JP6952230B1 - エア式フェイスガード - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本実施形態に係るエア式フェイスガード1は、頭部へ装着可能な装身具としての帽子2(鍔付きキャップ)と、帽子2の鍔21の下面に取り付けられるエアチャンバ3と、エアチャンバ3に一端が接続されるエアパイプ4と、エアパイプ4の他端に接続される送風機5とを備える。
吹出口31は吹出口32,33よりも前方であって膨出部側に5個配設された前方吹出口である。
すなわち、図2に示されるように、中央吹出口31,32,33には、チャンバ中央部35の内縁側に配置された内縁吹出口32,33と、内縁吹出口32,33よりも前方であって膨出部側に配置された前方吹出口31とがある。
吹出口31は、図2に示すように、前方2個と後方3個とで前方に向かって二層にわかれて配置されている。
各吹出口31の直径は9mmであり、各吹出口32の直径は8mmであり、各吹出口33の直径は7mmである。
左右のチャンバ側部36,36における吹出口34は、当該チャンバ側部36の湾曲形状に沿って8個ずつ並んだ側部吹出口である。各吹出口34の直径は5mmである。
このようにエアチャンバ3に形成された吹出口31〜34の開口面積は、その左右両端側から中央側に向かうにつれて開口面積が大きくなっており、チャンバ中央部35の開口面積は左右のチャンバ側部36,36の開口面積よりも大きい。
なお、本実施形態では右側のチャンバ側部36の開口面積と左側のチャンバ側部36の開口面積は等しい。
また、後述する送風機本体8が二つである場合、エアパイプ4は送風機本体8に応じて二つ備えられる。この場合、二つのうちの一方のエアパイプ4はエアチャンバ3の左右一方の端部と一方の送風機本体8とに接続され、二つのうちの他方のエアパイプ4はエアチャンバ3の左右他方の端部と他方の送風機本体8とに接続されることとなるので、各送風機本体8の送風を調整することで、エアチャンバ3の左右一方の端部へ供給するエアの風量と左右他方の端部へ供給するエアの風量を調整できる。
更に、エアチャンバ3内の左右中央に仕切り板37(図2(A)、図2(B)参照)を設けることで、左右の気圧調整を行うことができる。このため、例えばエア式フェイスガード1の使用者に対して左右一方側に第三者がいる場合には、左右一方側から吹き出すエアの風量だけを増やすことができる。加えて、エアチャンバ3の左右の内部空間に通じる連通部としての一つまたは複数の孔やスリット38を仕切り板に形成することで、例えば供給するエアの8〜9割がエアチャンバ3から吹き出し、1〜2割が左右に行き交って気圧調整するようにも構成できる。
仕切り板37は、図2(B)に示すように、本実施形態ではエアチャンバ3の内部形状に沿って略矩形板状に形成されており、その下縁371で開口したスリット38が形成されている。
スリット38は、図2(B)に示すように、下縁371から立ち上げられた一対の立上げ辺381と、一対の立上げ辺381に連続した半円形状の上底部382とを有して形成されているが、これに限らず、エアチャンバ3の左右の内部空間を連通できればよく、三角、四角等の多角形状その他各種形状であってもよい。エアチャンバ3の左右の内部空間を連通するスリット38の開口面積は、本実施形態では左半分(または右半分)の吹出口31〜34の合計開口面積の2割程度となるように、前述した各吹出口31〜34の個数および開口面積に応じて0.9cm2程度としてもよい。
複数の吹出口31のうち左右中央に位置する吹出口31Aは、スリット38の開口とつながっている。このため、吹出口31Aからのエアの吹き出しに対して仕切り板37が障害となることを避けている。なお、図2(B)に示す吹出口31Aには下方に延出した筒部311が設けられており、この筒部は、他の吹出口31〜34に設けられていてもよく、筒部311を設けることにより、エア出力を変えずに風速を上げることが期待できる。ただし、筒部311がなくても十分な風速が得られる構成であれば、筒部311を省略してもよい。
送風機本体8は、エア吸入口からエア供給口へエアを送るファンと、エア吸入口に交換可能に設置されたエアフィルタとを備えている(図示省略)。ファンには一般的な小型ファンを採用可能である。エアフィルタには、飛沫やエアロゾルなど空気中を浮遊する微粒子を高確率で捕集できる性能を有するものであれば種々のものが採用可能であるが、日本検定規格DS2(使い捨てマスクの規格)または日本検定規格RS2(フィルタ交換式マスクの規格)以上の性能を有するものが望ましく、さらには液体防御機能を有する日本検定規格RL2(耐ミスト性のあるフィルタ交換式マスクの規格)以上の機能を有するものが望ましい。また、エアフィルタには、米国NIOSH規格のN95以上の性能を有するものが望ましく、さらには米国の医療用マスク規格ASTMにあるような湿性生体物質などの液体防御機能を有するものが望ましい。
送風機本体8のエア吸入口は、エアチャンバ3から吹き出すエアによって形成されるエアカーテンの下流側、例えばエア式フェイスガード1の胸当たりに上向きに取り付けてもよい。この場合、エアカーテンによって下方にいなした飛沫などを効率的に捕集できる。
以下、本実施形態に係るエア式フェイスガード1の使用の一例を説明する。なお、エア式フェイスガード1の使用はこの一例に限定されない。
送風機5は、本実施形態では使用者が着用するチョッキ等の衣服に装着されており、外部からの電力供給は不要であって何処でも送風可能な形態となっている。
送風機5は、エアパイプ4によってエアチャンバ3と接続される。エアパイプ4の伸縮部41は、使用者が帽子2を被った状態で、エアチャンバ3および送風機5の間の距離に応じて適切な長さに伸縮調整される。エアチャンバ3および送風機5の間の距離は、使用者の体型等に応じて様々である。なお、蛇腹状の伸縮部41が過度に長くならないように適切な長さに調整しておくことで、空気抵抗の余分な増大を抑えることが可能である。
使用者が帽子2を被った状態においては、エアチャンバ3は図1に示すように顔の前面に対して前方且つ上方に配置される。このとき、エアチャンバ3の下面30に形成された吹出口31〜34は、エアを下方に吹き出す向きとなる。
具体的には、スイッチ7をオンにして電源6から送風機本体8に電力供給し、ファンによってエア吸入口からエア供給口へエアを送り、エア供給口からエアパイプ4を介してエアチャンバ3にエアを供給する。このとき、エア吸入口から吸入されるエアはエアフィルタを通ることで飛沫、エアロゾルなどの微粒子が除去され、エアチャンバ3には浄化されたエアが供給される。
本実施形態では、チャンバ中央部35の開口面積が左右のチャンバ側部36,36の開口面積よりも大きいので、飛沫が主に飛び出したり飛び込んだりしてくる方向である顔の正面側(前面側)において風量が増えている。このため、スイッチ7の風量調整操作をして全体風量を増やさなくても、チャンバ中央部35から吹き出すエアの風量を十分に確保でき、飛沫を効果的に下方に落とせる。
特に感染確率が高いと考えられる大きな飛沫を下方にいなすことで、この飛沫が目・鼻・口に直接入ることを抑制できると共に、飛沫落下部分が広範囲に広がることをも抑制できてソーシャルディスタンスを短くできる。
一方、すでに空気中に浮遊しているエアロゾルは、前述したエアフィルタで捕集することができるので、浄化されたエアが一方向に連続して使用者の目・鼻・口周りに吹き出し続ける。このため、使用者は浄化されたエアを吸い続けることとなるので、空気中に浮遊するエアロゾルを吸い込む確率を下げられる。また、エア式フェイスガード1では、室内空間全体の空気を対象とした空気清浄機と比べ、使用者の身周りの空気だけを浄化するので、浄化対象の空気体積が著しく少なくなり、高効率かつ省エネルギーで、大幅に時間短縮できる。なお、前述したエアフィルタによって室内空間を浄化することにもなるので、その室内を使用する以前から空気中に浮遊しているエアロゾルも除去した安全な空気を提供でき、例えば厳冬期における室内換気の時間や頻度を削減でき、室内環境の快適性や省エネルギーにも貢献し得る。
前記実施形態では、吹出口31〜34は、前述した直径および個数とされているが、これに限らず、使用目的や環境に応じて適宜設定可能である。また、吹出口31〜34の開口形状はエアを効率的に吹き出す形状であればよいので円形形状に限らず、三角、四角等の多角形状でもよく、また例えば図3(A)や図3(B)に示す変形例のようにスリット状の吹出口51〜53とされてもよい。
また、送風機5が帽子2等の装身具ではなく、チョッキ等の別の場所に設けられる場合であっても、エアパイプ4の伸縮部41を伸縮させる必要のない配置である場合には伸縮部41を省略してもよい。
本発明のエア式フェイスガードは、水平方向に対して下向きに流れるエアカーテンを形成するエアチャンバと、前記エアカーテンが頭部前半面に沿う位置に前記エアチャンバを固定する固定具とを備える。
本発明のエア式フェイスガードによれば、使用者・対面者の間で行き交う飛沫やエアロゾルをエアカーテンによっていなすことができる。このため、呼吸・飲食などの障害になるプラスチックシールド等の物理的障害を配置することなく、飛沫、エアロゾルなど空気中を浮遊する微粒子などを吸入する確率を下げることができる。また、エアカーテンによって飛沫などの軌道を下向きに曲げることで、飛沫などが広範囲にまき散ることを抑制できる。
このような構成によれば、例えば固定具が使用者の周辺設備に取り付けられる場合と比べて、携帯性に優れ、各人が自由に持ち歩くことができる。更に、使用者が移動しても、エア式フェイスガードと使用者の頭部前半面との位置関係を一定に保つことができる。
このような構成によれば、エアチャンバを外部の送風設備に接続しなくてもエア式フェイスガードを作動させることができ、携帯性に優れ、様々な場所でエア式フェイスガードを使用できる。
このような構成によれば、エアカーテンによっていなした飛沫やエアロゾルをエア吸入口から回収でき、その際、エアフィルタによってエアを清浄化できる。これにより、空気中の飛沫やエアロゾルを清浄化でき、また、使用者の頭部前半面(顔面全体)に沿うエアカーテンを形成するエアが清浄化されるので、使用者が飛沫、エアロゾルなど空気中を浮遊する微粒子などを吸入する確率を下げることができる。
このような構成によれば、様々な環境に応じた風量に適宜調整できる。
このような構成によれば、咳などで水平方向に10m/秒程度で吐出された飛沫などの運動方向を下向きに曲げることができる。
前記エアチャンバには、当該エアチャンバの内部空間を左右に仕切る仕切り板が形成され、
前記仕切り板は、左右に仕切られた前記内部空間同士を連通する連通部を有してもよい。
このような構成によれば、各送風機の風量調整部による風量調整によってエアチャンバの左右の内部空間を通じて吹出口から吹き出すエアの風量を左右で調整しつつ、左右の内部空間のエアを仕切り板の連通部を通じて行き交わせることで適度に気圧調整できる。
このような構成によれば、エアパイプが伸縮可能なので、使用状況に応じた適切なエアパイプの長さに適宜調整できる。
このような構成によれば、チャンバ中央部を顔の中央前方に配置し、且つ、左右のチャンバ側部を顔の左右側方に配置することで、顔の中央前方(鼻および口の前方)および顔の左右側方(左右の耳側)に沿ってエアカーテンを形成できる。
このような構成によれば、チャンバ中央部を顔の中央前方に配置し、且つ、左右のチャンバ側部を顔の左右側方に配置することで、顔の中央前方(鼻および口の前方)を流れる風量を、顔の左右側方(左右の耳側)を流れる風量よりも増やすことができる。これにより、全体送風量を増やすことなく顔の中央前方において使用者の口腔飛沫等をより確実に防ぐことができる。
このような構成によれば、風向調整体の操作によってエアカーテンの風向を変えることができ、様々な使用者に応じてエアカーテンを適切な位置に形成できる。
Claims (11)
- 水平方向に対して下向きに流れるエアカーテンを形成するエアチャンバと、前記エアカーテンが頭部前半面に沿う位置に前記エアチャンバを固定する固定具とを備え、
前記エアチャンバは、前記エアカーテンを形成するエアを吹き出すチャンバ中央部および左右のチャンバ側部を有し、
前記チャンバ中央部は前記左右のチャンバ側部よりも前方に膨出した膨出部を有し、
前記エアチャンバの下面であって、前記チャンバ中央部には中央吹出口があり、
前記エアチャンバの下面であって、前記左右のチャンバ側部には側部吹出口があり、
前記中央吹出口には、前記チャンバ中央部の内縁側に配置された内縁吹出口と、前記内縁吹出口よりも前方であって前記膨出部側に配置された前方吹出口とがあるエア式フェイスガード。 - 前記前方吹出口は、前方に向かって二層にわかれて配置されている請求項1に記載のエア式フェイスガード。
- 前記エアチャンバに接続されるエアパイプと、前記エアパイプに接続される送風機とを備える請求項1または請求項2に記載のエア式フェイスガード。
- 前記送風機は、エア吸入口と、前記エア吸入口から吸入されるエアが通るエアフィルタとを備え、
前記エア吸入口は前記エアカーテンの下流側に配置される請求項3に記載のエア式フェイスガード。 - 前記送風機は、前記エアチャンバに供給するエアの風量を調整操作可能な風量調整部を有する請求項3または請求項4に記載のエア式フェイスガード。
- 前記風量調整部は、前記エアチャンバから吹き出すエアの最大風速を15m/秒以上に調整可能に構成される請求項5に記載のエア式フェイスガード。
- 水平方向に対して下向きに流れるエアカーテンを形成するエアチャンバと、前記エアカーテンが頭部前半面に沿う位置に前記エアチャンバを固定する固定具と、前記エアチャンバに接続されるエアパイプと、前記エアパイプに接続される送風機とを備え、
前記送風機は、前記エアチャンバに供給するエアの風量を調整操作可能な風量調整部を有し、
前記エアチャンバは、前記エアカーテンを形成するエアを吹き出す吹出口がそれぞれ形成されたチャンバ中央部および左右のチャンバ側部を有し、
前記左右一方側のチャンバ側部に接続される左右一方側の前記エアパイプおよび前記送風機と、前記左右他方側のチャンバ側部に接続される左右他方側の前記エアパイプおよび前記送風機とを備え、
前記エアチャンバには、当該エアチャンバの内部空間を左右に仕切る仕切り板が形成され、
前記仕切り板は、左右に仕切られた前記内部空間同士を連通する連通部を有するエア式フェイスガード。 - 前記エアパイプの少なくとも一部は、伸縮可能に蛇腹状に形成される請求項4から請求項7のいずれか一項に記載のエア式フェイスガード。
- 前記中央吹出口の開口面積は、前記左右の側部吹出口の開口面積よりも大きくされる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のエア式フェイスガード。
- 前記前方吹出口の開口面積は、前記内縁吹出口よりも大きく、前記内縁吹出口の開口面積は、前記左右の側部吹出口の開口面積よりも大きい請求項9に記載のエア式フェイスガード。
- 前記エアチャンバには、当該エアチャンバからのエア吹出方向を変更する風向調整体が設けられる請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のエア式フェイスガード。
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