよび取付部材14Bとの位置関係に応じて遮光部315を移動させる。具体的には、移動機構317は、筐体部12と取付部材14Aとの位置関係に応じて遮光部315のうち第1部材315Aを移動させ、筐体部12と取付部材14Bとの位置関係に応じて遮光部315のうち第2部材315Bを移動させる。
第4実施形態の移動機構317は、第2実施形態と同様のガイド部175(175A,175B)と、第1部材315Aに対応する第1連動部173Aと、第2部材315Bに対応する第2連動部173Bとを含む。第1連動部173Aは、取付部材14Aと遮光部315の第1部材315Aとを連結する長尺状の部材であり、第2連動部173Bは、取付部材14Bと遮光部315の第2部材315Bとを連結する長尺状の部材である。取付部材14Aに連動して第1連動部173Aが移動し、取付部材14Bに連動して第2連動部173Bが移動するから、結果的に第1連動部173Aに連結する第1部材315Aと第2連動部173Bに連結する第2部材315Bとが移動する。
装着部90が第2状態から第1状態に遷移する過程では、第1連動部173AがX方向の負側に移動し、第2連動部173BがX方向の正側に移動することにより、発光部Eに重ならない位置まで遮光部315が移動する。具体的には、第1部材315AはX方向の負側に移動し、第2部材315BはX方向の正側に移動する(つまり第1部材315Aと第2部材315Bとが相互に離間するように移動する)。したがって、第1状態では、透過部121全体に重ならない位置に遮光部315が配置される。具体的には、第1部材315Aと第2部材315Bとが透過部121を挟んで相互に離間して配置される。
装着部90が第1状態から第2状態に遷移する過程では、第1連動部173AがX方向の正側に移動し、第2連動部173BがX方向の負側に移動することにより、発光部Eに重なる位置まで遮光部315が移動する。具体的には、第1部材315AはX方向の正側に移動し、第2部材315BはX方向の負側に移動する(つまり第1部材315Aと第2部材315Bとが相互に近接するように移動する)。したがって、筐体部12に取付部材14(14A,14B)が近接した第2状態では、透過部121全体に重なる位置に遮光部315が配置される。具体的には、第1部材315Aと第2部材315Bとが接触するように配置される。第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
<第5実施形態>
前述の各形態では、遮光部315と移動機構317とを利用して機械的に照射状態と非照射状態と切り替えた。それに対して第5実施形態では、電気的に照射状態と非照射状態とを切り替える。つまり、照射状態と非照射状態との切り替えには、機械的な機構の利用に限定されず、電気的な機構を利用してもよい。
第5実施形態の駆動回路313は、筐体部12と取付部材14との位置関係に応じて発光部Eへの電力の供給を制御する。具体的には、駆動回路313は、装着部90が第1状態である場合に、発光部Eに電力を供給することで照明装置31を照射状態にし、装着部90が第2状態である場合に、発光部Eに電力を供給しないことで照明装置31を非照射状態にする。図13は、第5実施形態における駆動回路313の部分的な構成図である。図13に例示される通り、駆動回路313はスイッチ50を具備する。照射状態と非照射状態との切り替えには、図13のスイッチ50が利用される。筐体部12から取付部材14が離間した第1状態では、スイッチ50がオンになっている。したがって、駆動回路313から発光部Eへの電力が供給され、照明装置31は照射状態となる。他方、筐体部12に取付部材14が近接した第2状態では、スイッチ50がオフされている。したがって、駆動回路313から発光部Eに電力が供給されず、照明装置31は非照射状態となる。
第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第5実施形態では特に、装着部90が第1状態である場合に、発光部Eに電力を供給することで照明装置31を照射状態にし、装着部90が第2状態である場合に、発光部Eに電力を供給しないことで照明装置31を非照射状態にするから、機械的に発光部Eを遮光する構成が不要になるという利点がある。それに対して、機械的に照射状態と非照射状態とを切り替える第1実施形態から第4実施形態では、筐体部12と取付部材14との位置関係に応じて発光部Eの発光および消灯を制御する構成が不要になるという利点がある。なお、照射状態と非照射状態とを機械的に切り替える構成(第1実施形態から第4実施形態)と、照射状態と非照射状態とを電気的に切り替える構成(第5実施形態)とを組み合わせて使用してもよい。
第1実施形態から第5実施形態では、装着部を構成する第1部分と第2部分とが別体である構成を例示したが、第1部分と第2部分とを一体に構成してもよい。第1部分の典型例は、照明装置31を収容する構造体(例えば筐体部12)であり、第2部分は、第1部分に対する位置関係が変化し得る部分である。例えば、第1部分と一体に構成されて生体へ着脱時に弾性的に変形する部分、または、第1部分と別体に構成されて生体への着脱時に第1部分に対して離間または接近する部分(前述の各形態における取付部材14B)が、第2部分の好適例である。
<第6実施形態>
図14は、第6実施形態における生体解析装置100の使用例を示す模式図である。図14に例示される通り、生体解析装置100は、相互に別体で構成された検出ユニット71と表示ユニット72とを具備する。検出ユニット71は、装着部90と、前述の各形態で例示した検出装置30とを具備する。図14には、被験者の上腕に装着される形態の検出ユニット71が例示されている。図15に例示される通り、被験者の手首に装着される形態の検出ユニット71も好適である。
第6実施形態の装着部90は、測定部位H(生体)の周方向に沿う帯状の部材(例えばベルト)であり、測定部位Hに巻回される。検出装置30(照明装置31)は、装着部90に収容さる。装着部90のうち照明装置31が収容されている部分が第1部分であり、第1部分に対する位置関係が変化し得る部分が第2部分である。つまり、第6実施形態では、第1部分と第2部分とが一体に構成される。
表示ユニット72は、前述の各形態で例示した表示装置23を具備する。例えば携帯電話機またはスマートフォン等の情報端末が表示ユニット72の好適例である。ただし、表示ユニット72の具体的な形態は任意である。例えば、被験者が携帯可能な腕時計型の情報端末、または、生体解析装置100の専用の情報端末を表示ユニット72として利用してもよい。
生体解析部22は、例えば表示ユニット72に搭載される。検出ユニット71の検出装置30が生成した検出信号Sが有線または無線で表示ユニット72に送信される。表示ユニット72の生体解析部22は、検出信号Sから血流量指標Fを算定して表示装置23に表示する。
なお、生体解析部22を検出ユニット71に搭載してもよい。生体解析部22は、検出装置30が生成した検出信号Sから血流量指標Fを算定し、当該血流量指標Fを表示するためのデータを表示ユニット72に有線または無線で送信する。表示ユニット72の表示装置23は、検出ユニット71から受信したデータが示す血流量指標Fを表示する。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
(1)前述の各形態では、筐体部12と帯状の取付部材14とを含む腕時計型の生体解析装置100を例示したが、生体解析装置100の形態は以上の例示に限定されない。図16および図17に例示される通り、クリップ型の生体解析装置100も採用され得る。例えば測定部位Hを挟みこむことで生体解析装置100(つまり照明装置31)が装着される。具体的には、装着部90は、取付部材14C(第1部分の例示)と取付部材14D(第2部分の例示)とを具備する。
取付部材14Cは、挟持部14C1と操作部14C2とを具備する長尺状の部材である。同様に、取付部材14Dは、挟持部14D1と操作部14D2とを具備する長尺状の部材である。挟持部14C1および挟持部14D1は、測定部位Hの周方向に沿って湾曲した円弧状の部分である。測定部位Hは挟持部14C1と挟持部14D1との間に挟持される。操作部14C2および操作部14D2は、測定部位Hに装着部90を着脱するために利用者が操作する部分である。取付部材14Cの挟持部14C1と操作部14C2との間の部位と、取付部材14Dの挟持部14D1と操作部14D2との間の部位とが回転軸Pで相互に軸支される。
操作部14C2と操作部14D2との間には弾性部材19(例えばバネ)が配置される。弾性部材19は、操作部14C2と操作部14D2とが相互に接近する方向に両者を付勢する。利用者は、弾性部材19による付勢に抗して操作部14C2と操作部14D2とを相互に離間させることで挟持部14C1と挟持部14D1とを相互に離間させ、挟持部14C1と挟持部D1との間に測定部位Hを位置させた状態で操作部14C2および操作部14D2を解放する。したがって、測定部位Hが挟持部14C1と挟持部14C2により上下方向から押圧された状態となる。
検出装置30および表示装置23は、取付部材14Cの挟持部14C1に収容される。つまり、装着部90において筐体部12は必須ではない。図16に例示されるように測定部位Hが挟持部14C1と挟持部14D1との間に挟持された状態(すなわち挟持部14C1と挟持部14D1とが相互に離間した状態)が第1状態である。他方、図17に例示されるように測定部位Hが挟持部14C1と挟持部14D1との間に存在しない状態(すなわち操作部14C2または操作部14D2に外力が作用せず、挟持部14C1と挟持部14D1とが第1状態より近接した状態)が第2状態である。第1実施形態から第4実施形態の例示と同様に、図16の第1状態では照明装置31が照射状態となり、図17の第2状態では照明装置31が非照射状態となる。取付部材14C(第1部分)と取付部材14D(第2部分)との位置関係に応じて照明装置31を照射状態または非照射状態に機械的に切り替えるため具体的な構成は任意である。なお、第5実施形態の例示と同様に、照射状態と非照射状態とを電気的に切り替える構成を採用してもよい。
また、被験者の耳部に装着可能な耳装着型、被験者の指先に装着可能な指装着型(例えば着爪型)、または、被験者の頭部に装着可能な頭部装着型など、任意の形態の生体解析装置100が採用され得る。以上の説明から理解される通り、装着部90の具体的な形態は任意である。また、第1部分および第2部分の形態は装着部の形態に応じて任意に変更し得る。
(2)前述の各形態では、第1部分(筐体部12)と第2部分(取付部材14)とが離間した状態を第1状態として例示し、第1部分と第2部分とが近接した状態を第2状態として例示したが、第1状態および第2状態は以上の例示に限定されない。例えば、第1部分と第2部分とが近接した状態を第1状態とし、第1部分と第2部分とが離間した状態を第2状態としてもよい。第1状態における第1部分と第2部分との位置関係と、第2状態における第1部分と第2部分との位置関係とは、生体解析装置100の形態に応じて任意に変更し得る。以上の説明から理解される通り、第1部分と第2部分との位置関係が異なる2つの状態が第1状態および第2状態である。第1状態の典型例は、照明装置が生体に対して適正に装着された状態であり、第2状態の典型例は、照明装置が生体から外された状態である。
(3)第1実施形態から第4実施形態では、遮光部315と移動機構317とを利用して照射状態と非照射状態とを機械的に切り替えたが、照射状態と非照射状態とを機械的に切り替えるために利用する要素は遮光部315と移動機構317とに限定されない。例えば遮光部315および移動機構317とそれら以外の要素とを利用してもよい。また、遮光部315の形態は任意である。例えば、第1部分と第2部分との位置関係に応じて開閉が切り替わる複数の絞り羽根から構成される絞り機構を遮光部315としてもよい。具体的には、第1状態では複数の絞り羽根が開く位置に配置され、第2状態では複数の絞り羽根が閉じる位置に配置される。
さらには、移動機構317の形態も遮光部315の形態に応じて任意に変更し得る。例えば連動部173のみで移動機構317を構成してもよい。つまり、連動部173と付勢部材171とにより移動機構317を構成することは必須ではない。ただし、取付部材14Bに連結された連動部173が付勢部材171により付勢されている第1実施形態から第3実施形態によれば、生体から照明装置31を外すと付勢部材171への外力が開放されて第2状態になる。したがって、照明装置31を生体に着脱する動作により照射状態と非照射状態とを簡便に切り替えることができる。以上の説明から理解される通り、照射状態と非照射状態とを機械的に切り替えるための機構(インターロック)の具体的な構造は任意である。
(4)前述の各形態では、生体解析装置100は筐体部12と取付部材14とを連結する弾性部材16を具備したが、弾性部材16は生体解析装置100において必須ではない。非伸縮性の部材を筐体部12と取付部材14との連結に使用してもよい。ただし、筐体部12と取付部材14とが弾性部材16により連結される前述の各形態によれば、照明装置31を生体に密着させて装着することが可能である。また、弾性がある帯状の取付部材14を筐体部12に連結させて、当該取付部材14の伸縮を利用して連動部173を移動させてもよい。つまり、筐体部12と取付部材14とを連結する要素(例えば前述の弾性部材16)は必須ではない。
(5)第5実施形態では、駆動回路313のスイッチ50を利用することで、筐体部12と取付部材14との位置関係に応じて発光部Eへの電力の供給を制御したが、照射状態と非照射状態とを電気的に切り替えるための構成(インターロック)は以上の例示に限定されない。例えば、第1状態において駆動回路313に電力を供給し、第2状態では駆動回路313に対する電力の供給を停止する構成でも、照明装置を、第5実施形態と同様に照射状態および非照射状態の一方から他方に制御できる。
(6)前述の各形態では、生体解析部22は血流量指標Fを血流指標として算定したが、生体解析部22が算定する血流指標は以上の例示に限定されない。例えば血流量指標Fに応じた血流量、または、血流量を血管の断面積で除算した血流速度を血流指標として算定することも可能である。また、生体解析部22が算定する指標は血流指標に限定されない。例えば血液量指標(いわゆるMASS値)、酸素飽和度(SpO2)、または、生体の血圧に関する指標(例えば血圧、平均血圧または脈圧)を生体解析部22が算定してもよい。以上に例示した各指標は、生体に関する指標(以下「生体指標」という)として包括的に表現される。生体解析部22は、受光部Rの受光強度に応じて生体指標を算定する要素として機能する。なお、生体解析部22が算定した生体指標(例えば血圧)から、被験者の状態(例えば血圧状態)を複数の段階(例えば、異常/高目/通常、など)から特定して被験者に報知することも可能である。
(7)前述の各形態では、筐体部12が透過部121を具備したが、筐体部12において透過部121は必須ではない。例えば発光部Eからの出射光が通過する貫通孔を透過部121に変えて形成してもよい。
(8)前述の各形態では、単体の機器として構成された生体解析装置100を例示したが、以下の例示の通り、生体解析装置100の複数の要素は相互に別体の装置として実現され得る。
前述の各形態では、生体解析部22および表示装置23を具備する生体解析装置100を例示したが、図18に例示される通り、生体解析部22および表示装置23を生体解析装置100とは別体とした構成も想定される。生体解析装置100は、装着部90と検出装置30(照明装置31)とを具備する。検出装置30は、例えば被験者の手首や上腕等の測定部位Hに装着される可搬型の光学センサーモジュールである。生体解析部22および表示装置23は、例えば携帯電話機またはスマートフォン等の情報端末で実現される。腕時計型の情報端末で生体解析部22および表示装置23を実現してもよい。生体解析装置100(検出装置30)が生成した検出信号Sが有線または無線で情報端末に送信される。情報端末の生体解析部22は、検出信号Sから生体指標を算定して表示装置23に表示する。以上の説明から理解される通り、生体解析部22および表示装置23は生体解析装置100から省略され得る。
前述の各形態では、表示装置23を具備する生体解析装置100を例示したが、図19に例示される通り、表示装置23を生体解析装置100とは別体とした構成も想定される。生体解析装置100の生体解析部22は、検出信号Sから生体指標を算定し、当該生体指標を表示するためのデータを表示装置23に送信する。表示装置23は、専用の表示機器であってもよいが、例えば、携帯電話機もしくはスマートフォン等の情報端末、または、被験者が携帯可能な腕時計型の情報端末に搭載されてもよい。生体解析装置100の生体解析部22が算定した生体指標は、有線または無線により情報端末に送信される。情報端末の表示装置23は、生体解析装置100から受信した生体指標を表示する。以上の説明から理解される通り、表示装置23は生体解析装置100から省略され得る。
図20に例示される通り、生体解析部22を生体解析装置100とは別体とした構成も想定される。例えば、生体解析部22は、携帯電話機やスマートフォン等の情報端末に搭載される。
なお、生体解析装置100と生体解析部22とを別体とした構成において、生体解析装置100に強度スペクトルを算定する要素を搭載することも可能である。生体解析装置100が算定した強度スペクトルが有線または無線により生体解析部22を搭載する端末に送信される。
(9)前述の各形態では、被験者の生体指標を表示装置23に表示したが、生体指標を被験者に報知するための構成は以上の例示に限定されない。例えば、生体指標を音声で被験者に報知することも可能である。被験者の耳部に装着可能な耳装着型の生体解析装置100においては、生体指標を音声で報知する構成が特に好適である。また、生体指標を被験者に報知することは必須ではない。例えば、生体解析装置100が算定した生体指標を通信網から他の通信装置に送信してもよい。また、生体解析装置100の記憶装置(図示略)や生体解析装置100に着脱可能な可搬型の記録媒体に生体指標を格納してもよい。