JPWO2011104888A1 - パルスオキシメータ - Google Patents

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Abstract

大人、小児、新生児を問わず利用でき、指の大きさに合わせて測定キャビティを調整し良好な測定を可能とするパルスオキシメータを提供する。パルスオキシメータ100には、被験者の被験部位(例えば指)を受け入れる測定キャビティ110と、測定キャビティ110を挟んで対向し合う発光部121と受光部122を備えた測定機構120と、筐体130に加え、測定に利用する光線を透過する素材で形成された充填部材140を備えている。充填部材140は湾曲している外面側の曲面の曲率に比べて内面側の曲面の曲率の方が大きく、測定キャビティの内部空間の曲面の曲率を変換せしめるものであり、充填部材140を測定キャビティ110内に入れることにより、指と測定キャビティ110の内部空間との隙間を埋め、指が測定キャビティ110内部空間で遊ばないように挟持せしめることができる。

Description

本発明は、被検体の脈拍数と血液中の酸素飽和度を非侵襲的に測定するためのパルスオキシメータに関する。本発明のパルスオキシメータは単回使用パルスオキシメータ、再使用可能なパルスオキシメータのいずれのタイプであっても適用可能である。
被験者の血液中の酸素濃度を測定する機器として、パルスオキシメータが普及している。パルスオキシメータは、非侵襲的かつ連続的に被検体の血液中の酸素飽和度を測定することができるため、医療現場で新生児から大人まで幅広く標準的に用いられている。
パルスオキシメータは測定原理や構造の違いに応じて透過型パルスオキシメータと反射型パルスオキシメータに分類したり、使用目的・使用回数に応じて単回使用パルスオキシメータと再使用可能なパルスオキシメータに分類したりすることができる。ここでは、再使用可能かつ透過型パルスオキシメータを例として説明する。
透過型パルスオキシメータの基本的構造は、赤色及び赤外線の発光ダイオードと受光センサとを備えており、発光ダイオードから赤色光と赤外光を被験者の被験部位に照射し、皮膚、血管、筋肉、骨などの生体組織によって吸収されずに透過した光を受光センサにより検出し、その信号変化により血液中の酸素濃度を測定するというものである。酸化ヘモグロビン(オキシヘモグロビン)及び還元ヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)は、光の吸収率が異なるため、二つの異なる波長を照射して血液中で吸収された光を観測し、この信号の定常状態と時間と共に変化する成分を解析して、動脈血液の酸素と結合しているヘモグロビン量の割合を計算することにより酸素飽和率(SpO2)を測定する。
パルスオキシメータの被験部位としては、発光ダイオードと受光センサを隔てて設けられた測定キャビティ内に被験者の組織部分を挟み込んで計測するため、測定キャビティに挟み込みやすい先端部位、例えば、指、耳たぶ等の部位が選ばれる。大型のパルスオキシメータで大きな測定キャビティを持っているものを用いる場合であれば、新生児の腕や足のような組織部分を被験部位とすることもある。
ここで、パルスオキシメータを用いた酸素飽和率(SpO2)測定の際、発光ダイオードから照射され受光センサで受け取った光はすべて被験部位の生体組織を通過したものであり、被験部位の生体組織を通過することにより減衰されることなく、発光ダイオードから照射された光線が直接受光センサに受光されることがないように配慮しておくことは重要である。発光ダイオードから照射された光線の一部でも直接受光センサに受光されると正確な酸素飽和率(SpO2)の測定ができなくなってしまう。
上記従来のパルスオキシメータは、大人、小児、新生児を問わず広く利用されているが、医療現場で以下の問題点が指摘されている。
上記従来のパルスオキシメータの第1の問題点は、実際にはユニバーサル設計とはなっておらず、大人用に設計されたパルスオキシメータであれば、実は、小児用、新生児用には適していないという問題点が指摘されている。特に従来の透過型のパルスオキシメータではその問題点が顕著である。
パルスオキシメータを用いた酸素飽和率(SpO2)測定に際しては、測定キャビティ内で被験部位が静止状態を維持することが必要であるため、発光ダイオードと受光センサを隔てて設けられた測定キャビティ内に被験者の被験部位の組織が軽く挟み込まれる状態となるよう設計されている。
パルスオキシメータを用いた酸素飽和率(SpO2)測定の際には、本来好ましい被験部位は指先であり、事実指先を被験部位とした測定キャビティを持つパルスオキシメータは主流であるが、大人の指に合わせて設計された測定キャビティのサイズは、小児の指のサイズや新生児の指のサイズには合わないものである。
上記したように、発光ダイオードから照射され受光センサで受け取った光はすべて被験部位の生体組織を通過したものであり、被験部位の生体組織を通過することにより減衰されることなく、発光ダイオードから照射された光線が直接受光センサに受光されることがないようにする必要がある。
しかし、指先は元来細い上に非常によく動く部位であり、特に、小児や新生児であれば、意識的に指を静止させることが期待できず、また、検査を嫌がって積極的に手指を動かしてしまう場合が多い。そのため、酸素飽和率(SpO2)の測定値に誤差が多くなったり、測定自体を何度もやり直さねばならない事態となったりすることも医療従事者の間では問題として報告されている。
上記従来のパルスオキシメータの第2の問題点は、持ち運ぶハンディタイプのものが少なく装置が大きい据え付け型が多いという問題点である。医療従事者が普段から持ち運ぶハンディタイプのものは存在するが、上記第1の問題点で指摘したように、大人用に設計された透過型のパルスオキシメータしか小型化は難しく、それは小児用、新生児用には適していないものである。そのため、小児や新生児に対しては、上記従来の小児・新生児用の反射型パルスオキシメータが用いられることとなるが、それらは固定型の大きなものであり、医療従事者が普段から簡単に持ち歩けるハンディタイプのものではない。つまり、測定が必要となった時点でオンデマンドで小児・新生児用の反射型パルスオキシメータがある部屋に連れて行って測定したり、手術室にあらかじめ持ち込んでおいたりする必要がある。また、大人用とは別に小児・新生児用の反射型パルスオキシメータを購入して管理しておく必要があるためコスト増加を招く原因となっていた。
上記問題点に鑑み、本発明は、小型の持ち運び可能なハンディタイプのパルスオキシメータでありながら、大人、小児、新生児を問わず広く利用でき、手指が動いてしまう小児、新生児であっても手指を静止状態として精度良い良好な測定を可能としたパルスオキシメータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のパルスオキシメータは、被験者の被験部位を受け入れる測定キャビティと、前記測定キャビティを挟んで対向し合う発光部と受光部を備えた測定機構と、前記測定機構での測定に利用する光線を透過する素材で形成され、前記被験者の被験部位と前記測定キャビティの内部空間との隙間を埋める充填部材を備え、前記充填部材により前記被験者の被験部位が前記測定キャビティ内部空間で遊ばないように挟持せしめることを特徴とするパルスオキシメータである。
なお、上記構成において、前記充填部材が前記測定キャビティに対して取り替え可能な構造を備え、前記被験者の被験部位の大きさに応じた厚みのものを選択して前記充填部材を取り替え可能としておくことが好ましい。
上記構成により、大人から小児や新生児まであらゆる大きさの被験者の被験部位のサイズに対してユニバーサルに対応することができ、手指が動いてしまう小児、新生児であっても手指を静止状態として精度良い良好な測定が可能となる。
また、上記構成において、前記充填部材の素材を部位によって異なる構成とすることが好ましい。例えば、前記充填部材のうち、前記発光部と前記受光部に対応する位置の部分のみを前記測定機構での測定に利用する光線を透過する素材で形成し、他の部分を前記測定機構での測定に利用する光線を吸収する素材で形成する。
なお、充填部材の基材の素材を測定機構での測定に利用する光線を透過する素材とし、前記充填部材のうち、前記発光部と前記受光部に対応する位置の部分は当該基材の素材のままとし、他の部分には当該基材の素材に対して測定機構での測定に利用する光線を吸収する素材を練り込んだものとしても良い。
上記構成により、パルスオキシメータの酸素飽和率測定では、発光ダイオードから照射され、被験部位の生体組織を通過して直接受光部に受光される光のみが到達し、測定キャビティ内で反射して斜め方向などから光線が受光部に入射しないようにする一種のスリットとして、充填部材を機能させることができる。
ここで、充填部材の一例として、弾力性素材により形成された湾曲形状の板材がある。湾曲形状が小児や新生児の指の形状に沿いやすい形状であり、その厚みが大人向けの測定キャビティの内部空間の隙間を埋めて小児や新生児の指の大きさに対応する隙間となるように調整するものであれば、測定キャビティの内部空間を、大人から小児や新生児までユニバーサルに対応する適度の大きさに調整することが容易となる。
また、充填部材の一例として、粘土状の不定形素材がある。粘土状の不定形素材であれば、小児や新生児の指の形状に沿うように自由に変形することができ、測定キャビティの内部空間を、大人から小児や新生児までユニバーサルに対応する適度の大きさに調整することが容易となる。
次に、本発明のパルスオキシメータの筐体の工夫として、筐体が第1の筐体部分と第2の筐体部分と前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分の相対距離を変形可能とする可動機構とを備えたものとし、前記測定キャビティが前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分の隙間により形成する構造とする。
このように可動機構を備えたことにより、前記被験者の被験部位を受け入れる際には前記測定キャビティの内部空間を拡げ、前記被験者の被験部位を受け入れた後には前記測定キャビティの内部空間を狭めることが可能となる。
本発明のパルスオキシメータによれば、大人から小児や新生児まであらゆる大きさの被験者の被験部位のサイズに対してユニバーサルに対応することができ、手指が動いてしまう小児、新生児であっても手指を静止状態として精度良い良好な測定が可能となる。
第1図は、本発明のパルスオキシメータ100の構成を簡単に示す図である。
第2図は、本発明のパルスオキシメータ100の筐体の動きを簡単に説明する図である。
第3図は、可動機構133の蝶番構造が弾性体136により軸と軸受に分離して軸部分が上下に拡がる様子を簡単に示す図である。
第4図は、充填部材140の概略形状を示す図である。
第5図は、受光部122の受光フィルタ124と窓部141のスリット機能との組み合わせの効果を説明する図である。
第6図は、充填部材140を取り替えることにより測定キャビティ110の内部空間を調整する様子を簡単に説明する図である。
第7図は、本発明のパルスオキシメータ100の使用手順を示すフローチャートである。
第8図は、実施例2のパルスオキシメータ100aの充填部材140aを示した図である。
第9図は、実施例2のパルスオキシメータ100aの使用手順を示すフローチャートである。
第10図は、実施例3のパルスオキシメータ100bの構成を簡単に示す図である。
第11図は、実施例3のパルスオキシメータ100bの使用手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明のパルスオキシメータの実施形態を説明する。パルスオキシメータは測定原理や構造の違いに応じて透過型パルスオキシメータと反射型パルスオキシメータに分類したり、使用目的・使用回数に応じて単回使用パルスオキシメータと再使用可能なパルスオキシメータに分類したりすることができるが、ここでは、再使用可能かつ透過型パルスオキシメータに適用した構成例を説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施形態に示した具体的な用途や形状・寸法などには限定されない。
実施例1として本発明のパルスオキシメータ100の構成例を示す。この構成例では被験者の被験部位が指である例として説明する。
実施例1の構成例は、いわゆるピンチタイプで軸を中心に回動して開口部を拡げ、被験部位である指を挿入して挟み込んでセットするタイプとして説明する。
図1は、本発明のパルスオキシメータ100の構成を簡単に示す図である。平面図、左側面図、正面図、さらに、測定機構120を中心に図示した断面図が描かれている。
図1に示すように、本発明のパルスオキシメータ100は、測定キャビティ110、測定機構120、筐体130、充填部材140の各構成を備えた構造となっている。
測定キャビティ110は、被験者の被験部位を受け入れる空間であり、被験部位の表面形状に近い内壁面形状を備えたものとなっている。ここでは被験部位が指(例えば、右手第3指)であるので、測定キャビティ110の内壁面形状は上面・下面ともにアーチ型になっており、その高さや幅は大人の指に対応するものに調整されている。一例としては幅8〜10mm程度、高さ2〜3mm程度、曲率13〜15程度、奥行き25mm〜40mm程度である。
測定キャビティ110は筐体に穿たれた定形的な空洞であっても良いが、この構成例では、図1に示すように、測定キャビティ110の上面側が筐体130の第1の筐体131の下面により形成され、測定キャビティ110の下面側が第2の筐体132の上面により形成されており、対向し合う第1の筐体131と第2の筐体132の隙間が測定キャビティ110となっている。この構成例では上面下面ともアーチ状の曲面となっており、指の形状に沿いやすい内壁面形状となっている。
測定キャビティ110の内壁面の一部には測定機構120の発光部121の拡散板123、受光部122の受光フィルタ124が設けられている。
次に、測定機構120を説明する。
測定機構120は、発光部121、受光部122、拡散板123、受光フィルタ124、信号制御部125を備えた構造となっている。
発光部121は、複数個の光源を備えて測定に利用する複数の光線を発射する部分である。
光源は波長選択性のすぐれた素子であれば良く、例えば発光ダイオードで良い。ここでは、一例として、ピーク発光波長がλ1、λ2(例えば630nmと900nmのふたつの波長帯域)の2個の発光ダイオードとして説明する。また、後述するように、この構成例では信号制御部125の制御によって発光部121からピーク発光波長λ1、ピーク発光波長λ2の光が切り換えられて交互に発射される。
また、発光部121において拡散板123を設ける構成例も好ましい。拡散板123は、光源の前面を覆うように設けられており、発光ダイオードによる点光源からの照射光を面発光に変換する光学的素子であり、例えば、透明なポリスチレン樹脂やアクリル樹脂を成形したものである。
発光ダイオードは近接して配置したとしても物理的に離れた2点とならざるを得ない。そのため、各々の発光ダイオードから受光部122の受光素子に到達するまでに光路差が生じてしまう。この光路差は誤差として測定精度に影響を与える。そこで、光路差に起因する誤差を低減するために拡散板123を挿入することによって、光源を発光ダイオードの点発光ではなく、拡散板123による面発光に変換する工夫を施しておく。このように、拡散板123を設けておくことにより、光路差に起因する誤差を低減することができる。
なお、拡散板123は、測定キャビティの110の内壁面に露出して被験部位が当たり得る部分とする場合には抗菌処理を施しておくことが好ましい。
受光部122は、複数個の受光素子を備えて測定に利用する光線を検出する部分である。
受光素子は、例えばフォトダイオードで良いが、ここでは、波長λ1、λ2(例えば630nmと900nmのふたつの波長帯域)の光に対する感度が高いように感度が調整されたものが好ましい。
受光フィルタ124は、受光素子の前面を覆うように設けられており、透過範囲の光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断するものであり、太陽光や室内の照明光を減衰させるための光学フィルタである。もともと測定キャビティは周囲から光が漏れ入らないように空洞となっているが、挿入穴と被験部位(指)との隙間から漏れてくる外来光の影響を少なくする必要がある。そこで、受光フィルタ124を用いることにより、受光素子から照射され、被験者の被験部位を透過した光のみが透過して受光素子により受光されるようになり、太陽光や室内の照明光が遮断される。
なお、受光フィルタ124は、測定キャビティの110の内壁面に露出して被験部位が当たり得る部分とする場合には抗菌処理を施しておくことも好ましい。
信号制御部125は、パルスオキシメータの各構成の動作を制御するとともに、受光部122が検出した信号を基に酸素飽和率を計算するための信号処理に必要な電子回路などを備えた部分である。
信号制御部125は、この構成例では、発光部121を操作して波長λ1(630nm)、波長λ2(900nm)の光線を交互に発射させ、被験部位の生体組織を透過した光線を受光部122で検出し、それらの信号から波長λ1(630nm)と波長λ2(900nm)のふたつの波長帯域における血流の脈動に起因する透過光の変化分を検出し、これらの変化分の比、つまり、吸光係数の比から動脈血中のオキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの2成分の成分比である酸素飽和率(SpO2)を算出する。
なお、本発明においては、この酸素飽和率(SpO2)算出の信号処理は特に限定されない。
次に、筐体130を説明する。
筐体130は、第1の筐体131、第2の筐体132、可動機構133を備えた構成となっている。
第1の筐体131と第2の筐体132の外形は特に限定されないが、両者が可動機構133を介して対向し合うように配置されている。第1の筐体131と第2の筐体132の上下配置は問われないが、図1の構成例では第1の筐体131が上、第1の筐体131が下にある例となっている。
第1の筐体131の下面にはアーチ状の窪みがあり、当該窪みが測定キャビティ110の上面を形成している。また、第2の筐体132の上面にもアーチ状の窪みがあり、当該窪みが測定キャビティ110の下面を形成している。つまり、測定キャビティが第1の筐体131と第2の筐体132の隙間により形成されている。
この構成例では、第1の筐体131の上面には測定モードなどを選択するボタン類135と、酸素飽和率(SpO2)や脈拍数を表示する表示部134が設けられている。表示部134には酸素飽和率と脈拍数が表示される。
可動機構133は、第1の筐体131と第2の筐体132との相対距離を変化させるように両者を可動するものである。この構成例では、可動機構133は第1の筐体131と第2の筐体132の蝶番のように取り付けてある。
図2はパルスオキシメータ100の筐体の動きを簡単に説明する図である。
ここに示す構成例では、第1の筐体131と第2の筐体132の端部をつまむことにより、図2(a)から図2(b)に示すように、第1の筐体131と第2の筐体132が略平行に対向し合う基本姿勢から可動機構133を軸として両者が上下に開いた開放姿勢まで可動する例となっている。
図2(b)の開放姿勢において、測定キャビティ110の開口が大きくなるとともに測定キャビティ110の内部空間が拡がり、被験者の被験部位である指を測定キャビティ110に受け入れる状態となる。図2(c)に示すように、被験者の被験部位である指を受け入れた後に、図2(d)に示すように、基本姿勢に戻せば、測定キャビティ110の開口が狭くなるとともに測定キャビティ11の0内部空間が狭まり、指が挿入された状態で太陽光や室内環境照明光が入射しない測定に適した姿勢となる。
上記の可動機構133の蝶番構造において、バネなどの弾性体136を仕込んでおいて軸と軸受に分離して軸部分も上下に拡がる構造とすることも可能である。図3は可動機構133の蝶番構造が弾性体136により軸と軸受に分離して軸部分が上下に拡がる様子を簡単に示す図である。このように可動機構133自体が上下に拡がるマージンを持っていれば特に指が太い大人であっても測定キャビティ110内に受け入れることが可能となる。
なお、この構成例では、図2に示すように、可動機構133を軸としてクロスして開閉するいわゆるクリップタイプの例となっているが、可動機構133により測定キャビティ110の開口を拡げたり開口を狭めたりできる構造であれば良く、例えば、可動機構133により第1の筐体131と第2の筐体132を略平行に移動させ、両者の相対距離を可変とする構造であっても良い。
次に、充填部材140について説明する。
充填部材140は、被験者の被験部位(指)と測定キャビティ110の内部空間との隙間を埋めるものであり、被験者の被験部位(指)が測定キャビティ内部空間で遊ばないように挟持せしめるものである。小児用や新生児用の専用のパルスオキシメータでない限り、測定キャビティ110のサイズは大人の指に合わせて設計されており、小児の指のサイズや新生児の指のサイズには合わないものである。その上、小児や新生児の指先は細い上に非常によく動き、意識的に指を静止させることが期待できない。そこで、充填部材140により小児や新生児の指と測定キャビティ110の内部空間との隙間を埋めて軽く挟んで固定する。
充填部材140の素材は測定に利用する波長λ1と波長λ2の光線を透過する素材が選択される。また、小児や新生児の指を優しく挟むために弾力性のある素材であることが好ましい。例えば、シリコーンなどがある。
充填部材140の形状は、例えば、小児や新生児の指の形状に沿いやすい湾曲形状の板材とする。
図4は、充填部材140の概略形状を示す図である。図1に示したパルスオキシメータ100の大きさに対して拡大された大きさで示されている。
図4(a)は正面図、図4(b)は背面図、図4(c)は横断面図である。
まず、充填部材140の曲面について説明する。
充填部材140は、図4(c)に示すように、湾曲している外面側の曲面の曲率に比べて内面側の曲面の曲率の方が大きい形状となっている。充填部材140の外面側の曲面は測定キャビティ110の内壁面の曲面に沿う曲率となっているが、内面側の曲面の曲率が大きくなっている。図4の例では、外面側の曲面の曲率がR=10であり、内面側の曲面の曲率がR=13.4となっている。また厚さは最薄の部分で1mmとなっている。このように、充填部材140は測定キャビティ110の内部空間の曲率変換用および高さ変換用の部材と言える。
このように、充填部材140は、測定キャビティ110の内部空間を低くかつ曲面の曲率を大きく変換することにより、測定キャビティ110の内部空間の自由度を小さくし、小児や新生児の指を優しく挟む程度の空間を形成する。
次に、充填部材140の窓部141について述べる。図4(a)に示すように、この構成例では、充填部材140は、窓部141が設けられている。窓部141は、充填部材140のうち、発光部121と受光部122に対応する位置に対応する位置に設けられている。つまり、窓部141は、測定機構120において、発光部121から受光部122への光線が透過する箇所に設けられている。
ここで、窓部141の素材は、充填部材140の基材の素材のまま、つまり、測定に利用する波長λ1と波長λ2の光線を透過する素材(例えばシリコーン)で形成する一方、窓部141以外の部分を波長λ1と波長λ2の光線を吸収する素材を練り込んで形成し、または、窓部141以外の部分に波長λ1と波長λ2の光線を吸収する素材を塗布して形成する。
このように、窓部141以外の部分を波長λ1と波長λ2の光線を吸収するものとしておくことにより、小児や新生児の指の隙間において測定キャビティ110内で反射して斜め方向などから光線が受光部に入射しないようにする一種のスリットとして、充填部材を機能させることができる。
図5は、受光部122の受光フィルタ124と窓部141のスリット機能との組み合わせの効果を説明する図である。図5(a)は受光部122の受光フィルタ124のみの場合、図5(b)は受光部122の受光フィルタ124に加え、窓部141のスリット機能が発揮される場合を示している。
図5(a)と図5(b)共通して受光部122に受光フィルタ124が設けられているので、波長λ1と波長λ2の光線は遮断され、受光素子に受光されることはなくなる。しかし、図5(a)に示すように窓部141のスリット機能がない場合、受光フィルタ124は波長λ1と波長λ2の光線は透過するため、発光部121から指を透過して受光部への直接入射する光線以外に、測定キャビティ110内で反射した外乱光線も通過して受光素子で受光されてしまう。一方、図5(b)に示すように、窓部141のスリット機能があれば、測定キャビティ110内で反射した外乱光線は、窓部141以外の部分において波長λ1と波長λ2の光線は吸収されるので、結局、図5(b)の場合は、発光部121から指を透過して受光部への直接入射する光線のみが受光部122の受光素子で検出されることとなる。このように、窓部141がスリット機能を備えることによりパルスオキシメータの酸素飽和率検出精度が向上する。
次に、充填部材140の取り替えについて述べる。充填部材140は、被験者の被験部位(指)が測定キャビティ内部空間で遊ばないように挟持せしめるものであるが、小児、新生児などは指の大きさが異なるので、1つの充填部材140ではすべての小児、新生児への対応ができない場合がある。そこで、小児、新生児など被験者の被験部位の指の大きさに応じた厚みのものを選択して充填部材140を取り替え可能とする。なお、図4の構成例では、充填部材140自体が測定キャビティ110の中に収まりやすいように、充填部材140の側面には測定キャビティ110の側面形状に合致する切れ込みが設けられており、測定キャビティ110に対して取り替えやすい構造となっている。
図6は充填部材140を取り替えることにより測定キャビティ110の内部空間を調整する様子を正面図において簡単に説明する図である。図6(a)は充填部材140を挿入していない場合の測定キャビティ110の開口部を見た図、図6(b)は小児用の充填部材140を挿入している状態の測定キャビティ110の開口部を見た図、図6(c)は新生児用の充填部材140を挿入している状態の測定キャビティ110の開口部を見た図を示している。図6(a)に示すように、充填部材140を挿入する前には測定キャビティ110の内部空間はデフォルトの大きさで大人の指に対応しているが、図6(b)に示すように、小児の指に対応する充填部材140bを挿入すれば測定キャビティ110の内部空間は狭くなり小児の指に対応する大きさに変換されている。また、図6(c)に示すように、新生児の指に対応する充填部材140cを挿入すれば測定キャビティ110の内部空間は狭くなり新生児の指に対応する大きさに変換されている。
次に、本発明のパルスオキシメータ100の使用手順の概略を示す。
図7は、本発明のパルスオキシメータ100の使用手順を示すフローチャートである。
本発明のパルスオキシメータ100は非常に小型で常に携帯できる程度の大きさであるので、前提として、医療従事者はポケットに入れて持ち歩いたり、ストラップの先端に取り付けてストラップを首にかけたりして常に携帯しているものとする。
まず、医療従事者は、医療行為の過程や検診において患者の酸素飽和率(SpO2)の測定が必要となった場合、小児、新生児など、通常の大人向けに設計されている測定キャビティ110では被験者の被験部位である指の大きさに合わないと思えば、適切な充填部材140を選択する(ステップS1)。なお、小児用(大)、小児用(小)新生児用など、数種類あるだけでも被験者の被験部位である指の大きさに合わせることができる。
次に、医療従事者は、本発明のパルスオキシメータ100の可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を拡げ、選択した充填部材140を測定キャビティ110内に挿入して取り付ける(ステップS2)。これにより、測定キャビティ110の内部空間の高さと内面の曲率が小児、新生児など被験者の被験部位に応じて変換される。
次に、医療従事者は、可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を拡げ、小児、新生児などの指を測定キャビティ110の内部空間に挿入し、可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を閉じてセットする(ステップS3)。
次に、医療従事者は、充填部材140を充填した本発明のパルスオキシメータ100を用いて通常の測定を開始する。
例えば、ボタン類の操作により本発明のパルスオキシメータ100を起動し(ステップS4)、測定モードや表示モードを選択し(ステップS5)、測定を開始する。
本発明のパルスオキシメータ100の測定機構120は発光部121から2つの波長λ1と波長λ2の照射光を交互に照射し、被験部位である指により減衰された透過光を受光部122で検出し、酸素飽和率(SpO2)の計算に必要なデータ処理、脈拍数の計算に必要なデータ処理が行われ、表示部134に測定結果が表示される(ステップS6)。
なお、停止はスイッチ類135の操作で停止する仕組みとしても良いし、被験者の被験部位が引き抜かれ、信号制御部125において脈拍の検出がなくなったと判定すれば、自動停止する仕組みとしても良い(ステップS7)。
以上、本発明のパルスオキシメータ100の基本的構造、基本的動作手順などを説明してきたが、種々の変形が可能である。
例えば、ピーク発光波長がλ1、λ2の2つのものとしたが、酸素飽和率(SpO2)の測定精度を上げるためにλ1、λ2とは異なる他の波長λ3、λ4などを用いる方式のパルスオキシメータ100であっても本発明は適用可能である。また、酸素飽和率(SpO2)以外に別の何らかの生体指標を併せて計測する複合型のパルスオキシメータ100であっても本発明は適用可能である。
実施例2として、パルスオキシメータの充填部材が粘土状の不定形素材で形成され、充填部材を被験部位に巻き付けて装着するタイプの構成例を説明する。
実施例2のパルスオキシメータ100aは、充填部材140aを除いて、実施例1のパルスオキシメータ100と同様の構造を持っており、本実施例2では充填部材140aを中心に説明する。
図8は、実施例2のパルスオキシメータ100aの充填部材140aを示した図である。充填部材140aは、粘土状の不定形素材で形成されており、手短に自由な形に成型でき、被験者の被験部位である指の形状やサイズに応じて自由に変形し、また、測定キャビティ110の形状に沿って自由に変形する。
充填部材130aの素材は、酸素飽和率(SpO2)の測定に用いるピーク発光波長λ1(例えば630nm)とピーク発光波長λ2(例えば900nm)のふたつの波長帯域の光線を透過させるものであり、かつ、粘土状の不定形素材であれば良い。例えば、ゲル樹脂材などゲル状で粘性が高く取り扱いやすい物質などで良い。
粘土状の不定形素材の充填部材140aであれば、図8(a)に示すように、小児や新生児の指の周りに簡単に巻き付けることができる。
次に、実施例2のパルスオキシメータ100aの使用手順の概略を示す。
図9は、実施例2のパルスオキシメータ100aの使用手順を示すフローチャートである。
まず、図8(a)に示すように、小児や新生児の指の周りに粘土状の不定形素材の充填部材140aを巻き付けて装着する(図9のステップ11)。
次に、図8(b)に示すように、そのままパルスオキシメータ100aの可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を開口し(図9ステップ12)、測定キャビティ110内に充填部材140aを巻いた指を置き、可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を閉じれば、図8(c)に示すように、測定キャビティ110形に応じて充填部材140aの形が変形して測定キャビティ110内に収まる(図9ステップ13)。つまり、充填部材140aの形が自在に変形して測定キャビティの内部空間と被験者の被験部との隙間を埋めることが可能である。
次に、医療従事者は、充填部材140を充填した本発明のパルスオキシメータ100aを用いて通常の測定を開始する。これ以降は実施例1の図7に示したフローチャートと同様であるので詳しい説明は省略する。
実施例3のパルスオキシメータ100bは、その筐体がシリコーン製の袋体であり、袋体の中に被験部位である指を挿入するタイプの構成例を示す。
図10に示すように、実施例3のパルスオキシメータ100bは、測定キャビティ110b、測定機構120b、筐体130b、充填部材140bを備えた構成となっている。なお、図10では、説明を簡単にするため、ボタン類や表示などの図示は省略した。
まず、筐体130bは、シリコーン製の袋体であり、ある程度の可撓性を備えているものである。
測定キャビティ110bはシリコーン製の袋体の内部空間であり、この例では略筒型の細長い形状となっている。シリコーン製の袋体はある程度の可撓性を備えているので、測定キャビティ110bはある程度柔らかい素材で形成されることとなる。
測定機構120bは基本的には実施例1に示した測定機構120と同様で良い。袋体130aの内部に収められている。
充填部材140bはこの構成例では実施例2に示した充填部材140aと同様、粘土状の不定形素材で形成されており、手短に自由な形に成型でき、被験者の被験部位である指の形状やサイズに応じて自由に変形し、また、測定キャビティ110の形状に沿って自由に変形するものとなっている。
次に、実施例3のパルスオキシメータ100bの使用手順の概略を示す。
図11は、実施例3のパルスオキシメータ100bの使用手順を示すフローチャートである。
まず、小児や新生児の指の周りに粘土状の不定形素材の充填部材140bを巻き付けて装着する(図11のステップ21)。
次に、図10(b)に示すように、そのままパルスオキシメータ100bの筐体130bである袋体の開口を拡げ、(図11ステップ22)、測定キャビティ110内に充填部材140bを巻いた指を挿入し、測定キャビティ110bの内壁との空間が無くなるように袋体を軽く摘まめば、充填部材140bの形が適度に変形して測定キャビティ110の内壁と密着する(図11ステップ23)。つまり、可撓性ある袋体である筐体130bと充填部材140bの形がともに変形して測定キャビティの内部空間と被験者の被験部との隙間を埋めることが可能となる。
次に、医療従事者は、充填部材140bを充填した本発明のパルスオキシメータ100bを用いて通常の測定を開始する。これ以降は実施例1の図7に示したフローチャートと同様であるので詳しい説明は省略する。
以上、本発明のパルスオキシメータおよびパルスオキシメータにおける好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。従って本発明の技術的範囲は添付された特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものである。
本発明のパルスオキシメータは、被検体の脈拍数と血液中の酸素飽和度を非侵襲的に測定するためのパルスオキシメータに広く適用することができる。
本発明は、被検体の脈拍数と血液中の酸素飽和度を非侵襲的に測定するためのパルスオキシメータに関する。本発明のパルスオキシメータは単回使用パルスオキシメータ、再使用可能なパルスオキシメータのいずれのタイプであっても適用可能である。
被験者の血液中の酸素濃度を測定する機器として、パルスオキシメータが普及している。パルスオキシメータは、非侵襲的かつ連続的に被検体の血液中の酸素飽和度を測定することができるため、医療現場で新生児から大人まで幅広く標準的に用いられている。
パルスオキシメータは測定原理や構造の違いに応じて透過型パルスオキシメータと反射型パルスオキシメータに分類したり、使用目的・使用回数に応じて単回使用パルスオキシメータと再使用可能なパルスオキシメータに分類したりすることができる。ここでは、再使用可能かつ透過型パルスオキシメータを例として説明する。
透過型パルスオキシメータの基本的構造は、赤色及び赤外線の発光ダイオードと受光センサとを備えており、発光ダイオードから赤色光と赤外光を被験者の被験部位に照射し、皮膚、血管、筋肉、骨などの生体組織によって吸収されずに透過した光を受光センサにより検出し、その信号変化により血液中の酸素濃度を測定するというものである。酸化ヘモグロビン(オキシヘモグロビン)及び還元ヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)は、光の吸収率が異なるため、二つの異なる波長を照射して血液中で吸収された光を観測し、この信号の定常状態と時間と共に変化する成分を解析して、動脈血液の酸素と結合しているヘモグロビン量の割合を計算することにより酸素飽和率(SpO2)を測定する。
パルスオキシメータの被験部位としては、発光ダイオードと受光センサを隔てて設けられた測定キャビティ内に被験者の組織部分を挟み込んで計測するため、測定キャビティに挟み込みやすい先端部位、例えば、指、耳たぶ等の部位が選ばれる。大型のパルスオキシメータで大きな測定キャビティを持っているものを用いる場合であれば、新生児の腕や足のような組織部分を被験部位とすることもある。
ここで、パルスオキシメータを用いた酸素飽和率(SpO2)測定の際、発光ダイオードから照射され受光センサで受け取った光はすべて被験部位の生体組織を通過したものであり、被験部位の生体組織を通過することにより減衰されることなく、発光ダイオードから照射された光線が直接受光センサに受光されることがないように配慮しておくことは重要である。発光ダイオードから照射された光線の一部でも直接受光センサに受光されると正確な酸素飽和率(SpO2)の測定ができなくなってしまう。
登録実用新案第3142046号公報 特表平07−506497号公報 特開2007−135718号公報
上記従来のパルスオキシメータは、大人、小児、新生児を問わず広く利用されているが、医療現場で以下の問題点が指摘されている。
上記従来のパルスオキシメータの第1の問題点は、実際にはユニバーサル設計とはなっておらず、大人用に設計されたパルスオキシメータであれば、実は、小児用、新生児用には適していないという問題点が指摘されている。特に従来の透過型のパルスオキシメータではその問題点が顕著である。
パルスオキシメータを用いた酸素飽和率(SpO2)測定に際しては、測定キャビティ内で被験部位が静止状態を維持することが必要であるため、発光ダイオードと受光センサを隔てて設けられた測定キャビティ内に被験者の被験部位の組織が軽く挟み込まれる状態となるよう設計されている。
パルスオキシメータを用いた酸素飽和率(SpO2)測定の際には、本来好ましい被験部位は指先であり、事実指先を被験部位とした測定キャビティを持つパルスオキシメータは主流であるが、大人の指に合わせて設計された測定キャビティのサイズは、小児の指のサイズや新生児の指のサイズには合わないものである。
上記したように、発光ダイオードから照射され受光センサで受け取った光はすべて被験部位の生体組織を通過したものであり、被験部位の生体組織を通過することにより減衰されることなく、発光ダイオードから照射された光線が直接受光センサに受光されることがないようにする必要がある。
しかし、指先は元来細い上に非常によく動く部位であり、特に、小児や新生児であれば、意識的に指を静止させることが期待できず、また、検査を嫌がって積極的に手指を動かしてしまう場合が多い。そのため、酸素飽和率(SpO2)の測定値に誤差が多くなったり、測定自体を何度もやり直さねばならない事態となったりすることも医療従事者の間では問題として報告されている。
上記従来のパルスオキシメータの第2の問題点は、持ち運ぶハンディタイプのものが少なく装置が大きい据え付け型が多いという問題点である。医療従事者が普段から持ち運ぶハンディタイプのものは存在するが、上記第1の問題点で指摘したように、大人用に設計された透過型のパルスオキシメータしか小型化は難しく、それは小児用、新生児用には適していないものである。そのため、小児や新生児に対しては、上記従来の小児・新生児用の反射型パルスオキシメータが用いられることとなるが、それらは固定型の大きなものであり、医療従事者が普段から簡単に持ち歩けるハンディタイプのものではない。つまり、測定が必要となった時点でオンデマンドで小児・新生児用の反射型パルスオキシメータがある部屋に連れて行って測定したり、手術室にあらかじめ持ち込んでおいたりする必要がある。また、大人用とは別に小児・新生児用の反射型パルスオキシメータを購入して管理しておく必要があるためコスト増加を招く原因となっていた。
上記問題点に鑑み、本発明は、小型の持ち運び可能なハンディタイプのパルスオキシメータでありながら、大人、小児、新生児を問わず広く利用でき、手指が動いてしまう小児、新生児であっても手指を静止状態として精度良い良好な測定を可能としたパルスオキシメータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のパルスオキシメータは、上下に分離された第1の筐体部分と第2の筐体部分を含む筐体と、前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分の上下方向の相対距離を変形可能とする可動機構と、前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分にそれぞれ組み込まれ、対向し合う発光部と受光部を備えた測定機構と、対向し合う前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分の隙間に形成され、被験者の被験部位を受け入れる際に上下方向に内部空間を拡げ、前記被験者の被験部位を受け入れた後に上下方向に内部空間を狭める測定キャビティとを備えたクリップ式の挟持型パルスオキシメータにおいて、前記測定機構での測定に利用する光線を透過する弾力性素材により形成された湾曲形状の板状体であり、横断面において凹面状で外面側の曲面の曲率に比べて内面側の曲面の曲率の方が大きくかつ中央部の厚みよりも左右周辺部の厚みの方が厚く調整された充填部材を備え、前記測定キャビティの内部空間における前記被験者の被験部位の左右の隙間を埋めることを可能としたパルスオキシメータである。
なお、上記構成において、前記充填部材が前記測定キャビティに対して取り替え可能な構造を備え、前記被験者の被験部位の大きさに応じた厚みのものを選択して前記充填部材を取り替え可能としておくことが好ましい。
上記構成により、大人から小児や新生児まであらゆる大きさの被験者の被験部位のサイズに対してユニバーサルに対応することができ、手指が動いてしまう小児、新生児であっても手指を静止状態として精度良い良好な測定が可能となる。
また、上記構成において、前記充填部材の素材を部位によって異なる構成とすることが好ましい。例えば、前記充填部材のうち、前記発光部と前記受光部に対応する位置の部分のみを前記測定機構での測定に利用する光線を透過する素材で形成し、他の部分を前記測定機構での測定に利用する光線を吸収する素材で形成する。
なお、充填部材の基材の素材を測定機構での測定に利用する光線を透過する素材とし、前記充填部材のうち、前記発光部と前記受光部に対応する位置の部分は当該基材の素材のままとし、他の部分には当該基材の素材に対して測定機構での測定に利用する光線を吸収する素材を練り込んだものとしても良い。
上記構成により、パルスオキシメータの酸素飽和率測定では、発光ダイオードから照射され、被験部位の生体組織を通過して直接受光部に受光される光のみが到達し、測定キャビティ内で反射して斜め方向などから光線が受光部に入射しないようにする一種のスリットとして、充填部材を機能させることができる。
ここで、充填部材の一例として、弾力性素材により形成された湾曲形状の板材がある。湾曲形状が小児や新生児の指の形状に沿いやすい形状であり、その厚みが大人向けの測定キャビティの内部空間の隙間を埋めて小児や新生児の指の大きさに対応する隙間となるように調整するものであれば、測定キャビティの内部空間を、大人から小児や新生児までユニバーサルに対応する適度の大きさに調整することが容易となる。
また、充填部材の一例として、粘土状の不定形素材がある。粘土状の不定形素材であれば、小児や新生児の指の形状に沿うように自由に変形することができ、測定キャビティの内部空間を、大人から小児や新生児までユニバーサルに対応する適度の大きさに調整することが容易となる。
本発明のパルスオキシメータによれば、大人から小児や新生児まであらゆる大きさの被験者の被験部位のサイズに対してユニバーサルに対応することができ、手指が動いてしまう小児、新生児であっても手指を静止状態として精度良い良好な測定が可能となる。
第1図は、本発明のパルスオキシメータ100の構成を簡単に示す図である。 第2図は、本発明のパルスオキシメータ100の筐体の動きを簡単に説明する図である。 第3図は、可動機構133の蝶番構造が弾性体136により軸と軸受に分離して軸部分が上下に拡がる様子を簡単に示す図である。 第4図は、充填部材140の概略形状を示す図である。 第5図は、受光部122の受光フィルタ124と窓部141のスリット機能との組み合わせの効果を説明する図である。 第6図は、充填部材140を取り替えることにより測定キャビティ110の内部空間を調整する様子を簡単に説明する図である。 第7図は、本発明のパルスオキシメータ100の使用手順を示すフローチャートである。 第8図は、実施例2のパルスオキシメータ100aの充填部材140aを示した図である。 第9図は、実施例2のパルスオキシメータ100aの使用手順を示すフローチャートである。 第10図は、実施例3のパルスオキシメータ100bの構成を簡単に示す図である。 第11図は、実施例3のパルスオキシメータ100bの使用手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明のパルスオキシメータの実施形態を説明する。パルスオキシメータは測定原理や構造の違いに応じて透過型パルスオキシメータと反射型パルスオキシメータに分類したり、使用目的・使用回数に応じて単回使用パルスオキシメータと再使用可能なパルスオキシメータに分類したりすることができるが、ここでは、再使用可能かつ透過型パルスオキシメータに適用した構成例を説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施形態に示した具体的な用途や形状・寸法などには限定されない。
実施例1として本発明のパルスオキシメータ100の構成例を示す。この構成例では被験者の被験部位が指である例として説明する。
実施例1の構成例は、いわゆるピンチタイプで軸を中心に回動して開口部を拡げ、被験部位である指を挿入して挟み込んでセットするタイプとして説明する。
図1は、本発明のパルスオキシメータ100の構成を簡単に示す図である。平面図、左側面図、正面図、さらに、測定機構120を中心に図示した断面図が描かれている。
図1に示すように、本発明のパルスオキシメータ100は、測定キャビティ110、測定機構120、筐体130、充填部材140の各構成を備えた構造となっている。
測定キャビティ110は、被験者の被験部位を受け入れる空間であり、被験部位の表面形状に近い内壁面形状を備えたものとなっている。ここでは被験部位が指(例えば、右手第3指)であるので、測定キャビティ110の内壁面形状は上面・下面ともにアーチ型になっており、その高さや幅は大人の指に対応するものに調整されている。一例としては幅8〜10mm程度、高さ2〜3mm程度、曲率13〜15程度、奥行き25mm〜40mm程度である。
測定キャビティ110は筐体に穿たれた定形的な空洞であっても良いが、この構成例では、図1に示すように、測定キャビティ110の上面側が筐体130の第1の筐体131の下面により形成され、測定キャビティ110の下面側が第2の筐体132の上面により形成されており、対向し合う第1の筐体131と第2の筐体132の隙間が測定キャビティ110となっている。この構成例では上面下面ともアーチ状の曲面となっており、指の形状に沿いやすい内壁面形状となっている。
測定キャビティ110の内壁面の一部には測定機構120の発光部121の拡散板123、受光部122の受光フィルタ124が設けられている。
次に、測定機構120を説明する。
測定機構120は、発光部121、受光部122、拡散板123、受光フィルタ124、信号制御部125を備えた構造となっている。
発光部121は、複数個の光源を備えて測定に利用する複数の光線を発射する部分である。
光源は波長選択性のすぐれた素子であれば良く、例えば発光ダイオードで良い。ここでは、一例として、ピーク発光波長がλ1、λ2(例えば630nmと900nmのふたつの波長帯域)の2個の発光ダイオードとして説明する。また、後述するように、この構成例では信号制御部125の制御によって発光部121からピーク発光波長λ1、ピーク発光波長λ2の光が切り換えられて交互に発射される。
また、発光部121において拡散板123を設ける構成例も好ましい。拡散板123は、光源の前面を覆うように設けられており、発光ダイオードによる点光源からの照射光を面発光に変換する光学的素子であり、例えば、透明なポリスチレン樹脂やアクリル樹脂を成形したものである。
発光ダイオードは近接して配置したとしても物理的に離れた2点とならざるを得ない。そのため、各々の発光ダイオードから受光部122の受光素子に到達するまでに光路差が生じてしまう。この光路差は誤差として測定精度に影響を与える。そこで、光路差に起因する誤差を低減するために拡散板123を挿入することによって、光源を発光ダイオードの点発光ではなく、拡散板123による面発光に変換する工夫を施しておく。このように、拡散板123を設けておくことにより、光路差に起因する誤差を低減することができる。
なお、拡散板123は、測定キャビティの110の内壁面に露出して被験部位が当たり得る部分とする場合には抗菌処理を施しておくことが好ましい。
受光部122は、複数個の受光素子を備えて測定に利用する光線を検出する部分である。
受光素子は、例えばフォトダイオードで良いが、ここでは、波長λ1、λ2(例えば630nmと900nmのふたつの波長帯域)の光に対する感度が高いように感度が調整されたものが好ましい。
受光フィルタ124は、受光素子の前面を覆うように設けられており、透過範囲の光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断するものであり、太陽光や室内の照明光を減衰させるための光学フィルタである。もともと測定キャビティは周囲から光が漏れ入らないように空洞となっているが、挿入穴と被験部位(指)との隙間から漏れてくる外来光の影響を少なくする必要がある。そこで、受光フィルタ124を用いることにより、受光素子から照射され、被験者の被験部位を透過した光のみが透過して受光素子により受光されるようになり、太陽光や室内の照明光が遮断される。
なお、受光フィルタ124は、測定キャビティの110の内壁面に露出して被験部位が当たり得る部分とする場合には抗菌処理を施しておくことも好ましい。
信号制御部125は、パルスオキシメータの各構成の動作を制御するとともに、受光部122が検出した信号を基に酸素飽和率を計算するための信号処理に必要な電子回路などを備えた部分である。
信号制御部125は、この構成例では、発光部121を操作して波長λ1(630nm)、波長λ2(900nm)の光線を交互に発射させ、被験部位の生体組織を透過した光線を受光部122で検出し、それらの信号から波長λ1(630nm)と波長λ2(900nm)のふたつの波長帯域における血流の脈動に起因する透過光の変化分を検出し、これらの変化分の比、つまり、吸光係数の比から動脈血中のオキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの2成分の成分比である酸素飽和率(SpO2)を算出する。
なお、本発明においては、この酸素飽和率(SpO2)算出の信号処理は特に限定されない。
次に、筐体130を説明する。
筐体130は、第1の筐体131、第2の筐体132、可動機構133を備えた構成となっている。
第1の筐体131と第2の筐体132の外形は特に限定されないが、両者が可動機構133を介して対向し合うように配置されている。第1の筐体131と第2の筐体132の上下配置は問われないが、図1の構成例では第1の筐体131が上、第1の筐体131が下にある例となっている。
第1の筐体131の下面にはアーチ状の窪みがあり、当該窪みが測定キャビティ110の上面を形成している。また、第2の筐体132の上面にもアーチ状の窪みがあり、当該窪みが測定キャビティ110の下面を形成している。つまり、測定キャビティが第1の筐体131と第2の筐体132の隙間により形成されている。
この構成例では、第1の筐体131の上面には測定モードなどを選択するボタン類135と、酸素飽和率(SpO2)や脈拍数を表示する表示部134が設けられている。表示部134には酸素飽和率と脈拍数が表示される。
可動機構133は、第1の筐体131と第2の筐体132との相対距離を変化させるように両者を可動するものである。この構成例では、可動機構133は第1の筐体131と第2の筐体132の蝶番のように取り付けてある。
図2はパルスオキシメータ100の筐体の動きを簡単に説明する図である。
ここに示す構成例では、第1の筐体131と第2の筐体132の端部をつまむことにより、図2(a)から図2(b)に示すように、第1の筐体131と第2の筐体132が略平行に対向し合う基本姿勢から可動機構133を軸として両者が上下に開いた開放姿勢まで可動する例となっている。
図2(b)の開放姿勢において、測定キャビティ110の開口が大きくなるとともに測定キャビティ110の内部空間が拡がり、被験者の被験部位である指を測定キャビティ110に受け入れる状態となる。図2(c)に示すように、被験者の被験部位である指を受け入れた後に、図2(d)に示すように、基本姿勢に戻せば、測定キャビティ110の開口が狭くなるとともに測定キャビティ11の0内部空間が狭まり、指が挿入された状態で太陽光や室内環境照明光が入射しない測定に適した姿勢となる。
上記の可動機構133の蝶番構造において、バネなどの弾性体136を仕込んでおいて軸と軸受に分離して軸部分も上下に拡がる構造とすることも可能である。図3は可動機構133の蝶番構造が弾性体136により軸と軸受に分離して軸部分が上下に拡がる様子を簡単に示す図である。このように可動機構133自体が上下に拡がるマージンを持っていれば特に指が太い大人であっても測定キャビティ110内に受け入れることが可能となる。
なお、この構成例では、図2に示すように、可動機構133を軸としてクロスして開閉するいわゆるクリップタイプの例となっているが、可動機構133により測定キャビティ110の開口を拡げたり開口を狭めたりできる構造であれば良く、例えば、可動機構133により第1の筐体131と第2の筐体132を略平行に移動させ、両者の相対距離を可変とする構造であっても良い。
次に、充填部材140について説明する。
充填部材140は、被験者の被験部位(指)と測定キャビティ110の内部空間との隙間を埋めるものであり、被験者の被験部位(指)が測定キャビティ内部空間で遊ばないように挟持せしめるものである。小児用や新生児用の専用のパルスオキシメータでない限り、測定キャビティ110のサイズは大人の指に合わせて設計されており、小児の指のサイズや新生児の指のサイズには合わないものである。その上、小児や新生児の指先は細い上に非常によく動き、意識的に指を静止させることが期待できない。そこで、充填部材140により小児や新生児の指と測定キャビティ110の内部空間との隙間を埋めて軽く挟んで固定する。
充填部材140の素材は測定に利用する波長λ1と波長λ2の光線を透過する素材が選択される。また、小児や新生児の指を優しく挟むために弾力性のある素材であることが好ましい。例えば、シリコーンなどがある。
充填部材140の形状は、例えば、小児や新生児の指の形状に沿いやすい湾曲形状の板材とする。
図4は、充填部材140の概略形状を示す図である。図1に示したパルスオキシメータ100の大きさに対して拡大された大きさで示されている。
図4(a)は正面図、図4(b)は背面図、図4(c)は横断面図である。
まず、充填部材140の曲面について説明する。
充填部材140は、図4(c)に示すように、湾曲している外面側の曲面の曲率に比べて内面側の曲面の曲率の方が大きい形状となっている。充填部材140の外面側の曲面は測定キャビティ110の内壁面の曲面に沿う曲率となっているが、内面側の曲面の曲率が大きくなっている。図4の例では、外面側の曲面の曲率がR=10であり、内面側の曲面の曲率がR=13.4となっている。また厚さは最薄の部分で1mmとなっている。このように、充填部材140は測定キャビティ110の内部空間の曲率変換用および高さ変換用の部材と言える。
このように、充填部材140は、測定キャビティ110の内部空間を低くかつ曲面の曲率を大きく変換することにより、測定キャビティ110の内部空間の自由度を小さくし、小児や新生児の指を優しく挟む程度の空間を形成する。
次に、充填部材140の窓部141について述べる。図4(a)に示すように、この構成例では、充填部材140は、窓部141が設けられている。窓部141は、充填部材140のうち、発光部121と受光部122に対応する位置に対応する位置に設けられている。つまり、窓部141は、測定機構120において、発光部121から受光部122への光線が透過する箇所に設けられている。
ここで、窓部141の素材は、充填部材140の基材の素材のまま、つまり、測定に利用する波長λ1と波長λ2の光線を透過する素材(例えばシリコーン)で形成する一方、窓部141以外の部分を波長λ1と波長λ2の光線を吸収する素材を練り込んで形成し、または、窓部141以外の部分に波長λ1と波長λ2の光線を吸収する素材を塗布して形成する。
このように、窓部141以外の部分を波長λ1と波長λ2の光線を吸収するものとしておくことにより、小児や新生児の指の隙間において測定キャビティ110内で反射して斜め方向などから光線が受光部に入射しないようにする一種のスリットとして、充填部材を機能させることができる。
図5は、受光部122の受光フィルタ124と窓部141のスリット機能との組み合わせの効果を説明する図である。図5(a)は受光部122の受光フィルタ124のみの場合、図5(b)は受光部122の受光フィルタ124に加え、窓部141のスリット機能が発揮される場合を示している。
図5(a)と図5(b)共通して受光部122に受光フィルタ124が設けられているので、波長λ1と波長λ2の光線は遮断され、受光素子に受光されることはなくなる。しかし、図5(a)に示すように窓部141のスリット機能がない場合、受光フィルタ124は波長λ1と波長λ2の光線は透過するため、発光部121から指を透過して受光部への直接入射する光線以外に、測定キャビティ110内で反射した外乱光線も通過して受光素子で受光されてしまう。一方、図5(b)に示すように、窓部141のスリット機能があれば、測定キャビティ110内で反射した外乱光線は、窓部141以外の部分において波長λ1と波長λ2の光線は吸収されるので、結局、図5(b)の場合は、発光部121から指を透過して受光部への直接入射する光線のみが受光部122の受光素子で検出されることとなる。このように、窓部141がスリット機能を備えることによりパルスオキシメータの酸素飽和率検出精度が向上する。
次に、充填部材140の取り替えについて述べる。充填部材140は、被験者の被験部位(指)が測定キャビティ内部空間で遊ばないように挟持せしめるものであるが、小児、新生児などは指の大きさが異なるので、1つの充填部材140ではすべての小児、新生児への対応ができない場合がある。そこで、小児、新生児など被験者の被験部位の指の大きさに応じた厚みのものを選択して充填部材140を取り替え可能とする。なお、図4の構成例では、充填部材140自体が測定キャビティ110の中に収まりやすいように、充填部材140の側面には測定キャビティ110の側面形状に合致する切れ込みが設けられており、測定キャビティ110に対して取り替えやすい構造となっている。
図6は充填部材140を取り替えることにより測定キャビティ110の内部空間を調整する様子を正面図において簡単に説明する図である。図6(a)は充填部材140を挿入していない場合の測定キャビティ110の開口部を見た図、図6(b)は小児用の充填部材140を挿入している状態の測定キャビティ110の開口部を見た図、図6(c)は新生児用の充填部材140を挿入している状態の測定キャビティ110の開口部を見た図を示している。図6(a)に示すように、充填部材140を挿入する前には測定キャビティ110の内部空間はデフォルトの大きさで大人の指に対応しているが、図6(b)に示すように、小児の指に対応する充填部材140bを挿入すれば測定キャビティ110の内部空間は狭くなり小児の指に対応する大きさに変換されている。また、図6(c)に示すように、新生児の指に対応する充填部材140cを挿入すれば測定キャビティ110の内部空間は狭くなり新生児の指に対応する大きさに変換されている。
次に、本発明のパルスオキシメータ100の使用手順の概略を示す。
図7は、本発明のパルスオキシメータ100の使用手順を示すフローチャートである。
本発明のパルスオキシメータ100は非常に小型で常に携帯できる程度の大きさであるので、前提として、医療従事者はポケットに入れて持ち歩いたり、ストラップの先端に取り付けてストラップを首にかけたりして常に携帯しているものとする。
まず、医療従事者は、医療行為の過程や検診において患者の酸素飽和率(SpO2)の測定が必要となった場合、小児、新生児など、通常の大人向けに設計されている測定キャビティ110では被験者の被験部位である指の大きさに合わないと思えば、適切な充填部材140を選択する(ステップS1)。なお、小児用(大)、小児用(小)新生児用など、数種類あるだけでも被験者の被験部位である指の大きさに合わせることができる。
次に、医療従事者は、本発明のパルスオキシメータ100の可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を拡げ、選択した充填部材140を測定キャビティ110内に挿入して取り付ける(ステップS2)。これにより、測定キャビティ110の内部空間の高さと内面の曲率が小児、新生児など被験者の被験部位に応じて変換される。
次に、医療従事者は、可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を拡げ、小児、新生児などの指を測定キャビティ110の内部空間に挿入し、可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を閉じてセットする(ステップS3)。
次に、医療従事者は、充填部材140を充填した本発明のパルスオキシメータ100を用いて通常の測定を開始する。
例えば、ボタン類の操作により本発明のパルスオキシメータ100を起動し(ステップS4)、測定モードや表示モードを選択し(ステップS5)、測定を開始する。
本発明のパルスオキシメータ100の測定機構120は発光部121から2つの波長λ1と波長λ2の照射光を交互に照射し、被験部位である指により減衰された透過光を受光部122で検出し、酸素飽和率(SpO2)の計算に必要なデータ処理、脈拍数の計算に必要なデータ処理が行われ、表示部134に測定結果が表示される(ステップS6)。
なお、停止はスイッチ類135の操作で停止する仕組みとしても良いし、被験者の被験部位が引き抜かれ、信号制御部125において脈拍の検出がなくなったと判定すれば、自動停止する仕組みとしても良い(ステップS7)。
以上、本発明のパルスオキシメータ100の基本的構造、基本的動作手順などを説明してきたが、種々の変形が可能である。
例えば、ピーク発光波長がλ1、λ2の2つのものとしたが、酸素飽和率(SpO2)の測定精度を上げるためにλ1、λ2とは異なる他の波長λ3、λ4などを用いる方式のパルスオキシメータ100であっても本発明は適用可能である。また、酸素飽和率(SpO2)以外に別の何らかの生体指標を併せて計測する複合型のパルスオキシメータ100であっても本発明は適用可能である。
実施例2として、パルスオキシメータの充填部材が粘土状の不定形素材で形成され、充填部材を被験部位に巻き付けて装着するタイプの構成例を説明する。
実施例2のパルスオキシメータ100aは、充填部材140aを除いて、実施例1のパルスオキシメータ100と同様の構造を持っており、本実施例2では充填部材140aを中心に説明する。
図8は、実施例2のパルスオキシメータ100aの充填部材140aを示した図である。充填部材140aは、粘土状の不定形素材で形成されており、手短に自由な形に成型でき、被験者の被験部位である指の形状やサイズに応じて自由に変形し、また、測定キャビティ110の形状に沿って自由に変形する。
充填部材130aの素材は、酸素飽和率(SpO2)の測定に用いるピーク発光波長λ1(例えば630nm)とピーク発光波長λ2(例えば900nm)のふたつの波長帯域の光線を透過させるものであり、かつ、粘土状の不定形素材であれば良い。例えば、ゲル樹脂材などゲル状で粘性が高く取り扱いやすい物質などで良い。
粘土状の不定形素材の充填部材140aであれば、図8(a)に示すように、小児や新生児の指の周りに簡単に巻き付けることができる。
次に、実施例2のパルスオキシメータ100aの使用手順の概略を示す。
図9は、実施例2のパルスオキシメータ100aの使用手順を示すフローチャートである。
まず、図8(a)に示すように、小児や新生児の指の周りに粘土状の不定形素材の充填部材140aを巻き付けて装着する(図9のステップ11)。
次に、図8(b)に示すように、そのままパルスオキシメータ100aの可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を開口し(図9ステップ12)、測定キャビティ110内に充填部材140aを巻いた指を置き、可動機構133を操作して測定キャビティ110の開口部を閉じれば、図8(c)に示すように、測定キャビティ110形に応じて充填部材140aの形が変形して測定キャビティ110内に収まる(図9ステップ13)。つまり、充填部材140aの形が自在に変形して測定キャビティの内部空間と被験者の被験部との隙間を埋めることが可能である。
次に、医療従事者は、充填部材140を充填した本発明のパルスオキシメータ100aを用いて通常の測定を開始する。これ以降は実施例1の図7に示したフローチャートと同様であるので詳しい説明は省略する。
実施例3のパルスオキシメータ100bは、その筐体がシリコーン製の袋体であり、袋体の中に被験部位である指を挿入するタイプの構成例を示す。
図10に示すように、実施例3のパルスオキシメータ100bは、測定キャビティ110b、測定機構120b、筐体130b、充填部材140bを備えた構成となっている。なお、図10では、説明を簡単にするため、ボタン類や表示などの図示は省略した。
まず、筐体130bは、シリコーン製の袋体であり、ある程度の可撓性を備えているものである。
測定キャビティ110bはシリコーン製の袋体の内部空間であり、この例では略筒型の細長い形状となっている。シリコーン製の袋体はある程度の可撓性を備えているので、測定キャビティ110bはある程度柔らかい素材で形成されることとなる。
測定機構120bは基本的には実施例1に示した測定機構120と同様で良い。袋体130aの内部に収められている。
充填部材140bはこの構成例では実施例2に示した充填部材140aと同様、粘土状の不定形素材で形成されており、手短に自由な形に成型でき、被験者の被験部位である指の形状やサイズに応じて自由に変形し、また、測定キャビティ110の形状に沿って自由に変形するものとなっている。
次に、実施例3のパルスオキシメータ100bの使用手順の概略を示す。
図11は、実施例3のパルスオキシメータ100bの使用手順を示すフローチャートである。
まず、小児や新生児の指の周りに粘土状の不定形素材の充填部材140bを巻き付けて装着する(図11のステップ21)。
次に、図10(b)に示すように、そのままパルスオキシメータ100bの筐体130bである袋体の開口を拡げ、(図11ステップ22)、測定キャビティ110内に充填部材140bを巻いた指を挿入し、測定キャビティ110bの内壁との空間が無くなるように袋体を軽く摘まめば、充填部材140bの形が適度に変形して測定キャビティ110の内壁と密着する(図11ステップ23)。つまり、可撓性ある袋体である筐体130bと充填部材140bの形がともに変形して測定キャビティの内部空間と被験者の被験部との隙間を埋めることが可能となる。
次に、医療従事者は、充填部材140bを充填した本発明のパルスオキシメータ100bを用いて通常の測定を開始する。これ以降は実施例1の図7に示したフローチャートと同様であるので詳しい説明は省略する。
以上、本発明のパルスオキシメータおよびパルスオキシメータにおける好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。従って本発明の技術的範囲は添付された特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものである。
本発明のパルスオキシメータは、被検体の脈拍数と血液中の酸素飽和度を非侵襲的に測定するためのパルスオキシメータに広く適用することができる。

Claims (6)

  1. 被験者の被験部位を受け入れる測定キャビティと、
    前記測定キャビティを挟んで対向し合う発光部と受光部を備えた測定機構と、
    前記測定機構での測定に利用する光線を透過する素材で形成され、前記被験者の被験部位と前記測定キャビティの内部空間との隙間を埋める充填部材を備え、
    前記充填部材により前記被験者の被験部位が前記測定キャビティ内部空間で遊ばないように挟持せしめることを特徴とするパルスオキシメータ。
  2. 前記充填部材が弾力性素材により形成された湾曲形状の板状体であり、湾曲している外面側の曲面の曲率に比べて内面側の曲面の曲率の方が大きく、測定キャビティの内部空間の曲面の曲率を変換せしめるものであることを特徴とする請求項1に記載のパルスオキシメータ。
  3. 前記充填部材が前記測定キャビティに対して取り替え可能な構造を備え、前記被験者の被験部位の大きさに応じた厚みおよび曲率のものを選択して前記充填部材を取り替え可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載のパルスオキシメータ。
  4. 前記充填部材のうち、前記発光部と前記受光部に対応する位置の部分のみを前記測定機構での測定に利用する光線を透過する素材で形成し、他の部分を前記測定機構での測定に利用する光線を吸収する素材で形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のパルスオキシメータ。
  5. 筐体として第1の筐体部分と第2の筐体部分と前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分の相対距離を変形可能とする可動機構とを備え、
    前記測定キャビティが前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分の隙間により形成され、前記被験者の被験部位を受け入れる際に前記測定キャビティの内部空間を拡げ、前記被験者の被験部位を受け入れた後に前記測定キャビティの内部空間を狭めることを可能としたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のパルスオキシメータ。
  6. 前記充填部材が粘土状の不定形素材で形成されたものである請求項1から5のいずれか1項に記載のパルスオキシメータ。
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